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2005年12月03日09時10分掲載
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根津教諭の「君が代」拒否
「君が代研修」反対への処分は教育の政治利用 根津教諭が抗議声明
東京都教育委員会は1日、「君が代不起立・再発防止研修」でゼッケンを着用して研修を妨害したとして、教員11人を減給や懲戒処分にした。大手メディアは相変わらず、都教委の言い分を伝えるだけで、処分の妥当性や処分を受けた教員らの主張はほとんど紹介しない。以下は、10%(1ヶ月)の減給処分を受けた立川第二中教諭、根津公子さん(55)の抗議声明である。(ベリタ通信)
「再発防止研修」時のゼッケン着用等についての処分に対する 抗 議 声 明
本日東京都教育委員会は7月21日に強行した「君が代不起立・再発防止研修」において私がゼッケンを着用したこと、またゼッケンを外すよう「お願い」される理由について質問を続けたことに対して処分を発令した。理がないゆえに、理由を説明することすらできないにもかかわらず、暴力的に処分を強行したことに、満身の怒りを持って抗議する。
そもそも「君が代」不起立について懲戒処分をすること自体が憲法・教育基本法違反であるものを、「再発防止研修」などと称して弾圧を繰り返し行うことは職権濫用以外の何ものでもない。
裁判所の決定文にさえ次のくだりがあるではないか。「自己の思想、信条に反することはできないと表明する者に対して、なおも職務命令や研修自体について、その見解を表明させ、自己の非を認めさせようとするなど、その内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであるならば、これは、教職員の水準の維持向上のために実施される研修の本質を逸脱するものとして、教職員の権利を不当に侵害するものと判断される余地はある」と。「再発防止研修」を強行することさえ、不法・不当の恐れありと、裁判所も懸念した。今回の処分は、その懸念をはるかに超える。
ゼッケン着用で自己の意思を表明したこと、また、外す理由を質したことで、処分されるいわれはない。都教委にそのような権限などありはしない。「君が代」不起立処分をはじめとする一連の都教委の弾圧は、ただただ、全都の教員を一人残らず完全に服従させようとするものである。そこには理性のひとかけらもない。子どもたちの未来を考える気持ちなどさらさらない。あるのは、教育をいかに政治利用するかという魂胆だけである。
私は教員の職責として理不尽な命令には従わない。都教委がどんなに処分を強めても、従わない。道理と職責・良心に従って私は行動を続ける。暴力が支配する時、その暴力に屈しない生き方を生徒たちに示す責務が教員にはあるからだ。また大人の一人として、暴力が支配する社会にはさせないと決意するからだ。私は都教委に魂は渡さない。
都教委の役人たちよ、覚えておくがいい。やがて都教委の暴走を自ら反省せざるを得ないときが来ることを。その時、処分に携わったあなた方は、アイヒマンのごとく、「命令に従っただけ」と逃れることはできないのだと。
2005年12月1日 立川第二中学校教諭 根津公子
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