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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年08月14日11時06分掲載
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コラム
語学に再挑戦 4 〜スペイン語とポルトガル語の間〜 村上良太
書店で講談社現代新書「はじめてのポルトガル語」(浜岡究著)を何気なく手にしてみたところ、目が離せなくなってしまった。「うーん」とうなってしまった。似ている。スペイン語に、である。もともとローマ帝国で使われていたラテン語から派生したのだから、似ているのは当然としても、イタリア語やフランス語とは似方がぜんぜん違っている。もうほとんど同じ、と言うと暴言になろうが、動詞活用のパターンも単語もかなり近い、というのがその時率直に感じたことである。
例を挙げてみましょう。
短文「彼らはブラジルを訪れるでしょう」をそれぞれの言語で表現すると次のようになる。
ポルトガル語 Eles vao visitar o Brasil. スペイン語 Ellos van a visitar Brasil.
vao もvan も、動詞 ir (行く)の活用形である。方言の違いといってもいいくらいに思えた。もう1つポルトガル語とスペイン語の文を比較してみる。
短文「私は新しい家を買うでしょう」の場合は次のようになる。 ポルトガル語 Eu compro (comprarei) uma casa nova. スペイン語 Yo comprare una casa nueva.
compro もcomprareも動詞comprar(買う)の活用形である。小さな違いはあるものの、全体によく似ている。しかし、なぜかポルトガル語とスペイン語のテキストの著者たちはあまり似ていることに言及していない。これはなぜだろうか。
何年か前に、イタリア語とフランス語とスペイン語を同時に学習するための本が出版された。その本を手にした時はショックを受けた。今まで考えてみたこともなかった学習法だったからだ。ただ、その本を面白く読んだものの、実際の語学の学習では使わなかった。実用的でないと感じられたからだ。3つの言語を同時に学ぶより、まず1つの言語体系にどっぷり漬かる方が学ぶには効率的だと思われたのである。3か国語を並べて比較するのは言語間の類似を考えるうえで貴重な体験となったが、実際に学ぶとなるとそれぞれの言語が一通りしっかり頭に入っていないと混乱してしまいかねない。
同じことはスペイン語とポルトガル語にも言えると思う。スペイン語とポルトガル語のどちらから入るかはともかく、まずどちらか1つの言語をしっかり頭に入れておくことがもう一つの言語を習得する場合にも近道であろう。似ていれば似ているほど、混乱する可能性が高く、用心が必要だ。中途半端に両方やるよりどちらか1つでもしっかり固める方が双方を理解する近道だろう。
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