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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年07月08日02時34分掲載
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政治
日本の反動政治 総裁選で三選間近の安倍晋三と皇帝になったルイ・ナポレオン
戦後70年以上続いた日本国憲法といわゆる戦後民主主義が揺らいでいる。それが顕著になったのは第二次安倍政権が発足してからだが、政治学者の中野晃一氏によると1980年代の中曽根政権から脈々と続く右傾化である。こうした政治の変化は戦後民主主義を大切にしてきた人々や左翼の人々にとっては極めて深刻な時代と感じられている。
世界の歴史を振り返れば日本とフランスとで政治風土も歴史も異なるとはいえ、19世紀にカール・マルクスが書いた「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」が示唆に富むのではなかろうか。フランス革命の反動期に革命の精神を裏切って皇帝になったナポレオン1世。そしてその甥であるルイ・ナポレオンが再び1851年にクーデターで権力を掌握したばかりでなく、国民投票で信任され、翌年皇帝になったことだ。この1851年といえば1848年の二月革命で普通選挙制度(男性だけだったが)を実現させてわずか3年後である。
フランスの近代史というと1789年のフランス革命で自由・平等・博愛がうたわれ、そのまま民主主義に向かって進化してきたように見られがちだが、19世紀に皇帝が二人も出ているし、王政の復活もあり、実に進歩と反動を繰り返して進んでおり、一筋縄ではなかった。安倍首相とその取り巻きに関して、これまでに様々なスキャンダルやアベノミクスの失敗などが報じられ、さらに官僚の公文書改ざんまで起きていながら、今でも手堅い支持率を維持しているだけではなく、秋には総裁選の三選も射程に入ってきたことを考えると、ルイ・ナポレオンがクーデターを起こして皇帝になっただけでなく、民主主義のもとで国民投票による信任さえ得ていたこととどこか似ているように思える。つまり日本は政治的な反動期に入っているのではないか、ということだ。そしてルイ・ナポレオンの帝政が終焉するのが普仏戦争でルイがプロイセン軍の捕虜となった1870年である。したがって約20年間、反動時代が続いた。帝政を終わらせたのは敗戦だったのである。
19世紀フランスと現代日本と簡単に比較はできないが、反動期に入って、もしかするとかなり長期化するのではなかろうか。それが可能となるのは日本の産業界が安倍政権の継続を望む場合である。今日、グローバル化の中で企業の国際競争も激化する中で国家が産業のために軍事力の行使もいとわず、市場や生産基地の拡大と確保に協力するならば、産業界の安倍政権への期待は限りなく大きいものになるだろうし、産業界と手を取る労働組合も協力する可能性が高い。産業界が支持している、というところが最大の安倍政権のパワーの源泉だろう。そうなると、マスメディアも支持する。少々の逸脱があっても産業界に便宜を図ってくれるなら、いつまでも安倍さんを支持しますよ、というのが産業界の基本姿勢になっているように思われる。これは戦前のドイツの場合とよく似ている。しかし、安倍政権は米国とどこまでも寄り添っていく姿勢を見せており、そこが産業界にとっては安心材料ということなのだろうか。まさか米国と組して敗戦になることはないだろう、という読みかもしれない。労働組合が経営陣と手を携えて安倍政権を支持する限り、安倍首相は安泰だろう。労組が協力すれば安倍首相は一生、首相・・・ということもかなうかもしれない。
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