|
|
|
・団体購読のご案内 ・「編集委員会会員」を募集 橋本勝21世紀風刺絵日記
リンク記事 記事スタイル ・コラム ・みる・よむ・きく ・インタビュー ・解説 ・こぼれ話 特集 ![]() ・国際 ・欧州 ・政治 ・反戦・平和 ・入管 ・市民活動 ・環境 ・イスラエル/パレスチナ ・みる・よむ・きく ・核・原子力 ・憲法 ・人権/反差別/司法 ・アジア ・難民 ・スポーツ ・医療/健康 ・科学 提携・契約メディア ・AIニュース ・司法 ![]() ![]() ・マニラ新聞 ![]() ・TUP速報 ![]() ![]() ![]() ・じゃかるた新聞 ・Agence Global ・Japan Focus ![]() ・Foreign Policy In Focus ・星日報 Time Line ・2026年11月08日 ・2026年11月07日 ・2026年11月05日 ・2026年11月03日 ・2026年11月02日 ・2026年11月01日 ・2026年10月31日 ・2026年10月30日 ・2026年10月29日 ・2026年10月27日 |
記者永井浩みる・よむ・きく 西方ちひろ『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』 アジアの隣人が問う、民主主義とは何か
ミャンマーで社会開発に取り組んでいた著者は、2021年2月1日早朝「スーチーさんが捕まった」という友人のスマホの連絡で目を覚まされた。国軍がクーデターで、民主化指導者アウンサンスーチーの率いる国民民主連盟(NLD)から政権を奪取したという。広範な市民が民主主義の回復をめざす「不服従運動」を展開するが、国軍の残虐な武力弾圧に追い詰められ、若者たちは軍政打倒のため武装組織を立ち上げていく。その苦渋の決断に至るミャンマーの友人、知人たちの声を拾い上げ、日本に発信した記録が本書である。(永井浩)(2025/10/05)
反戦・平和 戦後80年の日本・「新しい戦前」か「すでに戦中か」(下) 「9条は守るより実践すべきだ」 日本が平和主義を捨て軍事大国化をめざそうとする歴史的岐路に立つ現在、私たち一人ひとりが旧い戦前のときのように時代の空気にのみこまれず、賢明な選択をするためには何が可能だろうか。対テロ戦争への「国際貢献」に警鐘を鳴らした二人の日本人の声にあらためて耳を傾けてみたい。自民党の重鎮、後藤田正晴とNGO「ペシャワール会」のアフガニスタン現地代表の医師、中村哲である。(永井浩)(2025/08/23) 反戦・平和 戦後80年の日本・「新しい戦前」か「「すでに戦中」か(中) 「国際貢献」と「テロリスト」の実像 国際法を無視した米国のイラク侵攻を支持し、人道復興支援と称して日本が2004年に派遣した自衛隊の「国際貢献」を、イラクはじめ中東の人びとがどのように受け止めているかは日本のメディアではほとんど報じられなかった。だが日刊ベリタは、アルジャジーラだけでなくさまざまなアラビア語メディアの情報を次々に伝えた。(永井浩)(2025/08/18) 反戦・平和 戦後80年の日本・「新しい戦前」か「すでに戦中」か(上) 「戦争が廊下の奥に立ってゐた」 戦後80年が近づくにつれ、「新しい戦前」への不安が高まってきた。不安をかきたてる新たなきっかけとなったのは、ウクライナ戦争に便乗した岸田政権の大軍拡政策である。また、日本は「すでに戦中」に入っているとの見方もある。どちらが正しいかはさておき、「平和国家」が歴史的分岐点に立たされていることは間違いない。私たちの現在地を確認してみたい。(永井浩)(2025/08/15) 国際 タイ・カンボジア国境戦争と大東亜共栄圏 戦後80年、日本の負の過去を考える タイとカンボジアが7月末から国境地域で戦火を交え、両国の市民、兵士が死傷し、多数の避難民が発生した。両国とも戦争拡大は望まず停戦に合意したが、国境戦争は今回が初めてではない。フランスの植民地支配に起因する国境問題をめぐって衝突を繰り返してきた。また日本もこの仏領インドシナ(仏印)に軍事介入した過去がある。戦後80年のいま、日本のアジア侵略戦争の一コマも忘れないようにしたい。(永井浩)(2025/08/13) アジア ミャンマー大地震 「3・11」被災地支援のミャンマー人の心の灯をどう受け継ぐか ミャンマーの大地震は、2011年の「3・11」東日本大震災で被災地支援に立ち上がった在日ミャンマー人たちの活動を思い出させてくれた。民主化運動の指導者アウンサンスーチーは「日本のみなさまへ」と題する励ましの一文を毎日新聞に寄せた。そのこころ優しい人びとの母国が今、逆の立場に置かれている。しかも全土で軍政打倒をめざす民主派・少数民族組織と国軍の内戦が激化している。私たちにどのような恩返しができるだろうか。(永井浩)(2025/03/30) 反戦・平和 「言論・表現の自由」を敵対視する石破新首相 特定秘密保護法案反対は「テロ行為」、自衛隊のイラク活動取材に自粛要請 石破新首相の政策について、私はくわしいことは知らない。ただ、これまでの彼の言動で二つ、記憶に残っていることがある。2013年に安倍政権が成立を急ぐ特定秘密保護法案に反対する国会周辺の街頭行動を、自民党幹事長の石破は「テロ行為」と批判した。2004年にイラクに自衛隊を派遣した小泉政権の防衛庁長官だった石破は、報道機関に現地取材の自粛を要請した。憲法で保障された「言論・表現の自由」を敵対視する政治家であることは間違いない。(永井浩)(2024/10/02) アジア 日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長死去 国軍支持で叙勲、民主派は抗議 日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長が7月31日、千葉県内の病院で死去した。90歳だった。中曽根内閣の官房副長官、郵政相などを歴任後、2012年に同協会を設立、国軍との人脈を通じて民政移管後のミャンマーへの日本企業の進出に辣腕を振るった。2021年のクーデター後も一貫してミンアウンフライン総司令官を支持、昨年2月には、同国の発展と平和に貢献したとして司令官から叙勲された。日本政府の「独自パイプ」ともみなされ、その事実を報じた日刊ベリタに「事実無根」と謝罪を要求してきた。また民主化運動を支援する在日ミャンマー人らは同氏と国軍との「共犯」に抗議行動を行ってきた。(永井浩)(2024/08/06) アジア ミャンマーで少数民族と民主派の武装組織が攻勢強化 国軍拠点を多数攻略、兵士の投降相次ぐ 国内避難民が急増 2021年2月のクーデターで国軍が実権を握ったミャンマーで、軍政打倒をめざす少数民族武装組織と民主派の国民防衛隊(PDF)が10月末から攻勢を強め、北東部シャン州の国軍拠点を多数制圧している。軍評議会(SAC)は複数の地域で反軍政勢力による「激しい攻撃があった」と認め、ロイター通信によると16日、政府職員と元軍人に対して緊急の事態の場合に職務を行える準備をしておくようとの命令を出した。戦闘の激化により国内避難民が急増している。(永井浩)(2023/11/18) アジア ミャンマーの惨状を座視する日本政府 国軍との「共犯」を報じないメディア 熱帯の国ミャンマーでは、猛暑がピークを迎える4月に「ティンジャン」と呼ばれる正月を祝う行事がおこなわれる。ティンジャンは暑さを吹き飛ばそうと、男女が陽気に水をかけ合う光景から「水かけ祭り」とも呼ばれ、例年最大都市ヤンゴンの大通りは人びとであふれる。正月を祝う行事ダジャンは日本でも4月9日、在日ミャンマー人たちによって東京の日比谷公園、新宿の戸山公園など各地で開かれた。(永井浩)(2023/05/05) アジア ミャンマー国軍トップが日本ミャンマー協会の渡邉会長と自民党の麻生副総裁を表彰 「貢献」称え ミャンマー軍評議会トップのミンアウンフライン国軍総司令官は20日、日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長と自民党の麻生太郎副総裁(同協会最高顧問)をミャンマーの発展と平和に貢献したとして表彰した。国営メディアの報道をミャンマージャポンが伝えた。欧米諸国はじめ国際社会が国軍をきびしく批判し、制裁を強化しているなかで、日本の有力政治家らが国軍から表彰されるのはなぜなのか。(永井浩)(2023/02/21) アジア ミャンマー民主派元議員ら4人の死刑執行 問われる国軍への日本政府の対応 ミャンマー軍評議会は7月25日、アウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)の元議員と民主化活動家ら4人の死刑を執行したと国営メディアを通じて発表した。政治犯の死刑執行は1976年以来。国内外の批判が高まるのは必至で、昨年2月のクーデター以来、欧米諸国と一線を画して国軍に宥和的姿勢をつづけてきた日本政府の対応があらためて問われよう。(永井浩)(2022/07/25) アジア ミャンマー民主化とともに「もうひとつの日本」へ 広がる両国市民の連帯 ミャンマーの国軍クーデターから2月1日で一年になる。民主主義の回復をもとめる広範な市民の非暴力「不服従運動」への国軍の弾圧は残虐さを増すばかりで、これに対抗する民主派武装組織と国軍との戦闘も激化している。この間、欧米諸国はミャンマー国民の側に立つ姿勢を明確にしているのに対して、日本政府はいまだに曖昧な態度をとりつづけている。それはなぜなのかを問うとともに、私たち市民のミャンマー民主化支援のあり方を考えてみたい。(永井浩)(2022/01/30) 検証・メディア アフガニスタン報道再考・5 「戦後」アフガンの人びとにどう寄り添うか メディアの役割は何か なぜ今、アフガニスタン報道再考なのか。それは、9・11から20年とタリバンの20年ぶりの復権が重なったためだけではない。この間に、「平和国家」日本は米国の対テロ戦争を支持することで、急速に戦争のできる「普通の国」へと変貌していったからだ。またその過程で日本のマスコミがどのような役割を果たしたかを見逃せないからだ。では、長年にわたる相次ぐ大国の介入によってもたらされた戦火からやっと解放されたかに見えるアフガンの戦後の再建に、日本の政府とメディア、国民はどのような立ち位置を求められているのかを、最後にかんがえてみたい。(2021/09/11) 検証・メディア アフガニスタン報道再考・4 「文明」擁護でメディアの日米同盟 「国際貢献」に自衛隊派兵 これまで見てきた米国の「物語」としての9・11とアフガニスタンへの報復攻撃に、日本の政府とメディアはどのように対応したのかをつぎに確認しておこう。ここでのキーワードは「文明」である。同時多発テロを米国の自由への攻撃と叫ぶブッシュ大統領は、対テロ戦争を「世界の、文明全体の戦いである」として、国際社会に米国につくかテロ組織につくかの踏み絵をせまった。小泉首相はすぐさま、ブッシュを支持した。同盟国が守れという文明とは何かは問われなかった。メディアもおなじだった。(2021/09/08) 検証・メディア アフガニスタン報道再考・3 ビンラディンとタリバンの悪魔化と「テロの温床」 タリバン復権後のアフガニスタンに私たちがどう向き合っていくのかを考える手がかりのひとつとして、中央アジアのイスラム教国をめぐる大国の「物語」を検証してみる必要があるのではないか。そうした視点から、2001年の米国同時多発テロ「9・11」からタリバン政権打倒をめざすブッシュ政権の「対テロ戦争」への権力とメディアの関係を二回にわたって振り返ってみた。そこで明らかになったことは、戦争の大義を正当化するためにいかにして真実が犠牲にされてきたかである。そして今、アフガンをふたたび「テロの温床」にするなという物語が米国と日本のメディアによって流されている。(2021/09/06) 検証・メディア アフガニスタン報道再考・2 「テロ」と言論の自由への米国の二重基準
