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2026年07月22日10時16分掲載
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欧州
選挙法改革案の否決と支持率が低迷する中道右派たち~チャオ!イタリア通信
7月14日、下院で与党が提案した選挙法改革案が賛成187反対188で否決された。秘密投票で行われた採決では、与党内部から法案反対者がでたということだ。
この選挙法改革案を導入すると、得票率42%以上を獲得した連立政党や政党リストで、下院で70議席、上院で35議席のボーナスが付与される。得票率が少なくても、議席数を取ることができるのだ。また、政党リストから国会議員が選ばれ、有権者は直接国会議員を選ぶことはできない。
今回のこの法案採決では、国民の未来党の議員たちが秘密投票が行われている最中に携帯電話でビデオを撮影するという騒動まで起こった。議員たちは自分の席でボタンを押して、賛成か反対を投票する。その手元をビデオ撮影して、国民未来党は今回の改革案に賛成票を投じたという証明にしようとしたと言うのだ。
メローニ首相が選挙法改革案を急ぐ理由は、メローニ首相が率いる中道右派連合の支持率が下がっている背景がある。7月17日付の世論調査では、メローニ首相の党「イタリアの同胞」は26.9%、メローニ首相と組閣している「フォルツァ・イタリア」7.2%、同盟4.9%と低い支持率にとどまっている。現在の内閣の支持率は40パーセントにも満たない。
イタリアでは来年9月までに総選挙がある。この支持率では現政権が議会で議席を多数取れるかどうかはかなり疑問がある。メローニ首相は選挙法を変えることで、再び政権を取れるように必死なようだ。
極右政党「国民の未来」を立ち上げたヴァンナッチ氏がメディアで取り上げられ、その陰ですっかり存在感を失っていた「同盟」だが、代表のサルヴィーニ氏が最近再びメディアに出てきている。
というのも、先日ある人物が殺人罪で14年の刑を言い渡されたからだ。この人物は、ミラノの宝飾店主、マリオ・ロッジェロ氏である。ロッジェロ氏は自身の宝飾店が強盗に押し入られ、3人の強盗の内2人を殺害した罪で裁かれた。サルヴィーニ氏はロッジェロ氏は正当防衛で強盗を殺害し、14年の刑は不当だと言うのだ。さらに、ロッジェロ氏は72歳、14年の刑と言ったら、人生の最後を刑務所で過ごすことになる。そんなひどい刑があるのか。それがサルヴィーニ氏の意見だ。
人間味ある意見のように聞こえるが、ロッジェロ氏は強盗を店の外まで追いかけてピストルで撃っている。これは正当防衛とは言えない。確かに、ロッジェロ氏の店は何回も強盗が入っている。その怒りが、この事件を起こしたと言えるが、それでもって罪が消える訳ではない。ロッジェロ氏は昔自分の娘の元彼氏をピストルで脅したという事実もある。どうも存在感が薄くなってきた「同盟」のサルヴィーニ氏が話題作りをしているとしか受け取れない。
ロッジェロ氏の事件よりも、19日朝にボローニャで起こった警察官に取り押さえられた42歳の男性が死亡したという事件の方がかなり重要だと思う。男性は道路上でうつぶせにさせられ、警官二人が男性の上から動かないように押さえつけ、手錠をかけているビデオがニュース番組でも流された。何によって男性が死亡したのかは、まだ検死を待たないと分からないが、明らかに大きな体の警察官二人が体に乗って、頭も押さえつけてというのはやりすぎではないのかどうか。サルヴィーニ氏はこの事件の後、被害者の家に行っているが、そこで言った言葉は、「この家から麻薬の売人が出ていると言われている」であった。
亡くなった男性はモロッコ人だった。移民差別をするサルヴィーニ氏のこの言葉には唖然とする。
モロッコ人だろうが、何人だろうが、重大なことは警察官が取り押さえ中に人が亡くなったという事実だ。モロッコ人だから仕方ないのか、麻薬売人だから仕方ないのか。。。
こういう態度だから、支持率が低迷しているのだと思うが、そういう認識はないのだろう。ますます、市民から離れていく中道右派たちはどこに向かっていくのか。
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