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橋本勝21世紀風刺絵日記


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2017年05月26日
2017年05月25日
2017年05月24日
2017年05月23日
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2017年05月20日
2017年05月19日
2017年05月18日



Writer

記者

村上良太( MURAKAMI Ryota)


日刊ベリタの記者・編集者。岡山県生まれ。




国際
マクロン氏がLGBT情報誌の表紙に
今日、先進国ではLGBTと記されるゲイやトランスセクシュアルなどの性的なマイノリティの人々の政治力が増していて米大統領選でもゲイコミュニティのネットワークの力が無視できなくなっていると言われています。大統領選挙が行われたパリでも当選したマクロン氏はLGBT情報誌の表紙に取り上げられていました。(2017/05/24)


文化
プラシド展 〜 デフォルメの真実 〜コリーヌ・ボネ画廊 Exposition of Placid at Galerie Corinne Bonnet
イラストレーターや漫画家で同時に絵画も描く人がいるが、パリの14区にあるコリーヌ・ボネ画廊はそうした画家をよく扱っている。今、展示を行っている画家のプラシド(Placid) もそうした画家の1人で漫画集もたくさん出版してきた人である。プラシドの絵画を見ると、そこでは強烈なデフォルメが行われている反面、非常にリアルでもある。何がリアルなのか、と言えば表情である。(2017/05/21)


欧州
マニュエル・バルス前首相の造反  社会党からマクロン新大統領のEn Marche! へ     ところがマクロン新大統領が拒否
「左でもなく、右でもなく」をキャンペーンPRで打ち出して見事大統領の座を射止めた新党”En Marche!”(始動!)のエマニュエル・マクロン氏。フランス政界へのインパクトは大きい。筆者には日本の1990年代半ばにおける社会党から民主党への左派議員の移行を思い出させる。日本では中道政党・民主党が生まれ、旧・社会党議員が多数そこに移動した結果、かつて野党第一党だった社会党は今では非常に小さな政党になってしまった。その結果、日本の政界は大きく右に移行し、憲法改正を阻止してきた「3分の1以上を野党が占める」という体制がついに崩壊することになった。(2017/05/11)


欧州
フランスの政治を変えたい ジャーナリスト・映画監督のフランソワ・リュファン氏が国会議員選挙に初立候補  マクロン大統領の故郷アミアンで始まる熾烈な選挙戦  
新大統領も決まってほっと一息、と言う間もなく、フランスでは6月の国会議員選挙に向けた準備が始まっている。まずテレビのニュース番組ではマクロン氏が立ち上げた新しい政治グループ「En Marche !」(始動!)が国会議員候補をどう擁立するか、そしてまた大統領と同じ行政府の首相や閣僚には誰を選ぶか、こういった話題が報じられている。報道によると来月の国会議員選挙に「En Marche !」(始動!)から立候補するのは無名の新人が少なからずいるようだ。(2017/05/10)


欧州
マクロン勝利宣言の裏で 2  パリ市内4か所で13人に出口調査をしたら全員マクロン支持だった  村上良太
パリの大統領選挙決選投票。結果はマクロン候補が約66%、ルペン候補が約34%という結果でマクロン氏の圧勝となった。予測されていた通りの結果となった。フランスの大統領選挙の投票所は地域の小学校や市庁舎などが使われ、三々五々人々が投票にやって来る。市内4か所で筆者は今回の大統領選に対する投票者たちの考えを聞いてみた。驚いたことは13人、全員がマクロン候補に投票したと答えたことだ。(2017/05/08)


欧州
マクロン勝利宣言の裏で  反ラシズム(反人種差別主義)集会が開かれる  年々勢いを増す人種差別主義にどう立ち向かうか
パリ北駅から徒歩2分のラファイエット通りにあるバー「植民地」(la Colonie)。ここに5月7日、大統領選挙の夜、人だかりができていた。集まっていたのは北アフリカのマグレブ地方の移民やその二世、三世が多い印象だが、中東から来た人たちもいたかもしれない。集会は「反ラシズム(反人種主義)」の討論会だった。(2017/05/08)


欧州
大統領選挙前日に当選確実? エクスプレス誌の速さ
大統領選挙、決選投票を明日の日曜に控えるパリの街角、キオスクの壁には早くもマクロン勝利を思わせるポスターが。さすがはエクスプレス(急行列車)という名前だけのことはあります。とはいえ、選挙はまだまだ何があるかはわからない。(2017/05/07)


コラム
フランス大統領選  マクロン候補の故郷アミアンで「マクロン人形」を見た  
フランスでは大統領選の決選投票を日曜日に控えています。今日金曜のFigaro紙では5月3日のテレビ討論でマリーヌ・ルペン候補が決定的に劣勢になったと書かれていました。細かいことは不明ではありますが、Figaroの政治コラムニスト、ギョーム・タバール(Guillaum Tabard )氏によると、討論での敗因にはいくつか原因があります。1つは15000人規模の政治集会と1500万人の視聴者を前にした時(1500万人が視聴したようだ)の違いをマリーヌ・ルペン候補が理解していなかったこと、また第一回投票の前の討論会と第二回投票前の討論との性格の違いをマリーヌ・ルペン候補が理解していなかったこと。(2017/05/06)


文化
探偵ドラマから恋愛ドラマまで  インタビュー エリザベート・ブールジーヌ(女優)Interview : Elizabeth Bourgine ( actress )
 アメリカの文学界が生み出した代表的な私立探偵がフィリップ・マーロウだとしたら、フランスでは誰か。様々な意見があるでしょうが、候補の一人は作家のレオ・マレが生み出したネストール・ビュルマでしょう。ハードボイルドでありながら、ユーモアも込められており、フランスではファンが多く、映画化も繰り返し行われ、漫画にもなっています。俳優や漫画家を変えて代々受け継がれています。その1つ、映画「ネストール・ビュルマ ショックの探偵」に出演した女優のエリザベート・ブールジーヌさんです。(2017/05/03)


国際
トランプ大統領「適切な状況が整った場合に金正恩氏と会えれば私は光栄だ」
4月に空母カールビンソンが北上して一触即発か、という報道がなされ、東京では地下鉄が止まる騒ぎも起きた。とはいえ、トランプ大統領はTVインタビューで、適切な状況が整えば北朝鮮の金正恩氏と会見することは光栄である」と語った。これは突然の事態の急変だろうか。実際のところは前回日刊ベリタで報じたように、アメリカの朝鮮問題のエキスパートがすでにニューヨークタイムズで北朝鮮と交渉するならトランプ政権発足100日の期間が極めて大切で、それを逃すと格段に難しくなる、と予測していた。それを考えればカールビンソン北上情報(これはあとで嘘だったことが判明した)は交渉前のブラッフ(脅し)だったと言える。しかし、ブラッフが機能するためには万一の場合、発動する可能性を残しておくものだ。(2017/05/03)


政治
労働争議と共謀罪  フランス二月革命(1848年)以後の労働運動を振り返る  共謀罪は労働争議の防止が目的だった
今、政府が導入しようとしている「共謀罪」が本当に必要な法律なのか、多くの識者から疑問が投げかけられています。そもそも施行されればテロ対策とは無縁の相当たくさんの犯罪に共謀罪が適用されることになり、これまでの刑法を一夜にして変質させ、政府・警察の恣意的な運用を招く恐れが存在することにあります。共謀罪のような法律がなぜ今、制定されようとしているのか、時代的背景には外国人による「テロ」ではなく、むしろ国民の反政府運動の封じ込めにあるのではないか、と見ることもできると思います。(2017/04/30)


政治
社会党バルス前首相の「裏切り」 社会党のアモン候補に見切りをつけマクロン候補に投票 
フランスの大統領選は5月7日の決選投票に向けて動いている。とはいえ、報道はエマニュエル・マクロン大統領誕生の秒読みモードに入っていると言えよう。そして、話題はその先に向かっている。まずは第一回投票でブノワ・アモン候補の得票率が6%台と第五位に低迷した社会党である。ルモンドではアモン候補も、1月の予備選でアモン氏に敗れたマニュエル・バルス前首相(大統領選立候補控え、昨年12月にカズヌーブ氏に交代した)も、いずれにしても今後、社会党で生きていくにはなかなか厳しいものがあると報じた。(2017/04/30)


みる・よむ・きく
畑山敏夫著 「現代フランスの新しい右翼 ルペンの見果てぬ夢」(法律文化社)
フランスの大統領選で決選投票に進んだマリーヌ・ルペン国民戦線党首。2002年に父親のジャン=マリ・ルペン先代党首が決選投票に進んで以来の躍進となった。アンケート調査ではエマニュエル・マクロン候補が優勢と見られているが、それでもまだ最後までわからない。畑山敏夫著「現代フランスの新しい右翼 ルペンの見果てぬ夢」(法律文化社)はフランスの極右政党である国民戦線がいかに成長してきたか、その歴史をたどった貴重な一冊である。(2017/04/28)


コラム
今村復興大臣の失言の裏に潜むもの 〜福島、東北、沖縄 そして自民党改憲案〜
今村雅弘復興大臣がたび重なる失言で辞職することになった。その決め手となったのが東日本大震災を評した次のような言葉だったとされる。今村「これは、まだ東北で、あっちの方だったからよかった。もっと首都圏に近かったりすると、莫大な甚大な被害があったと思う。」この言葉は今村大臣の個人の思想を表している、というだけだろうか。(2017/04/28)


国際
トルコと共謀罪 国民投票で憲法改正が決定となったトルコ さらに約1000人が逮捕される 国民投票の不正疑惑封じ込めか
4月16日の国民投票で憲法改正派がきわどい勝利を得た。ところが、すぐに投票不正の疑惑が報じられた。それから10日とたなない昨日、1000人以上のトルコ人が逮捕されたと外国メディアで報じられている。容疑はアメリカに滞在しているギュレン師に連なっているからだとされる。ギュレン師は証拠も明示されないまま、昨年7月のクーデター未遂事件の首謀者と政府から指弾されている。また、ギュレン師に連なるという咎で9100人の警察職員が業務停止処分となった。ニューヨークタイムズによれば昨年夏のクーデター未遂以後、すでにおよそ45000人が拘束されている。(2017/04/27)


国際
フランス大統領選決戦へ 世論調査ではマクロン候補64% マリーヌ・ルペン候補36%
フランス大統領選は5月7日の2回目の決選投票に向かっている。フランスでの報道をウォッチしていると、世論調査が極めて正確に現実になっており、逆に言えばその見通しに対して波乱を起こすことができていないことでもある。左派にとっては社会党のブノワ・アモン候補が撤退せず、左翼党のメランション候補と票が割れて共倒れしてしまったことは、最初から予測できたこととはいえ、苦い思いを与える結果となった。19.5+6.3=25.8。これはネットで出回っているものだが、左派の2候補の得票率を合計した数字で、これだけあれば悠々トップで決戦に進めたのである。リベラシオン紙に公開書簡の形でアモン候補にメランション候補で1本化して欲しい、と訴えた哲学者のパトリス・マニグリエ氏の期待は実現されることがついになかった。(2017/04/27)


国際
サウジアラビアが国連の女性の権利向上委員会のメンバーに選ばれる  「ご冗談を」という声が世界で続く  実は日本も選ばれていた・・・
女性の権利を世界で最も抑圧している国の1つ、サウジアラビアがよりによって国連の女性の権利を向上させる委員会のメンバー国に選ばれたという。国連の監視グループが発したこのニュースがインターネットで流れると、あまりにも不可解かつ不条理だったため、「冗談か?」「本当のニュースなのか?」などと疑問視する声が相次いでいる。(2017/04/26)


コラム
貴族制社会への移行  身分の固定化と一定額以上の納税をした国民だけに選挙権が与えられる国に戻る可能性
国民には今後は選挙権はいらないでしょう、と若者が言ったのを聞いて衝撃を受けたことがありました。選挙権を持っていても政治家を選ぶ見識がない人々が圧倒的に増えてくると、衆愚政治の危機に陥るため、一定の見識を持つ人だけを選抜して、その人々による間接選挙にするべきだ、というのです。実際、今の日本では投票率も低く、また与党議員に見られるように憲法すら理解していないと思われる国会議員も少なくありません。このような国家になったのは国民が政治家を選ぶ力がないから、というのが彼の意見でした。そして、アメリカでもそのような考え方が少しずつ増えているのだそうです。去年の米大統領選を思い返せば、その発言にもリアリティがあります。(2017/04/25)


国際
フランス大統領選  投票傾向を「東西」で分けて考えるべきなのか  鍵はムスリム移民の経路
フランス大統領選の1回目投票で国民戦線のマリーヌ・ルペン候補を支持したのが大雑把に分ければフランスの東部、エマニュエル・マクロン候補を支持したのがフランスの西部という風に東西で分けて分析している人が何人もいるようだ。これはフランスメディアが配信する色分け地図をもとにしたものだが、東西で分けることに大きな意味があるのかどうか。中にはフランスの革命前後の革命勢力の地盤と保守勢力の地盤がこの東西に現れている、という学者の見立てもあった。ここで思い出されるのは2015年12月のフランス地方選挙である。地方選こそ如実に地域の支持基盤が見えるからだ。そして、「東部」と彼らが指摘している地域は正確に言えば地中海沿岸の地域圏、東部の国境に沿った地域圏なのである。つまり、ここは海から、そして鉄道で移民が大量に流入してくる窓口となっている地域なのだ。(2017/04/24)


コラム
フランス大統領選  ぶっ壊された社会党
昨日23日、フランスで大統領選挙の第一回投票が行われた。メディアですでに報じられている通り、今回の選挙では社会党と共和党という二大政党の候補が敗北を喫して撤退し、極右政党の国民戦線と選挙直前に生まれた新しい政治組織「始動!」の候補者による決選投票となった。マリーヌ・ルペン候補(国民戦線)とエマニュエル・マクロン候補(始動!)である。エマニュエル・マクロン候補はマニュエル・バルス首相が率いる社会党政権の経済大臣だった人物であり、一見左派に位置していたが、今回の成功のもとは社会党から出馬しなかったことだ。もう一つの意外なことは当初、社会党のトップ候補と目されていたバルス氏が社会党候補とならなかったことである。(2017/04/24)


国際
フランス大統領選 最新の出口調査ではエマニュエル・マクロン候補が首位、マリーヌ・ルペン候補が2位 
フランスの大統領選挙・第一回目の投票が行われた。フランスメディアRTBFの出口調査によると、首位はエマニュエル・マクロン候補で24%、2位がマリーヌ・ルペン候補で22%となっている。最新の出口調査の結果は以下の通り。(2017/04/24)


コラム
英紙ガーディアンは社説でエマニュエル・マクロン候補をフランス大統領に推した
欧米の新聞は日本の大新聞のような見せかけの中立主義に毒されていない。ニューヨークタイムズは昨年の大統領選で予備選の始まりの時点からすでに明白に民主党のヒラリー・クリントン候補を推薦すると社説で書き、繰り返し支持を表明してきた。一方、英国のジャーナリズムを代表するガーディアン紙は海峡を挟んだ向かいのフランス大統領選に関して、エマニュエル・マクロン候補を大統領に推す、と社説に記した。(2017/04/23)


国際
フランス大統領選  左派総崩れの可能性  社会党ブノワ・アモン候補に撤退してメランション候補(左翼党)で大同団結することを勧めた哲学者
フランス大統領選挙の第一回目の投票日は今度の日曜日、4月23日です。4月16日と17日に行われた最新のアンケート調査(11600人が対象)の結果ではエマニュエル・マクロン候補がトップを走っている。以下はトップ5候補の状況。マクロン 23% / マリーヌ・ルペン  22.5% / フィヨン 19.5% / メランション 19% / ブノワ・アモン   8%(2017/04/22)


コラム
新聞社の編集姿勢はまずは見出しに現れる  魂なき虚ろな見出しの群れ
朝日新聞のたしか「わたしの紙面批評」という欄だったように思うのだが、作家の中島京子氏が以前、こんなことを意見していた。新聞の見出しがとても大切だ、と。だから、人権が侵され得るような政治の問題は一面に大々的な見出しをドーンと掲げるべきじゃないのだろうか、と。そんな意味合いの言葉で、なるほど、その通りだと思った。(2017/04/21)


コラム
郵便局での会話
 先日、町の郵便局に用事があって、据え付けの机で住所などを書き込んでいると、後ろから会話が聞こえてきた。高齢の女性と受付窓口の女性の話で、別段他人の用事に関心を持つこともないのだが、そこで聞こえてきた話はどうしても耳についてきたのだった。窓口「今日、引き出されてお持ち帰りになる100万円のことで少しお聞きしたいんですよ。」(2017/04/20)


文化
ベルリンにたどりついた亡命俳優たちの劇団  "The Exil Ensemble ” ニューヨークタイムズ文化欄から 
ベルリンに中東からの難民によって構成された亡命劇団"The Exil Ensemble ”というのがあるそうだ。ニューヨークタイムズの文化欄の4月17日の記事”Refugees find home is a Berlin theater"(難民が見つけた住まいはベルリンの劇場だった)で読んだのだが、写真入りでかなり大きく取り上げられていた。ドイツ語だとどういう単語かわからないが、英語で言えば亡命劇団、とてもわかりやすい。俳優は男女7人で、出身はシリア、パレスチナ、アフガニスタンである。いずれも過酷に弾圧されたり、戦乱の最中だったりする地域だ。そして、今、上演しているのが「冬の旅」(Winterreise = Winter Journeyと題されたドキュメンタリー的なドラマだと言う。そこにはユーモアや笑いも盛り込んでいるようだ。(2017/04/19)


みる・よむ・きく
野村豊弘著「民事法入門」 (有斐閣アルマ)
有斐閣から出版された野村豊弘著「民事法入門」はちょっと感動ものだった。新書よりは少し幅が広いが全体に小ぶりな本の中に、民事法の基本が大変優しく解説されているからだ。民事法は民法や商法、そして民事訴訟法などのそれらの手続き法から構成されるのだが、筆者が法学部に在籍していた頃は民法も商法もそれぞれバラバラに学ぶだけで、全体を「民事法」という風に一望する勉強をしたことがなかった。卒業後に後悔しても仕方がないのだが、全貌をできるだけ初期につかむ、ということはその後の勉強にとってとても大切だ、と思う。(2017/04/17)


国際
トルコで憲法改正国民投票 エルドアン大統領の権力を絶大にする憲法改正派が優勢か "第一次大戦後レジーム”からの脱却を100年ぶりに狙う
4月16日、トルコでは憲法改正の国民投票が行われている。今回の改正はBBCなどの報道によればおよそ100年前のケマル・アタチュルクによる世俗主義と立憲主義への憲法改正を大きく変える国家大改造になる。そして一部の開票速報によると、改正派が54%と優勢になっている。(2017/04/17)


国際
ユナイテッド航空「引きずりおろし事件」に腕を競う世界の風刺作家たち
アメリカのユナイテッド航空でオーバーブッキングが発生してしまったために降りるのを拒否した乗客を無理やり引きずり出した事件は世界中に報じられた。とくに保安要員に無理強いされた男性が顔から幾筋も血を流していたことも衝撃を与えた。これに義憤を感じ、職業魂を刺激されたのが風刺漫画家や風刺ライターたちだ。さらにはプロだけでなく、様々な人々がこれを風刺しているのである。最初にこれに関して筆者が見たのは「ユナイテッド航空・訓練ビデオ」というテロップがつけられた映像だった。(2017/04/16)


みる・よむ・きく
安部直文著「全図解 日本のしくみ 政治・経済・司法編」(講談社インターナショナル)
講談社インターナショナルから出版された対訳形式のバイリンガルブックスシリーズは書店で目にされたことがある方も少なくないだろう。 「英語で読む日本国憲法」という対訳本もこのシリーズで出版されており、憲法と英語を同時に学べる貴重な本だった。だが、ウィキペディアによると、講談社のこの子会社は1963年に設立され、2011年4月末で解散となっている。残念だ。思えば筆者が対訳という出版形式に初めて触れたのは30年前の学生時代にカナダを旅してケベックの古書店でジャック・プレヴェールの詩集「パロール」を手にした時だった。(2017/04/16)


コラム
テロを表明する作家
排外主義で知られる作家の名前のアカウント名を持つ人物がツイッターで、もし北朝鮮のミサイルが日本に着弾して家族が殺されたら、テロ組織を作って日本国内の敵を潰していくといった内容を拡散している。この人には17万人のフォロワーがいるので、作家本人がそれを実行しようとしまいと、このメッセージに影響される人も出てくるかもしれない。(2017/04/15)


国際
第二次朝鮮戦争の可能性 平和条約交渉か、戦争か
 トランプ大統領が原子力空母カール・ビンソンを中心とする米海軍・第1空母打撃群をシンガポールから北朝鮮に向けて北上させていると報じられた。これを巡って、いよいよ金正恩氏が率いる北朝鮮政府を転覆させる作戦か、という見方も出ている。その場合、自衛隊が安保法制適用の最初の事例として米軍の後方支援を行う可能性も出てくるだろう。またその場合は日本の関連自治体も戦時体制に突入し、報道も統制されることになる。(2017/04/10)


政治
なぜ政府を監視するか  
日刊ベリタで筆者は政権批判をしていますが、特定の政党を筆者が支持しているわけではありません。まして特定の政党の党員でもありません。もし将来、民進党が政権を握ったら民進党をウォッチして問題があれば批判しますし、同じことが共産党でも社民党でも公明党でも維新でも言えます。それに批判している今の政権を別にすれば、自民党が特段、他の政党に増して嫌いと言うわけでもありません。(2017/04/10)


政治
イスラム原理主義と同根 自民党改憲案の政教分離原則の廃止(憲法20条改正案)
教会勢力が政治的権力を握って宗教迫害を行ったり、宗教戦争を行ったりしていたのは中世に留まらない。日本でも1945年まで国民は国家神道という宗教を強要され、神のために従軍させられ戦うことを強いられていた。中東のシリアやイラクで行われている戦争もイスラム教の宗派間の確執をもとにする宗教戦争である。このように政教分離原則を旨とする憲法のない国々では宗教戦争が起きうるし、宗教的迫害や宗教上の長老たちが政治を左右することがしばしば起きる。そして多くの場合、女性の地位は男性より圧倒的に低い。自民党の改憲案では近代を画したこの政教分離原則が取り払われることになる。日本が前近代社会に戻っていく、というのはそのことである。(2017/04/09)


国際
フランス大統領選 先頭に出た男エマニュエル・マクロン氏(元経済相・元金融マン) その経済政策は?
フランス大統領選で現在、BVAのアンケート調査でマリーヌ・ルペン候補と並び先頭に出ているのがエマニュエル・マクロン候補だ。オランド政権のマニュエル・バルス内閣で経済大臣を以前勤めていた人物で、もともとは金融界の出身である。社会党からの出馬を避け、自ら「En Marche! (始動!)」という政治グループを立ち上げた。ウェブサイトによれば支持者はすでに20万人に上るともいう。マクロン氏の経済政策はと言えば、もともと社会党ながら右派のバルス内閣が目指していたネオ・リベラル的な方向と基本的には同じのようだ。(2017/04/09)


国際
トランプ政権のシリアへのトマホーク攻撃  化学兵器は本当に空軍基地にあったのか? アサド政権の化学兵器使用は確かなのか? 
 新聞報道によると、シリアのアサド政権が今月4日、ホムス郊外のハーン・シェイフンで反政府派に化学兵器を使用したとして、地中海に停留する米艦がシュアイラ―ト空軍基地に向けてトマホークを59発打ち込んだ。米政府によると、この空軍基地に化学兵器が隠されている、ということである。だが、化学兵器を使用したのがアサド政権だったのか、またシュアイラート空軍基地に化学兵器が積まれていたのか、その証拠は示されていない。(2017/04/09)


国際
フランス大統領選 最新アンケート結果 マクロン元経済大臣と国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が23%で同率首位、その後ろに共和党のフィヨン候補と左翼党のメランション党首が19%と差を詰めて肉薄中 社会党のアモン候補は8%台に沈む
4月23日に行われる仏大統領選の一回目投票。フランス大統領選で誰に投票するかというBVAのアンケート調査の最新報告。あくまで抽出された少数によるアンケート調査結果に過ぎないが、1ポイント以下の端数を切り捨てれば、エマニュエル・マクロン候補とマリーヌ・ルペン候補が23%で同率首位。その後ろをフランソワ・フィヨン候補とジャン=リュク・メランション候補が19%につけて差を縮めていることに注目が集まっている。社会党のブノワ・アモン候補は8.5%と最下位に落ちその差も広がりつつあるようだ。(2017/04/09)


政治
義家弘介文部科学副大臣の教育勅語容認発言は森友学園に何らかの形で関係した総理と防衛大臣の責任問題への煙幕ではないか
  義家弘介文部科学副大臣が7日、衆院で幼稚園など教育現場で子どもたちが教育勅語を朗読することにつき「教育基本法に反しない限りは問題のない行為」と語った。これは今月冒頭に「憲法に反しない形でなら教材として使用してよい」とする答弁書を閣議決定したことと連動していると思われる。(2017/04/08)


文化
仏映画「河で眠る人」俳優パスカル・トゥルモさんにインタビュー  Interview : Pascal Turmo / acteur " Dormeuse Duval "
今、フランスで公開中のマニュエル・サンチェス監督の新作「河で眠る人」 " Dormeuse Duval "に出演した俳優のパスカル・トゥルモさんにインタビューしました。この映画はフランス東部国境地域アルデンヌ地方を舞台にしています。繰り広げられるのは初老にさしかかった夫婦のもとに若く美しい女性がパリから訪れ、波紋を投げかけます。一方、夫婦の妻を演じるマリーナ・トメ(Marina Tome)氏のロマンスの相手役を夫の友達でもあるパスカル・トゥルモ氏がつとめています。トゥルモ氏は映画よりも舞台を主に活動の場にしてきた俳優で、マリヴォー、シェイクスピア、モリエール、ホルヴァート、A・ミラーなどの芝居に出演しています。(2017/04/07)


コラム
「山田さんへの手紙」   劇作家ブレヒトはTVドキュメンタリーの先駆者だった 
山田さんはドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトの作品にどれくらい親しんだでしょうか。ブレヒトというと左翼演劇とか理屈っぽい、と思う人が少なくないと思います。そして今日は知っている人も少なくなっています。実はTVドキュメンタリーを先取りしていたのはブレヒトではないか、と思っています。ブレヒトは演劇の中に「報告」というスタイルを持ち込み、叙事的演劇という概念を確立したのです。叙事的演劇とは、こんな出来事があったよ、と報告者が観客に語りかけ、するとそれを再現的に演劇にしたドラマが始まって、次にまた、報告者がその後どうなったかを報告し、そしてまたドラマが続いて・・・・当時はまだTVがなかった時代で、演劇は今日のTVの役割を担っていたのです。(2017/04/06)


みる・よむ・きく
シェイクスピア作「ジュリアス・シーザー」 〜独裁政権の誕生前夜を描いた激動の傑作〜
今、世界では近代の市民社会が壊れかけ、各地で独裁者が再び生まれ始めています。こんな時、英国人は何百年もの間、ある芝居を見てどう自分が振る舞うべきか、考えてきました。それがこの劇、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」です。英国では政治家や外交官を目指す若者は学生時代にシェイクスピアを暗唱できるくらい読むのが伝統でした。わが国でも筆者が学生の頃は政治演説の見本として中学の国語の教科書に掲載されていたものです。「ジュリアス・シーザー」は古代ローマ史に材を取っています。(2017/04/03)


みる・よむ・きく
岡沢憲芙編「演習ノート 政治学」(法学書院)
法学書院が出版した岡沢憲芙編「演習ノート 政治学」は大学生向けのテキストのようだが、一般の人にとっても使いやすい政治学の一問一答形式の入門書である。政治と言えば曖昧模糊としてつかみどころがない印象を持つ人が多いだろうが、政治学という学問があるように科学の対象である。アメリカでは「ポリティカル・サイエンス」というようにサイエンスという言葉が科目についているのだ。初版は1982年である。(2017/04/02)


コラム
内閣答弁書<教材に教育勅語を否定せず>は森友学園に何らかの形で関係した総理と防衛大臣の責任問題への煙幕ではないか
昨日の朝刊で、安倍内閣が教育勅語でも憲法に反しない形でなら教材として使用してよい、という旨の答弁書を閣議決定したことが大々的に報じられました。多くのメディアでは戦前の憲法観に基づく道徳である教育勅語を教育に用いることの問題が論じられており、それはもっともなことだと思います。しかし、なぜ今、教材に教育勅語を否定しない閣議決定が出てきたのか。今この答弁書を安倍内閣が提出した動機こそ、大切ではないでしょうか。これは安倍総理や稲田防衛大臣らが昭恵夫人なども絡めて何らかの形で、教育勅語を児童に暗唱させていた塚本幼稚園を営む森友学園に関係していたことが背景にあると思われます。(2017/04/02)


政治
共謀罪(テロ等準備罪)を知りたければ昨年トルコで起きた”クーデター未遂”後の政府による野党、ジャーナリスト、教職員、裁判所判事らの一斉逮捕・粛清を参照しよう 
今、国会に内閣から提出され、いずれは強行採決の可能性もある共謀罪(テロ等準備罪)法案は戦前・戦中の軍国主義を後ろから支えた治安維持法と本質的には同じで、市民活動に対する危険性を帯びた法律案である。こうした事例を考える際に最も身近な事例の1つがトルコで昨年夏に起きたエルドアン政権に対するクーデター未遂事件の後に、事件を引き起こした軍人だけでなく、野党よりの新聞社・放送局、政治家、教職員、判事などが一網打尽に逮捕されたケースだと思う。(2017/04/01)


欧州
迫るフランス大統領選  国民戦線が初大統領を生むか、それとも?  テレビ討論会が始まる
 フランスの大統領選が1か月後に迫ってきた。フランス大使館によると4月23日に第一回投票。2週間後の5月7日に上位2名で決選投票が行われる。選挙運動期間はおよそ1か月間。これはアメリカの大統領選に比べると圧倒的に短い。しかし、任期は5年間とアメリカより1年長い。最終的に候補が確定するのは第1回投票に先立つ遅くとも3週間前の金曜日だという。「選挙運動は第1回投票に先立つ2週前の月曜日に開始し、投票日前日午前0時に終了します。」(フランス大使館のサイトより)現在の主な候補者。ブノワ・アモン (社会党連合)フランソワ・フィヨン(共和党連合)エマニュエル・マクロン(前進) マリーヌ・ルペン(国民戦線)ジャン=リュク・メランション(左翼戦線=左翼党・共産党)(2017/03/28)


みる・よむ・きく
大下英治著 「安倍官邸『権力』の正体」   安倍政権の4年間を振り返る
大下英治著「安倍官邸『権力』の正体」(角川新書)は安倍首相を含めて安倍政権をべた褒めした本である。しかし、同時にそこには第二次安倍政権を支えた人間が誰で、それぞれがどういう風にチームワークを築いていたかがよく書かれていて大変興味深い。特に第二次安倍政権の知られざる特徴である「内閣人事局」を作って高官をわしづかみにできた経緯を書いていることも本書の功績だろう。(2017/03/26)


政治
国会と内閣  与党議員に三権分立の意識はあるのだろうか?
日本は三権分立を基本原理としていると学生時代に習ったが、目を疑ったのが23日の森友学園・籠池理事長の証人喚問だった。この時、質問に立った自民党の西田昌司議員や葉梨康弘議員、公明党の竹谷とし子議員、日本維新の会の下地幹郎議員らは籠池氏の信憑性を問う質問に全力投球しているように国会中継で見えた。彼らが連立与党の議員であることや与党よりの政党の議員であることを考えれば安倍首相夫妻に弓を放つかのような籠池氏の言動を叩いて政府を守ろうとする動機があることは想像でできる。しかし、たとえ彼らがどの政党に所属していようと、彼らの身分は第一義的には立法府の国会議員であり、行政府に位置する内閣の一員ではないはずだ。(2017/03/26)


政治
辻元清美議員の視点  証人喚問から見えてきた「公務」 
安倍昭恵氏が森友学園の土地取得に関わっていたかについては、国会で議論を呼んでいる。23日に行われた森友学園の籠池理事長の証人喚問ののち、民進党の辻元清美議員は「改めて、昨日の証人喚問から引き出された問題点を整理する」と題して、ブログに書き記しているが、興味深い記載の1つが以下のくだりである。 辻元 「塚本幼稚園の講演やスキーに職員が同行したこと、これまで1名・非常駐だった『総理夫人付き』が、第二次安倍政権になって突然5人(うち2人は常駐)になったことについて私は追及してきました。私が出した質問主意書に対する答弁などで、政府は以下のように答えています。・・・(2017/03/25)


政治
内閣が提出の ”共謀罪” 法案  衆議院のページでは23日現在で未だ本文が未掲載  「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」
衆議院や参議院、そして内閣が提出して国会で審議される法案は国会のホームページで読むことが可能です。共謀罪は内閣が提出した法案。そこで内閣の欄を見ると、上の方から順番に提出法案が並んでいます。共謀罪は3月21日に受け付けられたようです。名称は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」のようです。(2017/03/23)


みる・よむ・きく
黒沢久子氏のシナリオ 「お父さんと伊藤さん」  現代の名作
月刊誌シナリオ(2016年11月号)に掲載された黒沢久子氏の脚本「お父さんと伊藤さん」は身近な話ながら、骨太の骨格を持つ傑作だ。シナリオ誌の表紙には年齢は少し異なるもののいずれも中高年の二人の男にはさまれた若い女性の写真が掲載されている。男はリリー・フランキーと藤竜也で、女は上野樹里である。(2017/03/22)


政治
共謀罪(テロ等準備罪)とスパイ奨励 &司法取引
  ネットで赤旗を読んで知ったのだが、今、準備されている共謀罪(テロ等準備罪)にスパイ奨励条文が盛り込まれたという。戦前の治安維持法で多用された思想弾圧の切り札だというのだ。これは看過できないと思えるので、以下に少し引用したい。「明らかになった共謀罪法案では「実行に着手する前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除する」という自首減免規定があります。戦前の弾圧法規である治安維持法も第6条に「罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除ス」としていました。この規定を利用して、多くのスパイが日本共産党に潜入し、スパイの密告と手引きで多くの活動家が逮捕されました。」(赤旗 3月19日)(2017/03/20)


政治
ヨーロッパ人と安倍首相  日欧に共通することは政治の私物化に対する市民の憤り
安倍首相が19日、ヨーロッパに向けて旅立った。訪問先はドイツ、フランス、ベルギー、イタリアの4か国。今、欧州連合は経済だけでなく、統治の面でも危機に直面している。この危機が顕在化したのは昨年、英国が欧州連合離脱を決めた時だった。この時、マスメディアの報道では概ねイスラム系移民の流入に対する危機感から、英国が欧州連合離脱を決めた、という論調が伝えられた。さらに、フランスなど大陸諸国でも反ムスリム移民という観点から極右政党の伸長が報じられてきた。欧州各地の極右政党はナショナリズムを掲げるという点で安倍首相に近い。だから一見、安倍首相は欧州の現在のトレンドと同調しているように見る人もいるかもしれない。しかし、それは一面の見方ではないか、と私は思う。(2017/03/20)


みる・よむ・きく
詩人ランボーに魅せられた個性派映画監督の新作 “La DorMeuse Duval” (河で眠る人) マニュエル・サンチェス監督にインタビュー Interview : Manuel Sanchez (réalisateur )
フランスというとパリやマルセイユ、リヨンあたりがすぐに頭に浮かぶと思いますが、ベルギーとの国境地域に広がるアルデンヌ地方も素晴らしいところです。自然が残り、白鳥や鴨が浮かぶ美しいムーズ河が流れています。詩人ランボーの故郷もこの地域です。アルデンヌ地方に長年住み着いて活動しているフランス人の映画監督の夫婦がいます。マニュエル・サンチェス(Manuel Sanchez)監督とシナリオライターのミュリエル・サンチェス(Muriel Sanchez)さんです。二人はランボーの詩に着想を得た新作映画“La DorMeuse Duval”(河で眠る人)を作ったばかりです。いったい、どんな映画なのでしょうか?(2017/03/19)


政治
国家戦略特区と安倍首相のブレーンたち 新浪剛史氏と竹中平蔵氏、そしてオリックス 
今治市が国家戦略特区に指定され、52年ぶりに獣医学部が新設されることになった。公募に応じたのが安倍首相の「腹心の友」加計孝太郎氏の営む加計学園だけだったことがわかった。国家戦略特区を決める「国家戦略特別区域諮問会議」の議長は安倍晋三首相その人である。「新潟市 革新的農業実践特区」には安倍首相の率いる「産業競争力会議」の民間委員だったローソンの新浪剛史 CEO(当時)に関わりのあるローソンが参入している。安倍首相に近い人が関係する企業が国家戦略特区に参入しているケースはさらにまだある。国家戦略特区に指定された兵庫県養父市である。(2017/03/18)


政治
今治市の獣医学部新設で話題になっている「国家戦略特区」とは?  中核は農業の規制撤廃か
話題になっている今治市での新たな獣医学部新設は「国家戦略特区」に指定されたことよって52年ぶりに実現した。では国家戦略特区とはいったい何だったのか。改めて振り返ってみると、その目的は官邸によれば「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、国家戦略特区を突破口に、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていきます」とされる。つまり、特定の地域を規制緩和、あるいは規制撤廃のモデルにする、ということである。(2017/03/17)


政治
萩生田光一内閣官房副長官と加計学園と安倍首相夫妻 そして二人の文科省官僚OB
萩生田光一衆議院議員(自民党)はホームページにも記載していることだが(3月17日現在)その経歴に「千葉科学大学客員教授」とある。千葉科学大学と言えば岡山県に本部を持つ加計学園グループが営む大学である。理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の親友である。安倍氏は「腹心の友」と加計氏との間を表現してきた。(2017/03/17)


政治
総理大臣には憲法尊重義務がある  国民は「臣民」ではない
 安倍首相は憲法改正運動の中心に位置する政治家の一人である。日本国憲法ではダメだ、というのが安倍首相の考え方であり、日本国憲法が基盤となった「戦後レジーム」からの脱却を政治の目標としてきた。しかし、いかに政治家としての信念があろうと、日本国憲法のもとで首相になっていることに変わりはない。日本国憲法は法律よりも上に位置する最高法規である。そして憲法99条はこう述べている。(2017/03/17)


米国
4月に米副大統領マイク・ペンス氏来日 オバマ後のアジア政策のゆくへ  U.S. Vice President Mike Pence will come to Japan next month
来月、米副大統領のマイク・ペンス氏が来日する予定だ。アジアへの旅の一環でインドネシアにも赴くという。米紙の報道では欧州からアジアに重心を移したオバマ大統領時代から、トランプ政権になってどう変わるのかがうかがえる機会になりそうだ、という。(2017/03/15)


コラム
ワイマール憲法とナチス党の憲法観を両論併記するか?
近年、新聞や放送局では両論併記というものが盛んになっています。これは「中立性」を意識したものではないか、と考えられます。しかし、中立性とはいったい何でしょうか。たとえてみたいと思います。唐突ながら1932年のドイツだったとここでは仮定します。(2017/03/15)


政治
文科省官僚が退官後、加計学園の理事になっていた。一人は第二次安倍内閣の内閣官房参与となる
3月8日の国会答弁。衆院・文部科学委員会 。民進党の福島伸享氏の質問で文科省の官僚2人が退官後、加計学園の理事になっていたことがわかった。(2017/03/15)


みる・よむ・きく
ギュンター・グラス作 「ブリキの太鼓」
大阪の塚本幼稚園の児童が軍艦マーチを奏でている映像を見た。若い女性の先生が溌剌と指揮していた。ドラムを叩いている子供が前の方に立っていた。それを見ていると「ブリキの太鼓」という小説が思い出された。作者はドイツ人のギュンター・グラスだ。第二次大戦前夜のポーランドの港町ダンツィヒがナチズムに染まっていく時代をブリキの太鼓を叩く超能力使いの少年を主人公に描いた物語である。「ブリキの太鼓」は1959年に世に出た。同年、日本人として最初にグラスと対談し、記事を日本の文芸誌に寄稿した岩淵達治氏によると、この小説はドイツで戦後「最初の」小説、という風に受け取られたと言う。(2017/03/14)


政治
連戦連勝を支えた首相のメディア対策チーム  この危機を乗り切ったら現代史に名を残すだろう 
安倍首相のメディア対策チームは世界的に見ても最も成功したエキスパート集団かもしれない。2012年12月に安倍政権が発足して以来、アベノミクスを大々的に打ち上げ、好景気を演出し、アメリカのノーベル賞経済学者らの支持も取り付けて大々的にメディアでアピールした。2011年の東日本大震災と福島原発事故の痛手でしゅんとしていた日本人にとっては久々に打ちあがった花火のように見えた。(2017/03/11)


社会
仏「50歳の女優のトンネル」(l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)が家族・児童・女性の権利担当大臣主催の男女平等推進コンテストに参加 インターネット投票部門で最高賞
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!とパリの俳優たちが自ら立ち上がった社会運動「50歳の女優のトンネル」(l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)について以前、リーダーである映画女優、マリーナ・トメ(Marina Tomé )さんのインタビューを掲載しました。50歳から65歳までの女優が仕事を干され、あるいは仕事にありついたとしても簡単な型にはまった仕事が中心、ということを是正するために女優たちが自ら立ち上がったのです。その時、トメさんは家族・児童・女性の権利担当大臣に活動を知ってもらうことで、この問題をより多くの人に知ってもらい、是正するための動きを加速したいと言っていました。(2017/03/10)


コラム
「生きる」と偽善 
 昨年11月にTBSのドキュメンタリー番組の草分けだった吉永春子氏が亡くなった。85歳だった。私は30代のほぼ10年間を吉永氏にテレビ番組のプロデュースをしていただいたので、葬式に出かけることになった。生前は厳しい人であったので、亡くなったと知っていてもお棺の中からむくっと起きだして何か怒り始められるのではないか・・・と電車で向かいながら少し怖かった。吉永さんは毎日、夕方5時ころになると会社で企画会議を始めるのだが、そのためには毎日何か新しい企画を提出するか、前に提案したものの進展状況を説明しなくてはならなかった。企画を通すのは難しかった。(2017/03/10)


みる・よむ・きく
河合弘之監督 「日本と再生 光と風のギガワット作戦」
原子力産業の構造的な問題をドキュメンタリー映画「日本と原発」で描いた弁護士の河合弘之氏が再びメガホンを取った。その新作が現在、上映中の「日本と再生 光と風のギガワット作戦」だ。今回は風力や太陽光、地熱など自然のエネルギーを活用した新しいエネルギーに切り替えている自治体をドイツ、デンマーク、米国、中国、中東、日本など様々な場所に河合氏自ら足を運んで見つめていく。そして、環境エネルギーに詳しい飯田哲也氏が河合氏に同行している。テンポは非常によい。(2017/03/08)


コラム
フランス文学界を風刺するミステリ「良い作家とは死んだ作家だ」(ギョーム・シェレル作) "UN BON ÉCRIVAIN EST UN ÉCRIVAIN MORT" Guillaume Chérel
「良い作家とは死んだ作家だ」これは今、フランス文学界でちょっとした話題になっている小説である。原題は”UN BON ECRIVAIN EST UN ECRIVAIN MORT”で作家はギョーム・シェレル(Guillaume Cherel )。昨年売り出して、すでに1万5千部を売ったというのだから、フランスではヒット作と言ってよいだろう。作品はジャンルとしてはミステリだけど、向こうでは”パスティーシュ”とも言っているようだ。この作品が話題になっているのはフランスの流行作家たち10人をモデルにしたパロディ作品になっていて、彼らがある僧院で行われる文学討論(「文学と近代性」とか・・・まぁ、立派なテーマである)のために召集をかけられて、殺されていく物語であるからのようだ。(2017/03/07)


コラム
新聞社は識者を集めた紙面審議会などより、自社の記者同志で首相との会食や記者クラブ報道の是非を論じるべきではないか
ニュースポストセブンの記事「安倍首相と記者クラブ 『赤坂飯店の夜』全真相」によると、やはりあの晩、安倍首相から森友学園の問題に関する話があった。2月27日の夜、安倍首相が赤坂飯店に内閣記者会に所属するマスメディアの記者たち(キャップら)を集めて、中華料理の懇親会を開いていた件である。記事によると、大手新聞政治部の記者はこう説明したそうだ。「キャップの話では、最初はもっぱら森友学園問題の釈明。総理は疲れた様子で『カネのやり取りとかやましいことは全くない』と内容は国会答弁の繰り返し。・・・」(2017/03/07)


政治
連戦連勝の自民党にとって難しい時期 安倍政権続投のリスク
連日、森友学園を巡る疑惑で国会での質問が首相に集中し、求心力が低下している安倍政権。安倍総裁を抱える自民党にとっても2012年以来の正念場だろう。疑惑が晴れ、次期選挙でも安倍総裁で連戦連勝を続けることに賭けるか、あるいは再悪の場合、2009年の再来が起き、野党に大敗して少数政党に再び甘んじるか。腰を据えて安倍首相と運命を共にするか、どうか。(2017/03/01)


文化
音楽にかける青春  富士山の麓でのコンサート   ルドミラ・パヴロヴァー(バイオリン奏者) Ludmila Pavlová ,violinist
2年前にインタビューしたチェコの若いバイオリニスト、ルドミラ・パヴロヴァーさんは来日公演を希望していましたが、このたび、願いがかなってとうとう実現しました。静岡県で10回のコンサートを行うためです。前回のインタビューでも少し触れましたが、コンビを組んでいるピアニストのスタニスラフ・ガーリン氏、そしてチェロ奏者のペトゥル・マリスク氏と3人でトリオを組んでの来日公演でした。オールビス三重奏団(Orbis Trio)という名前です。(2017/02/28)


コラム
マスメディアは自社の幹部が中華料理屋で首相と何をやっていたのか、まずそれを書くことから
昨日、IWJやその他多くの市井の人々の情報発信によって首相が赤坂にある中華レストランでマスメディアの幹部たちと夕食会を行ったことが分かっています。今、首相は国会でその疑惑が追及されている通り、大阪の森友学園が開校する予定の国粋主義思想を基礎に教える小学校に、安倍首相が何らかの関与をしたのではないか、と疑いがもたれています。その真実は国会の場での国会議員による追求だけでなく、ジャーナリズムによって明らかにされていくべき性質のものでもあります。ところが当該、「第四の権力」とも言われるジャーナリズム企業の幹部の人たちがこの時期、首相と夕食をともにする、というのはどのような理由なのでしょうか。(2017/02/28)


みる・よむ・きく
加藤周一著 「日本文学史序説」
加藤周一について筆者が初めて知ったのは高校時代に国語の教師から加藤の代表作の1つである評論「雑種文化」について聞いたことでした。「雑種文化」の骨子は〜高校時代に読んだ時の記憶によりますが〜日本文化にはその起源より様々な多様な要素が詰め込まれているということでした。もともと無文字社会だった日本人が中国の文字を導入して書くことを始めた、という歴史の中に日本文学が日本語と中国語との間で長い歴史の中でその関係の中で物語を紡いできたことに他なりません。このことは事実であり、現在の中国共産党政権の良しあしとは無縁のことです。現在、英語が学校により初期から組み込まれようとしていますが、これが何をもたらすのか、そのヒントも日本の歴史の中にあるのではないでしょうか。(2017/02/26)


文化
大富豪に対する失業家族の闘いを描いた「メルシー・パトロン!」がセザール賞(最優秀ドキュメンタリー映画賞)を受賞 フランソワ・リュファン監督
フランスでセザール賞の発表があり、最優秀ドキュメンタリー賞にフランソワ・リュファン監督の「メルシー・パトロン!」が選ばれた。この映画は報道によれば50万人の観客を動員した異例のヒット作となった。だが、それだけでなく、大富豪と闘う失業した労働者の家族のために監督自ら出演して知恵を貸し、ともに闘う映画として、フランス人に勇気を与えた。立ち上がれば政治は変えられる、という思いを抱かせ、2016年は1968年以来の政治の熱い季節となった。(2017/02/25)


文化
「闇の国々」はこうして生まれた ブノワ・ペータース(漫画脚本家) Sur « Les Cités obscures » et la bande dessinée franco-belge Benoît Peeters
谷口ジローと親交が厚かったフランスの漫画脚本家・作家のブノワ・ペータースさん。ペータースさんが作画家のフランソワ・スクイテンさんとのコラボレーションで生み出したバンドデシネ(BD、漫画)「闇の国々」は1982年以来、13冊が出版され、谷口ジローも一目置いていたという作品です。欧州のバンドデシネ(漫画)の歴史はこの作品なしにしては語れないほど大きな影響を与え、今日に至っても国境を越えて漫画家たちにインスピレーションを与え続けています。今回、ブノワ・ペータースさんに「闇の国々」が生まれた経緯や作品が生まれた背景にあるベルギーの漫画文化についてお聞きしました。(2017/02/25)


文化
「谷口ジローの思い出」ブノワ・ペータース  "Souvenir de Jirô Taniguchi " Benoît Peeters
先日亡くなった漫画家の谷口ジロー氏を悼む人は日本だけでなく世界にたくさんいます。日本でも翻訳出版されているフランス=ベルギー漫画の傑作「闇の国々」シリーズの脚本を書いているブノワ・ペータース(Benoit Peeters)さんもその一人です。フランスで出ている谷口ジローの追悼記事の多くにペータースさんの話が出ています。実はペータースさんは谷口ジローとともに漫画の世界の作家として、長年、非常に深い交友を重ねてきた人でした。そんなペータースさんに谷口さんとの思い出をおうかがいしました。(2017/02/24)


コラム
書店が町から消えて  
 私の住む町から書店が一軒もなくなって何年になるだろう。気がつくと隣の駅前からも書店が消え去った。新刊書店だけじゃなくて、古書店も、レコード店も、レンタルビデオ屋もなくなった。今あるのはチェーンの食べ物屋とスーパーマーケット、理髪店、酒屋、スポーツジム、歯科医などである。文化的なソフトを扱う店がなくなった、ということはそうしたものに庶民がお金をかけられなくなっていることを意味するのだろう。そのことと、インターネットの興隆やスマートフォンの普及は符合すると思う。一人一人が使う通信費代がもしなかったとしたら、本やレコードを買っていた金額にほぼなるのではなかろうか。その一方、書店や古書店やレンタルビデオ店などは急行が止まる鉄道の分岐点の駅に逆に集中している。(2017/02/24)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会  金融企業のロビイ活動に便宜を図っていた政治家  利益相反の問題へ  ソフィー・ティシエ 放送ジャーナリスト (Sophie Tissier , Journalist )
フランスで政治腐敗を追求する動きが急速に活発化しています。韓国と同じく、フランス各地でも政治に絶望していた市民が、政治家たちの腐敗を許すまじ、と集結して政治文化の刷新を求めています。その運動に参加している放送ジャーナリストのソフィー・ティシエさんにお聞きしました。「これは政治の腐敗に反対する市民の運動です。今、次の集会に向けて動いているんですよ。これは大きな1ページとなりました。というのもこの間の日曜日の反政治腐敗の集会はフランス全国40か所で行われたのです。パリでは3000人が共和国広場に集まりました。次の終末、日曜日も続ける予定です。」(2017/02/23)


政治
報道機関もテロ等準備罪(共謀罪)の対象となりえる 報道を萎縮させる拷問と自白のセット = 改憲案では「拷問の絶対禁止」が欠落
国会答弁で法務大臣がテロ等準備罪(共謀罪)に関して一般市民も対象となりうると説明したことは記憶に新しいところです。市民組織であってもいつでもテロを行いうるから、テロ組織になりえるから、という判断でした。ということは、つまりは労働組合や政治活動をしている市民組織だけでなく、報道機関も対象になりえます。戦前・戦時中に政府に抵抗する者を一網打尽にした治安維持法は今回のテロ等準備罪がモデルにしている法律と言えると思います。その実例は戦前の治安維持法の歴史の1つ、横浜事件のケースを見れば明らかです。(2017/02/23)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会 新しい政治文化への道  ”Rassemblement contre la corruption des élus” 
2月19日にパリの共和国広場で行われた政治腐敗に対する集会集会は多くの市民が集まり、立錐の余地もないほどだったようです。この共和国広場は四方に大きな道路が通っていて交通の要所です。そのため、市内のデモ行進のあとに、ここに集まって集会を開くことがあります。公共の広場は市民の言論の自由や集会の自由にとって大きな意味を持った場所です。この日、シンガーソングライターのオリビエ・エベール(Olivier Hebert )さんも参加しました。オリビエ・エベール「僕が思うに、この集会は始まりということだ。人々が政治を倫理的なものに改めるために、政治家の行動や規則を確立しようとしているんだ」(2017/02/22)


政治
森友学園・籠池泰典理事長の参考人招致を要求 共産・宮本岳志議員 
今、疑惑で話題になっている大阪市内の森友学園への国有地払い下げ問題で、共産党の宮本岳志議員が衆院財務金融委員会で財務省の理財局長に質問を行い、事の経緯をただしています。< 宮本氏は、「国民の財産である国有地を、ただただ値引きして売ってやったということだ」と批判し、事実の解明のため籠池理事長を参考人として招致することを要求。御法川信英委員長は「理事会で協議する」と答えました。>(赤旗)(2017/02/22)


文化
エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロと大阪、そして春 パトリス・マニグリエ(哲学者)”Eduardo Viveiros de Castro, Osaka and Sakura ”Patrice Maniglier
パリ大学ナンテール校で哲学の教鞭をとる哲学者、パトリス・マニグリエ准教授が来日します。大阪でエドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ(Eduardo Batalha Viveiros de Castro)の人類学に関するシンポジウムが行われるのです。「クロード・レヴィ=ストロースは『人類学は人類全体規模における人間主義である』と言った。あるいは、こうも言い替えられよう、『地球規模における』と。哲学も世界中に広がっている。そういうわけで、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロによって提唱された(新しい)人類学により、地球上の様々な場所で人類学の新しい方向づけが試されるのだ、と言っても決して言い過ぎではないであろう。」(2017/02/21)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会「腐敗政治家を黙認する有権者は共犯だ」”Rassemblement contre la corruption des élus”  
昨日19日、パリの共和国広場で政治家の腐敗に反対する市民集会が開かれました。参加したシンガーソングライターのオリビエ・エベールさんの写真です。政治家は市民が腐敗を黙認する限り、支持されていると勘違いするのではないでしょうか。エベールさんが広場で撮影した写真の中に、ファシズムを風刺した英国の作家ジョージ・オーウェルの言葉が書かれたものがありました。(2017/02/20)


コラム
画家とグローバリゼーション
グローバル資本主義のもと、先進工業国の様々なメーカーは工場を労賃の安い新興国や発展途上国に移してきた。日本でもフランスでもアメリカでも工場はメキシコや中国や東欧やアフリカ諸国に移転されていくという大きな流れが出来てきた。では、この流れは絵画という「商品」を描いている画家の世界ではどうなんだろうか。少なくとも自動車産業や家電産業や服飾産業などに比べると、そのような大きな流れはないように見える。(2017/02/20)


文化
ネット時代の現代に氾濫する不安と絵画 インタビュー: ブラン・ルノー(画家) Brann Renaud ( peintre)
パリで活躍している画家のブラン・ルノー氏は一見、何気ない肖像画や風景画に見えて、実はその中に彼の独特の想像を加えて、絵画的光景を再構築しています。その不可解な変化に見る人は注目することになりますが、簡単に答えは出てきません。むしろ、答えを拒み続けるようでもあります。インターネット時代には検索すれば簡単に答えの言葉が10も100も出てきますが、彼の絵画はそうした情報の回路とは異なる回路へ私たちを誘っているかのようです。そんな画家のルノーさんにインタビューしました。(2017/02/20)


社会
無料で日本の法律や憲法を検索する方法 「総務省法令データ提供システム」 様々な特別法もこれでOK
「六法全書」は民間でも出版されていますが、法学部の学生や専門家以外の人には価格的にハードルが高い値段です。紙の全書にはその値段に見合った値打ちがありますが、家庭に持っていない場合は総務省のデータベースが無料で利用できます。1ヶ月前までに施行された法律は法改正された条文の修正を加えた上で、アップデートされて入力されています。憲法も法律もその他の様々な法令もデータベースにあります。以下のリンクがそうです。(2017/02/20)


米国
アメリカの警察による殺人  ジェローム・キャラベル(カリフォルニア大学バークレイ校 名誉教授) “Police Killings Surpass the Worst Years of Lynching, Capital Punishment, and a Movement Responds ” By Jerome Karabel  
 2008年の大統領選で黒人系のオバマ大統領の勝利が告げられた時、アメリカの黒人社会には感動と涙、そして一種の陶酔(ユーフォリア)が広がっていくのを見ました。しかし、それから7年後の2015年、アメリカでは黒人が警察に殺される事件が続き、怒った黒人たちと警察隊の激しい衝突が起きたのは記憶に新しいことです。以下の論考はカリフォルニア大学バークレイ校のジェローム・キャラベル名誉教授(社会学)によるもので、2015年に発表されました。アメリカの警察によって殺された人々の分析です。(2017/02/19)


みる・よむ・きく
本山美彦著 「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」  
本山美彦著 「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」を初めて手にしたのは2007年の頃で、本書が出版されてまだ間がない頃だった。副題は「米国の対日改造プログラムと消える未来」。タイトルはセンセーショナルなものだ。岩波でも、成文堂でもなく、ビジネス社という出版社から出ている。バブル経済が崩壊した1990年代以後、長銀が消滅して外資に売却されたり、巨額の負債を負った日本企業がハゲタカファンドに買収されたり、規制緩和されたり、郵政が民営化されたりと様々な変化が起きた。その後、非正規雇用が当たり前になり、全労働者の40%にまで広がっている。(2017/02/19)


欧州
政治家の腐敗に反対する市民集会  法令順守を求めるパリ市民  ”Rassemblement contre la corruption des élus”
2月19日(日)、今日、パリの共和国広場では市民集会が開かれます。”Rassemblement contre la corruption des elus”(選挙で選ばれた人々の腐敗に反対する市民集会)です。午後3時から7時までの予定です。これについて教えてくださった歌手のオリビエ・エベールさんに尋ねました。(2017/02/19)


米国
「大いなる幻影:流動性、不平等とアメリカンドリームについて」ジェローム・キャラベル(カリフォルニア大学バークレイ校 名誉教授)”Grand Illusion: Mobility, Inequality, and the American Dream” By Jerome Karabel
カリフォルニア大学バークレイ校で社会学の教鞭をとってきたジェローム・キャバレル名誉教授はハフィントンポストなど多くのメディアに論考を書いてきました。最近、とくに注目されるのがビル・クリントン大統領時代以後の民主党の変質です。民主党がかつての労働者の政党から富裕層にフレンドリーな政党に変質してしまったというのです。今回、ここにキャバレル教授の許可を得て訳出した一文はアメリカの二大政党に対する歯に衣着せぬ批判で2012年の大統領選の時に書かれたものです。しかし、今日もまったく内容は古びていないと思われます。(村上良太)(2017/02/18)


米国
フリン補佐官を辞職させたローガン法 昨年11月の安倍ートランプ会談の場合は? Logan Act and Abe -Trump meeting in Nov. 2016
トランプ政権の船出の最初の大きなつまづきとなったマイケル・フリン安全補保障補佐官の辞任問題。アメリカなどのメディアで問題となった理由はローガン法違反とみなされるからだと解説されています。このローガン法というのは条文を読むと、私人が政府の許可なく外国政府やその代理人などと外交交渉的なことをしてはいけないとする趣旨の法律です。(2017/02/17)


コラム
マスメディアは自社の幹部が寿司屋で首相と何をやっているのか、まずそれを書くことから
主要な大新聞には政治部や経済部以外に社会部があり、社会で起きている様々な事象を追いかけている。メディアの戦後史を取材しているチームもある。メディアの取材班に限らず、社会部と名の付くチームが仮にもあるならば、読者に伝えるべきは自社の幹部が寿司屋や高級レストランで首相と何を話し合ってきたのか、ということではなかろうか。それとも寿司屋の会食では極秘の外交情報や防衛機密が話し合われるから、特定秘密保護法に抵触するとでも言うのだろうか。(2017/02/17)


欧州
「欧州議会がカナダとの自由貿易協定 CETAを締結 〜問題の1つが内分泌攪乱化学物質の規制緩和〜」CETA will deregulate endocrine disrupting chemicals in EU ニーナ・ホラント  Nina Holland ( CEO)
欧州連合本部の政策決定機関にどのように産業界のロビイストが浸透して密かに大きな影響力を行使しているかをウォッチしているNGO「Corporate Europe Observatory」についてこれまで3回に渡って紹介してきました。今回は農業関連ビジネスと食品関連産業のロビイ活動をウォッチしているニーナ・ホラントさん(Nina Holland)さんにカナダとの自由貿易協定CETAが批准され発効した場合のリスクなどについてお聞きしました。(2017/02/17)


社会
Appleを騙るメールに注意 あなたの個人情報やクレジットカード情報を奪う「フィッシング」犯罪の可能性があります Alert ! Never fill out the form of Phishing site which pretends to be Apple
ますます生活がインターネットに依存する割合が多くなっている昨今、金銭や個人情報を騙して奪うインターネット犯罪も増えています。フィッシングと呼ばれる犯罪はその代表的な手口です。巧妙に個人や企業になりすまし、それらしいサイトを作って偽メールで人をそこに誘導し、個人情報やクレジットカード情報、様々な暗証番号を記入させる手口です。最近報告されているのがAppleを騙る偽メールです。以下はフィッシング対策協議会が最近、発信した警告です。(村上良太)(2017/02/16)


欧州
欧州議会がカナダとの自由貿易協定 CETAを承認 しかしこれから欧州連合加盟国・地域の承認が必要 CETA was approved in EU parliament
トランプ大統領が就任早々、離脱を表明したのが環太平洋12か国の自由貿易協定(TPP)だったが、一方、欧州議会は15日、カナダとの自由貿易協定CETAの採決を行い408−254で協定を承認することになった。しかし、この協定には国が企業に訴えられる可能性など、様々な難点が指摘されており、これらを加盟国が批准するにはまだ何年かかかるという。BBCなどを参照した。投票はフランスのストラスブールで行われたが、外には反対の市民が多数集まったようだ。(2017/02/15)


欧州
欧州連合でのモンサントのロビイ活動についてCEOのニーナ・ホラント氏にインタビュー interview : Nina Holland "Activities of lobbyists for Monsanto in EU"
すでに2回に渡ってCorporate Europe Observatory(CEO = EUの政策の民主化を求め、企業ロビーを監視するのブリュッセルの研究・キャンペーンNGO) の金融担当者に欧州連合本部での金融ロビイ活動の実態についてインタビューを行いました。CEOは金融産業に限らず、欧州連合の政策に多大な影響を与えている幅広い分野の産業ロビイ活動をウォッチしています。今回はアグリビジネスに関してウォッチをしているニーナ・ホラント(Nina Holland)さんにお聞きします。近年、欧州連合での遺伝子組み換え作物の承認・非承認を巡るニュースが頻繁に伝えられています。その背後にも産業界のロビイ活動があるのでしょうか、ホラントさんにお聞きしました。(2017/02/15)


コラム
ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法  その2 
ニューヨークタイムズを楽しむためにはそこで出てくる単語を理解しなくてはならないですが、そうした英単語の中には学生時代に出会うことがなかった単語もあると思います。そうした単語を毎回、辞書で引くのもよいのですが、学生のように時間のある人は一定の時間に集中的なトレーニングを積むこともできると思います。(村上良太)(2017/02/14)


文化
たくましく、笑える主人公ピュ―ティアの生みの親 エルサ・ブランツさん(漫画家) Interview : Elsa Brants (dessinatrice ”Save me Pythie” )     
日本とフランスをつなぐものに、かつては浮世絵がありました。印象画の画家たちに霊感を与えたのは北斎や写楽、広重などの浮世絵でした。そして今日、日本の漫画がフランスの漫画家に新たな霊感を与えています。またフランスの優れたBD(漫画)も日本に紹介されるようになりました。今日紹介するフランスの人気漫画家、エルサ・ブランツさんも日本のアニメ―ションを見て育ったそうです。「 セイブ・ミー・ピュ―ティア(Save me Pythie) 」という漫画シリーズがヒットしており、日本でも一部紹介されました。ブランツさんにフランスの漫画事情やデビューまでの経緯などをお聞きしました。(2017/02/14)


文化
漫画家、谷口ジローの死を惜しむフランス  フランスの漫画家・イラストレーターからのメッセージ Message from France showing gratitude to cartoonist, Jiro taniguchi who passed away last week
漫画家、谷口ジローの逝去は日本だけでなく、それ以上にフランスで大きな悲しみを呼んでいます。昨日、その一端を記事で紹介しました。今日はフランスの漫画家から追悼のメッセージが寄せられましたので紹介したいと思います。寄せてくださったのはイラストレーターのフランソワ・ラヴァール(Francois Ravard)さんです。(2017/02/13)


コラム
福嶌教隆著 「気持ちが伝わるスペイン語 リアルフレーズBOOK」  スペイン語ができればアメリカのニュースも読める
研究者から出ている福嶌教隆著 「気持ちが伝わるスペイン語 リアルフレーズBOOK」(研究社)はスペイン語文法の入門編を終えた人には手にしやすい一冊です。コミュニケーションで実際にそのまま使えるフレーズが420も詰め込まれています。たとえば次のようなフレーズです。" Es un secreto a voces " (公然の秘密だよ)(2017/02/12)


文化
漫画家、谷口ジローの死を惜しむフランス でもその代表作は「遥かな町へ」と認識されていた Le dessinateur ,Jiro Taniguchi est décédé à l'âge de 69 ans. 
フランスでも今、漫画家、谷口ジロー氏の死を悼む報道が一斉にメディアに出回っています。しかし、日本で代表作として挙げられている「孤独のグルメ」や「『坊ちゃん』の時代」とは違って、”Quartier Lointain"と一斉に報じられていた。これは「遥かな町へ」という作品になる。そして、谷口ジロー氏は当地フランスほどには日本で偉大な作家の扱いを受けていない、と指摘している報道もある。(2017/02/12)


文化
家族の肖像 フランス その5 夫はこう考えた・・・  Family portrait in France #5  Marcel Boyer "I think the best is ecologic socialism"
パリ郊外、エクアン在住のレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer) さんの家族の話を4回に分けて聞いてきました。レジャーヌさんの祖父は社会主義、父は共産主義で、レジャーヌさん自身は共産主義から社会主義に移行して今日に至っています。では同じく社会党支持者だという夫のマルセル(Marcel)さんはどのような家族の出身なのでしょうか?そして、今日、フランス社会党の凋落をどう見ているのでしょうか?(2017/02/11)


コラム
テロ等準備罪(共謀罪)の可能性
いわゆる共謀罪の本質は何といっても組織を取り締まることが本質であることだ。組織で犯罪行為が話し合われた、というだけであとは何らかの予備行為があれば犯罪の構成要件を満たすものである。この予備行為がどこまで犯罪と密接した行為を要件とするのか未だ明確ではないらしい。しかし、考えられることは仮に100人の組織があったとして、そこで共謀があったとすれば、その中の1人が予備行為をしたら、100人全員が逮捕可能になるのではないか、ということである。そして、その予備行為なるものがコンビニのATMで預金を引き出しただけでも予備になるとすれば恐ろしいことである。(村上良太)(2017/02/11)


国際
日本再建イニシアティブの船橋洋一理事長が安倍・トランプ会談を前にNYTに寄稿  安倍政権の安定ぶりを印象付ける評論
 ニューヨークタイムズ国際版の2月9日版に船橋洋一氏の意見が掲載されていました。通常はオピニオンのページにある内容ですが、今回は異例の一面トップとオピニオンのページにまたがっています。見出しは" In Japan, no angry populism "(日本には怒りに満ちたポピュリズムはない)というものです。論旨は何か、というと、Brexitの英国やトランプ大統領を生んだアメリカのような怒れる日本人の大衆は不在だ、と言っているのです。その証拠に安倍政権は常に50%の支持率を続けており、安倍首相を脅かすライバル政治家も不在だ、と。(2017/02/11)


みる・よむ・きく
里中哲彦著 「英文法の魅力〜日本人の知っておきたい105のコツ」
里中哲彦著 「英文法の魅力〜日本人の知っておきたい105のコツ」は中公新書から出ている一冊です。里中氏は著者の紹介欄を読むと、河合塾の講師や翻訳の仕事などをしてきた人です。で、この105のコツを1つ1つ読んでいくと、とても面白い。どう考えてよいのか、もやもやする表現というのが常にあるものですが、それを文法的にどう考えればよいのかを1つ1つ説明しているのです。(2017/02/11)


