<沖縄意見広告(第5期)報告集会>
6月8日付けの毎日新聞、東京新聞、琉球新報、沖縄タイムスの各朝刊に、沖縄県宜野湾市にあるアメリカ海兵隊普天間飛行場を同県名護市辺野古区に移設することに反対を訴える意見広告が同時掲載された。 この意見広告を出したのは、2010年3月に発起人7人による呼び掛けで始まった「沖縄意見広告運動」で、2010年以来、毎年この時期に新聞の1面を丸々使って普天間飛行場の撤去とアメリカ海兵隊の撤退を訴えている。 意見広告運動の開始から第5期目の今年は、先の4紙に加えて、5月19日から21日までの3日間、アメリカの大手紙「ワシントンポスト」電子版にも意見広告を掲載した。 アメリカの大手紙にこのタイミングで意見広告を掲載した理由について、沖縄意見広告運動本部事務局(以下、運動本部)は、6月14日に東京・千代田区の連合会館で開催した報告集会の中で、「普天間飛行場の辺野古移設反対をアメリカ政府関係者らに訴えるべく5月15日から23日までの9日間訪米した稲嶺進名護市長を応援するため、稲嶺市長のアメリカ滞在中のタイミングに合わせました」と説明している。 なお、運動本部の報告によると、ワシントンポスト紙と東京新聞から次のような結果が届いたそうだ。
(ワシントンポスト紙) � 。各�間のクリック数は、他の広告と比べて一番多かった �◆|楼菠未任脇�本、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、ドイツ、韓国、中国の順でクリック数が多かった
(東京新聞) � \椰�率(意見広告を読者が見た確率)は77.2% �◆々�告への信頼度は75.3% �� 広告の印象について「共感できる」「良い広告だ」といったプラス評価は、通常の広告では読者の1〜2割であるところ、今回は3〜4割に達している
沖縄意見広告運動は、報告集会において、第5期意見広告で賛同者6074件余(うち賛同団体365団体、前年比約1千件増)を集めた成果を受け継いで運動を継続していく方針を決定した。 また、沖縄意見広告運動全国世話人の1人は「将来的には1万件の賛同を集めたい」と語っている。
<「新外交イニシアティブ」(ND)猿田佐世事務局長の訪米報告>
沖縄意見広告運動の報告会では、稲嶺市長の訪米に同行した民間シンクタンク「新外交イニシアティブ」(New Diplomacy Initiative。略称「ND」)の猿田佐世事務局長による訪米報告が行われた。
日米両国の弁護士資格を持つ猿田ND事務局長は、国際関係学や紛争解決学を学ぶためにワシントンの大学院に留学した際、日米外交に関わるアメリカ人が政府、議会、シンクタンクの僅かな人たちだけで、その僅かな人たちが日米外交を取り仕切り、日本国内の多様な声がアメリカの中枢に届いていない状況を目の当たりにしたそうだ。猿田事務局長がNDを発足させたのも、日本国内の多様な声をアメリカの中枢に届ける手助けをしたいとの思いからである。 今回、名護市から稲嶺市長の訪米スケジュールや面談相手の選定を任されたNDは、約4ヶ月間かけて準備を行い、49件の面談(メディア取材対応13件を含む)をセッティングした。
猿田事務局長は、ワシントンは日米外交にとってもの凄く重要な地域だと指摘する。 「対アメリカの作戦を組む上でのこれからの課題は、アメリカの政策に影響を与えるアメリカの政府、連邦議会、シンクタンクという3層に対し、ワシントンに根を下ろして定期的に働き掛けていくことだと思います。そして、大統領補佐官でも良いし、名前が知られていない議員であっても良いので、味方になってくれる人、一緒に動いてくれる人を探すことでしょう。その際、誰に対して何の話を振っていくのかが大事で、環境に関心の強い人には環境の観点から話し掛け、女性の権利に関心が強い人であれば女性の権利の観点から話し掛け、安全保障の専門家には安全保障、抑止力の観点から話し掛ける必要があります。そのためにも、願わくば沖縄県の職員がワシントンに人を配置し、しっかり作戦を練った上で3層の関係者たちと人間関係を作っていってほしいと思っています。NDとしても、今後はアメリカの予算や関連法案を紐解きながら、どういう議員にどういうアプローチを掛けていくべきかについて考えていきたく思っています」
さらに猿田事務局長は、ワシントンの「拡声器効果」を活用すべきだとも指摘している。 「ワシントンで何か物事を発表すると、それが世界にもの凄い影響力となって発信されます。日本の大手紙の紙面がいつもワシントン発の情報で埋め尽くされているように、私たちもうまく立ち回れば、ワシントンの拡声器効果を利用することができます」
ワシントンにいるアメリカの要人に会うことは難しそうに思えるのだが、猿田事務局長に言わせるとそうではないらしい。6月18日に東京・永田町の衆議院第一議員会館で開催した訪米報告会で、猿田事務局長は次のように語っている。 「ワシントンの面白いところは、日本では如何ともし難い、手も足も出せないように思われている人たちに結構簡単に会えて、結構簡単に自分たちの意見が言えて、頑張ればその人たちの意見を変えていけることです。私が今の活動に嵌っている理由の1つもそこにあります」 「(オバマ大統領の下で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたことのある)ジェームズ・ジョーンズさんとは、今でも『どんなふうにアプローチすると、アメリカ政府が支持する辺野古移設案を崩せるか』といったことをメールでやり取りしています。私もワシントンに住んでみなかったら、大統領補佐官とメールでやり取りする日が来るとは夢にも思いませんでしたし、ワシントンに住んでみたことで、日米外交を取り仕切っているワシントンの住人の世界に私のような一市民が入っていくこともそんなに難しくないことが分かりました」 「遠いように感じる外交の世界も、1歩1歩中に入っていけば、その世界にいる人たちと顔見知りの関係になれるし協力関係も作れます。決して夢物語ではないのです。日本国内で日本政治に関わっていくことと、そんなに大差はありません。これまで、やってみようとしたことが無かっただけではないでしょうか」
猿田事務局長は、稲嶺市長が訪米する約1ヶ月前から本番当日まで、アメリカの現地時間に合わせて関係者等と連絡を取り合うべく、日中の仕事を終えると、日本時間の午後9時頃から翌朝午前5時ころまで睡眠時間を削って奔走したという。 「コーディネートという仕事は、時差との闘いもありますし、かなりの気合が入っていないとできません」(猿田事務局長)と仰るように、中途半端な気持ちではやっていけない活動だ。 それでも、NDの活動に惹かれた若者がインターンやボランティアとして集まりつつあり、ND事務局員の平均年齢は25歳という若さなのだそうだ。 NDは引き続き、新規会員(一般会員、特別会員、団体会員)のほか、NDの活動を支援するインターン・ボランティアを募集している。詳細はウェブサイト(http://www.nd-initiative.org/ )等をご覧いただきたい。(坂本正義)
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