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2024年04月17日
2024年04月15日



Writer

記者

大野和興


おおの・かずおき。1940年、愛媛県生まれ。四国山地の真只中の村で育ち、農業記者として42年を過ごしてきた。日本とアジアの村を歩き、田んぼや畑、村のくらしの現場から発信することを心がけている。同時に、開発やグローバリゼーションに対峙する運動の場に身を置き、そこからの発想と視点を大事にしたいと考えている。
90年代初めに仲間の農民と百姓のNGOアジア農民交流センターを立ち上げ、現在はグローバリゼーションに対抗する市民組織・脱WTO草の根キャンペーン実行委員会、三里塚の農民と市民をつなぎ農のもつ価値を基本におく世の中をめざす「地球的課題の実験村」などのかかわっています。
お暇な折は以下のサイトをのぞいてください。
http://rural.exblog.jp/(大野和興の農村通信)、http://rural-journal.at.webry.info/(Rural Journal=大野和興の農業資料室)
主な著書(共・編著を含む)は以下の通りです。
『食を奪いかえす!』(有斐閣)
『現代おコメ大研究』(柘植書房)
『コメ・産直のパイオニア』(協同図書サービス)
『農がなければ生きられない』(社会評論社)
『百姓は越境する』(社会評論社)
『百姓の義―ムラを守る・ムラを超える』(社会評論社)
『農と食の政治経済学』(緑風出版)
『アジア小農業の再発見』(緑風出版)
『あぶない野菜』(めこん)
『台所と農業をつなぐ』(創森社)
『日本の農業を考える』(岩波書店・ジュニア新書)
『百姓が時代を創る』(七つ森書館)





文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録6》 不老倉鉱山でも朝鮮人働く 鹿角市十和田町
 掘りつくし休山した鉱山を国策で甦らせ、連行した朝鮮人を酷使した不老倉鉱山。鉱石を運び出す道路作業に従事させられ、真冬も素足に草鞋履きで作業に追いたてられた。死亡したり逃亡した人も多く、その人たちがどうなったか、記録はない。(大野和興)(2024/04/23)


農と食
食料・農業・農村基本法改定の意味を問う(上)  経済安保を支える経済スパイ法案と並行して国会審議が進む食料安保法案
 農業・食糧政策の基本を定める「食料・農業・農村基本法」(以下、基本法)の改正案の審議が国会で進んでいます。あわせて食料が不測の事態に陥ったときを想定した「食料供給困難事態対策法案」と「農地関連法改正案」、農業にAI技術を導入するスマート農業技術の活用促進を図る新法案も国会に出され、農水省はこれら四法案の一括審議を求めています。いま政府が基本法を改定しようとする狙いはどこにあるのか、そのことによって何を狙っているのかを考えてみまます。(大野和興)(2024/04/22)


検証・メディア
経済安保情報保護法案、新聞労連が反対声明  記者活動、報道の自由も抑圧のおそれ
 「重要経済安保情報保護・活用法案」、いわゆる経済安保にかかわる秘密保護法が一転して賛成に転じた立憲民主党の動きもあって国会での審議があわただしく進んでいる。そうした中で新聞労連が4月15日、反対声明を出した。同法案は新聞雑誌、放送、ネット記者などジャーナリストの取材、執筆活動にも影響する内容を含んでいる。もちろん日刊ベリタも例外ではない。(大野和興)(2024/04/17)


文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録5》児玉工業にも連行者  鹿角市大湯
 土木業と鉱山への労務者派遣を業とする児玉工業株式会社は軍需相の自由募集で土井敬968人を朝鮮半島から連行。しかし敗戦後、旧厚生省に提出した名簿には74人しか記載がなく、「確実ナモノ調査シ難ク」との付記があった。強制連行がいかにいい加減に遂行されたかがわかる。(大野和興)(2024/04/11)


農と食
<61年目の農業記者> 三里塚とクルド自給農園    大野和興
 もう10日ほども前になりますが、3月末日の日曜日、かれこれ半年ぶりで三里塚を訪ねました。去年の秋の種まきした小麦畑がどうなっているかを見に行ったのです。仲間でクルド自給農場と呼んでいる小麦畑です。東峰集落に腰を据えて、空港用地だから農地を差し出せという国家から守り抜いた畑の一部を「使っていいよ」と出してくれた三里塚百姓、恒さん(石井恒司)の畑のいっかくににそれはあります。(2024/04/08)


文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録4》 十和田湖への導水工事 鹿角市大湯
 働いた朝鮮人は二百から三百人。突貫工事で1日10時間以上働かされた。食料が不足、仕事が終わると山に入り、草を生のまま食べた。敗戦で朝鮮人たちは現場から去り、行く先はわからない。(2024/04/03)


文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録3》 山歴の古い尾去沢鉱山
 鹿角市去沢町にあったこの鉱山は秋田県でもっとも古いといわれている。最後の所有者は三菱。朝鮮人連行者の他、中国人連行者、東京捕虜収容者から送られた英米人もいた。飯場は1人畳1畳で、布団は南京袋に草を入れていた。(2024/03/28)


文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録2》 朝鮮人強制連行の現場を知ろう 
 冊子『秋田県の朝鮮人強制連行』の冒頭に置かれた序文にあたる野添さんの文章を紹介する。この序文が書かれたのは2015年5月。序文によると、この調査を進めた秋田県朝鮮人強制連行真相調査団の準備会が動き出して20年になると記されている。1995年だから敗戦後50年ということになる。調査は難航を極めた。すでに亡くなった関係者も多いだけでなく、「朝鮮人」といっただけで顔色が変わり、おびえたように家に入る人もいた。野添さんはそれをその心理を「戦時中に日本人の心に深くくい込んだ朝鮮人に対する差別」がまだいきいきと残っている」と描写している。そして「いまだに敗戦後になっておらず、戦争は今も続いている」と記す。そうだとすると前回前文に書いた群馬の慰霊碑撤去の行政代執行は公権力まで巻き込んだ差別の横行であり、この国は、よく言われる「新しい戦前」どころか、何も変わっていない、戦前のままががいまも続いていることになる。野添さんはこの序文の最後を「ぜひ現場を訪れて日本人の犯した事実を自分の目で確かめていただきたいと考えて本書をつくった。ぜひ小誌を利用して歩き、まず事実を知ってほしいと願っている。」という言葉で締めくくっている。(大野和興)(2024/03/25)

文化
野添憲治の《秋田県朝鮮人強制連行の記録1》 野添憲治さんの仕事をひもとく 
今年1月末、群馬県高崎市の「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑が県の行政代執行で撤去された。日本の植民地支配を背景に強制連行され、挙句死亡した朝鮮人を追悼しようと市民団体が建立した碑である。公権力による撤去という行動は、歴史を人びとの目から奪い行為に他ならない。日本という国家全体がいま、歴史改ざんを邁進しているように見える。そんなとき、秋田に腰を据えて中国人・朝鮮人の強制連行の歴史を掘り起こし、明らかにしてきた野添憲治さんの仕事の一端を本紙を通して知ってもらうことも意味があるのではないかと考えた。おそらく野添さんの最後の仕事だったのではないかと思う『秋田県の朝鮮人強制連行―52カ所の現場・写真・地図―』を連載の形で掲載する。わずか64ページのブックレットで編著者は野添憲治。発行は野添さんが事務局長を務めた秋田県朝鮮人強制連行真相調査団。発行は2015年7月。定価600円。地元の印刷屋さんで冊子にした。(大野和興)(2024/03/22)


反戦・平和
日消連など消費者団体と市民団体が武器輸出を進める三菱重工、三菱電機の不買運動を呼びかける
 国内の有力消費者団体と非戦を掲げる市民団体が協力して武器輸出を進める三菱重工と三菱電機を対象に武器輸出中止を求める不買運動やハガキアクションを実行する。消費者団体は日本消費者連盟(日消連)と主婦連合会(主婦連)。市民団体は武器取引反対ネットワーク(NAJAT)。三団体は3月21日、三菱重工と三菱電機前で要請書提出などを行った後、記者会見を行う。(大野和興)(2024/03/14)


農と食
<61年目の農業記者>老百姓から軽トラもトラクターも取り上げてどうするの
3月5.6日と新潟・上越に行ってきました。もう40年来の付き合いになる上越有機農業研究会の仲間が集まり、総会をやるということで、ぼくも会員なので、みんなと一杯やりに行ったのです。この研究会が支えて出発した上越農業映画祭もすでに3回を数え今年も11月にやります。ぼくは最初から噛んでいるので、その相談もありました。(大野和興)(2024/03/11)


農と食
【61年目の農業記者】小説「沈丁花」を読む
 コロナ禍の21年22年と山形県置賜地域を歩き、地元の人たちを共に1本の映画を撮りました。『出稼ぎの時代から』と題するドキュメンタリーです。初監督作品ですが、幸いなことに「地方の時代映像祭」で奨励賞を受賞しました。去る1月18日、映画の舞台となった白鷹町で受賞記念の催しが開かれました。その席で名画にナレーションを務めていただいた長谷川勝彦さんに、三浦哲郎の小説「沈丁花」を読んでいただきました。朗読もすごいし小説もすごい。一読されることをお勧めします。(大野和興)(2024/03/01)


農と食
【61年目の農業記者】高畠町有機農研が50年を迎えた秋 星寛治さんがいなくなった  大野和興
 農業と農村を現場とする農業記者を名乗ってこの4月で61年目を迎えます。そのうちほぼ10年間は日本農業新聞というほとんど誰も知らない専門紙で過ごし、あと40年はフルーランスで、よくまあ飯を食って生きてこられたな、というような時代を過ごしました。この1月で84歳になり、はた迷惑でしょうがいまも現役を名乗っています。誇れるのは四国の山村で過ごした子ども時代を含め常に農の現場にいたということぐらですが、戦後農業のほとんどすべてを見てきた自負はあります。まぁそんなことで、農業記者60年の折々を今に引き付けながら、時間も場所も脈絡なく、思いつくままにコラムのようなものを始めたいと思います。よろしくお願いします。第1回は有機農業についてです。(大野和興)(2024/02/16)


イスラエル/パレスチナ
アパルトヘイトのための技術はいらない ガザ虐殺を支える巨大情報産業の存在に目を向けよう
 ガザでイスラエル軍による虐殺が続いている。その虐殺を背後で支えている技術がある。通信情報技術だ。2021年、いまと同じようにガザを爆撃するイスラエル軍の作戦をより効率的にするためにGoogleとAmazonはイスラエルと契約し、情報テクノロジーを提供することの見返りに巨額の契約金を手にした。このとき、GoogleとAmazonの労働者から、異議申し立ての署名を呼び掛ける訴えが世界に発信された。文明論から経済、テクノロジ―に至る現代世界の問題に鋭く問題提起している小倉利丸さんが、「いまこそこの運動を」と呼びかけている。以下、「反監視情報」からの転載ー。(大野和興)(2024/02/15)


農と食
食料安保、食料安保といいながら いま生産現場で起こっていること
 いま村を歩くと、いま東京でやられている農業論議とは逆の現実に突き当たります。政府は食料安保と絡めて、国民に食料をきちんと届けるために自給も増やさなければ、など口当たりいいこと言っていますが、生産現場ではそういう感じはこれっぽっちもありません。(大野和興)(2024/01/17)


中東
ガザの病院は孤独な孤児で埋め尽くされている
 まもなく新年を迎える。ガザでは相変わらずイスラエルによる住民虐殺が、いまこの瞬間にも続いている。中東の衛星テレビ、aljazeera(アルジャジーラ)が、爆撃で破壊された病院と子どもたちの状況を伝えてくれた。(大野和興)(2023/12/31)


中東
このままではWHOの人道支援も崩壊 テドロス事務局長がガザの事態で警告
中東のメディアMiddleEastMonitorは12月28日、国連機関である世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長が国際社会に対し、ガザの人々が直面している深刻な脅威に対処するため、早急に行動を起こすよう促した、と報じた。テドロス事務局長の声明は、この危機は、ガザの人々の生命をへの脅威ばかりでなく、その脅威を取り除こうと支援活動を継続している活動家自身を脅かし、支援活動が危機的な状況にあることを指摘している。(大野和興)(2023/12/29)


地域
【秩父から】おせどに木の実の落ちる夜は  大野和興
夜、両側を雑木の傾斜地にはさまれた道を歩いていると、ピシッピシッという音があちこちから聞こえてくる。木の実がはじける音なのだが、今頃なんの木の実だろう。例年だと10月から11月頃なのに。「里の秋」をふいに思い出した。(2023/12/23)


中東
もうひとつのパレスチナ自治区ヨルダン川西岸でもイスラエルの抑圧が激化
 イスラエルによるパレスチナ抑圧は,イスラエル軍による虐殺が続くガザだけでなく、もうひとつの自治区、ヨルダン川西岸地区でも激しくなっている。イスラエル入植者によるオリーブ農民への襲撃が頻発していると、Middle East Monitorが12日伝えた。(大野和興)(2023/12/12)


中東
ガザ虐殺に加担する米国、1万トン以上の武器弾薬をイスラエルに供与
 ガザでの人道危機を作り出したイスラエル軍の攻撃のために、米国から1万トン以上に武器弾薬がイスラエルの送られた。これはイスラエル国防省が12月6日の声明で明らかにしたもので、この日軍用装備を積んだ200機目の貨物機が米国からイスラエルに到着した。Middle East Monitorが7日に伝えた。(大野和興)(2023/12/07)


中東
ネット空間を支配する反パレスチナに対抗するさまざまの運動に参加を! JCA−NETがキャンペーン
 インタネット空間の市民自治を掲げて活動しているJCA−NETでは、ネットを通じてのガザ支援のキャンペーンを行っています。この分野でも、市民としてやれることはたくさんあります。JCA—NETの小倉利丸さんは「以下の署名運動やeSIMの寄贈の運動にぜひ協力してみてください。団体のみの署名もありますが、個人で署名できるものもあります。いずれの署名運動もあまり日本では拡がっていません。」と呼びかけています。(大野和興)(2023/11/29)


中東
ガザのアル・シファ病院院長がイスラエルによって逮捕され、空爆も続く
23日から戦闘中断のはずが、その後もイスラエルによる空爆が続き、ガザのアル・シファ病院院長がイスラエルによって逮捕された。ハマスは、イスラエルによるアル・シファ病院院長と医療スタッフの逮捕を非難、彼らを直ちに釈放するようにイスラエルに要求することを国際機関に呼びかけた。23日、アルジャジーラが伝えた。(大野和興)(2023/11/23)


中東
「これは戦争ではない、テロだ」とフランシスコ法王が語った
フランシスコ法王は「これは戦争ではない。これはテロだ」と語った。法王は、10月7日以来、ガザで14,100人以上、イスラエルで約1,200人のパレスチナ人が死亡したことを受け、イスラエルとハマスの紛争は戦争を超え、「テロリズム」になっていると述べた。中東の衛星テレビ局、アルジャジーラが伝えた。(大野和興)(2023/11/22)


中東
「人間の盾」とは何か イスラエルはその証拠を示していない
「人間の盾」―なぜイスラエルはガザでこの言葉を使うのか? (2023/11/13)


中東
ガザ イスラエルによる病院への攻撃続く
ガザではイスラエル軍による病院への攻撃が続いている。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエルは木曜日の夜からアル・シファ病院の建物を5回爆撃した。ガザ保健省のアシュラフ・アルクドラ報道官が発表した。(大野和興)(2023/11/10)


中東
レバノンの武装集団ヒズボラ、本格的なイスラエル攻撃の兆し
レバノンの武装集団ヒズボラは、11月2日木曜日の午後3時30分(日本時間13時30分)に「誘導ミサイル、砲撃」その他の武器で国境沿いの軍事拠点を同時に攻撃したと発表した。イスラエル軍は、ヒズボラの標的を「戦闘機とヘリhコプター」で攻撃し、大砲と戦車による攻撃も行ったと発表した。中東の衛星テレビ、アルジャジーラが報じた。この攻撃がヒズボラのイスラエルに対する本格的な戦闘に発展するのか、世界が注目している。(大野和興)(2023/11/03)


中東
フーシ派のイスラエル攻撃は目標に命中とフーシ派報道官が語る
 武装勢力フーシ派による11月1日のミサイル攻撃は、すべてイスラエル軍によって迎撃されたとイスラエルは発表した。一方フーシ派は「無人機と弾道ミサイルを発射して、目標に命中した」と発表した。(大野和興)(2023/11/02)


中東
ガザに対するイスラエルの攻撃で34人のジャーナリストが殺された
イスラエルのガザ攻撃で市民だけでなくジャーナリストの犠牲者も増大している。(大野和興)(2023/10/30)


中東
230万人のガザ地区のパレスチナ人が飢餓と病気の危険にさらされている
イスラエル包囲下のガザ。食料、水はどうなっているのか。アルジャジーラの27日の報道からその一端をお伝えする。(大野和興)(2023/10/27)


中東
イスラエルの空爆によるガザでの死者数が7,000人を超える 「大虐殺のレベル」とトルコのエンドリアン大統領が非難
ガザでイスラエル軍の空爆により死亡したパレスチナ人の数は7,028人に達し、そのうち子ども2,913人になった。トルコのエルドアン大統領は、イスラエルによるガザ攻撃は「大虐殺のレベルに達しており」、国際社会の沈黙は「人類の恥」だと述べた。アルジャジーラが26日報じた。(大野和興)(2023/10/26)


中東
イスラエル占領軍によるパレスチナ自治区での人権侵害記録 パレスチナ人権センター
ガザのいまの状況は、イスラエルによるパレスチナ人に対する長い人権抑圧の積み重ねの上に起こった。ガザに本拠を置く人権団体「パレスチナ人権センター」はイスラエルによるパレスチナ人への人権侵害を一貫して報告してきた。その報告から9月27日〜10月4日のものを仮訳でお伝えする。ハマスのイスラエル越境攻撃、イスラエルのガザ空爆以前、パレスチナ自治区、ガザと西岸地区で何が起こっていたのかをかいま見ることが出来る。(大野和興)(2023/10/26)


みる・よむ・きく
12月2日(土)国際有機農業映画祭2023 「花を作ったら非国民」、そんな時代がまた来ようとしている
 有機農業や環境、農薬、遺伝子組み換えを主なテーマに内外の秀作を上映してきた国際有機農業映画祭は、今年で17回目を迎え、武蔵大学を会場に12月2日(土)に開催します。今回は「希望は土くれの中に」をテーマに、日本、ドイツ、英国で制作された4作品が上映されます。ハイライトのひとつはアジア太平洋戦争下の房総を舞台に、腹の足しにならない作物を作るものは”非国民”と弾圧され、花畑の花を抜き取られ、種も球根も燃やされた時代、一人の農婦の静かな抵抗を描いた『花物語』。この国では食料安保の名も元に農業生産・流通の国家統制を可能とする法案が準備されつつある今と重ねて上映します。(大野和興)(2023/10/25)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】絶望的なデブリ取り出し、一度に取り出せるのは「耳かき1杯」 デブリの総量は880トン  上岡直見
 東京新聞2023年10月22日の特集で[一度に出せるのは「耳かき1杯」。福島第一原発のデブリ取り出しが準備段階で直面する「想定外」]という記事があった(注1)。現在の取り出しは2号機で試みられているが、格納容器につながる開口部からロボットアームを入れて先端のブラシのようなものでデブリを掻き出すという。2023年度後半に数グラムの取り出しを目標としている。デブリの総量は880トン(注2)あると推定されており、全体の取出しは絶望的である。(2023/10/23)


中東
イスラエル軍の攻撃でガザのジャーナリストが死亡
パレスチナ人ジャーナリストがイスラエル軍の攻撃により死亡したと、カタールに本拠を置くテレビ局、アルジャジーラ(aljazeera)が22日に報じた。(大野和興)(2023/10/22)


中東
誰が病院を爆撃したのか アラブ世界を飛び交うSNSから
Middle East Monitorは18日「ガザのバプテスト病院での虐殺の責任は誰にあるのか」という記事を掲げ、SNSで飛び交っている情報を紹介した。(大野和興)(2023/10/18)


中東
「ガザは1平方メートルたりとも安全ではない」
 「ガザで安全な場所は1平方メートルもありません。すべてが攻撃下にある」。あと数時間でイスラエルが設定したガザ住民100万人退避時間が過ぎ、イスラエル軍の地上進攻が目前に迫った13日、中東の情報を発信するMiddle East Monitor はイギリスの市民組織オックスファムの地域マネージャーの言葉として、「(イスラエルの空爆下にある)ガザ地区の状況の悪化は本当の大惨事になっている」と伝えた(大野和興)(2023/10/13)


農と食
生産性向上・効率優先イデオロギーを支える科学技術信仰ー農業現場で考える汚染水問題
 東日本大震災3・11から12年が経った。福島で原発が破裂して一か月後の4月中旬から下旬にかけて、福島の農村を歩いた。農地の放射能汚染がひどく、農家に「田んぼや畑に出るな」「何も植えるな」という指示が出されていた。こうして農の営みは長い中断に追い込まれた。12年が経ち、老朽原発再稼働と汚染水放水が「安全は科学的に保証されている」という言葉とともに強行されている。汚染水の海への放流も、反対と不安を表明しているのは漁民だけ、という状況が続く中で、「科学的に安全だ」という政府の”保証”に多くの人が納得しているようにみえる。(大野和興)(2023/10/11)


農と食
山びこ学校と無着成恭さん(下) そのリアリズムに見る戦後農村の時代精神
 作文集『山びこ学校』のハイライトは、なんといっても江口江一の「母の死とその後」でした。「僕の家は貧乏で、山元村の中でもいちばんくらい貧乏です」で始まるこの作文は、自分の家のくらし、仕事、母親の死さえ冷静に的確にとらえ、その原因を分析し、その悲しさを描写していて、いま読んでも心がゆさぶられます。(大野和興)(2023/09/03)


農と食
山びこ学校と無着成恭さん(上) 戦後を見据える
 7月24日、無着成恭さんが亡くなりました。96歳でした。無着さんの死を新聞で読んで思ったのは、時代はこうやって一枚一枚更新されていくのだなあ、ということでした。無着さんはある意味で戦後日本を代表する人でした。一つの時代がおわった、とふと思いました。(大野和興)(2023/09/01)


社会
成田空港周辺住民が騒音訴訟 深夜早朝の飛行差し止めと健康被害への賠償を
 成田空港周辺の住民が深夜早朝の飛行差し止めと騒音被害の損害賠償を求めて、成田空港株式会社(以下空港会社)と国を訴えました。提訴に伴い、空港周辺住民で作る「成田空港の騒音から生活を守る周辺住民の会」は成田空港における現実の騒音が住民の健康にどのような障害を与え、どのような被害をもたらしているかを調査するため、その資金を募るクラウドファンディング立ちあげました。(大野和興)(2023/08/26)


みる・よむ・きく
<みるよむきく>アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?  調理しないとメシは食えないんだよ!
経済学の父といわれるアダム・スミスは生涯独身で、食事はもっぱら母親に頼っていました。彼は出てくるものを食べるだけ。ところが彼の経済学にはそのことが一切入っていない。本書『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』はこの設問から始まります。(大野和興)(2023/07/26)


みる・よむ・きく
『AI監獄ウイグル』を読む  ”AI監獄ニッポン”が透けて見えます
 『AI監獄ウイグル』ーこの怖いタイトルの本を手にとりながら、一瞬懐かしい気分に引き戻されました。コロナ大流行直前の2019年秋、この本の舞台である新疆ウイグル自治区の首都ウルムチにいました。ガイド兼通訳をお願いした男性が「ここは世界で一番安全な都市です」と話し始めました。(大野和興)(2023/06/15)


政治
4月統一地方選から衆院選挙を占う  既成政党が保革とも退潮 カルトとミニネオナチ政党が健闘  
 いつ衆院解散がおこなれてもおかしくない状況になったとメディアが伝えています。政局には関心はありませんが、自党の議席がどうなるかは私たちの暮らしに大いに関係があります。防衛力増強、原発再稼働、政府自らがおこなう外国人差別である入管法改悪、マイナンバーカードのでたらめ、などなどすべて許してしまいました。そこで、4月に行われた統一地方選挙の結果を振り返りながらこれからの政治の動向を考えてみたいと思います。(大野和興)(2023/06/09)


反戦・平和
沖縄意見広告6月4日4紙で掲載を前に記者会見  沖縄の軍事要塞化と敵基地攻撃容認の状況下で何を訴えるか
 今年で14期を迎える沖縄意見広告運動が、意見広告が掲載される6月4日を前に都内参議院会館会議室で記者会見を行いました。意見広告は、今年は東京新聞、南日本新聞、沖縄タイムス、琉球新報の4紙に全面見開き2ページで開催されます。「台湾有事」を理由に、日本政府は台湾と身近に接する南西諸島をミサイル攻撃基地とする体制を作りあげようとしています。記者会見では、平和を願う市民の幅広い賛同を集めて実施される沖縄意見広告は、この状況にどう向き合い、何を訴えようとしているのかが話されました。(大野和興)(2023/06/01)


検証・メディア
「捜査関係者」とはどういう人? 江戸川殺人事件にみる犯罪報道のゆがみ
 マスメディアは同じ過ちを何度繰り返せばわかるのか、テレビや新聞報道を見るたびにそんなことを考えている。江戸川殺人事件のことである。これまでの報道はほとんどが「捜査関係者に取材してわかった」ということで確証も物証もないまま捜査側のリークで容疑者が次第に犯人になるという経過をたどっている。その手法は過去のえん罪事件をそのままなぞっているように見える。えん罪事件は例外なく捜査当局のリークによる誘導にメディアが乗って作られてきた。この事件がえん罪であるかどうかは問わない。いえるのは、メディアが捜査側に誘導されて犯人を作るという行為が、何の反省もなく繰り返されているということだ。(大野和興)(2023/05/19)


人権/反差別/司法
市民団体が日本政府による在日外国人に対する人権侵害で国際社会に訴え G7広島サミット最終日に広島で共同記者会見
 日本に住む在日外国人の人権に深くかかわる入管法改正案の審議が参院で続いている。同法案は問題となっている入管当局による数々の人権侵害に歯止めをかけることなく、難民申請中の人物の強制帰還を容易にするなど、国際的な基準を大きく外れたもので、当事者だけでなく日本の市民にも反対の声が広がり、連日国会前や都内で反対行動が続いている。「緊急要請:難民・移民の権利保障こそが日本が目指すべき道」と銘打たれた共同記者会見は、アジア太平洋難民の権利ネットワーク、全国難民弁護団連絡会議、 認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ、NPO法人RAFIQの四者によって行われ、アムネスティ日本、特定非営利活動法人なんみんフォーラム、ヒューマン・ライツ・ウォッチなどの人権NGO が協力している。(大野和興)(2023/05/18)


アジア
当局に逮捕された香港の市民活動家燕娥さん、すべてを没収の上保釈
  香港当局に逮捕されていた市民・労働運動の活動家燕娥さん(エリザベス・タン)が(本紙既報)、逮捕から2日後の11日午後保釈された。オルタ・グローバリゼーション運動の市民組織ATTAC首都圏が現地報道をもとに伝えた。(大野和興)(2023/03/12)


アジア
香港で国際的な市民・労働運動の指導者が逮捕される 
 3月9日、香港の国際的労働運動の活動家が逮捕された。中文のリベラルメディア端傳媒のfacebook速報からの引用で、日本のオルタ・グローバリゼーションの市民運動グループ、ATTAC首都圏が伝えた。逮捕されたのは香港職工会聯盟(HKCTU)の元総幹事の燕娥(エリザベス・タン)さん。タンさんには2005年12月13日から18日まで香港で開催された世界貿易機関(WTO)第6回閣僚会議に対する現地行動でずいぶんお世話になった。同閣僚会議にはアジアを中心に世界の市民、農民、労働者らがグローバリゼーション反対を掲げて香港に集まり、連日街頭を埋め尽くすデモを繰り広げ、いたるところで集会やシンポジウムを行った。筆者はフリーの記者兼脱WTO草の根キャンペーンという市民組織の事務局長をしていた関係で、日本から100人が参加した市民グループの世話役のようなことをしていて、HKCTUにはお世話になった。閣僚会議の最終日、香港警察が張り切って海外からの抗議団の1000人ほどを街頭でいっせい逮捕。わがグループからも数名がつかまり、その釈放運動に苦労したが、その時にもHKCTUが全面的にサポートしてくれた。今では考えられない自由な香港の姿がそこにはあった。以下、ATTAC首都圏が現地報道をもとに伝えるタンさん逮捕の様子をお送りする。(大野和興)(2023/03/11)


入管
政府が今国会成立をめざす入管法改正に反対 国内NGO5団体が声明
 日本のNGOが連名で本日7日の閣議決定された入管法改正案に対し反反対声明を出しました。同改正案は2021年の通常国会で廃案になった入管法改定案とほぼ同じ内容のもので、閣議決定を得て、今通常国会に提出されます。2021年に国会に提出された法案は、名古屋入管で収容中亡くなったウィシュマさんへの非人道的な扱いなどが批判されて、廃案となったものです。NGO声明には国際人権団体アムネシティ、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)など7団体が名前を連ねています。(大野和興)(2023/03/08)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】「GX法案」の閣議決定に抗議する 福島第一原発事故からわずか12年、原発推進に急カーブ  山崎久隆
 東電福島第一原発事故から12年が経とうとしているいま、岸田文雄政権が原発推進へと大転換を図ろうとしている。そのための束ね法案「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」(以下、GX法案)を2月28日に閣議決定した。(2023/02/28)


国際
ハイチで武装集団による学校強盗が激増
 ハイチで治安の悪化や不安が広がる中、学校を狙った強盗団が急増している。ユンセフ(国連児童基金)は2月10日、この1年でこれまでの9倍に増えていると発表した。武装集団は学校を襲い、ノートパソコンやコピー機など機材の他、コメやパン生地など給食の食材なども略奪、場合によっては放火や子どもを殺したりもしている。10日、NNNが伝えた。(大野和興)(2023/02/10)


中東
イスラエルで司法手続きなく刑務所に拘禁されるパレスチナ人が急増
 行政拘束という名目でイスラエルに刑務所に拘束されているパレスチナ人が急増している。2月9日のMiddle East Monitorによると、その数は現在914人。これは2003年以来最高で、昨年同時期のほぼ2倍にあたる。強権政治を推し進めるネタニヤフ政権下で起こっていることに一つといえる。(大野和興)(2023/02/10)


中東
ネタニヤフ政権下で強権国家化するイスラエル
 右翼政治家に属するネタニヤフが政権を握ったイスラエルでは、対パレスチナだけでなく、国内においても政治活動に対する抑圧が極めて厳しくなっているようです。Middle East Monitorは9日、テルアビブ大学で集会をしていたアラブ系学生たちが、「暴力とテロリズムを扇動した」容疑で警察に追われていると、現地メディアArab48.comの報道をもとに伝えました。(大野和興)(2023/02/09)


中東
シリア、巨大地震被災救援でイスラエルに反発 「地震の惨事を拡張主義に利用」
 トルコとシリアを2月6日に襲ったマグニチュード7.8の大地震の援助をめぐり、シリアがイスラエルのネタニヤフ首相の発言に大反発している。Middle East Monitor によると、ダマスカス(シリアの首都)がテリアビブ(イスラエルの首都)に救援を要請したと、ネタニヤフ首相が語ったが、そんなことはありえないとシリア政府の情報筋が断固否定したというのだ。このことを報じた地元紙アル・ワタンは、もしネタニヤフがそのような要請を受けたとするならば、それはシリア政府に歯向かっているテロ組織かその同盟者からのものであり、「ネタニヤフ首相が占領軍の拡張主義的で攻撃的な政策を隠蔽するために、シリアを襲った地震の大惨事を利用するのは不名誉なことだ」と、情報筋の言葉を伝えている。 (2023/02/07)


反戦・平和
全国各地の消費者団体、生協が敵基地攻撃と防衛費増大に反対」を声明 日本消費者連盟と主婦連が呼びかけ
 全国の消費者団体が連名で2月6日、岸田政権が敵基地攻撃という名の先制攻撃や防衛費の増大を打ち出したことに反対する共同声明を出した。呼びかけたのは日本消費者連盟と主婦連合会。その呼びかけに応じて全国各地の消費者組織、生協など25団体が賛同、都内で開かれた記者会見で発表された。全国の消費者生活者が政府の打ち出した大軍拡に反対を表明したことは、こうした政府の動きに対する危機感が次第に広まっていることを示している。(大野和興)(2023/02/06)


反戦・平和
「台湾有事」を起こさせない!沖縄対話プロジェクトの第一回沖縄・台湾対話シンポジウムが2023年2月12日に
「台湾有事」を起こさせない!沖縄対話プロジェクトの第一回沖縄・台湾対話シンポジウムが2023年2月12日(日曜13:30−16:30 開場13:00)に沖縄で開催されます。同時オンライン配信も予定されています。以下、沖縄対話プロジェクトと第1回シンポジウムの案内です。(大野和興)(2023/02/05)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】関西電力高浜4号機のスクラム(緊急停止)は操作ミスか  関西電力の原発運営管理に重大な欠陥?  山崎久隆
 中性子束の急減により自動停止した関電高浜原発4号機の、停止時の様子が規制庁の審査会合で明らかになった。2月1日のNHKのニュース「高浜原発4号機の自動停止制御棒装置不具合で点検作業中に発生」によると関電は『トラブルが起きる5日前から当日にかけて、核分裂を抑える制御棒を炉心に出し入れするための (2023/02/03)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】「世界終末時計」が90秒前に ウクライナ戦争と核威嚇  山崎久隆 
 「世界終末時計」とは、マンハッタン計画で最初の核兵器開発に参加したアルバート・アインシュタインとシカゴ大学の科学者たちによって1945年に設立された『原子力科学者会報』 (Bulletin of the Atomic Scientists) が、2年後に「終末時計(Doomsday Clock)」として作成し、黙示録(真夜中)のイメージと、核爆発へのカウントダウンという現代の表現手法を使用して、人類と地球に対する脅威を伝えるために考案されたものです。この最新版が1月24日に公表され、史上最も短い「90秒」が示されています。(2023/02/01)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】速報です  関西電力高浜原発4号機が自動停止  中性子束異常低のスクラムか  山崎久隆
 速報です。NHKなどが一斉に報じました。原子力規制庁によると、30日午後に関西電力の高浜原発4号機で、原子炉内の中性子量が急激に減少したという異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止ました。今のところ核燃料の冷却に問題はないということで、関電と原子力規制庁が原因を調べているということです。(2023/01/30)


農と食
ニュージーランドで卵の供給不足が続く 要因はケージ飼い廃止と飼料高騰
NNNが1月27日に伝えるところによると、ニュージーランドでは 1 か月以上にわたって卵の供給不足に悩まされており、クリスマスや新年の祝賀会にさえ影響を与えている。卵の供給の実態は、特に大都市のスーパーマーケットや青果店の棚で端的に現れている。(大野和興)(2023/01/27)


農と食
食料安保論の罠
 農業・食料問題の分野にも国家主義が押し寄せている。ここではとリあえず「食料安保」論について考える。ウクライナでの戦争に端を発した食料高騰は単に輸送の糞詰まりに過ぎないというのが客観的事実なのだが、それが日本の自給率の低さと連動したとき、いきなり国家が全面に現れる。国が責任を持って食料自給力を上げ、国民の食料を確保せよ、という議論が右からも左からも声高に叫ばれ、国家が全面にあらわれる。(大野和興)(2023/01/08)


核・原子力
「岸田政権の新・原発推進政策に反対する緊急全国署名」始まる
「岸田政権の新・原発推進政策に反対する緊急全国署名」が始まった。呼びかけは「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」。締め切りは11月25日。以下の署名簿をダウンロードするか、オンライン署名で。(大野和興)(2022/10/27)


人権/反差別/司法
宗教研究者有志が旧統一教会に対する宗務行政の適切な対応を要望する声明を発表
 島薗進氏(東京大学名誉教授)ら25人の宗教研究者が10月24日、旧統一教会に対し、所轄官庁が適切かつ迅速な宗務行政の対応を行うことを求める声明を出した。声明は「正体を隠した勧誘は『信教の自由』を侵害しますし、一般市民や信者の家計を逼迫させ破産に追いこむほどの献金要請は公共の福祉に反します。そして、こうした人権侵害に対して教団としての責任を認めてこなかったことは許容できることではありません。」として、宗教法人格の取消しを視野に入れ、行政的措置を速やかに行うことを求めている。旧統一教会問題について宗教研究者がそろって声明を出したのは始めて。(大野和興)(2022/10/24)


人権/反差別/司法
マイナンバーカード普及のための健康保険証の廃止に反対します 市民団体が声明
 市民への権力による監視社会に反対する「共謀罪NO!実行委員会」、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会は「マイナンバーカード(以下マイナーカード)普及のための健康保険証廃止に反対」する声明を出しました。政府はマイナーカード普及のためにカードに健康保険証を紐づけして、24年秋までに健康保険証を廃止するとしています。マイナーカードを持たないものは医院・病院にかかれないということを意味します。それは同時に、本来任意であるはずの (2022/10/22)


農と食
ひととむらの物語 記録映画『出稼ぎの時代から』を撮って 大野和興
 山形県白鷹町で半世紀余を経て一本のスライド作品が教育委員会の物置から発掘されました。『出稼ぎ』と題されたその作品は、1966年、当時20歳で出稼ぎに出た本木勝利青年が出稼ぎ現場で撮りためた写真をもとに作成したもので、当時社会教育で行っていた視聴覚コンクールに出品され、そのまま倉庫に眠っていたものです。カビが生え、傷みまくっていたスライドが本木さんの手元に戻り、苦労して復元され、デジタル化されて筆者のもとにも送られてきました。30分弱のスライドは、出稼ぎ現場のリアルな報告とその中に流れる青年らしい正義感があふれ、感動しながら見ました。見終わってすぐ本木さんに電話し、スライドを核にその後のむらと農業の動きを付け加えて一本の映画を作りませんかと提案、快諾を得ました。この映画はこうして出来上がりました。(2022/09/23)


沖縄/日米安保
土地規制法全面施行を受け、市民団体が声明 「これからも廃止に向け取り組む」
 9月20日、重油土地利用規制法(以下土地規制法)が全面施行された。この日、土地規制法廃止アクション事務局、土地規制法を廃止にする全国自治体議員団、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは参議院議員会館で緊急記者会見を開き「土地規制法の全面施行に強く抗議し、同法の廃止を求める声明」を発表した(後掲)。三団体は同法の全面施行を前に9月16日に「緊急抗議声明」を出している(本紙既報)。(大野和興)(2022/09/21)


沖縄/日米安保
市民団体が重要土地利用規制法全面施行に抗議声明
 今日9月20日に重要土地利用規制法(以下「土地規制法」)が全面施行される。これを受けて、同法に反対する土地規制法廃止アクション事務局、土地規制法を廃止全国自治体議員団、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの3団体が緊急抗議声明を発した。抗議声明は、同法に対するパブコメで2,760件ものたくさんの意見が寄せられたにもかかわらず、それを無視しての全面施行に抗議すると同時に、同法自体が憲法で定める基本的人権を侵害する内容となっていることを改めて指摘。20日の全面施行実施を停止すること、そして、少なくとも、基本方針や政令等の内容をパブリックコメントで寄せられた多くの意見を最大限尊重したものに変更することを求めている。(大野和興)(2022/09/19)


政治
安倍政治の闇が生んだ惨劇の背景に何があったか 
 安倍殺害事件は、右翼カルト宗教と自民党右派を率いた安倍前首相との関係という思わぬ方向に動いている。これまでの日本保守政治のもっとも闇の部分であり、国際的広がりを持つ部分でもある。そして日本の主要メディアは、この殺害事件を容疑者の一方的な思い込みによるものということで収めようという意図が、報道の端々で感じられる。しかし、以前世界基督教統一神霊協会=統一教会(現宗教法人「世界平和統一家庭連合」)と呼ばれた韓国発祥の新宗教と日本保守政治のつながりは、そんなものではない。日本のジャーナリズムはこの闇に食いつくことができるか。本紙でも今後折に触れ、発信していく。(大野和興)(2022/07/12)


コラム
安倍晋三が殺されたことに関連して思ったこと 大野和興
 安倍晋三が殺されました。横で連れが、「右傾化が一挙に来るよ、といっています。ぼくは芥川龍之介が自殺に際して書いた「ただぼんやりとした不安」という言葉を思い出しています。今回の参院選を選挙公報を見たとき、カルトと宗教と何となく右翼、同じく何となく左翼、保守という名の極右、等々がならぶ誌面で感じた「いやな感じ」とも重なります。これは一体何なんだ。(2022/07/08)


アジア
ミャンマー東部州での国軍攻撃 集団的処罰の可能性 アムネスティが警告
 国際人権団体アムネスティは今年3月、4月にミャンマー国軍の動向について調査を行った。うち2週間は、ミャンマーとタイの国境での調査だった。99人に聞き取りをし、そのうち数十人は国軍襲撃の目撃者や生存者、3人が国軍脱走者だった。証言に加え、衛星画像、火災データ、公開されている軍用機の飛行データ、民間人への武器の使用や負傷、家屋破壊などの人権侵害を示す写真やビデオ100点以上を分析した。アムネスティ国際ニュースによると、タイ国境沿いのミャンマーのカイン(カレン)州やカヤー州で武装勢力の家族や村に対して国軍による大規模な残虐行為が行なわれていることがアムネスティの調査でわかった。国軍は、カレン族とカレンニー族の住民を空と地上から攻撃し、また、拘束した人たちの拷問や殺害、略奪と家屋の放火などをしてきた。(2022/07/02)


BeritaPress ベリタ編集委員会を立ち上げました
この度、株式会社ベリタを解散、日刊ベリタ運営・編集の主体として『ベリタ編集委員会』を立ち上げました。任意の編集グループといった感じのものです。ベリタ編集委員会のもとに置かれた運営委員会がベリタ運営・編集の基本方針を定め、日常の運営にあたります。運営委員会のメンバーはこれまでと変わりありません。(2022/06/22)


検証・メディア
JR東海葛西名誉会長追悼記事にみるマスメディアの劣化
 JR東海名誉会長の葛西敬之氏が死んだ。81歳。マスメディアは相変わらず彼を持ち上げる報道に終始している。しかし彼がやったことは、政治権力と結託して労働運動をつぶし、開発至上主義で自然環境を破壊するだけのリニア新幹線ごり押しだけじゃないのか。いい加減にしてほしい。(大野和興)(2022/05/28)


農と食
自殺する農協  大野和興
 農業記者として各地の農村を歩いてほぼ60年が経ちます。行くたびに気が付くのは、農協の存在感が次第に小さくなっていることです。農協はこれまで、行政の領域を超えた大型合併を進め、経営や資金など格段に大きくなっているにも関わらず、組合員農家の農協離れが進んでいます。その分、地域への影響力も衰え、これまで農協の収益を支えてきた信用事業(預金の受け入れ貸し出し、投資など金融事業)や共済事業(生命保険・火災保険・自動車保険など保険事業)も振るわなくなっています。これでは経営は縮小する一方になってしまいます。一体なぜこんなことになってしまったのか、農協が存在感を取り戻し、農民自らが作る社会的組織として再生する道はないのか、以下、長年むらを歩き、農協ともつきあってきた記者としての実感的農協論です。(2022/05/11)


医療/健康
【SMC発世界のコロナ情報】米国では、症例数は24%増加し、入院は9%増加 
 科学情報を発信するSMC最新情報による、世界の新型コロナ情報です。(大野和興)(2022/05/05)


欧州
アムネスティがマクロン大統領に人権の保護を優先するよう呼びかける
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、極右のライバルであるマリーヌ・ル・ペンを日曜日に破って再選されたフランスのエマニュエル・マクロン大統領に対し、2期目の任期で人権の保護を優先するよう呼び掛けた。Middleeastmonitorが4月26日に伝えた。(大野和興)(2022/04/26)


反戦・平和
「戦争放棄」を再構築するために(上)民衆の安全保障再考  小倉利丸
 ウクライナに対するプーチンの戦争は、さまざまな難問を私たちに突き付けている。軍隊、兵士、民衆の武装と抵抗、自衛と戦争、国家と領土と民衆。経済学者で思想家である小倉利丸さんは、いま私たちに突き付けられている問いに、改めて民衆の安全保障を再考しようと問いかける。小倉さんのブログ「no more capitalism」から転載する。小倉さんはこの論考の趣意を以下のように述べる。「民衆の安全保障という20年以上前に沖縄で提起された議論を再検討しています。軍隊は民衆を守らないという基本的な軍隊理解が現在の平和運動にはもはやほとんど見出せなくなっています。後半は私が考える戦争放棄とは何かを書いています。とくに目新しいことはないです。ウクライナの多くの人が実践していることであり、これまでの世界中の紛争や戦争地域で多くの人々がやってきた当たり前のことです。ディアスポラとかノマドとか多くの知識人たちも論じてきたことです」(大野和興)(2022/04/12)


国際
ウクライナ、サイバー戦争でのNATOとの連携がより強まるか
 ブログ「反監視情報」は、NATOはウクライナに対してCooperative Cyber Defence Centre of Excellenceの「貢献参加国」という資格を与えることを決定したというthe Recordの記事とNATOのプレスリリースを報じた。同ブログを主宰する小倉利丸さんは、戦争が始まった後の決定で、正式加盟ではないもののいわゆるサイバー戦争でのNATOとの連携がより明確なものになりそうです、と述べている。以下は「反監視情報」の転載です。(大野和興)(2022/03/18)


国際
(Protocol)ウクライナ戦争は、企業から政府まで、技術に試練を与えている
 ウクライナ戦争は砲弾が飛び交い、爆弾が降ってくるリアルな現実であると同時に、AI技術を双方で駆使する情報戦争でもある。経済学者で社会活動家でもある小倉利丸さんは、自身のブログ「反監視情報」で世界の情報を検索しながら、いま何が起こっているかを報告している。(大野和興)(2022/03/18)


地域
【秩父市民新聞】足元の貧困に地方政治はどう向き合っているか―埼玉県秩父市議会の場合
 貧困と格差の拡大は今の日本でもっとも緊急の課題であり、メディアでも国政の場でも取り上げられることが多い。しかし、地方の小都市や農村における貧困は、目に見えず、ほとんど取り上げられることもない。だが、現実には住民のくらしの奥深くに沈みこんで拡がり、地域社会を蝕んでいる。地方政治家はこの目に見えない貧困にどう向き合っているか、筆者が住む埼玉県秩父市議会で最近あった出来事に触れながら考察する。なお、本稿では登場する議員はすべて実名表記した。選挙に立候補して選ばれ、人々の暮らしを左右する公職につくものとして、当然責任ある発言をしているはずだからだ。(大野和興)(2022/03/08)


欧州
ウクライナ問題、世界はどう分析しているか
 経済学者でJCA-NETの代表を務める小倉利丸さんが自身のブログでウクライナ問題に対する海外の声明や分析を紹介している。内容は、サイバー攻撃と人権、ロシアの政治状況とプーチン、ナショナリズムとウクライナのネオナチの動向、ロシア内での市民の反戦運動など、多岐にわたる。記事中のURLで全文は小倉さんのブログ「no_more_capitalism」で読むことができる。いま起こっている事態を複眼的に見ることの大切さがよくわかる。(大野和興)(2022/02/27)


農と食
【コラム】百姓が農を仕舞うときー佐藤藤三郎と20人の百姓との対話 大野和興
 まだオミクロンによる第6波がいまほど深刻でなかった1月18日に、山形県置賜で20人ほどのささやかな集まりを持ちました。置賜百姓交流会とTPPに反対する人々の運動が企画して、佐藤藤三郎、星寛治、木村迪夫ら山形の百姓の巨人に、九州・唐津から農民作家の山下惣一がオンラインで参加して対話してもらおうという企画でした。対話のタイトルは「百姓が農を仕舞うとき」。趣意書を書けと言われ、次のように書きました。(2022/02/25)


農と食
原村正樹監督『若者は山里をめざす』 制作費と上映活動費を募っています
 埼玉県唯一の村、東秩父村はコンビニすらない山深い村。そんな山里に5年前、3人の若者が移り住み、村の魅力を伝えようと活動している。村のお年寄りたちと力を合わせ、山里の伝統的な暮らしを未来に残そうとしているのだ。効率重視の都会生活に疑問を抱く彼らは、山里の穏やかな暮らしに未来への希望を発見する。農業をテーマとするドクメンタリー映画の第一人者、原村正樹監督のメッセージです。クラウドファンディングで映画の最終仕上げと上映活動費の資金を募っています。(大野和興)(2022/02/03)


農と食
分断とすれ違い、国家の政策と農の現場
 農と食について、現在ほど生産現場、消費現場、政策形成者ありていにいうと政治家や役人の思惑がずれてしまっている時代はないのではないのか、そんなふうに言いたくなるほど三者の関係はずれまくっています。いま、生産現場にとって最大の課題は生産物であるコメや野菜、果樹、畜産物等の価格と生産状況の不安定さです。農業を支える根っこのところが揺らぎまくっています。そのことが、あとで述べますが農業生産の基盤を揺るがし、このままでは再生産不能という事態の追い込まれかねない懸念の最中に農民はいます。(大野和興)(2022/02/03)


アジア
”#ミャンマー国軍の資金源を絶て” 6市民団体が国軍系事業体を支える日本企業の資金引き上げを投資家に要請
 ”#ミャンマー国軍の資金源を絶て”がツイッターで拡がっている。このハッシュタグを支える具体的な動きも立ち上がっている。そのひとつ、今年1月18日にはミャンマーの人権団体を含む6つの市民団体が投資家宛に「ミャンマーでビジネスを継続している企業に対して ミャンマー国軍の資金源を確実に断つ措置を」を出した。ティラワ経済特別区(SEZ)開発など国軍の資金源となっている4つの事業について、日本の事業出資者(ENEOS株式会社、住友商事株式会社、丸紅株式会社、三菱商事株式会社)にあてたものだ。(大野和興)(2022/01/24)


農と食
厚労省がゲノム編集のマダイとトラフグの商品化を認める 回転寿司はどうするのだろう 日本消費者連盟が尋ねた
 ゲノム編集魚二種類が厚労省で受理され、販売可能になった。マダイとトラフグだ。動物のゲノム編集食品の商品化は世界で始めて。特定非営利活動方針日本消費者連盟(以下、日消連)は、ゲノム編集食品は安全性が確認されてないとして、回転寿司大手など鮮魚を提供する大手チェーン18社にゲノム編集魚の取り扱いについて公開質問状を送り、回答が出そろった。「安全性に疑問がある」などで「取り扱わない」と回答したのは3社のみで、多くの大手チェーンからは回答がなかった。日消連は「このままでは食べる側が何も知らされないまま知らないうちにゲノム編集食品を食べさせられる」と危機感を強めている。(大野和興)(2022/01/20)


農と食
【連載】現代史のなかの農と食(第3回) 昭和恐慌下の農村  大野和興
 1929年(昭和4年)10月24日、ニューヨーク・ウォール街の株式相場が大暴落する。世にいう「暗黒の木曜日」である。世界恐慌が始まった。第一次世界大戦後のアメリカの繁栄は一挙に吹き飛び、恐慌はヨーロッパへ、そして世界中に波及していった。恐慌は金融恐慌、農業恐慌の形をとって人々を直撃した。恐慌が日本に波及したのは1930年である。(2022/01/17)


農と食
【連載】現代史の中の農と食(第2回) 侵略は土と種から 大野和興
 食料問題を考えるときの起点をぼくは米騒動に置いていることは、本連載の第1回で述べた。1918年7月、コメ高騰に怒った富山の漁村の女たちが立ち上がった。暴動はたちまち全国に波及し、民衆運動となった。1915年ロシア革命を目の当たりにした日本国家を震撼させた民衆の決起だった。米騒動の再来をおそれた政府は食糧を国家管理のもとに置く政策に手を付ける。その一環としてコメの「北進南進政策」が提起され、北海道産米増殖、ついで植民地産米増殖計画が打ち出された。日本国家は帝国農業試験場の植民地におけるセンターを朝鮮と台湾に作ることから始めた。(2022/01/08)


社会
監視社会ニッポン 国交省、鉄道全車両に監視カメラ義務付けの検討を開始
 他の国の監視社会化についてメディアは報じるが、自分の足元で起っている現実についてはそっけない。それをよいことに、日本でもデジタル庁発足と歩調を合わせるようう監視社会化が急速に進んでいる。そのひとつにJR東日本の顔認証式カメラシステム導入(本紙既報)、国交省の全車両監視カメラ設置義務化の動きがある。一定の空間に一定時間多くの人を滞留させる電車内に監視カメラを設置することはプライバシー、個人情報の侵害の最たるものであるとして「共謀罪NO!実行委員会」は昨年末、全車両監視カメラ設置義務化に反対する声明を出した。(大野和興)(2022/01/05)


農と食
【連載】現代史の中の農と食 かたわらにはいつも戦争があった  大野和興  
 農と食について、戦前期から現在に至る歴史を追いながら考えてみる。それはそのまま民衆の生きた歴史に重なり、傍らにはいつも戦争の影があった。農と食をたどることは、民衆が政治にいかに翻弄されたかを語ることのつながる。第1回目は、近代日本における食料問題の発端ともいえる大正期のコメ騒動から取り上げてみたい。(2022/01/03)


農と食
風もまたわが農業  大野和興 
日本有機農業研究会が動き出した70年代初頭、巨大開発に抗して「農地死守」を掲げて国家に真っ向からの闘いを挑んだ農民闘争がありました。三里塚闘争と呼ばれるこの闘争に記者であり支援者でもあるという中途半端な形で関わり続けて今に至っているのですが、この闘いの中から、”もう一つの三里塚闘争”とも呼ぶべきうねりが生まれたことはあまり知られていません。(2022/01/02)


農と食
農仕舞い  大野和興
 各地に百姓の友人がいるので、盆暮れには生産物をいろいろ送ってくれる。お返しは秩父の酒と豚肉の味噌漬け、それに自身の唯一の生産物である本をおまけにつける。(2021/12/31)


医療/健康
オミクロンはデルタと同じように重症化する可能性も 南アの研究チームが発表
 南アフリカの研究チークが「入院すると、オミクロンではデルタと同じように重症化する可能性があった」と発表した。世界のジャーナリストに科学情報を発信している<SMC>(サイエンス・メディア・センター)が12月23日に報じた。(大野和興)(2021/12/25)


検証・メディア
12月22日(水)19時から 世界各地で起きているインターネット遮断についてのセミナー
市民の権利としてのインターネットのあり方を追求しているJCA-NETが、いま世界各地で起きているインターネット遮断について考えるセミナーを開催します。12月22日19時からオンラインでの開催です。(大野和興)(2021/12/16)


関生反弾圧市民情報センター
武建一が語る「いま関生に何が起きているか」
 連帯労組関西生コン支部委員長を辞任した武建一委員長は、一組合員に戻り、関生再生委員会を立ち上げ、関西生コン支部を本来の労働組合に再生する活動を開始しました。武前委員長は10月30日、沈黙を破り、東京都内で「いま関生支部で何が起こってるか」 (2021/11/06)


市民活動
11月13日(土)顔を盗むな!顔を返せ!反監視カメラ新宿アクション
 JR東日本による顔認証監視カメラ廃止を訴えての行動を、「盗聴法に反対する市民連絡会」が呼び掛けています。JR東日本のプライバシー侵害を許さない!!JR東日本は、オリンピックを口実に、管内の駅と車両に顔認証監視カメラの設置を進めています。完成すると4万台近い監視カメラのネットワークがデータベースとつながり、私たちの動静を逐一監視可能になると思われます。(大野和興)(2021/11/05)


検証・メディア
揺れるTBS「ひるおび」 人気コメンテーターのデマ反共発言で有力スポンサーもCM見合わせ
 昼のニュース番組として人気があるTBSの「ひるおび」が、コメンテーターの反共発言で揺れている。同番組の人気コメンターター八代英輝氏(本職は弁護士)が、共産党は暴力革命を掲げていると発言してしまったので。TBSと同時に、同番組のスポンサーにも抗議が殺到、有力スポンサーであるキューピーが広告を見合わせるという事態に発展している。(大野和興)(2021/09/15)


アジア
日本ミャンマー協会の渡邉会長がネピドー入り、国軍総司令官と会談か
日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長が9月11日、ヤンゴン国際空港に到着した。情報によると、常務理事・事務総長の渡邉祐介氏も同行しているという...。現地メディアの報道をもとにMyanmarJaponOnlineが13日、伝えた。(大野和興)(2021/09/13)


アジア
22日NHKスペシャル 「混迷ミャンマー 軍弾圧の闇に迫る」
 22日日曜日午後9時からのNHKスペシャルは国軍弾圧化にあるミャンマーの今を取り上げた。ウエブサイトなどで情報提供を呼びかけ、厳重なセキュリティのもと、現地からの映像を入手。そこからいま進んでいる国軍による弾圧の実情を追ったものだ。さらに番組は、「軍を離反した元将校の証言や、軍の機密文書などを入手。 (2021/08/23)


国際
タリバンのアフガニスタンをどうみるか 国際協力NGO活動者の視点  大野和興
 米軍の撤退で瞬時に全土を掌握、政権を奪回したタリバーンが、これからどのような存在になるのか、さまざまな報道が乱れ飛んでいる。日本のメディアはタリバン極悪説が支配的で、ネガティブな報道が目立つ。しかし、長年アフガニスタンに駐在し、人々の暮らしの再興に現地の人々と一緒に働いてきた日本のNGOの中には違った見方が出ている。国際協力NGO日本国際ボランティアセンター(JVC)は米軍侵攻直後から現地に事務所を置き、医療や女子教育などに尽力していた。当時筆者もJVC理事の一員として、その活動を注視してきた。アフガニスタンの人々と関わり続けている当時のスタッフの見方、視点を紹介する。(大野和興)(2021/08/18)


みる・よむ・きく
山下惣一著『農の明日へ』 百姓よ“開き直れ”  大野和興  
 百姓にして作家の山下惣一さんの新しい本が出た。「もう最後だ」「もう終わりだ」と言いながら次々本を書く山下さんのことだから、別にびっくりはしないが、我がこととのようにうれしい。ぼくは今年81歳になった。山下さんは85歳、ぼくより年長だが、この年になると、あるのは個人差だけで自然年齢など余り関係ないから同年配といってもよい。ぼくはいま山形県白鷹町に通い(コロナ禍にめげず)、そこの百姓の友人たちと製作委員会をつくって出稼ぎを記録する映画作りに熱中しているのだが、山下さんのこの本を手に取って、俺もまだ本を書けるなとつくづく感じ入った。冒頭、この本が出て「我がこととのようにうれしい」と書いたが、ここで言った「うれしい」といったのはこういう、つまり自分にとってうれしいということで、別に山下さんを祝福したわけではない。(2021/08/11)


アジア
国軍弾圧とコロナにあえぐミャンマーからの手紙
 ミャンマーで経済活動に尽力されている方から、ベリタにお手紙をいただきました。ミャンマー在住の多くの邦人、そしてミャンマーの普通の市民の思いを込めてのお便りでした。日本ミャンマー協会と軍事クーデターを起こしたミャンマー国軍との関係を報じたベリタ掲載記事に共感いただいたお手紙で、編集同人一同、感動しながら読ませていただきました。ミャンマーで暮らし、ミャンマーの人びととともに仕事をされている多くの邦人の思いを、ベリタ読者にお伝えしたく、ご本人のご了解を得て掲載いたします。(ベリタ編集長大野和興)(2021/07/29)


農と食
原発技術神話崩壊から10年 技術信仰と食の安全
 テレビで時の最高権力者が壊れたレコードのように、「国民の安全安心」を繰り返している。それに続いて、次の位の権力者たちが、テープレコーダーのように同じ言葉を繰り返す。福島原発事故から10年が経ち、東京オリンピックがコロナ禍で強行される。そういえば、東京オリンピック・パラリンピックで当初掲げられたアピールは「東北大震災復興のあかし」だった。いつの間にかそれは消え、「コロナを克服したあかし云々」にとってかわった。“壊れたレコード”をテレビで聴きながら、彼らが言う「国民の安全安心」とは一体何なのだろうと思う(大野和興)(2021/07/05)


アジア
「ミャンマー国軍が私に逮捕令状を出したことを誇りに思います」 日本ミャンマー友好協会、ドクター・ササ氏参加のシンポジウム
 一般社団法人日本ミャンマー友好協会(本部東京)は、7月6日(火)、「ミャンマー国軍によるクーデターを非難する国会決議について」をテーマとしたZOOMによるシンポジウムを開催する。参加者はクーデターを起こした国軍の対抗し民主派が結成したミャンマー国民統一政府(NUG)国際協力省大臣のドクター・ササ氏らNUGの閣僚4名と、日本・ミャンマー友好議員連盟会長の逢沢一郎衆議院議員(自民)、ミャンマーの民主化を支援する議員連盟事務局長の石橋通宏参議院議員(立憲)ら。ドクター・ササ氏とはいかなる人物か。ミャンマー国軍が反逆者として逮捕状を出した人物の素顔をMYANMRA JAPONニュースから紹介する。(大野和興)(2021/07/02)


アジア
アムネスティ日本、茂木外相にミャンマー国軍の民衆への暴力の停止を求める国連決議案への日本参加を求める
 人権団体アムネスティ日本は6月9日、ミャンマーに関する国連総会決議を支持し、国連安全保障理事会の行動を促すよう求める要請書を茂木外務大臣に提出した。ミャンマーへの武器禁輸、平和的なデモ隊に対する暴力行為の停止、アウンサウンスーチーさんらの即時解放などを呼びかける国連総会決議案が48カ国から共同で提出されているが、日本政府は無視したまま。アムネスティは、採択に向けて広範な支持を得るべく交渉が続けられているこの決議案の共同提出国として日本も名を連ね、積極的な役割を果たすことを求めている。(大野和興)(2021/06/09)


アジア
日本ミャンマー協会会長渡邉秀央氏よりの「記事撤回及び謝罪請求」に対する本紙の見解
 前掲の日本ミャンマー協会会長渡邉秀央氏よりの本紙掲載記事の撤回と謝罪請求に関し,本紙編集委員会は執筆者永井浩記者とともに、下記のような見解を取りまとめました。以下掲載します。(日刊ベリタ編集長大野和興)(2021/05/31)


アジア
日本ミャンマー協会会長渡邉秀央氏より、本紙掲載記事に対し「撤回及び謝罪請求書」
 本紙4月16日付け記事「クーデター直前にスーチー氏と国軍トップと会見した日本のODAビジネスの黒幕 狙いは何か?」について、一般社団法人日本ミャンマー協会会長渡邉秀央氏より、5月18日付け文書「記事撤回及び謝罪請求書」をいただきました。当該記事は「事実に反する」とのご指摘に基づくご請求です。本紙編集委員会は掲載記事に関する意見を表明し、反論を述べる権利は最大限に尊重する方針を掲げております。その方針に基づき、以下、渡邉氏よりのご請求の全文を掲載いたします。渡邉氏の本紙記事へのご反論に対する本紙編集委員会及び執筆者の見解は別記事にて掲載いたします。(日刊ベリタ編集長 大野和興)(2021/05/31)


国際
枯葉剤製造企業を訴えたフランスの枯葉剤裁判、一審は訴えを却下
 ベトナム系フランス人チャン・ト・ガ(Tran To Nga)さんがモンサントやダウ・ケミカルなど多国籍化化学企業を相手に、その製造責任を訴えた枯葉剤裁判。5月10の一審判決は「管轄権がない」という理由で訴えを却下しました。(大野和興)(2021/05/10)


農と食
都市ではリアルな飢えが拡がり、農村では米価下落が農家を襲っている  2011年から10年後の農と食の現実 
 とりあえず東日本大震災と原発破裂の直後、農業ではどのような論議があったかを整理しておこう。自分自身についていうと、確か“暗闇の思想”から出発したはずだった。2011年3月11日から2週間余りが経った時だった。首都圏のはずれの山間地秩父に住んでいて、地元の日帰り温泉に行った帰途、ふと見上げると、あまりにも星空がきれいでだったことに感動し、次のように書いた。(大野和興)(2021/03/08)


検証・メディア
この国のメディアとジャーナリズムの惨状を映し出した森後継指名報道
 昨夜(11日)、フェイスブックに以下のような投稿をした。「不祥事を起こした組織の代表が引責辞任するに際し後継を指名するなんてことは、どう考えてもあり得ない。しかも、その代表が相談役に就任することが、内々決まっている。これが通ったら、この国は相当変な国だ。あの森の話」。テレビのニュース番組で差別発言の責任をとって辞任表明に追い込まれたオリンピック組織委員会の森喜朗会長が、辞任表明を待たずに後継を指名、その光景を追っかけておおわらの記者たちの光景が映し出されたのを見ての投稿だった。翌12日朝刊はもっぱらこの後継指名のおかしさ、不明瞭さをつくだろうと予測して先回りしようと書いたものだ。(大野和興)(2021/02/12)


文化
フランスで枯葉剤裁判が始まった 映画『花はどこへいった』とベトナムの村歩きで遭遇したこと
 フランスでベトナム戦争で使われた枯葉剤の裁判が始まったという知らせが、国際有機農業映画祭の運営委員仲間のレジーヌ(Regine、在フランス)さんからあった。「ベトナム戦争中に何百万人もの人々を毒殺した落葉剤に対する裁判が、1月25日(月)フランスで始まります。犠牲者の一人TranToNgaさんは、長年戦ってきました。2014年にBayer-MonsantoやDowChemicalを含む多国籍企業を告訴しましたが、裁判が延期されてきました」とある。その裁判がようやく始まったのである。国際有機農業映画祭では2012年に枯葉剤の悲劇を描いた『花はどこへいった』を上映した。その前、ぼく自身はアジアの村歩きの中で訪れたベトナム中部の少数民族も村で枯葉剤による汚染に遭遇。その後ダナンにある枯葉剤被害者救援センターを訪れたことがあった。映画を紹介しながらその折のことを書いた当時の原稿をストレージから引っ張り出した。以下に再掲する。(大野和興)(2021/01/29)


文化
再録《演歌》 人の情を鮮やかに、艶やかに言語化する天才的書き手だった 我が亡き畏友佐藤稟一がベリタに書き残した昭和演歌シリーズを採録する 大野和興
 今、若い世代に昭和演歌が見直され、ひそかに広がっているという噂を聞いた。それならと、再録を思い立った。2010年代初期に本紙に連載した佐藤稟一の「演歌シリーズ」だ。広くは知られていないが、演歌界では彼の書くものは読みまわされていた。演歌の神髄”人の情”をこれほど鮮やかに言語化した書き手をぼくは知らない。若いとき、出版社に籍を置き、歩くアジア学を創設した鶴見良行に私淑、その後ふるさとの福島に帰り、半読半土方の暮らしをつなぎながら演歌について書き綴った。ベリタに連載した彼の演歌論を再掲する。(2021/01/26)


人権/反差別/司法
アムネスティ日本:感染症法改正案で患者・感染者への刑事罰の導入が提案されていることへの懸念を表明
 国際人面団体アムネスティの日本支部は21日、今国会に上程される療に関する 法律(以下、感染症法)」の改正案概要の一部に、新型コロナウイルス感染症の患者・感染者が入院措置や調査を拒否した場合などに刑事罰を科す内容が含まれていることに、強い懸念を表明した。特に懲役刑が科せられることについて、「身体の自由という基本的人権を脅かすものになっていることに危機感を禁じえません」と強い懸念を明らかにしてる。(大野和興)(2021/01/23)


社会
オリンピックは取りやめ、海外からの移住者含むすべての人に生存権の保障を  日本消費者連盟がコロナ対策で緊急声明
 NOP法人日本消費者連盟は15日、拡大の一途をたどる新型コロナ感染症に対し、抜本的対策を市民社会に訴えると同時に、議会及び自治体・中央政府に要求する緊急声明を発表しました。声明は、経済に重点を置いた需要喚起策やオリンピック・パラリンピックの取りやめ、人権侵害を引き起こす懸念がある罰則付き特措法改正の取りやめ、安全性に疑問があるワクチン接種を強く勧奨しないこと、などを要求すると同時に、なによりのコロナ感染対策は憲法25条がうたう生存権を海外からの移住者を含むすべての人に保障し、人びとが貧困に陥ることを防ぐことであることを強調しています。(大野和興)(2021/01/16)


農と食
ゆっくり、小さく、弱くてもいい もう一度、生身を取り戻すしかないよなぁ  大野和興
 1950年代後半、朝鮮戦争という他国の戦争に便乗してこの国で経済成長が始まるとともに、村も農業も急速な変貌を遂げる。“より早く、より大きく”をめざして「農業改革」が進み、1980年代以降、地球の果てまでを市場競争に巻き込むグローバリゼーションが進む中で、そこに“より強く”が加わる。そんな価値観が横溢するなかで、小さな自作農が生き延びていけるはずがない。(2020/12/22)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
ゲノム編集食品届け出に対し、日本消費者連盟など市民団体が政府に公開質問状
 日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンはは12月11日、厚生労働省に届け出がなされたゲノム編集食品「グルタミン酸脱炭酸酵素遺伝子の一部を改変しGABA含有量を高めたトマト」について、田村厚労大臣に公開質問状を出した。質問状はゲノム編集食品は届け出は任意であり、事前の安全審査も行われないことン不安を表明、安全審査を行うべきであり古都、その審査を公開すべきであることなどを要求、12ア月24日までの回答を求めている。(大野和興)(2020/12/12)


中国
中国・内モンゴル自治区で中国語強制政策への抗議が拡がり、中国政府は弾圧を強化
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、中国の内モンゴル自治区で、中国政府の中国語教育強化に抗議する人々への弾圧が強まっている。アムネスティによると、これまでに23人のモンゴル民族の人たちが「騒乱挑発罪」で逮捕され、さらに警察は129人の氏名を容疑者として公表している。また、教師や行政関係者の中には、中国語への転換政策に非協力だとして処分された人もいる。(大野和興)(2020/12/10)


コロナ禍、食料があふれて値下がりしているのに飢えが拡がる現実をどう読み解いたらいいのだろう  大野和興
 新型コロナウイルスはこの世に積み重なった諸々をあぶりだしました。都市と農村、食と農という境目に視座をおいて、その諸々の来し方行き方を考えて見たいと思います。(2020/11/10)


文化
川柳作家乱鬼龍の反乱 日本学術会議への権力介入にもの申す
 運動の現場で自作の川柳を大書したむしろ旗を掲げて立つ川柳作家乱鬼龍は、知る人ぞ知る有名人。その乱鬼龍が、菅政権の日本学術会議への権力介入に川柳で挑んだ。文藝による権力への反乱。五句を紹介する。(大野和興)(2020/10/23)


政治
菅政権日本学術会議への権力介入に宗教者が抗議の声明
 菅政権によるの日本学術会議の会員任命に関する権力介入に抗議する声は、分野を超え大きく拡がっています。そのすべてを紹介することはできませんが、出来るだけそうした声を紙面に紹介し、お届けしたいと考えています。どんな小さな声でも以下にお寄せください。info@nikkanberita.com 今日は、仏教、キリスト教の境を超えた広範な宗教者の声を紹介します。(大野和興)(2020/10/21)


核・原子力
汚染水は海洋放出ではなく陸上で管理・処分を 原子力市民委員会が声明
 福島第一原発の処理汚染水の海洋放出が強行されようとしています。よく言われるトリチウムだけでなく、多核種の放射性物質が含まれている汚染水の放出は、福島や隣接の漁業に重大な被害を及ぼすばかりでなく、世界的な海洋汚染を引き起こす懸念があります。しみっが作る原子力市民委員会(座長:大島堅一)は10月20日、「汚染水を海洋放出してはならない。汚染水は陸上で長期にわたる責任ある管理・処分を行うべきである」との反対声明を発表しました。(大野和興)(2020/10/21)


政治
日本ペンクラブが学術会議への権力介入で声明
 日本ペンクラブが学術会議への権力介入事件で声明を出した。今回の問題は「学問の自由の侵害であり、言論表現の自由、思想信条の自由を揺るがす暴挙である」と糾弾するとともに、学術会議の会員に対して「同会議法が掲げる「科学が文化国家の基礎であるという確信」に基づいて、この問題に毅然と対応することを期待したい」と呼びかけている。(大野和興)(2020/10/09)


政治
菅政権の日本学術会議人事への権力介入で演劇人も反対声明
演劇人も声明を出しました。(大野和興)(2020/10/07)


政治
「日本学術会議の会員任命拒否は国際人権条約違反」 国際人権団体ヒューマンライツ・ナウが声明
 東京に本部を置く国際人権団体が菅政権の日本学術会議への人事介入は憲法を含む日本の法だけでなく、日本の批准する国際人権条約の社会権規約13条が定める学問の自由を含む教育を受ける権利の侵害であるとの声明を出しました。(2020/10/07)


政治
菅政権の学術会議介入は「令和の滝川事件」 教育史学会が抗議の声明
 教育史学会が日本学術会議への永瀬池の政治的介入に抗議し、推薦者全員の即時任命を要求する声明をだしました。声明は、1933 年に文部大臣が滝川幸辰京都帝国大学教授を「赤化教授」との評判に基づいて休職処分とした事件を引き、「令和の滝川事件」と命名しています。(大野和興)(2020/10/06)


政治
菅政権の学術会議権力介入に日本映像学会が緊急声明
 日本映像学会が、日本学術会議会員推薦者の任命拒否に関する抗議声明を出しました。「菅首相による今般の任命の拒否は学問の自由を侵害するおそれのある明らかな政治的介入です」と声明は述べています。(大野和興)(2020/10/06)


政治
【声明】このままいくと市民活動にも波及する  菅政権の学術会議への権力介入に日本消費者連盟が撤回を求める
 消費者問題で幅広い活動を展開する非営利活動法人日本消費者連盟が6日、菅政権が行った日本学術会議に対する権力介入に抗議し、撤回を求める声明を出した。声明は菅政権の今回の行いは違法であると同時に、憲法でうたわれている「学問の自由」や「言論・表現の自由」を侵害するものであり、時の政権を批判するものへの見せしめしとして、市民団体の活動にも波及すると指摘。民主主義に対する権力の挑戦であると批判している。(大野和興)(2020/10/06)


政治
マスコミ関連労組、菅政権の日本学術会議新会員任命除外を撤回せよと抗議声明
 新聞、テレビなどメディア関連の労働組合で構成してる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は10月3日、菅政権が強行しようとしている日本学術会議会員の任命除外の撤回を求める声明を発表しました。(大野和興)(2020/10/04)


アジア
【声明発表と賛同署名の募集】 ---- いまこそ日韓関係の改善を ----
 元雑誌『世界』編集長の岡本厚氏ら言論界、研究会、市民運動家らが呼びかけ人(2020年9月22日現在 118名)となって9月18日、「いまこそ日韓関係の改善を」と題する声明を発表、賛同署名を募っています。声明は、安倍政治からの転換が求められているいまこそ問題解決の第一歩を踏み出すべきだとして日韓首脳会談の開催、元徴用工問題の打開を図るべきだと主張、「日本政府は、まずは輸出規制措置を撤廃すべきです」と提起しています。(大野和興)(2020/09/24)


農と食
農耕があって種がある 種論議を地域農業・食の再生とつなげて考える  
 種の論議がつまらない。種子法廃止、種苗法改正案国会提出、といった一連の動きのなかで、あじったり煽ったりの議論が横行、都会の人が種に興味を持ってくれたのはいいが、目線は目先の制度論に集中し、種が持つ奥深さ、種に対する農民の思いや営みといった物語が消し飛んでしまったからである。種苗法改正をめぐる論議の中に、改正反対論を含め、当事者である農民や育種家の声とか経験、蓄積がほとんど反映されてこなかったことも気になる。種と人と風土の培ってきた歴史的な関係性を顧みない議論の立て方がその背後にある。種苗法改正案は前国会で継続審議となり、持ち越されることになった。種のことを原点に立ち返って議論するいい機会ともいえる。そのためのいくつかの論点を考えてみたい。(大野和興)(2020/08/18)


反戦・平和
敗戦75年目の夏 あの時も農民は戦場にいた  大野和興
 山形県の南部の置賜地方に「置賜百姓交流会」をいう農民グループがある。1970年代の初め、減反に反対をしようと当時20歳代の百姓を継いだ若者たちが集まり作ったグループだ。それから40年、すでにメンバーの多くは70代に入った。 彼らは減反反対ばかりでなく、村でさまざまなことに取り組んできた。そのひとつに、「戦争のために二度と銃をとらない農民の集い」というのがある。当時一部で話題を読んでいたドキュメンタリー映画『侵略』の上映会を地域の村々で開催したのだ。20代の若者たちの無謀ともいえる行動に、村の人たちの反応はどちらかというと冷やかで、参加者もちらほらだった。(2020/08/15)


コラム
新型コロナがあぶり出した生と死と経済 「GoTo travel」が問ういのちか経済か 
 コロナは否応なく人に生と死を考えさせる契機となったが、それは妙にゆがんだ観念でもあった。コロナは「経済」か「いのち」かという本来ならあり得ない奇妙な二項対立を、誰もが奇妙と思わない奇妙な状況を作り出した。いまの日本の政権の言い草を聞いていると、経済のためには人は死んでもかまわない、という思想が透けて見える。しかし、よくよく考えてみたら、腹を立てても仕方ないとも思う。生とか死を経済で換算することに、ぼくたちはとっくに慣れてしまっていることに思い至る。コロナはそれをより日常化したにすぎない。(大野和興)(2020/08/14)


関生反弾圧市民情報センター
権力は何を怖れたのか 1年9カ月の長期拘留を経た武委員長が語る反転攻勢と社会変革の道筋
 641日という長期拘留の末釈放された連帯労組関西生コン支部の武委員長を迎えて、月刊新聞『コモンズ』がインタビューを掲載した。戦後最大の労働運動弾圧が関生労組になぜかかけられたのか、権力は何を怖れたのか、武委員長は改めて関生型労働運動の本質に立ち返り、今回の大弾圧の本質を明確に解き明かした。延べ89人の逮捕者を出し、苛烈な経済的締め付けで同労働組合は大きな打撃を受けた。一方セメント資本もこれから本格化するコロナ不況と資本の進展を支えてきたグローバリゼーションの行き詰まりの中で矛盾を深めている。これからの展望について、武委員長は産業別労働運動と協同組合社会・経済構築という二本柱を軸とする反転攻勢についてもインタビューの中で明確に提示している。(大野和興)(2020/08/11)


市民活動
日消連Web講座【第2弾】のご案内
コロナ禍をきっかけにこれまでの暮らし方を見直そうと、6月にスタートした日消連Web(オンライン)講座の第2弾です。今回のテーマは「知ってほしい!便利さの裏にある危険」。柔軟剤などに含まれる香りの成分が原因で引き起こされる「香害(こうがい)」、便利で身近な「プラスチック」製品、今春に始まった次世代通信システム「5G(ファイブ・ジー)」を取り上げます。(2020/07/08)


市民活動
アムネスティ日本が緊急オンラインイベント  「香港の若者が語る〜今そこにある自由の危機〜」
 国際人権団体アムネスティ日本は7月12日(日)の13時より【緊急オンラインイベント】香港の若者が語る〜今そこにある自由の危機〜を開催する。香港人のフォトグラファー、留学中の日本人大学院生、企業で働く日本人女性。最前線にいる3名の青年たちが、昨年の逃亡犯条例反対運動のデモから「国家安全維持法」が施行された現在に至るまで、彼らの目から見た香港の状況について語る。(大野和興)(2020/07/07)


検証・メディア
Zoom、天安門事件関連のZoom会議を中国政府の要求に沿って中止し、アカウントを削除
コロナ社会でいまや欠かせないコミュニケーションツールとなったZoomが中国政府の要求を受け入れ、天安門事件関連の国際的なZoom会議の開催を中止し、アカウントを削除するという事件が起こった。オンラインでの人びとのコミュニケーションをつかさどるツールに国家の介入を許すZoomの今回の処置に対し、コミュニケーションツールのセキュリティ(国家権力の介入に対する防御と民主主義的規制及びプライバシーの保護)問題に取り組んでいる小倉利丸さん(経済学者で社会運動家)は、Zoomの今回の落ちについて、「今後、中国に限らず、日本であれどこであれ、国内法に違反すると政府や警察など行政権力がZoomに申し立てした場合、Zoomはこれを受け入れるということです」と厳しく批判している。ATTACのメーリングリストに投稿された小倉さんの意見を紹介する。(大野和興)(2020/06/14)


文化
明日13 日、名古屋で愛知県大村知事リコール運動反対のアクション
 明日13日、名古屋で「表現の不自由展・その後」を理由とした大村知事へのリコール運動反対のアクションが行われます。 6月2日高須克弥氏らは「表現の不自由展・その後」の開催と再開をおもな理由とした大村知事へのリコール運動を開始すると記者会見しました。アクションの呼び掛け文は、リコール運動は表現の自由」と「歴史の事実」に対する攻撃であると訴えています。(大野和興)(2020/06/11)


関生反弾圧市民情報センター
武委員長に続き、最後の一人湯川副委員長が6月1日、保釈されました
 武委員長に続き、最後の一人湯川副委員長が6月1日、保釈されました。連帯労組広報委員会は以下のような報告と感謝を発信しています。(大野和興)(2020/06/02)


関生反弾圧市民情報センター
641日の長期拘留の末、武委員長保釈  
  5月29に日深夜、関西生コン支部武建一委員長が保釈されました。641日ぶりです。大阪拘置所から出てきた武さんは、「応援していただいた皆さんの陰です。ありがとう。元気です」と笑顔であいさつした。湯川副委員長は遠からず釈放の見通しと伝えられている。(大野和興)(2020/05/30)


関生反弾圧市民情報センター
新型コロナ感染から二人の命を救え! 異常な長期拘留でいのちの危機にある関西生コン労組武委員長らの早期釈放を求め行動
 戦後最大の労働弾圧といわれる連帯労組関西生コン支部への弾圧で逮捕されている同支部の武委員長と湯川副委員長の勾留はすでに600日を超えました。典型的な三密である拘置所ではコロナ感染の危険性があり、現に武委員長が拘留されている大阪拘置所では刑務官をはじめとする多数の感染者を出しています。二人、特に高齢で基礎疾患を持つ武委員長は生命の危険さえ危惧される状況です。異常な長期拘留は、まさに国家による殺人行為とさえいえます。現地関西では労働組合員と支援組織により、京都地裁前で5月19日から29日まで、「新型コロナ感染から二人の命を救え!」を掲げ、早期釈放を求める連続行動が行われています。また併行して釈放を求める手紙やFAXによる行動を支援団体は呼びかけています。(大野和興)(2020/05/21)


コラム
コロナ、「新たな日常」と「欲しがりません勝つまでは」 大野和興
 コロナ緊急事態宣言が39県で解除された5月14日、安倍首相は記者会見で「新たな日常を取り戻す」と述べました。「新たな日常」っていったい何だろうと考えていたら、突然「欲しがりません、勝つまでは」という戦中標語が頭に浮かびました。戦時体制下のニッポンで、“銃後の国民”を戦争に総動員するための意識操作といえます。このお上の呼びかけに応え、生活の隅々から不要不急の「贅沢用品」が排除されていきました。送民統合のためのイデオロギー攻勢です。安倍首相が呼び掛ける「新たな日常」もまた、そのことを意識してのイデオロギーの押し付けにほかなりません。(2020/05/18)


