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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2020年09月18日13時50分掲載
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医療/健康
世界で少なくとも7,000人の医療・介護従事者が、新型コロナウイルスに感染して亡くなっている
国際人権団体アムネスティの最新の調査で、世界で少なくとも7,000人の医療・介護従事者が、新型コロナウイルスに感染して亡くなっていることがわかった。最も多いのはメキシコで、少なくとも1,320人が亡くなっている。また、感染率と死亡率が高い米国とブラジルでは、それぞれ1,077人と634人だった。(アムネスティ国際ニュース)
この数週間で感染率が急増した南アフリカとインドでは、医療・介護従事者の死者数がそれぞれ240人と573人だった。
新型コロナウイルス感染者の命を守るために奔走する医療・介護従事者の中で、7,000人を超える人たちが命を落としていることは、世界的な危機と言える。
すべての医療・介護従事者は、安全な環境で働く権利を持っているにもかかわらず、これほど多くの人たちが、不十分な感染対策の犠牲になっていることは、怒りを禁じ得ない。
パンデミック(世界的大流行)が始まってから数カ月経つが、メキシコ、ブラジル、米国などの国々では、驚くべき数の医療・介護従事者が亡くなっている。
南アフリカやインドでの感染の急拡大は、すべての国が、医療・介護従事者に対する感染保護策を十分取るべきであることを示唆している。
アムネスティが7月13日に公表した調査結果では、感染で死亡した医療・介護従事者は3,000人あまりだった。しかし、今回の調査では、数カ国で死者率が増加傾向にあることや、情報源を新たに加えたことで、全体の死者数が拡大した。
今回の調査で医療・介護従事者の感染死者数が多かった国は、メキシコ(1,320人)、米国(1,077人)、英国(649人)、ブラジル(634人)、ロシア(631人)、インド(573人)、南アフリカ(240人)、イタリア(188人)、ペルー(183人)、イラン(164人)、エジプト(159人)だった。
なお、数値の集計方法や医療・介護従事者の定義が、各国で必ずしも同じではないため、数字の単純な比較はむずかしい。
ただ、多くの国が過少に集計する傾向にあるため、調査結果は実態より相当少ない可能性がある。
◆南アフリカの医療・介護従事者スト
今回の調査中、南アフリカでは、大規模な医療・介護従事者のストライキがあった。
教育・保健関連の公務員労働組合が9月3日に議会前で抗議集会を行い、要求が飲まれなければ、9月10日に全国規模のストライキを予定している。
組合側が政府に要求していたのは、防護具の提供、各職場の労働職業安全委員会への出席、社会心理的側面からのサポート、安全な移動手段の確保、最前線勤務者への危険手当の支給などだが、満足できる回答は得られていない。
南アフリカでは8月初旬現在、少なくとも240人の医療・介護従事者が、コロナウイルス感染で亡くなったと言われている。同国では、7月に入ってから感染による市民の死者が急増、9月初旬現在、コロナウイルス関連で確認された死者総数は、50万人を超えている。
◆インドでも急増
インドでは、ここ数カ月で感染者が急増して369万人を超え、死者は6万5,000人を上回っている。
8月末にメディアが報じた保健省の数字では、8万7,000人を超える医療・介護従事者が感染し、573人が死亡した。死者の半数弱の292人が、マハラシュトラ州に集中している。
医療・介護従事者の不安は高まるばかりだ。8月には、数十万人規模の医療・介護従事者が、防護具の充実、賃上げ、労働条件の改善などを求めてストライキを実施した。
◆メキシコの死者1,320人
中南米の新型コロナウイルス感染者数は最近、700万人を超えた。
アムネスティの調べでは、同地域で医療・介護従事者の死者が特に多い国とその数は、メキシコ1,320人、ブラジル634人、ペルー183人だ。
メキシコ保健省が公表する医療・介護従事者の感染者数は8月25日現在、9万7,632人だ。
メキシコでは、病院の清掃人が、特に感染しやすいと言われている。清掃業務の多くは業者に依託されているため、感染保護対策が疎かになりがちだからだ。
アムネスティはこの5月、メキシコシティの州立病院で清掃員として働く男性(70歳)に聞き取りをした。男性によると、感染リスクが高いため、管理部署での清掃への配置換えを求めたところ、受け入れられたものの、収入はおよそ16%減ったという。
メキシコ政府は、医療・介護従事者の死亡に関する年齢、性別、職種などの情報を開示していない。
世界が新型コロナウイルスで危機的状況にある時、情報の透明性は不可欠であり、すべての国が、情報を公開するべきだ。この種の情報は、例えば、なぜメキシコが他国と比較して憂慮すべき状況なのかを理解する上で、なんらかの助けになる可能性がある。
◆ブラジルの防護具と労使対話の不足
ブラジルでは、少なくとも634人の医療・介護従事者がコロナウイルス感染で死亡している。
医療専門家の団体によると、医療・介護従事者が直面する問題として、防護具の不足、感染対策に対する方針の欠如、心の健康へのサポート不足、家族に対する保護が不十分、臨時職員の不安定な契約などを挙げている。
アムネスティは、各国政府に対して医療・介護従事者の安全を確保する対策を早急に取るよう求めている。防護具を揃えるだけでなく、労働条件の改善や団結権の尊重など医療・介護従事者の切実な要望に耳を傾ける必要がある。
新型コロナウイルス感染が世界的に流行する中、医療・介護従事者を英雄視する声が挙がった国もあったが、多くの医療・介護従事者が命を落としている今になっては、ただ空々しく聞こえるだけだ。
≪調査方法≫
アムネスティは、データサイエンティストの協力を得て、定期的に複数の情報源から医療・介護従事者の死亡に関するデータの収集、分析、照合などの作業を進めてきた。
情報源は、故人を追悼するウェブサイト、政府が公表した数字、医療機関がまとめた情報、メディアに掲載された訃報記事などだ。
アムネスティ国際ニュース 2020年9月3日
英語のニュースを読む Global: Amnesty analysis reveals over 7,000 health workers have died from COVID-19
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