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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年04月17日13時14分掲載
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東日本大震災
【たんぽぽ舎原発情報】オールジャパンの虚構 他の電力会社は、なぜ原発震災に立ち向かわないのか? 山崎久隆
原発震災に対し、政府はオールジャパンの体制で対処すると言っていたはずだが、結局は東電と協力企業の従業員に対処させているだけで、ちっともオールジャパンの体制になどなっていない。例えば、今回の第一原発の内部は、まさしく高レベル放射性廃液に汚染された施設。原発というのは、通常は低レベル廃液しか扱わない。核燃料の再処理をしている六カ所、東海再処理工場には高レベル廃液を扱う専門家がいるのに、どこにいっているのだ。
具体的には日本原子力開発機構は、今頃も福島県内で測定器を持って汚染調査をしているらしいのだが、一体何を考えているのか。 汚染調査ももちろん重要で必要な作業だ。むしろ遅すぎるくらいで、大勢の人間を投入し徹底的に測定しないといけない。こういう部分は、各電力会社の原発にいる「放射線管理者」と「モニタリングカー」などを総動員したら良い。何も原子力機構でないと出来ない仕事じゃあない。
低レベル放射線の汚染は、まさしく日夜原発の内部作業で放射線管理主任が行う仕事だ。汚染調査も汚染地図作成もお手の物のはず。
高レベル汚染水などの処理は、東電や協力企業の従業員にさせること自体が無茶だ。見たことも聞いたことも無いような高レベル廃液に足を突っ込んで、もうパニック状態になるのが目に見えている。 こういうレベルの放射性廃液を取り扱ってきた専門家集団が六ヶ所村の日本原燃と東海村の旧動力炉・核燃料開発事業団のスタッフだ。どうして彼らが来ないのか。
それから、高レベル廃液を低レベル用のタンクや、ましてメガフロートに詰めるなど正気の沙汰とは思えない。いくら背に腹は代えられないといっても、いったん漏れ出したら手が付けら れなくなる。なにしろ数時間そばで浴びれば死に至る線量を出す廃液だ。 メガフロートに詰めても、密封性があるわけがないし遮蔽があるとは到底思えない。これは低レベル廃液タンクも同じだ。
繰り返し余震が襲ってくる。おそらく今後津波を伴う余震も来る。そのような津波にメガフロートが持つと思うのか。 たとえば数メートルの津波に持って行かれて岸壁にたたきつけられれば、戦艦でもあるまいしたちまちばらばらになって沈没し、廃液は全量海中に放り出される。そのようなリスクを冒すようなことは絶対止めて欲しい。
ではどうするか。
世界中から使用済燃料輸送船を集めてきて、その船倉に入れるのだ。 使用済燃料輸送船は、大型のキャスクを積んで地球を半周することもできる能力があるだけで無く、そもそもダブルハル構造で衝突事故を起こしても内容物を漏らさない設計になっていて、さらに火災対策としてキャスクの搭載される船倉を完全に水浸しにできる装備を持っている。放射線測定器は当然積んで いるし、汚染除去設備も有している。密封性もある。通常のタンカーではありえない、 放射線の遮蔽能力もある。この船をありったけ福島第一原発の前に結集させ、そこに詰めこむと同時に、陸上にも六カ所再処理工場の高レベル廃棄物処理タンクや設備を移設するのだ。そうすれば安定的に高レベル廃液を除去することが可能な設備が作れる。たぶん一月で。
オールジャパンというのはこういう体制を意味するのでは無いのか。ところが実際には東電と協力企業が最前線で命がけの作業をしているだけで、他は何ら支援をしている気配もない。関電は、中電は、四電は、日本原燃は、旧動力炉・核燃料開発事業団は、技術があるはずのこれら企業は一体何をしているのか。 原発震災はいわば原子力産業の共同責任。ゆくゆくの賠償で各電力に持たせるかどうか以前に、今の危機的状況を、本当にオールジャパンで何とかさせるべきなのではないか。
低レベル廃液タンクに高レベル廃棄物を詰めてしまったらもう終わり。次に来る震度7の余震で倒壊するだろう。そしたら数万トンの死の灰が一気に太平洋に流出する。これは事故とはもう言えない。環境犯罪だ。
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