市民活動
コロナで飯が食えない人が増えている 百姓グループと市民グループつながって緊急支援
コロナ下、「コメと野菜でつながろう」を開始しました。発端は上越の若手コメ作り百姓天明さんの電話でした。田んぼで忙しい時期に入り、田植えの準備を始めたがなんとなく居心地が悪い、というのです「こうしている間にもコメが食えない人が出ている。何のためにコメを作っているのか。ささやかでもコメを届けたい。百姓仲間はみんなそう思っている」。(大野和興)(2020/05/17)


憲法
≪コロナと憲法≫ 差別と貧困が弱者を襲う  大野和興
 欧米や東アジアのコロナ抑え込み経験を観察しますと、最も効果があるのはどうやら「自由と権利を制限する」ことのようです。「自由と権利」という人類が積み上げてきた普遍的ともいえる価値を制限するには強権がいります。コロナの場合、それは国家権力として現れます。国家が強権をふるうに際して邪魔になるのは民主主義です。「自由と権利の制限」「国家による強権支配」「民主市議の抑圧」、この三点セットがそろったとき、「コロナとの戦争」に勝てる。(2020/05/03)


社会
新型ウイルス感染拡大で「命の選別・切り捨て」を行わないで! 日消連など市民団体が声明
 日本消費者連盟や臓器移植法を問い直す市民ネットワークなど生命倫理のあり方に取り組んでいる10の市民団体が、コロナ重症者に対する治療の選別に対する声明を出しました。大規模な感染爆発で人工呼吸器など医療資源不足が起こった一部の国で、、命を救う優先順位決められるといった事態が持ち上がりました。日本でも、4月1日の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」で事前の意思表示で人工呼吸器をつけない選択を市民に呼び掛けました。ネット上には「集中治療を譲る意思カード」への署名呼びかけまで登場しています。声明はこうした事態に向け「高齢である、持病がある、心身に障害があるといったことをいのちの線引きの基準にしないでください。医療者にいのちの選別を強いる事態を起こさないためにも、政府が必要な医療機器や医療用防護具を整備することを、強く要請いたします」と訴えています。(大野和興)(2020/04/24)


国際
人権団体アムネスティがキャンペーン 新型コロナウイルスと人権:分断ではなく、団結の時
 世界に蔓延する新型コロナウイルス感染症が各地で人権侵害を生んでいる。各国政府による人権の制限、差別と憎悪の発生などだ。国際人権団体アムネスティアムネスティは「人権を守ることが、コロナ危機を乗り切ることにつながる」として、こうした状況に警告を発している。(大野和興)(2020/04/18)


社会
トラックドライバーからのお願いです! 深刻なコロナ差別
 コロナで医療従事者とその家族への差別的言動がひどいが、配送業に携わるトラックドライバーへの差別も深刻だ。ダライバーなどで作る運輸労連は4月13日、立憲民主党などに感染予防と国民の理解を求める要請を行った。(大野和興)(2020/04/17)


みる・よむ・きく
豆科植物はいかにして根粒菌と出会ったか  稲垣栄洋著『植物の不思議な生き方』 大野和興
 コロナウイルスが猛威を振るっています。もともとウイルスと生き物との関係は微妙ですが、それは自然界全体にいえることです。この本は植物と微生物との関係をわかり易く、かつ面白く教えてくれます。(2020/04/16)


医療/健康
【たんぽぽ舎発】新型コロナウィルス感染に脆弱な日本の保健医療構造  日本の保健所は半数となった
 日本のコロナ対応は、いよいよ医療崩壊に過程に踏み込みつつある。新聞、テレビではコロナ対応の現場に司令塔ともいえる保健所の切迫した状況を伝えているが、なぜそうなったかについては報道しない。以下たんぽぽ舎が発行するメルマガ4月14日号で平宮康広さんによる地域での現実を踏まえた論考を紹介する。(大野和興)(2020/04/14)


イスラエル/パレスチナ
新型コロナウイルス、イスラエルとパレスチナを同時攻撃
 イスラエルでも新型コロナ肺炎がまん延、それはパレスチナ西岸地域にも波及、緊急事態を招いている。4月11日の『MiddleEast Monitor』はイスラエルでのコロナウイルスの感染症例数は1万人を超え、95人が死亡したと伝えた。イスラエル政府は、ウイルスの蔓延を食い止めるために、すべての教育機関を閉鎖したり、公開または非公開の公共エリアで10人以上の集会を禁止したりするなど、いくつかの措置を講じている。隣接するパレスチナ自治区西岸地区でも感染者が増えており、特に古都ベツレヘムは深刻な状態に陥っている。(大野和興)(2020/04/11)


社会
「ウィルスも人を殺しますが、社会的差別も人を殺します」 ふぇみぜみが抗議声明
 小池東京都知事が3月30日に記者会見で口にした「夜間から早朝にかけての接伴飲食業の場での感染者が東京都で(コロナが)多発している」という発言を境に、テレビニュースなどで「人通りが途絶えた夜の歓楽街」がひんぱんに登場するようになった。同時に、政府のコロナ助成策から風俗業界やそこで働く人たちが除外されるという問題が起きた。当事者の人たちの運動で除外は少しだけ是正されたが、今度は菅官房長官が4月9日の記者会見で「感染者の多くは(働き盛りの」男性である」という一見何が言いたいかわからないコメントをした。言外に「男が通う接待を伴うところが感染源」といいたいのだろうと推測した。そんなとき「新型コロナウィルスと接待飲食業・性産業従事者への社会的差別についての懸念」と題する抗議声明が目についた。「ふぇみ・ゼミ〜ジェンダーと多様性をつなぐフェミニズム自主セミナーというグループが公表したものだ。声明は都発言の元データのあやふやさを指摘しながら「ウィルスも人を殺しますが、社会的差別も人を殺します。行政や専門家が、ウィルスの伝播と特定の業種や属性を結びつける発言を行うことは、大きな影響力を持ちます」と述べている。(大野和興)(2020/04/10)


米国
「パンデミック時にストライキする方法」 自身と社会の安全を求めて闘う米国労働者 小倉利丸
 新型肺炎コロナで米国は社会崩壊寸前といった報道が国内のメディアで氾濫しています。しかし、かの国の労働者は頑張っています。社会と自分たちのための安全な職場を要求しての山猫スト、安全といわれる幅をとってスタンディング、等々。以下、経済学者で社会活動家の小倉利丸さんがブログで報告するかの国の労働者の闘いです。(大野和興)(2020/04/04)


農と食
子牛も牛肉も大暴落 利権だと批判された「お肉券」の背後にある現実 大野和興
 コロナの緊急経済対策から農水省が出した「お肉券」や「おさかな券」が消えそうです。ネットで農水族議員の利権だという批判にさらされたためです。だけど、本当に利権がらみだけだったのか、どこも当事者の声と実態を伝えていません。そこで汗を流して牛を育てている肉牛農家の声を聞いてみました。(2020/04/01)


農と食
“百姓の海”を取り戻すには  大野和興
 2019年夏、酷暑が続いた8月上旬のある日の朝刊。読売新聞に「熱中症4人死亡」という記事が載っていました。群馬県安中市で農作業中の80歳代男性、茨城県下妻市でビニールハウス内にいた92歳の女性、長野県飯綱町で畑作業をしていた86歳男性、兵庫県丹波市では自宅近くで77歳の男性が倒れていた。(2020/03/28)


地域
コロナ不況、田舎の町も深刻です
 コロナ不況は東京の繁華街だけの話ではない。ぼくの住む地方小都市や田舎町も深刻だ。市内に2軒だけ残った銭湯や近くの日帰り温泉に浸かっていると、そんな話ばかりが耳に入ってくる。このまま4月に入ったら店じまいが続出しそうな気配だ。以下、街中スケッチーー。(大野和興)(2020/03/12)


人権/反差別/司法
さいたま市 コロナ対策マスク配布対象から朝鮮学校幼稚部を除外
さいたま市は新型コロナウイルスの感染防止のために幼稚園や保育園に備蓄マスクを配布していますが、その配布先から埼玉朝鮮初中級学校の幼稚部が外されていたことがわかりました。共同通信が伝えました。(大野和興)(2020/03/11)


市民活動
日本消費者連盟「市民として監視し抵抗する」 市民団体もコロナ「緊急事態宣言」反対を声明 
 安倍内閣は新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を国会に提出、11日からから衆議院内閣委員会で審議が始まり、同日中に可決、衆院本会議に送られた。政府与党は13日にも成立させ、14日からの施行をめざしている。行政に強大な権限を与え、市民尾時通と基本的人権を制限する同改正案には、法律家や憲法学者から反対の声が上がっているが、消費者団体である日本消費者連盟は市民の立場らか蒸し語すことはできないと、国会審議がはじまった11日、反対声明を公表しした。声明は内閣総理大臣が発する緊急事態宣言は憲法が定める市民の日うと人権をことごとく無視するもだと主張、施行後も「監視し、抵抗する」と主張している。(大野和興)(2020/03/11)


TPP/脱グローバリゼーション
メガFTA動き出す 農と食にどんな影響が出てくるか  
 新型コロナウイルスの蔓延はグローバルに広がる人と物の移動がもつもろさを見せつけましたが、依然として国境を越えての経済の自由化は進む一方です。日本では最も新しいところで日米貿易協定が2020年1月から動き出しています。それに先立ちEUとの経済連携協定(EPA)、TPP(環太平洋経済連携協定、米国を除く11カ国)が動き出し、現在ASEAN(東南アジア諸国連合)、中国、韓国、インド、オーストラリアなど16カ国が参加するRCEPの交渉が進んでいます。こうした動きが人びとの日常に何をもたらすのか、生活に直結する食の問題を軸に追ってみました。(大野和興)(2020/03/08)


米国でインフルエンザが蔓延
 世界中で新型コロナウイルスで大騒ぎだが、米国ではインフルエンザが全国的に蔓延し、インフルのシーズンである2019-2020年シーズン累計でのインフルエンザ感染者数は1900万人以上、入院患者数は180,000人、死者数は10,000人に達している。(大野和興)(2020/02/03)


市民活動
日本消費者連盟講演会:5G(ファイブジー)で激増する電磁波暴露
 現在、超高速・大容量を売り物とし、今後のIT技術を牽引するという「5G・第5世代通信システム」。日本政府は米国と中国に大きく引き離され、早くつばを付けようと焦っています。今年はその実用化に向け経済界は便利でバラ色の社会の図を描いていますが、本当にそうでしょうか。まず、飛躍的に増える電磁波による暴露が心配です。商用化の始まりで、電磁波過敏症のパンデミック(世界的な流行)が起きるともいわれています。そうした問題を考える講座が1月25日に日本消費者連盟によって開かれます。(大野和興)(2020/01/16)


関生反弾圧市民情報センター
《大津地裁傍聴記》分かりやすくなった争点 憲法28条の破壊 警察・検察の暴挙 関ナマ事件 第31回公判      
 労組が工事現場や経営者に対して行っている法令順守、企業倫理を求めるコンプライアンス活動。すでに民事裁判では合法と認められている(2015年、大阪高裁)。それが検察の主張する「威力業務妨害、恐喝、恐喝未遂」にあたるのか…。従来の湖東協組事件・大津協組事件の二つの裁判を整理・併合。それによって争点がわかりやすくなりました。(労組つぶしは許さない 勝手連 しが)(2020/01/12)


政治
20年度予算案を斬る  ――「全世代型社会保障」の看板に偽りあり  白川真澄
 2020年度予算案を審議する通常国会がまもなく開幕します。安倍政権が決定した予算案は過去最高の規模となっています。政治課題や経済課題に運動の現場から鋭く切り込むことで定評のある白川真澄さんの20年度予算案分析をお届けします。白川さんは、何でもありの景気対策費の大盤振る舞い、世代間対立を煽り自己責任型社会の強化を進める社会保障費、聖域となった軍事費の拡大、大企業と富裕層優遇の税制改革などを指摘、「《富裕層と大企業への課税強化で、自己負担なき社会保障の実現》を掲げて対抗していくことが、市民運動と野党共闘の課題となるだろう」と、対抗軸を示しています。(大野和興)(2020/01/10)


人権/反差別/司法
極端に少ない日本の犯罪人引き渡し条約締結国 問題は基本的人権をないがしろにした日本の刑罰制度にある
 カルロス・ゴーン氏のレバノン逃亡をきっかけに、日本は世界中で二か国としか犯罪人引き渡し条約が締結できていないという事実が浮き彫りになった。日本が他の国と比べ極端に少ないのはなぜか、海渡雄一弁護士が自身のFacebookでその理由を明らかにしている。一言でいって、日本は人権が守られていない国とみなされているということのようだ。海渡弁護士の解説を紹介する。(大野和興)(2020/01/09)


関生反弾圧市民情報センター
関ナマ事件  大津地裁公判傍聴記≪番外編≫大津地裁裁判長交代か
任期・交代の可能性に触れた。2020年の公判日程。1月、2月は決まり。3月、4月は空白のまま。飛んで5月の仮日程が裁判長から提示されている。本人にはすでに移動の「内示」が届いているのかもしれない。(労組つぶしは許さない 勝手連しが)(2020/01/06)


環境
化学物質過敏症、欧米でも深刻な事態に オーストラリアの研究者が調査、「引き金は香料入り製品」
 化学物資過敏症の広がりが欧米でも深刻な事態になっていることが、オーストラリアの研究者によって明らかになりました。メルボルン大学工学部に所属するアン・スタインマン氏が2019年2月に発表した「化学物質過敏症の国際的蔓延、および香料入り消費者製品の影響」によると、米国、オーストラリア、スウェーデン、英国の4か国で、人口の19.9%が化学物質過敏、32.2%が香料感受性を示したと報告しています。(大野和興)(2020/01/02)


国際
ゴーンさんの声明全文 「私は不正義で、政治的な迫害から逃れたのです」
日本を脱出したカルロス・ゴーンさんが日本時間の31日正午すぎ、アメリカの広報担当者を通じて発表した声明をは以下の通りです。(2020/01/01)


関生反弾圧市民情報センター
12月14日、 関西生コン労組への弾圧を許さない静岡の会が結成されました
 12月14日、静岡市の連合静岡労働会館において「関西生コンへの弾圧を許さない静岡の会」結成総会が行われました。塩沢弁護士(静岡自由法曹団支部長)は挨拶で、ストライキのなくなった日本の現状をフランスやアメリカのたたかいの高揚都比較しながら憲法28条を足蹴にする関ナマ弾圧の異常さを指摘されました。(関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会ニュースから)(2019/12/18)


中東
アムネスティ イラン大統領来日前に要請文、「拘束者は無条件で釈放を」
大規模な抗議行動が続くイランから明日、ローハニ大統領が来日します。それを前に今日18日17時に人権団体アムネスティ日本は拘束者全員の釈放などを日本政府からイラン政府へ要望するよう申し入れました。(大野和興)(2019/12/18)


関生反弾圧市民情報センター
関西生コン支部に対する司法の弾圧は憲法や労働法に違反する重大な権利侵害である 全国の労働法学者が声明
 219年12月10日の京都新聞がほぼ半ページにつぶして、関西生コン支部に対する司法の弾圧は憲法や労働法に違反する重大な権利侵害であることを指摘する労働法学者の声明を掲載しました。記事は以下のような前文で始まっています。(大野和興)(2019/12/13)


検証・メディア
研究者、ジャーナリスト、文化人など有志の緊急要請〜次期NHK会長選考にあたって〜
 現NHK上田会長の任期が来年1月24日に迫り、NHK経営委員会による次期NHK会長の選任が近づいている。田島泰彦(元上智大学教授)、服部孝章(立教大学名誉教授)を世話人とする研究者、ジャーナリスト、文化人の有志の呼びかけで、12月4日、次期NHK会長選考にあたっての要請文書をNHK経営委員会に提出する。(大野和興)(2019/12/02)


関生反弾圧市民情報センター
11月27日、「勾留延長理由開示公判」和歌山地方裁判所  逮捕理由、勾留理由もでたらめも
 11月27日和歌山地裁で 11月14日に「和歌山県海南市にある協同組合における抗議活動に関し、主導的な役割を果たしたとして」逮捕された湯川副委員長と西山執行委員(組織対策部長)の勾留理由開示公判が開かれた。まず、裁判長(30代位の若い)から勾留理由が述べられた。中身はこれまでの不当逮捕勾留時と同じ説明であった。今回の逮捕の理由と時系列を整理する。(小林)(2019/11/28)


反戦・平和
「DSEI JAPAN」主催者の浅利眞が入場者を強制排除の暴挙!
 11月18日から3日間の日程で開催された千葉県・幕張メッセでの「DSEI Japan2019」。「日本初の防衛・セキュリティ総合展示会」と銘打たれてる同展示会には、地元千葉県をはじめとする多くの市民が反対している(本紙既報)。そんな武器見本市の会場で、武器輸入に反対する市民運動を繰り広げている市民運動家が、強引に会場から排除される事件があった。その模様を当事者の「幕張メッセでの武器見本市に反対する会」の杉原浩司さんがFacebookで報告しているので、紹介する。(大野和興)(2019/11/23)

政治
「桜を見る会」参加者名簿の廃棄が資料請求日になったのは「シュレッダーが空いてなかったから」
 20日の衆院予算委員会で内閣府の大塚幸寛官房長は、「桜を見る会」の招待者名簿を国会で資料要求された5月9日に廃棄したことについて、遅滞なく大型連休前に廃棄しようとしたもののシュレッダーが空いていなかったから連休後になったと説明した。資料要求した本人の共産党の宮本徹氏への答弁。(2019/11/20)


TPP/脱グローバリゼーション
今国会での強引な批准をめざす日米貿易協定  その本質と問題点を探る
 いま国会で審議中の日米貿易協定。いったいどこが問題で、この協定のもとで何が起こるのか、といった肝心のことはほとんど見えてこない。80年代以降の世界をつくってきたグローバリゼーションの流れは多国間協定を軸に進められてきた。それがここへきてなぜ二国間貿易協定なのか。それはいかなる意味を持っているのか、もわからない。(大野和興)(2019/11/13)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】思っていることを自由に話せる故郷を帰せ!! 原発マネー還流に思う   石地 優
 原発マネーという言葉が巷を賑わせていますが、原発のある地域では原発マネーが様々な使われ方をしています。本流は、関西電力から自治体や住民にばらまかれています。立地自治体には、寄付金といわれている億単位のお金が、匿名で寄付されています。また、祭りや花火大会などのイベント、文化行事などに協賛金や人的応援をしています。ばらまかれたお金は還流することはありません。(2019/11/12)


関生反弾圧市民情報センター
憲法28条の破壊 警察・検察の暴挙 関ナマ「大津協組事件」 11月7日 大津地裁 公判傍聴記
 下記は、滋賀勝手連の滋賀大津地裁の公判傍聴記です。最近の大津地裁における公判状況についてよくわかるので、転送します。(2019/11/10)


社会
時給100円という賃金差別構造 農福連携というきれいな言葉の陰で
 知的障がい者福祉施設、津久井やまゆり園で起きた殺傷事件から3年以上が経過しました。2016年7月26日未明、神奈川県相模原市にある知的障がい者福祉施設で入所者19人が刃物で殺傷された事件です。あれから何が変わったか、と問われても考えつくことはありません。その一方で、いま農福連携という言葉が福祉関係者や農業の世界で盛んに言われるようになりました。(大野和興)(2019/11/09)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】田中俊一(原子力規制委員会前委員長)語る 「日本の原発はこのまま「消滅」へ 」 柳田 真  
 日本の原発はこのまま「消滅」へというビックリする見出し・内容の発言を原子力規制委員会前委員長の田中俊一氏がおこなっている。最近発行の月刊『選択』11月号の巻頭言である。(2019/11/07)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
GM食品に警鐘を鳴らす仏セラリーニ教授の来日講演に合わせ、GM推進派が安全キャンペーン
 2012年、除草剤ラウンドアップと遺伝子組み換えトウモロコシNK603を長期に与えられたラットにできた大きな腫瘍のが公開されて、その危険性を改めて認識させる研究が大きな話題となった。その研究グループのリーダーであるフランス・カーン大学のセラリーニ教授が来日し、この31日に東京ウィメンズプラザ(渋谷区)で講演する。主催は日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。逐次通訳付き。参加は事前予約が必要なので日本消費者連盟まで問合せを。この講演会に合わせ遺伝子組み換え推進派も遺伝子組み換え食品と除草剤グリホサートの安全性を強調するセミナーを都内で開催するなどの動きを見せている。(有機農業ニュースクリップ)(2019/10/29)


文化
国際有機農業映画祭 13回目の今年は武蔵大学江古田キャンパスで12月8日に
 国際有機農業映画祭は12月8日に都内の武蔵大学江古田キャンパス一号館(練馬区)で開きます。今年で13回、上映作品はアフリカを舞台にアフリカで制作された映像が二本、フランスを舞台としたものが二本、それに映画祭運営委員会自主制作の『それでも種を巻くその後』の合わせて五本です。(大野和興)(2019/10/28)


医療/健康
不安を煽り、 生命を商品化する社会  大野和興
 不安を煽れ、という商法がいま、食と医・薬の分野で蔓延しています。消費者の不安をつくり出し、それを市場化するという商法です。農・食と医・薬を共通項でくくると、「生命」という言葉が浮かんできます。つまり、「生命の商品化」という概念で語ることができます。(2019/10/24)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
セラリーニ教授が来日します! 講演会「科学者とシェフが語る遺伝子組み換え食品と農薬の危険性」
 やみくもにゲノム編集食品の開発が進む今、フランスからカーン大学のセラリーニ教授をお招きし、改めてGM食品と除草剤ラウンドアップの危険性をお話しいただきます。セラリーニ教授たちのグループは、GMトウモロコシとラウンドアップの危険性を長期にわたる動物実験で立証。2012年、お腹に大きな腫瘍を抱えたラットの画像が世界中に配信され衝撃を与えました。実験が公表されるやいなや、多国籍企業やそれに連なる研究者らは、実験だけでなくセラリーニ教授個人を激しく攻撃し、実験結果を掲載した科学誌から論文が削除されました。モンサント社などの多国籍企業にとってそれほど脅威を与える実験だったのです。主催は、日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンです。(大野和興)(2019/10/24)


農と食
2019年秋 日消連の連続講座 種子はだれのもの?―市民として考える
日本消費者連盟は市民の視点で種子の問題を考える連続講座を開催します。皆様お誘いあわせの上、ご参加ください。(2019/10/21)


地域
追悼 齋藤たきち 「村には地下水が流れている」 大野和興
 先日本紙で山形の農民詩人、齋藤たきちの逝去をお知らせした。齋藤たちきさんにまつわる文章をほぼ10年前、本紙に書いたことがある。たきちさんを追悼して再録する。(2019/10/20)


文化
訃報:齋藤たきち(農民詩人・作家) 
 山形の農民詩人、齋藤たきちさんが亡くなった。84歳だった。この世代の山形には、一群の素晴らしい百姓がいる。佐藤藤三郎、星寛治、木村迪夫らだ。彼らは野の思想家真壁仁の流れをくむ百姓であり、詩を書き、ものを書き、地域に根差した平和運動や文化運動、有機農業運動を作り上げてきた。彼らは年齢的に弟分であるぼくを村を歩く記者として、一人の人間として若い時から鍛え上げてくれた。たきちさんの訃報に接し、置賜の菅野芳秀にすぐ電話した。太吉さんらの世代から一世代若い、一群のすごい百姓が山形にはいる、その一人だ。山形の村には、こんなすごい百姓を生む地下水が流れている、そんな文章を書いたことがある。たきちさんのあとには必ずたきちさんがいる。(大野和興)(2019/10/13)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】原発マネー安倍政権直撃 稲田朋美衆議院議員が代表を務める「自民党福井県第一選挙区支部」へ
 10月4日、2回目の関西電力幹部記者会見がとうとう取り返しのつかないミスを犯した。弁護士作成の記者会見問答集で地雷を踏まず逃げ切ったと思ったのだろうが、実は自ら罪を認めることになった。そればかりか、ついに本丸政界にまで飛び火した。関電金品受領はそれこそ「底なし沼」。県の幹部から一部の一般社員まで。(山田和秋 たんぽぽ舎ボランティア)(2019/10/06)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】ついに「東海第二原発の運転延長の反対を求める請願」が清瀬市議会で採択されました  
9月26日、私が提出した「東海第二原発の運転延長の反対を求める請願」は、本会議で10対9の僅差で採択されました。さらに同趣旨の議員提案の意見書も採択されました。実は昨年の9月議会でも、内容は若干異なるのですが「東海第二原発の運転延長の反対を求める請願」が清瀬・くらしと平和の会の溜口郁子さんから提出されましたが、残念ながら8対10で不採択だったのです。だから今回の請願は私にとってリベンジの意味合いがありました。(福田三津夫 清瀬・憲法九条を守る会)(2019/10/05)


核・原子力
「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」 10/8抗議と申入れ・関電幹部‐高浜町元助役‐地元業者の原発マネーの不正循環
 関西電力(関電)が原発立地・高浜町の建設会社に支払った工事費などが、元高浜町助役を介して、多額の金品として関電幹部に還流されていたことが明らかになり、多くの人々のヒンシュクと怒りを買っています。 「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」は、原発立地高浜町での行動を呼びかけます。多数の皆様のご参加をお願いします。(2019/10/05)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】底が深い原発マネー 今年6月福井県内の反原発団体に内部告発的手紙が届いていた
 関西電力を舞台に、巨額の原発マネーが電力会社ー地元有力者ー原発建設企業―電力会社幹部と還流していた事件は、世間を驚かせた。このことを知らせる内部告発が、今年6月地元の反原発住民団体に届いていたことを、たんぽぽ舎のメールマガジンが報じている。内部告発はマネー還流先として関電幹部だけでなく「国会議員、県会議員、市長、町長等へ還流」と述べ、底なしの闇の存在を示唆している。(大野和興)(2019/10/03)


経済
明日から消費税増税 貧困者・高齢者から二重の収奪、地域社会は消えていく
 明日10月1日から消費税値上げ。メディアはポイント還元の解説を熱心に報じているが、その陰で何が進むかはいっこう報じない。キャッシュレス化によるポイント還元は、それに対応できない貧困者・高齢者を二重の収奪のさらすと同時に、零細商業者から顧客を奪い取る。地域社会はどうにもならなくなるだろう。(大野和興)(2019/09/30)


地域
空港建設とはなんだったのか 急速に進む移民社会化とむらの消滅  大野和興
 企業誘致や宅地造成、ダムや道路の建設、リゾート開発、そして原発などなど、地域の大規模な開発で振興を図る――戦後日本で経済成長が始まる1960年代以降、全国各地でくり返されてきたことです。立地する場所は貧しいところ、不便なところが選ばれました。開発によって金が落ち、働けるところができるといううたい文句が、その地域に生きている人たちの心をゆさぶりました。60年代から始まった巨大国際空港建設の場、千葉県三里塚も、その典型的な地域のひとつでした。まず歴史を簡単に追ってみます。(2019/09/17)


検証・メディア
「これって、ブラックジョーク」 テレビで韓国ヘイトを連発する弁護士さんが人権問題で講演
 TBSの昼のニュースショウ「ひるおび」のレギュラーコメンテーターである八代英輝弁護士は、番組中で堂々と韓国ヘイトを連発することで知られている。つまり、公共の電波を使いヘイトスピーチを行う差別主義的人物なのだが、あろうことかその人物が滋賀県などが主催する「じんけんフェスタ」で人権について講演するということでネット世界が盛り上がっている。「出来の悪いブラックジョーク」といってしまいたくなるが、これ、現実に起こっていることです。(大野和興)(2019/09/09)


社会
日消連など市民団体が東京都に対し学校での香害対策を要望
 夏休みが終わり、二学期が始まります。いま、隠された問題が学校現場で怒っています。洗剤などの含まれる香料の香りで心身を侵され、学校にいけない子供たちが増えている問題です。市民団体、日本消費者連盟にはそうした訴えがたくさん寄せられています。香害といわれているもので、大人だけでなく子どもを蝕んでいるのです。消費者連盟はじめ香害に取り組む市民団体はこれまで文科省に対策を要望してきていますが、この夏、東京都に対し学校での香害対策について要望書を出しました。日消連は日本の中心で人口が集中する東京において、行政が香害をなくすために動き出すことを期待していると述べています。(大野和興)(2019/08/30)


中国
香港:8・5ストの写真集
香港のウェブ企業「香港01」のニュースサイトに8月5日の香港ストの写真集があります。(2019/08/11)


社会
「表現の不自由展・その後」の中止を受け、日本消費者連盟が 展示再開求める声明
 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を受け、市民団体、日本消費者連盟が8日に声明を出しました。声明は、「(同企画展の中止は)「表現の自由」「思想信条の自由」を否定することを通して、市民の「知る権利」を侵害し、精神の自由、心の自由を含む私たちの「自由に生きる権利」を葬り去るものでした。それは私たち市民・消費者に対する重大な権利侵害です」として、展示会の早急な再開を求めています。(大野和興)(2019/08/10)


検証・メディア
「平和の少女像」撤去の背後にある不気味な憎悪感情 公共の電波で韓国ヘイトを振りまく弁護士さんもいる
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」に出品されていた「平和の少女像」が撤去された。その背後に猛烈な抗議の電話やメールがあり、極めつけは「ガソリン携行缶を持ってお邪魔するというファクス」だったと報じられている。この推移を追いながら考えたのは、8月2日のTBSの昼のニュースショウ「ひるおび!」での常連コメンテーターの発言だった。(大野和興)(2019/08/04)


文化
「表現の不自由展・その後」で「平和の少女像」撤去。日本ペンクラブ「展示は続けられるべきである」と声明
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」で「平和の少女像」撤去。日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は3日、「展示は続けられるべきである」との声明を発表。こうした結果を導いた政治的圧力を批判した。(大野和興)(2019/08/03)


人権/反差別/司法
2019年8月2日、日本政府が2名の死刑執行 アムネスティ・インターナショナル日本が抗議声明
 本日、2名の死刑執行がありました。これに対するアムネスティ・インターナショナル日本が抗議声明を発表した。(2019/08/02)


関生反弾圧市民情報センター
京都府警、3年前の解決済み争議に「恐喝」容疑を適用 武委員長ら5度目の逮捕
(7月17日)、早朝から、新たに2つの事件で合計6人の組合役員と組合員が逮捕されました。これで逮捕は14回を数えます。(2019/07/21)


関生反弾圧市民情報センター
関生を誹謗中傷した『週刊実話』連載記事の執筆者を名誉棄損で訴え 7月10日第1回公判開かれる 
 連帯労組関西生コン支部(以下、関生支部)を 誹謗中傷した 記事の執筆者を名誉棄損で訴えた裁判の第1回公判が7月10日、東京地裁で行われました。関生支部はいま関西一円で警察当局による逮捕者が続出する大弾圧のもとにありますが、問題となった記事は、その弾圧を後ろ押しして、関生支部と武建一委員長を誹謗中傷したもので、『週刊実話』に今年2月21日号、同28日号、3月7日号に3回連載されました。(大野和興)(2019/07/11)


関生反弾圧市民情報センター
「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」発足
 2019年6月30日、「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」が発足しました。名古屋市の開催された集まりには30人が参加、呼びかけニンンオ中谷雄二弁護士から結成にいたる経過や趣旨は報告され、関西生コン支部からは武谷書記次長が出席し、現状を報告しました。以下、結成集会に参加した、京都ユニオン笠井さんの報告です。(大野和興)(2019/07/01)


関生反弾圧市民情報センター
関生弾圧 6月25日大津地裁、剛腕・鈴木弁護士 一喝でダラダラ審理にストップ  
工事現場、事業者に法令順守を促すコンプライアンス活動。その正当な労組の活動に「恐喝未遂、威力業務妨害」などという汚名を着せ、その審理もダラダラと検察ペースで続いていたが、その流れに、ついに弁護側が真っ向から立ち向かった。エスカレートする一方の警察。法廷では増長する検察ペースが続いていた。が、6月25日、大津地裁「第4次弾圧」公判で、この流れを一変させる大きな動きがあった。(労組つぶしは許さない 勝手連 しが)(2019/06/30)


関生反弾圧市民情報センター
子どもの保育園に提出する「就労証明書」に押印を求めたことを「強要」だと京都府警 関生弾圧、続く
 連帯労組関生支部に対する弾圧は6月の入り、新たな段階を迎えています。18日に滋賀県警による新たな逮者が出ました。続いて19日にはこれまで逮捕者が出ていなかった京都で弾圧が始まると同時に、武建一委員長に対する4回目の逮捕が強行されました。京都では関生支部組合員の運転手が、子どもの保育園に提出する「就労証明書」に押印を求めたことを京都府警が「強要」だとし逮捕するというめちゃくちゃな権力行使がまかり通っています。(大野和興)(2019/06/23)


関生反弾圧市民情報センター
「今次関生弾圧の経過と本質と滋賀の警察について」  稲村 守(かんなま勝手連・しが)
 複数の信頼できるマスコミ関係者によると、今回の滋賀県警の弾圧に発する2018年7月以来の国家権力による関生弾圧は、警察が10数年前から近畿ブロックで、連帯ユニオン関西地区生コン支部に狙い定めて弾圧の検討を積み重ねていたものだと言う。(2019/06/14)


関生反弾圧市民情報センター
【関生弾圧 勾留300日の仲間に面会】「腰痛で座れない」 嘆願しても厚手の座布団は却下 これは虐待じゃないのか?
 6月 11 日(月)、滋賀拘置所に勾留されている関生の仲間に面会した。(なお、滋賀県には拘置所が ないので施設名は滋賀刑務所。これもおかしな話だ。) この仲間は、湖東協組事件で逮捕され、すでに勾留期間は 10 か月を超え、11 か月目に入っている。(2019/06/13)


中国
香港で抗議運動続く 商人・労働者・学生に三罷(ストライキ)を呼びかけ 
 中国の刑法容疑者を中国に送還する法律が審議されている香港で、この法律の制定に反対する103万人の巨大なデモが6月9日に行われました。今日6月12日も議会への抗議行動が呼びかけられていますが、商人、労働者、学生がストライキをする「三罷」が呼びかけられており、キャセイ航空の労働組合など、民主派の労働組合をはじめ、この問題に危機感を感じる企業や商店なども呼応しています。大学でも学生会が授業ボイコットを呼びかけています。(稲垣豊)(2019/06/12)


中国
「私たちは忘れない」 天安門弾圧で香港民主派が声明
 1989年の「北京の春」を弾圧した「六四」天安門事件から三〇年。中国は当局の厳しい監視のもとで民衆は沈黙を余儀なくされている。当時中国の学生たちの民主化運動をサポートしてきた香港の民主的ナショナルセンターの香港職工会聯盟(HKCTU)が声明をだした。その香港もまた、中国共産党政権の締め付けが次第に強まり、民主派への抑圧が強まっている。そんな香港の民主派は、「六四」をめぐる状況ををどうみたのか。「私たちは労働者と学生が正義と民主を追い求めた熱意を忘れてはいません」と述べるHKCTUの声明を市民団体ATTACの稲垣豊さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2019/06/05)


関生反弾圧市民情報センター
警察・検察の暴走  関生・大津協組事件 裁判報告
6月3日、大津地裁で第5回公判があり、はじめて退廷者が出ました。工事を進めた工務店の証人が、あまりにも法令に無知。あきれた傍聴人が「それでようやってるわ」とブーイング。これを裁判官に「不規則発言」とされたものです。(労組つぶしは許さない 勝手連 しが)(2019/06/04)


中国
天安門事件でタンクの前にたちふさがった青年は
6月4日は天安門事件30年です。今日付の毎日新聞は次のように伝えています。(大野和興)(2019/06/04)


農と食
食品添加物表示制度の検討始まる 業界寄りか消費者の味方か、姿勢が問われる消費者庁
 スーパーなどで加工食品を買うとき、容器の裏に食品添加物表示を見る人は多い、特に乳幼児や成長期の子どもをもった人は、出来るだけ子どもには安全なものを食べさせたいと注意を払う。ところが、字が小さいうえに読んでもよくわからない。そんな食品添加物表示制度の改定をめざす検討会が消費者庁で始まった。しかし今の検討の流れでは、あまりにも記載しなければならない添加物が多いので省略したらどうか、いっそパーコードにしたらといった、消費者無視の簡略化に行きそうな気配もある。市民団体日本消費者連盟は、その流れにくぎを刺す意見書を5月23日に消費者庁に突き付けた。(大野和興)(2019/06/03)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
日消連ら、すべてのゲノム編集食品の規制と表示をもとめる100万人署名運動
 遺伝子組み換え食品の登場から20年以上経った今、新たに「ゲノム操作(編集)食品」が登場しています。食べものとしての安全性や環境への影響など、まだまだ分からなことばかりです。それにもかかわらず、日本政府はほとんどのゲノム編集食品を安全性審査の対象外としようとしています。このままでは表示もなしで、市場に出回ることになります。そこで、日本消費者連盟は遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンと共同で、すべてのゲノム編集食品の規制と表示を求める署名活動を始めました。(大野和興)(2019/05/28)


市民活動
6月15日  ― 日消連創立50周年記念シンポジウムー 生命が脅かされる時代に抗して 〜すこやかないのちを未来につなぐために〜
 日本消費者連盟は今年で創立から50年を迎えました。この間、食品添加物や農薬、合成洗剤、原発、遺伝子組み換えなどの問題に警鐘を鳴らしてきました。最近は香害(こうがい)をなくすため精力的に活動し、新たにゲノム操作(編集)反対キャンペーンも始めました。香害やゲノム操作に限らず、憲法改正や原発再稼働といった生命を脅かす問題が山積する時代にあって、1969年の創立以来、日消連が掲げてきた「すこやかないのちを未来につなぐ」ため、私たちがすべきことについて語り合います。長年にわたり日消連の活動を一緒に担ってきてくださった方、新たに日消連の仲間に加わってくださった方、日消連に興味をおもちの方、みなさまお誘いあわせの上、ご参加ください。(2019/05/28)


関生反弾圧市民情報センター
5・10反弾圧東京集会の映像
 5月10日に都内で開い関生弾圧をに対抗する東京市民集会「これからが勝負だ!労働組合つぶしの大弾圧に反撃する東京集会」の模様を映像で紹介します。撮影は集会実行委員の高野幹英さんです。(大野和興)(2019/05/18)


関生反弾圧市民情報センター
現場で闘う女性たちのことを伝えたい  中島 由美子
 5月10日に都内で開いた関生弾圧を跳ね返す東京集会で、集会実行委員会は全国一般労組東京南部委員長の中島由美子さんに連帯の発言をお願いした。併せて関生支部に女性組合員の派遣を要請した。中島由美子さんと青木邦子さん、二人のたたかう女性の魂が呼応しあう、とてもいい集会だった。集会後、中島さんがフェイスブックに一文を投稿してくれた。その文章に多くの女たちが呼応し、思いを寄せてくれた。関生とともにたたかう新しい流れが生まれたことを予感させる。中島さんの投稿とその投稿に寄せられた多くの女性の思いのいったんを紹介したい。(大野和興)(2019/05/17)


関生反弾圧市民情報センター
5月15日関生弾圧裁判(大阪地裁・第2回)報告  自ら”でっち上げ”を立証した検察側
 関生弾圧・大阪地内の公判が本格的に始まりました。傍聴席を圧倒して弾圧反対の意志を見せようと、みんな朝早くから積ん掛けました。朝8時から大阪地裁前の公園では座り込み集会。検察側の起訴事実の立証と程遠い陳述やビデオ上映に、傍聴席からは怒りの声が上がりました。以下、但馬けいこ(労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会)の報告と松原康彦さんの写真でその模様をお伝えします。(大野和興)(2019/05/16)


関生反弾圧市民情報センター
「仲間がいじめられたらコワイ顔もしますよ」〜関西生コン弾圧に反撃する東京集会  松原 明
 5月10日夜、東京都内「スペースたんぽぽ」で「これからが勝負だ!」と呼びかける「労働運動弾圧に反対する東京集会」が開催された。主催は「労働組合への弾圧を許さない実行委員会・東京」。いま関西では連帯労組関西生コン支部」に対するすさまじい弾圧が続いており、逮捕者のべ58人、起訴されたもの述べ43人、現在も拘留されているもの8人。その中には延べ9か月に及ぶものもいる。集会には大阪から現場労働者も駆けつけた。その中にはミキサー車を運転する女性労働者青木邦子さんもいて、関生労組が子育てする女性が働きやすい職場をつくるため頑張ってきた様子も報告された。また大口昭彦弁護士から、関西生コンを誹謗中傷した『週刊実話』のライターを損害賠償で提訴したことが報告された。せいきゅうで会場がいっぱいになる盛況だった。集会の様子を詳しく報告してくれた5月11日付のレイバーネットの記事を、報告者の松原明さんの了解を得て、転載する。(大野和興)(2019/05/12)


みる・よむ・きく
「新しい戦前」が始まった 荻野富士夫著『よみがえる戦時体制―治安体制の歴史と現在』  
 本書の帯に大きく「あたらいい戦前」とあります。著者は戦前、戦争になだれ込む時代の治安制度の歴史と現在を重ね合わせながら、今なぜ「新しい戦前なのか」を解き明かします。著者は『特攻警察』『思想検事』(ともに岩波新書)などの著書がある近現代史の研究者です。(大野和興)(2019/05/08)


関生反弾圧市民情報センター
労働組合のストライキ・ビラまき・法令順守活動を『犯罪』に、労働組合を『暴力団』扱い  関生弾圧の実態
 滋賀県警と大阪府警は、関生支部が行った正当な労働組合としての要求を「ゆすり、たかり」、ストライキを「威力業務妨害」、抗議を「恐喝」、組合活動を「組織犯罪」として刑事事件をでっちあげています。工事現場で法令遵守(コンプライアンス)を呼びかけても、業務妨害として逮捕されています。昨年8月以降に、延べ64人を不当逮捕し(再逮捕も含む)、今でも多くの組合員を長期拘留しています。例えば、30分で数枚のチラシを配って、逮捕された人もいます。刑事が「組合を止めろ」と脅し、家庭に押しかけて、「だんなに組合を止めさせろ」と強要しています。まるで、戦争中の特高のやり方です。―こんな呼びかけの下に「組合つぶしの大弾圧を許さない」運動が盛り上がっています。弾圧の実体を伝えるチラシから、その一端を紹介します。(大野和興)(2019/05/05)


コラム
天皇と歌舞伎町 大野和興
 テレビが「平成最後の・・・」と朝からわめいている。そういえば昭和最後の日、ぼくは新宿の歌舞伎町にいた。(2019/04/30)


沖縄/日米安保
琉球新報<社説>4・28「屈辱の日」 沖縄の切り捨て許されぬ
 今から67年前の1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効した。日本が独立する一方で、沖縄、奄美、小笠原は切り離された。この「屈辱の日」を決して忘れてはならない。(4月28日琉球新報<社説>)(2019/04/28)


関生反弾圧市民情報センター
5月10日午後6時30分から 関生弾圧に東京で市民集会第2弾
 連帯労組関西地区生コン支部(関生)は、産業別労働組合として生コン労働者の権利と生活を守る闘いを続けるとともに、辺野古新基地建設反対、原発再稼働反対、戦争法・共謀罪・憲法改悪阻止、反ヘイト・反レイシズムなどの闘争を積極的に行っています。この関西地区生コン支部への警察・検察による大弾圧が続き、4月11日には委員長、副委員長が再逮捕されました。逮捕者は延べ100人を超え、10数人が勾留されたままで、委員長はすでに9か月も勾留されています。(2019/04/24)


関生反弾圧市民情報センター
国策による労組つぶしは許さない勝手連・滋賀 ニュース(かんなま勝手連) 第18号 2019年4月23日
県警・検察の暴走 関生事件 武委員長ら勾留理由 開示公判 報告 黙示の恐喝? 犯罪構成なしの“犯罪”(2019/04/24)


外国人労働者
最賃以下で長時間労働、極安残業代、団交拒否 京都でベトナム人技能実習生が裁判に訴える
 京都でベトナム人技能実習生の裁判が始まっている。一日13時間以上の労働、残業は1時間400円。実習生のパスポートや保険証、年金手帳を取り上げ、帰国時に返還すると言う約束で賃金から強制貯金をさせていた、という案件だ。技能実習生の訴えを受け、裁判に関わっている労働組合「きょうとユニオン」は支援を訴えている。(大野和興)(2019/04/16)


関生反弾圧市民情報センター
関生弾圧、さらに拡大 釈放寸前の武委員長、湯川副委員長を再逮捕
 4月11日、滋賀県警組織犯罪対策課が、関西地区生コン支部の武建一委員長と湯川裕司副委員長の2人を「恐喝」容疑で逮捕するという、あらたな権力弾圧事件がおきた。2人は2019年8月に逮捕され、保釈寸前であった。逮捕容疑は、関西生コン労働者や中小企業者の運動の砦として、2015年に大阪市内に建設された学働館建設にあたって滋賀県内の生コン販売会社から「現金1千万円を脅し取った」というもの。学働館は労働者、生コン関連中小企業、市民らの資金カンパを軸に、みんなが待ち望んでいる運動の砦として建設されたもので、容疑となった事柄もっ自発的な当該会社による自発的なカンパであることことが確認されている。(大野和興)(2019/04/15)


農と食
1人の手練れの百姓がいなくなった  大野和興
 数日前、リンゴ農家の諏訪さんが亡くなった。葬儀があった翌日の昨日、朝日俳壇でこんな句を見つけた。(2019/04/08)


コラム
奪われる「総有」の権利 人々の生存の基盤が壊されていく  大野和興
 この世の中には、本来“誰のものでもない”ものがあります。山、森、土地や土、水、海や浜、といったものです。歴史が移り変わり、権力が発生する中で、それら本来“誰のものでもない”ものに占有権が発生し、資本主義の誕生とともに私的所有に転化していきます。それでもなお山や森、土地や土、水や海はそこに住む人びとものであるという観念や実体が残されていました。それはある時には入り会いとかコモンズ、ある場合には社会的共通資本と呼ばれています。いまその実体が国家による制度改革のよって急速に壊されています。(2019/04/01)


農と食
家族農業論栄えて、百姓が消えていく  大野和興
 埼玉県秩父市と隣の秩父郡横瀬町の境界線上にある小さい山の上に住んでいます。自宅から歩いて数分のところに小さなリンゴ園があります。ていねいに土を作り、消毒を極力抑え、おいしいリンゴを作り続けてきた園主は80歳代半ばになるのですが、朝通りかかり雑談していたら、突然リンゴは今年限りをやめるといいます。体が弱り、やれなくなったというのです。(2019/03/21)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
ゲノム編集食品、安全審査は不要と厚労省 日本消費者連盟が抗議文
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の新開発食品調査部会が3月18日に、ゲノム編集技術を応用した食品について安全性審査をほぼしないまま流通を認める方針を出したことに対し、日本消費者連盟は同20日、抗議文を出した。抗議文の中で日消連は、消費者の立場から、今回の厚労省の方針は「食の安全を守ることを放棄したものであり、消費者として到底、受け入れられるものではありません」としている。(大野和興)(2019/03/20)


関生反弾圧市民情報センター
仲間を返せ! 関生弾圧で緊急署名活動の呼びかけ
いま空前の権力弾圧事件がおきている。標的にされているのは全日建関西地区生コン支部(関生)。ごくあたりまえのストライキが「威力業務妨害」、ビラ配布などが「恐喝」などとされ、警察、検察、裁判所が不当逮捕をくりかえしている。(2019/03/17)


医療/健康
香害被害の深刻さをを無視し原因物質の柔軟剤を推奨するNHK「ガッテン」 日本消費者連盟が抗議文
 柔軟剤や消臭剤などさまざまの香り製品による健康被害が広がり、深刻な社会問題となっている中で、NHKの人気番組「ガッテン」が、傷んだ衣類を復活させるワザとして、柔軟剤の使用を推奨する番組を放映した。合成化学物質の香り製品による被害は「香害」として、市民団体、日本消費者連盟や被害者団体の活動でやっと社会的認知を得てきた矢先、被害者の苦しみを無視した報道に対し、日本消費者連盟はNHKに対し抗議文を送った。(大野和興)(2019/03/16)


関生反弾圧市民情報センター
ストライキは犯罪か!を掲げ、大阪で大集会
「ストライキが犯罪か!労働組合つぶしの大弾圧を許さない!3.10集会」が、3月10日、大阪市立西区民センターにて開催され、労働組合・市民団体・個人など520人が結集。会場は参加者であふれました。この集会は、昨年からの関生支部への権力弾圧に対して、闘う労働組合や市民団体が結集して発足した「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」が主催したものです。(連帯広報委員会)(2019/03/16)


外国人労働者
医療問題に焦点を当て移住連がファクトチェック! 堤未果著『日本が売られる』は「ウソ八百」 と断じている
 ベストセラー本である 堤未果著『日本が売られる』(幻冬舎新書)はあまりにヘイトがひどいと、外国人労働者の人権問題に取り組んでいる「 移住者と連帯する全国ネットワーク」(以下、移住連)が医療問題に焦点を当ててファクトチェックを実施、同本を出版した幻冬舎に送った。同書は、 「6 医療が売られる」では、「YOUは何しに日本へ?国保を食い潰す外国人たち」という見出しから始まり、外国人が医療目的に来日し、国民健康保険を利用して高額治療を受け、出産一時金を不正に受給しているということを強調している。しかし移住連は「そのことを実証するデータは何一つ示されていないどころか、事実に基づかない主張で塗り固められた、「『ウソ八百』ともいうべきシロモノです」と断じている。以下、移住連の行ったファクトチェックを紹介する。(大野和興)(2019/03/13)


市民活動
4月26日夜、日刊ベリタが前川喜平氏を迎えて講演会 テーマは「21世紀の平和教育と日本国憲法」
 米軍のイラク侵攻への加担などあったものの、とりあえず「戦争のない平成」(天皇の85歳誕生日の言葉)が終わる。しかし、安倍政権は改憲をめざし、平和な日本を脅かす政策を次々に強行している。教育では歴史修正主義が力を強め、アジアの隣人はじめ国際社会との相互理解の推進に逆行するうごきが目立っている。こうした日本を世界の人びとはどのように見ているのか、私たちが再び過ちを繰り返さないために教育はどうあるべきか。前川喜平・元文部科学事務次官に、グローバルな視点から、日本国憲法の理念を踏まえた21世紀の新しい平和教育について提言してもらい、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」(憲法前文)と願う私たち一人ひとりに何ができるかを考えてみたい。(2019/03/08)


みる・よむ・きく
少しづつ平和減ってる砂時計 レイバーネット日本川柳班『反戦川柳句集』 大野和興
 労働者の表現集団レイバーネット日本の川柳班が編集したブックレット『反戦川柳句集 「戦争したくない」』が発刊された。同川柳班はこれまで2冊の句集を出している。第1集が2010年に出た『がつんと一句―ワーキングプア川柳』、第2集が2013年の『原発川柳句集』。今回が三冊目となる。88ページの小冊子だが、中身は濃い。(2019/02/09)


農と食
最先端の科学技術と人権無視の労働が同居 ーこの国の農業が心配だ
 スーパーマーケットをのぞく。明るい照明と適温で管理された空間が広がり、食べものがあふれています。その食べものがどこでどんなふうに作られ、どこから来たかを気にする人はそんな多くありません。ところが現実には、食べものの作り方も、その食べものを生産する農業をめぐる環境も目まぐるしく変わりつつあります。そして“攻めの農業”“海外に打って出るニッポン農産物”といった威勢の良い掛け声が降ってきます。農業をめぐる最新のトピクッスはAI(人工知能)・生命操作といった最先端の科学技術の農業への導入、そして外国人労働者の大量受け入れです。その一方で、小さな小さな作り、分け合い、食べる営みもまだまだ生きています。国のめざす農業、人びとの小さな営み、その両面から私たちの食べものは、そして農村はどうなるのだろうを考え、追ってみました。(大野和興)(2019/01/03)


人権/反差別/司法
安倍政権下で死刑執行が激増  国際社会は死刑廃止が大勢
 日本で死刑執行が相次いでいる。年末を控えた12月27日には、二人の死刑が執行され、2018年の死刑収めとなった。この二人を入れ、2018年に刑を執行された死刑囚は計15人となり、法務省が執行の事実や人数の公表を始めた1998年11月以降では、08年と並んで最多となった。ちなみに12年12月に第2次安倍政権ができてからの死刑執行は15回目で、計36人が執行されている。(大野和興)(2018/12/31)


TPP/脱グローバリゼーション
安倍政権のウソとごまかしで始まる日米FTA交渉 先にあるのは米国主導のブロック経済圏形成
 実質的な日米FTA(自由貿易協定となる日米交渉が動き出した。その一方で米国が抜けたあとのTPP合意11カ国によるTPP11が、年末に発効する段取りとなった。そうした動きを包み込んで、この30年ばかり、世界の揺れ動かし、それなりの秩序を作り上げてきたいてグローバリゼーションに狂いが生じてきている。米国と中国が報復関税合戦の貿易戦争に突入、世界の経済を揺るがす事態になっている。この先をどう読むのか、ここでは日米FTA交渉に視点を据えながら考えてみる。(大野和興)(2018/11/29)


農と食
地域と運動の現場から考える種論議(下)遺伝子組み換え作物の栽培を許してこなかった市民  大野和興
 種子法による種の公的管理が、時代の要請によってコメの市場競争と育種合戦をつくり出した、と述べた。こまでくるともう種子法廃案まであと一歩である。そして案の定廃止になった。ではどうするのか。先にこれからの議論の視点の一つとして「種子と国家と資本と人・地域の関係をどう整理するか」と書いた。今の種子法論議は「種子の公的管理か資本の管理か」という二者択一の枠で行われている。「公」には権力が伴う。公的管理の主役はいうまでもなく「国」である。育種の国家管理については、私たちはコメ品種を先兵とする朝鮮半島と台湾への植民地侵略という苦い歴史をもっている(このことに触れる余裕はないので、興味ある方は本誌掲載の大野「種とナショナリズム」を読んでいただきたい)(2018/10/19)


農と食
地域と運動の現場から考える種論議(中)農民の存在があってこその種子法  大野和興
 以上、種子法廃止をめぐるこれまでの経過を簡単に振り返ってみた。廃止に反対する運動側の論理は二つに整理できる。一つは、種子は農業生産にとって基本的な要素なので、その部分をこれまで支えてきた公的枠組みをはずすことは食料主権をグロ−バル企業に売り渡すことになる、という議論。もう一つは、グローバル企業とはモンサント(最近バイエルと合併)に代表される遺伝子組み換え種子産業であり、種子法がなくなることで日本の水田は遺伝子組み換え稲に占拠される、という議論だ。簡単明瞭で、わかりやすいといえばわかりやすい。だが、こうした単純な議論の立て方には違和感も感じる。(2018/10/17)


農と食
地域と運動の現場から考える種論議(上)復活法案と県条例で対抗  大野和興
 2018年4月から主要農産物種子法(以下、種子法)が廃止され、そのことをきっかけに種子に対する関心が高まっている。農業にとってはかなり重要な制度改変であるにもかかわらず、種子法廃止をめぐる国会審議は、安倍内閣の政治姿勢に典型ともいえる強引さで押し通され、あっという間に廃止法案が2017年3月に可決成立した。国会審議中から、種子法が廃止されることは日本の食料主権は放棄することに等しいといった反対論が盛り上がり、廃止後六野党が種子法復活法案を国会に提案したり、種子法運営の主要プレイヤーである県が、種子法の仕組みを継続するための条例を作るなどさまざまな動きが出ている。ここでは、そうした種子法の制度をめぐる動きを整理すると当時に、種子論議を制度論の枠組みから解き放し、人びとにとって種とは何か、という視点から考えてみる。(2018/10/16)


市民活動
麻生財務大臣の辞職を求める署名運動とデモで麻生を追い詰めよう!
 麻生財務大臣の辞任を求める市民運動が始まっています。呼びかけているのは「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」。11月11日には「アソウやめろ!財務省前アピール行動&デモ」も行われます。(大野和興)(2018/10/10)


労働問題
<武建一語り下ろし>関生型労働運動とは何か(5)オルタナティブを求めて 社会的弱者が肩を寄せ合う運動を
 二〇一〇年七月二日、長期・全面ストライキに入ります。二〇〇七年に始まるアメリカ発の世界大恐慌、いわゆるリーマンショックが進行する中で、想像をはるかに超える需要の落ち込みと、それに伴う価格の低落が続いていました。ゼネコンの買い叩きがそれに輪をかけました。経済の民主化、産業の民主化を実現しなければ、この業界は崩壊するという瀬戸際でした。(構成:大野和興)(2018/09/19)

労働問題
<武建一語り下ろし>関生型労働運動とは何か(4)日経連会長大槻文平「関西の生コン闘争は資本主義の根幹を揺るがす」
 このような産業政策闘争が広がっそれが産業の民主化とか経済の民主化、さらには政治の民主化につながっていく。それは必然的に熾烈な闘いになります。それは文字通り総資本との闘いでした。(構成:大野和興)(2018/09/15)


検証・メディア
女子体操界パワハラ問題 テレ朝の塚原音声データ使用は人権侵害で放送倫理上問題
 女子体操界のパワハラ問題。テレビ朝日「報道ステーション」は8 月 31 日の放送の中で、パワハラを告発した宮川紗江選手とパワハラをしたとされる協会幹部塚原千恵子氏との会話を録音した会 話の音声データを2 分 23 秒にわたって放送した。この放送について東京大学名誉教授お醍醐聰さんら大学教員・弁護士・ジャーナリスト有志が9 月 14 日、BPO放送倫理検証委員会に審議を求める要望書を出した。要望書は、優位な立場にある塚原千恵子氏が、弱い立場にある宮川紗江選手の 了解なしに録音した音声データを、宮川選手の事前の確認なり了解なしに、一方的 に放送したのは、宮川選手の人権を侵す恐れがある、などとしている。(大野和興)(2018/09/14)


労働問題
<武建一語り下ろし>関生型労働運動とは何か(3)生コン産業の産業構造と収奪の仕組み
 関生の闘いを理解していただくためには、生コン産業とはどういう産業かについてお話しなければなりません。生コンとは、練り合わせられてまだ固まっていないコンクリートのことですが、これは戦後生まれの産業です。生コン工場ができる前は、建設現場に水•セメント•砂•砂利をもっていって、それをスコップ混ぜ合わせるという工法でした。(構成:大野和興)(2018/09/11)


労働問題
<武建一語り下ろし>関生型労働運動とは何か(2)日本の社会・経済の民主化をめざす 
 なぜでこんなに関生に攻撃が集中しているのか。それは関生53年の闘いの歴史のなかにあります。関生の闘いの歴史をしっかりと総括しなければならない。関生型労働運動の特徴と本質を簡潔に紹介します。(構成:大野和興)(2018/09/08)


労働問題
<武建一語り下ろし>関生型労働運動とは何か(1)数えきれない弾圧、数えきれない闘い 今、関生型運動の存在の意味を問う
 連帯労組関西地区生コン支部(以下、関生支部)は幾多の弾圧を乗り越えて関生方式といわれる労働運動・協同組合運動の日本における新しい在り方を築いてきました。その関生支部がいままた権力と資本、それに使われる右翼排外主義暴力集団による攻撃を受け、組織をあげての攻防が展開されています。武さん自身も8月28日、滋賀県警によって逮捕され、ほぼ10人に及ぶ他の逮捕者とともに拘束されています。この弾圧は、関生の存在がいかに大手企業や為政者にとって邪魔になるものであるかを示しているととらえることができます。そこで、今回の攻撃で改めて照らしだされた関生の存在がこの国の社会運動・民衆運動にとっていかなる意味をもっているのか。関生創設から今日まで組合員とともに運動を切り拓いてきた連帯労組関西地区生コン支部委員長、武建一さんの話を通して明らかにします。(構成:大野和興)(2018/09/05)


労働問題
連帯労組関西地区生コン支部に対する弾圧への抗議と逮捕者の即時釈放を求める市民の声明が出されました
 関西に連帯労組関西地区生コン支部というそれほど大きくはない労働組合があります。大きい労組ではないのですが、その戦闘性と先駆的な活動で、労働運動だけでなく協同組合運動、市民運動にも影響力を発揮し、国際的にも徐々に知られるようになっています。 その労働組合にいますさまじい弾圧がかかっています。(大野和興)(2018/09/01)


市民活動
9月8日(土)に公開講座「東北―開発対象からの脱却」
 「TPPに反対する人々の運動」では、6月〜9月に「地域から社会と経済をつくりかえる」をテーマに、3回連続講座を開催しています。第3回目は9月8日(土)に、東北学院大学名誉教授半田正樹さんをお招きし、「東北―開発対象からの脱却」をテーマに開きます。多くの方の参加をお待ちしています。(2018/08/30)


中国
「私は軟禁され、シャワーやトイレにも監視がつき、外に出ることはできません」 拉致された労働運動者の手紙 
 日系企業を解雇された後、労働組合作りの活動していた中国の労働運動者沈夢雨さんが何者かに拉致された事件(本紙既報)。沈さんが拉致・軟禁される中で書いた手紙を香港の労働NGOが公表した。香港労働NGOと連携するATTAC-Japanの翻訳で、その手紙を紹介する。(大野和興)(2018/08/24)


検証・メディア
官邸御用の政治記者田崎スシロー氏、時事通信特別解説委員を外れる
 安倍官邸擁護で名高い政治記者田崎史郎・時事通信特別解説委員が時事通信から契約打ち切りとなっていることが分かった。時事通信労働委員会がホームページで明らかにしたもので、7月5日に行った団体交渉で社側が田崎史郎・時事通信特別解説委員との契約を6月末で打ち切ったことを明らかにした。時事通信の大室真生社長はその理由について、田崎氏の年齢が内規で定める同ポストの上限の68歳に達したことを挙げた。田崎氏は、テレビを中心に安倍政権寄りに偏向した言論活動を行い、社内外から批判が絶えなかった。労働者委はかねてから早急に解任するよう要求してきた。社の説明を受け、労働者委は、遅きに失した社の対応に強く抗議した、とホームページ上で述べている。(大野和興)(2018/08/21)


中国
中国で当局に拉致された疑いがある女性労働運動家を解雇したのは日系企業
 中国・深センで労働運動運動家の女性が行方不明になり、当局に拉致された疑いがあると8月18日付け東京新聞が報じた。彼女が解雇された企業は日系企業で、日本発条株式会社(ニッパツ、横浜本社)の常務執行役員で精密ばね生産本部長の大竹一彦氏が総経理(社長)を務めるニッパツ100%子会社の広州日弘機電有限公司であることが分かった。(大野和興)(2018/08/20)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
日本消費者連盟、ゲノム編集技術の規制で関係各省に意見書 「遺伝子組み換え技術と同等の規制と表示を」
 政府現在、カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会(座長:大澤良)を設け、ゲノム編集の規制について検討を進めている。これはゲノム編集技術のうち、いかなる技術がカルタヘナ法で規定される遺伝子組換え生物等を作出する技術に該当する技術であるかを整理することが目的。この問題を所管する環境省は7月11日、中央環境審議会の遺伝子組換え生物等専門委員会を開催、今後の検討方向を打ち出したが、その方向に危惧を示す日本消費者連盟など市民団体は8月10日、関係省庁の大臣と検討会委員に対し、ゲノム編集技術など遺伝子操作技術の規制と表示を求める意見書を出し、今後の検討方向について「新技術は遺伝子組み換え技術よりも安全とは認められず、少なくとも遺伝子組み換え技術と同等の規制と表示をすべき」との意見を表明した。(大野和興)(2018/08/12)

イスラエル/パレスチナ
イスラエル軍爆撃で妊娠中の母親と1歳の娘が即死
8日から9日かけてのイスラエル軍のガザ爆撃で、一般住宅に被害が広がり、市民の犠牲者が出た。妊娠中の母親と1歳の娘も犠牲になった。(大野和興)(2018/08/10)


核・原子力
英グリーンピースが日立が輸出する原発の建設反対など署名を呼びかけ
 英国グリーンピースが、日立が輸出を計画しているウェールズのウィルヴァ・ニューイッド原発計画を含む新規原発建設に対する反対署名を進めています。アイルランド在住の市民運動家おおくらじゅんこさんからの呼びかけを紹介します。日本からの署名できます。(大野和興)(2018/08/09)


市民活動
川崎市で開かれるイスラエル軍事見本市「イスラエル防衛&国土安全保障エキスポ」中止の署名をお願いします
 川崎市とどろきアリーナで8月29・30日、「ISDEF JAPAN」(イスラエル防衛&国土安全保障エキスポ)が開かれます。イスラエルは武器輸出大国であると同時に、パレスチナの人びとに武力行使を繰り返し、おびただしい殺傷と破壊を積み重ねてきました。今回の見本市は殺傷と破壊で培った技術とシステム「テロ・サイバー攻撃対策」を前面に出したものです。市民団体「武器輸出反対ネットワーク:NAJAT」は川崎市への展示会施設利用取り消し申し入れを行い、署名活動を進めています。以下、NAJAT代表杉浦浩司さんからの要請です。(大野和興)(2018/08/08)


環境
日消連、小池東京都知事に豊洲安全宣言撤回を求める
 日本消費者連盟は8月1日、小池東京都知事に対し、豊洲市場予定地の安全宣言撤回とそれに伴う知己時市場移転の撤回を求める要請書を提出した。同要請書で日消連は6月の地下水調査で環境基準の170倍のベンゼンが検出されたこと、これは土壌汚染対策後最高の数値であることを指摘、安全宣言はありえない、と述べている。(大野和興)(2018/08/07)


農と食
<種とナショナリズム>中 「稲も亦大和民族なり」 植民地統治と品種改良 大野和興
 食料問題を考えるときの起点をぼくは米騒動に置いている。1918年7月、コメ高騰に怒った富山の漁村の女たちが立ち上がった。暴動はたちまち全国に波及し、民衆運動となった。1915年ロシア革命を目の当たりにした日本国家を震撼させた民衆の決起だった。(2018/07/11)


政治
気象庁が大雨特別警戒呼びかけ最中に、安倍首相交え自民党大宴会
 西日本災害の死者が9日夜、百数十人を超えた。その陰でネットで一枚の写真が評判になっている。7月5日夜、西日本に大雨特別警戒を呼びかけ、人びとが避難を開始、翌日にはオウム多量死刑をひかえた7月5日よる、自民党幹部が赤坂で酔いつぶれ、大はしゃぎしている写真である。安倍首相や上川法務大臣、岸田政調会長らも揃、酒で頬を赤くし、上機嫌で集団写真に納まっている。(大野和興)(2018/07/09)


農と食
<種とナショナリズム>(上)問題は種子法だけなのか  大野和興
 種子法廃止後の種をめぐる言説になんとなく違和感をもっている。その「なんとなく」をはっきりさせたいと思いついた。『万引き家族』の是枝監督がいった「国益とか国家とかが国全体を覆い、教育や放送という公的なものもナショナルなものに回収される」という感じと似ている。(2018/07/09)


人権/反差別/司法
オウム幹部、大量死刑 国家による人権侵害と真相隠し
 7月6日、政府は松本智津夫オウム真理教元代表を含む幹部7人を死刑した。死刑そのものが国家による人権侵害といて国際的に廃止の方向にある中での大量死刑に国際社会からの批判が強まっている。また、オウムの犯罪の真相が明らかにならない中での幹部死刑は、オウム事件そのものを歴史の闇に葬ることになる。真相が明かになることで国家にとって不都合なことが出てくるのではないか、という疑念さえわいてくる。国際人権団体アムネスティは6日、「(この処刑は)正義の実現になりえない」との声明を発表した。(大野和興)(2018/07/07)


市民活動
7月18日≪「TPPに反対する人々の運動」講座≫「沖縄―経済的な自立への道のり」
≪「TPPに反対する人々の運動」講座≫ご案内 (2018/07/07)


環境
オーストラリア上院、5年以内のレジ袋などの廃止を検討
プラステチックごみによる環境汚染が世界的に問題になっています。特に海に流れこんだ微笑なマイクロクラスチックが魚介類の体内に取り込まれ、人体に移行する問題は、対策が急がれています。オーストラリア上院は2023年までにレジ袋や食品パッケージ、コーヒーカップなどの使い捨て用プラスチック製品の廃止を検討していることがわかりました。(大野和興)(2018/07/01)


市民活動
新宿区がデモの公園使用で規制を強める 市民団体は反発
 これまで新宿繁華街で行われるデモの出発点として利用されていた区立公園が使用制限され、使いづらくなった。市民団体は区による「表現の自由」に対する規制であると反発している。日本消費者連盟をはじめとする多くの市民団体は、次々と吉住健一新宿区長に対し、この措置を撤回するよう申し入れている。(大野和興)(2018/06/28)


地域
神奈川県相模原市 土砂災害,洪水警戒区域にリニア車両基地・・ “市長さん、住民の生命、財産は大丈夫でしょうか?”
 JR東海がしゃにむに進めるリニア中央新幹線は、計画地沿線の住民を不安に陥れ、反対運動も次第に強くなっている。その最初の駅(地下駅)がつくられる予定の神奈川県相模原市でも建設に反対する市民運動がさまざまな運動を繰り広げており、建設に前のめりの市当局への働きかけも起こなっている。6月下旬、市民グループ「リニア新幹線を考える相模原連絡会」は土砂災害をひき超す危険性が指摘されている車両基地建設に関し、市長に公開質問状を発した。(大野和興)(2018/06/27)


アジア
キリンビールがロヒンギャ迫害のミャンマー軍当局に人道支援名目で寄付 アムネスティが告発
 世界的なビール大手のキリンビールが、ミャンマー軍当局に、暴力の被害者支援の名目で多額の寄付をしていることが、国際人権団体アムネスティの調査で分かった。キリンホールディングスはアムネスティに対し、子会社のミャンマー・ブルワリーが昨年9月1日から10月3日にかけて当局に3回の寄付を行い、寄付額は総額3万米ドル相当になると文書で回答した。「ロヒンギャの人びとに対する民族浄化を行っているまさにその部隊に、寄付をする企業があるとは、信じられない」とアムネスティ国際ニュースは報じている。(大野和興)(2018/06/22)


市民活動
連続講座「地域から社会と経済をつくりかえる」 第1回は6月19日
「TPPに反対する人々の運動」では、6月〜8月に「地域から社会と経済をつくりかえる」をテーマに、3回連続講座を開催します。第1回を6月19日(火)に開きます。多くの方の参加をお待ちしています。(「TPPに反対する人々の運動」)(2018/06/09)


農と食
社会資本としての農林漁業が壊されていく    大野和興
 農林漁業の制度的仕組みが次々と改変されています。昨年の種子法廃止に続いて農地法一部改正、卸売市場法改正、森林管理法の制定、漁業権見直し案など成立したり成立寸前だったり、あるいは案が提示されたりといった具合です。(2018/06/06)


みる・よむ・きく
日消連がブックレットで遺伝子組み換え食品の蔓延を警告 『みんなモルモット 遺伝子組み換え食品』
 日本消費者連盟(日消連)と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは5月、遺伝子組み換え食にあんするハンディな小冊子「みんなモルモット 遺伝子組み換え食品」を発行しました。同キャンペーン代表で日消連共同代表である天笠啓介さんが監修、価格も1部300円とお手頃です。(大野和興)(2018/06/01)


核・原子力
「核燃推進派の無投票当選にするわけにはいかない」 六ケ所村村長選に反核燃医師が立候補
 再処理工場がある青森県六ヶ所村の村長選挙に反核燃候補が立候補する。立候補するのは青森県で長年医師の立場で原発・核燃サイクルに反対して闘ってきている遠藤順子氏。村長選は6月19日告示となる。(大野和興)(2018/05/29)


政治
札付きの差別・レイシスト政治家が中野区長選に立候補 
 任期満了に伴う中野区長選が6月3日告示、10日投票で行われる。この区長選挙に元都議の吉田康一郎氏(50)が5月11日、無所属で立候補する意向を表明した。この人物は都議時代に差別・排外主義を掲げて活動を開始していた在特会(在日特権を許さない市民の会)を応援し、活動していた人物で、「不逞朝鮮人は出ていけ」などという言葉を叫びながら演説をしていた。日刊ベリタでは当時、吉田都議と、同都議を公認していた民主党に公開質問状を送るなどの取材活動を行ったが、一切応答がなかった経過がある。以下、当時のベリタの記事を再掲する。(編集長大野和興)(2018/05/23)


イスラエル/パレスチナ
ガザでイスラエル軍による発砲で、パレスティナ人が大量殺害されている
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは日本時間の5月14日夜、ガザで41人もの人々がイスラエル軍の発砲によって既に殺害されたと報じている。アムネスティはこの恥ずべき国際法違反は故意の殺人であり、戦争犯罪を構成するものであり、イスラエル政府は、これ以上の犠牲を出さないよう、直ちに過剰な力の行使を止めるべき、と訴えている。(大野和興)(2018/05/14)


みる・よむ・きく
遺伝子組み換えミステリ――『感染領域』(くろきすがや著)  大野和興
 全国屈指のトマト産地熊本でトマトの奇病が発生、農水省の要請を受け、帝都大学の植物病理学者安藤が農水省担当課長とともに現地に飛ぶところから話は始まります。そこで見たのは葉も茎も緑色が消えうせ、赤く変色した異様なトマト苗でした。(2018/05/13)


みる・よむ・きく
かこさとしさんの絵本 「たねからめがでて」  大野和興
 絵本作家のかこさとしさんが亡くなられました。こどもたちにとても素敵な絵本をたくさんプレゼントした92年の生涯でした。各紙とも大きく取り上げています。代表作として共通してあげているのは「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」です。しかしぼくにとっての代表作は、科学者でもあるかこさとしさんの「かがくの本」のひとつである「たねからめがでて」です。この本を読んで種好きになった子どもたちが大勢います。(2018/05/11)


農と食
工場野菜のほうが安全で環境に優しいと多くの人が思っているらしい  大野和興
 日本経済新聞の電子版に「あなたも食べてる工場野菜」というコラムが載っていて、興味に駆られて読んでみました。工場野菜とは、野菜工場で育てられた野菜のことです。野菜工場とは、お日様が照り、雨が降り、風が吹く外界と処断した空間で、太陽光の代わりに発光ダイオード(LED)照明などの人工光で野菜を育てる工場のことを言います。ここでは空気の流れも遮断されます。(2018/04/24)


アジア
朝鮮半島非核化と東アジア  現在そしてこれからをどうみるか  大野和興
 急速な展開を見せる朝鮮半島の動きをどうみるか。3月31日、都内で「どうなる、東アジアの安全保障―北朝鮮問題や米中覇権争いをめぐってー」と題する国際シンポジウムが開かれた。市民の立場からの外交を提唱するNGP「新外交イニシアティブ(ND)」が主催したものだ。中国、韓国、米国、オーストラリア、日本の論者がそれぞれの分析を示し、議論をたたかわせた。NDシンポでの論議を軸に、現局面の意味をいくつかの側面から見ていく。視点と枠組みを変えることで、見えるものも違ってくる。ここでは、アジアの民衆の視点、という軸足を定め、より長い時間軸をとり、空間的広がりも見据えながら考えてみたい。(2018/04/18)


農と食
【むらから】ねぎは、はなたれに限る  大野和興
 2003年だから、もう15年ほども前になる。取材メモを整理していたら、京都市上京区の野菜農家佐伯さんからお聞きした話が出てきた。伝統野菜の代表ともいえる京野菜を作り続けている40代(当時)の若手農民だ。おもしろいので書いておく。(2018/04/04)


みる・よむ・きく
人体も社会もむしばむ新しい公害「香害」 日本消費者連盟『香害11番―香りの洪水が体を蝕む』 
 新しい公害として深刻な影響を生んでいる問題に香害がある。化学物質過敏症の一つと考えられているが、洗剤、柔軟剤、芳香剤、消臭スプレー、シャンプー、整髪料、制汗剤など身の回りにあふれている商品でさまざまな症状を引き起こす。その症状は多岐に渡り、人によってさまざまだが、例えばめまい、吐き気、くしゃみ、頭痛、脱力、喉の痛みや腫れ、セキや喘息発作、目のチカチカ、胸が締め付けられる、皮膚の痛みやかゆみなどを訴える人が多い。(大野和興)(2018/04/02)


人権/反差別/司法
櫻井よしこ氏、捏造攻撃のもとが捏造だった 札幌地裁口頭弁論から詳報
 右派評論家櫻井よしこ氏が元朝日新聞記者植村隆氏の慰安婦報道を「捏造」と攻撃して植村氏から名誉棄損で訴えられた事件の公判で、櫻井氏の捏造攻撃の中身がウソであったことが判明した問題(本紙既報)の詳細が「植木裁判を支える市民の会」の報道で明らかになった。それを見ると、ジャーナロストを名乗る櫻井氏の言説が、いかに根拠がない、いい加減なものであるかがわかる。(大野和興)(2018/03/28)


人権/反差別/司法
右派評論家櫻井よしこ氏のウソがばれた 植村裁判法廷で本人が認める
 ネトウヨのアイドル、櫻井よしこ氏のウソがばれた。元朝日新聞記者植村隆さんの慰安婦問題をめぐる記事をねつ造呼ばわりし、植村さんが名誉棄損で訴えた裁判で、右派評論家で朝日新聞攻撃の先頭に立っている櫻井よしこ氏の言説が、逆にウソだったことがわかった。札幌地裁で3月23日に行われた第11回口頭弁論における証言で櫻井さん本人が認めた。(大野和興)(2018/03/25)


農と食
【むらから】もうすぐカエルの大合唱が始まる 大野和興
 ここは関東の端っこに位置する山間地、埼玉県秩父地域のいっかく。春の田起こしが進み、あと一月もすると、代掻き、そして田植えが始まる。種もみの手配も終わった。田んぼに水が入り、田植えが最盛期を迎える五月の光景を思い出す。水をまんまんとたたえた水田には、カエルの声が満ちあふれる。いつも不思議に思うのは、田んぼに水が入ったとたんに、カエルの大合唱が始まることだ。(2018/03/25)


TPP/脱グローバリゼーション
新たな段階に入ったグローバリゼーション  混迷の中で始まった“大逆転” 
 トランプが仕掛け、世界貿易戦争が始まった。3月23日、トランプ米大統領は主として中国と日本を対象に鉄鋼とアルミの輸入制限を発動、日本は泣き寝入りだが中国は報復関税だ全面対決の様相。トランプは中国に対しさらに知的所有権侵害で追い打ちをかけた。世界1位と2位が対立、そこにロシアも加わる。その一方で、TPP(アジア太平洋経済連携協定)を米国が抜けた後、残り11カ国で進めたきた「TPP11」は3月8日にチリで署名式が行われた。ここに中国が進める「一帯一路」と名付けられた巨大経済圏づくりが重なる。さらには世界で最初の多国間自由貿易協定であるNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しもからまり、この先どのような世界の経済秩序が見通せるのか、予測がつかない状況が生まれている。その背後で何が起こっているかを考えた。(大野和興)(2018/03/25)


みる・よむ・きく
もしかして日本最大のスリーパーセルは安倍晋三さんかも  ティム・ワイナー『CIA秘録』がおもしろい
 大阪に北朝鮮のスリーパーセルが大量に存在していて、金正恩委員長が死ぬと一斉に動き出してテロを実行すると「国際政治学者」(カッコつき)の三浦瑠麗氏がテレビで発言し、差別意識丸出しのヘイトクライムとしてひんしゅくを買った。スリーパーセルとは普段は生業について市民生活を送るが、いざ鎌倉の時は目を覚まして動き出すスパイのこと。それで思い出したのは安倍晋三現首相の祖父で、安倍首相が尊敬してやまない岸信介元首相のこと。彼がアメリカの諜報機関CIAのスパイだったことは、一部ではよく知られているが、それを確認したくなって、ニューヨーク・タイムズ記者ティム・ワイナーが書いた『CIA秘録』を本棚から探しだした。(大野和興)(2018/03/10)


TPP/脱グローバリゼーション
「TPP11」、チリで署名式  日本消費者連盟が反対声明
 米国抜きの11カ国が参加する「TPP(環太平洋経済連携協定)の協議がまとまり、3月8日(日本時間9日未明)に参加各国が集まり署名式が行われた。各国は今後それぞれの国内手続きによって批准を進める。日本政府は今国会で批准をしたいとしている。これに対し、消費者団体である日本消費者連盟が、同協定は人々の平和に生きる権利を脅かすとして反対声明を出した。(大野和興)(2018/03/09)


社会
公益社団法人日本青年会議所 はネトウヨ・ヘイト団体だった 「日本は神様が作った国」「南京事件はなかった」と小学生に副教材を提供
 ネトウヨ現象がいろんなところではびこっているが、日本青年会議所(JC)というまでが歴史を捻じ曲げ、他者を攻撃しまくるSNSを連発していることがわかり、世間のひんしゅくを買っている。JCが右翼がかっていることは以前から定評があったところだが、これほどひどくなっているとは思わなかった。『日刊ゲンダイ』の3月2日号は「公益社団法人であるJCは、公益目的事業で生じた所得について課税を免れるのだ。早く公益法人の認定を取り消した方がいい」と批判している。(大野和興)(2018/03/04)


検証・メディア
「日本にメディアには取材の自由はありません」 
 「日本にメディアには取材の自由はありません」で始まるメディア研究者大石康彦氏)青山学院大学教授)の講演記録を、JCJ(日本ジャーナリスト会議)の新聞『ジャーナリスト』(2月25日号)で読んだ。安倍政権のもとで、日本の報道の自由世界ランキングは下がる一方の状況にある。『ジャーナロスト』紙の記事をもとに、大石教授の指摘を紹介する。(大野和興)(2018/03/02)


市民活動
3月3日 「モリ・カケ追及!納税者一揆」第2弾」やります
 私たちの運動も2.16行動1回で「幕引き」とはいきません。週明けの国会は佐川氏と昭恵夫人の証人喚問、麻生財務相、安倍首相の「適材適所」発言をめぐって緊迫した状況が続く見込みです。そこで、当会は、次のようなアピールを掲げて、第2弾の行動を行うことにしました。より多くの方に参加いただける土曜日です。緊急対応として ●麻生財務大臣の妄言に抗議する。● 申し入れ書 を提出します。(森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会)(2018/02/21)


社会
“悪夢の超特急”リニア中央新幹線の巨大利権構造 捜査の行方は早くも混沌
 久しぶりの東京地検特捜部の登場で、大疑獄事件になるかと期待さているリニア中央新幹線工事巨額談合事件。当初はJR東海の単独事業だったはずが、途中から安倍首相の肝いりで政府資金が投入されることになるなど、政治がらみの動きが目立っていたので、国民の多くは「やはり」という感じを強めていた。しかし、捜査の周辺ではなにやら奇妙な動きが見え隠れする。いったい何が起こっているのか、安倍介入の時期からの推移を追ってみた。(大野和興)(2018/02/20)


市民活動
佐川国税局長官の罷免を求めて納税者一揆 東京では1100人が国税庁包囲・抗議デモ
 2月16日、佐川国税局長菅野罷免を求めて行われた財務省・国税庁包囲行動とデモ行進は主催者発表で1100人が参加、盛り上がりました。呼びかけ人の醍醐聰さん(東京大学名誉教授)から以下のような報告を寄せられました。(大野和興)(2018/02/17)


