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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2019年02月23日16時27分掲載
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欧州
矛盾を抱える現イタリア政権――アブルッツォ州選挙の結果を踏まえた今後のイタリア政権の行方 〜 チャオ!!イタリア通信(2)
イタリア中部アドリア海沿岸にある「アブルッツォ州」は、イタリアを代表する詩人・作家のダヌンツィオが生まれたところです。このアブルッツォ州で、2月10日に州議会選挙が行われました。
ネットから生まれた新興政党「五つ星運動」と、北イタリア分離主義で移民制限を主張する「同盟」(リーグ)による現在の連立政権が成立して以来、初めての大きな選挙ということで注目されました。 結果は、「同盟」などの“中道右派連盟”の勝利に終わりました。昨年の総選挙で単独第一党となり、多くの支持を集めてきた「五つ星運動」ですが、その勢いは少し減退しているようです。 選挙結果を詳しく見ると、投票率は次のようになりました。 �|翔傘η鼻米洩繊▲侫�ルツァ・イタリアなど)48.03% ��中道左派(民主党など)31.28% �8泙沈臼親亜。横亜ィ横亜� また、「同盟」のみの投票率は27.53%で、「五つ星運動」を上回っています。
私は、「同盟」のこの勢いが移民問題に大きく依存していると見ています。 イタリアは、アフリカに一番近いヨーロッパの国として移民が多く流れ込んできます。以前の民主党政権は、移民の受け入れをしてきましたが、「同盟」はそれにストップをかけており、現連立政権のコンテ首相もEU(ヨーロッパ連合)の会議で強い姿勢を見せてきました。 また、国内では経済不況ともあいまって、庶民の生活レベルが低下してきています。そこに、「同盟」の主張である“まずはイタリア人”(=移民たちに税金を使えない)が素早く浸透していったと言えるでしょう。
これは、ある意味、危険な主張でもあります。イタリア国内の問題を、移民の責任に転換してしまうという、今まで歴史上で繰り返されてきたことを再び行おうということです。 実際、北イタリアでは、市場などで出るお菓子の屋台で「ドーナツはイタリア人(白人)のみに売って、移民(黒人)には売らない」という屋台が出ました。 また、北イタリアのある小学校では「移民の子どもたちに給食を出さない」ということも行われ(移民たちが給食代を払えないという問題はありますが・・)、テレビで移民たちのお母さんが抗議するのを見ました。ただ、このテレビ放送後、全国から寄付が送られたことで、この問題はすぐ解決したそうです。 ちなみに、基本的にイタリア人はとても寛容で、他人を助けてあげようという精神に富んでいると、私は感じています。
昨年夏、「同盟」のリーダーである内務省大臣のサルヴィーニが、シチリアに上陸しようとしていた移民たちに上陸許可を出さず、移民たちがしばらく船の上に閉じ込められるという事件がありました。 検察は、サルヴィーニ内相を「移民の身柄を不法に拘束した」として司法に訴えました。この事件が今、「五つ星運動」と「同盟」の連立政権を困難な立場に追い込んでいます。 「五つ星運動」は、ベルルスコーニ時代、立法府が司法府に対してかなり圧力を掛け、刑罰を受けた議員たちが逮捕されずに議員を続けている状況を批判していました。それが今、自分たちが政権を担う中、閣僚の一人が罪を問われる事態になっていて、「五つ星運動」の今までの主張からすると、政治家も一市民として司法に裁かれるべき存在なのですが、この問題は現在、国会での審議に委ねられているのです。
この問題だけではありません。政権が成立して1年も経たないうちに、2つの政党の違いがくっきりと現れてきています。
現在、イタリアのトリノとフランスのリヨンを結ぶ高速道路(TAV)の建設が進んでいます。前政権はこのTAV建設に賛成の立場をとって来ました。それに反対していたのが「五つ星運動」です。しかし「同盟」は賛成しています。 また、先ごろ行われたベネズエラの選挙ですが、不正を行って当選したと言われている野党党首の政権を「同盟」は認めていますが「五つ星運動」は認めていません。 TAVと同様ですが、アドリア海に天然ガス導管を建設するのも、「同盟」は賛成ですが「五つ星運動」は環境保護の立場から反対しています。 移民受け入れについても、二つの党は意見が違います。
2つの全く意見が違う政党が「政権に就きたい」という思惑から一緒に政権を作りましたが、私としては「五つ星運動」の選択間違いだったと思っています。「五つ星運動」は「同盟」に頼るのでなく、庶民と一緒に進む道を選ぶべきだったと少し残念です。 選挙のときに公約していた、いわゆる「最低限生活保障」(ベーシックインカム)の法律を成立させるなど、重要な変化を国内にもたらしたことは成果でしょう。ただ、「同盟」と政権を作ったことで、「同盟」リーダーのサルヴィーニの発言や行動が目立ってしまい、逆に「五つ星運動」が霞んでしまったという印象は否めません。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)
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「五つ星運動」のディ・マイオ(左)と「同盟」のサルヴィーニ


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