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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2017年04月23日15時13分掲載
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国際
津久井のアレックスたち フランス・アレックスとアメリカ・アレックス 平田伊都子
SJJA身内の国際話で、恐縮です。 フランスのアレックスとアメリカのアレックスとは、ず~と長々付き合ってきました。 東京は四谷のアパートを仕事兼住処に使っていた頃、宿無しの外国人がよく寝泊りしていました。 アメリカのアレックスは3年ほど住み着いていました。 そんなある日の真夜中、赤ん坊を抱えた若い男女が、「ムッシュ・アレックス、イレラ?(フランス語でアレックスさんいます?)」と、訪ねてきました。 二段ベッドの上にいたアメリカ・アレックスが、「ハ~イ、アイアムヒア(英語で、へ~イ、ここにいるよ)」と答えました。 フランス人のアランとスイの夫婦と赤ん坊のエオルは、長身の黒人アレックスにビックリしました。 その頃、白人アレックスは夜のお仕事で朝帰りの毎日、まだ戻っていませんでした、、
(1) フランス・アレックスが舞い戻ってきた: 突然、話は2017年4月20日に飛ぶ。「フランスのアレックスさんが来ましたよ」と、津久井警察から電話が来た。パリに住むアレックスから訪日を知らされた時、「もし来るんだったら、山の麓にある津久井警察を訪ねてそこから連絡するように」と、教えていたのだ。家に入って開口一番、フランス・アレックスは、「お前、ここのポリスは親切だったけど、ポリスはポリス。俺の居場所が分かってしまう、、」と。文句をつけた。「何も悪い事してないんだから、大丈夫」となだめた。が、もしして、脛に傷持つ身なのかな? まあ誰にも傷痕はあるもので、お世話になっておこがましいことですが、ポリスさんは煙ったがられる存在なんです。すみません、、 自称68才のフランス・アレックスは若かりし頃フランス落下傘部隊に従軍した。その後、リュックを背に東南アジアを放浪し、その果てに東京に辿り着く。一年半ほど、フランス語を教えながら、合気道道場に通ったりしてズルズル過ごしていたが、日本語も上達しないし、日本にも飽きてきた。フランスに帰ろうと決心し、「短時間でまっとうに金を稼げる方はないか」との相談を受け、新宿にあった<貴公子>という名のホストクラブに売り込みに出かけた。筆者の売り込みが功を奏して採用となり、背の低いアレックスは男性用ハイヒールを履いて3か月ほど真面目に勤め上げ、フランスに帰国した。帰国後は長い放浪歴を武器に、フランスの旅行会社でガイドをやっていた。
(2) フランス・アレックス 対決 アメリカ・アレックス: 「お前、黒んぼのくせに、どうして日焼けオイルを塗るんだ?」と、フランス・アレックスがアメリカ・アレックスをからかった。みんなで一緒に、プールサイドで機嫌よく日光浴をしていた時の、昔話だ。「なんて言った?もう一度言ってみろ!」と、黒人アメリカ・アレックスはガバッと身を起こした。あわや「国際紛争?」と、第三国人の筆者は決闘シーンを期待した。が、「ジョダン、ジョダン(冗談、冗談)」と、フランス・アレックスがごまかして、その場はおさまった。しかし、黒人アメリカ・アレックスの差別用語に対するわだかまりは消えず、白人フランス・アレックスの差別主義を見せつけられた第三国人も冷たい目線を送りつけることになり、白人フランス・アレックスは突然、消えた。 そして2017年4月20日、アメリカ・アレックスにフランス・アレックスが津久井の山に到着したことを報せると、「ワ〜オ、私も行くよ!午後4時に着く」と、午後2時半には東京からバイクで出発した。が、午後5時になっても来ない、、午後6時になっても来ない、、 午後6時半、アレックスから携帯で、「今、病院に着いた」との連絡。「津久井日赤って書いてある?」「私、日本語分からない」と、らちが明かない。