労働問題
インチキデータを国会に出してまで安倍首相が固執する「働き方改革」とは何か その本質を問う
 「改革」と「革命」が大好きな安倍首相が満を持して放つ「働き方改革」法案が今通常国会に出てくる。2018年度予算案が成立した後、4月にも国会審議がはじまる見通しだが、改革の目玉である裁量労働制についてのデータがインチキだったことがわかり、2月14日の衆院予算委員会で安倍首相が答弁を撤回しお詫びするという事態が持ち上がった。インチキデータを示してまで安倍政権が固執する「働き方改革」とはいったいどういうものか。その中身を追っていくと、この「改革」に貫かれているのは、労働という行為そのものの解体と、労働する主体である人間の破壊だであることがわかる。(大野和興)(2018/02/15)


検証・メディア
テレビでの発言で「国際政治学者」三浦瑠麗氏はたんなるネトウヨだったことがばれてしまった
 「国際政治学者」三浦瑠麗氏がテレビで行った差別発言が批判を浴びている。2月11日午前10時から11時15分の間、フジテレビ「ワイドショウ」で、三浦さんは「実際に戦争が始まって、金正恩さんが仮に殺されても、一切外部との連絡を絶って、都市で動き出すスリーパー・セルがいる。ソウルでも東京でも大阪でも。大阪がヤバイと今、いわれている」と発言した。北朝鮮問題を扱っていた番組で、金正恩の名前を具体的に上げ、都市で潜んでいたテロリストが一斉に動き出すというこの発言は、誰が聞いても在日コリアンをテロリストと名指ししたも同然で、関東大震災の時デマによって普通の市民により朝鮮人が大量虐殺された歴史を考えても、おだやかでない発言。「国際政治学者」という肩書で特定の民族へのリンチを扇動したものという批判がネット上や本人、三浦氏が所属する東京大学政策ビジョン研究センターに殺到したのもうなづける。(大野和興)(2018/02/14)


みる・よむ・きく
人間という存在に迫る カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳『わたしを離さないで』  大野和興
 丘の上の瀟洒な建物。ヘールシャムと名付けられたここは、全寮制の学園のようにみえる。敷地のなかには池があり森がありポプラ並木がある。そこで寝食をともにする十代の多感な年頃の男の子たち、女の子たちの世界。その日常がキャシーの日記風の回想形で淡々と綴られていく。仲良しどうし、ちょっとしたいじめ、仲たがい、仲直り、先生の品さだめ、宝物自慢、勉強・・・。(2018/02/09)


農と食
野菜の高騰と食システム
 乾燥した日が続いたと思ったら大雪に強風と天候異変が続く中で、野菜の高騰がとまらない。農村部を控えた地方都市でも、スーパーをのぞくと白菜四分のひと切れで170円という値段がついていた。それではと農協の直売所をのぞくと、小ぶりだったり色が悪かったり傷があったりと、さすがに農協らしく、一生懸命集めた気配が感じられ、スーパーよりは安く売っているが、普段よりはやはり高い。テレビをつけると、取材を受けた安売り八百屋のおじさんが、当分安くはならないね、と断言する声が伝わってきた。(大野和興)(2018/01/24)


米国
トランプ大統領、内幕本の出版差し止めを求める 出版社と著者は拒否
 トランプ大統領は4日、弁護士を通して「Fire and Fury: Inside the Trump White House(炎と憤激」の著者と出版社に対し、同署の出版差し止めを求める書簡を送った。これに対し出版社は同署の発売を前倒して4日間早めると発表した。AFP電が報じた。(大野和興)(2018/01/05)


社会
「彼女は声を上げた。しかし彼女の国はそれを無視した」 伊藤詩織さんのたたかい、ニューヨークタイムズが1面で報道 
 元TBSのワシントン支局長で安倍首相礼さん本を書いて安倍側近ジャーナリストとして有名になった山口敬之氏がTBSへの就活で面会したフリージャーナリストの伊藤詩織さんを強姦した事件は、本人の証拠をあげての訴えにもかかわらず日本の新聞・テレビはほとんど黙殺したままだ。その一方で米国のニューヨークタイムズ(NYT)、フランスのルモンド、スェーデンで最大の部数を誇る日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル紙電子版など欧米の有力誌が相次いで大きく取り上げている。Twitterでは「#FightWithShiori」のタグが立ち、海外紙の報道をもとにこの事件の大拡散が始まっている。国内メディアの沈黙の奇妙さが目立ってきた。(大野和興)(2018/01/01)


アジア
ロヒンギャ問題の背景を探る 国際人権団体アムネスティが独自調査  「これは国家主導の人種差別政策アパルトヘイトだ」
 ミャンマーを追われるイスラム系少数民族ロヒンギャの人びとの状況は、世界最悪に難民問題といわれている。いったいなぜこんなことが起こったのか。国際人権団体アムネスティは、独自調査をもとに、問題の背後には長年にわたる構造的差別があったことを明らかにし、それは国家主導の人種差別政策であり、かつて南アフリカで実施された、人を人と見なさない「アパルトヘイト」に酷似する、と述べている。以下、アムネスティの調査から、その一部を紹介する(大野和興)(2017/12/31)


農と食
喜界島のゴマ 大野和興
 奄美大島に隣接する喜界島は、在来種の白ゴマ産地として知られている日本一のゴマ産地だ。人口8000人余りの離島で年間50トンを収穫、国内のゴマ生産の7割を占めている。といっても、日本のゴマ自給率は0・1%、約16万トンを輸入に頼る。中国に次ぎ世界第2位の輸入国だ。(2017/12/11)


最高裁、読売新聞による「言論:表現の自由」圧殺を是認
 言論・表現の自由をめぐって読売新聞社と争っていた七つ森書館の敗訴が確定した。日本一の部数を誇り、安倍政権とも近い読売新聞社が、自社に不都合なノンフィクションの出版に圧力をかけ、出版取りやめに追い込んだ事件は、最高裁が12月1日、出版社側の請求を棄却、小出版社のを力でねじ伏せる形で終結した。七つ森書館と著者は直ちに「権力や権威におもねらない市民の立場に立ったジャーナリズムを追求する」との抗議声明を出した。(大野和興)(2017/12/10)


政治
≪選挙分析≫農村部の動きをどうみるか 農村部でリベラル・革新が互角でたたかえる条件はそろっている
 2017年衆議院選挙で農村票はどう動いたのか。それだけを取り出した分析は、筆者が知る限り見当たらない。小選挙区制をいう枠組みのなかで都市部も農村部も野党は大負けししたのだから、都市標・農村票という分け方そのものがもはや意味を持たなくなったという見方も成り立つ。しかしそれでも、農村部の割合が高いところで、保守・革新がほぼ互角に競り合った北海道や新潟といったところもある。そうした地域を念頭に置きながら、農村選挙をどうみるかについて、過去を振り返りながら考えてみる。(大野和興)(2017/12/09)


反戦・平和
武器輸出の既成事実が積み重ねられている 亡国の武器輸出11・15集会へ!
 安倍政権による武器輸出三原則の撤廃から3年半、防衛装備庁の発足から2年が経ちました。そして、私たちNAJAT(武器輸出反対ネットワーク)の結成からまもなく2年になろうとしています。国策としての武器輸出が最初の曲がり角に差しかかっている今、朝鮮半島「危機」から軍産複合体が利益を貪る今、満を持して集会を開催します。ぜひ、ご参加ください。(杉原浩司)(2017/11/05)


市民活動
10・31パブロ・ソロン/マリー・ルー講演の旅= ボリビアから世界へ =「水への権利」「マザーアースの権利」(国連決議) 
 そこに住む人びとの“生きる権利”を掲げ、気候変動、森と水、人と自然との共生をめざして活動する二人の国際活動家を迎え、東京、秩父、京都、大阪で講演会が行われます。日本のNGO,市民団体が実行委員会を作り招へいしたもので、日刊ベリタも賛同団体に入っています。来日するのはボリビアの元国連大使で、気候変動や水への権利などの国連決議を弱者の立場から主導したパブロ・ソロンさんと、森林・水問題や脱自由貿易で活動するマリー・ルーさん。東京では10月27日夜、御茶ノ水の連合会館で開かれます。(大野和興)(2017/10/24)


市民活動
10月20日夜、中国「一帯一路をどうとらえるか」をテーマに公開講座
 国内外の地域や市民とつながりながら脱グローバリゼーション運動を展開している「TPPに反対する人々の運動」は現在、「現代の中国をどうとらえるか」をテーマに秋の公開講座を開催しています。10月20日には中国の「一帯一路」をテーマに開催しますので、お越しください。申し込みは不要です。(大野和興)(2017/10/17)


沖縄/日米安保
減り墜落炎上で高江区がヘリパットの全面停止を求める緊急決議  「住民の会」も抗議声明
 10月12日に沖縄.高江で米軍ヘリが地元農民の牧草地に墜落、炎上した事件を受け、高江区が緊急に合代議委員会を開き、ヘリパットの使用停止を求める抗議決議を行った。同時に高江の住民による抗議声明も出された。抗議声明は北部訓練場の全面返還を求めている。(大野和興)(2017/10/13)


社会
市民団体、森友・加計問題で財務省幹部を刑事告発へ
 森友・加計問題に佐川国税局長菅の罷免を求める署名運動を展開した「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の有志で森友学園への国有地売却に関し、池田靖氏(近畿財務局国有財産統括官、当時)を背任罪(刑法第247条)で、佐川宣寿氏(財務省理財局長、当時。現国税庁長官)を証拠隠滅罪(刑法第104条)で、それぞれ刑事告発する。告発状は10月16日に東京地方検察庁に提出する。告発人代表は醍醐聡渡欧協大学名誉教授で、「佐川国税庁長官の罷免を求める署名運動にご尽力いただいた市民の方々にも告発人に加わっていただききたい」としている。(大野和興)(2017/10/11)


人権/反差別/司法
Doveのレイシズム差別広告
本紙既報の「■Dove (ダヴ)のレイシズム広告への抗議 黒人に汚れたイメージを与えた差別広告を回収せよ」の広告は下記のtwitterで見ることができます。(編集部)(2017/10/10)


検証・メディア
カタルーニア独立投票への弾圧はインターネットにまで及んだ 小倉利丸さんの警告
 カタルーニアの独立投票に対するスペイン警察の弾圧について、投票所周辺への機動隊などによる暴力行為は日本のメディアも報じていますが、インターネットがシャットダウンされたことについてはあまり詳しく報じられていません。インターネットによる情報統制・管理で積極的に発言している社会思想家で経済学者の小倉利丸さんが現地の情報をもとにその概要を分析、アマゾンやグーグルなど大手通信事業者がカタルーニアよりもスペイン政府に加担したことを明らかにし、こうした事態は共謀罪が成立した日本でもやがて現実の問題となる、と警告しています。以下、小倉さんの分析を紹介します。(大野和興)(2017/10/05)


国際
EU各国は受け入れ合意を果たしていない イタリヤとギリシャに残されたままの難民
 イタリアとギリシャには数千人の難民と庇護希望者がいる。EU加盟国はこれらの人びとの受け入れに合意しているが、履行期限の9月26日を過ぎてもその合意はほとんど果たされていまい。国際人権NGOアムネスティ国際ニュースがその実態を伝えている。(大野和興)(2017/09/29)


アジア
アムネスティ、ミャンマー(ビルマ)の治安部隊の行動は、周到なロヒンギャ民族浄化作戦と言明
 ミャンマーにおける少数民族ロヒンギャに対する治安部隊の行動は、次第に民族浄化作戦の様相を呈してきた。国際人権団体アムネスティは、入手した証言や情報を分析、「治安部隊と自警団のような集団がロヒンギャの村々に火を放ち、逃げまどう人びとを手当たりしだいに撃ち殺していった。間違いなく民族浄化である」と述べた。アムネスティ国際ニュースが伝えた。(大野和興)(2017/09/21)


核・原子力
日本政府も絡みトルコで原発建設計画が進む  現地市民運動が反原発映画制作への協力を呼びかけ
 トルコで原発建設計画が着々と進んでいる。一つはロシア政府が絡み、二つ目は安日本政府が絡んでいる。三菱重工とフランスのアレバが、448万kWの原発を建設するというものだ。現地では市民による強い反対が展開されており、その一環としてドキュメンタリー映画の制作が進められている。制作は市民の募金で進められて折日本の市民にも協力が呼び掛けられている。NNAFJ(No Nukes Asia Forum Japan)からの協力呼びかけを紹介する。(大野和興)(2017/09/17)


社会
いったいどうなってんの、日本の警察 ネット上の名前だけで逮捕、19日間拘留
 インターネットの短文投稿サイトに名前を使われただけの女性を詐欺罪でいきなり逮捕、否認しているにも関わらず19日間も拘留、やっと処分保留で釈放するという警察不祥事があった。徳島新聞が報じたその顛末。こんないい加減な捜査や逮捕が許され、それに共謀罪でひっかけられたら、日本は留置場も刑務所もたちまち満杯になりそうだ。(大野和興)(2017/09/12)


検証・メディア
東京新聞望月記者に殺害予告 官邸の望月攻撃が誘発、記者会見でIWJ岩上氏が問い詰める
 官邸記者クラブでの記者会見で菅官房長官に対し鋭い質問を続けてきた東京新聞望月衣塑子記者に業を煮やした官邸が9月1日、東京新聞に対し「無礼な質問をこともあろうに官房長官に浴びせるとは何事か」といった意味の質問状を出した。いかなる質問にも答えるのは官房長官の職務、質問するのは記者の仕事なのだが、官邸記者クラブはこの事態を無視、知らぬ顔を決め込んていた矢先の9月4日夜、東京新聞本社に男性の声で「望月を殺す」という電話があった。(大野和興)(2017/09/11)


市民活動
森友問題の佐川国税庁長官の罷免を求める署名 締め切り後も続々届く
 森友問題で国会で虚偽の答弁をしたとして、佐川国税庁長官の罷免を求める署名(本紙既報)は、目標の一万人を大きく超え、麻生財務財務大臣に提出したが、締め切り後も次々と署名が届いている。署名を呼び掛けた醍醐聰東京大学名誉教授がその模様を報告してくれた。署名者のなかには現役の税務署員もいる。(大野和興)(2017/09/10)


みる・よむ・きく
スマホ漬け、人間はそれに耐えられるか  石田結貴著『スマホ廃人』が伝えるその実態
 スマホの世帯普及率がガラケーを上回ったのは2015年度。つい2年前にすぎない。そして今、電車に乗ると、10人中少なくとも8人はうつむいてスマホをいじっている。繰り返すが、ほんの2年。この何でも出来る掌のパソコンとどう付き合ったらいいのか、みんななんの準備もなくスマホの濁流に飲み込まれた。子育てで、教室で、社会で、高齢化の中で、今なにが起こっているのか。混乱を極めるその実態を一冊の本が伝えている。(大野和興)(2017/09/06)


アジア
フィリピン、ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅戦争で警察は未成年者まで射殺
 ドゥテルテ大統領の麻薬犯罪対策で未成年者までが警察に射殺されていることがフィリピンで問題になっている。高校生キアン・ロイド・デロス・サントスさん(17才)が先週、警察の手で殺された事件で上院は聴聞会を開き審議したが、警察当局は正当防衛を主張。国際人権団体アムネスティ国際ニュースは「市民の警察への信頼が落ちるところまで落ちている」と報じている。(大野和興)(2017/09/04)


市民活動
「共謀罪は廃止できる!9・15大集会」を 日比谷野音で開催します
このたび新たに設立された「共謀罪廃止のための連絡会」が9月15日に「共謀罪は廃止できる!9・15大集会」を日比谷野音で開催します。ぜひご参加ください。(2017/09/04)


農と食
食料自給率の意味を改めて問い直したい  大野和興
 食料自給率が下がった。長年、摂取カロリーで計算して(カロリーベース)で39%で推移していたのが、2016年度38%に低下したのだ。食料自給率がもっとも低かったのは、23年前の1993年の37%だった。今回はそれ以来の低水準となった。(2017/08/15)


市民活動
「佐川国税庁長官(前理財局長)の罷免 を求める1万人署名運動」 署名集約を8月20日まで延長
 (既報)「佐川国税庁長官(前理財局長)の罷免を求める1万人署名運動」は当初8月14日としていました署名集約費を8月20日に延長しました。8月21日に麻生財務大臣あてに罷免を申し入れます。どうかよろしくお願いします。(「可計問題の幕引きを許さない市民の会」)(2017/08/13)


市民活動
“佐川国税庁長官の罷免を求める1万人署名運動”展開中
国税庁長官に「就任」した佐川氏は就任記者会見も開かないとのこと、隠蔽体質のまま国税庁長官におさまること、納得がいきませんね。“佐川国税庁長官の罷免を求める1万人署名運動”がはじまりました。8月14日までに1万人を集めるという署名活動です。きちっとお灸をすえる活動、どうぞご協力をお願いしますーーこんな運動が始まっていますので、ベリタとしても応援します。以下、署名の方法です。(大野和興)(2017/08/11)


環境
リニア新幹線工事認可取り消し訴訟 原告は何を訴えているのか
 JR東海は沿線住民の疑問や不安を無視して、リニア新幹線工事を強行しています。 2016 年 5 月に全国 738 人の原告が国交大臣によるリニア工事認可の取り消しを求めて提訴しました。 春日井からは 22 名の原告が参加しています。 現在、東京地裁で審理が行われています。6 月 23 日に第 5 回の審理が行われ、長野県の原告 3 人が意見 陳述を行いました(添付訴訟ニュース) 次回は 9 月 8 日東京地裁にて第 6 回が 2 時 30 分から、静岡県の原告が意見陳述を行います。 (「春日井リニアを問う会ニュース」16号から)(2017/08/11)


教育
歴史教科書で灘校に圧力をかけたのは自民党の盛山正仁衆院議員(比例近畿)と和田有一朗・兵庫県議
 歴史教科書について灘校に圧力をかけた議員の名前がわかった。 私立灘中学校(神戸市東灘区)が採択した歴史教科書を巡り、自民党の盛山正仁衆院議員(比例近畿)や和田有一朗・兵庫県議が同校に「なぜ採択したのか」などと問い合わせていた。地元、神戸新聞が4日に報じた。本紙既報のように、同校の和田孫博校長が昨年、「謂(いわ)れのない圧力の中で」と題した文章で「自民党の一県会議員から『なぜあの教科書を採用したのか』と詰問された」「本校出身の自民党衆議院議員から電話がかかり、『政府筋からの問い合わせなのだが』と断った上で同様の質問を投げかけてきた」と明かしている(。(大野和興)(2017/08/05)

教育
もうひとつの”教科書問題” 総力を挙げてつぶしに来る極右と対峙する教育者の気骨
 ある文章がネット上で静かな話題を呼んでいる。名門で知られる神戸・灘校の校長先生が書いた文章だ。同中学校が採択した歴史教科書に対し、地元県議や自民党国会議員が動き、文句をつけるハガキが殺到し、果ては産経新聞が批判的な記事を流し、それを受けて超右翼雑誌『WILL』が長文の論文を掲載して攻撃し、といった経過を冷静に、的確な分析のもとに報告している。いま、この国で何が起こっているか、淡々とつづられた文章を読みながら空恐ろしくなった。同時に、加計学園問題に毅然つぃて対峙した前川喜平前文部事務次官の存在と重ね合わせて、最良の教育者の気骨を感じた(大野和興)(2017/08/05)


国際
アムネスティは警告する 「電気自動車へのシフトで児童労働を増やすな」
 電気自動車が増えると児童労働も増える、と警告するのは国際人権団体アムネスティである。英国が2040年からガソリン車やディーゼル車の利用を禁止し、公道を走るすべての車を電気自動車にすると宣言したのを受け、アムネスティは「電気は環境的にはクリーンかもしれないが、人権的に必ずしもクリーンではないことを知っておくべきだ」と懸念を示している。(大野和興)(2017/08/03)


社会
リニア新幹線の建設残土はどこへ 千葉県の採石場跡地?川崎港の埋立て?  樫田秀樹
 建設中のリニア新幹線工事からは膨大な量の建設残土が出ます。それをどこにもっていくかは重大な問題です。二次、三次の汚染と環境破壊、住民生活への脅威につながるからです。リニア新幹線問題を追い続けているフリージャーナリスト樫田秀樹さんのブログ「記事の裏だって伝えたい」から、その一端をお伝えする。(大野和興)(2017/08/02)


社会
経営者に殴り殺されたキャバクラ女性従業員  フリーター全般労組・キャバクラユニオンが緊急声明
7月26日、東京都港区新橋のキャバクラ店で、経営側の31歳の男が、19歳の労働者・与島稜菜さんを殴り殺す事件が起きた。この事件に対し、個人加盟の労働組合キャバクラユニオンが緊急声明を出した。「ただこの暴力を見つめてほしい」と題した声明は「私たちは彼女の死に強い怒りと悲しみを感じます。そして彼女の恐怖と絶望に戦慄を禁じることができません。何より「彼女」は、「私たち」だからです」と述べている。(大野和興)(2017/08/01)


アフリカ
南スーダン:紛争中の性的暴行、数千件にのぼる
 政府側と反政権側の内戦が続くスーダンでは、紛争が始まった2013年12月以降、同国各地で悪質な性的暴行が横行している。女性、少女、さらに男性が、敵対する勢力の戦闘員から性的暴行を受けてきた。被害者数は数千人に達すると見られ、その多くは、後遺症に苦しめられ、支援や医療も受けられず、悲惨な状況に置かれている。(アムネスティ国際ニュース)(2017/07/27)


反戦・平和
★川崎重工は軍用機を売るな!ニュージーランドは買うな!  7.27 川重東京本社&大使館アクション
ほとんど報じられていませんが、川崎重工製の軍用機のニュージーランド輸出の動きが進行しています。「死の商人国家」に向かう企てを破産に追い込むためのアクションを行います。暑い中ですので、塩分・水分を補給しながら取り組みます。ぜひご参加ください。情報の拡散にもご協力ください。(杉原浩司:武器輸出反対ネットワークNAJAT)(2017/07/22)


核・原子力
福島原発被ばく労災損害賠償裁判「あらかぶさん裁判」 第三回口頭弁論・報告集会にご参加下さい
 東電福島第一原発の事故収束作業などに従事し、急性骨髄性白血病を発症して労災認定を受けた労働者(通称・あらかぶさん)が、東電・九電に対して損害賠 償を求めて裁判を起こしています。厚労省の専門家検討会が、あらかぶさんの白血病は原発作業が原因と認定した にもかかわらず、東電・九電は「被曝量が100 mSv以下だから」としてそれを否定し、真っ向から争う姿勢です。(2017/07/22)


農と食
種は誰のものか、と問われればちゅうちょなく「百姓のものだ」と答える  大野和興
 種は誰のものか、と問われればちゅうちょなく「百姓のものだ」と答える。主要農作物種子法(種子法)という法律が先の通常国会でいきなり廃止された。種子法というのは、コメ、ムギ、ダイズといった基本食料となる種子を公的に管理し、“国民”の食料確保を支えようという法律だ。この法律があることで民間資本の種子市場への参入が阻まれるというのが廃止の理由。安倍政権の規制緩和の一環だ。日本の食料が危ないということで反対運動が盛り上がり、廃止後に「日本の種を守る会」が学識者や消費者、JAなどが集まって立ち上がったりもした。そこでは、種子の公的管理の重要性が強調される。それはそれで結構なのだが、こうした動きのなかで肝心の主人公である百姓の姿が見えない。“百姓不在”の運動にどこか違和感も覚える。そこで、筆者が住む埼玉県の山間地、秩父を舞台に、百姓と種も物語のほんの一端を紹介することにした。(2017/07/11)


農と食
小さい百姓はやっぱり農協がないと困るのだ
 農協悪者論が幅を利かせている。それを煽り立てているのが安倍政権だ。農協があることで日本の農業がダメになり、それが足かせとなって日本経済を発展させる経済・金融の自由化の足かせになっている、という論理だ。だから岩盤規制にドリルで穴をあける最大の対象に農協が挙げられた。それを見てもわかるのは、農協悪者論は権力をもち、経済的にも力があるものから発信されている、ということだ。では弱者からみたらどうか。こういう話は具体的なものがいいので、二つの地域を足で歩いて感じたことを書いてみた。(大野和興)(2017/07/07)


検証・メディア
首都で安倍政権の歴史的敗北を受け、各紙社説はどうみたか
 東京都議会選挙は小池知事与党の都民ファーストの圧倒的勝利と自民党歴史的惨敗に終わった。一夜明けた6月3日の各紙社説はどう見たか、さわりを追ってみた。(大野和興)(2017/07/03)


中国
「基本法を民主的に制定しなおして 香港人による命運自決を実現しよう」 香港のウェブサイト「無国界社運Borderless Movement」から
 香港は今年の7月1日でイギリスから中国に返還されて20年を迎えます。今日から三日間の日程で中国の習近平・国家主席が香港を訪問します。また7月1日には3月の行政長官選挙で選ばれた林鄭月娥・新行政長官が就任します。香港返還から20年。中国政府は香港基本法を制定し、「50年不変」「一国二制」と約束しましたが、強まる中国の影響力のなかで香港市民は民主化の進展だけが不変だと不安を抱える中での返還20年を迎えています。香港の民主派はこの基本法をたてにして、「約束が違う」「基本法を守れ」と中国に民主化を求めていますが、そもそもこの基本法じたいが、民主化を阻むトリックが仕組まれていました。以下は、香港のプロレタリア民主派の運営するウェブサイト「無国界社運Borderless Movement」に6月28日に掲載された論説の翻訳です。(稲垣豊)(2017/06/30)


検証・メディア
読売”鉄の独裁”にもほころびか 前川出会い系バー報道で混乱する同紙を『週刊文春』がスッパ抜き
 白石読売グループ会長が6月22日、日本新聞協会会長に再任された。安倍政権機関紙と化した読売新聞が新聞協会会長を握るということは、これまで機関紙だからという理由で新聞協会に入れなかった赤旗や公明新聞や自由新報も新聞協会に加入可ということになる。同じ日発売の『週刊文春』6月29日号が「読売『内部文書』スッパ抜き」というスッパ抜きを行った。太文字のリードは「『安倍の個人広報紙か』――本誌は入手した文書には、出会い系バー報道への読者の怒りが大量に列記されていた」というものだった。ナベツネ体制への反乱を小さな芽まで含めて押しつぶし、鉄壁の独裁を誇ってきた読売に何が起こったのか。(大野和興)(2017/06/23)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】日弁連、「共謀罪」法成立で会長声明 「極めて遺憾」「十分な審議とは言い難い」
 日弁連は6月15日、共謀罪法の廃止を求める会長声明を発表した。(1)一般市民が捜査の対象になり得る (2)組織的犯罪集団」に「一変」したといえる基準が不明確 (3)通信傍受の拡大など監視社会を招来しかねない 、などの懸念を示し、日弁連は恣意的に運用されることがないように注視し、今後成立した法律の廃止に向けた取組を行う、としている。(大野和興)(2017/06/16)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】国際人権団体アムネスティ日本が共謀罪強行に抗議声明
 組織的犯罪処罰法等の一部を改正する法案が、6月15日朝、参議院本会議において、自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。法案は通常、法務委員会の審議・採決を経て、本会議で採決されるが、今回、「特に緊急を要するものは議院の議決で委員会の審査を省略することができる」とする国会法を適用して法務委員会の審議を打ち切っての採決だった。アムネスティ・インターナショナル日本は、審議を尽くすことなく、また懸念や反対の声を誠実に受け止めることなく採決を強行したことを、強く非難する。(2017/06/16)


人権/反差別/司法
共謀罪強行採決の果て成立 日本消費者連盟が「わたしたちの覚悟」を発表
 2017年6月15日朝、共謀罪は参院本会議で強行採決され、可決成立しました。委員会採決抜きの異常事態です。国会が死に、この国の自由も民主主義も瀕死の状態です。筆者が共同代表を務める日本消費者連盟の抗議声明を起草しましたので、掲載いたします。「わたすたちの覚悟」と題しました。日刊ベリタのような、弱小だけれど権力をものともしないネットメディアも、嵐の時代に入ると思います。 (2017/06/15)


人権/反差別/司法
警察によるセカンドレイプ 詩織さんとキャサリンさんの場合
 フリージャーナリストの山口敬之氏に対する準強姦罪の逮捕状が官邸筋の圧力によってを握りつぶされた事件。東京地検は逮捕状不執行の後加害者を不起訴処分にした。これに対し被害者の詩織さんは検察審査会に不服を申し立て、5月29日に記者会見してそのことを世論に訴えた。その後、詩織さんは週刊『女性自身』で、警察当局による事情聴取のあり方について鋭く問題提起している。それはまさに“セカンドレイプ”そのものだったというのだ。その記事を読みながら米国兵士に基地の町横須賀でレイプされ、犯人、日本の警察当局を追い詰めていったキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんのことを思い出した。キャサリンさんの事件が起こったのは2002年。15年後も今も同じようなことが警察によって行われているのだと思い知った。(大野和興)(2017/06/14)


政治
事務次官にもいろいろ 共謀罪を推進する法務省黒川事務次官は小沢一郎つぶしと甘利収賄握りつぶしで活躍した人物
 共謀罪法案をめぐり、採決を強行しようと狙う政府与党と阻止しようとする野党4党のとせめぎあいがピークに達している。森友・加計問題に代表される安倍政権の独裁と腐敗が生まれた背景には、官僚の人事権を握り、霞が関を恐怖支配している官邸の力があるとされているが、共謀罪強行についても、同じ構造がある。昨年9月5日付けの法務省人事に際し、法務省が作成した原案が官邸によってひっくり返されたからだ。このとき官邸の口出して決まった黒川法務省現事務次官は従来から官邸と近く、甘利明前経済再生担当相の口利きワイロ事件を潰した人物だといわれている。(大野和興(2017/06/13)


政治
6月13日、国家公務員が公務員・行政の腐敗を問う集会を開催
 国家公務員の労働組合が、国家行政組織の腐敗について、国会で開催する「加計・森友問題の徹底解明を求め公務員・行政の私物化を許さない6・13院内緊急集会」。(大野和興)(2017/06/09)


沖縄/日米安保
沖縄基地反対運動の現場から発信を続けるラッパー大袈裟太郎さんの貯金がいきなり凍結された
 沖縄の基地反対闘争の現場から、インターネットで発信しているラッパーでジャーナリストの大袈裟太郎さんの郵便貯金口座がいきなり凍結され、8日間解除されなかったという事件があった。地元琉球新報や沖縄タイムスは報じたが、ヤマトの新聞、テレビでは報じられていない。大袈裟太郎さんのブログとこの問題を追っているフリージャーナリストの『田中龍作ジャーナル』から、そのいきさつを追ってみた。郵政当局に説明を求める大袈裟さんに、肝心のところに来ると当局は「金融機関としての判断です」と繰り返す。これは推測だが、郵便当局は基地反対運動をつぶそうとする右翼の通報で動いた気配が濃厚だ。あるいは郵便貯金すら安倍政権に忖度したのか。(大野和興)(2017/06/09)


欧州
フランス:「テロ対策」の名で歯止めのない弾圧
 フランスでは新しい大統領になっても国家非常事態の延長を重ねていると本紙では6月5日に報じた。国際人権団体アムネスティはテロと闘うためにあるはずの権限が、平和的な抗議行動の鎮圧に頻繁に使われており、法の支配にもとづく民主主義が危険にさらされている、と懸念を示している。アムネスティの調べでは、移動の自由と平和的な集会の権利を規制する数百もの不当な措置が、テロ対策という口実で発令されてきた。(大野和興)(2017/06/08)


沖縄/日米安保
翁長知事、辺野古工事差し止め訴訟提起を発表
 翁長雄志知事は7日夕、県庁で会見し、名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を受けずに護岸工事を続けている事態を踏まえ、国を相手に工事の差し止め訴訟を起こす方針を明らかにした。併せて工事の停止を求める仮処分も申し立てる。7日17時、琉球新報デジタル版が報じた。(大野和興)(2017/06/07)


国際
「トランプ大統領は後悔するだろう」 米トランプ大統領「パリ協定離脱を表明」についての海外専門家コメント
 米国のトランプ大統領は1日、地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定から離脱すると発表しました。同協定には195か国が署名しており、世界第2位のCO2排出国である米国が抜けると地球温暖化対策が大きな打撃を受けることになります。この件についての海外専門家コメントをお送りします。(サイエンス・メディア・センター)(2017/06/07)


欧州
相次ぐ国家非常事態の延長で、フランスの民主主義が揺らいでいる
 フランスでは議会が国家非常事態の延長を重ね、法の支配にもとづく民主主義が危険にさらされている。2015年11月にパリで発生したテロ事件から数時間後、オランド大統領は非常事非常事態法を発令した。この法律は、内務大臣と自治体の役人に、裁判所の許可なしに家屋や敷地内を捜査し、被疑者の移動を制限する強力な権限を付与する。新大統領のついたマクロン氏も、 英マンチェスターで発生した自爆攻撃事件を受け、非常事態宣言を11月1日まで延長すると発表した。同宣言は今年7月半ばに失効する予定だった。(大野和興)(2017/06/05)


政治
日本は秘密警察国家になった  公安情報を握り、操る安倍官邸
 安倍政権がもつなんとも嫌な感じや暗さはどこから来るのか、かねてから疑問だった。その謎が解けた。政権を批判する個人、元公務員、ジャーナリストらへの誹謗中傷を含む人権侵害が続いている。さらには、重大犯罪を犯し、逮捕状まで出たジャーナリストを官邸でかばい、もみ消すという前代未聞の事態も明らかになった。私的な会食の場で政権の外交批判を話したら、どこでどう伝わったのかその外交官が更迭されるという出来事もあった。これらの行為すべてに公安警察が関わり、警察当局から出向した安倍首相の補佐官がその指揮を執っていることが次第に明らかになっている。いま、この国は次第に秘密警察国家化している。安倍政権の薄汚さの原因はここにある。(大野和興)(2017/06/05)


人権/反差別/司法
人権NGOの主催で、国連表現の自由特別報告者デビッド・ケイ氏が出席、都内でシンポジウム
 現在国会で審議中の共謀罪について、人権の観点から懸念を示している国連表現の自由特別報告者デビッド・ケイ氏が出席する国際シンポジウムが都内で6月2日に開催される。ケイ氏は、6月にも公式レポートを国連の人権理事会宛てに提出する予定とされている。シンポジウムは人権NGOヒューマンライツ・ナウが主催、秘密保護法対策弁護団が共催する。(大野和興)(2017/05/31)


教育
前川氏が現役事務次官時代に夜間中学運動現場で語った「教育は人権保障の中核」 
 2016年10月31日付けの古い新聞、それもその地域の人しか見られない地方版がネットで評判を呼んでいる。毎日新聞の記事だ。加計学園問題で「安倍総理のご意向」文書を明らかにした前川前文科省事務次官が埼玉で夜間中学運動を続けてきた市民運動の集会で話をしたその内容に感動しての反応だ。(大野和興)(2017/05/31)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】 国連特別報告者、日本政府に特定秘密法の改正勧告
 ジュネーブ発共同電によると、国連人権高等弁務官事務所は30日、言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ特別報告者がまとめた対日調査報告書を公表した。その中でケイ氏は、日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性に言及、メディアの独立性に懸念を示し、特定秘密保護法の改正などを日本政府に勧告した。(2017/05/30)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】真宗大谷派が共謀罪反対声明
真宗大谷派が5月18日、宗務総長名による「テロ等組織犯罪準備罪(共謀罪)法案に反対する声明」を発表しました。声明は、明治政府によるでっちあげで多数の犠牲者を出した大逆事件に、非戦と平等を説いた同派僧侶・高木顕明師連座したことを上げながら、「すべての人が共に生き合える同朋社会の実現をめざす教団として、テロ対策という名のもとに政府が市民を監視し、私たち個人の思想や言論、表現を統制しようとする今回の法案に対して、真宗大谷派は強く遺憾の意を表明し、廃案を求めます」と結んでいます。(大野和興)(2017/05/28)


人権/反差別/司法
人権活動家に対する弾圧が世界中で激化している  日本の安倍政権の振る舞いも同列
 国際人権団体アムネスティが世界で人権活動家に対する弾圧が強まっていると警告している。2017年5月18日のアムネスティ国際ニュースは「コミュニティのリーダーや弁護士、ジャーナリストなど人権擁護に取り組んでいる人びとが、世界中で過去に例をみないほどの脅迫、暴力、そして迫害にさらされている」と報じている。アムネスティは触れていないが、沖縄基地闘争のリーダー山城博治さんの微罪長期拘束や安倍政権の不正疑惑を政府文書を公開することで問いただした元公務員に対し、政権側がスキャンダルをマスメディアを使って流したり政府高官が当人を公の記者会見で人身攻撃をするといった事態が起こっている日本の安倍政権の振る舞いも、人権活動家への弾圧といってよい。(大野和興)(2017/05/28)


教育
前川前文科省事務次官の辞任にあたってのメール 「弱い立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命だと思います」
 加計学園問題で政権を揺るがせている前川喜平前文部科学省事務次官が職を引くにあたって全職員に送ったメールは感動的ですね。朝日新聞デジタル版が掲載したものを転載します。昔のことですが、ぼくの専門分野である農業問題でも、農林省にはやはりいい役人がいました。それもたくさん。60年代からせいぜい70年代までです。局長室も次官室も出入り自由で、アポなし取材も時間さえあればいつでもOKでした。退庁時間を過ぎたら、おもむろに引き出しからウイスキーが出て、青二才の記者相手に議論が始まった。官邸主導の規制改革会議のいうまま、種子法をいきなり廃案にするなど、考えられなかった。前川さんのメールを読んで、そんなことを思い出しました。(大野和興)(2017/05/27)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「共謀罪は当たり前の日常を一変させる」 日本消費者連盟が反対声明
 日本消費者連盟が共謀罪廃案に向けての声明を出しました。消費者・生活者の権利を掲げて活動している市民団体として、暮らしの場、日常生活を脅かすものとして共謀罪をとらえ、廃案を訴えています。(大野和興)(2017/05/25)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】国連特別報告者「拙速に押し通すことは絶対に正当化できない
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案はプライバシーを不当に制約する恐れがある、との書簡を日本政府に送ったケナタッチ国連特別報告者が、国会審議の状況を「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と批判していることが分かった。法案に反対する市民団体らが23日、記者会見し明らかにした。(共同通信から)(2017/05/24)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】twitterから
「私の懸念に答えていない」「(日本政府の対応は)中身のないただの怒り」とジョセフ・ケナタッチ国連特別報告者が反論。(有田芳生‏)(2017/05/24)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論
 【ロンドン=小嶋麻友美】安倍晋三首相宛ての公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を表明した国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は二十二日、菅義偉(すがよしひで)官房長官が同日の記者会見で抗議したと明らかにした日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と批判し、プライバシーが侵害される恐れに配慮した措置を整える必要性をあらためて強調した。電子メールで本紙の取材に答えた。(東京新聞2017年5月23日 朝刊から)(2017/05/24)


反戦・平和
日本で二年ぶりに大規模武器見本市 しっかりと抗議の声をあげよう 杉原浩司  
6月12日から14日にかけて、幕張メッセで海軍関係の武器見本市である「MAST Asia 2017」が開催されます。日本では2015年に戦後初の大規模武器見本市としてパシフィコ横浜で開催され、世界39ヶ国の海軍幹部や軍需企業125社が参加しました。(2017/05/23)


市民活動
安倍昭恵氏ほかの国会証人喚問を求める要望署名
私たちは、両院議長に次のことを申し入れます。 安倍昭恵氏、迫田英典氏(前財務省理財局長)、武内良樹氏(前財務省近畿財務局長)、田村嘉啓氏(財務省国有財産審理室長)、松井一郎氏(大阪府知事)、酒井康生氏(森友学園元弁護士)をすみやかに国会に証人喚問し、国有地の格安売却など森友学園をめぐる一連の疑惑を徹底究明すること。(2017/05/22)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】共同通信調査 共謀罪」、政府の説明が十分だと思わないが77・2%
 共同通信社が20、21両日に実施した全国電話世論調査によると、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に関し、政府の説明が十分だと思わないとの回答が77・2%に達した。(2017/05/21)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】衆議院法務委で強行採決された共謀罪法案に国連特別報告者が緊急警告
 国連プライバシー権に関する特別報告者 ジョセフ・カナタチ氏が、5月18日、共謀罪(テロ等準備罪)に関する法案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあると懸念を示す書簡を安倍首相宛てに送付しました。(「杉原こうじのブログ」から)(2017/05/20)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「市民運動の弾圧」県内団体は懸念 「共謀罪」採決  沖縄タイムス
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法案が19日、衆院法務委員会で強行採決された。時の政権や捜査当局による恣意(しい)的な解釈が十分可能で「治安維持法の現代版」とも言われる法案。市民運動への取り締まりが厳しくなるとの懸念もある。(2017/05/20)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「共謀罪」法案で経済活動萎縮 企業法務弁護士が反対声明
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について、企業法務専門の弁護士らが19日、東京都内で記者会見し「経済活動を萎縮させる」などと、反対する声明を発表した。(共同通信2017/5/19 18:06)(2017/05/19)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】市民社会の自由を奪う「共謀罪」に反対する国際NGO共同声明
 5月19日、自民・公明・維新の3党は衆院法務委員会で採決を強行しました。国会の外ではおよそ1万人に人たちが夜遅くまで、共謀罪廃案を叫んでいました。以下、アムネスティ・インターナショナル日本およびグリーンピース・ジャパンの二つの国際NGOが出した共謀罪反対の声明です。(大野和興)(2017/05/19)


沖縄/日米安保
高江座り込み10周年
米軍のヘリパット建設に反て高江で行われている座り込みが10年を迎え、「10周年報告会」が6月25日に現地で行われます(2017/05/19)


市民活動
<日本消費者連盟シンポジウム>土地に生きる
グローバル化が進行する今、世界中で農民が土地から排除されています。一方、自ら耕す土地を守る農民の運動も進んでいます。成田空港建設による土地取り上げにたたかってきた成田の農民たちがいます。フィリピンのネグロス島では80年代に、サトウキビ価格暴落のため土地なし農民は深刻な飢餓に見舞われました。パプアの人たちは、多国籍籍企業による開発のために森から追われようとしています。土地は誰のものなのでしょうか。日本とアジアを舞台にその思いを問い続けてきた人たちのお話を聞く中で、ともに考えてみましょう。(大野和興)(2017/05/18)


みる・よむ・きく
もはや余生は消滅した  『続・下流老人一億総疲弊社会の到来―』 藤田孝展著
 世の年寄りに衝撃を与えた『下流老人』に続く本だ。著書はNPO法人のソーシャルワーカーとして現場で人々のかかわると同時に、丁寧な調査に基づいて積極的な提言を行っていることで知られている。(大野和興)(2017/05/17)


農と食
食品・日用品の裏にひそむ「ブラック」労働をやめさせて アムネスティがキャンペーン
 私たちが日常的に消費する商品を調べていくと、これを本当に買っていいのかと思うようなことにぶつかることがよくある。食品、洗剤、化粧品など日常生活品に幅広く使われているパーム油がそうだ。国際人権団体アムネスティはパーム油の生産実態を調査、「過酷なノルマ、児童労働、毒性の強い農薬・・・」といった人権侵害に突き当たり、企業に改革を要求するアクションを国際的に呼びかけている。 (2017/05/12)


政治
《twitterから》ねえねえ奥さん、1か月だけでも
 これ笑った。(2017/05/09)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「現代の治安維持法」共謀罪法案を廃案に! 公明党に要請ハガキを送ろう!
 話し合うことが罪になる、現代の治安維持法で ある「共謀罪法案」。政府与党は成立ありきの横 暴な国会運営を続けています。 公明党は、内心の自由を侵害する悪法の成立に 加担すべきではありません。今こそ、かつて治安 維持法により支持母体の牧口常三郎・創価学会初 代会長が獄死させられた歴史に真摯に向き合い、 共謀罪法案の廃案を実現すべきです。公明党議員 に対して、粘り強く声を届けることが必要です。(2017/05/07)


社会
8人の全員が本当に「いじめ加害者」なのか。仙台で起きた、中学1年生男子のいじめ自殺事件から  樫田秀樹
 世の中、黒か白かで割り切ってしまう風潮が次第に強くなっている。メディアの報道にもそれが顕著だ。いじめで自殺、という事件が起こる。被害者でなければ全員が加害者のように新聞・テレビは報じ断罪する。灰色はないのだ。フリージャーナリストの樫田秀樹さんがご自身のブログ「記事の裏だって知りたい」で書かれた仙台・いじめ事件の検証は黒か白かで割り切れない現実を伝えてくれている。2016年10月の記事だが、あえて転載させていただいた。(大野和興)(2017/05/06)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「すでに共謀罪は始まっている」 山城博治逮捕は「共謀罪先取りであり予防拘禁」だ
 普通の市民も、普通のグループ・団体も取り締まり当局がそうだと見込みさえすれば、具体的な実行行動はなくても犯罪者・団体とみて捜査、拘束できる共謀罪。すでにそれを先取りするような事件も起こっている。沖縄・高江のヘリパット建設反対運動の現場で逮捕され、五か月もの長期間、再逮捕を繰り返されて拘束された基地反対闘争のリーダー山城博治さん(沖縄平和センター議長)の例は、その典型といえる。(大野和興)(2017/05/05)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「すでに共謀罪は始まっている」 岐阜・大垣市で警察が常時監視し企業に通報
 岐阜県大垣市上石津町と不破郡関ケ原町に連なる山の尾根に、中部電力子会社である(株)シーテックが大型風力発電施設の建設を計画した。風力発電施設(風車)による健康被害、環境被害などを懸念した地元自治会や市民グループが勉強会を開いていた。地元大垣警察が、それら市民の個人情報を、事業者シーテックに提供し、「反対運動をさせないための意見交換」を行っていた。(大野和興)(2017/05/04)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】イラスト あなたもこうなる
あなたも共謀罪法案が通ったら、こうなる!(日本消費者連盟Facebookから)(2017/05/02)


イスラエル/パレスチナ
イスラエルの刑務所でパレスチナ囚人1600人が、自由と尊厳を求めてハンガースト続ける 
 パレスチナ 政治犯による「自由と尊厳のハンガーストライキ」は30日で14日目に突入した。当局によるスト参加者の独房移送や衣類などの没収も継続している。イスラエルに対する抵抗の輪は日を追うごとに拡がり、#パレスチナ 政治犯による自由と尊厳のハンガーストライキ広報委が、新たにメギド刑務所の100人がストに加わると発表。ハンスト参加者は1600人になった。抵抗行動はヨーロッパにも拡大、イギリスでは大学生の連帯行動が出現している。(大野和興)(2017/05/01)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】日本ペンクラブ声明 「共謀罪に反対する」
共謀罪によってあなたの生活は監視され、 共謀罪によってあなたがテロリストに仕立てられる。 私たちは共謀罪の新設に反対します。(2017/04/30)


市民活動
アジアの開発と環境・人権・平和を考えるシンポジウム
5月4日から横浜で第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会が開催されます。この機会に、これまでのアジアにおける「開発援助」のあり方や金融機関の活動、通商協定のあり方がアジアにおける人々の生活、人権、環境に何をもたらしてきたのかを国際シンポジウムで検証します。(ATTAC Japan 国際ネットワーク委員会)(2017/04/30)


文化
群馬県立近代美術館の検閲への抗議と要請  「これは憲法が禁じている検閲である」  
 群馬県立近代美術館による白川昌生さんの作品「群馬朝鮮人強制連行追悼碑」を撤去させた措置は、憲法が禁じる検閲にあたり、認められません。強く抗議するとともに、作品の速やかな展示の復活を求めます。(小倉利丸)(2017/04/29)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】共謀罪を解説した動画が評判
 4分余りの短い作品ながら、共謀罪を解説した動画がネット上で評判を呼んでいる。この法案の問題点、危険性がよくわかる。(大野和興)(2017/04/29)


アジア
香港で相次ぐ弾圧  香港議会の民主派議員が共同声明
 2014年秋に香港の街頭を3カ月にわたって占拠した「雨傘運動」。あれから2年余りがたった今、みんなが求めた普通選挙の実施はいまだ道半ばどころか、ますます強権的な政府の対応が目に余る。民主化運動も四分五裂ぎみ。そんななか、今週、昨日から今日にかけて、本土派や活動家などが相次いで逮捕されている。香港での政治弾圧に対して、香港議会(定数70)の民主派議員25人が連名で声明を出しました。稲垣豊さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2017/04/28)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】アムネスティ「テロ対策の名の下、市民を抑圧する法案に反対する」
 国際人権団体アムネスティは、共謀罪は市民を抑圧するとして、反対のアピールを出した。アピールは、共謀罪は「個人の表現の自由だけでなく団体の表現や結社の自由にも侵害が生じる危険性がある」としている。また日本がすでに批准している自由権規約第19条の表現の自由や第22条の結社の自由を侵害することにつながるとも指摘している。(大野和興)(2017/04/27)


コラム
【編集長妄言】「確か子どものころ、ゴボケンといっていた」  中学の保健体育に銃剣道を導入  
 4月1日から、新学習指導要領で中学校の保健体育の武道に剣道や柔道と並んで銃剣道が明示された。かつて帝国陸軍の兵隊は、ゴボケンなるものを腰に下げていた。ゴボケンというのは、ぼくが子ども時代、まわりのおとながいっていた言葉で、正式になんというかは知らない。先のとがったゴボウのような短剣で、それを鉄砲の先に付け、敵陣めざして突進する。途中、敵兵に撃たれてバタバタと倒れる。陸上の特攻である。戦国時代の足軽さながらで、帝国陸軍がいかに兵士の命を粗末にしたかの象徴のような存在だ。(大野和興)(2017/04/23)


みる・よむ・きく
共謀罪の原型「治安維持法」の権力犯罪を描く 映画『横浜事件を生きて』(松原明 監督・ビデオプレス作品、1990年)
 国会で共謀罪の審議がはじまった。次代の歯車を戦前の治安維持法時代に後戻りさせる法律だ。そんな時代に警鐘を鳴らす映像がある。『横浜事件に生きて』(松原明 監督・ビデオプレス作品、1990年)。『横浜事件 半世紀の問い』(同、1999年)だ。平和と憲法の映画上映運動を続けている「憲法を考える映画の会」が2017年1月29日、東京・千駄ヶ谷区民会館で上映会を開き、大盛況だった。共謀罪に対する危機感がその背後にあった。(大野和興)(2017/04/21)


中東
トランプ大統領は爆撃より難民の受け入れを
 トランプ米大統領は、化学兵器使用がアサド政権なのかどうか、国連で検証して入り矢先、いきなりシリア・アサド政権に爆撃を加えた。国際権団体アムネスティは、米国は爆撃より難民受け入れを、と怒っている。(大野和興)(2017/04/16)


【日消連公開講座】自由貿易と食ー土・人・むらから自由貿易を問い直す  
 日本消費者連盟「春の連続講座」第3回は「自由貿易と食」です。いま改めて土・人・むらに視点を据えて自由貿易とは何かを考えます。報告は農業記者の大野和興です。日時は4月15日午後1時間から4時半まで。場所は連動会館。土と根の世界を描いたドキュメンタリー映画をみていただき、そこから話を始めます。(大野和興)(2017/04/13)


TPP/脱グローバリゼーション
【連続講座】トランプ登場後の世界とグローバリゼーションのゆくえ
 グローバリゼーションが行き着いた果て、世界は混乱し、人々は分断され、矛盾は深まっています。人々の暮らしを支えてきた地域は壊れ、分断と葛藤が深まっています。その矛盾のはざまから自国第一主義を掲げたトランプが米大統領として登場、ヨーロッパ世界では移民排斥を掲げた政党が勢力を伸ばしています。共通しているのは排外主義、自国第一主義と反グローバリゼーションです。市民運動組織「TPPに反対する人々の運動」はこうした状況をどう読み解き、これからを展望するか、を話し合う連続興講座を開催します。お出かけください。(大野和興)(2017/04/11)


核・原子力
ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン  日印原子力協定を承認・批准しないことを求める請願署名・賛同
 ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンは日印原子力協定承認・批准しないことを求める請願署名を呼び掛けている。請願署名は安倍総理と衆参両院議長にあてたもので、「本協定を承認することは、日本がインドを事実上の第6の核兵器国として承認することに他ならない。本協定が発効することにより、インドは原発も核兵器も増産することが可能となり、南アジア地域での核軍拡競争の激化を引き起こすことは明白である」としている。(大野和興)(2017/04/02)


社会
4月1日 思わずワロタ  大野和興 
 趙さんのファンです。(2017/04/01)


人権/反差別/司法
アムネスティ日本、共謀罪について声明「テロ対策の名の下、市民を抑圧する法案に反対する」
 アムネスティ・インターナショナル日本は、組織的犯罪処罰法等の一部を改正する法律案、いわゆる共謀罪に強く反対する声明を3月28日に公表した。声明は、同法案は市民を抑圧するおそれがあると、その理由を述べている。(大野和興)(2017/03/31)


TPP/脱グローバリゼーション
トランプのアメリカ  ラストベルトは80年代、中西部農業地帯で始まった  大野和興
 アメリカの農業業界はこれから始まる日米FTA交渉に大きな期待を寄せている。首脳会談で決まった日米経済対話は四月のベンツ副大統領の来日を待って始まる。交易分野の対話は実質的な日米FTA(自由貿易交渉)となるが、そこでのアメリカの目論見は、対日貿易赤字の半減と農産物対日輸出額の倍増であるという話が伝わってきている。いずれにしても、農業が大きなイシューであることはまちがいない。では、アメリカ農業とは何者なのか。いくつかの風景を切り取ってみた(2017/03/19)


教育
教育勅語暗唱、安倍首相かんばれ!の森友学園の公教育化と全国化を狙う「家庭教育支援法案」 安倍首相肝いり、背後に日本会議
 「家庭教育支援法案」なる法案が今国会に提出されようとしている。共謀罪と並ぶ危険法案といわれているものだ。家の中、親子の関係を戦前回帰させる、という安倍首相肝いりの法案である。もうひとつ、これは法案ではないが、気になる動きがある。2月14日公表さ れた文部科学省幼稚園教育要領改定案、厚生労働省の保育所保育指針改定案だ。ともに3歳児から「日の丸」「君が代」に親しませ るという内容が盛り込まれている。教育勅語を暗唱させ、「安倍首相がんばれ」と連呼させる森友学園の公教育化、全国化を狙ったものといわれるものだ。(大野和興)(2017/03/12)


みる・よむ・きく
「息が欲しい」といって死んでいった 永尾俊彦著『国家と石綿』  大野和興
 ぼくらは「いしわた」と呼んだ。四国山脈の真っただ中の山村で育った。小学生低学年だった。学校に自慢気にもってきて、これがいしわただとみせびらかしたやつがいた。奥の方の集落から通ってきているやつだったが、彼がそれをどこで手に入れたかはわからなかった。珍しくて、いじりまわした。いしわた、せきめん、アズベスト。様々な名前で呼ばれる。「富国強兵・殖産興業」にとってなくてはならない重要鉱物だと知ったのは、ずいぶん後のことだ。埃となって舞い、肺に取りついて、人を死に至らしめるということを知ったのは、それから更に後のことだった。(2017/03/12)


医療/健康
介護保険制度改定、重荷は家族に  会議殺人と介護難民の時代に
 今国会に介護保険法の改正案が出ています。大きな狙いは介護保険の自己負担の引き上げです。制度の持続性を高めるというのが、うたい文句です。従来受給者の自己負担は、かかった経費の1割でした。所得の低い人は1割で押さえながら、所得に応じて2割負担、3割負担を導入、介護保険は次第に使いずらいものになっています。介護保険の現状とこれからを追ってみました。(大野和興)(2017/03/10)


米国
「米国史に大きな汚点を残すだろう」 アムネスティが米国新大統領令を批判
 トランプ米大統領はイスラム教徒締め出しに関する新しい大統領令を出し、米国の難民受け入れ一時停止を復活させ、イスラム教徒が多い6カ国からの入国も一時的に禁止した。国際人権団体アムネスティは、この大統領令は米国史に大きな汚点を残すだろう都厳しく批判した。(大野和興)(2017/03/09)


TPP/脱グローバリゼーション
「防衛」での貸しは「経済」で返してもらう 安倍首相は尖閣と農業を取引した 大野和興
 トランプ米大統領は就任早々の二〇一七年一月二〇日、公約通りTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱とNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を表明した。その後の安倍・トランプの日米首脳会談で日米経済対話の開始が合意され、実質的な日米FTA(自由貿易協定)交渉が、早ければこの四月から動き出すことになる。日米が二国間交渉を始めるにあたって、米国のコメや畜産の生産者組織は早くも未完に終わったTPP交渉の到達点を上回る日本の市場開放をトランプ政権に要求している。問題はなぜ安倍政権がなんの抵抗もなく、トランプ大統領の意向を受け入れたのか、ということである。(2017/03/01)


イスラエル/パレスチナ
相次ぐパレスチナの人々へのイスラエルの人権侵害 軍による超法規的な殺人も
 パレスティナでイスラエル当局によるパレスチナ人への人権侵害が相次いでいる。米国でトランプ政権が発足、親イスラエル政策が強力に推し進められることから、今後パレスチナ人への迫害は一層強まるとみられている。以下は、国際人権団体アムネスティが伝えるイスラエル当局による人権侵害のほんの一部である。(大野和興)(2017/02/27)


人権/反差別/司法
公明党さん、話し合うことが罪になる「共謀罪」法案を提出させないで!  2.22 党本部申し入れ
 2月22日午後、「公明党さん、話し合うことが罪になる『共謀罪』法案を提出させないで!2.22 党本部申し入れ」行動が行われました。以下はその報告です。(「杉原こうじのブログ」から)(2017/02/24)


米国
アムネスティは警告する トランプ米大統領が進める紛争鉱物規制の一時停止は企業の人権侵害を助長
 ランプ米大統領は、紛争鉱物の使用に透明性を義務づける規制措置を一時的に停止する大統領令を検討している。国際人権団体アムネスティは、この措置が実施されればグローバルな人権保護への取り組みを大きく後退させ、無責任な企業を利することになる、と警告している。(大野和興)(2017/02/24)


農と食
日本消費者連盟「食問題連続講座」が2月25日からスタート
 TPPは頓挫しても、食べ物の多くを海外に頼る私たちの暮らし。誰がどんな風に作っているの?安ければいいの?世界で起きている食の現実(いま)を、関連映画の上映とともにわかりやすく講演する3回連続講座が始まります。時間・会場は3回とも同じ)(2017/02/18)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP亡き後の自由貿易交渉はどうなるか 日欧、東西アジア太平洋を結ぶメガFTAを中心に考える
 トランプ米大統領の出現で、TPP(環太平洋経済連携協定)は破たんした。トランプの米国は「アメリカ・ファースト」を掲げ、保護への傾斜を強めている。対外的な通商政策は、多国間ではなくアメリカの強さを直接反映できる二国間交渉で行う方向を打ち出している。日米FTA(自由貿易協定)に安倍政権も舵を切り始めた。その中で今、国内では改めて日欧EPA(経済連携協定)とRCEP(東アジア地域包括的経済連携)が注目を集めている。それはいったいどういうものか、そこでは何が進もうとしているのか、まとめてみた。(大野和興)(2017/02/18)


アフリカ
南スーダン内戦「壊滅的規模」にと国連が警告
 自衛隊が”駆けつけ警護”に出向いている南スーダンで、内戦が「壊滅的規模」に拡大し、収拾つかない恐れがある状況になっていると、AFP通信が伝えている。国連・安全保障理事会に提出された機密報告書をもとにした記事で、今後戦闘が何年も続くことになると警鐘を鳴らしている。(大野和興)(2017/02/17)


イスラエル/パレスチナ
相次ぐパレスチナの人々へのイスラエルの人権侵害 軍による超法規的な殺人も
 パレスティナでイスラエル当局によるパレスチナ人への人権侵害が相次いでいる。米国でトランプ政権が発足、親イスラエル政策が強力に推し進められることから、今後パレスチナ人への迫害は一層強まるとみられている。以下は、国際人権団体アムネスティが伝えるイスラエル当局による人権侵害のほんの一部である。(大野和興)(2017/02/07)


国際
APAホテル、南京虐殺否定本で炎上 ニューヨークタイムズも取り上げる
 APAホテルは核武装論者の元航空幕僚長の田母神俊雄氏の本をホテルの部屋に置いていることで嫌がられていたが、このごろはオーナーが書いた「旧日本軍が行った南京虐殺はでっち上げだ」という本を置いていたようで、中国でネットが炎上している。ネットばかりでなく、中国外務省の華春瑩・副報道局長が17日の記者会見で「日本国内の一部勢力が歴史を直視したがらず、否定、歪曲(わいきょく)しようとしていることを再度明らかにした」と述べるなど政治問題化している。18日にはニューヨークタイムズ電子版もこのことを掲載、国際問題になりつつある。(大野和興)(2017/01/19)


検証・メディア
19日(木)12時に、MXテレビ前にお集まりください! ■デマで沖縄への偏見をあおる ■MXニュース女子を許さない■
2017年1月2日放送の「TOKYO MX ニュース女子」というニュースバラエティ番組で沖縄の市民運動に関するデマ情報が、堂々と放送されました。19日12時から、「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」による「TOKYO MX」への申し入れ行動があります。(大野和興)(2017/01/18)


反戦・平和
【緊急署名】軍事研究公募に110億円  大学・研究機関は応募するな!
防衛省の110億円の軍事研究予算案に反対し、大学や研究者が応募しないように求める緊急署名が始まった。集まった署名は防衛装備庁や大学、研究機関に提出する。ネット署名と紙署名の両方を行っており、第1次署名集約は2月28日の予定。(大野和興)(2017/01/14)


イスラエル/パレスチナ
イスラエル軍事法廷が違法な武力行使でイスラエル兵士に有罪判決 正義への一歩となるか
 イスラエルの軍事法廷は1月4日、昨年3月にパレスチナ人殺害で罪を問われていたエロール・アザリア兵士に、軍の交戦規則に違反したとして有罪判決を下した。イスラエルでは、国際法上の犯罪に当たるような過度で不当な武力が、兵士により行使される状況が長らく続いており、その兵士が起訴されることは非常にまれだった。国際人権団体アムネスティは、この判決は、正義への小さな一歩であり、違法な殺害を犯せば、罪を問われるという先例になることを期待したい、と述べている。(アムネスティ国際ニュース)(2017/01/12)


沖縄/日米安保
「沖縄はアジアの中心」 辺野古、オスプレイで日本政府の恫喝に屈しない沖縄を支える経済
翁長沖縄県知事は辺野古新基地建設阻止とオスプレイ飛行停止でぶれない姿勢を貫いている。その姿勢を支えているのは、観光を軸とする沖縄経済に対する自信といえる。アジアの巨大マーケットと日本の中心に位置する沖縄は、まさにアジアの中核という認識が沖縄では高まっており、これからの沖縄経済の発展の上でも軍事基地や轟音をとどろかせて頭上を飛び交うオスプレイは邪魔者でしかない。沖縄の基地反対運動が経済界や保守層を包み込む県民ぐるみの運動になっている経済的背景を見逃すことはできない。(大野和興)(2017/01/07)


沖縄/日米安保
防衛省、宮古島・陸上自衛隊配備予定地の用地取得に乗り出す
 自衛隊新基地建設が予定されている沖縄・宮古島で年明けにも用地取得のための不動産鑑定評価業務をはじめ、 宿舎新設建築及び設備・土木設計、 敷地造成工事の発注を予定していることが明かになった。宮古新報電子版が12月28日に報じた。宮古島への自衛隊新基地が建設されたら、2017年度から陸上自衛隊に17機導入されるオスプレイMV22が、宮古へもやって来ることになる。(大野和興)(2017/01/04)


アジア
ミャンマー政権はロヒンギャ住民への人権侵害と弾圧をやめよ 人権団体ヒューマンライツ・ナウが声明
 東京に本拠を置く国際人権団体ヒューマンライツ・ナウが、ミャンマーで人権抑圧にさらされているロヒンギャ住民への弾圧をやめることをミャンマー政権に求める声明を発表した。ロヒンギャ住民はイスラム教徒で、仏教国であるミャンマーで長年迫害を受けてきた。その対立が激化、政府の治安部隊による殺害や女性に対する性的暴行など弾圧が続ていて、国際問題になっている。(大野和興)(2016/12/24)


核・原子力
原子力資料情報室声明「高速増殖原型炉もんじゅ廃炉決定 ―政府は現実を受け入れ、核燃料サイクルから撤退を―」
 政府が高速増殖原型炉もんじゅ廃炉決定を下のを受け、原子力資料情報室は21日「政府は現実を受け入れ、核燃料サイクルから撤退を」と題する声明を発表した。声明は「廃炉決定を歓迎する」としたうえで、政府が今後も高速増殖炉開発を続けいていくことに対し、「事故のリスクを負ってまで、今後コストを投じていくことに一体何の意味があるのだろうか」と厳しい批判を投げかけている。(大野和興)(2016/12/21)


TPP/脱グローバリゼーション
死に体になったTPP  それぞれの事情と今後  大野和興
 次期期米国大統領に選ばれたトランプ氏は、公約通り、2017年1月20日の大統領就任初日に「TPP(環太平洋経済連携協定)の離脱を表明する」と言明した。TPPの発効は参加12カ国間の取り決めで、12カ国のGDP(国内総生産)の総計の85%以上を占める6カ国が手続きを終えなければ前に進めないことになっているので、米国が離脱すればTPPは成り立たないことになる。(米国は12カ国GDPの60・4%を占める)。このことが何を意味するのか、これからどういう道筋をたどるのかを考えてみた。(2016/12/20)


沖縄/日米安保
沖縄タイムス、琉球新報が報じたオスプレイ事故の重大性 事故の規模はクラスA 米専門家「墜落は構造の問題、再発の恐れ高い」 
沖縄県名護市の海岸に墜落したオスプレイ事故は、空中給油中の出来事で機体の構造問題ではないと米軍や日本政府は説明しているが、米国の専門家は、事故はオスプレイの構造上の問題で発生したもので再発の恐れが高いと語っていることが判明した。『沖縄タイムスプラスワン』が米国特約記者電として16日、報じた。同日の『琉球新報』ワシントン電は、米海軍安全センターが事故の規模について最も重大な「クラスA」に分類し、機体は大破したと評価していると報じた。(大野和興)(2016/12/16)


アジア
モンゴル:都市再開発で住民数千人がホームレスの恐れ
 国際人権団体アムネスティの国際ニュースは、モンゴルの首都ウランバートルでは、住民数千人が都市再開発に伴う強制立ち退きによりホームレスとなる恐れがあると報じた。モンゴルでは、何十万という遊牧民世帯が草原での生活をやめ、都市郊外にゲル(放牧民の伝統的な移動式住居)を組み立て。住みついている。都市再開発事業はそうした地域を対象としたものだが、住民の声の聞き取りや状況把握が不十分なため、当事者の住民は、さまざまな人権問題、特に適切な住居に住む権利の侵害を受けやすい、とアムネスティは伝えている。(大野和興)(2016/12/15)


TPP/脱グローバリゼーション
We stopped TPP  TPP阻止をたたかってきた国際運動の勝利ビデオ
 TPP(環太平洋経済連携協定)とその関連法案は12月9日、参議院本会議で可決、成立した。来年1月の就任するドナルド米次期大統領は就任早々にTPPから離脱することを表明しており、TPPは完全に死に体になったなかでの強引な可決だった。TPP反対を掲げて運動を続けてきている国際的な民衆運動は「We stopped TPP」を掲げた短いビデオを発表、「これからもいかなる自由貿易も許さない」とのメッセージを発した。(大野和興)(2016/12/10)


市民活動
「人間らしく生きたい」という願いをこめて アムネスティ・フィルム・フェスティバル2017開催!
劇場未公開作品をはじめなかなか観るチャンスのない全8作品を2日間で一挙上映。世界で起きているさまざまな問題を力強く、時にはユーモアいっぱいで伝えます!(2016/12/09)


農と食
有機農業って何だろう! 国際有機農業映画祭でシンポジウム
 10年目を迎えた国際有機農業映画祭で、日本における有機農業運動の創設者のお一人、山形・高畠町の星寛治さんを迎え、改めて有機農業の思想と実践を語り合うシンポジウムを開催します。グローバル化が進む中で、世界中どこでも農民の存在が消されようとしています。そんな中で有機農業がもつ意味をとらえ返し、農と食、人の生き方、世界のありようを考えます。(大野和興)(2016/12/09)


農と食
農業のTPP体制化にもとで改めて有機農業の存在を考える  大野和興
 共同代表として関わってきた国際有機農業映画祭が今年で10周年を迎えた。毎年1回東京で開催、やがて全国各地で地域版が開催されるようになった。しかし一方で、この10年、農業はとてつもなく難儀な時代だった。世界のすべてを市場競争に任せるグローバリゼーションが吹き荒れるなかで、農民の農業は淘汰され、農民は土地から剥ぎ取られていった。その難儀さは年々深まっている。有機農業とは何だろう、そのことを考え込む10年でもあった。(2016/12/08)


人権/反差別/司法
国際機関「女性差別撤廃委員会」への日本の右派団体の圧力は筋違い  国際人権団体が「声明」で指摘
 「慰安婦の真実」国民運動(加瀬英明代表)なる団体が女性差別撤廃条約の条約機関である女性差別撤廃委員会の林陽子委員長の即時解任を求める署名を岸田文雄外務大臣宛てに提出したのを受け、国際人権団体ヒューマンライツ・ナウは2016年12月7日、「きわめて不当であるので、これに抗議し、政府に対して、人権条約機関の任務遂行を尊重するよう求める」との声明を発表した。「慰安婦の真実」国民運動は2013年結成され、慰安婦の存在を消そうとする立場から活動している右派系団体。女性差別撤廃委員会が、本年3月の日本政府報告書審査後の総括所見において、「慰安婦」問題に対する日本政府の対応に懸念を示したことをめぐり、林委員長の解任を求めたものだ。同団体はこれまで、慰安婦の強制連行に関する「河野談話撤回運動や国連人権理事会のクマラスワミ報告書を問題にるなどの活動を行っている。(大野和興)(2016/12/07)


沖縄/日米安保
12・6高江オスプレイパッド建設差し止め請求訴訟 地裁前集会と裁判傍聴の呼びかけ
今、高江ではオスプレイパッド建設が国家権力の名のもと機動隊による市民弾圧のうえ、違法に強行されています。連日、大量の資材が運び込まれ、急ピッチで工事は進められています。施工ミスなどの指摘がある中、年内完成とうたわれています。(「ヘリパッドいらない」住民の会)(2016/12/04)


米国
トランプに真っ向から対峙する人物が語るアメリカ   インタビュー「サンダースが展望するアメリカの未来」(『世界』12月号)  
 米国の次期大統領になったドナルド・トランプをどう規定するか。ひとことでは説明しきれないところもあるが、差別と排外を前面に押し出したレイシストという規定は間違いではあるまい。そのトランプに真っ向から対峙している人物は、いまのアメリカではバーニー・サンダースをおいていない。今回の米大統領選はもう一人の人物を生みだした。ヒラリー・クリントンと最後まで民主党大統領候補の座を争ったバーニー・サンダースである。社会主義者を自任する人物が大統領になっていたかもしれないと考えると、トランプ大統領出現と合わせて、現代アメリカを象徴する出来事ではあった。ちなみに、世界の首脳のなかでいち早くトランプと面会した安倍首相が、面会直後の記者会見で「信頼できる人物と確認できた」と話したのは、自分はトランプと同類の人間だと認めたようなものだろう。トランプ・安倍会談に意味があったとすれば、安倍が自ら自分もレイシストであることを世界に知らしめたことにあるのが、とても面白い。「類は類を呼ぶ」ということわざが頭をよぎる。(大野和興)(2016/12/04)


反戦・平和
 「自衛隊・南スーダンPKO派遣差止訴訟」  池住義憲
 11月30日(水)、「自衛隊・南ス−ダンPKO派遣差止訴訟」が札幌地裁に提訴されました。原告は、陸上自衛官の息子を持つ千歳市の50代女性。「私の大切な息子がいつの間にか危険な海外へ送られそうで、とてもたまらない」、「彼にたいへん迷惑をかけることは、十分承知しています」、「でも、今ここで声を挙げないと、一生後悔することになると気づきました」として、実名とは別の「平和子」(たいら・かずこ)と名乗っての提訴です。(池住義憲メールニュースから)(2016/12/04)


農と食
食料政策は効率性だけでなく持続可能性、健康、文化も考慮すべき 世界の食料研究者が提言
Lawrence Haddadなど複数の食料政策の研究者は、今後の国際的な食料政策策定のためには作物の持続可能性や健康、文化への影響などの全体的な指標が必要であり、これまで顧みられてこなかった作物の開拓なども含めて優先的に研究すべきだとのコメントをNatureに寄せている。(サイエンス・メディア・センター発)(2016/12/03)


市民活動
許すな!軍拡予算/肥らせるな!軍需産業/作るな!米軍・自衛隊基地  12・3討論学習集会
防衛省は、5兆1千億円という過去最大の大軍拡予算を要求しています。財政赤字で社会保障の維持が困難と言いつつ、ミサイルや新型潜水艦などの購入にお金を注ぎ込んで、安倍政権は何がしたいのでしょうか。軍拡予算の正体に迫りたいと思います。是非、ご参加ください。(2016/11/28)


市民活動
【29日記者会見・集会】 「日印原子力協力協定の問題点を暴く」  国会は日印原子力協定を承認してはいけない!  
11月29日です。みなさん、下記集会にぜひご参加ください。国会は日印原子力協定を承認してはいけない!(2016/11/28)


市民活動
民営化を問う12・4 緊急市民集会「 いいの?その"民営化"」    つくりましょう!大阪モデル
大阪市議会で話題の「交通」「水道」「衛生研究所」。この3つの民営化をテーマに、海外事例や大阪市の現状を踏まえた市民グループ からの検証及び市民目線での改善プラン、「公共とは何か」を考える市民集会が12月4日 、大阪市内で開催される。(2016/11/28)


アジア
マレーシアで何が起こっているの? 人権活動家、マリア・チンさんの即時釈放を!
 1994年の第2回アジア連帯会議でマレーシアの日本軍「慰安婦」の状況を報告し、「マダムX」と呼ばれた被害女性を支えていたマリア・チンさんが、2016年11月18日に逮捕され、現在、窓もない独房に入れられています。マリア・チンさんは現在、ブルシ(Bersih, マレー語で清廉・クリーンの意)の代表を務める著名な人権活動家です。とはいえ、マレーシアでいま、何が起こっているのか・・・。日本のマスコミ報道から具体的な状況を知ることは、ほとんどできません。そこで、緊急wam de cafeを開催することにしました。マレーシアのNGOと繋がりながら活動をしている方から話を聞く、貴重な機会です。どうぞ、ふるってご参加ください。 (2016/11/27)


政治
トランプさんも真っ青、安倍パフォーマンス 「子ども食堂もあるし、あなたは決して一人ではない」
 子ども食堂があるから「あなたは決して一人ではない」と呼びかける安倍首相から貧困児童へのメッセージ が、ネット上で評判を呼んでいる。「評判」にもいろいろあるが、この場合は「悪評判」というか、はっきりいって嘲笑われているといってよい「評判」だ。いろんな突っ込みが出ているが、「公的支援が足りないから始めたやつだぞそれ(笑)」というのがわかりやすく、的を得ている。(大野和興)(2016/11/14)


社会
JR東海は公共交通機関として責任を果たしていない !!  
 将来の採算もさだかではないにもかかわらずリニア中央新幹線建設に突き進むJR東海。東海新幹線の高収益を株主配当とリニアへの莫大な投資にまわしながら、交通弱者や高齢者のための地方交通網の整備は放置されたまま。公共交通機関の使命とは何かを問う沿線住民の声を「リニア相模原連絡会」のメールニュースから紹介する。(大野和興)(2016/11/02)


みる・よむ・きく
日本武器輸出大国化のリアル 池内了・古賀茂明・杉原浩司・望月衣塑子著『武器輸出大国ニッポンでいいのか』 大野和興
 武器輸出三原則の緩和を言い出したのは民主党(当時)の野田政権に時代だが、政権が自民党に移り、安倍政権になってから急速に進んでいる。中国、北朝鮮の脅威をいいたて、自衛隊の軍備増強を進め、それをてこに東アジア・東南アジアを武器市場とし、日本の経済成長戦略アベノミクスの中心軸に据えようとする思惑が透けて見える。防衛省と日本企業はイスラエルとの無人攻撃機ドローンの共同開発に乗り出そうとするなど、軍事産業国家をめざして官民挙げて動き出している。それは、経済も科学技術研究も、企業活動もメディアも文化も、すべてが軍事化に向けて、ある時はソフトに、ある場合はハードな手法で統合される過程でもある。(2016/11/01)


社会
あやうく早稲田大学学園祭にヘイトスピーチの桜井誠が登壇 彼のレイシズムと差別行為は不問
 早稲田大学の学園祭にレイシズムと差別をまき散らすヘイトスピーチ(憎悪扇動行為)で名を馳せている桜井誠元在特会会長を呼んで話をさせる企画が飛び出し、その賛否をめぐってネット上で大乱戦になった。結局、大量の批判を浴びた主催の早稲田大学人物研究会が出演要請を取り下げることになって一件落着したが、主催者側の取り下げ理由が「来場者の安全を確保できないため」というもので、レイシストの差別主義者に学園祭で発言の場を与えるという判断についてはどうであったのかが全く触れられていないということで、問題の根の深さを改めて浮き彫りにした。(大野和興)(2016/10/30)


医療/健康
英東部で教職員組合が学校からのアスベスト除去を要求
 イギリス東部ノーフォークの地方紙Eastern Daily Press10月17月号が、地域の学校がアスベストに汚染されている実態があるとして、当局にその除去を要求していると報じている。アスベストによる被害は日本だけでなく世界に広がっていることがわかる。(大野和興)(2016/10/27)


TPP/脱グローバリゼーション
行き詰まる新自由主義と“もうひとつ”の世界
 戦後世界を形成していた枠組みが崩れ、新自由主義に基づくグローバル化に時代に入って30年は経つ。東西冷戦が解消し、グロ―バリゼーションの新しい国際的な枠組み・秩序がつくられると誰もが期待したが、そうはならなかった。逆に今、世界は混乱のただ中にある。人びとを豊かにすると考えられてきた市場経済と成長至上主義が逆に中間層の崩壊と貧困の拡大を招いた。それは、長年積み上げられてきた民主主義とそれに基づく近代政治システムを崩し、ナショナリズムと排外主義の横行、「テロリズム」の拡大をもたらした。(大野和興)(2016/10/24)


政治
衆議院東京10区補欠選挙で民進党鈴木庸介候補の選挙事務所から連合スタッフが「消える」 IWJが報じた
 10月23日に投開票が行われる衆議院東京10区補欠選挙で、民進党候補で、野党がそって押している鈴木庸介候補の選挙事務所から、民進党最大の支持母体である「連合」のスタッフが姿を消すという出来事が21日にあった。東京10区といえば小池百合子都知事の懐刀といわれる自民党公認の若狭勝候補が優勢を伝えられているところ。そこへ鈴木候補が民進党候補として名乗りを上げたのだが、民進党の最大の支援組織である連合が選挙も最終局面にきた時点で選挙事務所から「撤収」した。何があったのは、市民メディアIWJ(Independent Web Journal)が詳しく報じている。(大野和興)(2016/10/22)


市民活動
11月10日 やっぱり築地市場がいい!!  豊洲移転を中止させよう!緊急集会  日本消費者連盟
 「日本の台所」として親しまれている築地市場。東京都は老朽化を理由に豊洲への移転を進めていましたが、小池都知事誕生でひとまず「延期」となりました。日本消費者連盟と食の安全・監視市民委員会は築地市場移転問題が始まった当初から、食の安全を掲げて移転に反対、さまざまの運動に参加してきました。移転問題が大詰めを迎えた今、改めて問題を掘り起こし、なぜ「移転中止か」を追求する集会を開催します。(2016/10/19)


コラム
【編集長妄言】“真実後の日本政治“と”真実後の大学教授“ 虚偽を振りまいているのは誰なのか  大野和興
 日本の自衛隊がPKO(=国連平和維持活動)を行う南スーダンで武力衝突が拡大し、1週間で60人が死亡した。 これはロイター通信が14日、南スーダン政府軍の報道官の発表として伝えたもので、政府軍と反政府勢力の戦闘などにより、過去1週間で少なくとも60人が死亡した。反政府勢力が、政府軍兵士11人と市民28人を殺害し、 反政府勢力も21人が死亡したとしている。(2016/10/16)


市民活動
10月29日 【くらしの足元からTPPを考えるシンポジウ】ご案内
TPP批准をめざして強引な国会運営を続ける安倍政権。TPPは具体的に私たちのくらしに何を持ちこむのか。そのことにくらしと地域の現場からどう対抗していくのか。農・食・くらし・地域に焦点を当て、生活者として語りあい、共有するシンポジウムを開催します。ご参加をお待ちします。(TPPに反対する人々0の運動)(2016/10/08)


みる・よむ・きく
やわらかくしなやかな闘争宣言   原ミナ汰・土井いつき編著『にじ色の本棚−LGBTブックガイド』   大野和興
 ぼくが好きな歌の一つに、島倉千代子の『人生いろいろ』があります。昭和もそろそろも終わりかけの昭和62年(1987年)、この歌の登場は衝撃的でした。寺山修司はすでになく、紅テントも黒テントも昔語りになって、戦後労働運動の最後の牙城国労が中曽根改革で最期を迎えていました。空前のバブル時代の予兆に人びとが心をざわつかせ、反体制的なるものが終焉を迎えていた時代でした。 「人生いろいろ/男もいろいろ/女だっていろいろ咲き乱れるの」と歌うこの歌に、社会のらん熟とともに生の多様性を肯定する時代の空気が感じとれたものです。でも、まだ性は男と女の二分法のままでした。(2016/10/05)


コラム
アシモフの「ロボット工学三原則」と殺人ロボット兵器  大野和興
 いまや古典となったSF(サイエンス・フィクション)の名作にアイザック・アシモフのロボットものがあります。科学が進み、人間のように感じ、考える人型ロボットの物語です。『われはロボット』と題されたその作品の中で、アシモフは「ロボット工学三原則」なるものを打ち出しました。(2016/09/29)


検証・メディア
「弊社は知らなかった」 ヘイトスピーチ番組に広告を流したユニリーバが釈明
 ヘイトスピーチ(差別と憎悪扇動行動)で有名な桜井誠在特会元会長のインターネット番組に企業広告を流していたユニリーバにツイッターなどで批判が集まっているが(本紙既報)、それに対して同社は23日付プレスリリースで、「今後は、当該番組を含め、政治団体・グループを支援しているとみられる番組での広告出稿は止めるよう、本日、広告代理店を通じて動画広告ネットワークへ要請しました」との方針を明らかにした。(大野和興)(2016/09/26)

検証・メディア
インターネットテレビ局「abemaTV がヘイトスピーチの桜井誠の番組を提供  同TVの出資会社テレビ朝日にも批判高まる
25チャンネルを「24時間すべて無料 で楽しめる」が合言葉のインターネットテレビ局「abemaTV (アベマTV)」が、在日コリアンに対するヘイトスピーチ(差別と憎悪扇動行動)で悪名高い在特会(在日特権を許さない市民の会)の桜井誠元会長にチャンネルを与え、放送を始めた。番組名は「桜井誠のズバリ言ったわよ!!」。「朝鮮人をガス室に送れ」「よい朝鮮人も悪い朝鮮人も皆殺しだ」などとわめきながら歩くデモを各地で展開している人物に電波での発言の場を与えるネットメディアに、同じネット上で批判が高まっている。同TVにはテレビ朝日が出資しており、テレビ朝日に対しても批判が高まっている。その一部を紹介する。(大野和興)(2016/09/22)


