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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年06月24日14時21分掲載
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政治
加計理事長の幕引きを許してはならない 根本行雄
6月19日、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る問題で、長く沈黙を保っていた加計孝太郎理事長が、初めて記者会見をした。疑惑がもたれる学部新設計画への安倍晋三首相の関与については一切否定したが、詳細な点はあいまいな説明に終始し、会見は短時間で打ち切られた。真相解明には程遠く、これで幕引きをしたいという思いがあるようだが、このような態度は信義誠実の態度に欠けるものだ。このような形での幕引きは、問題の本質を隠すものであり、許してはならないものだ。
学部新設を巡る疑惑の問題点の一つが、加計理事長が親友である安倍晋三首相に獣医学部新設計画をいつ説明していたかという主張があるが、これは問題の本質を見失っているものだ。加計孝太郎理事長の記者会見は、問題の本質を見失っているマスコミに対応したものである。会見実施の報道機関への連絡が直前であったこと、地元記者だけに参加を限定したこと、短時間で打ち切ったこと、こういう記者会見のあり方に、加計たちの思惑がハッキリと露呈している。そして、安直な処分案で、この問題の幕引きを図ろうとしているのは、「オレオレ詐欺」の連中のやり口と同質のものがある。
□ 総理のご意向
毎日新聞(2017年6月15日)は、次のように伝えている。
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、内閣府が文部科学省に早期開学を促したとされる文書について、文科省は6月15日午後、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との記述がある文書が省内に存在したとする再調査結果を公表した。文科省は、国会で追及された「総理のご意向」などと書かれたA4判8枚と昨年9月26日付の「内閣府審議官との打合せ概要」とされる文書などが省内に存在するかを確認した。関係者によると、8枚のうち「総理のご意向」など6枚については同様の文書が見つかったという。ただ、民進党などが公表した文書と様式などが一部で異なるという。「官邸の最高レベルが言っている」と記された「打合せ概要」は同内容の文書が確認された。確認された文書は、職員のパソコンの個人フォルダーなどに保存されていたという。
□ 問題の本質はどこか
問題の本質はどこか。それは「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」という情報によって、学校法人「加計学園」の獣医学部新設が認められたということである。「忖度(そんたく)」という言葉が我が物顔でまかり通っている。こういう言葉で動く「公務員」たちがいるという現状は、日本国憲法を順守しているといえるだろうか、このようなやり口は民主主義といえるだろうか。国家権力の頂点にある人物に対して、このような「右へ倣え」式に行動したり、右顧左眄したり、「忖度」するのは、主権者である国民をないがしろにするものであり、正義と公正に違反するものであり、民主主義を腐敗させるものだ。
□ 「国賊」どもに支えられている安倍政権
「公務員」とは、政権担当者とその関わる組織、団体の奉仕者ではなく、なによりも、主権者である国民のために奉仕し、活動することを本務とする存在である。政権担当者とその関わる組織、団体は永続的な存在ではない、それはあくまでも一時的な地位にすぎないのだ。この肝心かなめのことを忘れている「公務員」は、「国賊」である。何度でも言おう。主権者である「国民」を軽視し、侮蔑し、損害を与えているのだから、このような「公務員」こそが「国賊」である。だから、佐川宣寿らは「国賊」である。その「国賊」どもの支えられているのが安倍政権である。政権の座に居座り続け、政権にしがみついている亡者どもの先頭にいるのが、安倍晋三であり、麻生太郎である。
佐川宣寿は、国会でうそをつき通し、公文書の改ざん、廃棄を指示していた。安倍首相の歓心を得て、国税庁長官の椅子を手に入れた。
