日本は年間500万トン以上の小麦を輸入してる。この輸入小麦について、農水省は残留農薬を検査しているが、このほど2018年度の船積時検査結果が公表された。このところ注目されているグリホサートについては、カナダ産の検出率は相変わらず100%をキープしている。(有機農業ニュースクリップ)
米国産は前年より少し上がって98%から検出され、輸入量第3位のオーストラリア産は、前年の16.2%から約3倍の45.5%に急増している。一方、フランス産は前年は13.3%から検出されていたが、昨年度は検出されなかったとしている。この公表データは、具体的な検出値を明らかにしていない。
【産地国別残留グリホサート検出率】 ---------------------------------------------------------- 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 ---------------------------------------------------------- 米国 88.3% 94.3% 93.1% 96.2% 97.1% 98.0% カナダ 97.1% 97.4% 98.8% 100.0% 100.0% 100.0% 豪州 19.1% 19.5% 16.7% 14.3% 16.2% 45.5% フランス 12.5% 40.0% 35.3% 13.3% 13.3% 0.0% ---------------------------------------------------------- ・農水省 米麦の残留農薬等の調査結果 http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_beibaku/index.html
※グラフ import_wheat_glyphosate_2012-2018.jpg http://organic-newsclip.info/img/import_wheat_glyphosate_2012-2018.jpg
輸入小麦の残留グリホサートは、収穫を容易にするために散布されるプレハーベストのグリホサートが原因だといわれている。フランス産から検出がなかったのは、フランスにおける政府上げての脱グリホサートの影響があるのかもしれない。
日本は2017年12月、小麦の残留基準値をそれまでの5ppmから30ppmへと大幅に緩和したが、検出されたグリホサートのレベルは明らかではない。いずれも「定量限界未満の点数」と「基準値以下の点数」しか明らかにしていないため、この大幅な基準値の緩和が実態と比べてどうであったかの検証はできない。
【関連記事】 ・市販食パンから残留グリホサートを検出 国産小麦原料では不検出 農民連食品分析センターが調査 http://organic-newsclip.info/log/2019/19040977-1.html
・輸入米麦の残留農薬 北米産小麦のほとんどからグリホサート検出 http://organic-newsclip.info/log/2018/18100971-1.html
・厚労省:グリホサートの残留基準値を大幅緩和を告示 http://organic-newsclip.info/log/2017/17120875-2.html
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