みる・よむ・きく
ほとんど本邦初公開の現代戯曲7作に7人の演出家と俳優たちが挑む 「海外戯曲リーディング」(調布市せんがわ劇場) 
戯曲を舞台で上演する形式とは違って戯曲を俳優たちが観客を前にして読むのがドラマリーディングです。リーディングと言っても単なる朗読と違って第一線の演出家と俳優たちが舞台を作るだけに演劇の醍醐味はたっぷり味わえます。そしてこれは少ない予算で世界の優れた戯曲を紹介するには最も優れた方法でもあるのです。今回調布市せんがわ劇場で上演される今回の「海外戯曲リーディング」は世界7か国からほとんどが本邦未公開の作品7本をセレクトしたものです。それらに取り組む演出家と俳優たちも個性に富む実力派ぞろいです。上演は2月9日(木)から19日(日)まで。(2017/02/10)


欧州
英Brexit国民投票の裏に英政府=シティ金融勢力の欧州連合「改革」の野望があった  Corporate Europe Observatory  Kenneth Haar (ケネス・ハー) #2
将来、欧州連合は崩壊するのか。危機のはずみとなったのが昨年英国で行われたBrexit(英国の欧州連合離脱)国民投票でした。欧州連合本部に食い込む英国シティの金融ロビイストの活動を8年以上に渡ってウォッチしてきたCorporate Europe ObservatoryのKenneth Haar(ケネス・ハー)氏は驚くべき示唆を私たちに与えてくれました。キャメロン前首相が言い出した国民投票は欧州連合を改革するための交渉材料だったのではないか、という可能性です。キャメロン首相は英国の希望通りに欧州連合を改革しないと、英国は欧州連合から離脱する可能性があると言って、欧州連合から大きな政治的譲歩を引き出していたということなのです。(村上良太)(2017/02/09)


文化
パレスチナの占領下を生きるための演劇 俳優、ムハンマド・ティティ さんに聞く Mohammed Titi (actor , "Yes Theatre " in Hebron)  "Theater changed a lot of my personality, I became more optimistic." 
パレスチナのヨルダン川西岸地区の最大の都市、ヘブロン。人口21万人のこの町に2008年、1つの劇団が生まれました。名前は「Yes Theatre」(イエスシアター)。劇場は手作りで、住民の大半は演劇体験がなかったそうです。ヘブロンにはユダヤ教徒が今も入植しており、その警備のためイスラエル軍の兵士が銃を手に住民の監視と検問を行っています。こうした緊張とストレスにさらされた状況に生きる少年少女に自己表現の道を拓き、演劇を通して状況を客観的に見つめ、自己の生き方を深く考えさせる演劇活動を地道に行ってきたのがイエスシアターです。その舞台は海外の演劇祭で賞を受けるなど、クオリティの高さも評価されています。(村上良太)(2017/02/08)


教育
地域の子供に無料の作文教育を 子供の教育を変えたサンフランシスコの ”826 Valencia” , One-on-one tutoring can help students make great leaps in their writing skills and confidence.
アメリカのサンフランシスコに"826 Valencia"という名前の寺子屋があります。変わった名前と思われるかもしれませんが、これは住所を名前に採用したわけです。住所がわかりやすいですね。ここではボランティアの教え手が6歳から18歳までの子供たちに放課後、無料で教育をしています。教えているのは作文だけ。子供たちにモノを書くコツを教えて、書く喜びを知ってもらおうというのです。教え子たちが書いた本も販売されています。2002年にこの826 Valenciaが設立された当初はボランティアの方が子供より多かったそうです。しかし、その後どんどん子供が集まり、今ではなんと年間の生徒数が6000人を越え、ボランティアも1700人に上るそうです。(村上良太)(2017/02/08)


欧州
ナショナリズムの台頭の真の原因は欧州連合本部にある ロビイ活動を監視するCorporate Europe Observatoryの ケネス・ハー氏 Kenneth Haar
 欧州でナショナリストが勢力を伸ばし、難民排斥の声が叫ばれている昨今、欧州の真の問題はそこにはないと説く人がいます。Corporate Europe ObservatoryというNGOのKenneth Haar(ケネス・ハー)氏です。ハー氏が所属するこの組織の拠点はブリュッセルにあります。Corporate Europe Observatoryというのは聞きなれない名前ですが、市民の利益のために活動しているNGOです。欧州連合本部が企業のロビイ活動に侵食されて、市民の利益よりも大企業の利益のためにルール作りがなされている、というのです。(村上良太)(2017/02/07)


みる・よむ・きく
池上嘉彦著 「<英文法>を考える」 
最近、英文法づいています。夏に高校生向けの英文法の参考書を10冊ぐらい、ブックオフで買い込んでざっと読んでみまして、10冊も読んでいたら意外と項目は限られているな〜と思ったんです。だんだんまたか・・・という感じですね、ネタが尽きてくるんです。でも、最近偶然手にした池上嘉彦著「<英文法>を考える」は既存の英文法の型を疑っている本で、「そうだそうだ・・」と今まで五文型などでひっかかってきた疑問点を実に鋭く追及しているではありませんか。(2017/02/05)


文化
アルザス地方の歴史ロマンシリーズの漫画作家 アンヌ・トイフさんに聞く Interview : Anne Teuf (dessinatrice , auteur de " Finnele" )
欧州でもフランスやベルギーを中心にした漫画文化圏があります。そこでは日本の漫画も広く読まれています。と同時に欧州の歴史や文化、美術を反映した物語が実にたくさん作り出されていて、日本に紹介されているのはほんの大海の一滴に過ぎません。まだまだ日本では未知の優れた作品があり、未知の作家もたくさん存在します。それらの作品群の中には日本では未だあまり知られていない欧州各地の人々のリアルな歴史や意識が刻印されたものもあります。今回、インタビューしたアンヌ・トイフ氏は長年、イラストレーターとして生きてきた女性漫画家ですが、最近、アルザス地方を舞台にした歴史ロマン「Finnele」を連作しています。(2017/02/05)


国際
トランプ大統領の「入国禁止令」を米メディアはどう伝えたか  
トランプ大統領が1月27日に出したムスリムが大勢を占める7か国に対する入国を一時禁止する大統領令、これをアメリカメディアがどう報じたか。MSNBCのキャスター,レイチェル・マドー(Rachel Maddow)はまず指定された7か国が過去に米国に対してテロ活動をした国なのか?という基本的な認識から、検証を行った。マドウはあの9・11同時多発テロのテロリスト19人の出身国をフリップで示した。(2017/02/05)


国際
米国、ビザ保持者は入国可能に 西海岸、ワシントン州の連邦裁判所判事が大統領令を覆す 国務省がそれに続く
トランプ大統領のムスリムが多数を占める7か国の市民に対する一時入国禁止令に対して2月3日金曜、国務省は入国ビザを保有している人々は入国可能である、というメッセージを出した。最初の大統領令から1週間後に当たり、その間、対象となって足止めを食った人は推定で最大6万人に上ると国務省担当官は発表したという。(2017/02/05)


国際
トランプ政権とウォール街  大統領令でオバマ時代の金融規制法ドッド・フランク法(2010年)の見直しを指示  政権の経済アドバイザーはゴールドマンサックスの元重役
ドナルド・トランプ氏は去年の大統領選の候補者時代にヒラリー・クリントン候補を金融業界から多額の資金を提供されていると批判していた。そうした批判がエリートにうんざりしていた庶民の喝采を浴びた。トランプ候補は自分は自分の金で選挙戦を戦っているがゆえに、ヒラリー・クリントン候補のように既存の業界に縛られていないと言っていたものだった。しかし、大統領になってムスリム入国禁止令に続いて出された大統領令がドッド・フランク法の見直し命令だった。(2017/02/04)


コラム
ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法  毎日の小さな”投資” 村上良太
 「ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法」。なんという大仰なタイトルだろう。それはともかく、ニューヨークタイムズは腐っても鯛、西側世界の新聞の中心的な位置を戦後一貫して担ってきた媒体であることは間違いない。しかし、その新聞を日本人が十分に活用できていないと思えるのが残念だ。ソーシャルメディアで時々、ニューヨークタイムズでこんな記事がある・・という情報がチラホラ出回っているけれど、僕の見るところ多くの人は直接英文の記事を読んでいない。誰かが要約したものを拡散しているだけだ。自分で記事をセレクトしたり、記事を自分で直に読んだ時のダイレクトなインパクトはそこにはないのだから(2017/02/04)


みる・よむ・きく
ラティノ 対 トランプ  ものものしい雰囲気だが軽くもある短編戦闘映画
メキシカンとトランプ大統領の「戦争」を風刺した短編映画。描かれるメキシカンたちの怒りはとてもビジュアルだ。(2017/02/03)


みる・よむ・きく
手塚治虫著 「マンガの描き方  〜似顔絵から長編まで〜 」
マンガの巨匠である手塚治虫が書き下ろした「マンガの描き方」という本を筆者が初めて手にしたのは小学校の5〜6年生の頃だった。この本には一冊の中に漫画を描く道具や起承転結を基本としたストーリーの作り方、絵を描くコツ、遠近法の基礎などの基本情報がつまっていた。そして、本書ならではの特徴は漫画家を目指す人だけでなく、親や教師などの生活者も漫画を描くことでコミュニケーションに役立てることができる、と訴えていたことだった。(2017/02/03)


国際
南シナ海での中米戦争は起こるか?
ニューヨークタイムズは通常の2倍の長さの社説「バノンが大統領か?」(President Bannon?) でトランプ政権のチーフストラテジスト(首席戦略官)のスティーブン・バノンが国家安全保障会議(NSC)の "principals' committee "(直訳すれば最も重要な委員会)のメンバーに抜擢されたことを批判した。その意味はホワイトハウスという大統領直属の人間、つまり政治の側の人間が、国家安全保障会議という政治から離れて中立の立場で安全保障を管轄するべき組織の中枢に据えられたことで、そこに否応なしに政治色が加わってしまうのではないか、という危惧である。(2017/02/03)


国際
トランプ大統領の大統領令とは?  アメリカでの報道から 「テロ対策」なら 指定国になぜ9・11の首謀者オサマ・ビン・ラディンを生んだサウジアラビアは含まれていないのか? 
 トランプ大統領令で入国を一時的に厳しく制限されている国は7か国で、イスラム教徒が多数を占める国であることから「ムスリム禁止令」とも揶揄されています。ただ、大統領令はイスラム教徒の入国禁止令ではなく、テロリストの入国を認めないための命令であり、軸は危険性であるとしています。入国を一時的に制限されている国はイラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンですが、この中になぜサウジアラビアがないのか、と思う人もいるのではないでしょうか。(2017/02/01)


国際
トランプ大統領のムスリム入国禁止令に市民団体ACLUらが訴訟  <大統領令は米憲法・修正第五条と移民法に抵触している>
 アメリカの市民権擁護団体ACLU(American Civil Liverties Union)はそのホームページで他の組織とともに、7か国を対象としたいわゆるムスリム入国禁止令を大統領令として出したトランプ大統領に大使て訴訟を行ったことを発表した。原告の一人がHameed Darweesh氏でイラク人。妻と3人の子供を持つ。イラクで米軍の仕事を行っていたことで命が危なくなっているため渡米しようとしていた。もう一人の原告も米国との関係によって地元で危険が生じているとされる。(2017/02/01)


国際
トランプ大統領令 ある留学生のNY空港での体験 「デモクラシー・ナウ!」が留学生にインタビュー   Donald Trump’s executive order
イスラム教徒が多数を占める7つの国からの入国を一時止めるトランプ大統領の大統領令。これでNYの空港で不快な体験をしたスーダンからの留学生が「デモクラシー・ナウ!」で語っている。番組によると、彼女はスタンフォード大学で人類学の博士課程に在籍。大統領令の発令前はスーダンにおり、大統領令について知って大統領令が実行される前に米国に入国しようとしたものの飛行機の接続がうまくいかず、入国した時はすでに発令後だった。(2017/02/01)


コラム
フランス人の辞書  日本人も使える、よい仏仏辞書についてフランス人に問う
文法書をのぞくと、語学の習得に一番欠かせないものは何語であれ、よい辞書に他なりません。そして、辞書はただ単に必要ができた時にひく、という使い方だけでなく、小説やエッセイを普段娯楽的に読むのと同様に、辞書も読んで未知の言葉を覚える、あるいは知っていた言葉について別の意外な意味を発見する、新しい使い方を覚える・・・というそれ自体が一種の娯楽にもなりうるものであると思います。言葉について学ぶ、ということ自体が娯楽になりうるからです。辞書にはその言葉を話す人々の歴史や文化、伝統、思想、エスプリが詰まっています。(村上良太)(2017/01/31)


みる・よむ・きく
リチャード・フロリダ著 「グレート・リセット」  アメリカの都市再生論 大不況の時代の中でこそ次代への飛躍が行われてきた・・・ ”The Great Reset " written by Richard Florida
アメリカの刺激的な都市再生論である。2008年のリーマンショックで大不況に陥ったアメリカだが、過去の1930年代の大不況の時代でも、1870年代の大不況の時代でも、実はこういう時にこそ、社会を変える大きな変革が行われ、次代を作ってきた、というのだ。つまり、大不況になると人々は何とかしようともがき、ある人たちは都市を移動することによって産業の重心も変わり、都市も変わっていく・・・今回のリセットは30年代の大恐慌の時よりはるかに大きな変化となる可能性があるという。本書は7年前の2010年に書かれたから、その後、本書で萌芽を描いていた社会現象はどうなったのだろうか。(村上良太)(2017/01/30)


コラム
情報の統制と価格の統制  社会主義経済と”戦時下”の経済  そして <資本主義の危機  国家を財布代わりに利用する企業>
  1991年にソ連が崩壊し、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群に比べて生産性の点で大きく劣っていることがそれ以後は常識となりました。しかし、いったいどこがまずかったのでしょうか?グローバル経済の推進者である経済学者の伊藤元重氏は「入門 経済学」の中で、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群の経済運営に劣っていた大きな理由として価格統制を指摘しています。 1、価格という情報 伊藤教授によると、市場経済においてはモノの価格は社会の実態を反映した「情報」です。そこには需要と供給が如実に反映されていて、その均衡する点で価格が決定されるからです。だから、津々浦々各地でどれだけのモノが必要とされているか、という実態がモノの価格に反映されます。イカが不足していればイカの価格が高騰します。(村上良太)(2017/01/29)


社会
昨年フランスを揺さぶった異議申し立て運動「立ち上がる夜」と難民支援運動についてアリーヌ・パイエさんに聞く Interview : Aline Pailler "sur Nuitdebout " 
今、厳寒のパリで難民支援活動「紅茶と珈琲を難民へ」を行っている放送ジャーナリストのアリーヌ・パイエさんは、昨年、共和国広場から始まり全国に広がった「立ち上がる夜」(Nuitdebout ニュイ・ドゥブ)という、広場で行われる市民討論に毎日足を運んでいました。「立ち上がる夜」は社会階層や学歴、職業などに関せず、参加者は自由かつ公平に自分の意見を述べることができる場でした。このような広場が生まれた背景にはテレビや新聞・雑誌などに自分の声が反映されていない、社会のリアルな姿や問題がきちんと伝えられていないといった思いを多くの市民が共有していたからでした。そしてまたインターネットでも単純に賛否両論で別れるだけで、討論の機会もない・・・そんな閉塞感があったと言われます。(2017/01/28)


経済
ジャネット・イエレンFRB議長の政策金利の見通し演説  1月18日 於サンフランシスコ Janet L. Yellen ”The Goals of Monetary Policy and How We Pursue Them”
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長が今後の政策金利の見通しについて1月18日にサンフランシスコで声明を出しました。いわゆるFF金利と呼ばれているものです。2008年のリーマンショックの前あたりは政策金利は5%前後でしたが、2008年の金融バブル崩壊以後は景気回復を目指して、0.25%という超低金利に据え置かれていました。しかし、いつまでも超低金利を続けていくこともできず、2015年12月に0.5%に上げ、以後はそのまま継続しています。昨年の秋ごろ、さらなる利上げの観測もありましたが、結果的にイエレン議長はまだ景気回復に多少の不安があるとみて、利上げを見送ったのが記憶に新しいと思います。(村上良太)(2017/01/27)


みる・よむ・きく
ノーラ・エフロン著 「首のたるみが気になるの」 (阿川佐和子訳) Nora Ephron's " I feel bad about my neck and other thoughts about being a woman " (2006)
アメリカの人気映画監督だったノーラ・エフロンが晩年に書いた「首のたるみが気になるの」が日本で翻訳されて世に出たのは2013年のことだった。エフロン氏は脚本家として「恋人たちの予感」、映画監督として「ユーガット・メール」などのラブコメと呼ばれる一連のヒット作を世に出し、アメリカの女性の映画監督の先駆けの一人となった。本書「首のたるみがきになるの」は老いについて、女性が自分の身辺のリアルな実情をため息まじりに書き綴ったもので、そこには彼女の回想も混じっている。基本姿勢としては諦観であり、老いに対して逆らうことができない、ということを認め、そうした自分をあえて隠さず書いている。(2017/01/26)


文化
家族の肖像 フランス その4  社会主義者の娘シャルロット Family portrait in France #4  Daughter of socialists, Charlotte
 パリ近郊の町に住むレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんの半生とその祖父と父の人生模様の一端をこれまで見てきました。ボワイエさんの祖父は社会主義者、父は共産主義者、そしてボワイエさんは最初は父の影響で共産主義者でしたが、のちに社会主義者に転じています。今回はボワイエさんの娘、シャルロットさんについてです。現在、30代半ばのシャルロットさんはやはり社会主義者なのでしょうか?また、どのような仕事について、どのように現代生活を送っているのでしょうか?(村上良太)(2017/01/25)


みる・よむ・きく
黒田龍之助著 「ロシア語の余白」(現代書館)
この30年ほどの間に日本におけるロシア語の学習者はかなり減ったのではないでしょうか。統計を調べたわけではありませんが、冷戦終結前はロシア(ソ連)はアメリカと世界を二分するくらいの影響力を持っており、その言語を学ぶことは鉄のカーテンの向こう側の人々にとっては出世のためでもあり、無視できない言語であっただけではなく、日本でも多くの人がロシア語を勉強していました。(2017/01/24)


文化
ホームレスの人々に焦点を合わせる写真家 マルク・メルキ氏に聞く Interview : Marc Melki ,who is focusing on "SDF "
パリにはホームレスが近年増えています。フランスではSDFと略称されていますが、これは”sans domicile fixe”=「定まった住居を持たない」という言葉から来ています。こうした困難な状況の人々に焦点を当てている写真家がマルク・メルキ氏です。メルキ氏は様々なトピックを扱う写真家で、フランスのマスメディアに作品を提供しているプロの写真家です・2012年にはフランソワ・オランド政権の誕生の瞬間を撮影した一連の写真もあります。メルキさんが今のフランス社会や政治をどのように見ているのか、インタビューしました。(村上良太)(2017/01/24)


みる・よむ・きく
イマニュエル・ウォーラーステイン著 「史的システムとしての資本主義」(川北稔訳)  〜半労働者と大富豪〜
世界システム論というのは学生だった80年代に講義を多少受けた記憶があり、テキストはカール・ポランニーの「大転換」という本でした。それはそれで面白かったのですが、不勉強もあって世界システム論の全貌はよくわからないまま卒業してしまって今日に至っています。偶然、最近用事が会って吉祥寺を訪ねた時に駅前の古書店の棚にこの本「史的システムとしての資本主義」がありました。手に取って見たら、どうしても読みたくなって買ってしまいました。世界システム論の大家がウォーラーステインです。なんとなく今までもやもやしていたものがはっきりするのでしょうか。(2017/01/22)


文化
ベートーヴェンの交響曲第七番をルンバで演奏したピアニスト、ヨアキム・ホースレイ氏にインタビュー 「ハバナのベートーヴェン」はどうやって生まれたのか? Interview : Joachim Horsley ,who plays "Beethoven in Havana "
ベートーヴェンの交響曲第七番をキューバのルンバ形式で演奏しているピアニストがいます。今、世界で注目され始めているヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)氏です。この演奏の驚異的なところはピアノの使い方が革命的であり、ピアノをピアノとしてだけでなく、打楽器としてピアノの鍵盤以外の胴体の部分を含めてフル活用していることにあります。いったいそのような演奏スタイルをどうやって作り出したのでしょうか?ヨアキム・ホースレイ氏の人となりは?そのあたりをお聞きしました。(2017/01/21)


文化
「イラストレーター、ルル・ピカソ (Loulou Picasso) との出会い」 日比野克彦 ( 現代美術家、東京芸術大学教授)氏に聞く Katsuhiko HIBINO " My memory of joint exhibition with Loulou Picasso in Tokyo and Paris "
 パリの鬼才として知られるイラストレーターのルル・ピカソ(Loulou Picasso) 氏に日刊ベリタで2か月前にインタビューを行いました。ルル・ピカソ氏は1970年代半ばにパリの芸術大学に入学後、すぐにイラストレーターとして世に出ることになります。それまでの画学生とは違って、画廊での発表ではなく、新聞や雑誌といったマスメディアを自らのカンバスとして確信犯的にメディアをハイジャックしたと言っています。ルル・ピカソ氏の特色はモノクロームの色彩を自在に使いこなすことにありました。この2か月前のインタビューでルル・ピカソ氏が東京で日本の個性的な芸術家である日比野克彦氏と共同で1991年に展覧会を開いたことがわかり、日比野克彦氏に個展の経緯などを今回独自にインタビューしました。(2017/01/20)


文化
批判精神に富むフランスのニューウェーブ歌手、オリビエ・エベール氏に聞く Interview : Olivier Hebert
フランスの歌手、オリビエ・エベール(Olivier Hebert)氏は前回、ベリタでも紹介しましたが、風刺漫画家のジャン=フィリップ・ミュゾー(Jean-philippe Muzo )とサルコジ大統領を風刺する歌のビデオクリップを作ったアーチストです。歌手のエベール氏は1970年代末の高校生の時にトゥールーズで「レ・フィスドジョワ」(Les Fils de Joie)というバンドを結成して見事、メジャーデビューを果たしています。フランスのニューウェーブとして注目されました。その後も音楽活動を続けていますが、風刺ソングにも象徴されるように強いメッセージを持ち、歌であると同時に小説のような反抗精神に富む物語性を持っています。こうしたエベールさんの音楽がどのように作られてきたのかお聞きしました。(村上良太)(2017/01/20)


コラム
映画における男女の非対称性  after 50
長年、フランスと言えば日本の少女礼賛趣味と異なり、成熟した大人の女性を尊重する文化だと思ってきました。僕が勝手にそう思い込んだわけではなくて、先人たちが雑誌や本などで時に応じてそのようなことを書いてきたのを読んでいたのです。たとえば、フランスではワインと同じように熟成した女性を好む、とか。実際に、映画の世界ではカトリーヌ・ドヌーブや、ナタリー・バイ、イザベル・ユペールと言った年配の女性たちが今日も主役をはり、恋や冒険の人生をスクリーンに披露しています。ところが、フランスでは50歳から65歳までの女優が映画でもテレビでも出演する機会が非常に少ない、と俳優の組合AAFAから抗議の声が上がっています。(村上良太)(2017/01/19)


人権/反差別/司法
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメ氏に聞く Intreview : Marina Tomé  (l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)
1月6日にパリで「50歳以上の女性たちの奇妙で不思議な運命」と題するシンポジウムが開かれました。フランスで50歳以上の女性が映画やTVなどに登場する機会が不自然に少ないことに抗議の声を上げるものでした。そして、その原因や対策を俳優だけでなく、社会学者など多彩な識者とともに議論したのです。シンポジウムを主催したのはAAFA(フランスの俳優組合)の「50歳の女優のトンネル」委員会です。グループのリーダーは女優のマリーナ・トメさん。セドリック・クラピッシュ監督の作品に多数出演しているほか、今年2月にフランスで封切られる予定のマニュエル・サンチェス監督の”La Dormeuse Duval”では俳優のドミニク・ピニョン氏と共演しています。(2017/01/19)


人権/反差別/司法
共謀罪法案の核心は逮捕の要件を危険性の有無(現実の危険性)から動機の有無(主観)の方に刑法の重心を移すことではなかろうか
 今年の通常国会に政府がまた共謀罪法案を提出する見込みだと報じられています。昨日の海渡雄一弁護士の寄稿にもありましたが、共謀罪法案の大きな問題点は逮捕の要件がこれまでよりも大幅に現実の危険性の有無から、犯罪を行おうとする主観の有無へと重心を移していくことだと私は考えます。これは刑法の大きな転換点になりえる危険性を孕んでいると思います。海渡弁護士「『新法案』では、冒頭で述べたように、準備行為を処罰条件とした。しかし、預金を下ろしたり、メールを送っても準備と言われかねない。十分に限定されたと見ることはできない。・・・」(村上良太)(2017/01/18)


文化
「僕はどうやってバカになったか」(2001) の著者、マルタン・パージュ氏に「その後」を聞く  Interview : Martin Page ( romancier "Comment je suis devenu stupide " )
大学で何にでも知的好奇心を寄せるがゆえに出世コースにも乗れず、非常勤講師をしながら孤独で不安定な生活をしていた25歳の若者が、ある日、こうした生活にけりをつけ、変身しようと決意する。そして飛び込んだのヘッジファンドの世界だった・・・対照的な2つの世界を渡った若者の心情と冒険を描いた小説「僕はどうやってバカになったか」は2001年に出版されるや、フランスを始め、世界各地でヒットしました。(村上良太)(2017/01/17)


人権/反差別/司法
パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議員 〜私はなぜ今年は投票しないか〜 Interview : Aline Pailler #2  
 パリで今、難民支援運動を行っているアリーヌ・パイエ(Aline Pailler) さんに前回はその運動を始めた経緯や理由などをお聞きしました。その時のインタビューで1つだけ、ひっかかったことが私にはありました。それは今年の選挙(大統領選と下院議員選挙が予定されている)ではもう投票しない、とパイエさんが答えたことでした。難民に対する政策は政党や候補者によって違いがあると思いますが、なぜ投票するのをやめたと語ったのでしょうか?そうした場合に極右政党の国民戦線が勝つ可能性はないのでしょうか?そのあたり、元欧州議員でもある放送ジャーナリストのアリーヌ・パイエさんにさらにお聞きしました。(2017/01/16)


人権/反差別/司法
パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議員 Interview : Aline Pailler ( Journaliste , ex- députée européenne)
パリ市内北東部にあるスターリングラード駅前で毎週木曜日に難民たちに暖かい飲み物や食料、生活用品を支援している人々がいます。その難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げたアリーヌ・パイエ(Aline Pailler)さんにインタビューしました。パイエさんはフランスで著名な放送ジャーナリストで、欧州議員として活躍していた時期もあります。今、なぜこの運動を起こしたのかその理由や今のフランスの政治などについてお聞きしました。(2017/01/16)


みる・よむ・きく
マルタン・パージュ作 「僕はどうやってバカになったか」 Martin Page "Comment je suis devenu stupide " フランス版バブル時代の青春の書
フランスの作家、マルタン・パージュの出世作が「僕はどうやってバカになったか」という人を食ったタイトルの小説だ。これは大学で非常勤講師をしている知的好奇心に囚われた25歳の若者が生活を変えようとして試行錯誤を始める小説である。何ゆえに生活スタイルを変えようと決意したかと言えば、まずは生活が困窮している上に、通俗的な社会生活からはみ出してしまう、ということにあった。「アントワーヌには、あまり友達がいなかった。ひじょうに寛容で物わかりがよすぎたことから社会に適応できず、辛い思いをしていたのである。彼の趣味は何物も排除せず、雑多だったので、嫌いなものを共有するということで成り立つ派閥から締め出されていた。・・・」(2017/01/15)


米国
大学と読書  カリフォルニアの光
日本に比べると信じられないくらい広々としたキャンパスです。カリフォルニアの夏の日差しがまぶしいくらいに注いでいました。夏休みなのでキャンパスにあまり学生の姿は多くはありませんでした。土産にとキャンパスのショップでTシャツを買いました。そのTシャツは30年後の今でも着ることができるものですが、特色のある絵が描かれていまして、本が真ん中に描かれています。その下に”LET THERE BE LIGHT"という言葉が記されています。「レット・ゼア・ビー・ライト」=そこに光をあらしめよ。(村上良太)(2017/01/14)


人権/反差別/司法
パリの難民支援の輪  「紅茶と珈琲を難民に」(Thé et Café pour les réfugiés ) その2  衛生用品、パン、生きるための諸情報
パリのメトロ駅「スターリングラード」前で毎週木曜日の夕方に行われている難民支援活動「紅茶と珈琲を難民に」。パリからレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんによる二回目のレポートです。「・・ボランティアは自治体のシャワーの場所、法的支援が得られる組織、フランス語の勉強ができる講座、医療施設などが書き込まれた資料を難民に配っています。・・」(2017/01/13)


人権/反差別/司法
パリで難民に食料を支援する市民の運動 「紅茶と珈琲を難民に」 Thé et Café pour les réfugiés
今、ドイツを始め、欧州連合各地でムスリムの難民に対する警戒心が強まり、排外主義勢力も力を増しています。しかし、その一方で市民による難民支援運動も続けられています。ここで紹介するのはパリで今、行われている1つの支援運動です。以下のレポートはフランス人のレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんによるものです。レジャーヌさんによると、パリのメトロのスターリングラード駅前(パリ市内北東部)で「紅茶と珈琲を難民に」(The et Cafe pour les refugies)と称する運動が起きているそうです。(村上良太 Rejane Boyer)(2017/01/13)


コラム
学歴社会の大切さ   村上良太
学歴社会がなぜ大切か、というと、学歴社会であればいわゆる一流企業とか一流大学などの組織は一流大学出の無傷な若者ばかりを採用します。それがなぜよいのか、というと中小零細企業の視点に立てば学歴はイマイチでも真に素質のある若者を獲得できるチャンスなのです。中小零細企業主たちにとって本当に怖いのは大企業が学歴などにこだわらず真に力のある若者を採用し始めることです。(2017/01/12)


文化
新作小説「私はダンスをしていた」(”Je dansais”) 〜女性を閉じ込める男性の眼差しについて〜 作家キャロル・ザルバーグ Carole Zalberg on her latest novel.
フランスで活躍中の作家キャロル・ザルバーグ(Carole Zalberg)氏の新作小説が発売されました。タイトルは「私はダンスをしていた」(Je dansais )で出版社はグラセット(grasset)です。今回の小説はザルバーグさんにとって1つのチャレンジだったようです。どういう小説なのか、またどういった点でこの小説がチャレンジだったのかザルバーグさんにお聞きしました。(村上良太)(2017/01/12)


米国
英語の料理教室 ニューオリンズのクレオール料理を得意とするシェフ、エメリル・ラガス(Emeril Lagasse)
どうせ外国料理の勉強をするなら、語学も合わせてできると理想的ですね。料理文化の数だけ料理番組のインターネット映像サイトも増えていて、もちろん英語のネット番組も百花繚乱です。ただ英語圏というと、一般に料理はまずい、という常識があります。しかし、今回ここで紹介するアメリカのシェフ、エメリル・ラガスが得意としている料理は南部の都市、ニューオリンズの伝統料理をベースにしたものです。(2017/01/09)


文化
シャルリエブド襲撃事件から2年 風刺画に詳しいイタリア人の映画監督が事務所を訪ねてインタビュー   フランチェスコ・マッツァ( Francesco Mazza , regista, Italian film director )
世界を震撼させたパリの風刺メディア、シャルリエブドがイスラム聖戦主義者の2人組に襲撃されてから今年の1月7日でまる2年になります。イタリア人の映画監督、フランチェスコ・マッツァ氏は風刺番組に長年携わった経験から、風刺文化を理解することの大切さを訴えてきました。風刺画はジャーナリズムの機能を持っており、その読み方を正しく理解する必要があると言うのです。今回、マッツア氏は襲撃から2周年を前に、シャルリエブドの新しい事務所をパリに訪ねて、人事担当者と風刺画家の一人にインタビューをしました。(2017/01/05)


コラム
バブルとデフレ 時代の激流の中を翻弄される日本の家族
90年代はバブル崩壊後にデフレが進行した時代でしたが、当初は僕も面白おかしなタッチで牛丼(安売り)戦争などの番組を作っていました。1998年のことです。前年の1997年は山一証券が倒産した年で、不況がただならぬ本物であることが明らかになった年でもあります。そんな最中に気楽と言えばよいのか、僕も「牛丼戦争」などを作っていたんです。すき家と吉野家の一杯250円の戦争を軸に神戸らんぷ亭も参戦して。以前は400円くらいだった牛丼です。昔は牛丼は贅沢な食べ物に思われたけれども(僕が子供の頃は牛肉は貴重だった)、250円になって貧者の食べ物の印象が強まりました。1本目で視聴率がよくて二本目を作ったのは夏ごろでしたが、さすがに2本目を作っていると冷や汗を感じるようになりました。このまま安売り戦争を続けていったらとんでもないことになる・・・と感じたんです。(村上良太)(2017/01/05)


文化
フランスらしい洗練されたイラストを描くフランソワ・ラヴァールにインタビュー  Interview : François Ravard  
イラストレーター/漫画家のフランソワ・ラヴァ―ル( Francois Ravard )はフランスらしい洗練された作品を描いています。そのタッチには文芸誌ニューヨーカーの漫画家にも通じるものがあると思いますし、また同時にほのぼのとした世界を描く漫画家、サンペにも影響を受けたと本人も語っています。しかし、ラヴァ―ル氏らしい味わいが絵にたっぷり加味されているので決して模倣の域には留まっていません。彼のイラストを見ていると、1枚の絵の中に光線の加減で生まれる濃淡が描かれていることがわかります。雲でも、海の表面でも、室内のキッチンでも、あるいは海水浴場でも実に絵にトーンがきめ細かく描き込まれていて、言葉では表現できない感覚を伝えてくれます。(村上良太)(2017/01/04)


コラム
2017は良いナンバー   村上良太 (2017 is a good number)
昔の子供にはスマホもゲーム類もなかった。電車でやっていた遊びは切符に押されている4ケタの数字を足したり引いたりして10にすることだった。たとえば2017だったとすると、これは極めてシンプル。2017=2+0+1+7=10 でOK。当時僕が乗っていたのは大阪・京都・神戸間を走る阪急電車だったけれど、これは電車に乗った時の子供たちの遊びだった。(2017/01/03)


文化
読書家の新年の挨拶  〜 本の価値を守り、次代へ受け継いでいく 〜 書評家・ジャーナリスト、ジャン・ビヤンボーム(Jean Birnbaum)
フランスのルモンド紙で書評を扱う「本の世界」を担当しているジャーナリストのジャン・ビヤンボーム(Jean Birnbaum)氏の新年に臨んだ挨拶です。(2017/01/02)


欧州
アンナと7匹の猫  〜プラハの猫たち〜  クラリネット奏者、アンナ・パウロヴァ―( Anna Paulova )
チェコの首都プラハ在住の新進クラリネット奏者、アンナ・パウロヴァ―さんの家にはいつも猫がいっぱいいます。いったい何匹いるのでしょうか?猫の存在が才能豊かな音楽家にどのような影響や色彩を与えているのだろう・・・そんな疑問から、今回は猫との生活についてお聞きしました。(2016/12/31)


人権/反差別/司法
50歳という名のトンネルを壊そう  フランスの女優たちが立ち上がる  成人女性の2人に1人が50歳以上なのに登場の割合が10%未満なのは納得できない・・
フランスにはAAFAという名の1年前に生まれたばかりの新しい俳優協会があります。発足時の会員は325人です。筆者の知り合いの女優も参加しています。この俳優協会で今、熱心に取り組んでいるテーマの1つが「50歳のトンネル」という問題です。50歳のトンネルというと、日本のテレビ産業でもディレクターは50歳を越えたら仕事がなくなる、と言われています。変化の激しい世界で50歳を越えたらもう「アウト」という常識があるのです。実は40代になるとすでにディレクターはプロデューサーに転じていき、次第に現場に出なくなっていきます。もちろん、人によっては70代まで現役で活躍している人も中には存在しています。とはいえ、現場で取材をしているディレクターの大半が40歳未満ということは日本のテレビ界の1つの特徴と言えるでしょう。(村上良太)(2016/12/30)


教育
子供の無料学習支援の場を訪ねてみた 〜 池袋の“クローバー” 〜 法律事務所の有志が結成 現在は多彩な教育支援ボランティアを擁し、豊島区の他の団体とも連携しながら発展中
クリスマスも迫った12月21日の夜、池袋にある子供の無料学習支援の場「クローバー」を訪ねました。場所は豊島区内の公共施設です。普段の勉強とは違ってこの日は、クリスマス会というわけで畳の大部屋では小中高の10数人の子供を前にして特別講義が行われていました。大学生がコイルや磁石などの科学実験セットを持参して、電気の実験やマイクとスピーカーの仕組みなど、具体的にモノをいじりながら子供たちに説明しているのです。実を言えば筆者もこんな授業を子供の頃受けたかったな〜と思いました。この日、出張して教えにきたのは科学実験教室を行なっているNPO法人 サイエンスリンクの赤羽陽祐さん(大学2年)です。(村上良太)(2016/12/24)


文化
なぜ闘士たちの姿をコラージュで作るのか 美術家ムスタファ・ブータジン氏に聞く Interview : Mustapha Boutadjine
ムスタファ・ブータジンという美術家の存在を知ったのはパリのコリーヌ・ボネ画廊との関わりからでした。「抵抗のコラージュ」という個展が開かれたからです。名前から想像がつく通り、ムスタファ・ブータジン氏はアルジェリア生まれで現在、パリで活躍しています。その作品はすべてコラージュで、描かれるのは闘士ばかりです。たとえばアルジェリアの独立のために戦ったジャミーラ・ブーパシャ(Djamila Boupacha)です。彼女はアルジェリア独立闘争のさなか、1959年にアルジェで起きた爆弾テロ未遂事件の容疑者として逮捕されました。アルジェリア民族解放戦線 (FLN) のメンバーだったのです。(村上良太)(2016/12/21)


文化
フランス人の風刺歌 「7月14日(パリ祭)」   "14 JUILLET" par OLIVIER HEBERT / DESSINS MUZO
フランス人の権力批判は風刺漫画だけではなく、歌や詩の分野でも盛んです。フランス人にとってフランス革命こそは近代史上最大の出来事と言えるものですが、その革命を祝う国民的行事、7月14日のパリ祭をモチーフに作られた風刺歌があります。シンガーソングライターのオリビエ・エベール(Olivier Hebert)氏が作った「7月14日(パリ祭)」です。(2016/12/20)


文化
中年になって絵の道に転じる ベロニク・ショーバンさん 冬眠から目覚めて Interview : Véronique Chauvin
人生も半ばすぎて芸術家に転じる人は比較的少ないのではないかと思います。日本で考えれば転職する場合は蕎麦作りの修業をしたり、運転免許を取得したり、経理の勉強をしたり、調理師免許を取得したりなどなど手堅い実務的な分野に進む人が多い印象があります。ところが今回、インタビューをさせていただいたベロニク・ショーバンさんは教師の仕事を辞めて美術の分野に転じた人です。というよりも現在、画家に転じつつあるその進行形と言ってもよいでしょう。ショーバンさんは10年越しに少しずつ変化してきたと言います。いったい、なせ彼女の人生は転機を迎えたのでしょうか。そして美術の分野で第二の人生を始められるのはフランスならではの事情があるのでしょうか?そのあたりをお聞きしました。(2016/12/20)


コラム
現代人が筆をとるとき 〜なぜ書くことを人に勧めるのか〜
日刊ベリタに書くようになっておよそ8年が過ぎました。最初は公の世界に自分の拙い文章を投じることに不安を感じていた筆者は、今では編集者の1人として他人に書くことをお願いする日々を送っています。その中には本職の作家もいれば、書くことは本業ではなく他に仕事を持っている人もいます。そして、日本ばかりでなく、海外の人にも、様々な大陸の住民にもベリタに書いて欲しい、とお願いをしています。僕は本業の物書きではありませんし、作文指導をする教師でもありません。ならば人に勧める資格があるんだろうか・・・いったいなぜそんな自分が人に書くことを勧めるのだろう、と考えてみました。(村上良太)(2016/12/19)


国際
欧州連合と東アジア共同体構想  鳩山政権がつぶされた理由を今一度考える
欧州連合危機はアジアにおいては東アジア共同体構想がその構想段階で米国の介入でつぶされてしまったことを思い出させるものです。東アジア共同体構想もその発想の起源には東アジアで戦争を二度と起こさない仕組みの探求だったはずです。そしてユーロと同様、東アジアでも共通通貨を探る試みもありました。こうした経済的、政治的なアメリカとは別個の枠組みはともにアメリカが国策的に許容できないものでもあります。鳩山政権が東アジア共同体構想を掲げて2009年に選挙で勝って首相に就任した時、激しい巻き返しが行われ、結果的に辞職を余儀なくされました。このことは欧州連合危機と無縁と見てよいのでしょうか。(村上良太)(2016/12/17)


文化
日本のアニメで育った第一世代のフランス人漫画家アレクサンドル・アキラクマさん Interview : Alexandre Akirakuma   日仏に共通する騎士道物語への郷愁
フランスと言えば日本のアニメオタクがたくさんいる国として知られていますが、日本のアニメに浸って育った第一世代に属する漫画家の一人がアレクサンドル・アキラクマ(Alexandre Akirakuma) さんです。アキラクマとは見かけない名前ですが、これはペンネームで本名はアレクサンドル・ラングロワさんです。ペンネームのアキラクマはラングロワさんが影響を受けた日本の漫画「AKIRA」と家族のトーテムである熊(これも日本語)を足し合わせたものだそうです( トーテムって・・・いったい、どこの出身なんだ??)これからわかるように、日本文化から影響を受けたのだと言います。その漫画作品の中にも平安時代の京都を描いたものがあり、アニメだけではなく、日本の古い文化にも魅せられているのだそうです。そんなアレクサンドル・アキラクマさんにインタビューをしました。(村上良太)(2016/12/16)


社会
日刊ベリタの読者へ (一足早い)クリスマスプレゼント  イタリアのボローニャから   Davide Bonazzi  
あと10日もすればクリスマス。今年はいったいどんなプレゼントが届けられるのでしょうか? そんな今、イタリアから素敵なプレゼントが日刊ベリタに届きました。古都ボローニャでイラストの仕事をしているダヴィデ・ボナッツィ(Davide Bonazzi )さんからです。ボナッツィさんは今、どんな仕事をしているのでしょうか?(2016/12/16)


検証・メディア
ニュースの三角測量 その2  
「ニュースの三角測量」という一文を書いて掲載したのは今から3年半前になります。ニュースを1国の新聞だけでなく、2か国の新聞だけでもなく、もう1つ加えて最低3か国の新聞で読むことのメリットを書いたものでした。「ニュースの三角測量」という言葉は文化人類学の川田順造博士による「文化の三角測量」という概念を借用したものですが、3つの異なる文化圏のニュースに接することで、より客観的かつ立体的にニュースが理解できるようになるというものです。(村上良太)(2016/12/15)


みる・よむ・きく
刑務所を描いたアメリカ映画 「ロンゲストヤード」  多様性がアメリカの力の源泉であることを描いた傑作
先日、「刑務所法律ニュース」のアレックス・フリードマン氏のインタビュー記事を掲載したところ、予想以上に多くの方に読んでいただくことができました。フリードマン氏はかつて自身が囚人だったジャーナリストですが、いくら犯罪者だと言っても、今の刑務所のシステムは腐敗した差別と暴力の世界になっていてひどい人権侵害がまかり通っていると訴えていました。そんなことが作用してか、偶然書庫からアメリカの刑務所を舞台にした映画を見つけました。「ロンゲストヤード」というタイトルの映画で1974年に公開されています。刑務所の犯罪者たちがアメフトチームを結成して、暴力看守たちのチームをぶちのめす、という物語です。(2016/12/13)


みる・よむ・きく
ジェームズ・M・バーダマン著 「あいうえお順引き この言いまわし 英語でなんていう?」 (How do you say that in English ?)
こんな場合は英語でなんという?・・・こういう類の英語の参考書は日本でたくさん出版されてきまして、それぞれ特徴がありますが、その中で頭一つ抜けて優れているなぁと感じさせられたのが中経出版から出ているジェームズ・M・バーダマン著 「あいうえお順引き この言いまわし 英語でなんていう?」でした。・気のせいだよ  It's ( just ) your imagination ・しつこいよ   Stop pestering me ! ・すぐわかりますよ You can't miss it . ・決まり!   That settles it!  ・恐縮です   I feel obligated to you. など、ちょっとした言い回しが2100ほど掲載されています。(2016/12/13)


医療/健康
世界の水道事業民営化に逆風 <料金の高騰><不透明な経営><質の低下>などの問題から再公営化する自治体が増えている 今、なぜ日本で・・・
食が日々の健康に大きな影響を与えるとしたら、水道の水は命にかかわっています。その水道事業を財務負担の解消を歌って世界各地でこの四半世紀に次々と民営化してきましたが、実はここに来て民営化を打ち切る動きが起きており、調査によるとわかっているだけで過去に民営化した世界各地の自治体の4分のおよそ1が契約を打ち切り、再び公営に戻していることが明らかになっています。その象徴とも言えるのが水道事業の民営化の先鞭をつけたと言えるフランスです。1984年に花の都パリでも市が水道事業を25年契約でヴェオリア社とスエズ社に委託して民営化していました。ところが2010年にパリ市は再契約を結ばず、再度公営化に戻したのです。(2016/12/12)


検証・メディア
ハフィントンポストの時代  ハフィントンポストを退くと告げた創刊者のアリアナ・ハフィントン氏
アメリカでもっとも「成功した」インターネットニュースはハフィントンポストに違いないと思います。創刊されたのは2005年の第二次ジョージ・W・ブッシュ政権の時代でした。当時イラク戦争とアフガン戦争に邁進して巨額の軍事予算を計上していた政府に対して批判的なスタンスで立ち上がったメディアがハフィントンポストです。その頃、アメリカのマスメディアでは政府の統制が進んで、記事にもイラク戦争を推進するための嘘が混じるようになっていました。そこで新聞統制に立ち向かうため、アリアナ・ハフィントン氏はネットで新聞を立ち上げ、最初は無料で寄稿してくれるブロガーを500人集めたなどと言われていました。どんどん注目を集め、寄稿者も読者も増えていきました。そしてついに2008年の大統領選でオバマ政権を生み出すのにも大きく貢献しました。アメリカの「チェンジ」を夢見た人たちがオバマ氏を支持し、そしてまたハフィントンポストに各地から選挙戦の記事を手弁当で寄稿していたのです。今年で終了する8年間のオバマ時代とは何だったのかということを考える時、ハフィントンポストと重ねてみる人は少なくないのではないでしょうか。(2016/12/11)


コラム
近くて遠い国  日本の野党はあと50年は勝てないという仮説
隣の韓国では大統領が国家機密を友人に漏洩して政府外の人間から私的にアドバイスを受けていたことが暴露され、反政府デモが2か月近くにわたって続き、ソウルだけでなく地方都市も含めて100万人以上が政府打倒の集会に参加しました。その動きは検察もマスメディアも動かし、ついに大統領の辞職声明を勝ち取るに至りました。このことを見て、政府が理不尽な行動を行った場合は隣国ではあのような運動が盛り上がって政府を倒すことができるが、なぜ日本ではそうしたことが起こらないのか、という意見を見聞します。(村上良太)(2016/12/10)


みる・よむ・きく
イタロ・カルヴィーノ作 「まっぷたつの子爵」 On Italo Calvino's " Il Visconte Dimezzato" ( The Cloven Viscount )
  イタリアの作家イタロ・カルヴィーノと言えば空想力のたくましい寓話作家としてのイメージが強い。そればかりではないのだけれど、やはりカルヴィーノの寓話は面白いな、と今更ながら感じさせられたのが晶文社から出された「まっぷたつの子爵」という小説だ。イタリアの寒村からトルコとの戦場に馳せ参じた若い跡継ぎの領主が重傷を負う。かろうじて一命をとりとめて郷里の村に帰ってきたのは半身だった。すっぽり頭から足先まで縦に真っ二つになっているのだ。この半身になった子爵は戦争で心がねじれてしまったせいか、周りの生き物も人間も植物も片腕で真っ二つに剣で切り裂くようになり、領民たちは恐れおののく。(2016/12/09)


人権/反差別/司法
私はなぜ刑務所の民営化と闘ってきたか  元受刑囚で「刑務所法律ニュース」のジャーナリストに聞く  Interview : Alex Friedmann , Managing Editor of "Prison Legal News."
アメリカでは1980年代にレーガン政権のもとで財政難の解消を目指して公的施設の民営化が進められました。州が運営する刑務所も民営化の対象となり、民間企業が州から委託されて経営に乗り出したのです。ところが、およそ30年が経過した今年8月、米司法省は刑務所の民営化を廃止する方針を発表しました。刑務所の民営化がむしろ様々な問題を生んでいることがわかってきたからでした。実はアメリカには刑務所民営化の失敗を検証してきたジャーナリズムがあります。(村上良太)(2016/12/08)


欧州
イタリアの国民投票と風刺画 
イタリア人の知人がこんな風刺画を紹介してくれました。飛行機の客室にいるのはイタリアのレンツィ首相。小窓のすぐ外にはプラカードを掲げて空を浮遊している二人の男が・・・。二人のプラカードにはそれぞれ次の言葉が書かれています。 男1「こんにちは。僕はあなた(レンツィ首相)のパイロットです。改憲に関しては反対の投票です」 男2「僕も同じです・・・。僕は副操縦士です。」(2016/12/06)


農と食
イタリア人も米を食う  チコリーとゴルゴンゾーラのリゾット
地中海に臨むイタリア北西部リグーリア州の風光明媚な町、スポトルノに住むエリさんとアンドレアさんのカップル。エリさんは詩人、アンドレアさんは病院勤務の看護師です。この週末はリゾットを作りました。リゾットの中でも、チコリ―とゴルゴンゾーラチーズのリゾットと名前が付けられているようです。チコリーはキク科の野菜とされていますが、ここで使われているイタリアのチコリーはラディッキオ(Radicchio)と呼ばれ、とくに赤みのあるものはラディッキオ・ロッソと呼ばれているようです。(2016/12/04)


欧州
フランス共和党フランソワ・フィヨン氏のインパクト 2   フィヨン対ルペンの場合、勝つのはどちらか? (そして左派は・・・?)
前回、フランス共和党の大統領選の予備選で右派のフランソワ・フィヨン氏が選出されたことを受けて、その経済政策などについて紹介しました。国際メディアでもそうですが、フィヨン氏の当選に関して最大の関心事項は国民戦線のマリーヌ・ルペン候補と一騎打ちになった場合、勝てるかどうか、という点です。(2016/12/04)


文化
家族の肖像 フランス その3  Family portrait in France #3   結婚と町での暮らし
「家族の肖像 フランス編」で第1回目はパリの北の郊外に住むレジャーヌ・ボワイエ( Rejane Boyer )さんに祖父の時代から家族の歴史を回顧していただきました。2回目は父親の時代を振り返りました。レジャーヌさんの家族は共産党員だった父親と社会党員だった祖父とでしばしば議論になってしまったという左派の一家でした。そして、レジャーヌさん自身も左派の思想を受け継いで育ちました。その後、レジャーヌさんはどのように結婚して、家庭を築いていったのでしょうか?3回目の今回はレジャーヌさんの結婚と町での生活を語っていただきます。(2016/12/03)


欧州
フランス共和党フランソワ・フィヨン氏のインパクト  フィヨン大統領の場合の経済政策とは? 危機が続く欧州経済と緊縮策
フランスの共和党の大統領候補になったフランソワ・フィヨン氏に対する反応は様々です。歓迎する人もいれば、危惧を感じる人も少なくないようです。フィヨン氏のカトリック信仰の強さがイスラム教徒との新たな確執を生むのではないか、と思う人もいるようです。一方でユマニテ紙は左派の立場から、共和党右派のフィヨン政権が誕生した場合に生活が脅かされるであろう5つのポイントを発表しています。(2016/11/29)


欧州
本場イタリアの家庭のピザ  Pizza italiana
最近、日本の出版社が特集した豊富な写真入りの日本のピザの特集を読みました。モッツァレラチーズやハム、トマト、エビ、アンチョビなど様々な食材を贅沢にトッピングした色とりどりのピザが紹介されていてとても美味しそうです。30年以上前に日本で初めてピザと称するものを食べたときは、ピザと言うよりパイに近い感覚がありました。そこでイタリアに住んでいる知人に普段、家庭ではピザをどのように食べているのか、聞いてみました。北イタリアのジェノバ近郊スポトルノに住むエリさんとアンドレアさんのカップルです。(2016/11/28)


欧州
フランス大統領選挙・共和党予備選 フランソワ・フィヨン氏がジュペ候補を破って勝利  
昨日、決選投票が行われたフランス大統領選挙・共和党予備選でフランソワ・フィヨン候補が60%以上の票を獲得し、アラン・ジュペ候補に圧勝した。前週の投票で3位になり決選に出場できなかったサルコジ大統領の陣営がフィヨン候補に票を振り向けたのではないか、と見られている。というのはフィヨン候補はサルコジ大統領(2007−2012)の首相だったからだ。(2016/11/28)


国際
ソウル 朴大統領の退陣を求める大規模抗議デモ  80年代以来最大の怒り
ソウルでは毎週土曜日に市民が集まって朴槿恵大統領退陣を求めるデモを続けてきた。今回で5回目となる。今回で5回目となる。昨日26日は過去最多の150万人(主催者発表)が集まったという。また、ソウル以外の各地でも抗議デモが行われた。この抗議デモに参加した人の話。「毎週毎週いつまで続くかという状態ですが、デモに参加しない市井の人々もこの状態を見守り、乗ったタクシーの運転手さんの言葉は「政府にとってこの暴力のないデモが一番の脅威になると」。本当に整然と、しかし力強いシュプレヒコールです。・・・」(2016/11/27)


国際
フィデル・カストロ前議長、死亡 90歳
キューバのフィデル・カストロ前議長が亡くなった。90歳だった。以下はBBCのニュース。(2016/11/26)


国際
英国=米国 (=フランス? =日本?) 労働組合と社会民主主義(ニューレイバー)の関係  自らの足を食いつくしてしまった大蛸
成文堂から出ている「現代イギリス政治」(第二版)はその中で英国のブレア労働党政権で何が起きたのかを分析していました。ニュー・レイバーを標榜し、過去の労働党から脱却を図って長期政権を築いたブレア政権の時代に労働党は党内における労働組合の影響力を相当に削いだ、とされています(「ニュー・レイバーとその功罪 1993〜2010)。「労働組合の影響力の削減は、党首を中心とする党指導部の自立性の強化を狙うものであり、ブレア党首以降、この方向性はさらに明確なものとなった」(2016/11/26)


コラム
トランプ・ステッカーへの復讐
アメリカに住んでいるアメリカ人の私の知り合いが少し旅行をして帰ってみると、共同住宅の共同車庫に駐車していた車がやられていた。といっても窓を割られたり、盗難があったのではなかった。車に張り付けたステッカーに危害が加えられていた、というのだ。そのステッカーとは米大統領選のトランプ候補支持のステッカーだった。ステッカーを買って車に張り付けることで、トランプ候補の資金を支援する、という草の根キャンペーンが行われていたのだ。(2016/11/24)


文化
イラストレーター・画家  ルル・ピカソ氏のインタビュー パリのグラフィックデザイナー集団 「バズーカ」 とその後 Interview : Loulou Picasso ( dessinateur )
1970年代と言えばすでに40数年の歳月が流れた遠い時代に思われます。しかし、その時代は欧米も日本も先進社会では中流層が拡大し、繁栄を謳歌した時代でもありました。中流層のボリュームが増えたということは新聞ジャーナリズムにおいても、かつての限られた少数のエリート層だけではない幅広い層に訴求できる刺激的な紙面が求められるようになることを意味します。その鍵の1つがグラフィックデザインでした。フランスでは1970年代半ばに若手のグラフィックデザイナーたちが大手新聞に進出し、新しい感覚で次々とイラストを描いたのです。その先駆けが1974年にパリの高等美術学校の5人の学生によって結成されたBazooka(バズーカ)というグループでした。(2016/11/22)


政治
フランス大統領選 風刺短編映画 活劇「スーパー・オランド、ボリウッド風」
インターネットとソーシャルメディアの発達は新たな短編映画文化を築きつつあります。その一端が意外にも、政治風刺で発揮されていて、先日は米大統領選の風刺短編映画を紹介しましたが、今回はフランス大統領選に関する短編を皆様に紹介します。1分40秒弱の短編映画のタイトルは”Super Hollande Singham a Bollywood”で訳せば「スーパー・オランド、ボリウッド風」とでもいったところでしょう。”Singham”はインド製=ボリウッド映画のアクション映画のタイトルです。フランス社会党の予備選の候補者選びの水面下のどろどろした人間模様を活劇にして描いて見せたものです。(2016/11/21)


国際
フランス共和党予備選 サルコジ元大統領が落選 フランソワ・フィヨン元首相とアラン・ジュペ元首相で来週決選投票
 欧州連合の未来がかかったと言って過言ではない、20日に投票が行われたフランス共和党と中道右派政党で合同で行われた大統領選挙予備選。AFPによると、投票したのはおよそ380万人。投票の参加費は1人2ユーロ(約230円)だ。その結果が出た。(2016/11/21)


コラム
安倍首相とトランプ次期米大統領の話し合いをめぐって
安倍首相が米時間で今月17日、ニューヨークでドナルド・トランプ次期米大統領と会談した件を巡って、安倍首相を非難する批判記事をたくさん目にしました。批判の理由としては未だ、オバマ氏が大統領でありオバマ氏に失礼であるという外交儀礼的なものもあれば、日本のアメリカへの従属ぶりを批判するものもあり、ドイツのメルケル首相のトランプ氏への客観的な対応と比較して恥ずかしいといったもの、さらには今回の会見の中身はなかった、というものもありました。そういった批判はしかしながら何よりも安倍首相憎し、という思いが前に出すぎてしまってトランプ氏と安倍首相が会った意味合いを矮小化し過ぎているのではないか、という印象を持ちました。(2016/11/20)


人権/反差別/司法
トランプ眼鏡    
最近の短編映画ブームは映画館にもTVにも拘束されないインターネットという場を得て、作品も百花繚乱となっていますが、大統領選挙にまつわる風刺作品も量産されているようです。米大統領選挙に関して作られた短編の1つが「トランプ眼鏡」と題する50秒ほどの短い作品です。移民やイスラム教徒への差別発言で悪名高いトランプ氏を風刺したもの。青年が町で「トランプ眼鏡」なるものを拾ってかけてみると、周りにいる一見普通の人々が違って見えてくるのです。(2016/11/20)


文化
読書について フランスの作家、キャロル・ザルバーグさんに聞く  Interview : Carole Zalberg
これまでの政治家の枠を破るドナルド・トランプ大統領が生まれ、大きく変貌しつつあるアメリカ。そのアメリカに強い関心を持ち、アメリカと欧州を舞台にした小説を書いてきたフランスで活躍中の作家がキャロル・ザルバーグさんです。ザルバーグさんの代表作にはL'invention du desir’(欲望の発明), ’A defaut d'Amerique’(アメリカの欠陥), ’Feu pour feu’(火には火を)などがあります。これらはフランスのメディアでも大きく取り上げられた作品です。ザルバーグさんが米文学に対してどのような興味があったのか、それと同時にザルバーグさんがどんな読書を若いころしていたのかお聞きしました。(2016/11/20)


国際
フランス大統領選予備選  フランス大統領選とアメリカ大統領選の違いは決選投票があること  明日は注目の共和党予備選の投票日
米大統領選の騒動が収束して今はトランプ氏の組閣に関心が移る中、フランスでは来年の大統領選に向けた候補者選びが始まっています。フランス人にとって来年の大統領選の最大の関心事はここ数年急速に台頭してきた右翼政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン大統領が誕生するかどうかでしょう。2002年に父親のジャン=マリ・ルペン候補がシラク候補(現職)と決選投票となった時、極右の台頭に危機感を抱いたフランス国民は2回目の決選投票でシラク候補を圧勝させ、その後1か月ほどは民主主義の勝利を祝う余韻がパリに立ち込めていたものです。(2016/11/19)


国際
トランプ政権とTPPの行方  右派のペンス副大統領は自由貿易協定の擁護者
 自由貿易協定を否定するトランプ氏が米大統領に選出されたことを受けて、TPPは終わったと見る人が多い。しかし米国のTPP離脱は未だ確定したわけではない。その理由の1つとして、前にも日刊ベリタで触れたのだが、自由貿易を推進する共和党の大富豪、コーク兄弟のネットワークが終盤でトランプ候補とどのような関係にあったのか、トランプ氏の毒舌ばかりが報じられて水面下のことがわからないということがある。そう思っている中、2年前に創刊されたアメリカの調査報道メディア、The Interceptに興味深い記事が出ていた。スクープ報道で知られ、本も複数世に問うているジャーナリストで創刊者のJeremy Scahill氏が自ら書いたトランプ政権の副大統領であるマイク・ペンス氏にまつわる記事である。(2016/11/17)


文化
家族の肖像 フランス その2  Family portrait in France #2   民衆の歴史を振り返る
「家族の肖像 フランス編」で第1回目はパリの北の郊外に住むレジャーヌ・ボワイエ( Rejane Boyer )さんに祖父の時代から家族の歴史を回顧していただきました。今回はその2回目、父親の時代を振り返ります。フランスはいわゆる「西側」陣営に含まれ、ソ連や東欧などの共産諸国とは鉄のカーテンで隔てられていたはずです。しかし、フランスには強い社会主義政党が存在しており、現在も与党の座を維持しています。ボワイエさんの家族もまた左翼でした。しかし、左翼同士の間でも一枚岩になるのが難しい事情が潜んでいたようです。(2016/11/16)


コラム
とほほ 対訳戦記・・・
恥をしのんで対訳というものに挑戦しています。日刊ベリタで過去に対訳した言語は英語とフランス語ですが、対訳を載せる、ということはつまり、翻訳の間違いをしたら丸わかりになってしまいますから、最初はちょっと勇気がいりました。でも、それを押し切って対訳を始めた理由は寄稿してくれたり、インタビューに答えてくださったりした外国人の方にとって基本的には対訳の方がよいのではなかろうか、ということでした。せっかく時間と労力を費やして文章を書いたり、質問に答えたりしても日本一国にしか読者がいないとしたら、きっとインセンティブは制約されるんじゃないか、という気がします。(2016/11/13)


米国
警官らに発砲されるオバマ(元)大統領  Charlie Hebdoの風刺画
汗だくになって走って逃げているオバマ氏。後ろで2人の警察官が銃撃している。フランスの風刺メディア、Charlie Hebdo誌の最新号だ。見出しには 'Obama de nouveau citoyen comme les autres'とあり、訳せば「その他、大勢と同じになったオバマ」となる。近年、アメリカ各地で白人警官に黒人が銃撃され、抗議の嵐が起き、ほとんど暴動に近い状態が頻発していた。(2016/11/11)


環境
ヨーロッパエコロジー=緑の党(EELV)地方支部長に聞く 〜その3〜 来年のフランス大統領選とBrexit (英国のEU離脱 )について Interview : Nadine Reux, Secrétaire régionale EELV Rhône-Alpes  
フランスの環境政党であり、来年は大統領候補も擁立するヨーロッパエコロジー=緑の党(EELV)のローヌ=アルプ地域圏支部のナディーヌ・ルー(Nadine Reux)支部長にインタビューを行っています。3回目の今回は来年のフランス大統領選挙について環境政党はどう考えているか、そして今年の大きな話題となっているBrexit (英国のEU離脱)についてもお聞きします。こうした現実政治にエコロジストと呼ばれる環境政党がどう関わっているのか、興味深いところです。そして、欧州の場合はそこに地域、国家の上に、さらに欧州連合という統治構造の階層が存在し、そのあたりがおそらく日本と事情が違っているはずです。(2016/11/11)


環境
ヨーロッパエコロジー=緑の党(EELV)地方支部長に聞く 〜その2〜 自由貿易協定とミツバチについて Interview : Nadine Reux, Secrétaire régionale EELV Rhône-Alpes  
フランスの環境政党であり、来年は大統領候補も擁立するヨーロッパエコロジー=緑の党のローヌ=アルプ地域圏支部のナディーヌ・ルー(Nadine Reux)支部長にインタビューを行っています。前回は日仏の原子力発電についてお聞きしました。2回目の今回は自由貿易協定の行方と、今、大きな問題となっているミツバチの絶滅危機についてお聞きします。(2016/11/10)


国際
アメリカ大統領選 2016   ローラン・ロルメド氏の風刺作品 Laurent Lolmède 
ドナルド・トランプ大統領が誕生した。多くの女性たちは怒っている。左翼の人々も「核のボタンを渡すな」と怒号を浴びせている。それでもアメリカ人はトランプ大統領を選んだ。それは退屈よりも、怖いもの見たさだったのだろうか。トランプは見かけよりも賢明だという人もいる。アメリカ人の選択が正しかったのかどうかは、これからはっきりするだろう。(2016/11/10)


文化
作家ジャン=フィリップ・トゥーサン氏にインタビュー  〜衝撃的デビュー作「浴室」はどのようにして生まれたのか?〜 Interview : Jean-Philippe Toussaint 'How the masterpiece, " La salle de bain " was born ? "
1985年、パリで1冊の風変わりな小説が出版されると大ヒットし、瞬く間に世界各地で翻訳され、その頃の文学界の話題をさらいました。「浴室」と題するその小説は主人公の若者が浴槽に閉じこもって出てこなくなる、という風変わりなシチュエーションと同時に、その文章もパスカルの箴言集のように短いパラグラフに分かれ、その1つ1つにナンバーがつけられているという珍しいものでした。 「(1)午後を浴室で過ごすようになった時、そこに居を据えることになろうとは思ってもみなかった。浴槽の中で思いをめぐらせながら、快適な数時間を過ごしていたにすぎない。・・・」(2016/11/10)


環境
ヨーロッパエコロジー=緑の党(EELV)地方支部長に聞く 〜その1〜 現在のフランスの原発問題と福島原発事故について Interview : Nadine Reux, Secrétaire régionale EELV Rhône-Alpes  
原発大国フランスで目下、電力の危機が起きています。日本の原発部品業者がフランスに納品した部品の強度が基準値以下であることが摘発されて現在、18基の原発が稼働停止となっているのです。今、フランスの原子力政策の見通しはどうなっているのでしょうか。今回、フランスの環境政党であり、来年は大統領候補も擁立するヨーロッパエコロジー=緑の党のローヌ=アルプ地域圏支部のナディーヌ・ルー(Nadine Reux)代表にインタビューを行いました。ローヌ=アルプ地域圏はアルプス山脈を擁し、フランス第二の都市リヨンを含んでいます。地理的にはフランス中東部に位置し、スイスやイタリアと国境を接していますが、行政区的には今年からオーベルニュ地域圏と合併し、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏となりました。(2016/11/10)


国際
トランプ大統領誕生  終盤、大富豪のコーク兄弟はどう動いたのか   気になるTPP とTTIPの行方
ニューヨークタイムズの選挙速報によればトランプ大統領が誕生した。現在トランプ候補が獲得した選挙人は279人、クリントン候補は218人。270人を獲得すれば大統領に当選となる。(2016/11/09)


文化
イタリアの第一線のイラストレーター Davide Bonazzi (ダヴィデ・ボナッツィ) 氏のインタビュー 錯綜する世界をシンプルに表現して訴える
 今、世界が抱えている様々な問題や事象を1枚の絵にする、これがイタリアのイラストレーター、Davide Bonazzi (ダヴィデ・ボナッツィ) さんの仕事です。ただし、それはクライアントの依頼を受けたプロとしての仕事です。私がボナッツィさんのイラストと出会ったのは最近のことですが、シンプルで美しいイラストだと思いました。現実の世界は錯綜して、その中に1本の線を見つけるのは簡単じゃないと思うのです。ボナッツィさんはどのようにしてイラストを描いているのでしょうか、インタビューを行いました。(2016/11/09)


国際
米大統領選の泡沫候補たち  メディアに無視され続けた緑の党のジル・スタイン候補とリバタリアン党のゲイリー・ジョンソン候補
11月8日、いよいよ米大統領選の投票日。ニューヨークタイムズの常連漫画家 Chapatteが米大統領選を風刺する漫画を出したばかりです。夜の選挙特番で居間のテレビの前に幼い子供が一人。テレビ画面は2016年大統領選の結果。ソファの裏で両親が耳をふさぎ目を覆っています。どちらが勝っても悪夢なのでしょう。(2016/11/09)


コラム
TVとネット  〜ネットの未来はバラ色か テレビの未来は灰色か〜  村上良太
最近、マスコミ界で著名な方がテレビはもう終わったコンテンツである=「オワコン」だとツイッターで発言していました。その方の友達も誰もテレビを見ていないし、ネットではいろんな情報があるのだから完全に地上波のテレビは無視してよい、という意見です。こうした意見は新しいものではありません。10年近く前からネトウヨの人々を中心に「マスゴミ」キャンペーンが張られ、マスコミは腐っているから、新聞は取らなくてもいいし、テレビも見る必要はない、必要なものはネットで無料で得られる、と散々言ってきたのです。今回の著名な方の発言も、根底は同じです。(2016/11/06)


