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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2023年07月01日17時48分掲載
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欧州
観光省大臣、窮地に! チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
観光省大臣であるダニエラ・サンタンチェ氏が自身の会社経営に関して、コンソブ(COMSOB 全国企業と証券取引所委員会)とミラノ検察庁から捜査を受けている。虚偽の会計、従業員への未払い、パンデミック中に企業に支払われた資金の不正使用などである。 国営放送ライの番組「レポート」により告発されたこの事件は、メローニ内閣を揺るがす大きな事件になる可能性もある。というのも、サンタンチェ氏は、経済大臣のジャンカルロ・ジョルジェッティ氏に自身の会社ビジビリア社が倒産しないように頼み、しかもその見返りとして税務庁に支払うべき金額の3分の2を10年間に渡って支払うという提案をしているというのだ。 これが事実なら、大臣が公的資金を私的に利用したことになり、さらにそれを隠すために経済大臣を金で取り込もうとしたことになる。
6月28日、国会で政府は民主党から出された労働法令に対する議題に好意的な態度を示した。その議題の内容は、新型コロナウィルスの人員削減基金を不正に利用した事業者を制裁することを行政府に義務付けるものとなっている。その中にはサンタンチェ氏の会社で問題となっているビジビリア社も明記されており、パンデミック時期にサンタンチェ氏は同社の株式を48,6%所有していたとも明記されている。
民主党の議題に賛成したのは、イタリアの同胞の議員56.08%、フォルツァ・イタリアの議員57%、同盟の議員70%だった。これらの党は右派であり、同盟の議員からはもし資金の不正利用が事実なら、サンタンチェ氏は責任を取るべきだとの意見も出ている。ビジビリア社は雑誌の出版や広告作成を専門とした会社であり、2014年には株式資本で540万ユーロ(約8億4千万円)のマイナスを出している。2018年には、820万ユーロ(約12億7千万円)のマイナスとなった。 その後、新型コロナウィルスが始まるわけで、政府からの援助金を会社経営立て直しに当てたと考えるのは、それほど間違ってはいないと思う。サンタンチェ氏本人は強気で、7月5日の国会での質疑応答ですべてを話すと言っている。 ビジビリア社は、「Open to melaviglia」というイタリア観光を促進するキャンペーンを行っており、観光省大臣が自身の会社で観光キャンペーンのための広告を作成していることになる。この構図は、どうなのだろうか。
この事件を調べているうちに、サンタンチェ氏の企業家としての驚くべき顔が見えてきた。それは次回の記事で、じっくり説明したいと思うが、メローニ政権がサンタンチェ氏をかばう姿勢を見せたら、命取りになる可能性は大きい。
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