結局、方向音痴で場所音痴のアレックスは、10キロも離れた別の病院と間違えたことが判明。そして、アメリカ・アレックスの到着は午後7時半。先ずは外人同士の派手な挨拶があり、早速、フランス・アレックスが「お前、変わったね!何で髭はやしてんだ?何で帽子を被ってんだ?何で?何で??」と、口うるさく尋問する。アメリカ・アレックスは「さあ〜?」と、笑って答えない。嫌がっているのがありありと分かる。白人フランス・アレックスの人種偏見に関するわだかまりは、何年経っても消えていなかった。猫でさえ、「ミャウ、ミャウ」と、手を出した白人フランス・アレックスに、はっきり顔を背けて拒絶反応を示した。 アメリカ・アレックスはたった一時間いただけで、東京へ引き上げた。
(3)パリ・シャンゼリゼ通りのテロ: 2017年4月20日午後22時15分(現地時間)、フランス生まれのカリーフ・シェリフがパリのシャンゼリゼ通りで、警察車両に向けカラシニコフ自動小銃をぶっ放した。車内にいた警察官を殺し、発砲し続けながら逃走し警察官2人を負傷させた。警察官たちが反撃し、カリーフは殺された。1977年12月31日生まれのカリーフは、殺人未遂や暴行や窃盗などの犯罪を犯し、4回ほど逮捕されている。2001年4月には盗難車で逃亡中に追跡され銃撃戦になり、私服の警官に重傷を負わせた。この事件で2015年10月まで獄に繋がれる。異常に警官に恨みを持っていて、警官襲撃を重ねている。IS イスラム過激派との正確な関係は、調査中だとか、、 4月21日、起きてきたフランス・アレックスはシャンゼリゼ・テロを知って、「また、アラブ人だ!」と舌打ちした。フランス・アレックスは自宅付近でアラブ人に襲われたことがあり、アラブ人を毛嫌いする。ユダヤ人も嫌いだ。黒人も嫌いだ。日本人も含めアジア人を馬鹿にする。完璧な人種差別主義者で、国粋主義者だ。こういう輩の頑固なフランス中華思想が、今もなお、フランス語を喋る元フランス植民地諸国に巣食っている。フランス・アレックスは移民反対、EU離脱賛成で、超右翼マリーヌ・ルペン国民戦線党首の支持者だ。「シャンゼリゼ・テロがもう一発起これば、ル・ペンが勝利する」と、フランス・アレックスが言うので、「ル・ペンがテロを仕掛けたのか?」と聞くと、「ル・ペンの側近はホモが多いし、第二のパートナーはユダヤ人だ。ホモもユダヤ人も企むのがうまいけど、テロ撲滅を唱える彼女はやらない」と、フランス・アレックスは、ル・ペンのかたをもつ。「ル・ペンの笑顔が好きだ」と、ルペンにべた惚れだ。 「だけど、誰が大統領になっても、フランスの崩壊は止められない。フランスに巣食う移民たちを、誰も追放できない。右派が追放しようとしたら、左派の暴動が起こる。左派は奴らを郊外に囲って、麻薬密売などやりたい放題をやらせ、ますます犯罪は増え移民がのさばる。フランスはフランス人のものではなくなった。他国に移民する純血フランス人が、急増している。まるで<血液交換>だ」と、フランス・アレックスは移民の国になった祖国を嘆く。 「あんたも移民先を探しに来たの?日本をフランスの植民地にするつもり?」という問いに、フランス・アレックスは答えなかった。
実は、もう一人のアレックス、アフリカ・アレックスがいました。 駐日中央アフリカ共和国大使館のコックをしていたピグミー族出身のアフリカ・アレックスはチビの黒人で、チビ・フランス・アレックスと黒人アメリカ・アレックスをミックスした感じです。 白いコック帽がとても似合っていました。 が、中央アフリカ共和国大使館が閉鎖されてから、消息が掴めません。 アフリカのど真ん中にあるこの元フランス植民地では、民族紛争と宗教抗争で荒れ放題になってしまいました。 みんなの命があるうちに、この世で<3人アレックスの再会>を実現したいのですが、、、
文;平田伊都子 ジャーナリスト 写真:川名生十 カメラマン 2017/04/22
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左から、フランス・アレックス、筆者、アメリカ・アレックス
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