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、9・11同時多発テロへの報復として、2001年10月7日に米国が開始したアフガニスタン空爆を現場から世界に独占中継しただけではない。その直後、世界を驚かせるもうひとつのスクープ映像が放映された。洞窟を背に戦闘服に身をつつんだビンラディンが画面に登場した。マイクを手にした彼は、物憂げな目でカメラを見つめ、「アッラーは米国の弱点を攻撃し、その大建築物を破壊したもうた」と、同時多発テロを称えた。自身の攻撃への関与には言及しかったが、「イスラムの前衛部隊のひとつ」が米国の完全破壊のための道を開くことに成功した、と述べた。(2021/09/02)
検証・メディア アフガニスタン報道再考・1 大国の「物語」に乗った真実へのテロをゆるすな タリバン復権後のアフガニスタンをめぐり、藤原辰史氏(京都大学准教授)は「大国の『物語』に乗るな」と題する一文を毎日新聞(8月26日)に寄稿している。タリバンのカブール制圧前後から、一つの報道の型がメディアで繰り返されているからだ。タリバンは女性の権利を奪い、従わない人びとを処刑にするテロリストとされている。藤原も旧タリバン政権下でそのような政治があった事実は否定しない。だから欧米諸国は同政権を打倒し、20年間多大な犠牲を払って民主主義を普及させようとしたとされるが、タリバンは息を吹き返した。なぜなのか? それは、大国つまり米国メディアの情報にわたしたちが依存しすぎ、アフガンのもうひとつの姿が隠蔽されたことが一因ではないだろうか。アフガンをめぐるメディアと権力の関係をあらためて検証してみたい。(永井浩)(2021/08/27) 国際 タリバンとは何者か 欧米による「悪」のイメージと日本のNGOが見たもうひとつの顔 アフガニスタンのタリバンの復権を受けて、本サイトは欧米や日本のメディアで流布するタリバン像に異を唱えるNGO「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師の見方を紹介した。つづいて、やはり同国で長年、人々の暮らしの再興に現地の人びとと一緒に働いてきたNGO「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スタッフの見方も紹介した。いずれも、悪の権化というタリバンのイメージには否定的である。もうひとり、旧タリバン政権誕生以前からアフガンの人びととつきあってきたNGO「宝塚・アフガニスタン友好協会」(兵庫県宝塚市)代表の西垣敬子の見方にも耳を傾けてみよう。(永井浩)(2021/08/19) 国際 タリバンの復権 日本は「対テロ」で自衛隊が米軍を支援した事実を忘れてはならない アフガニスタンのタリバンが15日、首都カブールを制圧、政権を掌握した。2001年に米国のブッシュ政権による「対テロ」戦争で権力の座を追われてから、20年ぶりの復権である。この大ニュースは、日本とも無関係ではない。小泉政権はタリバン打倒をめざす米国をいち早く支持し、「国際貢献」と日米同盟の旗印のもと、アフガンを空爆する米軍を後方支援するために、海上自衛隊をインド洋に派兵した。戦後初めての「戦時」の外国領域への自衛隊派兵を突破口に、事実上の集団的自衛権行使の道が開かれ、日本は「平和国家」から、戦争のできる「普通の国」へと大きく変貌していった。(永井浩)(2021/08/17) みる・よむ・きく マレーシア映画『夕霧花園』 日本の侵略戦争への怒りと赦し 永井浩
戦後76年の8月15日、追悼とともに戦争と平和をかんがえる情報が新聞、テレビ、書籍から多く流されている。だが、同じ戦争で日本の侵略を受けたアジアの人びとが、戦争の傷をかかえながら戦争と平和にどう向き合ってきたのかは、ほとんど伝えられない。東京を皮切りに全国上映されているマレーシア映画『夕霧花園』は、阿部寛ら各国俳優の静かな熱演をつうじて、戦争でこころの傷を負った加害者と被害者の男女が、それと葛藤しながらお互いに愛し合い、自己の解放と相手への赦しに至っていく姿を描き出している。(2021/08/15)
アジア 「ニューズウィークが記事取り下げ 日本ミャンマー協会からの抗議受け」 調査報道メディアTansaが報じる ニューズウィーク日本版が、一般社団法人日本ミャンマー協会からの抗議を受けて、ウェブサイトに掲載していた記事を取り下げた、と調査報道メディアTansaが16日報じた。記事は同協会の渡邉秀央会長とミャンマー国軍トップとのビジネスなどの関係を報じた2本で、いずれも日刊ベリタに掲載されたもの。ニューズウィークはこれを転載したのち、抗議を受けて取り下げた。Tansaは、何を根拠に記事を取り下げたのかをニューズウィークに問いただしている。(永井浩)(2021/07/16) みる・よむ・きく 豊富な現地情報もとに日本の立ち位置を問う 永杉豊『ミャンマー危機』
ミャンマーの国軍クーデターの一報を、著者の永杉氏は2月1日早朝、自らが創刊した日本語情報誌「MYANMAR JAPON」の現地スタッフから受けた。アウンサンスーチー国家顧問が拘束されたという。氏はたまたま日本にもどっていて、翌2日の便で帰任する予定だったが、コロナの感染拡大で運休となった。以後、市民の不服従運動の拡大とそれに対する軍の残虐な弾圧を、長年ミャンマーの人たちとのビジネスできずいた情報網を駆使してまとめたのが本書である。そしてわれわれ日本人にうったえる、「ミャンマーの危機は対岸の火事ではない」と。(永井浩)(2021/07/12)
アジア 国軍支持の日本ミャンマー協会事務総長寄稿に「賛同」の会員企業はゼロ 5社が退会と回答 日本ミャンマー協会の渡邉祐介事務総長が英字誌に寄せた国軍支持の主張について、ミャンマー情勢を憂慮する日本の有識者、市民団体と在日ミャンマー人団体が、協会の会員企業と役員の国会議員に出した公開質問状への回答が23日に締め切られた。回答は国会議員1名 (6名中)、会員企業31社 (137社中)から寄せられた。寄稿に「賛同」する企業はゼロだった。また5社がクーデター後に協会を退会したと答えた。(永井浩)(2021/06/24) アジア ミャンマー情勢を憂慮する日本人有志が、日本ミャンマー協会の会員企業と役員の国会議員に公開質問状を送付 協会の国軍支持と企業の人権理念を問う ミャンマー情勢を憂慮する日本の有識者、市民団体と在日ミャンマー人団体が、日本ミャンマー協会の会員企業と役員の国会議員に、企業の人権理念を問う公開質問状を出した。協会の渡邉秀央会長とクーデター首謀者ミンアウンフライン総司令官の度重なる会談と、協会の渡邉祐介事務総長が英字誌に寄せた国軍支持の主張に危機感をもったためだ。質問状は8日に発送され、10日現在で数社から祐介氏の寄稿への賛否と協会との今後の関係について回答が寄せられている。(永井浩)(2021/06/11) アジア 「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道
「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」と、独立系メディア「ビルマ民主の声」(DVB)が5月29日報じた。会長の渡邉秀央氏は、ミンアウンフライン総司令官はじめ国軍との親密な関係で知られる。また息子で協会事務総長の渡邉祐介氏は、「日本は西側の体制変革政策に盲目的に同調するより、タッマドー(国軍)と米国その他の民主主義国の橋渡し役としての姿勢を示さなければならない」との見解を、The Diplomat誌に投稿した。(永井浩)(2021/06/04)
アジア 「美しい真珠を血で汚さないで」 TASAKIの国軍系企業との取引停止を人権団体が要請 日本企業全体の動向をミャンマー国民が注視
ミャンマーの国軍系企業と外資との提携に国際的な監視の目が強化されるなか、日本の高級真珠会社TASAKIの国軍系企業との提携を国際人権団体が停止するよう求めている。2月のクーデター後に在ミャンマーの日本人経営者らが日系企業に勤めるミャンマー人に行ったアンケート調査では、約76%が日本企業に「国軍や国軍系企業との関係を解消ないしは事業撤退をすべき」と答えている。TASAKIは契約を延長するとみられているが、国軍系企業との提携解消が難航しているキリンホールディングスのビールは市民の不買運動で出荷数が激減している。(永井浩)(2021/05/14)
アジア 利権がつなぐ日本とミャンマー「独自のパイプ」 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業 ミャンマー国軍のクーデターから3ヶ月になる5月1日、東京など世界18か国の都市で「国民を解放せよ」と叫ぶミャンマー人らの抗議デモがあった。欧米諸国の国軍への制裁強化と世界で高まる国軍批判の声をよそに、日本政府がいまだに旗幟を鮮明にしないのはなぜなのか。その謎を解くカギとして無視できないのが、両国を結ぶ利権のネットワークである。一例として、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とされる日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長が、クーデターの首謀者で国軍トップのミンアウンフライン総司令官が会長をつとめる国軍系企業と手を組んだ、最大都市ヤンゴンの商業地開発事業がある。(永井浩)(2021/05/07) アジア オーウェル的世界よりミャンマーの未来に投資しよう、「人間の尊厳」を原点に 4月13日から1週間のミャンマー正月を祝う今年の「ティンジャン」は、2月の国軍クーデター後の「オーウェル的世界」の再来によって例年のにぎわいが影をひそめた。オーウェル的世界とは、ビッグブラザーを頂点とする監視体制下で人間の自由が窒息させられていくディストピア国家を描いた、英国の作家ジョージ・オーウェルの名作『1984年』になぞらえたもので、アウンサンスーチー氏も自国の軍政によくこの表現をつかっている。またオーウェルのこの晩年の傑作の原点は、大英帝国の植民地ビルマ(ミャンマー)での彼の若き日の体験にあるといわれる。百年前にアジアの熱帯の地で彼が目撃したことをふまえた珠玉の短編『象を撃つ』とともに、現在この国で起きていることと、ビッグブラザーと関係の深い日本のすがたを見つめてみたい。(永井浩)(2021/04/23) アジア クーデター直前にスーチー氏と国軍トップと会見した日本のODAビジネスの黒幕 狙いは何か?