環境
リニア中央新幹線、長野県豊丘村議会で残土処理を問題視 沢筋に埋め立てるとJR東海
 リニア中央新幹線建設に伴う残土の扱いが沿線予定の各地で問題となっている。長野県下伊那郡豊丘村では村内の候補地で進める残土処分計画を巡り、村議会で白紙にすべきだという強い意見も出ている。豊岡村議会で問題が出されたのは14日の一般質問。これに対して村長は白紙説を否定、JR東海から残土処理についての詳細な設計などを示された段階で「地元住民へのしっかりとした説明を求めたい」と述べた。(大野和興)(2016/09/20)


米国
車に乗ろうとして倒れ込むヒラリー・クリントンの映像
米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が11日、ニューヨークで行われた同時テロ15年の追悼式で体調を崩し、途中退席して車に乗り込むに際し、よろけて両脇を抱えられるシーンがテレビで流れたが、twitterでより鮮明が映像が流れ、改めて世界に衝撃を与えている。肺炎だったと発覚した問題は、高齢のクリントン氏の健康問題に焦点が当たることになった。(大野和興)(2016/09/12)


環境
長野県大鹿村住民、村議会「リニア新幹線反対決議を求める署名運動を展開
大鹿歌舞伎で有名な、長野県大鹿村。南アルプスの麓にあり、「日本で最も美しい村連合」に 参加するこの村が、「夢の超特急」をうたい文句に建設が予定されている「リ ニア新幹線」工事で大きく揺れている。村民有志は村議会に対し、リニア事業へ反対決議を求める陳情署名を実施しており、全国に賛同呼びかけを発している。下記に紹介する「陳情趣旨」のよると、JR東海は礎0ん民に懸念に対し、「始めてみて問題があればその都度対応していく」という全くの見切り発車で、本体工事のための準備工事でありながら、発生土の行く先(仮・本置き場も含める) も未定、村が求めてきたJRとの協定締結もないまま、という。(大野和興)(2016/09/11)


検証・メディア
ナショナリズムを煽りたてたオリンピック報道 このままだと東京五輪は“国威発揚”一色に
 日本文学研究者のドナルド・キーンさんが東京新聞に「五輪報道への違和感」というエッセイを書いている(「ドナルド・キーンの東京下町日記」9月4日付け)。「どのテレビ局も似たような映像で伝えるのは、日本人の活躍だった。まるで全体主義国家にいるような気分になった」とキーンさんは書いている。まさにその通りだった。何日間かテレビを中心にメディアはリオ五輪に占拠された感じだった。オリンピックのほかに伝えるべきことは沢山あるだろうに、ニュース番組のほとんどの時間はオリンピックに割かれた。その内容は「日本が獲得したメダルの数」と“強いニッポン”の賞賛に終始するものであった。2020年の東京オリンピックを前に「ニッポン、ニッポン」を連呼するメディア、あふれる日の丸と君が代。どこかおかしいと違和感を感じる人も多い。いつから「東京オリンピック」ではなく「日本オリンピック」になったのか。このままだと東京オリンピックは“国威発揚”を前面に押し立てたナショナリズム五輪になりかねない。(大野和興)(2016/09/07)


農と食
アジア最大級の審査会で沖縄産マンゴーワインが4冠を獲得
 原料も醸造も沖縄でつくられたマンゴーワインが、アジア最大級のワイン審査会で見事最高賞を含む4賞を受賞した。沖縄県内からの最高賞受賞は始めて。9月3日の沖縄タイムスが報じた。(大野和興)(2016/09/03)


アフリカ
「武力ではない貢献がある」と訴える国際協力NGO現地スタッフ PKO「駆け付け警護」に向け、自衛隊が武力行使訓練開始
 自衛隊で国連平和維持活動(PKO)の「駆け付け警護」に向け、自衛隊が武力行使訓練が始まった。8月24日に発表されたもので、参院選挙で封印されていたものが、解禁された。安全保障法制に基づいて、集団的自衛権行使を含む他国を武力で守るための訓練だ。まず念頭にあるのは、自衛隊が派遣されている南スーダンのPKO(国連平和維持活動)における「駆け付け警護」。11月に交代で現地入りするする陸上自衛隊部隊を対象に訓練が始まる。いよいよ自衛隊が武器を持って戦闘に参加する現実が目前に迫ってきてわけだ。(大野和興)(2016/08/30)


政治
【編集長妄言】共謀罪復活 朝日新聞が珍しく怒っている  大野和興
 朝日新聞がこのごろでは珍しく怒りを込めた社説を出した。「またぞろ、というべきか」という書き出しで始まる8月29日社説「『共謀罪』法案、政権の手法が問われる」である。8月27日、「政府は共謀罪の国会提出を検討」との報道がメディアを通していっせいに流れた。市民の反対によって、これまで3度廃案になった共謀罪を「テロ等組織犯罪準備罪」と名前を変えて秋の国会に提出するという記事である。(2016/08/30)


みる・よむ・きく
武藤一羊著 『戦後レジームと憲法平和主義』 大日本帝国継承に向け暴走する安倍政権への根底からの批判  大野和興
 戦後一貫して左翼の理論戦線の一翼を担ってきた武藤一羊さんの最新刊である。原水禁運動、べ平連、アジア太平洋資料センター、そして現在はピープルズプラン研究所を拠点に、旺盛な理論活動を繰り広げている。本書の狙いは、戦後日本国家のありようを規定する諸要因を追いながら、欧米のスタンダードで見れば極右に位置づけられる安倍政権が登場した背景を解き明かし、安倍政権とは何者なのかを明らかにすることにある。(2016/08/29)


TPP/脱グローバリゼーション
【行き詰まる新自由主義】大統領選にみるアメリカの矛盾  政治統治機構も国是の自由貿易も内から壊れ始めた  大野和興
 アメリカの大統領選は民主党クリントンと共和党トランプの間で争われることになった。今回のアメリカ大統領選は、これまでにないおもしろさに満ちている。当初泡沫候補扱いだったドナルド・トランプが共和党候補にまで上り詰める過程、民主党でクリントンに決まる過程で巻き起こったもう一人の候補者バーニー・サンダースをめぐる熱狂をみていると、アメリカだけでなく民主主義国といわれている国家の民主主義政治制度の要に位置する政党というシステムが壊れかけているということを痛感する。(2016/08/21)


国際
難民受け入れに最も寛容な国は中国 アムネスティが調査
 国際人権団体アムネスティの調査によると、難民受け入れの世界一寛容な国は中国だということがわかった。しかも、難民を自宅に受け入れても良いとの回答が最も多かったのは、中国が46%で1位。続いて英国が29%で2位だった。アジア太平洋戦争で負け、多くの日本人が中国から引き揚げたが、そのとき餓死寸前で命からがら引き上げる日本人植民者の子どもを引き受け育ててくれた多くの中国人がいる。中国人の懐の深さを思い出させる調査結果だった。(大野和興)(2016/08/16)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
中国:食用GM作物の商業栽培を打ち出す
 中国は8月8日、政府のサイトで公表した文書で「新しい害虫抵抗性の綿とトウモロコシ、除草剤耐性の大豆の商業栽培の推進」を明らかにしたという。食用の遺伝子組み換え(GM)作物の商業栽培推進の立場をより鮮明にしたことになるが、「食の安全」に敏感になっているといわれる中国消費者の支持を得るのは難しいのではないか。(2016/08/13)


TPP/脱グローバリゼーション
【行き詰まる新自由主義】イギリスのEU離脱が意味するもの  大野和興
 イギリスのEU離脱については、いろんな見方がある。懐かしの大英帝国への郷愁説からイギリスナショナリズムの発現説、移民問題の飛び火警戒説などなどさまざまだ。国民投票の結果、離脱が決まったとたんに、それを批判する言説がメディアを踊った。(2016/08/13)


沖縄/日米安保
米軍北部訓練場 ヘリパッド 本土機動隊に対峙し、全国から座り込みに結集
 参議院選挙で沖縄の自民党候補が大敗したとた、安倍政権は、しばらく建設がストップしていた米軍北部訓練場ヘリパッド建設を再開し、全国から機動隊を動員して座り込む市民をなぐる蹴る、車でひくなどの弾圧を続けている。その現場にいま、全国から次々と支援の人びとが詰めかけ、座り込みに参加、地元の住民と交流を深めている。その模様を地元紙『琉球日報』が以下のように報じている。(大野和興)(2016/08/10)


みる・よむ・きく
やわらかくしなやかな闘争宣言――原ミナ汰・土井いつき編著『にじ色の本棚−LGBTブックガイド』 大野和興
 ぼくが好きな歌の一つに、島倉千代子の『人生いろいろ』があります。昭和もそろそろも終わりかけの昭和62年(1987年)、この歌の登場は衝撃的でした。寺山修司はすでになく、紅テントも黒テントも昔語りになって、戦後労働運動の最後の牙城国労が中曽根改革で最期を迎えていました。空前のバブル時代の予兆に人びとが心をざわつかせ、反体制的なるものが終焉を迎えていた時代でした。(2016/08/09)


みる・よむ・きく
経済自立の原理と方向性を見据える ――屋嘉宗彦著『沖縄自立の経済学』  大野和興
 辺野古新基地阻止を掲げる米軍基地をめぐる沖縄の島ぐるみの闘いは、個別課題を超えて沖縄の戦前・戦後史を包みこむ全体的総合的な運動へと進んでいる。それは政治的自立、さらには沖縄独立ということまでも射程に置いた議論として、いま沖縄の人々の心をとらえつつある。本書冒頭の「はじめに」で、著者は次のように記す。(2016/08/08)


TPP/脱グローバリゼーション
【行き詰まる新自由主義】あまりの存在の軽さを見せつけたG7の結末  大野和興
 世界が壊れかけている。民族大移動ともいえる移民の群れ、頻発する「テロ」とクーデター、その背後で広がる貧困、近代政治システムの要ともいえる政党の崩壊、先進諸国を覆う極右排外主義。時代の兆しのいくつかを、ランダムに追ってみる。手始めは、いささか旧聞に属するが、5月に日本で行われた伊勢志摩G7サミットから。(2016/08/07)


コラム
トルコに吹きすさぶ強権と弾圧の嵐  大野和興
 7月15日に発生した発生したトルコのクーデター未遂事件。事件後2週間の間に7万人が職場を追われるなど粛清の対象となり、そのうち1万人以上が拘束されているといわれている。(2016/08/05)


政治
2016年参院選の結果と対抗勢力の課題(覚書)  白川真澄
 7月の参院選結果については、すでにいくつかの分析と論評が出されている。ここに紹介するのは『季刊ピープルズ・プラン』の編集長で社会運動家である白川真澄さんがピープルズプラン研究所のホームページで発表した論考「2016年参院選の結果と対抗勢力の課題」である。白川さんは、選挙におけるリベラル・左派の敗北の大きな要因として、アベノミクス批判と代替案の提示が不足していたことを指摘している。ご本人の了解を得て、転載する。(大野和興)(2016/08/03)


欧州
ドイツで難民施設への憎悪犯罪が急増 アムネスティが早急な対策を提起
 ドイツで難民施設に対する憎悪犯罪が急増している。国際人権団体アムネスティの調査によると、難民施設に対する犯罪が2013年の63件から昨年は16倍の1,031件になっている。アムネスティは、その背景に不十分な当局の対応があるとして、その改善の必要性を指摘している。以下、「アムネスティ国際ニュース」から。(大野和興)(2016/06/17)


コラム
あまりの存在の軽さを見せつけたG7の結末 大野和興
 伊勢志摩で開催された主要先進国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)は一国の首脳の見当違いの茶番にかき回されるというさんさんたる結果に終わった。一国の首脳とはいうまでもなく日本国首相安倍晋三である。(2016/06/15)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPは社会と経済の仕組み方、人と自然の関係を変える 大野和興
 TPPを考える場合、個々の条文の精査も大事だが、視野を広げてこの社会のありようをどう変えてしまうのか、想像力を働かせてみることも必要なのではないかと常々思っている。一応農業記者なので、農業を例にそのことを考えてみた。(2016/06/02)


みる・よむ・きく
【書評】『孤立し漂流する社会を生きる私』(日本消費者連盟/消費者・生活者9条の会 編) 評者:大野和興
 「自分の経験も含めて話しますと、仕事がないと人前に出る必要がなくなりますわね。身だしなみを整える、家を片づけるというのは人前に出るからこそ。そもそも朝起きる必要がないから昼間も布団で過ごし、結果、夜眠れなくなる。で、夜には不安が襲ってくる。俺はこのまま人生を食いつぶしてしまうのか。そんな想念がぐるぐる回って、余計眠れなくなる・・・」(2016/05/28)


人権/反差別/司法
アムネスティが勧告 差別を助長しかねないヘイトスピーチ解消法案を速やかに修正せよ
 現在国会で審議が始まっている「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(案)」(ヘイトスピーチ対策法案)に対し、国際人権団体アムネスティ日本は4月19日、実効性あるものに修正すべきとの声明を出した。同法案については、国内で外国人差別問題に取り組む外国人人権連絡会も4月9日、「より実効性のあるものに」との声明を出している。(大野和興)(2016/04/21)


アジア
フィリピンで干ばつに苦しむ農民を警官が銃撃、三人が死亡
アジア、アフリカなど世界各地でエルニーニョによる旱魃が広がっている。フィリピン・ミンダナオで救援を求める農民のデモに警察部隊が発砲、3人が死亡するという事件が起こった(死者は10人という報道もある)。フィリピンの社会運動団体は連名で抗議と政府に救援を求める声明を発表した。(2016/04/09)


中国
ニューヨークで習近平主席を批判したら中国の家族が拘束された
  ニューヨーク在住の中国人ブロガ―が習近平主席に辞任を求める公開書簡をニュースサイトに掲載したところ、そのブロガ―の家族や関係者が警察に拘束された。アムネスティ国際ニュースによると、著名な政権批判派の家族も拘束された模様だという。(大野和興)(2016/04/07)


沖縄/日米安保
沖縄防衛局、宮古島への陸自駐屯地建設に関する協議書を取り下げ 島民の命の水が守られた
安部政権が進める安保政策の柱の一つが、中国を仮想敵国とする離島防衛。その一環として沖縄・宮古島に陸上自衛隊の駐屯地を建設することにしている。沖縄防衛局はそのための協議書を宮古島市に提出、昨年12月25日に受理されていた。同協議書によると、駐屯地建設地は島民の飲料水をまかなう地下水がわく地域で、命の水を守ろうと島民の運動が盛りあがった。この問題は宮古市の地下水審議会にかけられ、学術部会で検討され、承認されなかった。それを受け、防衛局が協議書を取り消したものだ。(大野和興)(2016/04/07)


社会
女性の首を締め上げる警官 差別とレイシズムに反対する市民を敵視
  民族差別をあおり、「殺せ!」などと大音声を上げてデモをする在特会(在日特権を許さない市民の会)系統の団体のヘイトスピーチやデモ行動に対する警察の規制の在り方が問題となっている。差別とレイシズムを撒き散らす彼らの行動に反対する市民に対する暴力的規制が目立つからだ。警察はヘイトデモを守り、味方している、という声が高まっている。(大野和興)(2016/04/05)


沖縄/日米安保
話題よぶ琉球新報社説:「日米首脳会談 外交の名に値しない」
  琉球新報4月2日の社説が話題を呼んでいる。安倍晋三首相が3月31日午後(日本時間4月1日)、オバマ米大統領とワシントンで会談したことに関する社説だ。社説のタイトルは「日米首脳会談 外交の名に値しない」という厳しいもの。「一体何をしに行ったのか。言うべきを言わず、伝えるべきを伝えないのでは外交の名に値しない」で始まる。(大野和興)(2016/04/03)


みる・よむ・きく
小林茂監督『風の波紋』 「ああ、おれは狐に化かされていたんだなあ」 大野和興
 映画の舞台は越後妻有の里。ご多分にもれず人口減少と高齢化の波が押し寄せ、耕作放棄地と空家ばかりが増える。しかし一方で、田舎暮らしを望んで移住してくる人もいる。(本文から)(2016/03/23)


市民活動
3月25日公開講座:オシャレをつくる人と着る人と−−ファストファッションの構造問題
 華やかなファッションの背後で、そこで働く労働者のうめき声が聞こえます。日本を代表するファストファッション企業ユニクロの中国委託工場で起きている労働者の人権侵害を調査、告発している香港の労働NGOが来日、3月25日、報告集会を開きます。報告集会には日本のNGO,市民団体が協力しています。この問題は世界のアパレル産業を背後で支えている構造的暴力の一環でもあります。(大野和興)(2016/03/15)


政治
大阪地裁、稲田自民党政調会長と極右在特会との関係を否定せず
 大阪地裁は11日、安倍首相の秘蔵っ子でお気に入りの稲田朋美政調会長とヘイトスピーチで名をはせている極右在特会との関係否定しない決定を出した。(2016/03/11)


社会
「AVに出演強要される女性の被害が相次いでいます」 ヒューマンライツ・ナウが実態を公表
 東京に本拠を置く人権NGOヒューマンライツ・ナウは、女性の権利プロジェクトによる調査報告書「日本:強要されるアダルトビデオ撮影 ―ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す女性・少女に対する人権侵害」を公表した。「タレントにならない?」「モデルにならない?」などとスカウトされ、タレントやモデルになる夢を膨らませて誘いに応じる若い女性たちが、アダルトビデオの出演を強要されるという被害が相次いで報告されている。AV強要被害をなくすために、ヒューマンライツ・ナウは本調査報告書をもとに被害救済を実現する法律の制定を求めている。(大野和興)(2016/03/08)


アジア
ビルマ、フェイスブックへの投稿で実刑判決 まだ続く政治弾圧
 ビルマ(ミャンマー)ではマフだ多くの政治犯、活動家が投獄されたままだ。1月22日に囚人の恩赦が出たが、その数時間後には別の活動家がフェイスブックへの投稿で実験判決を受けるという出来事もあった。国際人権団体アムネスティは「100人の良心の囚人が、まだ収監されている」と報告している。(大野和興)(2016/02/09)


市民活動
連帯ユニオン関西生コン支部が50年史を刊行、2月21日都内で出版記念シンポ
 連帯ユニオン・関西生コン支部(武建一委員長)の50年を描いた本の刊行を記念し、2月21日に都内で出版記念シンポジウムが催される。同労組は、生コンを軸とする建設・運輸労働者を組織。産業別闘争と労働組合と産業内中小零細企業の協同組合の連携という、独特の組織論と運動で知られている。そうした運動を基盤に、平和、沖縄、TPP、福祉、地域づくりと労働運動が見失っていた分野にも運動を積極的に展開しいている。(大野和興)(2016/02/08)


医療/健康
WHOによるジカ熱に対する緊急事態宣言 国内の専門家はどう見ているか
、妊婦が感染すると、脳の発育が不十分な「先天性小頭症」の新生児が生まれる恐れがあるとされる「ジカ熱」について、WHO(世界保健機関)は2月1日、「ジカ熱」に関する緊急委員会を開き、現状を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたると宣言した。国内ではこの問題をどうみたらよいのか。SMC(サイエンス・メディア・センター)が発信する「専門家のコメント」を紹介する。(2016/02/07)


沖縄/日米安保
宮古島への自衛隊ミサイル部隊配備 市と防衛局で地下水使用の秘密協議が始まっている
 自衛隊のミサイル部隊配備が検討されている沖縄県宮古島市で、地下水使用に関し沖縄防衛局と市当局との水面下の協議は始まっているとして、住民が神経をとがらせている。住民団体「止めよう!『自衛隊配備』宮古郡民の会」によると、宮古島市長は、自衛隊ミサイル部隊配備の受け入れを、市民に対して「まだ未定だ」と公表していないにもかかわらず、水面下では、沖縄防衛局は基地建設計画に関して、宮古島の地下水に関する「計画書」を市に提出し、協議を進めていることが明らかになった、という。(大野和興)(2016/01/24)


中東
性的暴力さらされる難民女性を守れ アムネスティが調査し、警告
 国際人権団体アムネスティがヨーロッパにたどり着いたシリアやイラクの難民の女性40人から聞き取り調査を行ったところ、すべての女性が移動中に、暴力の恐怖や身の危険を覚えたと話す。多くが通過してきた国々で、人身売買業者、保安要員、他の難民などから暴行、金銭の搾取、痴漢行為、性行為のいずれかを受けたことがあるということが分かった。アムネスティは、女性が安全・安心の生活ができるよう各国が安全で合法的な経路を提供することが必要と提言している。アムネスティ国際ニュースが報じた。(大野和興)(2016/01/22)


イスラエル/パレスチナ
あまりにも日常的な死 3ヵ月半で158人のパレスチナ人がイスラエル兵士の手で殺された
 昨年10月1日から1月15日までにイスラエル兵士に銃撃などで殺害されたパレスチナ人は158人に達したとパレスチナ保健省が発表した。IMEMC(International Middle East Media Center)が伝えた。(大野和興)(2016/01/17)


社会
早くも2016年流行語大賞の呼び声 「アベ過ぎる」
 昨日からネットで爆発中の話題がある。某有名女子高で流行「アベ過ぎる」。いやあ、いい感性している。今年の流行語大賞決定だな。(大野和興)(2016/01/13)


政治
「私は決して嘘は書いていません」と蓮池透さん 安倍首相は予算委員会でマジ切れ
 蓮池透さんは「私は決して嘘は書いていません」と静かにツィートした。12日の衆院予算委員会で、蓮池さんが執筆した『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』がとりあげられた。その際の安倍首相の答弁に対してのつぶやきだ。事の顛末を紹介する。動画あり。(大野和興)(2016/01/13)


沖縄/日米安保
アフガンに配備された米海兵隊オスプレイ、90時間に1件事故を起こす
 米国の海軍安全センターが公開した海兵隊航空機に関する事故報告書によると、米海兵隊がアフガニスタンに配備しているMV22オスプレイの事故率が海兵隊の他の航空機と比べ40倍にも上ることが分かった。2010〜12米会計年度までのクラスA〜Dの事故は、全航空機による事故の発生は3746.8時間に1件の割合にとどまっているのに対し、オスプレイは90.4時間に1件発生している。『琉球新報』が12日、ワシントン電で報じた。オスプレイは自衛隊にも配備され、今後首都圏をはじめ全国で飛行訓練が始まる。(大野和興)(2016/01/12)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
スコットランドとフランスがGM作物栽培禁止を含む規制強化へ動く
 世界各国で遺伝子組み換え(GM)作物・食品に対する規制が強まっている。昨年になるが、スコットランドでGM作物栽培禁止、フランスではGM栽培栽培規制が強化された。「有機農業ニュースクリップ」から紹介する。(大野和興)(2016/01/10)


中東
ロシアのシリア空爆で一般市民21人を含む57人が死亡 女性や子どもも
 ロシア軍が9日に行ったシリアへの空爆で一般市民21人を含む57人が死亡したと、ロンドンに本拠を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が発表した。AFP通信が10日に伝えた。(大野和興)(2016/01/10)


検証・メディア
番記者ってなんだろう?
 今風のしゃれたファッションに身を包んだ妙齢の女性の一群が、目をウルウルさせ(ているようにみえる)、にこやかにほほ笑んで安倍首相を囲み、見あげている一枚の写真がフェイスブック「FB憲法九条の会」に投稿されている。安倍首相担当の女性記者たち、いわゆる番記者だという。(大野和興)(2016/01/10)


政治
「パートで月25万円」 安倍首相答弁ネットで大炎上
 1月8日の衆議院での安倍首相の答弁がネットで炎上しいる。話題になっ ているのは一人あたりの収入を巡る論争の中で飛び出た言葉で、民主党の山井和則議員がパートの増加や一人あたりの賃金の低下を指摘した質問に対し、安倍首相はわかりやすい例でと思ったのか、「え〜私と妻。妻は働いていなかったけれども、『景気がそろそろ本格的に良くなって来たからそろそろ働こうかしら』と思ったら、我が家の収入は妻が25万円で私が50万円で75万円にふえるわけでございますから。2人で働くことから2で割ると平均の収入は下がっていく」。この答弁に反応したのがtwitterで現実のくらしを知らないなど安倍首相への反発があふれた。(大野和興)(2016/01/09)


欧州
ギリシャ、シビルユニオンを同性カップルにも適用する法律を採択
 「ギリシャ議会は、シビルユニオンを同性カップルにも適用する画期的な法律を可決した」というニュースが年末に入った。シビルユニオンの同性パートナーを近親者として認め、夫婦の権利の一部を享受することができる。例えば、病院での面会、緊急医療判断、相続権などだ。国際人権団体アムネスティは「これで、同性カップルの権利を求めて活動してきた人びとの要望の一部が実現した。国が法律で、同性関係を認めたことは、大きな意義がある」と評価している。(大野和興)(2016/01/09)


イスラエル/パレスチナ
イスラエルがドローンでパレスチナの農地に有毒物質を散布
1月 5日夜、イスラエルの無人機が#ガザ 南部ハンユニス周辺の農地に有毒な農薬を散布したと、IMEMC(Internationau Middle East Media Center)が伝えた。(大野和興)(2016/01/06)


沖縄/日米安保
元首相補佐官岡本行夫氏 米国で「辺野古の海に生物はいない」と発言していた
 元外務省OBで首相補佐官を務めたこともある外交評論家の岡本行夫氏が2010年、米国で開かれたシンポジウムで「辺野古(の海)は砂地だけ。サンゴ礁も、生物もいない」と発言していたことが分かった。このシンポは2010年1月に「日米安全保障セミナー」と題してワシントンのホテルで開かれた。主催は在米日本大使館と日米のシンクタンク。つまり日本政府が関与した公的な催しといってよい。1月4日の沖縄タイムスが伝えた。」(大野和興)(2016/01/06)


検証・メディア
テレ朝「朝ナマ」でやらせ? 自民党区議が一般人装い、アベノミクス持ち上げる
2016年1月1日に放送されたジャーナリスト田原総一郎氏司会のテレビ朝日「朝まで生テレビ!」で「ヤラセ疑惑」が発覚、ネットが炎上している。アベノミクスをテーマにしていた時、一般人として振られた人物が「民主党時代より良くなった」とアベノミクスを擁護する発言をしたのだが、その人物が自民党大田区議だったというのだ。(大野和興)(2016/01/02)


アジア
日韓「慰安婦合意」を日米学者が批判 「最終的、不可逆的解決がいえるのは被害者だけ」
 従軍慰安婦問題での日韓両政府の合意に関し、日米の二人の学者の発言が注目を浴びている。一人は政治学者の白井聡さん(京都精華大学専任講師)が12月29日にfacebookで発進したコメント。もう一つは、米コネチカット大学教授で歴史学者のアレクシス・ダデンさん。白井さんは「最終的、不可逆的解決」を語れるのは、政府ではなく被害者の方々のみです」と直球を投げ込み、「合意」のいかがわしさを浮き彫りにする。ダデンさんは、韓国ハンギョレ紙の電子メールインタビューに答えたもので、「歴史問題は貿易交渉や核兵器システムの交渉とは全く異なるものだ」として、今回の合意が「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したことを批判した。(大野和興)(2016/01/02)


TPP/脱グローバリゼーション
≪つながれアジア! 葬れTPP! 1.30国際シンポジウム東京≫ご案内
  ニュージーランドからは先住民族マウイの活動家で、国際的に活動するアーティスト、モアナ・マニアポトさん。マレーシアからは自由貿易協定とマレ−シアへの政治、社会経済的影響を中心に報道するジャーナリストのファウワズ・アブドゥル・アズィズさん、韓国からはノ・ムヒョン元大統領の首席秘書官を務め、韓米FTAに反対して辞任、現在は社会的経済推進の活動を国際的に展開するチョン・テイン(鄭 泰仁)さんをお招きします。主催は市民団体「TPPに反対する人々の運動」です。(大野和興)(2016/01/01)


みる・よむ・きく
草むらをかき分け、山に分け入り掘り越した日本の戦争責任 野添憲治編著『秋田県の朝鮮人強制連行−52ヶ所の現場・写真・地図』
 日韓両政権の間で慰安婦問題をめぐって手打ちが成立した。脚本・演出は米国オバマ政権。安倍・朴という二人の迷優が振付師オバマの指示で迷演技を披露したが、下心が見えすぎてしらけるばかりだった。アジアに対する日本の戦争責任を政治的道具にしてしまったのが今回の手打ちだが、鉱山や建設現場に中国大陸や朝鮮半島から多数の労働者の強制連行して過酷な労働に従事させ、多くの死者を出したことなど、手つかずの戦後処理問題はたくさんある。その一端を掘り起こしたのが野添憲治さんがまとめたブックレット『秋田県の朝鮮人強制連行−52ヶ所の現場・写真・地図』である。(大野和興)(2015/12/30)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPはこの列島の“農業の形”を破壊する 大野和興
 TPP(環太平洋経済戦略協定)閣僚会議は、10月5日、「TPP交渉は大筋合意に達した」と発表した。日本政府はこの「大筋合意」の推進役を果たしたと日本のマスメディアは伝えている。11月5日に安倍内閣は大筋合意の概要」なる日本語訳の文書を公表した。しかし、それは膨大な交渉内容のわずかでしかなく、全容は市民に隠されたままだ。だが、政府はこれのよってTPP交渉の内容を情報公開したとしている。TPP参加12カ国は国内でこの「合意」を受け入れ、TPPが発効するのかどうか、そうだとしても最終的にどのような条約が整うのか、今後の手順がどのように運ぶのか、何もわからないのが現段階だが、日本ではすでに条約が成立したかのような空気が安倍内閣によって作られ、マスメディアも同調して、論議はTPP発効後の「対策」に移っている。TPPの既成事実化が進行しているのである。(2015/12/26)


核・原子力
反原発市民団体たんぽぽ舎 福井地裁の再稼働を認める決定(差止仮処分の取り消し)に抗議
 反原発市民団体たんぽぽ舎は24日の福井地裁による関西電力高浜原発3、4号機再稼働を認める決定(差止仮処分の取り消し)に対する抗議声明を出した。この決定で2基は法的に再稼働が可能な状態になった。(大野和興)(2015/12/24)


中東
アムネスティ、ロシアのシリア空爆は国際人道法違反と告発
 国際人権団体アムネスティはロシアのシリアに対する空爆で市民が大勢犠牲になっているとの調査結果を12月23日に発表した。報告書は、住宅が密集する住宅街の爆撃に、国際的に禁止されているクラスター爆弾や無誘導爆弾を使用した痕跡もあるとしている。アムネスティは調査をもとに、ロシアのシリア空爆は国際人道法違反であると警告している。(大野和興)(2015/12/24)


人権/反差別/司法
アムネスティ日本 18日の二名の死刑執行に抗議声明
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本は18日に執行された死刑に対し、抗議声明を発表した。第1次、第2安倍政権で24人が死刑執行されたことになる。(大野和興)(2015/12/18)


アジア
タイ、不敬罪容疑で米国大使を捜査対象に アムネスティ国際ニュースが報じる
 国際人権NGOアムネスティ国際ニュースによると、米国の駐タイ大使が不敬罪の容疑で警察の捜査を受けている。米国のグリン・デービース大使は11月25日、タイ外国人特派員協会で、タイ王室に対する不敬罪で有罪となった人びとが長期の刑を言い渡されていることに懸念を表明していた。タイ刑法は、国王、王妃、王位継承者あるいは摂政に対して、中傷する、侮辱する、あるいは脅迫する者は、何人も3年以上、最高15年の刑に処すと定めている。アムネスティは不敬罪は表現の自由の侵害であり、廃棄すべきであると述べている。(大野和興)(2015/12/17)


TPP/脱グローバリゼーション
【TPPへの視角その2】 憲法からTPPを検証する 大野和興
 TPP(環太平洋経済戦略協定)が「大筋合意」したとして、政府は説明会を各地で開催、自民党と一緒になって事後対策づくりに乗り出している。TPP参加12カ国の間で最終的にどのような条約が整うのか、今後の手順がどのように運ぶのか、TPPが発効するかどうか、何もわからないのが現段階だが、日本ではすでに条約が成立したかのような空気が安倍内閣によって作られ、マスメディアも同調して、TPPが既成事実化が進行している。11月5日に安倍内閣は大筋合意の概要」なる日本語訳の文書を公表した。政府はこれのよってTPP交渉の内容を情報公開したとしている。しかし、それは膨大な交渉内容のわずかでしかなく、全容は市民に隠されたままだ。(2015/12/06)


沖縄/日米安保
沖縄・辺野古基地建設を許さない二つの集会・デモ
 沖縄・辺野古に基地をつくるなの二つの集会とデモが相次いで開かれますので紹介します。「辺野古の海を埋め立てるな! 11・22新宿デモ」と「11.29辺野古に基地は造らせない大集会!」です。(大野和興)(2015/11/18)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPで何が起こるか 牛がいなくなるとチョウチも消える
 TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意を受け、政府は“強い農業”“攻めの農業”をつくるための大規模化を、と大合唱です。それは農と食の現場に何をもたらすか、農業生産、食の安全、環境にまで視点を広げて考えてみます。(大野和興)(2015/11/12)


イスラエル/パレスチナ
アムネスティが告発 イスラエル軍は被占領パレスチナ地域での民間人処刑を止めよ
 国際人権団体アムネスティ国際ニュースは、東エルサレムを含むパレスティナ・ヨルダン川西岸地区を現地調査した結果、イスラエル軍は正当な理由もなく致死的な武器を使って、パレスチナ人を違法に殺害してきたことが分かった、と伝えた。「身の危険がないにもかかわらず、イスラエル軍がパレスチナ人に銃を向けて射殺するという事件が、少なくとも4件あった。これは超法規的処刑といえる」と述べている。(大野和興)(2015/11/11)


沖縄/日米安保
沖縄の怒りは「ヤマト」に向かい始めた 辺野古への警視庁機動隊投入で地元紙が伝える沖縄の空気
 辺野古新基地建設反対で米軍キャンプ・シュワブ前に沖縄市民に、k警視庁機動隊が投入された11月4日早朝、現場は怒号に包まれた。地元紙沖縄タイムスは「怒りの矛先は強硬姿勢の政府にとどまらず、戦後70年たってなお抗議行動に明け暮れる沖縄を知らない「ヤマト」にも向かい始めた」と書く。安倍政権の強硬姿勢はとどまることを知らず、沖縄の反発を一層強める結果を招いている。同紙は11月6日付で「警視庁機動隊投入 辺野古から撤退させよ」との社説を掲げた。(大野和興)(2015/11/06)


沖縄/日米安保
グリーンピースの船「虹の戦士号」、辺野古の海に
 国際環境NGOグリーンピースは11月初旬、米軍新基地移設先の沖縄県名護市辺野古の海域に、グリーンピースの船「虹の戦士号」を11月上旬に派遣虹の戦士号を辺野古の海に派遣する。辺野古新基地建設に反対する地元市民団体から招聘されたもので、辺野古では海洋環境調査や地元市民団体へ賛同を示す活動を展開する。「虹の戦士号」の活動は国際的にも注目されており、辺野古問題を国際社会に訴える上でも大きな効果があるとみられている。(大野和興)(2015/10/31)


労働問題
アリさんマークの引越社ボイコット(不買)を ユニオンが呼びかけ
 労働者に対して違法な弁償金請求や長時間労働を押しつけ、人権侵害を繰り返している「アリさんマークの引越社」(株式会社引越社関東)でに対し、プレカリアートユニオンがボイコット(不買運動)を呼び掛けている。インターネットサイト「change.org」を通じ賛同者は続々増えている。(大野和興)(2015/10/27)


TPP/脱グローバリゼーション
医薬品特許は健康に悪い TPPが進める生物製剤データ保護期間延長は何をもたらすか
 TPP(環太平洋経済連携協定)は現在、最後の交渉過程に入っている。10月初めにまとまったとされる「大筋合意」によれば、生物製剤のデータ保護期間、つまり特許期間が、新興・途上国や「国境なき医師団」など弱者のための医療行為に携わる組織が主張していた5年から実質8年に延長されることになったとされている。このことは何を意味するか。「生命に特許はいらない!キャンペーン」ニュースレターは、米国におけるいくつかの裁判例をもとに、特許保護期間の延長は市場独占となって製薬資本に莫大な利益を保証するだけでなく、「医薬品の効能が、謳われている内容よりも低い可能性があることや、ときには有害でさえあることを示すデータを、隠そうとするインセンティブも働く」としている。医薬品特許は人びとの健康を損ねてしまうという指摘である。(大野和興)(2015/10/24)


沖縄/日米安保
沖縄「誇りある豊かさ」へ(下) 非武の文化 仲西美佐子(沖縄・恩納村、百姓)
 沖縄には、戦いや競争を好まない文化がある。その根底には「ウナイガミ(姉妹が兄弟の守り神)」「ニライカナイ(水平線の彼方に豊穣の国がある)」「来訪神(遠い所から幸せを携えて訪れる)」などへの信仰がある。スピードや破壊力に勝る男が女を守るのではなく、柔軟で忍耐強い女が守り神であることが、最近まで実感されていた。「美しい風景」を形成した伝統的な暮らし方が、どんな問題でも、時間をかければ力づくで解決する必要がないという「非武の文化」を生み出したのだと思う。(2015/10/23)


安倍政権を検証する
《Twitterから》創価学会員が問う:創価学会は組織として安保法案を支持しているのか?
【創価学会員が問う:創価学会は組織として安保法案を支持しているのか?】「現状、創価学会は安保法案を支持しています」。いつからそうなったのか?教えと整合的な根拠はあるのか?(2015/10/19)


安倍政権を検証する
《Twitterから》安保法制の背後の経済的動機 武器輸出「国家戦略として推進すべき」 経団連が提言
【「防衛産業政策の実行に向けた提言」経団連】「武器輸出「国家戦略として推進すべき」 経団連が提言」。政官財一体で軍事産業に本腰を入れる姿勢。安保法制の背後の経済的動機は明白。(2015/10/19)


沖縄/日米安保
沖縄「誇りある豊かさ」へ(上) 島の暮らしから考える 仲西美佐子(沖縄・恩納村、百姓)
 安倍政権が強行している辺野古新基地建設に伴う大浦湾埋め立てで、オカヤドカリが主役に躍り出ている。沖縄防衛局が国指定天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動の同意を求める文書を、県教育委員会宛てに提出していたのだ。防衛局の意識は、天然記念物なので埋め立てで消滅しないように捕獲して移動すればいいのだろうというそれだけのものだ。しかし、沖縄の人びとのとってはオカヤドカリはそれだけの存在ではない。沖縄の豊かさと精神性の象徴としてのオカヤドカリについて、恩納村の仲西美佐子さんが季刊雑誌『変革のアソシエ』に寄稿された報告を紹介する。仲西さんは恩納村にくらし、百姓仕事の傍ら地域の資源と自然を守り育てる運動に取り組んでいる方だ。(大野和興)(2015/10/19)


農と食
グリーンピースが世界食料デーの今日、「人を中心とした食と農業の未来像−7つの原則」を発表
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは国連が制定した世界食料デーの本日、新レポート「生態系農業:人を中心とした食と農業の未来像ー7つの原則」の日本語版を発表しました。多くの国で実施されている化学農薬や肥料を大量に投入する農業モデル(工業型農業)は、地球環境に大きな脅威を与えています。本レポートの目的は、現状の農業モデルとは別の、有機農業や自然農法などの生態系と調和した農業は環境を守りかつ世界の需要を満たすことが可能であると立証することです。生態系農業に関して世界の科学的証拠を考察し、めざすべき食と農業の未来像について7つの原則(注1)を導いています。(2015/10/16)


ビルマ民主化
ビルマ、総選挙を前に政府批判者への弾圧続く アムネスティが「良心の囚人」釈放求め世界に呼びかけ
ビルマ(ミャンマー)が民政に移行して初の総選挙が2015年11月8日に実施される。一方で「総選挙が近づくにつれ、政府に批判的な人びとの逮捕が増えている」状況にあると、国際人権団体アムネスティは、現地人権活動家へのインタビューで報告している。「現在、ビルマには少なくとも94人の良心の囚人が投獄されて、さらに新たに数百人が起訴、そして禁錮刑を受ける状況に直面している」というのだ。アムネスティはそうした状況を受け、ビルマ国内の良心の囚人が全員釈放されるよう、欧州連合(EU)、米、豪、日本の政府がテインセイン大統領に働きかけることを求めるアクションへの参加を呼び掛けている。(大野和興)(2015/10/16)


政治
日本、「ユネスコを脅迫」 英・ガーディアン紙が報道
 ユネスコが南京虐殺を記憶遺産として登録したことで、日本政府がユネスコへの分担金や拠出金の停止を検討している件を、海外メディアはどう報じたか。イギリス・ガーディアン紙は記事見出で「日本、南京大虐殺をめぐりユネスコへの資金を提供することを止めると脅迫」と伝えている。(大野和興)(2015/10/14)


TPP/脱グローバリゼーション
【TPPへの視角その1】三農問題という視点 大野和興
 TPP交渉の大筋合意を受けて、政府や経済界、エコノミストと称する人たちは、「強い農業」「攻めの農業」「大規模農業」「農業は輸出で活路」「いまこの農業のビジネスチャンス」と騒がしいこと、この上ない。これまで数十年、聞かされてきたお題目で、その結果が今の農民の高齢化だったり耕作放棄だったり、といった反省はまるでない。(2015/10/12)


TPP/脱グローバリゼーション
市民団体の抗議声明に見るTPP大筋合意の問題点
 TPP交渉の大筋合意に対し、TPP反対の運動に取り組んできたさまざまの運動グループが次々と抗議声明を出した。それらの声明は今回の大筋合意なるものに鋭い批判を行っている。そしてTPP反対の運動をより一層強く展開するとしている。以下、さまざまの論点からの「大筋合意」批判を紹介する。(大野和興)(2015/10/09)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉大筋合意 反対運動は国会での批准阻止を狙う
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉を続けている12カ国の間で10月5日、大筋合意が成立した。米国・アトランタで開催されていた閣僚会合でまとまったものだ。合意を受け安倍首相は「日本のみならずアジア太平洋の未来のとって大きな成果」と手放しの喜びよう。マスメディアも「世界最大の自由貿易圏の誕生」とはやし立て、「成果」を持ち上げる報道に終始した。一方、TPPに反対してきている生活者や農民グループ、市民グループは相次いで大筋合意に対する抗議声明を発表、今後は国会における批准阻止に焦点をあさせ、運動を強めていくとしている。また、TPP交渉に参加している米国やオ―ストラリア、ニュージーランドなどでは、TPPに反対する市民運動が大きく広がっており、各国とも今後は自国の国会に対する批准阻止運動に力を入れることになる。日本の市民運動は国内での運動と同時にTPP阻止の国際的な連携を一層強めていく方針だ。(大野和興)(2015/10/07)


社会
マイナンバー、今日から施行 「政府そのものがプライバシーの脅威になる」
 今日10月5日からマイナンバー制度が施行される。さまざまの個人情報がカード一枚に集約されるこの制度は、いったい何が目的で、カードを持つ側にどんなメリットがあるのか、誰もわからない奇妙な制度に変質しつつある。カードに収められたさまざまな個人情報が漏れ出すことはないのかも誰も断言できなし。施行にあたり、特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウスがその本質を突く声明を出したので紹介する。(大野和興)(2015/10/05)


社会
ネット上で「翁長知事を死刑にしろ」の賛同署名集め 「テロを誘発する」と指摘する声も
 ネットで賛同署名を集めることができるChange.orgというサイトがある。本来は「慈善活動や社会を変えるための様々なキャンペーンへのオンライン署名収集および届け出を中心とした社会変革活動支援」(wikipedia)を目的とするサイトだが、そこで「翁長沖縄県知事を死刑にしろ」という署名活動が始まり、ネット上で非難が巻き起こっている。翁長知事の国連での演説が中国に武力を行使させる「外患誘致罪」に当たるという奇妙な主張が展開されている。こうしたキャンペーンが実際に翁長知事に対するテロを誘発しかねない、と危惧する声も出ている。(大野和興)(2015/10/04)


沖縄/日米安保
国際環境NGO・FoEジャパン 辺野古埋め立て承認取り消しを支持する署名を呼びかけ
 国際環境NGO・FoEジャパンが、翁長知事による辺野古埋め立て承認の取り消しを支持する共同声明への賛同署名を集めている。締め切りは10月8日、賛同署名は個人、団体いずれも可能。(大野和興)(2015/10/02)


中東
安倍首相はシリア難民受け入れを表明せよ アムネスティが要請
 安倍首相は国連演説でシリア難民に対する経済支援に言及したが、記者会見で外国人記者に具体的に何人受け入れるのかを問われて、国内政策の重要性を上げて質問をはぐらかした。人道団体アムネスティ・インターナショナル日本は「経済的人道支援だけでなく、安全に生活する場の提供が求められています」として、安倍首相に日本としてシリア難民を受け入れるよう要請している。日本は難民受け入れにきわめて消極的で、アムネスティによると2014年に5000人に難民申請に対し11人しか認定していない。(大野和興)(2015/10/01)


TPP/脱グローバリゼーション
前のめりでTPP交渉を急ぐ日本政府 自動車原産地表示問題で劣勢に
 足踏み状態にあるTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉だが、明日26日から米アトランタで参加12か国の首席交渉官会議が開かれる。続いて30日から閣僚会議も予定されている。いくつかの懸案が解決すれば、漂流はまぬかれるという瀬戸際での交渉だ。しかし、自動車の部品調達をめぐる原産地表示問題では、アメリカ、カナダ、メキシコの北米三国が強い姿勢を示し、日本を押している。そのあたりの事情を海外情報から探った。翻訳は、TPP反対運動の市民団体の翻訳チーム。(大野和興)(2015/09/25)


沖縄/日米安保
戦争法案成立に合わせ、右翼がナイフをかざして辺野古新基地反対の拠点を襲撃 鈍い警察の動き
 戦争法制が成立した当日の夜、さっそくその影響と思われる事件が発生した。辺野古新基地建設反対運動の拠点が19日深夜、右翼集団と思われる暴漢たちに襲われたのだ。ナイフを振りかざした男女によって、座り込みのベースであるテントは無茶苦茶に壊された。しかし、通報を受けた警察の動きは鈍く、半ば黙認、野放しといういう印象さえ受けたと、現場からのツイッターが伝えた。安倍政権の暴走に力を得た右翼テロが跋扈する状況が現実のものなった。(大野和興)(2015/09/21)


政治
日本共産党、「戦争法廃止と立憲主義を取り戻す国民連合政府」をつくろうと呼びかけ
 日本共産党は19日、志位和夫委員長名で「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現を呼びかけた。「戦争法廃止と立憲主義を取り戻す」の一点で一致するすべての政党・団体・個人が共同して、衆議院を解散・総選挙に追い込み、「国民連合政府」をつくろうという提案だ。この政府はあくまで暫定的なものであり、任務を実現したら解散・総選挙を行い、国民の審判を仰ぐ、としている。(大野和興)(2015/09/19)


反戦・平和
日本消費者連盟と消費者・生活者9条の会が戦争法案強行採決に声明 「私たちは忘れません 私たちはあきらめません 私たちは歩みをとめません」
 どの世論調査でも市民の6割以上が反対し、国会前を連日数万人を超える人たちが反対を叫んで取り囲んだ戦争法案が、19日強行採決された。多くの市民団体が抗議とこれからの反対運動yを続けることをうたった声明を出している。消費者運動を長年積み上げてきている日本消費者連盟と、同連盟が支援して発足した消費者・生活者9条の会も、19日午前、「私たちは忘れません 私たちはあきらめません 私たちは歩みをとめません」とする声明を発表した。(大野和興)(2015/09/19)


政治
16日、国会内に警察官が立ち入り、野党議員排除に手を貸す 弁護士有志が抗議声明を発表
 参議院安保特別委員会で戦争法案をめぐって与野党がつばぜり合いをしていた16日夜、警察官が議事堂内に立ち入って警察活動を行ったことが判明、弁護士有志が声明を発表した。議会内に警官が立ち入ったのは、過去2例があるだけ。きわめて異例の措置であり、院の規則によって議長の指示がないと出来ないことになっている。しかし今回こうした指示がなされた形跡はない。とすると、官邸が直々に警察に指示したという可能性さえ考えられる。もしそうだとすれば、行政による立法の無視であり、事実上のクーデターをさえいえる重大事態となる。(大野和興)(2015/09/18)


市民活動
9月14日 「くらしの足元から戦争法案を考える集い」
 消費者・生活者9条の会と日本消費者連盟で9月14日午後都内でに (2015/09/10)


国際
日本でシリア難民を受け入れよう! アムネスティ・ジャパンが呼びかけ
 押し寄せるシリア難民にヨーロッパは悲鳴をあげながらも受け入れに動きだしえいる。人権団体アムネスティ・ジャパンが「日本もシリア難民を受け入れよう」という賛同署名を募っている。アムネスティは政府と反政府勢力の対立が激化してから4年、シリアから国境を越えて、ヨーロッパや他の地域へ多くの人びとが逃れています。近隣諸国5カ国にシリア難民の約95%が避難しており、受け入れは限界です。日本を含め、世界中での受け入れが必要です。日本政府に対して、受け入れを求めてください!」と呼びかけている。(大野和興)(2015/09/09)


中東
米軍によるアフガニスタン市民殺害の徹底捜査を
 アフガニスタンに進行した米軍特殊部隊がアフガニスタン中部のヴァルダク州で民間人18人を殺害したとされる事件があった。米軍はこうした行為のうち、2012年11月から2013年2月の間に裁判なしの処刑、拷問、強制的失踪にかかわったとされる特殊部隊の捜査を再会した。国際人権団体アムネスティは米軍に対し徹底した再捜査と犠牲者への正当な補償を要求している。(大野和興)(2015/09/03)


反戦・平和
8月30日の国会12万人・全国100万人大行動の報道クリップ】補足
 東京の杉原浩司です。[転送・転載歓迎/重複失礼]。昨日、8月30日の国会&全国大行動に関する報道集をお送りしましたが、 (2015/09/01)


反戦・平和
【8月30日の国会12万人・全国100万人大行動の報道クリップ】
 私的な感想をお許しください。30日国会前行動。12万人の人々の思いで警察の規制が決壊し、人が車道を埋めたすぐ後、正門前に到着。雨の中、すき間がほとんどない状態でみんな立ち、声を上げていました。60年6月15日、全学ストライキを打って、同じ日、安保粉砕のゼネストを行った国労の山陰拠点米子駅の線路に明け方まで座り込みました.やはり雨が降っていました。樺さんが死んだという報を受け、翌日みんなで夜汽車に飛び乗りました。1960年、そして昨日の国会前行動。ともに現代史に残る時間に立ち会えたという思いです。以下、杉原浩司さんんが作成した30日の報道一覧です。(大野和興)(2015/08/31)


教育
これまで育鵬社教科書を使っていた愛媛県今治市教委が不採択を決定した
 歴史修正主義の立場に立つ育鵬社の歴史・公民教科書を採用する教育委員会がじりじりと増えている中で、愛媛県今治市教育委員会がこれまで採用していた育鵬社の教科書の採用を取りやめ、東京書籍の教科書に切り替える決定をした。長年教科書問題めぐる運動をしてきた「「えひめ教科書裁判を支える会」の運動が実ったものだ。しかし新規に松山市・新居浜市教委が、育鵬社(歴史)を採択した。(大野和興)(2015/08/29)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉の行方、限りなく不透明に 日米両政府に焦り、交渉枠組み改変論まで飛び出す
 TPP交渉は次の閣僚会議の日程もつまらないまま月を越して9月を迎える。TPP交渉のこれからの展開はどうなるのか。いくつかの要素を組み合わせながら考えてみた。9月中旬までに全体会合・閣僚会議が設定されれば、年内合意の可能性は消えないが、それを越すと日米両国の政治情勢も絡み、TPP交渉は漂流の可能性が濃厚になる、という見立てが有力だ。(大野和興)(2015/08/28)


中東
イエメン、湾岸諸国軍の空爆で民間人の死傷が相次ぐ アムネスティが調査
 国際人権団体アムネスティの調査によると、湾岸諸国軍の空爆でイエメンで民間人の犠牲が相次いでいる。それにフーシ派と反フ―シ派の戦闘が加わり、多数の住民が被害を受けている。湾岸諸国軍を主導しているのはサウジアラビアで、アムネスティの調査で、6月から7月にかけて湾岸諸国軍の8回の空爆があり、少なくとも141人が死亡し101人が負傷したことが分かった。その大多数は女性と子どもだった。アムネスティは「これは戦争犯罪に等しい」と指摘している。(大野和興)(2015/08/27)


政治
≪twitterから≫議員枠未公開株売買の武藤貴也衆議院議員が記者会見
 議員枠の未公開株売買に介入した問題の武藤貴也衆議院議員が今日記者会見。こともあろうに平河クラブ。(大野和興)(2015/08/26)


沖縄/日米安保
【集団的自衛権問題研究会】8月25日参議院特別委員会の集中質疑
 8月25日に行われた参議院特別委員会の集中質疑のダイジェストをお送りします。質疑が行われるほど、法案の不備や矛盾がボロボロと明らかになっています。福山議員による安全確保規定の欠落に関する追及では、何度も速記が止まり、NHK中継はしばらく草原の動物たちの映像に切り替わりました。テレビ入り審議での長時間ストップは異例だそうです。(2015/08/26)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、前のめりの日本だけが浮き上がってまるでピエロみたいだ 山下惣一
 TPP漂流の可能性が高くなってきた。しかし日本の農政はすでにTPPを前提に、TPPを奇貨として国内の農政大改革を“しっかりと”“切れ目なく”進めている。(2015/08/25)


反戦・平和
戦争やんだ! 西置賜集会 村に町に「戦争法案反対」の声
 8月23日、全国各地で[戦争反対][民主主義を守れ]の若者たちの声が響いた。それと歩調を合わせるように山形県南部の農村地帯で村や町のおじさん、おばさんらが呼びかける戦争反対の集会がもたれた。「戦争やんだ!西置賜集会」と銘打たれた集い。折からの雨で会場を長井市つつじ公園から屋内に移した。その会場はたちまち人であふれ、リレートーク、地元フォークグループの歌、太鼓とにぎやかに盛り上がり、「安倍内閣の退陣と安保報案の廃案を強く求め、日本国憲法と民主主義に基づいた日本の未来を築く」ことを宣言して幕を閉じた。長井市、白鷹町、小国町、飯豊町といった農村部の普通の人たちがつくり、多くの人が集まったこの集会に.一番肝を冷やしたのは地元自民党のはずだ。(大野和興)(2015/08/24)


反戦・平和
「女たちの戦争と平和資料館(wam)」で日本初開催! ヤン・バニング写真展 Comfort Women −インドネシアの日本軍「慰安婦」
  「女たちの戦争と平和資料館」(wam)は7月から、第13回特別展「『アジア解放』の美名のもとに〜インドネシア・日本軍占領下での性暴力〜」と題して、日本軍によるインドネシア占領期の性暴力の被害 に焦点を当てた展示を行なっています。その一環として10月にオランダ人写真家、ヤン・バニングの写真展「Comfort Women―イ ンドネシアの日本軍『慰安婦』」を日本で初めて開催いたします。日本軍の「慰安婦」にされたインドネシア女性たちの眼差しをとらえたこのComfort Womenシリーズは、2010年 に発表されて以来、本国オランダのみならず、欧米やインドネシアでも開かれ、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)はコレクションとして所蔵しています。(大野和興)(2015/08/23)


労働問題
ユニクロ中国工場、労働条件改善は遅々として進まず 人権NGOら再び追及
 日本に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウがStudents & Scholars Against Corporate Misbehaviour(略称 SACOM)や香港を拠点に中国の労働者の権利を扱うLabour Action China (LAC)と共同で行ったユニクロ(ファーストリテイリング社)中国工場の労働者の実態調査報告書を出して半年がたった。報告書をもとにユニクロ側が労働条件の改善を約束したが、その結果はどうなったか。8月21日、ヒューマンライツ・ナウなど三者は声明を発表、約束された改善の成果はほとんど見られず、ユニクロが取ったと報告する措置が、現場では実際には実施されていないことを明らかにした。三者は改めて賃金や労働者の安全など労働条件の改善をユニクロ側に要求している。(大野和興)(2015/08/23)


人権/反差別/司法
セックスワーカーの人権を守れ アムネスティが世界大会で決議
 国際人権団体アムネスティは8月11日に開催された世界大会で、セックスワーカーの人権を守る決議を採択した。常に差別と暴力にさらされているセックスワーカーに人権を掲げた最初の決議。2年間の調査と協議を積み重ねたこの決議は、セックスワークを国際人権基準の視点から捉えなおし、その非犯罪化を掲げている。協議した対象には複数のセックスワーカー当事者団体、セックスワークの廃止を求める団体、フェミニストやその他の女性団体、LGBTI(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス)の活動家などが含まれている。(大野和興)、(2015/08/21)


経済
企業も安保法案反対 ロイター企業調査が物語るビジネス界の本音
 経団連や日本商工会議所、経済同友会など経済団体はこぞって戦争法案推進を安部内閣に求めているが、企業の本音は違うようだ。ロイター通信が8月に行った企業調査によると、今国会中に安保関連法案を成立させることに62%が反対、賛成は38%にすぎないことが分かった。(大野和興)(2015/08/21)


反戦・平和
「安倍政権と沖縄、そしてアジア」(下) 日米両超大国連合対日本の一県の対立というの前例は全くありません ガバン・マコーマック
 疑問なく安倍政府反対の声が最も強いのは沖縄です。安倍訪米から1ヶ月後、翁長雄志沖縄県知事が米国を訪れました。翁長のメッセージは安倍が米国に伝えたのとは逆のものでした。オバマ大統領に約束した海兵隊の新基地は安倍の米国サービスの要ともいうべき重要なものですが、翁長は新基地には反対です。地元辺野古の名護市長選でも、市議会選でも、県知事選でも衆議院選挙も、自民党は基地容認候補にお金も人も惜しげなく注ぎ込んだのですが、県民は新基地反対派を選び、最近の沖縄の世論調査では、80%以上が新基地建設に反対しています。2014年、大多数が反対でもそれを無視して建設を強行する、それは安倍が米国議会で自由と民主主義推進に向け、積極的に取り組みますという宣言とどうつながるのでしょうか。(2015/08/20)


反戦・平和
「安倍政権と沖縄、そしてアジア」(中) 保守右翼向けとワシントン向け、安倍首相は前と後ろに二つ顔を持つヤヌスの神様 ガバン・マコーマック
 安倍も安倍政権のメンバーのほとんど全員が戦前戦中の日本に理想像を求める組織例えば、「新自由主義史観研究会」(1995年設立)、「新しい教科書をつくる会」(1997年設立)、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(1997年設立)、「明るい日本」(2013年設立)などに属しています。また閣僚のほぼ全員が「日本会議」と「神道政治連盟」のメンバーです。「日本会議」は東京裁判つまり、極東国際軍事裁判、の判決を否定し、南京虐殺や慰安婦の存在を認めず、正しい歴史と道徳教育を呼びかけ、2006年に安倍が出版した本に主張する「美しい日本」推進に固執(こしつ)しています。(2015/08/19)


反戦・平和
「安倍政権と沖縄、そしてアジア」(上) 「日本の戦争犯罪は事実かどうか疑問だと言い張ってきた人物が、今基本的に考え直したとは思えません」 ガバン・マコ―マック
 「安倍政権と沖縄」をどう見るか。。2015年6月21日に東京都内で開かれた「沖縄意見広告運動」の講演会での講演から、歴史学者で東アジアと日本の近現代史の研究者であるオーストラリア国立大学名誉教授ガバン・マコ―マック氏の発言を紹介する。この講演で氏は、同年4月に米上下院合同議会で行った安倍演説の欺瞞性を明らかにし、現在の沖縄の位置を「日米両大国対一県」と位置づけ、「歴史的な出来事」を規定。沖縄の発展は日本や米国との関係ではなく「アジアとの友好関係の中にある」と言い切った。(大野和興)(2015/08/18)


反戦・平和
植民地支配を正当化した安倍談話−−日本近代そのものを根底から疑う平和主義へ 小倉利丸
 戦後70年にあわせての安倍談話はすでにいくつかの批判が出されている。そのなかでも、以下に紹介する経済学者で現代社会思想にも鋭い目配りをしている小倉利丸さんが自身のブロク「No More Capitalism」に書き付けた安倍談話への論評が.とても興味深い。安倍談話が持つ意味を、この国とアジアの近代総体にまでさかのぼって根底から批判する視点を提示。談話が、日露戦争を称揚し、「多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」とする史観そのものに潜む問題点を暴き、「日本の近代と植民地主義は不可分」であることを論証、談話そのものが持つ欺瞞性を明らかにしている。(大野和興)(2015/08/17)


TPP/脱グローバリゼーション
ニュージーランドでTPP交渉阻止の大デモ 首都をはじめ全国各地で展開
 8月15日、ニュージーランドでTPP反対の民衆行動が展開された。ニュージーランド最大の都市オークランドでは1万人、首都ウェリントンでは5000人がデモ行進。そのほか全国各地で数千人から数百人の集会やデモが行われた。その模様を動画と写真で紹介する。(大野和興)(2015/08/16)


反戦・平和
「戦没農民兵士の手紙は二度と書かない」 安保法制廃案を! 「敗戦70年目の百姓宣言」安倍首相に送付
 国会で審議中の安保法制に向け、農民がらの声を上げようと取り組まれている「敗戦70年目の百姓宣言」同人は、8月15日付けで同宣言を安部首相あて送った。同宣言は戦前、戦後の農民の歴史を振り返りながら、農民が土を耕し、種をまき、家畜を飼う営為を支えているのは敗戦後70年の平和であり、その平和をつくりだしてきた憲法であるとしている。いまその憲法が安部内閣が進める安保法制によって崩されようとしているという危機感が「百姓宣言」となったもので、「安保法制の廃案・廃止」を安部首相に要求、「戦没農民兵士の手紙は二度と書かない」とうたっている。現在賛同者は個人495人、団体賛同8団体だが、これは第一弾で、国会での安保法案審議に合わせ第二弾、第三弾と重ね、最終的には1万人をめざしたいとしている。(大野和興)(2015/08/15)


みる・よむ・きく
時代が要請する本がある −メディアは戦争をどう報じたか− 永井浩『戦争報道論 平和をめざすメディアリテラシー』 大野和興
 時代が要請する本、時代がつくる本がある。本書を手にとってまず思ったのはそのことだった。刊行されたのは二〇一四年一二月。この年の七月一日に集団的自衛権行使容認が閣議決定され、一二月一六日に行われた総選挙で安倍自民党が多数を制してした。「戦争をする国」への足取りが現実の問題をして目前に迫っていたときであった。毎日新聞記者としてアジア各地を歩き、開発と紛争に揺れ動くアジアを「報道される側」から凝視しつづけてきた著者は、改めて「報道者とは何か」を突き詰めたとき、戦争に行きあたった。「戦争」ということをはずして報道の意味を問うことなどできない時代状況を、正面から受け止めて誕生したのが本書である。(2015/08/12)


反戦・平和
戦争やんだ! 山形・置賜で反安倍の集い 全国各地で反戦争法案のうねり
 東京にいると、東京しか見えない。戦争法案反対にしても国会前がすべてのような気になる。だがいま、反安倍の勢いや全国津々浦々に及んでいるとさえいえる状況にある。山形県南部の西置賜郡では市民が実行委員会をつくり、この23日に「戦争やんだ!」の集会が持たれる。首都圏の辺境埼玉県秩父では先週、反安倍のアピールが各地域でもたれた。(大野和興)(2015/08/10)


農と食
成田空港問題 再び農地強制収用か
 千葉県成田・三里塚。豊かな畑地が広がる北総台地の一画に国際空港をつくると閣議決定されたのが1966年。来年は50年になる。この間、その地を開墾し、農業でくらしを立ててきた多くの農民が農地から引き剥がされ、巨大開発が進んだ。土地を売らないと多数の農民が抵抗したが、機動隊と強制収用で抑え込まれた。それでもない、いまも土地を売らず、この地で農民として生きる農民が存在する。市東孝雄さんもその一人。だが彼もいま、司法の判断という強制力の壁にぶつかっている。<今、憲法を考える会>の通信・「ピスカートル」第31号から市東さんの闘いを報告する。(大野和興)(2015/08/09)


イスラエル/パレスチナ
アムネスティとフォレンシック・アーキテクチャー(科学捜査構築プロジェクト)がイスラエルの戦争犯罪を立証
 国際人権団体アムネスティ等は2014年8月1日にイスラエル軍がパレスチナ・ガザ自治区のラファを空陸から集中砲火を浴びせ、大勢の民間人を殺傷した攻撃を科学捜査で検証、この攻撃が「戦争犯罪である」ことを示す証拠を明らかにした。アムネスティ国際ニュースが伝えた。(大野和興)(2015/08/07)


環境
東海道新幹線で火災発生! ・・・リニアなら「安全」なの?
 「リニアも東海道新幹線も火災はまずあり得ません」とJR東海はリニア事業説明会で繰り返し言い切っていました。しかし6月30日、新横浜・小田原間を走行中の東海道新幹線で男性が焼身自殺をし、火災が起きました。火は運転士が消し止めましたが車内は1、2号車が黒炎で充満し、新幹線事故としては過去最悪の28人の死傷者が出ました。(『ストップリニアニュース』から)(2015/08/03)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP閣僚会合、合意に至らず終了 このまま漂流すれば日米アジア戦略にも支障
 アメリカ・ハワイで行われていたTPP(環太平洋経済連携協定)の閣僚会合は合意に至らず、日本時間で1日午後終了した。客観的には合意に至る可能性は極めて小さかったにも関わらず、日米政府は「大筋合意」という奇妙な決着の付け方を念頭に、強引ともいえる会合運営を図ってきた。しかしその目論見は外れ、知的財産権や酪農製品の市場開放をめぐって新興国やニュージーランドの頑強な抵抗にあい、解決の糸口を見いだせないまま時間切れとなった。TPPは対中国戦略としてアジアにおける日米軍事戦略と表裏に関係にある。集団的自衛権を前提とする安保法制(戦争法案)が市民の大きな抵抗にあって安倍政権の支持率低下に歯止めがかからなくなっているなかでTPP交渉が頓挫したことは、今後の政権運営にも大きな影響を与えそうだ。(大野和興)(2015/08/01)


労働問題
カフェ・ベローチェ労働契約法逸脱裁判事件「鮮度の落ちた労働者はいらない」 東京地裁、企業側主張に立ち不当判決
大手カフェチェーンの「カフェ・ベローチェ」千葉店で長年働いていたアルバイト労働者を「鮮度が落ちた」という理由で雇い止めした事件で、東京地裁は7月31日に労働者側が求めた地位確認請求、慰謝料請求をいずれも否定する極めて不当な判決を言い渡した。労働者を支援している首都圏青年ユニオンは同日声明を発表し、同判決を「原告の人格や存在そのものを侮蔑するものであり、法的に違法とまでは評価できないとの判断は、著しく公平さを欠く判断と言わざるを得ない。本判決は、被告の組織的かつ脱法的な雇止めを容認し、原告の権利を踏みにじるものであり、極めて不当な判決である」と批判した。(大野和興)(2015/08/01)


環境
「リニア建設を止める」 山梨で市民団体が「立木トラスト」運動開始
 リニア新幹線建設に反対する市民団体「リニア・市民ネッチ山梨」など4団体は先月、建設ルートに当たる中央市の桑畑を対象に「立ち木トラスト」運動を始めた。桑の木一本ごとに賛同者に1000円で買い取ってもらい、立て札を付けて所有者を明らかにする。桑の木の所有権をもつことで、用地買収を阻止しようというものだ。(大野和興)(2015/07/31)


人権/反差別/司法
8・4 盗聴法・刑事訴訟法等改正を考える 超党派国会議員と市民の勉強会
 政府・法務省は、盗聴法・刑訴法等改悪案を衆議院法務委員会で強行採決し、8月6日か7日にも衆議院本会議で可決しようとしている。盗聴法は市民の反対運動で、その適用に不十分ながら一定の歯止めをかけてきた経過があるが、今回の改正で詐欺や窃盗などの広範な犯罪が対象とされるようになり、検察・警察など捜査機関の施設で第三者の監視抜きに盗聴捜査を実施できるようになる。また、メール傍受という形でフェイスブックなどSNSも対象になるなど乱用の危険性も大きい。いま審議中の戦争法案や秘密保護法の動きとも絡んで、捜査機関や公安が個人を情報で縛る国家が生まれる懸念さえある。8月4日、超党派国会議員有志による勉強会が開かれる。(大野和興)(2015/07/30)


反戦・平和
◆敗戦70年目の百姓宣言◆「戦没農民兵士の手紙」は二度と書かない 賛同を呼びかけます 大野和興
 「敗戦70年目の百姓宣言」への賛同呼びかけが始まりました。同宣言は、戦中・戦後の百姓と村の歩みを振り返り、”殺す”側と”殺される”側の両方に追い詰められた農民兵士の絶望を踏まえながら、「戦争法案(安保法案)をただちに廃案・廃止することを要求」し、「『戦没農民兵士の手紙』は二度と書かない」という言葉で終わります。呼びかけの対象は「大地を耕し種をまく」ひと。規模の大小は問いません。販売農家でも自給でも、おすそわけ専門でも構いません。(2015/07/29)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉「参加国における人権保障を大幅に後退させることは許されない」 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウが声明
 国連の人権専門家は6月2日に連名で、「TPPの人権への悪影響を懸念する」との異例の声明を発表し、TPP合意が交渉国の人びとの生命、食糧、水、衛生、健康、住居、教育、科学、労働基準、環境等の人権保障に多面的かつ深刻な悪影響をもたらしかねないことを警告した。それを受けて国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は27日、TPPが人々の人権に甚大な影響があるにもかかわらず一切の情報開示をしないまま秘密裡に行われていることに深刻な懸念を表明する声明を発表した。(大野和興)(2015/07/28)


政治
【7月28日(火)安保法制・参議院特別委員会質疑】
 安保法制はいよいよ参議院で審議入りしました。27日に行われた参議院本会議での質疑のダイジェストをお送りします。衆議院での強行採決直後を避けた日経、読売の世論調査でも、内閣不支持が支持を上回り、政府の説明が不十分との意見は両紙とも8割を超えています。法案への反対も増えています。「三連休でクールダウンする」との政府与党の想定は見事に外れました。28日、29日、30日と3日連続で特別委員会での質疑が行われます。委員会は全ての会派で構成される45人枠になり、衆議院以上の徹底審議が期待されます。市民による厳しい監視が引き続き必要です。(集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第20号)(2015/07/28)


核・原子力
川内原発再稼働阻止! ゲート前大行動へ、結集を強く呼び掛ける
川内原発再稼働の日程が、いよいよ確定してきました。8月10日起動と九電は発言しています。鹿児島に暮らす人々の人権を蹂躙するのみならず、西日本、日本全体を崩壊せしめる重大な犯罪行為を、私たちは、断じて許すことはできません。私たちは、全国の再稼働に反対する人々に、川内原発ゲート前大行動への結集を強く呼び掛けます。(ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会)(2015/07/27)


核・原子力
安倍晋三首相とナレンドラ・モディ首相への国際共同アピール 「インドの使用済み核燃料再処理を可能とする日印原子力協定を締結するな」
 日本とインドの反原発市民運動は、この秋、安倍首相が訪印して締結しようとしている「日印原子力協定」に反対する国際署名を呼びかけている。安倍晋三首相とナレンドラ・モディ首相への国際共同アピール「インドの使用済み核燃料再処理を可能とする日印原子力協定を締結するな」と銘打たれたこの声明は、原発輸出だけでなく、インドに「使用済み核燃料再処理を容認」するもので、インドへ輸出される日本製原発の使用済み核燃料の再処理によって取り出されたプルトニウムが、軍事転用され核兵器が増産される危険性がある。アピールは国際社会に、日印原子力協定調印阻止を呼びかけている。(大野和興)(2015/07/20)


市民活動
日本軍国主義の虚もうを撃つ東アジアのヤスクニズム展 2015.7/25(土)〜8/2(日)
 〈ヤスクニズム〉とは、ダグラス・ラミス氏(沖縄国際大学教員)が日本の保守派の軍国時代のロマンを「靖国(ヤスクニ)+イズム=ヤスクニズム」として、ドイツの「ナチズム」と比して皮肉った造語です。つまり、私たちの日常に潜む「国家主義、国家暴力」と言いかえることができるのです。10年をかけ完結した洪成潭の連作〈靖国の迷妄〉―その巨大な絵画ひしめく圧巻の展示を軸に、トーク、詩の朗読、パフォーマンス、映画上映等をおこないながら、東アジアの歴史的課題〈ヤスクニズム〉を浮き彫りにしていくプロジェクトです。芸術と運動があわせてその力を花開かせたとき、「靖国史観」を凌駕する「私たちの東アジアの歴史」が始まるのではないでしょうか。みなさまのご支援・ご協力をお願いします。(東アジアのYASUKUNISM 展実行委員会)(2015/07/20)


中国
「警官がやってきた」とメールした後行方不明に 中国での人権弁護士弾圧、アムネスティが釈放を訴え
 中国で多数の人権弁護士が行方不明となり、公安当局に拘束されている事件について、国際人権団体アムネスティは声明を出し、「習近平主席の「法の支配」を推進するという方針を台無しにするものだ。当局は、人権を守る仕事をしているというだけで拘束した人たち全員を、即時・無条件に釈放すべきだ」と訴えている。アムネスティは何人かの法律家が行方不明になる前後の模様を伝えている。例えば北京の弁護士、張凱(Zhang Kai)さんは7月11日朝、「警官がやってきた」とメールした後、消息が知れない、という。(大野和興)(2015/07/18)


反戦・平和
住宅関係3団体が共同声明 人間と住宅の破壊をもたらす安保法制(戦争法案)の廃棄を
 住宅と貧困の問題に取り組む市民団体・NPOが国会で審議中の安保法制の廃棄を求める声明を出した。国会では与党の強行採決によって16日に衆議院本会議で同法案は可決。通過したが、同時に市民の阻止運動は各地で盛り上がり、各分野ごとに自分たちの抱える課題とつなげながら反対「住まいの貧困に取り組むネットワーク」、「日本住宅会議」、「国民の住まいを守る全国連絡会」の三者が共同で行った。(大野和興)(2015/07/16)


農と食
中国研究グループ、インディカ米の品質向上に関わる遺伝子を発見
 中国の研究チームは、長粒のコメ(インディカ米)の品質を向上させる鍵となる遺伝子を発見したという2つの研究成果を発表した。コメの粒の長さやデンプンの密度に関する遺伝子で、インド型の品種の改良に役立つとしている。「サイエンス・メディア・センター」が配信した。論文は7月7日付けのNature Geneticsに掲載された。遺伝子組み換えイネの開発につながることが懸念される。(大野和興)(2015/07/11)


沖縄/日米安保
宮古市議会、怒号の中で採決強行 自衛隊ミサイル部隊配備要請の陳情
 対中最前線に位置付けられ、自衛隊ミサイル部隊の配備が進められようとしている宮古市で、宮古市議会が8日に自衛隊早期配備を求める陳情書を与党などの賛成多数で採択した。地元で自衛隊配備の反対運動を進めている「止めよう!「自衛隊配備」 宮古郡民の会」は「配備計画の内容が、市民にはもちろん、議員自身にも明らかになっていない状況の中で、市民に何の説明もなく、防衛省のシナリオ通りに進めようという結論ありきの市長の市政運営に同調する、議会での強硬な採決に傍聴席を埋め尽くした市民からは怒りの声が、次々に上がりました」と伝えてきている。地元紙『宮古毎日新聞』の報道から、自衛隊配備をめぐる地域の状況を追ってみた。(大野和興)。(2015/07/10)


核・原子力
安倍晋三首相とナレンドラ・モディ首相への国際共同アピール 核兵器転用を可能にする日印原子力協定阻止
 ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンなど安倍政権の原発輸出に反対している市民団体が、日印原子力協定締結反対に向けた団体署名に取り組んでいます。「秋に安倍首相が訪印し、日印原子力協定締結に向けた交渉が行われるとみられます。原発輸出だけでも言語道断な行為であるのに、核保有国に再処理を認めるこの協定は、なんとしても阻止しなければなりません」と市民団体は訴えている。(大野和興)(2015/07/06)


農と食
日本のODAも関与するモザンビーク農業開発と現地農民
 モザンビークでは、「土地と自由を取りもどす」ことをスローガンに植民地支配からの独立運動を農民たちが闘い、苦難の末に独立を達成すると、農民はふたたび土地を耕し、懸命に食料を生産してきました。しかし、近年、日本政府による開発援助ODA)を含む農業投資による土地収奪(ランドグラブ)が、深刻な影響を及ぼし、大豆生産のための大規模な土地収奪が加速化しています。そのモザンビークから3人の農民代表が来日、土地収奪の現状などお聞きします。(2015/07/06)


反戦・平和
日本消費者連盟等、消費者・生活者の立場から安保法制反対の声明
 国会で審議中の安保法制に反対する声明、決議がさまざまの団体から相次いで出されている。日本消費者連盟は「消費者・生活者9条の会」と連名で、くらしの場から安保法制の廃案を求める声明を発表した。同声明は「戦争を前提とする国家になるということは、憲法が定める基本的人権、幸福追求権や健康で文化的な生活をする権利を大きく制限することにつながります」として、消費者・生活者の日々のくらしが危うくなることを警告している。(大野和興)(2015/07/01)


反戦・平和
「県内9市町、自衛官募集に名簿提供」(佐賀新聞) これは実質的な徴兵名簿では
 佐賀市など佐賀県内9町村が本年度18歳になる市民の氏名や住所などの個人情報を載せた名簿を作成し、自衛隊佐賀地方協力本部に提供していたこ。佐賀市は個人情報保護法や自衛隊法を参照して「法的に問題ない」と説明、来年度以降も協力を続ける方針。6月30日の佐賀新聞が報じた。これは実質的な徴兵名簿ではないのか、という疑念がわく。(大野和興)(2015/07/01)


憲法
「権力はかくも暴走する」 神奈川新聞が異例の対応、百田発言に対して「社説速報」
 神奈川新聞が明日27日紙面に掲載する掲載する社説を「速報」とのクレジットを付け、前倒しで電子版に掲載した。「沖縄二紙をつぶせ」という自民党本部での作家百田尚樹氏の発言に、危機感溢れる社説である。「民主主義に対する為政者の反逆は既に始まり、加速している」で社説は締めくくられている。(大野和興)(2015/06/26)


憲法
百田氏発言をめぐる沖縄タイムス・琉球新報共同抗議声明
 政府に批判的な沖縄二紙は叩き潰せ、と自民党本部で語った作家百田尚樹氏発言に、26日沖縄タイムスと琉球新聞が編集局長名で抗議声明を発表した。声明は「沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する」という言葉で締めくくららている。(大野和興)(2015/06/26)


憲法
自民若手言論弾圧議員集団「文化芸術懇話会」名前一覧
 言うことを聞かないマスコミは広告を止めて締め上げろ、経団連に申し入れだ、そうだそうだ、などと愚劣なオダを上げた「文化芸術懇話会」メンバーの名前。すでにツイッターで広がっている。(大野和興)(2015/06/26)


憲法
「マスコミを懲らしめるには広告料を締め上げろ」などといった自民党若手議員諸氏の名前
 25日に開かれた自民党若手議員の文化芸術懇話会で、言論を抑圧せよという威勢のいい意見が噴出、ついには政府批判する「沖縄二紙はつぶせ」という極論まで飛び出した。それらに発言をした自民党議員の一部の名前と発言内容を朝日新聞電子版が報じた。忘れないで、次の選挙で落とさなければならない。(大野和興)(2015/06/26)


反戦・平和
「政府を批判する沖縄二紙はつぶせ」 安倍首相のお友達、作家の百田尚樹、自民党若手議員をけしかける
 安倍首相のお友達で、そのひきでNHK経営委員も務めた作家の百田尚樹氏が25日、自民党若手議員の勉強会で行った講演で言及した沖縄に関する言説が自民党を揺さぶっている。「基地周辺の住民は金目当てで移り住んできた」などと発言したあと、「(政府に批判的な)沖縄の二紙はつぶさなければいけない」など公然と言論弾圧を口にし、安倍フアンの自民党若手議員から「そうだ」などの声が飛び、拍手喝采だったという。さすがに自民党内でもまゆをしかめる人も出てきて、つぶす対象となった二紙の内の一つ、沖縄タイムスは26日の電子版で「百田尚樹氏暴言で江渡前防衛相が謝罪」と速報を出した。(大野和興)(2015/06/26)


反戦・平和
「国旗掲揚や国歌斉唱を求めるのは国粋主義的だ」 大城肇琉球大学長が政府方針を批判
 下村博文文部科学相が16日に全国の国立大学長に入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請したことについて、琉球大学の大城肇学長は24日の定例記者懇談会で、個人的見解としたうえで、国が大学にグローバル人材の育成を求める一方で、国旗掲揚や国歌斉唱を求めるのは国粋主義的だ」と批判、「当分は棚上げしたい」との方針を示した。(大野和興)(2015/06/25)


反戦・平和
【6月22日(月)の「安保法制」特別委員会 参考人質疑】集団的自衛権問題研究会ニュースから
6月22日に開かれた衆議院「安保法制」特別委員会での参考人質疑の詳報を、【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第8号】から紹介します。新聞などでも報道されていますが、こうしたまとめを読むと、安保法制の問題が実によくわかります。参考人の一人、小林節さん慶應義塾大学名誉教授・弁護士)は「この戦争法案は違憲であり、政策としても愚かであり、廃案にすべき」と明確の述べているのが印象的です。その一方で、9月27日までの95日間という史上最長の国会延長が決定されてしまいました。何が何でも法案を通そうということです。維新の党は23日に予定していた「対案」の正式決定を来週以降に先送りすることを決めました。(大野和興)(2015/06/23)


農と食
実験用マウスを用いた、家畜飼料中の薬品の残留調査結果 マウスのガン発生率が高くなった
 フランスの研究チームは、実験用マウスを用いて、家畜飼料中の農薬、金属、工業用薬品などの残留物を分析し、汚染状況について調査しました。その結果、一般に流通している飼料の残留物によって、マウスのガン発生率が高くなるため、飼料の利用はやめるべきであると主張しています。また、汚染濃度は米国やヨーロッパで用いられている基準値より下回っていることがわかったとのことです。(サイエンス・メディア・センター)(2015/06/23)


市民活動
第6期沖縄意見広告運動 関東報告集会開催のご案内
 沖縄意見広告運動は第6期を迎え、今年も全国紙(朝日新聞と沖縄2紙(沖縄タイムスと琉球新報)に6月14日に全面広告を出しました。また4月にはワシントンポスト電子版オピニオンのページにバナー広告を出しました。6月21日、ガバン・マコーマック氏(オーストラリア国立大学名誉教授)をお招きし、報告会を開催します。(大野和興)(2015/06/18)


