土地規制法の改正法案が国会に提出されました。土地規制法廃止アクション事務局、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、土地規制法を廃止にする全国自治体議員団など三団体は10月30日.この改正法案に対して反対する声明を発表しましたのでここに共有いたします。
3団体は自民党の改正提言と内閣官房検討会の改正提言の内容から、改正案が現行の法律を遥かに超える危険なものになると想定し「3団体からの意見」をすでに公表しました。
現実に国会に提出された改正法案は2つの提言を丸呑みしたうえで、提言以上の警察権限の強化に踏み込むなどさらに危険なものになっています。
声明文の拡散に協力してください。そして様々な場面で改正案に反対の声を上げていただくようお願いします。
声明文はテキストに貼り付けるとともに、添付PDF及び廃止アクション事務局のWEBサイトで確認できるようにいたしました。改正法案本文とその解説はデータが大きいのでギガファイルでダウンロードできるようにしました。
■土地規制法廃止アクション事務局WEBサイトから 土地規制法「改正」法案の即時撤回を求める声明
https://juyotochi-haian.org/2026/10/30/seimei_20261030/
■土地規制法改正案とその概要 容量が大きいので以下のギガファイルからダウンロードしてください。
https://105.gigafile.nu/1229-968eace558c1512fca6e3a69102dbf2d
======================================= 土地規制法「改正」法案の即時撤回を求める声明
政府は10月23日、重要土地等調査法(土地規制法)の「改正」法案を閣議決定し、国会に提出した。今臨時国会での成立をめざすという。「改正」法案は「規制区域」を新たに設定し、土地取引そのものを許可制にし、規制に実効を持たせるためとして令状なしに警察の立入調査を認めるものである。外国による安全保障上の脅威への対処を「改正」の理由に掲げるが、規制・監視の対象は全国民に及ぶ。財産権他憲法に定める基本的人権の明らかな侵害であり、土地取引に絡めたスパイ防止法及び外国代理人登録法の先取りに他ならない。私たちは、以下の理由により、この改正法案に反対し、即時撤回を求める。
1 立法事実は存在しない 改正法案の眼目は、新たに「規制区域」を設け、「規制区域」内の土地・建物(土地等)の譲渡を許可制とし、安全保障上の懸念がある場合は不許可とすることにある。しかし、その立法事実はない。 土地規制法の制定後、全国586か所(特別注視区域150、注視区域436)が、防衛関係施設周辺でも512か所が区域指定されながら、機能阻害行為に該当する行為は、外国人・日本人を問わず1件も確認されていないのであり、規制を強化すべき立法事実はない。 政府はウクライナのドローン攻撃を例に持ち出すが、日本の防衛施設がドローンで攻撃された事実はない。また、ドローン攻撃の脅威を持ち出すのであれば、施設周辺1�劼竜�制は無意味である。さらに、ドローン規制法(小型無人機飛行禁止法)が改悪され、イエローゾーンが施設周辺300mから1�劼帽�がり、土地規制法と重なった。イエローゾーン内では、警察官(自衛隊施設周辺では自衛隊員)が、ただちに飛行妨害等の措置をとることができるようになっているのであり、ドローンを理由に「規制区域」を設定する合理性はない。 無人の国境離島には目が届かないということも理由にならない。政府は航空写真のわずかな変化をAIも駆使して発見し、利用状況確認を行っている。国境離島機能を阻害する行為は 大規模な工事を伴うものであり、また、特別注視区域に指定された無人の国境離島は29島にすぎないのであって、目が届かないという説明は成り立たない。 さらに、「将来利用されるリスク」を立法事実に位置付けるという法改正の前提は、決定的に危険である。起こるかどうかわからないことを立法事実にできれば、いかなる法律も作ることができてしまう。現行法の制定時、政府は北海道や対馬での外国資本による取得を立法事実に挙げたが、国会審議で事実がないことが明らかになった。現行法の成立時からある無茶を、改正法案はさらに重ねようとしている。
2 「規制区域」の基準は不明確で、運用は恣意的となる 「規制区域」指定の対象が「発見困難方法」による「回復困難」な機能阻害行為に用いられる「特別特定重要施設」の周辺という定義だけでは、何が対象になるのかわからない。法案概要は特別特定重要施設の例として「戦闘機やレーダーなど精密な装備品がある防衛関係施設」を挙げるが、法律には明記せず、基本方針等でどうとでもすることができる。厚木飛行場は本来なら特別注視区域とすべきところ、経済的社会的観点から注視区域にとどめられているが、発見困難方法での攻撃のおそれは全くないというのであろうか。恣意的運用は改められていない。土地等利用状況審議会はこれまで政府案をほとんど議論せずに承認しており、「規制区域」指定にあたって意見を聴くとしても歯止めにならない。