小雨に煙る東京・千代田区の「日本ミャンマー協会」前で14日、「軍事的企業との連携を直ちにやめろ」と叫ぶミャンマー人らのデモがあった。協会の渡邊秀央会長は、日本のODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とみられているからである。渡邊氏の大物ぶりは、2月1日のクーデター直前にアウンサンスーチー国家顧問とミンアウンフライン国軍総司令官と相次いで会っていることでも示されている。日本ではほとんど知られていない一民間人が政府と国軍のトップ、それもクーデターの首謀者とそれによって政権の座を追われた民主化指導者の双方とこの時期に会見したのはなぜなのか、またその狙いは何だったのだろうか。(永井浩)(2021/04/16)
アジア 「日本のお金で人殺しをさせないで!」 ミャンマー国軍支援があぶり出した「平和国家」の血の匂い
「日本のお金で人殺しをさせないで!」──国軍クーデターから2ヶ月後の4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」で、在日ミャンマー人が手にしていたプラカードである。この呼びかけは私に、日頃気づかなかった日本の平和にひそむ血の匂いをかぎ取らせてくれた。それとともに、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」と記した日本国憲法前文の「平和」の実現に何が必要なのかを考えさせられた。(永井浩)(2021/04/09)
アジア 日本の対ミャンマー政策はどこで間違ったのか 世界の流れ読めず人権よりODAビジネス優先 ミャンマーと日本にかかわる古くて新しい話をつづけたい。自国民だけでなく、世界中から爪はじきされている国軍に対して日本政府が毅然たる姿勢をしめせない理由を理解するには、戦後日本のアジア政策にまでさかのぼる必要があるからだ。そこで見逃せないのが、各国の開発独裁政治に果たしたODA(政府開発援助)の役割である。(永井浩)(2021/04/04) アジア 繰り返されるミャンマーの悲劇 繰り返される「民主国家」日本政府の喜劇 ミャンマーの国軍クーデターから2ヶ月。この政変が起きた2月1日の本サイトで、私は「日本政府は今度こそ民主化支援を惜しむな」と書いた。政府はこれまで、同国の民主化を支援するという空念仏を唱えるだけで、事実上軍政の延命に手を貸してきた事実を知っていたからである。だが、私の期待は裏切られたようだ。民主化運動への国軍の弾圧は残虐化するいっぽうなのに、「民主国家」日本の政権担当者は国軍「非難」の談話などを出すだけで、欧米諸国のような制裁には踏み切れない。なぜなのかを理解するために、私は古い取材メモなどをあらためて引っ張り出してみようと思った。(永井浩)(2021/03/30) アジア 「ビジネスにも日本の美学を」スーチー氏がミャンマー進出日本企業にもとめる「和敬清寂」の精神 2月1日のミャンマー国軍のクーデターから一夜明けた翌朝の日本経済新聞は、「『最後の成長市場』暗雲」という見出しの記事を載せた。「内政混乱は日本の進出企業にとって打撃でしかない」という。社説は「日本は官民挙げてミャンマーの民主化や経済開発を後押ししてきた」として、それに打撃をあたえる「軍政回帰は認められない」とする。同紙以外のメディアの報道姿勢も基本的にはおなじである。だが、日本の支援を支援される側の国の人びとがどのように受け止めているのかは、明らかにされない。なぜなのだろうか。(永井浩)(2021/03/27) アジア クーデターで混乱長期化のミャンマー 都市部の物価高騰が貧困層直撃、不服従運動で輸出入が低迷、戸惑う進出企業 クーデター後の混乱が長期化するミャンマーでは、治安部隊による民主化をもとめる市民の殺戮がとどまる気配が見られないなか、軍政当局はバンコク駐在日本人記者の一部に3月27日の建軍記念日の取材用ビザを発給したという。彼らは外国人ジャーナリストに何をアピールしたいのだろうか。経済関係の情報に目をとおすと、都市部を中心に物価が高騰して貧困層が打撃を受け、国軍に対する「市民不服従運動」(CDM)で輸出入が急減している。「アジア最後のフロンティア」に進出した外資はきびしい対応をせまられている。(永井浩)(2021/03/21) アジア 孔雀の勝利の踊りはいつ? クーデターへの非暴力抵抗を呼びかけ拘束されたスーチー氏側近のNLD幹部、不屈の歩み
ミャンマー国軍はクーデターに抗議する市民への発砲を連日つづけるとともに、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)への弾圧を強化している。党員らの拘束があいつぎ、拷問で殺された者もいる。「クーデターに屈してはならない」とスーチー氏がNLDのフェイスブックをつうじて国民に呼びかけたのを受けて、民主化実現へむけて「非暴力の抵抗」を訴えた彼女の側近ウー・ウィンティンも拘束された。NLDとはどのような政党なのかを、その結党の経緯と主要メンバーで確認しておこう。(永井浩)(2021/03/17)
アジア ミャンマー・クーデター、新聞社説は政府の絵空事を合唱 問われる日本の民主主義 新聞が読まれなくなった、と言われるようになってから久しい。その背景に、インターネットを中心とするメディアの多様化があることは事実だが、それだけだろうか。紙面のなかで最も敬遠されそうな社説について、その理由をさぐってみよう。私も社説を読むことなどほとんどないが、ミャンマーの国軍クーデターという世界的大ニュース、それも日本と深い関係がある出来事を各紙がどう論じているかが気になって、めずらしく数紙を読み比べてみた。(永井浩)(2021/03/12) アジア ミャンマーの名もなき英雄たち「恐怖からの自由」を武器に非暴力で軍の銃口に立ち向かう クーデターに抗議するミャンマーの民主化デモに対する治安部隊の武力弾圧は、日を追って残虐化し、犠牲者の数は増えつづけている。軍政機関に拘束されて姿を消す市民も後を絶たない。デモ参加者で、本サイトでインタビューを紹介した最大都市ヤンゴンの若い男性のその後も気がかりだ。ファッション会社のマーケティングマネージャーの彼、通称ジャックさんと、彼らが解放をもとめるアウンサンスーチーさんの声に耳を傾けながら、人びとはなぜあくまで素手で軍の銃口に立ち向かうのか、私たち海外の人びとに何をうったえようとしているのかを理解したい。(永井浩)(2021/03/06) アジア ミャンマー国軍の武力弾圧激化、日本政府の新規ODA停止は民主化逆行の歯止めになり得るか 問われる人権への本気度 民主化デモに対するミャンマー軍政の武力弾圧が激化してきた。治安部隊の各地での発砲による2月28日の死者は、国連人権高等弁務官事務所によると、18人。日本政府は国軍のクーデターを受けて、同国への政府開発援助(ODA)の新規案件の採択を当面停止する検討に入ったとされるが(朝日新聞2月25日)、米欧のような「制裁」とは一線を画し、国軍とのパイプを生かして独自に民主的な解決を働きかける対話路線を継続するという。日本の独自路線が、果たして事態の悪化に歯止めをかけられるのだろうか。日本の人権と民主化への本気度を問うためには、軍政とODAの浅からぬ関係を検証してみる必要があるだろう。(永井浩)(2021/03/01) アジア 「おなじ人間として」の灯を受け継ぐために 「3・11」とミャンマー民主化をつなぐもの 「民主化の灯を消さないために支援してください」と訴え、国軍クーデターに抗議する在日ミャンマー人らのデモが日本各地でつづいている。その声は私に、「3・11」の東日本大震災に寄せられたアウンサンスーチーさんの日本の人びとへのメッセージと、被災地への救援に立ち上がった在日ミャンマー人ボランティアのすがたを思い起こさせる。現在のミャンマーと10年前の日本をつなぐものは、おなじ人間として苦境にある人たちに支援の手をさしのべるために、私たち一人ひとりに何ができるかという問いであろう。(永井浩)(2021/02/23) アジア 民主化に託すミャンマー国民の「豊かな」暮らしとは? ビルマで日本の経済繁栄を自問した元日本兵 軍政に反対するミャンマー国民の民主化運動は、国軍のクーデターから3週間たち全土で拡大しつづけている。人びとは民主主義と人権がふたたび奪われ、日々の暮らしが悪化するのを恐れている。だが彼らがもとめている安定した生活とは、たんなる物質的な豊かさだけではなく、もう少し深い意味での豊かさを保障するものなのではないだろうか。ビルマ戦線を生きのびた元日本兵、中島正舒の『ビルマ鎮魂歌』は、そのことをうかがわせる。著者はあわせて、戦後日本の経済的繁栄と平和とは何なのかを問い直そうとしている。(永井浩)(2021/02/21) アジア ミャンマーの民には義理がある! 日本軍兵士たちが戦場で見た「もうひとつのビルマ」 ミャンマー国軍のルーツと『ビルマの竪琴』幻想にふれた拙文にたいして、いくつかの感想をいただいた。「『ビルマの竪琴』の欺瞞性は初めて知ることです。戦後日本の平和はこうした欺瞞に満ちていることを改めて感じました」もその一つである。では、作家による虚構の世界ではなく、じっさいに過酷なビルマ戦線を生きのびた日本軍兵士たちは、戦場で何を見、日本が戦火に引きずり込んだビルマの人びとをどのように思っていたのだろうか。二人の元日本兵の体験記は、ふつうの民が示してくれた優しさに戦後も深い恩義を感じ、それに私たちがどう報いたらよいのかを考えようとしている。ビルマの民のこころ根は、いま軍政に立ち向かうミャンマー市民にうけつがれているように思われる。(永井浩)(2021/02/18) アジア 軍は再び民主化デモへの武力弾圧に乗り出すか ミャンマー国軍に「ファシスト」日本軍の負の遺産 軍政に反対する国民の民主化デモが日を追って広範な高まりを見せるミャンマーで、最も懸念されるのは軍の無差別発砲による弾圧だ。軍はこれまでにたびたび、民主化運動を“血の海”に沈めてきたからだ。朝日新聞の11日のオピニオン面で社説は「流血を避け民意尊重を」とうったえ、読者の声は「民主化の灯火がともるよう」願っている。だが忘れてはならないことがある。それは、このような残虐な軍の行動に第2次大戦中にこの国に攻め入った日本軍の負の遺産が引き継がれていることだ。(永井浩)(2021/02/12) アジア キリンの英断、ミャンマー国軍系企業との提携解消 企業の倫理責任重視は世界の潮流 ミャンマーの国軍クーデターから1週間、民主化を求める市民と軍政の攻防がつづくなか、明るいニュースもある。キリンホールディングス(HD)が人権重視の立場から、国軍系企業との提携を解消した。キリンの英断を軍政反対デモに立ち上がった人びとがどう受け止めているのか知りたいし、これに見習う日本企業が出てくることを期待したい。まもなく始まるNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一は「道徳経済合一」を説き、日本資本主義の基盤をつくったのではなかったか。(永井浩)(2021/02/08) アジア ミャンマーの軍政反対デモ、連日つづく 仏教の真実を求め、「諸行無常」を現体制否定の武器に