柳瀬唯夫元首相秘書官は、「記憶にない」という発言で詐病を利用している。2015年2月か3月に学園側と初めて首相官邸で面会した時に計画を知り、4、6月にも官邸で面会したことを認めたが、その一方で「首相には一切報告しておらず、指示も受けていない」と首相の関与を否定し続けている。柳瀬は安倍におもねって何を手に入れようとしているのか。彼もまた、「国賊」の一人である。
□ なぜ、この時期に記者会見を開いたのか
毎日新聞(2018年6月19日)の杉本修作、伊澤拓也の両記者は、次のように伝えている。
会見の連絡が報道機関に伝えられたのは開催の約2時間前。しかも、開催場所は岡山市の学園本部。元文部科学官僚の寺脇研・京都造形芸術大教授は「東京で加計問題を取材してきた記者が駆けつけられないタイミング。本来なら文科省などで会見に応じて厳しい質問を受けるべきだった」と批判。さらに「謝罪会見なら、もっと早くできたはず。これで説明責任を果たしたことにはならず、国会に招致して説明させるべきだ」と指摘した。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、前日に大阪府北部で地震が発生し、さらに当日夜にはサッカー・ワールドカップの日本戦を控えた時期の会見設定を疑問視。「会見が大きく取り上げられないよう、別の話題のある時期をわざわざ狙ったのではないかと勘ぐりたくなる。これで世論の関心が冷めると考えているのかもしれないが、一度国民に起きた疑念は消えない。今後もダメージとして残っていくだろう」と語った。
一方、文科省の反応は冷ややかだ。ある中堅職員は「この会見を開くのに、なぜ1年以上もかかったのか分からなかった」と、学園の姿勢を問題視。「記憶のない人が1人増えただけ。解決に向けて前進どころか、不透明感が増した」とため息をついた。
□ この処分は適切だと言えるだろうか
毎日新聞(2018年6月19日)の 高橋祐貴、林田奈々、松浦吉剛、3名の記者は、次のように伝えている。
安倍首相と加計理事長の面会を巡っては、愛媛県が5月21日、安倍首相が獣医学部新設の構想について加計理事長から2015年2月に説明を受けたなどとする文書を参院に提出した。この文書は、県職員が同年3月に学園関係者らと交わしたやりとりを記録したもので、15分程度の面会の中で安倍首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたなどと書かれていた。
しかし、その後に学園は「誤った情報を県と同県今治市に与えた」とするコメントを発表。渡辺事務局長は今年5月31日、愛媛県庁などを訪れて謝罪し、「県が(根拠もなく)文書を書くことはない。獣医学部新設を何とかしたくて(自分が)言ったんだろうと思う」と述べていた。
会見で、加計理事長は「(虚偽報告は)渡辺事務局長が前に進めるためにやった」などと自身の指示を否定。安倍首相との関係について「何十年来の友達で、仕事の話をするのはやめようというスタンス。(獣医学部新設の話をしたことは)一切ない」と話した。また、安倍首相に新設計画を説明した時期について「それこそ決まってからではないか」と説明。野党が国会招致を求めていることについては「私が決めることではない」としつつ、「お待ちしています」とも語った。
学園は、不適切な言動をしたとして渡辺事務局長を減給10%(6カ月)の処分にすると発表。監督責任をとって自身は給与を月額の10%(12カ月)、自主返納するとした。
□ 幕引きを許してはならない
国家権力の頂点にある人物に対して、「右へ倣え」式に行動し、右顧左眄し、「忖度」している「公務員」が数多くいる。こういう「公務員」は、主権者である国民の存在を忘れている。そして、正義と公正に違反していることを知らない。主権者である「国民」をないがしろにし、軽視し、侮蔑し、損害を与えていることに気づかない。このような「公務員」こそが、公共の不幸と政府の腐敗の諸原因にほかならないのだ。
加計学園は、不適切な言動をしたとして渡辺事務局長を減給10%(6カ月)の処分にし、監督責任をとって理事長自身は給与を月額の10%(12カ月)、自主返納するとした処分案を示した。しかし、この問題は、こんな安直な幕引きを許してはならない問題なのだ。日本の政治の質が問われている問題なのだということを、シッカリと認識しなければならない。安倍政権のような日本国憲法を順守しない政権の存在を許していていいのかという問題なのだ。そういう腐敗した政権を支えている「公務員」が満ち溢れている社会でいいのかという問題なのである。
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