・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・国際
・入管
・イスラエル/パレスチナ

・アフリカ
・文化
・アジア
・欧州
・人権/反差別/司法
・農と食
・医療/健康
・核・原子力
・中東
・地域
・市民活動
・検証・メディア
・環境
・難民
提携・契約メディア
・AIニュース


・司法
・マニラ新聞

・TUP速報



・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus

・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2025年05月24日
・2025年05月23日
・2025年05月19日
・2025年05月17日
・2025年05月16日
・2025年05月12日
・2025年05月11日
・2025年05月10日
・2025年05月09日
・2025年05月05日
|
|
2017年12月13日08時44分掲載
無料記事
印刷用
中東
【西サハラ最新情報】 エルサレムは誰のもの? 平田伊都子
「引っ越ししま~す!」と、2017年12月5日にアメリカ大統領トランプが、アッバス、アブドッラー、シシ、サルマーン、などに、電話をかけまくりましたネ、、それぞれの国名はパレスチナ、ヨルダン、エジプト、サウジアラビアといったパレスチナとパレスチナ問題に関わる近隣諸国です。 イスラエルのテルアビブにあるアメリカ大使館を、国連未確定地域であるエルサレムへ引っ越しさせるそうなんですが、近隣諸国も欧州諸国もこの引っ越しに反対しました。 ところが翌日の12月6日、アメリカ大統領トランプは、「エルサレムはイスラエルのもの」と、あの気持ち悪いジェスチャーでケロッと、世界を仰天させる宣言をしたのです!
(1)エルサレムは誰のもの?: トランプのお陰で、「エルサレムは誰のもの?」と、埃をかぶった問題が日向に運び出された。トランプの思惑はどうあれ、大掃除が始まったのだ。 そもそも、エルサレムの町は紀元前からパレスチナの地にあるんだから、その時代時代で統治者が変わっても、「エルサレムはパレスチナ人のもの」と、判断するのは当然のことだ。ところが、パレスチナ人を銃でパレスチナの地から追い出したユダヤ人が、パレスチナにイスラエルを建国した時、「エルサレムはユダヤ人のもの」と、ユダヤ人が主張した。1948年のことだ。 イスラエル建国に反発したアラブ人は、イスラエルと4度にわたる中東戦争を戦う。 国連は第三次中東戦争後の和平交渉で、懸案のエルサレムを国連管理下の地とし、東エルサレムをアラブ・パレスチナに西エルサレムをイスラエルに仮分配した。1967年だ。 以来、エルサレムの最終的地位は両当事者の和平合意に委ねるというのが、国際認識になっている。つまり、エルサレムは誰のものとも決まっていないのだ。 そこに突然トランプ米大統領が、「エルサレムはイスラエルのもの」と、国連決議も国際契約も無視して一方的に気紛れな宣言をした。ちょっと待ってよ、トランプさん。エルサレムはイスラエルのものではない!アメリカのものでもない!!ましてや、トランプさん、あんたのものではない!!!
(2)国連に電話をしなかったトランプ: 12月7日の国連ヌーン・プレス・ブリーフィングで、「トランプはグテーレスにもエルサレム引っ越しに関して、電話をしたのか?」と、記者が質問した。「いや、してない」と、ファルハン・ハック副報道官が答えた。トランプ大統領はまず、エルサレムを国際管理している国連に引っ越しを報せるべきだった。エルサレムの鍵を持っているのは、国連なんだから、、国連事務総長代理のニコライ・ムラデノブは、パレスチナVSパレスチナ紛争再勃発を懸念して「全ての、政治的、宗教的、地域的指導者たちに、挑発に乗るような行動や言動を控える様に緊急要請をした」と、表明した。さらにニコライは、国連は二国共存解決を目指すと、付け加え、「there is no Plan B to the two state solution二国共存解決以外のB案は存在しない」という国連事務総長の言葉を繰り返した。 