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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2017年02月08日18時57分掲載
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国際
アメリカは資本主義から共産主義へ? アメリカに幽霊が出た~共産主義という、、 平田伊都子
2017年はロシア革命が成功してから100年めに当たります。 その節目の年に、資本主義のアメリカでトランプ新大統領が誕生しました。 そのトランプ大統領を操るホワイトハウス最高権力者のステイーブン・バノンが「私はレーニン主義者だ」と、公言しているのです。 「マジ〜〜!」 アメリカは資本主義から共産主義に移行するのですか?? 筆者は、思想界の右も左も分からぬジャーナリストですが、バノンという大統領仕掛け人を検索しなくては、、と強い野次馬根性にかられました。 一方、「資本主議の果実が爛熟して落下した後、共産主義が実る」という説があります。 アメリカが共産主義に転向するのは、自然の成り行きなのでしょうか?、「ヨーロッパに幽霊が出る――共産主義という幽霊である」と、マルクスとレーニンは<共産主義者宣言(1848)>の冒頭で述べました。 <ヨーロッパ>を<アメリカ>に置き換えれば、時代の先取り?と、なりますね!
(1) ステイーブン・バノンってどんな人?: 既存の権力に立ち向かう潰し屋には、何かしらのオーラ―が漂い、妖しげな魅力がある。ところがこのステイーブン・バノン、、陰気で荒んでいてウザったい。 「俺は国粋主義者、それも経済国粋主義者だ。グローバリストらのせいで、米国の労働階級が骨抜きにされ、代わりにアジアで中流階級を生み出した」「トランプは、60%の白人、40%の黒人とヒスパニック層から支持を得た。今後、50年にわたって統治する」「われわれは、トランプムーブメントを始める。共和党のエスタブリッシュメントも撃ち倒す」「1兆ドルのインフラ事業を推進するのは、俺だ」などなど、ニューヨークタイムスのインタビューを始め、BBC英国TVやイスラエル紙ハーレツなどがステイーブン・バノン像を作り上げている。が、バノンの台詞は、ドキドキしない。 ニューヨークタイムス紙は1月26日、「バノン戦略官は、トランプ氏の勝利を予測できなかった報道機関は<恥と屈辱>を味わうべきで、<しばらくは黙って、ただ聞いていろ!>と罵倒した」と、伝えた。同紙によるとバノン戦略官はさらに、「野党は民主党ではない。マスコミが野党だ」と述べ、報道機関は「この国を分かってない」と批判したそうだ。 「どうしてドナルド・トランプが合衆国の大統領なのか、(マスコミは)いまだに理解できていない」と、バノン氏は同紙に噛みついた。 バノンの執拗なメデイア罵倒は、これまで馬鹿にされ続けてきたエリート・メデイアへの復讐のようで、フリーの筆者も一緒に留飲を下げたいところなのに、、五感のどれにも響いてこない。 一方、エリート・メデイアはマイナー・メデイアのバノンに、「女性蔑視主義、白人至上主義、反ユダヤ主義、人種差別主義、外国人嫌い、右翼的扇動者、アナーキスト、好戦的アジテーター、政治ゴロ」などのレッテルを貼った。
スティーブン。バノンは1953年、バージニア州ノーフォークに生まれた。一家はアイルランド系の労働者階級で、ケネディ派の民主党支持者だった。高校卒業後、海軍に入隊。4年間を主にペルシァ湾の海上で過ごし、その後、ペンタゴンの海軍指揮官の特別補佐を務めた。海軍在籍中にバージニア工科大学に通い、ジョージタウン大学で国防学の修士号を取得。1980年代前半、ウォールストリートの金融業が隆盛し始めたのに併せて、ハーバード大学でMBAを取得。そして、ゴールドマン・サックスに入社した。 3回結婚し3回離婚した。家庭内暴力の常習犯で元妻の一人が離婚訴訟を起こすと、弁護士と共謀して、「バノンが監獄に入ったらお前を食わせる奴はいなくなるんだぞ、訴えを 止めろ」と脅かした。バノンの女性蔑視は、自分の身から出た錆なんでは??
