イランの年間インフレ率はイラン政府発表の数字では31%だった。これは100円の商品が物価上昇で1年後に131円になっていることを意味する。今、日本の安倍政権が導入しているインフレ目標の2%とは100円のものが1年後に102円になることである。
このイランの年間インフレ率=31%という数字自体かなり高い数字だが、こんなものではないと言う経済学者がいる。ジョンズホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授である。ハンケ教授はイランの闇市場の為替レートと物価を独自に試算した結果、イランの年間インフレ率は105.8%に上るとみている。この数字が本当なら100円の商品が1年後には約2倍になっている勘定である。
http://www.cato.org/blog/irans-inflation-bogey イランのインフレがピークになったのは2012年の10月だった。以来、ハンケ教授の試算でも峠はいったん超えたが、今でも年率100%を超えるインフレ率だとハンケ教授は指摘している。これが本当だとすればイランの庶民の生活は相当に苦しいものに違いない。「アラブの春」においてもそのベースには小麦などの日常品の価格が値上がりして庶民の暮らしが厳しくなったことが背後にあったが、イランに関しても核兵器開発をストップさせようとする欧米によるイラン経済封じ込め政策が行われてきた。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130616/k10015334261000.html こうした状況の中、6月15日に行われたイランの大統領選挙では欧米との関係改善を訴えるロウハニ氏が保守強硬派を破り、大統領に当選した。
■日本経済新聞「イラン、制裁でインフレ30%超 輸出滞り外貨得られず 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0701B_X00C13A4FF2000/ 「イラン中央銀行が1日発表した物価上昇率は3月までの1年間で31.5%に達した。輸出の停滞で外貨収入が細り、通貨イランリアルは暴落。便乗値上げも見られ、食料品などの価格が高騰した。実勢の物価上昇率はさらに高いとみられる。」(今年4月7日)
■イランのアフマディネジャード大統領、3度目を求めず
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201206172232510 ■外務省サイトより
「米国は,1995年の大統領令で米企業によるイランとの取引を禁止し,1996年には,イラン向け石油・ガス開発投資を行った外国企業に対し制裁を課す対イラン・リビア制裁法(ILSA)を成立させ,対イラン経済制裁を実施。2001年8月,同法は2006年8月まで5年間延長された。その後,2006年9月30日,ILSAを継承する内容の「イラン自由支援法案(IFSA)」が成立。2010年7月,IFSAを実質的に強化した対イラン制裁法(CISADA)にオバマ大統領が署名。エネルギー分野への投資に加え,イランの石油精製に資する商品・サービスの提供や,イランのテロ活動,WMD活動を促進するイラン銀行等と取引を行う外国の銀行を制裁対象にするとした。2011年12月,イラン中央銀行等と相当の金融取引を行った外国金融機関に対し,米国での銀行間決済を禁止する規定を含む米国防授権法が成立。」
「(3)中東和平 イランはイスラエルを承認していない。イランは,中東和平問題につき,全てのパレスチナ難民が帰還した上で,全ての当事者による国民投票(レファレンダム)を実施し,彼らが自らの運命を決めるべきとの立場。」
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