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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年11月27日14時54分掲載
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農と食
【小さい直売所から】� ,海鵑頁清箸發△蠅泙�
この春、小さい小さい野菜直売所を作りました。名前は「秩父特別支援学校朝どり野菜直売所」。埼玉県北西部の秩父市にある県立の学校です。小高い山の上にあり、小学生から高等部まで約100人の障害を持つ子どもたちが学んでいます。高校1年から3年の9人の生徒で農業グループが編成され、週2日農業実習に励んでいます。(西沢江美子)
◆個性豊かな子どもたち
9人の生徒たちは実に個性的です。自分の意志通りに歩くことが困難な少年、素手で自分以外のものに触れられない子、他人がそばに寄ることを極端に嫌う生徒、ぶつぶつ一人で話している哲学者風の子…。そして、農業を通して、生徒たちの自分なりの動きを大切にしている一人の教師がいます。
畑を耕し、種をまき、草を取り、イモを掘り、いくつもの農作業をしていく中で、大きな変化が子どもたちに生まれました。自分の意志で動けなかった肥満の子が、サツマイモを一輪車でよろよろしながらも運ぶようになりました。人がそばによることを嫌がっていた少年がいつの間にか隣に並んで草を取っています。ほとんどの子が手が汚れることを嫌って軍手をしていたのですが、その軍手をはずし、大根の間引きをしていました。
◆とれたものはみんな売る
生産したものを確実に消費して農業は完結します。そこで、野菜ができ始めた6月に、畑の端に運搬用コンテナ四個を積んで直売所を作りました。かつては純農村だった高台は、移り住んできた人もあって住宅が増えていますが、その人たちも高齢化し、買い物難民の地域になっています。突然のようにできた「朝どり百円直売所」は、思った以上に順調に動いています。毎朝7時に筆者夫婦と一人の教師の三人で野菜を取り袋に入れ並べます。キュウリ、トマト、レタス、ナス、スイカなど春夏野菜が終わり、カボチャ、オクラ、サツマイモと続き、いまは白菜、キャベツ、水菜、サニーレタス、ブロッコリー、大根が並んでいます。一人の生徒が早起きして時々参加し、記帳を引き受けています。
並べ終わるころ、ある人は痛む足を引きずりながら、ある人はお化粧をして元気に、散歩友達を連れ立ってくる二人連れもいます。みんな一人暮らしの高齢者です。百円玉を小さな箱に入れ、一袋か二袋を買う。いつか直売所は朝夕の寄り合い場所になっていました。メニューの交換、健康情報、野菜を作る子どもたちのことから福祉のことまで話は広がります。ご多分に漏れずここも古い共同体意識は消え、住民どうしがばらばらになっています。今、小さな直売所を中心に新しいつながりが生まれつつあるのです。
もう一つどうしても報告したいことがあります。丸まったキュウリの話です。「ここのキュウリは柔らかくておいしい」と口コミで広がり、よく売れました。キュウリの中には細い物、丸まったもの、ひねこびたものもあります。それも捨てずにとったものはすべて袋に入れ並べました。どれも個性豊かな子どもたちが作ったものだからです。やがてつるが枯れ、最後の収穫を迎える頃、実をつけたキュウリはすべて小さく、細かったり太っていたり、丸まっていたり。それも全部並べました。そしたら、「丸まったところがおいしい」と食べ方に花が咲き、「こんなのスーパーでは売ってないものね」。いつか「丸キュウリ」という名前までつき、連日売り切れました。商品になるキュウリと捨てられるキュウリ、そんな区分けを吹き飛ばしてしまったのです。
◆カット野菜と丸キュウリ
学校と畑のある山を下りて15分ほど歩くとスーパーがあります。そこの人気商品はカット野菜。「500円で手をかけずに数種類の野菜が食べられる」「それにあれこれ考えなくてすむし」。農山村地帯の秩父の台所にも、カット野菜はしっかり入っているのです。
関東地方にはたくさんの野菜産地があります。その周辺にはかつては漬物工場がありました。今それはカット野菜工場に変わっています。そこでは地元のパートさんと並んで外国人労働者が働いています。
カット野菜は一工程ごとに洗浄・滅菌され、 “清潔”な野菜に生まれ変わります。子どもたちと働いた畑で「丸キュウリ」をとり、袋に入れて並べながら、スーパーに並ぶカット野菜ことを思いました。どちらが本当に野菜なのだろうか、と。(西沢江美子)
写真1:農作業する子どもたち 写真2:小さな直売所 写真3:丸いキュウリ
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転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
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苗を植える
秋野菜がそろった直売所
曲がったキュウリも食べてもらう


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