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2025年10月06日16時41分掲載
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難民
入管庁に抗議声明 仮放免中のクルド人難民送還で支援団体が訴え
仮放免中だったトルコ国籍のクルド人難民Mさんがトルコに強制送還されたことを受け、Mさんを長年支援してきた「クルド人難民Mさんを支援する会」は、今月3日、送還を強行した出入国在留管理庁に対する抗議声明を公表した。
抗議声明の全文は以下を参照。(「クルド人難民Mさんを支援する会」のブログより)
【トルコ国籍クルド人難民Mさんの強制送還に対する抗議声明】
私たちが13年にわたって支援してきたトルコ国籍クルド人難民Mさんが、東京入管で仮放免延長手続きを行ったものの認められず、収容され、即日トルコに強制送還されました。 Mさんは1990年代後半にトルコから迫害を逃れて来日し、20年以上の長きにわたり日本で暮らし、一貫して日本政府に難民としての保護を求めていました。6回もの難民申請を行ったものの、全て不認定とされ、仮放免という不安定な生活が続いていました。また、近年は胆石症や狭心症などの重い病に苦しんでいました。 Mさんの苦境を案じ、1万人以上の市民のみなさんがMさんの在留特別許可を求める署名に賛同してくださいました。また、仮放免中のために健康保険を使えないMさんの胆石手術の費用などのために、116人の方から120万円を超す寄付が寄せられました。病院にも協力していただき、胆石症の手術は10月中旬に決まっていました。私たちはMさんを強制送還しないよう幾度も入管に求め、その取り組みは新聞でも報道され、大きな反響がありました。 しかし、多くの市民の願いはまったく顧みられず、同行していた家族や私たちは別れを告げることも、着替えや服用中の薬が入ったバッグすら渡すことも許されないまま、Mさんは強制送還されてしまったのです。 人権侵害というべき送還が行われたことに対し、出入国在留管理庁・法務省に強く抗議をします。
Mさんは1980年代にトルコ政府の「無人化政策」によって、住んでいた家に火を付けられ、村はブルドーザーで破壊され、故郷を奪われました。身の危険を感じたため、日本に逃れてきました。 私たちはMさんと長い時間をかけて交流しながら、トルコにおけるクルド人の抑圧の実態を知りました。クルドの方々が求めているのは差別や迫害の恐怖に怯えることなく安心して暮らし、子どもを育てたいという、ごく当たり前のささやかな願いであると理解しました。 Mさんと家族に安心して暮らしてもらいたいと願い、支援活動を続けてきました。病院への付き添いなど生活のサポートだけでなく、写真展や講演会を積極的に開催しました。クルド人の存在は日本でほとんど知られていなかったので、クルドの人々の状況や、日本に逃れてきた理由、何を求めて暮らしているかを知ってもらい理解を深めてもらうことが、在留資格を得る上で不可欠であると考えたからです。地道に発信し、少しずつ支援の輪が広がっていきました。
そもそも日本は国連の難民条約に加入しているため、難民が逃れてきた場合、保護する義務があります。しかし実際には「難民鎖国」と揶揄されるほど難民認定率が低く、2024年はわずか1.5%でした。ほとんどの人が難民として認められず、帰国を強いられています。 とりわけトルコ国籍のクルド難民は信じられない認定状況です。過去30年間で何千人ものクルド人が難民申請をしたにもかかわらず、認定されたのは2022年に札幌高裁が難民性を認め勝訴判決を受けて認定された1人だけです。 欧米諸国ではトルコでクルド人が迫害を受けていることは周知の事実であり、2024年における各国の難民認定率はカナダでは94%、米国87%(※2024年上半期)、オーストラリア81%、ドイツ11%となっています。日本で難民不認定となったクルド人が、他国では難民認定されたというケースがいくつも報告されています。 クルドの人々に問題があるのではなく、まず改めるべきは日本の難民認定の在り方だと、私たちは考えます。本来であれば、日本が難民として認定し在留資格を与えなくてはならない人たちが、日本政府がトルコ政府との友好関係の維持を優先し、トルコ政府が行うクルド人への人権侵害から目を背けて、難民として認めないことこそが根本的な問題なのです。
法務省・入管庁は、こういった偏った難民認定の状況を見直さないばかりか、2023年の入管法改悪によって難民申請が2回不認定になった人は、3回目以降の難民申請をしていても強制送還の対象になるという「送還停止効の例外」を導入しました。 それに加えて、在日クルド人に対するヘイトスピーチの問題も極めて深刻な状況です。 2023年の入管法案の国会審議中に、在日クルド人へのヘイトスピーチが突如始まり、SNSを中心に瞬く間に日本社会に広がりました。SNSにデマやフェイク情報が大量に流布され、これまでクルド人の存在を知らなかった人たちの中には、その偽情報を鵜呑みにして、クルド人にネガティブなイメージを持つ人もでてきて、排外主義者やレイシストたちがヘイトデモを繰り返しました。そして政党の「政策」に姿を変え、ついには入管庁による「ゼロプラン」という仮放免など正規の在留資格を持たない人たちの過酷な排除につながりました。
私たちは過去に何度も信じられないような収容や排除、強制送還を見てきました。人権を無視した送還最優先の方針は、やがて死亡事故を引き起こします。2010年に強制送還中に飛行機の中で亡くなったガーナ人男性のスラジュさんや、2021年に名古屋入管で適切な医療を受けられずに亡くなったスリランカ人女性ウィシュマさんの事件が証明しています。
難民性のある人を迫害のある国に送り返すことは、日本が加入する難民条約の大原則「ノンルフールマン原則」に反する行為です。入管庁は「日本のルールを守らない人たち」と言って、在留資格を持たない人たちの強制送還を繰り返していますが、日本政府や法務省・入管庁こそが難民条約という国際ルールを守るべきなのです。法務省・入管庁は今すぐ「ゼロプラン」の実施をやめ、送還ではなく在留特別許可を出すべきです。 また、誤った情報によって世論の形成や政策が決定されないために、ネット上のデマやヘイト投稿を規制する法律の整備が急務です。 Mさんは極めて不当なことにトルコに送還されてしまいました。しかし、中長期的な在留資格を持つMさんのお子さんたちは今も日本で暮らしています。 トルコにいるMさんの安否を確認するために支援者が連絡を取ったところ、トルコの空港でトルコの警察に拘束され、暴力的な取り調べを受けたとのことでした。胆石症が痛み「これ以上喋れない」と訴えたところ、解放されたそうです。しかし、過去には親族の家にMさんを捜索するために警察がやってきたこともあり「これからどうなるか分からない」と不安を募らせていました。胆石症は悪化し、食事をしても胃の痛みで戻してしまう状態が続いているそうです。日本に残された子どもたちを心配しており、「どうか子どもたちをよろしくお願いします」と、Mさんは切に願っていました。 Mさんの胆石症などの手術や、お子さんの日本語学校の学費のために、多くの方からご寄付を頂きました。寄付をして下さった方のお気持ちに沿うように、トルコでMさんが胆石症の手術を受けられるのかを調べて、その手術代に充てさせて頂こうと思います。また、Mさんの長男の日本語学校の学費や今後の学業のために充てさせていただきます。 なお、Mさんが安全に暮らせるようにと考え、送還の状況などを詳細に書くことは控えました。何卒ご理解ください。
私たちはこれからもMさん家族が安心して暮らせるよう、支援を続けていきます。みなさまにもMさん家族を引き続き見守っていただけると、ありがたく存じます。
2025年10月3日
クルド人難民Mさんを支援する会 一同
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