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2018年05月23日21時48分掲載
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政治
札付きの差別・レイシスト政治家が中野区長選に立候補
任期満了に伴う中野区長選が6月3日告示、10日投票で行われる。この区長選挙に元都議の吉田康一郎氏(50)が5月11日、無所属で立候補する意向を表明した。この人物は都議時代に差別・排外主義を掲げて活動を開始していた在特会(在日特権を許さない市民の会)を応援し、活動していた人物で、「不逞朝鮮人は出ていけ」などという言葉を叫びながら演説をしていた。日刊ベリタでは当時、吉田都議と、同都議を公認していた民主党に公開質問状を送るなどの取材活動を行ったが、一切応答がなかった経過がある。以下、当時のベリタの記事を再掲する。(編集長大野和興)
以下、2009年6月26日日刊ベリタ掲載記事――
本紙では日本在住・移住外国人をターゲットに差別と排外主義の運動を繰り広げている右翼市民運動(例えば「在日特権を許さない市民の会」など)の行動や主張を批判的に取り上げ報道しています。そうした報道活動の中で、そうした差別と排外主義の運動を激励し、煽る一部政治家の存在にぶつかりました。なかでも東京都都議会議員吉田康一郎氏(民主党)の言動はぬきんでています。例えば2009年2月21日、東京都内渋谷で行われた「在日特権を許さない市民の会」主催の竹島デモ出発前集会に激励に駆けつけた吉田都議会議員は「不逞朝鮮人は全員出て行け」と演説しています。「不逞朝鮮人」あるいは「不逞鮮人」というのは、よく知られるように、1923年の関東大震災において、多数の朝鮮人が虐殺された際、虐殺の理由としてさけばれた言葉です。こうした言葉を公党の都議会議員が使う意図はどこにあるのか、政治家として吉田議員は自身の言動にいかなる責任を負うつもりがあるのか、『日刊ベリタ』は報道機関としてこのことを明らかにする責任があると考え、同議員及び同議員を公認している民主党本部・都総支部連合会に対し以下のような公開質問状を送りました。(日刊ベリタ編集部)
以下、吉田康一郎都議会議員及び民主党への公開質問状
2009年6月26日
公開質問状
東京都議会議員 吉田康一郎様
インターネット新聞 日刊ベリタ代表/編集長 大野和興
政務にお忙しい日々と拝察します。インターネット新聞日刊ベリタを代表し、以下のことについて公開質問状を差し上げます。2009年6月30日までにご解答いただきたく、お願いする次第です。本公開質問状及びご解答は、日刊ベリタのウェブサイトに掲載いたします。
1、2009年2月21日に東京都内渋谷で「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)の主催で竹島問題(「竹島を韓国から奪還するぞ!」)についてのデモがあり、その出発前集会で激励にかけつけたあなたは、ご自身の演説で以下のように発言されています。
「今日はですね、たとえば、不逞朝鮮人は全員出て行けと、まあ勿論不逞であれば全員出て行けなんですけども、たとえば、竹島の領有を主張するような不逞な朝鮮人は出て行けと、あるいは日本において、反日運動をするような韓国人朝鮮人は出て行ってくれと」
広く知られているように「不逞朝鮮人」あるいは「不逞鮮人」という言葉は、1923年の関東大震災において行われた朝鮮人大量虐殺を引き起こした言葉そのものです。こうしたルーツを持つ言葉を公党の都議会議員という責任ある政治的立場を持つあなたが、大勢の人の前で叫ばれたわけです。そこで以下のことについて質問します。
(1)「不逞朝鮮人」という言葉を使っておられますが、この「不逞」とはどういう意味なのでしょうか。具体的にお示しください。 (2)責任ある政治家として、「不逞朝鮮人」という言葉を使ったことに対する社会的な影響をどう考えておられるのでしょうか。 (3)「反日運動をするような韓国人・朝鮮人は出て行ってくれ」といわれていますが、ここでいう「反日運動」とは、具体的にどういうことをさしているのでしょうか。 (4)「出て行ってくれ」という相手が出て行かなかった場合、あなたは政治家としてどうされますか。強制的手段をとるおつもりなのでしょうか。 (5)また、このデモと集会の「決議文」に、あなたは賛同されたのでしょうか。
2、2009年1月10日の「在特会 全国大会」であなたは次のように発言されています。
「在特会が取り組んでいらっしゃる、様々な、まあ在日の方々の特権、これもわが国の政府、政治家が、ずっとほったらかしにしてきたというか、そういう問題であります。国民の意見は、やはり透明で公正な社会を求めている中で、これまでは、いろいろな歴史的経緯から、目をつぶってきたという在日の特権という問題についても、もうそろそろ、特権というものは、どういう立場の方でも認められないんだと。」
ここでお尋ねしますが、この発言にある「在日の特権」というのは、具体的には何か、定義と具体例をお示しください。
3、同じ在特会全国大会であなたは、「今の日本の保守というのは、物言わぬサイレントマジョリティになってですね、ノイジーマイノリティが大きな声で好き勝手言うことを、一歩譲って二歩譲って三歩譲って、もう自分たちの立つところすら無くなりつつあると。」と発言されていますが、「ノイジーマイノリティ」とは具体的に何か、そして、「大きな声で好き勝手言」った事とは、何か具体例をあげて教えてください。