コラム
日本のテレビ放送人の草分け 「報道のお春」 吉永春子さんが亡くなる 享年85
TBSテレビで「魔の731部隊」「天皇と未復員」など数々の話題作を作った吉永春子ディレクターが高齢のため都内の自宅で亡くなりました。享年85.吉永さんは「報道のお春」と呼ばれ、「民放の雄」「報道のTBS」と呼ばれた時代を築いたテレビ放送人の草分けの一人でした。 (2016/11/05)


文化
フランスBD(漫画)界の名匠、ジャン=マルク・ロシェット氏  その3 Jean-marc Rochette ( dessinateur )  山への思いを漫画に    
悪夢的な近未来世界と戦う若者たちを描いた漫画「脱走者」(Le Transperceneige)などで知られるフランスBD界の名匠、ジャン=マルク・ロシェット(Jean-marc Rochette) さんが今、取り組んでいるのが青年時代に憧れた山岳への思いを漫画に描くことだ。なぜ山なのか。その答えは前回のインタビューに込められていた。(2016/11/05)


文化
ロシア構成主義の建築物の場所を示したモスクワ地図 「なぜ私たちはこの地図を今、作ったか?」 デザイナーの一人にインタビュー
 最近、とても興味深い1枚の地図を目にしました。円形の中に建物や模様や言葉がびっしり密に描き込まれていて、西洋版の曼陀羅図みたいな印象です。聞くとそれはモスクワの地図でした。いったい何のためにこの地図が今、作られたのか。そこに何を読み込めるのか。地図を作製したデザイナーの集団, Baklazanasの一人、ロシア人のイリーナ・ゴリャチョーバ(Irina Goryacheva) さんにインタビューしました。I interviewed a Russian designer Irina Goryacheva ,who created The New Moscow map showing the existing Constructivist buildings with her colleagues in 'Baklazanas', a designers' group in the Republic of Lithuania.(2016/11/03)


国際
バーニー・サンダースら上院議員12人がTPP再交渉をオバマ大統領に促す<<再交渉で致命的欠陥を是正するまで議会で批准の議論をすべきではない>>  上院議員たちが危機感を感じる複数の欠陥条項とは?
日本の国会では今、与野党間のTPP批准をめぐる議論がほとんど盛り上がることもなく、11月4日にも可決する見通しと報じられたばかり。ではTPPの原動力となってきたアメリカはどうなっているのでしょうか。今年9月29日、アメリカの上院議員12人がオバマ大統領にTPPの再交渉を促す書簡を送り、その内容を公開しました。12人の上院議員の中にはバーニー・サンダース元大統領候補も含まれます。TPPの内容を批判し、再交渉を促すオバマ大統領に宛てた書簡は以下です。Dear President Obama: We write to underscore the fundamental flaws of the Trans-Pacific Partnership (TPP) agreement.(2016/11/02)


国際
トルコの野党寄りの新聞 Cumhuriyet の記者らが家宅捜索を受け、編集長は逮捕 テロ事件に関連した容疑で 
ルモンドが報じたところによると、10月31日未明、トルコの野党系の新聞Cumhuriyetの記者らが一斉に家宅捜索を受けたほか、編集長のMurat Sabuncu氏は逮捕されたという。報道によれば捜査令状は13件に上るが大別すれば2通りだという。(2016/11/01)


文化
「写真家の日誌」  報道写真家、アラン・ケレール(Alain Keler)  政治家が国民を捨てても何とも思わぬ国の姿
世界の一線で活躍してきたパリの写真通信社MYOPに所属する報道写真家アラン・ケレール氏(Alain Keler)。彼は今、フォトジャーナリズムについての思いを「写真家の日誌」(Journal d'un photographe)として書き記しています。今回も前回に続いてハイチの取材写真から。Journal d'un photographe / Leur histoire vient de basculer / Haiti / 02-1986. Lundi 10 fevrier 1986. (2016/10/31)


みる・よむ・きく
大山礼子著 「フランスの政治制度」(東信堂)   49−3とは何か
 今年のフランスの政治の動きをウォッチしている人々にとっては49-3という数字の意味するものが何かを知ることが絶対に不可欠でした。これを知らなくては春から夏にかけてのフランス議会の緊迫した動きが理解できなかったのです。そして、49−3を巡って議会の外でも、つまりフランス各地で抗議のデモが繰り返されました。49-3について、ご存じでしょうか?実は筆者も知りませんでした。(2016/10/31)


文化
シチリア島発の音楽レーベルDiesisを女性二人で立ち上げて アッシア・ナニア Interview : Assia Nania
前回、シチリア島を拠点にテクノとクラシックを融合した新しい音楽活動を行っているGioli のジョルジア・リパリ  (Giorgia Lipari)さんにインタビューを行いました。クラブを中心に世界を旅しながら演奏活動を始動したばかりですが、今年5月には初のアルバム「メカニカル・ハート」もリリースしたばかり。そのリパリさんのマネージャーをつとめ、写真や映像を撮影してウェブサイトを作っているのが、同じくシチリア島出身のアッシア・ナニア (Assia Nania) さんです。音楽家のGioliは二人が作り上げたものと言えますが、今月、さらに新しい活動を始めたのだと言います。今回はマネージャーで写真家・デザイナーのアッシア・ナニア(Assia Nania)さんにインタビューします。(2016/10/31)


文化
家族の肖像 フランス    
パリに飛行機で飛んでいた時、偶然、隣に座った人が〜夫婦でパリに団体旅行に出かけるそうですが〜スチュワーデスと僕とのやり取りを見て僕が旅慣れている人と思ったらしく次のように尋ねました。男 「私は妻と今回初めてパリに行くのですが、どこか見ておくべきものとか、お勧めとかありますか?」 僕 「パリには3日もいると目ぼしい観光スポットは大体回れるものです。ルーブル美術館とか、凱旋門とか。そういう観光を軽んじる必要はないと思うのですが、できれば土地の人と誰か一人でも友達になるといいのではないでしょうか」(2016/10/30)


検証・メディア
「写真家の日誌」  報道写真家、アラン・ケレール(Alain Keler) パリの写真通信社,MYOPに所属
世界の一線で活躍してきたパリの写真通信社MYOPに所属する報道写真家アラン・ケレール氏(Alain Keler)。彼は今、フォトジャーナリズムについての思いを「写真家の日誌」(Journal d'un photographe) として書き記しています。今回はハイチの取材写真から。ケレール氏は1986年、暴動が多発するハイチに飛びました。父親に次いで独裁者となり15年間統治した大統領のジャン=クロード・デュヴァリエが市民の怒りによる暴動から、ついにパリへ亡命して去っていった時のハイチを撮影しています。飢えた市民による略奪、軍のパトロール、死者などです。以下はケレール氏のエッセイです。報道においては「現場で」画像・映像を撮影するジャーナリストと、それを受けて編集に組み入れるマスメディアの編集者との間で「意味付け」をめぐって葛藤が起きうることを示しています。(2016/10/29)


みる・よむ・きく
東谷 穎人 著 「はじめてのスペイン語」  (講談社現代新書)
電車に乗っていると時々、若者たちがスペイン語をやろうと思っているんだ、という会話をしているのを耳にします。大学の第二外国語の選択の相談でしょう。昔だったら、ロシア語、フランス語、中国語、ドイツ語の4か国が第二外国語の主だったものでしたが、統計を取ったわけではないので正確な数字はわかりませんが筆者の印象では最近はスペイン語が台頭しているようです。その理由はスペイン語がスペインだけでなく、中南米や米国でも幅広く使える言語であることと、さらにはロシア語やフランス語に注力した先行世代との差別化ができることも理由の1つかもしれません。同じところで競争するより、これから伸びていきそうな新しい領域で勝負する方がよい、ということでもあると思います。(2016/10/28)


欧州
サルトルの葬儀  ノーベル賞を拒否した男   Funeral of Jean-Paul Sartre
 フランスの哲学者、ジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)が亡くなったのは1980年4月15日。サルトルの哲学は実存主義と呼ばれ、戦後の1つの時代を主導し、日本でも多くの人がサルトルを語っていた時代がありました。人間存在の核心には虚無があり、だからこそ人間は自由なのだ、その自由に自己を賭けていくことで人間は自己を実現し、歴史を進歩させることができる、というのがサルトルの考え方でした。しかし、構造主義という哲学がフランスで始まると、サルトルの哲学は批判され、死後にはほとんど言及されることもなくなりました。その分水嶺が1980年のサルトルの死でしょう。(2016/10/27)


文化
パリのアニメ監督が浮世絵に挑戦 幕末維新を舞台に「怪盗物語」を出版 カミーユ・ムーラン=デュプレ氏  Interview : Camille Moulin-Dupré ( dessinateur ) 
今年、パリのアニメーションの監督が浮世絵の世界に挑戦しました。カミーユ・ムーラン=デュプレ氏です。浮世絵と言っても、漫画本の体裁を取っています。幕末から維新にかけての日本を舞台にした物語でタイトルは「版画・怪盗物語」です。白黒と灰色のみの世界ですが、そこに無限の色調を生み出しています。(2016/10/26)


コラム
' Je suis WALLON'  欧州人が「私はワロンだ」と言っている  欧州連合とカナダの自由貿易協定の行方
 去年の風刺新聞社、シャルリ・エブド襲撃事件の後、’Je suis Charlie' (私はシャルリだ)とプラカードを掲げて抗議をするフランス市民が話題を呼びましたが、今、「私はWALLLONだ」というのが最新版になっています。このワロンって何か?と思ってたら、ベルギーのニュースが入ってきました。欧州連合とカナダが交渉してきた包括的な自由貿易協定であるCETAが「ワロン」のために頓挫しかけているのだ、と。(2016/10/25)


みる・よむ・きく
鯉登潤著 「人物デッサンの基本」 (ナツメ社)  内部の骨格から把握する人物の作画法
最近、漫画の描き方の入門書を10数冊手にしてみました。漫画の入門書にはストーリー展開を軸にした台本の作り方の部類と、作画方法をメインにした部類と大別されるのですが、印象深かったのは後者の出版物がたくさん出ている印象であり、漫画と言っても相当に正確な描写力が今日求められているのだな、と思ったことです。子供の頃、手塚治虫の「漫画の描き方」を手にした頃と比べると、作画に関しては雲泥の差です。(2016/10/23)


検証・メディア
イタリアの報道の自由と政治の圧力について、未来について、独裁について  Francesco Mazza(イタリアの映画監督)  
在仏ブロガーのRyoka氏が紹介してくれましたイタリア人の映画監督Francesco Mazza(フランチェスコ・マッツァ)さんの風刺画に対する説明があまりにも興味深かったために、Francesco Mazzaさんにもう少し話を聞きたいと思いました。特に、先述の文章に書かれていたイタリアの風刺番組のこととか、イタリアのメディアの事情〜特に政治との関わりでたとえば圧力とかはないのか?などなど、そのあたりのイタリア事情をFrancesco Mazzaさんに話していただきました。(2016/10/22)


検証・メディア
「デモクラシー・ナウ!」のジャーナリスト・司会者、エイミー・グッドマン氏の取材活動に対し、ノースダコタ州検察官が騒乱罪で求刑 しかし、裁判官が却下 「正当な報道活動であることが認められた」 
アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」の司会者でジャーナリストのエイミー・グッドマン氏がノースダコタ州での取材活動で州検察当局から起訴されていた。その容疑は当初は不法侵入だったが、のちに騒乱罪へと変わっていた。問題となった取材活動とは報道によると、米中西部のノースダコタ州からサウスダコタ州、そしてイリノイ州にまたがる1825キロの石油パイプライン敷設計画に対して地元のネイティブインディアンや市民が反対運動を起こしていた様子を同番組で取材したことだった。(2016/10/18)


文化
音楽にかける青春 岩宙平さん(28) その2  チェコで若者たちに音楽を教える
東京からプラハ音楽院に留学後、チェコに留まりプロの指揮者として活躍中の岩宙平(ちゅうへい 28)さんについては前回、この欄で紹介しました。バイオリニストのコースから指揮へ方向を変え、ドヴォルジャークやショスタコーヴィッチの曲を振ってデビューしたのです。作曲家としても活動しており、その将来には大きな期待がかけられています。その傍ら、岩崎さんはチェコの少年少女への音楽教育も精力的に行っています。その活動はどのようなものなのか、お聞きしました。(2016/10/17)


文化
政治闘争の勝敗を最初に決めるのは言語をめぐる闘い   ガエル・ノアン (Gaëlle Nohant 作家)  
今日、日本では言葉の使い方が変わってきています。たとえば「保守」という言葉も過去とは異なる意味で使う政治学者が現れています。実は、同じ現象がフランスにもあるのだ、と言います。フランスの作家のガエル・ノアン(Gaelle Nohant)氏です。以下はノアンさんからのメッセージです。「今、私が読んでいる有益な本がこれです。非常に熱心に読んでいます。ビクトル・クレンペラー著「第三帝国の言語」です。この本を読みながら、私は自分の考えが固まっていくのを感じています。それはつまり、あらゆる戦争も、そしてあらゆる政治闘争もまずは言語の領域から勝ち取られていくものだ、ということです」(2016/10/16)


文化
パリのジャン=フィリップ・ミュゾー(Jean-Philippe Muzo)氏  芸大1年で個展を開いて中退 好きなイラストを描いて50年 
パリのモンパルナスに近いコリーヌ・ボネ画廊で昨夕、ベルニサージュ(個展開幕の集まり)を迎えたのがイラストレーター・漫画家のジャン=フィリップ・ミュゾー(Jean-Philippe Muzo)氏の個展です。ミュゾー氏は新聞や雑誌に多数、イラストを描いてきた風刺漫画家で、かつまた、本も多数作ってきた人です。穏やかなタッチの中に批評がピリッと込められています。(2016/10/14)


コラム
中身のない言葉が蔓延する今、再読したい戯曲はヴァーツラフ・ハヴェル作 「ガーデンパーティ」かと
日本はソ連に近づいている、と言ってよいのではないでしょうか。経済は好調であるとか、男女の平等は進んでいるとか、自衛隊が活動する所が「非戦闘地域」とか、戦闘ではなく衝突だ、とか。どこにこれらの言葉の真実があるのか、もはや国民にはわからなくなりつつあります。そうした今、ふと思い出されるのが、ソ連に威圧されていた東欧の小国、チェコスロバキアの天才劇作家ヴァーツラフ・ハヴェルが書いた「ガーデンパーティ」という戯曲です。(2016/10/13)


TPP/脱グローバリゼーション
ハリケーンに襲われたハイチ  グローバリズムで主要穀物のコメの農業が打撃を受けていた  「マイアミライス」の大量流入とビル・クリントン元大統領の謝罪
今月、ハリケーン「マシュー」に襲われ、救援活動が行われているハイチ。そのハイチでは1980年代から加速したグローバル化によって主要穀物のコメの農業が打撃を受けており、今日に至っても未だにその影響があると「ハイチ移民を支えるハイチ女性の会」事務局長のNINAJ RAOULさんが「デモクラシー・ナウ!」で話しています。自然災害の被害だけでなく、ハイチの貧困の足元には脆弱になった農業事情と食の構造がある、と告発しているのです。(2016/10/12)


文化
漫画家ローラン・ロルメド氏の風刺作品群 Laurent Lolmède 
パリで活躍している漫画家のローラン・ロルメド氏(Laurent Lolmede)はアンダーグラウンド的な独特のタッチで、個性的な世界を作り出しています。タンタンの登場人物のパロディ作品群があるかと思えばフランスの巨大なスーパーマーケットであるオーシャンをモチーフにした漫画もあります。その1つに、ミレーの「晩鐘」の祈りを捧げる夫婦を絡めたものがあり、グルーバル競争の中でフランスの農民たちが置かれた状況への風刺になっているように思われました。ロルメド氏にインタビューをしました。(2016/10/12)


国際
米大統領選 緑の党のジル・スタイン候補の発言  「Democracy now !」が独自編集して組み込んだ拡大討論会
 米大統領選の二大政党候補の二回目のTV討論会が行われましたが、米大統領候補は緑の党や、リバタリアン党にもいて、これらの小政党の候補は恒例のTV討論会から排除されています。そこで、米報道番組の「Democracy Now!」が同じ質問を緑の党のジル・スタイン候補にあて、その発言を挿入した拡大討論会を発表しています。(2016/10/11)


コラム
日本の幻想の二大政党制  政策論争のない選挙と見せかけの国会論戦と
  アメリカの大統領選挙をインターネットを通して昨年来、観察してきましたが、日本とアメリカの政治システムの違いはあるものの、それを越えて最も痛切に感じられることは日本では政策論争が選挙の前に何もない、ということでした。アメリカの大統領選挙に比べれば、選挙の公示から投票まで期間がごくわずかしかないのに、そのわずかな期間ですら、与党は争点をずらし、争点を見せまい、として重要なイシューを隠しています。たとえば「消費税引き上げを延期してよいかどうか国民に真意を問う」として衆院が解散された2014年の衆院選では衆院解散から投票日まで24日間、公示から投票まではわずか13日しかありませんでした。アメリカの大統領選が1年以上かけて候補者をふるいにかけていくのとはまったく質量ともに比較になりません。二大政党制になれば本格的な議論が行われる、というのは幻想にすぎなかったのです。(2016/10/11)


国際
ドナルド・トランプ候補の反撃  ヒラリー・クリントン候補の弱点を攻める  2回目のTV討論会
昨日、米日時の9日、アメリカ大統領選の2回目のテレビ討論会が行われた。今回も90分で、場所はアメリカ中西部に位置するミズーリ州・セントルイスにあるワシントン大学だった。今回の討論では序盤、トランプ候補は過去の女性蔑視発言や差別的発言一般がヒラリー・クリントン候補から攻められ、一時は劣勢に立たされた。特に2回目の討論直前に昔のトランプ氏の猥談が録音されたテープが公開され、ダメージになりそうだった。しかし、トランプ候補は中盤からじわじわ、挽回していった。トランプ候補はクリントン候補の弱点を攻めはじめ、次第にその言葉が耳に残るようになった印象を筆者は持った。(2016/10/10)


農と食
シリーズ 「私は人間だ」 女優・演出家 コルネリー・スタティウス・ミュラー( Cornelie Statius Muller )
「私は人間だ」というタイトルのシリーズ作品で、私は人間以外の生物種の価値を問うてみたいと思っています。これは鶏です。近いうちに鶏に敬意を示さなくてはいけない、と思っています!この絵のモデルは私が飼っているロザでもオランプでもありません。動物愛護団体であるL214の機関誌の表紙に掲載されていた鶏です。(2016/10/09)


みる・よむ・きく
数江譲治著 「フランス語のABC」(白水社) 〜初心者にわかりやすい定番の入門書 長年フランス語を勉強してきた人にとっても基本の復習に最適な一冊〜 
白水社と言えばフランス語の学習書やフランス文学書で知られている出版社ですが、それだけに優れた定番の文法の入門書があります。数江譲治著 「フランス語のABC」(白水社)です。筆者の持っているこの本の説明によると、1981年に初版が出て、のちにCDの吹き込みをつけたバージョン(CD付・新装版)が2002年に出ています。今でも書店の語学書コーナーに並んでいますから、1981年からなんと35年も販売され続けているロングセラーなのです。売れ続ける秘密は次の2点だと思います。(2016/10/08)


文化
フランスBD(漫画)界の名匠、ジャン=マルク・ロシェット氏 その2  Jean-marc Rochette ( dessinateur )  世界の破滅と究極の美
Q 前回のインタビューの最後の回答ですが、「なぜ、世界は破滅に向かっている」とお考えになるんでしょうか? A 世界は終焉に向かっていると思うのは資源が限られているからです。一方、人類の欲望は限りがありません。ですから人類がこのように長期的に生存できるとは思えないのです。そして人類は狂気のリズムでガンを転移させています。人類はそれ自体この地球にとって致死的に危険な存在となってしまいました。(2016/10/08)


文化
作家キャロル・ザルバーグと猫  猫は不眠の長い夜の優しい仲間  Carole Zalberg et un chat
「作家と猫」というタイトルの写真入りの本を日本で見かけますが、海外でも猫はヘミングウェイをはじめ、多くの作家のバディ(仲間)のようです。パリで旺盛な執筆活動を続けている作家のキャロル・ザルバーグ(Carole Zalberg)さんの場合もそうでした。ザルバーグさんの代表作にはL'invention du desir’(欲望の発明), ’A defaut d'Amerique’(アメリカの欠陥), ’Feu pour feu’(火には火を)などがあります。(2016/10/07)


コラム
親を出しぬく若者になろう  格差社会では子供自身の情報収集力が夢の実現の鍵を握る  村上良太
新聞に「おやじの背中」みたいなシリーズが組まれて、いかに父親が偉大だったか、いかに父親の背中を見て育ったか、いかに父親が自分を愛し、思ってくれたか。そんな涙と愛の美談がてんこ盛りになっています。たしかにそんな父親もいるでしょう。しかし、親というものはいろんな親がいて、素晴らしい親もいればそうではない親もいるのです。親が子供のことを理解しているか、と言えばそんな親もいると思います。でも、そうでない親もいるのです。子供が何に悩んでいるか理解不能であるばかりか、そういう想像力もない親も存在するのです。(2016/10/05)


文化
「脱走者」などの名作で知られる、フランスBD(漫画)界の名匠、ジャン=マルク・ロシェット氏 Jean-marc Rochette ( dessinateur ) 
近未来の破滅的な世界から逃れようとする男を描く漫画シリーズ「脱走者」など数々の名作で知られる、フランスBD(漫画)界の名匠、ジャン=マルク・ロシェットさんに話を聞きました。「脱走者」の原題は’Le Transperceneige’(雪を貫くもの)。気候変動などで生存が危機に瀕した最後の生き残りの人類が、巨大な列車に乗り込み、その列車は永遠に雪の中を走り続ける。列車は階級社会となっており、先頭の客車には富裕な貴族が乗り込み、最後尾には貧民たちが詰め込まれている。そんな巨大列車の中で貧民車両の主人公が客車を前進しながら冒険をする物語。発表から間もない1985年に漫画界のカンヌとも言われるアングレーム国際漫画祭でPrix Temoignage Chretienという賞に輝きました。そして、2013年には韓国の名匠、ポン・ジュノ監督がこの漫画を原作にした実写の映画「スノーピアサー」を発表しています。(2016/10/03)


文化
イスタンブールの「悪い娘たち」  トルコ出身の風刺漫画家、ラミズ・エレール(Ramize Erer) のおオシャレで奔放な世界
最近、痛快な風刺漫画を見た。若い女性がカミソリでせっせと体中、脱毛している漫画で、最後に毛を剃り終わってベッドに入ると、中から毛むくじゃらな大男が現れて愛撫する、というものだった。なんとも皮肉な漫画だが、スカッとしていて後味は悪くない。作者はラミズ・エレール( Ramiz Erer 1963- )という女性で、トルコのイスタンブールからパリに移住した風刺漫画家だと知った。 彼女は「悪い娘たち」という一連の漫画で知られており、悪い娘たちというのはつまり、快楽主義的にふるまうということだ。トルコのようなイスラム社会においてそのような自由奔放な娘たちの行状を新聞に描くことは勇気ある挑戦だっただろう。(2016/10/03)


みる・よむ・きく
小林敏彦著 「ニュース英語 パワーボキャビル4000語」(語研)
英単語の学習本を手にしたのは学生時代の「試験に出る英単語」=通称「シケ単」以来になりますが、小林敏彦著 「ニュース英語 パワーボキャビル4000語」(語研)でまとめられているテーマ別の単語集はニュースを読んだり、また日本から英語で発信するときにとても役に立ちそうな一冊です。(2016/10/02)


国際
米朝関係の霧  続けられる元米政府外交官たちと北朝鮮政府高官との非公式折衝
 アメリカの元外交官・情報部員そして学者たちの一行と、北朝鮮政府高官が米朝関係や半島の非核化などを巡る非公式折衝を続けている、とワシントンポストにティム・サリバン(Tim Sullivan)氏の一文が掲載されていた。非公式折衝はシンガポール、ベルリン、北京など各地で行われてきたそうである。もし、現実に半島の非核化や米朝関係改善の現実性が出てきた場合は、非公式折衝から公式折衝に移行し、米政府が正式に報道発表する性質のもので、現段階では両者の話し合いは霧の中に包まれたままだという。(2016/10/02)


人権/反差別/司法
米議会で問われたサウジアラビアとの関係  9・11のテロ被害者がテロを防止しなかったサウジアラビアに対して個人的に訴訟を起こせる法案が可決
 米議会でサウジアラビアと米国の関係が問い返されている。2001年の9・11同時多発テロの発生に関してサウジアラビア政府関係者が関与していたことが米政府の報告に上がっており、たとえばロサンゼルスのサウジアラビア領事が2000年にサウジアラビアから入国したテロリストに便宜を個人的に与えていたとされる。こうした場合に、テロの被害者や家族が個人としてサウジアラビア政府や要人に対して、訴訟を起こすことを可能にする法案がアメリカ議会で可決した。もちろん、相手はサウジアラビアに限定されない。テロに関してはたとえ米本土で起きたとしても、テロリストの出身国や要人などに責任を問えることになる。この意味を報道番組の「デモクラシー・ナウ!」が報じている。(2016/10/01)


文化
フランスBD界の巨匠 テッド・ブノワ氏、亡くなる  「ブレイクとモーティマーの冒険」シリーズなどエルジェの影響を受け明快なタッチの漫画をフランスで描く
フランスの著名な漫画家・台本作家のテッド・ブノワ氏(Ted Benoit 本名ティエリー・ブノワ)が亡くなった。69歳だった。ブノワ氏はフランス人だが、「タンタン」の作者で知られるベルギーの漫画家エルジェの影響を受け、明快なタッチの漫画を描いた。その代表作には「ブレイクとモーティマーの冒険」(les aventures de Blake et Mortimer)シリーズや、伊達なサングラスがトレードマークの「レイバナナ」(Ray Banana)などがある。(2016/10/01)


農と食
引き取った二羽の鶏との生活   女優・演出家 コルネリー・スタティウス・ミュラー( Cornelie Statius Muller )
フランスのある劣悪な養鶏施設が摘発され、今年、施設の衛生状態改善の命令を受けた時、施設で飼育されていた鶏が全て殺されることになりました。そこで鶏の命を救うため、フランス全土から人々が施設に集まり、飼育できるだけの鶏を買い取って持ち帰っていきました。命を取り留めた鶏の数は1万五千羽にのぼるそうです。リヨンの劇場で演出や美術監督の仕事をしているコルネリー・スタティウス・ミュラーさんもその一人です。二羽の鶏を引き取り、アトリエで飼育しています。そして、鶏が産んだ卵(無精卵)を食べているのです。ミュラーさんに飼育の話を聞きました。(2016/09/30)


人権/反差別/司法
元・フランス国民戦線の候補者に罰金3000ユーロの求刑  司法大臣(当時)クリスチャーヌ・トビラ氏を猿にたとえた風刺画をFacebookに掲載した罪で
2014年春に国民戦線が爆発的な勢いで地方議員を増やしたことは記憶に新しいはず。その前年の秋、同党から地方議員選挙に立候補していたフランス人の女性がFacebookのページに当時の司法大臣を猿にたとえた風刺画を掲載した罪で、今週、パリで罰金3000ユーロが検察から求刑された(ただし執行猶予付き)。さらに執行猶予2か月の求刑。ちょっとした風刺画じゃないか、と思う人もいるだろうが、司法当局に人種差別主義に該当すると判断されたためだ。報道によれば猿の絵の隣に司法大臣の写真が貼られていて、猿に「生後18か月」、司法大臣に「現在」と説明をつけていたという。(2016/09/29)


コラム
言葉とその中身  「左翼リベラル」とは何なのか?
インターネットの世界におけるソーシャルメディアが盛んになって、毎日、各界の著名人のほか、一般の市民もあふれるほど多くの言説〜自己の発言であれ、他人の発言の反復であれ〜を行っています。特に、ツイッターやフェイスブックのように、書き込めるスペースが小さなメディアの場合は言説が基本的に単純化された短いテキストが中心になっています。そうした環境では言葉や概念がそれぞれ何を意味しているのか、その定義を確認し、共通認識を持つことが難しくなっています。(2016/09/29)


コラム
ヒラリー・クリントン 対 ドナルド・トランプ 第一回目の討論会(9月26日)  ヒラリーの余裕 
アメリカ共和党と民主党の大統領候補の3回のTV討論の1回目が9月26日に行われた。ヒラリー・クリントン候補(民主党) 対 ドナルド・トランプ候補(共和党)である。討論は90分で、6つのトピックをそれぞれ15分間論じていく。アメリカの税制(企業減税か、富裕層への課税か)、自由貿易協定の是非、核兵器などの対外軍事政策、警察と銃器の問題など、予備選でもさんざん論じられてきたテーマでもある。討論を見た人の印象だが、いくつかの外国紙の報道ではクリントン氏の方が優勢だった、と観る人が多かったようだ。トランプ氏が特に失敗した、という印象はなく、これまでの共和党予備選と同様にマイペースで話をしていくのだが、今回、1つの変化が見られた。それは討論相手のヒラリー・クリントン氏のスマイルである。(2016/09/28)


国際
イラン外相がNYTで警告  サウジアラビアのワッハーブ主義がイスラム教をゆがめている
イラン外相のモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ氏がニューヨークタイムズに'Rid the world of Wahhabism'(ワッハーブ主義を世界から一掃せよ)と題する一文を寄稿した(9月15日付 国際版)。かなり力強い文体で、今、世界で問題になっている紛争は「シーア派対スンニ派」という古典的な対立ではない、それはイスラム教主流派対ワッハーブ主義の闘いだ、と訴えている。つまり、スンニ派の大多数もワッハーブ主義の暴力の対象となっていると言っているのである。(2016/09/27)


反戦・平和
杉山千佐子さん、亡くなる 享年101 民間の戦災傷害者として無念の思いを糧に国に問いかけ続けた女性
名古屋大空襲で被災し、片眼を失ったのち、戦後、全国戦災傷害者連絡会を立ち上げ、民間人の戦争被害者にも国は補償をせよ、と戦時災害援護法の制定を訴え続けた杉山千佐子さんが9月18日、亡くなった。101歳だった。国は杉山さんの訴えを却下し続けてきた。(2016/09/24)


国際
欠陥票読み取りマシンが大問題に 紙のバックアップがないと選挙が危ない・・・ ロイター通信ワシントン発
ロイター通信のワシントン発の記事。アメリカの選挙の票読み取りマシンの欠陥問題。タッチスクリーン方式で、紙に残らないものはデータ上の不安が大きいと指摘。アメリカの有権者の4人に1人がこのタイプの機械で投票しているという。(2016/09/24)


国際
北朝鮮の核兵器開発問題 「米新大統領の最初の100日間が北朝鮮との交渉の要になる」 米専門家の提言
 北朝鮮が今年に入ってすでに2回核実験を行い、その他、ミサイルテストは17回行ったと書き起こして、この問題をどう考えるべきかニューヨークタイムズ(国際版9月14日付)で提言しているのが、ジョエルS. ウィット(Joel S.Wit)氏〜ジョンズホプキンス大学にあるU.S.コリア研究所のシニアフェロー〜です。興味深い分析と論旨と思われるので、以下、ウィット氏のNYT寄稿テキスト'How to stop North Korea'の論点を記します。(2016/09/23)


国際
アメリカのシリア軍「誤爆」と米国防総省  NYT社説(9月16日付)に潜む暗示
中東に詳しい平田伊都子氏が触れたように9月17日、アメリカ軍が停戦違反とも受け取れるシリア軍への爆撃を行いました。この概要については平田氏の記事を参照していただくとして、振り返ると、9月16日付のニューヨークタイムズ国際版の社説がシリア停戦の見通しが不透明であることを匂わせていたことに注目せざるを得ません。その社説は’America's Mr. Diplomacy'(アメリカのミスター外交)と題するもので、通常は2つの社説が入るスペースをこれ1本で埋めた力の入ったものでした。(2016/09/23)


国際
北フランス・カレーの港で渡英を目指す難民阻止の「壁」建設工事が始まる
英国が欧州連合から離脱することを決めた6月の国民投票から丁度3か月、フランス北部の港湾都市カレーに難民が英国に不法流入するのを阻止するための壁の建設工事が今週始まった。現在、地面にコンクリを流し込んで基盤を作っている模様。(2016/09/23)


文化
米劇作家エドワード・オールビー氏、死す  「動物園物語」 「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」ほか
アメリカの劇作家エドワード・オールビーが逝った。享年88.代表作の1つ、 「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」が新聞の追悼記事で最も触れられている。この劇は映画化もされているが、アメリカの地方大学の教授夫婦の日常を赤裸々に描いた喜劇的な作品だった。しかし、かつてオールビー氏は「不条理演劇」というラベルで紹介されていた。デビュー作の「動物園物語」が普通のドラマとは相当に異なる物語だったからだ。(2016/09/20)


文化
僕の好きな映画  フィリップ・ラゴートリエール Philippe Lagautrière
僕が最初に映画館で見た映画はたぶん、アルベール・ラモリスの「赤い風船」(1956)だった気がする。それから、ジャック・タチの「僕のおじさん」。それから、ロベール・デリの”Les Branquignols"。もっと後になると次のようになります。(2016/09/20)


みる・よむ・きく
りんひろこ著「NYスタイルのジャーサラダレシピ」(世界文化社」)
サラダと言えばレタスとトマトに既存のドレッシング、という定番以外のサラダがなかなか頭に浮かばない・・・そんな人に目から鱗が落ちるがりんひろこ著「NYスタイルのジャーサラダレシピ」でしょう。タイトルにあるように本書は縦長のガラスの瓶(ジャー)に何層にも分けてドレッシングと様々な野菜を詰め込むスタイルを取っています。ジャーに入れる理由は職場などに持ち込むためです。(2016/09/19)


文化
僕の好きな本  フィリップ・ラゴートリエール Philippe Lagautrière
子供の頃、僕の両親は夜に読書するのを禁止していたんだ。だから、僕は本をシーツの下に隠して、小さなランプを使ってこっそり読んでいた。たくさんの本をむさぼるように読んだんだ。親の禁止に立ち向かうこと、これは読書の世界への最良の入り方だったと思う。最良の本を10冊ほどに絞るのはとても難しい。いい本はたくさんあるからね。だから、今、頭に思い浮かぶものを列記してみよう。(2016/09/19)


文化
ジャック・フレッシュミュラー展 < Je vous aime beaucoup (私はあなたを熱愛します)>Jacques Flèchemuller  コリーヌ・ボネ(パリの画廊主)
  パリのコリーヌ・ボネ画廊では今月から、ジャック・フレッシュミュラー展が開催されています。定点観測の場所をコリーヌ・ボネ画廊にしている理由は何より筆者が独断と偏見において面白い画廊だと感じるからに他なりません。そこでは70年代から80年代にかけて若者だった当時の売れっ子の前衛アーチストたちが、フランス経済が下降し、国が困難を極めている現在、どのように生きているかが見えるからでもあります。そして、彼らは今日も意気軒高であり、自由の空気を持っています。今回、展示が始まったジャック・フレッシュミュラー氏もそうしたアーチストの一人なのです。画廊主のコリーヌ・ボネさんに聞きました。(2016/09/17)


コラム
民進党新体制と安保政策
 民進党代表戦で右派の野田派に属する蓮舫参院議員が選ばれ、その幹事長に野田佳彦元首相が就任しました。野田氏は蓮根のように蓮の花(蓮舫)を支える、と記者団に語りました。このような人選に「驚いた」という人もいますが、野田派の蓮舫議員が野田元首相の影響力の下にあることは言うまでもありません。折しも沖縄のヘリパッド建設を巡り、政府の強硬姿勢に対して住民の闘争が激化している最中のことです。この蓮舫=野田ラインの野党第一党の新体制は今後の政局にどう影響するのでしょうか。そこで日刊ベリタの2004年の記事を振り返ってみたいと思います。2004年の志村宏忠記者の記事によると、蓮舫議員は参院議員に初当選して、父親の郷里である台湾を訪ねています。この時の政権は民進党(正式には民主進歩党ですが、略せば日本の民進党と同じ名前です)の陳水扁政権で、中国からの独立を旗印に当選を果たしていました。蓮舫議員は日本の参院議員として、陳水扁総統と会見したほか、呂秀蓮副総統らの討論会にも参加しています。(2016/09/17)


検証・メディア
アルジェリアのパロディ新聞  <放射能を浴びた福島の野菜全部をサウジアラビアが買い取ると言明。その背後にワッハーブ派イスラム教を広める思惑がある>
先ほどアルジェリアのパロディ新聞の記事に騙されそうになった経緯を書きましたが、そのパロディ新聞エル・マンシャール(EL MANCHAR ) (2016/09/16)


国際
あ、騙された・・・  アルジェリアのパロディ新聞エル・マンシャール(EL MANCHAR )
インターネット空間には真偽不明かつ玉石混交の情報が日々飛び交っています。昨日、筆者も思わず騙されそうになりました。その情報とはTVを中心に露出度が高い、フランスの著名な右翼論客、エリック・ゼムール氏が自殺を試みようとしたという記事です。記事によると、ゼムール氏が自殺を試みようとした背景には意外な事実をゼムール氏が知ってしまったからで、それは排外主義的言動を行ってきたエリック・ゼムール氏自身の先祖がアルジェリア人だった、というもの。記事には両親が、それを打ち明けると息子の精神に影響すると思い、隠してきたと取材文体で書かれています。(2016/09/16)


みる・よむ・きく
寺田直子著 「ホテルブランド物語 〜人材を育てる一流の仕事とは?〜」(カラー版)
角川oneテーマ21という新書から出ている寺田直子著 「ホテルブランド物語 〜人材を育てる一流の仕事とは?〜」は2006年の出版と10年前のものですが、今読んでも興味深く読める本です。この本が書かれたのはその頃、外資系の高級ホテルが日本に進出していたからかと推察しますが、その時事性に限定されず、もっと一般的なホテル論として読むことができるからです。(2016/09/15)


国際
二重国籍騒動 と 米大統領選  
蓮舫議員の民進党代表選挙出馬に伴って浮上した台湾との二重国籍問題が今、話題になっています。TVだけでなく、インターネットでも批判する人もいれば、二重国籍で何が悪い、という人もいます。この問題は外国ではどうなのか、ということで外国では二重国籍の政治家も少なくない、という実情がまずあるようです。アメリカの政治の中心、ワシントンDCで発行されている政治ジャーナルのThe Hill誌に、L. Michael Hagerという名前の論者が二重国籍と政治家のことで論考を出しています。タイトルは’When dual citizenship becomes conflict of interest’(二重国籍が利益の相克を生むとき)です。この人はInternational Development Law Organizationの創設者のひとりとして紹介されています。アマゾンの出版物の紹介欄によれば元弁護士・外交官で世界各地で活動してきたようです。(2016/09/14)


教育
クリス・ロンズデール氏のTED講演 「外国語を半年で習得する方法」  TEDtalksから
各界で先進的な業績をあげた人々が講演を行うTEDのシリーズのyoutube映像版で「How to learn any language in six months (外国語を半年で習得する方法)」という興味深い講演があります。講師は クリス・ロンズデール(Chris Lonsdale)氏、ニュージーランド出身で、80年代初頭に中国に留学して中国語を習得した人のようですが、心理学を応用した独自の語学習得法を生み出したようです。その映像が以下。場所は香港の嶺南大学です。この映像には日本語字幕もあり、必要なら選択できる設定になっています。(2016/09/13)


みる・よむ・きく
マーティン・ファクラー著 「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」  地方紙の可能性と沈下する全国紙
ニューヨークタイムズ東京支局長(当時)のマーティン・ファクラー氏が書き下ろした日本メディア論「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」は2012年7月に出版されました。2012年7月と言えば民主党の野田政権の時代で、東日本大震災から1年ほど経過した頃です。出版された当時は記者クラブのこととか、大手メディアの給料のことなどに目が行きましたが、今、再び手にしてみると、興味のポイントが変わっているのを感じました。(2016/09/12)


みる・よむ・きく
吉田正俊著 「理解しやすい英文法」(文英堂)  大学受験だけでなく、英語をもう一度おさらいしたい時に便利な参考書
何十年ぶりかで英語の文法のおさらいをしようと思い、新刊書店や大手の古書店で大学受験生向けの英文法書を10冊くらい買って、夏休みに読み比べてみました。それぞれ良さや個性がありますが、自分が読んでみて一押しと思ったのが、吉田正俊著 「理解しやすい英文法」(文英堂)です。シグマベストというシリーズから出ています。「理解しやすい英文法」は、非常によく整理されていて、英文を分解したら、どのようになり、それらの単語がどのように結合していくのか、基本的に1トピックが1ページで、わかりやすくまとめられています。この見せ方は編集者の力でもあるのでしょうが、基本的には吉田氏の教育方法が優れていたんじゃないか、と思いました。(2016/09/11)


コラム
パレスチナの演劇人と共同制作の舞台 「ミラー」  2016年の現実を映し出した鏡のような舞台  そして国境を越えるユーモア
先週、東京で幕をこれから上げようとする「ミラー」という舞台について紹介する記事を書きました。パレスチナから2人の演劇人〜演出家と俳優〜を招いて、東京演劇アンサンブルが彼らと共同で舞台を作ったのです。その幕が昨日上がりました。限られた夏の時間枠の中で当初は脚本もなく、文化も状況も言語も異なる他者と舞台を作り上げて予定通りに幕を上げるのは相当に難しかったに違いありません。しかし、舞台は想像以上に面白い。パレスチナの演劇人の観察力とユーモアに日本の劇団員たちも(そして観客も)触発され、2016年の世界が映し出されていたと感じました。「ミラー」=鏡、というタイトルの通り、それはまさに今の私たち自身の自画像でもあります。(2016/09/10)


TPP/脱グローバリゼーション
あの大富豪兄弟が自由貿易推進のため新たな草の根運動を展開  コーク兄弟VSトランプ候補
  今日のニューヨークタイムズ国際版には興味深い記事が出ていました。今、揺れている大統領選挙との絡みで、アメリカの大富豪コーク兄弟が新たな政治運動を展開しているというものです。今年の大統領選は波乱に富んでおり、たとえば共和党ではTPPも含めて一切の自由貿易を批判するドナルド・トランプ候補が指名されました。これは自由貿易を推進してきた共和党では異例の事態です。そうした文脈の中で、危機感を抱いた大富豪のコーク兄弟(共和党支持者)はトランプ以後を視野に入れた長期的な自由貿易推進のための草の根運動を始めたというのです。(2016/09/08)


文化
パリのイラストレーター・画家のルル・ラーセン(Lulu Larsen)氏が亡くなる  「バズーカ」(Bazooka)という若手グループに参加、リベラシオン紙などのメディアで活躍
パリのイラストレーターで画家のルル・ラーセン氏が8月末に亡くなった。享年62.ルル・ラーセン氏(本名 フィリップ・ルノー)は1974年にバズーカ(Bazooka)という若者のイラスト制作集団に参加し、リベラシオン紙などのメディアへ進出、奔放で自由なタッチで仲間とともに新しい時代を築いた。次の映像はバズーカを取材したRomain Slocombe氏がルル・ラーセン氏にインタビューした時のもの。彼のイラストが多数インサートされていて、未見の人にとっては貴重な映像資料である。(2016/09/08)


コラム
育毛剤の広告  いかに自己嫌悪を起こさせるかにしのぎを削り、努力しろ、闘えと説く  だがその効果は?
  電車には多くの薄毛の男性が乗っていて、彼らが目を留めるのが車内に吊られた雑誌広告。そこには薄毛がもてはやされる時代が来た、というようなことが書かれています。これは最近インターネットで見た育毛剤の動画広告の冒頭です。今まで不幸だった薄毛の人たちがついに解放される時代が来たか、と言えばその宣伝ではすぐに、そんな時代は永遠に来ない、と冷や水をかけるのです。だから、闘え、育毛剤を買って薄毛対策をせよ、という趣旨です。しかし、この宣伝を見てハッピーになった薄毛の人はいないでしょう。むしろ、嘲笑われている、と思うのではないでしょうか。もちろん、その育毛剤を購入して本当に薄毛がすっかり解消できたらよいのです。(2016/09/07)


文化
フランスの前衛的作家ミシェル・ビュトール氏が死去   
フランスの前衛的作家として知られるミシェル・ビュトール氏が亡くなった。89歳だった。もっとも著名な作品は1957年に発表された「心変わり」という小説であり、原題はLa Modification。これは主人公の男がパリからローマに向けて移動していく際の心境をつづった旅の物語だが、主人公の人称を「 vous = あなた」として書いた新しい文体として話題になったという。(2016/09/07)


コラム
日本メディアの神話  沖縄、南沙諸島、朝鮮戦争をつなぐもの
 この稿を起こすにあたって最初に述べておきたいのですが、僕自身は中国の政権や北朝鮮の政権が好きではありません。とはいえ、これらの国々の軍事力に対して日本の国内新聞が書く記事は世界の基準からすると、非常におかしなものになっているように思えます。中国が空母の建設に取りかかったり、軍事費を増大させたりすることは脅威ですし、北朝鮮のミサイル開発もまた由々しき事態であることは間違いありません。だから、それらの国々の指導者を批判する記事が日本でたくさん書かれています。東アジアで日本が平和を愛するのに対して、これらの国々が一方的に誤った指導者に率いられて軍事力を底上げしているから日本が脅威にさらされている、という文脈です。(2016/09/05)


みる・よむ・きく
パレスチナの演劇人と共同制作の舞台 「ミラー」 9月9日から上演
パレスチナで演劇活動を続けてきた演出家と俳優が来日して、日本の劇団とともにいま、公演の準備を行っています。演出家のイハーブ・ザーハダ(Ihab Zahdeh)さんと俳優のムハンマド・ティティ(Mohammad Titi)さんです。ともに1977年生まれ。パレスチナの一線で活躍している国際的な演劇人です。二人が2008年にヘブロンに立ち上げた劇団がイエスシアターです。占領下で傷ついた青少年や女性たちに向けて演劇を通した教育活動を行ってきたそうです。彼らはブラジルの演出家、アウグスト・ボアール(Augusto Boal,1931−2009)が構築した「被抑圧者の演劇」という理論など世界とパレスチナの双方の文化をベースにしており、演劇を通して状況を理解し、それを乗り越える契機をつかむことを狙っているのです。(2016/09/03)


コラム
インドネシアのドッキリテレビ 
 何年か前、インドネシアを旅しました。島と島を結ぶインドネシアの国内航空機に乗りこんで座席につくや、前の座席の後ろについている小さなスクリーンで一斉にインドネシアの国内番組らしい映像が音声付きで映し出されるではありませんか。それは日本で1970年代に流行した「どっきりカメラ」のインドネシア版であるとわかるまでに何秒も要しませんでした。スタッフが人をだまして、その狼狽ぶりを隠し撮りして笑う、というスタイルの番組です。(2016/09/03)


コラム
2040年の歴史の授業
2040年の歴史の授業はどんなものだろう。たとえばこんな風景だろうか。中学の歴史の授業。先生が生徒におさらいで問いかける。先生 「第二次世界大戦後、日本経済を立て直した政治家は誰かな?山田」 生徒1 「安倍首相です」  先生「その通り。アベノミクスの三本の矢はもうしっかり頭に入ったよね。これは絶対に試験に出るからね。アベノミクスのおかげで、生産が拡大し、労働者の給料は大きく増え、消費が大きく増えたんだったね。それでは、日本の国防を立て直し、世界で再び戦える国にした政治家は誰かな、田中」 生徒2「安倍首相です」(2016/08/30)


人権/反差別/司法
共謀罪と捜査の端緒   現実の危険性の有無から、主観重視へ刑法の大きな転換点に
治安維持法に詳しかった刑法学者の故・中山研一教授(京大名誉教授)が晩年、非常に心配していたのが共謀罪の法制化で、何度となく、これに関して発言をしていました。教授の生きている間にはついに法制化されませんでしたが、しかし、今回、オリンピックのテロ対策という理由で、今までより一段とソフトになって法案が再登場してきました。しかも、与党が両院で過半数を握っている状況です。(2016/08/28)


みる・よむ・きく
米原万里著 「必笑小咄のテクニック」   読み手をミスリードする情報の海の中で
ゴルバチョフ大統領の通訳で知られ、ロシア語の通訳者でエッセイストでもあった米原万里氏が亡くなる少し前に書き下ろした本が集英社新書の「必笑小咄のテクニック」で2005年に出版されています。本書の中で米原さんは小咄(ジョーク)の核心は「詐欺の手口にソックリ」と言っています。つまり、落ちに至るまでに、聞き手をミスリードする(誤った方向に誘導する)ことがジョークの核心である、ということになるそうです。(2016/08/24)


みる・よむ・きく
細部の記憶を掘り起こすための努力   クロード・ランズマン監督のドキュメンタリー「生者が通る」(Un vivant qui passe ) 
クロード・ランズマン監督のドキュメンタリー「生者が通る」(Un vivant qui passe )は医師とインタビュアーのランズマン監督の二人の質疑応答が作品の核になっていて文字通り、インタビューが作品そのものになっています。ランズマン氏がインタビューしたスイス人の医師は第二次大戦末期の1944年にチェコのテレジエンシュタット強制収容所を赤十字国際委員会の視察団団長として訪れました。また、その前の年は飛び込みで独力でポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪ねています。このインタビューが撮影されたのは1979年ですから、35〜36年の歳月を隔てています。(2016/08/23)


国際
トルコの通信社Anadolu Agency   イラクの自爆用ベストをまとった少年を地元警察が逮捕した映像を公開
イラクの都市キルクーク周辺のモスクを爆破しようと、自爆用のベストをまとった10代の少年を地元警察官が逮捕した。その映像をトルコの通信社 Anadolu Agency がウェブでアップしている。8月21日の未遂事件。(2016/08/22)


みる・よむ・きく
アルベール・カミュ作 「客」  (短編集「追放と王国」から) アルジェリア戦争とフランス人入植者
去年、アルベール・カミュの原作の映画「涙するまで、生きる」が公開されました。舞台はフランスからの独立戦争が始まったばかりの1954年のアルジェリア。この映画が今、作られた理由はイスラム世界と西欧がどう関係を築いていくか動揺している時代だからだと思われます。しかし、映画は現在ではなく、60年近い前の時代に題材をとりました。なぜ今の時代を描くのに、アルジェリア独立戦争を題材にするのでしょうか。(2016/08/22)


農と食
英語と料理の勉強が同時にできるyoutubeチャンネル シェフ・ジョンのFood Wishes シリーズ
インターネットの世界には数多くの料理法を教えるビデオ映像があり、それぞれ特徴や個性がありますが、人気を博している1つがシェフ・ジョンことジョン・ミッツェウィッチという名前のシェフが企画している「Food Wishes」というシリーズです。これはyoutubeで見ることができます。通常3分から5分くらいで1つのレシピを紹介しています。ステーキもあればパスタもあり、ポテト料理もあればカレー、シチューやスウィートなどもあります。(2016/08/21)


国際
トルコの「合意があれば子供とのセックスは解禁」は西欧の誤解という報道  端緒はスウェーデンとトルコとの確執から  来年1月までに新たな罰則を制定か
昨日、本サイトで「非常事態宣言後のトルコ  憲法裁判所が12歳から15歳までの年齢の子供とのセックスは子供の合意があれば解禁することに決定」という見出しの紹介記事を書いた。すると知人から、別のソースの記事が送られてきた。そこには欧州で広まっている記事にはトルコの憲法裁判所の決定をめぐる経緯や、誤解されている部分などがあるとされていた。昨日書いた紹介記事の冒頭は以下。(2016/08/20)


国際
トルコのLGBTの象徴的運動家だったHande Kaderさん(22歳 男性から女性に性転換)が焼き殺される
今月8日、トルコでLGBT(同性愛者・トランスジェンダー・バイセクシャル)の運動家だったHande Kaderさん(22歳)が全身を焼かれた状態で発見された。そして亡くなった。Kaderさんは男性から女性に性転換し、イスタンブールのセックス産業で働いていたという。去年、LGBTのデモがエルドアン政権によって禁じられたが、デモを敢行し、性的マイノリティと呼ばれるLGBTの象徴的存在となっていた。(2016/08/19)


国際
非常事態宣言後のトルコ  憲法裁判所が12歳から15歳までの年齢の子供とのセックスは子供の合意があれば解禁することに決定  (→ この記事については翌日、補足と修正の記事あり)
先月のクーデター未遂で憲法裁判所などを含む多数の司法関係者が解任されたトルコで憲法裁判所によって新たな司法の決定が下された。12歳から15歳までの少年少女とセックスしても、子供の側の合意があれば「性的虐待」とはみなさない、とする解禁措置である。これまでは合意があろうとなかろうと、相手が子供であるという理由で、無差別に「性的虐待」として犯罪行為とされていたのだが、その法律を覆したのだ。トルコ大手の Anadolu Agencyが発信したとされ、様々な独立メディアや英国のインディペンデント紙などが報道している。人権団体などが抗議の声を挙げているようだ。(2016/08/19)


みる・よむ・きく
「重要な任務 」としての虐殺   「生者が通る」(Un vivant qui passe ) クロード・ランズマンのインタビューから
排外主義は1930年代からドイツを中心として欧州に蔓延し、それはペストのように一部の極端な政治家だけでなく、多くの市民も巻き込んでいきました。自分たちは欧州の盟主であり、欧州を守るためにはユダヤ人を始末しなくてはならない、という風にナチスは提唱し、それがドイツの標準となってしまったことは恐るべき歴史です。フランスのドキュメンタリー作家クロード・ランズマンはホロコースを記録した映画「ショアー」で知られていますが、その映画を製作していた時にスイスの医師にインタビューしていました。このインタビューは独立したドキュメンタリー作品として公開され、さらには活字として書店にも並ぶことになりました。「生者が通る」(Un vivant qui passe )というタイトルです。ランズマン氏がインタビューしたスイス人の医師は第二次大戦末期の1944年にチェコのテレジエンシュタット強制収容所を赤十字国際委員会の視察団団長として訪れました。実は、この医師(モーリス・ロスル氏)はその前年に一人でアウシュビッツ強制収容所も訪問していました。(2016/08/18)


みる・よむ・きく
ナチスの徹底した偽装工作に医師はだまされた  「生者が通る」(Un vivant qui passe ) クロード・ランズマンのインタビューから
排外主義の特徴の1つがある特定の民族をゲットーなどに押し込めてしまうことです。これは南アフリカでもアパルトヘイト政策として行われていました。その隔離された施設でいったい何が起きていたのか。1944年、チェコスロバキア(当時)にあったナチスのテレージエンシュタット強制収容所に赤十字国際委員会の視察団が訪れます。ところが、彼らはナチスの偽装工作に騙されてしまったのでした。(2016/08/18)


みる・よむ・きく
強制収容所の眼差し 「生者が通る」(Un vivant qui passe ) クロード・ランズマンのインタビューから
フランスのドキュメンタリー作家クロード・ランズマンはホロコースを記録した映画「ショアー」で知られていますが、その映画を製作していた時にスイスの医師にインタビューしていました。このインタビューは独立したドキュメンタリー作品として公開され、さらには活字として書店にも並ぶことになりました。「生者が通る」(Un vivant qui passe )というタイトルです。ランズマン氏がインタビューしたスイス人の医師は第二次大戦末期にチェコのテレジエンシュタット強制収容所を赤十字国際委員会の視察団団長として訪れました。このドキュメンタリーは様々な問いかけを含んでいますが、忘れられないやりとりの1つに収容されていたユダヤ人の眼差しの強さがあります。(2016/08/17)


国際
ヒラリー・クリントンとその外交  2009年のホンジュラスのクーデターを振り返る
中南米に詳しいマーク・ウェイスブロット氏(Mark Weisbrot)がヒラリー・クリントン国務長官(当時)の中南米外交の問題点をアルジャジーラで指摘している。<Hard choices: Hillary Clinton admits role in Honduran coup aftermath>というテキストである。2年前、ヒラリー・クリントン氏は長官時代を振り返った「ハードチョイス(困難な選択)」という自伝を出版した。これは2015年に大統領選(予備選)に出馬するためのステップだとアメリカでは受け取られた。本書の中でヒラリー・クリントン氏はリビア外交の失敗なども触れており、それが「困難な選択」というタイトルの由縁である。その中の中南米の部分で、ウェイスブロット氏はヒラリー・クリントン氏がホンジュラスで2009年6月に起きたクーデターについて都合よく弁明していることに腹を立てている。ウェイスブロット氏はアルジャジーラで次のように指摘している。(2016/08/16)


国際
イエメンで誘拐された赤十字国際委員会(ICRC)職員の身代金の期限が迫る? 外国人らの誘拐が相次ぐ
赤十字国際委員会(ICRC)職員としてイエメンの首都サナアで働いていた女性、Nourane Houasさんが誘拐されたのは昨年12月だったが、先週金曜日、誘拐犯から、身代金を払わなければ72時間以内に処刑するというビデオ映像が公開されたという。情報源はイエメンのローカルメディアBuyemen だとされる。以下がその媒体のようだ。(2016/08/15)


みる・よむ・きく
ガブリエル・ズックマン著「失われた国家の富 〜タックス・ヘイブンの経済学〜」 トマ・ピケティ教授の協力者・弟子が書き下ろしたタックス・ヘイブンの分析と対策
ガブリエル・ズックマン著「失われた国家の富 〜タックス・ヘイブンの経済学〜」が日本で翻訳されたのは去年の3月。それからおそよ1年後の今春、「パナマ文書」が暴露された。課税を逃れるためにいわゆるタックス・ヘイブンという課税がゼロだったり課税率が低かったりする場所に法人を設立したり、そこへ資産を移していたりした企業や個人の名前が公開され、世界をゆすぶったことは記憶に新しい。本書の著者ガブリエル・ズックマン氏は「21世紀の資本」で著名なフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の弟子であり、同時にピケティ教授が資料を集める時に欠かせない若手研究者である。(2016/08/14)


欧州
カンヌ市長が海水浴場での’ burkini=ブルキニ’ 着用を禁止 8月末まで
南仏カンヌの市長が7月28日に市内の海水浴場や遊泳上での「ブルキニ」(burkini) 着用を禁じる政令を出しました。 ブルキニとはイスラム教徒の女性が着用する全身を覆う衣装のブルカに似た、公衆の場で女性が肌の露出を避ける水着のことです。ベールと違って、全身がすっぽり入るブルカの様式なので、女性が普通の水着を着用している中で、目立ってしまいます。ブルキニにも、デザインは国や地域で様々あり、黒いいかにも厳格な信者を想像させるブルキニもあれば、色もカラフルなものもあるようです。(2016/08/13)


みる・よむ・きく
ド二・ディドロ著 「絵画について」   マニエールという悪習
フランス近代啓蒙主義のリーダーの一人、ド二・ディドロ(Denis Diderot ,1713 - 1784)は百科全書以外にも、数々の対話体の作品を書いていますが、芸術にも造詣が深く、「絵画について」という絵画論も著しています。ディドロが活躍したのはフランス革命の少し前にあたる18世紀後半です。翻訳の佐々木健一氏の解説によると、1648年にフランスの威信をかけた絵画彫刻アカデミーが結成され、その会員たちによる作品の展覧会が始まったのは1660年代からでした。そして、ディドロが筆をふるった18世紀半ばにはルーブル宮の一間を使ったサロン展が定期的に行われ、多くの人々が詰めかけ、人気を博していたそうです。そして、その模様を伝えるジャーナリズムもまた盛んになった時代でした。(2016/08/10)


農と食
屠殺場と大量飼育の養鶏場の地獄から救われた鶏たちの話 女優・演出家 コルネリー・スタティウス・ミュラー( Cornelie Statius Muller )
 ル・ガエク・デュ・ペラ(Le Geac du Perrat)は28万羽の養鶏場で、アン県(Ain、フランス東部の国境周辺の地方、ブレス鶏で知られる)にありました。L214という動物愛護団体が3年前にその養鶏施設のビデオを作成して、不衛生な環境や劣悪な鶏の取り扱いを告発していました。そのため養鶏場は改善を求められ、改良しなくてはならなくなったのです。ところが3年後になっても未だに劣悪な状態が続いていたため、L214は短いバージョンのビデオを公開して農業大臣に養鶏施設を操業停止させたのです。それから1か月以上の間に鶏を保護しようと個人や組織など様々な人々が鶏に手を差し伸べました。(2016/08/09)


農と食
私が菜食主義者になった理由  女優・演出家 コルネリー・スタティウス・ミュラー( Cornelie Statius Muller )
私は家の中のものでも、農園のものでも、野生のものでも常に動物を愛してきました。しかし、ほとんどの人は肉を食べるのが普通です。その肉がそれぞれなんの動物であるか知っていながらです。私は肉を食べる場合を限定しようとしてきました。それは肉となる動物が生き物にふさわしい環境で育てられたと考えられる場合であり、産業的な大量生産システムではない場合です。しかし、私は食肉産業によって大量生産された肉を買うことも過去にはありました。なぜならその方が簡単であり、みんながそうしているからです。しかし、読書によって知識を得た私は、動物に悲惨な生活を強いることは許容できないと考えるに至りました。そこで肉を買って食べるのをやめるのと同時に、肉そのものを食べることをやめる決意をしたのです。(2016/08/09)


みる・よむ・きく
赤狩り時代を生き抜いたハリウッドの名脚本家の闘いを描く 「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」
アメリカの赤狩り時代に立ち向かった一人の映画脚本家の闘いを描く「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」が公開されています。赤狩り時代に本名で脚本を発表できなかったために他人の名前で作品を発表するしかなく、アカデミー賞の授賞式にも立ち会えなかった伝説の人物として知られていました。多数の傑作を残していますが、この映画では「ローマの休日」を執筆した時のエピソードなどが盛り込まれています。(2016/08/08)


みる・よむ・きく
王様の風格  復刻してほしいオットー・ソグロー作「とっても優雅なリトルキング」(Oh! Such free-born LITTLE KING!)
上に立つ人が気が短かったり、神経過敏だったり、思いやりの薄い人だったりして、部下が鬱病になったり、退職したりといったケースが増えているようです。そういう意味で、今、もう一度見直してもいいのでは、と思うのがアメリカの漫画家、オットー・ソグローによる「とっても優雅なリトルキング」(Oh! Such free-born LITTLE KING!)シリーズです。原題を見ると、free-bornと書かれていますが、辞書を引くと「自由民」とか「自由の身の上に生まれた」と書かれています。言い換えると、奴隷ではない、ということのようです。(2016/08/07)


みる・よむ・きく
ジャン=フィリップ・トゥーサン著 「衝動と我慢」 (L' URGENCE ET LA PATIENCE) その2 
ベルギー生まれの作家ジャン=フィリップ・トゥーサン氏が自己の文学の歩みをそのデビュー当時から振り返ってつづったのが本書,’L' URGENCE ET LA PATIENCE’というタイトルの本で、ミニュイ社から出版されています。デビューしたのもこの出版社で、その経緯も書かれています。まだ日本語訳が出ていないと思われるため、前回、仮に「衝動と我慢」という風にタイトルを訳してみましたが、urgenceを衝動と訳してよいのか、本書の中でurgenceについて語った節を読むと我ながら、考えさせられてしまいます。ここでトゥーサン氏が説いているのは作家にとって必要なurgenceとは、いわゆるインスピレーションのことではない、と言っているからです。(2016/08/07)


人権/反差別/司法
フランスと死刑  死刑廃止の原動力となったクリスチャン・ラニュッチ事件  そして今、死刑復活を唱える政治家も
1976年7月28日にフランスで一人の青年が死刑にされました。クリスチャン・ラニュッチという名前で、少女を誘拐して殺した容疑でした。ところが、この事件には冤罪説が色濃く残されており、最後まで無罪を訴え続けた22歳の若者がギロチンで死刑にされたこの事件よって自分は死刑廃止論者になったという人が多いようです。作家のジル・ペロー(Gilles Perrault)が冤罪を訴える本「赤いセーター」を書きましたが、フランスでは著名な本のです。(2016/08/06)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画 「メルシー、パトロン!」(ありがとう、経営者さま) 「ファッション界の法王」に迫る、今年フランスで大ヒット中の反貧困映画
 今年、フランスで大ヒットしたドキュメンタリー映画が「メルシー、パトロン!」(ありがとう、経営者さま)です。映画館は爆笑の渦です。監督は左翼新聞「Fakir」の創刊者で編集長のフランソワ・リュファン氏、40歳くらいの精力的なジャーナリストで、映画を作ったのは今回が初めて。活字の世界の人がなぜ映画を作ったかと言えば、アメリカのドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアに大いに刺激されたからだと言います。「メルシー、パトロン!」はフランスのある服飾関連の工場が労賃の安い東欧に移転したため、労働者たちは失業して町も疲弊している、そんな地方の町を舞台にしています。(2016/08/03)


みる・よむ・きく
中野好夫著 「シェイクスピアの面白さ」  シェイクスピア没後400周年  近代演劇とは何だったのか  
 今年は英国の劇作家ウイリアム・シェイクスピアが亡くなって400年目。1616年に亡くなっているから、日本の歴史で見ると江戸時代が始まったばかりの頃になる。そんな古い作家でありながら、今日でもシェイクスピアは世界各地の劇場で上演され、観客を魅了している。しかし、日本のシェイクスピア劇についてみると、最近は今一つ低調になっている気がする。そこで日本のシェイクピアの研究者の1人として知られる中野好夫氏の「シェイクスピアの面白さ」を手にしてみた。(2016/07/31)


国際
アメリカの留学生の3分の1が中国人  中国人30万人超に対して日本人は2万人弱  年々強まる米中間のコミュニケーション
 アメリカのフォーリンポリシー誌によると、中国からアメリカに留学する学生は30万人を超えた。現在、アメリカの留学生総数が約97万人で、およそ3人に1人が中国人となっている。その一方、日本人はというと1万9000人ほどに過ぎない。中国人の15分の1ほどの割合となる。そして、中国からの留学生は増え続けている。記事によれば2004年あたりから、激増しているようだ。この頃はリーマンショック前で米国人が借金して安い中国製品を貿易赤字を気にせずどんどん輸入していた時代である。そして、この頃、中国人が買った米国債は日本人の保有する額を抜き、アメリカの急所は中国人が握ったことになる。中国人が米国債を一気に放出しないようにアメリカは願っているから、やすやすと中国と戦争などはできないし、米政治家が対中国のタカ派的な発言をしているとしても、リップサービスの可能性が高い。(2016/07/29)


コラム
飛ばし読みの勧め  夏休みだからこそ普段読めないものに挑戦できます 
プルーストの長大な作品「失われた時を求めて」は日本語訳された文庫で14冊〜15冊くらいあったと思います。これを全部読むのはなかなか大変です。でも、僕が懇意にしていただいていたフランスの書店主は「本と言うものは読むのがしんどいところは読み飛ばすものですよ」とよく言っていたものです。読むのが大変になって苦痛になって、ページが停まってしまったまま、永遠にそこでストップするよりも、そこは一気に飛ばして、次の面白くなるところから再び読み続けて最後まで行く方が実りがあるということだと思います。そして、あとで余裕が出たら、読み飛ばしたところを読み足せばよいのです。このことを書店主はsauter(飛ぶ)という単語を使って教えてくれました。これはバッタが地面から飛び立つイメージです。日本語でも「飛ばし読み」と「飛」の字を使うところは同じですね。(2016/07/29)


国際
トルコのエルドアン政権の言論弾圧が進行中 「非常事態宣言」で新聞45紙、TV16チャンネル、15の雑誌、出版社29社、23のラジオ局、報道会社3社が停止措置、89人の記者らメディア職員も拘束される
7月28日付のフランスメディアの記事によると、クーデター未遂の後にトルコでエルドアン大統領が行っている弾圧は教育や司法、軍部から、さらにメディアに波及した。新聞45紙、TV16チャンネル、15の雑誌、出版社29社、23のラジオ局、報道会社3社が停止措置を命じられたという。(2016/07/29)


国際
日曜 イスタンブールのタクシム広場で野党が呼びかけた「反大統領独裁 反軍事クーデター トルコに民主主義を」のデモ 政教分離を目指しながらも軍事独裁にも反対
トルコの民主化運動のシンボルとなっているタクシム広場で日曜日に大がかりなデモが行われた。呼びかけたのは野党第一党の共和人民党(CHP)。共和人民党は1923年にケマルアタテュルクによって設立された中道左派であり、政教分離を目指し、与党の公正発展党とは一線を画している。また、クルド人の声を代弁するクルド系左翼政党「人民民主主義党(HDP)」の支持者も土曜日にイスタンブールの郊外でデモを行った。(2016/07/27)


国際
フランス北部のルーアン近郊の町でイスラム国戦士を名乗る2人組がカトリック教会に侵入 司祭の喉を切り殺害 
今日、北部のルーアン近郊の町でイスラム国戦士を名乗る2人組がカトリック教会に侵入し、司祭ののどをナイフで切って殺害した。教会でテロ行為が行われたことが衝撃を与えている。(2016/07/26)