ミャンマーの最大都市ヤンゴンで6日につづき7日にも、国軍のクーデターに対する大規模な抗議デモがあった。なぜ軍政に反対なのか。それは、強権により民主主義と人権を奪うことは、国民の9割が信じる仏教の教えに反するからだ。軍側は抗議行動の封じ込めに躍起になるだろうが、人びとは抵抗をつづけるだろう。「諸行無常」という仏教の世界観が、この国では現体制否定の支えとなってきたからである。(永井浩)(2021/02/07)
アジア 「アウンサンスーチー」か「アウン・サン・スー・チー」か メディアの表記不統一が意味すること ミャンマーの国軍クーデターの報道で、気になることがないだろうか。自宅軟禁されたアウンサンスーチー国家顧問兼外相の人名表記が統一されていないことだ。メディアによって「アウンサンスーチー」と「アウン・サン・スー・チー」に分かれている。なぜなのか、どちらが正しいのか。些細なようで大切なことなので、あらためて確認しておこう。(永井浩)(2021/02/04) アジア スーチーさん、4度目の自宅軟禁 よみがえるミャンマー国民の軍政への恐怖 「ネピドーにいらしたら、私が案内しますよ」。アウンサンスーチーさんは2013年4月の来日のさい、私にそう約束してくれた。そのミャンマーの首都で、国家顧問兼外相の彼女は今月1日に起きた軍のクーデターによって自宅軟禁された。4度目の自宅軟禁である。私は、彼女が最初の軟禁から解放された翌年の1996年に、最大都市ヤンゴンでこの民主化運動の指導者に会ったときの状況にタイムスリップしたかのような思いにかられた。それとともに、軍政にたいする市民の恐怖と憎悪の表情がよみがえってきた。(永井浩)(2021/02/03) 国際 ミャンマーでクーデター、日本政府は今度こそ民主化支援を惜しむな バイデン米政権はスーチー氏らの解放求める ミャンマーの国軍は1日、アウンサンスーチー国家顧問兼外相らを拘束、政権を奪取した。米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は「ミャンマーの民主主義制度への強力な支援を継続する」と表明、スーチー氏ら政権幹部の解放を軍部に求める声明を発表した。日本の加藤勝信官長官は会見で、「当事者が対話を通じて平和裏に問題を解決することが重要と考えている」と述べただけだった。日本政府はつねに日米両国は同じ価値観で結ばれていると強調しているのに、このアジアの国の民主主義の危機には足並を揃えようとしないのはなぜなのだろうか。(永井浩)(2021/02/01) みる・よむ・きく 米国の核と食糧の傘に守られた日本の危うさに警鐘 大野和興・天笠啓佑『農と食の戦後史』
戦後75年の日本の農と食の現在地を確認し、私たち一人ひとりがこの問題にどう向き合うべきかを、二人のジャーナリストが現場取材を踏まえて語り合った本書は、すでに日刊ベリタでくわしく紹介されている(注)が、私はそこではあまり多く触れられていない点について考えてみたい。それは、「戦争と食糧は切り離せない」という大野さんの指摘である。具体的には、日本の食糧農業政策が日米同盟とセットになって進められてきた事実である。(永井浩)(2020/12/30)
政治 天安門事件と天皇訪中 外交文書公開に見る日中の政治的思惑の一致とその後 外務省が23日に公開した外交文書は、1989年6月の中国の天安門事件をめぐり、中国の人権弾圧を非難する翌7月の先進国首脳会議(アルシュ・サミット)の政治宣言に日本が難色を示していた事実を明らかにした。日本は対中関係重視の観点から、中国への共同制裁を主張する欧米の姿勢は、中国を国際的に孤立させるもので得策でないと判断した。同文書には、事件翌年の90年に訪日した中国の呉学謙副首相が海部俊樹首相に平成天皇の訪中を招請、92年に天皇訪中が実現した経緯も記されている。日中両国政府のこうした動きは何を意味するのだろうか。(永井浩)(2020/12/24) アジア タイの民主化デモとスラックさん 仏教の教えをいかす変革めざす 軍政に反対するタイの若者たちの民主化要求デモのニュースを追いながら、私は毎日新聞バンコク特派員だった1980年代前半に取材したタイの人たちが現在の状況をどのようにみているだろうかと思い巡らせている。当時は、時の軍事政権を打倒した1973年の「学生革命」によって切りひらかれた民主化時代が軍部の反撃で暗転した冬の時代だった。それでも民主化運動にかかわった元学生活動家や知識人、労働者、作家、ミュージシャン、スラムの住民リーダーらは闘いをあきらめず、政治のみならずさまざまな問題について日本人記者に多くのことを教えてくれた。そのなかの一人が、スラック・シワラックさんである。(永井浩)(2020/12/03) 検証・メディア 学術会議への政治介入、突出する読売新聞の軽視報道 政府との‶共犯�瓩泙燭� 日本学術会議の新会員6人が菅首相によって任命を拒まれた問題で、読売新聞の報道ぶりが突出している。朝日、毎日、東京の各紙がいずれも2日朝刊一面で大きく報じ、学問の自由の侵害として詳報を展開しているのに対して、読売は第三社会面の目立たぬ場所に2段見出しの小さな記事だけ。3紙は3日の社説でも、学問の自由への政治介入を撤回するよう主張しているが、読売は沈黙している。ちなみにこの大ニュースは、日本共産党のしんぶん赤旗のスクープ記事である。(永井浩)(2020/10/03) 反戦・平和 「黒い雨」と高丸矢須子 「正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」 75回目の原爆忌を控えた7月29日、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」による健康被害をめぐる訴訟で、広島地裁は国の援護対象地域外にいた原告たちを「被害者」と認めた。「ようやく声が届いた」と勝訴を喜ぶ高齢の原告たちの姿に、私は井伏鱒二の小説『黒い雨』の主人公、高丸矢須子を重ね合わせた。おなじ雨を浴びて若い命を絶たれた彼女は、この判決を天国からどのように見ているだろうか。戦争と核、そして平和について、矢須子とともに考えてみた。(永井浩)(2020/08/03) 米国 米国のラオス難民とは? クリント・イーストウッドの名作『グラン・トリノ』の背景 全米に広がる黒人殺害への抗議行動の渦中で、彼を殺した白人警官の妻はラオス難民で、事件後に夫との離婚の申し立てをしたと報じられている。米国のラオス難民とはどういう人たちなのか。映画ファンなら、クリント・イーストウッドが監督・主演した名作『グラン・トリノ』(2008年)を思い出すかもしれない。妻に先立たれて孤独な日々をおくる主人公の元自動車工と、ラオス難民のモン族少年との心の交流を描いた作品は、アカデミー賞の作品賞にノミネートされ、日本でもヒットした。(永井浩)(2020/06/02) 文化 笑いでコロナの免疫力を! 小さなカフェで、玉川太福さんが浪曲ライブ
コロナ自粛が広がる春分の日の昼下がり、西東京市の小さなカフェに、人気浪曲師玉川太福さんの張りのあるうなりが流れた。演目は「不破数右衛門の芝居見物」「任侠流山動物園」など三席。額に汗をにじませながらの熱演に、30人足らずの客は笑いころげ、ホロリとさせられ、コロナ疲れを癒された。(永井浩)(2020/03/21)