3 財産権を侵害する 土地の取引は本来自由であり、制限には明確な理由が必要である。農地法は目的も譲受人の要件も明確だが、改正法案は「規制区域」の面積要件もなくし、すべての所有権移転を許可制にするのに、当局が「おそれがある」と判断するだけで、不許可となる。そして無許可の譲渡は無効とし、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を科す。不許可に対する不服申立ての手続きも、不許可が取消しとなった場合の補償もない。法人の支配者が変更して不許可要件に該当するとされると国が譲渡命令を行い、あるいは競売申立てができるとするが、その処分が違法となった場合の手当てもない。さらには、譲渡命令での譲受人や、強制競売の競落人も許可を受けなければならないことになる。売買制度や競売制度の根幹を揺るがすものであるが、何の議論もされていない。 さらに、所有権の移転でなくても、賃借などの使用収益権の設定には事後届出が義務づけられ、違反には6 ヶ月月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。相続や遺贈による取得も調査の対象とされる。区域外の親族が相続しただけで調べられるということである。そして機能阻害行為に用いられるおそれがあれば利用禁止を命じられ、違反には2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。
4 立入調査は憲法35条に違反する 具体的な嫌疑もなく、令状もなく、当局の判断だけで調査のために土地・建物に立ち入ることができる。個人の住居への立入りは承諾が必要とされるが、緊急時は不要とされ、拒否や虚偽答弁には30万円以下の罰金が科される。機能阻害行為の内容自体が不明確なまま、当局が「何かあるかもしれない」と考えて立ち入り、恣意的に判断する。犯罪捜査ではないから従えという理屈は通らない。
5 警察権限の拡大 警察が区域内の調査、立入り、質問を行い、利用禁止の命令を内閣総理大臣に意見具申できる。警察法も改正され、作用法の裏付けなしに組織法だけで警察の権限が拡大する。政府はこれまで、警察を現地調査の協力機関にはしないと明言していた。方針の転換である。警備公安警察が日常的に国民・住民を監視することを公認するものである。
6 スパイ防止法・外国代理人登録法の先取り 不許可の対象類型は、外国政府等の関係者、外国軍隊の従事者、外国政府等との契約や法令により軍事・情報活動への協力義務を負う者である。中国の国家情報法・国防動員法・対外関係法により協力義務を課された中国人は、すべて不許可となる。反中・嫌中を煽るものである。 他方、同盟国や「同志国」には「特別の事情」で許可できるとされ、基準も例外も明示されない。 イギリスの法制は、対象を国家安全保障に関係する犯罪等の関係者としているが、改正法はこの程度の明示すらない。恣意的運用を避ける気はないとしか読めない。 そして、誰が買おうとしているかは申請の時までわからない。申請時に速やかに可否を決するには事前の調査が不可欠であり、その調査は家族関係、経歴、職歴、交友関係、思想信条に及ばざるを得ない。取引は区域外の居住者も、国外の者も行う。したがって、調査対象は全国民、全世界に広がる。これはスパイ防止法の先取りであり、外国代理人登録法の先取りでもある。
7 私たちの要求 そもそも土地規制法は、基地周辺の住民を監視し、反対する者を「機能阻害行為をするおそれのある者」として委縮させ、分断し、排除するための法律である。改正法案は、それをさらに推し進める。憲法前文と9条の精神に反し、13 条(生命、自由及び幸福追求の権利)、14 条(法の下に平等)、19 条(思想、良心の自由)、21 条(表現の自由)、29 条(財産権)、31 条(罪刑法定主義、手続きの適正)、35条(住の不可侵、捜査・押収の令状主義)に明確に違反する。
私たちは、改正法案の即時撤回を求める。立法事実のない法律によって、人々の自由と権利が犠牲にされることは許されない。国会は国民の意見を聴き、審議を尽くし、廃案にすべきである。私たちは、スパイ防止法反対の運動とも合流し、地域から、職場から、この改悪法案の阻止のために行動する。
2026年10月30日 土地規制法廃止アクション事務局 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック 土地規制法を廃止にする全国自治体議員団
土地規制法廃止アクション事務局Webサイト
http://juyotochi-haian.org/
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