検証・メディア
NYT社説「ドナルド・トランプ大統領か、ヒラリー・クリントン大統領か」 〜トランプ政権の場合、在日米軍撤収及び日本の国内政治に不干渉の可能性も〜 モラリストであることをやめるというトランプ候補
ニューヨークタイムズ紙はジャーナリズムの原則は尊重するとしながらも、政治的中立はうたっていない。ニューヨークタイムズはヒラリー・クリントン氏を大統領に推薦すると以前、公表していた。そのニューヨークタイムズが「TRUMPWORLD VS CLINTONWORLD 」と題する社説を発表した(7月26日)。直訳すれば「トランプの世界 VS クリントンの世界」となる。二人の政治姿勢がまったく異なることを言っているのだ。(2016/07/26)


国際
ニースの殺傷事件後、地元党員が増加していると発表した国民戦線  警備を監督した内務大臣に辞職を要求 
フランスのメトロニュース(フリーペーパー)やEurope1などの報道によれば、チュニジアからの移民の男が7月14日にニースで引き起こしたトラックによる無差別殺傷事件のあと、極右政党・国民戦線の地元支部におよそ100人が急遽、入党した。100人がどれほどの多さかはともかく、国民戦線はフランス・メディアにそのことを積極的に発表しているようだ。今回の事件を来年、大統領選に出馬予定のマリーヌ・ルペン党首の追い風にしたい模様である。これまで国民戦線が言ってきた通りの結果になっていると言っているそうだ。報道によれば国民戦線は全国の警備を監督する役目の社会党の内務大臣ベルナール・カズヌーブ氏の辞任を要求している。ニースの事件に関してはテレビ番組の対談で警察職員がカズヌーブ内務大臣の行動に対して内部告発を行ったことがきっかけとなっている。(2016/07/26)


コラム
非常事態宣言と行政府による司法権の徹底的解体  トルコのケースから
  自民党による憲法改正案の中で、多くの人が指摘しているように、非常事態条項がもっとも独裁につながる危険が大きいことがわかります。いったん非常事態になれば内閣が議会を通さず、法律を制定できる、という意味でただちに立法権の掌握になりますが、それと同時に、注目すべきことは司法権も侵される可能性が高いことです。今回、トルコのクーデター未遂のあとの非常事態宣言下の状況を見る際、トルコの司法界を克明に観察する必要があります。なぜならエルドアン大統領はまず自分に批判的と思われる司法関係者を一網打尽にしたからです。(2016/07/25)


国際
トルコをめぐる報道  英紙ガーディアン「非常事態宣言下の大統領令で1043の私立学校閉鎖 資金は財務省が没収」 
 エルドアン大統領は3か月の非常事態宣言発令後、初の大統領令として1043の私立学校の閉鎖を命じた。これらの学校はクーデターの発案者と非難されている米亡命中の宗教指導者ギュレン師の影響下にあるという理由だという。英紙ガーディアンが報じている。さらに1229の施設や組織、35の医療施設、19の労働組合が閉鎖を命じられ、それらの資金は財務省が没収することになという。(2016/07/24)


みる・よむ・きく
オルハン・パムクの文学  西欧近代主義とイスラム主義の狭間で
クーデター未遂の後、トルコではイスラム主義政党「公正発展党(AKP)」を率いるエルドアン大統領が世俗派に対する弾圧を強めており、時々刻々とその報道が入って来る日々です。トルコはもともとイスラム国家の盟主だったオスマン帝国が第一次大戦で敗れ、領土が縮小し、国も政教分離を原則として近代化に邁進してきましたが、時々にイスラム主義への揺り戻しがあり、時計の振り子のようにオスマン帝国への復古主義と、政教分離の近代主義に揺れてきたとされ、今はエルドアン大統領のもとで激しく再び復古の側に動きつつあります。こうしたトルコの政治を背景に、ノーベル文学賞を受賞した作家のオルハン・パムクはその受賞記念講演に際して「父のスーツケース」という文章を発表しました。(2016/07/24)


国際
クーデター未遂のあと トルコの教師21000人が資格を剥奪される  非常事態宣言で実現
ロイターによると、私立学校の教職員21000人が資格を剥奪されたという。さらに、大学の学部長1577人が辞職を命じられたという。教師や学部長らが職を奪われている理由はクーデターに関与したという理由だそうだ。(2016/07/24)


みる・よむ・きく
ド二・ディドロ作 「ラモーの甥」  格差社会に生きる太鼓持ちの哲学を辛辣に描く戯曲
 フランスの啓蒙思想家で、作家でもあったディドロの代表作が「ラモーの甥」です。主人公は18世紀の著名な音楽家ラモーを叔父に持つ、「ラモーの甥」という中年男です。ラモーの甥は物まねやお世辞、貴族の子弟のための恋の助っ人などが得意で、そういう太鼓持ちの才能をいかんなく発揮して貴族に飯を食わせてもらってきた男。寄食している関係で、食にありつけるのが不定期なのか、食べられるときにはガツガツ食べることに専心するようです。そのため、時々で肥満したり、痩せていたりと体形が変化すると書かれています。(2016/07/24)


国際
ニースの殺傷事件の傷あと  ムスリムの母親も犠牲となった
ニースでの暴走トラックによる84人の殺人事件のあと、フランスメディアではこの波紋が未だに続いている。ある記事では犯人はバイセクシャルだったために、イスラム国は無関係であることを決め込んだ、という内容だった。また、ある記事では北のノルマンディの海岸で、スカーフをかぶったムスリムの女性たちとその家族の一団に向かって、市長らが「遠くに行ってくれ」と言ったとする記事が出ていた。これはムスリム系のウェブサイトだったが、こうしたことは毎年起きているけど、ほとんどメディアは取り上げない、と嘆いている。一方、市長は人種差別ではなく、彼らのパラソルが警備活動の妨げになるからだ、と抗弁したという。(2016/07/24)


文化
詩人たちは逝った  エリ・ヴィーゼル著 「夜」  セブリーヌ・ダンフルー(著述家) Severine Danflous 
  詩人たち、証言者たちが息を引きとっていく。そして、再び夜がすべてを覆い隠す。だからこそ、私たちは世界に光を輝かせ、この世界で詩を失わずに生きていくために、力(超人の勇気)が必要だ。「ある日、私たちが労働から帰ってくると、法廷の前に3つの絞首台が設置されていた。3本の黒い縄がついている。親衛隊員たちが私たちの前で、機関銃を向けていた。いつもの儀式だ。3人が罪人として鎖に繋がれていた。まだ子供もそこにいる。悲しい目をした天使だった。・・・」(2016/07/21)


文化
どうして事実に縛られるの? インゲボルク・バッハマン著「マリーナ」について  セブリーヌ・ダンフルー(著述家) Severine Danflous 
 実話に基づいた作品というのが、映画でも、文学でも流行していてまるで「実話」がすべてを覆いつくしているみたいですね。そこで今回、私が取り上げたいのはオーストリアの女性作家・詩人であるインゲボルク・バッハマンの小説「マリーナ」です。バッハマンは「マリーナ」の中でこんな風に綴っているんですよ。「いつか女性が真紅の黄金の目を持つ日が来るでしょう。髪も真紅の黄金となるのです。また、女性という性も詩として再創造されるのです」(2016/07/19)


国際
ロシア唯一の空母が10月からイスラム国攻撃に参加か  ロシアの通信社RTが報じる
ロシアの報道機関RTは非公式発表と断った上でロシアの空母アドミラル・クズネツォフが10月からシリアのイスラム国兵士の討伐に参加する予定であることを報じた。軍事作戦は10月から来年1月までの4か月のようである。(2016/07/18)


国際
トルコのエルドアン大統領に対する軍事クーデターの失敗   英語圏の新聞での報じられ方
トルコで先週末に起きたエルドアン大統領に対する軍のクーデターは200人以上の死者を出してほぼ鎮圧された模様です。このクーデターが何を意味するのか、英米の新聞を見ると、いくつかの解釈を伝えていました。参照したのはニューヨークタイムズとイギリスのミラー紙です。(2016/07/17)


コラム
ペンギン・ジョーク    
「ニューヨークのタクシー運転手のジョーク集」というのを買うと、エッチなジョークもあれば政治を笑うものもあり、ここまでは各国共通ですが、中にペンギン・ジョークと言う独特の分野があることに気づきます。ペンギン・ジョークとはペンギンがバーに入ってきてカウンターに上がったり歩き回ったりする。そんなペンギンのふるまい対してバーテンが何かを言うというお決まりのパターンです。ペンギンがバーにやって来る、というシュールな状況に対して、バーテンは極めて日常的なノーマルな反応をする、という落差が笑いの源になっています。(2016/07/17)


コラム
ニースの暴走トラック事件   テロなのか、絶望ゆえの単独犯行か  村上良太
ニースで昨日のパリ祭(フランス共和国の革命記念日)の花火大会にトラックが突っ込んで80人以上をひき殺した事件、フランスではチュニジア生まれの男性が引き起こした事件であると報じられています。フランス人からすれば、またイスラム国関係か?と思った人も少なくなく、チュニジア出身ということでその連想をする人もいるようです。チュニジアと言えばイスラム国に最も多数の兵士を送り込んだ国だからです。しかし、未だ、イスラム国などは関与を声明しておらず、それとは違った可能性もあります。パリ在住のアラビア系の名前を持つ知人のメへディ(Mehdi)さん(無神論者)にこの事件についてどう思っているか、聞いてみました。 Q どう感じましたか? A あまりにも悲しい出来事です。(2016/07/16)


国際
テロとフランスの軍事介入 ルモンドディプロマティークが近年のフランスの軍事介入を報じる
ルモンドディプロマティーク誌はフランスが2001年の同時多発テロ以後、どれくらい頻繁に海外で軍事介入してきたかを昨年暮れに発表しています。これは昨年来、頻発するフランス国内のテロを意識した報道だと思います。ちょうど昨日はニースでテロ事件と思われる殺傷事件が起きたばかりです。フランスの人たちは互いに安否を確認しあっている状況です。そもそもフランスでなぜこれほどテロが頻発しているのか。風刺漫画のためなのか?そうではなく、フランスは近年、頻繁に海外で軍事作戦を展開しています。ルモンドディプロマティークのまとめによると次のようになります。(2016/07/15)


アフリカ
宇佐美圭司著 「20世紀美術」   「還元的情熱」とその未来
いったい現代美術はどのようになっているのだろう。昔は印象派とか、キュビズムといった流派があったけれど今の時代にも何か潮流があるんだろうか。そもそも、この時代に芸術家は何をしているのだろう。現代美術の展覧会に出かけたけれど、いったいこの芸術家はどのような位置に立っているのだろうか・・・。そうした疑問を持つ人がいたとしたら、1つの視点を与えてくれるのが画家の宇佐美圭司氏が書き下ろした「20世紀美術」である。この本で宇佐美氏は前衛美術の20世紀を振り返り、そこに大きな物語を見せてくれる。「20世紀美術」では欧州で始まった印象派、そして、シュールレアリスムなどの芸術革命から20世紀の美術が発展していったことがまず描かれている。そのキーワードは宇佐美氏によれば「還元的情熱」ということになる。(2016/07/15)


コラム
父親の教え
一家の父親、山田太郎が子供たちを茶の間に集めて、これからのことについて諭した。太郎「いいか、私の言うことをよく聞くんだ。お前たちが学校でどんな教えを受けてきたかは、だいたいわかっている。『言論の自由』とか、『個人の尊厳』とか、意味のない絵に描いた餅ばかりだろう。だが、もうそんな時代じゃなくなったんだ。いいか、自分が話したいことを話すことに特別な意味はないんだ。個人の意見などに意味はないんだ。よく覚えておきなさい。よいか、一郎、みんなが夏休みに海に行きたい、と言っているときに、山に行きたいとか、そんなくだらないことを言うもんじゃないんだ。・・・」(2016/07/13)


アフリカ
フランスの大統領への手紙(Monsieur le President)  フランスは不正選挙で生まれたコンゴ共和国の政権にノンを突きつけてほしい  コンゴ出身の作家 アラン・マバンクゥ ( Alain Mabanckou )
フランスの大統領へ、外国在住のコンゴ人もコンゴ共和国内で世も昼も闘争している人々もあなたが長い間、不正なコンゴの大統領選挙の結果について沈黙を保っていることを知っています。この選挙は今年3月にコンゴ-ブラザビルで行われ、ド二・サス・ンゲソを不正にも権力の座にまた座らせることになりました。ンゲソはその一族とともに30年以上も権力の座を独占し続けています。選挙の不正は透明性のなさの上に繰り返し行われており、ンゲソは世界の人々の前であなたが大統領をつとめているフランスと同様の民主国家を偽装しているのです。(2016/07/11)


みる・よむ・きく
戦災傷害者の無念を描く  ドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか〜傷痕の民〜」  村上良太
  林雅行監督のドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか 傷痕の民」について書いたのは今から6年前になります。この映画は戦争で被災した民間人の戦後の苦しみを描いた傑作です。戦争法制ともいわれる「安保法制」が国会で可決した去年は戦後70年を飾る年でした。戦後70年に、戦争を容認する法律が強行採決されたことの意味を考えていると、そのことは戦争を直接に体験した人々の多くが死に絶えてしまったことなのだな、という事実につきあたります。そこでもう一度、この映画の紹介文を掲載したいと思います。(2016/07/11)


文化
コンゴの政情について僕はフランスの外務大臣と話した  アラン・マバンクゥ(作家 Alain Mabanckou )
アラン・マバンクゥ(作家)「僕は7月8日、オルセー河岸(フランス外務省)に赴き、外務大臣のジャン=マルク・エロー氏にコンゴの政情について訴えることができました。フランスは僕が以前フランソワ・オランド大統領に提言した方向で動いています。コンゴで行われた昨年の憲法改正と今年3月の大統領選挙が引き起こしている政情危機を脱するために、コンゴ共和国政府とフランス政府の対話がいかに必要で、緊急を要しているか、ということです」(2016/07/11)


政治
選挙の投票に行った人にはサービス  「選挙割」  
今年の参院選では「選挙割」が話題になっています。「選挙割」とは選挙で投票した人にはお店で割引サービスなどをすることを指します。ラーメンの一風堂でも今回の参院選では国内全店で「選挙割」を導入するという。7月7日の一風堂のプレスリリースによると、「投票済証明書」を持参すれば替玉か、玉子が無料になるという。有効期間は7月10日の選挙当日から31日の月末までのようだ。(2016/07/09)


みる・よむ・きく
林健太郎著「ワイマル共和国 ヒトラーを出現させたもの」(中公新書)   ヒトラーを頂点に押し上げた大工業資本家たち
 今度の日曜日の参議院選挙は自民・公明が日本国憲法を改正できるかどうか、参院で改憲を発議するための3分の2の議席を狙う、戦後最も注目される選挙になっています。安倍政権の幹部である麻生太郎氏は以前、憲法改正はナチスに倣って国民が気が付かないように静かにやるべきである、という意味の発言をして国際社会から批判を浴びたことがありました。安倍政権を支える日本会議のイデオローグである憲法学者・百地章氏も、あるインタビュー記事でワイマール共和国を研究したと語っています。そこで、世界一民主的と言われたワイマル共和国をナチスが解体していくプロセスを検証した林健太郎著「ワイマル共和国 ヒトラーを出現させたもの」を読みました。(2016/07/08)


みる・よむ・きく
マーティン・ファクラー著 「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」  ニューヨークタイムズ前東京支局長が「日本の世論調査は誘導尋問のような『世論操作』だ」
ニューヨークタイムズ前東京支局長のマーティン・ファクラー氏が書き下ろした「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」は今年2月に出版された本です。今の日本の新聞やテレビメディアに対する厳しい評価が下されています。特に第二次安倍政権になってから、官邸のメディア対策が第一次安倍政権時代から格段に進化して高校野球からプロ野球になり、メジャーリーグを目指しているのに対して、日本のメディアは未だに高校野球レベルを出ていない、としています。(2016/07/06)


安倍政権を検証する
「積極的平和主義」の影響が明瞭に ダッカの人質事件と海外での「自衛隊」の初戦闘の可能性 
  今回のバングラディッシュの首都ダッカで起きたイスラム国系戦闘員による日本人も含めた人質事件。立てこもりがもっと長く続いていた場合、日本初の戦争になった可能性もあります。昨年9月に安保法制が国会で可決され、自衛隊は日本人が海外で拉致されたり、人質にされたりした場合に救援活動の中で軍事的に応戦することが可能となっています。自衛隊は事件が起きた当該国の政府の承認があった場合は邦人の輸送だけでなく、必要な場合は武力の行使を含めた邦人の身柄の安全確保ができる、ということになったからです。(2016/07/04)


文化
音楽にかける青春 岩宙平さん(28) プラハで指揮者デビュー  Chuhei Iwasaki
今、もっとも生き生きとした日本の指揮者の一人がプラハで活躍中の岩宙平氏(28)です。プラハ音楽院に留学後、ドヴォルジャークやショスタコーヴィッチの曲を振って指揮者デビュー。作曲家としても活動しており、自作のシンフォニーも指揮しています。将来、大きな期待がかけられる人でしょう。今回、その岩崎さんに、プラハでの音楽生活についてお聞きしました。(2016/07/03)


文化
ロシアへの旅  アンナ・パウロヴァー ( チェコのクラリネット奏者 ) Anna Paulová
音楽の街、プラハのクラリネット奏者、アンナ・パウロヴァーさんが今回、演奏旅行にやってきたのはロシア。チェコとロシアと言えば、過去の歴史には苦い記憶もありました。1968年、ソ連の戦車がやってきて人間の顔をした社会主義を目指した「プラハの春」を押しつぶしてしまったことです。しかし、1993年生まれの未だ22歳のアンナさんにとっては、ソ連時代も直接知らない過去の歴史です。(2016/07/02)


欧州
ペットへの虐待は絶対に許せない  社会学者ミシェル・フィズ(Michel Fize)
人権という言葉があっても、犬や猫の権利という言葉は生まれていない。ペットの愛好家がいる反面で、ペットを捨てたり、虐待したり、殺したりするケースも多数告発されており、それは国境を越えてフランスでも同様のようである。「ペットへの虐待は絶対に許せない」そう憤慨したコラムをハフィントンポストのフランス語版に寄稿したのはパリ在住の社会学者ミシェル・フィズ氏(Michel Fize)だ。(2016/07/02)


コラム
「アベノミクスの弱点」  3年後   グローバル時代の「ルイスの転換点」
アベノミクスがマスメディアの絶賛を浴びて登場して半年後に筆者は日刊ベリタに「アベノミクスの弱点」(2013年6月)と題する文章を書きました。テーマはいくら日銀が金融緩和しても自由貿易の流れと工場や生産施設の海外移転が止まらない限り、実質賃金が上がらないから、アベノミクスは成功しないだろう、ということでした。この原稿を書いたのはアベノミクスが始まっても工場の国内回帰の流れがほとんどないどころか、さらに空洞化が進んでいることが明らかになってきたのを新聞で読んでからでした。デフレ対策は重要と思っていましたから、金融緩和で何か変わるかも・・・という期待は当初持ちましたが、結局、日本企業の世界戦略は変わらなかったのです。むしろM&Aを通して外国企業を買収して海外で稼ごうという戦略が明瞭になっています。あれから丸々3年経ちましたが、日本国内の実質賃金はアベノミクスが始まって3年連続して低下し続けています。(2016/07/01)


みる・よむ・きく
アジアの女性の実像を探る意欲的な試み 「Rethinking Representations of Asian Women」(アジアの女性の表象を再考する) 10人の社会学者・文化人類学者が研究を持ち寄り編纂
 今年出版された意欲的な本の1つが「Rethinking Representations of Asian Women」(アジアの女性の表象を再考する) です。アジアの女性の実像を探る意欲的な試みで、10人のアジアの社会学者・文化人類学者がそれぞれの研究を持ち寄り、伊地知紀子氏、加藤敦典氏、櫻田涼子氏の3人の日本の研究者が最終的に1冊の本にまとめ上げました。特筆されることはこの本が英文で外国の出版社から出版されたことです。そのことによって、日本人だけでなく、英語を理解するアジアの人々、あるいは世界の人々がこれらの研究にアクセスできるようになりました。具体的なテキストはバリエーションに富んでいます。■台湾の女性の水子供養を研究したもの、■食肉関連の仕事を割り振られてきたネパールの社会の下層カーストに位置する女性たちの生活向上のための互助的な取り組み、・・・(2016/06/30)


みる・よむ・きく
子安宣邦著 「『大正』を読み直す」(藤原書店) 戦後70年の原型としての大正時代 
近世日本思想史が専門の子安宣邦教授の話題の最新刊が「『大正』を読み直す」(藤原書店)です。話題の、と書いたのは様々な新聞で書評が書かれ、注目を集めているからに他なりません。なぜ今、「大正」時代に注目するのかと言えば、大正時代が明治と昭和の狭間の15年ばかりの短い時代(1912−1926)だったにも関わらず、日本で戦前の軍国主義・全体主義が揺籃された決定的な時代だったからであり、これが子安氏が本書を書いた動機にもなっています。(2016/06/29)


みる・よむ・きく
ジャン・ビヤンボーム著 「宗教に対する沈黙 〜ジハーディズムに直面した左翼〜」
フランスのパリでは昨年1月に風刺新聞のシャーリー・エブドに対するテロが起き、風刺漫画家ら12人以上が殺されました。フランスでは「私はシャーリーだ」というプラカードを掲げて市民が多数抗議に参加しましたが、この時、日本では<異国の宗教を風刺する漫画を描くのはけしからん><シャーリー・エブドはヘイト団体だ>と言ったようにむしろ、殺された風刺漫画家たちへの非難の渦が起きました。さらに<イスラム国とイスラム教は関係ない>というメッセージも国境を越えて飛び交いました。11月に今度はパリのカフェテラスにいた普通の人々や劇場でコンサートを楽しんでいた人々がテロに会い100人以上が殺されました。(2016/06/28)


コラム
改憲後の新聞  「プラウダにイズベスチヤ(ニュース)なし、イズベスチヤにプラウダ(真実)なし」
憲法がもし改正された後、新聞業界はどう変わるのだろうか? 「公益」という言葉のもとで表現の自由が規制される上に、特定秘密保護法もあり、面白い記事が今以上に出てこれなくなることが予想されるのである。新聞ファンには耐えられないことだろう。 (2016/06/27)


文化
パリの画家/漫画家のオリビア・クラベルさんにインタビュー2 Interview Olivia Clavel ブリジット・フォンテーヌの奇想天外な歌 「ヌガー」のビデオクリップづくり
フランスのポップ歌手、ブリジット・フォンテーヌ( Brigitte Fontaine )が1988年に出したアルバム「フランスの心臓」に収録された「ヌガー」( Le Nougat )。ヌガーとはキャンデーにナッツが練り込まれた甘い菓子です。その歌詞はこんな風に始まります。「朝、元気いっぱいで目が覚めた私はコーヒー沸かしのスイッチを入れた。それから私は浴室に飛び込んだ。すると、そのとき、私の体は凍りついた!シャワーの下に1頭の象がいたからよ。象は私をやさしく見つめた。私は赤くなって口ごもりながら尋ねた。(2016/06/26)


欧州
Brexit 最初の作業は大陸とのトンネル封鎖  英国内務大臣が発表
英国の欧州連合からの離脱をBrexitと(Britain とexitとからなる造語か)と呼んでいますが、国民投票で離脱を決めて間髪入れず、フランスとの間にかかるトンネルを封鎖する作業に入る、と内務大臣のテレーザ・メイ(Theresa May)が発表した。このトンネルから多くの違法な移民が英国に流入しており、離脱が決まると駆け込みで入ってくるのを危惧してのことだろうか。(2016/06/25)


欧州
英・国民投票  欧州連合離脱派が勝利  キャメロン首相は辞意表明との報道
昨日行われた英国の国民投票で、欧州連合からの離脱を望む票が多数を占め、英国の欧州連合離脱が確定した。デビッド・キャメロン首相は辞意を表明したと報じられている。また、投票では若い世代ほど、欧州連合に留まりたい意向を示していたようだ。(2016/06/24)


文化
「レ・タン・モデルヌ誌」(Les Temps Modernes) サルトル、ボ―ヴォワール、メルロー・ポンティらが創刊 今も時代のテーマを取り上げる パトリス・マニグリエ(Patrice Maniglier パリ大学准教授・哲学者)
 「レ・タン・モデルヌ誌」を知っていますか?サルトル、ボ―ヴォワール、メルロー・ポンティ、モーリス・ナドーらが1945年に創刊した評論誌です。きっと皆さんはご存じないでしょうね。僕の友達や知人、そして運動の仲間たちの大半は「レ・タン・モデルヌ」に関して偏見を抱いています。「レ・タン・モデルヌ」は自由な評論に特徴があるんです。形式の自由ではなくて、内容の自由ですよ。また、そのボリュームに限定されたアカデミックな評論誌というわけではありません。(もちろん、わずか50ページしかない評論誌というのは類がないでしょうが)。しかし、「レ・タン・モデルヌ」は極度に辛辣な評論ですら掲載可能な媒体なのです。(2016/06/24)


欧州
スコットランド民族党、二コラ・スタージョン党首「もし英国が欧州連合離脱を決め、スコットランドが欧州連合残留を望んだ場合、スコットランドで英国からの独立を求める住民投票を求める声が非常に強まるでしょう」
  23日、英国では欧州連合を離脱するかどうか、国民投票が行われた。現在、未だ結果は出ていない。英国の行方を握る大きなファクターがスコットランド民族党である。昨年の総選挙で一気に50人台に議員を乗せ、独立に向けて大きく躍進した。そのカリスマ的リーダーが二コラ・スタージョン党首であり、スコットランド民族党は英国からの分離独立を目指す一方、欧州連合には留まりたいと考えている。そのため、もし英国が欧州連合離脱を決めた場合は、一層両者の違いが顕著となる。(2016/06/24)


欧州
英国のEU離脱国民投票  英国経済の明暗は?  キャメロン首相の胸の内
6月23日、今日、英国では欧州連合に留まるか、離脱するかの国民投票が行われる。不思議なことだが、首相のデビッド・キャメロン氏は離脱反対を唱えていると報道されている。しかし、そもそも、この国民投票を行うと国民に提示したのはキャメロン首相に他ならない。この国民投票でもし、離脱派が過半数を占めて離脱することに決定した場合、英国経済は苦境に陥る、という報道が複数出ている。その代表的なものが英紙ガーディアンで報じられた投機家のジョージ・ソロス氏の言葉である。ソロス氏はもし離脱派が勝利した場合のポンド・スターリングの下落幅は1992年9月に起きた15%以上になるだろう、と語っている。さらに、当時は金利を大幅に下げる余地があったが、今はすでに0.5%の超低金利であるから、これ以上金利を下げて景気対策をすることもできない、と警告している。(2016/06/23)


人権/反差別/司法
パリ警視総監がデモ禁止令  約半世紀ぶり  
フランスのメディア各社によると、6月23日(木)にパリで労働組合などが予定していた労働法改正反対のデモがパリ警視総監の命令で許可が下りなかった。デモが禁止されたのは半世紀ぶりとされる。(2016/06/22)


文化
作家ピーエル・パシェの「眠る力」について  セブリーヌ・ダンフルー(著述家) Severine Danflous 
作家でエッセイストのピエール・パシェが亡くなった。パシェが亡くなったので私は再び彼の作品を手に取ってみた。「眠る力」というタイトルの素晴らしいエッセイだ。このエッセイの中で、パシェは作家のフランツ・カフカと夜について言及している。(2016/06/22)


欧州
サッカー欧州大会 「EURO2016」 ニュースの生放送中に「労働法改正はレッドカード(退場)です」
 パリでは5月から議会で審議入りしている労働法改正問題で今も紛糾しています。フランス全土で労働組合や学生がデモを行い、パリでも街路は機動隊と市民の間で激しいもみ合いが続いています。そんな最中、折しも欧州サッカー大会「EURO2016]も今月から来月10日にかけてパリで開幕されます。そこでこんなハプニングがありました。あるサッカー関連番組のTV収録中に一人の女性がサッカーファンとしてインタビューを受けていましたが、話の最後に「1つだけ言わせて」と。彼女が取り出したのは「労働法改正はレッドカードです(退場です)」と訴える赤いチラシ。(2016/06/21)


コラム
保守と革新  何が革新で何が保守なのか?
 最近、日本では保守とか革新という言葉の使われ方が曖昧になっているところはないでしょうか。マスメディアで今、注目を集める論客、中島岳志氏(東京工業大学教授)が自身の立場を「リベラル保守」という言葉で掲げています。「リベラル保守宣言」という著書も出されています。この言葉の「保守」とはどういう意味なのでしょうか?筆者は未読なので、詳しいことは不明ですが、最近行われた朝日新聞のインタビューには以下のようなくだりがありました。中島氏の保守と革新という言葉についての考え方が記されていますので引用したいと思います。 Q 「保守的」とされる自民党の改憲草案は、憲法を一気に書き換えようとするものですよね。中島「あの改憲草案は、非常に『革新』的です。・・・」(2016/06/20)


安倍政権を検証する
民進党の蓮舫議員  菅原一秀議員(自民党)「(蓮舫氏が)日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた」への反論
自民党の菅原一秀衆院議員(東京9区)が東京都知事選をめぐって民進党の蓮舫議員につき「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」と発言したと報じられた。そのような事実があったのかどうかも含めて、社会的な問題となっている件に関して、民進党の蓮舫議員はツイッターで次のように書いた。(2016/06/19)


国際
マスメディアによる世論調査の検証の必要性  サンプリングが適切かどうか  世論調査が誤っていた去年の英国の選挙の場合 統計上の誤差を考えると細かい増減で一喜一憂するのは愚か
昨年の英国の総選挙で、世論調査の支持率と投票後の結果が大きく異なっていたことがあり、英国ではなぜそのようなことになったのか、検証が行われました。本紙でも数学に詳しい谷克彦氏による問題提起がなされています。英国の場合、事前の世論調査では労働党と保守党が拮抗しているとされましたが、蓋を開けてみたら、保守党の圧勝だった問題です。英国で調査委員会が組織され、検証した結果、世論調査で意見聴取が行われたサンプル集団に偏りがあり、サンプルに含まれる労働党支持者の割合が実際の社会の割合よりもかなり多かったことが明らかになりました。(2016/06/19)


コラム
選挙と投票率  なぜ若い世代になるほど投票率が下がるのか  この分析に野党躍進のヒントがある
投票率を年齢別に分析してみると、基本的な傾向として年齢が低くなるほど投票率が低下しており、2014年の衆院選を振り返れば60代が68.28%とトップ、50代は60.07%、70代以上が59.46%、40代が49.98%、30代が42.09%、20代が32.58%となっています。20代に至っては投票したのは3人に1人となっています。この傾向は長期的なものですから、その意味では若い世代の投票率を上げることが野党には必要になるでしょう。以下は総務省の年代別の投票率のデータです。いったいなぜ、年齢が高いほど投票率が高く、年齢が低いほど投票率が低いのでしょうか。(2016/06/18)


みる・よむ・きく
福島第一原発事故から緊迫の5日間を描く映画「太陽の蓋」  7月16日から劇場公開
この夏、7月16日から映画館で公開が行われる映画「太陽の蓋」。2011年3月11日、東日本大震災による福島第一原発事故の発生から緊迫の5日間を、新聞記者を主人公に設定し、事故の対応に追われた菅直人首相や枝野幸男内閣官房長官、さらにその周辺で活動していた実際の担当者たちを実名で登場させ、あの時、何が起きていたのかを追体験できるように作られた映画のようです。(2016/06/17)


みる・よむ・きく
「誤報じゃないのになぜ取り消したの?〜原発『吉田調書』報道をめぐる朝日新聞の矛盾〜」(彩流社ブックレット)
昨今、新聞は政治や経済、社会の動きを本気で伝えているのだろうか?それとも、噂の通り、首相との会食に象徴されるような政権との関係に縛られて、書きたいことも書けなくなっているのだろうか・・・。4月に出版されたばかりのブックレット「誤報じゃないのになぜ取り消したの?〜原発『吉田調書』報道をめぐる朝日新聞の矛盾〜」(彩流社)はそんな疑問を感じる読者に1つの手がかりを提供しています。朝日新聞と言えば東京新聞や毎日新聞などとともに、政府批判を比較的行ってきた新聞ですが、その朝日新聞に激震が走ったのがこのブックレットのテーマになっている「吉田調書」問題でした。(2016/06/17)


安倍政権を検証する
日本の司法は独立を保てるか? 最高裁判事が全員、安倍首相の応援団になる日 自民党改憲案の真の怖さ
ここからは可能性の話だが、もし、最高裁判所長官をはじめ、安倍政権の方針に批判的な最高裁判事らが全員、緊急事態宣言の下で「国家の非常時に個人の人権に配慮しすぎで判事として適任ではない」として国会で弾劾され多数決で解任された場合(現在、自民・公明が多数派を占めている)、空いたポストを指名するのは内閣であり、安倍首相ということになる。そもそも裁判所判事を弾劾する際の法律として裁判官弾劾法があるが、自民党の新憲法で非常事態宣言が発令されれば、裁判官を弾劾できる理由や方法なども非常事態を念頭に法的に変更される恐れはないだろうか。(2016/06/16)


人権/反差別/司法
イスラム原理主義指導者 と ゲイ( 同性愛者 )  テロ事件と死刑
 今回、オーランド市で起きたゲイ(同性愛者)大量テロの少し前の3月にイスラム原理主義指導者が同市を訪れて、ゲイは死刑である、と語っていたことは前回報じた。その指導者であるFarrokh Sekaleshfar師はオーランド市を去って、オーストラリアのシドニーに説教に赴き、その後、オーストラリアでは「ヘイトスピーチにオーストラリアはゼロトレランス(100%認めない)」と批判されて、英国に帰国の途についたらしい。そのFarrokh Sekaleshfar師はオーランド市でテロを起こしたオマル・マティーン(29)との関連を問われて、次のように語ったとされる。(2016/06/15)


米国
オーランド市で説教したイスラム原理主義の指導者 「ゲイを殺すのはゲイへの思いやり」
 アメリカ・フロリダ州で12日、ゲイ(同性愛者)が集うクラブに銃などをもって乱射に及んだ事件が世界を揺るがしている。報道では死者50人、負傷者53人と報じられ、単独犯としては全米テロ史上最大の事件とされている。犯人のオマル・マティーン(29)はその背景などは不明な点が多く、今後の調査が待たれるが、犯行に及ぶ直前に市当局にイスラム国への忠誠を誓って行動を起こす旨の連絡を入れていたという。今、欧米メディアでこれに関連して報じられているのがオーランド市に3月頃、説教に訪れた英国のイスラム原理主義の指導者、Farrokh Sekaleshfar師である。(2016/06/14)


TPP/脱グローバリゼーション
アメリカ議会のTPP批准か否決かを決める投票はいつ?  市民団体が危惧する米大統領選直後の「特別な時期」 (レイムダック)の議員たちの投票を検討するTPP賛成派
  TPP(環太平洋パートナーシップ協定、あるいは環太平洋経済連携協定)の明暗の鍵を握るのがアメリカ議会での批准の投票です。すでに協定に署名こそしているものの、議会の承認がなければ発効しえないのです。そもそもTPPを今のような巨大なものにスケールアップした推進力は米国であり、その意味では米議会での批准投票はTPPの明暗を握っていると言えます。さて、昨年10月にアメリカのアトランタで大筋合意に至ったTPPですが、以外にも共和党の大統領候補のドラルド・トランプ氏も、民主党候補のヒラリー・クリントン候補もTPPに反対の表明を掲げたことでTPPを進めてきた日本の関係者を驚かせたことは記憶に新しいところです。新しい大統領にどちらがなったとしてもTPPに反対の立場であり、TPPから米国が撤退するか、あるいは協議をやり直すか、いずれにしても新大統領が口を出してくると大きな波乱があることは間違いありません。(2016/06/14)


安倍政権を検証する
自民党憲法改正案  表現の自由を制限する21条2項
 参院選後に予定されている自民党による憲法改正の試みですが、その憲法改正案は憲法の意味をまったく変えてしまう性質のものです。個別に1つ1つの条文を見てみると、個人の尊重の削除をはじめとして様々な問題があります。たとえば表現の自由を規定した憲法21条です。自民党の改正案では従来の条文の後ろに但し書きがつけてあるのです。 (2016/06/14)


コラム
今回の自民党の憲法改正案と、その後に続くであろう憲法改正 実質は改正ではなく憲法の廃棄
今回、自民党の憲法改正案はそれだけでも激変ですが、憲法改正を容易にする、という将来のことも含まれていて、安倍首相は決して憲法改正の試みをこれだけで止めようとは思っていないであろうと思われます。特に、天皇の地位と政教分離の条文、9条、男女の平等、思想・表現の自由などは継続して改変していく可能性はないでしょうか。兵役の義務とか、共同体への奉仕の義務、また宗教上の義務なども将来は書き込まれるかもしれません。大学の役割とか、文化の方針、歴史観などが記載され、さらに新しい行政制度も作られるかもしれません。出生率を上げるための夫婦の目標なども書かれるかもしれません。今回の改憲で、改憲を発議するには衆参両議会の議員総数のそれぞれ過半数の賛成があればよいことになり(自民党改正案 100条)、これまでの3分の2に比べるとはるかに容易に改憲ができる時代になります。(2016/06/12)


国際
フランス デモと民主主義 バルス首相「デモは民主主義ではない。民主主義は投票にある」
フランスでは今年に入ってから大規模なデモや集会が起きている。その原因となっているのが社会党のバルス政権が試みている労働法改正である。労働者の解雇が簡単になり、残業代も激減し、これまでに比べて長時間労働も強制しやすくなるといった企業寄りの改革だとして労働者や市民、学生がデモを行ってきた。最近では製油所や原子力発電所でストライキを行ったり、航空会社の労組がストライキを行なったりするなど、フランス経済にも影響が出つつある。そんな中、フランスの報道によれば労働法改正を進めているマニュエル・バルス首相が放った言葉が「デモは民主主義ではない。民主主義は投票にある」というもの。直訳すると、「民主主義は街頭にはない。民主主義は投票にある」となる。(2016/06/11)


国際
アメリカ大統領予備選 「アメリカ緑の党」の討論会 二大政党以外の政党は?
 アメリカの大統領選挙と言えば民主党VS共和党という文脈でしか語られていなかったが、アメリカ緑の党とか、リバタリアン党といった小政党も存在し、それぞれの候補者選抜のプロセスがあります。これらの小党はサードパーティ(第三の政党)と呼ばれています。「アメリカ緑の党」はこのところ、ジル・スタイン候補がバーニー・サンダース民主党候補に、ヒラリー・クリントン候補に民主党予備選で敗れても「アメリカ緑の党」から立候補する手もあると誘っていることが報じられています。(2016/06/11)


国際
「アメリカ緑の党」大統領候補者がバーニー・サンダース候補(民主党)に「アメリカ緑の党」からの立候補を促す 「政治革命の継続を」「二大政党制は崩れている」
先日、ヒラリー・クリントン候補が民主党の大統領選の予備選で勝利宣言をしたばかりのアメリカ。「アメリカ緑の党」の候補者が敗れたバーニー・サンダース候補の政治革命を称え、「アメリカ緑の党」の大統領候補にならないかと闘いの継続を促しているようだ。(2016/06/10)


コラム
ネット記事の無料配信時代の終焉 今後は二分化か
外国新聞によって初めて拓けてきた視界ですが、今、1つの変化が出てきました。それはこれまでネット無料で読めた記事に有料化の波が押し寄せてきていることです。ニューヨークタイムズ、ルモンド、ヌーベルオプセルバトゥール・・・こうした媒体はサンプルとして1か月15本とか、お試しに7記事までとか、無料購読に今、大きな制約をつけています。今後はお金を払わないと読めない新聞になるのです。(2016/06/10)


国際
ヒラリーの前に大統領選に立候補した女性がいた。1872年「(男女)平等党」が指名した候補者、ビクトリア・ウッドハル 女性の投票権がなかったため自身にも投票できなかったが
   バーニー・サンダース候補を何とかふり落としたと安堵気味のヒラリー・クリントン民主党大統領候補。米国で女性が最初に大統領選に出る、と自賛している。ヒラリー候補は、ここで実際には「主要政党から」と前置きしていた。それもそのはずで米政治史を振り返ると、ヒラリーさんの前に大統領選に立候補した女性がいた。1872年、小さな政党の「(男女)平等党」(Equal Rights Party)が指名した候補者、ビクトリア・ウッドハル(Victoria Woodhull)。女性の投票権がなかったため自身にも投票できなかったが・・・(2016/06/09)


国際
討論会の人びとを極左暴力集団に見せようとするマスメディア パリ
「立ち上がる夜」のある参加者によると、TV局の取材陣は討論会などがとっくに終わった深夜の時間帯にやってきて、午前2時ころまで近くのカフェで待機しているのだそうです。なぜかと言うと、深夜になると、「立ち上がる夜」の討論会とは関係のない酔っぱらいが広場にやってきて警察と悶着を起こすので、その映像を狙っていると言うのです。広場に来るのは討論会に参加する人だけではないからです。そうした運動と無縁の酔っぱらった人が警察隊と戦っている映像を撮影して、これが「立ち上がる夜」の真実だ、という風に報道しているらしく、それをTVで見た各地の市民は「とんでもない暴力集団だ」という風に印象が刷り込まれるのです。(2016/06/09)


国際
バーニー・サンダース候補の声明 「政治革命に参加してくれてありがとう」「私はアメリカの未来に心配していない なぜなら若者が私の考え方を理解してくれたから」
アメリカ大統領選挙の予備選で波乱を巻き起こしたのが民主党のバーニー・サンダース候補だった。ヒラリー・クリントン候補が勝利宣言をする中、6月7日にカリフォルニアのサンタ・モニカでサンダース候補はまだ戦う意志を示し、「アメリカの未来に心配はない。なぜならアメリカを作るのは若者だから。そして若者の支持を私が最も得ることができたから」と伝えた。その上で社会正義、経済の正義、人種の正義、環境の正義などを守ることの大切さを呼びかけた。(2016/06/09)


国際
パリの貧困問題 安定した住居なき人々 「決まった住まいがない人々の4分の1は定期的な仕事を持っている」
フランスのEurope1の2014年の報道によると、こうした決まった住まいがない人々の4分の1は定期的な仕事を持っており、そのうち40%はCDIさとされています。このCDIは’Contract Duration Indeterminee’=期限が定められていない雇用契約の人びとを差します。その反対がCDDでこちらは’Contract Duration Determinee’=期限が設定された雇用契約の人びと(有期雇用)です。そういうわけでEurope1は次のように指摘しています。決まった住まいのない人々は本当はもっと働いて、普通の暮らしを望んでいるけれども、定住所がないことがネックになって、雇用にありつけないのだ、と。そして、こうした定住所のない労働者の4分の3は900ユーロ以下の月収であるという統計が出ているようです。(2016/06/08)


みる・よむ・きく
ジュンパ・ラヒリ著「べつの言葉で」 インド系アメリカ人の作家がイタリア語で本を書き始めた理由
 アメリカで活躍しているインド系の女性作家ジュンパ・ラヒリ氏が、このたび、英語を捨ててイタリア語であえて書いたのがエッセイ集「べつの言葉で」(新潮社)である。ラヒリさんのこの本を読み、彼女が生まれたのはロンドンで、その後、インド系の両親とともに渡米していたのを知った。そのアメリカで育った彼女はO・ヘンリ賞やピュリッツァー賞などを総なめにするような活躍をした。ところが、なぜかイタリアに渡って、イタリア語で本を一から書き始めたのである。本書で彼女はなぜ自分がイタリア語で本を書くのか、それがどんな意味を自分に与えるかを執拗に掘り下げる努力をしている。英語に比べたら、イタリア語の読者は圧倒的に少ない。大海の1滴にも等しい。それでも彼女はイタリア語に挑戦したのだ。(2016/06/06)


コラム
ペルーの旅2 「リマの悪い女の子」を慕って フリオ・アダムス Julio Adams(Mexican Photographer)
恋の終わりの苦しさを忘れるためにメキシコからペルーにやってきてバイクでアンデス山脈を縦断している写真家のフリオ・アダムス氏。最新の連絡はペルーの首都リマを目指す、という言葉だった。ペルーのリマにはどのような思いがあるのだろうか。「僕はリマに行きたかったんだ。というのはこの町はマリオ・バルガス・リョサの小説に出てくる「悪い女の子」が悪戯を始めた町だから。リョサのこの小説「悪い娘の悪戯」は最高の恋愛小説だよ。・・・」(2016/06/05)


TPP/脱グローバリゼーション
TAFTA(大西洋自由貿易圏)およびTTIP=(欧州版TPP)を論じるパリの市民TV局 市民の機材持ち寄りとボランティアで公共の広場に設立 今論じるべきことを情報操作なく論じる
パリの共和国広場で続いている夜の市民の討論運動Nuitdebout( (2016/06/04)


国際
フランスの労働法改正問題 日本人から「甘えている」と責められるフランス人労働者
 フランス議会で論じられている労働法改正問題について。労働時間の「フレキシブル化」とか解雇要件の緩和など、世界の熾烈な競争の中でフランスの国際競争力を維持するためには理想ばかり言っていられない・・・週35時間制など現行の労働法制定の中核になった社会党自身がそんな提案をしています。週46時間くらいの労働が普通にできる状況へと政府は舵を切って行こうとしており、労働者や学生の反発を呼んでいます。(2016/06/03)


国際
パリの洪水 ルーブル美術館でも美術品の避難措置 ロワール川周辺の古城は浸水 コラ・ソレーヌ
 パリが滅多にない洪水に見舞われている。折しも労働法改正問題で労働者や学生と警察隊、政府がもみ合っている最中の出来事だ。ルーブル美術館やオルセー美術館の美術品も避難措置が取られているという事態。セーヌ川の水嵩は限界間際。コラ・ソレーヌ「洪水はまだ続いています。明日はルーブル美術館が閉まります。1910年の洪水より低いのですが少し心配なので全ての作品を安全な場所まで運ばらないと。全ての写真は今日自分で撮ったやつです。」(2016/06/03)


コラム
ペルーの旅 恋の破局の地獄を経て フリオ・アダムス Julio Adams(Mexican Photographer)
 メキシコの写真家、フリオ・アダムス氏が今、旅をしているのはペルーのアンデスの山々。そこはかつて革命家のチェ・ゲバラがバイクで踏破したコースとも重なるだろう。今回、アダムス氏が旅をしている理由はなんだろうか。(2016/06/03)


米国
トランプ旋風の理由 米国人の「権威主義的性格」化 Politico誌の分析 アメリカ人の地殻変動
 アメリカの政治専門誌Politicoがドナルド・トランプ旋風の理由を共和党支持者の間に「権威主義的性格」の持ち主が増えていることにあると分析している。寄稿者は政治アナリストのMATTHEW MACWILLIAMS 氏。権威主義的性格とは1930年代のドイツでナチを支持した市民の性格類型として社会学で知られているタイプである。これまでドイツ人はまじめで上意下達で、アメリカ人とは異なる性格類型だと思われてきたが、現代のアメリカ社会にこうしたタイプが増えていることを、アンケート調査を繰り返した結果、つきとめたという。(2016/06/02)


安倍政権を検証する
伊勢神宮とG7 日本が「神の国」であることを象徴的に示そうとした安倍首相
 伊勢神宮の鳥居の前でG7の首脳たちが記念写真を撮影した。そして伊勢神宮に彼らは記帳し、それぞれの言葉で敬意を述べた。日本国内の報道では政府は政教分離に抵触しないように「参拝」という言葉を避け、「訪問」という言葉で表現したと言う。しかし、たとえそうであっても英国のガーディアンのように政教分離原則に抵触していることを示唆する報道が外国メディアでは行われた。’G7 in Japan: concern over world leaders' tour of nationalistic shrine’(日本でのG7:世界のリーダーがナショナリズムの神社に出かけることに対する懸念)と言うタイトルの記事がそうだ。(2016/06/01)


コラム
2016年の「自由からの逃走」 なぜ独裁者が選挙で生まれるのか
 ドイツの社会心理学者、エーリッヒ・フロム(1900−1980)が書いた「自由からの逃走」という本はナチズムがなぜドイツで熱狂的に受け入れられたか。ヒトラーがなぜ独裁政権を打ち立て、やりたい放題の政治ができたのかを分析した本である。本のタイトルは変わっている。「自由からの逃走」。一度目にしたら忘れられないタイトルだ。人は本来自由を好みそうなのに、自由から逃走する、というのはどういうことか?そして、ナチス・ドイツが台頭したドイツの1930年代から敗戦にかけてがまさに、ドイツ人が自由を捨ててしまった時代だと言う。(2016/05/31)


文化
パリの「立ち上がる夜」 フランス現代哲学と政治の関係を参加しているパリ大学准教授(哲学)に聞く Patrice Maniglier
  パリの共和国広場で3月31日に始まり、現在も続いている「立ち上がる夜」(Nuitdebout)と呼ばれる討論会。その議論に運動が始まった当初から参加しているパリ大学在籍の哲学者がいます。パトリス・マニグリエ准教授(ナンテール校)です。マニグリエ氏はいったいどんな哲学を大学で研究していて、哲学と運動との関係はどのようなものなのでしょうか?マニグリエ氏に聞きました。(2016/05/29)


国際
パリの「立ち上がる夜」 市民が自前で広場に設置したテレビ局「立ち上がるTV」の人気インタビュアー Marjorie Marramaque
 パリの共和国広場では夜ごとに市民が集まって様々な議論を繰り広げています。民主主義について。今、国会で議論されている労働法改正問題について。格差社会やパナマ文書について。男女間の差別や住宅問題について、難民問題について。そのほか様々。ここに小さな放送局が生まれ、毎日議論の模様をyoutubeで紹介しています。有志が民生用機材を持参してつなげた最小限のスタジオ。(2016/05/29)


安倍政権を検証する
G7首脳の伊勢神宮訪問は憲法の政教分離原則に抵触しないのか?
今年のG7サミットの開催地である伊勢志摩には天皇家の先祖・天照大神を祭るとされる伊勢神宮がある。安倍首相の鶴の一声で数ある候補地の中からこの開催地に決まったのだが、そのため宗教の政治利用であり、政教分離を原則とする憲法に対する違反なのではないかと疑われる。新聞ではほとんど触れられていないが、安倍首相がサミットのリーダーを連れて伊勢神宮を訪問したことを英国のガーディアン紙は政教分離に抵触しているとして批判的に取り上げている。そして安倍首相が神道政治連盟に属し、戦後レジームを否定する政治観と、今回のG7の伊勢神宮参拝が根っこで結びついていることを述べている。さらにこう述べている。(2016/05/28)


安倍政権を検証する
安倍首相「アベノミクス3本の矢をまさに今度は世界で展開していきたい」
 伊勢志摩で行われたG7のサミットで、安倍首相が記者に語った言葉に驚いた人は少なくないだろう。「アベノミクス3本の矢をまさに今度は世界で展開していきたい」安倍首相の牽引してきたアベノミクスは日本国内で昨今、それが失敗だったことがすでに誰の目にも明らかになったからだ。いかに市場に円を大量に注いでも消費は低迷し、産業空洞化の傾向を変えることもできず、財政赤字は広がる一途である。デフレ1つ解消できなかったのだ。首相の盟友である産経新聞ですら「アベノミクス、いつになったら効果出る? 消費者物価2カ月連続下落 4月、マイナス0・3%」という見出しの記事を出したばかりである。(2016/05/28)


安倍政権を検証する
税と議会制民主主義と安倍首相
安倍首相は2014年9月以後、内閣のスキャンダルに次々と見舞われ政権の支持率が低下してきたのを受けて、突如として衆院を解散して総選挙を行うと宣言しました。その理由として掲げたのは消費税の増税を2015年10月に10%に引き上げることが法律で決まっているが、それを先延ばしして2017年にする。だから、2017年には何があっても必ず上げることでよいかどうか、民意を問うとしたのでした。(2016/05/27)


国際
フランスのレピュブリック広場で続く人々の大討論会 'Nuitdebout'(立ち上がる夜)
  パリの中心近くにあるレピュブリック広場に夜ごと、人々が集まって様々な議論が行われています。きっかけは社会党政府が提案しようとしている労働法改正案でした。フランスは週35時間労働に代表されるように、労働者の権利は手厚く保護されてきましたが、その権利を緩和して労働市場を流動化させようとしているのです。政府は労働法を改正することで、10%を超える失業率を減らすことができるようになるとしています。(2016/05/26)


コラム
アルジェにできた「プラスティックの町」 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人のジャーナリスト)Abdelmadjid BenKaci
これはトラックに積まれるのを待つ商品ではまったくありません。アルジェリアに働きにやってきた中国人のテントなのです。この光景はアルジェのマルチール通りの路上で、ちょうど中国大使館の裏手にあたります。ここはまたアルジェリアのテレビ局やラジオ放送局の近くでもあります。(2016/04/21)


文化
英劇作家のアーノルド・ウェスカー氏が亡くなる
戦後英国現代演劇の1つの頂点を作ったと言える劇作家、アーノルド・ウェスカー氏が12日、亡くなった。83歳だった。第二次大戦後の英国演劇界では多彩な才能が花開いた。「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」で一躍著名人となったトム・ストッパード、「花咲くチェリー」や「すべての季節の男」などで知られるロバート・ボルト、「料理昇降機」などブラックユーモアと警句で知られ、ノーベル賞を受賞したハロルド・ピンターなどがそびえているが、アーノルド・ウェスカー氏もそれらの山脈の1つの頂をなした。(2016/04/17)


欧州
シャパットの風刺漫画 英国首相キャメロンの疲れ パナマ文書が政治家を直撃
 英国首相のデビッド・キャメロンが大きなスプーンをくわえて「銀のさじ」を申告するのを忘れていた」とつぶやいている。これはニューヨークタイムズに掲載されたパトリック・シャパットの1コマ漫画。最近、ある会計会社の顧客リストが暴露され、タックスヘイブンに富を移転して課税を逃れていた世界中の人々がそこに記載されていた。英国首相デビッド・キャメロンの父親の名前もそこにあり、キャメロン自身の名前はなかったが、彼の父親の会社に投資して利益を得ていたことが報じられ、英国民から「辞任しろ」という声が上がっている。(2016/04/16)


人権/反差別/司法
フランス・労働法改悪阻止闘争 歌う若者たち
これ以上、不安定で低賃金の生活に甘んじたくない、と労働法改悪に抗議をしているフランス市民。夜通しの戦いを繰り広げているパリの市民はギターで歌を歌っています。(2016/04/15)


欧州
労働法の破壊に立ち上がるフランス市民の声 レジャーヌ・ボワイエ Réjane Boyer
  フランスでは今、騒然とした空気が各地で漂っており、インターネットなどでも民衆が集まって座り込んだり、マイクをもって市民が入れ替わり立ち代わり一人ずつ群衆の前に立って話しかけている姿をたくさん目にします。社会党政権でいったい何が起きているのか。パリ郊外在住の市民、レジャーヌ・ボワイエさんからの現地の緊急レポート第二弾です。(2016/04/14)


みる・よむ・きく
子安宣邦著「帝国か民主か 〜中国と東アジア問題〜」
 近世日本思想史を専門とする学者の子安宣邦氏による「帝国か民主か 〜中国と東アジア問題〜」が出版されたのは去年の今時分のこと。去年の今頃から秋にかけてといえば安保法制の問題が大きく浮上し、憲法解釈の問題とともに今年に至るまで政局の中心的課題となった起点とも言える頃でした。「帝国か民主か〜中国と東アジア問題〜」が投げかけている中心的テーマは中国を東アジアの中でどうとらえ、どう関わっていくかというもの。古来から中国を中心として発展した儒教文化圏というものがあり、それは華夷秩序とも言われ、中国を本家とする一元的な価値体系を強いていたものであると子安氏は見ています。それに対して子安氏が理想とするのは日中韓あるいは台湾や沖縄、香港なども含めて多元的な儒教解釈を容認する、旧来の華夷秩序の同心円的なヒエラルキーから解放された東アジア世界です。(2016/04/12)


欧州
フランスのデモ 苦しい生活・公約を守らない政府・そしてパナマ文書 レジャーヌ・ボワイエ Rejane Boyer
  今、パリでは大きなデモが起きています。今度のデモはテロとは関係がありません。市民の生活が関わっているデモです。以下はパリ近郊に住む女性、レジャーヌ・ボワイエさんからの報告です。 (2016/04/11)


コラム
イスタンブール ボスポラス海峡の真珠 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人のジャーナリスト)Abdelmadjid BenKaci
   イスタンブールはまったくもって香しい夢幻的な町です。東洋と西洋の味わいと色彩が混じり合っています。その混交は素晴らしく私たちを包み込み、目を驚かせ、魅了するのです。その迷路のような街並みを歩き回っていると旅人はまるで絵画か何かの美術作品の上にいるような気持ちに襲われます。6世紀以上の歴史があるグランドバザールには18もの入り口があります。そこにある4000もの店は何千年も経た文化の無数の側面を私たちに披露してくれます。(2016/04/10)


コラム
新聞と病気 本当は早期治療ができる
 病気は少しずつ進行していくことが多く、ガンもまた1つの細胞の異常から始まり次第にそれが大きくなって1つの臓器を侵しはじめやがては転移して全身に蔓延していく。そのガンをチェックする予防診断技術は年々精度が上がってきている。これは医学の分野。(2016/04/10)


国際
米大統領予備選 ヒラリー・クリントン候補 VS バーニー・サンダース候補の獲得代議員数データ
 サウスカロライナ州での予備選で黒人票でヒラリー・クリントン候補(民主党)に差をつけられ、勢いに陰りが見えていたバーニー・サンダース候補(民主党)がここに来て連勝を続け、勢いを取り戻してきています。現在、民主党予備選での獲得代議員数はブルームバーグのデータによると以下の通り。(2016/04/08)


みる・よむ・きく
川口由彦著「日本近代法制史」 戦前の法制度を明治維新まで遡って一望する
 この夏の参院選で自民党が勝利した場合に憲法改正の試みが行われる予定ですが、自民党の改憲案では個人の尊重という戦後憲法の核がそがれ、「人として尊重される」という風に個が欠落していくことが象徴的です。一方で天皇は国の元首となります。一見、戦後憲法の体裁をある程度残している改憲案ですが、核となるところどころはしっかりと自民党の思想でおさえられているのが特徴です。改憲を悲願としてきた安倍首相は戦後レジームからの脱却を政治家としての目標に掲げてきました。つまりは戦前に国を戻すために、憲法をはじめ、法体系を抜本的に変えていく復古運動が今、日本で展開されています。そうした昨今、戦前までの法体系とはどうだったのか。そのことを明治維新に遡って記載した本が川口由彦著「日本近代法制史」(新世社)です。(2016/04/07)


社会
大学とファシズム 滝川事件の波紋 「戦前の学問弾圧プロセスの原型」
昭和8年に起きた滝川事件は戦前戦中の学問弾圧の象徴的事件として知られています。京都大学法学部の滝川幸辰(ゆきとき)教授のテキスト「刑法講義」と「刑法読本」が反国家主義的と言うことで発禁処分とされ、さらに当時の文部大臣だった鳩山一郎氏は滝川教授の罷免を京都大学に要求しました。しかし、京都大学の教授会が反対し、結局滝川教授は休職処分に落ち着きます。このとき、京大法学部の全教授が国に抗議して辞表を提出、さらに助教授、講師、助手もならい、39人が辞表を提出しました。しかし、中公文庫「ファシズムへの道」(大内力著)によると、最終的に辞職が受理されたのは先鋭的な国家と対峙していた教授ら数名で、その他の教授らは大学にとどまることになりました。(2016/04/06)


みる・よむ・きく
呉善花著「韓国併合への道 完全版」
 日本の植民地政策を書いた本を何冊か続けて読む中で、呉善花著「韓国併合への道 完全版」を手にすることになりました。この本にはそれまでに読んだ歴史観とは違ったテイストがありました。趙景達氏の「近代朝鮮と日本」の場合は全編、一貫した厳しい日本の植民地政策に対する批判的な視点に貫かれていますが、呉善花氏の本書の場合は日本批判だけではなく、結果的に植民地支配を招いてしまった朝鮮の為政者の問題点を描くことと、日本の植民地政策が結果的に残した成果を描いていること、この2点にあります。(2016/04/06)


文化
音楽にかける青春 シチリアの音楽家、ジオリ(Gioli) クラブミュージックとクラシックの融合を目指す19歳 最初のアルバム‘Mechanical Heart’の発売は来月
  イタリアのシチリア島の都市パレルモ。ここでクラブのテクノミュージックとクラシックを融合して新しい音楽を作っている19歳の女性がいます。バンドの名前はジオリ(Gioli)。19歳のジョルジア・リパリ(Giorgia Lipari)さんとマネージャー&アート・ディレクターのアッシア・ナニア(Assia Nania)さんで作り上げたグループです。リパリさんはシンセサイザーを駆使しながら、大胆不敵に新しい挑戦を続け、クラブでの演奏は盛況の人気音楽家です。初アルバムの発売も目前で、アルバム販売に合わせた世界ツアーにこれから船出します。そんな前途洋々のジョルジア・リパリさんにインタビューを行いました。(2016/04/04)


みる・よむ・きく
趙景達著「近代朝鮮と日本」
趙景達著「近代朝鮮と日本」では韓国併合まで、日本軍が朝鮮半島とどう関わってきたかが検証されています。江戸から明治に代わり、日本は近代化を急ピッチで行いました。欧米列強に強いられた不平等条約を改正することを目指していた半面、隣国・朝鮮に対しては逆に武力をつきつけて不平等条約を締結します。日本が欧米列強からこうされたくないと思っていたことを逆に隣国の朝鮮に対して行って行くのです。本書を読むと、そのプロセスがよく理解できます。1910年に突然、日本が韓国を併合したわけではもちろんなく、明治以後、こつこつこつこつと隣国支配のために関与を深めていきます。本書によれば、大まかな流れの要素として以下のようなものがあります。(2016/04/03)


コラム
乙武氏の報道に思う 新憲法で「姦通罪」復活の可能性<美しい日本の美しい家庭を守る国民運動として>
 乙武氏の不倫騒ぎは自民党批判の見地から行われている印象がありますが、僕はある危惧を感じています。1つはこの間のベッキーに対するバッシングもそうでしたが、不倫という極めて私生活の領域が公の場で取り沙汰されて、個人のモラルが批判にさらされていることです。今年憲法がもし自民党案で改正されると、家族の絆を重視することが憲法で義務づけられます。家庭を家族でお互い助け合って維持していくことが国民に課せられる義務となります。そこでは不倫など許されるはずがありません。(2016/04/01)


人権/反差別/司法
施行された安保法制と戦前の「治安維持法」 戦前、処罰対象は「行為」から「思想」そのものに
 今、施行されたばかりの一連の安保法制は集団的自衛権を前提に、日本が攻撃されていなくても日本国内が戦時体制になりうることを可能にする一連の法制であり、それは2013年12月に可決した特定秘密保護法とセットになっています。今年の夏、参院選が予定されていますが、自民党と公明党は3分の2を参院でも確保することを目指し、改憲の手続きを実現しようとしているのです。そういう意味で今、憲法改正が国民の関心事項となっています。しかし、戦時体制への法制度の改造は憲法だけではなく、具体的な刑法上の法律改正や新法の制定が今後さらに加速する可能性があります。特に注意すべきなのは戦前に存在した治安維持法ではないでしょうか。(2016/03/31)


文化
コレージュ・ド・フランスのアラン・マバンクゥ氏(作家) 2回目の講座でネグリチュード運動を語る 盟友ラフェリエール氏も’登場’
 パリで市民に開かれた最高の教育の場コレージュ・ド・フランスでコンゴ出身の作家アラン・マバンクゥさんが3月から講義を始めました。昨日、二回目の講義を終えて、次のようなメッセージが送られて来ました。(2016/03/30)


みる・よむ・きく
ダニー・ラフェリエール著「帰還の謎」(小倉和子訳)
ダニー・ラフェリエールの「帰還の謎」を読んでいる。この本はハイチの黒人作家ダニー・ラフェリエールがジャーナリストだった青年時代に自国の政治的迫害を恐れてカナダに移住した後、作家として国際的な名声をあげ、のちに故郷に帰省する物語である。ハイチという国の人びとの生がわかると同時に、面白いのは人が行き来することによって、ハイチだけでなく、カナダとハイチとの違いが見えてくることだ。人は2つの世界を旅することで1国にいるだけでは見えない関係性に気がつく。(2016/03/24)


みる・よむ・きく
本邦初演 エデン・フォン・ホルヴァート作「最後の審判の日」 東京演劇アンサンブルによる公演
 エデン・フォン・ホルヴァート作「最後の審判の日」を東京演劇アンサンブルが上演していた。本邦初演だそうだ。ホルヴァートという劇作家について、一般の人にはなじみがない名前かもしれない。しかし、この戯曲が1936年に書かれた、ということから推察されるようにファシズムの時代のドイツの人間模様を浮き彫りにしていて、非常に面白い。いったいなぜ今まで上演されてこなかったのだろうか。この舞台には男女間の情念と犯罪が描かれており、まずサスペンス劇として面白く見れる舞台だからだ。(2016/03/22)


米国
オバマ大統領がキューバを訪れる 米大統領で88年ぶり
日曜、オバマ大統領がキューバを訪れた。米大統領がキューバを訪ねたのは88年ぶりとなる。会見でオバマ大統領は、前回は1928年にクーリッジ大統領が戦艦に乗ってやってきたことを語った。「クーリッジのときは来るまで3日かかりましたが、私の場合はエアフォース1で3時間です。しかし、この訪問は歴史的なものであります。そして両国の間で通商条約などを締結することになります」(2016/03/21)


文化
パリの画家/漫画家のオリビア・クラベルさんにインタビュー Interview Olivia Clavel
 パリで70年代にバズーカという若い漫画家・イラストレーターの集団が生まれ、リベラシオン紙などで新しい感覚のイラストを切りひらいていきました。バズーカの中心メンバーの一人が画家・漫画家のオリビア・クラベルさんです。現在も漫画や美術の分野で活躍中です。今回、クラベルさんにインタビューさせていただきました。(2016/03/15)


文化
パリの画家イザベル・コシェローさん グラフィックデザイナーから画家への転身 Isabelle Cochereau
 パリのモンパルナスに近い14区のコリーヌ・ボネ画廊で行われた共同展示会の場で画家イザベル・コシェロー (Isabelle Cochereau )さんの絵に出会いました。人物画を描いていますが、顔にモザイクのようなものがあり、それは女性の顔にポルノグラフィックなイメージがかけられたものだと気づきました。今まで見たことがない独特の人物画であり、画家のどのような探究のプロセスからこうした世界が生まれるのか、知りたく思いました。(2016/03/13)


米国
米 Atlantic 誌でオバマ大統領が懺悔 リビア軍事介入は失敗だった やる気はなかったが、ヒラリーやスーザン・ライス(米国連大使・当時)らが強硬に軍事介入を主張したんだ・・・
 二期8年にわたるオバマ大統領の時代も終わりが近づいてきた。今、フランスのメジャーなメディアが一斉に反応しているのが、Atlantic誌に載ったオバマ大統領のインタビュー記事だ。オバマ大統領が2011年のリビアへの軍事介入を後悔しており、フランスのサルコジ大統領らに誘われて失敗した〜と言っているらしい。しかし、それよりも、むしろ、興味深い下りはオバマ大統領がヒラリー・クリントン国務長官(当時)やスーザン・ライス米国連大使(当時)ら強硬派によってリビア軍事介入路線に引き込まれて行ったと語っている下りである。(2016/03/12)


国際
ヒラリー・クリントンとホンジュラスのクーデター 米外交を批判していた環境活動家が暗殺される
米民主党大統領候補のヒラリー・クリントンがオバマ政権の国務長官だった2009年にホンジュラスでクーデターが起きている。ヒラリー・クリントン氏がこれに関与していたと批判してきたホンジュラスの環境活動家が先日、暗殺された。米報道番組「デモクラシー・ナウ!」がこの件を報じた。(2016/03/12)


コラム
石油低価格騒動の背景は? 1つの仮説 原油がただになる日
今世界で起きている原油価格の大暴落。サウジアラビアとイランの宗教対立と勢力争い、あるいはアメリカとロシアの覇権争い、サウジアラビアと米国石油産業の闘争など、様々な解説が出ています。またその背景には中国の不況によって石油消費が減少していることも加えて語られています。つまり、世界を見ると、今非常にとげとげした時代になっていることを背景にあると語られています。いずれももっともなのですが、1つ欠落しているものがあるように感じられます。(2016/03/11)


アフリカ
「国連事務総長が西サハラ難民キャンプにやってきた!」 Le secrétaire général de l'Onu, Ban ki Moon est arrivé ! アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)
バン・ギムン国連事務総長の西サハラ難民キャンプの訪問は彼の任期終了間際のことだったが、虚弱なモロッコ王国への一種の平手打ちだった。それは同時にモロッコとそれを支持する国々がこれまで行ってきた植民地政策に対する否認でもある。国連の最高責任者がアルジェリアのチンドゥーフにある西サハラ難民キャンプを訪ねたことは、そして同時に西サハラ解放区のBir Lahlouをも視察したことは、サハラ・アラブ民主共和国が承認を受けたと考えてもよいのではないか。(2016/03/10)