政治 「私も危ないんじゃ…沢尻エリカ? 安倍首相だよ」 新聞の3行コントの世界が面白い! あまり気づかれないかもしれないが、新聞にはニュースや解説だけではなく、読者の投稿欄もある。毎日新聞の3行コント「ふんすい塔」もそのひとつ。「私も危ないんじゃ…沢尻エリカ? 安倍首相だよ」(長野・百言居士)。こんな風刺と機知に富む作品が連日載っている。このところ題材を次つぎに提供しているのが、安倍政権だ。以下の作品とともに、クスっと笑ってから、ため息が…(2019/12/13) 反戦・平和 「世界に冠たる日本国憲法」「自衛隊派遣は有害無益」 アフガンで斃れた中村哲医師が実践した平和の理念 「日本国憲法は世界に冠たるものである」「自衛隊派遣は有害無益」──アフガニスタンで武装勢力の凶弾に斃れた、NGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さんの言葉である。真の平和は、武器ではなくシャベルによって築かなければならないとの信念のもとに、アフガンの人々と共に灌漑と農業支援に尽力した中村さんは、「国際貢献」の名によって年々進む自衛隊の海外派兵に強い危機感をいだいていた。彼の発言を振り返ってみたい。(永井浩)(2019/12/05) 検証・メディア 昭和天皇の戦争「反省」報道への疑問 何を反省し、なぜ国民に表明しないのかは不明 昭和天皇が戦争への強い「反省」の気持ちを表明していた、という文書が大きく報道された。では戦争の何について反省していたのか、なぜ国民にそれを示さなかったのかは、メディアは解説してくれない。天皇は1975年の記者会見で戦争責任を問われ、答えをはぐらかし、広島、長崎への原爆投下についても「戦争中なのでやむを得ない」と述べている。日本国憲法が施行された直後の1947年には、天皇は米軍による沖縄の軍事占領の継続を希望するメッセージを米政府に伝えている。こうした姿と今回の文書での発言はどう関係するのだろうか。(永井浩)(2019/08/20) スポーツ 「村上、がんばれ!」 作家の村上春樹さんが同姓のヤクルト高卒2年目、村上宗隆選手に熱いエール プロ野球は開幕から一か月、ファンがひいきチームの活躍に一喜一憂するなか、作家の村上春樹さんはヤクルトスワローズの同姓の高卒2年目、村上宗隆内野手に「村上、がんばれ!」と熱いエールを送っている。19歳の若武者は、7日時点で打率こそ高くないものの、本塁打はセリーグ3位タイの9本、打点は25とリーグトップでチームの主砲のバレンティンに次ぐ堂々の活躍。大のヤクルトファンである村上さんが、神宮球場で「村上、がんばれ!」の大きな声援が上がると「僕の励みにもなる」と言いながら、宗隆くんに「大柄なエッジのある打者になってもらいたい」と期待を込めた一文を紹介するとともに、世界的人気作家とヤクルトとの浅からぬ関係を振り返ってみる。(永井浩)(2019/05/08) 政治 日本国憲法の「積極的平和」はどこへ? 安倍首相が改ざん、自民党改憲案で消滅、各紙社説はスルー 「平和憲法」と称される日本国憲法の施行から72年を迎えた、憲法記念日の5月3日付各紙の社説に何か物足りなさを感じた。「平和」のとらえ方が狭いままで、国際社会で現在求められている平和の構築にわたしたちの憲法をどう活かしていくかの論点が抜け落ちているからだ。憲法と社説を読み比べ、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」(憲法前文)というわたしたちの願いを実現していくには何が必要なのかを考えてみたい。(永井浩)(2019/05/03) みる・よむ・きく 岩佐敦士『王室と不敬罪』 総選挙が問う「タイ式民主主義」の実像と「微笑の国」のこれから
民政復帰にむけた8年ぶりのタイの総選挙を24日にひかえ、日本のメディアでもニュースが増えてきている。軍政が延命するのか、民主化への新たな転機となるのかが大きな注目点とされ、プミポン国王亡き後の「タイ式民主主義」の今後が問われようとしている。新聞社バンコク特派員の筆者が、これまでタブー視されてきた国王と政治対立の関係を精力的な取材と冷静な筆致により明らかにした本書は、いまも続く混迷の核心にせまろうとしている。「微笑の国」と称されるアジアの隣人の苦悩を理解し、それが日本にとっても無縁ではないことを知るための好著である。(永井浩)(2019/03/22)
沖縄/日米安保 辺野古「反対」7割超とドナルド・キーンさん死去 元米軍通訳として記した「日本兵の沖縄人食肉」の戦慄 米軍普天間飛行場の移設をめぐる名護市辺野古沿岸部の埋め立てについて、沖縄県民の72%が県民投票で「反対」を表明した日、日本文学研究者のドナルド・キーン氏の訃報が伝えられた。二つのニュースに直接の関連はないが、私は昔読んだ琉球新報のある記事を思い出した。「真実の苦さ」と題する大田昌秀・琉球大学教授(のちの県知事)の一文で、キーン氏の第二次大戦中の手紙が紹介されている。米軍の日本語通訳官だった若きキーン氏は、ニューギニア戦線での日本兵による人肉食で最初に犠牲にされたのが沖縄人だったことを記している。(永井浩)(2019/02/25) 国際 なぜ「ロームシャ」がインドネシア語に? 「徴用工」だけでない帝国日本の労働動員 永井浩 日本政府が韓国の元徴用工や元慰安婦に対する謝罪と補償を拒みつづけるのは、不思議ではない。それを理解するために、インドネシア語として定着している「ロームシャ」が参考になるだろう。これに、泰緬鉄道の建設にアジア各地から徴発された労働者たちを加えてもよい。すべてに共通しているのは、日本がいまだに自らの戦争責任を果たそうとしていないことであり、安倍首相がいう「戦後日本外交の総決算」(1月28日の施政方針演説)とはこの負の遺産には目をつむろうとするものである。(2019/02/12) みる・よむ・きく 石井米雄『もうひとつの「王様と私」』 米ミュージカルの日本初上演を機に「王様」の実像を知る
ブロードウェーミュージカル「王様と私」が、俳優の渡辺謙の主演で来年7月から東京で国内初上演される。シャム(タイ)王宮を舞台に、国王と英国の女性家庭教師の交流を描いた物語は映画化もされ、世界的な好評を博し、日本でもヒットした。だがタイでは、この映画はいまだに上映禁止となっている。なぜなのだろう。日本の東南アジア研究のパイオニアで、タイの上座仏教と歴史研究の国際的権威による本書(めこん刊)は、その疑問に答えてくれると同時に、真の異文化理解とはどうあるべきかを考えさせてくれる。ミュージカルの日本公演を機に、ぜひ一読したい名著である。(永井浩)(2018/12/28)
沖縄/日米安保 「辺野古工事の停止」トランプ米大統領への請願ネット署名、10万筆超える さらなる署名の輪を広げよう
沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた工事を、新基地の是非を問う来年2月の県民投票まで停止するようトランプ米大統領に求める電子署名が18日、10万筆を超えた。米政府が何らかの対応や回答をするのに必要な署名数は早々と達成したものの、市民団体などはおざなりの「回答」でお茶を濁させないためにもさらに多くの署名を呼びかけている。署名方法とともに東京新聞の関連記事を紹介する。(永井浩)(2018/12/20)
外国人労働者 「難民鎖国」から「移民開国」へ ‶人間不在�瓩鮠茲蟇曚┐訖靴靴ぜ匆颪浪椎修�? 頑なに「難民鎖国」を貫いてきた日本政府が、入管法を強引に改正して「移民開国」に踏み出した。受け入れ態勢が整わないままの見切り発車には多くの問題点が指摘され、とりわけ外国人を単なる低賃金労働力として使い捨てにする人権無視が懸念されている。だが人権への日本の鈍感さは、難民問題で繰り返されてきたことであり、それが新たな形で展開されるおそれが強い。これまでの難民政策を振り返りながら、国際的な人道基準にかなう外国人受け入れをめざすために何が求められているのかを考えてみたい。(永井浩)(2018/12/10) コラム 故・水木しげるの命日に「従軍慰安婦」を再読する きょう11月30日は、「ゲゲゲの鬼太郎」でしられる漫画家、水木しげるの命日である。アジア太平洋戦争で片腕を失った彼は、2015年に93歳でなくなるまで、数多くの妖怪マンガとともに、「総員玉砕せよ!」など自らの戦場体験にもとづく作品を描き続けてきた。ニューブリテン島の陸軍慰安所の光景を描いたコミックエッセイでは、作者は「やはり�狠蝋��瓩世辰燭隼廚Α�だからバイショウはすべきだナ…といつも思っている」と書いている。韓国の元慰安婦女性に対する最近の日本政府の態度を故人はどう見ているだろうか。気になって、この短編を紹介しながら慰安婦問題に言及しているいくつかのブログなどにアクセスしてみた。(永井浩)(2018/11/30) 政治 「日本の友よ──朝鮮人の苦痛を知るや」(1921年3月4日『東亜日報』社説) 徴用工、慰安婦、そして原爆Tシャツと、日韓の友好関係の発展をつまずかせる問題がいまだに解決できないのはなぜなのだろうか。いま最も必要とされているのは、韓国の人びとの私たちに対する問いかけの本質が何なのかを冷静に確認することだと思われる。その手がかりのひとつとして、「日帝」による植民地支配下の1921年3月4日に「東亜日報」紙に掲載された社説「日本の友よ──朝鮮人の苦痛を知るや」を私は読んでみた。以下がその全文である。(永井浩)(2018/11/23) 政治 世論調査の安倍内閣支持率「上昇」の不思議 個別政策はほとんど「不支持」が多数 朝日新聞の全国世論調査(17、18両日実施、20日掲載)によると、安倍内閣の支持率は43%で前回10月調査の40%から3ポイント上昇し、不支持の34%を上回った。ところが、入管法改正案の今国会成立や消費税引き上げ、憲法改正など個々の政策は、ほとんどについて不支持が支持を上回っている。前日発表された毎日新聞の世論調査も同様の結果である。国民の賛成を得られない政策を進めようとする政権が、支持率を上昇させるのはなぜなのだろう。(永井浩)(2018/11/20) 反戦・平和 世界の「原爆キノコ雲」観に学ぶ 韓国「BTS」のTシャツを教材に 韓国の人気男性音楽グループ「防弾少年団」(BTS)のメンバーが着ていたTシャツに原爆のキノコ雲がデザインされていたことを理由に、テレビ朝日が音楽番組「ミュージックステーション」へのBTSの出演を見送った。バカな話だ。韓国内だけでなく日本や米国の若者にも人気の若者たちが、なぜこのようなTシャツを着ているのかという疑問を手がかりに、アジアの隣人との相互理解を深めていこうとする姿勢が見られないからだ。せっかくの機会なので、世界の人びとがヒロシマ・ナガサキをどうとらえているのかを、アジアと米国を中心にざっとおさらいしてみよう。(永井浩)(2018/11/11) みる・よむ・きく 加藤直樹『謀反の児 宮崎滔天の「世界革命」』(中)「人権の大本」実現めざし孫文の中国革命支援 永井浩 中国の同志たちを見殺しにしてしまった恵州蜂起の挫折は、滔天を失意と悔恨のなかに陥れた。彼は悶々として酒びたりの日々を送るが、中国革命支援の志を捨てたわけではない。恵州蜂起とおなじ1900年(明治33年)に農民を中心とした「義和団」が列強の進出に抗して立ち上がった戦いは、滔天のこころを大きく動かした。武装した民衆が帝国主義に抵抗する姿に、「中国人」として新しいナショナリズムが生まれようとしていると見て取ったのである。(2018/10/29) 国際 再検証・「自己責任」論はいかに展開されたか 2004年のイラクの日本人人質事件をめぐって シリアで武装勢力とされる組織から解放されたジャーナリスト、安田純平さんに対してインターネット上などで「自己責任論」による批判が起きている。2004年にイラクで起きた武装勢力による日本人人質事件をめぐる論調の再燃である。両事件の背景などは異なるが、今後も再発しかねない同様な出来事を考えるうえで、14年前の自己責任論を再検証しておくことは無駄ではあるまい。この議論が誰によって何のために火をつけられ、メディアはそれをどう報じ、どのような政治的結果をもたらすことになったのか、また国際世論は日本の動きをどうみていたか──。(永井浩)(2018/10/28) みる・よむ・きく 加藤直樹『謀反の児 宮崎滔天の「世界革命」』(上) 「もうひとつの日本近代」の可能性への挑戦 永井浩
