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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年07月02日04時42分掲載
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教育
語学に再挑戦 村上良太
中公新書 「「超」フランス語入門」を手に取ったときの感動と震えは今でも思い出します。著者は東京外国語大学教授の西永良成氏。僕がこの本で本当に感動したのはおよそ200ページの中のわずか2ページでした。それはこんな文章です。
「e で終わっている単語の多くは女性で、それ以外が男性だということがわかるでしょう。」
えっ、そんな単純なことだったのか!長年の疑問に目から鱗でした。なるほどエスプリesprit、ロマンroman,デッサンdessinなどは男性名詞であり、エチュードEtude, バゲット baguetteなどeで終わるものの多くは女性名詞です。もし、このコツを知らなかったら、すべての単語について男性名詞か、女性名詞かいちいち辞書で調べなくてはならず、作文1つするにも途方もない労力が必要になります。さらにこの本には補足説明があります。
「eで終わっていても、カムフラージュcamouflage、モンタージュmontage,ルポルタージュreportage,チーズfromage、ポタージュpotageなど- ageで終わっている場合の多くは男性になります」
例外は多少あるものの、大まかな判別法がわかりました。それにしても大学時代になぜこれを知らなかったのでしょうか。そういうコツを伝授してくれた時に講義をさぼって聞き逃したためでしょうか。あるいは・・・そもそもコツは1人で見つけるものなのか。とにかく、僕にとっては男性名詞と女性名詞を見分けるコツがあることを知っただけで本を買った甲斐がありました。そんなちょっとしたことで、嬉しくなってやる気が出てくるから不思議です。
今はどうなっているのか知りませんが、昔は大学で第二外国語を選択させられました。中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語などです。しかし、英語すらろくにできない学生に第二外国語はさらに遠く、しかも大学で挫折するとその後はますます第二外国語から遠ざかってしまいがちです。僕の場合、フランス語が第二外国語でしたが大学で挫折したまま、15年近く忘却の彼方にありました。そうした人間にとっては昔の古傷を癒してくれてなおかつ、新たな「できる」という気持ちを引き出してくれる教材が欲しいものです。
駿河台出版社「仏検対応5・4・3級 フランス語動詞活用表」(久松健一著)も嬉しい1冊です。フランス語で名詞の区別以上にやっかいなのが動詞の活用です。この本では書き言葉でしか使わない単純過去などの活用をばっさり削り、日常で使う動詞の活用だけをセレクトしています。しかも活用表の縦横を従来のテキストと逆にすることで、今まで見えなかった動詞活用の規則性が見えてくる画期的な本です。
著者の久松氏によるとこのアイデアを出したのは駿河台出版の会長で、齢70を越えてフランス語を学んでいたそうです。昔は語学は若いうちにやるものと言われていましたが、近年は中高年になって挑戦・再挑戦する人が少なくありません。そうした人が語学のコツを発見し、さらにそれを秘伝にせず、万人に公開したのです。
村上良太
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