アフリカ
モロッコが西サハラ難民キャンプを訪れた潘基文・国連事務総長とアルジェリアを激しく非難
   潘基文・国連事務総長がアルジェリアの西部にある西サハラから来た人々の難民キャンプを訪れ、40年にわたる過酷な生活に思いをはせ、声明を出しました。このことは本紙の平田伊都子氏の記事の通り、これまでになかった画期的な出来事でした。ところが、これに対して、西サハラを軍事占領し、実効支配してきたモハマド6世をいただくモロッコが激しく非難していると伝えられています。これはアルジェリアの新聞です。(2016/03/10)


コラム
「筋骨たくましい女性の体について」 ナタリー・ガッセル(ベルギーの女性の作家) 'Sur le corps féminin athlétique' Nathalie Gassel
  筋骨たくましい女性の体。それは女性が平等に持っている1つの自由。それはぞくぞくするほど楽しく、力が増していく感覚。日常マメに努力して続けているスポーツと鍛錬によって、私は自分の肉体を作り変えている。太ももや、お尻、背中の筋肉、胸の筋肉、とりわけ二の腕の筋肉ね。なぜなら、これらの部分が最初に人の目につくところだから。(2016/03/10)


みる・よむ・きく
文京洙著「韓国現代史」
 立命館大学教授の文京洙氏が書いた「韓国現代史」(岩波新書)を通読。最近の朝鮮半島の情勢がメディアで大々的に報じられている今、「現在」という1つの点でなく、長い歴史を通してパースペクティブを持ちたいと思ったのです。本書は近代以後、特に第二次大戦後の韓国の歴史の大きな流れが一通り述べられていて、座右に置いておきたい一冊です。本書が書かれたのは約10年前、第二次大戦終結から60周年の年でした。そして最近、文京洙氏は本書を「新・韓国現代史」にリニューアルしました。(2016/03/09)


みる・よむ・きく
ダグラス・ラミス著「最後のタヌキ 英語で考え、日本語で考える」
アメリカ人の政治学者、ダグラス・ラミス氏が書き下ろした英語と日本語の対訳になっているテキスト集。翻訳は中村直子氏によるもの。1988年に刊行されたこの本の売りは300語の平易な英単語だけで1つのテキストが書かれている、ということでした。それまで英文を書くことは限りなく不可能に近い、と思っていた日本の人々にそうではないことを実証的に見せようとする試みです。しかもそれらのテキストは平和の構築について考えるものでもありました。(2016/03/07)


米国
検証されるヒラリー・クリントン元国務長官のリビア攻撃策 オバマ政権のタカ派元国務長官
5年前の今月、米国のリビア軍事介入が始まったとして、ニューヨークタイムズや「デモクラシー・ナウ!」などでヒラリー・クリントン氏の責任問題の検証が行われている。(2016/03/05)


みる・よむ・きく
ドミニク・コルビ著「フランス料理13章〜日本で究めるモダン・クラシック」 Dominique Corby 'Les 13 chapitres - La cuisine française au japon'
1965年にパリで生まれ、「ラ・トゥールダルジャン」などの著名な店を経て、来日したフランス料理シェフ、ドミニク・コルビ氏が書き下ろしたフランス料理のレシピの本が「フランス料理13章〜日本で究めるモダン・クラシック」(柴田書店)です。フランス料理の本は多数出版されており、またフランス語を解説したフランス料理関連本も多数出ていますが、この本はレシピが日仏対訳になっているところがその他の多くの本との大きな違いです。(2016/03/04)


国際
米大統領予備選 ヒラリー・クリントン候補(民主党)が南部各州で優勢
  スーパーチューズデイの民主党の開票速報ではヒラリー・クリントン候補の優勢が開票開始後、すぐに伝えられたが、次第に細かい報道が続きはじめ、ウォールストリートジャーナルによると、ヒラリー・クリントン候補が今わかっている時点でテキサス、アーカンソー、アラバマ、テネシー、ジョージア、バージニアの6州で勝利、バーニー・サンダース候補は地元バーモントとオクラホマで勝利した。(2016/03/02)


米国
米大統領選と「メキシコ人」 ディカプリオにオスカーを取らせたメキシコ人
 昨日は1日、レオナルド・ディカプリオのオスカー受賞の記事が世界中を飛び回ったが、こんなメッセージまで出てきた。「レオナルド・ディカプリオはついにオスカーを手にした。それを助けたのがアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督だ。」(2016/03/01)


文化
ディカプリオがアカデミー賞・主演男優賞を受賞 受賞のスピーチで地球環境問題に触れる
長年、米アカデミー賞の候補に何度も上りながら受賞を逃してきた俳優のレオナルド・ディカプリオ氏が今回、主演男優賞を受賞した。出演した映画「レヴェナント 蘇えりし者」は19世紀のアメリカの荒野を舞台にしたサバイバルと復讐の劇で、監督はメキシコ出身の才人、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。(2016/03/01)


国際
3月1日(火曜)=スーパーチューズデイ 米大統領予備選、南部で伸び悩むバーニー・サンダース候補はどう進むのか
明日、3月1日火曜日は米国ではスーパーチューズデイと呼ばれ、多くの州で一斉に大統領予備選の投票が民主党、共和党ともに行われる。共和党は11州、民主党も11州(米領サモアを入れると12州)で予備選が予定されている。そのため、実質的な決戦の日と言っても過言ではない。それぐらい重要な日である。(2016/02/29)


国際
サウスカロライナ州の米民主党予備選 ヒラリー・クリントン候補の勝利か ダブルスコア以上で圧勝の見込み
昨日、米南部のサウスカロライナ州で行われた民主党予備選では出口調査や開票当初の状況から、ヒラリー・クリントン候補がバーニー・サンダース候補を破った模様。ワシントンポストなど複数のメディアが一斉に報じている。決め手になったのは黒人票がヒラリー・クリントン候補にとどまったことだった。(2016/02/28)


米国
米国の最低賃金と失業率 オバマ大統領の時代と次の米政権
今、怒涛の勢いで若者を中心に大統領予備選で民主党候補として台頭しているバーニー・サンダース候補の公約の柱の1つが全米の最低賃金を15ドル(時給)にせよ、というものです。現在、全米の最低賃金は7.25ドルです。つまり、およそ2倍にせよ、というのですから、劇的な数字とも言えます。この最低賃金の底上げはサンダース候補に限らず、そもそもオバマ政権が目指した目標ですが、米国で経済学者を中心に異論もあり、議論を呼んできた争点でした。(2016/02/27)


国際
スパイク・リー監督がラジオでバーニー・サンダース支持を訴える 「サウスカロライナよ、目を覚ませ!」
映画監督のスパイク・リー氏がラジオでバーニー・サンダース候補の支持を訴えた。次の民主党の大統領予備選は南部のサウスカロライナ州で行われるが、ここは民主党有権者の55%くらいが黒人だとされる。これまでヒラリー・クリントン候補が黒人票をおさえていた。予想でもヒラリー・クリントン候補支持が60%台で、サンダース支持が20%台と大きく開いていた。サンダース支持が広がりつつあるとはいえ、まだ壁がある。そうした中で、黒人に影響力がある映画監督のスパイク・リー監督が登壇した。(2016/02/24)


みる・よむ・きく
坂本素行著「糖尿病S氏の豊かな食卓」 陶芸家が病を機に豊かな食生活について真摯に考えた
  以前、「料理王国」というグルメの食の雑誌に連載されたコラムをもとに執筆されたのが「糖尿病S氏の豊かな食卓」(料理王国社)です。著者の坂本素行氏は日本橋などの著名なギャラリーで展示を行ってきた陶芸家。で、糖尿病S氏とは坂本氏に他なりません。本書は食というシーンに深く関わる器を作ってきた坂本氏が、自分の病気をきっかけに、食のあり方を見直し、自前で料理を作ってきた記録と言って過言ではありません。(2016/02/24)


文化
画廊主コリーヌ・ボネ氏 Corinne Bonnet(la galerie Corinne Bonnet) 芸術家と今の世界 Artists and the world
 コリーヌ・ボネ画廊の創設者であるコリーヌ・ボネさんは今、フランスでテロによって高まってきているものものしく警戒的な空気に抵抗するための展示会を開催しています。「世界の源を見つめる16人の眼差し」という共同展示会です。画廊はパリのモンパルナスの近くにあり、現代文化の中で強い光を放っています。コリーヌさんは「芸術家こそ表現の自由の最後の砦であり、開かれた心の最後の砦であり、繊細な知性の最後の砦である」と語っています。(2016/02/23)


北朝鮮
米朝平和条約交渉の行方 ワシントンD.C.と平壌
1月初旬に北朝鮮が水爆実験を行ったと公表し、そのニュースが世界に広がった。一方でオバマ政権は昨年末、北朝鮮の求めに応じて米朝平和条約の交渉を行う方針だったとの記事がウォールストリートジャーナルや、朝鮮日報などで報じられている。(2016/02/22)


国際
ネバダ州でヒラリー・クリントン候補が僅差で勝利 民主党予備選で鍵を握る黒人票
週末の土曜日にラスベガスのある西部、ネバダ州で行われた米大統領予備選で、ヒラリー・クリントン候補が接戦ながら僅差でバーニー・サンダース候補に勝ちました。ニューヨークタイムズによると、黒人票の大半がヒラリー候補に投じられたことが効いているようです。ネバダ州では黒人の比率は人口の8%前後のようですが、民主党に限ると黒人・ヒスパニックをあわせて有権者の30%前後になるようであり、接戦となるとその票の行方が勝敗を左右します。(2016/02/22)


みる・よむ・きく
「資本論」を読む試み 21世紀の恐慌と資本主義
  2008年に顕在化したアメリカ発の金融恐慌。不健全なアメリカの不動産市場に端を発し、物理学者や数学者を動員して構築した複雑な金融テクノロジーを通して、恐慌はアメリカばかりか、欧州に飛び火し、欧州連合の危機と右翼政党の台頭を各国で生み、さらにその火は新興国をも襲い始めています。こうした世界最新の金融恐慌について世界でもっとも引用されているという米国の経済地理学者のデビッド・ハーヴェイ教授は「資本の「謎」〜世界金融恐慌と21世紀資本主義〜」の中で分析しています。この恐慌の問題はカール・マルクスがその著書「資本」(日本では論という言葉をつけて「資本論」と訳されている)の中で分析している資本主義に内在する問題であり、ハーヴェイ教授はニューヨークで「資本」の読み直しを行っています。(2016/02/21)


アフリカ
燃え上がるリビア 「アラブの春」の果てに
 リビアが日増しにシリア化、イラク化、つまりはイスラム国化しているようです。リビアのシルトがリビアにおけるイスラム国の拠点になり、イスラム国戦士が続々集結している事態は中東、アフリカ諸国に詳しい平田伊都子氏の記事に出ています。2月19日つまり昨日になりますが、米軍がリビアのSabrathaという町の近郊を空爆しました。この町は地中海岸にあり、首都トリポリの70キロほど西に位置し、チュニジアとの国境とトリポリとの中間あたりに位置します。米軍によると、この日の空爆の狙いはSabratha近郊にあるテロリストの訓練キャンプとのことで、ここでチュニジア人のNourredine Chouchane容疑者が活動していたとされています。(2016/02/20)


文化
サンジェルマンデプレで行われた人類学者ルネ・ジラールへの追悼の集い ジャン・ビヤンボーム(Jean Birnbaum)
 昨年11月、「模倣される欲望」の理論で知られる人類学者のルネ・ジラール氏がカリフォルニアの自宅で亡くなりました。享年91.生まれはフランスのアヴィニヨン。その後、渡米してスタンフォード大学などを中心に活躍しました。それから3ヶ月後の2月16日、パリで追悼の式典が行われ、ル・モンドの書評も含め多彩な執筆活動を行っているジャーナリストのジャン・ビヤンボーム氏も参加し、そのときの思いを記しています。「今夜、人類学者ルネ・ジラールの追悼の式典が行われた。僕も出席して、その素晴らしさにとても感動したんだ。ハイドンの音楽が流れ、聖書のヨブ記とルカの福音書が朗読された。ミサが行われたのはサンジェルマンデプレにある教会で、ここは生前、ジラールがパリに居たとき通っていた場所なんだ。」(2016/02/19)


みる・よむ・きく
パトリック・モディアノ著「ドラ・ブリュデール」(邦訳タイトル「1941年。パリの尋ね人」)
1年で一番寒い2月半ば、フランスの作家パトリック・モディアノの「ドラ・ブリュデール」(邦訳タイトル「1941年。パリの尋ね人」)を読んだ。この小説、というよりノンフィクションの重要な事件がちょうどこの厳しい季節に起きるのだ。1942年1月から2月のパリは極寒だったことが記録されているらしい。パトリック・モディアノは死んでいった人々を哀悼し、過去に想像力の糸を下ろしていく作家であることで知られていて、ノーベル文学賞の受賞理由もそうだった。「ドラ・ブリュデール」の場合はたまさか目にした第二次大戦中の古い新聞〜過去の史実をライブラリーでひもといていたのだろうか〜で、ドラ・ブリュデールという名前の15歳の少女の行方を探す尋ね人の広告をモディアノが目に留めたことに端を発する。広告を出したのは少女の両親である。それは1941年12月31日のパリ・ソワール紙の欄だった。(2016/02/18)


国際
ニューハンプシャー州予備選でトランプ旋風健在 南ア出身の風刺漫談家トレバー・ノアのトランプギャグ
 ニューハンプシャー州で行われた共和党予備選、アイオワでの屈辱を晴らし、ドナルド・トランプ候補がテッド・クルーズ候補やマルコ・ルビオ候補らをおさえて首位に立った。トランプ氏は勝利宣言の場で「中国や日本やメキシコは貿易でぶちのめす」と語った。これらの国々はアメリカの富を奪っていったというのがトランプ氏の持論だ。さまざまな暴言が報じられて、共和党からも批判が出ているトランプ氏だが、そうしたさまを南アフリカ出身の漫談家トレバー・ノアが番組「Daily Show」で「アフリカ的だ」と茶化している。(2016/02/11)


アフリカ
アルジェリアの憲法改正 大統領職を2期までに制限 ベルベル語を第二公用語に アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)
アルジェリアの国会の2院で憲法改正の投票が行われました。独立以来、7回目の改正であり、1999年に大統領に就任したブーテフリカ政権になって以来では3度目になります。ブーテフリカ政権は通算17年に渡る記録的長期政権になっています。国会議員606人のうち、517人の議員が改憲に関して投票しました。賛成票が499、反対票が2、16人は白票を投じました。残りの議員たちは投票をボイコットしたのです。(2016/02/10)


欧州
フランス国会(下院) テロ関連罪で訴追された人物が二重国籍者の場合はフランス国籍を剥奪 テロ対策で憲法を一部改正 議員の4分の3が棄権
昨年末から激しい議論を呼び起こしてきたフランスのテロ対策のための憲法改正案が月曜、フランスの国会下院を通過した。テロの場合の緊急事態に対する措置として、憲法を一部(第一条など)改正することにしたのだ。これに対して、緑の党や左翼党などが人権尊重の見地から反対してきた。とくに議論を呼んだのはテロ関連罪で訴追された人物が二重国籍者の場合、フランス国籍を剥奪するというもの。オランド政権のクリスチャーヌ・トビラ司法大臣までが憲法改正案に反対を表明して辞職することになった。(2016/02/10)


文化
パリの芸術家 パタフィジシャンの画家、ゴルゴ・パタゲイ氏に聞く
フランスには前衛芸術の流れが19世紀から脈々と流れており、その思想的源流の一つがアルフレッド・ジャリの文学世界に霊感を得て世界を違った視点から眺める「コレージュドパタフィジック」という流派です。この流派には作家のボリス・ヴィアンやレイモン・クノー、ジョルジュ・ペレック、詩人のジャック・プレヴェール、映画監督のルネ・クレールなどが参加しており、文学のみならず美術や映画など多くのジャンルに影響を及ぼしてきました。彼らはパタフィジシャンと呼ばれています。今回、パタフィジシャンの画家であるゴルゴ・パタゲイ(オウム、パタフィジシャン)氏に話を聞きました。(2016/02/09)


国際
米大統領予備選は大陸横断ウルトラクイズに似ていた 未だ候補者乱立の共和党
今年はアメリカの大統領選挙の年。民主党、共和党それぞれの党の大統領候補選出のための予備選挙はアイオワ州から始まった。アイオワ州はいつも最初の予備選が行われる場所になっており、民主党はヒラリー・クリントン候補とバーニー・サンダース候補がほぼ引き分け、共和党では右派のティーパーティの支援を受けるテッド・クルーズ候補が勝利した。そして、次のニューハンプシャー州でふたたび討論会を行っている。大統領選挙の予備選の討論会は米国の一部とはいえ主要な政治家の姿がある程度うかがえて非常に興味深い。米国で何が国政上の主要なテーマになっているのかも感じられる。(2016/02/09)


文化
音楽にかける青春 ミラン・ルジェハークさん 留学先のストックホルムからの手紙 Milan Řehák ’Letter from Stockholm’
 プラハでアコーディオン奏者を目指して修行に勤しんできた音楽学生のミラン・ルジェハークさんが、昨年秋、スウェーデンに留学しました。ルジェハークさんは期待の新星で、この数年、パルドゥビツェ(チェコ)やプーラ(クロアチア)やサンクトペテルブルク(ロシア)などで開かれた国際コンクールで優勝を何度も経験しています。そして新しい冒険の地、ストックホルムから手紙が届きました。「 スウェーデンでの今の生活はこの地に留学したかった思いの結果によるものです。その思いは満たされています!ストックホルム王立音楽学校でAnita Agnas先生の指導を受けているんです」(2016/02/08)


国際
「米国を作ったのはキリスト教的価値観」 アイオワ州の共和党のテッド・クルーズ候補の勝利宣言 
   2月1日、米アイオワ州で民主党候補のヒラリー・クリントン氏が勝利宣言を行い、民主党候補のバーニー・サンダース氏が引き分け宣言を行った頃、共和党の勝者となったテッド・クルーズ候補は「アイオワは夜明けが来つつあることを告げている」と勝利宣言を行った。(2016/02/07)


みる・よむ・きく
堀江敏幸著「子午線を求めて」
 仏文学者で作家の堀江敏幸氏によるフランス文学界のコラム集「子午線を求めて」が出版されたのは2000年のことでした。その頃、筆者はフランス語の勉強を再開した頃で、よき読書ガイドと思いハードカバーで買って読んだことを記憶しています。堀江氏はサルトルとか、ジッドとか、モーリアックのような文豪ではなく、ロマンノワールなどのフランス文学史にどこまで残るか未知数の作家群に惹かれるとして、本書の中でもそうした作家が中心的に紹介されています。とくに郊外に焦点が絞られているため、移民だったり、貧困層だったりといった庶民の暮らしがそこで書き込まれているのです。(2016/02/07)


国際
ヒラリー・クリントン候補がバーニー・サンダース候補に「もったいぶった誹謗はやめてよ」
 昨秋、自民党から総裁選に立候補しようとして支持者が集まらず立候補を取り下げた野田聖子議員は先日、安倍首相と仲直りのハグ(抱擁)をしたと伝えられる。そんな昨今、アメリカでは激しい選挙戦が行われている。(2016/02/06)


みる・よむ・きく
フィリップ・ラゴートリエールの世界 どこか懐かしい漫画的なキャラクター満載 Philippe Lagautrière
どこか懐かしい漫画的なキャラクターが無数に絵の中に存在して、あちこちでいろいろな事件が起きている。解釈の仕方はさまざま。ただ言えるのは理屈や物語の解読はさておき、純粋に色と形の集まり、つまり絵画として非常に目を楽しませてくれる、そんな作品群に出会いました。作者はフィリップ・ラゴートリエールさん。現在、パリ14区のコリーヌ・ボネ画廊でラゴートリエールさんが企画の中心となった共同展示会「世界の源を見る16人の眼差し」を開催中です。期間は2月27日まで。パリで活躍している美術家フィリップ・ラゴートリエールさんに話をうかがいました。(2016/02/05)


国際
「アイオワ・サンキュー!」開票後、バーニー・サンダース候補の第一声 米報道「30歳未満のアイオワ州民主党有権者の84%がサンダース支持」
「アイオワ・サンキュー!」2月1日のアイオワ州での開票後、わずかの僅差でヒラリー・クリントン候補に負けたものの、実質的には49%台でほぼ引き分けだった民主党大統領候補のバーニー・サンダース氏は開口一番、アイオワ州民の支持者に感謝を表明した。(2016/02/03)


国際
アイオワ州の民主党予備選 ヒラリー・クリントン候補がバーニー・サンダース候補にごく僅差で勝利宣言
アイオワ州で昨日行われた民主党予備選で大統領候補のヒラリー・クリントン候補が勝利宣言を行った。USAトゥデイによると、開票終了間際の数字では両候補ともに49%台の非常な接戦だったようだ。(2016/02/02)


TPP/脱グローバリゼーション
米大統領選とTPP ヒラリー・クリントン候補のTPP反対表明の波紋 TPP再交渉の可能性も
 紆余曲折を経て、昨年10月に大筋合意を取り付けたTPP(環太平洋経済連携協定)だが、今、三度、逆風が吹いている。日本側では担当大臣だった甘利明経済再生担当大臣がスキャンダルの責任をとって辞職したばかり。一方、舵を握る米国でも、オバマ政権の後継となる可能性を持つヒラリー・クリントン候補や、ヒラリー候補を追うバーニー・サンダース候補らがTPPに反対していることである。(2016/02/02)


みる・よむ・きく
池内恵著「イスラーム国の衝撃」
 文春新書から1年前の2015年1月に出版された池内恵氏の「イスラーム国の衝撃」は情報が満載された好著である。アラブ世界の思想を研究してきた池内氏が本書を書きあげた動機はイスラーム国の存在がクローズアップされた2014年6月のイラクへの勢力拡大を経て、2015年1月の日本人2人の人質殺害まで、日本国内におけるイスラム国への関心が急速に拡大していたことだった。本書で池内氏が探求したことは2つの事柄からなる。(2016/02/01)


国際
「アメリカを探して」 バーニー・サンダース陣営の選挙広告にサイモン&ガーファンクルの歌を使用
当初はヒラリー・クリントンの支持率が60%近くあって圧勝と見られていた民主党予備選だが、バーニー・サンダースが猛追して面白くなってきた。サンダース氏は格差社会の是正を掲げている。選挙キャンペーン広告ではサイモン&ガーファンクルの歌を使って、真のアメリカを探し求めるというメッセージを伝えている。(2016/01/31)


国際
明日2月1日、アイオワ州で民主党の最初の予備選の投票 ヒラリー・クリントン氏とバーニー・サンダース氏の激しい戦いに
  明日2月1日、米大統領予備選はアイオワ州で民主党の最初の投票が行われる。ヒラリー・クリントン候補にバーニー・サンダースが猛追している。以下は1月17日に行われた民主党候補のテレビ討論。(2016/01/31)


みる・よむ・きく
丹羽宇一郎著「中国の大問題」 〜民間出身の中国大使として各地を足で回って中国をどう分析したか 2012年の尖閣をめぐる確執で何が政府に起きたのか〜
 伊藤忠商事会長だった丹羽宇一郎氏は2010年に民間人として中国大使に就任した。アメリカやフランスでは珍しくないことだが、日本においては民間人が大使に就任することは非常に希な事態だった。財界人として中国とのパイプを持っていることから、民主党の菅直人政権によって任命された。だが2012年に起きた尖閣諸島をめぐる日中間の確執がもとで、更迭される。時の首相は野田佳彦氏だった。本書は丹羽氏が2014年に書き下ろした新書であり、本書の中には中国大使時代の経験が色濃く反映している。とくに注意深いのは言うまでもなく、尖閣諸島をめぐる2012年のトラブルの際の日本政府の行動だろう。(2016/01/31)


国際
米大統領選 あのトランプ氏が「リベラル」と批判されていた・・・ ネガティブキャンペーンで批判集中「我々はトランプという人物をどの程度知っているのか?」
 米大統領選ではネガティブキャンペーンが大々的に行われる。イスラム教徒の入国を禁じる、などの暴言で話題になっている共和党候補のドナルド・トランプ候補に、ライバル共和党候補陣営から「隠れリベラル」との批判が集中している。ネガティブキャンペーンの映像や記事を読むと、トランプ氏が過去に拳銃所持に反対したこと、中絶支持であったこと、国民皆保険を支持したこと、イランとの核交渉で民主党のヒラリー・クリントン候補を支持していたといったことなどが、発言映像などを交えて伝えられている模様。ネガキャンを行っているのはトランプ候補を追う二位のテッド・クルーズ陣営だと報じられている。(2016/01/30)


国際
米大統領選 アラスカのサラ・ペイリン氏が再登場 共和党右派から実は<隠れリベラル>と疑われているトランプ氏の‘保証人’に
   米大統領選は民主党では伏兵、格差社会の是正を掲げるバーニー・サンダース氏がヒラリー候補に迫る勢いになっており、一方の共和党はトランプ候補が独走している状況のようです。移民やイスラム教徒などへの暴言で知られるトランプ候補に、サラ・ペイリン氏が副大統領候補としてタッグを組む気配。これを風刺した漫画が常連のパトリック・シャパット氏のものです。(2016/01/30)


欧州
クリスチャーヌ・トビラ仏司法大臣辞職の波紋 テロ関連で有罪となった移民の二重国籍者からフランス国籍を剥奪する憲法改正に反対 同性婚の立役者
昨年からイスラム原理主義勢力のテロで揺れるフランスで今月、また激震が起きた。といっても今回はテロ事件ではない。テロ対策を巡ってフランスの司法大臣がオランド大統領や首相に対立して辞職したのだ。1月27日のことだ。辞職したのはクリスチャーヌ・トビラ司法大臣(Christiane Taubira、63)。(2016/01/29)


アフリカ
わがカビリー地方の山々 アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)
  この写真はアルジェリアのカビリー地方です。ジュルジュラ( Djurdjura)が山の名前です。首都のアルジェからは東に170キロほど離れています。カビリー地方の住人は山岳地帯に住んでいます。カビリー地方の行政の中心はティジ・ウズー(Tizi ouzou)という町です。(2016/01/28)


みる・よむ・きく
独断と偏見の読書ガイド 10日間・国民投票までに読みたい7冊
 今からちょうど2年前の1月、日刊ベリタに以下の読書ガイドを書きました。普段は1週間限定の読書ガイドにしていたのを、3日間増やして10日間にしたのは恒例の独断と偏見によって必要だと考えた本を読み切るには1週間では足らない、と考えたからでした。(2016/01/28)


安倍政権を検証する
参院選と改憲 戦後の自由を保証した個人主義の終焉の年となるか
 安倍首相はこの夏の参院選で勝利した後、国民投票で過半数を得て憲法改正を行う目算です。しかし、日本国内では憲法が大きく変わる、つまり、日本国家のあり方が大きく変わることに対する緊張感が弛緩している印象があります。たとえば自民党の改憲案には個人の尊重が欠落していますけれども、このことは思想や表現の自由に対する大きな妨げになるでしょう。(2016/01/27)


米国
米国 銃メーカーのウハウハ模様 株価は高騰 「オバマ大統領は地球で最良のセールスマン」
 沸騰する銃メーカーの株価。乱射事件 ⇒ 売上激増。 (2016/01/26)


コラム
さそりとカエル
さそりとカエルが登場する古典的なジョークがあります。そのジョークは作家・開高健によるアンソロジーで知ったのですが、開高によるとベトナム戦争に即して、語られていたそうです。川を前にして、さそりが近くにいたカエルに提案する。「あんたが対岸に渡るんだったら、よかったら、あんたの背中に私を乗せて行ってもらえないか。」(2016/01/26)


安倍政権を検証する
TPPの震源地 アメリカでの甘利経済再生担当大臣の賄賂報道
  今、事務所が賄賂を受けた疑いで週刊文春をはじめ、国内メディアで報じられている渦中の甘利明経済再生担当大臣と言えば10月に大筋合意したTPPの立役者として株を上げた矢先のこと。TPPの震源地米国のニューヨーク・タイムズ国際版では’Key Abe ally in Japan is accused of selling favors '(安倍首相の重要な腹心が賄賂で告発される)という見出しで報じられた。(2016/01/25)


コラム
テニスシューズ
  こういうジョークを見聞した。素っ裸の女性がテニスコートの入口に立っている。身につけているものはテニスシューズだけだ。スカートもブラジャーもない。彼女が立ちどまっている入口の脇にはこんな注意書きが掛けられている。(2016/01/24)


中東
サダム・フセイン政権とイスラム国 その関係をめぐる新たな分析が英語メディアに現れる
イスラム国を支えているのは旧サダム・フセイン政権時代の軍人や官僚たちだという説はすでに常識になっている。しかし、イスラム国自体が、その源流をたどればサダム・フセイン政権時代に培われていた、という考え方は未だに新しい説である。こういう説が12月24日〜25日付のインターナショナルニューヨーク・タイムズに出ていた。タイトルは’ISIS' debt to Saddam Hussein '(イスラム国がサダム・フセインに負うもの) 寄稿者はカイル・オートン氏(Kyle Orton)、中東のアナリストという肩書きである。(2016/01/24)


欧州
フランス 地方選で思わぬ敗北を喫した国民戦線の軟化? 党内でEUR離脱をめぐる意見の相違も報じられる
昨年、12月のフランス地方選。一回目の投票で一位についた国民戦線だが、2回目の投票で国民戦線を勝たせない作戦に出た社会党などの連携によって、大敗を喫することになった。あれから1ヶ月。国民戦線の変化を告げるかのような記事がL'EXPRESSに出ている。(2016/01/23)


みる・よむ・きく
若林正丈著「台湾の政治 〜中華民国台湾化の戦後史〜」(東京大学出版会)
1月16日に台湾で行われた選挙で、野党・民進党から出馬した蔡英文候補が大統領にあたる総統に選出された。同時に行われた立法院議員選挙でも民進党が過半数の68議席(全113議席中)を獲得して、行政・議会ともに舵を取ることになった。台湾の政治の変化を考えるためには台湾の歴史の流れを無視することは不可能である。若林正丈著「台湾の政治」はそれを考えるときに参照できる貴重な資料だと思う。この本には「中華民国台湾化の戦後史」と副題が添えられている。このことを400ページもの記述で考察したのが本書である。(2016/01/21)


文化
ブルキナ・ファソのテロ事件で写真家/ビデアストのレイラ・アラウィ(LEILA ALAOUI)氏も死亡 〜マグレブ地方の人々や欧州へ越境した人々の息吹を伝える写真家・ビデオ芸術家だったようだ〜
  写真家でビデオ・アーチストでもあるレイラ・アラウィ氏がアフリカのブルキナファソの首都、ワガドゥグーで1月15日に起きたテロ事件で重傷を負い、3日後の18日に亡くなった。ビデアスト(ビデオアーチスト)、写真家として、ルーツの地であるモロッコなどを旅して、多様な文化の足跡や、フランスに移民したマグレブ地方の労働者らの声を伝えてきた。(2016/01/19)


アフリカ
「ホシン・アイット・アメッド 」 〜アルジェリア民主化の闘士、死す 享年89〜 アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)
 ホシン・アイット・アメッド(Hocine Ait Ahmed)は1926年8月20日、アルジェリアの山岳地帯として知られるカビル地方の小さな村で生まれた。アイット・アメッドはその村の名前であるのだ。彼はアルジェリア・ナショナリズムの先頭に位置した人物であり、1954年11月1日に革命を起こした9人の中の一人なのだ。ホシン・アイット・アメッドが自由や人間の尊厳といった価値を学び取ったのはアルジェリア人民党においてだった。この政党はアルジェリアのナショナリズムにとっては欠かすことができない人物であるメッサリ・ハッジ(Messali Hadj)によって設立された。ホシン・アイット・アメッド終生、その道から外れることはなかったのだ。そして、彼はその道をアルジェリアに築いた。しかし、アルジェリア人民党にホシン・アイット・アメッドが入党したのはわずか17歳だったのだ。(2015/12/30)


アフリカ
アルジェリア独立のリーダーの一人、Hocine Ait Ahmed 氏が亡くなる
 アルジェリア独立のリーダーの一人、Hocine Ait Ahmed氏がスイスのローザンヌの病院で亡くなった。89歳だった。Hocine Ait Ahmed氏は1954年11月1日にフランスに対して、独立戦争を起こしたアルジェリア民族解放戦線(FLN)のリーダーの一人だった。(2015/12/25)


文化
ホーネッカー・ジョーク
  密告や監視が日常的に行われる世界を好む人々はいるのでしょうか。独裁国家は言論の自由が奪われた世界です。独裁国家では人々は抑圧されるために、政治指導者を風刺するジョークがたくさん作られるます。ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツにもホーネッカー・ジョークと呼ばれるものがありました。(2015/12/25)


アジア
シーシュポスと沖縄の基地
 沖縄の基地問題は敗戦から70年間、ずっと続いている。沖縄が米国から返還された後も、未だに基地問題は解決していない。そればかりか、新たな基地の建設も始まろうとしており、ますます難しい政治的問題になっている。いや、もはや政治を超えて不条理な事態になっている。沖縄の人々はシーシュポスの神話のように、未来永劫その軛から逃れることができない運命なのだろうか。沖縄について、こんな小話を聞いた。(2015/12/21)


みる・よむ・きく
田邊貞之助著「ふらんすの故事と諺」
  仏文学者、田邊貞之助著「ふらんすの故事と諺」は1959年(昭和34年)の出版である。今から56年も昔の諺の本が今日、どのような価値を持っているのだろうか?一読して感じたことは少なからず、今日ではあまりインパクトがなくなってきていることだ。「Argent comptant porte medecine = 現金は薬をもたらす」という諺もその1つで、「金の威力をたたえた諺」と解説されている。けれども、今日、そんなことは言わずもがな、と思える。逆に昭和34年、つまり1960年の安保闘争の1年前は金の威力の諺に「なるほどな〜そうかもな〜」と思う日本人がまだたくさんいた、ということなのだろうか。金の力は今よりも一般通念になっていなかったということだろうか。(2015/12/20)


国際
南沙諸島の戦争
 最近、何かときな臭い印象を受けるのが東アジア周辺の海域。こんな小話を聞いた。南沙諸島周辺で漁船同士の衝突が起こり、駆けつけたフィリピン海軍と中国海軍が互いに砲撃を始めた。やがて戦争は周辺国を巻き込んで本格化し始めた。 (2015/12/18)


文化
コンゴ出身の作家アラン・マバンクウ氏がコレージュ・ド・フランス教授に 3つの大陸で黒人の生と文学を見つめる 3月17日に就任記念講義
 コンゴ出身の黒人作家アラン・マバンクウ氏がフランスの高等文化教育機関コレージュ・ド・フランスの教授に選出されました。来年3月17日に就任記念講義を行う予定です。講義のテーマは「アフリカの黒人に焦点を当てた、植民地における文学について」。コレージュ・ド・フランスの教授には哲学者のアンリ・ベルクソンやミシェル・フーコー、歴史学者のフェルナン・ブローデル、人類学者のクロード・レヴィ=ストロース、社会学者のピエール・ブルデューなど、フランスを代表する知識人が就任しています。しかし、一般の大学と異なり、講義が市民に開かれているのが特徴です。(2015/12/18)


欧州
エリック・ゼムール氏がイスラム教徒への憎悪をかき立てる発言をしたとして罰金3000ユーロ(約40万円)
 フランスのジャーナリスト・コメンテイターのエリック・ゼムール氏がフランス在住のイスラム教徒全体に対する憎悪をかき立てる発言をイタリアの新聞Corriere Della Seraに対して昨年10月に行ったことで軽犯罪裁判所で罰金3000ユーロを課されることになった。(2015/12/18)


みる・よむ・きく
アート・バックウォルド傑作選1 「だれがコロンブスを発見したか」
現代日本においては政治が迷走し、多くの有権者は政治に対して、既存の政党に対して絶望を深めつつある、ということである。絶望を深めつつも、どうすることもできない無力感に襲われる人は少なくないだろう。そのような事態を招いているものは、人間存在そのものなのであり、つまるところ、そうした人間存在を笑う、ということは一種の健康さでもある。でなけれやりきれないからでもある。(2015/12/15)


欧州
フランス地方選「最大の敗者はサルコジ共和党党首だった」
フランス地方選、1回目で最大得票率を得た極右政党の国民戦線が蓋を開けてみると、2回目では大敗し、1つの地域圏でも勝つことができませんでした。一番勝ったのはサルコジ党首が率いる右派の共和党(旧・国民運動連合)のグループでした。ところが、フランスメディアでは今回の選挙での一番の敗者はマリーヌ・ルペン国民戦線党首ではなく、当のサルコジ共和党党首であるとする報道が出ています。いったいなぜ、最大多数を勝ち得た共和党を率いたサルコジ氏に対して、そのような批判的な記事が出ているのでしょうか?(2015/12/15)


欧州
フランス地方選 決選投票 国民戦線、大敗か 投票率の増加が勝敗の鍵を握った模様 2002年大統領選の再来
  昨日、12月13日(日曜)、フランスで行われた地方議員選挙の2回目の決選投票で1回目の投票では大勝した国民戦線が今度は大敗を喫した模様。1地域圏も取れない可能性もあると、報じられている。全13地域圏のうち、躍進したのは右派の共和党(旧・国民運動連合)で7地域圏を確保、社会党も5地域圏を確保して面目を保った形になりそうだ。(2015/12/14)


検証・メディア
スペインのエル・パイス紙が報じた日本の表現の自由度
スペインのエル・パイス紙が世界の表現の自由度を色分けして世界地図で示している。表現の自由が高いほど点数が上がり最高点が8とすると、日本は3.27とランキングはとても低い。ちなみにロシアは3.34、インドは3.68、ナイジェリアは3.51、韓国は3.83、フィリピンは4.60である。(2015/12/14)


米国
米国防長官がドイツにイスラム国討伐へのさらなる兵員派遣を要求か
戦後70年を経て、ドイツが一歩また一歩と戦争に足を踏み込み始めている。ドイツはイスラム国征伐に1200人の部隊の派遣を決定し、兵員はトルコの軍事基地に到着したばかり。ドイツのシュピーゲルによると、米国防長官のアシュトン・カーター氏がドイツ軍のさらなる貢献を求めたとされる。(2015/12/13)


米国
「違法な移民」と先住民
 最近、よく聞く小話が次のようなものです。排外主義の共和党候補、ドナルド・トランプ氏が熱弁しています。 (2015/12/13)


みる・よむ・きく
ナギブ・マフフーズ作「泥棒と犬」
エジプトの作家の本を初めて読んだ。作家はノーベル賞作家のナギブ・マフフーズで、タイトルは「泥棒と犬」。代表作とは言えないけれども、「中期の佳作」であると本の帯に書かれている。一読して驚いたのはマフフーズが最初の1ページから、ページをくり続けさせるエンターテイナーだということだ。日本ならこの小説は純文学というジャンルに位置するのかもしれないが、映画を見ているようなスピード感と同時に心の闇を深く描き出している。(2015/12/12)


米国
「イスラム教徒は入国させない」トランプ候補の発言と米憲法 米移民法学者のNYTへの寄稿
  ドナルド・トランプ米大統領候補が言った「イスラム教徒は米国に入国させない」という発言について、それが合法かどうか、米憲法と照らしてどうか、法学者がニューヨーク・タイムズに寄稿しています。テンプル大学で移民法を専門にするピーター・スピロ教授です。(2015/12/11)


米国
米大統領予備選 共和党トップを排外主義のトランプ候補が独走
  12月上旬に行われたCBSの世論調査によると、2016年の米大統領選予備選の予測で共和党ではドナルド・トランプ候補が35%とトップに立っていることがわかった。2位はテッド・クルーズ氏(16%)、3位はベン・カーソン氏(13%)と続いている。(2015/12/11)


みる・よむ・きく
柯隆著「中国が普通の大国になる日」
 富士通総研の主席研究員である柯隆氏が書いた「中国が普通の大国になる日」は興味深い中国分析である。本書の骨子は中国が抱える課題を指摘していることである。2013年、最高指導者が習近平国家主席に代わって以後、中国はいろんな形で改革を行っていると報じられている。しかし、柯氏によると、本来、改革に着手すべきだったのは前任者の胡錦涛国家主席と温家宝首相の時代だった。なぜなら、この10年間こそ中国にとって経済成長が加速した時期であり、政治改革は景気が良い時ほど、やりやすいというのが柯氏の骨子となっている。(2015/12/10)


コラム
フランス地方選 二回目の決選投票のゆくえ アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリアのジャーナリスト)Abdelmadjid Benkaci
 フランスの地方選、第一回目の投票で極右政党の国民戦線が非常に高い得票率を得ることとなった。右派政党の共和党にとっても、社会党にとっても番狂わせとなった。1月に起きたCharlie Hebdo襲撃事件も、11月のパリの同時多発テロも国民戦線の大躍進に有利に作用した。しかし、極右政党が政権を握るのを阻止することはまだ可能だと私には思える。まだ二回目の決選投票があるからだ。しかし、逆転は可能だろうか?右派政党と左派政党が国民戦線の躍進を阻止するために選挙で協力することは可能なのだろうか?(2015/12/09)


地域
パネットーネ イタリアのクリスマスの焼き菓子
  クリスマスの祝いと言えば12月24日と25日・・・これしか日本では一般的には知られていませんが、イタリアではクリスマスのおよそ4週間前からクリスマスまで、イエス・キリストの生誕を待つ期間として待降節という時期が設けられています。このとき、家庭で焼かれていたお菓子がパネットーネだそうです。(イタリア語の場合、複数形になるとパネットーニになります)(2015/12/09)


欧州
フランス地域圏議員選挙 一回目の投票で国民戦線が大勝 次の日曜に決選投票
  12月6日の日曜に行われたフランス地方選で極右政党の国民戦線が30%の得票率を得て、第一位に浮上しています。昨年の欧州議員選挙に続いて、トップの位置に国民戦線が浮上しており、2010年の選挙で得た得票率11.4%に比べると、わずか5年で約3倍に伸びたことになります。ちなみに社会党は23%、右派中道連合は27%の得票率です。(2015/12/08)


みる・よむ・きく
ジャン=フィリップ・トゥーサン著 「衝動と我慢」(L' URGENCE ET LA PATIENCE)
  紀伊国屋書店でジャン=フィリップ・トゥーサンのエッセイ集「衝動と我慢」(L' URGENCE ET LA PATIENCE) を買いました。これはミニュイ社から出ている新書判です。ですから、タイトルをこう訳すべきなのか、もっと別のよい訳語があるのか、確信が持てずにとりあえず、僕の理解のままにこう訳しておいたものです。もしかすると、「衝動と忍耐」とする方が、あるいは「急迫と辛抱」とか、「切迫と辛抱」とかにする方がよいのかもしれません。いずれにしてもトゥーサン氏の持ち味である軽さを維持していながら、同時に誠実かつ率直に自分の創作について語っている本です。その意味で読み始めると、面白くページが次々とめくれていく体験をしました。(2015/12/07)


環境
有機栽培を勧めている団体が連名で来年、米企業モンサントをハーグの国際法廷で人道に反する罪で告訴すると声明
 有機栽培を促進している組織などが、遺伝子組み換え作物を世界に広めようとしている米企業モンサントを人道に反する罪で来年、ハーグの国際法廷に提訴すると発表した。また人道だけでなく、環境に対する犯罪でもあるとしている。(2015/12/05)


国際
ロシアがずっと以前にイスラム国の台頭を警告していた・・・ 元イスラエル国家安全局長官のコラム
   イスラエルの元国家安全局長官だったGiora Eiland氏がロシアがずっと以前にイスラム国の台頭を警告していたと12月3日付のコラムに書いている。Giora Eiland氏によると、彼が長官だった頃、ロシアのある機関の研究者がイスラエルにやってきた。今からおよそ11年前のイラク戦争当時のようである。(2015/12/05)


コラム
'Turkey Pardon' 米大統領とターキィ
  日本で感謝祭というと、商店街やデパートのバーゲンセールだが、外国では違う。11月の第四木曜日、今年の11月26日は米国とカナダでは恒例の感謝祭(Thanksgiving)。七面鳥をしめてみんなで食べる習慣がある。そこでこんな小話を聞いた。感謝祭の前、オバマ大統領とプーチン大統領が会談した。(2015/12/05)


コラム
(再掲載)フランスからの手紙13 トルコは向きを変えるのか? La Turquie va-t-elle changer de cap ? パスカル・バレジカ
  (以下は2010年に日刊ベリタに掲載した記事の再掲載です。トルコが変化していく道を示しており、転機をうかがわせるものです)ケマル=アタチュルクは第一次大戦後、大変動に直面したトルコを近代国家に作り上げた。オスマン帝国の残骸の上にだ。この共和国は第二次大戦では賢明にも中立を守ったのだが、宗教的には政教分離の国家となった。これは世界でも珍しいことであった。1950年代以降は明確に欧米寄りの路線を選択した。1952年にはNATOに加わり、1963年には欧州連合の前身である欧州経済共同体への加盟を申請した。 (2015/12/05)


中東
ロシアがトルコの Daesh(イスラム国)からの石油密輸入を告発 ルートは3つと糾弾 Daesh への国際包囲が強まる
トルコは否定している。しかし、ロシアがトルコの石油密輸入を衛星写真をつけて告発している。トルコがDaesh(イスラム国)から石油を買っているルートは3つあるという。(2015/12/04)


みる・よむ・きく
末廣昭著 「タイ 開発と民主主義」
  末廣昭著「タイ 開発と民主主義」(岩波新書)は「タイ 中進国の模索」(岩波新書)と並んで、1000円未満の廉価でクオリティの高いまとまった情報が入手できる書籍です。近年、新書と言っても中身の薄い、あるいはボリューム自体が少ない本が増えていますが、末廣氏の書き下ろしたこの2冊は中身が詰まっています。タイではしばしば軍事クーデターが起きており、昨年も起きて現在も軍事政権の統制下にあります。タイではなぜこれほど軍事クーデターが常態化しているのか?その謎を解き明かそうと思うと、タイの近代史、あるいは現代史をひもとかなくてはなりません。(2015/12/04)


欧州
フランス治安当局がすでに4つのモスクを閉鎖へ イスラム過激主義が理由とされる 環境活動家も取締り
 外国の新聞によると、フランス治安当局がイスラム過激主義の取締のため、すでに3つのモスクを閉鎖し、さらに4つ目も閉鎖する予定であるとされる。根拠は11月13日の同時多発テロの直後に発動された緊急事態法に基づくものとされる。(2015/12/03)


欧州
パリの同時多発テロあとの最初の選挙 国民戦線への支持が上昇中と報じられる 2017年大統領選への橋頭堡を目指すマリーヌ・ルペン党首
  フランスで地方選挙が行われる。11月13日のパリ同時多発テロがフランス人の政治意識にどう影響したのかが最初に明確になるのがこの選挙と言われており、12月6日と決選投票の必要があった場合は13日の2週に渡って行われる。ただし、地方選にも、地域圏(州)・県・市町村レベルの3段階があり、今回は地域圏レベルの選挙である。これまで22の地域圏だったが、この選挙から13地域圏に統合されて行われることになる。もっとも注目されているのが右翼政党の国民戦線がどこまで勝つか。(2015/12/03)


環境
パリで始まったCOP21 「21世紀の資本」のトマ・ピケティ教授も参加 21世紀に入ってますます広がる格差と環境汚染を同時に修正する必要がある
 パリで11月30日にCOP21=国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議が始まりました。同時多発テロ事件のすぐあと、ということで新聞漫画では会議に参加した人々の最大の関心がテロにあって、その合間に環境問題を話し合っているかの印象があります。しかし、デモ隊が登場したり、機動隊がそれを鎮圧したり・・・とテロとは別に、一種の熱が生まれているようです。(2015/12/01)


コラム
ミシェル夫人の夫
  こんな小話を耳にした。オバマ大統領とミシェル夫人がたまにはくつろいで、普段とは違う庶民的な料理店に出かけることにした。レストランに入ってしばらくすると、店のオーナーが顔を出した。特別にお願いがあるのだという。(2015/12/01)


みる・よむ・きく
「トマ・ピケティの新・資本論」(村井章子訳 日経BP社) 斬新な切り口の新・欧州論
「21世紀の資本」で今春、日本のメディアでひっぱりだこになった経済学者のトマ・ピケティ教授による新聞コラムを集めたものが本書、「トマ・ピケティの新・資本論」(村井章子訳 日経BP社)である。数年に渡り、ピケティ教授が連載していた新聞はリベラシオン紙である。本書の中で大きく2つの論点があり、1つは広がりを見せる格差問題と税金について、1つは欧州経済危機への対応策について。もともと原書のタイトルは’Peut-on sauver L'Europe ?'(われわれは欧州を救えるか?)なのである。つまり本書は最新の型破りな欧州論とも言えよう。(2015/11/29)


文化
ティパサの1日 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリアのジャーナリスト)Abdelmadjid Benkaci
 今日のティパサの写真です。晴れやかな1日で、多くのアルジェリア人の訪問者がいましたが、外国人の姿も見かけました。お目当ては古代ローマ時代の遺跡です。ティパサに来ると、古代ローマの歴史の一端に触れることができるのです。でも、それだけでなく、ティパサには太陽と海と森があります。監視人をたくさん雇う予算がないので、みんなでこれらの遺跡を守る必要があります。そのためには健全な公共精神が欠かせません。(2015/11/29)


社会
「放送法遵守を求める視聴者の会」の記者会見と放送法
 11月26日、東京・丸の内で「放送法遵守を求める視聴者の会」の会見が行われた。この会は産経新聞(11月14日)や読売新聞(11月15日)などで「私達は、違法な報道を見逃しません」としてTBSの「NEWS23」のメインキャスターである岸井成格氏を名指しで批判したことで注目を集めたばかり。ゲンダイなどによればこの意見広告では岸井氏が安保法に反対の意見を自ら開陳したことを「政治的に公平であることなどを定める放送法に反する」と批判した。(2015/11/28)


国際
パリの同時多発テロは「イスラム国の終わりの始まり?」 アラブのジャーナリストが分析 イスラム国の中で国際派と一国派の亀裂の可能性
  パリの同時多発テロでイスラム国は勢いづいているのか、と思ったら、逆にこれが「終わりの始まり」かもしれない、と分析するアラブのジャーナリストがいました。Faisal Al Yafaiという名前のジャーナリストです。この分析を寄稿したのはアラブ首長国連邦の媒体、The Nationalです。ただし、彼は英国のガーディアンなどにも寄稿している国際的なジャーナリストです。(2015/11/26)


文化
テロと報復戦争の時代に ベルギー出身の作家ジャン=フィリップ・トゥーサン氏は・・・
 かつてフランスの哲学者・作家・批評家のサルトルは「飢えた子供の前で文学に何が可能か」と問いかけたことがあった。今、身近に進行しているテロや戦争といった危険な空気の中で、ベルギー出身でフランスで出版活動を続けてきた作家のジャン=フィリップ・トゥーサン氏は新作「フットボール」(サッカー)の中から、次の引用をして、自分の思いを伝えている。(2015/11/25)


コラム
違憲の疑いが濃い安保法に基づく、日本の「テロとの戦い」 機能不全の三権分立の立て直しが急務
9月に国会で可決した安保法制は3月末まで施行される見通しと報じられました。折しも、欧米諸国は「テロとの戦い」を旗印に世界大戦をも辞さない事態に突入しています。昨日はロシア戦闘機がシリアとトルコとの国境付近でトルコ軍に撃墜され、ロシアとトルコの間で緊張が高まっています。そのロシアはシリアをめぐって、米仏と連携してイスラム国を粉砕する方針です。一方、スンニ派のイスラム国をスンニ派のトルコやサウジアラビアが裏で支援してきたと報じられています。シーア派とスンニ派というイスラム教の中での宗派の争いに西欧諸国が利害関係をもって絡み合い、第一次世界大戦の時のような危険な状況が生まれています。(2015/11/25)


国際
欧州各地で農民の自殺が増加 農産物価格の低迷に絶望 需給の変動が直撃 グローバリズムが農民を断崖に追い詰める
 ユーロニュースによると、欧州各地で農産物価格の低迷に由来して、農民の自殺が増加している。フランスではリーマンショック以後に、フランスの金融がおかしくなり、農業への貸し渋り、貸し剥がしが増えて、つなぎ融資の得られなくなった農民の自殺が増えていた。とくに酪農分野の自殺が大きく報じられてきたところである。しかし、ことはフランスに限定されず、欧州全域で同様の窮地に農民が追い詰められているようだ。(2015/11/24)


国際
右傾化するフランス 死刑復活に賛成する人が過去数年で上昇し、50%に 国民戦線創設者のジャン=マリー・ルペン氏「テロリストは斬首せよ」
  ハフィントンポスト(フランス版)によると、ミッテラン政権時代に死刑が廃止されたフランスで、死刑制度復活を求める声がここ数年で急増しており、ある世論調査によると2009年にわずか32%に過ぎなかった死刑復活支持者が今年2月には50%まで上昇している。(2015/11/23)


コラム
国際テロと「存立危機事態」 戦争体制への移行も 70年ぶりの戦争の可能性が高まる 
  今回、テロで襲われたのはパリでしたが、集団的自衛権を認める安倍政権のもとでイスラム国(Daesh)がもし外国在住の日本人ないしは日本国内を狙ったテロを起こした場合、我が国も70年ぶりに戦時体制に突入することが可能性としてありえます。その場合に、米露仏などと集団的自衛権を行使するということになるかもしれません。(2015/11/23)


コラム
「テロの嵐」 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリアのジャーナリスト)Abdelmadjid Benkaci
テロがまたフランスを襲った。今年の1月以来である。フランスの首都は国際的なテロの標的となり、150人近い死者と400人以上の負傷者を生む結果となった。まさに悲劇というほかない。フランスでこのような惨事はこれまでなかった。この事件はシナイ半島でロシアの航空機が襲われ、224人という重大な死者を生んだテロ事件からわずか2週間ほどあとの出来事である。ロシア機の墜落は10月31日のことである。テロリストの名前は様々だ。アンサル・シャリア、ボコ・ハラム、アル・カイダ、ダエシュ(イスラム国)と様々あるが、いずれもイスラム原理主義によるテロ活動である。そのいずれ西欧諸国やその同盟国の利益を狙ったもので、テロの方法もまた同じである。彼らは西欧諸国の価値観こそ世界の悪の根源であり、人間の惨めさの原因であると考えており、西欧諸国とその同盟者を不信心者であるとみなしている。(2015/11/22)


米国
戦争を一変させた Drone の実像を描くドキュメンタリー映画「Drone」
 アメリカで「ドローン(Drone)」というドキュメンタリー映画が公開されている。ドローンとは無人飛行機で、遠隔操作で暗殺を行うマシンである。ドローンの実像を描くテレビドキュメンタリーは放送されているが、これは映画版で監督はTonje Hessen Schei.(2015/11/22)


国際
サウジアラビアが外国メディアに資金援助 サウジアラビア寄りの報道を促す
ジャカルタポストによると、サウジアラビアが外国メディアに資金を投じて、自国に有利な報道をするように促しているという。情報源はウィキリークス。記事では経営難に陥ったレバノンのテレビ局がサウジアラビアから、サウジアラビアよりの報道をすることを約束に、200万ドル(2億円以上)の資金援助を受けたとされる。(2015/11/21)


国際
フランスのバルス首相、憲法評議会での審議に躊躇 <憲法論議をしているとテロ対策に遅れが出る> 憲法軽視のフランス政府
 テロとの戦いを始めたフランスのバルス首相は「緊急事態」の期間を長期化するために国会で現行憲法では違憲に当たる新法案制定の手続きをしているところであり、下院(国民議会)では可決され、現在、上院(元老院 あるいはSenat)で議論中だとされる。そこでバルス首相は改憲項目について憲法評議会へ審議を付託することはテロ対策に遅滞を生じさせ、さらにはすでに実行した家宅捜索や事情聴取なども遡って否定されることにほかならず、「リスクである」と語ったと報じられている。(2015/11/21)


コラム
TPPはここで止まらない 今回の関税撤廃率・低関税輸入枠は将来変更されうる
環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意が10月5日にアメリカのアトランタで得られることになった。現在、参加した12カ国は批准のための作業を行っており、それは情報公開やダメージを受ける産業への手当などである。(2015/11/21)


国際
ロシア機墜落の報復を誓うプーチン大統領 Daesh へ寄付している40カ国の人物の情報を公表
10月31日にエジプトのシャルムエルシェイクからサンクトペテルブルクへ向かったロシア機が墜落して224人が死亡した事件をロシア政府はテロによるものと断定し、プーチン大統領はDaeshへの報復を語った。そして、またDaeshに資金供与している40カ国の人物の情報を各国の捜査担当者に公開し、テロ資金の封鎖を求めている。その40カ国の中にはG20に参加している20カ国の中の国々も含まれる。(2015/11/20)


国際
ベルギーの「武器市場」 チョコとワッフルとタンタンだけじゃなかった 歴史的に武器となじみが深い国 バルカン・コネクションでソ連崩壊以後、武器が積み上がる
  今回のパリの同時多発テロの実行犯・教唆犯が潜伏していたのがベルギーでした。以下はとても実態と呼べるものではありませんが、ベルギーの団体が国内の武器密輸事件の記録を公開していました。この団体はflemish peace instituteというベルギー政府の外郭団体です。公開された情報が正しいのであればベルギー国内の実情は以下の数字です。(2015/11/20)


国際
フランス 非常事態に突入 警察官は勤務時間外でも銃の携帯が可能に
 フランスでは先週のテロ事件を受け、警察長官が全国の警察官に非常事態においては勤務外でも、本人が希望すれば銃の携帯が可能となることを通知した(france intelによる)。(2015/11/19)


国際
サウジアラビアが国連人権理事会議長国に ウィキリークスが英国との裏取引を暴露
女性の抑圧ばかりでなく、今年に入っても100件以上の公開斬首を行ってきたサウジアラビアが国連人権委員会の議長国に選出されたことで、世界で驚きと批判の声が上がっている。ウィキリークスが暴露したという情報によると、サウジアラビアは2年前の2013年に国連人権理事会入りする際に英国と秘密の取引を行ったそうである。それは互いに助け合って両国が2013年の選挙で選出されるべく、提携したということのようだ。英国のガーディアンなどが一斉に報じた。(2015/11/19)


コラム
フランスの「戦争」 リビア軍事介入の責任はいつ誰がとるのか
  このたびのテロ事件を受けて「戦争」をしかけられたとテレビで宣言したフランソワ・オランド大統領はフランスメディアのMediapartによると、’Le president place la France en etat d'urgence permanent’(大統領はフランスの非常事態を恒久化する)。憲法を改正して非常事態により対処できる戦争条項のようなものを盛り込もうとしているのだという。(2015/11/18)


国際
「私はカフェのテラスにいる」(Je suis en terrasse) 観光都市に対するテロ攻撃
1月に風刺漫画誌のCharlie Hebdoが襲撃され、漫画家らが殺されたとき、「私はシャーリーだ」(Je suis Charlie )というプラカードやメッセージがフランス全土で掲げられました。このメッセージは言論の自由を奪うことはできない、というものでした。そして今回パリが再び襲撃を受けた後、目にしたメッセージは「私はテラスにいる」(Je suis en terrasse)というもの。(2015/11/17)


国際
オランド大統領「 Daech はつぶさなくてはならない」 米露と連合し、国連決議も求める方針
  月曜、パリ近郊のベルサイユの国会でオランド大統領がテロ組織であるDaechに対して、断固たる方針を取る覚悟を語った。現在、アサド政権をめぐって米露が立場を異にしているが、Daesh掃討という目的で、両国と会談し、今後の方針を決めることになる。さらにDaechに対する国連安保理の決議も求めていく方針のようだ。(2015/11/17)


国際
ドビルパン元首相も発言 Daech を相手に「戦争」をするのは敵の思惑にはまることだ その結果、フランスが内戦に突入する
 13日に起きたパリの同時多発テロ事件を受けて、フランスではテレビ討論が盛んに行われている模様。最近、あまり見かけなくなったドミニク・ドビルパン元首相も放送局の舞台に登壇した。ドビルパン氏と言えば2003年のイラク戦争開戦をめぐる国際議論の際、開戦を迫るアメリカやイギリスに対して毅然と反旗を翻したことで歴史と記憶に残る政治家である。そのドビルパン氏はこの状況をどう見ているのだろうか。(2015/11/16)


国際
テロは今後も続く・・・ テロ専門のフランス人判事がテレビで発言
 フランスのテレビチャンネル2に精悍な風貌の男が招かれて、今回の事件に関連して話していました。いったい誰なんだろう・・・Express誌にこの発言内容を記した記事が出ていました。彼の名前はマルク・トレビディック氏、テロを専門に扱う判事として10年間活動してきた人とされます。この番組で語っていたのはフランス国内でテロはいずれ再発する、ということでした。(2015/11/16)


国際
パリで再発したテロ事件 フランスの報道から フランスが空軍機10機でラッカを空爆 オランド大統領「これは戦争である」
 13日、金曜にパリで実行されたDaech(イスラム国やISとも呼ばれる)によるテロによっておよそ130人の死者が出たと報じられています。ちょうど、この日の朝、ルモンド紙のウェブ版に警察を統括するフランス内務省の内務大臣、ベルナール・カズヌーブ氏がフランス国内への銃の密輸取締強化を今後行う旨を発表した記事が掲載されていました。このことはテロ対策と連動していることは間違いありません。(2015/11/16)


国際
パリで再発したテロ事件
 パリで同時多発テロが起きたという知らせを聞いたのは仕事場でした。「今朝(日本時間で)、パリで大事件が起きたんだ。」驚きを隠せませんでした。パリには知人が少なくないから、彼らの中に怪我をしたり、巻き込まれたりした人はいなかったのかな・・・最初にそう思いました。と、同時に、ニューヨークで2001年9月11日に起きたときのような、悪い時代へと欧州全域が突入していくのではないか、という予感も走りました。(2015/11/16)


コラム
家族の肖像 あえて単純モデルを考えてみる
 夏に全国で安保法案に対する抗議運動が広がったとき、メディアで中心的に取り上げられたのが大学生たちによる運動だった。若者たちの運動について年金世代の人々が熱い眼差しを送り、未来への希望ととらえていたことも記憶に新しい。その一方で若者への温かい眼差しとは裏腹に、中年世代、あるいは企業や公務における現役世代、中堅世代に対してはむしろ現実肯定、政治変革への意志不足といった風な眼差しがあったと思う。経済学ではしばしば錯綜する複雑な現実をモデル化して考えるが、この日本の政府批判の運動についても経済学に習って単純化してモデルを考えてみよう。その場合に、選挙権を持った人々について3つのカテゴリーを考えてみる。(2015/10/21)


コラム
われらが隣人・チュニジア人にノーベル賞 輝かしい成果 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリアのジャーナリスト)Abdelmadjid Benkaci
 私たちの東の隣人であるチュニジア人に今年のノーベル平和賞が授与されたことはとても喜ばしい。まずはアラブの若い民主主義国にとっての誇らしい出来事である。しかし、それだけでなく、アラブ全体にとっても同じく喜ばしいことなのだ。それはチュニジアに君臨した独裁者ベンアリを倒したジャスミン革命の成功である。チュニジアは一連の政変のあとにそれらアラブ諸国を襲ったテロの嵐から免れた唯一の国なのだ。(2015/10/12)


みる・よむ・きく
大治朋子著「アメリカ・メディア・ウォーズ 〜ジャーナリズムの現在地〜」
  毎日新聞記者の大治朋子氏が書き下ろした「アメリカ・メディア・ウォーズ〜ジャーナリズムの現在地〜」(講談社現代新書)は経営的に苦境に立たされ、四苦八苦ししているジャーナリズムの試行錯誤をルポしながらも、希望をも感じさせてくれた一冊。(2015/09/30)


新宿・地下に大黒猫
東京・新宿の地下構内に大きな黒猫の姿が・・・。(2015/09/29)


文化
音楽にかける青春 フランク・ルッソ(Franck Russo 29歳)「プラハの春」に入賞 クラシックに限らず幅広い音楽に挑戦中のパリの新進演奏家 J'ai toujours aimé les projets originaux et m'exprimer de toutes les manières possibles. (Franck Russo)
   クラリネット演奏家のフランク・ルッソさん(Franck Russo, 29)は今、パリで活躍中の新進音楽家です。今年の5月には「プラハの春」クラリネット国際コンクールで3位に輝きました。クラシック音楽だけでなく、実に幅広い挑戦を続けているルッソさんに、これまでの音楽修行や今後の活動などについてお聞きしました。Q 今、どこに住んでいますか A  僕はパリ国立高等音楽院に進学して以来、パリに住んでいます。パリは信じられないような都会で、とくに芸術家にとっては発展を遂げるにはなくてはならない場所だと思います。この街で多くの大切な人に出会い、彼らのおかげで今日の自分があるのだと思っています。音楽の教授たち、友人、そして共演仲間たち。演奏仲間たちとは本当に親友になって、いくつものプロジェクトを実現できました。(2015/09/27)


みる・よむ・きく
「西洋政治思想史」(佐々木毅、鷲見誠一、杉田敦 共著) 知の蛸壺から出て、政治学の歴史を一望できる好著
  北樹出版から出ている「西洋政治思想史」は東大を中心とする主流派の政治学者が書き下ろした政治学史です。通説の政治学の概略が本書を一読すると得られます。著者は佐々木毅、鷲見誠一、杉田敦の3人の政治学者。著者が前書きに書いているとおり、本書はプラトンやアリストテレスなどの古代ギリシアの政治思想から、中世、近代を経て、さらにハバーマスやアドルノ、ホルクハイマー、アレントなど現代の政治哲学者や社会学者まで、広く対象にして俯瞰しており、その説明も簡潔ながら、非常にわかりやすく、読者が噛めば噛むほど含蓄がある本です。(2015/09/26)


コラム
メッカの惨事について(Journée tragique en Terre Sainte / La Mecque) アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリアのジャーナリスト) Abdelmadjid Benkaci
  メッカへの巡礼でこのような大量の死者が出たことはイスラム教世界にとっても、世界全体にとっても悲劇的な1日となった。700人以上が死亡し、800人以上が負傷。さらに数字は拡大する可能性もある。生贄の祭りの最中でもあり、苦しみは大きい。宗教的義務を遂行するため、巡礼者が殺到したためにこの悲劇的事件は起きた。しばしば、巡礼者の多くが巡礼の際に死にたいとはよく言われることである・・・つまり、彼らの多くが神に願いを叶えて欲しいと思っているのである。だが、死者の中には15歳以下の子供が男女ともに含まれていた。もし、世界でも希なこの行事において、もっと行き届いた管理と制御が行われていたら、こうした死は避けられたのではないだろうか。(2015/09/26)


みる・よむ・きく
世界的作家ヤスミナ・カドラの新作小説はカダフィの最期の日を描く
 ヤスミナ・カドラと言えばアルジェリアの作家で、世界的に読まれているベストセラー作家である。日本でも何冊か翻訳がある。アルジェリア軍の元指揮官で、妻の名前で変名で小説を書いていたことでも著名だ。そのカドラの新作小説は’La derniere nuit du Rais’(ライスの最期の夜)という小説で、カダフィの最期の日を描いたものらしい。(2015/09/23)


みる・よむ・きく
吉田秀和著 「ヨーロッパの響、ヨーロッパの姿」
  音楽評論で著名な吉田秀和氏が1967年から1968年の欧州旅行の際の見聞をまとめたのが本書、「ヨーロッパの響、ヨーロッパの姿」(中公文庫)である。吉田氏はクラシック音楽がメインだったが、セザンヌなどフランス近代美術などの評論もあり、広い視野をもつ人物だった。そして、この頃、欧州でもっとも大きな話題となっていたのがチェコで起きた「プラハの春」とその夏の終わりに起きた、旧ソ連によるチェコ侵攻だった。(2015/09/22)


コラム
「プチ・ロワイヤル和仏辞典」 使い勝手の良い、仏語で書くための辞典
  旺文社から出ている「プチ・ロワイヤル和仏辞典」はフランス語で作文する時になくてはならない必須のアイテムに(僕の場合は)なっています。良い仏和辞典はたくさんありますが、良い和仏辞典は意外と少ないのが実情です。良い和仏辞典の条件は書きたい表現を仏語にした例文とか、関連表現が豊富に掲載されていることです。(2015/09/21)


コラム
プーチン大統領の謎
  ロシアのプーチン大統領にはマッチョな政治家、というイメージがある。柔道の達人と言われていて、柔道着姿もよく報じられる。それだけでなく、猟に出かけたり、川を泳いだり、裸で馬に乗っていたりするところをメディアに披露している。こういう政治家は日本にはあまりいない。安倍首相も、野田佳彦元首相も、そういうマッチョな印象はない。たくましい裸身をさらすことに政治家としてどのようなメリットがあるのか、日本にいるとわかりにくい。(2015/09/20)