今年は明治維新から150年にちなみさまざまな催しや近代日本の歴史の再検証が行われているが、その大きな意味は、世界の表舞台に遅れて躍り出たアジアの小国が急速な近代化を遂げただけでなく、欧米列強をモデルにアジアにおける帝国主義国家をめざしてアジア太平洋戦争で破滅するに至ったのはなぜなのか、これ以外の進むべき道はなかったのかどうかを問うことにあろう。本書(河出書房新社刊)は、「もうひとつの日本」の実現を孫文の中国革命運動への支援によってめざした革命家、宮崎滔天の生涯をつうじてこの問いに答えようとしている。(2018/10/27)
検証・メディア 米紙のトランプ批判一斉社説vs日本の新聞の共同宣言 トランプ大統領のメディア敵視に対抗して、米国の新聞380紙が報道の自由を訴える社説を掲載したニュースが話題になったとき、知人が言った。「日本の新聞も見習えないかな」。これに私はこう応じた「日本の新聞も時の政治情勢に共同宣言を出したことがあります」。60年安保のときの7社共同宣言と満州事変のときの132社共同宣言である。ただ、いずれの共同宣言も米国の新聞と違い、権力者のうごきを擁護するものだった。(永井浩)(2018/08/29) 反戦・平和 映画『折り鶴の声』 ヒロシマ・ナガサキへのラテンアメリカの人びとの「感受性の言葉」 遠い世界のできごとが、わが事のように人びとのこころを揺さぶるのはなぜなのだろうか。原爆忌をまえに東京のメキシコ大使館で上映された、メキシコ人女性ジャーナリスト、シルビア・リディア・ゴンサレスさん制作のドキュメンタリー映画『折り鶴の声』は、この問いに答えようとしてくれた。ヒロシマ・ナガサキの悲劇をめぐるラテンアメリカ諸国のアーティストやジャーナリストたちの作品と発言が次々と紹介されたのだ。(永井浩)(2018/08/01) みる・よむ・きく 自著を語る(3)いまこそ「対テロ戦争」の国民的検証を 『「ポスト真実」と対テロ戦争報道──メディアの日米同盟を検証する』 永井 浩 権力が設定したニュースの枠組みの真偽を多様な情報と現場取材をつうじて確認していくというジャーナリズムの基本精神が疎かにされたもうひとつの典型が、自衛隊の「人道復興支援」報道である。(2018/07/28) みる・よむ・きく 自著を語る(2)政府もマスコミも対米依存 『「ポスト真実」と対テロ戦争報道──メディアの日米同盟を検証する』 永井 浩 日本の対テロ戦争報道の顕著な特徴のひとつは、欧米、とくに米国主流メディアの情報への過度な依存である。(2018/07/25) みる・よむ・きく 自著を語る(1) 「正義の戦争」支持による「平和国家」の解体 政府とメディアの�犇θ鉢瓩鯤�析 『「ポスト真実」と対テロ戦争報道──メディアの日米同盟を検証する』 永井浩 戦争という人間の愚かな行為がなくならないかぎり、戦争報道は旧くて新しいテーマであり続けるだろう。そこで問われている核心は、戦争の真実をどのように伝えるかであり、ジャーナリストの役割と姿勢である。そしてそれがいかに困難な作業であるかは、初めて従軍記者が登場したクリミア戦争からベトナム戦争まで一二〇年間の世界各地の大きな戦争の報道を検証した、フィリップ・ナイトリーの大著のタイトル“The First Casualty”に示されている。これは、米国が第一次世界大戦に参戦した一九一七年に同国のハイラム・ジョンソン上院議員が語った“The first casualty when war comes is truth”(戦争が起これば最初の犠牲者は真実である)から採られたものである。(邦訳は『戦争報道の内幕』として中公文庫に収められている)(2018/07/23) 検証・メディア 「イラク日報」問題の深層��人道復興支援「成功」のフェイクニュース メディアは今こそ再検証を 自衛隊のイラク日報をめぐる連日の報道には、重要な点が抜け落ちている。自衛隊が「非戦闘地域」とは言えないような状況に置かれていた事実を指摘しながら、ではなぜ、政府の主張する「イラクの人びとのための人道支援活動」に対して砲撃が相次いだのか、何者が自衛隊への敵対行動を展開したのかという疑問を解明しようという姿勢は見られない。小泉政権が憲法をねじ曲げてまで強行した自衛隊による「国際貢献」とは何だったのかを再検証し、私たちはこの経験から何を学び取るべきかを考えるために、この問題点から焦点をそらしてはならないだろう。(永井浩)(2018/04/19) 検証・メディア 「イラク日報」問題の深層�⊆�衛隊派兵は「政治的ポーズ」と政府高官 「人道復興支援」の正体隠しのため取材規制 これまで「存在しない」とされてきた自衛隊のイラク日報が、なぜ急に開示されることになったのかの経緯は今後の国会論議と報道に待つとして、ひとつだけはっきりしている事実がある。それは、政府が一貫して自衛隊の「人道復興支援」活動の実態を国民の目から隠そうとしてきたことだ。前回見たメディアの取材規制はその表れである。では、「イラクの人びとのための国際貢献」と主張された自衛隊の活動を、メディアをつうじて国民に積極的に広報することを避けた理由は何だったのかが問われる。(永井浩)(2018/04/18) 検証・メディア 「イラク日報」問題の深層�,覆璽泪好灰澆蓮崟鐺�」を報じなかったのか 問われる政府との�犇θ鉢� 防衛省が開示した自衛隊のイラク日報に「戦闘」や「銃撃戦」などの文字があったことから、自衛隊派兵地域を「非戦闘地域」としてきた政府の説明との整合性が問われている。だが、この問題を報じるメディアに読者、視聴者は疑問を抱かないであろうか。政府が隠してきた現地の実態をなぜマスコミは報じてこなかったのか、である。答えは、新聞・テレビ各社の報道の任務放棄にある。各社は、非戦闘地域であるはずのサマワに危険がせまっているという政府の避難勧告を受け入れて、記者を国外に退去させてしまい、以後は防衛庁(当時)の東京での�狢臻椡槌�表�瓩鮨發賣�すだけだったのだ。(永井浩)(2018/04/17) アジア 仏教国タイにおける国家と宗教 プミポン国王後への一視点<下> プミポン前国王の葬儀が終了して1年間の服喪期間が明けたタイは、再び政治の季節に入ろうとしている。軍政のプラユット暫定首相は、民政移管にむけて来年11月の総選挙実施に言及、タクシン派と反タクシン派の抗争が再燃するものとみられる。だが、これまで何度か政治対立の調停役を担い事態を収拾してきた、前国王はもういない。(永井浩)(2017/11/03) アジア 仏教国タイにおける国家と宗教 プミポン国王後への一視点<中> 1932年の立憲革命により、タイは絶対王政から立憲君主制のもとでの議会制民主主義に移行したが、国民の王室崇拝の念は変わらなかった。1957年にクーデターで政権を奪取し首相の座に就いたサリット元帥は、みずからの独裁政治を正当化するために国王の権威を積極的に援用するようになる。サリットは、議会制民主主義をタイの伝統になじまないものとして否定し、古来の民族、仏教、王制からなる「タイ的原理」を基本とした家父長的政治を現代に新しく蘇生させようとした。(永井浩)(2017/11/01) アジア 仏教国タイにおける国家と宗教 プミポン国王後への一視点<上> 「国父」と慕われたプミポン前国王の火葬の儀が終わり、一年間の服喪から明けたタイの今後が注目されている。政治的な分析のまえに、70年間の在位中に東南アジアの途上国を経済的な中進国へと発展させるうえで大きな役割を果たした前国王の存在とは何だったのかを、仏教国における国家と宗教の基本構造のなかで理解しておく必要があるだろう。それが、ワチラロンコン新国王のもとで政治的な安定と順調な経済発展を持続できるかどうかをさぐる一視点となる。(永井浩)(2017/10/28) 政治 「テロ」のニュースピーク語法 ジョージ・オーウェルの『1984年』に登場する「ニュースピーク」語法が、日本でも横行しはじめているようだ。加計学園をめぐる朝日新聞の報道を「言論テロ」と批判する劇作家の投稿に対し、安倍晋三首相のフェイスブックのページから「いいね」のボタンが押されていたと報じられた。自民党の石破茂幹事長(当時)は、数年前に特定秘密保護法案に反対する市民のデモを「テロ行為」とブログに書いて批判を浴びた。(永井浩)(2017/05/30) みる・よむ・きく スーチーさんの連載への外務省の圧力をはねつける 木戸・元『毎日』主筆が回想録 気骨ある1人のジャーナリストの存在がいかに大切であるか─。毎日新聞の木戸湊・元主筆の『記者たちよ ハンターになれ!』