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2026年02月27日16時21分掲載
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市民活動
戦時の水没事故から84年 長生炭鉱調査現場の悲劇と向き合う
2026年2月7日、長生炭鉱(山口県宇部市)で行われていた遺骨調査の現場で、潜水作業中のダイバーが命を落とす事故が起きた。戦時中の水没事故で多くの命が失われた炭鉱内部を対象とした調査での出来事は、関係者のみならず地域社会や支援者にも深い衝撃と悲しみをもたらしている。
戦時下の1942年、長生炭鉱で発生した水没事故により183人が亡くなった。過酷な戦時体制の下で働いていた労働者の中には、朝鮮半島出身者が多く含まれていた。現在も炭鉱内には犠牲者の遺骨が残されており、時間の経過とともに遺族の高齢化も進んでいる。こうした状況を受け、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(以下、「刻む会」)は、犠牲者の歴史を正しく伝え、遺骨を家族のもとへ返すことを目標に調査活動を続けている。
「刻む会」は、今回の事故で亡くなった潜水作業員に深い哀悼の意を捧げており、公式ホームページでは併せて事故後の状況を報告している。同会は、政府の支援を受けられない中で、クラウドファンディングなどで資金を集めて独自に調査を続けてきた。活動の中では、作業船でピーヤ(排気筒)内の遺物を事前に除去するなど、現場環境の整備にも細やかな配慮をしてきた。
今回の事故を受け、調査の方法や安全体制の不十分さを問う声が多く上がっている。「危険を伴う潜水作業である以上、事前のリスク評価や専門家の関与、緊急時の医療体制の整備をこれまで以上に徹底すべき」とする主張がある中で、「歴史的責任や遺族の切実な思いを踏まえ、困難を理由に歩みを止めるべきではない」とする声もある。重要なのは、賛否の対立に留めず、安全性を最大限に高めつつ、調査の意義をどう伝え、次につなげていくかを社会全体で考えていく姿勢であろう。
長生炭鉱の問題は、単なる過去の出来事ではない。戦時下で命を落とした人々の歴史を、私たちがどう受け止め、次世代にどう伝えていくのか。これは現在を生きる私たち自身の課題でもある。今回の事故を契機に、より実効性のある安全体制を整えることは不可欠だが、その努力は歴史に向き合う意義を損なうものではなく、むしろ持続可能な活動のための土台となる。
亡くなられた潜水作業員への哀悼の思いを胸に、今後の遺骨調査では、安全面への配慮をさらに徹底し、作業環境の改善や得られた知見を今後に生かすことが大切である。悲劇の記憶を風化させず、犠牲者の尊厳を大切にしながら歴史と向き合い、未来へつなげていく姿勢を持ち続けることが求められる。
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長生炭鉱 海面に見える2つのピーヤ(排気筒)


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