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2015年11月11日15時23分掲載
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イスラエル/パレスチナ
アムネスティが告発 イスラエル軍は被占領パレスチナ地域での民間人処刑を止めよ
国際人権団体アムネスティ国際ニュースは、東エルサレムを含むパレスティナ・ヨルダン川西岸地区を現地調査した結果、イスラエル軍は正当な理由もなく致死的な武器を使って、パレスチナ人を違法に殺害してきたことが分かった、と伝えた。「身の危険がないにもかかわらず、イスラエル軍がパレスチナ人に銃を向けて射殺するという事件が、少なくとも4件あった。これは超法規的処刑といえる」と述べている。(大野和興)
アムネスティ国際ニュースは次のように伝えている。
4件の中には、銃撃で倒れ込んだ被害者が血を流していても手当をせず、息が絶えるまで放置されるというケースもあった。これは、拷問その他の虐待を禁止する国際基準に違反する。
イスラエルと被占領西岸地区では、10月1日以来、パレスチナ人がイスラエルの市民、軍や警察関係者を刃物で襲撃する事件が立て続けに起こった。これに対して、イスラエル当局は、一連の事件は意図的にイスラエル人を狙ったものだと主張し、報復としてパレスチナ人30人余りを不当に殺害してきた。
10月26日の殺害は、特に冷酷だった。同日、ヘブロン旧市街で、サード・ムハンマド・ユーセフ・アル=アトラシュさん(19才)は、軍兵士の要求で渡したIDカードの返却を求めたところ、何の威嚇もしていないにもかかわらず、いきなり銃口を向けられ6、7発の実弾を受けて死亡した。
イスラエル警察は、この事件を「ナイフによる襲撃未遂」とした。しかし、この様子を自宅のベランダから目撃していた住民の話では、襲撃のような仕草はなかったと語る。
兵士たちは、銃弾を受けおびただしく出血していた被害者に、何の手当も施さず40分ほど放置した。それからナイフを取り出して、虫の息の彼の掌に置いたという。救急車に運び込んだのは、さらに20分ほど放置して息を引き取ったように見えてからだという。
また10月25日には、ダニア・ジハード・フセイン・エルシードさん(17才)が国境警察に射殺された。エルシードさんは、ヘブロンの検問所で呼び止められた。警察は、バッグの中を物色した上で、「ナイフを出せ」と怒鳴った。さらに、彼女の足元に数発発砲して威嚇し、両手を上げさせた。「ない」と叫んだが、警察は両手を上げたままの彼女に6、7回発砲した。
この数週間、イスラエルの軍と民間人は、襲撃を受けたりして、身の危険を感じてきた。
軍や警察の武力行使は、脅威のレベルに対し過度にならずに段階的に対応する義務、また致死的な武器を使用する前には、まず容疑者の身柄を拘束する義務がある。残念なことに、イスラエル当局は、イスラエル軍と警察がパレスチナ人を違法に殺害しても、罪を問われない環境を作ってきた。
アムネスティはイスラエル当局に対し、これらの事件の独立した捜査を求める。また、被占領パレスチナ地域でのパレスチナ人故殺は、すべての国家が普遍的管轄権を行使できる第4ジュネーブ条約の重大な違反である。
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