市民活動
6月20日午後、小森陽一さんを迎え「くらしと憲法」の講演会 日本消費者連盟
安倍政権が憲法九条を勝手な解釈によって捻じ曲げ、労働や生活、農と食の営みといった人びとが生きていく基盤さえも壊しながら戦争への道を猛進する現状に、私たちは強い危機感をもっています。この暴走をくいとめるためには、憲法を知り、くらしの現場で憲法を使うことが大切です。「九条の会」事務局長で東京大学教授の小森陽一さんに、憲法がくらしとどのように関わっているのかお話しいただき、私たちに何ができるか考えます。(日本消費者連盟)(2015/06/18)


沖縄/日米安保
宮古島市長下地敏彦さま「宮古島への自衛隊ミサイル部隊の配備を止めてください!」 止めよう!「自衛隊配備」宮古郡民の会
・・・のどかな牧場が弾薬庫に、マンゴー畑が射撃訓練場に、静かな浜が水陸両用戦車の訓練場に変えられてしまう計画です。宮古の命の水、地下水の水源流域に、基地ができる・・・。琉球弧の島々は、軍事要塞とされてしまいます。「止めよう!自衛隊配備」 宮古郡民の会」が宮古市長宛ての署名運動を呼びかけている。(大野和興)(2015/06/18)


環境
リニア新幹線工事現場で希少動植物を続々確認 長野・大鹿村釜沢でも16種
 長野県がJR東海に求めたリニア新幹線建設に伴う希少動植物についての追加調査の結果がまとまり、6月12日に公表された。それによると、作業用トンネルが掘られる長野県下伊那郡大鹿村釜沢で、絶滅の可能性がある動植物16種があたらに確認された。しかし、建設主体のJR東海は工事計画などの変更は考えていないとしている。(大野和興)(2015/06/17)


TPP/脱グローバリゼーション
欧州議会、TTIP採決を延期
欧州&米国版のTTPであるTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)に関する欧州議会での採決が延期に。 協定にTTPでおなじみのISD条項(国家対投資家間の紛争処理条項)含まれており、この条項への懸念広がっているため。(大野和興)(2015/06/11)


反戦・平和
12日に山崎拓氏、亀井静香氏、武村正義氏、藤井裕久氏、古賀誠氏、安保法制反対の声明を発表
2015年6月12日 13:00〜 14:00 山崎拓氏、亀井静香氏、武村正義氏、藤井裕久氏、古賀誠氏 ら自民党幹事長経験者はじめ5人が安保法制に反対する声明を発表する。(大野和興)(2015/06/10)


反戦・平和
自民・村上衆院議員が日弁連「安保法制反対集会」で自民党執行部を「あまりに傲慢」と批判 「民主主義の危機、ファシズムの危機」と警鐘
 日弁連が主催して10日に開かれた「安保法制に反対する集会」に自民党の村上誠一郎衆院議員が出席、自民党執行部を「あまりにも傲慢」と批判、「私がいちばんいま危機を感じているのは、民主主義の危機、すなわちファシズムの危機であります」と警鐘を鳴らした。ニュースサイト「弁護士ドットコムNEWS」から、その全文を紹介する。(大野和興)(2015/06/10)


反戦・平和
「菅さん、たくさんいるって誰なの?」「それは3人です」と若手弁護士の会
 「明日の自由を守る若手弁護士の会」というサイトがおもしろい。最近のトピックスは、菅官房長官が「(安保法案について)「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と発言した件。衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者が、自民・公明推薦の長谷部恭男早稲田大学教授を含め、そろって「安保法案は違憲」と発言したことを受けての記者会見での言葉だ。早速若手弁護士がリストアップしたところ、どう頭をひねっても3人しか出てこなかった。(大野和興)(2015/06/08)


人権/反差別/司法
国連司法委員会、囚人の人権改善にマンデラルール
 国際人権団体アムネスティ国際ニュースによると、国連犯罪防止刑事司法委員会は5月22日、囚人の処遇に関する国際基準を成立以来60年ぶりに大きく改正することを決定した。この決定は、囚人の人権を尊重する新たな時代の幕開けとなるだろとアムネスティは見ている。(大野和興)(2015/06/06)


TPP/脱グローバリゼーション
「TPPは人権を破壊する」 国連人権委員会の専門家グループが懸念を表明
 国連人権委員会専門家グループは6月2日、現在グローバルに進められている二国間、多国間の貿易・投資協定は先住民、少数者、高齢者、障害を持つ人びとなど社会的弱者の権利を侵すことなるとして憂慮を表明した。同専門家グループは具体的に生命、食料、水、衛生、健康、住居、教育、科学・教育、労働条件、司法の独立、環境、強制移住をさせられない権利など人びとの生きる権利が損なわれる懸念があるとしている。(大野和興)(2015/06/06)


農と食
バター不足、背後に日本酪農の空洞化 国際需給見通しも楽観許さず
 国産バターの品薄が続き、農水省は5月27日にはバター1万トンの追加輸入を発表しました。乳製品は値上がりし、学校給食費値上げにまでつながる事態になっています。その背景には、生乳の低価格と自由貿易協定による酪農の先行き不安です。酪農家戸数も生乳生産量も減り続けているのです。国際需給も新興国の需要拡大などを受け、中長期的には価格上昇が予測されています。専門家の間では「買いたくても飼えない状況が出てくる」という指摘が出ています。(大野和興)(2015/06/03)


TPP/脱グローバリゼーション
迷走気味のTPP交渉 漂流へあと一息
 TPP(環太平洋経済連携協定)をめぐる交渉が迷走気味だ。グァムで開かれていた交渉参加12カ国の首席交渉官会議は5月27日に12日間という長丁場の会議を終えたが、その後の日程は空白のままだ。当初のシナリオでは引き続いて閣僚会議を開き、政治的決着を図るはずだったが、開催は延期されたままだ。迷走の直接的要因は、大統領に通商の一括交渉権を与えるTPA法案の米議会での成立のめどが見通せないからだ。TPA法がない場合、米国政府が交渉で合意しても、米議会で覆される可能性があることから、交渉参加国は米国との合意には応じない姿勢を見せており、交渉は足踏み状態が続くことになる。TPP阻止の運動にとっては、あと一息で交渉を漂流させる可能性が出てきたことでもある。(大野和興)(2015/06/02)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
「遺伝子組み換え作物の圃場試験要請は取り上げないで」 日本消費者連盟ら58団体が北海道知事に申し入れ
 北海道で今年4月、「北海道農業者の会」を名乗るグループが北海道立総合研究機構に遺伝子組み換え(GM)作物の圃場試験実施を要請する文書を提出した(本誌既報)件に関し、特定非営利活動法人日本消費者連盟と市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は29日、58団体の賛同署名を添えて、高橋北海道知事と道立総合研究機構長に対し、同要請を取り上げないよう文書で申し入れた。「申し入れ」は、もし道内でGM作物の圃場試験が行われるようなことがあれば、北海道産の作物の安全性に対する懸念が生まれ、北海道農民がもっとも被害を受けると指摘、総合研究機構には今後の対応方針を質問している。この申し入れに対する賛同団体は生協や市民グループ、環境や社会問題に取り組むNGO、農民団体など幅広い分野にわたっている。(大野和興)(2015/05/30)

人権/反差別/司法
「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律(案)」に対しヒューマンライツ・ナウが声明
 民主党.社民党および無所属の議員が「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律(案)」を5月22日に(以下「法案」という)を参議院に提出した。戦争法制などの審議に隠されて話題になっていないが、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは日本における人種差別撤廃の第一歩として歓迎の声明を発表した。同時に、法案では何を持って差別と見なすか、「差別]の定義が曖昧であったり、具体的な人権侵害の救済については、法案の規定では十分とはいえない面があることを指摘、救済機関として、政府から独立した国内人権機関の設置を速やかに検討すべきでなどいくつかの改正点を提案している。(大野和興)(2015/05/29)


沖縄/日米安保
普天間新基地建設に抗議、1万5千人が国会を取り囲んだ
24日午後、普天間新基地基地建設に抗議、1万5千人が国会を取り囲んだ。参加者は青いシンボルカラーを身につけて人間の鎖を作り国会を包囲し基地建設に抗議した.(大野和興)(2015/05/24)


農と食
仏議会、大手スーパーの食品廃棄を禁止する法案を可決
 フランスの議会は5月21日、大手スーパーマーケットに対し売れ残った食品の廃棄処分を事実上禁止する法案を全会一致で可決した。5月22日のAFP通信が伝えた。(大野和興)(2015/05/24)


TPP/脱グローバリゼーション
米TPA法案を市民団体が批判 「議会の憲法上の貿易権限は奪われるだろう」
TPP(環太平洋連携協定)交渉妥結の前提となっている米国のTPA法案(大統領に貿易交渉の権限を一任する「大統領貿易促進言々法案」は、5月22日、米上院で可決され、審議は下院に移った。反対派が多い下院での審議は難航し、可決されるかどうかは不透明とされている。同時にTPP反対キャンペーンを繰り広げている米国の市民団体パブリック・シチズンの分析によると、同法案は2002年〜2007年のTPA、2014年の法案の焼き直しに過ぎず、米国議会の根強いTPA批判、現在も不透明な議会の情勢などから成立の可能性は低いと断じている。市民団体「TPPに反対する人々の運動」翻訳チームにより訳出されたTPA法案に対するパブリック・シチズンの分析を紹介する。(大野和興)(2015/05/24)


人権/反差別/司法
米国連邦裁判所、通話記録の大規模収集は違法 日本では盗聴強化の法案上程
 米国の連邦控訴裁判所は5月7日、国家安全保障局(NSA)による通話記録の大規模収集は違法との判決を下した。一方日本では盗聴法改正案が5月20日、国会に上程された。弁護士会などが「国家が市民を監視する盗聴社会の到来を招く危険がある」と反対している法案である。国際人権団体アムネスティは「これは米国の監視政策にとって大きな打撃である」と評価している。テロとの闘いを口実にいま世界各国で国民監視の体制が強まっているが、日本の盗聴法改正を含め、米国連邦裁判所の判決は影響を与えそうだ。(大野和興)(2015/05/20)


検証・メディア
間が悪いことに、オスプレイが墜落した日、読売社説は「安全」を強調
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが17日、ハワイ・オアフ島にあるベローズ空軍基地の訓練区域で訓練中に着陸事故を起こした。乗っていた22人のうち1人が死亡し、残る21人全員が病院に搬送されたという。同じ17日、読売新聞社説は「米軍オスプレイ 横田配備で即応力が向上する」と題する社説を掲げ、 (2015/05/18)


市民活動
TPP阻止、市民運動の動き
 米議会ではTPPの交渉権限を大統領に一元化するTPA法案が審議にかからず、停滞、TPP交渉の今後はコントを極めていますが、依然TPPが大詰めに差し掛かり予断を許さない状況にあることに変わりありません。今月15日から首席交渉官会合が始まり、米国議会でのTPA法案も行方が不透明な中、交渉参加12ヶ国は大筋合意を目指して閣僚会合を開催するのか先送りするのか見極めようとしているところです。そうした情勢を見据えながら、現在動いているTPP阻止のさまざまな動きを紹介します。(大野和興)(2015/05/14)


市民活動
戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会の行動予定
 安倍内閣は5月14日「安全保障法案」を閣議決定し、15日に国会に提出する。憲法を壊し、全世界へ自衛隊を出す、戦後日本の大転換に対し、それに反対する市民の側の動きもあわただしくなった。当面の運動情報をお届けする。(大野和興)(2015/05/14)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
北海道の一部グループ、遺伝子組み換え作物圃場試験解禁を要望 反発強める農民・市民団体
 北海道で電子組み換え(GM)作物の圃場栽培試験を求める要請が、50人の署名つきで道立総合研究機構に提出された(本紙既報)件について、国際的に遺伝子組み換え作物の推進をしている国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は国際てkな遺伝子組み換え推進キャンペーンの一環と位置づけ、力を入れている。4月30日に同事業団がパ発表した最新情報は、北海道の農業者グループがダイズ、トウモロコシ、テンサイについて圃場試験を要望している。こうした動きに対し、日本の食の安全を考える市民団体や農民団体は反発を強めている。(大野和興)(2015/05/13)


TPP/脱グローバリゼーション
米議会で審議中のTPA法案の概略 米国のTPP戦略と利害が前面に
 現在米国議会は上下院両院で、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉権限を大統領に一括して与えるTPP法案の審議を進めています。その概略を市民団体「TPPに反対する人々の運動」翻訳チームが翻訳しましたので紹介します。11ページに及び、法律と貿易用語と論理が満載の文章で、翻訳チームの苦労がしのばれます。一読すると、米議会のTPP交渉への透明性の要求は相当に厳しいものがあり、またTPPの目的についても米国の利害と地域の経済における覇権を前面に打ち出していることが分かります。(大野和興)(2015/05/11)


市民活動
「沖縄からのメッセージ」 辺野古新基地建設問題で日本平和学会が緊急集会
 日本平和学会が5月11日、東京都内で「沖縄からのメッセージ」を掲げて辺野古米軍基地建設問題で緊急集会を開催します。(大野和興)(2015/05/10)


市民活動
【秩父雑穀自由学校のご案内】
 アジア太平洋資料センター(PARC)が主宰する「自由学校」の一環で、農と食の現場に触れる催しをご案内します。秩父の里でアワ、キビ、ヒエ、高キビ、地種の大豆やインゲンなどを1年かけて作り、雑穀の地元料理を地元の方から学び、収穫した大豆で味噌をつくり、明治の農民反乱「秩父困民党蜂起」の足跡を歩き、代々の竹細工師さんからかご作りを教えてもらいます。地元のNGO「秩父まるごと博物館」が協力しています。(大野和興)(2015/05/09)


農と食
食料自給力とは何か その背景を考える
 農水省が食料自給率の達成目標を引き下げ、その代わりに自給力という考え方を出しました。聞きなれない言葉ですが、どういう意味なのでしょうか。背景を追っていくと、軍事安保とも絡むきな臭いにおいも漂ってきます。(大野和興)(2015/05/09)


国際
世界の歴史学者が安倍首相に公開書簡 「慰安婦」制度は20世紀の特筆すべき事柄
 世界的に著名な日本学、歴史学の187人の学者が、安倍首相に対し慰安婦問題を含む安倍政権の歴史の取り扱いと日本研究を歪曲させる試みを批判する書簡を送った。「日本の歴史家を支持する声明」と題された同文書には、ピュリツァー賞受賞者である米ニューヨーク州立大教授のハーバート・ビックス氏、ジョン・ダワー氏(米マサチューセッツ工科大教授)、エズラ・ボーゲ ル氏(米ハーバード大教授)、米国やヨーロッパ、オーストラリアなど世界で活動する学者たちが名前をそろえている。声明は米国東部時間の5月5日、韓国の聯合ニュースを通して配信されると同時に、安倍首相にも伝えられた。(大野和興)(2015/05/08)


核・原子力
トルコ・シノップで4万人が「日本は原発を輸出しないで!」と叫んだ!
 4月25日、トルコの原発立地予定地シノップに4万人の市民が終結し、『原発反対!』『日本は原発を輸出しないで!』と叫びました。シノップ市は、農漁業が盛んな、人口5万7000人の黒海沿岸の美しい町です。安倍政権はそこへの原発売りこみを図り、4月1日、トルコ国会は、シノップ原発についての日本との契約締結を承認しました。三菱とアレバが原発4基を建設。17年に着工予定とされています。チェルノブイリ原発事故の追悼記念集会がそのシノップで開催され、4万人が集まる大反原発集会になりました。ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンが伝える現地の模様です。(大野和興)(2015/05/05)


政治
安倍の米議会演説 米メディアでは驚くほど不評
 29日に行われた安倍首相の米議会での演説に対する米メディアの評価は驚くほど厳しい。APと米国の通信社マクラチー(McClatchy)のワシントン電を紹介する.(大野和興)(2015/04/30)


憲法
国立大学での国旗掲揚・国歌斉唱 大学人が反対署名を呼びかけ
 全国の学者・研究者を中心に国立大学での国旗掲揚・国歌斉唱に反対する声明と賛同署名を呼び掛ける運動が始まった。 安倍内閣が進めるこの事態は「日本における学問の自由と大学の自治を揺るがしかねない大きな政策転換」であり、「知の自律性を否定し、大学の役割を根底から損なうことにつながる」としている。署名は以下のサイトで出来る。(大野和興)(2015/04/29)


TPP/脱グローバリゼーション
米TPA法案、上院財政委が可決、来週にも本会議へ TPP交渉、一歩前進か
 米上院財政委員会は22日、通商交渉の権限を大統領に一任する貿易促進権限(TPA)法案を20対6の賛成多数で可決した。ロイターが伝えた。(大野和興)(2015/04/23)


TPP/脱グローバリゼーション
ルポ:NAFTA20年のメキシコの現実(3) トウモロコシとナショナリズム 大野和興
 メキシコシティから約80キロのところにあるアトラコムルコにバスで向かった。メキシコ中央部に位置するメキシコ州のトウモロコシ地帯である。ここも標高二五〇〇メートルの高地だ。畑はすべてトウモロコシで埋まっている。ちょうど収穫時期で、大きな袋を肩からさげて収穫する作業風景も見られた。(2015/04/21)


TPP/脱グローバリゼーション
ルポ:NAFTA20年のメキシコの現実(2) 貿易加工特区マキドーラの労働者たち 大野和興
 リオ・グランデ川を挟んでアメリカのテキサス州と向き合うメキシコ国境の都市、レイノーサ。人口約50万人のここは、広大なマキドーラの特区が展開する都市としても有名だ。(2015/04/18)


核・原子力
本紙記事:「放射能安全神話」の罠(落合栄一郎)をめぐる読者との対話
 本紙4月11日付の「『放射能安全神話』の罠 落合栄一郎」に対する質問が編集部に届きました。落合栄一郎氏から回答をいただきましたので、質問と合わせ紹介いたします。この論評は多くの方に読まれていますので、論評に内容をより深めてご理解いただくことができると思います。(本紙編集長 大野和興)(2015/04/16)


核・原子力
原子力規制委は再稼働審査の中止を 福井地裁の再稼働差し止め決定を受け、弁護団らが申し入れ
 福井地裁は14日、運転停止中の関西電力高浜原子力発電所3、4号機の再稼働を差し止める仮処分を決定した。決定は原子力規制委員会が再稼働許可を出した規制基準は多くの点において合理性を欠くと指摘している。この仮処分決定を受け、仮処分申立人と弁護団は15日、原子力規制委員会に対し、高浜原子力発電所3号機及び4号機に関する基準適合性審査の後続手続きを直ちに中止すること、すべての原発の基準適合性審査及び後続手続きを直ちに中止すること、を求める申し入れを行った。(大野和興)(2015/04/15)


TPP/脱グローバリゼーション
ルポ:NAFTA20年のメキシコの現実(1) 出稼ぎの村で 大野和興
 メキシコが米国、カナダと締結した北米自由貿易協定(NAFTA)が発足して20年に当たる2014年11月、メキシコに出かけた。NAFTAのもとで、メキシコの労働者や農民に何が起こっているかを取材するためである。NAFTAは世界的にももっとも早く動き出した自由貿易協定であり、安倍政権が参加を切望して交渉に臨んでいる環太平洋経済連携協定TPP(環太平洋経済連携協定)の原型ともいわれている。(2015/04/15)


農と食
安倍成長戦略と農政「改革」 大野和興
 2014年秋、村は米価の大暴落で始まった。コメどころ山形・置賜で百姓をしている友人の手紙から紹介する。(2015/04/06)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉の失敗は米国のアジアへのリバランス政策に戦略的敗北をもたらす
 世界的にも有名な米国のシンクタンク、ブルッキングス研究所の研究員ミレヤ・ソリス(Mireya Solis)氏がTPPに関して発表した論文を紹介する。同氏は東アジアの比較政治学、通商政策、日本外交と対外経済政策の専門家でブルッキングス研究所の前はアメリカン大学准教授を務めていた。この論文はTPP(環太平洋経済戦略協定)推進の立場から書かれたもので、TPPは米国にとって地政学的にきわめて重要な課題であり、交渉の失敗は米国にとって新興国市場や通商政策ばかりでなく米国の指導力を含む重大な戦略的な敗北をもたらす、と警告しいている。TPPは米国のアジアへのリバランス政策の(軍事的展開の方向転換に続く)第2段階となるものだと氏は位置づけている。TPPに関する米国のひとつの見方を示すものとして興味深い。日本の市民団体「TPPに反対する人々の運動」の翻訳グループの翻訳で紹介する。(大野和興)(2015/03/31)


TPP/脱グローバリゼーション
国内に植民地をつくる国家戦略特区 大野和興
 バラバラに解体した地域をもう一度、上から再編成しようという動きが出ています。同時に下からも、これでは生きていけないという動きが出て来ています。上からの地域の再編成、再統合の典型的な政策が、国家戦略特区として安倍成長戦略の柱という位置づけで進んでいます。(2015/03/25)


TPP/脱グローバリゼーション
世界社会フォーラム、チュニジアで予定通り開催 「市民運動は暴力とテロリズムに反対する」
 バルド博物館でのテロが発生したチュニジアで3月26日から同30日まで2015年世界社会フォーラム(WSF)が開催され、世界中から市民、活動家が集まる。テロを受け、一部で開催を危ぶむ声も出ていたが、WSF組織委員会は18日、直ちに声明を発表し、予定通り開催することを宣言した。(大野和興)(2015/03/20)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉 医薬品データ保護期間で対立、米国内でも強硬意見
 大詰めを迎えたかに見えるTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉だが、いくつかの難航分野がほとんど進展のないまま残されている。その一つが知的財産権の扱い。なかでも医薬品データの保護期間の問題。できるだけ短くして安い医薬品を国民に供給する体制を敷きたい開発国・途上国とできるだけ長く保護をして自国医薬品産業の利害を守りたい米国との対立は解けていない。そんな中、4人の米上院議員がオバマ大統領に宛て、米国に現在の基準である12年を断固守れと書簡を送った。市民団体「TPPに反対する人々の運動」ブログから同書簡を紹介する。この中で、TPP交渉で“12年間”を主張している米国が議会答弁では“7年間”としていることに製薬業界が怒っている様が、上院議員の書簡の中に見られる。(大野和興)(2015/03/18)


みる・よむ・きく
核災をうたう詩人の強靭な精神 ―詩集『わが大地よ、ああ』若松丈太郎― 大野和興
 南相馬の詩人若松丈郎さんが、3・11以後折にふれ書いてきた詩をまとめました。待ちに待った一冊です。どきどきしながらページを開きました。3・11からまだ間もない二〇一一年五月、若松さんは『福島原発難民』と題する詩集を上梓しました。若いとき東京で編集者として働き、福島に帰郷して評論や小説を書いていた友人に勧められ、一読して詩人の直感力と想像力に驚嘆し、戦慄さえ覚えたのを鮮明に記憶しています。若松さんの詩は、3・11以前に3・11後を細部まで予言していたのでした。(2015/03/16)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、知的財産権は創作活動を委縮させる 懸念を表明するプロたち
 知的財産権はTPP交渉で難航分野とされているものだが、その交渉実態はほとんど明らかにされていないなかで、国内でもさまざまな創作活動に影響を与えるという懸念が高まっている。3月13日には漫画家などでつくる市民団体が政府に「TPPは漫画や演劇の制作、上演など創作活動を委縮させる」として交渉状況の開示などを要求した。この問題に懸念を持つ専門家によって構成されている「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」は緊急声明を出して、保護期間の長期化、被害者の告訴なき起訴・処罰を可能にする非親告罪化、米国での知財訴訟の増大と賠償金および訴訟費用の高騰を招いた主因とされる「法定賠償金」の導入など多くの点に懸念を表明。「各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外して海賊版対策のような異論の少ない分野に絞り、さらに条項案を含む十分な情報公開を修正交渉が可能な段階におこなう」ことを強く求めている。以下「緊急声明」を紹介する。(大野和興)(2015/03/14)


地域
【Berita Press 秩父】ガラス8枚で65億円 秩父市、市庁舎・市民会館建設反対派を市行政から実質排除
 埼玉県秩父市で奇妙なことが起こっている。市民のかなりの層が見直しを求めている市庁舎・市民会館建設を随意契約で建設業者と結び、市議会も圧倒的多数で承認、これに対して反対派の五人の議員は市長不信任案を出して抵抗した。これに対し市執行部は不信任案に賛成した政党の機関紙購読を取りやめるよう市職員に勧告、さらに町会長連絡協議会「コミュニティ懇話会」の集まりで副市長が不信任案に賛成した五議員を通しての市への要望は取り上げないし、五議員は市の公式行事には招待しない、といってのけた。五人の議員が市役所の事務室にきても通路で応対し、衝立から中には入れるなという指示が出ているという話も聞く。いずれも市政への参加や請願権といった市民の権利を奪う対応であるという批判が市民の中から出ている。(大野和興)(2015/03/08)


農と食
国家戦略特区と農業(その3) 進む資本の農業参入 大野和興
 では農業の国家戦略特区に指定された区域ではどんな動きがあるか。2014年7月18日、新潟市を対象とする国家戦略特別区域会議の初会合が開催され、コンビニ大手のローソンがコメ作りで進出することが発表された。産業競争録会議で農業への外部資本参入の道を切り拓いてきた新浪剛史氏(サントリー・ホールディングス次期社長)が会長兼社長を務めていた企業である。ローソンはサラダ用の野菜などを栽培するローソン・ファームをすでに全国で19か所展開しており、農業進出では実績がある。新潟市では2014年中をめどに地元のコメ作り農家と農業生産法人を設立し、ローソンの店舗で扱うコメを生産する。(2015/03/01)


農と食
国家戦略特区と農業(その2) 消える“耕すものに土地を”の理念 大野和興
 長期的には今後、世界の食料は不足気味で推移するという見通しが有力だ。食料生産の基盤である土地と水を獲得することは巨大な利権でありビジネスチャンスだということになる。すべてを市場にゆだねる新自由主義グローバリゼーションのもとで、その土地が農民から引き剥がされ、外部の資本、それも巨大は多国籍資本の手に移転されつつある。国家戦略特区が農業の分野で進めようとしていることは、「農民から資本へ」という、いま世界で起こっている農業の主役の交代劇の日本的表れといえる。(2015/02/25)


沖縄/日米安保
健闘する沖縄メディア 墓穴掘る日米政府 「手錠を掛けたのは迷彩服を着た海兵隊員だった」
 米軍による市民の逮捕という事態を受けて、沖縄メディアが健闘している。琉球新報は23日、24日と連日、この問題を社説で取り上げ、24日には釈放された沖縄平和運動センターの山城博治議長との一問一答を掲載している。23日の社説では、同紙は「米軍が軍事最優先の牙をむき出しにして市民を拘束する異常事態が起き、新基地建設にあらがう民意の火に油を注いでいる」とし、このことが「日米両政府が望む米軍基地の安定使用を自ら掘り崩す転機となるかもしれない」と日米両政府に警告している。また山城議長との一問一答では、道路からずるずると「20〜30メートルぐらいかな、足を引っ張られ、立ったまま手錠を掛けられた。脚を引っ張ったのは米軍の警備員で、手錠を掛けたのは迷彩服を着た海兵隊員だった」と証言。24日の同紙社説は「刑事特別法を逸脱した人権弾圧だ」と指摘している。(大野和興)(2015/02/24)


政治
ネットで大うけ 安倍首相、予算委員会で西川農水相の疑惑追及議員に「日教組!日教組!」と野次
 19日の予算委員会で西川農水省が製糖業界から受けた献金問題をつ追及していた玉木雄一郎衆院議員(民主党)に対し、安倍首相が「日教組!日教組!」と野次を飛ばした件がネット上で話題になっている。その時の動画とtwitter上の書き込みを紹介する。(大野和興)(2015/02/20)


地域
全国でたった一人になった漆かき道具づくりの鍛冶職人 地元田子町で後継者育成
 日本の代表的な伝統技術ともいえる漆を採取するのに欠かせない「漆かき」の道具を作る鍛冶職人は。全国でただ一人。青森県田子(田子)町の中畑文利さん。71歳のご高齢の上に病気を抱えているが、その技術を受け継ぐ後継者は育っていない。危機感を持った田子町は後継者を求めて全国募集にのりだし、日本うるしかき技術保存会でも経済的支援の始めた。岩手日報2月19日号が報じている。(大野和興)(2015/02/19)


農と食
国家戦略特区と農業(その1) ねらいは農業と資本の関係の再編成 大野和興
 安倍経済成長戦略の柱に国家戦略特区というのがある。労働や医療など市民生活に密着した分野で思い切った規制緩和を行い、「世界で最もビジネスがしやすい」国をつくるというのがうたい文句だ。現在、国家戦略特区に指定されているのは東京圏、関西圏、新潟市、兵庫県養父市、福岡市、沖縄県の六ケ所。このうち新潟市と養父市が農業を対象とした特区である。(2015/02/15)


沖縄/日米安保
辺野古新基地建設 日本政府、サンゴ礁を破壊し、暴力で抗議を封じ込める
 沖縄・辺野古の海では新基地建設工事でサンゴ礁がこわされ、抗議の人々に海上保安庁や警察による暴力的取り締まりが続いている。その中で沖縄県はサンゴ礁破壊に向けて工事停止も視野に置いた動きを見せている。以下、現地からのtwitterや新聞報道から。(大野和興)(2015/02/11)


政治
湯川さんと後藤さんを殺したのはだれか 安倍首相は二人を捨て駒にした
 いったい誰が湯川遥菜さんと後藤健二さんを殺したのか。「残虐なテロは許せない」などと言った枕ことば無しにして、この事件が持つ意味を二つの側面から考えてみる。ひとつはイスラム国あるいはイスラム過激派はなぜ生まれたのか、二人が殺害されたバックグランドからアプローチする。もうひとつは、なぜ二人は殺されねばならなかったのか、その直接的な要因を探る。(大野和興)(2015/02/07)


沖縄/日米安保
銃剣とブルドーザー 沖縄「島ぐるみ闘争」の原点を振り返る 大野和興
 辺野古新基地建設をごり押しする日本政府に対し、いま沖縄は文字通りの島ぐるみ闘争を繰り広げている。日本の食糧を米国の余剰穀物に依存する体制をつくる契機となったMSA協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定)が動き出した1954年。米軍占領下の沖縄では、命懸けの土地闘争が農民によって闘われていた。沖縄の闘争に原点を紹介する。(2015/01/31)


中国
香港:「民主的自決権」の主張
 1月14日、香港政府の梁振英行政長官が今年の施政報告を行いました。民主派の議員は黄色い雨傘を掲げて抗議の意味を込めて退場しました。梁行政長官は施政報告の説明で、香港大学学生会の機関誌『学苑』2014年2月号が「香港民族 命運自決」と題する特集を組んで、そのなかで香港独立を主張したと厳しく批判しました。これに対しては「言論抑圧だ」という批判もでています。香港独立を巡っては、雨傘運動の中でも中国嫌いの排外主義者らが盛んに主張していました。以下は雨笠運動の理論家區龍宇氏による「独立を目指さない自決権について」の論考です。「民主的自決権派」という立場から今回の問題を論じています。(翻訳:稲垣豊)(2015/01/24)


中東
親イスラエルに走る安倍外交も一因か イスラム国邦人殺害予告事件
 イスラム国に日本人誘拐事件と絡んで、親イスラエルに走る安倍外交の不手際を批判する声が高まっている。東京新聞1月22日号は、「邦人殺害警告、背景は」として「イスラエル接近、一因か」という沢田千秋記者の解説記事を掲載した。またパリ在住のジャーナリスト、コリン小林さんは1月20日付けの日本の市民団体に宛てたメールで「昨日のニュースで、安倍−ネタンヤフ会談で、<テロとの戦争>協力・連携の強化という声明は最悪のパターンで、これはこれは酷いことになると、案じた矢先に、「イスラム国」が日本人2人を人質に取ったとの新たなニュースです。」と述べている。(大野和興)(2015/01/23)


コラム
【編集長妄言】(再録) 花や果樹をつくったら「非国民」の時代があった 大野和興
 戦後70年が経ちました。1940年、皇紀2600年生まれで、敗戦前後の飢餓の時代を山村で過ごし、多くの同世代が栄養失調で死にました。農業記者としてむらを歩き始めてほぼ50年が過ぎました。むら歩きを続ける中で、いろんな方と出会い、話を聞きました。いまの印象に残っているのは、戦争最中の農村、いわゆる銃後農村の話です。(2015/01/05)


中国
香港、最後の占拠(オキュパイ)の夜、座り込んだ人びと々の思いは
 香港のオキュパイ運動は、香港市民、そこに座り込んだ人たち、に何を残したのか、これから何が始まるのか、この運動の意味を問い直す作業が始まっている。多くの人がさまざまな形で自身の思いを伝える作業も始まっている。以下は、香港紙「明報」2014年12月21日の日曜版に掲載された中文大学政治行政学部講師の周保松さんの、金鐘オキュパイ最後の座り込みに参加した体験記である。周保松さんは良識あるリベラリストとしてこの運動に参加した思いをたんたんと綴っていて感動的ですらある。ATTAC−Japanの稲垣豊さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2015/01/02)


労働問題
香港のユニクロ関連会社でストライキ 警官隊導入の事態も
 ユニクロに製品を供給している香港の縫製工場で労働条件をめぐりストライキが発生、12月18日朝、警察が工場に突入し、労働者代表を逮捕し、労働者には製品をユニクロに出荷する事態に発展している。問題の会社は香港資本のアーティガス社で、現在1000人の労働者がストライキに参加している。同社は長年、労働者に社会保険などを提供してこなかった。その上最近、工場閉鎖をし、工場移転をするという疑いがでてきている。こうした事態を受け、香港小売・商業・衣料品製造一般組合(RCCIGU)は中国ユニクロとユニクロ本社にあて、アーティガス社に団交に応じ、誠意をもって対処するよう監督してほしいとの申し入れを行っている。多国籍企業の調査を行っている横浜アクションからの情報をもとにお伝えする。(大野和興)(2014/12/20)


政治
自公圧勝 「だが改憲は遠のいた」と産経紙が分析する安倍選挙の裏側
 衆院選挙は自公の圧倒的勝利に終わった。15日付各紙は選挙結果の解説で溢れたが、その中でもっとも面白かったのは産経の記事だとネットでは評判を呼んでいる。「衆院選は自公で3分の2超の議席を得たが、憲法改正は遠のいた。任期4年で改憲勢力をどう立て直すのか。勝利とは裏腹に安倍の表情は終始険しかった。」というのだ。理由は維新や次世代など改憲勢力仲間の退潮。14日午後10時すぎ、安倍首相は民放番組で「衆院選という、政権選択の選挙で信任をいただいた。アベノミクスは道半ば。慢心せずに丁寧に政策を進めていきたい」と語った上で憲法改正にも触れたが、次期参院選で改憲勢力が3分の2を獲得できる道は逆に遠のいたというのだ。(大野和興)(2014/12/15)


市民活動
■【案内】国際有機農業映画祭2014 12月14日(日)武蔵大学江古田キャンパスで
  8回目となる国際有機農業映画祭2014は、会場を武蔵大学に移 (2014/12/06)


市民活動
●日消連「憲法を考える夕べ」● 11月10日 アーサー・ビナードさんが語る憲法講演会
≪11月10日 アーサー・ビナードさんが語る憲法講演会のご案内≫ 〜アーサー・ビナード憲法を語る〜「ニッポンの武器を買いましょう!」(2014/11/05)


環境
リニア新幹線、沿線住民が工事認可取り消しを求めて異議申し立てへ
 リニア新幹線沿線住民ネットワークは、国土交通省によるリニア工事認可処分に対し、行政不服審査法に基づく審査請求(異議申し立て=処分取り消し)を統一して行うこと決め、申し立て署名に入った。署名の締め切りは12月10日。国土交通省がリニア中央新幹線の工事着工を認可したのは10月17日。以後、年明け着工をめざし、事態は急速に展開している。(大野和興)(2014/11/03)


政治
オランダ国王、宮中晩さん会で「歴史の継承」に言及 日本メディアは無視
 国賓として29日に来日したオランダのウィレム・アレクサンダー国王夫妻を歓迎する天皇主催の宮中晩餐会 で、アレクサンダー国王が「先祖が残した誇らしい歴史もつらい歴史も全て継承すべきだ。第2次世界大戦当時、オランダの民間人と兵士が体験したことを忘れずにいる。忘れることもできない」と述べたことを、日本のメディアは報じなかった。この発言を報じた韓国最大の新聞である『朝鮮日報』は31日の電子版で「第2次大戦当時、日本軍はオランダの植民地だったインドネシア(当時は東インド)を占領し、オランダの兵士と民間人約10万人を収容所に監禁し、民間女性 を慰安婦として強制動員したことを指摘したものだ」と解説した。(大野和興)(2014/11/02)


TPP/脱グローバリゼーション
グローバル化のなかの農と食−アジアを舞台の考える(その2) アジアを覆う自由貿易・経済連携網 大野和興
 アジアでは交渉が現在進行形のものを含め自由貿易網が網の目のように張り巡らされています。それが域内の農と食にどのような影響をもたらしているか。ASEAN(東南アジア諸国連合、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)に視座を置いて見ていきます。アジア地域のFTA(自由貿易協定)は、真ん中にASEANがあり、中国、韓国、日本の3カ国、さらにはインド、オーストラリア、ニュージーランドいった西アジアや太平洋諸国に拡大しているからです。こうした状況の中で、アジアの人びとの足元ではなにが起こっているのでしょうか。タイと韓国を例に見ていきます。(2014/10/13)


TPP/脱グローバリゼーション
グローバル化のなかの農と食−アジアを舞台に考える(その1) 北米自由貿易協定(NAFTA)の教訓 大野和興
 いま世界は多重多層な自由貿易網で覆いつくされようとしています。世界中の国が集まり、いっせいに貿易自由化を進めるWTO(世界貿易機関)の交渉は長く休止状態にありますが、それれに替わって一定の地域内、あるいは二国間の自由貿易協定(FTA)は網の目のように広がっています。貿易といってもモノ(商品)だけではありません。お金(資本)が儲け先を求めて、世界を自由に行き来しています。この世界を覆うグローバリゼーションが農業や食べ物になにをもたらすのかを見ていきます。(2014/10/12)


中国
香港 政府の手先の暴力団が動き出したと活動家が警告
 香港民主派の「オキュパイ・セントラル」運動は、街頭占拠を続ける学生らに対する暴力行為が目立ち始めた。4日夜、香港とスカイブで結んでラディカル民主派の活動家區龍宇(au loong-yu)さんの話を聞いた。オキュパイ運動の立ち上げから関わってきた區龍宇さんは、3日夜から香港と中国政府の息のかかった暴力集団(マフィア)が動き出したと話した。以下、「インターナショナル・ビューポイント」に掲載された「暴力団」によるオキュパイ運動への攻撃に関する區龍宇さんの4日付の報告を紹介する。(大野和興)(2014/10/05)


社会
アジア宗教者平和会議でヘイト・スピーチから市民を守る法の制定提案
 8月初めに韓国仁川市で開かれた世界宗教差平和会議のもようが新宗教新聞9月25日号に出ている。この会議で採択された仁川宣言は信教の自由や核(原子力)への警鐘と合わせ、ヘイト・スピーチから市民を守る反差別・反中傷法の制定が提案されている。(大野和興)(2014/09/28)


環境
リニア新幹線は認可してはならない 自然保護協会が意見書
 リニア中央新幹線の環境影響評価の補正評価書が公告縦覧されたことを受け、日本自然保護協会は9月12日付で国土交通、環境の両関係大臣とJR東海に意見書を出した。同意見書は、補正評価書はきわめて不十分であり、国土交通省は事業を認可してはならないと警告している。(大野和興)(2014/09/14)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
米国で遺伝子組み換え食品表示を求める市民運動が盛り上がる
 米国で遺伝子組み換え食品の表示を求める市民の動きが盛り上がっている。ネットメディア、バイオ・ジャーナルが伝えるその一端。(大野和興)(2014/09/11)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(3) イラク戦争検証ですべてが見えてくる 谷山博史
 本当にいいたいのはイラク戦争のことです。イラク検証をきちんとやることで、問題がみんの前に明らかになるし、そのなかから運動も出てくるのではないかと思っているのです。いいかえれば、日本はイラク戦争のような戦争に参加しないと言い切れるのか。このことをきちんと問いつめないと、集団的自衛権の行使を含めた武力行使の容認といっても、リアリティを普通の人は感じない。日本や日本人が攻撃されたときに日本人それを守るのだから容認も仕方ない、というような感情論に訴える言い方がかなり国民の間に浸透してますよね。しかし、ひとたび武力行使を認めればアメリカが主導したイラク戦争のようなものにも参加従軍し、日本と関係のない国の住民を殺し、日本の若者も殺されるという現実性がきわめて高いのだということをどうやって伝えられるか。だからこそ私たち国際協力NGOと市民団体はイラク戦争検証を繰り返し訴えてきたのです。(聞き手:大野和興)(2014/09/08)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(2) クリニックが米軍に占拠された 谷山博史
 谷山さんは9・11翌年から、まだ戦火が続くアフガニスタンに駐在していた。農村部のクリニック支援、女性教育、村でお産を仕切る伝統産婆さんのサポートなど、米軍の爆撃にさらされる人びとを支援する活動を立ち上げた。常に危険と紙一重のところでの活動だった。クリニックが人道支援を標榜する米軍に占拠されたり、近くに爆弾が落とされたこともある。非武装のNGOにとって、身を守る武器は人びとの信頼しかないことを身をもって理解した。一度武器を使えば、それは我が身に跳ね返り、紛争は連鎖反応的に拡大する。(聞き手 大野和興)(2014/08/18)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(1) 地元社会の信頼こそが究極の安全対策 谷山博史
 安倍首相はなぜ集団的自衛権が必要なのかと問われ、大きな理由として在外邦人の安全確保をあげている。そのために自衛隊の海外出動が本当に必要なのか。かつては内乱のカンボジアで、エチオピアで、アフリカの難民キャンプで、そして今もパレスチナで、スーダンで、アフガニスタンで、イラクで人道支援に活動する国際協力NGO日本国際ボランティアセンター(JVC)の代表理事谷山博史さんに聞いた。谷山さんは「僕たちはそもそも自衛隊に守ってもらうなんてことは想定していません。武力に頼ることは逆にNGOスタッフも企業の社員も危険に陥れることになる」と語り、安倍政権の、日本人救出に武装した自衛隊員が活躍する“美し物語”を批判する。(聞き手 大野和興)(2014/08/17)


バングラデシュ:今も続く低価格競争のなか、縫製工場の労働者搾取と人権侵害は続いている
東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ( HRN)の調査によると、2013年4月24日、バングラデシュで起こった縫製工場事故の後も、縫製工場労働者の置かれた労働環境、人権状況は依然劣悪、深刻で、縫製工場の搾取的労働が今も続いていること、その背後にはバイヤーである欧米等のアパレル産業が、 ラナプラザ事故後も、熾烈な低価格競争の犠牲を生産現場に強いているという実態があることが明らかになった。この事故で首都ダッカ近郊のシャバール(サバール)の縫製工場の入った8階建てビルのラナプラザ・ビルが倒壊し、1100人以上の縫製工場労働者が犠牲となり、2500人 以上が負傷、さらに200人近くが行方不明となった。HRNはこの調査をもとにバングラディシュ政府など関係先に事態改善のための勧告を行っている。同声明を紹介する。(大野和興)(2014/08/16)


検証・メディア
慰安婦報道を検証した朝日新聞をめぐる批判・中傷言説は国際社会に通用しない 「女たちの戦争と平和資料館」が意見書を公表
 朝日新聞は8月5日・6日、同紙が報道してきた従軍慰安婦問題についての検証結果を公表、強制連行に関連する一部記事を取り消した。これに対して自民党石破幹事長ら一部政治家や読売・産経新聞などが慰安婦問題はこれで消えたともいえる言動をまき散らしている。従軍慰安婦問題に取り組んできたアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)は、8月10日、この問題をめぐるメディアの一連の報道や政治家の発言などについて要請文を公表。要請文は内閣総理大臣、関連する発言をした公人、メディア各社に送付された。wanはこの要請文で、問題の本質は「強制」にあるのではなく「、被害者の意思に反して行われたそうした行為はいかなるものであれ、締約国の直接的な法的責任をともなう人権侵害」であるとして国連自由権規約委員会の勧告を引用しながら、「国際社会が問題視しているのは暴力的な連行の有無ではなく、「被害者の意思に反して行われた」行為なのです」と指摘。こうした朝日新聞への批判、中傷は国際社会にはまったく通用しないとしている。(大野和興)(2014/08/11)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】暴走する“時代錯誤”(3) オルタナティブな安全保障思想を 前田哲男
 前田哲男さんインタビューの最終回は「これから」についてお聞きした。解釈改憲の行きつく先には、やはり解釈の変更による選択的徴兵制があるかもしれないと前田さんは警告する。その上で、1993年に「平和基本法の制定を提唱された前田さんは、「いまこそオルタナティブな安全保障の思想、モデルをつくり、どちらがいですかと提示することが大事です。そういう作業に市民はもとより若い憲法学者、政治学者が加わってくことを期待したいところです」と結んだ。(聞き手・構成 大野和興)(2014/08/11)


核・原子力
ブラジルで安倍首相を出迎えた「日本ブラジル原子力協定反対」の横断幕
 7月31日から8月2日にかけてブラジルを訪問した安倍首相を「日伯原子力協定」反対の運動が出迎えた。2日に開催された日系団体主催歓迎会の会場となったブラジル日本文化福祉協会には多くの人たちが集まっていただ、その中には両国の原子力協定反対の横断幕を掲げたグループもいた。(大野和興)(2014/08/09)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 暴走する“時代錯誤”(2) 太平洋国家アメリカのジレンマ 前田哲男
 軍事ジャーナリスト前田哲男さんへのインタビューの第2回。前回は安全保障という考え方を第1次世界大戦までさかのぼって解明。その教訓の上に第2次大戦後の世界が築いてきた平和のための安全保障と比べ、安倍安全保障観がいかに時代錯誤に満ちたものかを語ってもらった。今回は、現代欧米やアジア、そして沖縄の現実を踏まえて、安倍安全保障がいかに異質かを見ていく。(聞き手・構成 大野和興)(2014/08/09)

反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 暴走する“時代錯誤”(1) 100年前に向け逆走する安倍安全保障政策 前田哲男
 集団的自衛権行使容認の閣議決定は何を意味するのか。何人かの意見を聞いた。最初は軍事ジャーナリストの前田哲男さん。安倍安全保障観は100年前に第1次世界大戦時の概念に他ならないと指摘する。房総する時代錯誤の行き着く先はどこか。さまざまの側面から分析する。(聞き手・構成 大野和興)(2014/08/08)


地域
【秩父市民新聞】秩父市で水道料大幅値上げの動き、 解決策は広域化と民営化というが…
 自治体の水道事業が各地で問題になっています。大阪市では橋下市長が水道民営化を打ち出し、水道事業の運営責任が不透明になり、効率優先で水質悪化などが懸念されるなどの声が市民から上がり、反対運動が動き出しています。首都圏の西のはずれの山間地に位置する埼玉県秩父市では、市が17・5%という水道料金の大幅値上げを打ち出しています。(大野和興)(2014/08/03)


科学
ネオニコチノイド系の農薬がハチや鳥類に生態に悪影響 欧米の専門誌が相次ぎ指摘
 Functional Ecology誌やNatureが相次いでネオニコチノイド系農薬がハチや鳥類の生態系に大きなインパクトを与えているとの報告を掲載した。科学技術ニュースを発信している「サイエンス・メディア・センター」が伝えた。ヨーロッパでは同農薬の使用を禁止する動きも具体的に出ているが、日本の農水省の動きは鈍い。(大野和興)(2014/07/15)


人権/反差別/司法
日本の人権状況を、国連人権委員会がチェック! アムネスティが報告書を提出
 来る7月15、16日にジュネーブで国連の自由権規約委員会が6年ぶりに日本の人権状況を審査する。これに向け国際人権団体アムネスティは日本の人権状況について、いくつもの懸念を表明するれレポートを提出、日本政府がとるべき対策について提言している。アムネスティはこのポートで、自由権規約の第 2 条、3 条、6 条、7 条、8 条、9 条、10 条、12 条、13 条、14 条、17 条、19 条、20 条、26 条、27 条に関連した日本政府の遵守義務の状況について、重大な懸念を示している。特に、憲法および法的枠組み、差別と憎悪の唱道いわゆる特定の民族に対するヘイトスピーチ、公人による軍性奴隷制度の否定、死刑制度の維持と執行の増加、代用監獄制度、難民認定、入管収容施設内での医療体制、および特定秘密保護法に焦点を当てている。(大野和興)(2014/07/12)


コラム
【編集長妄言】集団的自衛権容認に思う 花や果樹をつくったら「非国民」の時代があった 大野和興
 農業記者としてむらを歩き始めてほぼ50年が過ぎました。むら歩きを続ける中で、いろんな方と出会い、話を聞きました。いまの印象に残っているのは、戦争最中の農村、いわゆる銃後農村の話です。(2014/07/07)


日本消費者連盟が集団的自衛権行使容認と解釈改憲に反対する声明を発表
 日本消費者連盟は、7月1日に閣議決定された集団的自衛権行使容認に反対する声明を3日に公表した。同声明は、消費者・生活者の立場から、解釈改憲と集団的自衛権容認に反対を表明したもので、今回の閣議決定は軍事面ばかりでなく人びとの平和に生きる権利、平和的生存権そのものを脅かすとして、くらしの足元から反対の声を上げ続けるとしている。(大野和興)(2014/07/05)


政治
「海外で戦争する日本」へ質的転換 安倍政権、集団的自衛権容認を決定 安原和雄
  安倍政権の暴走が止まらない。日本国平和憲法は集団的自衛権行使を禁じているという憲法解釈が正当という立場を歴代政権は堅持してきた。ところが安倍政権はこの憲法解釈をいとも簡単に閣議でひっくり返し、日本が攻撃されていないのにいつでも海外で戦争できるように質的転換を断行した。東京新聞社説は「憲法九条を破棄するに等しい。憲政史上に汚点を残す暴挙だ」と断じている。この暴挙を封じ込める手はあるのか。(2014/07/02)


TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその6】 経済と軍事の環としてのTPP 大野和興
 最後ですけれでも、もう一つ重要な論点にTPPと安全保障、軍事との関わりがあります。2012年、「経済と軍事の環としてのTPP」という文章を書いたことがあります。そこでは「武器輸出三原則の廃止」の目玉は、武器開発と武器輸出であること、世界の武器市場がアジアに集中してきていること。それを日本に取り込む。それが日本の経済成長のためだ。そしてそのためにはTPPが大事だと。そういう論理がまかり通っていると書きました。それがいま進んでいる安倍成長戦略アベノミクスの核心のところです。(2014/06/29)


TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその5】 「国益」論を超えて −排外主義とTPP反対運動− 大野和興
 先ほど国益論、国家主義の話をしました。都知事選に出た田母神俊雄元自衛隊幕僚長は核武装論で自衛隊をクビになった人ですが、彼もTPPに反対している。ユーチューブで流れたのですが、国会の前で田母神がTPP反対の演説をしている。その周りをわーっと日の丸が囲んでいる。ヘイトスピーチや朝鮮学校襲撃で悪名高い「在特会」がかなり早くからTPP反対を打ち出していました。ヘイトスピーチとTPP反対が同居しているのです。彼らの主張は「TPPは国家を壊す」というものです。「TPPで日本の国家が危ない」という論理です。「人々の生存権」とは言わない。同じTPP反内ならいいだろうというのではなく、こういうところはきちんと腑分けして考えていかなければけないと思っています。(2014/06/27)


人権/反差別/司法
アムネスティ、川崎政則さん死刑執行に抗議声明 「国際社会への挑戦」
 今日6月26日、大阪拘置所で死刑が執行された。安倍政権下で9人の生命が政府によって奪われたことになる。国際人権NGOは「現政権のもとで恒常的に行われる死刑執行は、再三にわたり死刑廃止への真摯な努力を求める国際社会の要請に、真っ向から反するものである。」との声明を発表、日本政府を厳しく批判した。以下、アムネスティが26日に発表した声明を紹介する。(大野和興)(2014/06/26)


TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその4】 アジアを覆うグローバル化の嵐 大野和興
 ではアジアの視点からTPPを見たら何が見えるか。いま全世界で自由貿易網が形成されていますが、アジアだけ見ましても東アジア日中韓FTA構想、日韓と日中、韓中、ASEAN10ヶ国のFTA、それに東アジアを足したASEAN+3(日中韓)、さらにその上にニュージーランド、オーストラリア、インドを加えたASEAN+6、そしてその上にAPEC21ヶ国、APECというのはアジア太平洋のほとんど全部の国を網羅していますが、それを自由貿易でつなぐRCEP。こうした重層的な自由貿易網が今、アジア全体を覆ってます。(2014/06/24)


TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその3】 国家戦略特区とTPP 大野和興
 安倍成長戦略である国家戦略特区について補足します。去年の年末に法律ができました。それを見ますと、「世界と闘える」とか「成長の起爆剤になる」とか、「世界で一番ビジネスがしやすい環境を作る」とかが謳い文句です。つまり金儲けがしやすい地域を作りましょうということです。大阪では医療で金儲けしましょうという特区ですが、そのほかにもいろいろあります。(2014/06/20)


中東
イラクの労働運動からの声明 「イラクにおけるモスルその他の諸都市は劇的で危険かつ破滅的な変化を経験している」
 日本のメディアのイラク情勢報道はもっぱら宗教的対立からの分析に集中している感がある.しかしイラクにも現マリキ政権にも欧米にも宗教のいずれかの側にも与しない主張が存在している。ブログ「No more Capitalism」が紹介するイラク労働運動からの声明を、同声明を紹介した小倉利丸さんのコメントとともに同ブログから転載する。(大野和興)(2014/06/19)


TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその2】 TPPの内部体制化と人々の生存権 大野和興
 第2点は、もうちょっと足許のところからTPPをみると、何が見えるかということです。昨年、女性会議が発行している『iおんなの新聞』に書いたことですが、憲法との関わりでTPPを見ていくと何が見えるか。憲法11条の基本的人権、12条の自由・権利の保持の責任、13条の幸福追求権に始まる人々の自由権、そして25条の有名な「健康で文化的に生きる」ことを定めた生存権、26条の教育を受ける権利、27条の働く権利、それを受けて28条の勤労者の団結権など、憲法に大概のことはあるんですね。それに9条が加わって、私たちは平和におだやかに、人びとに暴力を振るわないで生きていく権利があるということが憲法にあるわけですけれども、この全てがTPPで壊されていく。(2014/06/17)

TPP/脱グローバリゼーション
【ほんまやばいでTPPその1】市場囲い込みと新植民地主義 大野和興
 今日はTPPについてお話しするのですが、いったいTPPは何者なのかということを改めて掘っていって、幾つかの側面から考えてみたいと思っています。。一つは、貿易協定としてのTPPというのはいったい何なんだいうことです。(2014/06/13)


市民活動
【日本消費者連盟45周年記念シンポ】6月14日午後 「地域に根差す、地域をつくる」
 「消費者の権利」を掲げ、「すこやかないのちを未来につなぐ」ため運動を続けてきた日本消費者連盟は今年で設立45年を迎えました。この間、怒涛のように押し 寄せるグローバリゼーションによって、人と自然、人と人との関係が壊され、都市、農村を問わず、地域の衰退が加速している状況に私たちは強い危機感を持っ ています。そこで、45周年を迎えた今年、もう一度地域に立ち返り、ここからまっとうな暮らし、経済、社会を構築する運動を再スタートさせるため、以下の ようなシンポジウムを開催します。(日本消費者連盟)(2014/06/10)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
拡大する遺伝子組み換え作物 芝や紫トマトなど次々実験
 遺伝子組み換え作物というと、これまでトウモロコシやジャガイモ、綿など大量生産・大量消費品目というのが一般的な見方だったが、あっと驚くような開発実験が各地で始まっている。薬用や観賞用など用途もさまざま。除草剤を撒いても平気な芝、医薬品ともいえるバジル.紫トマトなど、食べて平気なのか、と疑問符が付くものも。バイオジャーナル誌電子版が伝えるその一端−。(大野和興)(2014/05/28)


地域
動き出した置賜自給圏構想 グローバリズムをローカリズムで超える試み 大野和興
「置賜自給圏構想を考える」−そんななんとなくわくわくする名前の運動体が動き出した。山形県米沢市で設立総会が開かれたのは4月12日。山形県南部の米沢、長井、南陽の三市と川西、高畠、白鷹、飯豊、小国の五町から三市五町の首長やその代理、議員、県知事代理、地元選出国会議員といった政治行政関係者のほか、農家、農協など農林業関係者、生協、医師会、歯科医師会、福祉関係者、飲食や農産加工、温泉旅館、商工会、地元大学や農業高校関係者など、地域の農と食、健康、環境などに関係する人や団体が集まった。ローカリズムでグローバリズムを超える、新しい経済、社会をつくろうという試みだ。(2014/05/25)


沖縄/日米安保
日本の市民運動、ワシントンポスト電子版に辺野古新基地建設反対・海を守れの意見広告
 日本や米国の有力紙に「沖縄の米軍基地撤去」を意見広告で訴えている「沖縄意見広告運動」(代表:山内徳信・武建一)は、稲嶺進名護市長の渡米に合わせ、ワシントンポスト電子版のオピニオンページに、辺野古新基地建設反対を訴える電子広告を掲載、日本時間22日の午後1時まで見ることが出来る。この広告には、ノーム・チョムスキー氏(言語学者)やオリバー・ストーン(映画監督)など世界的な著名人も意見を寄せている。(大野和興)(2014/05/22)


環境
そんなに急いでどうするのか リニア新幹線、住民の懸念、置き去りか
 そんなに急いでどうするのか。高度経済成長の時代ならともかく、人口減と高齢化、脱成長さえいわれる今、多くの人がそう思うのではないか。JR東海による東京―大阪間を67分で結ぶというリニア新幹線のことである。かねてからエネルギーの浪費と環境破壊が問題となっていたが、JR東海が昨年9月にアセスを発表以来、沿線に予定されている住民や地元自治体から環境や水問題をめぐり、さまざまな懸念が次々出されている。それにもかかわらず国会後半、衆参の国土交通委員会では国が財政支援をして、東京五輪までに大阪まで延伸するという特別措置法案を議員立法で出そうとする動きが出るなどリニアをめぐる動きが加速してきた。(大野和興)(2014/05/16)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
世界のGM作物 全農地の1割に作付、その7割が米国、アルゼンチン、ブラジルの三か国に集中
 2013年のGM作物の栽培面積が2月13日、国際アグリバイオ技術事業団(ISAAA)によって発表された。昨年の栽培総面積は1億7520万ha、前年より490万haの微増にとどまった。このISAAAの発表は誇大であり、発表自体がプロパガンダとしての色彩が強いと見られている。これらの数字や予想にどれだけの裏付けがあるかは示されていない。(バイオジャーナル)(2014/05/08)


地域
【秩父植物記】五月の花 一重のヤマブキ 大野和興
 ヤマブキは七重、八重だけではない。秩父のあまり高くない山林で一重のヤマブキの群生をみることができる。(2014/05/06)


検証・メディア
NHK受信料凍結、どうすればよいか
 既報のように「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は5月1日からNHK受信料凍結運動を開始した。とりあえず半年間という期限を切って、籾井勝人NHK会長の罷免または辞任を求めての行動だ。では受信料を凍結するにはどうすればよいか。同コミュニティが公表している手引きを紹介する。(大野和興)(2014/05/06)


地域
【秩父植物記】五月の花 山つつじ 大野和興
林道を離れ、雑木林に足を踏み入れると、木漏れ日がさす空間に、あわあわとピンクのかたまりが、(2014/05/05)


反戦・平和
安倍政権が進めるODAの軍事利用に、国際NGO・市民団体が懸念を表明
 これまで「軍事的用途及び国際紛争助長への使用の回避」などの原則を掲げて、もっぱら民生用に使われてきたODA(政府開発援助)が、安倍政権のもとで軍事目的に転用されようとしている。2013年12月に閣議決定された国家安全保障戦略をODA大綱の指針を示すものと位置付けられ、武器輸出三原則の緩和とあわせて「ODA四原則」を緩和する動きが強まってきている。このことは、日本のODAがこれまで培ってきた平和理念や国際協調主義を後退させ、援助と軍事との境界を曖昧にして時の政権の利害だけで国民の公共の財産とえるODAが恣意駅に運用される危険性があるとして、日本国際ボランティアセンターやアジア女性センター、ヒューマンライツ・ナウなど国際駅に活動するNGOや人権団体がODAの平和理念の堅持を求める市民声明を出し、国際署名を募っている。(大野和興)(2014/05/04)


検証・メディア
籾井勝人会長の辞任を求め、市民組織「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」がNHK受信料凍結運動を開始
 「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は5月1日、NHK受信料凍結運動を開始する旨の通知書をNHKに送った。同コミュニティは去る4月21日、NHK経営委員会ならびに籾井NHK会長ほか宛に、4月末日までに、経営委員会が籾井勝人氏をNHK会長から罷免するか、籾井氏が自ら会長職辞任するよう申し入れをし、期日までにこの申し入れが受け入れられない場合は、受信料の支払いを向う半年間、凍結する運動を起こすことをご通知した。しかし籾井勝人氏は今現在もNHK会長職にとどまっていることから受信料凍結運動を開始するとととした。(大野和興)(2014/05/03)


環境
「リニア建設で湧き水に影響がでれば死活問題に」 リニア新幹線、各地で反対の動き強まる
  JR東海が推し進めようとしてるリニア新幹線は膨大なエネルギー浪費とすさまじい環境破壊を進めると、沿線に予定されている地域住民の反対の動きが各地で高まっている。そのひとつ、「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の発行する『ストップリニアニュース』No19(4月26日発行)に掲載された地元造り酒屋さんのお話は、リニアは地域住民のくらしにいかに影響するかを具体的に教えてくれる。(大野和興)(2014/04/29)


TPP/脱グローバリゼーション
地元木材利用拡大はTPP違反になる
 ついに日米首脳会議での大筋合意も見送らざるを得なくなったTPP(環太平洋経済連携協定)。メディアでは農産品と自動車だけが取り上げられ、他に問題はないかに見えるが、実にさまざまな問題で国民の目に触れないまま交渉が進んでいる.その一つに、林野庁が行うポイント制による木材の地産地消がある。輸入制限だという指摘が米国から出ている。(大野和興)(2014/04/25)


TPP/脱グローバリゼーション
読売は安倍機関誌ではなかったのか 日米首脳会談でTPP日米協議大筋合意の大スクープに政府筋からいちゃもん相次ぐ
 24日にオバマ米大統領が来日、日米首脳会談が開かれる。20日付け読売新聞朝刊が一面トップで、「この会談でTPP(環太平洋経済連携協定)の日米協議大筋合意」という大スクープを放った。実は記者は前日の19日にベリタ紙上で「オバマ政権にいまTPP合意のつもりはない」という記事を書いたばかりで、かなり焦り、同紙をよく読んでみたが、どうも根拠がはっきりしない。読売は誰かのリークに踊らされたという印象を受けた。案の定、読売報道に政府筋からいろいろいちゃもんが付いている。安倍政権の機関紙と言われるほど安倍政権にべったりのはずの同紙は、何を狙ってこの記事を1面トップで報じたのか、よくわからない。(大野和興)(2014/04/22)


TPP/脱グローバリゼーション
オバマ政権にいまTPP合意のつもりはない 大野和興
 TPPをめぐる日米両政府交渉は24日のオバマ来日を控え、大車輪で行われているかに見えるが、躍起なのは安倍政権だけで、徹底した自由化こそがTPPの意義という原則論をたてに一歩も譲らないオバマ政権にはいま妥結する気はないと見る方が、いまの事態について説明がつく。オバマ政権が秋の中間選挙を乗り切るためにはTPPという切り札が必要を日本でいわれていること自体が怪しくなったからだ。オバマの母体である民主党にとって、TPPは選挙で有利に働かない状況が深まっている。(2014/04/19)


TPP/脱グローバリゼーション
台湾、行政府占拠の学生らを強制排除 青年組織が抗議声明
台湾で24日早朝5時半、行政院を占拠する学生.市民に放水車と機動隊による排除によって、多数の負傷者が出たことに対し、青年組織「黒色島國青年陣線 する抗議声明を出したので紹介する。(大野和興)(2014/03/25)


TPP/脱グローバリゼーション
占拠中の台湾の議事堂から 「私は、台湾人です、私は、この国の民主の歩みと共に成長しました」
 学生らによる台湾・立法院(国会)占拠。1999年にシアトルで開催されていたWTO(世界貿易機関)核閣僚会議に対する市民の反乱以来の資本のグローバリゼーションに対する民衆の異議申し立てとして世界の注目を集めている。彼らの思いはどのようなものか。占拠中の議場からyoutubeで世界に発信された若い女性の声をお届けする。彼女は日本語で「皆様、こんばんわ。私は、台湾人です、私は、この国の民主の歩みと共に成長しました」と話を始める。(大野和興)(2014/03/23)


TPP/脱グローバリゼーション
中国との貿易協定に反対し、若者が立法院の議場を占拠 「小農民・労働者・商人・中小零細業者の息の根が止められる」
中国と台湾が昨年調印した「サービス貿易協定」の承認法案に反対する学生ら数百人が18日夜、台湾の国会に当たる立法院になだれ込み、議場を占拠した。占拠は21日も続き、野党の民主進歩党は学生らへの支援を表明。21日夜には学生らを支持する市民2万人以上が集まった。この行動の意味は何か、日本のメディアにはほとんど報道されない占拠する側の主張を追った。(大野和興)(2014/03/22)


農と食
「人から資本へ、農業の主役の交代」 安倍政権は農業をどうしようとしているのか 大野和興
  昨年の12月末、山形の農民グループと安倍政権が打ち出した「農業改革」、減反縮小・廃止を肴に一杯飲みながら議論した。その農民グループ、山形県南部の置賜地域を拠点とする置賜百姓交流会とは40年来の付き合いで、酒飲みだけでなくアジアの農民との交流、地域でのさまざまな取り組み、TPP反対運動などいろんなことを一緒にやってきた。当時、20歳代の血気盛んな百姓だった彼らも、今や60歳代になり、束ね役として地域で重きをなす存在になっている。(2014/03/19)


地域
存亡の危機に立つ中山間地農業 秩父、豪雪でハウスが倒壊、二重債務も
 2月14日から15日にかけての豪雪から1カ月が過ぎた埼玉県秩父地域では、大きな被害を受けた農業用ビニールハウスのビニールを取り除く作業が、農家の手でぼつぼつ始まっている。しかし、ビニールハウスの被害は、地域内の全ハウスの8割に及んでおり、そのほとんどが全壊状態。撤去するにしても人手もなく、多くは手がつかない状態が続いている。さらに再建となると、見通しさへ立たない。資材は不足し、資金もない。ハウス農家はローンで設備投資をしているから、倒壊したハウスの借金が残っている農家も多い。このままでは二重債務を抱えることになるため、廃業の道を選ぶ農家も多い。(大野和興)(2014/03/16)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、鍵を握るのは日米の関税交渉 一方で国内農業政策のTPP化が進む 大野和興
 二月下旬にシンガポールで開かれたTPP交渉の閣僚会合は取り立てての成果を上げることもなく終わった。TPP交渉はこのまま話がまとまらないまま漂流するだろうという見方と、いや日米どちらかの歩み寄りで急きょまとまる可能性がある、といった見方が、希望的観測もまじえて飛び交っている。その一方で国内の農業政策は国際競争に勝ち抜けるための“強い農業”づくりをめざして次々と新しい方向を打ち出している。TPP先取りともいえるものだ。TPPをめぐる状況をこの二つの側面から考えてみる。(2014/03/11)


社会
Jリーグでも排外主義が横行 浦和レッズで「Japanese Only」の横断幕
 Webサイト「連載JP」(http://rensai.jp/p/67645)に掲載された投稿が話題を呼んでいる。タイトルは「『外国人お断り』-浦和レッズのゴール裏に差別主義横断幕」。付けられた写真を見ると、確かにはっきりと目立つ形で「Japanese Only」と大書された横断幕が掲げられている。気付いたサポーターの何人かがチームの運営者に撤去するよう申し入れたが、聞き入れられず、試合終了後までそのままだった。「一部のネトウヨの動きさ」とタカをくくって放置してきた日本社会の排外主義が、一部雑誌系の排外主義のあおりや安倍極右政権の誕生とその言説の流布に中で、ついにもっとも国際的であるはずのプロスポーツの世界にまで入り込み、当事者が無自覚であることが露呈された事件だ。(大野和興)(2014/03/09)


地域
豪雪のあった関東の山間地の村で、家屋倒壊が続く
 雪が溶けるに連れ、隠れていた被害が次第に明らかになっている。秩父から甲州、上州にかけての山間地で築百年を超える農家住宅で屋根が壊れたり、半・全壊状態になった家屋が目立つ。殆どが孤老を含む老人世帯。修理する職人もいない。(大野和興)(2014/03/07)


政治
宗教界、首相の靖国参拝に異議 新宗連「信教の自由を侵害する」
 安倍首相の靖国参拝に対する宗教界からの批判が相次いでいる。立正佼成会など69の宗教団体で構成されている新日本宗教団体連合会(新宗連)は「信教の自由委員会」で「首相に靖国参拝に反対する」との「首相及び閣僚の靖国神社参拝問題ー論点整理」を2月17日に開催された新宗連理事会に報告した。新宗連・信教の自由委員会はこれまでも首相宛てに「公式参拝を控える」ことを求める意見書を提出してきている。(大野和興)(2014/02/28)


TPP/脱グローバリゼーション
GATTからWTO、そしてTPPへ 第二次大戦後の経済秩序と自由貿易 大野和興
 シンガポールで22日から行われたTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会議は、当初めざした大筋合意に至らず、米国と新興国、日米、日豪などが市場アクセス(関税)、国営企業の扱いなど経済の仕組み、特許権など知的財産権問題などを巡って交渉が進まない状況が続いており、この状態が続けばWTO(世界貿易機関)が進めている多国間の自由貿易交渉ドーハ・ラウンドのように有名無実化して交渉が漂流しかねないというと予測が交渉を進める当事者国の間で生まれている。いったい自由貿易交渉とはいかなるものか、WTOの前身GATT(貿易と関税に関する一般協定)の最後の多国間交渉(ラウンド)となったウルグアイ.ラウンドまでさかのぼってみていく。(2014/02/27)


アジア
東ティモール日本軍占領期における「慰安婦」問題の解決を求める要請書を外務大臣に
 1942年2月20日は日本軍が東ティモール(ポルトガル領ティモール)を侵攻した日である。日本軍による占領は3年半続き、その間人々は食料や家畜の提供を強いられ、軍用道路の建設現場へ、そして「慰安所」へとかり出された。敵(オー ストラリア)に通じたなどとして処刑された人も少なくない。しかし、日本は東ティモールに対し、戦後のポルトガルとインドネシアの支配期から独立を 経た今日まで、「アジア女性基金」による事業を含めて、一切の賠償・補償を行っていない。(大野和興)(2014/02/26)


核・原子力
福島第一原発汚染水 脱原発世論からも“命がけ”を強いられる現場労働者
 19日夜、福島第一原発の貯蔵タンクから堰(せき)の外にあふれた汚染水は、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質(全ベータ)の濃度が1リットルあたり2億4000万ベクレルだったと東京電力は20日午後発表した。桁違いの濃度の汚染水の流出量は約100トン。今回の超高濃度汚染水漏れ事故の原因を人為的ミスとして作業員のせいにする「下手人探し」の動きが始まっている。その動きがどのような形で現れているか、現実に対策に当たる現場作業員はどんな気持ちに置かれているのか、その声を紹介する(大野和興)(2014/02/23)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP:シンガポール閣僚会議で知的財産権分野、急速に進展か
  TPP交渉で交渉参加国の利害が対立している大きな問題の一つに知的財産権の問題がある。米国がその権利のより一層の保護強化を強力に主張、新興国側が抵抗している問題だ。特に医薬品特許に関しては、特許切れの安い薬でエイズ患者など多くの病人が救われている現実が覆されるとして「国境なき医師団」なども強く反対している。22日からシンガポールで行われているTPP閣僚会議で、ほぼ明国に置主張に沿う形でこの問題についての話し合いが急速に進んでいるという情報が広がっている。(大野和興)(2014/02/23)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉の重要課題に農業問題が浮上 「日米協議で安倍首相は最後に譲歩する」
 今日22日から始まったシンガポールでのTPP閣僚会議で大きな焦点になるのは農業問題だ、という観測が高まっている。これは、農産物関税で日本が米国をはじめとする農産物輸出国に譲歩するかどうかに大詰めにきたTPP交渉の行方がかかっているということを意味する。農産物関税はTPPと並行して話合われている日米協議の場で決まるが、米国側は最後は4月下旬のオバマ来日の際、安倍首相が譲歩すると観測している。(大野和興)(2014/02/22)


地域
秩父郡市の孤立状態、徐々に解消 交通困難は続き、農業被害が徐々に明らかに
 ゲリラ豪雪は秩父郡市をまるごと孤立に追い込んだが、18日にようやく秩父鉄道が動き出し、19日現在不通は西武秩父線のみとなった。国道は299号、140号とも通行できるようになったが、両脇の厚い雪の帯で実質1車線となり終日渋滞。歩道は降り積り固くなった雪がそのまま残り歩行困難。車が行きかう車道を命がけで歩かなければならない。それでも街中は移動可能となったが、急峻な山と谷がおりなす奥秩父では、いまも孤立した集落がいくつも存在する。農業被害も大きく、主要部門である観光イチゴ園のハウスはほぼ全滅。今後回復できるかどうかもわからない状況だ。(大野和興)(2014/02/19)


地域
豪雪被害、自衛隊派遣をという自治体要請を埼玉県が断る
 豪雪で孤立状態に陥った埼玉県秩父市も、17日やっと国道が開通し、外とのつながりが出来た。しかし西武秩父線と秩父鉄道は引き続き不通。こんな中で久喜邦康秩父市長が、「自衛隊派遣を再三埼玉県へ要請しましたが、断られました。県からは、緊急の場合はヘリ輸送で対応し、国・県道の除雪は埼玉県土整備事務所で行うとの回答でした」ことを明らかにした(秩父市長ブログ)。朝日新聞17日付け埼玉版によると、「(県は)人命に緊急性がない」という理由で断ったとのこと。上田埼玉県知事は名うての右翼知事。崇高な使命をもつ自衛隊を雪かきごときに使えるか、ということかもしれない。(大野和興)(2014/02/17)


地域
関東記録的大雪 秩父は陸の孤島
関東、記録的大雪。甲信、上州、武州と接する秩父でも。西武線、秩父鉄道も動かず、陸の孤島になっている。(大野和興)(2014/02/15)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPは裁判権の放棄と社会的基本権の侵害に当たる 愛知県弁護士会が意見書
 愛知県弁護士会のTPP(環太平洋経済連携協定)についての意見書が評判を呼んでいる。「秘密交渉」や「ISDS(投資家対国家紛争解決制度条項)」の反憲法性を鋭く突き,合わせて国際条約法(ウィーン条約)や国際司法裁判所の例なども挙げつつ,国際法的にも疑義があることを指摘、正面から理路整然と批判している。規制の撤廃は多くの場合、国民の生命・健康等に対する保護を弱める可能性が高いこと、ISDSについては「今日、わが国国内で事業を展開し、あるいはわが国に投資し、または投資しようとする外国投資家は、多数かつ広範囲にわたる。したがって、ISDS条項を締結することは、かつてない広範囲な第一次裁判権の放棄を承認することを意味」し、「外国投資家に対する特別な保護は、(略)社会的基本権を侵害する結果をもたらす」など、TPPは基本的人権と相反するものであることが明らかにされている。(大野和興)(2014/02/14)


アジア
グローバル化のなかのタイ農村 農民運動リーダーに聞く 大野和興
タイでもっとも有名な農民といえば、バムルン.カヨタの名前をあげる人が多いはずだ。少なくとも90年代は、間違いなくそうだった。東北タイの農民であり、農民運動の輝けるリーダーとして全国の運動を率いた。国会議員にという声もあったが、2000年代に入り、土地と家と家族がいる故郷に止まり、農業をしながら地域の人々に推されて末端行政機構の首長をつとめ、つい最近引退した。日本の農民が中心になって作っている任意団体「アジア農民交流センター」の招きで日本をたびたび訪れ、友人の農民も多い。昨年秋に来日したカヨタさんを囲み、グローバリゼーションにゆれるタイ農村の状況を聞いた。(2014/02/10)


政治
原発に頼ってきたことがどれほど人を傷つけて、命を落としてめて行ったかという事を、私は現場で見て来たんです 桜井南相馬市長、都内で語る
 明日投票日を迎える東京都知事選挙。最大の争点はやはり脱原発か原発推進か、だろう。東京電力福島第一原発の暴走で深刻な放射能被害をいまも受けつつある福島の人びとは、この選挙をどうみているか。ここにその解答の一つがある。脱原発を掲げる細川候補の応援に駆け付けた桜井勝延南相馬市長の、多くの人に感動を与えたスピーチである。桜井市長は大雪の都内で、今日も街頭に立っていると聞く。2月2日、都内での桜井市長のスピーチを紹介する。(大野和興)(2014/02/08)


スポーツ
ソチ五輪始まる 報道陣はまるで日本選手団従軍記者とベテランスポーツ記者が批判
 ソチ五輪が始まった。テレビは他のことはそっちのけでソチ・オンパレード。「(日本の報道陣は)日本選手団従軍記者」と批判するにはスポーツジャーナリス大野晃氏。そして、ナショナリズムを煽る風潮のただ中にスポーツ記者がいると警告する。日本ジャーナリスト会議発行の『ジャーナリスト』1月25日号のベテラン記者座談会がおもしろい。(大野和興)(2014/02/07)


みる・よむ・きく
『関西生コン産業60年の歩み 1953〜2013』 労働者と中小零細業者はいかに独占と闘ったか
 歴史を書くということは未来に責任を持つことだ。問われるのは、そこで描かれる歴史はいったい誰に何を伝えるのかという視点と立場性、そしてその視点・立場性を支える実証性である。本書はこの二つを踏まえ、未来への見事な伝言となっている。本書を通読してまず感じたのは、このことだ。(大野和興)(2014/01/28)


アジア
ベトナム、原発建設に振り回される村の住民
 ベトナムのズン首相は計画されている原発の建設延期を示唆する発言を行い、すでに立ち退きを宣告されている予定地住民の生活は混乱を極めている。メコン川開発問題に取り組むNGOメコン・ウォッチは現地の報道をもとにその模様を伝えている。原発は南部のニントゥアン省に2ヶ所、ロシアと日本の援助で作られる計画.ベトなう政府はそのうちロシアの援助でつくる第一原発の延期を示唆、当然安倍首相の売り込みで進んで日本が支援する第二原発も、当面見通しが立たなくなった。第二原発については、日本政府はすでに20億円の調査費を計上、復興予算の流用として問題になっている。(大野和興)(2014/01/25)


政治
【編集長妄言】都知事選に思う いま肝心なのは反ファシズムの幅広い陣形づくりだと思うのだが 大野和興
 ナチズムの台頭を許した大きな要因に、当時の国際共産主義運動が提唱した社会ファシズム論がある。社会民主主義はファシズムの一翼であるとして、強大な力を誇っていたドイツ共産党は社会民主主義者、リベラル層に攻撃を加えた。ヒトラー政権成立前、共産党と社会民主党の合計議席数はナチスを上回っていた。(2014/01/22)


農と食
減反44年目で大転換 今も昔もおかみの都合次第 大野和興
 政府と自民党は43年間続いたコメの減反を来年度から五年間かけて全廃するとの方針を出した。現在一二ヵ国で交渉中のTPP(環太平洋経済連携協定)で農産物の関税がゼロまたは大幅に削減され、国際競争が激化するのに備え、中小零細の日本のコメ農家を廃業させようというのが狙いだ。 日本でコメ減反が始まったのは一九七〇年。コメ生産が過剰になったので、暫定措置として生産量の一割を生産調整しようという、いわば一年限りの臨時措置として始まった。減反政策が大転換を迎えた今、当時のことを振り返ってみたい。(2014/01/15)


TPP/脱グローバリゼーション
米議会でもTPP反対論強まる その2
 米国議会でもTPPー環太平洋経済連携協定ー反対の動きが強まっている。12月には議会の一般演説で多くの議員が重ねて反対する演説を続けた。市民グループ「TPPに反対する人々の運動」翻訳グループが翻訳したその一部を紹介する。12月4日下院一般演説におけるTPPに関する討論。冒頭、壇上に立ったマーク・ポーカン議員(ウィスコンシン州、民主党)に続いて同じく民主党のロサ・デローロ議員 (コネチカット州)が特別演説に立った。ロサ議員はTPPは米国内の雇用喪失、賃金低下をもたらすだけでなく食の安全など生活全般にわたってマイナスをもたらすと強調した。市民グループ「TPPに反対する人々の運動」webサイトから紹介する。(翻訳:池上明・田中久雄/監修:廣内かおり)(2013/12/31)


TPP/脱グローバリゼーション
米議会でもTPP反対論強まる その1
米国議会でもTPPー環太平洋経済連携協定ー反対の動きが強まっている。11月には160人を超える民主党議員、20数人の共和党議員が、TPP交渉に秘密性を批判し、協定締結の権限が議会にあることを強調してTPA貿易促進権限法に反対する書簡を大統領に送った。続いて12月には議会の一般演説で多くの議員が重ねて反対する演説を続けた。市民グループ「TPPに反対する人々の運動」翻訳グループが翻訳したその一部を紹介する。12月4日下院一般演説におけるTPPに関する討論。冒頭、壇上にはマーク・ポーカン議員(ウィスコンシン州、民主党)が立った。市民グループ「TPPに反対する人々の運動」webサイトから紹介する。(翻訳:池上明・田中久雄/監修:廣内かおり)(2013/12/19)


核・原子力
福岡1万人、伊方8300人 原発相稼働阻止の現地集会、各地で成功
  安倍政権の原発推進政策のもとで、再稼働派が張り切っているが、再稼働反対の住民運動も活発で、原発現地では次々と集会が開かれ、成功をおさめている。攻防はこれからも続く。(大野和興)(2013/12/18)


政治
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会発足 全国署名運動と国会包囲を提起
 「秘密保護法案」廃案へ!実行委員会は、12月12日実行委員会を開催し、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会と名称を変更し、この法律が廃止されるまで運動を続けることを確認した。具体的には当面全国署名を展開すると同時に、通常国会初日の国会包囲行動を提起している。(大野和興)(2013/12/14)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
権威ある科学専門誌、モンサントの圧力に屈す  取り下げられた批判論文
  フランス・カーン大学のセラリー二教授らの研究グループがモンサントのラウンドアップ除草剤とラウンドアップ耐性GMコーンNK603に対する世界初の長期給餌試験で、極微量でも極めて早期に乳癌と深刻な肝臓と腎臓障害を引き起こすことを発見した。この結果は『Food and Chemical Toxicologysi(FCT)』誌に2012年9月に発表され、世界的な注目を浴びた。査読を経て発表された同論文をFTC誌は取り下げるという事態が起こった。その背後にはモンサントの元研究者で、GM推進団体と関係があるとされるリチャード・E・グッドマンを、FCT)誌の上級編集者に就任させたという事情があった。この事件は、多国籍企業モンサントの政治力の大きさと同時に、科学の公正さといわれるものの”もろさ”をも露呈した。(大野和興)(2013/12/10)

