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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2014年03月13日21時36分掲載
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文化
ドイツの才気ある女性芸術家・イラストレーターが集結「SPRING誌」 2004年から自 前で刊行
ドイツ人の女性の芸術家やイラストレーターが集まって、漫画やイラストなどを中心にした個性的なビジュアル誌を毎年刊行している。媒体の名前はSPRING。今こそ女性の芸術パワーを示そうと2004年にハンブルクで最初の号が自主制作的に生まれ、今日まで参加アーチストたちが広告を取り、自前で定期的に発行を続けている。そして3月の現在、新刊の準備中だ。
参加アーチストには国際的に活躍しているアーチストが多い。これまで総勢20人以上のドイツ人女性がSPRING誌に作品を寄稿した。ベルリンで活躍中のソフィア・マルチネック(Sophia Martineck)氏、ニューヨークで活躍中のノーラ・クリューク(Nora Krug)氏、ハンブルクに在住のラリッサ・ベルトナスコ(Larissa Bertonasco)氏など。
参加アーチストの一人、ソフィア・マルチネック氏は1981年に東独の小さな村に生まれ、その後、ベルリン、ニューヨーク、英国のリバプールと世界各地でイラストを学んだ。筆者が彼女の作品に偶然出会ったのはパリのドイツ専門書店Buchladenにおいてだった。英国の女性作家キャサリン・マンスフィールドの短編「蝿」にイラストをつけた作品「Die Fliege」(蝿)や、少し不気味なタッチの殺人事件を描いたオリジナルの作品「Huhner, Porno, Schlagerei」(鶏、ポルノ、喧嘩〜ドイツのある村の物語〜)など味わい深い世界を創造していた。この時筆者はSPRING誌のことは知らなかった。ドイツ人の名物女性書店主がしきりに勧めてくれたのがソフィア・マルチネック氏の本だったのである。
一方、ラリッサ・ベルトナスコ氏は1972年にドイツ南部のハイルブロンに生まれた。イタリア人の祖母がいたこともあって、イタリアのシエナに留学してイタリア語と芸術を学び、帰国後、ドイツ北部の港湾都市ハンブルクでデザインなどを学んだ。 イタリア滞在中にイタリア人の祖母から料理を学んだ経験を後に1冊の本にまとめた。この"La nonna La cucina La vita"(おばぁちゃん、料理、生活)は人気を呼び、今日12版まで出ているという。またベルトナスコ氏は精力的に子供向けの芸術ワークショップも開いているようだ。現在もハンブルク在住、SPRING誌の編集では中心人物の一人。
ノーラ・クリューク氏は日刊ベリタに文や写真を寄稿してくださっているイラストレーター。ドイツ出身だが現在はニューヨークのブルックリン在住。ニューヨークタイムズやルモンドディプロマティークなどの欧米の著名な媒体に作品を寄稿している。またニューヨークの芸術カレッジでイラストレーションの講師もしている。ドイツ出身ということでクリューク氏も以前SPRING誌に寄稿した経験がある。クリューク氏はこれらドイツ人の女性アーチストと友人で、SPRING誌の存在を教えてくださったのもノーラ・クリューク氏である。こうしてみると、芸術力だけでなく、ドイツ女性のパワーと行動力、組織力に目を見開かされる。
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転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
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SPRING誌(第6号)
SPRING誌に参加したドイツ人の女性アーチストたち。毎年、参加者を集めてこのような記念写真を撮影している。(写真:© Manfred Bogner)
ソフィア・マルチネック氏がイラストを描いた「蝿」
参加アーチストの一人で編集者のラリッサ・ベルトナスコ氏(写真:© Christian Rating)
ノーラ・クリューク氏の本
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