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2007年06月14日12時30分掲載
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日中・広報文化交流最前線
中国人学生の日本修学旅行とその印象 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
中国の学生達は、修学旅行という形式でも訪日している。日本大使館は、日本観光振興機構(JNTO)、日本と中国の各地方自治体(旅行部門、教育委員会等)、旅行関係者等の関係方面と協力して、修学旅行で訪日する中国人学生が増えるように努力している。そのために、修学旅行で行く学生には査証(ビザ)取得を免除している。また中国の学校の教師達にまず日本に行ってもらい、その感想を聞く会を持ったりもしている。教師達は、訪日後、劇的に対日観を改善させている。以下、筆者の見聞を紹介したい。
●教師達は、修学旅行に何を期待しているのか?
筆者は、中国の中学高校の校長先生達を集めて、日本観光振興機構が組織した会合に顔を出す機会があった。ヴィジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)は、ここ数年中国でも積極的に展開しており、その一環としての企画であるが、2004年5月にこれらの校長先生達は、日本視察団として訪日し、北京に戻った後、その感想を語り合ったのである。 (意見交換に参加したのは、北京八中怡海分校、匯文中学校、北京市育英実験学校、北京中加(=中国カナダ)学校、北京景山学校、北京師範大学附属実験中学、北京市第33中学、北京市第80中学校、北京市第96中学、北京市前門外交語学校の校長、副校長達。中国語で「中学」というのは、日本で言えば中学・高校6年一貫教育校に相当する)
総じて言えば、訪日した校長達は、全員、日本に好印象を持って帰国した。劇的に対日観を良くしたと言って過言ではない。日本の経済、科学技術に加え、日本人の教養、文明の高さ、環境保護の先進性に印象付けられたとのことである。今後、日本との交流を推進したい、子供達に日本を教えたい、との意気込みも聞かれた。中には、「これまで中国に来た日本人と接触した経験からは、日本人は、とても真面目で、細かな事に気を使い過ぎ、融通の利かない人達だと思っていた。しかし、実際は、中国から行った我々を日本でとても気持ちよく接待してくれて、真面目さが誠実さの現れであることを理解した。とても感動した」との声もあった。
他方、日本への修学旅行を活発にするためには以下が必要との指摘もされた。 ・訪日旅費の割高感が強い。欧州であれば同じ費用で8カ国周遊できる。この割高感が、訪日を躊躇させる。訪日費用を安くする工夫が求められた。(欧州、東南アジア、豪州も、中国人の修学旅行先として人気がある。) ・日本の学校、同世代の学生達との交流が不可欠。他方、日本の学校も色々都合があり、交流校探しは結構困難だということである。 ・査証取得が面倒なので、簡便にして欲しい。
参加した学校は、北京の富裕層の子弟が通う学校もある。ある教師が言っていたこととして、以下が印象に残った。 ・国際化の進展に伴い、学校の善し悪しの判断基準として、対外交流の有無が挙げられる。 ・中国では、「家計は苦しくとも子供は大切にする」いう表現がある。
中国人のより多くの家庭が、これから更に多くの子供達を海外に送り出すようになっていくだろう。
●近年増える中国人学生の修学日本旅行
在中国日本大使館は、現在世界で最も沢山の査証を発給している在外公館である。また、上記の学校校長達の意見も入れて、日本政府は、2004年9月から、中国人修学旅行生に対して、査証取得を免除し、簡便な手続きで訪日できるようにした。その効果もあり、日本大使館が扱った中国人修学旅行生の人数は、下記の通り、毎年倍増のペースで著増している。 2005年 846名 2006年 1,783名 2007年 1,213名(1月から5月まで) (査証を発給しないのに、何故、訪日する修学旅行生の人数が分かるかというと、日本大使館は、学校から簡便な資料(リスト、日程)を提出してもらい、それを日本の関係部局に送る作業をしているからである。)
雑誌「自治体国際化フォーラム」(2007年2月号)掲載論文「訪日客誘致は“地域づくり”」(菅原大介氏執筆)によれば、中国人修学旅行客を誘致するために注意すべきこととして以下が指摘されている。 ・日本に行った後、日本の青少年との交流を含めることが不可欠である。中国側は必ずしも学校単位には拘らず、青少年との交流が可能であれば、子供会や自治会でも構わない。 ・実施時期は夏休み(7,8月)の希望が多い。 ・一度交流が開始されると、毎年継続される傾向がある。
修学旅行は、中国人青少年が日本理解を深める非常に良い機会である。日本大使館は、ここ数年、関係機関と共に修学旅行が増えるように、中国の学校への働きかけなどを積極的に行ってきただけに、成果が着実に挙がっていることに誠に喜ばしい。今後更に修学旅行は増えていくであろうし、それが中国人教職員と青少年の対日理解増進に貢献することを期待したい。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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