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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年02月14日14時53分掲載
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テレビでの発言で「国際政治学者」三浦瑠麗氏はたんなるネトウヨだったことがばれてしまった
「国際政治学者」三浦瑠麗氏がテレビで行った差別発言が批判を浴びている。2月11日午前10時から11時15分の間、フジテレビ「ワイドショウ」で、三浦さんは「実際に戦争が始まって、金正恩さんが仮に殺されても、一切外部との連絡を絶って、都市で動き出すスリーパー・セルがいる。ソウルでも東京でも大阪でも。大阪がヤバイと今、いわれている」と発言した。北朝鮮問題を扱っていた番組で、金正恩の名前を具体的に上げ、都市で潜んでいたテロリストが一斉に動き出すというこの発言は、誰が聞いても在日コリアンをテロリストと名指ししたも同然で、関東大震災の時デマによって普通の市民により朝鮮人が大量虐殺された歴史を考えても、おだやかでない発言。「国際政治学者」という肩書で特定の民族へのリンチを扇動したものという批判がネット上や本人、三浦氏が所属する東京大学政策ビジョン研究センターに殺到したのもうなづける。(大野和興)
とりあえず番組の問題の個所を正確に紹介する。
三浦 実際に戦争が始まったら、テロリストが仮に金正恩さんが殺されても、スリーパーセルといわれて、もう指導者が死んだ、っていうのが分かったら、一切外部との連絡を絶って、都市で動き始める、スリーパーセルというのが活動される、活動すると言われている。 質問 普段眠っている、その暗殺部隊みたいのが・・・ 三浦 テロリスト分子がいるわけです。それがソウルでも、東京でも、勿論大阪でも。いま結構大阪がヤバいって言われていて。 質問 潜んでいるって事ですか? 三浦 潜んでます。というのは、あの、いざというときにその最後のバックアップですよ。そうしたら首都を攻撃するよりかは、正直他の大都市が狙われる可能性もあるので。東京じゃないからという風に安心はできない。
スリーパーセルとは一体何か。三浦氏自身が批判が巻き起こった後、自己弁護で書いた自身のブログで解説しているので、紹介する。
「安保専門家の間で危機感をもって語られるのがスリーパー・セルの存在です。スリーパー・セルとは、文字通り有事が起きるまでは眠っていて、相手国の民間社会に浸透して暮らしている敵性エージェントのことです。これらが、例えば、金正恩氏が殺されたとの報に接したならば、あらゆる外部との連絡を絶ってテロ行動を開始せよと指令されているということです。ターゲット候補となるのは、空港・駅・橋・港湾施設などの交通インフラ、発電所や変電所などの電力インフラ、通信施設やデータセンターなどの通信インフラでしょう。あるいは球場やコンサート場、東京銀座や大阪梅田や福岡天神などの日本を代表する繁華街となるでしょう。」(2018年2月18日山猫日記「朝鮮半島をめぐるグレートゲーム」)
「大阪がやばい」という番組での三浦氏の発言と重ねて読むと、大阪に多く住んでいる在日コリアンをテロリスト集団と名指ししていることはまちがいない。
ネットでは、三浦発言の根拠を問う質問、「恐怖を感じた」という市民の声が数多くアップされた。同時にテレビへの批判も多かった。例えば次のような声だ。
「三浦瑠麗は一線を越えたというより、全国ネットの民放テレビ局が一線を越えてしまった。これが許されるのならば、三浦のみならず他の右翼タレント文化人が、マイノリティを標的にしたヘイトスピーチを番組で公然と行うようになる」
三浦氏と同業の政治学者や国際関係論の研究者からの批判も数多く寄せられている。「学者・研究者を三浦氏と同水準とは見ないでほしい、研究者とはきちんと論証し、第1次資料に当たって裏を取って発表するもののことを言い、一緒にされてはたまらない」といった声がめだった。
先に紹介した三浦氏のブログ(2月12日山猫日記)が油を注いだ。そこでエビデンスとして出された資料がとんでもないしろものだったからだ
「下記(韓国の情報源に基づく英国の記事)では、北朝鮮から、ラジオを使って暗号が流されたことを報道しています。記事を通じて、スリーパー・セルの存在や、連絡手段のあり方が明らかになっている他、スリーパー・セルは、「各国にいる」とも表現されています。日本は、韓国に次いで北朝鮮にとっての重要な工作先ですから、日本にも存在すると想定することは当然でしょう。」
ここで三浦氏が自説の根拠として紹介している「英国の記事」とは、タブロイド新聞「The Daily Mail」である。同紙は英国では最も古いタブロイド紙だが、古いから信用できるとは限らない。CNN電子版は2017年2月10日、「 百科事典サイトのウィキペディアは10日までに、英大衆紙デイリー・メールの記事について『全般的に信頼できない』という判断から引用を禁止すると発表した。ウィキペディアがこうした措置を講じるのは異例。」という記事を掲載した。CNNは続いて次のように報じている。
「デイリー・メールの記事の信憑性を巡っては、ウィキペディアにボランティアで貢献する編集者の間で以前から活発な論議が交わされてきた。編集者らは8日、「事実関係のチェックの乏しさ、センセーショナリズム、完全なでっち上げ」というデイリー・メールの評判を根拠として、引用禁止の方針を決めたと説明した。 この判断に基づき、デイリー・メールや傘下のサイトに関して、ウィキペディアへの記事引用は全般的に禁止するとした。(中略) さらに、デイリー・メールを引用しようとすると警告が出る「編集フィルター」の導入も勧告。ウィキペディアに掲載済みの内容もチェックして、デイリー・メールの引用部分は削除や入れ替えを行うよう編集者に促した。」
この自己弁護によって三浦氏は自説を証明するための公表できる資料として、こともあろうにでっち上げで定評のある「The Daily Mail」しか提示できないことが判明してしまった。同ブログで三浦氏はこのタブロイド紙のほか自説を裏付ける根拠をなに一つ提示できず、「政治家や官僚との勉強会や、非公表と前提とする有識者との会合から得ている情報もあるので、すべての情報源を明らかにすることはできませんが、」と書くしかなかった。「国際政治学者」の肩書でマスメディアに出まくっている「学者」の正体は、出所不明の民族差別・人種差別を根拠なくふりまくネトウヨでしかなかったことを、自ら暴露してしまったのである。
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