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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年09月07日20時52分掲載
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コラム
育毛剤の広告 いかに自己嫌悪を起こさせるかにしのぎを削り、努力しろ、闘えと説く だがその効果は?
電車には多くの薄毛の男性が乗っていて、彼らが目を留めるのが車内に吊られた雑誌広告。そこには薄毛がもてはやされる時代が来た、というようなことが書かれています。これは最近インターネットで見た育毛剤の動画広告の冒頭です。今まで不幸だった薄毛の人たちがついに解放される時代が来たか、と言えばその宣伝ではすぐに、そんな時代は永遠に来ない、と冷や水をかけるのです。だから、闘え、育毛剤を買って薄毛対策をせよ、という趣旨です。しかし、この宣伝を見てハッピーになった薄毛の人はいないでしょう。むしろ、嘲笑われている、と思うのではないでしょうか。もちろん、その育毛剤を購入して本当に薄毛がすっかり解消できたらよいのです。
薄毛の男性あるいは禿の男性にも様々な段階があり、そのような育毛剤が一概に本当に効果があるのかどうか。努力すれば救われる、とか、そんなはっきりとしたことが言えるのでしょうか。もし、本当に効果があるのなら、そんな宣伝よりも、薄毛の市民100人を無作為に選んで、体験してもらって実証してみるべきでしょう。育毛剤を製造している各社で100人に使ってもらってそれを日の下で比べれば、どの薬剤が効果があり、どの薬剤が効果がないかがわかるでしょう。そしてまた効果があるという場合、どのくらい効果があるのか、ということもポイントです。もし、本当に効果があるのなら、そんなドラマがかった宣伝を作らなくても、一般公開のもとでの実証によって最大の宣伝効果が得られるはずです。観客に努力せよ、というのでなく。
口臭とか、腋臭とか、足の裏の匂い、あるいは肥満、そして禿や薄毛といったものはそれらの嫌な面を宣伝でしっかりと描き、茶の間の視聴者を恐怖と嫌悪に駆り立て、その恐怖と嫌悪感によって薬剤やサービスを購入してもらおうというのが基本です。視聴する人にいかに恐怖を味わわさせるか、いかに屈辱を植え付けるか、コピーライターはそこでしのぎを削っているのです。宣伝費を払って枠を買っているのだから、どんな宣伝をしようと売れればよい、という姿勢が感じられるものも少なくないように思います。宣伝で恐怖を感じて買ったら、本当に効果があった、というのならハッピーエンドです。でも、茶の間で嫌な思いをさせられ、お金を払わされ、効果がなかったとしたら、それはまったく人を意気消沈させるものでしかありません。
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