4、2009年3月20日に開かれた「外国人参政権に反対する会」集会での発言で、あなたは次のように発言されています。
「韓国の中の、インターネット世界、すこし覗かせていただく、そうすると、まず対馬に、対馬が経済的に非常に悪い状態でして、対馬に韓国人の観光客がいっぱい行ってですね、経済を完全に韓国依存にしてしまえと。そして住民を韓国びいきにしてしまえと。そして、韓国人の投資をどんどん進めて、土地を買ったり、ホテルを買ったり、あるいは韓国の観光会社がバスを運営したり、さまざまな事で、経済を韓国の支配下に置いてしまえと。そして韓国人の移住者をどんどん増やしてしまえと。そして、外国人の地方参政権や、あるいは住民投票、こういう権利を認めさせて、議会の議決で、あるいは住民投票で、韓国帰属を決めさそうと、これです。これを本当に考えているんですよ。」 上記発言であなたが参考にしている「韓国のインターネット」の世界とはどのようなものか、具体的に教えてください。
以上、質問します。
公開質問状
民主党 代表:鳩山由紀夫様 民主党東京都総支部連合会 代表:菅直人様
インターネット新聞 日刊ベリタ 代表・編集長 大野和興
日々政務に忙しいことと存じます。来るべき総選挙でのご健闘を期待しております。 さて、貴党所属の東京都議会議員吉田康一郎氏について、報道に携わるものの立場から以下のような公開質問状を出させていただきます。恐れ入りますが6月30日までのご解答いただきたく、お願いいたします。なお、本公開質問状とご解答は日刊ベリタのウエブサイトに掲載させていただきます。
貴党の都議会議員吉田氏は、2009年2月21日に東京都内渋谷で開かれた、「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)主催の竹島問題(「竹島を韓国から奪還するぞ!」)についてのデモの激励に駆けつけた折、その出発前集会で次のように発言されています。
「今日はですね、たとえば、不逞朝鮮人は全員出て行けと、まあ勿論不逞であれば全員出て行けなんですけども、たとえば、竹島の領有を主張するような不逞な朝鮮人は出て行けと、あるいは日本において、反日運動をするような韓国人朝鮮人は出て行ってくれと」
広く知られているように「不逞朝鮮人」あるいは「不逞鮮人」という言葉は、1923年の関東大震災において行われた朝鮮人大量虐殺を引き起こした言葉そのものです。こうしたルーツを持つ言葉を公党の都議会議員という責任ある政治的立場を持つ貴党都議会議員が、大勢の人の前で叫ばれたわけです。吉田議員には別紙のような公開質問状を差し上げておりますが、こうした議員を公認されている貴党に対し、以下のことをお尋ねします。
また同議員は、在留外国人に対し、激烈な差別と排外主義の言動を浴びせているグループ「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)主催の集会に駆けつけ、例えば次のような発言を再三にわたって行っています。
「在特会が取り組んでいらっしゃる、様々な、まあ在日の方々の特権、これもわが国の政府、政治家が、ずっとほったらかしにしてきたというか、そういう問題であります。国民の意見は、やはり透明で公正な社会を求めている中で、これまでは、いろいろな歴史的経緯から、目をつぶってきたという在日の特権という問題についても、もうそろそろ、特権というものは、どういう立場の方でも認められないんだと」(2009年1月10日の在特会全国大会で)
貴党は「不逞朝鮮人」「反日運動をするような韓国人・朝鮮人は出て行ってもらう」「在日特権」といった差別と排外主義丸出しの人物を貴党は都議会議員として公認され、党の要職につけておられるわけです。
そこでお尋ねします。 (1) 吉田議員を公認されている以上、彼の発言・主張は民主党の主張であり、政策であると考えてよろしいでしょうか。 (2) そうであるならば、貴党マニフェストにそのことを明記していただけますか。有権者にとっては重大な関心事項であります。 (3) 彼の発言・主張と民主党の主張・政策が異なる場合、なぜ彼のような差別と排外主義丸出しの人物を党公認候補として都議会に送り込んだのか、お尋ねします。 (4) 吉田議員の発言・言動が貴党のそれと異なっている場合、吉田議員を公認候補からはずすおつもりはありますでしょうか。
以上、質問いたします。
<後記> この公開質問状に対する回答は吉田都議(当時)からも民主党からもなかった。回答期限が切れたので、当時日刊ベリタ記者として、当時活発な活動を始めていた在特会の取材を精力的に続けていた村上力記者とともに、中野区内の吉田氏の事務所を訪ねたことがある。事務所には誰もいなくて、回答を催促する文書を郵便受けにいれて帰ったが、なしのつぶてだった。 この在特会や日本第一党と深い関係を持つレイシスト、吉田康一郎元都議が中野区長選に出馬、地元商店会が支持を表明する事態に。反差別運動団体では落選運動の呼びかけも始まっている。
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