12月7日のBBCは、「アメリカ国連大使ニッキ・ヘイリーは、<国連はイスラエルとパレスチナ間の平和的未来を台無しにした>と、非難した。さらに彼女は、<国連は、イスラエルにたいして非情な敵対行為のセンターだ>と、糾弾した。ヘイリーは、トランプ大統領が引っ越しを宣言した後、安保理の緊急会議を呼びかけた。そして彼女は、<エルサレムは紛れもなくイスラエルの首都で、イスラエルは、イスラエルの安全を脅かす国連やその他の組織に威かされた交渉に応じるつもりはない>と、断言した」と、伝えた。 12月8日のロイターが「米国務長官テイラーソンは、<米大使館の引っ越しは今年や来年にはないだろう、実務的な作業に時間がかかる>と表明」と、伝えている。さらにロイターは、「1995年にアメリカ議会はアメリカ大使館の引っ越しを可決しているが、最終的なエルサレムの地位はイスラエル、パレスチナの和平交渉の課題でもある」との、テラーソン見解も明らかにしている。 「アメリカ議会が勝手に決めたことで、国際的な拘束力はない」と、アラブ諸国はトランプ引っ越しに反発している。11月8日、パレスチナ国連代表リヤド・マンスールは「トランプの引っ越しは、アメリカがもはや、和平仲介者ではなくなったことを意味している」と、語った。同日、パレスチナ側の和平交渉団団長サエブ・エラカトは、「トランプが彼の宣言を撤回しないうちは、アメリカと話しをする気などさらさらない」と、語気を強めた。
(3)エルサレムはイスラエルの首都ではない: <エルサレム>というビッグビッグ・クリスマスプレゼントに大喜びのネタニヤフ首相は、「≪他の国>も引っ越しすると言ってるよ」と、語った。まさか?日本がアメリカに追随する、その<他の国>の中に入ってないでしょうね? イスラエル国連代表ダニ―・ダノンは「アメリカありがとう!引っ越しは、イスラエルのため、平和のため、そして世界のための金字塔だ」と、絶賛した。 一方、アラブ連盟もイスラム諸国会議も、トランプ大統領の「エルサレムはイスラエルのもの」宣言の撤回を求めた。12月11日にはEU外相会議でモグリーニEU副大統領がイスラエル首相ネタニヤフに直接、「エルサレムの地位は当事者の直接交渉で最終的に決定される。EUは国際的な合意を尊重する。イスラエルとアメリカに与することはない」と、明言した。同日、フランス大統領マクロンも、「エルサレムはイスラエルのものというトランプの宣言は国際法違反だ。反対!」と、ネタニヤフに念を押した。 「いい加減に、パレスチナ人は現実を認識しろよナ!」と、ネタニヤフは嘯いた。 「いい加減に、国連は国連に逆らい続けるアメリカに、制裁を検討しろよナ!」という声が、国連加盟国の中から上がってきた。 そして、12月10日にモロッコの首都ラバトで、約5万人のモロッコ官製デモンストレーションが行われた。スローガンはなんと、「エルサレムは我々のもの」だった!!
アメリカ大統領トランプが「エルサレムはイスラエルのもの」と宣言して以来、パレスチナでは毎日、イスラエルとアメリカに抗議するデモンストレーションが続いています。 そして、モロッコ国王モハンマドⅥ世陛下は「パレスチナ人の味方をする」と、宣言されました。 陛下、西サハラ人もパレスチナ人と同様に、祖国を占領されて難民や二級市民の苦渋を背負いながら、帰還と独立を目指しています。 陛下、<パレスチナ>という言葉を<西サハラ>に置き換えてみませんか? 「西サハラ人の味方」、「西サハラは西サハラ人のもの」、陛下が支持される、<パレスチナの大義>は一点の曇りもなく、<西サハラの大義>に整合します。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年12月13日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
西サハラの国旗、真ん中の月星マーツを取ると、パレスチナの国旗





|