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2025年06月30日11時52分掲載
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難民
見えない迫害、日本で生きるクルド人たち
6月20日の「世界難民の日」に合わせて、クルド人支援団体「クルド人難民Mさんを支援する会」などは、6月14日に東京・神保町で講演会「トルコにおけるクルド人の迫害」を開催。その後、16日から22日にかけて、神保町の「日本教育会館一ツ橋画廊」で、クルド難民に焦点を当てた写真展「日本とトルコ クルド難民の今」が開かれた。
国を持たない最大の民族とされるクルド人は、トルコ国内で長年にわたり差別や迫害を受けてきた。トルコ政府の弾圧を逃れ、周辺国に避難したクルド人の多くは、各地で難民として生活している。日本でも埼玉県の川口市や蕨市には、トルコから避難してきたクルド人のコミュニティが形成され、現在は約2,000人が暮らしているとされる。
しかし、2023年に入管法改正の議論が始まると、埼玉県内で暮らす在日クルド人の存在に注目が集まった。これに伴い、SNS上では「偽装難民」などとするレッテル貼りやヘイトスピーチが拡散。クルド人を標的とした差別的な言動は、現在、深刻な社会問題となっている。
こうした中、日本政府は「不法滞在者ゼロプラン」を打ち出し、「ルールを守らない外国人によって国民の安全・安心が脅かされている」として、不法滞在者の排除を目指すと発表した。だが、この方針により、本来保護されるべき難民が国外退去の対象になる恐れもあり、難民支援に取り組むNPO法人などは声明や意見書を発出し、計画の再考を訴えている。
写真展では、トルコ国内でクルド人の抗議デモが警察当局から弾圧を受ける様子(撮影:鈴木雄介氏)や、トルコの治安部隊による爆撃から逃れるクルド住民の姿(撮影:レフィク・テキン氏)を捉えた写真などが展示された。トルコでの暴力と迫害の実態は、日本で心ない人々からヘイトスピーチを浴びせられる在日クルド人の現状と重なる。
14日の講演会では、クルド人難民支援に長年携わってきた「クルド難民弁護団」事務局長の大橋毅弁護士が登壇。かつて日本で暮らしていたクルド人がトルコへ帰国後に拘束・実刑を受けた事例を紹介し、「欧米の多くの国では迫害と認められるケースでも、日本では難民と認定されない。政府は『トルコのテロ対策であり迫害ではない』と説明するが、本国へ帰国したら拘束される危険性がある人も中にはいる。だからこそ、この現状をなんとかしなければならない」とし、日本の難民認定制度の問題を指摘した。
また、「クルド人難民Mさんを支援する会」事務局の周香織さんは、日本政府とトルコ政府の関係性について言及。「トルコは親日国であるため、日本政府はトルコ政府との友好関係に配慮し、トルコ国籍のクルド人を難民として認めようとしない。クルド人を難民として認めると、トルコ政府がクルド人に行っている行為が、テロ対策ではなく人権侵害だと認めることになる。日本政府は、クルド人の人権を守ることよりも、友好国であるトルコとの関係維持を優先している」と批判した。
さらに周さんは、在日クルド人に対するヘイトが拡大する背景には、入管法改定、保守系メディア・政党、排外主義を掲げる団体やネット右翼、収益目的のYouTuberなどの影響があると指摘。そのうえで、ヘイトに対抗する手段として「カウンターアクション」や裁判の活用に加え、川口市や蕨市での罰則付きヘイトスピーチ禁止条例の制定、インターネット上の差別発言への規制、そして包括的な差別撤廃法の制定など、具体的な法整備の必要性を強調した。
一方、入管法をめぐっては、今国会の会期末に立憲民主党など3会派が、入管法の一部改正を求める議員立法を参議院に提出するという動きもあった。同会派は「(2023年の入管法改定は)日本の難民認定率が国際的にみて極端に低い水準にとどまっている要因である認定基準・認定手続の課題を放置したまま、難民認定申請による『送還停止効』の範囲を狭めるもの」であり、「難民として保護されるべき人が迫害のおそれがある出身国に送還されうる事態となっている」と指摘する。
議員立法提出の動きについて、周さんは「改悪された入管法の特に悪い部分を、正しい方向に修正する案が出されたことは、私たち支援者にとって喜ばしい出来事であり、私たち市民による運動にも良い影響を与えることになるだろう」と評価する。来月に参院選を控える中、こうした取り組みの広がりが、日本における“真の共生社会”の実現へと繋がっていくことが期待される。
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写真展「日本とトルコ クルド難民の今」


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