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2014年04月23日23時52分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】原発立地自治体住民連合が政府に再質問状 広瀬隆
.原発立地自治体住民連合の再質問状を提出しました。7つの具体的な質問文を再提出。回答は4月30日(水)に。
─────────────── 原発再稼働に関する再質問主意書 ─────────────── 本年四月三日に提出した「原発再稼働に関する質問主意書」(第百八十六回国会質問第五九号。以下「質問主意書第五九号」という。)に対する四月十一日付けの答弁書(内閣参質一八六第五九号。以下「答弁書」という。)を受け取ったが、政府は質問主意書第五九号に対して、何も答弁していない。質問主意書の意味を全く理解しておらず、原子力発電について、理解する能力がないと疑わざるを得ないような答弁内容であった。全閣僚が、質問主意書第五九号及び今回の再質問主意書を精読することを、まず求めたい。 誰一人、原子力発電所(以下「原発」という。)の大事故を望んでいない。現在は再稼働に「賛同している」人たちが、再稼働に反対する理由として挙げ得るのが何かを考えると、「原発が大事故を起こして、現在・明日の生活が不能になる」ということである。 質問主意書第五九号及び今回の再質問主意書の目的は、原発立地自治体の全住民の意向を代弁し、原発の再稼働に「賛同する」、あるいは「反対する」、あるいは「判断を保留する」、といういずれの意見を持った住民にとっても共通の願いである「原発の百パーセント無事故の保証」を求めることである。 答弁書は、「安全性の向上に努める」、「取り組んでまいりたい」と述べているが、危険にさらされている原発立地自治体の全住民の意向を代弁した、基本的・具体的な質問に対し、原発再稼働に邁進する政府が努力目標の類の答弁を行うことは、深刻な問題である。答弁書の内容では、「日本政府は原発の危険性について何も知らない。国政を預かる政治家として失格である」と、全世界に公言したことになる。 質問主意書第五九号では、現在の技術で、原発の無事故を百パーセント保証できるか否かを、尋ねているのである。保証できない場合には、「保証できない」と答弁するべきであり、保証する場合には、「保証する」と答弁し、大事故時の最高責任者の責任の取り方について、明らかにするべきである。それが、政治家たるものの第一の務めであると考える。 安倍晋三首相は、「安全確保の一義的な責任は事業者が負うというのが世界共通の考え方であります」と国会で述べ、大事故時の住民の避難の可否についても、「地域の防災計画や避難計画は、(中略)県や市町村が作成を行うことになっております」としている。地震の活動期の真っ只中にある日本において、原発の再稼働によって大事故の起こる可能性が極めて高いことを知りながら、国民の生命と生活を守るべき政治家として、原発再稼働を進めることは、あまりにも恥ずかしい職務放棄であると考える。 右の点を踏まえ、以下再質問する。(7点)
一 答弁書の一についてでは、原子力規制委員会で「適合性が確認された原子力発電所については、その判断を尊重し再稼働を進める」としているが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は本年三月二十六日の会見で、「新しい規制基準、現行の規制基準に適合しているかどうかだけを判断しているのであって、絶対安全という意味で安全ということを言われるのでしたら、私どもは否定しています」と明言している。政府は、原発事故は百パーセント発生しないということを原発立地自治体の住民に保証するのか、それとも、原子力規制庁及び原子力規制委員会委員長のように保証できないまま原子力発電所を再稼働するつもりなのか。保証の可否を明確に示されたい。
二 答弁書の二についてでは、直下型地震発生時に耐えることのできるマグニチュードの最大値を「現時点で」答えられないとしているが、いつ、この数値を明らかにするのか。とりわけ再稼働候補のトップと報道されている鹿児島県の九州電力株式会社の川内原子力発電所(以下「川内原発」という。)について、いつ、この数値を明らかにするのか、日程を具体的に示されたい。
三 答弁書の三についてに関して、独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)は東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)が発生する前に、この原子炉のメルトダウン事故の解析を公開し、その解析で水素爆発を予測していなかった。したがって、原子力規制委員会は、答弁書にあるような、「専門的な知見に基づき中立公正な立場で厳格に」適合性を審査する能力を持たないと考える。審査結果について、第三者によるクロスチェックがないままの再稼働を絶対に認めることができない。私が求めた審査結果について必要不可欠なクロスチェックをする組織をいつまでに設立するのか、改めて政府の見解を明らかにされたい。
四 答弁書の四についてに関し、事業者が耐震安全性の「向上に努めるべきである」としているが、最大加速度四千二十二ガルに耐えられる原子力発電所を実現することは、努力して可能になることではない。我が国の原子力発電所で、最も高い基準地震動(耐震性)は柏崎刈羽原発の二千三百ガルである。この数値も、第一次安倍晋三内閣時代の二〇〇七年に、柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震に襲われた結果、わずか四百ガルから、科学的・技術的な根拠もなく二千三百ガルに引き上げた数値でしかない。加速度四千二十二ガルに耐えられる原発を実現することが、人類にとって全く不可能であることは、明らかである。加速度四千二十二ガルと二千三百ガルの、いずれが大きな数値であるか、見解を示されたい。 さらに、川内原発の火山対策については、「現時点で」答えられないとしているが、いつまでに明らかにするのか、日程を具体的に示されたい。
五 答弁書の五及び六についてでは、「最終処分場の確保に向けて取り組んでまいりたい」としているが、過去に長期間取り組んで実現しなかったことであるから、地元住民は、原発の再稼働「前」に最終処分場を確保することを求めているのである。いつまでに確保するのか、日程を明確に示されたい。
六 政府は、原子力発電所は「重要なベースロード電源である」と位置付けることを閣議決定したが、昨年からの日本全国における原発の稼働がゼロの状態で、何らエネルギー問題を起こしていない。また、政府は、火力発電の燃料費増加によって国富が海外に流出しているとしているが、私が、質問主意書第五九号で尋ねたことは、原発を稼働することによる国民の莫大な金銭的負担についてである。火力発電と原子力発電を比較して、国民にとっていずれが高額な負担となっているのか、政府の見解を示されたい。
七 答弁書の七についてでは、原子力規制委員会の「東京電力福島第一原子力発電所における自己分析に係る検討会」が事故原因の調査を実施しているとしているが、三月六日に衆議院第一議員会館で行われた原子力規制庁へのヒアリングで、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員であった田中三彦氏による「原子力規制庁が福島第一原発事故前と変わらぬ見当違いの調査しかしていないのはなぜか」との厳しい質問に、原子力規制庁はうろたえて何も答えられなかったことから、まともな調査・解析を何もしていないことが明白となった。福島第一原発事故の真因が明らかになっていない現時点でも原発の再稼働を進める計画なのか、それとも福島第一原発事故の真因が世界的に確認された後に、原発の再稼働計画に着手するのか政府の方針を明確に示されたい。 右質問する。
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