コラム
自民党憲法改正案「第十三条 全て国民は、個人として尊重される」(現行) ⇒「第十三条 全て国民は、人として尊重される」(改正案) 個人と人の違いとは? 
 平成24年に自民党が発表した憲法改正案では憲法9条だけでなく、さまざまな条文が改正されることになっている。その中で「?」と一瞬立ち止まってしまう表現の1つが憲法13条の改正案だ。現行憲法「すべて国民は、個人として尊重される。・・」 → 改正案「すべて国民は、人として尊重される。・・」いったい個人として尊重されるのと、人として尊重されるのと、その違いはどこにあるのだろうか。(2015/09/17)


コラム
西サハラの難民たちはいつ故郷の地に還れるのか 悲劇の40年 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人ジャーナリスト)Abdelmadjid BenKaci
  西サハラはアフリカにおける最後の植民地です。国連によると、西サハラは1975以来、「non autonome」という地位にあります。これはどういういうことかと言うと、モロッコに占領支配され続けているわけです。1975年に結ばれたマドリッド条約がもとになっています。もともと西サハラはスペインが1884年から(独裁者フランコが亡くなる)1975年まで植民地にしていました。この時代の西サハラはスペイン領サハラと呼ばれています。(2015/09/16)


欧州
移民受け入れへのドイツ政府の期待 経済絶好調 2005年をピークに失業率が年々低下
  欧州でもっとも経済力があり、フランスを凌駕して欧州連合のついにはリーダーになったと多少の揶揄も込めて報じられているのがドイツです。シリアからの難民が目指している国の筆頭もドイツらしく、テレビの報道でも「ドイツ政府が受け入れてくれる」とまずはトルコから欧州連合の入口であるギリシアに入って開口一番夢を語る家族が映し出されていました。ドイツには経済混迷のギリシアからも多数の出稼ぎ労働者が流入しています。(2015/09/14)


文化
アルジェリアからの手紙 生贄の祭りが今年も近づいてきた・・・ アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人ジャーナリスト Abdelmadjid Benkaci)
   イスラム教徒の生贄の祭りは何世紀にも渡って行われてきた宗教儀式です。歴史によればAid El Kebirないしは生贄の祭りとはアブラハム(イブラヒム)の逸話にちなんだものです。アブラハムは神から息子のイシュマエルを生贄にするように命じられ、神に服従の姿勢を示すために実際にイシュマエルを殺そうとしました。その時、神はアブラハムに一頭の羊を送り、その羊を息子の身代わりとして生贄にささげよ、と命じたのです。(2015/09/13)


コラム
私もフランスで生きてきた 〜学生時代にチュニジアからフランスに渡り医師として生きてきた人の思い出〜
   私は1961年にチュニジアのビゼルトという町で生まれました。チュニジアは1956年に独立を果たしていましたが、1963年まで未だフランスの保護国という地位にありました。 (2015/09/11)


政治
ナチスの指導者原理 最初は党内の掌握から 党の姿を見れば次の社会が見える 山口定著「ファシズム」を読む
ナチズム研究者の山口定教授はその主著の1つである「ファシズム」(岩波現代文庫)の中で、ナチスの指導者原理について触れていいます。ファシズムと言えば独裁者のリーダーシップということになりますが、最初はまず自らのよって立つ組織の原理として立ち上がってきて、それが後に権力掌握後は国家全体の指導原理となっていったとしています。ヒトラーはひとたび党首の座に着くや、党内の合議制の機関を一切なくし、党内のすべての役職も下からの選挙を廃止して、ヒトラーが任命する形にしました。こうすることでヒトラーを頂点とする権力ピラミッドが党内に生まれたのです。(2015/09/09)


みる・よむ・きく
小阪修平著「イラスト西洋哲学史」(挿画:ひさうちみちお) 西洋哲学の流れがよくわかってひける入門書 立憲主義や民主主義を生んだ欧州哲学をやさしく解説
  宝島社から文庫版で2冊組で出ている「イラスト西洋哲学史」(小阪修平著)は普通の哲学の学術書とは違ったスタイルの本ですが、中身は本格的です。この本の特徴は古代ギリシアから、現代に至る西洋哲学の流れを骨太に枝葉を切り落として、肝要と著者が考える哲学者に重点配分している点です。(2015/09/09)


欧州
フランスで難民を排斥するな、というデモが起きる 避難所を提供する運動も
  フランスでは今、難民を受け入れるかどうかをめぐって議論が起きています。そして難民を受け入れよ、というデモも行われたばかりです。チュニジア出身でパリ在住の人から送られたその現場の写真です。(2015/09/07)


政治
労働組合と安保関連法制 ドイツ労働戦線(DAF)と産業報国会 ドイツでは労組がまず解散させられた
  戦時に突入した場合、労働組合はどうなるのだろうか?そのヒントを歴史に見よう。ファシズムとは戦争に勝利することを最大の目的とし、リーダーが国会に縛られることなく自己の裁量で、国のあらゆるリソースを動員できる国家総動員体制である。選挙で首相になったヒトラーが独裁者になったのは全権委任法を可決させて、ドイツをファシズム国家に変更した時だった。全権委任法の5条は以下。(2015/09/06)



初めての海 クラリネット奏者アンナ・パウロヴァー Anna Paulová、海のないチェコからの音楽の旅
 ヨーロッパの中央に位置する森の中の国、チェコスロバキア。この国は四方を国に囲まれていて、海がありません。四方を海に囲まれた島国の日本から見ると、不思議な経験のように思われます。確かに津波のような災害はないのでしょうが・・・。こうした国に生まれ育った時、海とはいつどにようにしてめぐり合うのでしょうか。チェコの若いクラリネット奏者、アンナ・パウロヴァーさんに聞きました。(2015/09/02)


政治
大衆運動と政治的な出口
  昨日、8月30日、国会前に安保関連法案に抗議するために集まった人々に話を聞きながら、国民の中に様々な怒りや不満が渦巻いていることを感じました。 (2015/08/31)


政治
8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声2 ハンガーストライキ
  国会前10万人集会と銘打たれた8月30日。国会正門近くの一角で若者たちがハンガーストライキを続けていました。始めたのは8月27日ですから、今日で4日目だそうです。ハンガーストライキを行っているのは4人の大学生です。そのひとり、大学一年生の木本将太郎さんに聞きました。木本「安保法案を阻止するためにやっています。そして安倍内閣の退陣も要求しています。」Q「ハンガーストライキという手段を選んだのはなぜですか?」木本「戦争に反対していますが、身体的に意見を表明できないかと思ったんです。肉体のレベルでです」(2015/08/30)


政治
8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声1
 今日、8月30日、午後1時から国会前で安保関連法案反対の10万人の集会があると聞いて取材に出かけました。曇り空の下、国会前に多くの市民が集まっていましたが、やがて、小雨となり、傘をさす人も増えていきました。国会前の集会の中心は国会正門前で、その裏手の参議院議員会館前や衆議院議員会館前などでも別のグループがマイクを持って抗議の声明をしていました。警備に警察官が多数動員され、国会周辺の交差点で交通整理をしていましたが、基本的には集会から立ち去る人はどんどん通し、集会の中心である正門前に向かおうとする市民にはもうキャパシティがいっぱいなので、今、通すことができないなどと説明していました。(2015/08/30)


世界経済
中国経済 不安定さの原因は米ドルとの為替レートの調整にある? バブル崩壊か、調整局面か
 中国の株式市場が急落したり、また反発して高騰したりしてこのところ、変動しており、日本の新聞でも中国バブル崩壊による世界恐慌に再突入か、といったセンセーショナルな見出しも目に付きます。これに関して、アメリカのエコノミストの中からドルと人民元の間の為替の調整局面である、というマクロ的な見方が提出されています。ジョンズ・ホプキンズ大学教授のスティーブ・ハンケ教授はこう指摘しています。(2015/08/29)


安倍政権を検証する
戦後70年の安倍談話と米・外交問題評議会
 安倍首相の戦後70年談話は英国など海外の新聞やインターネット空間で様々に批判されているが、同時にマスメディアの支持率調査によると、これによって安倍首相の支持率が少し回復したとされる。共同通信の世論調査では安倍内閣の支持率が7月の37.7%から43.2%に反転上昇した結果となった。参議院の安保関連法案特別委員会では質問に立った自民党の森まさこ議員がそのことで安倍首相を絶賛していたのも記憶に新しいところだ。森議員は安倍首相が談話に「反省、お詫び、侵略、植民地」という4つのキーワードをすべて盛り込んだことを称えた。当初は「お詫び」はしない、と見られていた安倍首相だったが、最終局面でそれらを加えて、その結果、支持率が一定程度回復した。そればかりではなかった。韓国やその他のアジアの国からも一定の評価を与える声明が出たのだった。(2015/08/28)


反戦・平和
インド軍兵士 南スーダンPKOの悲劇 PKO大国インドの苦悩 2度の攻撃で8人以上が死亡との報道 政府・防衛省は駆けつけ警護を検討中
  実は南スーダンのPKOではすでに他国のPKO派遣隊員の悲劇が起きていた。南スーダンに駐留しているインド軍のケースだ。インド軍は少なくとも過去に二回、戦闘に巻き込まれて士官や兵士が死亡している。インドは8000人以上のPKO人員を世界各地に派遣しているPKO大国だが、戦後のインドPKOの歴史においても最大級の悲劇の舞台となったのが南スーダンだ。(2015/08/27)


沖縄/日米安保/米軍再編
米軍特殊部隊と自衛隊「特殊作戦群」の共同訓練 沖縄・8月12日の米軍ヘリ墜落事故の波紋
昨日25日の参院・安保関連特別委員会で共産党の井上哲士議員による問題提起は波紋を呼んだ。今月12日、沖縄で起きた米軍ヘリ墜落事故の深層である。沖縄タイムズによれば12日の午後1時45分頃、米陸軍所属のH-60型ヘリコプターがうるま市伊計島の南東約14キロの沖合で、米海軍の輸送艦レッド・クラウドへの着艦に失敗し、墜落した。この事故で乗員17人のうち、6人が怪我をしたが、そのうち2人は日米共同訓練に参加していた自衛隊員だった。これらの自衛隊員は国際平和協力活動やテロ対策などの専門部隊「中央即応集団」に所属する33歳と40歳の隊員だったとされる(13日付 沖縄タイムズ)(2015/08/26)


政治
参議院「安保関連法案」特別委員会を傍聴して 村上良太
  国会で傍聴するのは今日が初めてだ。今まで何度となく、国会周辺は仕事で往来したものの、日本の政治を専門にしていなかったので国会審議の報道はテレビではよく見るけど、宝塚歌劇団のような遠い別世界だった。今日の参院の「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」は午前9時スタート。参院の入口から傍聴券に名前を記入して入ると、空港のような手荷物検査場があり、そこをくぐると傍聴者用の赤いリボンを受け取る。傍聴席に持ち込めるものはメモや筆記用具くらいで、鞄や電子機器などはロッカーに入れておく。(2015/08/25)


政治
長島昭久著『「活米」という流儀 〜外交・安全保障のリアリズム〜』 民主党・長島議員の外交・防衛政策と安倍政権の外交・防衛政策は極めて近い
  これらを見ると、長島氏の外交防衛政策は安保関連法案の立法化を今進めている安倍政権の考え方に極めて近い。というより、ほとんど違いを見るのが難しいくらいと言わざるを得ない。実際、長島氏は本書の中で麻生太郎氏の「自由と繁栄の弧」と、安倍首相の「安全保障のダイアモンド」構想を示してこう書いている。「麻生、安倍ふたりの首相が描いた日本の外交・安全保障戦略。地政戦略的には私の考え方とほぼ一致しています」(2015/08/24)


政治
飯坂良明・井出嘉憲・中村菊男著「現代の政治学」(学陽書房) 小選挙区制が有効に作用するには条件があった、だがそれは導入した日本にはなかったものだった
  当時の大学の政治学のテキストを見てみよう。たとえば飯坂良明・井出嘉憲・中村菊男著「現代の政治学」(学陽書房)の1994年版を見ると、次のような記載がある。「イギリスやアメリカだけでなく、主としてアングロ・サクソン系統の国においては、二大政党対立の政治が行われている。たとえば、アメリカには共和党と民主党の対立があり、イギリスにおいては労働党と保守党の対立が見られる。そして第三政党としての少数正統派、存在するけれども政権をとりうるほどの力はない。 (2015/08/24)


文化
人生初のライブまであと一週間 勝浦出身の女性シンガー、川村絵理さんに聞く
  この8月末に人生で初めてステージで歌う女性がいます。川村絵理さん(42才)。東京・小岩のミュージックパブがその舞台。川村さんが生まれ育ったのは千葉県勝浦市、国内有数のカツオが水揚げされる港町です。歌が好きだった川村さんは高校を卒業して上京した後、身体障害者の施設で働きながら、その間もカラオケなどで歌い続けてきました。今、思いがかなって初めてのステージ。一週間後にライブを控え、準備に追われる川村さんに話を聞きしました。(2015/08/23)


みる・よむ・きく
ヒューム著「人性論」 ‘A treatise on Human Nature’ ヒュームは面白いが本気でやると難しい。でもヒュームを読んでおくとカントが楽になる
  イギリス経験論の哲学者、デビッド・ヒュームは「人性論」(「人間本性論」というタイトルの邦題もある)の冒頭で、人間の知覚には印象と観念しかない、と言う。そして、人間は様々な印象を外界から受け、その結果、観念を抱くようになるとしている。最初に観念があって、その結果、印象が生まれるのではないと言いたいのである。(2015/08/23)


政治
参院論戦9 国民的関心の安保関連法案、この先の見通しは? 参院議員関係者に聞く 早ければ9月8日に採決も?
  国民的な関心が注がれている安保関連法案、審議が参院に移って今日で総審議時間は丁度50時間11分。この先、この審議はどういう展開を見せるのか。採決があるとするといつごろになりそうなのか、昨日とは別の参院議員関係者に見通しについて聞いてみた。(2015/08/21)


政治
参院論戦8 安保関連法案 参院ではどんな風に審議日程が組まれていくのか? 「来週あたりそろそろ・・・」
  7月27日に参院で審議が始まった安保関連法案。あれから土日などの休日も含めると、今日の8月20日で25日目。しかし、衆院から参院に法案が移ったのが7月16日だから、この日を含めると36日目になる。そして、参院での審議を衆院が強制的に打ち切ることができる憲法59条の4、いわゆる60日ルールは次だ。「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」ここで言っている「休会」は土日などの休日のことではない。この先、安保関連法案の審議の行方はどうなるのだろうか。早期に採決があるのか、それとも60日ルールを使って衆院で再議決となるのか。テレビの夜のニュースで国会の審議のハイライトが紹介されるが、毎日、どのように審議の日程が組まれているのだろう。参院の関係者に質問してみた。(2015/08/20)


文化
音楽にかける青春 バイオリン奏者 ルドミラ・パヴロヴァー Ludmila Pavlová 人は演奏している音楽とともに生きていかなくてはならないことを知りました
  音楽の街、プラハ。この秋、プラハでの音楽の勉強を一段落して、ウィーンに旅立とうとする若いバイオリニストがいます。ルドミラ・パヴロヴァーさん、21歳。現在、プラハ芸術アカデミー音楽学部の生徒です。昨年の夏、著名なバイオリニスト、ヴァーツラフ・フデチェク氏の夏期講習で一番優秀なバイオリニストの学生に選ばれた彼女は演奏旅行にも同行して経験を積むことができました。ソロイストとして、これから大きな未来があるルドミラ・パヴロヴァーさんに音楽修行についてお聞きしました。 (2015/08/20)


地域
イタリアの庭のトマト 取れすぎたのでトマトソースをつくるアン・ヌドさん salsa di pomodoro
 ここはイタリア北部のスポトルノ。イタリアを長靴にたとえると上の左の方に位置します。地中海に面したリグーリア州に属し、州都はジェノバになります。ニースにも近く、風光明媚で地中海の美しい風景を楽しめるため、国際的な観光地として知られています。太陽の光を一面に浴びるアン・ヌド(An Nudo)さんの庭ではトマトが作られています。ヌドさんは看護師で、近くの病院に勤務しているそうです。(村上良太)(2015/08/18)


みる・よむ・きく
堀江湛・岡沢憲芙編 「現代政治学」(法学書院) 早稲田・慶応出身の学者が集結 二党制の神話にメスを入れる
  最近の大学生はどんな政治学のテキストで勉強しているのだろう。そう思って手にした一冊、法学書院から出ている堀江湛・岡沢憲芙 編「現代政治学」。著者を見ると、早稲田出身と慶應出身がまるで東京六大学の野球で早慶戦を繰り広げるかのように並んでいた。その取りまとめ役が年長でもある堀江湛、岡沢憲芙の両教授のようだ。政治の危機が深まっている今、どの章を読んでも興味深い。しかし、一番知りたかったことは第四章の「政党システム」というタイトルの説明だ。今のような時代はどのようにして生み出されていったのか。執筆者は早大出身の岡沢憲芙教授で、二大政党制が批判的に書かれているのが目を引く。(2015/08/17)


国際
「アジアのチトー」とホー・チ・ミン 戦後70周年と戦後40周年 ハンス・モーゲンソーのリアリズム政治学 村上良太
   エリザベス・ヤング=ブルーエルによるたいへん分厚い評伝「ハンナ・アーレント伝」の中にベトナム戦争に触れた一節があります。1965年に政治学者ハンス・モーゲンソーがベトナム戦争に関する米国務省の外交政策を改めよ、と迫る論文を発表したのですが、政治哲学者のハンナ・アーレントがモーゲンソーの見方を支持したというのです。モーゲンソーが唱えたのは北ベトナムを敵視するのはやめ、その指導者であるホー・チ・ミンを「アジアのチトー」にするべきだというのです。北ベトナムのハノイ政府が南ベトナムを侵略している、という米政府の解釈は誤りであり、そもそもベトナムは1つの国なのである、と。(2015/08/16)


地域
なぜマダガスカル原産の木が沖縄に? 4 マダカスカルからインドへの道も
  美しいホウオウボクが沖縄に来た由来を調べていて、出発点がキューバだったために、それに呪縛されて、マダガスカル原産の木がアフリカを経てキューバから日本に持ち込まれた。それは沖縄のキューバ移民によるものだったのだろう・・・そんな風に連想しているさなかに、ロシア人の生物学の研究者から参考文献が寄せられました。スペイン語で‘Flamboyant、英語で'Royal Ponciana'そして日本語でホウオウボクという名前のこの木にはまた、Delonix regiaという学術名があり、さらにインドではGulmoharと呼ばれている事実が記されていました。(2015/08/15)


地域
なぜマダガスカル原産の木が沖縄に? 3 沖縄県人の移民の歴史 サトウキビとホウオウボク
  キューバに生えている美しい木、スペイン語で‘Flamboyant、英語で'Royal Ponciana'そして日本語でホウオウボクという名前の木。このマダガスカル原産の木が太平洋をどうして渡って沖縄や台湾に生えることになったのだろう。ではいったい誰が?琉球大学理学部の教授はその史実については情報を持っていないとの回答。むしろ、それは歴史とか、移民史、あるいは外交史といった分野になるのだろう。(2015/08/15)


米国
オバマの負の遺産となるか 米国防省が戦争報道に強い統制へ 同盟国にも影響する可能性 NYT、RT、ガーディアンなど国際紙が一斉に批判
  8月11日にニューヨーク・タイムズ国際版の社説が警告を発したのは米国防省が戦争に関する米国の法律の運用と解釈をめぐって1176ページにもわたるマニュアルを出したからだ。ニューヨーク・タイムズだけでなく、英国のガーディアンやロシアのRT、グローバル・リサーチなど、様々なメディアが今、猛烈にこの国防相によるマニュアル<Law of War Manual>を警戒していて、ただならぬ気配が漂っている。それらによると、戦争報道に関してジャーナリストは基本的に軍当局への事前許可を必要とする、としているらしいことだ。(2015/08/15)


コラム
横長の木‘Flamboyant’2 マダガスカル原産の木がなぜ沖縄に?
  キューバに生えている横長の大きな木、そして夏には赤い花をつける華麗な木。スペイン語で‘Flamboyant、英語で'Royal Ponciana'そして日本語でホウオウボクという名前の木。この木の原産がマダガスカルでそこからアフリカを経由して、昔の奴隷にされた人々によって西アフリカからキューバ、そしてフロリダなどに伝播されたことは前回、お伝えしました。この木がその後、なぜ沖縄や台湾にも生えているのか。その謎を探りたいと思い、沖縄の植物の研究者に問い合せました。(2015/08/14)


環境
ダーチャマニア  村上良太
ロシアの首都モスクワ。住人の多くは都心の自宅から30分から1時間で足をは運べる郊外にダーチャと呼ばれる別荘を持っています。ダーチャを市民が持っていることにはロシアの歴史的な由来があり、週末や夏冬などの休暇中に別荘として楽しむと当時に、食料を自給するための貴重な菜園としても活用されてきました。(2015/08/14)


文化
女性映画監督ソルヴェイグ・アンスパック(Solveig Anspach)氏の早すぎる死
 女性映画監督のソルヴェイグ・アンスパック(Solveig Anspach)氏をご存知でしょうか。恥ずかしながら、筆者は知り得ませんでした。しかし、今月7日にまだ54歳の若さで癌で亡くなったと報じられており、特にフランス人の女性たちが非常に悲しんでいるようです。(2015/08/11)


米国
米大統領選 共和党候補ドナルド・トランプに風が吹くか?
  来年の米大統領選を控えて、米メディアでヒラリー・クリントン(民主)、ジェブ・ブッシュ(共和)に続いて、注目を最近集めているのがドナルド・トランプ候補(共和)です。トランプと言えば不動産王で知られた実業家です。80年代のバブル時代とその後のバブル沈静化などの荒波に乗って上ったり、下がったり浮き沈みを繰り返しながらもタフに乗り切ってきた人物です。(2015/08/09)


文化
音楽にかける青春 アコーディオン奏者、ミラン・ルジェハークさん(21) 「アコーディオンは大きな可能性を秘めた未開拓の楽器」 'Accordion is an instrument with a great potential and with possibilities' (Milan Řehák)
  まだ21歳ながらこの数年、パルドゥビツェ(チェコ)やプーラ(クロアチア)やサンクトペテルブルク(ロシア)などで開かれた国際コンクールで優勝を何度も経験しているアコーディオン奏者がミラン・ルジェハーク(MILAN REHAK)さんです。アコーディオンと言えばパリのミュゼットやアルゼンチンのタンゴなどがすぐに思い浮かびますが、チェコではどんな風にアコーディオンが演奏されているのでしょうか。アコーディオン奏者の新星、ミラン・ルジェハークさんにお聞きしました。Recently MILAN REHAK got first prize on several international accordion contests such as Pardubice(Czech), Pula (Croatia) or Saint Petersburg(Russia).He is still 20 years old. When we hear a word 'accordion',we associate musette of Paris or tango of Argentina.But what music is played in Czech with accordion? Then I interviewed a young accordion master of Czech, MILAN REHAK.(2015/08/09)


政治
60日ルールと憲法59条の2 衆院の優位性とは? 60日ルールを使わなくとも法案は可決できる
  ところでネットでよく見るのが60日ルールを使って、参院での議論を打ち切って、9月半ばの国会会期の間に衆院で再可決するのではないか、とする見方です。確かにそういう可能性があるのですが、しかし、憲法をよく読むと、自民党が何が何でも数にものを言わせて法案を可決する、というのであれば60日ルールを使う必要は全然ないのです。(2015/08/09)


みる・よむ・きく
ハン・ヨンスの写真2 Photographs of Han Youngsoo 2 〜懐かしさの理由 Why do I feel nostalgia? 〜
  ハン・ヨンス(Han Youngsoo)の写真を見て、懐かしさを感じたのはなぜなのでしょうか。日本人が韓国人と外見的に似ているからなのでしょうか。あるいは東アジアという自然や風土の類似でしょうか。いや、そういうことより、もっと本質的なもののような気がします。 Why I felt nostalgia when I saw photographs taken by Han Youngsoo? Is this because of the physical similarity between Japanese and Korean ? Or the similarity of natural environment ? But I think these answers are superficial.(2015/08/07)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP報道の謎2 ジェネリック医薬品とバイオ後続薬(バイオシミラー)
  アメリカの場合で調べてみると、一般的な化学薬品の場合と、有機物で作るバイオ医薬品(ワクチンや血液製剤、体細胞を使う薬品など)の場合とで特許期間の切れた後続役に対する呼び名が違っており、一般的な化学薬品の後続の場合をジェネリック医薬品、バイオ医薬品の場合はバイオシミラー(bio similar)と呼ぶそうです。2010年に発効したアメリカの連邦法、Patient Protection and Affordable Care Act (PPAC Act)ではFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可から12年間、バイオ医薬品のデータは保護されるとされています。ウィキペディアには次のように書かれています。(2015/08/05)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP報道の謎
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉がニュージーランドがふっかけた議論のために大筋合意が見送られたと新聞で今月報道された。記事では様々な分野の交渉状況が触れられていたのだが、疑問を抱いたのは新薬データの保護期間というくだりである。朝日新聞の記事では米国は12年、日本は8年、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアは5年を主張していると書かれていた。これは新薬メーカーを抱える国ほど国内産業の圧力で、保護期間を長引かせたいことを意味している。ところで、この朝日新聞の記事では「米国はバイオ医薬品については12年」という風に、<バイオ医薬品については>という限定の表現をとっているのである。これはどういうことなのだろうか。(2015/08/05)


政治
SEALDsに刺激され、OLDsも結成される
 安保関連法に反対する学生のSEALDsの活動が盛んになっているが、高齢者による組織オールズ(OLDs)も生まれた。オールズの説明にはこう書かれている。「OLDsは、アベ内閣が成立を図っている戦争法案に反対し、老人パワーを最大限発揮してその成立を阻止することを目的とするグループです」今日、OLDsのメンバーになった元・音楽教師の立野秀夫さん(78歳、埼玉在住)はその思いをこう綴っている。(2015/08/04)


文化
音楽にかける青春 プラハの春・国際クラリネットコンクールで優勝した韓国の Sang Yoon Kim 氏
  今年の五月、プラハの春・国際クラリネットコンクールで見事、第一位に輝いたのが韓国出身の青年、Sang Yoon Kim氏(27)でした。彼はいったいどのように音楽を磨いてきたのでしょうか?Sang Yoon Kimさんにインタビューを行ってみると、国境を越えてひたむきに音楽への夢を追いかけているひとりの青年の姿が見えてきました。Mr.Sang Yoon Kim, from South Korea, got the first prize on the international clarinet contest in Praha in May.He was 27 years old. I wonder how he developed his music so I interviewed him.(2015/08/04)


政治
参院論戦7 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」 改正される法律を数えてみたら少なくとも19あった…混乱を防ぐために
  今、参院で議論されている安保関連法案(=我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案)はいったいいくつの法律がいっぺんに改正されているのでしょうか。新聞等では10か11あたりの数字を見た気がしますが、参院のウェブサイトで条文を読んで抜き出してみると、以下の法律が改正されようとしています。(2015/08/01)


文化
音楽にかける青春 アンナ・パウロヴァー(クラリネット奏者) ’Now I cannot imagine my life without clarinet’ Anna Paulová
  音楽の都プラハ。この街でチェコ人の若い女性クラリネット奏者アンナ・パウロヴァーさんは暮らしています。この春、プラハで行われたプラハの春・国際クラリネットコンクールでは二位に輝きました。まだ21歳の音楽学生ですが、素晴らしい演奏をしています。将来の期待できる新人です。今回、パウロヴァーさんにインタビューを行いました。Anna Paulova lives in Praha, the city of music. She got second prize in an international clarinet contest at Praha this May. She has big talent and has a bright future as a soloist. Then I interviewed her about her life with music and clarinet.(2015/08/01)


政治
参院論戦6 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 国連決議がなくても自衛隊の派遣が可能に
  イラク特措法の場合は自衛隊の活動場所は非戦闘地域に限る、とされていたことが記憶にあるかと思います。当時の小泉首相が「自衛隊がいるところが非戦闘地域」という問題答弁をしたことも印象に残ります。イラク特措法ではそもそも自衛隊の任務は非戦闘地域での復興支援や地域の安全確保に限られていました。ところが今回の「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」の改正では先述の通り、国連総会や国連安保理の決議がなくとも、「国際連合憲章第七条1に規定する国際連合の主要機関のいずれかの支持を受けた」場合は一国の要請だけで自衛隊の派遣が可能となります。(2015/07/31)


政治
参院論戦5 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 自衛隊PKOの変化 〜南スーダンで自衛隊の戦闘開始の可能性
  毎日新聞の報道によると駆けつけ警護とは「離れた場所にいる他国軍部隊や非政府組織(NGO)職員などの要請に応じて行う救援活動」とされ、「実際の活動では、現地のNGOの要請を受け、武装勢力に拘束された職員を救出するケースなどが考えられる」と書かれています。今のこの法律「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(PKO法)では禁じられている行動ですが、安保関連法案が改正されれば可能となります。PKOですでに参加している自衛隊が南スーダンで戦後初の戦闘に入る可能性があります。(2015/07/30)


政治
アメリカの国会を見る 遺伝子組み換え食品のラベリングを義務付ける州法を無効にする連邦法が下院で可決
  7月23日、ワシントンD.C.の米議会(下院)である法案が可決した。法案のコードネームは「H.R.1599」。なんだか秘密作戦の暗号のようだが、この法案は食品メーカーに対して、遺伝子組み換え作物が含有された食品でもそれをパッケージに表記しなくてもよい、とする法案。ニューヨーク・タイムズではInside Congressという欄にこの「H.R.1599」が下院で多数決された時の賛成議員と反対議員、そして棄権した議員を全員明記している。賛成票275、反対票150、棄権9.しっかり共和党は赤、民主党は青に色分けまでされているから一目瞭然だ。(2015/07/29)


政治
選挙について 〜自民党と公明党が3分の2議席を得た昨年12月の総選挙を振り返る〜 「議会制民主主義」と60日ルール
 衆院で与党の自民党と公明党が3分の2の議席数を確保したのが、昨年12月の衆院選挙でした。この時の選挙を思い出してみると、昨年11月に筆者は日刊ベリタでこう書いています。「年内に解散総選挙が行われる見通しになったと報道されている。安倍首相は消費税を10%に引き上げる時期の是非を国民に問う、ということで消費税が争点のようにメディアは報じている。」(2015/07/29)


政治
参院論戦4 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 〜存立危機事態〜 国家総動員体制と人権が制限される可能性
  今、参院で論戦している安保関連法案 =「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」は昨日触れましたが、「自衛隊法等」と「等」の字があるように、自衛隊法だけでなく、その他の関連する特別法も集団的自衛権の行使を前提として書き直されています。安保関連法案にはたとえば次のような表現があります。<(武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律の一部改正)>そこで改正されようとするこの法律はそもそもどんな法律かと総務省のデータベースで検索してみると、「武力攻撃事態等における」を冠する特別法がたくさん出てきました。(2015/07/28)


政治
参院論戦3 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 〜周辺事態と重要影響事態〜
 今、参院で議論されている「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」ですが、よく読むと改正されるのは<自衛隊法等の一部>という風に「等」という言葉が入っています。改正の対象は自衛隊法だけではなかったのです。たとえばこれです。「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年五月二十八日法律第六十号)最終改正年月日:平成一九年六月八日法律第八〇号」(2015/07/27)


政治
参院論戦2 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 〜在外邦人の「保護措置」について〜
 参院で今日から質疑応答が始まる安保関連法案、正式名称「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」です。これを無手勝流ですが、読んでみたいと思います。(2015/07/27)


地域
横長の木 ‘Flamboyant’
  この木はキューバに生えている木です。知人が写真を見せてくれました。枝が横に大きく広がっています。まるで太陽の光を全身に浴びようとしているかのようです。日本の木がどちらかというと縦型なのに比べて、独特の印象を与えます。いったい、なんという名前の木なのでしょうか。アフリカでもこのようなタイプの横に広がった木を見た記憶がありました。米国在住のキューバ系の知り合いに問い合せてみるとメールで返答がありました。(2015/07/27)


政治
参院論戦1 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」 それは自衛隊法の改正である
 いよいよ来週から参議院で安保関法案の審議が始まります。この法案の正式名称は次のとおり。「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」文言の通り、新しい法案を作るわけではなく、既存の自衛隊法を集団的自衛権のもとに、再構成しようとするものです。その法案は次の参議院のウェブサイトに全文が書かれています。(2015/07/26)


政治
無料で日本の法律や憲法を検索する方法 「総務省法令データ提供システム」 様々な特別法もこれでOK
 「六法全書」は民間でも出版されていますが、法学部の学生や専門家以外の人には価格的にハードルが高い値段です。紙の全書にはその値段に見合った値打ちがありますが、家庭に持っていない場合は総務省のデータベースが無料で利用できます。1ヶ月前までに施行された法律は法改正された条文の修正を加えた上で、アップデートされて入力されています。憲法も法律もその他の様々な法令もデータベースにあります。(2015/07/26)


政治
参議院の傍聴をする方法 本会議は開会30分前に傍聴券を配布・先着順 委員会は議員を通して委員長の許可が必要 27日(月)本会議は13:00〜、安保特別委は14:30〜
  参議院本会議の傍聴は誰にでも可能です。(児童は制限されます)傍聴受付窓口が参議院別館にあり、そこで「傍聴券」をもらってください。ただし、先着順です。開会30分前から傍聴券の交付が始まります。一方、参院・安保特別委員会の傍聴は参議院議員の紹介と委員長である鴻池祥肇議員(自民党)の許可を要します。まずは参議院議員に要請することから。(2015/07/26)


政治
27日月曜から参議院で安全保障関連法案の審議開始 <我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会>
  7月27日月曜から、安全保障関連法案の審議が参議院で始まります。まず参院本会議で趣旨説明と安倍首相への質疑応答が行われ、そのあと、参院に設置された安保特別委員会で詳しい質疑応答が始まる予定です。(2015/07/26)


コラム
学生デモと「コクミン」 村上良太
 在日コリアンの人が国会前の学生のラップのノリの安保法制反対デモのyoutubeの映像を見て、かなり不快感を表していました。最初はちょっと、過激なくらいの怒りに戸惑いました。その人は学生のそのノリ自体が借り物であると批判していました。その書き込みには反響があり、いろいろな人の声を集めて、次第にラップの中に出てくる「国民なめるな」という決まり言葉に不快さの核があるらしいことが僕にもわかってきました。在日コリアンは国民ではなく、そのデモの輪から排除された印象を受けるのではないでしょうか。(2015/07/25)


文化
ハン・ヨンスの写真 Photographs of Han Youngsoo 村上良太
  韓国人の写真家、ハン・ヨンスの作品に最初に触れたのは今年の春だった。白黒の風景の中に市井の生活があり、子供たちの生き生きとした日々が写し出されていた。未知の人だけれど、第一線の写真家に違いないと思った。 (2015/07/24)


欧州
二大政党制の元祖英国の選挙 保守党331議席(36.9%) 労働党232議席(30.4%) スコットランド民族党56議席(4.7%) 労働党の敗因分析がどう報じられているか
  英国で5月7日に行われた総選挙の結果は英政界に2つの波紋を投じた。1つはエド・ミリバンド党首に率いられた労働党が保守党に完敗したことであり、もう1つはスコットランド民族党がスコットランド地域の59議席のうち56議席を取り、第三の政党として台頭したことである。ここから、英国の二大政党制に揺らぎが出たのではないか、という見方もある。つまり、労働党が凋落する可能性も指摘されており、労働党自身の中からも今回の選挙結果を冷静に分析して敗因を乗り越えなければ党勢の建て直しは厳しいという見方が出ているのだ。(2015/07/22)


コラム
ネッシーの最期
  スコットランドのネス湖で首の長い謎の生物の写真が撮影されたのは1934年のことで、有名なその白黒写真には湖のさざなみの中をいく首長竜のような魔物が写っている。ネッシーについては子供の頃、テレビ番組で何度も見たのでよく覚えている。茶の間の関心を呼ぶ出し物の定番の1つだった。このネッシーと呼ばれる正体不明の怪物を実際に探検隊を派遣して調べたのが石原慎太郎元東京都知事である。その頃新聞のコラムで石原氏のふるまいが無粋と叩かれたことを記憶している。ネス湖周辺の人々にとっては謎を謎にしておくほうがよいのではないか、というのがコラムニストの意見だった。(2015/07/20)


欧州
ギリシアと欧州連合の妥協について ドイツの政治哲学者ハーバーマスはこう見た…
 ギリシアの債務問題で一度はギリシア国内の国民投票で欧州連合がつきつけたギリシア財政改革案に対する「ノー」の声が勝利したものの、その後の交渉でチプラス首相は欧州連合の案をほとんど受け入れる形となりました。この事態の推移に関して、欧州連合内では様々な声が出ています。中でも目立つのが経済力を背景としたドイツの発言力と支配力が増していることへの危機感です。こうした声はフランスからも出ていますが、当のドイツ国内からも出ています。ドイツの政治哲学者のユルゲン・ハーバーマスはガーディアン紙でこう述べています。(2015/07/17)


文化
レイナルド・アレナス著 「めくるめく世界」
  野心的な名作を手掛けてきた国書刊行会によるレイナルド・アレナスの小説「めくるめく世界」。アレナスはキューバの東部の町、オルギンの出身です。東部と言えばキューバでは貧農が多く、革命の揺籃となったのも東部の農村地帯でした。本書(原題は'El Mundo Alucinante')は国の独立と宗教の自由化を目指して教会と国家権力に追われ続けるメキシコ人のカトリック修道士の波乱万丈の物語です。この小説が世界で高く評価されている理由はアレナスが用いたリアリズムを越えた不思議な空想の世界が、苛酷な宗教弾圧のリアルな歴史に溶け込んで、独特の文学空間を創りだしているからに他なりません。(2015/07/14)


教育
「そもそも教養って何でしょう?」 経営コンサルタントが説く<教養>の定義
経営コンサルタントの冨山氏はさらにこう言っています。「そもそも教養って何でしょう。教養、つまりリベラルアーツの本来の定義はプラトンの時代から、人間がよりよく生きていくための「知の技法」でしょう。それが現代では、たとえば簿記会計になるんです。実社会を生きていく上で確実に役に立ちますから」ここで冨山氏のあげているリベラル・アーツは現代の簿記会計なのか、というのが筆者がひっかかった点でした。(2015/07/09)


欧州
「21世紀の資本」のトマ・ピケティ氏が欧州メディアで引っ張りだこ <欧州諸国の借金問題を話し合う欧州大会議を開くべきだ>
  5日の日曜にギリシアが国民投票で放った欧州連合の緊縮案への「NO」の意志表示が欧州を揺さぶっています。国民投票が行われる前から、欧州では様々な人がこの問題をメディアで論じていますが、あの「21世紀の資本」で貧富の格差が広がるメカニズムを実証したフランスのトマ・ピケティ氏もその一人。ピケティ氏はいくつものラジオ局やテレビ局をはしごしてこの問題を論じていますが、彼の視点は<歴史から学べ>ということです。(2015/07/08)


欧州
ギリシアの国民投票 緊縮案に「NO」が61% 多数がチプラス首相の方針を支持 なぜ財務大臣が辞任?
  国民投票での「NO」を国民に呼びかけてきたチプラス首相らはほっと胸をなでおろしたはずです。欧州の報道によると、ギリシア国内のテレビやラジオでは<もし国民投票でNOが多数となったら欧州連合から追放されることになる・・・追い込まれたチプラスがクーデターを起こす>などといった悪夢のシナリオもばらまかれていた模様。チプラス政権の鍵を握る財務大臣のヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis)氏は、NOが多数を占め、政治的成功をおさめたにもかかわらず、財務大臣を辞職しました。なぜ?と思う人も少なくありません。(2015/07/06)


文化
夏目漱石著 「吾輩ハ猫デアル」の復刻に挑戦 2
Q この本の技術上の特色は? A 明治期に西洋式造本を取り入れた際、書物の工芸的性格を払拭してこれを導入。その後、日本独自の装飾的装丁が施されて今日までの和式洋本装丁文化を創り上げてきたわけです。その善し悪しは別として、これは天麩羅、トンカツを始め、欧州ではお目にかかれない洋品小間物等と同列上にある現象で、「書物」とてこれらと同列であることを再認識したいという気持ちはありますね。それがどうした、と言われても困りますが…。(2015/07/05)


文化
夏目漱石著 「吾輩ハ猫デアル」の復刻に挑戦 1
 この春、夏名漱石著「吾輩ハ猫デアル」が旧字体にルビをふって復刻されました。復刻にトライしたのは古い印刷技術である活版印刷機械を代々、所有する小さな独立印刷工房です。挿画も古い時代のものが掲載され、当時の読書の形が再現されました。復刻にトライした東京の九ポ堂の二代目の主、酒井道夫さんに話を聞きました。Q 九ポ堂の二代目の主、酒井さんはなぜ猫を復刻しようとそもそも思われたのか。(2015/07/05)


文化
抽象絵画の世界 目に見える世界と見えない世界 トリスタン・バスティ(Tristan Bastit)氏
  抽象画家のトリスタン・バスティ氏に初めてお会いしたのは2002年の夏のこと。パリの書店で行われた文学の夕べでした。その時、バスティさんは毅然とした印象で少し怖い印象がありましたが、後にお会いしてみると、その時の印象とは裏腹に非常に温和で親切な人であることを知りました。現在、74歳のトリスタン・バスティさんはパリだけでなく、スペインやベルギーでも個展を続けています。妥協しない個性的な作風に人気が集まっているのです。(2015/07/03)


欧州
欧州は青春か黄昏か ギリシア問題に揺れる人々
  ギリシアが欧州連合を去ることもやむなし、と見る人々がいる一方で、ギリシアへの連帯を表明する人々も少なくありません。たとえばインターネット新聞のMediapartには第三世界の債務問題に取り組んでいる論客Patrick Saurin氏が登壇して、「ギリシアの人々は自分たちの責任ではない債務を返済する必要なし」(Les Grecs n'ont pas a payer une dette qui n'est pas la leur)と書きました。(2015/07/02)


コラム
パリの散歩道 フランス地方都市の女性ブロンズ職人のたくましさ Sofi Bourcier, craftswoman of bronze 〜映像と文章〜
 パリの人たちは今時分、バカンスのことで頭がいっぱい。でも外国や遠方に行かなくてもパリから1時間も列車で移動するだけで、緑豊かな素晴らしい風景が広がっています。私たちはパリのリヨン駅から南行きの列車に乗りました。この日、彫刻家のバンサン・ベルゴン氏が出かけたのは少し南のポルトンヴィル。美しい川が流れ、水車があり、森もあります。この町にブロンズ職人、ソフィ・ブルシエさんの窯もあります。(2015/07/01)


欧州
ナチスの文化政策を描く一冊 「スピノザの問題」
  第二次大戦中、ファシズムのナチスは独自の文化政策を行っていました。中心に位置するのは本を焼くこと、焚書でした。排外主義の対象となったユダヤ系の作家やユダヤ系知識人のものばかりでなく、トーマス・マンのような国民的作家の本も、まとめて焼かれていました。さらにナチスはユダヤ系の人々の文化遺産を没収の対象とました。本書「スピノザの問題」もその経緯を描いたものです。(2015/06/30)


欧州
映画の原型「幻灯機」で作ったバンサンの映画 ビクトリア朝時代の幻灯機で手作りの味わい Vincent and his magic lantern  映像と文章で
   映画を生んだ源となったのが幻灯機。それを見せてくれたのはパリの芸術家、バンサン・ベルゴン(Vincent Vergone)氏でした。バンサンは彫刻家ですが、造形物に光を当てる創作も手掛けてきました。彼が使っているパリの北の郊外・オーベルヴィリエにある共同アトリエには古い幻灯機がいくつかあります。以下はその様子を短い映像にまとめたものです。(2015/06/30)


文化
作家のジャン=フィリップ・トゥーサン氏が生まれ故郷ブリュッセルの美術館で初個展 写真シリーズ「読書を愛する」と新作小説「風景の消失」
  この夏、トゥーサン氏は初めてベルギーで展覧会に参加し、写真や新作小説などを披露します。もともとトゥーサン氏はベルギーのブリュッセルで生まれたものの、13歳の時にパリに移り住んで、パリの大学で学びました。出版活動もパリがベースに。そんなトゥーサン氏にとって、今回のベルギーにおける展示は自らの故郷に帰ってきたような非常に大切な機会のようです。(2015/06/28)


欧州
フランス左翼党 創設者の一人フランソワ・ドゥラピエール氏が死去 盟友メランション氏が追悼演説
  フランスでは現在、社会党が大統領をいただく与党になっていますが、社会党以外にも少数派の左翼政党が複数存在しています。Parti de gauche = 左翼党もその1つで、2008年11月に社会党に所属していたメンバー数人が袂を分かって独立して結党したものです。社会党に対する批判的な視点を持つ彼らはその他の左翼少数派政党と選挙協力をしてきました。(2015/06/26)


経済
厚労省が修正 実質賃金は4月も増えていなかった 6月初旬の大々的報道は何だったのか? 実際は24か月連続マイナスだった…
  6月初旬、大手新聞は厚生労働省の毎月勤労統計調査の発表を受けて、4月に物価の変動を差し引いた実質賃金が初めて+に転じた、と大々的に報じた。プラス幅は昨年同月比でわずか0.1%だったが、それまで連続マイナスだったために、いよいよアベノミクスの成果が出始めたというリードの記事だった。ところが、ここに来て、厚労省が統計結果を修正したことがわかり、4月の実質賃金もマイナスで、結局実質賃金は24か月連続でマイナスだったことが明らかになった。この2年間、物価上昇を計算に入れたら労働者の給料は下がっていたのだ。(2015/06/26)


中東
ウィキリークスの暴露 サウジアラビア政府が西側メディアとアラブメディアに資金を提供してイメージ改善のための懐柔をしていたと報じられる
  最近ウィキリークスがサウジアラビアの公電を暴露しましたが、そのことが大きな話題になっています。中でも、潤沢なオイルマネーを投じてカナダやオーストラリアなどの西側メディアとともに、アラブ諸国のメディアにも懐柔を試みていたとされることです。(2015/06/24)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPとジェネリック医薬品 TPPが国民皆保険の脅威となる可能性も
現在のジェネリック医薬品の日本での数量のシェアは46.9%(2013年9月現在)で、国はこれを2020年度末までに80%に高める目標を持っています。最初は2017年3月末までに60%を目標としていましたが、その目標期日を1年前倒しにした上に、さらに80%という目標数値を掲げたわけです。これを見ても国民皆保険を維持するために、厚生労働省がジェネリック医薬品の普及を死活の急務と考えていることがうかがえます。しかし、ここに来て、大きな問題が浮上しています。アメリカが動かしている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の条項の中に、ジェネリック医薬品の制度改定があるというものです。(2015/06/23)


コラム
なぜ主要100社だけ?
  朝日新聞で景気を判断するのに主要100社にアンケート調査をしていました。そこから導き出されたのは景気大回復という印象です。しかし、ここで登場する主要100社というのはその他多くの中小零細企業と比べると、比較にならないほど利益を得ている企業ですし、その内部留保も積みあがっているはずです。(2015/06/22)


欧州
女性政治家同士の論戦 ナタリー・コシュースコ=モリゼ(国民運動連合=UMP)vs.セゴレヌ・ロワイヤル(社会党=PS)
  今年12月にパリで開催される国連気候変動パリ会議(COP21)。フランスの環境大臣、セゴレヌ・ロワイヤル氏は様々なメッセージを出している所です。代替エネルギーの開発の必要性もその1つ。機を同じくしてローマ教皇が先進国は「脱成長」(デクロワッサンス)を掲げて南の途上国と連携して環境対策に取り組む必要があると声明を出したばかりです。COP21では2025年あるいは2030年までのCO2排出量の目標基準値を定めることになります。そんな中、環境問題を巡って、フランスのテレビの女性政治家同士の一騎打ちの論戦を見ました。(2015/06/22)


反戦・平和
イラク戦争 反戦ポスターから
  2003年3月20日。イラク戦争が始まったこの春、多くの日本人がイラク戦争反戦を訴えてデモを行いました。それまでデモとは無縁だった人まで、予想以上に多くの人々が参加し、厳重な警備の中、アメリカ大使館前は緊張すらはらんだ空気となっていました。(2015/06/21)


経済
実質賃金プラス報道の謎
  国民の給料は実質増えているのか減っているのか。朝日新聞の6月3日付の記事では実質賃金指数が前年より0.1%増え、2年ぶりにプラスに転じたとしている。実質賃金は賃金から物価の変動を差し引いたもの。(2015/06/19)


経済
戦争と買い物 〜GDPの実質成長率が増加したと報じているが物価上昇を差し引いた実質報酬は去年に比べて低下 しかし、新聞はなぜかこの点に触れず… すでに大本営発表?〜
   内閣府によると今年の1月〜3月の四半期のGDPの実質成長率(物価の変動を除いた数値)は前期(昨年暮れの四半期)から1.0%の伸び、年率に換算すると3.9%増加したとされます。伸びていたんですね、実質のGDPは。しかも、昨年暮れの四半期(10月〜12月)の実質成長率の伸びに続いて二期連続伸びたことから、安倍政権は追い風になったとしたいところでしょう。ただし、朝日新聞によるとGDPの6割を占める個人消費は4半期の比較で0.4%の伸び。GDPの実質成長率が4半期の比較で1.0%と伸びているのに、個人消費があまり伸びていないのはなぜでしょうか。(2015/06/18)


コラム
安保法制と選挙 とんでもない!
  安保法制が合憲か違憲か選挙で決めたらいい、という声をネットなどで目にしますがとんでもないことです。憲法問題は総選挙とは位相を異にするものです。(2015/06/16)


中東
アジズ元イラク副首相の死と騒動 フランスの報道から
  サダム・フセイン政権でNO2の地位にあったタリク・アジズ元副首相が心臓発作で今月亡くなったことは前に触れましたが、その棺をめぐってひと騒動あった模様です。遺族が暮らしているのは隣国のヨルダンです。2003年のイラク戦争以後、息子らは亡命生活を余儀なくされています。(2015/06/14)


みる・よむ・きく
「英語類義語活用辞典」 インターネット時代に活用できる参考書
Japan Timesで映画評を担当していた記者の最所フミ氏が編纂し、書き記した「英語類義語活用辞典」はインターネットで日本からも情報発信できる時代になった今、ますます貴重さを増している一冊です。(2015/06/13)


中東
イラクのNo2だったタリク・アジズ氏、死亡
  イラクのサダム・フセイン大統領の側近だったタリク・アジズ氏が6月5日に亡くなった。79歳だった。2003年の米軍侵攻で逮捕され、以来ずっと獄中生活を余儀なくされていたが、健康状態が悪く、苦しんでいた。(2015/06/13)


TPP/脱グローバリゼーション
暴露されたTPPの条項に怒る米市民 市民の健康への危惧が高まる 特に発展途上国の市民にとっては致命的な条項が…
  TPPの極秘内容が露見して、怒り始めた米市民ら。米報道番組「デモクラシー・ナウ!」で報じられているのが健康問題です。特に諸国民の健康を犠牲にして多国籍企業の目線で作られた条項に注目。たとえば特許期限の切れた薬品を後発メーカーが特許料を払う必要なく作れてきたジェネリック医薬品も、開発した製薬企業がちょっとだけ変化を加えることで特許期限を無限に引き延ばせるようになります。(2015/06/12)


中東
6月12日は「ファラフェル」の日
  中東にはファラフェルという名前の料理があります。ボール状の揚げ物でコロッケに似ていますが、中身はジャガイモや肉ではありません。ファラフェルの外側を見ると狐色ですが、中身はソラマメやヒヨコ豆を砕いたもの。そう、中身はマメなのです。ですから、植物性タンパク質が豊富です。(2015/06/12)


欧州
国民戦線、元地方幹部が自動車複数台に放火した容疑で逮捕される 街の不安を強調し、党勢拡大を画策か
  昨年の地方選で躍進して一躍、2017年の大統領選へと駒を進めてきた右翼政党、国民戦線。ところが、国民戦線の元地方幹部がとんでもない犯罪容疑で逮捕された。場所はパリ近郊のセーヌ=エ=マルヌ県。報道によると、この地域の元国民戦線幹部(No2)が4月8日から9日にかけて数人の仲間とともに、Mitry-Moryなどで、13台の車に火をつけたとされる。(2015/06/12)


農と食
オックスファム(NGO)がフランスの4つの金融機関を報告書の中で告発
  オックスファム(NGO)がフランスの4つの金融機関を<飢餓を投資材料にして一儲けしようとした>として報告書の中で告発。クレディ・アグリコル、BNPパリバ、BPCEそしてソシエテ・ジェネラル。このうちクレディ・アグリコルは撤退したそうです。(2015/06/11)


みる・よむ・きく
ボードリヤール著「消費社会の神話と構造」 出版から45年
   ボードリヤールの「消費社会の神話と構造」(直訳は「消費社会」)が日本で翻訳出版されたのは1979年のことで、フランスで本書が刊行されてから10年のタイムラグがあります。精神分析に詳しいフランスの作家、ジル・アゾパルディさんにボードリヤールの「消費社会」について簡単に見立てをお願いしました。日本では80年代から90年代にかけて一世を風靡した社会学の本です。(2015/06/11)


米国
イラクへの米軍派遣 オバマ政権は400〜500人を検討中 イスラム国対策で長期戦の可能性 元国防長官が地上軍派遣の必要性をメディアで盛んに表明
  オバマ政権がイラクに400〜500人規模の米軍を再び派遣することを検討していると報じられている。報道番組「デモクラシー・ナウ!」では長期的なコミットになる可能性も指摘している。(2015/06/11)


みる・よむ・きく
カミュ原作の映画「涙するまで、生きる」 〜アルジェリアとフランス、日本とコリア〜
  渋谷のイメージフォーラムにて「涙するまで、生きる」を見た。原作はアルベール・カミュの短編集「追放と王国」収録の短編「客」。舞台はアルジェリア独立闘争が始まった1954年のアルジェリアの山村。独立軍とフランス軍のはざまに立たされたフランス系(もともとはスペイン系だが)の男とアラブ系の男の旅。二人は国と国の確執を越えることができるか。なるほど、今の時代に生かせる物語。上映後、上智大学イスラーム研究センター所長の私市正年教授と研究者の中村遥さんがステージで解説してくれた。アルジェリアは1830年から1962年まで約132年間、フランスの植民地だった。日本が朝鮮を植民した期間が1910年から1945年だから、その4倍の期間に渡る。(2015/06/01)


沖縄/日米安保/米軍再編
元国防長官ロバート・ゲイツ氏、イラクへの地上部隊の再投入を訴える
  米紙ワシントンタイムズに元国防長官のロバート・ゲイツ氏がオバマ政権のイラク戦争のこれまでの戦略を批判している。ゲイツ氏が何よりも訴えているのは地上部隊の再投入である。(2015/05/30)


沖縄/日米安保/米軍再編
2013年秋にペンタゴンの高官が韓国の記者に対して、日本の解釈改憲を支援する旨、伝えていた
  2013年11月21日付けで韓国の経済誌「ビジネス・コリア」(Business Korea)に、ペンタゴンの高官が韓国の記者に対して、日本の解釈改憲を支援する旨、同年11月18日に伝えていたという記事が出ていた。「米政府は日本が北東アジアにおいて本来の役割を取り戻し、平和と安全を維持することに貢献することをよし、とする」とその高官は話した。「日本がこれまでの遅滞を解釈改憲で乗り越えられるだろうと考えている。その過程において日本政府がいかなる決断をしようとも、日本を主権国家として米国は尊重する」(2015/05/30)


欧州
国民戦線党首マリーヌ・ルペンがなぜ今、エジプトへ?
  国民戦線党首マリーヌ・ルペンがエジプトを訪問したことがフランスメディアの話題となっている。「ジューヌ・アフリク」(若いアフリカ)誌の記事によると、マリーヌの狙いはスンニ派のアラブ世界で影響力が大きなエジプトの宗教指導者Al-Azhar師 〜 国民戦線(Front National)を反イスラムであると批判している 〜に会って、その見方を修正してもらうことにあったようだ。国民戦線は反イスラムではなく、反テロリズムであるというのがマリーヌの言い分だったらしい。これは2013年にマリーヌが「国民戦線を極右と呼んだら訴える」と声明を出したことと通底する一連の行動であり、間違いなく2017年の大統領選を視野に入れている。(2015/05/30)


コラム
象になんの問題が・・・
象になんの問題が・・・。まるで象がゴミのポイ捨ての犯人であるかのようなポスター。(2015/05/22)


コラム
市民運動と「楽しさ」 ベトナム戦争終結から40周年
 今年は2015年、あの1975年のサイゴン陥落から40周年。つまりベトナム戦争終結から40周年ということで、そうしたドキュメンタリー番組が何本か作られています。40周年と聞くと、そうか・・・とため息が出ます。もうベトナム戦争を同時代に経験した人は40歳以上ということになるからです。第二次大戦となると、70歳以上というわけです。戦争は遠くなりにけり、です。(2015/05/16)


コラム
パリ国際大学都市日本館館長のパソコンが盗まれ、怪しい仏語メールが館長名で送信される
   先日、パリ国際大学都市日本館から館長名で私のところに変なフランス語のメールが届きました。フランス語で以下の文章。Bonjour,J'aimerais te parler serieusement es tu disponible par mail.Je te demande de garder surtout la confidentialite de mon courriel n'en parler personne je t'en prie.Merci d'avance.パリ国際大学都市日本館に、このようなメールが来ましたが、確認願います、とメールで問い合わせました。するとたった今、責任者からお詫びと説明のメールが届きました。(2015/05/16)


反戦・平和
戦災傷害者の無念を描くドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか 〜傷痕の民〜」 (短縮して再掲載)
「先生、腕を切らないで。親がいないし独身だから働かなくてはならないのです」戦災傷害者はみな「あの日」さえなければ・・・心の中でそう思っています。1944年11月24日B29来襲。以後東京は110回を超える空襲で焼け野原になりました。1945年3月10日未明の空襲では推定10万人が焼死、40万人が負傷しています。 (2015/05/15)


反戦・平和
テレビ東京のドキュメンタリー人間劇場「みすてられてなるものか 〜ハイカラおばぁちゃんの熱い日々〜」(1999年、山本洋子演出)
  米国はイラクやベトナムで戦争をしても自国に弾が飛んでくることがありませんでした。そのことが米国が戦争を続けてこられた大きな理由です。しかし、日本の場合、アジアで戦争が起きたら日本は射程に入ります。国内に弾が飛んできます。その場合、民間人にも死傷者が出ますが、前の戦争で民間人の被災者はどのように保護されたかというと、ノータッチです。以下はこれをテーマにした番組です。テレビ東京のドキュメンタリー人間劇場「みすてられてなるものか〜ハイカラおばぁちゃんの熱い日々〜」(1999年、山本洋子演出)(2015/05/15)


文化
パリの芸術家、トリニ―・プラダ氏 〜今年もヴェネツィアのビエンナーレ国際美術展に臨む〜
  イタリアのベニス(ヴェネツィア)では2年に一度、国際美術展が開催されています。2年に一度ということで、ビエンナーレと呼ばれています。今年は5月9日から11月22日まで、ということで開幕寸前です。多くの芸術家が参加しますが、パリから参加するトリニ―・プラダ(Triny Prada) さんもその一人。トリニ―さんは南米のコロンビア出身で、パリに留学して美術を学び、その後パリにアトリエを構えています。(2015/05/02)


文化
歴史に翻弄される人間の生 画家ダイアン・ババヤン
  アインシュタインとキュリー夫人が並んで立っている。背後には赤い空が広がっていて、足元には起伏のある大地が続いている。二人が拓いたのは「核の時代」であり、それは広島や長崎の惨禍を招いてしまった。そのためか、科学者の肖像でありながら、不安な印象が胸に迫ってくる。イラン出身の女性の画家、ダイアン・ババヤン(Diane Babayan)氏の一枚である。名字の・・・「ヤン」は作家のウイリアム・サロ―ヤンや、映画監督のアトム・エゴヤンと同じで、アルメニア系の名前だ。ババヤン氏の両親もイラン在住のアルメニア系だった。(2015/04/24)


人権/反差別/司法
フランスで盗聴法案審議中 通信の秘密はどうなるの?
 日曜日に24歳のアルジェリアからの留学生による教会への襲撃未遂があったと報じられた最中、今フランス議会ではインターネット監視法が議論され、投票されようとしているそうです。(2015/04/23)


市民活動
フランスで遺伝子組み換え反対の「反モンサント」デモ
 4月23日の今日、フランスでは「反モンサント」のデモ行進が予定されています。モンサントとはご存じ、遺伝子組み換え農作物を世界で推進している米企業の名前です。今、欧州では遺伝子組み換え農作物を断じて入れさせるな、と強い反対が起きています。(2015/04/23)


国際
2015年 アルメニア人虐殺から100年
   今年2015年はアルメニア人がオスマン帝国で虐殺されてから100周年という年である。今月24日にイスタンブールのタクシム広場で記念式典が執り行われる予定だ。アルメニアの知識人などリーダーたちがイスタンブールで逮捕監禁された日だそうだ。赤い日曜日とも呼ばれている。一連で殺された推定人数は150万人に及ぶとの推定もある。これは虐殺が起きた第一次大戦前のアルメニア人口と大戦後の人口との引き算による推定値である。(2015/04/19)


核・原子力
フラマンヴィルの原発建設に何が・・・・新たな問題が指摘される
フランスのフラマンヴィル原子力発電所建設サイトでさらに問題が指摘されています。検査機関から核燃料を格納する銅製容器の耐久力の不足が指摘された、とラジオフランスアンテルナショナルが報じています。(2015/04/17)


国際
米ドルを使用する日 3
  自国通貨を排して、米ドルを通貨にする現象をドラライゼーションと呼んでいる。ジンバブエやエクアドルの場合がそうだ。通貨が不安定になった場合、通貨価値が多少なりとも一定しているドルを導入することでハイパーインフレを防ぐものである。しかし、そのため、自国の通貨量をコントロールすることが当局に出来なくなってしまう。つまり、米国財務省の政策の影響下に置かれてしまう。(2015/04/16)


国際
米ドルを使用する日 2
  ジンバブエの首都ハラレの少し郊外を訪れると、無数の人々が道路沿いで露店を営んでいる。道端にシートを1枚敷いて、服やCDや細々したものを並べたものだ。その近くには築100年近いと思われる老朽化した団地が並んでいる。ある人の話では20ドルあれば商売を始められるという。(2015/04/16)


国際
米ドルを使用する日
  アフリカ南部の国、ジンバブエに行くとわかるのだが、そこで使われているドル紙幣は湿っている。色もどす黒い。潔癖症の人は抵抗を感じるかもしれない。その理由はジンバブエが通貨発行権を失っているため、古くなった紙幣を新札に変更できないからである。(2015/04/15)


国際
ガレアーノの死
  ジャーナリストで作家のエドゥアルド・ガレアーノが亡くなりました。ラテンアメリカや欧米では大きくその死が追悼されています。しかし、自分も含めて、日本の人はガレアーノについてはあまり、というよりほとんど知らないのではないでしょうか。日本人の知らない世界がそこに垣間見える気がします。日本の書店でガレアーノを置いている店はきっと1%もないでしょう。(2015/04/14)


コラム
イスラム教世界と小説 どんな政治体制であれ文学は人間性を扱う
  イスラム世界の文学はまだあまり読まれていないように思う。自分自身を顧みてもそうだ。これまでイスラム圏の作家で読んだのはパレスチナのガッサン・カナファーニ―、トルコのオルハン・パムク、そしてアルジェリアのヤスミナ・カドラくらいだ。あとエジプトの未読の作家ナギブ・マフフーズが書棚に一冊積まれているに過ぎない。キリスト教圏や仏教圏に比べると圧倒的に少ない。(2015/03/15)


みる・よむ・きく
ブレヒト作「第三帝国の恐怖と貧困」 東京演劇アンサンブル60周年記念公演
  今、東京演劇アンサンブルという老舗の劇団がベルトルト・ブレヒト作「第三帝国の恐怖と貧困」を上演している。1954年に結成された同劇団は昨年、創立60周年を迎えた。今回の舞台も記念公演シリーズの一環だ。創設メンバーでカリスマ的リーダーだった広渡常敏氏が亡くなった今、新たに中堅世代の演出家3人が一連の記念公演を担当している。ブレヒト劇団が今後、いったいどのような方向に向かうのか、興味深い。さて、昨日幕を上げたばかりの「第三世界の恐怖と貧困」はそのタイトルにあるように、1933年のナチス・ドイツの誕生から第二次大戦前夜までのファシズムが進行するドイツを描いている。劇はオムニバス形式で、年代記的に様々な場所で出来事が進行し、それらが全体のテーマを構成する。演出の松下重人は14の場を構成して演出しているのだが、劇全体を見て感じたことはドキュメンタリー番組を見るような、アクチュアルな印象だった。(2015/03/14)


コラム
タイの雨
  いつも外国に出かけるたびに、その国の気候条件がわからず、滑稽なほどに狼狽してしまう。タイには雨季と乾季が存在するが、たまたま雨季に訪ねた場合、どんな雨に打たれるのか。日本の梅雨の様にじとじと1日中、雨がぱらついたりするのだろうか。タイの場合はそうではなかった。1日に一度、天候がどーっと悪くなって土砂降りになる。しかし、たいていの場合、1時間もすると雨が上がるのだ。(2015/03/11)


国際
NYTが社説でネタニヤフ首相が米議会で行ったスピーチを批判 〜イスラエル、イラン、米国、サウジアラビア〜 核にこだわる面々
  イスラエルのネタニヤフ首相が3月3日、米下院を訪れ、スピーチを行った。ニューヨークタイムズ社説はその模様を次のように記している。「ネタニヤフ首相が火曜日、下院に入場した時、激しい拍手が沸き起こった。彼は腕を上げてあたかも凱旋した英雄のようだった。」しかし、ニューヨークタイムズは米議会のそのような歓迎ムードとは逆に、激しい批判を加えている。(2015/03/07)


コラム
パリの本屋 思想や社会科学など古典が半数以上
  写真はパリの小さな書店の店内だが、小規模の書店はたいがいこんな感じだ。天井まで本が並べられており、客ははしごを登る。これらの本の中で新刊小説は比較的少なく、むしろ思想・社会科学などの古典が半数以上を占めている。(2015/03/06)


農と食
カップ麺とインスタントラーメン トムヤムクン味
  日清食品がカップヌードル・トムヤムクン味を2月下旬全国での販売を再開した。日清食品のウェブサイトによると、去年の4月に売り出したところ、好評で供給がいつかなくなったため、一部地域を除いて供給をストップしていた、とウェブサイトに書かれている。(2015/03/06)


コラム
Charlie Hebdo 誌 練達の漫画家4人を失った損失
  漫画新聞の価値はどこにあるのか?言うまでもなく、漫画家にある。Charlie Hebdoはイスラム原理主義者の襲撃によって一瞬にして最高レベルの4人の人気漫画家を失うことになった。もし、仮にも経営というもの知っている人間であればその損失の大きさが理解できよう。(2015/03/01)


アフリカ
「イラク」と化したリビア 米誌アトランティックが「完全なる失敗の淵」と酷評 無責任な軍事侵攻の惨状 イスラム国の北アフリカの拠点に 誰一人責任を負わない米英仏首脳
  アメリカのアトランティック誌が「完全なる失敗の淵」として、米国などのリビア軍事介入後の惨状をレポートしている。アトランティックは悲鳴を上げる女たちの写真をつけているのだが、それはエジプト人のコプト派(キリスト教徒)21人がリビアで斬首されたからだ。イスラム国ではなく、リビアにおいてイスラム国と同調する行動が取られていることを示している。(2015/02/22)


コラム
新聞・メディアと大学人 いつも同じ面々なのはなぜ?
   先のコラムで筆者はフランスの襲撃事件に対するメディアでの歴史的な説明が不十分ではないか、と指摘した。仏文の研究者は無数にいるはずだが、彼らの見識はほとんど何一つ世に出てこなかった印象だ。この傾向はCharlie Hebdo襲撃事件だけではなく、近年広く一般化している現象ではないかと感じている。イスラム世界の研究者はわが国に何人いるのだろう。だが、メディアで声明を出したり、説明をしたりする大学人はいつも一握りの決まった顔ぶれになっている。この現象には2つの側からの事情があると思う。(2015/02/22)


コラム
ユグノー戦争の記憶 Charlie Hebdo 襲撃事件とフランス
  1月7日に発生したCharlie Hebdo襲撃事件に対するわが国の新聞などの論壇を見ていると、フランスの歴史と風刺と宗教に関する説明ではせいぜい1789年のフランス革命まで遡って言及されたくらいだったのが意外だった。思うにフランス人がこの問題を見る時に重ねているのはもっと古い時代ではないか。つまり、フランス革命より2世紀古いユグノー戦争(1562年 - 1598年)に対する国民的記憶ではないかと思えるのだ。(2015/02/22)