TPP/脱グローバリゼーション
12・8 TPP反対行動 日比谷野音に2700人が集まり、集会とデモ
 12月8日午後、東京・日比谷の野外音楽堂で全国から2700人が集まり、「これでいいのか?!TPP 12.8大行動」と銘打たれたTPP(環太平洋経済連携協定)反対の集会が開かれ、集会後銀座をデモ行進した。集会には農民組織、労働組合、医療関係者、NGO、市民グループなど多様な団体・個人が参加、TPPは人々の生存権を壊すと訴えた。折から、シンガポールでは交渉参加国の閣僚が集まり、交渉中で、集会・デモはTPP年内妥結を阻止する狙いもある。集会には交渉参加国であるマレーシアの元首相が、TPPに反対するメッセージを寄せた。(大野和興)(2013/12/09)


政治
海渡雄一氏の提起 特定秘密保護法廃止に向け、活動を始めよう 弾圧に向け1000人の弁護団をつくる
 12月6日に可決成立した特定秘密保護法に対するこれからのたたかいをどうするか。海渡雄一弁護士(秘密保護法を廃案へ!実行委員会 )が6日に日比谷野外音楽等で開催された同法反対の集会で行ったスピーチが反響を呼んでいる。海渡スピーチは同法の問題点、国会審議の非民主ぶりを鋭く突くとともに、「法案廃止の活動を始めよう」と呼びかけ、その具体的手順を提示。さらにこれから始まるであろう弾圧に備えて、第一号の秘密法違反事件の被告人を弁護するために、1000人の弁護士を組織し、あらかじめ大弁護団を結成しておきたい、と提起した。以下、海渡スピーチを紹介する。(大野和興)(2013/12/07)


政治
これからが本番! 特定秘密保護法廃止に向け「非有名人記者・編集者、あらゆる表現者は言論と映像でたたかいます」声明
 2013年12月6日、参議院本会議で特定秘密保護法が可決成立しました。国会正門前に装甲車がずらりと並び、機動隊が走り回って、国会の周り取り囲む市民の前に立ちはだかる異様な雰囲気の中での可決成立でした。12月3日に同法案の廃案・廃止を掲げて呼び掛けた「非有名人記者・編集者・映像制作者・ブロガ―などさまざまの分野の表現者の声明」を発表しました。同声明に基づく「言論・映像による廃案・廃止に向けてのたたかい」は、これからが本番です。引き続き「呼びかけ人」への参加と身近な媒体、手段を使って、同法の本質、危険性を明らかにし、市民、ジャーナリズムへの身辺調査や逮捕・拘束を含む実態を明らかにしながら同法を廃止に追い込むための発信を続けます。以下、改めて「声明」を掲載します。(大野和興)(2013/12/07)


政治
呼びかけ人になってください!  「非有名人記者・編集者は特定秘密保護法案を廃案・廃止に追い込むために言論ゲリラ戦を展開する」声明
 衆議院を強行突破し、いま参議院で審議されている特定秘密保護法案は、権力によるとめどない「国家機密」の拡大で市民の手足を縛ります。そのことは、権力を監視し、情報の市民に届けることを任務とする第一線記者・編集者の仕事や活動の場を奪うことでもあります。さまざまな媒体を使って情報を発信している無名の記者、編集者、ブロガ―、ツイッターやフェイスブックなどによる情報発信者、映像制作者、フォトジャーナリスト、翻訳家などなど、数多くの方々に、特定秘密保護法案廃案・廃止に向け、言論ゲリラ戦を呼び掛ける声明を発します。賛同いただけり方は「呼びかけ人」になっていただき、声明の輪を広げていきたいと考えています。連絡先は「ベリタ」内に置きます。よろしくお願いします。(大野和興)(2013/12/01)


TPP/脱グローバリゼーション
米国自治体が「TPPフリーゾーン」宣言 ウィスコンシン州デーン郡、「この地にTPPは入るべからず」
 日本ではあまり知られていないが、米国でも自治体レベルではTPP(環太平洋経済連携協定)に対する根強い反対が存在する。過去1〜2年の間に、50州の州議会が何らかの形でのTPP反対決議を上げているともいわれている。その中でもユニークなのは、ウィスコンシン州デーン郡の「TPPフリーゾーン宣言」である。「フリーゾーン」とは無効地域とでもいう意味。デーン郡の郡委員会(郡の最高機関)は、全会一致(2名棄権)でTPPに反対する強力な決議を可決し、「デーン郡のTPPフリーゾーン(無効地域)」を決定、たとえTPPが制定されたとしても、郡は「住民、労働者及び地域ビジネスに最善の利益をもたらす政策を実行し、生命の基盤となる生態系を守ることを放棄しない」と宣言した。PPに反対する人々の運動」翻訳グループの翻訳で紹介する。(大野和興)(2013/11/28)


人権/反差別/司法
草の根に広がる秘密保護法案反対の声 杉並区で反対署名運動
国会上程中の秘密保護法案に反対する草の根の運動が少しづつ広がっている。かつてビキニ水爆実験を契機に取り組んだ署名運動が世界中に広がる原水爆禁止運動運動に発展し、原水爆禁止運動の発祥の地となった東京都杉並区の市民が、秘密保護法案反対の署名運動を区民に呼び掛けている。明日18日、記者会見する(大野和興)(2013/11/18)


人権/反差別/司法
草の根に広がる秘密保護法案反対の声 杉並区で反対署名運動
国会上程中の秘密保護法案に反対する草の根の運動が少しづつ広がっている。かつてビキニ水爆実験を契機に取り組んだ署名運動が世界中に広がる原水爆禁止運動運動に発展し、原水爆禁止運動の発祥の地となった東京都杉並区の市民が、秘密保護法案反対の署名運動を区民に呼び掛けている。18日、記者会見する(大野和興)(2013/11/16)


文化
島倉千代子を偲んで再録【演歌シリーズ】(14)吉岡治 歌手再生の手練 � ―大川栄策、島倉千代子、瀬川瑛子の甦り―  佐藤禀一 
 歌手、島倉千代子が死んだ。絶妙のペンで、まがまがしさと妖しさ漂う歌謡芸能の世界を記した威友佐藤稟一がベリタに連載した先品の中から島倉に触れた文章を採録する。佐藤稟一も早やこの世にいない。(大野和興)(2013/11/14)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPで石破・萬歳密約説流れる JA全中、条件交渉に転換か
 農協内部で石破自民党幹事長と萬歳章JA全国農協中央会(全中)会長の間で、TPPと今後の農業政策展開で手打ちが成立したという石破・萬歳密約説が流れている。密約の中身は減反の段階的廃止と戸別所得補償制度の日本型直接支払制度への転換という政府・自民党が現在打ち出している政策変更を認めるというもの。こうした農業政策の新しい方向は、TPP(環太平洋経済連携協定)成立を見こして打ちだされているもので、全中がこれを認めることは、現実にTPPを受け入れ、条件交渉に入ったことを意味する。(大野和興)(2013/11/06)


人権/反差別/司法
国際協力NGOが特定秘密保護法反対で署名運動を呼び掛け
 国際的な人道支援や平和構築、人権や貧困問題の解決に取り組む国際協力NGOが特定秘密保護法制定反対で声をあげた。同法が制定されると、知る権利やプライバシー等の基本的人権が侵害され、民主主義の根幹が破壊されるばかりでなく、「人間の安全保障」といういい方で国際的にも認識され、運動が広がっている平和構築や貧困撲滅、人権擁護の活動まで、場合によっては「外国の利益を図る」テロ行為と認定されかれない、という危惧をNGOは表明している。反対に立ち上がったのは国際協力NGOセンター、関西NGO協議会、NGO福岡ネットワーク、名古屋NGOセンターの4団体で、日本の国際協力NGOのほとんどを網羅している。(大野和興)(2013/10/25)


人権/反差別/司法
大阪府警、「不正受給」を口実に市民団体を家宅捜査  生存権を守る運動の抑え込みか
 大阪府警が生活保護「不正受給」を口実にして、大阪市淀川区の淀川生活と健康を守る会に3回、全大阪生活と健康を守る会連合会に2回、さらに10月10日には全国生活と健康を守る会連合会・本部事務所にも家宅慢査を行った。格差拡大と貧困の広がりの中で増え続ける生活保護受給を抑制しようと政府は様々な手を打ってきており、それに対して、市民団体である生活と健康を守る会などの呼びかけで、全国で1万世帯を超える生活保護利用者が審査請求を行っている。大阪府警のこうした動きは、「不正受給」に名を借りた運動弾圧だとして、全国生活と健康を守る会は抗議声明を出し、法的対応も考慮すると述べている。(大野和興)(2013/10/14)


TPP/脱グローバリゼーション
左右両派に共通する国益論と国家主義の罠 TPPをめぐって横行する奇妙な言説  大野和興
 「なぜTPPに反対するのか」と問われたら、「人が平和におだやかに生きていく権利を侵害するからだ」と答えることにしている、という一文で始まる短い文章を『I女のしんぶん』の6月25日号に書いた。TPPに関するわたしの考え方はこれにつきる。なぜこんな当たり前のことをこと改めて強調するのかといえば、TPP反対運動のなかで、右から左まで「TPPは国益を損なう」という言説が横行しているからだ。(2013/09/30)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
米国政府とモンサント、遺伝子組み換え反対の市民や科学者のインターネットを監視
 バイオジャーナル誌によると、遺伝子組み換えに反対する市民や科学者のインターネットが米国政府、米軍、モンサント社によって監視されている。(大野和興)(2013/08/26)


TPP/脱グローバリゼーション
アジアを覆うFTAの波 モノ・カネ・サービスの自由化はアジアに何をもたらすか 大野和興
 日本ではTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加問題が国論を二分する政治問題となっている。貿易と投資、モノとカネと公共部門を含むサービスの自由化を進める協定はなにもTPPに限らない。自由貿易協定(FTA)をめぐる動きは世界中にあり、特に成長センターとして世界の経済の中心軸となった東アジア(東北アジア・東南アジア)と西アジアには、網の目のようなFTA網がかぶさっている。グローバリゼーションの大波が押し寄せるアジアにくらす生活者にとって、この現実は何をもたらすのか。(2013/08/08)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPで農業の非関税障壁に関心 米下院歳入委員長が発言、狙いは農地と水か
  日本が初参加するTPP交渉がマレーシアで始まっている。しかし、交渉の本拠地は実は米国内のようで、日本との交渉の責任者でもあるUSTR(米通商代表部)のカトラー臨時副代表は米国内にとどまって議会や政府部内間の調整に余念がない。そして下院歳入委員長キャンプ議員(ミシガン州選出,共和党)は17日,日本の自動車と農業に関する非関税障壁に重大な懸念を抱いていると発言。農業の非関税障壁とは何か。狙いはこの列島の豊かな農地と水なのだ。(大野和興)(2013/07/20)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPは「NAFTA+韓米FTA+アルファ」 大野和興
 参議院選挙が間近に迫った。改憲と”強い日本を取り戻す”ための成長戦略を掲げて安部政権は選挙圧勝を狙っている。その具体的中身は、TPP(環太平洋経済連携協定)参加と原発再稼働・輸出、そして労働規制の緩和。相互に関連しあっているこれらは、私たちのくらしにどのような影響をもたらすのか、ここではTPPに絞って考えてみたい。(2013/07/09)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】TPPと平和的生存権 
 安部政権は、10月基本合意、年内決着という米国・オバマ政権か敷いた政治日程に沿ってTPP参加に向けて前のめりで突き進んでいる。7月に予定されている参議院選挙でも改憲、原発再稼働・輸出推進と合わせてTPP参加を安倍成長戦略の柱に掲げる。いま改めて、TPPとは何か、それは私たちのくらしの場、働く場になにをもたらすのかを考えてみる。(2013/06/18)


米国
facebookで「エドワード・スノーデンを守れ」と香港でデモの呼びかけ
 アメリカ国家安全保障局(NSA)の電子監視プログラム「プリズム」を暴露したエドワード・スノーデンの滞在先、香港でスノーデンを守れ、というデモが呼びかけられている。(大野和興)(2013/06/13)


アフリカ
第5回アフリカ開発会議とアムネスティ アフリカの挑戦 〜 人権をベースとした開発を求めて 〜
 第5回アフリカ開発会議(TOCAD)が6月日から横浜で開催される。豊富な資源を持つアフリカ開発にどう絡むか、政府も企業もちまなこで投資やODAの掲げて走り回っている。政府や今後5年間で1兆円の政府開発援助(ODA)を拠出する方針で、民間投資と合わせ3兆円をアフリカに投じるという。そうした動きに国際人権団体アムネスティは、開発は人権を踏まえたものにすべきと警告している。(大野和興)(2013/05/31)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
米国産米にGM(遺伝子組み換え)米検出 トルコで輸出入業者をバイオテロイズム容疑で逮捕
 トルコ南部の港メルヘンで米国から輸入されたコメ2万3000トンが税関によって押収された。未承認のGM米「LL601」と「Bt63」が検出されたため。『バイオジャーナル誌』6月号が伝えた。(大野和興)(2013/05/28)


TPP/脱グローバリゼーション
これぞTPP参加国の未来 ISD条項で米大手製薬資本がカナダ政府を訴え
 米国の大手製薬会社Elli Lilly's and Co.がNAFTA(北米自由貿易協定)のISD条項(投資家対国家の紛争解決制度。企業が国家を訴えることが出来る条項)を根拠に1億ドルの損害賠償を求めてカナダ政府を訴えている。最近日本でもふぇているといわれている多動性障害(ADHD)の治療薬の特許申請を、カナダ政府が「有効性の証明が不十分」として却下したため。(大野和興)(2013/05/25)


TPP/脱グローバリゼーション
「TPPをとめる!5.30国際シンポジウム」のご案内
 TPP(環太平洋経済連携協定)への日本の交渉参加が決まり、安倍政権は前のめりで参加に向け動き出しています。市民グル―プ「TPPに反対する人々の運動」は「TPPを考える国民会議」と共催で、TPPがアジア太平洋地域の人びとに何をもたらすかを明らかにし、国境を越えた反対運動をつくりあげりことをめざして、5月30日、都内で韓国、メキシコ、ニュージーランドなどから市民運動家や研究者、法律家、労働組合活動家などを招き、国際シンポジウム「TPPをとめる!5.30国際シンポジウム─韓米FTA・NAFTAからの警告─」を開きます。この国際シンポは東京を皮切りに北海道、山形、新潟、大阪、鳥取、福岡、鹿児島、沖縄の各地でシンポジウムや集会を開きます。(大野和興)(2013/05/24)


経済
【編集長妄言】東京市場で株価暴落 “マネー暴走”の始まり?  大野和興
 23日の東京株式市場で日経平均株価が暴落した。下げ幅は2000年4月17日(1426円安)以来で、歴代11位の大きさを記録した。この暴落をどうみるか。市場関係者のほとんどは「一時的な下落にすぎない」とみていると日経新聞は報じている。果たしてそうか。”マネー暴走”の始まりとは見られないか。(大野和興)(2013/05/23)


核・原子力
インドへの原発輸出に道を開く日印原子力協力協定交渉停止を  市民団体が署名活動
 5月27日からインドのシン首相が来日し、安倍首相と日印原子力協力協定に向けた交渉が行われるとみられる。原発輸出は安倍成長戦略の重要な柱となっており、なりふり構わぬ売り込みをはかっているが、協定が結ばれると核保有国への原発輸出に事実上のゴーサインを与えることになる。日本の市民団体は安倍首相とインドのマンモハン・シン首相宛の団体署名を募っている。(大野和興)(2013/05/22)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉では環境保護規制や、市民の健康や安全を守る規制、労働者の権利なども「規制の内外調和」のもとに緩和される
 7月から日本が交渉に参加することになったTPP(環太平洋経済連携協定)では、国民生活の様々な分野にわたって、重要な取り決めがなされるが、それらの交渉内容はすべて秘密交渉として表に出ていない。以下に紹介するのは「規制の内外調和」に関する交渉内容で、これを読むと環境保護や、市民の健康や安全、労働者の権利などを含めて、加盟国で一律の規制や基準を定め、それに従わなければならないことがうたわれている。例えば農薬や食品の安全基準、遺伝子組み換え食品表示など、日本では消費者運動で国際的にも高いレベルの基準をもっているか、TPP参加でこの「規制の内外調和」が適用されると、そうした基準が緩和される可能性がある。TPPはたんに貿易や投資だけの問題ではないことがわかる。翻訳は市民グループ「TPPに反対する人々の運動」翻訳グループによる。(大野和興)(2013/05/19)


人権/反差別/司法
安倍政権、恐怖のハイペースで死刑執行
 自民党政権のもとで死刑執行が加速している。4月26日には 宮城吉英さん(56歳)と濱崎勝次さん(64歳)が東京拘置所で絞首刑を執行された。2人は2005年、市原市のファミリーレストランで組員2人を射殺した。安倍政権での死刑執行は昨年12月発足以来、今年2月の3人を含め今回で5人目である。国際人権団体アムネスティはこの様子を「恐怖のハイスペース」と表現、抗議声明を出して警告する。(大野和興)(2013/05/10)


憲法
福井の公共施設で憲法条文を書いた書を外せと強要  施設管理は民間だが、県が関与か
 福井県の公共施設アオッサで、ピースアート展に出品された憲法条文を書いた書が「政治色が強い」とされて、はずさなければ会場を貸さないと管理者に通告されるという事件があった。主催のピースアート展は仕方なく問題の書を外して開催したが、会場管理者側は抗議受けて通告を撤回し謝罪した。この施設は民間の管理者が管理しており、撤去を指示した管理者は「私の独断でやったこと」としているが、地元福井新聞の報道などから見て、県の関与があったとみられる。(大野和興)(2013/05/07)


TPP/脱グローバリゼーション
【韓米FTAの旅】(2)母牛を投げ売りする韓牛農家  大野和興
 韓米FTAの影響は農業特に畜産に明瞭にあらわれている。韓国の中心部に位置する忠清北道を訪ね、何人かの農家の話を聞いた。忠清北道は韓国でも熱心な農家が多いところという。それだけに、WTO(世界貿易機関)やFTAが進める貿易自由化には強硬な反対運動を進めてきた韓国農民会の組織も強い。その中心世代は50歳代というから、60歳を超えて頑張っている日本の農民と比べ、一世代若いことになる。(2013/05/05)


コラム
【編集長妄言】ベリタ改憲阻止宣言 ベリタはその存在をかけて改憲阻止の旗を掲げる   大野和興
 安倍自民党が改憲に前のめりだ。安倍首相のこのことにかける言動は異常なほどの高揚ぶりで、この 国は本当に危ういところに来ているという気がしてならない。(2013/05/03)


TPP/脱グローバリゼーション
【韓米FTAの旅】(1) 発効一年を過ぎた韓米FTAの実情 経済成長も対米輸出も停滞  大野和興
 韓米FTAが発効して3月15日で1年がたった。この1年で韓国に何が起こったかを知るために3月末の1週間、「TPPに反対する人々の運動」グループとして韓米FTAの現場を訪ねる旅に出かけた.現地にはいるまえに韓国における韓米FTA反対運動の総本山である「韓米FTA阻止汎国民運動本部」を訪ねた。お会いしたのは韓米FTA阻止汎国民運動本部共同代表のパク・ソクウンさんと政策委員長のジュ・ゼジュンのお二人。(2013/05/02)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会が記者会見 「屈辱的な合意内容を、政府は隠している」
 全国のさまざまな分野の大学研究者で校正する「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は4月26日、議員会館で記者会見し、「日本の国益を守るためにはTPP交渉参加を撤回するしかない−「日米事前協議」の結果は日本側全面屈服以外の何物でもなかった−」と題する声明を発表した。声明は、安倍政権がTPP交渉参加決定に至る間に行われた日米交渉の経過を細かく検証、「事前協議は日本側が一方的に譲歩しただけで米国側からは一切の譲歩を得ていないこと、第二に今後TPP交渉そのもので極めて不利な交渉を余儀なくされるだけでなく、米国のさらなる要求を受け入れるための日米2国間並行交渉の設置が義務づけられたこと、第三にこうした全面屈服内容とそれを受け入れた屈辱的外交の真実を日本政府が隠蔽しようとしていることです。」などを具体的に指摘している。同辞に同大学教員の会は、交渉経過が極めて不明朗で重大な事項が隠されていることを細かく指摘、国会議員に対し、そのことを明らかにするよう迫る質問状を発した。(大野和興)(2013/04/27)


中南米
ウルグアイ:同性婚など結婚平等法を可決 完全な平等へさらに前進
 国際人権団体アムネスティは、ウルグアイ議会で4月10日、結婚平等法を可決したと報じた。れにより、人権擁護を強化し、すべての人びとにとっての共生社会の実現に一歩近づいたことになる。今回の法律の通過は、ウルグアイ内外のレスビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・インターセックス(LGBTI)関係や他の市民団体の粘り強い運動によるところが大きいと、アムネスティは述べている。(大野和興)(2013/04/19)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】韓国の主要メディアは「日本がTPPに入る、韓国は乗り遅れるな」と一斉に社説で書いているという  大野和興
 韓国とアメリカの自由貿易協定、韓米FTAが発効して今年3月15日で1年が経過した。いま日本で交渉参加をめぐって政治問題となっているTPP(環太平洋経済連携協定)は実質的な日米FTAであるといわれ、日本がTPPに参加した場合、なにが起こるかを知るためには韓米FTAをみるべきだといわれている。そこで、仲間の農民何人かと語らって3月終わり、韓国へ出かけた。(2013/04/14)


農と食
食料の高値と供給の不安定さは続くと世界銀行が警告  「それは飢餓だけでなく肥満も増やすだろう」
 国際食料価格の高値と不安定さはあい変わらす続いていて、飢餓、栄養不足や病的肥満といった状況に拍車をかけていると世界銀行は警告している。NNN(非同盟運動ニュース・ネットワーク、NAM News Network)が伝えた。(大野和興)(2013/04/06)


TPP/脱グローバリゼーション
米国最大の労働団体がTPPに懸念を表明  「内外の労働者同士の対立と底辺への競争を助長」
 米国内にもTPP(環太平洋経済連携協定)には根強い反対勢力が存在する。自動車業界と労働組合だ。その労働組合のナショナルセンターで米国最大の米国労働総同盟産別会議(AFL-CIO)が、2月22日の日米首脳会談の直後にTPPに何する執行委員会見解を発表した。「働く仲間たちは新しい貿易モデルを必要としている」と題されたこの見解は、NAFTA(北米自由貿易協定)の経験を踏まえながら、韓米FTA(韓米自由貿易協定)やTPPは国内でも国際的にも労働者どうしの対立を生み、「労働者の諸権利、賃金、年金及び労働条件、そして資源の保護、食の安全及び消費者保護の面で底辺への競争(最低水準を導くような競争)が助長さいる」と強い懸念を示している。AFL-CIOはオバマ政権の最大の支援団体。市民団体「TPPに反対する人々の運動」翻訳グループの翻訳で、同見解を紹介する。(大野和興)(2013/04/04)


TPP/脱グローバリゼーション
武器輸出三原則見直しとTPP―ねらいはアジアの武器市場化―
 安倍政権が武器輸出三原則の見直しに前のめりだ。3月末には航空自衛隊の次期主力戦闘機F35の日本企業による部品輸出を三原則の例外とすることを決めたばかり。憲法九条にのっとり、世界の戦争に手を染めない理念を具体化した武器輸出三原則は日本の誇りでもあった。その三原則見直しの背景にはTPPがある。対中国包囲を目指し、アジア太平洋地域を経済と軍事で囲い込むTPPは、アジアでの軍拡競争を呼び起こし、アジアを武器市場とする。そのおこぼれに預かろうという狙いが、武器輸出三原則見直しには込められている。(大野和興)(2013/04/02)


人権/反差別/司法
レイシズム・排外主義集団に対する市民の反撃がはじまる  31日、東京と大阪での在特会デモ
 本誌で、その動きを当初から取り上げてきた在特会(在日特権を許さない市民の会)のレイシズム・排外主義行動に対する市民の反撃が動き出した。今日31日、東京・新大久保と大阪・鶴橋で在特会のデモが行われたが、それに抗議して大勢の市民が集まり、「(朝鮮人を)殺せ」「つるせ」「火の海にするぞ」といったたぐいの醜悪なヘイトスピーチを押えこんだ。また宇都宮 健児弁護士ら法律家グループは「(外国人排撃デモは)周辺地域に居住、勤務、営業する外国人の生命身体、財産、営業等の重大な法益侵害に発展する現実的危険性を憂慮し、警察当局に適切な行政警察活動を行うよう申し入れた」とする声明を29日に公表した。(大野和興)(2013/03/31)


農と食
アジアに広がる工業型現代畜産  カンボジアとベトナムでみる現実  大野和興
 穀物を大量に消費し、近代的な畜舎でまるで自動車を作るようにニワトリたブタを飼う現代畜産。多国籍穀物・飼料資本が先導してアジア全域にそんな現代畜産は広がりつつある。その模様をカンボジアとベトナムでみた。(2013/03/30)


【購読料改定のご案内】日刊ベリタ購読料4月から月1050円を400円に
2013年4月から日刊ベリタの購読料を、従来の月1050円から月400円へ大幅値下げします。狙いは、より多くの方々に有料読者になっていただくことで運営体制の安定をはかり、ひとびとの暮らしの足元にねざした視点からの報道を充実させていくことです。(日刊ベリタ編集長 大野和興)(2013/03/28)


みる・よむ・きく
チベット現代文学の曙 『ここにも激しく躍動する心臓がある』  トンドゥプジャ著 チベット文学研究会訳  
 中国支配に抗するチベットの人びとの焼身自殺があとを絶たない。2009年以降100人を超えたという数字もある。そんな人々の苦悩はどんな文学を生んでいるのだろう、そんな思いに引きずられるように本書を手にとった。著者トンドゥプジャは1953年に東北チベットで生まれ、1985年、32歳で自死している。副題に「チベット現代文学の曙」とある。(大野和興)(2013/03/16)


TPP/脱グローバリゼーション
米国でも400団体・1500万人がTPP交渉に懸念  過程の非民主性と人権や環境破壊の恐れを指摘 
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉は今年10月の基本事項合意をめざし、アメリカ主導で急ピッチで動いている。安倍政権は2月22日に行われた日米首脳会談で、交渉参加の道は開かれたとして、3月中旬にも交渉参加を表明するとも伝えられている。また、国内の世論も安倍政権の円安株高誘導政策による景気回復の期待が高まる中で、TPP参加は経済成長に欠かせないという政府やメディアのキャンペーンが浸透、交渉参加に賛成する声が強まっている。こうしたTPPをめぐる一連の動きがる一方で、米国内では400の団体が参加、1500万人のメンバーをもつ民間団体「Citizens Trade Campaign(市民の貿易キャンペーン)」が3月4日、連邦議会に書簡を送り、TPP交渉の非公開・非民主性を警告すると同時に、人権や環境汚染、先住民族の主権の侵害、労働者の権利侵害を引き起こす恐れがあることに懸念を表明する出来事があった。米国内でも、TPPが人びとの権利や暮らしに与える影響について、さまざまな議論が出てきていることがうかがわれる。(大野和興)(2013/03/12)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
アメリカでもGM食品表示運動が広がる
 アメリカ政府は現在交渉中のTPP(環太平洋経済連携協定)で遺伝子組み換え(GM)食品表示をするなという圧力を各国にかけているが、お膝元では州レベルでGM食品表示を求める運動が活発化している。食料はアメリカの輸出戦略品目の一つで、なかでもトウモロコシ、大豆、綿花など主力品目のほとんどはGM品種に切り替わっており、輸出先の各国が採用しているGM食品表示は、アメリカ産農産物の輸出を妨げる非関税障壁であると神経をとがらせている。(大野和興)(2013/03/09)


人権/反差別/司法
「売春ババア殺せ!」 日本のロックバンド、韓国従軍慰安婦を侮辱
 「愛国」を称する日本のロックバンドが「売春ババア殺せ チョン斬れ!」と絶叫する曲をyoutubeにあげ、ハングル字幕をつけたCDを、元日本軍慰安婦が共同生活を営む「ナヌムの家」に送りつけた。日本軍 "慰安婦"被害者ハルモニたち8人が2013年3月4日、ソウル中央地検に、ロッックバンド桜乱舞流(Scramble)を名誉毀損で告訴した。韓国では各メディアが大きく取り上げている。(大野和興)(2013/03/07)


労働問題
労働者酷使の牛丼すき家の敗北  首都圏青年ユニオンが23日に報告集会  
 牛丼チェーン「すき家」を経営する株式会社ゼンショーが首都圏青年ユニオンと団体交渉拒否をしていた事件について、和解が成立し、2月23日に同ユニオンは報告集会を開催する。外食産業の劣悪な労働条件は周知のことだが、ゼンショーの場合、特に悪質だった。ここで改めて、牛丼すき家をめぐる問題を整理してみる。(大野和興)(2013/02/22)


人権/反差別/司法
谷垣法相の死刑執行に人権団体アムネスティが抗議声明
 法務省は21日、3人の死刑囚の刑を執行したと発表した。死刑執行は昨年9月以来で、安倍政権下では初めて。国際人権団体アムネスティは「(日本政府は)複数の国連人権機関から、繰り返し、死刑の執行停止と死刑廃止に向けた取り組みを強く勧告されていることを忘れてはならない」との抗議声明を発表した。(大野和興)(2013/02/21)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉  米・豪・ニュージーランド、日本の労働組合が強い懸念  労働者の賃金・雇用・公共サービスを壊す 
 オーストラリア、ニュージーランド、アメリカなどTPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加している国の労働組合から、TPPの内容や方向性に疑問が出されている。2012年12月にニュージ−ランドで開催されたTPP交渉に際し、ニュ−ジ−ランド、オ−ストラリア、アメリカ、日本の労働組合が声明を発し、いま進められている交渉内容では労働者の賃金や雇用、公共サービスや医療などの権利を侵害するばかりでなく、これまで国際労働運動が積み上げてきたILO(国際労働機関)の基本条約を無視し、移民労働者の権利侵害をもたらすという危惧が示されている。そして、もし交渉を進めるなら「労働者を強力に保護する労働に関する章を含めるべき」と主張している。(大野和興)(2013/02/20)


コラム
【編集長妄言】ぼくの予測はよく当たる  大野和興
 ぼくの予測はよく当たる。最近のものでは、マリで仏軍泥沼化と猫好きだからPC遠隔操作犯、のふたつ。(2013/02/15)


人権/反差別/司法
新大久保でまたもや在特会デモ  2月9日、「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」のプラカード掲げ
 またもや新大久保に「朝鮮人殺せ!」のシュプレヒコールが響き渡った。右翼排外主義を掲げるグループ在特会(在日特権を許さない市民の会)が2月9日に行ったデモだ。日の丸をもった200人ほどが「こーろせ殺せ、朝鮮殺せ」などと叫び、「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」「朝鮮人 首吊レ毒飲メ飛ビ降リロ」などと書いたプラカードを掲げて、韓国の人たちの店が軒を連ねる新大久保を練り歩いた。そのようすをtwitterからお伝えする。(大野和興)(2013/02/10)


農と食
BSE(牛海綿状脳症)輸入規制緩和で消費者団体が抗議声明  実施は2月1日から
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加の前提条件として米国政府が日本に強く求めていた米国産牛肉の輸入規制緩和が2月1日から実施される。BSE(牛海綿状脳症)いわゆる狂牛病感染牛肉が日本の入っているのを抑えるため、日本は厳しい条件を課していたが、それが大幅に緩和される。日本消費者連盟など消費者団体は、米国のBSE規制は抜け穴が多く、このままでは国民の食の安全が脅かされると強い懸念を示している。(大野和興)(2013/01/31)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
中国で子どもを対象に遺伝子組み換えイネの人体実験  米中科学者の共同研究
 (本紙既報)中国で米国と中国の科学者が、中国の子どもを対象に共同で行った遺伝子組み換え稲の人体実験が、波紋を広げている。この実験はベータカロチンを多く含む「ゴールデンライス」と名付けられた遺伝子組み換え稲を中国湖南省衛陽特別市の6歳から8歳の子ども24人に食べさせ、安全性を評価したというもの。『バイオジャーナル』誌が伝えた。(大野和興)(2013/01/29)

アフリカ
フランス空爆下のマリで食料不安が広がる
 フランスによるイスラム武装勢力への攻撃が続いているマリ北部では、、ここ数日から数週間のうちに住民に深刻な食糧不安が襲うだろうと国連食糧計画(WFP)は警告している。国連の国際ニュースIRINが23日に報じた。(大野和興)(2013/01/24)


TPP/脱グローバリゼーション
山形で「ストップ!!TPP山形県民アクション」立ち上がる
 総選挙が終わった直後の二〇一二年一二月、山形で「TPP交渉参加反対」を掲げて幅広い分野の人びとが集まる運動体が立ち上がった。「ストップ!!TPP山形県民アクション」だ。一二月二三日に寒河江市の文化センターで約二〇〇人が参加して立ち上げの集会が行われた。立ち上げ集会では田代洋一多妻女子大教授の記念講演の後、「私たちは、国民生活を守るために、地域医療、教育、食の安全と農林水産業、あらゆる労働者の賃金と労働条件を守るため、TPP参加に断固反対」し「新政権に対して反対の声をあげていく」との運動の基調を確認して幕を閉じた。(大野和興)(2013/01/12)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉参加に舵を切り始めた安倍政権  国内の現実はすでTPP体制化にある  大野和興
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加問題は、今回の総選挙の争点の一つだった。自民党は「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」という公約を掲げて選挙に臨み、農村部の票を集めた。「条件付き反対」とも「条件付き賛成」ともいえるあいまいな公約のおかげで農村部の立候補者は堂々と「TPP反対」を標榜できたからだ。安倍政権のTPPへの姿勢は、いま次第に変わりつつある。一連の人事を経て、閣僚、官邸にTPP推進派をそろえ、機会を見てオバマ米大統領に交渉参加を表明するシフトをつくりあげた。(2013/01/10)


政治
日米に市民外交ルートをつくる  シンクタンク「「New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ・ND)」設立へ
 日米の間に市民外交のルートをつくろうという試みが始まった。沖縄・普天間問題やTPP参加問題で、日本の市民運動と米国議会をつなく役割を果たしていた弁護士の猿田佐世さんが、日本の市民の思いや実情がワシントンにはほとんど伝えられておらず、情報は日米安保派といわれる一部の日米グループに独占されていることに気付いたのが発端だ。猿田さんは東京とワシントンを往復しながら、そのための新しい組織、シンクタンク「New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)の設立に奔走、1月10日には設立を記念するシンポジウムを東京で開催する。(大野和興)(2013/01/05)


政治
【編集長妄言】極右政権誕生と社会運動  大野和興
 極右が政権を占拠し、年が明けた。7月の参院選挙の結果次第では憲法改定は年内にも現実の課題として目の前に迫ってくるだろう。改憲勢力が三分の二を超えた今回の総選挙結果をどう見るか。いろんな視座からの分析があるだろうが、自身もその中に身を置く社会運動の場から、なぜこうなったかを考えてみたい。(2013/01/01)


政治
【編集長妄言】坂本龍一さん  日の丸脱原発針谷大輔氏の著書の推薦は取り消された方がよいかと…  大野和興
 日の丸を掲げた脱原発右翼が、憲法九条守れと脱原発が結びつくことに警戒感をあらわにし、その代表格の針谷大輔統一戦線義勇軍議長が「占領憲法破棄、自主憲法制定!自衛隊解体、国軍創設!」とツイッターでつぶやいている。針谷氏の著書『右からの脱原発』には坂本龍一氏が推薦文を寄せ、「脱原発に右も左もない」と書いている。安倍内閣誕生で、憲法の平和的生存権は危うくなっている。針谷氏を推薦する坂本龍一氏は脱原発と憲法・平和的生存権は別物だとでもいうのだろうか。(2012/12/27)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
世界に広がる遺伝子汚染 自然交雑、阻止する手段なし
 世界各地の思わぬところで遺伝子組み換え遺伝子に汚染された作物がみつかっている。スイスでは各地で野性化した遺伝子組み換えナタネが見つかり、フィリピンでは食用のホワイトコーンから出てきた。いずれも自然界の交配がもたらした汚染だ。バイオジャーナル誌12月号が報じた。(大野和興)(2012/12/01)


みる・よむ・きく
何代も続く枯葉剤の悲劇を描く映画「花はどこへいった」  大野和興
 映画「花はどこへいった」をみながら、2009年に訪れたベトナム・ダナンの枯葉剤被害者サポートセンター(DA NANG Suport Center for Agent Orange Victimus)で遭遇したことを思いだした。ピースボートに水先案内人で乗船し、その旅の途中で立ち寄ったものだ。映画はベトナム戦争に従軍した米国人の夫が肝臓がんで死亡、その妻が枯葉剤の実態を追って、フィルムを回し制作したものだ。映画は12月16日に都内市ヶ谷の法政大学キャンパスで開催される国際有機農業映画祭で上映される。http://blog.yuki-eiga.com/(2012/11/28)


地域
鶏舎の屋根を発電所に  千葉・三里塚の有機農業グループが完成
 「太陽・風と土に恵まれてこそ、平飼い養鶏は成り立つ。日あたりと風通しのよい部屋で、土を食べ土にもぐって、鶏さんは身体をいやす。ワンパックのように、鶏糞を無農薬野菜の肥料に使うためには、鶏舎の段階で、化学薬品や抗生物質などもってのほかである。鶏さんに健康管理をしていただく以外に無いのである。そのお日様と鶏さんにもっと仲良くなってもらおう。平飼い鶏舎の大きな屋根で太陽光発電をすることにした」こんな書き出しの展示が鶏舎内に張り出されている。成田空港の直下で養鶏を含む有機農業を営む農事組合法人ワンパックの養鶏場だ。管理者の樋ヶ守男さんが自己資本を投じて太陽光による養鶏発電所を立ち上げた。名付けて「陽鶏発電所−ふさのくに総州」(大野和興)(2012/11/24)


イスラエル/パレスチナ
イスラエルのガザ攻撃に抗議し、日本の市民グループが大使館前で行動
 日本の市民グループは18日夜、東京・イスラエル大使館前に集まり、イスラエルのガザ攻撃への抗議行動を行った。大使館前で日本語・英語・ヘブライ語・アラビア語によるシュプレヒコールをやり、駐日イスラエル大使宛の申しれ書と読み上げた。参加者は約80人だった。(大野和興)(2012/11/18)


イスラエル/パレスチナ
新たな集団虐殺を世界は見捨てるのか  ガザ大学教員連盟らが世界に発信
 ガザの大学教員連盟その他団体が14日、イスラエルによるガザ攻撃に向け、「占領下パレスチナ、封鎖されたガザ発――イスラエルに対するアカデミック・ボイコットのためのパレスチナ人学生キャンペーン、大学教員連盟、および民主的一国家グループは、可能な限りもっとも激烈な言葉で、ガザ地区の無辜のパレスチナ人に対するイスラエルの犯罪的攻撃を弾劾する」という書き出しで始まるプレスリリースを世界に向けて発信した。プレスリリースは「われわれが殺戮されているのを、アラブの春は傍観しているつもりなのか?」と悲痛な声で訴えている。プレスリリースはフェイスブックなどにより、世界中を駆け巡っている。(大野和興)(2012/11/18)


イスラエル/パレスチナ
「ガザで殺人を行っているのは誰か」ーーノーム・チョムスキーらによる報道への呼びかけ
 イスラエルによるガザへの空爆はやむことなく続き、イスラエルは地上部隊投入さえ進めている。しかし日本だけでなく欧米の主流メディアでさえ、ここで殺戮されているにが子どもを含む一般市民であることはほとんど報じておらず、逆にガザから発射されるロケット弾に報道は集中している。ノーム・チョムスキーら7人の知識人は講師や事態を憂え、世界のジャーナリストと市民に、「事実を覆い隠そうとする組織的な方針の道具になることを拒否せよと、報道機関で働いている世界中のジャーナリストに呼びかけます。世界の市民には、独立系メディアなどから情報を収集し、どんな手段を使ってでも、できる方法で、自らの良心を声にするよう、呼びかけます」とする呼びかけを発した。折口学さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2012/11/18)


政治
山田正彦メルマガ 〜号外〜  民主党離党の思いを表明
 民主党内でTPP反対派のリーダーとして活動してきた衆議院議員山田正彦氏が、16日の国会解散を受けて離党を表明した。その思いを綴った「山田正彦メルマガ」の号外を紹介する。「TPP参加交渉表明は断じて許すことができません。故郷がこれ以上に疲弊することを見過ごすことはできません」と、離党の理由が野田首相のTPP交渉参加姿勢にあることを表明している。(大野和興)(2012/11/16)


みる・よむ・きく
【燐光群公演】『星の息子』作・演出○坂手洋二  11月16日から座・高円寺1で
 「人は死んだら星になる」って言ったのは、誰だっけ ……。やんばるの空を飛んでいいのは、鳥と虫と、自由だけ。『天皇と接吻』『沖縄ミルクプラントの最后』につづく、「戦後史」と「今」の集大成。出演・渡辺美佐子ほか。(大野和興)(2012/11/16)


みる・よむ・きく
輿石正監督 『シバサシー安里清信の残照―』  沖縄民衆思想の到達点としての生存権  大野和興
 沖縄戦後史の重要な出来事である反CTS闘争のリーダー安里清信の生涯を描いたドキュメンタリー映画である。監督は沖縄に根を張り、活動する輿石正さん。制作は輿石さんが代表をつとめるじんぶん企画。ドキュメンタリーというありきたりのジャンル分けではなく、評伝映画といった方が適切かもしれない。沖縄を体現する一人の人物の精神史が見事に切り取られ、映像に定着されている。日本の沖縄支配が生んだ強靭な個性の精神の旅は、いまオスプレイ配備に対し徹底した闘いを挑んでいる沖縄の人びとの思いの源流がどこにあるのかを教えてくれる。(2012/11/12)


検証・メディア
11月13日  シンポジウム「日本の裁判所はナベツネに逆らえないのか」
 なぜ、読売新聞は七つ森書館に対してスラップ訴訟を仕掛けたのか。読売社会部清武班著『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』の出版を阻止するために狂奔する読売資本。言論を売る新聞社が、ペンではなく司法にその救いを求めるという自殺行為に及んだのはなぜか。こうした疑問に答え、読売という問題、メディアとは何かを問いかけるシンポジウムが開催される。(大野和興)(2012/11/01)


福島から
作付け禁止の田んぼに一面のセイタカアワダチソウが  田村市都路地区を訪ねた  大野和興
 10月下旬、福島県田村市都路地区を訪ねた。都路地区は福島第一原発から20キロ圏内と30キロ圏内に入り、居住や立ち入りに厳しい制限が設けられていたが、次第に緩和されている。しかし田んぼは依然として作付け制限が敷かれていて、放置された田んぼには一面セイタカアワダチソウが繁茂、田村市が実施している小さな試験田だけが黄色く色づいていた。(2012/11/01)


政治
【編集長妄言】溶けかかる政治システムと社会運動  大野和興
 ダグラス・ラミスさんの『ラディカル・デモクラシー』を読み直している。グローバリゼーションで国民国家が変容し、それに伴い国家を前提として成立してきた議会制民主主義とか政党政治とか三権の分立とか近代のいわゆる民主主義的政治システムが溶けかかっている。日本の政治状況はその典型といえる。(2012/10/29)


沖縄/日米安保
内部でも性的暴行が多発する米国軍隊  
 米国の軍隊内で性的暴行による被害者が年間1万9000人に上ると国防総省が推定していることがわかった。沖縄タイムス電子版がワシントン発の記事で10月28日報じた。ここでいう性的暴行とはレイプや不当な性的接触をさしている。同電子版によると、パネッタ国防長官は「事件は特定の場所だけではなく、あらゆる所で発生している」と述べ、米軍全体の問題との認識を示していたという。(大野和興)(2012/10/28)


社会
在特会、 桜井「反日朝鮮人をたたき殺せ! 反日シナ人を叩き殺せ!」と鴬谷を練り歩く
  排外主義・レイシスト集団・在特会(在日特権を許さない市民の会)が先日の新大久保に続いて10月27日、都内鴬谷で騒いだ。Twitterが伝えるそのようす。とても恥ずかしい。文中、桜井というのは在特会会長の桜井誠。(大野和興)(2012/10/27)


沖縄/日米安保
米海兵隊集団女性暴行事件  「事件」でなく「事故」を連発する森本防衛相
 10月27日の東京新聞読者投稿欄で、沖縄からの投書が載っていた。米海兵隊員による集団女性暴行事件について記者団から聞かれた森本防衛相がこの事件を「事故」と表現、その後も「事故」と連発したことについて怒りを綴ったものだ。当初は、この問題を本土のマスコミが報じないことにも不信を表明していた。琉球新報の報道をもとに経過を追った。(大野和興)(2012/10/27)


核・原子力
福島原発事故 国連「健康に対する権利に関する特別報告者」が来日、周辺住民の実態調査を実施
 福島原発事故後の周辺住民の健康リスクに関し、11月に、国連「健康に対する権利に関する特別報告者」が来日、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の健康に対する「権利に対する権利」の実態を調査する。国際人権NGO、ヒューマンライツ・ナウなど人権団体が国連関係者に書簡を送り、実現したものだ。(大野和興)(2012/10/25)


市民活動
国際有機農業映画祭2012  12月16日「「こんな世の中、ひっくり返さなあきまへん」をテーマに
 今年で6回目を数える国際有機農業映画祭は12月16日(日・9時30分開場)、東京都内の法政大学市ヶ谷キャンパス内の外濠校舎で開催される。今回のテーマは「こんな世の中、ひっくり返さなあきまへん」。国際有機農具王映画祭運営委員会と法政大学サスティナビリティ研究教育機構との共催で行われる。(大野和興)(2012/10/23)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(5) 飢餓の時代    大野和興
 1945年8月15日、アジア太平洋戦争は日本の敗戦で終わった。無条件降伏した日本国民を待っていたのは飢餓の日常だった。アメリカの日本学者ジョン・ダワーはピューリッツァー賞を受けた『敗北を抱きしめて』(上)(岩波書店)で戦争による日本人の犠牲者を次のように推計している。(2012/10/22)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】くらしの足元からのTPP反対運動を  大野和興
 政治運動として展開されているTPP反対運動だが、そろそろ政府の動向だけでなく日常生活や市場、法制度がすでにTPP体制に入っていることに注意を払うべきだろう。米国政府の意向がどうの、野田政権はどうするか、などといった半分政局に振り回されるような運動で事態は動かないと思うからだ。生活の現場、労働の現場での生存権獲得の闘いとして運動を組み直す時期に来ている。(2012/10/15)


核・原子力
原子力規制委員会会議に公安警察  傍聴者やメディアを監視  OurPlanetTVが報道
 原子力規制委員会の会議に私服の公安警察が立ち会い、一般傍聴者やメディアを監視しいていたことが判明、問題化している。市民メディアOurPlanetTVによると、委員会の傍聴者やメディアを監視していたのは、麻布警察所の公安警察で、原子力委員会が開催される13階会議室の一番後ろの出口付近に待機し、取材に来ているメディアや傍聴者を確認しては逐一メモをし、時折、廊下に出て無線で内容を報告していた。(大野和興)(2012/10/11)


福島から
【編集長妄言】福島で隠された自殺が増えている  手だれの百姓の心が折れるとき  大野和興
 この1年半、福島の村を歩き続けている。先週、福島で隠された自殺が増えているという話をあちこちで聞いた。飛散した自宅に様子を見に戻ってみて、余りにも荒れ果てた田畑、家、お墓に心が折れてしまったあげくと仲間の百姓が語る。新聞には出ない。出ても心臓発作とか事故とか。(2012/10/04)


政治
【編集長妄言】「安倍総裁、憲法改正を争点化」    大野和興
 10月1日の読売新聞朝刊二面2段「安倍総裁、憲法改正を争点化」。日本の三大都市東京、大阪、名古屋と政権をうかがう自民党が従軍慰安婦、南京虐殺はなかったという歴史を無視した排外主義右翼に乗っ取られている。(2012/10/02)


沖縄/日米安保
普天間基地封鎖続く  明日朝のオスプレイ到着に備え、再び集結、封鎖を続ける
 オスプレイ配備御反対の普天間基地封鎖は30日夜11時まで続き、明日早朝からの再開を宣言して、ひとまず解散となった。あす未明に岩国基地を出発するpスプレイは午前8時までに普天間に到着する。反対行動はそれに備え、1日早朝から行動を開始する。以下現地からのtwitter。(大野和興)(2012/09/30)


沖縄/日米安保
オスプレイ配備反対行動  普天間基地ゲート封鎖、30日も続く
 台風をついて29日から続いている「オスプレイ阻止普天間基地ゲート占拠」行動は30日も引き続いて行われている。普天間基地には、開かずのゲートもあるが、昨夜そこも抑え、五つのゲートすべてが封鎖される事態となった。長い沖縄の基地反対闘争でも初めての事態。ゲート前から発信されているtwitterが伝えている。(大野和興)(2012/09/30)


政治
韓国『中央日報』、自民党新体制を「右翼ツートップ」と表現  安倍総裁は「極右」とも
 安倍自民党新総裁誕生と幹事長に石破氏を起用の報を受け、韓国の有力紙『中央日報』は9月28日付け電子版で日本自民党は“右翼ツートップ”と大見出しで伝えた。日本の政治の右傾化は、いまや世界の厄介事になりつつある。(大野和興(2012/09/28)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
遺伝子組み換え作物導入を進めるフィリピン政府と科学者・市民の反対運動
 フィリピンでも遺伝子組み換え作物導入をめぐって、科学者・市民の反対運動が続いている。反対運動の争点は大きく二つある。一つは遺伝子組み換え作物導入の推進を狙い、政府のより導入されようとしている「マニュアル」反対運動。もう一つは遺伝子組み換えイネ・ゴールデンライスの導入をめぐる問題だ。フィリピンの反対運動グループのサイトに掲載されたイナ アレコ R. シルベリオ氏の論文の要約をお伝えする。(大野和興)(2012/09/19)


人権/反差別/司法
新大久保の悪夢 買い物客が行きかう街で「朝鮮人を皆殺しにしろ!」と叫ぶデモ隊
 多くの商店が並び、買い物客が行きかう路上に「朝鮮人をぶっ殺せ」「皆殺しにしろ」などの叫び声が響く。日本の新聞・テレビは中国の反日デモしか報道しないが、日本では醜悪な排外主義・レイシズムのデモが頻繁に行われている。最近の舞台は東京の新しい名所として多くの人を楽しませている新大久保コリヤタウン。デモは聞くに堪えない、論理など一切なしの感情丸出しの言説と行動に終始。しかもそれが野放しで何の規制もなく横行するさまは、この国の異常さを現わしているといいたくなるほどだ。(大野和興)(2012/09/16)


中国
アップルとサムソン、そろって中国で労働者搾取   世界の巨大企業の裏側
 アップルとサムソンというスマートフォンの世界市場を二分する巨大企業が、生産地中国で労働者搾取で非難を浴びている。米公正労働協会(Fair Labor Association=FLA)は今年3月末に公表したレポートは、アップルの競争力の源泉が中国での労働者の使い方にあることを暴き出した。また、米国の非営利組織(NPO)チャイナ・レーバー・ウオッチ(CLW)が9月4日に公表したリポートは、サムスンの中国国内の委託工場で「一連の「不法かつ非人道的な違反行為」があったことを明らかにしている。IT最先端の企業はいずれも古典的労働者搾取で世界市場を制圧していることになる。(大野和興)(2012/09/15)


政治
【編集長妄言】次の総選挙の争点は「憲法」とメディアはきちんと伝えるべき  大野和興
 マスメディアをにぎわしている自民党総裁選。5人の候補が出そろいしゃべっているが、いずれも中身は同じ。東京新聞9月7日号見出し。「タカ派ぶり競う 自民党総裁選」。国士気取りでナショナリズムを煽り、集団的自衛権の行使と憲法9条改正を宣言し強硬路線を競い合う自民党総裁選候補者たち。この中の一人が次の首相になる。安倍はたしか核武装論者だった。次の総選挙の争点はTPP,脱原発、消費税といわれているが、真の争点は憲法だということをマスメディアははっきり打ち出すべきだろう。(2012/09/15)


政治
日刊ゲンダイ「石原伸晃幹事長『「大バカ伝説』」を地でいった報道ステーション発言
 自民党総裁選挙に立候補した石原信晃幹事長が11日、朝日テレビの報道ステーションで語った言葉が波紋を呼んでいる。波紋といっても「あれほど程度が低いとは思わなかった」といったレベルのものだが、それにしてもひどすぎた。その前日、日刊ゲンダイが「石原伸晃幹事長『「大バカ伝説』」という記事を載せていたが、図らずもそれが裏付けされた形だ。(大野和興)(2012/09/13)


TPP/脱グローバリゼーション
米政府、TPP交渉で特定国の薬価算定制度を狙い撃ち  市民のための医療制度の破壊もくろむ
 米国がTPP交渉で薬価基準について新しい提案をしているようだ。米国のメディアInside U.S. Tradeが9月7日付で報道したもので、米国は国家による薬価および同償還(医療機関等への払い戻し)に関して「透明性」の確保を義務づけ。手続きに関しても厳格な規律を求めているというものだ。ニュージランドの薬価国家管理制度を狙い撃ちしたものとみられている。ニュージーランドでは薬価国家管理庁は優遇リストに記載した医薬品の償還費(公的保険による負担分)を設定し、市民の購入価格を安くする仕組みをもっている。この仕組みを米国政府と製薬メーカーは目の敵にしている。この米国提案が通ると、日本の公的医療保険制度が採用している薬価算定制度は成り立たないことになり、国民は製薬会社のいうまま高い薬代を支払わねばならなくなる。(大野和興)(2012/09/12)


沖縄/日米安保
米国内でのオスプレイ緊急着陸  「安全に関わる不具合が原因」と米専門家
 米南部ノースカロライナーで起こったオスプレイの緊急着陸、米国内でも二つの見方がぶつかっている。単に警告灯がともっただけという海兵隊側に対し、元空軍准将の専門家は「安全にかかわる不具合が生じたもの」と語っている。沖縄タイムス9月9日号が伝えた。(大野和興)(2012/09/11)


沖縄/日米安保
オスプレイ配備反対 沖縄で県民大会、東京では国会包囲の同時アクションを展開
 9月9日、「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」が宜野湾海浜公園多目的広場で開かれ、10万1000人が参加した。同日、東京では沖縄県民大会と同時アクションの国会包囲行動が行われ、1万人が集まり国会を完全に包囲した。また7日には東京新聞に「オスプレイ配備NO!」を掲げた全面広告が掲載された。(大野和興)(2012/09/09)


政治
民主・山田正彦議員、TPP参加への懸念と原発ゼロを掲げブログで代表選予備選挙立候補宣言
 民主党代表選は野田首相再選が確実視されているが、党内には批判者も多く、何人もの対立候補擁立の声が上がっている。その一人、山田正彦議員が4日、自身のブログで、「民主党復活会議」予備選挙に立候補いたします、と宣言した。宣言ではTPPへの強い慎重姿勢と近い将来原発ゼロをめざすことを挙げている。(大野和興)(2012/09/05)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
シンジェンダ社の殺虫性トウモロコシで牛が死亡したとドイツの畜産農民が同社を相手に刑事訴訟
 殺虫性トウモロコシを食べた牛が不可解な死を遂げる事件が起こり、ドイツの畜産農民が開発した企業を刑事訴訟を起こした。バイオジャーナル誌が伝えている。(大野和興)(2012/09/04)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(4)戦時下の食卓  大野和興
 東京新聞が自社の成り立ちを追う連載を始めた。2012年8月14日が第一回。1938年に国家総動員法が施行され、新聞社の統合が国家によって強制され、東京新聞が誕生したことから書き起こされている。当時の世相を伝える次のような下りがある。国家総動員法のもとで、戦争に備え節約の大号令が庶民におろされていった、その一こまを紹介したものだ。「町には『一汁一菜』『パーマネントはやめよう』といった標語があふれ、ぜいたくは非国民だとも…」(2012/09/03)


核・原子力
エネルギーを地域に取り戻そう!  桜井 薫
 2010年3月11日の東日本大震災・原発事故以来、エネルギーの地域自給を掲げて被災地で地道な活動を続けているグループがある。それは、「足元からの脱原発運動」でもある。その活動を第一線でになってきた自然エネルギー事業協同組合レクスタ代表理事の桜井薫さん(埼玉県小川町)にその実践と考え方を語っていただいた。(大野和興)(2012/09/01)


みる・よむ・きく
『シグロ・ドキュメンタリー映画特集』  9月8日(土)〜14日(金) オーディトリウム渋谷で
 2011年秋、パリのシネマテーク・フランセーズで22日間にわたってシグロ特集上映が開催され、23本のシグロ作品が上映された。主催者であるシネマテークからは、シグロ作品を包括するモチーフとして、『レジスタンス=抵抗』という言葉が提示された。その凱旋上映会が、9月東京・渋谷で開催される。パリで上映された作品の中からシグロがこの26年間に製作・配給したドキュメンタリーの代表作・話題作7作品が上映される。(大野和興)(2012/09/01)


沖縄/日米安保
オスプレイ 、沖縄全域で飛行が日常化  米軍審査書の分析で判明
 普天間基地に配備されようとしている米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、少なく とも沖縄県内25市町村の上空を日常的に飛行する。米軍が作成した環境審査書に掲載されている飛行経路や使用される着陸帯の位置を分析した結果判明したもので、8月31日の琉球新報が伝えた。(大野和興)(2012/08/31)


核・原子力
市民からの脱原発「エネルギー基本計画」  市民団体eシフトが具体的方向を打ち出す
 迷走し、原発依存に舵を切りかねない政府のエネルギー基本計画策定作業に、市民の側が一足早く脱原発をめざす「脱原発・エネルギーシフトの基本計画〜市民版のエネルギー基本計画」案を発表した。eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)・市民委員会が8月29日に発表したもので、福島原発事故の総括とエネルギーをめぐる世界の動きを分析した上で、エネルギーシフト実現に向けた10の基本原則と8つの柱を打ち出している。8つの柱は脱原発に向けた具体的な政策の方向を示したもので、原発の全廃や大量消費社会からの脱却を打ち出している。今の市民の意識や考え方をもっとも簡潔に打ち出した提案といえる。(大野和興)(2012/08/31)


農と食
【編集長妄言】アジアを襲う食糧不足  大野和興
 米国の不作による食糧不足が現実のものとなって、トウモロコシのバイオ燃料への使用が問題となっている。アジアでも同じ問題がある。バイオ燃料用にキャッサバやパームヤシ、タイヤ向けのゴム。ここ5年、アジアの村でみたのは、田や畑をこうした食べられない作物に転換する光景だった。(2012/08/25)


農と食
食糧問題解決の鍵は畜産問題にある  大野和興
 米国の干ばつで穀物価格が高騰、シカゴ先物相場はトウモロコシ、大豆で史上最高を記録。この秋以降さらに上昇することは確実となった。穀物価格の高騰は全量を輸入に依存する飼料価格の高騰となって畜産 農家を直撃する。同時に、肉や卵、乳製品を作るために大量の穀物を消費する構造が、今や10億人に迫ろうとしている世界の飢餓・栄養不足人口を一層の飢えに追いやることも確実だ。食糧問題解決の鍵は畜産問題にある。(2012/08/17)


TPP/脱グローバリゼーション
米国貿易代表部主席交渉官が語るTPP交渉の今後、「さらにさらに多くの時間を割く必要がある」  
 米国サン・ディエゴでのTPP(環太平洋経済連携協定)拡大会議終了後の7月16日に米国貿易代表部(USTR)主席交渉官のバーバラ・ワイゼル氏が利害関係者向けに行った会見内容を、日本の市民団体「TPPに反対する人々の運動・翻訳グループ」が翻訳したので紹介する。これからのTPP交渉の方向性を示唆する興味ある論点がいくつか含まれている。主席交渉官は「大幅な進展があった」といいながら続いて「さらに多くの時間を割く必要があると認識している」と述べるなど、交渉進展には多くの難問が控えていることを示唆。またオーストラリアが強く反対している「投資家対国家間紛争解決条項」(ISDS)に関して、オーストラリアを例外扱いすることに強く反対、「協定の主要項目からいずれの国も除外されるべきではないというのが基本的な立場である」という米国の立場を強調した。(大野和興)(2012/08/15)


沖縄/日米安保
米公文書が明らかにした沖縄における枯葉剤の存在  「日米合同調査を」と琉球新報社説
 ベトナム戦争で米軍によって使われ、いまも犠牲者を出し続けている枯葉剤が沖縄に貯蔵されていたことが、米国のジャーナリストの調査で分かった。沖縄が日本に復帰した1972年まで、ドラム缶2万5千個分に上る「オレンジ剤」 と呼ばれる枯れ葉剤が県内に貯蔵されていたことが、米陸軍化学物質庁(CMA)が2003年に作成した報告書に明記されていたのだ。7日付の英字紙ジャパンタイムズで明らかにされたこの事実に、8月9日付琉球新報社説は、米国に対してってい調査を求めると同時に、日本政府に対し、「この問題をうやむやにするな」とくぎを刺した。(大野和興)(2012/08/09)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(4)戦場の農民   大野和興
 山形県の南部に当たる置賜地方に「置賜百姓交流会」をいう農民グループがある。1970年代の初め、減反に反対をしようと当時20歳代の百姓を継いだ若者たちが集まり作ったグループだ。それから40年、すでにメンバーの多くは60代に入った。彼らは減反反対ばかりでなく、村でさまざまなことに取り組んできた。そのひとつに、「戦争のために二度と銃をとらない農民の集い」というのがある。当時一部で話題を読んでいたドキュメンタリー映画『侵略』の上映会を地域の村々で開催したのだ。20代の若者たちの無謀ともいえる行動に、村の人たちの反応はどちらかというと冷やかで、参加者もちらほらだった。(2012/08/08)


検証・メディア
【編集長妄言】 オリンピックと震災瓦礫をめぐるデマ情報の事例的研究  大野和興
 ネットメディアを編集しているぼくがいうのも変なのだが、ネット上の情報はよほど自分で吟味した上でないと信用しないほうがいい。いま脱・反原発ネット情報に奇妙なデマ情報が流れている。福島の瓦礫でつくった手製の木製メダルをオリンピック派遣選手に政府が持たせたため、国際オリンピック委員会(IOC)が日本選手団を入場式から排除した、英国BBC放送がそのことを報道した、というものだ。そして、これは放射能瓦礫の国際的な拡散であり、国際法違反の国の恥だ、という言説がツイッターやフェイスブック、ブログなどに氾濫、細野原発大臣のブログが抗議のメールで炎上したというくだらないおまけまでついている。ネットにおけるデマ情報の発生と拡散、そして人びとがいかに安易にそれを信じてしまうかの好例として追ってみた。(2012/08/06)


核・原子力
一水会、差別発言ブログを削除  鈴木邦男顧問がツイッターで謝罪
 本紙が2012年07月24日15時37分に掲載した「【編集長妄言】脱原発運動にもちこまれた差別・排外主義、レイシズム」で指摘した一水会の「一水会活動最新情報!ブログ」の記事、「『原発技術なんか朝鮮人にくれてやれ。穢れた技術は、穢れた民族にこそ相応しいのだから』」が24日16時55分に削除された。また同会顧問で新右翼を代表する論客鈴木邦男氏がツイッター上で謝罪した。論評は後に譲り、とりあえず事実経過だけ報道する。(大野和興)(2012/07/31)


核・原子力
【編集長妄言】脱原発運動にもちこまれた差別・排外主義、レイシズム   大野和興
 何度か書いり話したりしたことなのだが、このところ社会運動への排外主義・レイシズムの浸透が目立つ。それだけ世の中が右へ揺れ、そうした考えを許容する空気が出てきたことが背景にあるのだろうが、それにしても困ったことだと思う。最初の現象はTPP(環太平洋経済連携協定)反対運動であった。TPPは「国益に反する、亡国の道」という呼びかけで、在日の人たちに対する攻撃を続けている「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)が日の丸を掲げてデモを始めた。つづいて脱原発運動に日の丸が目立つようになった。新右翼一水会のブログでは「原発とは、非常に『不潔な技術『」であり、「 「原発技術なんか朝鮮人にくれてやれ。穢れた技術は、穢れた民族にこそ相応しいのだから」と、差別と排外主義丸出しの主張が堂々と掲載される状況になっている。放射能は生命体を傷つけるが、レイシズムは人の心を殺す。両立などとてもできないはずなのだが。(2012/07/24)


スポーツ
【編集長妄言】WBCは野球版TPP  選手会、がんばれ!
 今回のWBC問題の背景にあるのは、成長の東アジアをアメリカ野球の市場として取り込もうというのがアメリカ野球業界の戦略。WBCはそのツール。言い換えればTPP野球版。オスプレイ、TPPで 米国言うなりの野田政権と比べプロ野球選手会は偉い!反TPP民衆運動「TPPに反対する人々の運動」世話人として断固選手会を支持する。(大野和興)(2012/07/23)


沖縄/日米安保
沖縄県、オスプレイ配備反対で米国に県幹部を派遣  国務省・国防省に県民の反発を説明
 沖縄・普天間基地へのオスプレイ(米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ)の配備は、国内での反対の声をよそに、着々と既成事実が積み上げられている。森本敏防衛相は22日、記者団に対しオスプレイを10月から本格運用する米政府の計画に関し「日米間で擦り合わせており、変更する考えはない」との考えを重ねて強調した。そうした中で沖縄県は県幹部を米国に派遣し、米国政府に直接配備反対の声を届ける方針を固めた。琉球新報が伝えた。(大野和興)(2012/07/22)


TPP/脱グローバリゼーション
「民主主義・三権分立を蝕むTPPには反対!」全米130名の州議会議員が表明
 米国50州の州議会議員が「50州の130人の州議会議員が「もしTPPが民主主義を蝕み、企業による国外の法廷での米国の法に対する攻撃を許すものであるのなら、我々はそれに反対するものである」との書簡を、TPP(アジア太平洋経済連携協定)の交渉を進めるUSTRのロン・カ−ク代表と主席交渉官のバ−バラ・ウィ−ゼル氏に送付した。7月5日付けで送付された書簡は、TPP交渉の目玉ともいえる投資家対国家間”紛争処理システム(ISDS条項)に焦点を当て、投資企業に国家を超える権限を与えるISDS条項は「立法・行政・司法の決定を蝕み、また合衆国憲法で定められている連邦主義の体制を蝕むことが明らかである」と表明している。書簡に署名した一人の議員は「USTRの交渉担当官が民主主義、連邦制、そして三権分立という建国の原理を蝕もうとしているとの懸念で50州及びプエルト・リコの州議会議員が一致しているのであり、今こそ政府は対応を変えるべきである」と書簡の中で述べている。同書間の内容は、日本の市民組織「TPPに反対する人々の運動」の翻訳チームで翻訳され、ホームページに掲載されている。(大野和興)http://antitpp.at.webry.info/201207/article_6.html(2012/07/21)


沖縄/日米安保
オスプレイ用施設づくりを急ぐ沖縄・高江  住民の激しい抵抗が続く
 米軍による日本へのオスプレイ配備に抵抗する地元住民の座り込みが各地で行われている。沖縄・高江につくられる米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)はオスプレイパッドであることを沖縄県も認識しているとされており、住民による激しい抵抗が続いている。これに対して沖縄防衛局 は19日、クレーン車をともなった大量の作業員を導入、建設作業を強引に進めよとしている。以下、現地からの19日の模様。(大野和興)(2012/07/20)


コラム
【編集長妄言】16日午後、代々木公園 暑さの中で聞いた言葉  大野和興
 17万人が集まった7月16日の「さよなら原発集会」。うだるような代々木公園の午後、会場の一隅で聞いた、呼びかけ人の一人、大江健三郎の言葉が胸にしみ込んだ。(2012/07/17)


核・原子力
 大飯原発再稼働で電力が余るので、火力発電8基を停止した  関電京都支店広報談
「大飯原発再稼働で電力が余るので、火力発電8基を停止した」と関電京都支店の総務・広報担当者が明かした。これは7月11日、再稼働問題で要請に訪れた京都自治労連に対する回答で明らかになった。京都民報Web7月13日が報じた。(大野和興)(2012/07/14)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(3)戦時下の農業と農村   大野和興
  1938年4月1日、国家総動員法が公布された。国ぐるみで,その体制を戦時似合わせたものに切り替えていくための法律である。昭和史の発掘を続けている作家の保阪正康は,この法律の意味を次のように述べている。 (2012/07/13)


人権/反差別/司法
【警察国家化する日本】教会への警官立ち入り・逮捕事件に90市民団体が神奈川県警に申し入れ
 去る2012年5月27日12時30分頃、川崎臨港警察署は、カトリック貝塚教会敷地内において、フィリピン国籍の信徒に対して職務質問を行い、旅券不携帯ないし常時携帯提示義務違反の罪により現行犯逮捕した(本紙既報)。その際教会側は宗教活動の自由、信教の自由の観点から教会敷地内から立ち退くよう求めたにもかかわらず、警官は教会敷地内への立入行為を継続して職務質問 を行い、逮捕に至ったという経過がある。この警察の行為に対し、7月5日、90の市民団体が強い抗議を含む申し入れを神奈川県警に行った。申し入れは、警察のこの行為は憲法違反であるばかりでなく、警察官職務執行法違反でもあると指摘。さらに警察当局自らが外国人の権利軽視の空気を作り上げていると指摘している。(大野和興)(2012/07/11)


人権/反差別/司法
【警察国家化する日本】捜査令状なしの教会に立ち入り警察活動を行った事件で、池長潤大司教が国家公安院長らに抗議の要請書
 さる2012年5月27日(日曜日)午後12時30分ころ、カトリック横浜司教区のカトリック貝塚教会において、神奈川県川崎臨港警察署職員6名が、同教会の管理責任者である主任司祭(教会管理者)本柳孝司から立入を拒否されたにもかかわらず、教会施設内に立ち入り、在日外国人を旅券不携帯などで令状もないのに逮捕するなどの警察活動を行いました(本紙既報)。この事件に関連し、日本カトリック司教協議会は会長・池長潤大司教名で国家公安委員会と警察庁に対し、要請書を提出した。要請書は、警察当局のこうした行為は「憲法20条の保障する信教の自由を侵害する行為」であることを指摘、さらに「教会は罪を犯した人も含めて、すべて重荷を負った者が安心して教会を訪れることができる場所を目指しています。教会内や教会付近において警察官から職務質問を受けるということが起これば、信徒等は安心して教会を訪れることができなくな」ると、警察による反社会的ともいえる行為にクギをさしている。この要請は6月21日に行われた。(大野和興)(2012/07/11)


イスラエル/パレスチナ
日本に売り込まれるイスラエルの軍事・監視技術  パレスチナ人弾圧技術で監視社会「日本」に貢献
 7月10日、「イスラエル・セキュリティ・イン・ジャパン」という名のついたイベントが、ホテルオークラ東京において開かれる。主催は駐日イスラエル大使館経済部。イスラエル国防軍の元准将であるアムノン・ソフリン氏(現・イスラエル国立防衛大学講師/民間警備業界コンサルタント)および元大佐のラミ・エフラティ氏(現・イスラエル政府内閣府国家サーバー局部長)による、イスラエルの防衛・公安戦略やイスラエルが有する技術についての講演があり、イスラエルの企業13社がさまざまな分野におけるセキュリティに関する自社技術のプレゼンテーションを行なう。パレスチナ問題に取り組む市民グループは、これらの技術はイスラエル軍需産業が兵器・防衛システムを開発・生産し、同時に占領下のパレスチナ人を管理・弾圧し続けるなかで「経験」を蓄積し向上させてきた技術であり、「セキュリティ」の名のもとに軍事・民事もろとも日本に売り込むための企画であるとして、この催しに反対を表明している。(大野和興)(2012/07/09)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、投資をめぐる秘密交渉が漏えい  環境や健康などあらゆる分野で国内法を超えて投資家の権益を擁護
 米国主導で行われているTPP(環太平洋経済連携協定)に冷や水をぶっかけるような出来事があった。情報の外部漏えいを恐れ、秘密交渉を貫いているTPP交渉で、投資をめぐる重要な内部文書が流失したのだ。TPPに反対の論陣を張っている米国のNGOパブリック・シチズンがその信ぴょう性を確認、綿密な解説を加えた。それによると、政府調達や公益事業の契約、金融政策、天然資源の獲得、環境政策や食の安全基準など、国民生活にかかわるあらゆる項目で、外国からの投資家が投資国で不利益を被った場合は、外国の裁判機関に訴えることができるとなっている。日本の市民組織「TPPに反対する人々の運動」翻訳チームが全文を訳し、ウエブサイト「当たり前に生きたいムラでもマチでも」で公開している。この漏えい文書は日本の外務省もつかんでおらず、インターネットで流れた文書をおおあわてで翻訳した、という情報もある。(大野和興)(2012/07/08)


検証・メディア
【七つ森vs読売新聞】『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』の仮処分に東京地裁が不当な決定を出しました!
 6月15日に、東京地方裁判所民事40部(東海林保裁判長)は、『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』について「発売等頒布してはならない」という決定をしました。この決定は読売新聞側の言い分を追認しただけの、まったく不当な決定です。このような決定と読売新聞の言い分が跋扈するようになれば、出版・表現の自由が侵害される恐れがあります。よって、直ちに異議を申し立てます。(2012/06/18)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(2)昭和恐慌下の農村  大野和興
 1929年(昭和4年)10月24日、ニューヨーク・ウォール街の株式相場が大暴落する。世にいう「暗黒の木曜日」である。世界恐慌が始まった。第一次世界大戦後のアメリカの繁栄は一挙に吹き飛び、恐慌はヨーロッパへ、そして世界中に波及していった。恐慌は金融恐慌、農業恐慌の形をとって人々を直撃した。(2012/06/14)


TPP/脱グローバリゼーション
マレーシアとオーストラリアが自由貿易協定に調印  TPP交渉の遅れをみこして錯綜する自由貿易協定
 交渉参加をめぐって国内で政治問題化しているTPP(環太平洋経済連携協定)だが、交渉加盟国のうちの二カ国が一足先に自由貿易協定を締結するという動きがある。マレーシアとオーストラリアの自由貿易協定MAFTAで、5月22日に調印された。MAFTAは7年越しで交渉されていた経過はあるが、なぜいま急きょこうした動きになったのか。オーストラリア公正な貿易と投資のためのネットワーク(Australian Fair Trade and Investment Network)のパトリシア・ラナルド博士(Dr Patricia Ranald)はその論文で「今年中にTPPは締結されないかもしれない、という徴候であると推測できる」と述べている。協定文書は今後条約に関する共同常任委員会にて審議されるが、オーストラリアの市民グループは貿易協定が署名される前に文書が公開されることを求めている。日本の市民グループ「TPPに反対する人々の運動」のニュースレターとウェブサイトが伝えた。(大野和興)(2012/06/07)


核・原子力
日本の原発輸出に抗議したベトナム人に圧力  国際環境NGOが日越政府への国際署名を呼び掛け
 ベトナムへの原発輸出を進めている日本政府に対するベトナム人による抗議文書が5月21日、在ベトナム日本大使館と日本外務省に出された。文書は453名のベトナム人の連名で出されており、ベトナム知識人の間で著名な研究者グエン・スアン・ジエン氏らが呼びかけ人となっている。ところが、同氏に対する脅迫ともとれる事件が発生、同氏に対するはベトナム当局からの出頭命令も出され、同氏のブログが閉鎖されるという出来事が続いている。こうした事態を受けて国際的な環境保護NGOの日本組織「FoE Japan」は、日本政府に、この文書を誠意をもって検討し、その回答するよう求めると同時に、ベトナム政府に対し、文書を発出したことにより、グエン・スアン・ジエン氏ら署名者がいかなる不利益をうけないよう求める国際署名を呼び掛けている。(大野和興)(2012/06/03)


検証・メディア
【七つ森vs読売新聞】目的は恫喝か 訴訟を乱発し、印刷所にまで圧力をかける読売新聞社  
 七つ森書館に対し「出版契約無効確認」訴訟を起こしている読売新聞社は、ほんの販売停止を求める仮処分申し立てに続いて、5月23日には「名誉権に基づく出版差止仮処分」を申し立てた。こうした訴訟乱発の一方で、読売側は書店・取次会社に引き続いて七つ森書館の本を印刷している印扱会社にも社員を派遣するなどの行為に出ている。読売側のこうした行為は、まるで提訴することによって被告を恫喝することを目的としたスラップ訴訟ではないか、とみることができる。(大野和興)(2012/05/30)


検証・メディア
【七つ森書館 vs 読売新聞】読売新聞、なりふり構わぬ出版妨害、今度は「販売差し止め仮処分」申請
 『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』の出版をめぐって発行元の出版社七つ森書館に対する出版契約無効確認訴訟を起こしている読売新聞社は、続いて「販売差し止め仮処分」を申し立て、書店・取次会社に、当該出版物の販売をしないよう要請するというなりふり構わぬ攻勢に出ている。これに対して七つ森書館は、この行為は「正当な出版を妨害するための申し立てと評さざるを得ません」として、書店・取次会社に説明の文書を配ると同時に、読者に対し、書店の店頭で同書を手に取り、「図書館へリクエストしてください」と訴えている。(日刊ベリタ編集長 大野和興)(2012/05/26)


TPP/脱グローバリゼーション
チリ政府高官 「TPPがチリにとって利益のあるものでなければ、TPPに署名しないという選択肢もあり得る」
 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加国であるチリの政府高官が、5月10日からダラスで開催されたTPP交渉のための12回会合を前に、「協定がチリにとって利益のあるものでなければ、TPPに署名しないという選択肢もあり得る」と語ったことが注目を集めている。そう語ったのはチリ国際経済関係総局)のコントレラス局長。チリの経済新聞である「ディアリオ・フィナンシエーロ」でインタビュ−に答えたものだ。日本の市民団体「TPPに反対する人々の運動」がメールニュースで伝えた。(大野和興)(2012/05/25)


アジア
東チモール:独立から10年  経済政策の失敗、格差拡大の中で人びとは
 東チモールが独立して5月20日で10年がたった。独立に命をかけたたかった多くの人びとの夢は実現したのか。若者は未来を描くことができるようになったのか。老人は安心して死んでいけるようになったのか。学生、農民、そして独立運動の活動家に話を聞いた。そこから出てきたのは、経済政策の失敗、格差の拡大、劣悪なままの生活環境、という現実であった。この国の次の10年、難題への挑戦が続く。東チモールで農業支援で村人や地元NGOと共に働く日本のNGO「APLA」(あぷら、アジアで人びとのつながるを作る活動をしている)のニュースレター『ハリーナ』16号から、いまの状況を紹介する。(大野和興)(2012/05/21)


農と食
【農と食の昭和・平成史】(1)コメ騒動の時代  大野和興
 これから一年、農と食について、戦前期から現在に至る歴史を追いながら、いろんな角度から考えてみる。それはそのまま民衆の生きた歴史に重なり、政治史につながる。本シリーズの第一回は、近代日本における食料問題の発端ともいえる大正期のコメ騒動である。(2012/05/15)


検証・メディア
”巨象に挑むアリ”  なぜ1000万部大メディア読売新聞は小出版社を訴えたのか  
 読売新聞社が小出版社を提訴したという記事が、5月9日の同紙に小さく出た。出版社は故高木仁三郎氏の著作集を出すなど、反原発を軸に社会問題を扱う七つ森書館。硬派の出版社として知られている。同社は昨年から「ノンフィクションシリーズ“人間”」を刊行、戦後の日本社会の断面を描くルポルタージュの傑作の復刊を手掛けておりそのシリーズのひとつとして、『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』(読売新聞社会部。1998年新潮社刊、2000年新潮文庫)を刊行したいとして、読売新聞と協議を重ね、2011年5月9日に出版契約を結んだ経過がある。読売新聞の訴えは、その出版契約の無効確認を求めるもので、4月11日付で出された。発行部数1000万部の日本一のマスメディアが小出版社を訴えたその背景に何があるのか。七つ森書館の中里英章代表取締役の声明、「小さなアリが巨像に挑む」を紹介する。(日刊ベリタ編集長 大野和興)(2012/05/10)


福島から
太陽光発電で女たちの農産加工を! 原発の足元で「原発いらない」を発信、  大野和興 
 5月5日、全国の原発がストップした。各地で原発廃炉に向けてのさまざまの行動が取り組まれているが、同時に地域ではくらしや生産活動の足元から「原発に頼らない」世界をつくろうという試みが地道に続いている。福島県三春町では地元の農村女性グループの“小さな農産加工”を太陽エネルギーでまかなおうという実践が取り組まれ、間もなく発電が開始される。市民グループ「福島・農と食再生ネット」(西沢江美子代表)が村の女たちと取り組んでいるもので、原発の足元からの「原発いらない」の発信となっている。(2012/05/05)


TPP/脱グローバリゼーション
4・25STOP TPP市民集会  さまざまなの分野から5000人が参加、“生きる権利”を訴え集会とデモ
 野田首相訪米前の4月25日夜、「STOP TPP!!一万人キャンドル集会」と銘打たれた市民集会が東京・日比谷公園野外音楽堂で開かれ、5000人(主催者発表)が参加。多くのミュージシャンも駆けつけ、さまざまの分野・立場からの発言と音楽による集会の後、銀座を歩くキャンドルデモで、人びとの“生きる権利“を奪うTPP参加反対を訴えた。この行動は労働者、農・漁民、生協・消費者・都市生活者、医師・看護師ら医療関係者など、あらゆる領域の組織が政党や団体の垣根を超えて「4・25TPP反対市民アクション実行委員会」を作り、中心的な役割を果たした。(大野和興)(2012/05/01)


TPP/脱グローバリゼーション
経済と軍事の環としてのTPP(4)アジアの武器市場化 大野和興
 ホノルルでのAPEC対抗民衆会議は「MOANA NUI」(モアナ ヌイ)と銘打 たれていた。先住ハワイアンの言葉で「偉大な海」とでもいう意味 だという。 民衆会議の主役は明らかに太平洋の先住の民であった。軍事との 関連でいえば、いま米軍基地の建設が進められている韓国・済州島、沖縄、ハワイ、グアムなどから、米軍基地とたたかっている住 民、活動家が報告にたった。中国シフトの第一線である済州島と沖 縄、グアム、米軍の太平洋司令部があるハワイ、そして今回米海兵 隊が常駐することになったオーストラリア二重,三重に中国を包囲 するこ軍事網は地域的にTPPとほぼ重なる。(2012/04/18)


TPP/脱グローバリゼーション
経済と軍事の環としてのTPP(3)アジアがきな臭くなった  大野和興
 ではいまの世界の状況のなかにTTPをおいてみると、何が見えるか。アメリカから始まり、ヨーロッパ、さらには新興経済国の雄中国へと経済危機はとどまるところをしらない広がりを見せ,世界恐慌の様相を呈している。この状況のなかにTPPをおいてみると、従来の新自由主義的自由化路線とは違った顔が見えてくる。それはブロック経済化への先祖帰りである。(2012/04/17)


TPP/脱グローバリゼーション
経済と軍事の環としてのTPP(2)新自由主義的復興とTPP  大野和興
 2011年3月11日、東日本を襲った大震災で,TPPは吹き飛んでしまったかのように見えた。しかし、現実には震災から一ヶ月後にはTPP交渉参加促進論がよみがえっていた。その予兆は震災直後からあった。ミニコミ誌『反改憲通信』2011年3月29日号に、次のように書いた(2012/04/15)


