欧州司法裁判所は3月7日、欧州食品安全機関(EFSA)はグリホサートの健康リスクに関する全ての文書を公開しなければならないと判決を下した。裁判所は、環境への化学物質の放出に関する情報への公衆のアクセスは企業の商業的利益の保護に優先することを明確にし、EFSAが開示しないことはEUの透明性原則に反するとした。この裁判は、欧州緑グループ・欧州自由連盟(Greens/EFA)所属の欧州議会議員が2017年5月に訴えていたもの。(有機農業ニュースクリップ)
この決定に対してGreens/EFAは7日、透明性に関する画期的な判決だとして「勝利」と歓迎する声明を出した。
グリーンピース欧州は7日、「判決は、EUの意思決定における透明性と説明責任への大きな一歩」であり「EFSAの使命は公衆衛生を守ることであり、グリホサート製造企業の商業的利益を保護することではないことを裁判所がクギを差した」とする声明を出した。
・General Court of the European Union, 2019-3-7 EFSA’s decisions refusing access to the toxicity andcarcinogenicitystudies on the active substance glyphosateare annulled https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2019-03/cp190025en.pdf
・Greens/EFA, 2019-3-7 ECJ ruling a victory in the fight for health, transparency and the environment https://www.greens-efa.eu/en/article/press/ecj-ruling-a-victory-in-the-fight-for-health-transparency-and-the-environment/
・Greenpeace Europe, 2019-3-7 EFSA must side with public, not commercial interests, says EU court https://www.greenpeace.org/eu-unit/issues/nature-food/1868/efsa-must-side-with-public-eu-court/
この判決は、EFSAに対して公衆衛生の観点から文書公開を強制するものであり、他の農薬や化学物質に対しても同様の強制力を持ちうる可能性があり、EUにおけるデータ公開が進む契機になるかもしれない。当然、EUで公開されているものが日本で公開されないのはありえないこととなり、日本の農薬行政や食品安全委員会の審査にも影響が出てくるのではないか。
※随時更新 ・ネオニコチノイド農薬関連年表 http://organic-newsclip.info/nouyaku/neonico-table.html ・ネオニコチノイド農薬データ http://organic-newsclip.info/nouyaku/neonico-data.html ・ネオニコチノイド農薬:各国の規制状況 http://organic-newsclip.info/nouyaku/regulation-neonico-table.html ・グリホサート関連年表 http://organic-newsclip.info/nouyaku/glyphosate-table.html ・NBT・新育種技術関連年表 http://organic-newsclip.info/NBT/NBT-table.html ・プラスチック汚染関連 http://organic-newsclip.info/plastic/plastic-table.html
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