2026年10月31日に期限を迎えたMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の任務更新も含め、文書S/2026/868として配布されたモロッコ国王とトランプ米大統領合作の西サハラ安保理決議草案は、賛成11票、棄権3票、ロシアの拒否権で、否決されました。 草案は、モロッコによる西サハラ自治権の承認とMINURSOの緩やかな解体と西サハラ国連人民投票の撤廃を明記していました。
�々駭∋�務総長がMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)を廃止: 国連安保理が<西サハラ問題とMINURSO>採決に失敗したのを受けて、2026年11月1日、グテーレス国連事務総長は事務総長報道を通し、MINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の廃止を以下のように報じた。 「西サハラ住民投票国連ミッション(MINURSO)の任務が更新されなかった。MINURSOミッションは西サハラの人々を保護し、奉仕するために、特に彼らが不可侵の自決権を行使できるように、設立された。任務を延長しないことは、これらの不可侵の権利を否定するものではなく、西サハラの人々の自決権を保障する公正で永続的かつ相互に受け入れ可能な政治的解決に向けて、当事者を支援し続けていく」と、言い訳をした。 そして、翌1月2日には国連定例記者会見で報道官が、「国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)の任期が安全保障理事会での決議案否決に伴い10月31日をもって失効したため、11月1日より「清算期間(撤退・資産整理フェーズ)」に入ったことが報告された。事務総長は当事者に対し、安全な撤退作業への協力を呼びかける」と、正式発表をしたそうだが、定例記者会見記録から、何故か、外されたままになっている。 モロッコ王室内閣は、「国連安全保障理事会がMINURSO(西サハラ人民投票監視団)の任務更新を否決したことで、王室内閣は、MINURSOの人員、車両、装備、シンボルを含む南部諸州(西サハラのモロッコ呼称)における活動を、数日のうちに終了する、、この問題を安保理の議題から削除し、関連する定期会合、報告、の終了を求め、国連の政治プロセスを停止する」と、宣言した。 ポリサリオ戦線は、「アフリカ最後の植民地・西サハラの脱植民地化に向け、公正かつ永続的な最終解決策を求める、国連事務総長および安全保障理事会に協力する」と、揺るぎない決意を改めて表明した。
�∪哨汽魯蕕両談任魑澆辰織蹈轡◆� 「ロシアはトランプ米大統領とモロッコ国王が仕組んだ安保理決議から、西サハラを救ってくれた。西サハラは決議案に反対したロシアに深く感謝の意を表し、中国、パキスタン、ソマリアの棄権も高く評価したい」と、西サハラ代表ポリサリオ戦線は、ロシアの拒否権行使を歓迎した。 11月2日、ロシア外務省は、「米国の決議案には紛争解決のための<単一の選択肢>を押し付けようとする条項が含まれており、西サハラの人々の自決権を奪うものだ」と、声明を発表した。 さらに声明は、「決議案の起草者たちは、モスクワは国連ミッションの任務変更に反対しないだろうと想定していた。なぜなら、ミッションの責任者アレキサンダー・イヴァンコがロシア人であるためモスクワは反対しないと高を括っていたからだ。」と、アメリカとモロッコの思惑をばらした。 声明は、「西サハラ問題の解決策として単一の選択肢を押し付けることは、国連憲章の原則と目的、とりわけ人民の自決権に反する。ロシアは外部から押し付けられたり最後通牒で押し付けられたりした解決策を拒否し、いかなる解決も関連する安全保障理事会決議に基づき、相互に受け入れ可能な合意に至る交渉を通じて策定されなければならない」と、強調した。 ロシア外務省は、「西サハラ問題の解決に向けた既存の枠組みを維持するなど、任務に一切変更を加えることなくMINURSOの任務を丸一年延長する代替決議案を提出した」と、明かした。同外務省は、「しかし、この草案は中国とソマリアのみの支持にとどまり、米国は拒否権を行使、残りの安保理メンバーは棄権したため、採択には至らなかった。」と、言及した。米露拒否権の応酬は10月30日に起こった。 ロシアは、長年にわたり地域の安定維持に貢献してきた西サハラにおける国連の駐留終結について、米国とその立場を支持した国々に全責任があると結論付けた