TPP/脱グローバリゼーション
重なり合う米軍再編とTPP―野田首相は訪米で何をもちかえるのかー  大野和興
 連休中に野田首相は訪米して日米首脳会談に臨む。それまでこの内閣が存続しているかどうかはともかく、日米間の懸案であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と普天間問題が議題となるには明らかである。沖縄の世論は固く、辺野古への移設は言い出せないので、ここはTPPで大幅に米国の意向を受け入れ、米国をなだめようというのが、どうやら野田首相の訪米にかける思惑のようだ。しかし現実はそうした姑息な思惑を通り越して、TPPと沖縄を軸とする太平洋の米軍再編は相互に関連しあって進んでいる。TPPをめぐる動きをアメリカの対外戦略の中に落とし込んでみると、何が見えるか。(2012/04/07)


福島から
こちら側とあちら側ー原発被災地の村から(6)村に生きるということ=たすきわたしと地下水= 大野和興(農業記者)
 正月、締め切りがすぐ来るなあと気にしながらぼんやりとテレビの駅伝中継を眺める。走者が次々と画面に現れ、次の走者にたすきを渡して消えていく。“たすきわたし”という言葉を思想と運動の言葉として使ったのは山形の百姓管野芳秀である。(2012/04/02)


福島から
あちら側とこちら側ー原発被災地の村から(5)村に生きるということ=土着の居直り= 大野和興(農業記者)
 今、この列島の山や里では、人は朽ち、村は消えていこうとしている。そこに至る足取りを戦後史をかかわらせながら概観した。原発事故を含め、いま起こっていることはその結果であるに過ぎない。そうした現実の背景には、成長や開発、モノとカネがあることが「豊か」なのだという価値観がある。その価値観を疑うことからしか、原発被災地を含む地域の再生はありえないのではない、という問題意識にずっととらわれている。改めて百姓という生業、村という存在について考えてみたい。(2012/04/01)


福島から
こちら側とあちら側―原発被災地の村から(4)豊かさと貧しさ =草野比佐夫と木村迪夫、二人の百姓詩人=  大野和興(農業記者)
 再び東北の村に戻る。いわきに草野比佐男という百姓詩人がいた。「村の女は眠れない」とうたった彼の詩が発表されたのは1972年。たいまつ社から刊行された。彼は次のように詠った(2012/03/31)


福島から
こちら側とあちら側―原発被災地の村から(3)”人買いバス”が走った時代  大野和興(農業記者)
 ぼくが四国の山の村の育ちであることは先に書いた。『山びこ』学校が描く世界は、そのころのぼくの日常そのものだった。村は確かに貧しかった。まだ学校給食はなく、弁当を持ってこられないものも多く、そっと校庭に抜け出し、水を飲んでしのいだ。弁当を持ってこられる子どもも、大半の弁当はふかしたサツマイモだった。小さな弟や妹を背負ってくるものもいた。子守は子どもの役だったのだ。泣きだすと教室を抜け出し、校庭であやした。敗戦直後の山の村では、食料も乏しく、政府へのコメや麦の供出もきびしかったので、乳幼児に栄養失調が多くみられた。栄養の不足した子どもたちはすぐに下痢をし、ちょっとした風邪で死んでいった。(2012/03/28)


福島から
こちら側とあちら側―原発被災地の村から(2)豊かさと貧しさ =『山びこ学校』の時代=  大野和興(農業記者)
 先の見えない不安を抱えながら、それでも種をまく農民。種代も出ないかもしれないことを承知しながら、みんなそうしていた。理由は「百姓だから」。だが、この国の農民を取り巻くもうひとつの現実もある。暴走中の原発がある福島県浜通りの村々を語るとき、多くの人が「貧しさが原発を呼んだ」という。いったい、村の貧しさとは何か。次にそのことを考えてみる。(2012/03/23)


福島から
こちら側とあちら側―原発被災地の村からー(1)南相馬の詩人は詠う  大野和興(農業記者)
 3月11日が暴き出した事実と、そのことがもつ意味をどうとらえるかは人によってさまざまだし、なによりすでに山のような文章や発言が積み上げられている。ではぼくの場合はどうか。山のような文章や発言になにがしかを加えられると思うほどの自信はからきしないが、せめてぼくの立ち位置だけははっきりしておこうと思う。四国の山奥の村で育ち、村歩きを仕事として、この五十年を生きてきた。地震と津波、それにつづく福島第一原発の爆発と暴走に接して、一瞬頭をよぎったのは「百姓と漁師のとてつもない受難の時代が始まった」ということだった。明治以来のこの国を作り上げてきた原動力とも言える、都市による地方の収奪、百姓と漁師の切り捨てがいっそう勢いを増すだろうと思ったのだ。であるならばぼくは、農業記者としての五十年、ぼくを支えてくれた「切り捨てられる側」に徹底して立とう、絶対に引かないで立とう、と思った。以下、その立ち位置から見えてきたものを報告する(2012/03/20)


福島から
【福島・東西しらかわ農協の挑戦】(中)営農技術でもさまざまの試験と工夫を繰り返す
 今春の作付けに向け、凍りついた田畑で7000か所の放射能土壌マップ作りに取り組んでいる福島・東西しらかわ農協の鈴木昭雄組合長へのインタビューの続き。検査や計測で事実を知ると同時に、営農技術の工夫でいかに作物の放射能による汚染を低減するか、もまた大事な課題である。(聞き手:大野和興)(2012/01/21)

福島から
【福島・東西しらかわ農協の挑戦】(上)7000か所で土壌の放射線測定、20ベクレル以上のコメは出荷停止した 
 メディアでも報道されず、都市に住むほとんどの人に知られていないが、原発事故と放射能禍の只中で、地域に住むさまざまの人たち、諸組織がそれぞれの場で生きるための懸命の努力を続けている。そのひとつの事例をJA農協にみた。福島県中通りの南に位置する東西しらかわ農協。組合員約7000人、コメ17億円、野菜16億円、畜産5億円を売り上げていた同農協は独自検査をもとに独自の基準を設け、1キロ当たり20ベクレルを超えたコメは出荷していない。そして今、春の作付けに向け、管内7000か所の田畑の土壌の放射線量を計るマップ作りに取り組んでいる。同農協の鈴木昭雄組合長にインタビューした。(聞き手:大野和興)(2012/01/18)


福島から
農民は加害者なのか!  福島県有機農業ネットワークが都市と農村の新しい関係構築を訴え、アピール
 被害者である福島県の農民をまるで加害者のように責め立てる都市の消費者がいる。そんな中で自殺する農民が後を絶たない。メディアに報道されるのはそのほんの一部というという人も多い。福島県有機農業ネットワークは年末、「農民を責めないで」と訴え、「原発のない新しい時代を創るために今こそ、都市と農村の新しい関係を構築しよう」と呼びかけるアピールを出した。(大野和興)(2012/01/04)


TPP/脱グローバリゼーション
《twitterから》武器輸出三原則緩和とTPP  大野和興
 TPP、TPPと騒ぐ米国が売れるものは武器、遺伝子組み換え食品、それにカネ。米国の猛烈な武器売込みがTPPに乗って始まる。(2011/12/28)


みる・よむ・きく
この地に生きる百姓の思いを描いたテレビドキュメンタリー「原発事故に立ち向かうコメ農家」  大野和興
 なにかと批判の多い既成メディアだが、日曜夜10時の教育テレビという地味な時間帯で思いがけない掘り出しものにぶつかる。この映像は、既成メディアは信用できないとレッテルを張る脱原発運動のインターネット情報が持っているある種のゆがみを照らし出していると、テレビを見ながら感じた。そのゆがみとは、「おれだって逃げたいよ。だけど逃げられないよな」という、「その地に生きる」ことを選択した、あるいは選択せざるを得ない人たちの声や思いに対する無視あるいは見てみぬふりである。(本文から)(2011/12/25)


【編集長妄言】反TPPで国家主義の原発推進派もいれば脱原発の排外主義者もいる 何ともねじれたこの国の論調  大野和興
 いまこの国や国民が突き当たっている基本的な問題で、論調に奇妙なねじれがこのところ目立つ。それを強く意識するようになったのは、3月11日の東日本大震災からである。(2011/12/15)


TPP/脱グローバリゼーション
経済と軍事の一体化が明瞭になったTPP  APECホノルル会議後のアジア  大野和興
 11月12,13日とホノルルで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が終わったとたんにアジアがきな臭くなった。APECのホスト役を終えたオバ マ米大統領はそのあとすぐにオーストラリアに飛び、ギラード豪首相と会談、オーストラリア軍の基地があるダーウィンに米海兵隊を常駐させることで一致したとスピーチ。あわせて「アフガニスタン、イラクは終わった。今後アメリカはアジアに全面的にコミットする」と強調した。APECホノルル会議を舞台に進められているTPP(環太平洋経済連携 協定)と重ね合わせてこの動きをみるとき、経済と軍事を一体化したアメリカのアジアシフトが新たな段階を迎えたことを読みとれる。(2011/11/22)


検証・メディア
政府広報紙と化した大手メディア  TPP、沖縄、BSEでの太鼓持ち報道は目に余る
 野田政権がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加に前のめりだ。それにつれて、マスメディアもまたいつものように「このままでは日本は世界から乗り遅れる」と太鼓をたたいて政府の応援団を買って出ている。野田首相の意向は、11月中旬にアメリカ。ホノルルで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でTPP参加を表明することにある。(大野和興)(2011/11/09)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPでは生きられない! 草の根の運動が動き出す 
 野田政権は就任以来、TPP(環太平洋経済連携協定)参加に向けしゃにむに突き進んでいる。とりあえず11月12、13日にホノルルで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議で米国の要請に沿って現在9カ国で進んでいるTPP交渉に日本も参加することを表明する方針だ。これに対し、与党民主党内でも促進派と慎重派に分かれ、党内抗争が繰り広げられる事態が続いている。一方,TPP参加反対の運動も徐々に広がり、農業団体、医師会などの行動がメディアに現れるようになった。10月31日には、農民や市民で構成する「TPPに反対する人々の運動」が都内でTPP交渉参加反対を掲げてシンポジウムを開催、「TPP反対の大きな流れをつくりだす」との宣言を発するなど、草の根の運動も盛り上がりを見せ始めた。(大野和興)(2011/11/01)


検証・メディア
旧態依然とした農業観を抜け出せないジャーナリズムの貧困さ
 コメをめぐり異変が起きている。3月11日の大震災・原発事故、新潟、西日本を相次いで襲った台風と豪雨…。天災と人災が重なり、絡み合い、予測を超えたことが起こる恐れもあるからだ。特に、原発事故被災地福島の中心に、幅広い地域で土壌の放射能汚染が広がっており、それが収穫期を迎えたコメにどう現れるかをめぐって不安が高まり、それが米価にも反映するという動きが、8月末から9月初めには出てきていた。幸い放射能は「検出せず」がほとんどで、検出されたものも暫定規制値を大きく下回り、生産地ではとりあえず、胸をなぜ下ろしている。そこへ降って湧いたのがTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加に付く進む野田政権の出現。農水省の試算によると、究極の貿易と投資の自由化をめざすTPPに参加したら日本の米生産は90%がダメになる。そうしたコメをめぐる状況をメディアはどう報じたか。経済週刊誌から追ってみた。(大野和興)(2011/10/26)


検証・メディア
読売新聞はいつ米国防省の広報紙になったのだろう?
 いやあびっくりした。10月24日付けの読売新聞朝刊のことである。米国防長官が「本紙に寄稿」し、「普天間の辺野古への移設は日米同盟に有益」というニュースを解説入りで掲げ、おまけに社説で「首相は辺野古に『本気』を示せ」とある。寄稿文「21世紀に向けた揺るぎない日米同盟」も全文掲載している。すこしやりすぎじゃないですか、読売さん、ここまで露骨にやると、新聞として信頼されなくなり、かえって損じゃないでしょうか。(大野和興)(2011/10/24)


TPP/脱グローバリゼーション
得する人は1% 損する人は99%〜「レイバーネットTV」でTPP問題を特集
 10月20日のレイバーネットTV第21号放送では、いま話題のTPPを取り上げた。特集タイトルは「TPPってなに? 知らないうちにハゲタカの餌食」で、ジャーナリストの大野和興さんと医者の本田宏さんがゲストだった。(レイバーネット松原明)(2011/10/22)


北朝鮮
十年ぶりのピョンヤン(1) パラソルと携帯  大野和興
 ほぼ十年ぶりのピョンヤンだった。1990年代末から2000年代初め、相次ぐ天災やら経済の停滞やらで、北朝鮮の困難が続いていたとき、三度連続して訪れ、以来十年が過ぎた。ピョンヤンをちょっと見たくらいで、この国の現実が分かるわけはないのだが、街の通りを見て、やはり十年がたっているのだな、という印象を受けた。(2011/10/21)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPに前のめりの野田政権  しかし肝心のTPP交渉の行方は霧の中  大野和興 
 野田首相は11月にホノルルで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を表明したいと前のめりだ。与党民主党の前原政調会長も張り切っている。一方で党内の慎重派は署名活動を展開して、執行部をけん制している。読売新聞や朝日新聞などマスメディアも、TPP推進のキャンペーンを張っている。だが、国内のこうした動きとは裏腹に、国際的にはTPP交渉の雲行きはなんだか怪しくなっている。TPPをめぐる国内の状況は、メディアの報道を含め、日米同盟に縛られた内向きの議論という気がしてならない。(2011/10/10)


TPP/脱グローバリゼーション
なぜ日米政府はTPPにこだわるのか(下) 経済よりも政治選択なのだ 大野和興
  米国の参加を境に、小国どうしの連携をめざすものだった同協定は大きく性格を変えた。徹底した自由化路線を維持しながら、米国が主導する広域経済連携協定をめざす存在になったのである。さらに2010年11月に横浜で開かれたAPEC首脳会談で、APEC参加二一カ国を枠組みとするアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を実現するための土台として「ASEAN(東南アジア諸国連合)+3」、「ASEAN+6」と並んでTPPが位置づけられた。(2011/09/24)


TPP/脱グローバリゼーション
なぜ日米政府はTPPにこだわるのか(上) オバマに「TPP、やる気あるのか」と脅された野田首相  大野和興
  22日にオバマ大統領と会談した野田首相は、「普天間で結果を出せ」「米国産若牛肉を早く買え」「TPP、やる気あるのか」を脅されてしまった。野田首相が「努力します」という意味のことを神妙に答えている姿がテレビで流れた。日米同盟は最右翼読売新聞はさっそく23日の社説で「同盟深化へ『結果』を出す時だ」と煽り、TPPについて「11月(APECホノルル首脳会議)が日本参加決断の期限」を尻を叩いた。いったいなぜ米国はこれほどTPPへの日本参加にこだわり、日本政府はそれに追従するのか、考えてみた。(2011/09/23)


核・原子力
19日明治公園は6万人が「さようなら原発」 海外でも大きく報道
  9・19さようなら原発アクションに出かけた。午後1時半開会なので、1時過ぎに最寄りのJR千駄ヶ谷駅に着くと、ホームは人でいっぱい。改札を出るまでに30分はかかった。会場の明治公園は内も外も満杯で身動きできないほど。主催者発表で6万人、警察は2万7000人。感じでは5万人は超えていた。原発関連では過去最大。(大野和興)(2011/09/20)


福島から
「福島のトラックが来ると放射能がばらまかれる」 福島差別の渦中に身を置いて感じたこと  大野和興
  福岡市の市民グループが進めていた福島支援ショップが開店中止に追い込まれたニュースは、新聞、テレビで報じられて全国に知れ渡った。「福島からのトラックは放射能をばらまく 」などといったメールが相次ぎ、店舗を貸すオーナーが運営する市民グループに 出店をやめてほしい と断ったためだ。実はこのプロジェクト、筆者を含む仲間と福島県の農村女性グループが共同で取り組んでいる福島の農と食を再生をめざすささやかな実践に、北九州で有機農産物の生産と流通をおこなっている市民資本の事業体九州産直クラブが共鳴、市民に呼び掛け「ふくしまショッププロジェクト」を立ち上げて進めてきたものだ。福島差別の渦中に当事者の一人として身を置いてみて、その陰湿さに驚嘆すると同時に、こうしたことを許す日本の社会に暗然となった。(2011/09/11)


検証・メディア
福島原発事故で百万人が死ぬんだって!  世界を駆け巡る報道を検証してみた
  福島第一原発事故で今後100万人が死亡―。そんなセンセーショナルな記事が英紙インディペンデント電子版で8月29日(現地時間)に報道され、複数の韓国メディアがそれを大々的に伝えた。さらに日本でこの報道がインターネットで脱原発の市民運動の間で拡散され、一部で騒ぎになっている。しかし、この報道、どう検証してもおかしい。(大野和興)(2011/09/03)


農と食
カンボジアの村で温鉄軍『中国にとって、農業・農村問題とは何か?―<三農問題>と中国の経済・社会構造』を読む  大野和興
  いまグローバル資本主義が百姓世界を飲み込み、中国でも「土地なし農民」が増えている。「土地がない」ばかりでなく、「仕事がなく」「社会保障がない」「三ない農民」が大量に輩出しているともいわれる。そのグローバル資本主義の先頭に立つのがいまの中国でもある。足もとで「土地なし農民」を作り出した中国資本主義は、アジア近隣諸国に押し出して、そこでも百姓世界を壊し、土地なし農民の大量生産を始めている。メコン川下りの旅で見たアジア百姓世界の解体とその背後にある中国資本主義の存在という現実に、温鉄軍「三農問題」はどう対峙するのか。この書評執筆のために旅先で読み込もうと、荷物にこの分厚い書物を詰め込み、カンボジアの田舎町のホテルの薄暗い明りの下で本書を広げながら考えたのは、そのことだった。(大野和興)(2011/08/24)


反戦・平和
反靖国デモ  年々激しくなる右翼の妨害行為  奇妙に歪むこの国の一断面をみる
   毎年8月15日に市民グループによって行われる「国家による『慰霊・追悼』を許すな! 8.15反「靖国」行動」。年々右翼による妨害が激しくなっている。参加者によると、今年は刃物まで出たという。奇妙な方向に歪むこの国の一断面を、参加者の一人園良太さんのデモへのお誘いとtwitterから見る。(大野和興)(2011/08/16)


反戦・平和
自衛隊任務の膨張とソマリア問題(その1)  〜海外に初の自衛隊”軍事”基地開設』〜   池住義憲
  震災復旧・復興、原発事故対処、今後のエネルギー政策、菅首相退陣時期を巡る永田町の政局・・・。連日、紙面で大きく報道されている一方、静かに、着実に進められている”危険な動き”がある。この一ヵ月間でもすくなくとも三つ。一つは、国際平和維持活動(PKO)に関する動き。二つ目は、武器輸出三原則見直しの動き。そして三つ目は、2011年版防衛白書の内容と方向です。いずれも、自衛隊活動・自衛隊任務の「膨張・拡大」に関するもの。大切な問題なので、経緯概要も含めできるだけわかり易く、2回に分けてお送りします。やや長文になりますが、関心ある方、読んでください。(池住義憲「8月メール通信」より)(2011/08/09)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
豪政府、遺伝子組み換え小麦の試験栽培や人体実験に踏み切る
  オーストラリアで、遺伝子組み換え(GM)小麦の栽培実験や、薬用効果を組み込まれたGM小麦をべた場合の人体実験が急速に動き出している。日本の小麦需要はパン、うどんなどオーストラリア産小麦に依存している。直接私たちの食にかかわる問題。(日刊ベリタ編集部)(2011/08/08)


みる・よむ・きく
『山びこ学校』を読み返す  改めて「貧しさ」と「豊かさ」を考えてみた  大野和興
  暴走中の原発がある福島県浜通りの村々を語るとき、多くの人が「貧しさが原発を呼んだ」という。そうした言葉の背景には、成長や開発、モノとカネがあることが「豊か」なのだという価値観がある。その価値観を疑うことからしか、原発被災地を含む地域の再構成はありえないのではない、という問題意識にずっととらわれている。敗戦直後の東北のムラの「貧しさ」を子どもたちの目で記録した『山びこ学校』を改めて読みなおしてみた。(2011/08/06)


TPP/脱グローバリゼーション
運動から生まれた運動のためのパンフ  『TPP−あたりまえに生きたい ムラでも、マチでも−』 編・発行 TPPに反対する人々の運動  定価100円
  3月11日の東日本大震災で息をひそめていた感のあった「TPP推進論」が息を吹き返し、経済界や大手マスコミが「早く日本も交渉に参加を」とはやし立てている。その論理は、大震災の復興には巨額に資金がいる。その資金を調達するには税収を増やさなければならない→税収を増やすためには日本経済が活性化する必要がある→日本経済活性化のためには貿易と投資の自由化が必要であり→それを徹底的に進めることを目指しているTPP参加を、いまこそ進めるべきだ、というものだ。(大野和興)(2011/08/05)


東日本大震災
「水産特区」反対の動きが広がる  「漁業権と浜の集落は一体」
  村井宮城県知事が提唱し、首相の私的諮問機関である東日本大震災復興構想会議が提言で明記、国の政策に盛り込まれることになった「水産特区」に対し、批判が高まっている。(大野和興)(2011/07/19)


東日本大震災
津波と原発の被災地の村と浜から(中)≪原発と農民≫種をまくということ  大野和興
  放射能は農民のこころを引き裂いた。この春、福島の農民は悩みながら種をまいた。大なり小なり土が汚染されていることは間違いない。そこに種をまき、田植えをして果たして大丈夫なのあろうか。収穫をしたものを食べてくれる人がいるのか、そんな土地に作物をつくっていいのだろうか。それでもみんな種をまき、苗を植え、田植えをした。なぜと問われたら、「百姓だから」というほかはない。(2011/07/18)


東日本大震災
津波と原発の被災地の村と浜から(上) ≪津波と漁民≫浜と海は誰のものか 大野和興
  管首相の肝いりで発足した首相の私的諮問機関「東日本大震災復興構想会議」が6月25日、「復興への提言〜悲惨のなかの希望〜」を題する答申を首相に提出した。いろいろ修飾語が並べられているが、それらを取り去っていくと、残るのは増税と効率優先の復興路線、という本質が見えてくる。新自由主義的復興とでも言うべき鎧が袖のしたからのぞいて見えるのだ。4月初め以来、原発被災地福島の村々を何度も訪ね、6月初めには法政大学サスティナビリティ研究機構の調査団に同行して、地震と津波の被災地三陸沿岸を北は岩手県宮古市から南は宮城県名取市まで歩いた。(2011/07/16)


みる・よむ・きく
薪炭の里から犖業瓩悄 ゞ疇9男『貧しさからの解放』を読み返す  大野和興
  「昭和」で言うと20年代、アジア太平洋戦争でドイツやイタリアと組んで侵略国側を演じた日本が負け、民主化の熱気が社会の各層に残っていた時代、農村でも青年や女性が主役の「農村民主化運動」が広がっていた。主役は「家からの解放」と「貧困からの解放」であった。後者を掲げた歴史的な出版物が2冊、1950年代に刊行された。『山びこ学校』と『貧しさからの解放』。2冊とも、日本の戦後出版史を飾るベストセラーとなった。日本の出版メディアは「農村の貧困」をどう伝えたか、『貧しさからの解放』を読み返した。(2011/07/03)


文化
「被曝して骨の髄病み臥す君の悔恨しずかに聞く秋の夜」原発労働者を詠む詩人、歌人たち  若松丈太郎『福島原発難民』から  大野和興
  南相馬市の詩人若松丈太郎は、この5月に上梓した著書『福島原発難民 南相馬市・一詩人の警告』で、自身の作品だけでなく、原発が立地する福島県浜通りに住む多くの詩人、歌人の作品を紹介している。その多くはすでに故人なのだが、それらの人たちがうたう詩や歌の、なんと重く、悲しく、苦痛に満ちていることか。若松が紹介するそれらの詩歌から、原発労働者をうたったもののいくつかを紹介する(2011/06/27)


文化
詩人の直感力と想像力が描き出す予言の書  若松丈太郎著『福島原発難民 南相馬市・一詩人の警告』  大野和興
  暴走を続ける福島第一原発に隣接する福島県南相馬市に一人の詩人がいる。若松丈太郎さん、76歳。海岸から4キロ,原発から25キロの地点に住む若松さんは,自らを原発難民と呼ぶ。長く高校教師を勤めてきた若松さんは、原子力発電所近傍に住む詩人として,自身の思いを詩やエッセイにして折にふれ発表してきた。本書は原発事故があった2ヵ月後の5月10日、それら原発にまつわる作品をまとめて上梓したものだ。一読して、詩人の直感力と想像力に驚嘆した。1971年、第一原発の建設が始まった段階で,詩人はこう記している。(2011/06/26)


検証・メディア
【編集長妄言】市民メディアに何ができるか 福島原発情報共同デスクを立ち上げる  大野和興
  福島原発暴走で何が出来るか市民団体で緊急会議をもつからと声をかけられ出かけたのは、確か3月28日であった。おりからこの問題についての政府の大本営発表への不信が高まっていた。政府が信用できないのだから、事故を起こした当事者である東電なぞもっと信用できないし、その政府・東電の発表をこだまのように増幅させる新聞、テレビなどマスメディアもまた信用できないものの対象に入っていた。この「信用できない」という気持ちのなかには、「自分たちは情報を操作されているのではないか」という疑問が含まれていた。緊急会議でも同様の意見が出された。(2011/06/01)


労働問題
関西生コン労組に弾圧  大阪府警、威力業務妨害で13人を逮捕、労働者の団結権を否定
  大手ゼネコンを相手に 2010年、139日間のゼネストを行った連帯ユニオン関西地区生コン支部で副委員長以下13人が逮捕されるという事態が起こっている。5月11日朝、テレビカメラを引き連れた大阪府警警備部などが支部事務所や労働組合員宅を襲い、家宅捜査をすると同時に13人という大量逮捕を行ったものだ。(大野和興)(2011/05/18)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】TPP参加へとまい進する「新自由主義的震災復興」のシナリオとどう対抗するか  大野和興
  案の定出てきたな、というのが率直な感想だ。日本経団連が4月18日、日本の通商戦略に関する提言を発表した、その内容についての感想だ。提言は、大震災後、論議が停滞しているTPP(環太平洋経済連携協定)について、「早期参加は依然重要な政策課題」とそたうえで、「震災後の経済復興に向けたグローバルな事業展開、円滑なサプライチェーンの構築に不可欠」と主張。参加しなければ「国内生産拠点がTPP参加国に移転してしまう」と、脅しとも見える言及をしている。(2011/05/17)


福島から
消された村  大野和興
  40年,コメを作ってきた。借地10ヘクタールをいれ、12ヘクタールの稲作を手がけていた。安全なコメ作りをめざし、農薬,化学肥料は控える環境保全型農業を追求してきた。営々と土を作ってきた田んぼに、もうはいれない。まだ1000万円の借金が残る農機も流された。残ったのは、その日乗っていた軽トラだけ。これが全財産だ。(2011/05/06)


福島から
【編集長妄言】暗闇を取り戻す思想と行動を  大野和興
  断続的に続く停電。4月が近いのに底冷えがする。外へ出てみると、満天の星空。これまで目を凝らしても見えなかった小さな星も見えている。ここは秩父市のはずれ、横瀬町と境を接する小高い山の上だが、こんな星空をみたのはいつだったろうと記憶をたどる。20年、いや30年くらいさかのぼるかもしれない。(2011/03/31)


検証・メディア
「それを言っちゃおしまいよ、読売新聞さん」 TPPに反対するのは「国賊」だって  大野和興 
  寅さんではないが、「それを言っちゃおしまいよ」という言葉がある。いやもおうもなく人を黙らせ、意見を封じてしまう言葉だ。さしずめ「国賊」とか「非国民」とかいう言葉が思い浮かぶ。日本一の部数を誇る読売新聞がTPP推進の企画記事で「成長の源泉である貿易が農業の犠牲になるなど国賊ものだ」と書いたのには驚いた。これってジャーナリズムの自殺行為じゃないでしょうか。(2011/03/08)


TPP/脱グローバリゼーション
ブックレット『TPP反対の大義』  気になる「内へ、内へ」の視座  大野和興
 いま本屋をのぞくと、TPP関連本が平積みになっている。本書はその先駆けとなったもので、とてもよく売れているという。あれよあれよという間に、それまで公の場での開かれた論議など一度もなかったTPP(環太平洋経済連携協定)なるものが国政の最重要政策の一つになった昨年秋、その状況にぴったりと照準を合わせるタイミングで出版された。学者、農民、消費者組織のメンバーまで26人がそれの分野でTPPの本質やそれが持つ問題点について、短いが的確な分析行った文章を寄せている。(2011/03/06)


TPP/脱グローバリゼーション
【TPPって何なんだ】ニュージーランドでも市民、学者、労働組合が反対に立ち上がり、ネットでも訴え
  政府や経済界の主張、主要メディアの報道などをみていると、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に参加している九カ国では、国内に何の矛盾もなく貿易と投資の完全開放を目指すTPP参加を追求しているかに見える。だが、政府がTPPに積極的といわれるニュージーランドでも、有力政党の緑の党、学者、労働組合、市民グループなどが反対に立ちあがっており、その運動をネットで結び、情報を流しあり政府に反対の手紙を送るウェブサイト「TPP WATCH」が活躍している。(大野和興)(2011/01/30)


TPP/脱グローバリゼーション
当たり前に生きたい、ムラでもマチでも  2月26日に都内で、百姓が呼びかける「TPPでは生きられない!座談会」
  百姓の呼びかけでTPP参加阻止集会とデモが2月26日に東京で行われる。「当たり前に生きたい、ムラでもマチでも−TPPでは生きられない!座談会−」と銘打たれた小さな集まりだ。予定されている集まりは小さいが、もつ意味は大きい。(大野和興)(2011/01/17)


農と食
食育には三つの顔がある  地域・人びと、国家、企業  大野和興
  食育の論議や実践が盛んだ。食育には三つの顔がある。ひとつは、地域を舞台とした、すてきで、感動的な人びとの出会いの場としての食育である。それとはまったく違う国家、企業の顔があることも考えておきたい(2011/01/05)


農と食
秩父の山のむらに伝わるジャガイモ、中津川いもの物語  大野和興
  林野率98%の秩父・大滝地区(旧大滝村、現在秩父市)の最も奥の集落中津川。上州と県境を接するこのむらに伝わる中津川いもという地種のジャガイモがある。小粒で楕円形をしていて、薄赤い皮が特徴。大滝いもともいわれる。このいもでつくる「いもぐし」がめっぽううまい。(2010/12/28)


やさしい仏教経済学
(26)持続的発展を平和憲法に盛り込む 安原和雄
  これまで仏教経済学の八つのキーワード<いのち尊重、非暴力(=平和)、知足、共生、簡素、利他、多様性、持続性>のほか競争、貨幣を取り上げてきた。今回から八つのキーワードを生かしながら、どのような変革構想を提案できるかを考えたい。21世紀は、地球環境保全を優先する地球環境時代であり、八つのキーワードの一つ、持続性、つまり持続的発展(=持続可能な発展)を基調とする社会を創ること、同時に非暴力の世界を構築していくことも緊急の課題となっている。この持続性と非暴力を具体化させるためには何が求められるか。(2010/12/26)


地域
市民団体、成田空港騒音問題で国交省と空港会社に申し入れ 「1分半から2分おきに生命に危険さえ感じる騒音が」
 市民団体「いま成田空港で何が起きているか」(略称・成田プロジェクト)は12月9日、国土交通省と成田国際空港株式会社に騒音問題で申し入れを行った。成田空港は今年3月から年間発着回数22万回体制で運用され、2500メートルのB滑走路直下の東峰集落では基準をはるかに超える騒音が1分半から2分間隔で住民を襲う異常事態が続いている。成田プロジェクトは「人権・生存権を侵害し生命の危険を冒している航空機騒音を、人間が生存できる数値まで直ちに下げる」ことを求める声明を発表、国交省と空港会社に申し入れたものだ。申し入れに対し国交省は、「空港会社に住民と話し合うよう指導してる」と話した。しかし、詰めていく中で「話し合い」の目的は「移転していただく」ことであることが明らかになり、騒音軽減対策を講じることについては言及を避けた。(大野和興)(2010/12/15)


農と食
グリーンエコノミーが生態系と農民コミュニティを壊す  ヴィア・カンペシーナは主張する  大野和興
  いま、世界で進行していることの一つに、小農民というひとつの社会階層が丸ごと消えようとしているという現実がる。小農民が生存できないほどの現実は生み出された背後には、資本の自由を気ままに許し、奨励する世界の仕組みがある。そのことが何を生み、消される側の小農民はどう向き合い、たたかえばよいのか、「資本の自由」とたたかう世界の農民運動のネットワーク、ヴィア・カンペシーナが名古屋COP10に際し出した声明を手掛かりに見ていく。(2010/12/10)


TPP/脱グローバリゼーション
【TPPって何なんだ!】狙いは日米同盟強化 経済政策より政治選択だった 大野和興
  TPP(環太平洋経済連携協定)という聞きなれない言葉が、ある日突然メディで踊りだした。10月1日の国会での所信表明演説で菅直人首相が取り上げたのが発端なのだが、それはいかにも唐突であった。政府・与党内でも国会でもほとんど論議されないままいきなり総理の口からTPPという聞きなれない言葉が国の重要政策として飛び出したのだ。待ってましたと、経済団体がTPPに参加し、世界の自由貿易の流れに乗れという要望書を政府に突き付け、新聞、テレビには「このままTPPを見送ると日本は滅んでしまう」という論調であふれた。いったいTPPって何なのだ(2010/12/07)


TPP/脱グローバリゼーション
練達の百姓がうめいた TPPを迎える農の現場から 大野和興
  今日からAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が横浜市内で開幕した。会議では、域内の自由貿易を軸とする経済連携の強化を目指して話し合いが行われる。このAPEC首脳会議をめぐり,日本国内ではTPP(環太平洋連携協定)への参加を巡って「農業開国」論議が盛り上がっている。米国や豪州など世界の農業大国に日本の農業をまるごと差し出すことになりかねないこの動きの影で,いま国内農業は瀕死のうめき声を発している。農業生産現場からの報告をお届けする。(2010/11/13)


アジア
【カンボジアの村を歩く】(1)ゴムに追われる農民  大野和興
  東南アジア最大の大河メコンを下りながら流域の村々を訪ねる旅をはじめて三年になる。一昨年は中国・雲南省から北タイへ入り、昨年はラオスを北の山間地帯から南部の都市パクセイまでを歩いた。そして今年、ラオス南部からカンボジアに入り、トンレサップ湖に向かう。中国、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流れるメコン流域で、川の恵みをうけてくらす人びとは5000万人といわれる。その多くは農漁民だ。アジアの村を歩く二〇年の旅の集大成のつもりで始めたこのメコン下りで見たものは、農をなりわいとしてくらす農民という社会階層が丸ごと消えていく、そんな光景だった。そして、それは日本の農業と農村の現実とぴったり重なって見える。(2010/11/02)


農と食
けものに追われる山間地農業
  Nさんが埼玉県秩父郡の山間地の集落に居を構え、農業を始めて10年になる。職場を定年をあと何年か残して移り住んだ。家族はいない。次の人生のおくり先として秩父を決める前,Nさんは各地をめぐり歩いた。この地を訪れたとき親切に対応してくれる農業委員さんに出会い、土地と家を借りることができた。ニワトリを飼い,野菜を作って,それを町場の消費者に届けたり、農協の直売所に出したりして,年金プラスアルファのくらしを送ってきている。 (2010/10/13)


イスラエル/パレスチナ
【パレスチナの村から】(4)「パレスチナ人はわざわいだ、子どもを殺すことも許されるとラビは説教する」  大野和興
  9月2日からオバマ米大統領の仲介で始まったパレスチナとイスラエルの和平交渉のカギを握るのはパレスチナ自治区に入り込んでいるユダヤ人入植者問題だ。先月31日にはパレスチナ武装抵抗組織ハマスが入植者を銃撃する事件が発生したが、その背後にはパレスチナ農民が入植者に襲撃され、農園を破壊され、ときには生命を奪われるという日常がある。先日本紙でオリーブの村がユダヤ人入植者に襲われ、オリーブ園が焼かれ、子どもが撃たれて入院したという現地NGOからの報告を掲載したが、その村でこれまでどのようなことが起きていたのか、現地取材をもとに、報告する。(2010/09/05)

農と食
タイ中央部の稲作地帯でウンカが大発生  このままでは3割減収の地域も
  世界最大のコメ輸出国タイでウンカが大発生し、このままでは多くの田んぼで3割減収となりそうな気配だ。IRINニュースが伝えた。(日刊ベリタ編集部)(2010/08/27)


農と食
口蹄疫、全頭殺処分は本当に必要だったのか  バイオハザード専門家が「ウイルスとの共存」を提言
  宮崎県で大発生した口蹄疫は約30万頭の牛・豚刹処分して終息したが、検討すべき課題は残されたままだ。そんななか、本当に全頭刹処分という措置は必要だったのかという疑問が専門家の間から出始めている。本誌では8月7日に市民バイオテクノロジー情報室を主宰する天笠啓祐さん(科学ジャーナリスト)による「なぜ動物皆殺し政策を続けるのか」を掲載した(関連記事参照)が、この問題に同じように疑問を投げかけているバイオハザード(生物災害)の専門家である生物学者本庄重男さんの意見を紹介する。(大野和興)(2010/08/23)

農と食
かつて山村は都市のエネルギー基地だった 45年ぶりに訪ねた挙家離村の村   大野和興
  前に訪れたのは確か1965年だったから、45年ぶりの訪問ということになる。島根県弥栄村(現浜田市弥栄地区)、日本で一番早く挙家離村が始まった村といわれている。(2010/08/09)


イスラエル/パレスチナ
イスラエル入植者がパレスチナの村を襲い、オリーブ園を焼き、発砲  子どもが負傷し入院
  国際協力NGO、JVC(日本国際ボランティアセンター)のパレスチナ現地事務所から、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のブリン村がイスラエル入植者に襲撃された、という知らせが入った。今年2月に訪ねた村である。オリーブ園が村を囲む、一見穏やかな農村風景が広がる村だが、そこはイスラエルの占領と対峙する最前線の村であった。むらを囲む小高い丘の上には、外から入りこんだイスラエル人の入植地が何か所もあり、そこから徒党を組んでやってくる入植者に日常的に襲われているということだった。入植者は銃で武装、家に火をつけ、オリーブ園を焼き払う。殺された村人もいる。耐えかねた村人が出ていくと、そこに入植者が入り込み、「領土」を拡大する。そんな村の最近の動きを現地NGOの報告から紹介する。7月26日、70人を超える武装したイスラエル入植者が村を襲い、オリーブ園を焼いた。発砲した入植者の弾に当たり、子どもが1人、重傷を負って病院に運び込まれたという情報もある。(まとめ:大野和興、翻訳:近藤康男)(2010/08/08)

農と食
<牛丼と貧困>(上) いつの時代も牛丼は貧しさの影を背負っていた  大野和興
  牛丼の値下げ競争が止まらない。7月21日に吉野家が期間限定で牛丼並盛りを380円から270円に値下げすると発表。するとすかさず松屋フーズが「うちは250円だ」と対抗、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーも打って出るようだ。昨年12月から始まった牛丼値下げスパイラルは、どうやら夏を通り越し、秋の陣にもつれこみそうな気配である。その陰にはこれまた一向に止まる気配がない貧困のスパイラルがある。(2010/07/21)


むらからの便り
【秩父の山と里】6月の花
  秩父の6月の花を紹介します。ドクダミがかわいい花をつけて、谷間を埋めています。トラノオの花をチョウが訪れました。満開だったそばの花はそろそろ終わりです。(大野和興)(2010/06/25)


むらからの便り
秩父の山に春の花が咲きそろいました
  首都圏の西のはずれ、埼玉県秩父地方は山梨、群馬、東京都下の山岳地帯と県境を接する山間地だ。天候不順で遅れ気味だった春の花がやっと咲きそろった。木々につく春の花はなぜか白色が多い。アカシヤが雨の中で白くもやい、甘い香りを一面に漂わせている。高く伸びたトチの木が大きな花をつけ、ヤマボウシが空を向いて咲いている。(大野和興)(2010/05/24)


農と食
ここでは60代は若者なんです
  カンボジアでNGOスタッフとして村づくりに活動している女性を埼玉県秩父の山の集落に案内した。国際協力NGOである日本国際ボランティアセンター(JVC)のカンボジア現地スタッフのサム・ネアリーさんだ。(大野和興)(2010/04/19)


イスラエル/パレスチナ
【パレスチナの村から】(3)彼らは集団でやってきて石を投げ火をつけ、オリーブの木を伐る イスラエル人入植者に土地も水も奪われて  大野和興
  「守るも攻めるの農業なんだな」と同行の農民作家山下惣一さんがつぶやいた。佐賀県唐津市でミカン農業を営みながら小説やエッセイを書く有名人だ。筋骨たくましい、ごつい風貌に似合わぬ鋭い感性の持ち主で、物事の本質を短い言葉でずばりといい当てる。(2010/04/15)


農と食
秩父の小さな畑とおいしい野菜からから世界を見ると(下) 大野和興
  山々が連なり、森と水が豊かな秩父。そんな地域にいま異変が起きている。この自然豊かな山の村が植物工場のメッカになろうとしているのだ。発端は秩父市のはずれにある誘致工場のひとつが不景気と中国への移転でいなくなり、空き工場になったことにある。その工場が植物工場に衣替えした。土の代わりに培養液を、お日さまの代わりに人工照明を使ったその工場がNHKで放映され、秩父は一躍植物工場の地として有名になった。「野菜工房」と名づけられた工場ではレタスがつくられている。緑が有り余るほどある秩父でなぜ植物工場なのか、そんな素朴な疑問がわいてくる。(2010/04/10)

農と食
秩父の小さな畑とおいしい野菜からから世界を見ると(上) 大野和興
  埼玉県秩父に住んでもう十五、六年になる。秩父は山国である。幾重にもつらなる山また山の連なりの向こうに、さらに山が連なる。武州、甲 州、上州、その向こうには信州の山々が連なる。この巨大な山塊群のトバグチに住んでいる。生まれ育ったのが四国山脈の真っ只中の村のなので、周りに山がないと落ち着かない。それで十五年ほど前に東京での間借り生活を切り上げ、移ってきた。 住まいは小高い山の上にあり、まわりではぼくと同じ年頃の年寄り衆が畑をかきまわして野菜を作っている。なにしろ山の上の畑だから一枚一 枚が小さいのだ。作っても食べ手がいないからともってきてくれる。だから野菜に不自由したことはない(2010/04/06)


普天間問題
普天間・辺野古問題を全国民の課題にしよう  沖縄・緊急意見広告で記者会見
  米軍普天間基地閉鎖と辺野古を含む県内移設反対を訴える緊急意見広告運動についての記者会見が3月30日開かれた。会見には発起人7人のうち6人と呼びかけ人2人が出席、それぞれの立場から普天間基地「移設」をめぐる政府の動きを批判、同時にいまこそ基地のない沖縄を実現する絶好の機会であること、そのためには基地をなくする闘いを沖縄の人びとだけに任せるのではなく、全国の人びとが自分の問題としてこの問題をとらえ、大きな運動をつくりあげる必要があることが強調された。それと合わせて普天間基地がおることの不条理、それを許してきた日米安保存在そのもおを問い直し、戦争のための条約から平和と友好のための条約にしようという提案がなされた。(大野和興)(2010/03/31)


イスラエル/パレスチナ
ガザ紛争下での人権侵害を調査するための国連決議 人権NGOら、棄権から賛成に転じた日本政府を歓迎
  日本国際ボランティアセンター、ピースボート、アムネスティ日本など人道援助や人権問題取り組む日本のNGO9団体はさる2月26日の国連総会で日本政府がガザ紛争における人権や人道の罪に対し、国連として「独立した信憑性が高い調査」をもうけることに賛成票を投じたことを歓迎する共同声明を発表すると同時に、今後日本政府が重大な人権侵害の免責に終止符を打つための行動をとるよう求めた。日本政府は2009年11月に採択された同様の決議には棄権していた。この共同声明は3月5日に発表された。(大野和興)(2010/03/07)


イスラエル/パレスチナ
【パレスチナの村から】(2) クスクスと難民
(ラマラ6日=大野和興+上垣喜寛)土壁がところどころ崩れた年代物の建物に案内された。中に入ると、白衣を着た中年の女性が大勢忙しく働き、クスクス(couscous)の食材を作っている。土間にあぐらをかくようにどっかりと座り、粉をこねる女たちは全員この地域にある難民キャンプのクスクス生産組合のメンバーだ。パレスチナでは人びとのあらゆる活動がイスラエルの占領と重なる。(2010/02/06)


イスラエル/パレスチナ
【パレスチナの村から】(1)「村に生き、農業を続けること自体が抵抗なのです」
(ラマラ5日=大野和興・上垣喜寛)冬のパレスチナ自治区西岸地域の天候は荒れていた。中心都市ラマラでは、夜半、雨と風がホテルの窓を激しく打ち鳴らした。昼間も冷たい風が吹き、晴天と雨が交互に襲う。西岸地域の村を訪ねる旅人にとってはつらい天候だが、ここ3年、干ばつに悩まされている地元の農民にとっては恵みの雨だ。なぜ「パレスチナの村」なのか。空爆するイスラエルの爆撃機、火を吹く戦車、瓦礫の山と死者をなげき悼むパレスチナの人びと、テレビの映像を通しておなじみのなってしまったパレスチナの現実の、その向こうで人びとはどんな日常を営んでいるのか、どんな思いで日々を過ごしているのか、この現実の先に何を見ているのか。村を歩き、農業の現場で農民と触れあう中で、そのことを知りたいと思い、日本の百姓や農業に近くで働の友人らと誘い合わせて私的な旅に出た。(2010/02/05)


TPP/脱グローバリゼーション
世界社会フォーラム、今年は世界各地で開催  日本では1月に東京、3月に大阪でさまざまな社会運動が集まり討論
  今世紀に入り、世界の民衆運動をリードしてきた世界社会フォーラム(WSF)は2010年は各国、各地域で開かれる。日本ではさまざまの分野の社会運動、NGO、労働組合などが集まり、1月24日に東京で首都圏集会が、3月21・22日には関西で「おおさか社会フォーラム」が開催される。(大野和興)(2010/01/03)


農と食
村には地下水が流れている  大野和興
  正月、締め切りがすぐ来るなあと気にしながらぼんやりとテレビの駅伝中継を眺める。走者が次々と画面に現れ、次の走者にたすきを渡して消えていく。(2010/01/01)


環境
温暖化をめぐる構造的不公平  強まる「気候正義」と「気候債務」の主張
 12月7日からどう9日までコペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組条約(COP15)会議は何の成果も生まずに閉幕したが、世界から集まった市民団体・NGOはCOP15にむけての運動を展開する中で新しい概念を打ち出し、定着させることに成功した。気候正義(Climate Justice)、そして気候債務(Climate Debt)という考え方だ。(大野和興)(2009/12/28)


農と食
<現代史のなかの農業>(12) グローバリズムの嵐のなかで  大野和興
  ガット(貿易と関税の一般協定、前号参照)の最後の交渉であるウルグアイ・ラウンドで農業分野の合意が成立するのは1993年12月15日であった。この結果、日本はコメを除く全ての農産物について、関税以外に輸入を制限するものはなくなった。(2009/12/18)


韓国
対北コメ支援再開を韓国農民団体が政府に要求  「米価暴落はコメ支援中断が原因」
  韓国で米価暴落の関連して、農民団体が一致して「対北コメ支援再開」を掲げ、李政権に要求している。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/12)


農と食
<現代史の中の農業>(11)  冷戦が終わり世界市場が出現した  大野和興
  1989年、東西冷戦の象徴ともいえるベルリンの壁が崩れ、戦後世界が大きく転換する。これでやっと軍拡競争が終わり、世界に平和と安定が来る、多くの人がそう思った。だが現実には、世界各地でさまざまの紛争が頻発、世界は違った意味で混乱の時代に入った。その背後にあったのは、世界中がひとつのマーケットとなり、経済のグローバル化が急速に進む現実であった。(2009/12/07)


農と食
<現代史の中の農業>(10)  席巻する市場原理主義 大野和興
  ぼくは新自由主義三人衆と呼んでいる。1979年にイギリス首相になったサッチャー、81年にアメリカ大統領になったレーガン、82年に日本の首相の座に着いた中曽根康弘−の三人だ。 いずれもやったことは共通している。小さな政府を掲げ、福祉や教育をはじめとして、公共のものと考えられていた暮らしのセーフティーネットを解体し、私企業に譲り渡していったことである。その背後には、市場競争こそがもっとも効率的で合理的な社会をつくるという経済思想があった。(2009/11/25)


農と食
<現代史の中の農業>(9) 減反はじまる  大野和興
  あの頃は農民運動も元気があった、と、懐かしさともに思い出す。農協が減反を受け入れたことに起こった農民が、東京・大手町の農協ビル(現JAビル)に押しかけ、9階の大ホールを占拠して農協組織の司令塔である全国農協中央会の宮脇朝男会長を相手に大衆団交を行った。1969年のことである。(2009/11/21)


農と食
<現代史の中の農業>(8) 農業近代化と食の安全  大野和興
  1960年代に入り、急速な成長の軌跡に乗った日本経済を支える役割が、農業部門に課せられた。それは次の三つの要請から成り立っていた。一つは、これが一番重要なのだが、安い労働力を工業部門に供給すること。第二が土地・水といった資源を農村から都市、農業から工業に移転すること。第三は食料を安く消費者に届けること。(2009/11/15)


農と食
【戦後史のなかの農業】第7回  高度経済成長の時代  大野和興 
  1960年代、日本は驚異の経済成長を遂げる。高度経済成長と表現されたこの過程で、日本社会は大きく変貌する。都市のあり方、家族の形、食、住まい、交通などなど、それまでの“日本”が一変するほどの変わりようだった。当然農業も農村も大きく変わった。(2009/11/06)


農と食
ある日突然土地が囲い込まれ、外国企業のプランテーションに  カンボジアの農村で活動するJVC山崎勝さんに聞く
 いまアジア、アフリカ諸国で多国籍企業や産油国、食料不足国などによる農地の買い占めが進んでいる。そこに代々住み、耕して地域の人々の食料を作ってきた小農民が土地た水など地域の資源から引きはがされ,都市に流出と行った事態も目立ち,国連食料農業機構(FAO)も「新植民地主義」と警告を発するほどだ。そうした実態の一端を、日本の国際協力NGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)のカンボジア事務所代表としてカンボジアの農村で活動する山崎勝さんに聞いた。(聞き手:大野和興)(2009/11/01)


農と食
【戦後史のなかの農業】第6回  歌は世につれ・・・   大野和興
  昭和でいうと20年代から30年代前半になる。この時代くらい農村が歌に登場する時代はなかったのではないか。1950年、世界史を揺るがす出来事が東アジアで勃発した。朝鮮戦争である。日本の目と鼻の先で起こったこの戦争は日本のあり方を大きく変えた。他国の戦争によって戦争特需にわき、”もはや戦後ではない"時代に突入する。(2009/10/26)


農と食
自由貿易の聖域化を超えて  農業政策に国際マニフェストを  大野和興
  ここ二十年、グローバリゼーションの嵐が農業と農村に襲いかかり、農産物価格の下落と農村雇用の縮小 というかたちでむらのくらしを直撃した。それは、都市における雇用の不安定化と賃金切り下げといった状況と同じ根っこをもつ新しい貧困とでもよぶべきものである。今回の政権交代劇の背景に、この農村の疲弊があったことは間違いない。農村の困窮化は農村票の反乱となって、これまで農村を地盤としていた自民党をゆるがした。2007年の参院選で地方の一人区で自民党が軒並み議席を失ったことは記憶に新しい。参院における与野党逆転は、人びとに今回の政権交代選の到来を予感させるに十分だった。今回の総選挙でも、農村票がどう動くかが選挙の見どころのひとつであった。そして農村県で自民党が議席をすべて失うところさえ出てきた。こうして農業と農村をどうするかが、重大な政治課題として改めて浮かび上がってきた。その課題を解くには、今世界を巻き込んで進む自由貿易に対峙して国内農業をどう扱うかということにについて、答えを用意しなければならない。(2009/10/23)


農と食
【戦後史のなかの農業】第5回 米国世界戦略に組み込まれた日本農業  大野和興
  飢餓から始まった日本の戦後にとって、食糧増産は最重要な緊急課題だった。政府は手厚い食糧増産予算を組んだ。1953年度においてさえ、政府予算に占める農林予算の割合は16%に及んでいる。当時村は、戦争に駆り出されて故郷に戻ってきた若者たち、参政権を得て社会活動に向け一歩を踏み出した女性たちが活発に活動し、人が満ち溢れていた。青年団活動が活発で、芝居や音楽のサークルが生まれ、民主化運動に一環として、旧来の家と家との結婚を否定して、仲間で祝いあう公民館結婚式が盛んに行われた。村は輝いていた。(2009/10/16)


農と食
【現代史のなかの農業】第4回  耕すものに土地を!  大野和興
  敗戦の日本を民主化の波が覆った。そこには無謀な戦争を起こして、沢山の人びとを苦しみに追いやった原因の根を絶とうという意図があった。占領軍(連合軍総司令部GHQ)による上からの改革だったが、それだけではなく、そこには人々の強い希望と支持があった。 (2009/10/11)


農と食
【現代史のなかの農業】第3回 戦後は飢餓ではじまった 大野和興 
  焼け跡の街に「赤いリンゴにくちびるよせて」と歌う並木路子の明るい歌声が流れ、戦争で疲れ果てた々の心を慰めていた。しかし実際には、リンゴを食べることはおろか、見ることさえかなわない日々であった。(2009/10/07)


文化
『オバマとなら私にもできる−大統領のメールに学ぶ! 魔法の英語フレーズ40−』 平田伊都子著 イラスト:川名生十
 著者の平田伊都子さんは、ベリタにも執筆いただいている国際ジャーナリスト。今回の国連総会の一般演説で勇姿を見せたリビアのカダフィ大佐の単独インタビューで世界的にも著名な方だ。英語、フランス語、アラビア語など言葉の達人でもある。本書は、その平田さんにまだ大統領になる前のオバマ氏から来たメールから、人びとの心を揺さぶるフレーズを抜き出し、日本語訳と脚注を付けた。(日刊ベリタ編集部)(2009/09/30)


農と食
【現代史のなかの農業】第2回 作る自由を奪った戦争 国家総動員体制のもとで  大野和興
  2002年5月、有事法制が国会に出され、さまざまな人が反対に立ち上がっていた。ぼくもいたたまれない気持ちで、連休中の一夜をさいて『戦争に食料と土地・水を渡さない百姓宣言を書き上げた。有事法制として国会にかかっている法案は、戦前の国家総動員法そのものだったからだ。(2009/09/28)


農と食
【現代史のなかの農業】 第1回 植民地支配とコメ  「土地もコメも強奪した」  大野和興
  農業と村がまるで根腐れを起こした木のように朽ち果てようとしている。いまこの列島の農業を支える人びとの主力は70歳代。何百年続いた村が次々消え、代々耕してきた農地は耕作放棄されて、山に戻っている。それはまるでこの国をおおう状況の象徴のようだ。その背後にあるのは、地球の隅々まで市場競争で多い尽くそうとするグローバリゼーションである。ということは、同じ状況が世界的にも起こっているということだ。地域に根付いて営まれてきた家族で耕す農業が、効率的で大規模な企業的農業に駆逐されようとしている。いったいなぜ、こんなことになってしまったのか、この先の希望を私たちはどうつくっていけばよいのか。農の戦後史を追いながらそのことを考えてみたい。まず前史からはじめる。(2009/09/23)


社会
富山市、右翼の圧力で「戦争と女性の人権を考える集い」の後援を降りる
  富山市で8月8日に市民団体が催す「戦争と女性の人権を考える集いー私たちの戦後責任ー」の後援団体になっていた富山市が、開催日直前の5日、主催者に対しいきなり「後援を降りる」と通告してきた。この催しには、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)ら右翼団体が市に対し抗議行動を行っていた。富山市の今回の結論は右翼の圧力に屈したもの。言論や思想の自由を守らなければならない立場にある公共団体の弱さをさらけ出したものといえる。市民グループは6日、富山市に対し決定の再検討を要請した。(大野和興)(2009/08/07)

農と食
”農ギャル”現象の裏側で何が進んでいるか  農業と村をもてあそび、失業と過剰資本のはけ口に
  なんだか気持ち悪いことになっている。いま手元にあるのは朝日新聞社発行の週刊誌『AERA』の5月18日号である。この号の特集は二本。一本が「農業バブルがくる」、もう一本が「サブプライムED激増」。この取り合わせは実に絶妙だなあ、と妙に感心する。米国のサブプライム破綻に端を発し、100年に一度といわれる恐慌が吹き荒れるなかで、職場から排除された労働者の行き先は農林業だともてはやされ、政府・自治体の補助金が大量に注ぎ込まれる。それを巨大広告代理店が仕切り、テレビでは”農ギャル”なる珍奇な素人タレントが動き回っている。(大野和興)(2009/08/06)


文化
YuoTubeに静かに流れる『生活保護の唄』  塚本正治さんの歌声でこの世の難儀を訴える
 シンガーソングライター塚本正治(つかもとまさじ)さんが歌う『生活保護の唄』がYouTubeにアップされ、静かに広がっている。「税金年金おさめ続けても、ささやかなくらしなどありません」「戦前戦後のこの国の経済を支え、お役ごめんになって待っているのは生き地獄」と今の社会の困難をギターに乗せて淡々と唄い、「みんなで生活保護を取ろう、いのちまでとられる前にね」と結ぶ唄は、今の世相と人々の苦しみをとらえ、胸に響く。(大野和興)(2009/08/05)


社会
在特会ら「親子で平和を考える催し」に押しかけ妨害
  夏休み。親子で戦争と平和について考え、話し合おうと企画された催しが右翼の妨害にあい、厳重な警備の中で開かれるという事態になった。東京・三鷹で8月1日から3日まで開催されている「夏休み・親子で平和を考えるー〈アジアで何があったの? みて・きいて!お話し と 「慰安婦」展〉」でのこと。従軍慰安婦の写真パネルとこの問題に取り組んでいる人たちの話を聞く催しで、三鷹市市民協働センターの会議室でフィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩(略称「ロラネット」)などの主催。会場には初日から催しの妨害をねらった右翼が押しかけ、2日目に8月2日には 「パネル展」参加者の一人(女性)が、入る時のもみ合いで右翼に殴られるか何かで顔に負傷し、救急車で運ばれるという事態さえあった。押しかけた右翼の多くは、日刊ベリタがかねてから追及してきた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)など、市民運動の体裁をとって激烈な排外主義を振りまく集団。今回はこれに街宣右翼も加わり、会場周辺は騒然となった。(大野和興)(2009/08/03)


北朝鮮
ハンバーガーではなく「固めた牛肉とパン」  名前は変えても世界標準の食文化が流入
  韓国や日本のマスコミでものめずらしく報道されている平壌ハンバーガーショップ。とりえず外国の真似ではなく、独自性を強調することを忘れてはいない。メニューを見ると、ハンバーガーは「固めた牛肉とパン」、ワッフルは「焼いたパンのチジミ」。それでも、北朝鮮も時代に合わせ変わりつつあることを、世界に知らせる絶好の話題ではある。在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)の中央機関紙『朝鮮新報』が伝えるその一端を紹介、このことが持つ意味を考えてみた。(大野和興)(2009/08/01)


YouTubeが語る  オバマ大統領の核政策転換に反対する米政府アジア専門家  最大の理由は「日本政府が反対している」
 一本の短い映像が次第に波紋を広げている。米国のNGO「憂慮する科学者同盟」の上級アナリスト、グレゴリー・カラキーさんが語りかける。「オバマ大統領の核政策転換に反対する勢力がいる。彼らは日本の外務省、防衛省の意向を受けて動いている」。オバマ米大統領の核廃絶プラハ演説に対し、世界で唯一の核兵器被害国日本の官僚が抵抗しているというのだ。5分ほどのこの映像は平和NGOピースデポによって制作され、字幕を付けてyoutubeにアップされている。(日刊ベリタ編集部)(2009/07/30)


石原都知事が五輪誘致に絡み女性差別発言  市民グループが国際オリンピック委員会あて声明発表
  オリンピック誘致に絡んで、石原都知事の女性差別発言があり、市民グループが声明を発表、国際オリンピック委員会に対して日英両文で送付した。声明は「首長が公然と女性を差別し、名誉を傷つけるような発言をする都市・東京は、オリンピック開催地としてふさわしくありません」と結んでいる。以下、声明を紹介する。(日刊ベリタ編集部)(2009/07/27)


農と食
戦後の東アジアに現れては消えていった三つの新農村建設
  東アジアの戦後農村世界に、奇妙に共通する歴史がある。時代こそ違え、日本、韓国、中国に「新農村建設」という上からの村づくりが進められたという事実である。その背景には、工業化と経済成長で崩れる農村共同体をいかに再編成するかという為政者の思惑が見え隠れする。農業・農村政策というより社会政策あるいは治安政策としての村再編である。その足取りを日本、韓国、中国に追ってみた。(大野和興)(2009/07/25)


TPP/脱グローバリゼーション
2010年にWTO交渉妥結というが  世界貿易の利害対立と保護主義に流れはむしろ強まる
  WTO(世界貿易機関)は今年11月30日〜12月2日にジュネーブで閣僚会議を開催する。これは6月25日にパリで開かれたWTOの非公式閣僚会議で確認されていたが、ほとんど注目されていなかった。この閣僚会議の意味がクローズアップされた背景には、イタリア・ラクイラで7月8日-10日に掛けて開かれた主要8か国(G8)首脳会議(ラクイラ・サミット)で新興六カ国(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南ア)を加えたG14において、停滞状態に陥っているWTO(世界貿易機関)の新多角的貿易交渉(ドーハラウンド)を2010年にまとめることで合意したことがある。G14はWTO交渉妥結に向け、「野心的かつ均衡の取れた結論を求め取り組む」ことで一致した。しかし、これまで交渉の進展を阻んできた途上国と先進国、先進国間、途上国と新興国、農産物輸入国と輸出国といった多極的な利害の対立構造が解消しておらず、むしろ経済危機の中で問題は深まっている。その意味では、今回の合意も、WTOが死んではいないということを見せるためのパフォーマンスという見方も成り立つ。(大野和興)(2009/07/13)


連載《百姓たちのアジア》
おだやかな農と平和の闘士ジョゼ・ボベ フランス農民運動の闘士と三里塚百姓の出会い
  もう7年も前のことになる。世界の反グローバリゼーション農民闘争の象徴的存在であるフランス農民同盟のジョゼ・ボベを日本の市民運動の仲間とともに招聘し、各地で農民・市民との交流をしてもらったことがある。彼が来日したその日、成田空港建設に対峙して40年たたかい続けている三里塚で現地農民や市民とともに歓迎の交流会を持ち、翌日三里塚の百姓たちを訪ねて、彼らの農業を見てもらった。ボベと三里塚との出会いは80年代にさかのぼる。当時、軍事基地拡張に反対し、壮大な土地闘争を繰り広げていたフランス・ラルザックとやはり世界の土地闘争の拠点の一つだった三里塚との交流が始まり、若きボベも兵役を拒否してラルザックの闘争に参加していた。以下は、ボベとアジアの百姓の出会いの物語である。(大野和興(2009/06/23)


イスラエル/パレスチナ
映画『オリーブの木がある限り』  オリーブは私たちの文化・歴史、生きた証なのです 
  あまりよく知られていないことだが、パレスチナの主要産業は農業である。輸出額の25%を農産物が占め、就業人口の14%は農業就業者が占める。主要作物はオリーブ。しかし畑や果樹園はイスラエル軍の検問所や分離壁に囲まれ、生産も輸送も常にイスラエルによって妨害され、オリーブの木は次々と引き抜かれた。そんなパレスチナの農業を守り抜こうと有機農業とフェアトレードを目指す地元NGO/民衆組織がヨーロッパや日本の市民組織・フェアトレード団体と組んで活動している。この映画は、そうした活動に取り組むパレスチナのNGO「パレスチナ農業復興委員会」(PARC)とフランスのパートナーが制作した。日本語版は、PARCの日本側パートナーである市民資本の民衆交易会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)とアジアの民衆組織のリンケージを掲げるNGO、APLAの協力を得て、国際有機農業映画祭実行委員会が制作した。(大野和興)(2009/06/13)


文化
ジェーン『自由の扉−今日から思いっきり生きていこう−』 世界中の傷つき苦しむ性犯罪被害者へのメッセージ
  7年前の2002年4月、神奈川県内の駐車場の車中で一人の女性がレイプされた。犯人は米空母キティーホーク所属の米兵、被害者はオーストラリアの女性だった。彼女への加害はなおも続く。駆け込んだ警察署でセカンドレイプに遭うのだ。男性警官によって、受診もできないまま傷ついた心身への配慮もなく、一晩中質問攻めにあう。さらに再現写真撮影という理由で、「レイプの格好がどんなものであったかをすべて教えろ」と迫られる。深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥り、生きていくのがつらく、困難になったジェーンさん(仮名)がVictim(被害者)からSurviorとして再生していく心と行動の軌跡を手記と絵でつづった本書は、世界のすべての性犯罪被害者と戦争被害者へのメッセージである。本書は御茶の水書房から刊行され、6月初めに店頭に並ぶ。1600円+税。(大野和興)(2009/05/30)


新インフルエンザ、「根本原因は工業化された巨大畜産にある」 ATTACフランスとフランス農民同盟が共同声明
  豚インフルエンザの発生について、新自由主義グローバリゼーションに対する反対運動を展開している市民組織ATTAC(アタック)フランスとフランス農民連盟が5月6日、共同で声明を発表した。同声明は、今回の新インフルエンザ発生の根本原因は、工業化された巨大畜産にあると指摘。さらに自由貿易を進めるため、家畜の衛生管理基準や規制が大幅に緩められたことが、いっそう問題を拡大した、と警告している。この声明は、新自由主義への異議申し立て運動を展開する「市民グループの国際組織ATTACに参加するATTACジャパンがメーリングリストで翻訳、紹介している。(大野和興)(2009/05/09)


社会
留置場に送り込んだ同房者に「犯行告白」させる  「代用監獄こそ冤罪の温床」
  物的証拠がないにもかかわらず、別件逮捕した容疑者と同じ留置場にいた同房者に容疑者が話した犯行告白を証拠として起訴した事件がある。引野口事件と呼ばれるこの事件を題材に冤罪問題を考える交流会が開かれ、代用監獄が冤罪の温床になっている事実が改めて指摘された。(大野和興)(2009/04/27)


農と食
牛肉自由化でチョウが消えた 牛と人と草原が織りなすハーモニーが壊れて
  1990年代初め、牛肉が自由化された。米国の長年にわたる対日圧力が実を結んだ結果だった。間髪をいれず、アメリカ牛肉の大量輸入が始まり、国産牛肉生産は大打撃を受けた。特に打撃を受けたのは、乳牛の雄子牛を肥育し、若齢で肉にするホル雄(ホルスタインに雄という意味)の肉や九州に多く見られる赤牛の肉であった。いずれも中級肉で、安い米国製輸入牛肉と市場でまともにぶつかったためだ。子牛の値段も暴落し、九州や中国地方の山間地で古くからやられていた山での放牧もめっきり減った。(大野和興)(2009/04/11)


農と食
農地が“耕す者”から“儲けを追求する者”に移る  平成の農地改革の意味を読み解く
  政府は今国会に農地法の抜本改正案を提出する。なぜ「抜本」なのかというと、戦後何回もの改正を生き延びてきた農地法の真髄ともいえる「耕作者主義」が削除され、農地に対する農民の権利を規制する方向が強く打ち出されたことである。そのねらいは、農地を農民から資本の側に移転することにある。それは生命の再生産を担う食べものを、安心して託せる仕組みといえるのかどうか。そのことを検証する。(大野和興)(2009/04/08)


防衛省、性暴力と退職強要を訴えた女性自衛官の再任を拒否  理由を開示しないまま切り捨て
  「女性自衛官の人権裁判を支援する会」からの報告によると、自衛隊基地内での性暴力、その後の退職強要を訴えて国賠訴訟を起こして闘っている現職女性自衛官の継続任用(再任用)が拒否されたことに対して撤回の署名を行い、防衛省への申し入れや国会での追及を行ったが、防衛省は任用拒否理由を開示することなく、「退職手続き」を進め、原告は3月21日をもって退官となった。支援の市民グループや弁護団は、国賠訴訟を継続しながら、これからもその不当性を追求するとしている。(大野和興)(2009/03/29)


世界経済
世界でも日本でもG20金融サミット対抗アクション 「サヨナラG20金融サミット 取り戻そう私たちの未来を」 
  4月2日、ロンドンで世界20カ国の首脳があつまって金融危機対策を話し合う金融サミットを開催する。これに対して世界中で社会運動体やNGOによる行動が展開される。金融危機を引き起こした真の責任を追及することなく、わずかな手直しで危機のしわ寄せを庶民にツケをまわすことで切り抜けようというやり方に抗議し、不公正な富の配分や金融・貿易システムを変え、金融を民主的にコントロールできる国内的、そして国際的なメカニズムの創出を訴える行動だ。(大野和興)(2009/03/26)


TPP/脱グローバリゼーション
国連総会議長、世界水フォーラムに懸念を表明  「民間の水企業に深く影響されている」
  国連総会議長のミゲル・デコント・ブロックマン氏は世界水フォーラム送ったメッセージで、「世界水フォーラムという機構とその活動に対し懸念を表明しなければならない」と述べた。同氏はこのメッセージで、「水は公的な領域に属し、人々と自然に共通の遺産であり、基本的人権であ」り、「水が市場で売り買いできる商品であるという考えに対して意義を唱えていく必要があると考えます」と明確に語り、「水の私営化を進める人々は、水を石油のような商品としており、空気のように基本的な人権であることを否定しています」として、世界水フォーラムが利潤を追求する民間企業の影響下にあることに懸念を表明した。このメッセ^ジは3月19日、国連総会議長の水問題アドバイザーであるモード・バロー氏によって発表された。(大野和興)(2009/03/23)

TPP/脱グローバリゼーション
”水は人権” 世界水フォーラムで水の公正(ウォーター・ジャスティス)求め、市民グループ・NGOが活動
  3月16日から22日かけ、トルコのイスタンブールで開催されている第5回ファーラムは、水の公正(ウォーター・ジャスティス)を求める世界中からやってきた市民運動家やNGO活動家の声を背景に波乱含みの展開となっている。アクティビストたちは、“水は人権”を合言葉に、「今回の水フォーラムをグローバル水企業影響下で開催される、最後の水フォーラム」としようと呼びかけるデモやシンポジウム、ワークショップなどさまざまな活動を展開しており、日本からも水問題に取り組んでいる市民グループやNGOが参加、世界の市民とともに活動している。(大野和興)(2009/03/21)


農と食
幻のサツマイモと老百姓
  本来、農業と風土は切り離せない。地域の風土が地域の農業をつくり、人びとの生きる糧を供給してきた。地域には地域特有の風土がある。だから、その風土が育てる農業もまた、地域ごとに異なる。耕し方も作り方も品種も、それぞれ地域特有のものがある。品種の場合、それを地種(じだね)といった。そこから地域特有の食材が作られ、それが地域特有の食文化を生んだ。農業も食も食文化も、だから多様なのだ。多様性こそが農と食の本質といえるかもしれない。(大野和興)(2009/03/19)


農と食
生きる権利としての食料主権  ヴィア・カンペシーナの提起から13年
  世界の農民運動のネットワークにヴィア・カンペシーナ(Via Campesina)という組織がある。WTOの前身 GATT(貿易と関税に関する一般協定)が80年代後半から90年代初めにかけて進めた自由貿易交渉ウルグアイ・ラウンドに反対する農民運動を展開、そのネットワークは中南米からヨーロッパ、アフリカ、アジアへと広がっていった。 (2009/03/18)


環境
公害はいつから環境問題になったのか  大野和興
  1970年10月12日夜、京・本郷にある東京大学工学部82番教室は不思議な熱気に包まれていた。このときから15年間続く自主講座「公害原論」の第1回が開かれた日である。主宰した東大工学部助手宇井純(1932−2006)は冒頭の挨拶で次のように話した。(2009/03/14)


連載《百姓たちのアジア》
砂糖の島の農民のたたかい  農業労働者から農民になる
  2003年3月、フリピン・ネグロス島で土地をめぐる悲劇が起きた。西ネグロス州にあるサトウキビ農園エスペランサ農園で土地の権利を獲得した農民グループが耕作のために農園にはいったとき、地主が雇った私兵集団が一斉射撃を浴びせ、ジョニーという名の29歳の農民が殺され、女性農民二人が負傷したのだ。(大野和興)(2009/03/06)


農と食
タイ政府、レモングラスなどハーブの農業への使用を危険物指定して規制  有機栽培農家らが反発
  タイで政府がレモングラスなどハーブから作る自然農薬や医薬品を危険物に指定、規制を始めたことに有機農業を営む農家や有機農業・安全食品を進める市民団体やNGOなどが反発、「農薬を扱う外資系化学薬品メーカーの権益を保護し、有機農業推進に水をかけるものだ」と抗議の声を上げている。(大野和興)(2009/03/02)


農と食
生殖技術がつくりだす生命体、 農と食の倫理を問い直す時代になった
  クローン牛が食べものとして出回りそうな気配だ。銘柄牛の飛騨牛でもすでに育て上げたという。16年前に死んだ種雄牛で、飛騨牛の元祖とされる「安福号」のクローンが、長期冷凍保存された体細胞を使い近年相次いで誕生していたのだ。生命科学の最新技術がつくりあげるこうした生命体をどう見たらよいのか、という生命倫理のめんから、食べものとしての安全性はどうなのか、といった疑問まで、私たちはいま早急な対応を迫られている。(大野和興)(2009/03/01)

TPP/脱グローバリゼーション
オバマ米大統領、大規模農業生産者への補助金削減を示唆
  難航しているWTO(世界貿易機関)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の争点のひとつが、米国やEUが行っている自国の大規模農業生産者への多額の補助金。先進国農業が世界の農産物マーケットを占有する要因と途上国は反発している。オバマ米大統領は24日、大規模な農業生産者への直接支払いを削減する考えを示した。(大野和興)(2009/02/27)


農と食
「出稼ぎは資材課です」 いまそれを非正規労働者と移民労働者が引き継ぐ
  1960年代も後半に入ったある冬、厚木市にあった日産自動車の人事課に電話をいれた。農村からの出稼ぎ者の雇用実態を知りたいと思ったからだ。電話に出た人事課の社員は、「それでしたらここではありません」と答えて、電話を資材部にまわしてくれた。「ああ、出稼ぎ者は人間ではなくモノなのだ」と、そのとき知った。この暮れから新年にかけ、東京・日比谷公園に出現した、「年越し派遣村」のルーツがここにある。働くものを人間として見ず、機械の部品のように扱って、企業の都合次第で切って棄てる。当時労働省今の厚生労働省は「労働力流動化政策」とよんだ。主役が今と同じ自動車産業であることも、よく似ている。(大野和興)(2009/02/19)


TPP/脱グローバリゼーション
タイ米自由貿易協定、交渉再開か
  市民団体やNGOによる反対運動の盛り上がりやタクシン政権をめぐるごたごたで、三年間にわたって中断したままとなっているタイと米国の間の自由貿易協定(FTA)交渉が再開される見通しが出てきた。米国で新政権が発足、さらに世界経済危機で保護貿易の動きが広がり始めているという状況が背景にある。両国間貿易にも悪影響が出はじめており、それが交渉を復活させようという動きになったものと見られている。(大野和興)(2009/02/18)


TPP/脱グローバリゼーション
東アジア平和フォーラム(下) 国民国家を超えて、「わたしたちは東アジア人になれるか」を問う
  日・中・韓の社会運動家、研究者、ジャーナリオストらが集まって2008年11月、中国・深センで開いた「東アジア平和フォーラム」。開会報告をした韓国知識人は「ナショナリズムを乗り越え」「国家を超える普遍的な思想と実践をわたしたちはつくりあげることができるか」と問いかけた。それを彼は「わたしたちは東アジア人になれるか」と表現した。きびしい民主化のたたかいを潜り抜けた韓国知識人の深い知性と洞察力に裏打ちされた言葉であった。(大野和興)(2009/02/17)

TPP/脱グローバリゼーション
東アジア平和フォーラム(上) 日韓連帯運動を基礎に人びとの東アジアを考える 
  東アジア平和フォーラムと銘打った集まりが2008年11月7・8日、中国・深セン(シンセン)で開かれた。日中韓の市民・NGO活動家や研究者、ジャーナリストらが集まっての催しである。わたしは農業問題の提起者がいないので、と言うことで参加を要請され、かねてから東アジアにおける民衆自身の共同づくりに関心があったことから、喜んで参加した。ここでの討論を軸に、東アジアという空間で国家・資本と民衆のせめぎあいがいまのような形で現れているのか、わたしたちはその先に何を展望するのか、そのための何をしなければならないのかを考えてみた。(大野和興)(2009/02/06)


農と食
石油漬け農業からいかに脱却するか ”もうひとつの農業”の道をさぐる
  ひところの石油価格の高騰は農業のあり方に新たな問題をつきつけた。現代農業の特徴は、石油なしで成り立たなくなっているということである。小さい面積で効率よく生産することを長年要請されてきた日本の農業はその典型といえる。化学肥料、農薬、大型機械、プラスティックシートなど、どれが欠けても、その日から農業生産活動の継続が困難になる。(大野和興)(2009/01/16)


労働問題
東京地裁、自主営業従業員に立ち退きを命じる仮処分 緊迫する京品ホテル周辺
  東京地裁は15日、京品ホテルで自主営業している従業員に対し、立ち退きを命じる仮処分を決定した。京品ホテルは東京・品川駅前に一等地にあり、年間1億円の黒字を出す健全経営だった。このホテルを経営者が一方的に閉鎖し、従業員の全員解雇を通告、従業員は労働組合に加入し、自主営業を続けていた。それに対し経営側は東京地裁に立ち退きの仮処分を申請、今回の決定になったもの。従業員側は労働組合東京ユニオンに加入、あくまで執行を阻止する構えで、地域住民も支援する意向。(大野和興)(2009/01/15)


社会
日本も”経済的徴兵”時代か 雇用悪化で急増する自衛隊応募者
  不況と一般経済界の雇用悪化の影響を受け、自衛隊に応募する若者が急増している。平和団体は「経済的に追いつめられた貧しい若者を軍隊に動員する“経済的徴兵制”が、日本でも起>こっている」とこの動きを重視、調査に乗り出している。(ベリタ編集部:大野和興)(2009/01/13)


農と食
現代農業技術を問い直す
  農業とはなんだろうとよく考える。種を蒔く、芽が出る、花が咲く、実が実る、取り入れる、この一連の過程で人の行為が中心的にかかわるのは最初の「種を蒔く」ときと最後の「取り入れる」ときだけで、後は自然の力が主人公で、人の行為はそのサポートをしているに過ぎない。こうして農という営みを突き詰めていくと、自然の力にいきつく。そう、農業の生産力とは自然の力なのだ。(大野和興)(2009/01/13)


農と食
食の問題の背後に広がる貧困の連鎖
  2008年10月19日に都内明治公園で開かれた「反貧困世直しイッキ」集会に、三里塚の若手農民や都会の貧民青年たちと語らって、「食わせろ!」という分科会を引っさげて参加した。ビラに分科会の趣旨を書かなければならないということになり、3分でこんな文を書きあげた。 (2009/01/09)


連載《百姓たちのアジア》
にぎわうチェンマイの有機農産物市場
  北タイの中心都市チェンマイに農家とNGOが管理する有機農産物市場がある。週2回、水曜と土曜に開かれる。2008年3月、朝6時には開くという市場を訪れた。市場についたのは6時半と早い時間だったが、買いものに訪れた市民で市場はにぎわっていた。 市場には朝、暗いうちから近郊の村から農産物を持って農家が集まってくる。車で3時間くらいかけてやってくる農家もいる。(大野和興)(2009/01/07)


経済
就職氷河期再来も 日本総研「政策観測」が予測 「定額給付金を取り下げ、雇用安定対策にまわせ」
  民間シンクタンクの日本総合研究所は12月に入って発表した「政策観測」で、このまま世界経済の調整が長期化すれば、企業の雇用調整は第二フェーズに入り、正社員のリストラが大手企業にも広がり、就職氷河期が再来する恐れがあると警告。麻生政権が景気対策の目玉としている2兆円の定額給付金は取りやめ、「雇用安定化対策資金」として非正規労働者の雇用安定に集中的に投入すべきだと政策提言している。(大野和興)(2008/12/11)


農と食
種子も大量輸入の時代 ”地産地消”でも種は外国から
  食料自給率40%の日本で、食の安全性への不安が充満している。しかし、自給が低いのは何も農産物だけではない。そのおおもととなる種子もいまや輸入時代である。野菜の場合、国内で栽培に回される種子は約6400トンほどだが、このうち9割、5700トンは海外で採種され、輸入されたものだ。国内で生産された種子は1割、約700トンに過ぎない。種に自給率は10%ほどということになる。地産地消といっても種は外国産という時代なのである。(大野和興)(2008/12/02)


各党の農業政策を点検する  農村の疲弊で揺れ動く農村票をどう取り込むか
  揺れ動く解散時期。しかし総選挙が間近なことはまちがいない。07年7月の参院選挙で民主党が地方票を取り込み、大勝したのを受けて、各党とも農業政策に力を入れている。そこで今回は農村票をどう取り込もうとしているか、各党の政策を点検してみた。(大野和興)(2008/11/11)


農と食
食料よりバイオ燃料を優先 タイ政府、相変わらずバイオ燃料振興政策を堅持
  世界的な食料高騰に見舞われた後も、タイ政府はバイオ燃料用作物の作付けを優先する政策を緩めていない。その結果、コメ生産や大事な輸出用商品の原料作物であるサトウキビの生産に影響が出てきている。(大野和興)(2008/11/04)


社会
広がる麻生首相宅見学ツアー逮捕への抗議活動 抗議声明も続々
  格差と貧困を解決すべき麻生首相の“62億円豪邸“を見物するツアーで10月26日に逮捕された3人は、接見禁止処分を付けられ、今も留置場に身柄を拘束されている。ことの経過は、歩道を平穏に歩いていた参加者50人に突然警察が突入してきて3人を路上に組み伏せ連れ去ったというもの。3人についている罪状「公安条例違反」「公務執行妨害」というものだが、参加者が撮ったその時の映像には、逮捕理由となった「公務 執行妨害」行動はまったく見つけられない。ただ誰の邪魔にもならないプラカードを両手でかかげただけだ。そして、その逮捕されようとする参加者を助けようとした2人が逮捕された。以下、市民組織による声明を紹介する。6日には抗議集会も開かれる。(大野和興)(2008/11/03)

