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2007年06月02日15時27分掲載
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根津教諭の「君が代」拒否
<停職6ヶ月「出勤」日記・9>河原井さんの陳述に傍聴席から大きな拍手
5月29日(火)
昨日は多摩中・減給3ヶ月処分撤回を争う裁判の進行協議(多摩中での処分:02年、『従軍慰安婦』の授業をしたことをきっかけに、校長・教委は私を「指導力不足等教員」にしようと企む。その過程で校長が乱発した職務命令の一つが、「指導」のための協議会出席であったが、私がそれに応じなかったことから処分となる)。
そして今日は、河原井純子さんの「君が代」不起立減給1ヶ月及び6ヶ月取消の第2回裁判。
東京の教育破壊攻撃は、当時河原井さんがいた七生養護学校の性と生の教育に対する攻撃から始まったこと。10・23通達は、河原井さんが教員として大事にし、子どもたちに伝えてきた、「イエス・ノーを言っていいんだよ。女だから男だからではなく、一人の人間として生きよう」ということを否定することだった。だからその職務命令に従うことはできなかったし、これからも教員である限りできないこと。その気持ちを陳述した。
陳述が終わると傍聴席から拍手が起き、やがて大きな拍手になったけれど、裁判長は制止しなかった。きっと裁判長もよく聴いてくれたのだろう。
帰りは都庁前に立ち寄って、道行く人にマイクで訴え、チラシを配った。チラシの内容は、片面が、起立しない教員がいると子どもは立たなくていいと受け取ってしまうから、それは学習権の侵害である、と言う都教委の主張に対する批判。もう片面は、教育3法の改悪について。
20人もの方がチラシまきに参加してくださった。感謝です。
5月30日(水)
南大沢学園養護学校に。校長は挨拶の後、今朝も遠慮気味に、しかし、都教委の指示に忠実に(としか受け取れない)、「できれば、やめていただきたいんですけど・・・」と言って校門をくぐった。
「権力の末端」の哀れさを感じさせる。しかし、その「権力の末端」である校長が、一人の教員のクビを切る。南大沢学園養護学校長が、私のクビを切ることになるのだ。その時、「命令に従っただけ」と済ますことができるかな、この人? そんなことがふっと脳裏をよぎる。
「午前中は曇り、のち雨。4月の気温」という天気予報だったので、その対策をしていったら、午前中は見事に外れ、日差しが強かった。子どもたちの登校時間帯の1時間半はそのまま直射日光を浴びるほかなく、登校が終わってから雨傘を差し、日除けをしたが、すでに首の辺りがヒリヒリした。
でも、いいか。天気で、子どもたちが外に出られたのだから。
外に出る子どもや教員たちを見ながら、あと4ヵ月後は私も、この中にいるんだと想像してみる。
高等部の人たちが実習をする喫茶室に、今日も昼近くに行った。今日は訪ねてくれた友人3人と。後からもう一人の友人が加わった。どの生徒も接客に一生懸命だ。
昼過ぎから雨。Aさんも立ち寄ってくれた。
5月31日(木)
鶴川二中へ。私の挨拶にかなりの生徒が無視したり、目を合わさないようにしたりしているが、今日も楽しいことがあった。昨年私に反抗していたBさんが、先週あたりから表情が違うなと思っていたら、今日はにっこりし、「がんばれ!」と声をかけてくれた。「はーい、がんばります!」と軽やかな声で返した。人は刻々変化する。だから楽しい。
生徒たちの登校が終わり、腰を下ろしたところに、一人の保護者らしき人が私に軽く会釈をされて学校の中に入って行かれた。数分で出てこられた彼女は、「根津先生ですか。娘から聞きました。先生の勇気、すごいですね」と話しかけてこられた。Cさんのお母さんだとおっしゃった。「国民投票法の18歳、徴兵制の年齢と関係すると思うんです。息子が取られる。そう思うと怖くて」「どうしてこの国は異なった意見が認められないんでしょう」と。こういう保護者に出会えて、とっても幸せな気持ちに包まれた。
今日はいつものおじいさんの訪問がないなと思っていたら、ジョギング帰りのDさんが、おじいさんは不在だと教えてくれた。Dさん、「日の丸・君が代」に対する評価は私とまったく違うのだけれど、筋を通して生きる、そのためには全力を挙げるということについては、考えが一致する。私に対して偏見は持たれない。非常な努力家でいらっしゃる。しばらくおしゃべりを楽しんだ。
午後は大学の聴講へ。
2ヶ月が過ぎた。
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