(新風書房)は、あらためてその事実を確認させてくれる。本書は、40年にわたる記者生活のなかから11のエピソードを取り上げた回想録である。いずれの話も臨場感と迫真力に満ち、胸を打つものが多いが、そのなかから私が毎日新聞記者としてかかわった、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの連載「ビルマからの手紙」をめぐる木戸さんの記者魂を紹介したい。(永井浩)(2009/07/26) 中東 「9条で世界の持続的な平和実現を」 イラク帰還米兵アッシュ・ウールソンさん 日本国憲法9条のすばらしさを世界に広める活動をしているイラク帰還米兵、アッシュ・ウールソンさん(27)が7月4日、東京・杉並の「九条の会」で、自らの戦争体験とともになぜ現在の活動を始めたのかについて話をした。「I♥9条」と書かれたTシャツ姿のアッシュさんは、戦争がいかに人間性を失わせるものであるかをイラクで知り、「正当化される戦争などない」と思うようになった。そして帰国後、戦争で受けた精神的な傷に悩まされるなかで「9条」に出会い、「これこそが持続的な平和を実現するための手段のひとつであり、日本人だけではなく世界中の人びとのためのものだ」と確信するようになったという。(永井浩)(2009/07/06) タイの混乱は新たな民主的変革への陣痛 メディアに欠ける歴史的視点(下) クーデターによって絶対王政を廃した1932年の「立憲革命」の主役は、欧米への官費留学生エリートたちを中心とする人民党だった。この政変によってタイは、立憲君主制のもとで議会制民主主義への一歩を踏み出したが、人民党内部の軍人と文民の路線対立で政局は不安定化する。やがて軍人が政治の主導権を握るようになり、議会制民主主義は後退を余儀なくされていく。軍人支配が頂点にたっしたのが、1957年のサリット政権の登場だった。(永井浩)(2009/04/20) タイの混乱は新たな民主的変革への陣痛 メディアに欠ける歴史的視点(上) タイの政治的混乱は、タクシン元首相支持派組織「反独裁民主戦線」(UDD)が軍との衝突による流血の事態を避けてデモを中止したため、ひとまず終息に向かった。だが、火種はくすぶりつづけており、いつ反タクシン派との抗争が再燃してもおかしくない。いま起きていることを歴史的に見るならば、1932年の「立憲革命」と1973年の「学生革命」に匹敵する大きな変革期にこの国がさしかかっているといえるからだ。メディアは目先の動きを追うだけでなく、その底流を見すえた報道もこころがけてほしい。(永井浩)(2009/04/18) ビルマ民主化 スーチーさんの自宅軟禁、13年間に 女性の政治犯は2年間で3倍増の178人に ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの自宅軟禁が、10月24日で計13年間となった。同日北京で開幕したアジア欧州会議(ASEM)の首脳会議で、欧州側はあらためて彼女の即時解放を求める予定だが、軍政がこれに応じる可能性はない。ビルマの民主化運動を支援する国際NGO、ALTSEAN(本部・タイ)によると、同国の女性政治犯はスーチーさん以外に今月現在で178人。この2年間で3倍以上も増え、獄中で非人道的な扱いを受けているという。(永井浩)(2008/10/24) パキスタン情勢 パキスタン越境攻撃で「カンボジア」の愚を繰り返す米軍 日本は悲劇に手を貸してはならない アフガニスタンにおけるタリバンとアルカイダの掃討に手を焼く米軍は、9月以降、両勢力の「聖域」があるとされるパキスタンへの越境攻撃を開始した。新たな作戦の展開とともに、パキスタンでも「誤爆」による民間人の犠牲が急増し、難民がアフガン側に流入している。米国はベトナム戦争中のカンボジア侵攻の愚を繰り返そうとしているように見える。当時との違いは、日本が米軍の空爆をインド洋上での海上自衛隊による給油で支援し、アフガンとパキスタンの民衆の殺害に間接的に加担している事実である。(永井浩)(2008/10/18) ビルマ民主化 「慈経」のこころの袈裟は誰にも剥がせない 反政府デモ弾圧から1年 1年前の9月27日、ビルマ(ミャンマー)で僧侶と市民の反政府デモが軍事政権によって鎮圧されたとき、僧侶たちが口にしていたのは政治的スローガンではなかった。仏教の基本的な教えである「慈悲」を説く経典「慈経」を静かに唱和していただけだった。にもかかわらず、彼らの多くは逮捕され、拷問を受けたり強制還俗させられた。僧院への襲撃はいまもつづいている。弾圧から一周年の日、ビルマ国内での抗議行動は封じ込められたが、東京、ニューヨーク、ロンドンなどで在外ビルマ人と各国市民らが僧侶の呼びかけを支持し、民主化運動指導者アウンサンスーチーさんをはじめとした政治犯の釈放や民主化勝利叫んでデモをおこなった。(永井浩)(2008/09/27)
ビルマ民主化 昨年の民主化蜂起の女性リーダーが逮捕 潜伏先から日本の支援求めるメッセージも 昨年9月のビルマ(ミャンマー)の民主化蜂起で指導的な役割を果たした女性活動家ニーラーテインさんが今月10日、旧首都ヤンゴンで逮捕された。僧侶と市民のデモが軍政によって弾圧されたあと、多くの僧侶や活動家が軍政の追及を逃れて地下に潜伏したが、彼女もその一人。すでに逮捕された夫との間に生まれた幼い娘は親戚に預けていた。デモを取材中に軍に射殺されたフォトジャーナリスト長井健司さんについて、潜伏先から日本の市民団体の集会にメッセージを寄せ、「長井さんの死をきっかけに多くの日本のみなさんが正義の側にはっきりと与してくださいました。日本政府がビルマ軍事政権に対して支援をすることのないよう声をあげていただきたい」と自分たちの闘いへ日本の支援を求めていた。(永井浩)(2008/09/13) ビルマ民主化 軍政がスーチーさんの一部要求を認める 食料の受け取り拒否を停止か ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんが食料の受け取りを拒否している問題で、顧問弁護士のチウィン氏は12日、軍事政権がスーチーさんの要求のいくつかを受け入れたことで、受け取りは再開される見通しとなったことを明らかにした。一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は同国の民主化の遅れにいらだちを見せ、「具体的な進展」に向け国連がひきつづき外交努力を進めると述べた。(永井浩)(2008/09/13)
ビルマ民主化 スーチーさんはやせたが元気 面会の弁護士、ハンストかどうかはノーコメント 食料の受け取りを拒否し健康状態が懸念されている、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんは1日、顧問弁護士のチウィン氏と旧首都ヤンゴン市内の自宅で面会した。APなどの外電によると、スーチーさんは「少しやせたけど元気です」と話したという。ただ、ハンストをおこなっているのかどうかについては、同氏はコメントを避けた。(永井浩)(2008/09/02) ビルマ民主化 ASEANと国連の介入を求める スーチーさんの食料拒否で東南アジアの国会議員組織 ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんが今月16日以降食料の受け取りを拒否しているとの情報について、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の国会議員でつくるミャンマー問題議連(AIPMC、本部・クアラルンプール)は27日声明を発表し、ASEANと国連が早急にこの情報の真偽を確認するよう求めた。同議連は、「もし事実ならすべての人びとにとって深刻な事態である」として、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が危機打開のためできるだけ早くビルマを訪問しスーチーさんに会うことを要求している。(永井浩)(2008/08/28) ビルマ民主化 スーチーさんが食料の受け取り拒否、健康に懸念 国連の姿勢への不信表明か ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんが8月16日以降食料の受け取りを拒否していることを、彼女が書記長を務める最大野党、国民民主連盟(NLD)が25日明らかにした。理由は明らかでないが、NLDによると、スーチーさんはビルマの人々の自由のためにわれわれは命を犠牲にしなければならないと述べたいわれ、同党は国連事務総長が危機打開のためにできるだけ早く同国を訪問するよう訴えている。スーチーさんは民主化問題の解決のため同国を訪問していた国連のガンバリ事務総長特別顧問との会談を、国連の姿勢に反発して拒否した。(永井浩)(2008/08/26) ビルマ民主化 「勝って平和な国に帰ろう」 民主化蜂起20周年、ビルマ人活動家が団結と日本の支援を訴える
ビルマ(ミャンマー)の民主化蜂起から20周年の8月8日、在日ビルマ人と支援者ら約千人が東京・品川区でミャンマー大使館への抗議デモをおこなった。翌9日には、同国の民主化を支援する諸団体の連合体、ビルマ・パートナーシップ(本部、タイ・チェンマイ)のコーディネーター、キンオーンマーさんが都内の集会(主催・ビルマ市民フォーラム)で講演、自らの体験を振り返りながら祖国の現状と民主化へのおもいを語った。彼女は、「この20年間に民主化が実現できなかったことに失望・落胆する必要はない」と述べ、「正義の闘い」の勝利をめざして在日ビルマ人が結束するとともに日本の人々が粘り強い支援をしてほしいと訴えた。(永井浩)(2008/08/10)
ビルマ民主化 「もうひとつの8・8」を忘れるな! 北京五輪の開催日、中国のビルマ軍政支援停止を求めて世界各地で抗議行動