社会
相次ぐ死刑執行にアムネスティ日本が抗議声明 国連自由権規約委員会からもきびしい「勧告」が
  日本で矢継ぎ早やの死刑執行が続く。10月28日には仙台拘置所の高塩正裕(たかしお・まさひろ)さん、福岡拘置所の久間三千年(くま・みちとし)さんの2人の死刑確定者に対して死刑が執行された。今回の執行は前回から約1カ月半しか間をおいていないという異常ともいえるスピード。こうした事態にアムネスティ・インターナショナル日本は抗議声明を出し、「人権諸条約の締約国としての日本政府の資格が問われる」と国際社会での死刑に対する日本政府の突出ぶりを批判、「アムネスティ・インターナショナルは極めて深い失望と重大な懸念を表明する」として、死刑執行をめぐる日本の状況は国際問題に発展するとの認識を示した。(大野和興)(2008/11/01)


連載《百姓たちのアジア》
雲南タイ民族の村にもグローバル化の波が
  今年3月初旬、中国雲南省最南部のある村を訪ねた。西双版納タイ民族自治州にあるタイ民族の村である。州都景洪から西に向かって車で1時間ほどのところにある。そこで見たのは、これまで生産していた野菜やコメ、トウモロコシを脇に追いやってのゴムの木の新植ブームだった。いま世界を覆っている経済恐慌とそのもとでの資源価格の低落は、あの村でどんな形で現れているのだろうかー。(大野和興)(2008/10/28)


農と食
メラミン汚染牛乳がグローバルブランドの実態を暴いた 消費者は信頼できるローカルブランドを失い、労働者はリストラに直面
  国際食品労連は世界中を動き回るメラミン牛乳は、寡占化した多国籍食品資本のグローバルブランドがもたらしたものだと警告を発している。食品が一握りの多国籍化した巨大資本に握られることで、原料も製造過程も安全管理も外からは見えなくなっている実態を直視すべきだというのだ。国際食品労連は食品飲料製造、ホテル・レストラン・観光、農業労働者などを組織する国際産業別組織で、120カ国、336組織、1200万名が加盟している。(大野和興)(2008/10/25)


労働問題
ホテルと飲食店を自主運営して全員解雇とたたかう京品ホテル従業員 「ホテル1階の飲食店にてご飲食を!」を訴える
 ここ数日、メディアをにぎわしている東京・品川の京品ホテル閉鎖問題で、全員解雇の従業員を支援して活動しているフリーター全般労組は、同労組発行のメルマガで経営責任の追及と解雇反対・自主管理闘争への支援を呼びかけている。(ベリタ編集部大野和興)(2008/10/23)


社会
冤罪発生の構造を明らかに 富山冤罪事件で国家賠償裁判を支える会が動き出す
  裁判員制度が動き出すかたわらで冤罪事件が後を絶たない。いずれも警察・検察がつくりあげた国家犯罪である。その一つ、有罪判決を受け刑期を終えた後、真犯人が現れて無罪となった富山・氷見冤罪事件の国家賠償を求める裁判を支援し、支える運動が動き出した。この10月11日には東京・渋谷区で富山冤罪事件国賠を支える会と、不当な扱いを受けて国を相手にたたかう人たちやその支援グループのネットワークである国賠ネットワークが共催で志布志事件と富山事件という最近の二大冤罪事件をテーマにシンポジウムを開くなど、活発な運動を行っている。(ベリタ編集部大野和興)(2008/10/19)


農と食
汚染米とメラミン牛乳は何故出現したか
  汚染米とメラミン牛乳。いま食を揺るがしているこの二つの食品汚染には共通していることがふたつある。一つは人びとの生活の隅々にまで入り込んで、どこまで広がるか想像もできないということ。汚染米は国内、メラミン牛乳は世界規模という違いはあるが、本質に変わりはない。もう一つは、被害者は経済的弱者に偏っているということだ。グローバリゼーションの中で世界中に貧困が増殖している。その中で中国の安い商品はアジアやアフリカの隅々にまで行き渡り、貧困層でも買える手軽な商品としての役割を果たしている。メラミン入り食品はその貧困層を直撃したのである。金持ちは安全なものを食べてますます元気になり、貧乏人は何でも食べなければ飢えてしまうということで、目先のお腹が減っていることを優先しなければならない。生命の再生産を支える食の世界にもいまの世界の構造がそのまま反映されているのである。(大野和興)(2008/10/15)


社会
三浦元社長が自殺  移送直後に首つり 共謀罪の怖さ、マザマザと
  「疑惑の銃弾事件」として有名になった1981年のロサンゼルス銃撃事件で、今年2月に米自治領サイパンで逮捕、拘置され、ロサンゼルスに移送されたばかりだった三浦和義・元会社社長(61)が10日午後10時(日本時間11日午後2時)ごろ自殺、日本中に驚きの声が流れた。三浦元社長は事件に関連して共謀罪で裁かれる可能性が高まっていたことから、日本における共謀罪制定に反対してきた日本の市民団体からは、その怖さを指摘する声が上がっている。(ベリタ編集部大野和興)(2008/10/12)


連載《百姓たちのアジア》
 農民技術がアジアを結ぶ  資本のグローバリゼーションに対抗する百姓のグローバリゼーション
  イサーンとよばれる東北タイは農業と出稼ぎの地である。この地で、もう3年前になるが感動的な出会いをした。プラカーオ市という人口2万人ほどの小さな市を訪ねたときのことだ。この市は、レインボープランと呼ばれる農業を基礎として循環型地域社会づくりを進めている山形県長井市と交流しながら東北タイ型ともいえるレインボープランに取り組んでいるところである(大野和興)(2008/10/11)

経済
原材料価格上昇による所得流出が急増 企業は人件費に転嫁、しわ寄せは家計に
  原油など原材料の多くを輸入に頼っている日本では、原材料価格の上昇が経済に及ぼすインパクトはことのほか大きい。それは所得流出となって現れるが、いったいどのくらいの所得が流失し、それを誰が負担しているのかが問題になる。08年度第一四半期だけでその額は28兆円にのぼり、それは賃金抑制という形で家計が負担しているという分析を紹介する。(大野和興)(2008/09/03)


経済
日比経済連携協定、上院本会議で審議進まず フィリピン市民団体は動画で反対をアピール
  日比経済連携協定(JPEPA)は8月11日に上院本会議での審議を開始したものの、その後中断状態にある。ロハス貿易通商委員長が審議冒頭、「(憲法抵触問題の)付帯的合意に関する日本政府との交渉がまとまるまで、憲法問題に関する議員質問を差し控えたい」と提案したためだ。一方、日本の経済侵略、日本からに廃棄物受け入れによる環境問題の発生、看護士の海外流失への懸念などを掲げたNGO、市民団体の同協定に対する反対運動は続いており、最近市民団体作成の動画が登場、反響を呼んでいる。動画は「SAYONARA JPEPA」と題され、以下のサイトで見ることが出来る。(大野和興)(2008/08/29)


経済
世界銀行、貧困ラインを1日1・25ドルに引き上げ 途上国の貧困人口は大きく増大
  世界銀行が貧困ラインをこれまでの1日1ドルから1・25ドルに改定した世界の貧困人口の推移を発表した。この新たな貧困基準によると、1日1.25ドル未満で暮らす途上国の貧困人口は、2005年には14億人になる。世界に人々の4人に1人が貧困ライン以下で生活していることになる。世界銀行はこれは1981年の19億人(2人に1人)から比べれば減少しており、世界の貧困と飢餓を1990年の水準から2015年までに半減するというミレニアム開発目標を達成できること示すものだとしている。しかし、今回のデータにはいま問題になっている原油や食料高による貧困の拡大は反映されていない。(大野和興)(2008/08/28)


【みるよむきく】 佐藤稟一著『演歌の達人−高音の哀しみ−』 情けに濡れる演歌の底に流れる叙情と心象風景
  近ごろのテレビのつまらなさといったらない。タレントが群れで登場して内輪話で盛り上がり、二言目には「自分ら芸能人は」などという。「おめえら、どんな芸能をもってるんだ。芸能人なんて口が裂けてもいえないはずだ」と腹のなかで毒づいて、スイッチを切ってしまう。 (2008/08/27)


乱鬼龍の武器としての川柳
この世こそ地獄と蟹工船が売れ
  川柳作家にして中高年ワーキングプアー、乱鬼龍の折々の作品から何首かを選び、お送りする。政治、社会の風刺にとどまらず、現代社会の中で不安にさいなまれ、揺れ動く個人の内面に分け入った作品は、読むものの心に迫るものがある。(大野和興)(2008/08/26)


農と食
みんなで耕し、自給する「あしがら農の会」 作ることと食べることの新しい関係を模索
  神奈川県西部に位置する小田原市。人口20万人弱の海と山のある都市だ。海からすぐ山に続く坂道がのび、町並みを外れると両側に田んぼと畑、そして山の斜面にミカン園が広がる。この小田原市で新しく農民になった人たちと周辺の町場の人たちの間で、農と食のめぐる新しい関係作りが始まっている。生産者と消費者という社会的な分業の壁を取り払う試みで、これからの農業のあり方のひとつの方向を提示しているとも言えそうだ。(大野和興)(2008/08/21)


経済
日比経済連携協定、フィリピン上院本会議で審議はじまる 市民団体は廃棄物関税引き下げに猛反発
  フィリピン上院は日比経済連携協定(JPEPA)の本会議審議を8月11日にスタートさせた。一方、同EPAに盛り込まれた廃棄物輸入関税引き下げに反発する市民団体は、反対運動を強めている。(大野和興)(2008/08/20)


G8
G8サミットを問う札幌デモで逮捕された3人に不起訴処分 過剰警備に批判強まる
  北海道洞爺湖で開かれたG8サミット(先進国首脳会議、7月7−日)に向け7月5日に札幌で行われた「チャレンジ・ザ・G8サミット・1万人のピースウォーク」で逮捕された4人のうち、勾留され、7月16日に処分保留のまま釈放されたサウンドデモの3人について、昨日8月18日に不起訴になったことがそれぞれの弁護士により確認された。洞爺湖サミットでは過剰警備が目立った。300億円の警備費が投入され、全国から21000人の警官を集めて、ホームレスの人や外国人への尋常でない職質、入管での入国拒否、市民生活の監視、が目についた。今回の逮捕劇もそうした過剰警備がつくりあげたものだという批判が市民グループやNGO諸団体から出ている。(大野和興)(2008/08/20)


ラオスで洪水発生、 メコンやその支流で水位上昇、浸水被害広がる
  ラオスで降雨によってメコン川やメコン川支流の各河川の水位が上昇、首都ビエンチャンをはじめ各地で被害が発生している。ラオスの日本大使館は連日「注意喚起」を呼びかけている。また、ラオスに現地事務所を置く日本のNGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)によると、洪水地域では水田が完全に水につかり、池のような状態になっているという。(大野和興)(2008/08/19)


G8サミットを経て、共謀罪が再び政治問題化か 警戒する市民団体
  北海道洞爺湖で行われた先進国首脳会議(G8サミット、7月7日―9日)は、「テロリズムに対する国際的な条約及び議定書の締結及び実施の重要性」を強調する「テロ対策に関するG8首脳声明」を採択した。それに先立ち6月11日から13日にかけ都内のホテルで開かれた先進国首脳会議関連の司法内務大臣会合の後の記者会見で鳩山法相(当時)は国際組織犯罪防止条約批准のために、共謀罪の早期成立を図らなければならないと主張した。共謀罪に反対する運動を進めている市民団体「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会」は、「これは単なる鳩山法相個人の思いといった次元の問題ではなく、与党内部の共通した問題意識だととらえるべき」として警戒を強めている。共謀罪をめぐる審議にG8サミット首脳声明というより大きい枠がかぶせられたわけで、今後政治問題化する可能性も大きい。(大野和興)(2008/08/18)


経済
食・農・グロ−バリゼ−ションと対抗経済  近藤康男
  食糧問題でいま必要なのは、事実とそれに基づく冷徹な分析に上に立った議論であろう。長年穀物貿易の実務に携わり、その後フェアトレードの分野で活動している農業交易の専門家近藤康男さんに、いま世界を覆う食糧価格高騰はなぜ起きたのか、その背後で何が起こっているか、それを乗り越える道筋はあるのか、などを1970年代初頭の食糧危機とも比較しながら論じてもらった。(編集部)(2008/08/13)


環境
【リンク】ナノテクはあぶない! 安全性の確認がないまま、環境に放出、人体に侵入 化学物質問題市民研究会が警告
  化学物質汚染問題に取り組む市民団体「化学物質問題市民研究会」がナノテクについてのキャンペーンに取り組んでいる。ナノテクは、ナノ・メートル=10億分の1メートル=単位の超微粒子を用いた技術で、医薬品や化粧品、食品をはじめあらゆる用途にその使用は広がり、日常にあふれている。安全性の確認もないまま世界中でつかわれているナノテク物質について、同研究会は「安全が確認されていないナノ粒子を環境中に放出し、大気、水、土壌を汚染し、ヒトを 含む生物に重大な危害を及ぼす可能性があることを放置したままにすることは許されない。環境中に放出されたナノ粒子は呼吸器系から、飲食物から、そして皮膚を通してヒトの体内に取り込まれる」と警告。「ナノ物質管理法」の制定を求めている。ナノ物質とはどういうものか、同研究会サイトから紹介する。(大野和興)(2008/08/12)


農と食
農薬入り中国ギョーザ事件 「なぜ舞台は生協だったのか」を検証する
  中国でも天洋食品が製造したギョーザで農薬中毒事件が出たことが発覚したと、日本の各メディアは6日いっせいに報じた。農薬入りギョウザはやはり中国発だった、ということに落ち着きそうだ。だが、どこで発生したかとは別に、この問題が提起した重要な論点で、まだ語られていないことがある。そのひとつが、食の安全にきびしいはずの生協が舞台になったのはなぜ、ということである。中国ギョーザで農薬中毒、という事件が表に出たとき誰もがびっくりしたのは、問題のギョーザが売られた店舗のほとんどが生活協同組合の店だったことだ。生協は生活者が自ら作った組織であり、そこに売られているのものの多くは国産で、食の安全にはことのほか気を使っているとみんな信じていた。それがなぜ−、とみんな疑問に思った。(大野和興)(2008/08/07)


経済
食料自給率1%上がる 一方で農業生産額は減少、生産力の衰退続く
  農林水産省は8月5日、07年度(平成19年度)食糧需給表を発表、カロリーベースで39%にまで下がっていた食料自給率が40%にまで回復したと報告した。だが、その一方で日本の農業の生産力に衰退は依然として続いており、これからの食料の自給率回復に結ぶつくのかといえば、きわめて疑わしい。一時的な現象に過ぎないという見方が強い。(大野和興)(2008/08/05)


タイでも日本企業による高官への賄賂が問題化 中央政界を巻き込む騒動に
  5日付け各紙はベトナムを舞台とする日本企業による外国公務員への贈賄事件をいっせいに報じた。タイでも日本の中堅ゼネコン西松建設(本社・東京)による贈賄事件が問題になっている。バンコクの洪水防止トンネル工事をめぐり、タイ高官に4億円超のわいろを贈ったというもので、中央政界を巻き込む大問題になり、バンコク都知事は調査委員会を発足させ、収賄の事実関係が明らかになればタイ政府の独立機関国家汚職防止取締委員会に告発するとしている。(大野和興)(2008/08/05)


経済
消費者心理は過去最悪に迫る 各種調査に見る景気見通しは悪化の一途
  いくつかの景気見通しが出そろった。いずれも景況感は悪化の一途をたどり、日本経済は先の見えない袋小路に陥っていることがわかる。なかでも日本リサーチ総合研究所が定期的に行っている消費者心理調査の最新結果によると、消費者心理は過去最悪の水準に迫り、このまま推移すると「消費者心理は一段と後退して、過去最悪の水準を突破することも懸念される」としている。背景にあるのは、景気の先行きも物価上昇も先が見えないこと。これまで日本経済を牽引してきた自動車の購買態度は、史上最悪の水準となっている。(大野和興)(2008/08/04)


連載《百姓たちのアジア》
連載《百姓たちのアジア》(1) グローバル化にゆれるアジア小農世界 
 アジアの村を歩きはじめてかれこれ20年近くになる。最初の旅はタイ。東北タイを中心に北タイ、そしてバンコクから東よりにある臨海工業地帯に隣接する村を歩いた。1990年のことだった。ベトナム戦争が終わり、ベトナム、ラオスへの米軍の発信基地だったタイで、「戦場から市場へ」というスローガンを掲げた政権が発足、80年代に入り経済成長をめざして活発な投資やインフラ開発が進んだ。その矛盾が大きく顕在化してきた時期であった。(大野和興)(2008/08/03)


TPP/脱グローバリゼーション
WTO交渉決裂、交渉は長期間凍結か 歓迎する世界の社会運動
  世界貿易機関(WTO)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の大枠合意を目指して開かれていた閣僚会合は 29日(日本時間30日未明)、決裂に終わった。今後長期にわたり交渉は凍結される可能性が高い。際限のない自由貿易は貧困と飢餓、環境破壊をもたらすと反対している世界の社会運動は、一様に歓迎の意を表明、バンコクに本部を置く国際NGO「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」は30日声明を発表、交渉の決裂は不公正な交易に対する世界中に人々の声がもたらしたものだと述べた。(大野和興)(2008/07/30)


韓国
「今、独島で空中戦が勃発したら…」 韓国・中央日報が竹島(韓国名独島)で日韓軍事衝突をシュミレーション
  韓国の有力紙『中央日報』電子版7月29日号がおもしろい記事を掲載した。見出しは「今、独島で空中戦が勃発したら…」。韓国軍と日本軍が韓国名独島 (トクト)、日本名竹島の領有をめぐり激突したらどちらが勝つかという記事だ。いささか劇画の読みすぎという感もあるが、記事自体はいたって冷静かつ客観的で、真面目なところが妙におもしろい。いずれにしろ、竹島問題についての韓国の雰囲気のいったんがあらわれているということだろう。(大野和興)(2008/07/29)


農と食
生態系に沿った持続型農業こそ 国際機関が“もうひとつの農業”を提示
  世界を覆う食料危機に際し、7月に開かれたG8サミットや6月の国連食糧サミットは、新品種、化学肥料や農薬、灌漑などインフラ整備を伴う農業生産性向上政策と自由貿易による市場拡大を食糧危機対策として打ち出した。同じ国際機関であるIAASTDが食糧危機真最中の08年4月15日に出した報告書は、工業的農業を進める農業生産性向上に異議を唱え、有機農業をはじめとする生態系に沿った持続的農業を提唱、自由貿易の拡大についても、食糧安全保障を損なっていると警告した。いま世界で農業のこれからのあり方をめぐり、各国政府で構成する国際機関でさえ、対立するふたつの考え方がせめぎあっていることを示している。(大野和興)(2008/07/28)


G8
海外来訪者に相次ぐ人権侵害 サミット人権監視弁護士ネットワークが声明
 G8サミットに向けて入管・警備当局の人権侵害事案が相次いでいる。とくに外国人に対する不当な取り扱いが目立つ。サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)は6月30日、「法務省入国管理局による学術関係者・メディア関係者に対する不当な入国の制限に抗議し、自由な表現・言論活動を保障することを要請します」との声明を発表、法務当局に現在の異常事態を正常に戻すよう強く要請した。この間、空港で入管によって足止めを食った外国人がどういう扱いを受けたかも次第に明らかになり、海外メディアは大きく報道しはじめている。(大野和興)(2008/06/30)


G8
《リンク》G8サミットを問う東京行動盛り上がる 動き出した市民運動
  7月7日から北海道・洞爺湖で開かれる先進八カ国首脳会議、G8サミットを控え、そのあり方を問う市民の動きが活発化してきた。6月28・29日には東京で「SHUT DOWN 貧困と環境破壊のG8サミット」と銘打った東京行動が、「G8サミットを問う連絡会」を軸とする市民グループ「G8サミット直前東京行動実行委員会」によって開催された。東京行動にはフランスから著名な市民運動家で研究者であるスーザン:ジョージさんも駆けつけ、成田入管で4時間も足止めを食う事態に遭いながら8カ国が世界を差配する不公正さを日本の市民アピールした。29日は雨の新宿でデモ。500人が参加した。以下その模様と簡単な報告をG8を問う連絡会」サイトから(本文から入ってください)。(大野和興)(2008/06/29)


農と食
<リポート>百姓は怒っている! 食糧危機の背後のあるアジア小農の現実
  農産物価格の下落、借金の重圧、そして生産し生活する場である土地からの切り離し−。いま日本の村で起こっていることの背景を探っていくと、あらゆるものを商品化し、市場で競わせるグローバリゼーションという現実に突き当たる。ことの背後にあるのがグローバリゼーションである以上、問題は日本国内にとどまらないのは自明の理である。世界の農民世界で同じことが起こっているのだ。そして、いま世界を揺るがしている食料危機の根っ子にあるものこそ、こうした農業と農民の現実なのである。そこで次にアジア小農世界で起こっていることを見ていく。(大野和興)(2008/06/01)


農と食
<リポート>百姓は怒っている!(3) 村が消える
  日本の農業と農村を襲うこの状況は、山間地域に行くと一層深刻さを増している。。限界集落という言葉がある。「65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落」(大野晃高知大学名誉教授)を指す言葉として使われている。(大野和興)(2008/05/21)


農と食
<リポート>百姓は怒っている!(2) 農業恐慌の時代
  白鷹町のこうした動きの背景には、農業と農村をめぐるれまでにない危機がある。ある総合雑誌に次のような文章を書いてもう三年になる。「米価と農地の暴落という現実に起こっている出来事は、農業恐慌といってよい状況だと思うのだが、一向に社会問題化されない。政府も経済界も、そして国民の多数も、国際競争に勝てない農業は消えて当然と考えているからでる。ここに、この問題の恐さがある」(大野和興)(2008/05/16)


農と食
<リポート>百姓は怒っている!(1) 東北の村で起こったこと
  世界的な食料の高騰が人びとを苦しめている。食料自給律39%の日本でも、食品価格の値上げが続いている。その一方で、中国農薬ギョーザ問題も解決がつかないまま迷宮入りの公算が強い。人々の生存の基盤ともいえる食料が、量の面でも質の面でも根っ子から崩れてきている感が深まっているのだ。食の崩れは、その食を作る農業の実態の反映でもある。そこで、何回かにわけ、いま日本とアジアの村で起こっている事態を報告する。(大野和興)(2008/05/06)


農と食
農薬入り中国ギョウザはブーメランだ 日本発の矛盾の跳ね返り
  中国から輸入されたギョウザで農薬中毒が大量発生した事件は、時がたつにつれ底知れぬ広がりを見せ始めている。有機リン系の農薬メタミドホスが輸入ギョウザに混入していたのが原因だが、1月31日現在、なぜ毒物である農薬が混入したかも判明していない。そこで、事件を少しはなれ、こうした事件が起こる背景になにがあるかを考えてみた。結論は、原因は日本にあるということである。(大野和興)(2008/01/31)


農と食
「お天道様がつくる三里四方のものが最高」 京野菜の作り手が語る野菜談義
  世界中から輸入される食材にあふれた日本。グローバル化がもたらす新しい貧困が広がる中でも、食をファッションのように扱い、金に糸目をつけないという人も多い。そんななかで、頑固な農の作り手や食の職人に出会うと、やっぱり感激する。そんな農の作り手のひとりを紹介する。京都市上京区の野菜農家佐伯昌和さん。伝統野菜の代表ともいえる京野菜を作り続けている40代の若手農民だ。(大野和興)(2008/01/10)


中国
深セン(深圳)の労働者センター襲撃され、中心メンバーが重態 労働契約法施行を前に活動を妨害か 
  中国、深センにある出稼ぎ労働者支援組織が、何者かに襲撃される事件が相次ぎ、11月20日にはスタッフが刃物を持った暴漢に襲撃され、瀕死の重傷を負うという事件が発生した。10月には二度にわたり事務所が襲われ、入口が破壊されたばかりだった。襲撃事件の背後には、08年1月1日から施行される労働契約法の実施を妨害し、労働支援団体に対する攻撃をもくろむグループがいると、労働者センターは声明で指摘している。中国の民衆の動きを伝えるメールマガジン「China Now!」が伝える事件の背景と現地組織、香港の支援組織が出した声明を紹介する。(大野和興)(2007/11/29)


▼動画で見るフランスの労働者のストライキとデモ
(2007/11/22)

農と食
冬の田んぼに水を張る 人と田んぼと渡り鳥が共生する農業めざして
  かつて、水田の土地改良が進まず、用排水の仕組みも区画もいまのように整然としていなかった時代、つまり水田というより田んぼといったほうが似つかわしかった時代、冬そこは北からわたってきた渡り鳥の絶好の餌場であり、休憩所であった。水が溜まり、湿地になった田んぼが多かったからである。いわゆる湿田だ。そこでは、田んぼという人の行為の所産と渡り鳥という自然との共生が、確固として存在していた。(大野和興)(2007/11/22)


20日にパリで4万人がデモ ストライキ7日目のフランス労働者
  フランスの労働者がストライキに入って7日目の20日、新しく公務員もストに加わり、パリでは4万人が参加するデモが行われた。そのデモに参加し、いっしょに歩いたATTAC・JAPANフランス支部の山口啓さんが、フランスの労働者の活動を生き生きと伝えてくれた。(大野和興)(2007/11/21)

フランス労働者は元気だぞ! 無期限ストでサルコジ改革に反撃続く
 年金問題をはじめとするサルコジ改革に反対するフランス労働者のストライキ第2波は、無期限を掲げて6日目に入った19日も続いている。ATTAC・JAPANフランス支部山口啓さんの報告をお届けする。(大野和興)(2007/11/19)

続出する不祥事、増え続ける非正規雇用、郵政民営化の現場で労働者の悲鳴が聞こえる
  10月1日から民営化された郵便局では、いろいろな問題が起こっている。全国に4299ある簡易郵便局は現在417局が閉鎖の状態におかれ、局内ではさまざまの不祥事が頻発、非正規雇用は増え続け、このままでは今年の年賀状が心配という声が現場から出ている。市民団体であるアタック・ジャパンと郵政労働者ユニオンで作る郵政民営化を監視する市民ネットワーク(以下、監視ネット)のニュース「UBIN Watch News」から、その一端をのぞいた。(大野和興)(2007/11/09)


農業と平和は切り離せない 花の種を焼かれ、桑を引き抜かされた時代があった 大野和興
  日本がアジアを侵略したりアメリカと戦争をしたりしたことなど知らない世代が増えた。ぼくは大学などでパートタイムの教員として農業関連の講義をすることがあるが、どんなテーマのときにも必ず学生たちに話すことがある。それは、農業と平和は切り離せない関係にあるということだ。アジア太平洋戦争の真っ只中、花づくりやリンゴ栽培が非国民として時の政府によって糾弾され、桑を引き抜かされてイモやムギを植えさせられた記憶が、日本の農民にはある。戦争は百姓を兵隊に引き抜いたばかりでなく、作る自由さえ奪ったということを話しても、信じられないような顔をしている。(2007/11/08)


『制裁論を超えて=朝鮮半島と日本の<平和>を紡ぐ=』  評者 大野和興
  一応、これでもジャーナリストと名乗っている関係上、とても恥ずかしい思いがするときがある。その最たるものがいわゆる北朝鮮物である。荒唐無稽、憶測、悪意といった、およそジャーナリズムとは無縁であるはずのことどもが、電波や紙を通して運ばれ、人びとの頭の中で「事実」と化していくさまを見ていると、恥ずかしさの余り身をよじりたくなるほどだ。(2007/11/02)


農と食
農政「改革」が食卓を襲う  生産は減退し、食の安全も壊れる
  参議院で民主党提案の「農業者戸別所得補償法案」の審議が10月30日から始まった。その一方で、政府与党の農政「改革」は07年度から動き出している。その「改革」から見えてくるのは国内農業の生産減退と食の安全の崩壊である。政府が進めている農政版「改革」が何を食卓にもたらすのかを考えてみた。(大野和興)(2007/11/01)

サルコジ改革に労働者が反乱 フランスで大規模なストライキとデモ
  フランスでサルコジが打ち出した年金制度をはじめとする諸改革に対する労働者の反対運動が盛り上がっている。10月18日には交通をはじめとするさまざまな職場で労働組合がストライキに入り、各地でデモが行われた。在パリの市民運動家コリン・小林さん(グローバル・ウォッチ)は、日本の市民運動にあてて「68年以降最大のゼネストとなった」と伝えてきた。また、ATTAC・JAPANフランス支部の山口啓さんは職場集会や街頭デモに参加、人びとの生き生きした様子を伝えるメールを送ってきた。山口さんの便りによるとストは26日には収束するだろうという。フランス労働運動の現在を現場の視点で伝えるお二人の便りと、労働組合の声明を紹介する。(大野和興)(2007/10/26)


来日外国人全員に顔写真と指紋 日本版US-VISITに市民・人権団体が反対を表明
  対テロ対策の一環としてアメリカで2004年1月から実施されているUS-VISITの日本版が、今年11月下旬から実施される。来日あるいは在日するすべての外国人に対し、顔写真を撮影したうえで指紋を採取し、「要注意人物リスト(WATCH LIST)」と照合するというものだ。市民団体や日弁連は重大な人権侵害であるとして声明や意見書を出して撤回を求めている。(大野和興)(2007/10/25)


「軍事と人道・復興支援は切り離せ」 アフガン問題で日本国際ボランティアセンターが声明
  政府は11月1日で期限が切れる「テロ対策特別措置法」に代わる「補給支援特措法案」を17日に閣議決定し、国会に提出した。一方、民主党は18日、イラクで多国籍軍の人員や物資を輸送している航空自衛隊を即時撤退させるための「イラク復興支援特措法廃止法案」を参院に提出、自衛隊派遣は民生に限定するべきだとする考え方を掲げている。こうした日本の動きは、対テロを掲げた“アメリカの戦争“にじゅうりんされたアフガニスタンの現実や、そこに暮らす人々の願いに応えるものなのか。アフガニスタン現地で医療支援などで長く活動を続けている日本のNGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)は「アフガニスタンにおける対テロ戦争と日本の軍事支援の見直しを求める声明」を12日に発表。アフガニスタンの現実を踏まえて、「日本政府はいかなる形であろうと自衛隊による協力ではなく、包括的な和平に向けたイニシアシャティブをとるべき」と提言している。(大野和興)(2007/10/18)

「密告社会がやってきた」 動き出した密告の民営化
    警察庁は10月1日から「匿名通報ダイヤル」をはじめた。警察庁の委託を受けた民間団体が、市民から匿名による事件情報の通報を、電話で受け、警察に提供して捜査等に役立てようというものだ。子どもや女性を守るための制度であると同庁は説明している。通報者には最高10万円の情報料が支払われる。この制度を受託したのは、赤いベレーで防犯活動をしている特定非営利活動法人・日本ガーディアン・エンジェルス。民間組織と警察が一体となっての密告社会がやってきた。(大野和興)(2007/10/05)


「怪しい」と思ったら警官が任意に調査 警察庁、国会で否定された「ぐ犯少年調査権」を勝手に復活
  警察庁が先の通常国会で成立した少年法「改正」を受け、9月6日に発表した「少年警察活動規則の一部を改正する規則案」が波紋を広げている。「ぐ犯少年」に対する警察の任意調査権が明記されているからだ。「ぐ犯少年」に対する調査権は、国会で審議された少年法「改正」案にふくまれていたが、あまりにも問題が大きいということで批判され、削除された経緯がある。「これは立法府に対する警察の挑戦ともいうべきものだ」と、この問題に関し反対声明を出した市民組織「盗聴法に反対する市民連絡会」の小倉利丸さんは語っている。(大野和興)(2007/10/04)


農と食
今年も米価が下がった 忍び寄る農業恐慌、コメ作りからの撤退が続く
新米の時期を向かえ、各地でコメの刈りとりが始まっている。だが、この時期、一年でもっとも気持ちが弾むはずのコメ農家の表情は暗い。生産者が受け取る米価が一段と下がったからだ。この十年余で、生産者米価はほぼ半分になっている。忍び寄る農業恐慌がいま日本の農業を襲っている。(大野和興)(2007/10/01)


裁判官の「憲法回避」を問う 弁護士 西野百合子
  国民が国を憲法違反で訴える違憲訴訟は、憲法判断に入らないまま敗訴というのが、日本では通り相場だ。裁判所は憲法を適用して国家権力の行き過ぎを抑制するという役割を放棄し、憲法の空洞化を招いた。西野百合子弁護士は、憲法をよみがえらすために、裁判官に課せられた憲法尊重擁護義務(憲法99条)を個々の裁判官に対し、裁判で問うべきだと述べる。(2007/09/01)


イラク自衛隊は「関東軍」だった! 「あえて巻き込まれ」戦争状態を作り出すつもりだったと佐藤氏
  戦前、中国東北部に派遣された関東軍が当時の日本政府の意図を無視して勝手に軍を動かして戦争状態を作り出して戦線を拡大、それがアジア太平洋戦争にまでつながったのは歴史的事実だが、今回の参議院選挙で選出されたばかりの元サマワ先遣隊長の佐藤正久参議院議員がTBSの報道のなかで、イラクに派兵されていた時に、自衛隊を現地で戦争状態に突入させるつもりであったと語った。(大野和興)(2007/08/14)


安倍政権を検証する
07年参院選 自民惨敗の主役は“農民の反乱”(下) ねじれ現象に陥った農民と農協
今回の選挙結果から見る限り、農民の民意は明らかに自民党を見限った。ところが不思議なことに、JA農協組織が組織内候補として担いだ自民党比例区公認候補は45万票近くを獲得、自民党では外添要一氏についで2位で当選した。これだけをみれば「なんだ、農村はやっぱり自民党じゃないか」ということになる。選挙区と比例区の得票に現れたこのねじれ現象をどう見たらよいのか。結論を言うと、農協組織内候補が獲得した大量得票は農民票ではなく農協利権票であり、農村の危機の深化のあらあれなのだとみることができる。(大野和興)(2007/08/03)

安倍政権を検証する
07年参院選 自民惨敗の主役は“農民の反乱”(上)
自民党の惨敗に終わった今回の参院選には、表面には出なかった隠れた争点があった。農業・農村問題である。農村部を中心とする一人区で民主党が次々と勝利をおさめた背景には、農業の衰退と農村の疲弊があった。その要因をたぐっていくと、農、食、福祉、教育などあらゆるものを自由化し、規制緩和していく新自由主義経済政策に行き着く。民主党が議席を得た一人区は、これまで自民党独占だったところだ。その意味で、今回の選挙の主役は“農民の反乱”にあったとさえいうことができる。(大野和興)(2007/07/31)

沖縄/日米安保
現場の作業員を殺人行為に追い詰めた権力の責任こそを問う 平良牧師が緊急声明
 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の環境現況調査(事前調査)に反対し、海中で抗議行動を行っていた際、機器設置作業員に酸素ボンベのバルブを閉められ生命の危機に陥った平良夏芽牧師(本紙既報)が26日、緊急声明「バルブ事件に関して」(後述)を発表した。平良牧師の声明は、事実関係を述べるとともに、海底では立場は違ってもダイバーどうしの思いやりが存在していたこと、今回の事件は作業に携わるダイバーをこうした危険な行為に追い込んだ防衛施設局にこそ責任があること、個人をいたずらに攻めることはしたくないこと、などが淡々と述べられている。(大野和興)(2007/07/26)

中国
松下中国進出工場でカドミウム汚染 日本の労働・市民団体が責任の明確化求め本社へ申し入れへ
  中国の日本企業、無錫松下有限公司の工場で発生した重金属カドミウムによる労働者の体内汚染問題は、事件が発覚した07年1月以来現在に至るまで、補償を求める労働者との間で解決がついていない。事態を憂慮したアジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)日本委員会は日本の市民組織、労働組合に呼びかけ、本社の松下電器産業株式会社と松下電池工業株式会社に対し、被害の実態の開示と日本本社の責任の明確化を求めて近く申し入れを行う。(大野和興)(2007/07/15)


時代を駆け抜けた思想と実践を読み解く一冊  西村光子著「女(リブ)たちの共同体(コレクティブ)=70年代ウーマンリブを再読する=」   評者・舟本恵美
  「性の解放」と「個の解放」めざして、鮮烈に登場した1970年代のウーマンリブ運動。そのなかから全国各地に女たちの生活共同体(コレクティブ)が生まれた。多様多層なリブの運動の中で共同体(コレクティブ)に焦点を当て、同時代をともに歩いた著者が、今日の視点からその運動の実態と思想を調査し、自分のやったこと、あるいはやりそこねたことの意味をさぐった。評者・舟本恵美さんはリブの運動誌『女・エロス』(1973年創刊)創刊メンバー。(2007/07/05)


労働問題
これが安倍再チャレンジの正体だ!(下) ねらいは経営者が「権利侵害する自由」の確保 川副詔三(『地域と労働運動』編集長)
 安倍内閣「規制改革会議」の「再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォース」が5月21日に出した「提言」は、労働裁判や現行労働行政さえ目の敵にしながら、経営者の自由を確保するため、経営者の解雇権の強化や、派遣労働者の派遣期間制限や派遣業務制限の撤廃、試用期間の延長といった労働者を保護するための各種規制の撤廃を今後三年間で実現すべきと主張する。(2007/07/03)

二極化社会を問う
都心のビルに「生きさせろ!」の声が響く “反貧困”掲げ、この社会のありようを根底から問う運動が動き出した  坂本正義(労働ジャーナリスト)
  “反貧困”の旗を掲げ、7月1日、東京で集会とデモが行われた。「もうガマンできない!広がる貧困−人間らしい暮らしを求めてつながろう7・1東京集会」と銘打たれた集会は国会に隣接する社会文化会館で開かれ、大ホールを埋める630人が参加。いまこの日本に根を張る“貧しさ”の現場から声を上げた。集会の後、大企業・大銀行が軒を連ねる赤坂、虎ノ門、そして官庁が軒を連ねる霞ヶ関をデモ行進、「生きさせろ!」の声を響かせた。(2007/07/02)


労働問題
これが安倍再チャレンジの正体だ! 労働者の権利も労働者保護も全面否定する「規制改革会議」(上)  川副詔三(『地域と労働運動』編集長)
  安倍内閣のもとにある「規制改革会議」の「再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォース」というチームが5月21日、「脱格差と活力をもたらす労働市場へ〜労働法制の抜本的見直しを〜」という報告を発表した。労働法制の抜本的かつ全面的変革へ向けての提言で、現行労働法がもつ労働者の権利・保護の体系をすべて壊し、市場競争に投げ込むという、きわめて重大な内容をはらんでいる。しかも3年間で実現するという戦略プランまで掲げている。労働ジャーナリストで『地域と労働運動』の編集長である川副詔三氏に、この提言が持つ意味について解説してもらった。なお、本稿は『地域と労働運動』誌80号に掲載されたものを、同氏のご好意により転載させていただいた。(『日刊ベリタ』編集部)(2007/06/29)

環境
ムリアは無理や! インドネシアへの原発輸出反対掲げ、市民団体・NGOがキャンペーンを立ち上げ
  日刊ベリタが6月14日付で報道した「インドネシアで原発反対デモ」(じゃかるた新聞特約、関連記事参照)で指摘されている中部ジャワ州ムリアに建設が予定されている原子力発電所に反対する市民運動が、日本でも動き出した。ムリア原発建設は日本の企業や政府、海外協力銀行の資金などが絡んでいるためで、日本の原発輸出に反対する原子力資料情報室などの市民組織・NGOが「ムリアは無理や!(ムリ無理)キャンペーン」を立ちあげ、7月上旬には東京と大阪で現地活動家を招いての集まりをもつ。(大野和興)(2007/06/24)

60年安保世代が九条改憲阻止で結集 6・15共同行動で1000人余が集会・デモ
  夕闇が迫る日比谷野外音楽堂に1000人を超える人が集まった。そのほとんどが60代から70代。壇上には「九条改憲阻止」ののぼり。60年代安保闘争世代が呼びかけた「九条改憲を許さない6・15共同行動」の集まりである。個人が呼びかけ、個人が自己の責任と思いで集まったこの集いは改憲に向けひた走る社会への異議 (2007/06/16)


環境
野生にも広がったカエルツボカビ症 生態系や農業に大打撃のおそれ
  国内の野生カエルにツボカビ症が発生している事実が麻布大学の宇根有美準教授ら研究チームによって確認され、次第に波紋を広げている。この病気にかかったカエルの致死率は90%とされ、世界各地でカエル集団を全滅に追い込んでいる。日本では06年12月に東京都内で飼育されていた中南米産のカエルが感染しているのが見つかり、07年1月には自然保護や両生類の研究に関わる16の研究機関、環境団体がカエルツボカビ症侵入緊急事態宣言を出していた。カエルツボカビは他の両生類にも及び、種を危機に陥らせるほか、種の多様性の一角が失われることで生態系全体に影響を及ぼす。また虫を補足するカエルがいなくなることは、水田農業にも重大な被害をもたらす。(大野和興)(2007/06/15)


ダグラス・ラミスさんの『普通の国になりましょう』を読む
   もう5年も前になる。ラミスさんを口説いて「ダグラス・ラミス平和を紡ぐ旅」というのを仲間を募って一年間やった。あの9・11の後の世界、アメリカの対テロ戦争が始まり、米軍がアフガニスタンに爆弾を雨を降らせていた。その一年後にはイラク侵略が始まり、日本では有事法制が議論され、海外派兵寸前まで来ていた。グローバル化のなかで職場も地域も荒廃し、次は憲法改定だと公然といわれはじめていた。ラミスさんはすでに津田塾大学を退き、沖縄に在住、在野の政治学者としてさまざまの運動現場で人々とまじって動いていた。それから時代はいっそう進み、ラミスさんからこの本が届いた。(大野和興)(2007/06/03)


沖縄/日米安保
防衛省、辺野古海自艦船出動に法的根拠示せず、「自衛隊は札幌雪まつりにも出ている」と久間防衛大臣
  防衛省が沖縄・普天間基地移設計画に伴い、移転先とされている辺野古の海で実施される事前調査に海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を出動させたことに対し、疑問の声が広がっている。沖縄では24日、県内の大学人有志21人が安倍晋三首相と久間章生防衛相に対して抗議声明を発表。また国会では24日、共産党、社民等がこの問題をあいついで取り上げたが、防衛庁は明確な法的根拠を示すことができなかった。久間章生防衛相の答弁は「札幌雪まつりも自衛隊が応援している」というものだった。こうして市民運動の前面に武装兵力を出動させる事態がなす崩しで進んでいる。(大野和興)(2007/05/28)

環境
写真でみる辺野古の海のサンゴ損傷 米軍基地代替施設建設事前調査で暴挙
  米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設に伴う海域の現況調査で、海底に設置した調査機器によってサンゴが傷つけられたことがわかり、ジュゴン保護基金委員会・ジュゴンネットワーク沖縄など市民団体は二十一日、那覇防衛施設局に対し抗議すると同時に、設置状態を点検するよう申し入れた。市民団体が撮影した水中写真によると、サンゴの産卵状況を調べる着床具を支えている鉄の柱がサンゴに突き刺さり割れているのが確認される。(大野和興)(2007/05/25)

経済
 日豪FTA(自由貿易協定)はいらない! 両国市民社会が共同声明を準備
  日本とオーストラリアの間でこの4月から自由貿易協定(FTA)締結に向け交渉が始まった。農業大国オーストラリアとの自由貿易協定は、日本の農業を危機に陥らせると農民や消費者の間では警戒感が強いが、輸出と投資の拡大を狙う経済界にとっては、アジア太平洋地域への市場拡大の上からもどうしても成功させたい協定だ。しかし自由貿易至上主義にはオーストラリアの市民社会からも、環境や人権などが損なわれるということで疑問が出ている。地球を覆うグローバリゼーションに懸念を抱く日豪両国市民が、交渉が始まったFTAに「NO!」を突きつける共同声明を出すことになった。(大野和興)(2007/05/24)

農と食
コメがあぶない!(8) アメリカのコメ戦略が作り出す貧困と人権侵害
  「コメだけは例外扱いにしてくれと政府も要求している」ー日本の農林水産省や農業関係者の言葉ではない。現在交渉が進んでいる米タイ自由貿易協定(FTA)について質問したことに対するタイのNGO活動家の答えである。彼は、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)がもらたすさまざまな問題、とくに環境問題や農業問題に取り組んでいる。この5月、京都で開かれたアジア開発銀行(ADB)総会に向けてNGOが開いた市民フォーラムで会った。理由を聞くと、もし自由貿易協定で関税引き下げが決まると、アメリカからどっとコメが入ってきてタイ農民が打撃を受けるから、ということであった。タイは世界一のコメ輸出国である。そのタイがアメリカのコメにおびえを抱いていると聞いて、ちょっとした衝撃を受けた。(大野和興)(2007/05/23)


沖縄/日米安保
「1人の市民として」−沖縄・辺野古から痛切なアピール 非暴力の海の阻止行動に殴る蹴るの暴行も
  ついに私たちは、市民に軍隊を差し向け、「知識、技術を持っている自衛隊が協力をしたということ」(18日夜、安倍首相)と平然と語る政府を持ってしまった。現地沖縄・辺野古で米軍基地移設阻止の行動を続けている市民から「この2週間ほとんど休むことなく警戒を続け、今日も10時間以上海上で非暴力の座り込みを行ってきた仲間達は疲れ切っています。どうか、一緒にこの平和を求める活動に参加してください」という痛切なアピールが発信された。阻止行動に参加している人たちのほとんどはどこにも所属しない一市民であり、カヌーで海上行動に携わっている人の半数近くは定年退職者。そして海底にしがみついて非暴力で阻止行動をしているダイバーに対して、作業員もしくは海上自衛隊員たちは殴る蹴るの暴行を加えてきている。以下、現地からの報告を紹介する。(大野和興)(2007/05/19)

沖縄/日米安保
ついに市民運動に軍隊を投入 沖縄・辺野古沖に海自艦艇が待機、陸自ヘリが低空飛行
  防衛省は18日、ついに名護市辺野古で米軍新基地建設のための事前調査(環境現況調査)に着手した。周辺の海は住民の反対行動に備え海上保安庁の船が厳重に警備している。『朝日新聞』電子版は5月18日11時17分、「海自の潜水士も 民間業者とともに作業している。こうした異例の強硬姿勢を仲井真弘多・沖縄県知事が批判するなど、地元は反発を強めている」と報じた。新基地建設阻止を掲げて現地で座り込みを続けている市民グループは、陸上での作業ヤード設置阻止の座り込みと海上でのカヌーと飛び込みにによる阻止行動の二手に分かれて行動、「一人でも多く駆けつけてください」必死の呼び掛けをしている。(大野和興)(2007/05/18)

沖縄/日米安保
海自・掃海母艦「ぶんご」紀伊半島沖で待機か 沖縄・辺野古では市民による24時間監視が続く
  沖縄に直行するはずだった海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が紀伊半島沖で待機しているとの情報が15日昼、沖縄から発信された。現地運動体は一時、13日に沖縄島東海岸中部勝連町の米軍基地ホワイトビーチに接岸したとの情報を発信、翌14日にで未確認情報であることが判明、取り消した。その後行方がわからず、15日昼、紀伊沖にいることが判明、との情報が発信された。那覇防衛施設局の移転施設をめぐる事前調査が行われる名護市辺野古では、基地移転阻止を訴える市民グループが24時間体制で監視を続けている。(大野和興)(2007/05/15)

沖縄/日米安保
日本は沖縄に銃を向けるのか! 自衛隊艦艇接岸で緊張高まる「美(ちゅ)ら海」辺野古
  沖縄・普天間基地移設計画に伴い、移転先とされている辺野古の海で実施される事前調査に対する反対運動に備え出動した海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」は、13日に中沖縄島東海岸中部勝連町の米軍基地ホワイトビーチに接岸したとの情報が現地からはいった。「基地建設阻止」を掲げる沖縄市民からは「ほんとうに日本は沖縄に対して銃を向けるつもりのようです」という痛切なアピールが発せられた(「辺野古からの緊急情報」http://henoko.jp/info/)。(大野和興)(2007/05/14)

沖縄/日米安保
沖縄・辺野古に海上自衛隊出動 反対運動阻止が目的か
  沖縄・辺野古の海から緊急の呼びかけが入っている。普天間飛行場移設に関連する海域の事前調査に反対する市民運動に向け海上自衛隊の掃海艇が出動したためだ。沖縄タイムスは12日朝刊で次のように報じた。「米軍普天間飛行場移設先周辺での現況調査(事前調査)に関連し、海上自衛隊の掃海母艦『ぶんご』が十一日午前、沖縄近海に向けて海自横須賀基地 (神奈川県)を出港したことが分かった。自衛隊関係者が明らかにした。艦船にはゴムボートやボンベが積載されているが、海自が実際に調査で対応するかどう かは不透明だ」。しかし11日の衆院イラク支援特別委員会で、久間章生防衛相は赤嶺政賢氏(共産)の質問に答え、現況調査に海上自衛隊が参加する可能性について「ないことはない」と述べ、基地移設に反対する市民の前面に自衛隊が出動する可能性を示唆した。基地移設に反対する沖縄市民からは次のような呼びかけが出された。「日本政府は、辺野古に海上自衛隊の投入を決定し、今朝横須賀港を出航した掃海母艦 「ぶんご」が、沖縄へ向かっています。日曜日には沖縄へつく予定になっています。 来週からは、大変な闘いになりそうです。皆さん、辺野古へこれる方は、ぜひ、駆けつけてください。そして、これない方もぜひ何らかの行動をお願いします」。(大野和興)(2007/05/12)

環境
日本は廃棄物を輸出するな! 5月2日に世界行動デーでアジア各地で抗議行動
「アジアは日本の廃棄物植民地ではない!」というメッセージを掲げた国際行動が5月2日に行われ、呼びかけ団体のひとつである環境NGO・脱焼却グローバル連合(GAIA)は、「日本の”廃棄物植民地”に反対する初めての世界行動デーに、フィリピンを含む世界の45カ国以上からこの問題に関心を持つ200以上の団体上及び多くの人々が参加し、有害廃棄物貿易を海外開発援助と投資に結びつけるための東京の圧力を非難し阻止するために集まった」とホームページで報じた。日本でも環境問題やグローバリゼーションに対抗する運動に取り組んでいる市民グループ・NGO22団体が連名で、「日本と各国との経済連携協定に含まれる有害廃棄物とその他の搾取的な条項を除外することを求める」手紙を安倍首相に送った。この国際行動については、アジア開発銀行総会に並行して京都で開かれる市民フォーラムのいっかんとして5月6日に開かれるシンポジウム「日本の廃棄物輸出政策 −3Rイニシアティブと経済連携協定−」で、フィリピン、タイからの参加者によって報告される。(大野和興)(2007/05/03)


経済
アジア開発銀行(ADB)が京都で明日から総会 市民団体・NGOが市民フォーラムで問題提起
  アジア開発銀行(ADB)の第40回総会が明日5月4日から7日まで京都で開かれる。世界67カ国・地域から各国財務大臣、中央銀行総裁、政府・金融関係者に加え、NGO代表や報道関係者などを含む約3,000人が会場となる国立京都国際会館に集まる。ADBによると、京都総会ではアジアに経済成長とともに深刻化している貧富の格差、環境問題などについて議論すると同時に、貿易・金融・投資などの自由化をテコにアジアの経済統合を以下に進めるかについても話し合いたいとしている。一方、ADBが進めるアジアの経済開発がアジアの人々にもたらしている負の側面を重視し、問題提起する市民組織・NGOによる市民フォーラムが、同じく京都でADB総会と平行してして開かれる。また5日には「健康や生態系に悪影響を及ぼす大規模開発事業の中止」や「 世界経済の不安定化をもたらしている投機的な国際金融市場の規制」などを掲げた市民・NGOによるデモも計画されている。(大野和興)(2007/05/03)


生協法改訂の危険な中身(下) 危機感のない生協界は鈍感力がある? 金 靖郎
  これまで2回にわたり、現在国会で審議中の生協法改定案の問題点をみてきた。そこで明らかになったことは、(1)市民の自主的自立的組織であるはずの生活協同組合に対する国の監督権限の強化、(2)市民活動であるはずの生協事業への資本の参入、が法改訂の名のもとに進められようとしていることだ。では当の生協はこのことをどうとらえているのか。生協内部で働く筆者は、生協自身にほとんど危機感が見られないことに驚き、そこに市民社会とかけ離れてしまった協同組合の思想的危機をみる。(大野和興)(2007/04/25)

緊張走る辺野古の海 普天間基地移設で防衛施設局が事前調査を強行か
  米軍普天間基地の移設先となっている沖縄・辺野古の海が緊張に包まれている。22日の参議院沖縄選挙区・補欠選挙が終わるのを持って、那覇防衛施設局が週明け早々にも海域調査に着手するとの報道が流れたためだ。辺野古の座り込みテント村には23日午前4時から反対派のメンバーが集合、待機した。現地入りしたメンバーの一人は、「23日9:40。現在辺野古は大雨と雷。現況調査への怒りなのでしょうか。朝の段階で防衛施設局の車10台が確認されています。こちらは船とカヌー隊が待機しています。雷で海に出るのは危険なので、今は何も行なわれていない状態です」と連絡してきた。(大野和興)(2007/04/23)


経済
日豪FTA交渉始まる 真のねらいは軍事と一体化したアジア市場戦略
  4月23日から24日にかけ、オーストラリアの首都キャンベラで日本とオーストラリアの自由貿易協定(FTA)締結のための第1回交渉が行われる。オーストラリアは世界有数の農産物輸出国で、日本でも米国、中国に次いで第3位の農産物輸入国だ。それだけに交渉の結果次第では農業や地域経済に与える打撃ははかり知れないほど大きく、農業団体や農民層を中心に反対の声が強い。一方経済界はオーストラリアが持つ資源・エネルギーの確保や自動車・自動車部品などの輸出増に好影響があるとして、かねてから日豪FTA推進を掲げて政府に働きかけを行ってきている。だが、日豪FTAのもつ意味を、こうした経済面だけに限っていてはまちがいを犯す。日米によるアジア経済統合、さらにはそれと連動した安全保障の枠組み拡大といったねらいが隠されている。以下、日豪FTAが日本の経済・社会に何をもたらすかを整理してみた。(大野和興)(2007/04/23)


生協法改定案の危険な中身(中) 資本の攻撃で協同組合は解体の危機  金 靖郎
  今国会に上程されている生協法改定案−。前回は自主的であるはずの生協運営に対する国の管理権限が強化される問題についてふれた。今回は民間資本が規制緩和をかかげて非営利団体である協同組合の事業に枠をはめようとしている動きについて報告する。その背景には「すべて市場原理で社会を運営していこうという流れがある」と筆者は言う。(大野和興)(2007/04/20)

生協法改定案の危険な中身(上) 強まる生協への国家介入  金 靖郎
  多くの国民が知らない間に法律が変わり、企業活動は野放図になる一方で、市民の活動はきびしく制約される状況が深まっている。今回は生協をめぐる動きである。市民の自立的な活動の代表格ともいえる生活協同組合に対する国家の介入を強め、生協が組合員の暮らしを守るために行う事業活動に対する企業の営業の自由を拡大する内容の生協法改訂案(消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案)が今国会に上程され、審議が始まっている。この改訂案の問題点について、生協内部で働くものの立場から寄稿してもらった。3回に渡り掲載する。第1回は、強化される生協運営への国の介入問題である。(大野和興)(2007/04/16)


韓米自由貿易協定の波紋 経済的勝者と多数の敗者で分断と二極化が進む韓国社会
  韓国と米国の自由貿易協定(韓米FTA)が4月2日、正式合意に達した。この合意に対し、韓国主要メディアはこぞって賞賛し、評判が最悪だった盧武鉉(ノ・ムション)大統領の評価が一躍高まった。しかし一方で、FTAに反対する農民・労働者らの運動は国会批准阻止に向けて激しく動いており、韓国社会は経済のグローバル化で利益を得る階層と、激しさを増す競争社会の中で下層に落ちていく多数の経済的弱者層の二つに分断された感がある。(大野和興)(2007/04/04)


斎藤たきち著『北の百姓記』(正・続) 地下水がつなぐ百姓の苦渋と誇り
  山形のいっかくで営々と農にたずさわってきた一人の百姓が、70歳を迎え、自らの思いを本に書いた。米と果樹、野菜を育て、詩を書き、地域運動の世話役として過ごしてくるなかで練り上げた百姓論、農の思想、地域論がぎっしる詰まっている。土をつくり、作物を育てるものでなければもてない具体性と純度の高い思想性を兼ね備えた作品である。本書の魅力を、村を歩く記者として著者の存在を注視つづけてきた大野和興と、同じ山形の百姓として生きる一世代若い農民・菅野芳秀が紹介する。(大野和興)(2007/03/04)


韓国メディアはどう報じたか 米下院、旧日本軍従軍慰安婦決議案で公聴会
  第2次世界大戦中の旧日本軍の従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める超党派決議案を審議している米下院外交委員会アジア・太平洋・地球環境小委員会は2月15日、公聴会を開き、元慰安婦の韓国人2人とオランダ人の計3人が証言した。日本のメディアでは相変わらず小さくしか報道されなかったこの問題を韓国メディアはどう報じたか、電子版から検証した。決議案をめぐって日本政府が阻止のための議員へのロビー活動を強めれば、在米の韓国人団体が電話攻勢で審議促進を訴えるなど日韓の場外対決も激しくなっている。(大野和興)(2007/02/17)

共謀罪修正案に市民団体が警戒 「いかなる修正をしても共謀罪を認めることはできない!」
    自民党法務部会の小委員会(笹川尭委員長)が2月6日に発表した共謀罪の修正案骨子に対し、市民団体の警戒感が高まっている。その内容は、共謀罪の対象犯罪を削減し、名称を「テロ・組織犯罪謀議罪」と変えて、市民団体や野党の抵抗をかわそうというもので、市民団体が発行するメルマガ「共謀罪を廃案に!」(発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会)第16号(2月13日発行)は「この修正案骨子の意図は、破綻につぐ破綻を繰り返してきた共謀罪を、「大幅な修正」の名の下に、野党を説得して今国会で審議入りし成立させようとするものにほかなりません」と述べている。(大野和興)(2007/02/15)


有害廃棄物輸出も経済連携なの? 各国の市民組織が日本政府に意見書を送付
    アジア各国とのFTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)に関連して、日本政府がアジアの市民組織・NGOから集中的な批判を浴びている。自由貿易推進・経済連携強化の名の下に、日本政府はアジア諸国に有害廃棄物を移動する道を開こうとしている、という批判だ。各国の日本大使館にはアジアや北米の40を超える市民団体・NGOからFAXやE-mailなどで批判の意見書が送られている。こうした動きに呼応して日本国内でも、環境や健康、人権、貿易の公正のために活動する市民組織16団体が意見書・共同声明を総理大臣、環境大臣、経済産業大臣、外務大臣に宛て2月11日付けで送付した。団体名と共同声明は文末に掲載。(大野和興)(2007/02/12)

米国下院、日本軍従軍慰安婦で決議案提出 日本政府は大物ロビイスト雇い、防戦
  第2次大戦当時の旧日本軍の従軍慰安婦問題について、日本政府の謝罪を求める「従軍慰安婦決議案」が、1月31日、米国下院に再び提出された。 同様の決議案は昨年9月にも提出され、下院外交委員会では満場一致で採択されたが、本会議での採択は多数派共和党により阻止された。今回は民主党が上下両院で多数を占めており、本会議で可決される可能性は高い。こうした米議会に動きを阻止するため、日本政府が下院議長と駐日米国大使を務めた民主党の大物トーマス・フォーリー氏をロビイストとして雇用したと、韓国の中央日報が伝えた。また韓国の聯合ニュース は1月27日、自民党がこの問題について米議会関係者との意見交換のため、今年春、代表団を派遣すると伝えた。(大野和興)(2007/02/03)


映画「麦の穂をゆらす風」を見てきた   <つるた まさひで>
    遅ればせながら、「麦の穂をゆらす風」を見てきた。連れを誘って行ったのだが、彼女はそれからずーっと機嫌が悪い。確かにこの映画、作品自体に希望は見えない。笑って楽しみたいときにはまったく不向きな映画だ。しかし、それは世界の現実と照らし合わせて考えさせるとても強い力を持っているということでもある。外国軍による占領、レジスタンスへのすさまじい暴力、そして、その暴力が抵抗の暴力を生む。その暴力は深く内部にまで浸透する。レジスタンス内部の暴力は大きな矛盾を孕みながら、被害・加害、両方の当事者をこれでもかというほどに苦しめる。(2007/01/24)


経済のグローバル化に対する包括的批判と具体的行動指針を提示 <小倉利丸> ジョン・カバナ、ジェリー・マンダー編『ポスト・グローバル社会の可能性』
今年の世界社会フォーラム(WSF)が20日からナイロビで始まる。ぼくは23日から後半の三日だけ参加するが、WSFに出かける前に是非読んでおきたかったのがこの本である。本書は、International Forum on Globalization(IFG、国際グローバル化フォーラム)による報告書である。本書の訳者解題によれば、IFGは1994年に「経済のグローバル化がもたらす影響を、文化、社会、政治、環境というあらゆる面から分析し批判することを目的」に米国サンフランシスコに創設されたものだ。本書は21名の執筆者による共同執筆であるが、この執筆者のなかには、編者の他に、ウォルデン・ベロ(『脱グローバル化』、明石書店など)、ディビッド・コーテン(『グローバル経済という怪物』、シュプリンガー東京など)、バンダナ・シヴァ(『バイオ・パイラシー』、緑風出版など)など日本でもよく知られている人達が執筆陣に加わっている。本書は原書第二版からの翻訳で、緑風出版が刊行した。(2007/01/19)


農と食
【地域からつくる“もうひとつの世界”】山形県長井市民の取り組み(下) 新しい共同で地域をつくりなおす
    (上)ではレインボープランとはどういうものかをみてきた。住民が出す生ゴミを堆肥にするという事業は、全国各地で取り組まれていてめずらしいものではない。それではなぜ長井・レインボープランなのか。それは第一に、この実践が住民の主体的な行動力と構想力に裏打ちされ、積み上げられてきたということがあげられる。市民運動型として始まり、途中行政やJA農協、商工会議所など地域社会の有力セクターを巻き込んで今日まで来た。冒頭、堆肥センターが出来上がり、循環のシステムが動き出したのが1997年と述べたが、それ以前にほぼ十年に及ぶ住民主導の積み上げがあった。(大野和興)(2007/01/08)

「免状不実記載」で不当逮捕のAさん、神奈川県警を訴える
  「免状不実記載」で神奈川県警に不当逮捕され、自宅や事務所を捜索されたAさんは、10日間の勾留の後に「処分保留」のまま釈放されたが、06年12月25日に横浜地裁に国家賠償を求めて提訴した。Aさんは車の免許証の住所が同県内の実家になっていたということだけで逮捕され、10日間勾留され、自宅のほか関係先の家宅捜査を受けた。原告はAさんのほか家宅捜索を受けた2社で、神奈川県と国を相手取り国家賠償法に基づく損害賠償を請求している。(大野和興)(2007/01/06)

農と食
地域からつくる“もうひとつの世界”=山形県長井市民の取り組み=(上)
    閉塞感に押しつぶされそうな時代の気分がまんえんしている。職場も地域も、家庭のなかでさえ自由でゆったりした空間は消えてしまった。しかし人は追い詰められれば追い詰められるほど、知恵と行動力を発揮する。そんな人々の知恵と行動力が、どのような可能性をつくりだすか、農と食をつなぐ循環のまちづくりに取り組む山形県長井市の市民の実践に寄り添いながら考えてみた。(大野和興)(2007/01/05)


検証・メディア
『週刊ポスト』の記事で小学館に賠償命令 イラク人民主化活動家が勝訴
  小学館を名誉毀損で訴えていたイラク民主化運動活動家アブドゥル=アミール・アル・リカービ氏の判決が27日、東京地裁で出された。判決はリカービ氏の主張をほぼ全面的に認め、小学館に対し、(1)被告(小学館)は原告(リカービさん)に440万円(および利息)を支払え、(2)被告が管理するウェブサイトに掲載された記事を削除せよ―と命じた。2003年12月3日、来日中のリカービ氏は首相官邸において小泉純一郎首相(当時)と会談した際、小泉首相との間で、サマワに派遣される自衛隊の安全確保の対価として、日本政府から100億円相当の金員を原告ら部族長が受け取る旨の密約をしたという記事を小学館発行の『週刊ポスト』が掲載した。リカービ氏はイラク反戦の立場で国際的な活動をしており、この記事は同氏の名誉を毀損したばかりでなく、運動家としての信頼を大きく傷つけたとして、小学館を訴えていた。日本の市民組織ATTACジャパンなどがリカービ氏を支援していた。(大野和興)(2006/12/28)


農と食
《土地から切り離される農民》(下) アジアで日本で、土地が資本に集約される
  前回、農民と土地との関係が、グローバリゼーションのもとで大きく揺らいでいることを、日本とアジアを舞台に見てきた。同じことは中南米でもアフリカでも起こっている。こうした事態に直面して、農民の土地をめぐるたたかいも新しい局面を迎えている。 (2006/12/27)

住基ネット業務を派遣労働者にまかせるとんでもない計画がある
  こともあろうに住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の窓口業務を派遣労働者に任せようという動きが出ている。住基ネットについては大阪高裁から11月30日に「住民のプライバシー権を侵害し、憲法13条違反である」という判決が出たばかりだが、そうしたことにはお構いなしの無責任な対応を検討しているのは東京都足立区。新聞報道では大阪府堺市や千葉県木更津市も検討中という。足立区に対しては「住基ネット差し止め訴訟を支援する会」が「即時中止」の要請書を送りつけた。(大野和興)(2006/12/25)


農と食
《土地から切り離される農民》(上)解体する農民世界、アジアの村で起こっていること
  自分が自由に耕せる土地を持つこと―農民が農民であるために欠かせない条件である。だから土地解放闘争は今も昔も、農民闘争の中心軸であり続ける。その土地が今、農民の手から切り離されようとしている。しかも、あらわれ方はいろいろだが、同じ問題が同じように世界で起こっている。この同時代性に、現代の特徴をみることができる。地球の隅々までを市場競争で覆うグローバリズムがその背景にある。その状況を日本、そしてアジアに追ってみた。(大野和興)(2006/12/21)


日本の「廃棄物輸出協定」 アジアに懸念広がる
  日本の国会では取り立てての議論もなく、あっさり承認された日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)だが、ここに盛り込まれた廃棄物輸出条項がフィリピン側では大きな問題となり、市民団体・NGO、議会の場で同協定への異議申し立てや批准に反対する運動が強まっている。この動きに呼応して日本でも環境問題や新自由主義に基づくグローバリゼーションへの異議申し立て運動に取り組む市民団体・NGO が共同で声明を出し、政府・国会への申し入れ行動に取り組むなど 、反対運動が広がりつつある。この日本とフィリピンに広がる市民の懸念は、日本との経済連携協定が大筋合意に達しているタイに飛び火し、タイで環境問題に取り組む市民団体・NGOが12月8日にバンコクで「日タイ自由貿易交渉と環境・汚染問題」をテーマにセミナーを開き、フィリピンの事例をもとに、日本からの有害物質流入への懸念が示された。(大野和興)(2006/12/10)

共謀罪審議入り狙う自民党 市民グループは緊急集会で対抗
  与党は共謀罪の審議入りを強行し、今国会中にも強行採決を図るのではないか、という警戒が強まっている。衆議院法務委員会理事会では今週に入り、自民党議員から再三にわたり、同法案の審議入りを主張する発言が出ている。教育基本法、防衛庁の省昇格法案など安倍内閣が執念を燃やしている法案成立のめどがついた現在、次の焦点として共謀罪が浮かび上がってきた。同法案に反対する市民団体は12月1日、同6日と立て続けに緊急集会を構え、法案阻止を呼びかける。(大野和興)(2006/11/30)


教育基本法改正への疑問を安倍首相に送った札幌の中学生に大人が匿名の脅迫メール 札幌テレビが取り上げ批判
    札幌の中学生が教育基本法改正に疑問を持ち、安倍首相に手紙を送った。その中学生に匿名の大人から脅迫めいたメールが届いた。大人たちの言う「愛国心」とはこういうものなのか。STV札幌テレビは11月17日(金)の「どさんこワイド180」で一部始終を放映、「『愛国心の強制』どころか、『言論の自由』さえも封殺しようという大人の行為に、15歳の心は傷つきました」、とこの行為を批判した。(大野和興)(2006/11/19)


二極化社会を問う
過労死促進法(日本版エグゼンプション)で11兆円を横取りする経営者
  もっともらしいカタカナで言われるとついごまかされてしまう。“日本版エグゼンプション”もそのひとつである。厚生労働省が労働政策審議会労働条件分科会に諮問し、現在審議が進んでいる「労働時間規制適用除外のための労働時間法制」のことだ。「過労死促進法」あるいは「サービス残業公認法」と言い換えると、その本質が見えてくる。(大野和興)(2006/11/18)


農と食
〈管理される食〉食育基本法と教育基本法  大野和興
  村を歩き、その地(じ)で生きている人と話すことを仕事にして、もう半世紀近くになろうとしている。最近とみに「やばいなあ」と感じるのは、農と食の分野でも国家と企業の管理が隅々にまで広がっていることである。管理の決め言葉は「食の安全・安心」と「食の乱れ」である。誰も文句のつけようのないこのふたつを旗印しに掲げて、もっとも個人的なことであるべき「食べる」とい行為への権力と資本による管理と干渉がはじまっているのだ。(大野和興)(2006/11/09)


神奈川県警不当逮捕 「微罪逮捕」に述べ35人を動員 連日5時間・10日間取り調べ
    神奈川県警によって、普通なら罰金さえ適用されない微罪で逮捕・勾留されたAさんに、逮捕以降何があったかについて報告をいただいた。「ここまでやるのか」という公安警察の実態が手に取るようにわかる。Aさんは市民への人権侵害を許さないための具体的な運動を起こすとしている。(大野和興)(2006/11/07)

神奈川県警、勾留期限切れで市民運動家Aさんを釈放
  神奈川県警に逮捕・勾留されていた市民運動家Aさんは、勾留期限切れの11月2日、小田原署から「処分保留」のまま釈放された。急遽取り組まれた「こんな弾圧許されない」共同アピールには短時間にもかかわらず269個人 38団体の賛同署名が寄せられた。(大野和興)(2006/11/03)

神奈川県警、市民運動の活動家をいきなり逮捕し住居・事務所を捜索、容疑は「免状不実記載」
  ここ数年、平和運動や労働運動に参加する市民が、いいがかりのような容疑で逮捕・勾留されるケースが続いている。刻々進む監視社会化。これもそのケースのひとつだろう。10月24日(火)朝、反戦・平和、憲法改悪反対などの市民運動に積極的に参加してきたAさんが自宅を出たところで神奈川県警によって令状逮捕された。(大野和興)(2006/10/28)


共謀罪強行に警戒強まる 衆補選2勝で与党強気に
戦前の治安維持法以上の悪法といわれる共謀罪。今国会で共謀罪審議はないかも、という楽観論がふっとび、10月23日の週に強行採決もありうるという緊迫した情勢になっている。特に22日投開票の衆院神奈川16区、大阪9区両補選で与党が完勝したことで一気に強行採決という様相さえ見えてきたとして、共謀罪阻止を掲げる市民団体や日本弁護士会などは警戒を強めている。(大野和興)(2006/10/23)


二極化社会を問う
「人さまの命」を第一にしない日航経営 進む下請け化と労働現場の荒廃 草野耕治
   JALとJASが完全に一体化し、10月1日から新しい日航JALグループが動き出した。ここ何年も、次々と安全上の問題を起こしてきたJALは、問題を克服したのか。JALの元整備員として、現場をつぶさに経験してきた草野耕治氏に、安全をつかさどる職場で何が起きているのかを報告してもらった。そこから浮かび上がるのは、グローバル化のもとで進められる効率一辺倒の「安全対策」とそのしわ寄せをまともに受けている下請け労働者、その体制を支える労働組合分裂政策、の存在である。構造的ともいえるこれらの問題を解決しない限り、「空の安全」は取り戻せない。(大野和興)(2006/10/13)


農と食
【タイ】小規模農民を直撃する農産物自由化 キンコン・ナリンタラク
 突然入ったタイ軍事クーデターのニュースは人々を驚かせた。政争にうんざりしていたタイの人々の多くは平静に受け止めたと伝えられているが、貧しい農民の多いタイ東北部では、手厚い農業補助政策を敷いたタクシン前政権の支持者が多い。その背後には、自由貿易政策に振り回される小農民の実態がある。タクシン前首相は自由貿易の強烈な推進者でもあった。グローバリゼーションの嵐に直撃されているタイ農民の現状を、タイの民衆運動組織「タイFTA(自由貿易協定)ウォッチ」に所属し、北タイの農村を拠点に活動するキンコン・ナリンタラクさんに報告してもらった。(大野和興)(2006/09/28)


二極化社会を問う
くらしの動脈が寸断される過疎地の村 民営化で進む郵便業務切り捨て 東京・檜原村から 〈栗原 康〉
 「なぜ檜原村なのか?なぜ沢山ある郵便局の中で、この村が対象になったのか?」。穏やかな口調で、しかし怒りを滲ませながらこう語ったのは、東京都・檜原村議の丸山美子さんである。今年6月28日、郵政公社は来年実施される郵政民営化にむけて、「郵便局再編計画」を発表した。この計画では、収益性の低い地方郵便局において、郵便物の収集・配達、貯金・保険の集金などの外務業務を廃止し、窓口のみにすることが明らかにされた。全国で1048局、東京では青ヶ島、御蔵島、利島、小笠原島、檜原村の5局が対象となった。7月末、わたしたち「郵政民営化を監視するネットワーク」のメンバーは、この檜原村で再編計画に反対する住民署名が集められていることを知り、当地へ現地取材に訪れた。(2006/09/19)


連載《百姓たちのアジア》
自主学校を作り、賃金不払いに抗議し−、 出稼ぎ農民の権利を掲げて活動する中国の若い世代
北京郊外の町で、その若者はギターを抱えて歌ってくれた。北京に出稼ぎに来た農民が故郷を想う心を歌ったものだという。よく伸びる声が、夕暮れの町に流れ、心にしみた。アーティストでもある彼は、学校に行けない出稼ぎ者の子どもたちのための学校運営をはじめ、都市で働く出稼ぎ農民の権利を守る活動をしているNGO「工友の家」(Spiritual Home of Rural Migrants)の代表でもある。彼の名は孫恒(スン・ホン)、31歳。現代中国が抱える矛盾の最先端で活動する彼のおだやかな語り口は、中国に新しい世代が出現していることを教えてくれた。(大野和興)(2006/09/16)


農と食
コメがあぶない【7】 下がる生産者米価、増える農民の借金 世界一のコメ輸出国タイの現実
前回は日本と同じ食料輸入国韓国についてみた。今回は世界有数の食料輸出国タイで何が起きているかをみることにする。そこでみることが出来るのは、輸出が増えれば増えるほど農民が困窮するという逆立ちした事態である。タイはさまざまな農産物を輸出しているが、なかでもコメは世界最大の輸出国である。そしてここでも<輸出増−米価の低落−農民の借金増>という悪循環が起こっている。(大野和興)(2006/09/11)


二極化社会を問う
「せめて隣に仲間が寝ているところで死にたい」 公園からも排除される野宿者
 日本社会を覆うひずみは頂点に達した感がある。1年間で3万数千人、1日およそ100人に及ぶ自殺はいっこうに減らず、20歳代の若者の2人に1人が正規の職につけず、村では耕作放棄が、町ではシャッターを閉じた商店街が広がる。地球規模の市場競争、その国内版としての“小泉改革”、すべてを自己の責任に負わそうとする安倍“再チャレンジ”・・・。こうした背景の下で壊れていく社会の実相をさまざまな角度から追うシリーズ。その第1回を、公園や路上からさえ排除されようとしている野宿者、ホームレスの人々の現実を見つめることから始めたい。その一人はいう。「せめて隣に仲間がいるところで死にたい」。(大野和興)(2006/09/02)


中東
ウォルデン・ベロのベイルート8月14日=レバノンからの報告=
レバノン停戦からほぼ3週間がたった。綱渡りの状況は相変わらずだ。この「戦争」はレバノンの人々の日々のくらしに何をもたらしたのか、人々の未来につながる何があったのか、停戦の日の8月14日、ベイルートに立ったウォルデン・ベロの報告を紹介する。ウォルデン・ベロは、フィリピン大学社会学教授で、タイ・バンコックに本部のある調査・運動団体「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」の専任理事として、国際的な平和と反グローバリゼーション運動の先頭にたって活動している。レバノンへは本紙8月18日号で報道した国際市民平和視察団の一員として訪れた。翻訳は萩谷良氏である。(大野和興)(2006/08/30)


中東
「レバノン戦争停止についての声明」を発表 国際市民平和視察団
  国連安保理の決議を受け、薄氷の上の停戦に入ったレバノンで14日、国際市民社会平和視察団が記者会見し、「レバノン戦争停止についての声明」を発表した。同視察団はインド、フィリピン、ブラジル、ノルウェイ、フランス、スペインの社会運動家、平和活動家からなる12名。フィリピン大学教授で、バンコクの本拠を置くフォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス代表のウォルデン・ベロ氏も入っている。一行は12日にダマスカスからベイルートに入った。声明はイスラエルの行動を「国家テロであり、重大な国際法違反であって、戦争犯罪として処置されるべきものである」と非難し、国際戦争犯罪法廷設置を勧告している。以下、在パリで、グローバル・ウォッチを主宰するコリン小林さんから送られてきた声明をお伝えする。(大野和興)(2006/08/18)


農と食
コメがあぶない【6】 「これは農民へのテロだ」、韓国で進む農村の崩壊
  グローバリゼーションに対抗する世界の民衆運動の中で、その突出振りが目立つのが韓国の運動である。なかでも農民運動の強さと激しさは際立っている。2005年12月に香港で開かれたWTO(世界貿易機関)の閣僚会議には全農(全国農民会総連盟)が大部隊を送り込み、大量の逮捕者を出した。その前、2003年にメキシコ・カンクンで開かれた閣僚会議では、韓国農民イ・ギョンヘさんが、「WTOは農民を殺す」と叫んで腹を切って自殺するという事件があった。そしていま韓国では韓米自由貿易(FTA)反対闘争が広がっており、ここでも農民は主力部隊である。この激しい農民の抵抗の背後に何があるのか。(大野和興)(2006/08/13)

農と食
コメがあぶない【5】 アジア全域で自給的性格が急速に崩れる 市場競争で有力商品化
  コメは日本だけのものではない。コメを基本的な食料としている人口は30億人と世界人口の半分を占める。アジアを中心にアフリカ、ラテンアメリカなどそのほとんどが途上国だ。コメは自給的性格がきわめて濃い農産物である。しかし、そうした性質も、いま急速に崩れてきている。90年代以降、グローバリゼーションが世界を席巻し、地球の隅々まで市場原理を行き渡らせる時代に入り、コメもまた有力商品として自由競争の標的となった。これから何回に分けて、アジアの稲とコメの現在について報告する。(大野和興=農業ジャーナリスト)(2006/08/05)


農と食
コメがあぶない【4】高齢化で増える耕作放棄地 市民的利用に道を開け
  全国の農村で耕作放棄地が増えている。耕作放棄地とは、農林統計の定義でいえば、「以前農地であったもので、過去1年間以上作物を 栽培せず、しかも、この数年の間に再び耕作するはっきりした意思のない土地」をいう。「捨てられた土地」と言い換えることができる。(大野和興)(2006/07/27)


農と食
【検証・米国産牛肉】(下)肉骨粉を依然使用、異常なスピードで処理 日本政府も隠す米工場の実態
 前回は米国のBSE検査体制について述べた。米国産牛肉の安全性をめぐっては、そのほかにもいくつかの疑問点がある。たとえば肉骨粉の全面禁止措置を依然としてとっていないこと、食肉工場の処理工程が異常なスピードであることなどだ。今回はそのことに触れ、最後に日本政府の対応についても言及したい。(大野和興)(2006/07/27)

農と食
【検証・米国産牛肉】(上) 信用できない検査体制 いつの間にか対象牛を10分の1に削減
  BSE(牛海綿状脳症)問題で途絶えていた米国産牛肉の輸入再開のための日本政府による米食肉処理施設調査が7月21日に終わり、7月末にも輸入解禁という段取りになった。日本政府による調査結果は明らかにされていないが、「輸入再開に支障となる問題は見つからなかった」ということで、消費者の不安をよそに、この先続々と米国産牛肉が入ってくることになる。その安全性を、消費者はどう判断したらよいのか。以下検証する。(大野和興=農業ジャーナリスト)(2006/07/24)

農と食
コメがあぶない【3】土地から引き剥がされる農民 億単位の負債抱える人も
  山形県のある小さな市で農業委員をしている農民が「最近、農家が売り出す土地の単位がかつてと比較にならないくらい大きくなった」と話してくれた。農家が田んぼを売る場合、それまでだと1反(注)とか2反という単位だった。それが10倍の1町、2町という単位になったというのだ。売りに出すのは、ここ10年ばかりで経営規模を拡大した大型稲作農家。みんな借金をして土地を買い足し、トラクター、コンバイン、精米施設と装備をそろえてきた。少ない人でも数千万円、多い人だと1億円程度の負債を抱えている。(大野和興)(2006/07/18)

農と食
コメがあぶない【2】切り捨てられる中小農家 改革がむらを壊す恐れ
  2007年度から新しいコメ政策がはじまる。名づけて「米政策改革」。コイズミ改革以来、「改革」と聞くとなにやら胡散臭さがつきまとう。なぜいま「改革」なのか、どこが「改革」なのか。政府のコメ改革のキーワードは「選別」と「自己責任」である。まず政策の対象とする農民を絞り込む。一つは耕作面積4ヘクタール以上で、効率的で安定した経営をしている、あるいは目指している認定農業者。もう一つは集落を単位に田んぼを20ヘクタール以上まとめて耕作している集落型経営体だ。(大野和興)(2006/07/12)

農と食
コメがあぶない【1】価格下がり続け10年前の半値に グローバル化で日本の大規模農家も苦境
  日本のコメがグローバリゼーションに巻き込まれてほぼ10年がたった。この間、コメ生産現場もコメ政策も大きく変わった。さらに2007年度からは、政府の新しいコメ政策が具体的に動き出す。大規模経営体・集団に政策対象を絞り込み、一定規模以下の農家は農業政策のらちがいにおこうというものだ。いま企業社会や労働現場でおこっている差別と排除・切り捨ての論理が農業・農村にまで拡大されることになる。見方を変えれば、コメの生産から消費まで、農民と消費者の手から離れることを意味する。その象徴が、各地で論議を巻き起こしている遺伝子組み換え稲の栽培試験だろう。日本だけでなく中国、タイ、フィリピンなどアジア各地で遺伝子組み換えのコメが問題化しており、経済のグローバル化に合わせてコメの再編成が始まっているようだ。コメをめぐる日本とアジアの問題を検証する。(大野和興)(2006/07/06)


世銀主導の改革で土地を奪われるアジアの農民 各地で反対運動が激化 大野和興(ジャーナリスト)
  今年5月17日、ジャカルタの通りは何千人もの人々で埋まった。地方から出てきた農民たちのデモである。インドネシア農民組合連盟(FSPI)からのメールによると、農民は二つの要求を掲げていた。ひとつは、折からジャカルタで開催されていたFAO(国連農業食料機関)のアジア太平洋地域会議に向けたもので、WTO(世界貿易機関)が進める農業の貿易自由化反対である。もうひとつの要求は土地改革にまつわるものだ。(2006/06/29)







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