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2026年05月15日13時51分掲載
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市民活動
長生炭鉱の遺骨返還に向けた政府ヒアリングと今後の活動方針:議員会館会見報告
4月30日、長生炭鉱の遺骨返還事業に取り組む「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(以下、「刻む会」)による政府へのヒアリング結果の報告及び記者会見が、衆議院第一議員会館において行われた。今年2月に起きた遺骨収容中の事故による調査の一時中断と、それと並行して進める政府への働きかけについて具体的な方針を示した。
【警察庁、DNA鑑定の実施を「公的な義務」と認める】 記者会見前に実施されたヒアリングにおいて、警察庁は「刻む会」が潜水調査で収容した遺骨のDNA鑑定について、「警察庁の権限として行うことは、当初からの義務である」との見解を初めて公式に示した。これを受け、同会は今後、鑑定の速やかな着手と遺族のDNA採取窓口の設置を政府に求めた。一方、外務省からは遺骨の返還スケジュールについて「韓国政府と協議中」との回答があり、同会は早期の進展を強く働きかけた。
【潜水調査の1年間凍結と安全体制の再構築】 記者会見では、潜水調査の実施に関わる議論を2027年2月まで凍結する方針が発表された。今年2月の死亡事故を重く受け止め、事故原因の検証、環境整備、および政府への調査協力の要請に充てる期間とする。「刻む会」代表の井上洋子さんは、「事故の検証と安全な体制を整えることは、活動を継続するための前提である」と述べ、この中断期間を次の収容作業に向けた準備期間として活用する考えを説明した。
【2027年再始動に向けた重点プラン】 「刻む会」は潜水調査の中断中も、政府に対して本来の役割を果たさせるための活動を継続していく。まず外交面では、5月に予定されている韓国訪問を通じて韓国遺族会や政府関係者との連携を深め、日韓両政府が遺骨収容を国家的プロジェクトとして推進するよう包囲網を築く。
歴史的事実の解明については、新たに判明した「埋葬料支給決定通知」という物証を足掛かりに進める方針である。戦時中に21名分の埋葬料が支払われていた事実は、長生炭鉱で水没事故が起きた直後に、一部の遺体が地上へ引き上げられた可能性を示唆している。「刻む会」はこの公的記録を根拠に、厚労省へ隠された遺体の特定調査を要求する。
さらに、長生炭鉱の遺骨収容を進める中で蓄積されたこれまでの調査記録の保存にも着手する。命懸けで撮影された坑内映像や構造図面を歴史資料として公的に保存するよう文化庁へ提案を行うとともに、長生炭鉱を題材にした野外劇上演などを通じて社会的な可視化を継続し、世論の喚起を図る。
【代表・事務局長による活動継続の表明】 会見の最後、井上さんは「民間が命懸けで行ってきた調査の結果を国がしっかりと引き継ぎ、動くべきだ」と強調した。続いて同会事務局長の上田慶司さんは「政府が自らの役割を義務として認めたことは前進である。次に行うべきは具体的な実施だ。犠牲者一人ひとりの身元が特定され、遺族のもとへ帰れる日まで、活動を継続していく」と述べた。
4月30日の会見は、「刻む会」のこれまでの活動を総括し、政府の責任を明確にしつつ2027年の収容再開を目指す新たなスタートとなった。
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会見の様子(左から)大椿裕子前参議院議員、小池晃参議院議員、ラサール石井参議院議員、水中探検家の伊佐治佳孝さん、「刻む会」の井上洋子さん、「刻む会」の上田慶司さん、犠牲者遺族の池田ちひろさん(仮名)、福島瑞穂参議院議員


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