(2) ハリウッド映画製作者、ステイーブン・バノン; 1990年代にバノンは、ハリウッドでフィルム製作を手掛ける。多数の作品を映画界やテレビ界に送った。2004年にはロナルド・レーガン大統領の記録映画を作った。その後、サラ・ペイリン副大統領候補やテイーパーテイー運動を取り上げた。2007年頃、バノンはアメリカでの、イスラム教徒やイスラム過激派やユダヤ教徒の動きを取り上げている。 ステイーブン・バノンはブライトバート・ニュースに2007年の創業時から関わり、2012年に創設者ブライバートが急死すると、会長となる。バノンの下で、ブライトバート・ニュースは<オルタナ右翼>などの極右組織にとって、カルト的なメディアとなった。イスラエルやロンドンにも支局を構えている。 2012年、政府アカウンタビリティ研究所(GAI)という保守派の非営利組織の設立に関わる。2015年、政府アカウンタビリティ研究所(GAI)ピーター・シュヴァイツァーの執筆で、<クリントン・キャッシュ>を出版する。<クリントン・キャッシュ>はクリントン元大統領夫妻財団の不正と腐敗を暴いた実話で、翌年2016年7月、バノンはこれをドキュメンタリー映画にした。バノンのブライトバート・ニュースは7月23日午後8時に、この<クリントン・キャッシュ>を放映する。米民主党大統領予備選挙委員会は、クリントンの対抗馬バーニー・サンダーズが選挙戦からの撤退を正式表明しなかったこともあって、民主党大会での投票手続き完了前に、7月26日、クリントンの大統領候補指名をでっち上げた。
(3) 権力掌握への道: ドナルド・トランプとイラク庶民の接点は<反イラク戦争>だ。「アメリカ人だけが潔白だと言えるか?(アメリカ人も)大量殺人をしている。だから俺はイラク戦争に反対したんだ」2017年2月4日のフォックス・ニュースのインタヴューでトランプは明言した。 さて、ドナルド・トランプとスティーブン・バノンの接点は、<アメリカ大統領>だ。 バノンは反ユダヤ主義だが、愛娘をユダヤ人に嫁がせたトランプはユダヤびいきだ。バノンはレーニン主義を自称するが、トランプは共産主義?かな??
2016年8月12日、トランプは米大統領選挙参謀長に任命した。 バノン率いるマイナー・メデイア<ブライトバート>は、エリート・メデイアから総スカンを食らったトランプ候補のプロパガンダを一気に担った。身内である筈の共和党内からも反逆者が続出した。しかし、四面楚歌の中でトランプとバノンは2016年11月8日、アメリカ大統領の椅子を勝ち取ったのだ。 11月13日、トランプはバノンを、ホワイトハウスの主席戦略官と上級顧問に指名した。 1月28日に署名した大統領令で、トランプはバノンを国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーに加えた。ジョージ・W・ブッシュ大統領を造り上げた功労者のカール・ローヴでさえ、大統領の政治顧問に任命されたがNSCの出席は禁じられた。オバマ政権の政治顧問デビッド・アクセルロッドはNSCに出席はしたが、常任メンバーにはなれなかった。 さて、自称レーニン主義のバノンはレーニンの何が気に入ったのか? 100年前にロシア革命を成功させたレーニンは、革命直後に出版した<国家と革命>で、「既存の国家機構は奪取するだけでなく粉砕して新しい国家機構をつくらねばならない」と主張している。が、、<日和見主義>と、ブライトバートの元編集者ベン・シャピロ氏は、バノンの政治姿勢を非難している。さらにシャピロは、「(バノンは)性格が悪く、、執念深くで意地悪な人物で、助けてくれた友人のことを悪く言い、敵を脅迫する」と、8月のデイリーワイヤー紙に酷評を書いている。
トランプ大統領は、「労働者のみなさん、あなた方を置き去りにすることは絶対にありません」と、何度も誓いました。 共産主義者宣言も、「万国の労働者、団結せよ」という有名な言葉で終わっています。 えェ〜〜、 もしかして、アメリカ国歌斉唱は、労働歌<インターナショナル>でいくのかな? <インター>だったら、ファーストレデイー・メラニアも歌えるよね、、、メラニアの実家はスロベニア共産党員だったんだよ!
文:平田伊都子 ジャーナリスト、イラスト:川名生十 カメラマン 2017年2月8日
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