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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年06月10日18時29分掲載
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沖縄の基地問題をアメリカに学ぶ 村上良太
昨今、沖縄の基地の移設問題をきっかけに日米安保条約の是非について居酒屋などで一般人が盛んに論じている、といわれています。イラクではイラク戦争後すでに主権移譲がなされたのに戦後65年近く経ても未だ日本はアメリカの属国なのではないか。そんな怒りがその根底にあるようです。しかし、そもそもアメリカ人はその建国以来、自由とか独立を重んじていたのでは?そんなことを考えさせる一冊の本に出会いました。
トーマス・ペイン(Thomas Pain1737-1809)の「コモン・センス(Common Sense)」です。この本は独立宣言の出された1776年に刊行され、アメリカで空前のベストセラーになったそうです。 今、世界を指導しているアメリカもかつてはイギリスの植民地でした。アメリカ人は英国から独立するために戦い(1775-1783)、自ら独立を勝ち取りました。当時、思想的なよりどころになったのが「コモン・センス」です。その後中南米や中国などで独立を勝ち取ろうとした人々までもバイブルのようにしてこの本を手に取って読んだと言います。確かにこの短いパンフレットを読むといろいろ興味深い記述に出会います。
以下は<アメリカの現状を考える>という章です。
「アメリカはこれまでイギリスとの結合によって繁栄したのだから、将来の幸福のためにも同じような結合が必要であり、またそうするなら同じ結果が常にえられる、とある者が主張しているのを聞いたことがある。だが、この種の議論ほどばかげたものはない。」
「あぁ、長い間われわれは昔ながらの偏見に支配され、また迷信にとらわれて大きな犠牲を払ってきた。イギリスがわれわれを守った動機が愛情ではなくて打算であることを考えもしないで、またイギリスはわれわれのためにわれわれの敵から守ってくれたのではなく、イギリスのためにイギリスの敵からわれわれを守ったことを考えもしないで、その保護を誇りにしてきた。ところで、この敵はこの理由以外にはわれわれと争ったことはない。しかし、これから先も従来と同じ理由によって、常にわれわれの敵となるだろう。」
「コモン・センス」によると、この敵とはフランスとスペインのようです。 次は<アメリカの現在の力について、合わせて種々な意見を述べる>という章です。
「恐らく人は言うだろう、和解したらイギリスが守ってくれる、と。その人は、イギリスがそんな目的でアメリカの港に軍艦を停泊させておくと考えるような、愚かな人間なのか。常識からすれば、われわれを屈服させようとしてきた国は、われわれを守るにはとりわけ不適切な国だということがわかるだろう。」
「イギリスの軍艦がアメリカの港に入ることができなければ、どうしてわれわれを守ることができようか。3〜4000マイル離れたところにいる海軍は、あまり役に立つはずはない。まして突発的な危急の再には、全く役に立たない。したがって今後自衛しなくてはならないとしたら、なぜ自分自身で守ろうとしないのか。どうして他人の手を借りようとするのか。」
アメリカ人にとって沖縄の基地問題は建国時代から繰り返し語り継がれてきた古典的なテーマのようです。彼らはわかっているのです。
■岩波文庫「コモン・センス」(小松春雄訳)を参照した。
村上良太
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転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
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