みる・よむ・きく
エドワード・サイード著 「オリエンタリズム」
  私は今、日刊ベリタで「アラブの眼」というペンネームを持った日本の方の寄稿した「Charlie Hebdo」に関する文章の中の事実関係について、自分なりにリサーチした文章をいくつか書いてきた。その動機は自分がフランスに関心を持っており、日刊ベリタにもフランスのことをしばしば書いてきたということによる。その作業をしていて思い出されてきた本がある。20代の半ばに読んだエドワード・サイード著「オリエンタリズム」である。(2015/02/16)


コラム
クアシ兄弟の身元が割れた身分証はどこで?
  Charlie Hebdo襲撃犯のクアシ兄弟の身元がいつどういう形で警察につきとめられたのか?フランス・テレビの情報によると、兄弟が襲撃の後に逃走して19区に逃げ込んで止めた車の中に兄サイード氏の身分証が残されていた、と警察は発表している。「アラブの眼」はCharlie Hebdoの事務所に兄弟の身分証が残されていたことを持って、2001年9月11日の同時多発テロとの関連性を指摘しているのだが、その前にまず事実を正確に伝えるべきではないか。(2015/02/16)


コラム
風刺漫画のチャーリー誌(Charlie Hebdo)を大富豪のロスチャイルドが買ったという情報の真偽について
 本紙2月10日付で、大富豪ロスチャイルド家が襲撃された風刺漫画誌を襲撃の1か月前に購入していたとする情報をペンネーム「アラブの眼」が、オランダ誌から米国のワタンを経由した情報として伝えている。<ロスチャイルドがシャルリ・エブド社を購入か?>と題する記事である。ロスチャイルドはユダヤ系資本家である。そこにはユダヤ人がイスラム教を侮辱させた、という含みすら感じられる。さて、その真偽はどうなのか?フランスインフォはその情報はデマであると伝えている。そればかりか反ユダヤ主義の漫談家デュードネ氏が支援するウェブサイトがその嘘を発信したと報じている。(2015/02/16)


コラム
「アラブの春」とフランスの大手メディア
  本紙でパリ政治学院のファブリス・イペルボワン教授が<フランスではアラブの春が起きた時、ほとんどのメディアが黙殺していた>という意味合いのことを話している記事があるがそれはどういう意味だろうか。「最後の最後になるまで、ほとんどの大手メディアが話題にしなかった」とあるのはどのようなことなのか。「アラブの春」が始まったのはチュニジアであり、それは2010年12月17日に若者が焼身自殺をしたことが引き金になったものだった。実を言えば当初は「アラブの春」という言葉ではなく、「ジャスミン革命」と呼ばれていた。(2015/02/14)


コラム
アメリカのアラビア語サイト「ワタン」 本紙に掲載されたクルド軍による「イスラム国」捕虜焼殺情報の真偽は?
   しかし、クルド軍がイスラム国の捕虜を焼殺したという情報は様々な西欧語の新聞などのネット媒体では未だに見ていない。アラビア語でのみ露出した情報なのだろうか。しかも、個人の書き込みノートに過ぎないfacebookに20歳前の若い女性が書きこんだものをもって「発表」としてよいのだろうか。(2015/02/06)


中東
サウジアラビアが9・11同時多発テロ事件に資金援助していたという証言 王子三人の名前もあがる サウジは否定
   サウジアラビアでは国王が亡くなって世代交代したことや、石油価格の下落を仕掛けているのがサウジアラビアであることなど、最近、今までと違った形で注目されることが増えている。そして、今、米国からサウジアラビアへ1つの疑惑が突きつけられている。2001年の9・11同時多発テロの主要な資金源がサウジアラビア国家だったのではないか、とする疑惑である。(2015/02/06)


みる・よむ・きく
アラン・マバンクウ著 「ジミーへの手紙」 〜黒人作家の生〜
  コンゴ出身でパリでの生活を経て、現在、カリフォルニア大学で教鞭をとる作家のアラン・マバンクウ(Alain Mabanckou)氏の「ジミーへの手紙」。これは米黒人作家、ジェームズ・ボールドウィンに宛てた長い手紙を本にしたものだという。とはいえ、ボールドウィンはすでにこの世の人ではない。マバンクウ氏の独自性はアフリカ大陸、欧州大陸、そして米大陸と動きながら、黒人の生を考えているところにある。ジェームズ・ボールドウィンもアメリカの作家だが、のちにパリに渡って作家活動を行ったことでも知られる。ゲイでもあった。(2015/02/05)


中東
ヨルダンがリシャウイ死刑囚ら2名の死刑を実施 〜イスラム国がヨルダン人パイロットの処刑ビデオを公開した後〜
ロシアのRTによると、ヨルダン政府は人質交換の対象となっていたリシャウイ死刑囚ら2名の死刑を実施した。(2015/02/04)


みる・よむ・きく
女性自爆テロリストを妻に持った男の旅路 ヤスミナ・カドラの小説「テロル」
   テロリズムはイラクであれ、アフガニスタンであれ、パキスタンであれ、毎日のように起きている。かつて19世紀のロシアでもテロが頻発したが、作家のドストエフスキーは「悪霊」という小説でテロリストの人間像を描こうとした。今日でもテロリストの内面に迫ろうとする小説に真摯に取り組んでいるイスラム教世界の作家がいる。アルジェリアのヤスミナ・カドラもその一人だ。カドラには3部作と呼ばれる小説群がある。(2015/02/03)


コラム
リシャウイ死刑囚の死刑免除の嘆願
  後藤氏や湯川氏の人質事件がなかったら、その名前を聞くこともなかったかもしれない女性のリシャウイ死刑囚。彼女の命は後藤さんと引き換えになるはずだった。様々な思惑が入り乱れて、真相は霧の中にある。日本では後藤さんの助命嘆願の動きがあちこちで起きた。日本人の人質は殺され、この事件も次の局面へ、日本人の関心は移りつつある。しかし、人質交換の相手とされたヨルダンの刑務所にいるリシャウイ死刑囚は未だ死を待つ身で獄中にいる。(2015/02/02)


コラム
フランスとイスラムと右翼 鍵となるアルジェリア独立戦争
   フランス国内が愛国主義で染まった、という報道もあるが、そこには単純化もある。Charlie Hebdoを追悼し、デモに並んだ人の中には愛国主義者も少なくなかったと思われる。370万人のデモはフランス史上最大規模だった。しかし、フランス人の非ムスリムの中にはイスラム教徒との平和な共生を望み、中東での戦争に加担するのを批判している人も多い。(2015/02/02)


国際
「これ以上負債を減額できないわよ」 浮かれるギリシアにメルケル首相がくぎを刺す
  欧州連合のリーダー、ドイツのメルケル首相はこれ以上ギリシアが欧米諸機関に返済する負債額の減額は認められない考えを示した。すでにこれまでにも金融機関や投資家個人は相当額の負債を帳消しにしてきたからだ。BBCによると、今も残るギリシアの負債額は3150億ユーロで1年の国内総生産の2倍近い175%に上る。(2015/02/01)


国際
イスラエルがパレスチナ自治区領内のウエストバンク(ヨルダン川西岸地区)に新たな住宅450軒を建設する計画 欧州連合や国連が懸念を示す
  ロシアのRTによると、イスラエルはパレスチナ自治区領内のウエストバンク(ヨルダン川西岸地区)に新たな住宅450軒を建設する計画だという。それに対して、国連や欧州連合が懸念を示している。(2015/01/31)


コラム
特定秘密保護法と情報の非対称性
  アメリカの経済学者スティグリッツやアカロフらがノーベル経済学賞を授与された理由が「情報の非対称性」の研究だった。情報の非対称性とは売り手と買い手の二者の間に著しい情報の格差が存在することを指す。たとえば中古車について言えば売り手は中古車がどの程度、痛んでいるかを理解しているが、買い手は中身の機構の状態まで中古車店で知ることができない。情報の非対称性が経済にどのような意味を持つか、これを研究したのがスティグリッツ教授たちだった。このような情報の非対称性があると資源を最適に配分することができず非効率な経済になる。結果的に市場につまらない商品ばかりがあふれることになるそうだ。では政治とジャーナリズムに関してはどうか。(2015/01/30)


国際
後藤健二さんの新たな声をCBSが報じる 後藤氏生存の模様 新たなメッセージとは・・
  後藤健二さんの新たな声をCBSが報じる。CBSが2時間前に報道。29日モスル時間で日没までに後藤氏とリシャウイ死刑囚の身柄交換の準備ができていなけれがヨルダン人パイロットを殺す、と後藤氏がヴォイス・メッセージ。(2015/01/29)


国際
ヨルダンでリシャウィ死刑囚の釈放決定が報じられる 人質と交換か? ヨルダン政府は公式発表していない模様 錯綜する情報
ヨルダンでリシャウィ死刑囚の釈放決定が報じられる  人質と交換か?(2015/01/28)


インドの大物漫画家 RK Laxman 氏死去
 インドの大物人気漫画家RK Laxman氏が94歳で亡くなった。インドのタイムズ紙で50年間活躍した。(2015/01/28)


コラム
特定秘密保護法撤廃の日 〜真相検証番組の特需が・・今から企画を練る人も
  安倍政権が終焉し、特定秘密保護法が撤廃される日、まず特定秘密の解除と、秘密にする必要がない情報の情報公開が緊急課題になるだろう。そこには今、日本で進行している外交・軍事情報の範疇に入るものが少なくないはずである。(2015/01/27)


国際
パキスタンの電力施設へのテロ攻撃で2時間停電 原発もオフラインに
  ロシアのRTによると、パキスタンの電力施設を狙ったテロ事件で140分停電し、原発施設も2時間オフラインになった模様。(2015/01/26)


欧州
ギリシア総選挙 左翼政党 Syriza が勝利か?
 ギリシアで行われた総選挙で左翼政党のSyrizaが勝利した模様。(2015/01/26)


中東
2015年3月のイスラエル総選挙 ネタニヤフ首相下ろしを狙う「シオニスト」連合 〜労働党と新党の中道連合が「シオニスト」を名乗る〜 安倍首相は今時分なぜイスラエルへ? 謎多き日本外交
  人質が処刑される直前に安倍首相はイスラエルの超タカ派ネタニヤフ首相と会談したことは記憶に新しいが、イスラエルでは3月の総選挙でネタニヤフ首相を下ろすための連合勢力が誕生している。(2015/01/25)


国際
RTによると、後藤氏は以下のメッセージを伝えた模様
  RTによると、後藤氏は以下のメッセージを伝えた模様。’In his message, Goto reportedly blames Japan’s prime minister for Yukawa’s death and says that the Islamic State now wants the release of Sajida al-Rishawi, an alleged attempted suicide bomber, who is believed to be connected to the attack on a hotel in Jordan in 2005.’(2015/01/25)


国際
ロシアの報道 湯川氏、斬首か? 後藤氏は未だ生存の模様。後藤氏が人質交換を訴えた模様
  ロシアのRTがブレーキングニュースと報道。 (2015/01/25)


欧州
中村哲さんの道 軍事力とは違った処方箋
 日本では襲撃されたCharie Hebdoをヘイトスピーチを行う在特会になぞらえ、襲撃されたのには理由があり、表現の自由の制限もやむなし、という人が少なくない。しかし、今度は週刊新聞カナール・アンシェネに脅迫状が送られ、首を斧で切ると予告されたと言う。(2015/01/19)


アジア
現代韓国戯曲は面白い ドラマリーディングを見る
  東京の三軒茶屋駅前のシアター・トラムで1月15日から「韓国現代戯曲ドラマリーディング」が行われている。韓国の優れた現代劇作家の作品をいくつか選んで、日本の舞台で「ドラマリーディング」を行うもの。戯曲を舞台で朗読するだけならいささか退屈なんじゃないか、と思って出かけたらかなり面白く、スリリングな体験だった。18日まで行われる。(2015/01/17)


文化
今、演劇に何ができるか? 襲撃事件の後に
  パリの劇場を根城に活躍してきた演出家、ピーター・ブルック氏の娘であるイリーナ・ブルック氏(女優、演出家)がパリの襲撃事件に関してフランスメディア le Nice-Matin (1月14日)のインタンビューを受けている。彼女は1年に一度に限定せず、もっと劇場に足を運んでほしいという。(2015/01/16)


コラム
パリ襲撃事件と記者
   パリの風刺週刊誌襲撃事件で多くの記事をフランス媒体の情報をもとに日刊ベリタに書いてきましたが、以下のタイトルの記事は筆者(村上)が書いた記事ではありません。<犯人はイスラム国かモサドか? 仏紙襲撃事件で相反する報道><パリ襲撃事件の犯人の逃亡車両をパトカーが逃がす?><「西欧の宗教対応は均衡を欠く」アルジャジーラの読者アンケート>(2015/01/15)


欧州
週刊新聞カナール・アンシェネに脅迫状 「次の標的」
  パリジャン紙によると、週刊新聞のカナール・アンシェネはCharie Hebdo襲撃の翌日、「次の標的」として脅迫状を受け取っていた。カナール・アンシェネはフランス政治家の腐敗を最も先鋭に報じてきた新聞。(2015/01/14)


核・原子力
イランとの核交渉 来週ジュネーブで
  米国とイランの雪解けムードが2年前から始まっていたが、ここに来て雲行きが不透明になっているとニューヨークタイムズが社説で警告を出している。 オバマ大統領とイランのローハ二大統領との関係は壊れていない。変わったのは米議会。障壁は昨年の中間選挙で上院も下院も共和党が多数を占めるようになったことにある。(2015/01/12)


コラム
パリの漫画家批判で浮き彫りとなった日本人の古層
  パリで襲撃された漫画家たちを非難する声が日本で次々とのろしのように上がっている。表現の自由の行き過ぎだ、というのがその理由のようだ。そこでフランスの風刺文学を俯瞰してみたい。(2015/01/11)


コラム
「平和の訴え」、ユマニズム、漫画家
  日本人がテロリストではなく、殺された漫画家を「表現の自由の行き過ぎ」と批判しているのを知って僕はただただ驚いている。宗派に寄らず、宗教組織は絶大な権力と富を保有しているし、宗教が世界各地で起きている戦争の原因となっているとパリの漫画家たちは考えていた。このことはエラスムスが1517年に書いた「平和の訴え」で(宗教)戦争を誘発するとしてキリスト教世界の指導者を批判していた行為と基本的に同じである。(2015/01/10)


欧州
チャーリー襲撃犯と推定される兄弟は射殺される
  AFPによると、チャーリー襲撃の犯人と推定される兄弟は射殺。人質は解放された。(2015/01/10)


欧州
襲撃犯の兄 イエメンで軍事訓練を受けたとの情報 L'express 誌
  チャーリー襲撃事件で襲撃犯の兄弟の兄、サイード・クアシ容疑者は2011年にアルカイダのイエメン支部で、軍事訓練を受け爆弾製造技術も持っているという。L'express 誌による。(2015/01/09)


コラム
シャルリーとチャーリー
  7日にパリで襲撃された風刺週刊誌の名前がCharlie Hebdoである。これを日本の新聞ではシャルリー・エブドと表記している。しかし、日刊ベリタで事件を要約して伝える時、僕はチャーリーと表記している。(2015/01/09)


欧州
2017年大統領選への風 国民戦線党首マリーヌ・ルペンの声明 「フランスは1つ」
  今回のチャーリー誌襲撃事件。この人が2017年にフランス大統領になる風が吹いている。演説の中でマリーヌは「フランスは1つ」と繰り返したたみかける。(2015/01/08)


欧州
容疑者は3人 漫画週刊誌チャーリー襲撃犯の行方 警察発表では容疑者の一人はイエメンで軍事経験
  ルモンドによると漫画週刊誌チャーリー襲撃事件の容疑者は3人で、一番若い18歳の男がベルギーとの国境に近いシャルルビル・メジエールで逮捕された。(2015/01/08)


欧州
フランスを代表する風刺漫画家 Cabu 氏も襲撃で死亡
  風刺新聞のカナール・アンシェネで中心的な漫画家として活躍したカビュ(Cabu)氏が7日、パリで起きた風刺週刊誌チャーリー銃撃事件で死亡した。カビュ氏はチャーリーにも漫画を寄稿していた。(2015/01/07)


欧州
フランスの風刺週刊誌 Charlie Hebdo の事務所がテロリストに襲撃される 死者12名以上か
  パリの風刺雑誌として知られる週刊チャーリー(Charlie Hebdo)が覆面の二人組に襲われ、銃撃を受けた。警官2名を含む12人が殺された模様。犯人は逃走した。(2015/01/07)


コラム
1月7日 ロシア正教では今日がクリスマス
  年末から年始にかけて、国と文化圏、宗教圏によって祝いの日や意味合いが違っているのが興味深いものです。ロシア人の友人は今日、1月7日がクリスマスになっているらしく、お祝いのカードを送りあっているようです。(2015/01/07)


国際
ロシア通貨危機と対処法 スティーブ・ハンケ教授(ジョンズ・ホプキンス大)
  ハイパーインフレが専門のスティーブ・ハンケ教授(Steve Hanke:経済学)はロシア通貨危機に関して、11月にロシア政府が通貨バスケット制を廃して変動相場制に移行したことを失敗と指摘。このままでは原油価格の変動が通貨変動とリンクして、ロシア経済の不安定化が進行すると言う。(2014/12/21)


みる・よむ・きく
メドヴェジェフ著「チェルノブイリの遺産」(みすず書房)
  チェルノブイリ原発事故を調査検証したメドヴェジェフ著「チェルノブイリの遺産」は1990年に出版された古い本だが、今読むと身近な話に思えてくる。当時はチェルノブイリ原発事故は遠い他人事に思えていたのだったが。チェルノブイリ原発事故では炉心溶融の後、爆発し、放射性降下物がウクライナ、白ロシア、ロシアなどを汚染した。(2014/12/20)


コラム
選挙とハリウッドとシナリオライター
  オバマ政権が誕生する以前に、アメリカで人気のドラマ「24」シリーズなどで格好いい黒人大統領が登場する場面を何度も目にしました。民主党の期待の新人・オバマ氏が大統領になってもいいように民主党支持の映画プロデューサーたちが数年前から米国人大衆にイメージを刷りこんでいたのではないか、と推測しています。(2014/12/18)


文化
中国人の作家が習近平・国家主席の文学談話をニューヨークタイムズで批判 習国家主席の文芸活動座談会の影響力について警告
  中国人の作家、慕容雪村(ムーロン・シュエツン)氏がニューヨークタイムズ紙上で習近平・国家主席の文学に対する見解を批判した。このコラムは習近平・国家主席が北京で招集した「文芸活動座談会」における談話に対する批判である。シュエツン氏によれば習近平・国家主席は市場主義経済のもとで出版されている俗悪な文学を批判し、社会主義に奉仕する文学が求められていると語ったとされる。(2014/11/24)


コラム
アベノミクスとレーガノミクスと保守革命 〜アベノミクスの正体〜
 ・・・こうしてみると、アベノミクスは1980年代に推進されたレーガン政権によるレーガノミクスに本質的に近いことがわかる。レーガン政権の場合はデフレではなく、インフレとの戦いだったが、意外にも両者の経済政策は似ている。それは新自由主義という点においてである。(2014/11/22)


コラム
ソ連と自民党
  時は1987年。ソ連崩壊の4年前のこと。筆者の所属する大学の刑法ゼミにソ連から訪れた検事が参加したことがあった。40代くらいの中堅の男で、ゼミの教授が刑法以外にソ連・ポーランド法の専門家でもあったからである。(2014/11/21)


みる・よむ・きく
フランス人が福島を歌う 「福島 わが愛」
  フランス人のギタリスト、クリーフ・エルベ氏が原発事故に苛まれる福島の人々への思いを1つの歌にした。題は「福島 わが愛」。(2014/11/20)


みる・よむ・きく
本谷有希子作 「生きてるだけで、愛。」  巧みな語りを通して露わになる現代日本
   本谷有希子氏の小説「生きてるだけで、愛。」を読んだ。あまりに面白かったために外国の友人にも教えたいと思い、タイトルを英語にしようとして、立ち止まってしまった。「生きてるだけで、愛」。これをどう訳したものだろう。愛して欲しい、ということか。人によって解釈は違うかもしれない。本谷氏のこの小説の面白さは若い女性の主人公のキャラクターにあると言っても過言ではない。(2014/11/20)


安倍政権を検証する
安倍首相 「税は議会制民主主義の基礎である」
  安倍首相は今夜のNHKの9時のニュース「ニュースウォッチ9」に生中継で出演し、衆院解散の理由について説明した。その中で最も耳についたのは「税は議会制民主主義の基礎である」という言葉だった。(2014/11/18)


安倍政権を検証する
9時のNHKニュース 安倍首相の弁明に貢献 安倍首相の話したいことだけを語らせる
  国会解散。NHKの9時のニュースは安倍首相の中継に多くの時間を与え、安倍首相が語りたいことだけを十分に語りつくさせている。緊張感はゼロ。(2014/11/18)


安倍政権を検証する
経済学者・伊藤元重教授(東大大学院)がアベノミクスに80点
  東京大学大学院の伊藤元重教授(経済学)がテレビ東京のニュース番組、ワールドビジネスサテライトに出演し、アベノミクスを評して100点満点の80点をつけた。80点と言えばかなりな成功と言えよう。(2014/11/18)


政治
沖縄県知事選 翁長雄志候補が当選 普天間基地の辺野古移設に反対
  沖縄県知事選で、普天間基地の辺野古移設に反対する翁長雄志候補が当選した。(2014/11/16)


みる・よむ・きく
ミハイール・バフチーン著「フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化」
  現代では季節の祝祭は衰退の一途をたどっている。しかし、ミハイール・バフチーンは「フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化」の中で、祝祭の持っていた意味についてラブレーの作品をもとに触れている。(2014/11/16)


みる・よむ・きく
映画「日本国憲法」(ジャン・ユンカーマン監督)
  (昨年)6月15日、代々木の婦選会館で「憲法を考える映画の会」という集まりがあり、そこでジャン・ユンカーマン(John Junkerman)監督によるドキュメンタリー映画「日本国憲法」が上映された。ユンカーマン監督は憲法第9条に焦点を当てながら、戦後にこの憲法を作った人々がいかなる考えで作ったのか、またこの憲法が後にアジアや世界の人々にどう受け止められたのかを丹念に各地を訪問して取材している。証言者は歴史学者のジョン・ダワー、社会学者の日高六郎、政治学者のダグラス・ラミス、憲法を作成した一人のベアテ・シロタ・ゴードン、そして中国の班忠義と韓国のシン・ヘス、ハン・ホング、ベイルートのジョゼーフ・サマーハなど実に多岐にわたる。(2014/11/14)


コラム
総選挙 争点は特定秘密保護法、憲法第九条  きわめて重要な選挙
  年内に解散総選挙が行われる見通しになったと報道されている。安倍首相は消費税を10%に引き上げる時期の是非を国民に問う、ということで消費税が争点のようにメディアは報じている。しかし、忘れてはならないのは前回2013年夏の参議院選である。(2014/11/14)


みる・よむ・きく
クロード・ランズマン著 「Un vivant qui passe(生者が通る)」 記憶を掘り起こすファシズムとの戦い
  ナチスがユダヤ人を絶滅させようとしたホロコーストの証言を厖大に集め、9時間を超えるドキュメンタリー映画「ショア」を監督したクロード・ランズマンにはそれと対照的なほどの小品「Un vivant qui passe (生者が通る)」と題された作品がある。これもホロコーストに関係したドキュメンタリー映画のインタビューを本に起こしたものだ。日本ではほとんど知られていないが、一読すると非常に興味深いノンフィクション作品なのである。ではどのような作品なのか。(2014/11/13)


文化
'Ton jihad et le mien'(お前の道と私の道) 中東に帰りたい欧州在住のムスリム青年の心の葛藤と家族を描いたフロレンス・カーの新作小説
  今、フランスで発売されたばかりの新刊書「Ton jihad et le mien(お前の道と私の道)」はフロレンス・カーによる小説だ。現在ニース在住の女性作家、カーはレバノン生まれ。以前はジャーナリストで専門は中東だった。この小説は今、話題を独占しているイスラム国などのジハード(聖戦)が底流にある。(2014/11/12)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「日本と原発」
  監督が河合弘之、構成が海渡雄一という二人の弁護士がメガホンを取って作ったドキュメンタリー映画「日本と原発」が公開されました。さっそく六本木の映画館「シネマート六本木」に見に行きました。いったいどんな映画だろう、と。仕上がりは非常に面白く、理詰めでありながらも原発をめぐる今の状況が的確に押さえられていくため、1500円の価値は十分にあったな、というのが本音でした。(2014/11/09)


みる・よむ・きく
雨宮処凛著 「ロスジェネはこう生きてきた」
  最近、雨宮処凛著「ロスジェネはこう生きてきた」(平凡社新書)を読んだ。雨宮氏はこのいわゆるロスジェネ世代ではメディアに最も頻繁に登場する人の一人だろう。だからだろうか雨宮氏の対談や著書をこれまで読んだことがなかった。自分が年代的にはいわゆる「バブル世代」に位置するということが関係しているかもしれない。バブル世代はロスジェネ世代から責められる立場にあるのではないか・・・そんな気がしていたのである。しかし、今、日本がどんな国になっているのか、もう一度考えようと思い、自分と異なる世代の人々がどんな暮らしをしてきたのか、上の世代も、下の世代も、双方含めてじっくり話を聞いてみようと思い始めた。(2014/11/09)


コラム
鳥と女
  ある調査によると、男性はもしもう一度生まれ変われるなら鳥になりたいという人が多く、一方の女性はもう一度女性に生まれて来たいそうです。(2014/11/07)


コラム
陰なる主役、教育テレビ
  NHKの教育テレビは最近はEテレなどと呼ばれている。EテレのEがエデュケーションのEであるとどのくらいの日本国民が知っているだろうか。長年、教育テレビは地味だと思われて来たし、テレビの主流と思われたことはなかったに違いない。しかし、最近、僕は椎名誠の紀行「パタゴニア〜あるいは風とタンポポの物語」を読んでいてはっと目を見張る記述に出会った。それは教育テレビ賛歌だった。(2014/11/03)


コラム
パリの散歩道 逸話満載 パスカル・バレジカ著 「エッフェル塔の奇想天外な物語」
  日刊ベリタに寄稿していただいているパスカル・バレジカ氏の新刊がパリで出た。パリの都市史を専門とするバレジカさんの新著のタイトルは「La fabuleuse histoire de la tour Eiffel (エッフェル塔の奇想天外な物語)」。興味深い逸話が逸話満載のようだ。さっそくパリジャン紙で紹介されている。(2014/10/31)


国際
トルコの苦しみ
  インターナショナルニューヨークタイムズに掲載されたChapatteの1コマ漫画。トルコのエルドアン大統領がスカートを履いてくるくる回りながら舞台の中央で踊っている。その下手の奥にはISIS(イスラム国)の兵士とカリフがおり、上手奥にはオバマ大統領と有志連合の戦闘機のパイロットがいる。(2014/10/23)


コラム
パトリック・モディアノ
  今年もノーベル文学賞は村上春樹氏に授与されず、フランスの作家、パトリック・モディアノ氏に決まった。モディアノは著名だが、実際に自分が何か読んだことがあったのか、となると記憶が定かではない。見たことがある映画の原作者として知っているだけだったのかもしれない。ノーベル賞のサイトによると、授与された理由は "for the art of memory with which he has evoked the most ungraspable human destinies and uncovered the life-world of the occupation"である。要約すると、記憶の技法あるいは記憶の芸術あるいは単に記憶術となるかもしれないが、フランスがナチスに占領された時代に起きた市民の埋もれた知られざる運命の悲劇を掘り起こした業績、となるだろう。(2014/10/17)


国際
メキシコ南部の大学生43人の失踪事件 世界的話題に進展 地元の人は「これは戦争だ」
  観光地アカプルコから車で1時間、メキシコ南部イグアラの町で大学生43人が失踪した事件が欧州でも米国でも大きなメディアに取り上げられ始め、世界的な事件としてクローズアップされつつある。(2014/10/16)


国際
メキシコの暴力 43人の大学生が行方不明 市長と麻薬マフィアの関係が取りざたされる
 メキシコ南部の町、イグアラで大学生43人が消息を絶った。そして、その界隈でマスグレーブ=集団で地面に埋められた遺体が数十体発掘され、学生が殺されたのではないか、と調べられている。(2014/10/14)


コラム
「一度人を殺してみたかった」
  先日、シリアに入って銃を手に反政府軍で戦ったという日本人の若者がテレビのインタビューで話していた。イスラム教とか、反政府側の政治要求自体には興味がないのだという。ただ、戦ってみたかったそうだ。(2014/10/13)


みる・よむ・きく
対談集 「佐藤可士和×トップランナー31人」
   集英社から出された対談集「佐藤可士和×トップランナー31人」は一流のデザイナーである佐藤氏がインタビュアーとしても非常に素晴らしい資質の人であることがわかる好著だ。何年か前に出版された本だが、中身は今読んでも決して遜色ないだろう。佐藤氏は自分のデザインは芸術家が個を押し付けるようなものではなく、クライアントの話にじっくり耳を傾けることから始まると語っている。そうした普段のデザインの基本作業がインタビューで十分に生かされたようであり、また佐藤氏が普段からよい聞き手であるだろうことをうかがわせる。(2014/10/11)


コラム
3万円の旅
  若い男女のカップルが喫茶店で旅の計画を立てている。連休の3日間だろう。1冊の旅行案内書をもとに、バスなどのスケジュールを立てている。訪問先は京都らしい。スマートフォンを駆使して、経路を設定し、バス代まで細かく見積もりを立てている。(2014/10/10)


文化
今年のノーベル文学賞はパトリック・モディアノ氏に 〜フランスの作家〜
  今年のノーベル文学賞はパトリック・モディアノ氏に。(2014/10/09)


国際
ノーベル文学賞
  あと10分後にノーベル文学賞の発表がある。村上春樹氏も有力候補に入っているが、果たして?ノーベル賞のサイトは以下。(2014/10/09)


コラム
選挙について 死に票をうまないために
  小選挙区制度になって以来、自民党や民主党以外の政党を支持する人々は自分の支持する政党に投票したくとも死に票になる恐れがあり、結局、政策に異論はあってもより近い政党に投票する、というケースが少なくありません。しかし、その場合でもいったいどの政党に入れればいいのか、候補が多数いるとそこでも結局票がわれる、ということがあり得ます。(2014/10/07)


農と食
カリフォルニア米のインパクト
  近くのスーパーのコメのコーナーには5kg入りのパックや3キロ入りの小ぶりなパックなどいくつか規格があります。中でも最もインパクトがあったのはデフレの今の時代、カリフォルニア米の5kg=999円の値札でした。なんと1000円を切っているんです。(2014/10/03)


コラム
静かに広まる兵器 民間旅客機は大丈夫か?
  ウクライナでマレーシア機が撃墜されたが未だに犯人は特定されていない。ロシアを非難するメディアもあるが、ウクライナ側が不審な動きをしていたという情報もある。(2014/09/29)


欧州
2017年フランス大統領選 サルコジ前大統領の前線復帰を嗤う国民戦線名誉党首
  イスラム国との確執に悩まされるフランス。フランス国内からも数百人のイスラム教徒の若者が渡航し、イスラム国の戦士になっているとされる。そんな中、勢力を伸ばしているのが右翼政党の国民戦線(FN)である。国民戦線の二代目党首マリーヌ・ルペン氏は2017年に大統領になるために全仏で党勢拡大をはかっている。フランソワ・オランド大統領の支持率が歴史的低迷の中、次第にその可能性も生まれつつある。(2014/09/29)


国際
フランス人の渡航危険40か国 〜リベラシオン誌〜 グローバル時代の第二章
  フランソワ・オランド大統領のもと、フランスはマリやイラクなどに軍事介入を行ってきた。その結果、海外渡航中のフランス国民がイスラム国とイスラム聖戦主義者グループから報復を受ける危険が高まっているとして、渡航危険国家40か国がこの度、フランス外務省によって指定された。モーリタニアからパキスタンにかけて、ところどころ、赤くないところもあるが、かなり赤くなっている。(2014/09/27)


コラム
空爆の記憶
  最近、空爆と言えば米軍によるイラクやリビアなど、遠い地域の他人事のような響きがある。しかし、筆者の子供時代、それはベトナム戦争よりももっと身近な話であり、それは日本が第二次大戦中、米空軍に空爆されたことだった。筆者の母親は岡山で少女時代を過ごしたのだが、岡山大空襲の際、田んぼを祖母に手を引かれて夜中に逃げ回ったと聞いた。(2014/09/27)


みる・よむ・きく
ネット時代の使える英語参考書 「英語類義語 活用辞典」(最所フミ編著)
  インターネット時代となり、またソーシャルメディアが発達したため、簡単に世界中の人と知り合い、交流できるようになった。そこでコミュニケーションに使われる言語も様々だが、英語はやはり大きな位置を占めている。しかし、英語で発信しようとして、単語につまってインターネットで英単語を検索する。すると、同じ日本語でもいくつも英単語が出てくる。どの英単語を使うべきか・・・。英語を日常的に使う方はこんな経験をすることがあるのではなかろうか。(2014/09/25)


国際
フランス人がアルジェリアで斬首される
  今度はフランス人がイスラム聖戦主義者のグループに首を切り落とされた。場所はアルジェリアである。イラクではない。誘拐されたフランス人旅行者のエルベ・グールデル(Herve Gourdel)氏は日曜日に誘拐されたばかりのようだ。(2014/09/25)


米国
オバマ大統領と核兵器
  オバマ大統領といえば大統領就任早々、ノーベル平和賞を受賞したことで世界を驚かせた。そのオバマ氏の核政策を批判する社説がニューヨークタイムズに掲載されている。オバマ大統領が初期の核軍縮の試みを反転して、核兵器の性能進化に向け大幅に予算をUPしようとしていることについてだ。(2014/09/24)


コラム
特定秘密保護法とメディア
  特定秘密保護法について朝日新聞が映画監督でテレビのドキュメンタリー番組のディレクターでもある是枝裕和氏にインタビューしたことがあった。是枝氏はカンヌ映画祭やヴェネチア映画祭などでの受賞作でも知られ、海外の映画人とも交流がある著名な日本のクリエイターである。(2014/09/24)


みる・よむ・きく
菅原一剛著 「写真がもっと好きになる」
  写真家の菅原一剛氏が書いた「写真がもっと好きになる。」は本当に写真が好きになる本だ。表紙がオレンジで、上質な紙を使い、文章の中にはたくさんの菅原氏による写真が掲載されている。このリアルな紙の本の質感がたまらなくよい。このことは菅原氏が本書の中で説いている写真を紙焼きしてみることが大切だ、という言葉と通底している気がする。(2014/09/17)


中東
アサド政権、自由シリア軍、ISIS・・・ 米軍、豪軍、英軍?・・・ ペイリン氏・・・
  月曜のニューヨークタイムズ社説' A risky bet on Syrian rebels'(シリア反政府軍へのリスクのある賭け)を読んでも、寄稿'To stop ISIS in Syria,support Aleppo'(イスラム国を阻止するためにアレッポ(の反政府勢力)を支援せよ)を読んでも米国の前に霧が濃く立ち込めている印象だ。(2014/09/16)


みる・よむ・きく
赤狩り経験者が集結して作った映画「フロント」
  1950年代初頭、冷戦勃発を期に、アメリカでは共産党員ばかりでなく、そのシンパをも摘発する「赤狩り」というものが始まっていた。この時代を描いたハリウッド関係者や劇作家による作品は少なくない。リリアン・ヘルマンの回想録「眠れない時代」や、魔女狩りを描いたアーサー・ミラーの戯曲「るつぼ」(The Crucible)などである。多くの作家や劇作家がこの苦渋に満ちたテーマを作品化しようと取り組んだ。映画でも様々な作品が作られたが、特筆に値するのは「フロント」という映画だろう。邦題は主演俳優の名前を冠して「ウディ・アレンのザ・フロント」というタイトルである。監督は社会派のマーチン・リットであり、脚本家は自ら赤狩りを体験したウォルター・バーンスタイン。俳優にもゼロ・モステルなどの体験者を起用して鬼気迫る作品となっている。(2014/09/14)


中東
9月13日 アラファト議長とラビン首相が握手した日 オスロ合意から21年
  イタリアのジャーナリスト、ヴィットリオ・ズッコーニ(Vittorio Zucconi)氏が、ツイッターでPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長とイスラエルのラビン首相がワシントンDCで手を握ったのが今日、(1993年の)9月13日だったと回想している。その前月、1993年8月20日、ノルウェーのオスロでイスラエルとパレスチナの交渉が締結されたため、「オスロ合意」と呼ばれている。(2014/09/13)


市民活動
『ありふれたファシズム ─野獣たちのメロディー』 〜第14回「憲法を考える映画の会」〜
 第14回憲法を考える映画の会のご案内。『ありふれたファシズム ─野獣たちのメロディー 』ファッシズムって何ですか?ナチスって何ですか?軍国主義って何ですか?(2014/09/13)


コラム
ネット言論統制への道
  インターネット空間のブログやツイッター、フェースブックなどを通した自由な言論が盛んになったのはこの10年ほどの間である。かつて記者クラブ制度を通して、世間に出してよい情報と出してはいけない情報を官庁は統制していたのが、今ではそれができなくなってきた。新聞の記者クラブ制度は続いているとしても、その記事に対する批判あるいは付加情報として、記事の背景などやそれについて知っている関係者の声がインターネットを通して世に出るようになっただけでなく、ツイッターを通して瞬時に「拡散」されるようになってきた。(2014/09/09)


コラム
女性の上司に男は何を期待するか
  安倍政権が女性の活用をアピールするため、安倍首相は内閣改造を期に女性を5人大臣に据えた。新聞では女性の管理職や女性の政治家の割合が日本では圧倒的に低いという記事が続いている。女性が上司になったら男にとってそれは何を意味するのか?(2014/09/07)


中東
イスラム国 「国」としての可能性
  イスラム国について最初に知ったのは今年6月の頭頃だった。そのとき、初めてアルカイダとは異なる勢力が派生して無法状態になっているシリアの東部からイラクへ侵入を繰り返していることを知った。しかし、まだこの時はイスラム国と言う名前ではなく、略称ISISというシリアとイラクをかぶせた名前だった。(2014/09/02)


中東
アラブの春 第三次世界大戦 ヒラリー・クリントン大統領 安倍政権の長期化
  第三次世界大戦が始まった。欧州在住のジャーナリストが今年に入ってそう語った。それは「アラブの春」に端を発したものだと言えよう。湾岸諸国や北アフリカだけでなく、超大国も巻き込まれている。「アラブの春」でのリビア軍事介入をめぐるロシアと米国との対立、さらにシリア空爆をめぐるロシアと米国との対立。賭け金は積みあがってきていた。(2014/08/28)


中東
イスラム国を狙う米ミサイル拠点
  イスラム国がバグダッドに迫りつつあるイラクだが、米国が今後、イラク領内にミサイル攻撃をしかける時の基地がワシントンポストに掲載されている。(2014/08/27)


みる・よむ・きく
アリストパネス作 「女の平和」
  今年の1月ころ、日本で女性の集団が都知事選に立候補したある候補者に投票した男とはセックスをしない、という運動を繰り広げていた。結果として、その候補者が圧勝となってしまったのだが、いったい女性たちによるセックスストライキは効果があったのだろうか。(2014/08/26)


アフリカ
リビア 民兵組織の解体を目指す議会
  3年前の8月、「アラブの春」の波及から、リビアのカダフィ政権が崩壊した。そしてニューヨークタイムズによれば今年6月暫定議会議員選挙があった。その後、議会は様々な民兵組織が解体するよう議決を行った。そして、国連にはリビア市民の人権擁護を訴えたとされるが、リビア国軍は未だに編成の過程にあり、民兵を抑えることができず、この1カ月はトリポリで内戦状態になっている。(2014/08/25)


みる・よむ・きく
内田樹著 「寝ながら学べる構造主義」
  内田樹氏によるフランス構造主義の解説書「寝ながら学べる構造主義」が文春新書から出たのは2002年のことで、はや12年がたつ。この本は画期的な本だったのだが、その理由はそれまでの哲学の入門書と非常に異なっていたからだ。内田氏はタイトルにあるように「寝ながら学べる」ような平易な表現によって、奥の深い構造主義の哲学へ読者をいざなってくれたのである。その姿勢は本書のまえがきにもきちんと宣言されている。(2014/08/21)


アフリカ
西サハラへの道のり 西サハラ軍がコンボイ
  2011年の12月、西サハラではモロッコに迫害された亡命政権がアルジェリアの難民キャンプから、あえて西サハラ領内に帰還して国会を開いた。4年に一度の国会と大統領選挙の機会であり、海外から多くの報道記者も同行することになった。折しもイスラム原理主義勢力が出没して、スペイン人などのNGO関係者を誘拐する事件が起きており、取材陣も危険を覚悟する必要があった。(2014/08/21)


反戦・平和
斬首した英国出身の聖戦主義者 英国紙で身元調査が始まる
 イラクでフリージャーナリスト、ジェームズ・フォーレイ氏がISIS(ISIL)の聖戦主義者に首を切られて殺され、youtubeでその映像とメッセージが公開されてから、聖戦主義者の出身地とされる英国で大きな反響が広まっている。(2014/08/21)


アフリカ
アフリカを旅して ジンバブエのハラレから
  最近、アフリカ南部にあるジンバブエの首都ハラレを訪ねた。ジンバブエで2006年に起きたハイパーインフレーションとその後を検証するためだった。旅の中でハラレに住むごくごく一般庶民の住まいが見たい、と案内人にお願いしたところ、ハラレ郊外の団地に案内された。その団地はかつて英国領だった時代に建てられたもので、今は黒人家族が入居して暮らしていた。驚いたのはその内部の暗さである。(2014/08/20)


欧州
ウィキリークス創設者アサンジ氏がエクアドル大使館を去る予定
  市民に打撃を与える政府の機密情報を暴露するサイト、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏がこれまで2年に渡って身を寄せてきたロンドンのエクアドル大使館を出るという。(2014/08/20)


文化
哲学者 木田元さん亡くなる
  木田元さんが亡くなった。木田さんと言えばハイデッガーやメルロー・ポンティなどの研究者であっただけでなく、中央大学で教鞭をとりながら大衆向けにわかりやすい哲学入門を多数執筆したことでも知られる。(2014/08/18)


安倍政権を検証する
「武器開発 英仏を念頭」
  7月14日の朝刊で朝日新聞は安倍政権の中国包囲網と同時に日本の武器開発について触れていた。「武器輸出三原則の撤廃で、他国との武器の共同開発が可能になった。自衛隊の関係者は「今後の兵器は国際開発が主流。英仏との協力は欠かせない」と話す。仏は中国やロシアへの武器輸出に意欲を示してきた。日仏の関係の強化は中ロへの牽制にもなると、政府は計算している」こう書かれている。短くシンプルで、さらっと耳を通り過ぎてしまうそうなのは官僚の発表を右から左に伝えているからではなかろうか。(2014/08/18)


政治
特定秘密保護法施行は12月の予定 秘密の適正さについて調査権限の乏しいチェック機関 危機に瀕する言論
  安倍政権は国民の多数が反対したほか、世界からもその危険性を批判する声が相次いだ特定秘密保護法案を今年12月施行する方針で作業を進めている。その方向性は運用指針を論じる「情報保全諮問会議」は座長に政府の広報紙と巷で呼ばれている読売新聞グループ会長の渡辺恒雄氏を据えていることに象徴される。(2014/08/17)


反戦・平和
安倍政権の武器輸出解禁 兵器産業のグローバル化へ
  あれから1年半が過ぎ、安倍政権はついに武器輸出三原則をつぶして、「防衛装備移転三原則」というわかりにくい言葉をかぶせた新原則に改めた。再び朝日新聞(7月18日)によると、以下の3つ。 (2014/08/17)


コラム
外食チェーン店とアルバイト
 最近、なにかと牛丼チェーンの「すき家」の従業員に対する過大な業務が問題化され、繰り返し報じられている。その中心はいわゆる「ワンオペ」と言われる問題で、たった一人で店を守らなくてはならない状態を指す。深夜の一人勤務の時に強盗に襲われた事件も年間数十件起きており、心身の疲労度は苛酷のようだ。そしてついに従業員不足から一時的に閉店を余儀なくされる店も出ている。(2014/08/17)


みる・よむ・きく
タラ・ハント著 「ツイッターノミクス」
  タラ・ハント著「ツイッターノミクス」はツイッターの特徴を解説した本だ。著者はカナダ生まれで、ウェブを使ったマーケティングの第一人者だそうだ。彼女によると、ツイッターの特徴は究極のところ、「ウッフィー」なるものを増やすことにあると言う。(2014/08/16)


反戦・平和
集団的自衛権 なぜ必要? 納得できる説明を
  集団的自衛権という考え方は侵略国家の軍事力があまりに大きいため、一国で自国を防衛できない場合に数か国で軍事力を合わせて防衛するという考え方だろう。国連のもとでは侵略は認められないが、他国から侵略を受けた場合の自衛としての戦争は認められるし、そのためには集団的自衛権もまた認められるのである。(2014/08/14)


米国
風刺漫画と米軍のイラク空爆 2
 イラク空爆のニュースは米国人に複雑な思いをかきたてたようだ。もうイラクはたくさんだ、という何分身勝手ではあるが、正直な思い。一方でイスラム武装勢力ISISがイラクに侵攻して異教徒を殺害するのを看過しえない、という戦争を始めてしまった者としての思い。そんな中、ニューヨークタイムズでも再びイラク問題が浮上してきた。(2014/08/13)


アジア
2016年夏の参院選と冬の衆院選
  昨年暮れに起きた特定秘密保護法案への反対運動、そして安倍政権が推したNHK経営委員や会長への批判。それらに対する危機感が奇妙にも、1月の東京都知事選での野党候補の敗北を境に、無風状態に陥っているかの印象だ。しかし、その間にも、安倍政権は憲法第九条の解釈改憲や沖縄の辺野古への米軍基地移設、そのほか、着々と軍国路線を敷き詰めている。さらにこうしている今も特定秘密保護法の施行に向けて準備が進んでいるはずだ。(2014/08/13)


反戦・平和
第13回憲法を考える映画の会 「ファルージャ イラク戦争日本人人質事件そして…」
  第13回憲法を考える映画の会のご案内。7月1日にも「集団的自衛権の行使容認」が閣議決定されるといわれています。安倍内閣は、これを解釈改憲の第1歩として憲法を変えなくても憲法第9条の「戦争の放棄」と日本国憲法の基本原則である平和主義を実質的に亡きものにして「戦争をする国」への道を進もうとしています。私たちは、昨年4月から憲法に関わる映画を見ることを通して、憲法について考え、こうした憲法をゆがめていく動きをろめたいと思い「憲法を考える映画の会」を続けてきました。(2014/07/01)


中東
イスラム聖戦主義武装集団ISISがカリフ制復活を宣言か 
  NDTVによると、シリアからイラクに攻撃をしかけているISISがオスマン帝国崩壊以後、断絶していたイスラム宗教世界の指導者カリフ制度復活を宣言したと言う。(2014/06/30)

みる・よむ・きく
松本晃一著「アマゾンの秘密」 アマゾン日本進出の記録 〜出版・流通業界の退廃をついたアマゾン〜 日本の書店はアマゾンから学べる
  フランスでインターネット通販「アマゾン」の本の無料配送を禁止する法案が可決された。ユーザーの視点からすると、「なんてことするんだ」と思うかもしれないが、パリに行ってみると、地域に密着している小さな書店主たちは口をそろえてアマゾンを非難する。その理由はアマゾンが無料配送や様々なサービスによって実質的な本の値引きをしていることだ。しかも、家賃を払わない巨大なオンラインビジネス企業と小さな書店が戦うのは相当厳しいことであり、実際にパリの書店はどんどん減っている。(2014/06/28)


みる・よむ・きく
アントニオ・タブッキ著「供述によるとぺレイラは・・・」
   2年前に亡くなったイタリアの作家アントニオ・タブッキはポルトガル文学者でもあり、「インド夜想曲」のような旅愁・郷愁に満ちた幻想的かつ寓話的な小説を書き続けた。そのタブッキの最高作とも言われているのが「供述によるとぺレイラは・・・」である。この小説の舞台はファシズムの影が日増しに濃くなる1938年のリスボンである。(2014/06/27)


アジア
世界で最も爆撃を受けた国、ラオス 「デモクラシー・ナウ!」が米極秘作戦から50周年の特集
  世界で最も爆撃を受けた国、ラオス。第二次大戦中の日本やドイツよりもはるかに上回る量の爆薬が落とされたと言う。「デモクラシー・ナウ!」が米極秘作戦から50周年として特集している。このラオス攻撃は1964年に始まり、米軍がベトナムから撤退する1973年まで続いたが、この間にラオスは月の表面になるほど空爆されている。そして、その不発弾が今日も地元の人々の大きな恐怖として残されている。(2014/06/26)


憲法
集団的自衛権と「武力行使の三要件」 これは9条ではない
   公明党が憲法第九条の解釈改憲を受け入れる条件とした武力行使の新三要件が新聞で報じられた。以下は朝日新聞の25日付で紹介された文言である。(2014/06/26)


コラム
2001年9月11日 
  2001年9月11日と言うとあの日だが、私の知り合いのカメラマンはその日、マイアミにいた。何をしていたかというと、鰐の捕獲名人のドキュメンタリーの撮影を早朝からしていたのだった。フロリダ半島には鰐が生息しており、その鰐を素手でロープで縛る名人がいるのである。その日、名人が鰐を捕まえていた時、急に名人の携帯電話が鳴った。(2014/06/24)


みる・よむ・きく
映画「SAYAMA」 金聖雄(監督)
   獄中32年、仮出獄19年。身に覚えのない逮捕から実に51年、今も無実を訴えつづける人がいます。石川一雄 75歳。はじめて取材で石川さんに会った時、少し緊張していたのを思い出します。“殺人犯”という法律的には、そうレッテルを貼られている人が、いったいどんな人なのだろうか。きっと私のなかに少しの偏見もあったのだと思います。見事に肩すかしをくらいました。きちんとしていて、朗らかで、そして温かい感じ…。狭山事件を扱った映画「SAYAMA」は5月31日からポレポレ東中野でロードショーが始まりました(7月18日まで)。ツキイチ劇場は7/5(土)映画「SAYAMA」とテルミン(トリ音さん)とギター(前原孝紀さん)ライブです。(2014/06/20)


欧州
パリジェンヌの日記 「パリの国鉄闘争」 ヴィルジニー・ブリエン
  今パリでは社会的な闘争が起きています。SNCF、つまり国鉄のデモです。その結果、電車が正常に運行していません。それが私の生活にも影響しているんですよ。(2014/06/20)


中東
イラクに出稼ぎのインド人労働者40人が誘拐される 戦場の町モスル 巻き込まれていく外国人
  インディア・トゥデイによると、イラクのモスルで建設作業に従事していたインド人の出稼ぎ労働者40人が誘拐された。発足間もないインド政府にとって、頭の痛い問題となって浮上しているようだ。(2014/06/20)


米国
ネオコン魂は百まで 「米軍をイラクに派兵すべし」 ケーガン氏とクリストフ氏
  2003年のイラク戦争を進めたいわゆるネオコンのウイリアム・クリストフ氏と、ロバート・ケーガン氏の弟にあたるフレデリック・ケーガン氏がウィークリースタンダード紙に’What to Do in Iraq’と題するブログを書いた。「イラクで何をすべきか」(2014/06/17)


コラム
「第三次世界大戦が勃発しているのに世界の人々は・・・・」
  海外の知人からこんなメールを今朝いただいた。「今、ほとんど第三次世界大戦が勃発しているのに世界の人々はサッカーのワールドカップに夢中になって気がついていない」第三次世界大戦、なぜ今?(2014/06/15)


中東
溶解するイラク イスラム原理主義勢力が南下 バグダッドから北に150kmのチクリットを攻撃中〜 モスルでは大量の避難民〜 イラクに集団的自衛権は適用されるか?
   いったいイラク戦争とはなんだったのか。BBCによると、イラクでイスラム原理主義勢力が北方の町、モスル(Mosul)を制圧後、南下してサダム・フセインの郷里チクリット(Tikrit)に達した。バグダッドから北に150キロ。(2014/06/11)


欧州
父ルペンのレイシスト発言を娘マリーヌがたしなめる 国民戦線幹部からは「引退せよ」  〜国民戦線名誉会長の行方は?〜
  かつて極右政党と呼ばれ、周辺の小政党でしかなかった国民戦線は二代目党首マリーヌ・ルペンの悪魔的イメージからの脱出を図るソフト化路線が功を奏し、このところ三大政党の一角に浮上することができた。そんな今、マリーヌの父親のジャン=マリー・ルペン(85)が再び反ユダヤ主義の発言を日曜に行い、その映像がフランス全土に流れ、大きな怒りと反響を呼び起こした。(2014/06/09)


社会
研究者とノート なぜ不正が起きるのか?
  小保方晴子氏が実験のノートをきちんと残していなかったと報じられている。研究不正を予防するために、ノートの記録を重視するとノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は国会で発言した。山中氏は不正防止のために研究者にノートを提出させてチェックしていると言う。(村上良太)(2014/06/07)


米国
オバマ大統領の功績 バブル崩壊で10%に達した米失業率が今月6.3%に
  米労働省によると、今月公表されたアメリカの平均失業率は6.3%となった。人によってさまざまな見方があるだろうが、朗報だろう。米労働省が公表している失業率の推移がすべてをものがたっている。(2014/06/06)


国際
シリアの戦闘に参加する欧州イスラム教徒 欧州のジレンマ
  フランスの国籍で、シリアの反政府勢力に参加して戦闘をしているイスラム教徒は700人を超えるとフランス政府は発表している。ニューヨークタイムズによると、フランス政府官憲はそうしたフランス国内の聖戦主義者でシリアへ行こうとする者をフランス国内にいる間に、未遂として逮捕している。今年1月には若い世代のイスラム教徒3人が捕まったとされる。フランス政府は中東やアフリカで「聖戦」に参加して欧州に帰国したイスラム教徒が欧州内部でテロ活動を始めることを強く警戒している。実際に、そうしたケースも何例か起きている。(2014/06/04)


コラム
パリの散歩道 出版社「六面体」から漫画集「パリのクロコビス」を出版
  パリの出版社「六面体」(l'Hexaedre)から本を出しました。「パリのクロコビス」と題する漫画集です。ほんの少しフランス語の文章がついています。(村上良太)(2014/06/03)


みる・よむ・きく
岩淵達治著「ブレヒトと戦後演劇〜私の60年〜」 この30年で忘却されたもの
  戦後日本が世界から吸収してきた文化の中で今日最も忘却甚だしいものがドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが提唱した叙事的演劇という方法論だと思う。叙事的演劇は演劇の中にカタルシス(感動)を求めるのではなく、むしろ舞台で起きていることを一歩引いて観客が批判的に考えることができるものを目指していた。カタルシスを求める方法というのは古典以来演劇の常道となっているが、主人公に感情移入させ、主人公が涙するとともに涙するようなタイプのドラマである。(2014/06/01)


欧州
日本のメディアが見落としているフランスで右翼政党が台頭する理由2 左翼と右翼のねじれ
  前回の記事で、急成長を遂げる右翼政党・国民戦線が伸びる理由を書いたが、書きそびれていることがある。それは左翼政党と右翼政党のねじれが起きていることである。そのねじれは今のフランソワ・オランド社会党政権にも起きているのだが、その前のサルコジ大統領の時代から起きていた。そのねじれが国民戦線に対するフランス国民の見方を変える1つのきっかけになったのではないか、と思われるのだ。(2014/05/31)


みる・よむ・きく
レオポルト・マウラーの漫画「ミラーさんとピンチョンさん」 〜下降時代の‘地球の歩き方’〜
  オーストリア人の漫画家レオポルト・マウラーによる「ミラーさんとピンチョンさん」はその日本語訳のタイトル自体がどこか間が抜けた脱力感に溢れている。オーストリア人も漫画を描くのか、と最初は思ったが、その仕上がりは抜群にユニークで、とぼけた味わいに富んでいる。(2014/05/30)


欧州
マルセイユで起きたことから 日本のメディアが見落としているフランスで右翼政党が台頭する理由
  今、台頭しつつあるフランスの右翼政党・国民戦線。それは今春行われた地方選と、欧州議会議員選挙でいずれも躍進したことにある。特に5月の欧州議会議員選挙では得票率約25%と政党の首位に躍り出た。しかし、フランスでは昨年秋にすでにメディアでは織り込み済みの事態だった。右翼の台頭をとどめる方策を左翼政党も、国民運動連合(UMP)も持っていなかったのである。このことは既存の大政党がグローバリズムが国民に与えている影響をきちんと受け止めていないか、あるいは受け止めていたとしても単に無能無策であるのか、そのどちらかなのである。そして、そのことを最も真摯に受け止めていると見られているのが右翼政党、あるいは数年前なら極右政党と言われていた国民戦線である。(2014/05/30)


国際
新疆ウイグル、アルカイダ、中国と日本
  ハフィントンポストは中国西部の新疆ウイグルにイスラム原理主義のアルカイダ・グループとのつながりができつつあると記している。「ウイグル独立運動とアルカイダの連携を懸念 中国がパキスタンとの対テロ連携も」と見出しを付けられた記事である。記事にはこう書かれている。「実際、中国の新疆ウイグル自治区の反政府活動家がパキスタンやアフガニスタンで訓練を受けるというケースは増加している。」そこで中国は対テロのために、パキスタン政府と連携しているという。(2014/05/29)


欧州
「フランスの第一の政党」 国民戦線党首マリーヌ・ルペンが勝利宣言
  勢力を急速に伸ばしているフランスの右翼政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が勝利宣言を行った。得票率は25%、結党以来初めて・・・などと誇らしげに数字を読み上げていく。(2014/05/29)


欧州
欧州議会議員選挙 右翼政党・国民戦線が躍進 フランスの政党トップの座に
  5年に1度行われる欧州議会議員選挙、フランスで25日に行われた投票の開票結果が出た。マリーヌ・ルペン党首が率いる右翼政党・国民戦線が改選前の3議席からなんと24議席へと躍進し、結党以来、2大政党を抜いて政党のトップの座に着いた。(2014/05/27)


アジア
中国軍機が自衛隊機に急接近 中ロ合同軍事演習 一つ間違えると9条のまま戦争に突入
  朝日新聞によると24日、東シナ海の公海上を飛行していた自衛隊機2機に対し、中国軍機が数十メートルの距離まで急接近したと防衛省が発表した。場所は中国側が昨年主張した防空識別圏と日本の防空識別圏とが重複しているエリアだという。(2014/05/25)


みる・よむ・きく
ギュンター・グラス作「ブリキの太鼓」 〜戦争に向かうドイツの田舎町を描いた奇想天外な名作〜
  最初の本格的なドイツ戦後文学と言われたのがギュンター・グラスの小説「ブリキの太鼓」である。出版されたのは1959年。敗戦から14年も後のことだ。「ブリキの太鼓」以前にも小説はいくつも出版されていた。それなのに「ブリキの太鼓」をして初めてのドイツの戦後小説が出たと人々に言わしめたものは何だったのだろうか。(2014/05/25)


経済
日本の大手3銀行がそろって最高利益を出す 〜アベノミクスと銀行〜
  5月になって日本のメガバンク3行がそろって最高利益を出したという記事が出た。今の日本はそれくらい景気がよいのだろうか?多くの庶民はさっぱりわからないだろう。なんといっても「最高利益」である。日本経済新聞によると、最高益を3メガバンクがあげた要因は次のようになる。(2014/05/25)


国際
欧州議員選挙 反欧州連合のFN(国民戦線)のツイッター
  今月末には欧州議員選挙が行われる。フランスでは5月25日だ。今年3月の地方選で躍進したFN(国民戦線)はこの選挙でも躍進すると見込まれている。ウクライナ問題でも改めて浮きぼりとなっているが、欧州連合やユーロに対する加盟国の中の右派からの不満や批判が募っている。このことは欧州連合本部が進めているグローバル化に対する欧州人の不満を中道政党よりは国民戦線などの各国の右派(と左派)が吸い上げていることがうかがえる。(2014/05/22)


文化
映画撮影者ゴードン・ウイリスさん、死去(82) 「マンハッタン」「アニー・ホール」「ゴッドファーザー」「大統領の陰謀」
  映画撮影者のゴードン・ウイリスさんが亡くなった。享年82。ウイリスさんがカメラマンとして手がけた作品にはウディ・アレン監督の「アニー・ホール」や「マンハッタン」「カメレオンマン」などがあり、そのほかフランシス・コッポラ監督とは「ゴッドファーザー」がある。アラン・J・パクラ監督と組んだ「大統領の陰謀」も話題になった映画である。米映画の名作が目白押しである。(2014/05/22)


みる・よむ・きく
中山元著「思考の用語辞典」 〜引ける哲学辞典〜
  哲学者・翻訳家の中山元氏が書いた「思考の用語辞典」(ちくま学芸文庫)は引ける哲学辞典として本棚に一冊あると刺激になる。哲学関係の本を少しひもといてみようと思ったとき、障害になるのが独特の用語である。たとえば「文節」という言葉。たとえば「還元」という言葉。あるいは「超越」とか「超越論的」という言葉。(2014/05/22)


みる・よむ・きく
哲学者ジャンケレヴィッチを舞台にのせた戯曲 「人生は見事な即興曲」
  昨年秋、パリの劇場ポスターでジャンケレヴィッチを主人公にする舞台があることを知った。そうだ、これを見たかったんだ、とその時筆者は直感した。しかしながら、舞台を見に行く機会を失ってしまった。というのも日本語訳で読んでも理解が追いつかない文体を、舞台でフランス語で見て理解できるのか、という疑問があったからだ。しかしながら、翻訳つきの録画があれば見てみたいと思う。もしかすると、ジャンケレヴィッチを理解するヒントになったかもしれないからだ。(2014/05/21)


みる・よむ・きく
新日本風土記・川崎
  桜映画社の原村です。5月23日(金)夜9時から、NHK・BSプレミアムにて新日本風土記・川崎が放送されます。(2014/05/18)


コラム
集団的自衛権と「戦争終結」までの見通し
  集団的自衛権が正規の改憲手続きを無視して、安倍総理個人の政治的信念によって認められようとしている。集団的自衛権が認められれば他国の戦争に日本が巻き込まれることになる。その危険性は日本一国の領土に関わる自衛の戦争なら一定の歯止めがあるのに対して、領土を逸脱することが容認されれば歯止めもなくなってしまうところにある。そのことは戦闘状態に突入してから、戦争終結までの期間の問題に直結する。(村上良太)(2014/05/17)


教育
「日本とフランスの教育からみえること」 〜飛幡祐規&瀬川正仁〜
カフェらむぶる 第1回「日本とフランスの教育からみえること」講師:飛幡祐規さん、瀬川正仁さん 司会進行役:谷本道昭先生(東京芸術大学・放送大学非常勤講師)2014年5月28日(水曜日)14:30〜17:00文京学習センター2階 講義室2(2014/05/16)


コラム
アイヒマンは凡庸だったのか? 〜映画「ハンナ・アーレント」を見て〜
  最近、ナチ戦犯の裁判を扱ったドイツの話題の映画「ハンナ・アーレント」を見た。ハンナ・アーレントはユダヤ系ドイツ人として生まれたが、ナチスの台頭によって渡米し、米国で政治哲学者として活動した。その著書にはファシズムや全体主義のメカニズムを浩瀚な資料を網羅して追究した「全体主義の起源」「革命について」「人間の条件」などがある。このアーレントが自らの青春の受難ともかかわるナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴にエルサレムに出かけた経緯を描いたのがこの映画である。(村上良太)(2014/05/16)


環境
北米のこうもりと風力発電機
  本日のインターナショナル・ニューヨークタイムズにはメキシコ国立自治大学やコロンビア大学などの生物学者が連名でこうもり保護のための寄稿をしていた。遺伝子組み換え作物や農薬にかわって害虫駆除をしてくれる生物がこうもりである。しかし、そのこうもりが北米で絶滅の危機にある。(2014/05/13)


みる・よむ・きく
ニコル・ぺシュキン作 コラージュ写真展 「デモをする人々」(Gen en marche)
  パリで活動しているアーチストのニコル・ぺシュキンさんが14区にあるギャラリーL'entrepotでコラージュ写真展を開催している。ぺシュキンさんの特徴はデモをしている人々を対象にしていることだ。(2014/05/13)

検証・メディア
ドイツの新たな媒体「SPRING誌」 〜商業主義に対抗し、気鋭の女性アーチストが集結し自前で出版〜 参加アーチスト&広報担当者に聞く
  ドイツでは気鋭の女性漫画家や女性アーチストが集結して自分たちで漫画誌を毎年、編集・出版しています。SPRINGという名前の媒体で、資金集めや編集すべてを参加アーチストが担当しており、非営利で出版されています。ソフィア・マルチネックなど世界で活躍しているアーチストも少なくありません。今年も今ようやく新年号を出版したばかりのようです。(2014/05/12)

市民活動
第11回「憲法を考える映画の会」『9条を抱きしめて〜元米海兵隊員アレン・ネルソンが語る戦争と平和〜』 花崎哲
  第11回「憲法を考える映画の会」のご案内をさし上げます。「集団的自衛権の行使」を認めるための『解釈改憲』を安倍政権が進めようとしています。もし解釈改憲が通れば憲法改正の手続きを経ず、第9条を空洞化され、日本は他国のために戦争ができる国になります。私達は、こうした現在の状況の中で、あらためて「ベトナム戦争において戦場を這い回り、帰還しても苦しみ抜いた若者の体験を通して戦争の無い世界について考え、第9条にたどりついたアレン・ネルソンさんがたどった道筋を描いた映画『9条を抱きしめて〜元米海兵隊員アレン・ネルソンが語る戦争と平和〜』をプログラムに選びました。 (花崎哲)(2014/03/30)


みる・よむ・きく
「基本がわかる はじめての中国語」 王ていてい著
  中国語の基礎を勉強しようと何度かトライして、何冊か参考書を買ったことがあったものの手が回らず毎回挫折を繰り返ししてきた。漢字文化なのだから、そう遠くない、と思いながら。それが今回、中国語がわかるかも・・・と初めてそういう思いを起こさせてくれた参考書に出会うことができた。成美堂出版の「基本がわかる はじめての中国語〜文法をしっかり学びたい人へ〜」である。(2014/03/30)


国際
中仏国交50周年記念 若きドゴールと毛沢東の肖像画がパリで
 今年は中国とフランスが国交を結んで50周年の記念すべき年、ということで現在、習近平主席がパリを訪ねている。一方、パスカル・バレジカ氏によると、17区の図書館では若いドゴールと毛沢東の肖像画が公開されている。(2014/03/29)


米国
米国の議論 〜最低賃金の底上げは米経済を改善させるか? 〜最低賃金のUPで雇用は減るか?
 今年に入って、米国で起きている主要な議論の1つが最低賃金制度である。オバマ政権は最低賃金を底上げすることで、労働者の収入を改善でき、米経済を活性化させることができると判断した。一方、最低賃金を上げるとかえって、企業が雇用を減らして失業率が悪化すると見るエコノミストも少なくない。そこでこの問題が新聞のオピニオン欄でも頻繁に取り上げられている。(2014/03/25)


欧州
移民の多い町マルセイユで社会党大敗 右翼政党・国民戦線が社会党の地盤を揺るがす
  23日に行われたフランス地方選、ルモンドによると、注目の選挙区、マルセイユ市では開票の結果、社会党の地盤だった北部の第七連合区で右翼政党の国民戦線がトップとなり、社会党の勢力が大きく後退している傾向が明らかになった。人口80数万人のマルセイユ市には行政区分として8つの連合区(secteur)があるが、第七連合区は人口が最も多い地区である。一方、マルセイユ市の南部はサルコジ大統領の属する国民運動連合がおさえている。(2014/03/24)


コラム
「思想的な背景」とは? 〜「アンネの日記」破損事件から〜
  東京都内など各地の図書館で「アンネの日記」が破損されていた事件で、今月30代の無職の男が逮捕されたと報じられた。男は犯行を供述したと報じられた。しかし、新聞報道によると「男は本を破った動機について具体的な供述をしていないが、捜査本部は男の言動などから、思想的な背景は薄いとみている」(朝日)とある。(2014/03/24)


欧州
フランス地方選開票速報 右翼政党・国民戦線が歴史的躍進(ルモンド) 第一回投票 いくつもの自治体でトップを確保
  23日、地方選の第一回投票が行われたフランスで、右派政党でマリーヌ・ルペンが率いる国民戦線が「歴史的な結果」(ルモンド)と報じられている。(2014/03/24)


文化
ユトレヒトでアニメ映画祭
  3月19日(水)から23日(日)まで、オランダのユトレヒトでアニメ映画祭が行われている。ユトレヒトは首都アムステルダムから30キロばかり南に下った町だ。長編や短編、さらに学生による作品など、カテゴリー別にコンペティションが行われる。ウェブサイトによると審査員は中国、トルコ、フランスなど多国籍からなる。(2014/03/23)