北京オリンピックが開幕する8月8日、華やかな祭典から遠く離れた世界各地で、「もうひとつの8・8を忘れるな」を合言葉にした行動が繰り広げられる。20年前のこの日、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動が勝利目前だった。その国民の願いを武力で踏みにじった軍事政権に対する最大の支援国が中国である。米国、欧州、アジア、日本の諸都市で、在外ビルマ人と各国市民が、ビルマの人権と自由の実現への闘いに敬意を表するとともに、中国に軍政支援の停止を求めて同国大使館などに抗議する。(永井浩)(2008/08/02)
ビルマ民主化 日本は国民投票にNO!を ビルマ人弁護士らが民主化支援を訴える ビルマ(ミャンマー)軍事政権は10日、サイクロンの被災者救援を優先すべきだとする国連などの要請を無視して、新憲法草案の賛否を問う国民投票を強行したが、国民はこれをどう見ているのか。国内で声をあげることを封じられている国民の気持ちを、国外で民主化運動を展開しているビルマ人2人が同日、東京での集会(主催・ビルマ市民フォーラム)で代弁した。タイからかけつけた弁護士のアウントゥ(ビルマ法律家協会事務局長)と在日ビルマ市民労働組合(FWUBC)代表のティンウィンの両氏は、「新憲法は法的にも政治的も合法性を欠いており、これが施行されればビルマ国民の苦しみはさらに深刻になる」と強調し、たとえ軍政が賛成多数の発表をしても日本をはじめとした国際社会は新憲法を認めないでほしいと訴えた。(永井浩)(2008/05/11) ビルマ民主化 深刻化する軍政の少数民族迫害 在日カチン族が日英専門家の報告会 ビルマ(ミャンマー)は、昨年9月の反軍政デモに見られるように、アウンサンスーチーさん率いる民主勢力に対する軍政の弾圧という構図で語られがちだが、軍政から最も残虐な迫害を受けているのは少数民族である。その実態を知ってほしいと、日本に逃れてきたカチン族の人びとが4月27日、東京で、英国と日本の専門家による報告会を行った。国際NGO「クリスチャン・ソリダリティ・ワールド」(CSW)のベネディクト・ロジャーズ氏は、現地調査にもとづき軍政による民族浄化、宗教迫害、難民の増加などを告発。「ビルマ情報ネットワーク」の秋元由紀さんは、こうした人権侵害と天然ガスなどの開発との関係にふれ、日本の政府と企業も軍政の開発事業に関わっている事実を明らかにした。(永井浩)(2008/04/29) 【ビデオ】ビルマ軍政はなぜ僧侶のデモを恐れるのか 非暴力の闘いに国民の支持
燃料費の大幅値上げに対するビルマ(ミャンマー)国民の抗議行動は、多数の僧侶が全国各地で抗議デモを展開するにつれ、反軍政の政治的性格を濃くし始めている。旧首都ヤンゴンでは22日も少なくとも2千人の僧侶がデモが行ったが、軍政は2003年以来自宅軟禁に置かれている民主化運動の指導者アウンサンスーチーさん宅前の道路封鎖を突然解除、スーチーさんが自宅前を通過する僧侶たちを見て涙をこらえきれなくなる姿が見られた。なぜ僧侶は反権力闘争の先頭に立つのか。軍事政権はなぜ僧侶の行動に手荒な対応を控えているのか。民主化運動と仏教はどのような関係があるのか。日本人には分かりにくいこれらの点を、現地から送られてきた僧侶のデモ行進のビデオを観ながら考えてみたい。(永井浩)(2007/09/22)
検証・メディア 【韓国オンラインメディア(3)】新旧メディアの熾烈な競争が始まった オーマイニュースに代表されるインターネットメディアは、転換期の韓国が生んだ「反抗児」といえる。彼らは進歩的姿勢を旗印に既成の価値観や政治・経済のあり方に果敢に挑戦し、多くの市民の支持を得た。しかし、いつまでも反抗だけが許されるわけにはいかない。彼らを取りまく政治と技術の環境はたえず変化をとげ、挑戦を受けた側も態勢の立て直しを図ろうとしている。そのなかで反抗児は、これからどのような成長と飛躍をめざそうとしているのだろうか。ひきつづき、韓国のメディア関係者、作家、市民活動家らに聞いた。(日刊ベリタ=永井浩)(2006/08/23) 検証・メディア 【韓国オンラインメディア(2)】転換期の象徴としてのオーマイニュース 韓国の市民参加型インターネット新聞「オーマイニュース」をモデルとした、「オーマイニュース・ジャパン」が今月28日に創刊される。同紙の創刊者であるオ・ヨンホ(呉連鎬)代表は、韓国での成功の経験をふまえて市民記者の世界的ネットワークの構築によって世界を変えたいという意欲を示しており、その一歩がソフトバンクの出資を得た日本語版といえる。韓国モデルは、異なる土壌の日本にも定着するだろうか。いまや韓国の政治に大きな影響力を発揮するまでになったインターネットメディア誕生の背景と今後について、同国のメディア関係者、研究者、市民活動家たちに聞いてみた。(日刊ベリタ=永井浩)(2006/08/22) 検証・メディア 【韓国オンラインメディア(1)】 「市民記者」とは何者か? ドラマとともに世界から注目される韓流、それがインターネット新聞の活躍だ。「オーマイニュース」に代表される新しいメディアは、いまや韓国の政治を左右する力をもち始めているといわれる。かれらの台頭の背景には何があるのか、既存メディアはニューフェースの挑戦をどのように受け止めようとしているのか、韓国モデルは日本のメディア改革に有効だろうか。そんな疑問をいだきながら、初秋のソウルでさまざまな人の声を聞いた。まずは、「市民すべてが記者である」をモットーに躍進する同紙の、「市民記者」の素顔を紹介したい。(日刊ベリタ=永井浩)(2005/09/24) 中国 「尊厳」重視の中日関係の発展を 「花岡事件」執筆の中国人作家・旻子さんに聞く
太平洋戦争末期、日本に強制連行された中国人が、秋田県の鹿島組(現鹿島)花岡出張所での虐待に耐えかねて蜂起した「花岡事件」。2000年に東京高裁で、原告中国人に被告の鹿島が総額5億円の平和友好基金を供出することで和解したが、この悲惨なできごとは戦後60年を経た現在も、日中関係を考えるうえで多くのことを示唆している。事件の全貌を描いた『尊厳―半世紀を歩いた「花岡事件」』の著者、旻子(ミンズ)さんが邦訳の出版(日本僑報社刊)を機に来日したので、執筆の背景や両国関係のあり方などについて聞いた。(日刊ベリタ・永井浩)(2005/09/03)
沖国大の米軍ヘリ墜落壁を撤去 「保存」求める学生、市民らの声無視
昨年8月に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学(宜野湾市)で、事故で黒こげになった壁の撤去作業が始まっている。大学側は、事故を風化させないためのモニュメントを計画しているとしているが、事故を象徴する壁の保存を訴える学生や市民などは、壁の保存方法が決まらないなかでの突然の作業開始に反発を強めている。(ベリタ通信)(2005/06/29)
橋梁談合のツケは自然破壊にも 圏央道の建設中止を訴える市民運動 首都中心部から40〜60kmの位置に高速自動車専用に建設中の圏央道。その橋梁工事を受注したのは、談合で摘発された大手建設会社である。橋梁以外の工事も常識では考えられない高い落札率で大手ゼネコンが受注している。そして談合まみれの公共工事のツケは、豊かな自然と住民の生活の破壊、国債残高の増加である。圏央道反対運動に関わる一市民(匿名希望)は、不要な道路に税金をかすめ取るようなやり方でこれ以上巨費を投じることは許されない、と訴える。(ベリタ通信)(2005/06/25) ビルマ軍政はなぜスーチーさんを恐れるのか 世界各地で誕生日記念の催し ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの60歳の誕生日にあたる19日、世界各地で彼女の自宅軟禁からの解放とビルマの民主化を求める催しが行われた。東京での参加者は、スーチーさんの思想と行動の現代的意味を問うシンポジウムに耳を傾け、在日ビルマ人らによる軍政批判の寸劇、民族舞踊などに拍手を送った。またダライ・ラマ14世やデズモンド・ツツ大司教ら歴代ノーベル平和賞受賞者14名から同賞受賞者であるスーチーさんへの記念メッセージも披露された。(ベリタ通信=永井浩)(2005/06/20) いまこそ非暴力と対話の精神を スーチーさん誕生日にむけて多数のメッセージ ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者でノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチーさんが60歳の誕生日を迎える今月19日、日本や米国など世界各地で記念の催しが行われる。いまだに自宅軟禁中の彼女の不屈の闘いを励まし、ビルマが一日も早く軍事独裁から民主主義の国へと生まれ変わることを願うとともに、闘いを支える非暴力と対話という基本姿勢の意味を現代世界のなかで再考してみたい、という主催者の呼びかけに対して日本でも各界の著名人や市民から80通近いメッセージが寄せられている。(ベリタ通信=永井浩)(2005/06/11) ビルマ連続爆発事件の謎 増え続ける市民の犠牲
軍政下のビルマ(ミャンマー)で昨年以来爆発事件が相次ぎ、市民の犠牲が増え続けている。今月7日に首都ヤンゴンで起きた同時爆発では、180人以上の市民らが死傷した。軍政当局は、実行犯として国内の少数民族武装組織や海外在住の反軍政派ビルマ人グループなどを挙げているが真相は不明。軍政の自作自演説も浮上している。(ベリタ通信=永井浩)(2005/05/19)
|
![]() ![]() |
| Copyright (C) Berita unless otherwise noted. |
| よくある質問 | お問い合わせ | 利用規約 | 各種文書 | 広告掲載 | 記事配信 | 会社概要 |