�9駭∩躄颪�11月10日に西サハラを巡る協議を開催: 11月3日、 元バングラデシュ外務大臣のハリール・ラフマン国連総会議長は、10月30日の安全保障理事会においてロシアと米国が拒否権を行使したことを受け、西サハラ情勢について協議するため、11月10日に本会議開催の書簡(11月2日付)を、すべての常駐代表とオブザーバーに送った。会議は午前10時にニューヨークの国連本部で、議題62「拒否権の行使」の題目で開催される。 今回の会合は、国連安全保障理事会における前例のない米露対立を受けて行われる。2022年4月に採択された国連総会決議76/262に基づき開催されるもので、同決議は、安全保障理事会の常任理事国が拒否権を行使した場合、総会は10営業日以内に会合を開くことを義務付けている。 一般に拒否権イニシアチブとして知られるこの解決策は、国連加盟国193カ国すべてに、拒否権行使の状況と影響について議論する機会を与える。 国連総会が西サハラ草案の拒否権問題をどう扱うのか?結果が待たれる。 MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)は国連PKOの管轄下にあり、国連PKOトップのジャン・ピエール・ラクロワ国連事務次長は、11月4日にMINURSO撤退計画に強い懸念を表明した。そして、関係者が即刻、和平解決に向け、直接交渉に入るべきだと主張した。 MINURSOの基地は、モロッコ側に5か所、西サハラ解放区側に5か所ある。約230人のPKO兵士が各国から派遣されている。現地で取材をしたMINURSOの兵員には、パキスタン、中国、バングラデシュ、などの出身兵が多かった。パキスタン軍のジャワド・アハメド少将は、MINURSO部隊司令官に任命されたばかりだ。司令官も兵士も文民も、こんな早く首になるとは思ってなかったに違いない。 11月5日の国連定例記者会見の終了間際に記者の一人が、スタファン・デ・ミストラ国連西サハラ事務総長個人特使の去就について質問した。ステファン・デ・ジャリク報道官は、「いえ、つまり、我々は、西サハラの人々が望むならば、彼らの自決権を認める相互に受け入れ可能な政治的解決策に到達するための各当事者の努力を支援することに引き続き尽力します。申し上げたように、次の事務総長が誰になるか全く分かりませんし、上級職員の人事についてもどのような決定が下されるかは分かりません」と、答えた。 一番予定が狂ったのは、米モロッコ安保理決議草案を国連安保理に提出した張本人たち、トランプ米大統領とモロッコ国王だ。10月31日に草案は安保理で採択されると、信じて疑わなかったモロッコ国王は、この日を“統一の日(西サハラがモロッコに帰属する日)”と名付け、祝宴と祝辞と花火を用意していたのです。
ステファン・デ・ジャリク国連事務総長報道官は、西サハラに関する報道を、何故か、極力避けてきました。 国連記者陣も、毎日勃発する悲惨な戦争に追われ、血生臭くない西サハラ紛争に興味を示さなくなっていました。 ここにきて米露の拒否権合戦が安保理と総会に火を付け、アメリカの<デモクラシー・ナオ>TVが特集で西サハラ紛争を取り上げ、狼火が広がってきました。 トランプと娘婿クシュナーの欲が絡んだアフリカ最後の植民地・西サハラにご注目ください。
「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー 定価:本体1,800円+税、 発行人:松田健二、 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―12―9、クランデイ―ルお茶の水201電話:03-3814-3861 同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 ―――――――――――――――――――― Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 「人民投票」日本語版 URL :
https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL:
https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:
https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL:
https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十2026年11月7日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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