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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2019年04月10日01時53分掲載
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コラム
野党完全勝利までの道のり 5 選挙選のつまらなさ 南田望洋
今回の地方選では自民が勝利、立憲民主党が微増、国民民主党は大敗・・・というような結果で、ネットでは「野党共闘に課題」とか、「野党に風吹かず」あるいは「風は止まった」みたいな野党の未来に悲観的な言葉が目立ちました。あるいは、立憲民主党は都市型政党で地方での勢力基盤がまだ乏しい、という声も見かけました。これらはいずれも厳密な分析というよりは印象の域を出るものではないかもしれません。今、国会で問題になっているように実質賃金がアベノミクスから5年たっても下がっていた、ということが最近わかってきたことであり、その結果、最も経済が苦しい津々浦々の地方の地方選で自民党候補が未だ健在だったことは何を物語るのでしょうか?
1つ言えることはいつものことながら選挙期間があまりに短く、与野党含めて議員が何をしてくれるのか、どんな人なのかもじっくり理解することができない人が膨大にいるであろうことです。立憲民主党もボトムアップと言っている割には草の根の人の言葉に耳を傾ける、という印象はあまりなくて(たとえ、どこかでやっていたとしても)、選挙で政党名と名前を連呼するだけの選挙戦の域を出ていなかったのではないか、ということです。ボトムアップなら、自分が何をするかも大切でしょうが、町の人が何を望んでいるか、政治観はどうなのか、そのあたりからもっとじっくり時間をかけて本来は政策を作っていくべきでしょう。しかもそれは立憲民主党のパートナーになるようなコアな市民ばかりではなく、多様な街の人々とそれをやることが大切なのではないでしょうか。
こう書くと、限られた予算でできることはそんなにない、という反応が返ってくるかもしれません。確かにそれはないものねだりかもしれません。しかし、この国の選挙はいつも名前の連呼ばかり、あるいは宣伝カーのアナウンスや握手、さらには党首とのツーショットみたいなものしか印象に残らないのも事実です。町の多くの人は政党の名前などよりも、どんな町だったらいいか、どんな暮らしにしたいか、考えることはまずそこだと思います。
本来はアメリカの大統領選挙の予備選や本選みたいに、津々浦々の町々でも地方新聞や地方ラジオ局、地方テレビ局などが主催して、候補者討論会をやってもいいのではないでしょうか。それが大切なことは聴衆や視聴者の賛否を候補者たちが知る機会になることです。そして、有権者が質問したり意見を述べることができる機会を作って欲しいと思います。党派別の集会ではなくて、いろんな政党の人が一堂に会して参加する討論会が必要なのです。なぜなら、地方の人々の多くはそもそもどの政党に入れればいいのか、というところからやる必要があるからです。立憲民主党とか、国民民主党とか、そもそも政党名自体が有権者に認知されているのでしょうか?
税金を納めているのは町の人々なのに、なぜこんなつまらない選挙選しかないのでしょうか。与野党と市民を巻き込んだ討論会を半年くらい断続的に繰り返しながら、どんな街を住民は作りたいのか、コンセンサスを与野党含めて作っていける機会がもっと必要なのではないでしょうか。公職選挙法の限界があるとしても、選挙以前の時にそうしたことをやる余地はあると思います。ところが、印象では野党第一党の立憲民主党も選挙戦自体は自民党とさして変わらない印象です。ボトムアップというのが何なのかを有権者が感じる機会は乏しかったのではないでしょうか。こんなつまらない選挙戦では投票率を上げようとしてもあがらないでしょう。
南田望洋
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