今回の問題点は、人類自滅に繋がるとは言えないでしょうが、自然・環境破壊の原因になっていて、更なる悪化が心配されます。さらに言えば、この問題は、人類のエネルギー危機という根本問題につながるものです。(落合栄一郎)
(1)施設の基本的問題 気候変動を問題視し、その原因がCO2 (2酸化炭素、炭酸ガス), CH4 (メタン)であると主張し、その削減こそが、人類を救う仕方であり 2035年までにその排出をゼロにしなければならないというCOPパリ協定に基づき、脱炭素実現を西欧諸国・日本などが懸命になっている。そうした脱炭素方策の有力と看做されているのが、太陽光・風力のエネルギーから電力を作る方式で、欧米諸国、日本では盛んに金を注ぎ込んでいます。今回は、この二つの方策がもたらしている問題のいくつかを、最近発表された論文 [1]に基づく報告[2]を紹介します。 こうした再生可能エネルギー、すなわち太陽光、風力によるエネルギーから電力を作り出そうというものです。通常の電力作成は、化石燃料燃焼、原子力などによるもので、比較的小さい場所で建設されている建造物内で作られるので、面積あたりの電力作成率は、非常に高い。一方、ソーラーパネルを大量に並べる太陽光発電は、面積あたりの電力生成率は非常に低い。すなわち、同じ量の電力を獲得するためには、通常の発電装置のおそらく数千倍以上の場所を必要とするでしょう。特に日本のような国土の狭いところでは問題を起こしやすい。風力発電も同様で、多くの面積(土地)を必要とするでしょう。 その上、よく知られていることだが、どちらも、発電が連続してコンスタントにできるわけではない。これが、太陽光・風力の最大の難点。
(2)環境への問題 自然生物への影響が、かなり深刻になってきているという報告が多くなりました[2]。地球全体でみると、風力・ソーラーパネル装置では、両生類、鳥類、哺乳類、爬虫類の2310種ぐらいが、消滅の危機に晒されているそうです。これは、消滅危機種の36%。いくつかの例を見てみると。 まず、アメリカの大自然のシンボル的なゴールデンイーグル(鷲)の風力発電関連での死が、2013年の110頭から2024年の270に増大。アフリカの42種の猛禽類は、過去20−40年間に88%減少。研究によると、この主な原因の一つが風力発電だそうである。中国では、風力発電の建設が進んで、鳥類が10%ほど減少。 ソーラーパネルの方では、それが施された場所と周辺での植物の成長や、微生物への影響が大きい。もう一つ、多数の鳥が、パネルにぶつかって、死んでいる。というのは、鳥が、上空(200m以下の高さ)からみるとパネルが、水面のように見えるらしいのです。
(3)人類の将来のエネルギー問題 エネルギーは、生物の生存に不可欠です。どの程度の必要があるのか。人間以外の生物は、今のところ、太陽光からのエネルギーのみで生活しています。人類は、誕生以来、自分たちの生き様を、自然からかけ離れたやり方で行うことを追求してきました。最初は太陽光依存でしたが、すぐ何かを燃やす、そしてそれからの熱を利用。これは現在でも同様です。化石燃料を使おうが、原発であろうと、それから発する熱を使って、発電器を動かすだけです。ただ、現在のエネルギー源の最も使われているのが、電力です。こうしてエネルギーを大量に作り出し、それに伴って人類の数も増大させてきた。近年の人口増とエネルギー増を見てみましょう。
1980年、使用全エネルギー 296.2 EJ, 人口 445 (44億5千万人) 2023 年 “ 659.9 EJ, “ 816 (81億6千万人)
この43年間に、人口は1.83倍になったが、エネルギーは2.51倍と大変増えている。一人当たりにすると、1.37 倍。我々も、日常生活でも、自動車、電力製品などの使用(スマホなども含めて)、航空機による動きなどが増えたが、そうした需要に対応する電気製造の増大などが原因でしょう。更に、近年は、AI使用が増大、それに伴って、その必要電力をどう確保するかが大問題になっている。AIばかりではなくとも、デジタル化は、電力依存ですから、その面でも、電力需要増大。 この問題に、気候変動宗教で要請される脱炭素的電力の開発が関わってきていて、問題が発生しているのです。本当に、上述の太陽光、風力発電が適当なのか、これらの問題点(特に間欠性)はどうすれば回避できるのか。その他の生成可能エネルギー源はどうか。 太陽光は、光のエネルギーのみを使用するが、光が当たらなくなってから残っているパネル内の熱量をどう電力に変換するか。風力も含めて、大容量の国家レベルの組織を作るのではなく、個別的で、小規模な、おそらく補足的なものでいかがか。 水力発電は、脱炭素の典型だが、すでに使用可能なものは使われてしまっているであろう。他には何か?地熱。日本は、利用できる地熱がかなりあるので、その利用は、より多くする必要があるであろう。もう一つ、潮流を水力発電源とすることは考慮されているであろう。 ところで、先[3]にも述べたが、中東域にAI組織が増えているということが、不思議ではあったが、やはり、中東という化石燃料の豊かな土地ならば、必要な電力が十分に供給される可能性が高いからなのであろう。 以上、それぞれの理由で、電力供給をどうするか、これからの人類の大問題である。気候変動などというCO2排出制限にこだわることなく、地球環境にも悪影響を及ぼさない仕方で、どう使用エネルギーを確保していきか。それには、使用エネルギーも、どう制限していくかも考慮に入れなければならない。もちろん、CO2排出制限は、気候変動問題とは関係なく、資源(化石燃料)の枯渇をなるべく避けるべく、使用制限は考える必要はある。 もう一つ加えておくべきは、気候変動回避のためには、CO2排出のない原発が適当であるという考え、とそれの基づく政策は、核から生じる放射性物質からの放射線の生命への危険性からして、絶対やってはいけないことであることは何度も主張してきた。なお「NO NUKES ON EARTH: Nuclear weapons and nuclear power reactor: the greatest mistake Homo sapiens made」(E. Ochiai, Atmosphere Press)なる本は5月には発売されます。
[1] https://www.theblaze.com/columns/opinion/the-environmental-left-will-not-admit-what-wind-and-solar-destroy [2] https://wattsupwiththat.com/2026/04/08/eco-friendly-energy-slaughtering-wildlife/ [3] https://www.naturalnews.com/2026-03-08-iranian-drones-target-data-centers-middle-east.html
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