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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2017年08月27日08時12分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 TICADに西サハラが参加! 平田伊都子
「モザンビークで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)閣僚級会合の会場で24日夜(日本時間25日未明)、議長国の日本が招いていない西サハラの関係者が強引に会場に入ろうとし、西サハラと対立するモロッコの出席者と小競り合いとなる一幕があった」と、8月25日の共同通信が伝えています。 真相はどうだったのか? モロッコと西サハラの言い分を検証してみます。 朝日新聞の西サハラ難民キャンプ訪問後、西サハラを巡る動きが急展開を見せています。 いよいよ、日本の出番ですかネ?
(1)ブーメルデス夏期大学: 朝日新聞が8月14日に取材した西サハラ夏期大学は、8月23日の西サハラ難民大統領兼ポリサリオ事務総長ブラヒム・ガリと、モロッコ占領地・西サハラの住民を代表するアミナト・ハイダル女史の演説で、終了した。ガリ大統領は、「国連は、アフリカ最後の植民地の脱植民地化を、早急に施行する義務がある。西サハラ人の運命を決定する西サハラ住民投票に一日も早く取り掛かるべきだ。この住民投票はAUアフリカ連合が決めた計画でもある」と、国連の責任を追及した。さらに、「モロッコ占領政策による非人道的行為は、西サハラ被占領民を地獄に陥れるだけでなく、当該地域の治安も脅かしている。世界第一の麻薬ハシッシュ産出国であるモロッコ王国は、ギャング集団とテロリスト集団のスポンサーと化している」と、モロッコ麻薬産業とヨーロッパで横行するモロッコ人テロリスト事件を非難した。 西サハラ住民を代表するアミナト平和活動家は、「アルジェリアはその独立闘争精神に基づいて、世界中の自由を求めて闘う人々を支援してきた。西サハラ独立運動に対しても42年という長期にわたり、援助を続けてくれている。改めて感謝の意を表したい」と、20日間の夏期大学を共催したアルジェリアを、絶賛した。なんたって、<金元>なんだもんネ!
(2)TICADに参加した招かれざる客?: 「日本にはがっかりした。どうして、アフリカ55か国のうち西サハラだけを,モザンビークのTICADアフリカ開発会議から外すんだ?西サハラは、アフリカ全55か国が参加するAUアフリカ連合の正式加盟国だ」と、8月15日に会った時、西サハラ大統領はTICAD議長国の差別に不満を漏らしていた。 ところが8月24日、「モロッコ代表団が西サハラ代表団入場を妨害しようと、会場入り口で通せんぼしたにも拘らず、西サハラ代表団はTICAD閣僚級会議に参加。西サハラ代表団はワリド・サレク外務大臣やラミン・アバッリAUアフリカ連合担当兼エチオピア大使などで構成されている」と、SPSサハラ・プレス・サービスが発表した。 一方、MAPモロッコ国営通信は、「RASDサハラ・アラブ・民主共和国代表団と称する者どもには、会議に参加する権利などない。奴らは日本からも国連からも、国家承認されていない。入口で通せんぼしたモロッコ代表団を押しのけ、モザンビーク当局が力ずくで西サハラ代表団の入場を助けた」と、結局、押し切られたモロッコは憤懣やるかたない。しかし、相撲の世界でも外交の世界でも、負けは負け。モロッコはTICADが誕生した1993年以来、西サハラ排斥の壁づくりに頑迷固執してきたが、2017年8月24日、モロッコの忌まわしい壁は崩れた。このノリで、あの忌々しい600万個地雷防御壁も崩れて欲しい。
(3)バシールの手紙: 8月24日、難民キャンプで再会した西サハラ難民政府No2のバシール・ムスタファ国務大臣から、河野太郎外務大臣に宛てた手紙が届いた。日本に、「モロッコと西サハラ両者の平和交渉の主導権を取って欲しい」という要望書だった。アフリカ独立史やAUアフリカ連合精神などは省かせていただいて、頭とおしりだけを拙訳でご紹介する。全文(英語)をご所望の方は、ご連絡ください。
――――――――――――――――――――――――――――― 河野太郎閣下 日本国外務大臣殿 閣下、 なによりもまず、貴殿が日本国外務大臣にご就任されたことを心からお祝い申し上げます。 ご就任は、日本の国民と日本政府がいかに貴殿に期待と信頼をよせているかということを顕しています。 、、、、、 RASD(サハラ・アラブ民主共和国)はこのAUアフリカ連合を創設したメンバー国の一つであります。RASDは加盟諸国への差別に繋がるいかなる排他的行為も拒否します。また、AUの加盟諸国は、国境を閉鎖し出会いを邪魔するという障害物をでっち上げるのではなく、開かれた共同作業を容易にする機会を作るべきだと、RASD は思っております。 こういう想いに立ちまして、日本は、国連和平努力を後押しする、我々ポリサリオとモロッコ政府との次期交渉を仕切る、最適の国ではないかと考える次第です。 敬具 バシール・ムスタファ・サイド 国務大臣、大統領補佐官 ポリサリオ戦線指導部の一員 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「日本政府は西サハラの領有権を主張するモロッコの立場に配慮し、西サハラを国家承認していない。西サハラ側は、自らの不満を国際社会にアピールするため、意図的に騒ぎを起こしたとみられる」と、共同通信は伝えています。 <モロッコの立場に配慮>とは、<忖度>のことでしょうか? 西サハラにも、ぜひ、<忖度>をお願いしま〜す。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年8月27日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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転載について
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西サハラ難民政府No2のバシールで西サハラ独立運動創設者故エルワリの実弟。手にするのは、拙著エルワリ伝「サハラの狼」
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