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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2013年02月22日00時21分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】ロシア、チェリャビンスクに隕石落下−ロシアの核施設からわずか90キロの近さ あわや第二のチェルノブイリ 山崎久隆
「異常な天災地変とは隕石落下など」と説明されて、「まあそんなことは、ほとんどあり得ない」と妙に納得していたのではないだろうか。2月15日にロシア、ウラル地方に落下した隕石は、最も近い町の名前が「チェリャビンスク」と聞いたとたんに、背筋が凍り付いた人もいたであろう。ソ連時代に核兵器開発の拠点だった「秘密都市チェリャビンスク65」と「プルトニウム生産施設マヤーク核施設」は、核実験場とともに、旧ソ連の大規模放射能汚染現場になった施設だからだ。
東西冷戦時代に、米国と競った核兵器開発競争で発生した大量の放射性廃棄物が、チェリャビンスクの近郊テチャ川に捨て続けられた。また、核兵器の開発のためにプルトニウム生産が行われ、それが1990年まで続いた。
1957年9月29日、この原子力施設で爆発事故が発生した。当時5基の原子炉と再処理施設を有していたマヤーク施設で、高レベル廃液を貯蔵していたタンクの冷却装置が故障し、崩壊熱で高温になった廃液タンクが爆発した。 爆発規模はTNT火薬に換算して70トンほどで、およそ1000メートル上空まで放射性廃棄物を巻き上げ、北東方向に幅約9km、長さ約105kmの帯状で汚染地域を形成、約1万人が避難した。これら避難者は1週間の間に平均520ミリシーベルト、最高720ミリシーベルトを被曝した。レベル6の事故とされた。チェルノブイリ原発事故までは史上最悪の事故だった。
隕石が落下したのは、この地域である。ここには再処理工場から出た放射性廃棄物貯蔵施設があり、BN600と建設中のBN800高速増殖炉がある。
隕石は空中でいくつかに分かれ、大半は大気圏で燃え尽きたとみられるが、近くの湖などにも落下した破片があり、全部が燃え尽きたわけではないようだ。 幸い、地上落下ではなかったが、発生した衝撃波で少なくても4474棟の建物に被害が出ている。1158人が負傷し、中には隕石にあたり重傷を負った人もいるようだ。幸い、まだ死者は確認されていない。
もし、この10〜15トンの隕石が、地上の核施設を直撃していたらと思うと、ほんとうに恐ろしくなる。マヤークの核分裂生成物を貯蔵しているサイトから隕石の一部が落下したとみられるチェバルクリ湖との間は90キロメートルしか離れていない。直撃を免れたとしても、核施設周辺に今も広がる汚染地帯に落ちれば、巻き上げられた放射性物質を含む塵が拡散し、再度大規模汚染事故を起こす恐れ もあった。
この地域は今でも高いレベルの空間線量を観測している。 隕石の核施設落下は「荒唐無稽」な話ではなかったのだ。
◆[マヤーク核施設] 中国新聞より 正式名称は「マヤーク生産協同体」。ソ連時代は、施設内の工場などで働く労働者らが住む秘密都市(現オジョスク市)と併せ「チェリャビンスク65(旧チェリャビンスク40)」のコード名で呼ばれ、地図にも表記されなかった。 1948年6月、兵器用プルトニウム生産のための最初の原子炉が稼働。半年後の12月には再処理施設も操業を開始。1949年2月、プルトニウムを初めて取り出した。その後、同じ目的の原子炉を5基造ったが、1990年11月までにいずれも閉鎖された。 このほか、約200平方キロの工場敷地内には、現在も使用中の兵器用トリチウムと民生用のアイソトープなどを取り出す原子炉2基、約60個の廃棄物貯蔵タンク、廃棄物貯水池、高レベル放射性廃液ガラス固化体施設などがある。従業員は約1万5千人。
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