欧州
今日のフランス地方選2 〜フランス第二の都市マルセイユの場合〜 7000人収容のフランス最大のモスク建設計画が進行中
   今日はフランスの地方議員選挙である。フランス全土には様々な自治体がある。フランス語ではコミューンと呼んでいるが日本語では市町村に相当し、コミューンには100人未満の自治体もあれば人口100万人を超える自治体もある。さて、今回の選挙で注目されているのが右派政党・国民戦線であることはパート1で書いた通りだ。そして、注目の選挙区がマルセイユなのである。(2014/03/23)


欧州
今日のフランス地方選1 〜右派政党が躍進か? 〜社会党(PS)vs 国民運動連合(UMP)vs 国民戦線(FN) 三つ巴の戦い 2017年大統領選の前哨戦
  今日はフランス全土で地方議員選挙が行われる。フランスの地方議会には守備範囲によっていくつかのレベルがあるが、今回の選挙は最も基盤となる末端の市町村=コミューンの選挙である。コミューン(市町村)議員の選挙は6年に一度行われる。地方議会と言えば日本では市議会議員選挙とか、県会議員選挙などとある意味同様だから、衆議院議員や参議院議員を選挙で選ぶ国政選挙よりも地味な印象を持たれるかもしれない。だが、この一見、地味な印象の選挙が注目を集めているのだ。(2014/03/23)


コラム
パリの散歩道 〜会話でよく耳にする単語「シュウェット!」とは? 〜猛禽類の美
  パリの会話でよく耳にする単語が「シュウェット!」だ。つづりは’chouette’。いろんなところでこの言葉を耳にする。「それ、シュウェットね」のように。はじけた印象。親密な感じ。嬉しい表現だとわかるけれど、その意味がわからない。辞書を引いてみると、シュウェットには2つの意味があることがわかった。(2014/03/22)


社会
京都大学総長選の変貌について 〜京大名誉教授はこう見る〜
 学問の自由を誇ってきた京都大学。卒業生からは湯川秀樹や朝永振一郎、利根川進、福井 謙一 、野依 良治などのノーベル賞学者を輩出してきた。だが、総長の選挙が変わろうとしている。総長選の投票から当事者である京都大学の教職員が外されようとしていると報じられている。これは国立大学法人化から続く大学の管理を強める流れの中にある。大学はトップダウンで「改革」ができるように学長の権限を強化する方向にあり、その意味で学長の選挙は学問の自由に大きく影響を及ぼしかねない。「金融権力」などの著書がある金融倫理の研究者で、京都大学名誉教授・本山美彦氏は総長選の問題について次のように語る。(2014/03/18)


コラム
パリの散歩道 「サウジアラビアの映画を見たよ」
  「先週金曜、サウジアラビアの映画を見たんだ。ハイファ・アル・マンスール(Haifaa Al-Mansour)監督による「Wadjda」というタイトルの映画。驚いたことに、監督は女性なんだ。とても、とても興味深い。」(パスカル・バレジカ氏)(2014/03/18)


文化
侮りがたし! ドイツの芸術力 へニング・ワーゲンブレット氏(イラストレーター)の絵本  村上良太
  欧州で芸術と言えばフランス。あるいはイタリア。それが常識だが、ドイツも侮りがたいパワーを持っていた!今欧州の書店で売り出し中の絵本がロバート・ルイス・スティーブンソン作「海賊と薬剤師」(Der Pirat und der Apotheker)。表紙を見ればおわかりの通り、わくわくするイラストがつけられている。この本、パリで信頼できる個性的な書店複数で同時に売出し中だった。ドイツ語は不明だが、イラストにスタイルがあり、力があると思った。(2014/03/15)


科学
STAP細胞の論文騒動について 〜ある研究者はこう見る〜
  理化学研究所の小保方晴子氏らが英科学誌ネイチャーに発表した新しい万能細胞「STAP細胞」。しかし、その論文に様々な疑問が寄せられ、論文が撤回される方向に動いている。これをいったいどう見たらよいのか。この分野に詳しいある研究者に話を聞いた。(2014/03/15)


コラム
「わが内なる・・・・」
   1980年代くらいまでは「わが内なる・・・」という言い方がよくなされたように思う。「わが内なる帝国主義」とか、「わが内なる封建主義」とか言うような言葉だ。(封建主義という言葉はあの頃、頻出の言葉だった)(2014/03/14)


市民活動
「FASHION REVOLUTION DAY」〜バングラデシュ衣料品工場崩壊の悲劇を繰り返さないために〜
  フェアトレードの専門ブランド「ピープル・ツリー」と母体NGOの「グローバル・ヴィレッジ」は4月24日の国際的なキャンペーン「FASHION REVOLUTION DAY」に参加します。このキャンペーンの背景には、2013年4月24日、バングラデシュの首都・ダッカ近郊で1000人以上の犠牲者を出した、衣料品工場の崩落事故があります。この工場では、ヨーロッパの複数の大手ファッションメーカーが生産しており、その安全管理が疑問視されました。(ピープル・ツリーのニュースレターから)(2014/03/14)


福島から
「天に栄える村」 上映の輪 原村政樹
1年前に完成したドキュメンタリー映画「天に栄える村」の上映の輪がようやく徐々に広がり始めました。今月、3月は6カ所で上映されます(1か所は滋賀県ですでに8日に上映されました)。(2014/03/14)


文化
ドイツの才気ある女性芸術家・イラストレーターが集結「SPRING誌」 2004年から自 前で刊行
  ドイツ人の女性の芸術家やイラストレーターが集まって、漫画やイラストなどを中心にした個性的なビジュアル誌を毎年刊行している。媒体の名前はSPRING。今こそ女性の芸術パワーを示そうと2004年にハンブルクで最初の号が自主制作的に生まれ、今日まで参加アーチストたちが広告を取り、自前で定期的に発行を続けている。そして3月の現在、新刊の準備中だ。参加アーチストには国際的に活躍しているアーチストが多い。(2014/03/13)


東日本大震災
仏ヌーベルオプセルバトゥールが津波の特集
   フランスのヌーベルオプセルバトゥールが東日本大震災の津波の特集。シリル・ボネ(Cyril Bonnet)氏が写真を掲載している。(2014/03/11)


検証・メディア
ニューヨークタイムズの社説の訂正 〜争点の従軍慰安婦と南京大虐殺の個所は?〜
   ニューヨークタイムズは3月2日の社説で’Mr. Abe's Dangerous Revisionism’(安倍氏の危険な歴史修正記事)と題する一文を出した。この社説は反響が大きかったようだ。しかし、ニューヨークタイムズは3日後の3月5日に社説を訂正し、さらに社説を訂正したと書いた注を社説の末尾につけた。3月4日に安倍政権の菅官房長官からニューヨークタイムズに事実誤認があるという声明が出されたからだった。(2014/03/09)


国際
サウジアラビアがムスリム同胞団をテロリストに指定 〜「アラブの春」の波及を恐れる王室〜 カタールとの確執も
  サウジアラビアがムスリム同胞団をテロリストに指定したとフランスの新聞ルモンドが報じた。イスラム世界の中で、サウジアラビアとムスリム同胞団、何が違うのか?(2014/03/08)


国際
ウクライナとシェールガス 2 〜米国の飴と鞭〜
  今日のニューヨークタイムズにはシェールガスを外交の武器にせよ、という趣旨の社説が掲載されていた。もちろん、ウクライナの問題で、ロシアへの対抗措置ということがある。しかし、一読するとニューヨークタイムズはその見出しとは裏腹に、慎重なトーンが強く感じられた。(2014/03/08)


市民活動
独立後政情不安が続いた東ティモール 一人の女性とその家族の困難な歩みを描いたドキュメンタリー映画「Rosa's Journey」 第二回パルシックシネマカフェ
昨年12月に第1回を開催し、ご好評をいただいた「パルシックシネマカフェ」。第2回はフェアトレードをテーマに、世界フェアトレードデーの5月10日(土)に渋谷アップリンクにて開催します。(パルシックのニュースレターより)(2014/03/07)


米国
ロシアに対抗する米国の新兵器は新エネルギー「シェールガス」
 ウクライナ問題で、米国は従来と違う戦略を取っているようだ。これまでロシアは豊富な天然ガスの供給先としてウクライナやドイツなど欧州圏へエネルギーを政治的な切り札として用いてきた。ところがそこに新たな変化が生まれている。ここ数年の間に、米国内で莫大なシェールガスが採掘可能になったからだ。(2014/03/07)


国際
ウクライナを語るニューヨークタイムズ社説を読む
  ニューヨークタイムズ3月6日付の社説は通常2ネタの欄をウクライナ情勢1つに特集している力の入れようだ。'A RATIONAL RESPONSE TO MOSCOW'(モスクワへの理性ある返答)。(2014/03/06)


中南米
チャベスの死から1年 インフレ率が高まるベネズエラ 商店の棚は?? マドゥーロ大統領のカリスマと能力の欠如を報じるドイツ誌
 マネードクター、スティーブ・ハンケ(Steve Hanke)教授が今注目しているハイパーインフレ予備軍にベネズエラがある。ベネズエラは推定年間インフレ率がハンケ教授らの試算では302%。つまり1年で物価が4倍になっているという。(2014/03/06)


国際
ウクライナ問題解決の鍵を握るドイツ
 今、国際的問題になっているウクライナの政変とロシア軍介入の可能性。米紙ニューヨークタイムズでは問題解決の鍵はドイツが握るかも・・・という示唆を掲載した。’Germany may hold solution for Ucraine crisis'と題する記事であり、この中でドイツとロシアの関係の深さを伝えている。それによると、ロシアの輸出先のトップ3は以下。2012年の統計では(2014/03/05)


コラム
パリの散歩道 生演奏の町
   パリは欧州一二を争う観光地である。観光地ということは観光客に対するサービスが重要な要素だが美しい街並みだけが魅力ではないことは言うまでもない。ファッションや美食に加えて、意外と忘れられているのが音楽なのである。音楽と言うと隣国ドイツのベルリンがすぐに思い浮かぶのだが、パリの強みはあちこちで生演奏が行われていることだ。(2014/03/04)


コラム
「戦争の美しさ」を語る物語 〜感動と昂揚の戦争物語は戦後一貫した売れ筋商品〜 そして再び戦争は始まる
  人類の内面の中にある戦争好きの傾向を直視せよ、と警告してきた作家の一人がイタリアのアレッサンドロ・バリッコである。戦争は悲惨だが、同時に戦争は美しくもあり、日常では体験できない昂揚感もあると説く。そこを直視せず、戦争は悲惨だ、とだけ繰り返し説いてもアピールする力は弱いというのだ。(2014/03/02)


経済
ウクライナの経済危機 〜「マネードクター」のS.ハンケ教授は Currency Board 制を即導入せよと示唆〜
 ウクライナはソ連崩壊以来の政変を迎えているが、経済も破綻の危機にある。そこでマネードクターの異名を持つスティーブ・ハンケ教授はカレンシーボード制(Currency Board System)をすぐに導入せよ、と示唆している。(2014/02/28)


欧州
「漫画の国のアンネ・フランク」〜BDドキュメンタリーとは?〜 漫画、音声、映像、インタビューをコラージュして社会を描く
 フランス人が書いた「漫画の国のアンネ・フランク」という本がある。アラン・ルーコウィッツ(Alain Lewkowicz:監督),バンサン・ブルギョー( Vincent Bourgeau:漫画家), サミュエル・ポット(Samuel Pott) 、マルク・サンソーベ(Marc Sainsauve)らの執筆になる「ウェブ漫画」だ。(2014/02/27)


社会
破られた「アンネの日記」と国際紙
  第二次大戦中、ナチスのユダヤ人狩りを逃れるため、ドイツから家族でオランダに渡り、アムステルダムの家に隠れて暮らしていた少女、アンネ・フランク。しかし、やがて当局に潜伏先をつきとめられた彼女は収容所に入れられ、15歳で亡くなった。アンネが当時つづった日記、「アンネの日記」が東京都内の図書館で多数、ページが破り取られるなどして破損していたことが報じられた。このニュースは世界に発信された。国際紙は日本の右傾化を報じてきたが「アンネの日記」を破損した事件は改めて欧州人に警報を鳴らすことになってしまった。(2014/02/25)


経済
アルゼンチン・ペソの暴落 欧米紙はフェルナンデス大統領の失政と批判
  米国の金融緩和の縮小方針を端緒に、外国資金の引き揚げによって新興国通貨が暴落していると報じられている。その1つがアルゼンチンのペソ。これについて、ニューヨークタイムズ(NYT)はアルゼンチン政府の経済政策の問題であると繰り返し指摘している。(2014/02/20)


コラム
空っぽになった店の棚    超インフレと食糧難
 東京近郊。近くのコンビニに入ると、店の弁当類の棚が空っぽの状態。「時間の関係でしょうか?」と聞くと「いえ、大雪の関係です」駅前の大きなスーパーでもそうだった。豆腐もないし、食パンもない。売り場の棚が空っぽの光景はショックだった。なぜなら、その光景を少なくとも2回、資料映像で見たことがあったからだ。(2014/02/19)


コラム
オレオレ詐欺の進化
  先日、ある町を歩いていたらパトカーが「現在、この地域でオレオレ詐欺の電話が集中しています。」とアナウンスしていた。オレオレ詐欺の電話って、セールスマンみたいに地域集中で「営業」しているのか、と思った。(2014/02/17)


文化
ノーラのニューヨーク(写真)日記
  ニューヨークのブルックリン在住のイラストレーター、ノーラ・クリュークさんからのメールです。今、ニューヨークでも雪が降りやまないそうです。この写真を見てください、と。窓の外は白い雪景色。そんなノーラさん、それでも、と言います。(2014/02/17)


欧州
スイスの国民投票で移民制限強化政策が採択される 〜右派政党の提案をスイス国民が支持〜
   欧州は不況のまっただ中にある。そんな中、経済問題や社会問題の原因が外国人労働者にあるとして、移民の制限を強化する動きが起きており、スイスでも右派政党・民衆党の提案が国民投票で9日採択された。以下はワシントンポスト紙の見出し=’Swiss voters back limit on immigration’(スイス国民は移民制限を支持)。(2014/02/16)


政治
フランス地方選 低投票率を恐れる与党・社会党
  ルモンドによると、3月に予定されているフランスの地方選=全国の市町村議員を選出=で、投票率が低いのではないかとの世論調査会社の観測に、社会党が不安を感じているそうだ。(2014/02/14)


政治
フランスの左翼党幹部が来日 官邸前で原発廃止を訴える
  フランスの左翼党(Parti de gauche)幹部のコリーヌ・モレル=ダルルー(Corinne Morel-Darleux)氏が来日し、先週、官邸前で原発廃止を訴えた。モレル=ダルルー氏は左翼党の環境政策担当者。フランスは原子力大国だが、フランス国民すべてが原発支持ではない、と語った。そしてこぶしを挙げて「ゲンパツハンタイ、ゲンパツハンタイ・・・」とコールした。(2014/02/14)


経済
2014年 通貨戦争再発を警告する論
  今日、1ドル=102円。去年の今頃は90円台の前半だった。CNBCの経済コラムでは約1年前に始まったアベノミクスによる円安の影響で、2014年1月、隣国の韓国ではウォンが逆に上昇し、5年ぶりの高値となり、株価は下落した。CNBCでは年内に「1ドル=112円まで下落し得る」と見るエコノミストの声を紹介している。円は去年ドルに対して22%下落した。その結果、中国や韓国の人民元やウォンを相対的に押し上げるため、それらの国々との通貨戦争に突入するかもしれない、と言うのである。(2014/02/12)


検証・メディア
NYT元編集者が新たな報道プロジェクトの立ち上げに参加 〜米国の司法システムを報じる新媒体へ〜独自取材を含め、刑事司法改革を射程に市民の議論を促す
  約30年間、ニューヨークタイムズで活躍したベテラン記者・編集者・コラムニストのビル・ケラー(Bill Keller)氏がNYTを去り、今年の4月以降に新たな報道プロジェクトの立ち上げに参加するという。ケラー氏は現在65歳。いったいどんなジャーナリズムか、というと米国の司法システムを監視するものになるという。(2014/02/12)


政治
ロバート・ダール氏が死去 ‘ポリアーキー’で知られる元米政治学会会長 〜米国は民主主義国か?その統治者は誰か?〜
  先週、アメリカの政治学者ロバート・ダール(Robert Dahl)氏が死去した。元米政治学会会長で、98歳だった。ロバート・ダールと言えば「ポリアーキー(Polyarchy) という政治用語を用いたことで知られる。しかし、筆者が学生の頃、なかなかこの言葉には日本でイメージしづらいものがあった。「ポリアーキー」という著書を買ったことがあるのだが、恥ずかしながら何一つ記憶にないのである。そこで30年後にもう一度、ダール氏の学説がどのようなものだったのか概略だけでもつかみたいと思い、インターネットで調べてみることにした。(2014/02/10)


みる・よむ・きく
アーネスト・メイ著「歴史の教訓」 〜外交政策立案者は歴史を誤用する〜 失敗の分析と情報公開の大切さ
  小さな犯罪1つとっても失敗の可能性は無数に潜んでいる。まして外交である。ハーバーバード大学教授で米外交史家のアーネスト・メイは「歴史の教訓〜アメリカ外交はどう作られたか〜」で米外交政策の失敗について書いている。本書の中でメイは3つの命題を示す。(2014/02/09)


スポーツ
ソチ・オリンピックの開会式
  ロシアで開催されるソチオリンピックの開会式では選手入場に続いて、ロシアの歴史を舞踊でたどるショーが披露された。王政時代の社交ダンスなどは美しかったが、いささか定番すぎて退屈でもあった。俄然面白かったのは競技場に巨大な機関車が入って会場全体が照明で赤くなったあたりだ。(2014/02/08)


市民活動
憲法を考える映画の会 <大雪なので本日も予定通り上映しますが3月1日にも再上映します>
  「憲法を考える映画の会」に来ていただいたみなさまに急ぎご連絡します。本日開催予定の第10回憲法を考える映画の会についてご連絡します。映画の会は予定通り行いますが、大雪のため、交通機関が乱れること、また足下が心配で外出を控えられる方も多いと思います。そこで次回の予定(3月1日(土)13時半から)で同じ会場で同じプログラム『“私”を生きる』を再度上映したいと思います。(2014/02/08)


中東
イスラエル大統領シモン・ぺレス氏のツイッター  〜イランとの交渉とパレスチナ問題の解決〜 パレスチナ問題は解決間近か?
  イスラエル大統領のシモン・ぺレス(SimonPeres1923-)氏もツイッターでメッセージを発信している。ヘブライ語の時もあるが英文の時も少なくない。最新のメッセージでは世界の高校生9000人に向かってオンラインで講義を行った、というものだ。(2014/02/07)


検証・メディア
ルモンド紙 「日本の公共放送の経営委員が南京の虐殺を否定」 〜報道機関であるNHKに疑問を投げかける〜
  フランスの代表的新聞の1つ、ルモンド紙が2月4日、安倍首相の推薦でNHK経営委員になった百田尚樹氏の南京虐殺はなかったとする発言を取り上げた。百田氏は南京虐殺は当時日本と戦闘中だった蒋介石のプロパガンダに過ぎず、そのような事実はなかったと発言した、とルモンドで報じられた。同紙は虐殺はあったとする欧米の研究者の推定数字も合わせて紹介している。(2014/02/06)


市民活動
第10回「憲法を考える映画の会」 『“私”を生きる』(土井敏邦監督、138分) 〜取材を受けた土肥元校長も飛び入り参加〜
今回の映画「“私”を生きる」で紹介されていた元三鷹高校校長の土肥信雄さんが今度の映画の会(2月8日)にいらっしゃるとのお便りをいただきました。第10回「憲法を考える映画の会」『“私”を生きる』 (土井敏邦監督、138分) 〜教育現場の思想統制を考える〜(2014/02/06)


中東
サウジアラビアのテロ対策法 〜政治の改革派を弾圧する法案との批判も〜
  サウジアラビアで新たにテロ対策法が制定されたが、APなどの報道によると政府に改革を要求したり、汚職を追求しようとしたりするなどの活動をした者を逮捕することができるようになる。アラブの春で見られたような改革運動はもちろん取締りの対象となる。(2014/02/05)


欧州
ギリシア極右政党が改名 黄金の夜明け→国の夜明け 議員ら逮捕で壊滅の危機から5月の選挙で再浮上を狙う
 欧州通貨危機の震源地ギリシア。移民排斥を唱える極右政党「黄金の夜明け」(Golden Dawn)が名前を改めることになりそうだ。新党名は国の夜明け(National Dawn).(2014/02/05)


米国
1% 対 99% 〜国の崩れ方〜
  今朝のインターナショナル・ニューヨークタイムズの漫画。1%と99%と書かれた2つの分銅が天秤で重さが釣り合っており、天秤にはINCOME EQUALITY(所得の平等)と書かれている。この漫画はこれだけでどこの国とも書かれていないが、米国なのだろう。漫画の味わいは99%の分銅が巨大で、1%の分銅がとても小さいのに重さが釣り合っているところなのである。(2014/02/04)


みる・よむ・きく
デカルト著「方法序説」 〜近代を考える〜
   西欧近代哲学の始祖としてよく引き合いに出されるのがフランスのルネ・デカルト(Rene Descartes 1596-1650)である。そのもっとも知られた本が「方法序説」だ。批評家の小林秀雄がどこかで<「方法序説」という訳はいかめしい。本来は「方法について」くらいの平易なタイトルだ>と言った意味合いのことを書いていたように思う。実際に元のタイトルは'Discours de la methode'であり、直訳すると「方法についての論」なのである。デカルトが「方法序説」でかかげたその方法とは簡単に言えば以下の4つ。(2014/02/03)


米国
同性婚容認の背景は? 過去四半世紀、人工授精で子供を持つゲイのカップルが増加 家族の変貌
  パリでレズビアンの恋人同士を描いた映画「アデルの人生」を見た。これは去年、最高賞のパルムドールを受賞したからご存じの人も多いだろう。3時間にわたる二部構成の大作ながら飽きさせることはない。構成的には以下のようである。(2014/02/02)


社会
米国のカジノについて 〜特区構想を考える〜 負のコストも計算せよ
  たまたま西条氏の寄稿があったので、記事を書く事にしたのだが、米国のカジノについて。筆者はカジノの研究者でもなく、犯罪研究を専門にしている人間でもなく単なる一映像業者なのだが、90年代にこのカジノの話題に少し関連する情報に接したことがあったのだ。それはアリゾナ州のネイティブ・アメリカン(昔で言うインディアン)居留地にカジノがあり、ネイティブのコミュニティが崩壊しかけている、という話である。(2014/02/01)


コラム
オヤジはニュースが好き ソンタク
   最近ある放送局で新たに抜擢された会長の発言が波紋を呼んでいる。そのせいでソンタクという言葉をしばしば耳にする。「職員たちは会長の意向をソンタクして・・・」などと巷では言っている。しかし、ソンタクという言葉は難しい。(2014/02/01)


みる・よむ・きく
ミハイル・ブルガーコフ作 「巨匠とマルガリータ」
  ロシアで知り合った友達から一番に推薦された小説が「巨匠とマルガリータ」と題する長編小説だった。作者のミハイル・ブルガーコフは20世紀の作家で、ソ連時代に多くの作品が禁書に指定されている。「巨匠とマリガリータ」もまた作家の存命中は日の目を見ることがなかった作品である。(2014/01/31)


市民活動
第10回「憲法を考える映画の会」『“私”を生きる』 (土井敏邦監督、138分) 〜教育現場の思想統制を考える〜
第10回「憲法を考える映画の会」のご案内をさし上げます。2月8日(土)13時半〜16時。東京体育館 第4会議室(渋谷区千駄ヶ谷2-17-1)TEL 03-5474-2112。映画『“私”を生きる』 (土井敏邦監督、138分) (花崎哲)(2014/01/28)


コラム
西サハラと東京 〜1975年から難民生活〜
  西サハラを訪ねたのはおよそ2年前の12月。難民キャンプの人々と同じ施設に寝泊まりした。冬でも風呂はないし、あるのはシャワーだが温水などない。冷たい水である。西サハラも冬は冬、とても冷たい。ゆっくり風呂に入って1日の疲れをいやすというようなことはありえない。(2014/01/27)


農と食
再放送「戦後史証言」(山形・高畠 〜日本一の米作りをめざして)
記録映画監督の原村です。昨晩放送の「戦後史証言(山形 高畠 〜日本一の米作りをめざして)が再放送されます。2月1日(土)0:45(金曜深夜)よりNHK・Eテレにて。(2014/01/26)


TPP/脱グローバリゼーション
TPPを警戒する米市民 弁護士ロリ・ワラック氏のコメント 〜「TPPは企業による‘トロイの木馬’作戦」 〜蔓延する秘密主義 見えない中身 上陸前夜
  米国の非営利団体「パブリック・シチズン」のロリ・ワラック氏は自由貿易協定が米国市民の労働をいかに奪ってきたかなどその実態を紹介し、批判を行ってきた弁護士である。昨年10月の「デモクラシー・ナウ!」に出演した時はTPPについて米国市民の視点で語っている。これは「企業によるトロイの木馬作戦」であるという。(2014/01/24)


文化
独創的な作家エドワード・ゴーリーの記録映像 米ドキュメンタリー作家がウェブで公開
  A:エイミーは階段から転がり落ちた。B:ベイジルは熊に襲われた・・・子供たちがどう死んだかをワンフレーズでアルファベットのAから続けていく絵本「ギャシュリークラムのちびっ子たち」(The Gashlycrumb Tinies)。不気味な手毬歌のようだが、同時にあっさりと淡々とつづられていく。こんな作風で世界的に知られる不思議な米作家、エドワード・ゴーリー(Edward Gorey,1925年-2000年)。(2014/01/24)


欧州
オランド大統領の女優との不倫を報じた雑誌 〜その号は売り上げ2倍に 〜女優は雑誌をプライバシー侵害で告訴 〜オランド大統領の支持率は30%以下 〜報道の背景は?
  今月はフランソワ・オランド大統領にとって女性スキャンダル騒動の月となった。英国のインディペンデント紙によると、不倫を報じたフランスのCloser誌はその号の売り上げが60万部となり、通常の2倍になったと言う。一方、密会をスクープされた女優のジュリー・ガイエ(Julie Gayet)さんは私生活を侵害されたとして、5万4千ユーロの賠償金(および訴訟費用)を雑誌に求めて告訴していると言う。(2014/01/23)


みる・よむ・きく
戦後史証言「山形 高畠」 〜日本一の米作りを目指して〜 原村政樹
原村です。30年間、撮影でお付き合いしてきた山形県高畠町の米作りを通じて、戦後の日本の農業の歩みを描く番組を作りました。戦後史証言「山形 高畠」〜日本一の米作りを目指して〜NHK・Eテレ(チャンネル2)。今週土曜日(25日)夜11時〜12時半(2014/01/23)


コラム
立ち見する場所 〜スタジアムと国会の違い〜
   昨年暮れの12月5日と6日に国会前に出かけた。特定秘密保護法案の参議院での審議が最終段階に入り、今にも強行採決になりかねない勢いだったときだ。シラケ世代と言われるわが世代には集団で何かを主張したり、闘争したりすることを苦手とする傾向が他の世代より強い気がする。それでも駅前に夕食の食材を買いに出かけようとして、気がついたら電車に乗って国会に向っていた。本当はいくつもりはなかったのに。(2014/01/23)


みる・よむ・きく
10日間で完読! 独断と偏見で選んだ近代政治思想書 〜日本国憲法の源流をたどる〜
  近代政治思想の流れをたどる独断と偏見の10日間読書ガイド。これは日本国憲法の思想的源流をたどる旅でもある。(2014/01/21)


みる・よむ・きく
ハンナ・アレント著 「革命について」 〜アメリカ革命を考える〜
  革命というと、恐ろしい。それが多くの人にとってのイメージだろう。また革命と言うと、共産主義のイメージもある。それらのイメージの源はルイ16世をギロチンにかけたフランス革命であり、ロマノフ王朝を倒したロシア革命である。しかし、ドイツ出身の政治哲学者ハンナ・アレントはその著書「革命について」の中心を<アメリカ革命>に置いているのである。アメリカ、資本主義のチャンピオンを生んだ政変をアレントは世界で唯一の成功した「革命」と見ているのである。独立というだけでなく、革命だったのだ、と。(2014/01/20)


中東
イスラエル 「ナチ」という言葉の「不適切な」使用を制限する法案が可決寸前に 〜表現の自由を奪うとして論争が起こる〜 イスラエル人気作家の寄稿
  イスラエルでナチ(Nazi)という言葉が不適切に使用された場合に刑罰を課す法案が国会で可決寸前であると言う。ナチという言葉だけでなく、ユダヤ人の絶滅を目指したナチスドイツによる「ホロコースト」に関連する言葉もひっかかるという。ただ、どんな場合にでも処罰されるわけではなく、これを報じたニューヨークタイムズによると、'noneducational way' (教科書的な意味から外れるやり方)で使用された場合に刑罰が科せられる。(2014/01/20)


コラム
フランスの食事
  フランスで3週間仕事をした人がこんなことを筆者に言った。「フランスの飯は最低ですよ。レストランにも行きましたけど。ギョーザの方がよっぽどうまかったですね」彼がどんなレストランに入ったのかわからないが、日本人として理解できるところもある一方、彼の体験から零れ落ちている可能性のある事柄も推察せざるを得なかった。それは飯を食う場のことなのである。(2014/01/19)


みる・よむ・きく
開高健著 「名著ゼミナール 今夜も眠れない」
  開高健著「名著ゼミナール〜今夜も眠れない」(角川書店)は味わい深い読書ガイドだが、そこには仕掛けが施されている。開高健が教授になり、助手と本について対談する形式になっていることだ。そこで教授と助手の珍談が繰り広げられていくのである。(2014/01/18)


市民活動
第9回「憲法を考える映画の会」 18日(土) 『ニッポンの嘘 ─報道写真家 福島菊次郎 90歳』114分
  第9回「憲法を考える映画の会」の最終ご案内。映画:『ニッポンの嘘 ─報道写真家 福島菊次郎 90歳』114分。今回の映画を選んだ理由は、はじめのころ「自由民主党日本国憲法改正草案」、「集団的自衛権」、TPP、そして秘密保護法制定といった動きに対してのメディアやジャーナリズムの動きがどうもおかしいのではないかと思ったところからでした。(2014/01/17)


検証・メディア
週刊誌の部数(1号あたりの印刷部数)
 日本雑誌協会に週刊誌1号あたりのの印刷部数が公表されている。どのくらいの数字なのか、いくつか見てみよう。これは2013年7月〜9月の間の平均数字となっている。(2014/01/17)


みる・よむ・きく
本山美彦著 「金融権力 〜グローバル経済とリスク・ビジネス〜」
  京大名誉教授の本山美彦氏が岩波新書から「金融権力」を世に出したのはまさにリーマンショックが起こり、それが欧州に飛び火しようとしていた時だった。「金融権力」で本山教授は冒頭のあたりでこう筆を起こしている。「経済のグローバル化を推進した起動力は金融であった。」(2014/01/17)


コラム
パリの散歩道 地下鉄のトーカーたち
  パリの地下鉄に乗っていると、とにかく一人でぶつぶつ話をしている人がやたら多いのである。話し相手はその場にはいない。(2014/01/17)


アフリカ
安倍首相のアフリカ歴訪 〜アルカイダの襲撃に備えた警備訓練に約80億円の提供を約束〜 
   報道によるとアフリカを歴訪した安倍首相は西アフリカ諸国に対して地域防衛の為に8000万ドル(約80億円)を投じると約束したとされる。これはサヘル地域(サハラ砂漠南部とその周辺地域)に勢力を持つアルカイダ・グループの襲撃に備えた警備訓練のための費用である。(2014/01/15)


中東
シャロン元首相の追悼記事 2 〜領土問題〜 1949年の線をどうするか
  ニューヨークタイムズではシャロン元首相の追悼記事が続く。オピニオンの欄ではイスラエルの新聞ハーレッツ(Haaretz)の元編集長が寄稿している。タイトルは’What if Sharon still lived?'(もしシャロンが今、生きていたら?)というもの。(2014/01/15)


中東
シャロン元首相の追悼記事 〜なぜリクード党から中道政党にシフトしたのか?〜
  イスラエルのアリエル・シャロン元首相(Ariel Sharon,1928-2014)が先週末にテルアビブの病院で亡くなり、月曜のニューヨークタイムズでは多くのスペースがシャロン元首相について割かれている。(2014/01/14)


コラム
アメリカの政治映画と西部劇   ジョージ・クルー二―監督の「グッドナイト&グッドラック(Good Night and Good Luck)」
 アメリカの文物は10年か20年かはともかく、少し遅れて日本に入ってくると言われてきた。今日本に力づくで導入されようとしているのが「テロとの戦い」である。その前例は米国のブッシュ政権時代に生まれたテロ対策の一連の法案であり、また言論統制である。この時代に抗して作られた映画がジョージ・クルー二―監督の「グッドナイト&グッドラック(Good Night and Good Luck)」だった。(2014/01/14)


安倍政権を検証する
安倍政権の「ニュースピーク」 〜特定秘密保護法の「又は」と「かつ」〜 自民党と官僚の日本語に対する攻撃が続く
  教育を改変しようとしている安倍政権だが、一方で日本語に対する攻撃はやむことがない。「積極的平和主義」という言葉の本質は戦争、もしくは戦闘行為にある。これは平和という言葉を汚すだけでなく、言葉に対する攻撃と呼んでもいいだろう。すでに多くの人が指摘するように、ジョージ・オーウェルが未来型独裁国家を描いたSF小説「1984年」で強要される人工言語「ニュースピーク」と通底する言葉である。ニュースピークの象徴的なスローガンは「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」である。積極的平和主義はこれと同質の言葉である。(2014/01/13)


欧州
ヒトラーの‘Mein Kampf’(我が闘争)がe−bookのベストチャートに浮上 〜排外主義者の研究に活用する人も・・・
  20世紀最大の排外主義者アドルフ・ヒトラーの著書「我が闘争(Mein Kampf)」がアマゾンe−book(電子書籍)の政治プロパガンダ、政治心理部門の売り上げNO.1になっているという。(2014/01/12)


みる・よむ・きく
「独立宣言と米憲法」(The Declaration of Independence and The Constitution of the United States)
   アメリカを旅すると、空港の書店に「独立宣言と米憲法(The Declaration of Independence and The Constitution of the United States)」というペイパーバックの本が置いてあった。どの空港で買ったのかは覚えていない。あちこちの空港に置いてあるのだ。2.95ドルで比較的薄っぺらい本、というより冊子に近い。表題の通り、1776年に発表された独立宣言と、1787年に生まれた米憲法、さらに1791年に発表された修正米憲法が収録されている。(2014/01/10)


安倍政権を検証する
日本の‘女’は子供を何人産むべきか? 〜NHK経営委員になった学者の提言から〜 男女雇用機会均等法の是非
  安倍政権から推薦されてNHK経営委員となった長谷川三千子氏は日本の男女は<しかるべき年齢>で結婚して子供は2〜3人産むべきだと産経ニュースのウェブサイト(正論)で発言している。そうしないと今の出生率でいくと、1000年後に日本人がゼロになってしまうという計算からのようだ。だから、その元凶になった男女雇用機会均等法を廃止せよ、と主張しているのである。(2014/01/09)


安倍政権を検証する
オリンピックと警備〜共謀罪と決められる政治〜
 ニューヨークタイムズには今年2月ロシアで開かれるソチの冬季オリンピックにちなんだ風刺漫画が掲載された。戦車に乗り、銃を肩にしょった兵士が壁に五輪のポスターを糊付けしている。そこには’A celebration of the joyous human spirit!'(楽しい人類の心の祝典!)と書かれている。戦車の腹部には大きくSECURITY(セキュリティ)と書かれており、兵士4人が周囲を監視している。ソチの五輪前にロシアではテロ事件が複数起きている。楽しい祝典と、ものものしい警戒態勢が矛盾していることを描いた1枚。(2014/01/07)


文化
第一次大戦から100年 オランダからの手紙 〜日中関係を平和に解決しよう〜 ジャズマンのメッセージ
  1914年に始まった第一次世界大戦から100年が過ぎた欧州。オランダでディキシーランドジャズを演奏しているバート・ブランス(Bert Brandsma)さんから、メッセージが届きました。日本と中国の間の緊張が高まっている事に対してです。(2014/01/05)


みる・よむ・きく
米小説家デイブ・エガーズの話題作「サークル(The Circle)」 〜ソーシャルメディア時代の生を問う〜 とうとうプライバシーがなくなって・・・
  デイブ・エガーズ(Dave Eggers)の最新作は「The Circle(サークル)」と題する小説である。書評によると、今度はフィクションで、悪夢的な近未来小説のようだ。今全盛期を誇る検索エンジンとソーシャルメディアを売りにする<サークル>というIT企業に就職した若者たち。彼らは四六時中、端末に短いメッセ―ジを打ち続ける。会社にいる間だけでなく、家に帰ってもどこにいても。彼らにとってアクセス数を増やすことと、サムズアップ!(いいね!)マークをたくさんゲットすることは仕事なのである。こうして最早プライベートと仕事との境界線はなくなっていく。(2014/01/05)


欧州
世界のベタ記事から 冷戦時代のクロアチアの情報機関の元トップが逮捕される 〜ドイツでクロアチア人亡命者の殺人容疑〜 ドイツ当局が引き渡しを要求
  Josip Perkovic氏、ユーゴ時代の元クロアチア情報機関の長官が逮捕された。容疑は1983年にドイツでクロアチア人亡命者を殺害したことだとされる。ドイツ当局は引き渡しを要求している。一方、Perkovic氏は身柄の引き渡しを拒んでいる。(2014/01/04)


安倍政権を検証する
NYT社説<日本はTPP参加によって農業のリストラを強く希望していることがわかった>
  安倍政権の特定秘密保護法案や兵器輸出の解禁への方針に対して強く批判的な記事を出してきたニューヨークタイムズが今日の社説では一見TPPに参加を促す論を展開した。’Joining the new trade club'(新たな貿易クラブに参加すること)と題する社説である。(2014/01/03)


欧州
欧州連合 〜英国と独仏の確執〜2013年のキャメロン首相の国民投票宣言の波紋〜
  経済危機にある欧州連合はその存在が揺らいでいる。今年の欧州議員選挙では欧州連合からの離脱を志向する右翼政党が躍進するのでは、との見方も出ている。こんな中、昨年の英国のデビッド・キャメロン首相の発言がさらに波紋を呼んでいる。(2014/01/03)


社会
インドネシアの女性コピーライターの死 〜30時間労働に抗議の声〜 過労死をめぐる議論〜誕生日も午前3時まで働く・エナジードリンクを常用
  昨年暮れにインドネシアの首都ジャカルタで27歳の女性コピーライターAnanda Pradnya Paramitaさんが突然倒れ昏睡状態に陥り、亡くなった。彼女がその日、ツイッターで30時間の連続労働について書いていたことから、彼女が勤めていた広告代理店Young&Rubicamに抗議が多数寄せられていると言う。ニューヨークタイムズによれば彼女の親族は「もし非難するのであれば特定の企業でなく、業界全体にするべきだ」と語ったと言う。(2014/01/02)


社会
パリの公共自転車レンタルシステム Velib’ 
  パリには地下鉄が発達しているから、基本的には移動はできる。だが、決まったルートでなく、自由にあちこちを早く移動したいときに自転車が欲しいと思うことがある。しかし、自転車を買うのもな、と思った時に「ベリブを使えばよい」と友人が教えてくれた。(2014/01/01)


欧州
ロシアに対するドイツ外交の確執 〜社会民主党の「東方外交」とメルケル首相(キリスト教民主同盟)の対ロシア外交
  かつてインターナショナルヘラルドトリビューンのベルリン駐在記者として健筆をふるっていたジュディ・デンプシー(Judy Dempsey)記者は現在、Strategic Europeという媒体の編集長に就任している。彼女が最近こんな寄稿をしていた。「メルケルのプーチン問題」(Merker's Putin problem)と題する分析記事である。(2014/01/01)


みる・よむ・きく
ジャン=ジャック・ルソー著「社会契約論」(中山元訳) 〜主権者とは誰か〜
    ホッブズ、ロックと英国の先行する社会契約論者がいたにも関わらず、日本で社会契約論と言えばジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacues Rousseau、1712-1778)が圧倒的に有名である。ルソーの「社会契約論」(Du Contrat Social)はどこか違っていたのか。冒頭、ルソーは有名な文句を書いている。「人は自由なものとして生まれたのに、いたるところで鎖につながれている。」(2014/01/01)


反戦・平和
第九条にノーベル平和賞を 〜オバマ大統領より功績あり〜
  「憲法第九条にノーベル平和賞授与が決まりました」このような希望をもって、署名活動を行っている人びとがいる。(2013/12/31)


反戦・平和
ニューヨークタイムズ社説が日本の兵器輸出の解禁に警告
 今年最後の社説で、インターナショナルニューヨークタイムズ(ニューヨークタイムズの国際版)は安倍政権が進める兵器輸出の解禁の動きに対する警告を掲載した。今年1年を振り返れば安倍政権に対する批判・警告が社説や風刺漫画などで多数にのぼり、特に特定秘密保護法の国会論議以後、加速している印象がある。(2013/12/31)


中東
世界のベタ記事から 〜シリアの化学兵器処理で国連が声明「最も危険性の高い化学兵器の国外運びだしが年末期限に間に合いそうにない」
  シリア空爆回避の条件とされたのが化学兵器の廃棄だった。その期限は来年半ばと報じられたが、一部の危険性の高い化学兵器の国外への運びだしの期限が明日、12月31日つまり2013年末に設定されていたらしい。だが、その期限に間に合いそうにない模様だと国連が警告を出したと言う。(2013/12/30)


みる・よむ・きく
ユルゲン・ハーバーマス著 「人間の将来とバイオエシックス」
   ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスは今世紀中に人類の類概念が変わる可能性があると指摘している。人類が2種類に分裂してしまうかもしれないと言っているのである。それは遺伝子操作を受けた人類と、遺伝子操作を受けていない生の人類である。(2013/12/30)


みる・よむ・きく
トマス・ホッブズ著 「リヴァイアサン (国家論)」 〜人殺しはいけないのか?〜
  ひところ、若者が「人殺しをしたらなぜいけないのか?」という質問をして、年長者が驚き呆れていたと報じられた。かつてなら、ありえない質問だ、というのである。しかし、英国の政治哲学者トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes)は人殺しをしても不正ではない、と記している。その本は1651年にロンドンで出版された「リヴァイアサン」(Leviathan)と題する本である。(2013/12/29)


国際
「靖国参拝によって安倍首相は北朝鮮の脅威に対する周辺国の足並みを乱した」 サイモンウィーゼンタールセンター
  ナチズムの責任を戦後追求してきたユダヤ人の組織、サイモン・ウィーゼンタールセンター(Simon Wiesenthal Center)は安倍首相の靖国参拝のタイミングについて、北朝鮮に対する周辺国の結束が必要な時に足並みを乱したことを非難している。(2013/12/29)


中東
イラクで反政府勢力がテロ活動を活性化 2008年以来最大 今年8000人以上が死亡 米軍が武器支援開始 イラクは集団的自衛権の領域か?
   イラクでは今年8000人以上がテロと内戦で亡くなっているとニューヨークタイムズで報道された。英国のガーディアンも2008年以来最大規模になっていると報告している。(2013/12/27)


TPP/脱グローバリゼーション
米国の二方面作戦 〜TPP交渉の裏で、ヨーロッパ=アメリカ自由貿易協定の交渉中〜
  TPP交渉を進めている米国だが、同時に大西洋の両岸で欧州連合と自由貿易協定の交渉を進めている。このことも欧州における排外主義の興隆の一因となっている。その理由は多国籍企業が国を相手取って訴訟を起こしたり、国境を越え各国の保険・医療・農業・環境政策を回避してなしくずしにする可能性があるからだ。(2013/12/26)


欧州
欧州でもファシズムが復活の兆し 〜1930年代と2010年代〜 欧州連合の緊縮政策が後押しか
  ニューヨークタイムズは12月19日付で’Is fascism returning to Europe?'(ファシズムは欧州で復活しつつあるのか?)と題する政治コラムを掲載した。(2013/12/26)


みる・よむ・きく
モンテスキュー著「法の精神」 〜「権力分立」は日本でなぜ実現できないか〜
  モンテスキュー(Montesquieu)著「法の精神」(DE L'ESPRIT DES LOIS,1748)は岩波文庫で上中下の三分冊になっている。一見、いかめしそうな印象だった。「法の精神」と言えば「三権分立」というのが学生時代の暗記のキーワードだったが、「法の精神」はその説をどう展開しているのだろうか。(2013/12/26)


TPP/脱グローバリゼーション
中身の不透明なTPP 〜アジア諸国は十分な情報公開がなければ参加してはいけない〜 外国人コラムニストの警告
  東京に滞在して筆を振るっているBloombergのWilliam Pesek氏はTPP(Trans-Pacific `Partnership)への参加は考え直した方がよいと警告を発した。’Wikileaks reveals why Asia should skip the TPP'(ウィキリークスがアジアがTPPを拒否した方が良い理由を暴露)と題するコラムである。その根拠は音頭を取る米政府の秘密主義にあるとする。Pesek氏はジョン・ケリー国務長官がアジア諸国に、TPPに参加れば「透明度」が高まり、「政治責任」も明確になると参加を促しているが、TPPの中身は秘密主義で、「透明性」とはほど遠く、参加した場合、国民の生活にどのような影響が出るかも明らかではないと批判し、警告した。(2013/12/26)


コラム
安岡章太郎とジングルベル
  日本の戦後を代表する小説家の一人、安岡章太郎には「ジングルベル」と題する一風変わった短編がある。読んだのは中学生の時だからもう30年以上経っている。それでも、クリスマスになると思い出す。(2013/12/25)


沖縄/日米安保/米軍再編
戦争と医療保険費
  解釈改憲によって集団的自衛権を行使した場合、自衛隊が海外のどこに派兵されるかは、時々の状況によるだろう。日本の場合、安保条約を結んでいる米軍と協力する可能性が高いと見られている。米軍は今年、シリア戦争直前で踏みとどまったが、債務危機がまた話題になるであろうように財政的には戦争どころではなくなっている(*年末の与野党財務委員会の妥協で軍事費は増強し、Medicareなど他の財源を大幅カットすることになりそうだ)。軍事予算で削れるところは核兵器であれ削減したいところなのだ。しかし、年々額が増加していて、削減不可能なものがある。それが米軍人に対する医療保健費である。(2013/12/25)


憲法
「特定秘密保護法に反対する学者の会」 〜賛同者の数は全体のどれくらいか〜
   特定秘密保護法が表現の自由や研究の自由を妨げるとして、「特定秘密保護法に反対する学者の会」が発足し、多くの学者が反対の声をあげ、その参加者は12月15日現在で5042名に達している。勇気のある行動である。しかし、それは日本全体の「学者」の中でどれくらいの割合なのだろうか。(2013/12/23)


コラム
都知事選は民意の現れか?〜都民は驕るなかれ〜
  次の東京都知事選は安倍内閣に対する民意の現れだという論者が少なくないようだ。特定秘密保護法案に対する国民の考えが今度の都知事選に集約され、もし自民党公認候補が勝てば特定秘密保護法に対する国民の信任となる・・・こういう論理である。(2013/12/22)


みる・よむ・きく
ジョン・ロック著 「統治二論」〜政治学屈指の古典〜
  将来、思想統制が行われ、本の選抜と焼却が行われる日が来るとしたら、まず最初に失われる本の中に、英国の近代政治思想家ジョン・ロックの「統治二論」があるのではなかろうか。思想統制と言えば戦前・戦中のイメージでマルクス主義や社会主義のことが頭に浮かぶだろうが、今問われているのは近代政治思想なのである。1690年に出版された「統治二論」はアメリカの独立宣言やフランス革命に影響を与えたとされる。その思想的な根拠は以下の3点である。(2013/12/22)


欧州
「ちょっと働き、もっと読もう」  
  フランスの地方都市を歩いていたら、書店の窓ガラスにこんな標語が張られていた。’Travailler moins pour lire plus ’(本を読むために、仕事を減らそう)(2013/12/21)


生活
アマゾンの新兵器 30分で宅配できる無人ヘリ構想
   パキスタン生まれの著名な風刺漫画家Chapatteが今日掲載した1コマ漫画はクリスマスの贈り物にまつわるもの。空を舞うサンタクロースがニコニコしている。下には家があり、子供がサンタを見上げている。荷物を落っことしたサンタが乗っているのはトナカイのそりではなく、インターネット通販のアマゾンが開発中の宅配用無人ヘリ「オクトコプター」だ。(2013/12/21)


コラム
外国の新聞とユーモア 〜ユーモアは必要?〜
   「日本の新聞はユーモアがないから総じてダメだ、それにひきかえ外国の新聞にはユーモアがある。」こんなことを言って日本の新聞を批判する人が時にいる。だが、本当なのか?(村上良太)(2013/12/19)


憲法
NYTが社説で安倍首相の傲慢さを非難 憲法改正案の危険な性質を指摘 世界に向けて警報を鳴らす
  アメリカの代表的新聞の1つ、ニューヨークタイムズが12月16日付の社説で再び特定秘密保護法案の危険性を指摘した。しかも、法案可決前の前回の社説と比べると、今回は非難の度合いが一段とスケールアップしている。(2013/12/16)


コラム
パリのアパートの扉〜一つ間違えると近所迷惑に〜
  パリのアパートで暮らし始めて、次第に分かってきたことは周辺の住民たちは週末になると、夜中に大騒ぎをするということだ。特に深夜に歌を朗々と歌ったりする。しばしばうるさくて睡眠の障害ではあるのだが、人間らしさもあって決して嫌いではなかった。ところが・・・。ある日、大家さんからEメールが届いた。(2013/12/15)


憲法
フランスでも言論の戦いが・・・ Mediapartにサルコジ元大統領の選挙資金疑惑の記事削除を求める判決。 他のメディアや市民団体らが連帯して言論の自由の闘いを継続中
  国民の知る権利が脅かされている。それは日本やロシアだけでなく、フランスでも起きていた。今年7月、フランスの新興インターネット新聞メディアパール(Mediapart)および雑誌ル・ポワン(Le Point)に対し、フランス控訴審で一連の記事の削除を求める判決が下された。その記事とはサルコジ元大統領の選挙資金スキャンダルに関係するもの。富豪リリアン・ベタンクールさんの自宅で行われた会話内容の記録とそれに関連する記事である。(2013/12/15)


人権/反差別/司法
人権国家フランスで警察がフランス国民の通話・通信を令状なしで傍受できる法案を可決 〜米国の盗聴監視への対抗措置か〜
  アメリカの機関NSAの通信傍受に怒りの声をあげたフランスだが、12月10日、テロとの戦いという名目で国民の通話・通信を警察が傍受できる法案(Military Programming Law)が国会で可決された。問題になっているのはその第13条である。第13条によればテロ対策や組織的犯罪を抑止するためには裁判所の捜査令状を取らなくても警察が個人の通話・通信を傍受できる、というものだ。また通信者のリアルタイムの位置情報も請求できる。(2013/12/14)


国際
ワシントンポストの論考 イスラエルとイランの核
  ワシントンポストに'Why is the U.S.OK with Israel having nukes but not Iran?'(なぜホワイトハウスはイスラエルの核兵器を容認し、イランはダメなのか?)と題する論考が掲載された。寄稿したのはMax Fisherという人で、「アトランティック誌」の記者・編集者だった人物だ。現在はワシントンポストの外交分野のブロガーだとされる。(2013/12/13)


人権/反差別/司法
ヒトラーが作った政治犯の強制収容所ダッハウ 〜ナチスの暴力の学校〜 対抗勢力は一網打尽
  1933年3月22日。首相となり権力を掌握し、野党議員を一網打尽に逮捕したヒトラーがさっそく作ったのがこの施設だった。ドイツ南部の都市ミュンヘン郊外にある「ダッハウ強制収容所」(Dachau)である。(2013/12/12)


政治
特定秘密保護法の怖さ 〜ジャパンタイムズが警告〜思想・良心の自由に介入
 日本で発行されている英字新聞ジャパンタイムズは社説で特定秘密保護法案の危険性について報じているが、その中のテロリズムに関するくだりではこう書かれている。(2013/12/12)


米国
デトロイト市の破綻が認められる 公務員の年金支給額は大幅減額の可能性も
  アメリカ自動車産業の本場、デトロイト市破綻のニュースは大きな衝撃を世界に与えた。デトロイト市は米自動車産業ばかりかアメリカ製造業の空洞化を象徴するものとして、とらえられてきた。デトロイトの中心部にはぼろぼろの無人のビルがいくつも並びアメリカ一の凶悪犯罪の発生率でも知られている。市の財政破綻は人口減少により税収が減ったことや、景気の悪化によって支出が増えていることなどが要因となった。(2013/12/11)


米国
米財務省がGM株をすべて売却 政府支援が終了
  リーマンショックの翌年、2009年6月、経営危機に陥った米最大手の自動車会社GMは連邦破産法の適用を申請し、破綻した。GMは同年就任したばかりのオバマ大統領の支援策によって存続が決まったが、この時、GMの株式の60%を米政府が保有する形となった。その後、GMはリストラを行ったほか、経営を改善し、2012年には業績が回復に向かった。そして、今月、米財務省が保有する最後の株式を手放し、4年におよぶ支援策がピリオドを打つことになった。(2013/12/11)


国際
プーチン大統領が国営放送2局を廃止 〜新たな国営国際報道機関‘ロシアの今日’に併合〜
  ロシアのプーチン大統領が国営放送局RIA Novostiとその系列の国際ラジオ放送局を廃止することに決めた。関係者は何も知らされていなかったと驚いているらしい。(2013/12/11)


検証・メディア
特定秘密保護法案とテレビ 民放とNHK
  特定秘密保護法案をマスメディアがどう報じてきたかをめぐってネット上で様々な声が飛び交っていた。初期はマスメディア、とくにテレビは総じてこの法案を無視している、という声が大きかった。しかし、11月の半ばを過ぎてから、あるいは11月の末あたりから、だんだんテレビでも民放がこの問題を熱心に取り上げるようになったらしい。民放の放送人が集まって特定秘密保護法案に対する反対の声明を記者会見をしたあたりだろうか。もちろん、そこには「成立したあとのアリバイ作りに過ぎない」という冷ややかな声もあった。本当に法案成立を阻止する気があったのなら、もっと早くから本腰を入れて取り組むべきだったというのである、メディア自らの運命を変える重大な法案なのだから。(村上良太)(2013/12/11)


欧州
NYTの社説 〜フランスの買春取締法について〜
  ニューヨークタイムズは12月10日付の社説で、フランスの国会下院で可決した買春処罰法について論じた。フランスで議論が起きていることは確かだ。たとえセックスワークは本人の選択だとか、処罰をすることでかえって地下にもぐり、一層売春する者が危険になるなどなど。しかし、ニューヨークタイムズはフランスにおける売春の状況をこう伝えている。(2013/12/10)


コラム
忘れないための闘い 〜石に刻む・金属に刻む〜
  地下鉄のある駅で他人と待ち合わせをしたとき、構内の壁に金属プレートが埋めこまれているのを見た。何かと思って近寄ってみたらこんな文章。(2013/12/10)


コラム
パリの階段 〜カロリーを消費する時〜 
  パリ市内には築100年、築50年という古いアパートがたくさんある。これらの建物には基本的にエレベーターがない。古典のフランスのサスペンス映画などで、粋なエレベーターに乗って殺し屋がやってきたりするシーンがあるが、あのようなものはあまりないのである。だから住民は毎日、階段を上り下りすることになる。エレベーター完備の日本のマンションからすると、信じられないかもしれないが、パリの人々の多くはそのように暮らしているのである。(2013/12/10)


生活
エコロジーを楽しくするパリの雑貨屋 'rose BUNKER' 村上良太
  昔、パリのモンマルトルにアリスティード・ブリュアン(Aristide Bruant)という歌手がいた。ブリュアンはロートレックの版画にも出てくる粋な男だ。そのブリュアンの名前がついたアリスティード・ブリュアン通りに一軒の雑貨屋がある。名前はローズ・バンカー(rose BUNKER).入ってみると、2階建ての店の中に所狭しと様々な商品が並んでいた。(2013/12/09)


政治
2012年の記事から 秘密保全法案と民主党 〜どこから出てきた? 特定秘密保護法案〜
  日刊ベリタに2012年4月に掲載された、池田達夫氏による<牘旋回瓩了代状況を反映 「自民・改憲案」と「秘密保全法案」>という記事がある。ここには民主党の野田政権の時代に、特定秘密保護法案のもとになったと思われる「秘密保全法案」が国会提出されようとしていた経緯が批判的に書かれている。この秋、自民党によって急ごしらえされたものではないらしいのだ。(村上良太)(2013/12/08)


政治
選挙の問題点 〜民意をもっと反映する選挙制度へ〜小選挙区制の見直し、会期末に全法案に対する国民投票(チェック制度)、若者の政治参加
   国民の多くの希望に反して、このように与党が暴走することができた原因はいくつかある。ここで3つ揚げたい。〜挙制度の問題(小選挙区制は民意を正しく表現しているか)∩挙期間の争点と国会でのテーマのずれ若者の政治不参加である(村上良太)(2013/12/07)


欧州
買春の処罰化に向うフランス 下院で可決
  フランスの国会で議論の的になっているのが買春の処罰化だ。ついに国会の下院で多数決を行い、賛成268−反対138で買春の処罰化が決まった。残るはセナの可決を待つのみである。罰金は1500ユーロ、常習者の場合は3750ユーロとなる。(2013/12/06)


核・原子力
秘密期間最長60年 福島の原発事故現場の情報は・・・・
   チェルノブイリ原発事故が起きたのは1986年である。今回の崩落事故が起きたのは事故から、27年後になる。仮に2011年に起きた東日本大震災で同様の想定をすると2038年後になる。その時、新たな崩落事故を報じることはできるのだろうか。(2013/12/06)


コラム
弁護士と特定秘密保護法案
  多くの人が特定秘密保護法案の担当大臣である森雅子参議院議員の答弁のでたらめさに不安と怒りを感じている。担当大臣が法案をあまり理解していないのでは話にならない、という怒りの声がたくさんある。中でも森雅子氏が弁護士であるにも関わらず憲法に反する、そして人権を抑圧するこのような法案をなぜ支持しているのか?と。あるベテランの弁護士に多くの人が抱いている疑問をぶつけてみた。すると、こんな答えが返ってきた。(村上良太)(2013/12/06)


政治
強行採決を許すな! 国民の怒り爆発・怒涛の国会周辺
  12月5日夜。地下鉄・国会議事堂前駅の構内を出て、さっそく国会議事堂に向う。フランスから帰国して、まっさきに見に行ったのがコレである。今日特定秘密保護法案が参院で可決されるかもしれない。地上に出て、声が聞こえてくる方角へ向かった。国会周辺、歩道に少なくとも3つの大きな人の塊ができていて、それぞれ参加者がマイクを手に意見を述べている。(2013/12/05)


憲法
特定秘密保護法案  今日にも参院可決? 〜その条文をもう一度読んでみる〜
  特定秘密保護法案(10月25日の東京新聞発表によるバージョン。審議で多少文言が変わっている可能性あり)をもう一度、読んでみる。(2013/12/05)


社会
官僚の逆襲  〜国民に実態を見せない仕組み〜特定秘密保護法
  昨日、学者の会が特定秘密保護法案に対して反対の意見を表明した。その場で多くの学者が意見を述べたが、中でも東大教授の大沢真理氏による意見表明は特定秘密保護法案可決後の寒い風景を先取りしていた。つまり、税金で活動している官僚たちが国民にそのデータを還元したがらない、という実情である。(2013/12/04)


政治
クーリエ・アンテルナショナル 〜特定秘密保護法案は「検閲」〜 世界も日本の国会を注視
  特定秘密保護法案の危険性は米国だけでなく、フランスや世界でも認識されてきた。特に、放射能汚染の実態に強い関心を示しているフランスでは特定秘密保護法案で実態が覆い隠される可能性が高いとみる人が増えている。ルモンド紙系列の国際誌クーリエ・アンテルナショナルでも特定秘密保護法案の本質は「検閲」(censure)であると伝えた。(村上良太)(2013/12/04)


みる・よむ・きく
山口定著「ファシズム」2 〜全権授与法(全権委任法)と国家総動員法〜
  岩波現代新書から出ている山口定著「ファシズム」ではドイツ、イタリア、日本が第二次大戦において、それぞれどのようにファシズム化していったかが比較分析されている。このところ、日本の特定秘密保護法案に危惧を感じる人々が、現行の憲法を骨抜きにする政権党の手法はナチの「全権授与法」を手本にしたものだと指摘している。それはどういうことなのか?そこで「ファシズム」から、そのくだりを読んでみたい。(2013/12/03)


コラム
パリの物乞い
  パリを歩いていると、あちこちで物乞いに出会うことになる。フランス人の知人に聞くと、最近ぐっと増えたそうだ。物乞いの中には他国から渡ってきたであろう人々もいれば、零落したフランス人と見える人もいる。具体的に話を聞いたわけではないから、出身地とか事情は不明だが、確かなことはたくさんいる、ということだ。(村上良太)(2013/12/03)


みる・よむ・きく
「現代政治学の基礎知識」(有斐閣) 〜政治の再構築に向けて〜
    有斐閣から1975年に出された「現代政治学の基礎知識〜基礎概念・理論の整理と検証〜」という本がある。当時、政治学の教鞭を取っていた53人の教授・准教授が310の問題に対して、それぞれ担当した問いの模範解答を記している。世界政治から国内政治、地方自治まで様々なレベルの事項が問題・解答形式で読める本である。編集代表は内田満、内山秀夫、河中二講、武者小路公秀。この1冊を読むだけでも、政治を考えるためのかなりの基本的な視点が得られるはずである。だが、本書の価値は試験や就職のために限定されない。むしろ、労働者や市民が、この本で政治学の概略図をつかんで、原典に触れるためのものだ。(2013/12/02)


検証・メディア
ツワネ原則   〜国家秘密と国民が知る権利および内部告発者の保護に関する国際原則〜ウィキリークス以後の世界を考える
  国家の秘密と国民の知る権利をどう調整するか、その基本原則を国際的な会議の場で決めたのがツワネ原則(Tshwane Principles)である。様々な団体がこのツワネ原則の原文をウェブサイトで紹介している。ここにリンクを張るのは米国のACLUのウェブサイトである。(村上良太)(2013/12/01)


文化
イラストレーター ソフィア・マルチネック  〜見る人をわくわくさせる天才〜  
  パリはモンマルトルでドイツ文学を専門に扱うBUCHLADEN書店の女主人ギゼラ・カウフマンさんに推薦されたのがソフィア・マルチネック著「HUHNER、PORNO、SCHL’A’GERREI」という潤沢に自作のイラストをつけた本だ。ギゼラさんはパリ在住のドイツ人で、パリに住む多くのドイツ人が本を買いにやって来る著名な書店である。そして、ギゼラさんの本に対する造詣は深い(2013/12/01)


コラム
ある在仏スペイン人の名刺 「私は人間です」
  パリのカフェで本を読んでいたら、買い物帰りと思われる小さめの紙袋を抱えた高齢の男が入ってきて隣に座った。一瞬、その人物は誰かと話をしたがっている、という気がした。だから空いた席がたくさんある中で僕の隣のテーブルに腰をかけたような気がした。その人物はスペイン人だった。(村上良太)(2013/11/29)


文化
ファシズム研究の山口定氏、亡くなる
  今月17日、ファシズム研究に取り組んだ山口定(やすし)大阪市立大学名誉教授・立命館大学名誉教授が亡くなった。東大法学部卒業。79歳だった。山口氏の専門は欧州政治史で、中でもドイツのファシズム研究では第一人者だった。ナチスが政権を奪うまでの過程を分析した著書もあれば、戦後の新たな極右運動を分析紹介した本もある。(2013/11/29)


コラム
「ベニスの商人」 に見る、特定秘密保護法と違憲立法審査
  国民の過半数が反対しているか、もっと長い時間をかけた審議を求めていたあの特定秘密保護法案が衆議院で可決された。残るは参議院の審議のみである。しかし、もし参議院を通過したとしても、憲法に反する法律を審査する権限が裁判所には与えられている。特定秘密保護法は国民の知る権利を侵害する意味で違憲ではないのだろうか。(村上良太)(2013/11/27)


みる・よむ・きく
次の戦争をどこで起こすか〜ボリス・ヴィアン作「将軍たちのおやつ」〜  
  話題は次の戦争をどこで起こすか、だ。なぜ戦争をしなければならないか、といえば、政治家たちが失政を挽回し、国民の関心をそらすためである。さらに軍需産業からの要請でもある。そこで戦争しても必ず勝てる国を将軍たちは探し始める。間違ってもロシアとか、中国とか、アメリカのような核兵器を保有する大国とは戦争することができない。(2013/11/27)


コラム
ロシアから見る特定秘密保護法案  〜日本がソビエト化する日〜
  ロシアを旅した時、日本のある大手メーカーの現地職員を工場に訪ねたことがある。その工場はソ連時代の国営工場だったものを日本企業が買収して、日本人経営者と技術者を送り込んで新たな製造ラインを稼働させていたものだ。その時、日本人のマネージメント担当者はロシア人の労働者についてこんな発言をした。「ロシア人は非常に勤勉ですよ。かつてロシア人は怠け者、というイメージがありましたが、決してそうではありません。ただ・・・」彼はこう続けたのだ。(村上良太)(2013/11/24)


みる・よむ・きく
パスカル・バレジカ著「フランスからの手紙」(No1〜No28) 〜仏語の原文をつけ日仏対訳にしました〜村上良太
  パリの著述家・翻訳家のパスカル・バレジカさんに2010年から2012年にかけて寄稿していただいた「フランスからの手紙」(No1〜No28)に、この度、バレジカさんによるフランス語のオリジナルテキストをつけました。(村上良太)(2013/11/23)


コラム
フランスから見る特定秘密保護法案
   特定秘密保護法案が衆院を通過しようとしている。この法案が通ったら日本の民主主義は終わってしまうと嘆く声が聞こえてくる。アンケート調査などによると、半数以上の日本国民がこの法案に反対か、もっと時間をかけた審議を求めているようだ。異国に滞在中なのでインターネットでかろうじて事の成り行きを推察するだけだが、印象として多くの人が憤っており、ある人は絶望しており、またある人は絶望するのはまだ早い、やれることはある、と激を飛ばしている。(村上良太)(2013/11/23)


憲法
STOP「秘密保護法」11.21大集会に1万人
昨日、STOP「秘密保護法」11.12集会が日比谷野音で開かれました。1万人の人々が会場を埋め尽くしました。(立山勝憲)(2013/11/23)


コラム
ツールの古城 〜ロワール河とフランス・ルネサンス そしてレオナルド・ダ・ヴィンチの晩年〜
  パリから南に列車でおよそ2時間のところにツール(Tours)という町がある。ここは昔から豊かな自然に恵まれ、王族らが狩りをして楽しんだ場所だったそうだ。週末、昼食を食べに来なさい、という目下借りているアパートの大家さんの招きで出かけた。大家さんはこの町に住んでいるのだ。列車はオテルリッツというパリ市内の駅から出ている。(村上良太)(2013/11/20)


市民活動
憲法を考える映画の会 「レーン・宮沢事件 〜もう一つの12月8日〜」(50分)
   第8回「憲法を考える映画の会」。いま、まさに特定秘密法案が衆院を通過されようとしています。法律とも言えないような矛盾に満ちた法案、どのようにも解釈でき、権力が国民の権利、人権を蹂躙するのにきわめて好都合な法案です。なぜこのような法案を無理矢理通そうとするのでしょうか?(2013/11/20)


欧州
11月11日は第一次世界大戦の終戦記念日
   11月11日は第一次世界大戦が終結した日で、欧州では休日になっている。1918年11月11日、休戦条約が結ばれたのだ。在仏日本大使館も休日である。近くの書店でも「1914−1918」と書かれた当時の白黒写真集が平積みで売られていた。(2013/11/10)


コラム
パリのスーパーの米 超簡単<米1・水2・10分間> 炊飯器無用  村上良太
   パリのモンマルトルで暮らしていると、日本のご飯が懐かしい。ご飯と味噌汁がついた、さんま焼き定食のようなものが無性に食べたいのである。当地ではご飯を食べるのはさぞ面倒なのだろうな、と思っていた。ご飯を炊くといっても炊飯器がない。それに米も高いのだろうと思っていた。ある日、試しに近所のモロッコ人家族が営むミニ食品スーパーに入ったら、箱に入った米を売っていた。1キログラム入りで、値札は5ユーロ30である。日本円で700円くらい。試しに買ってみた。(2013/11/10)


欧州
欧州も日本と同じ病に  リーマンショック後、金融が収縮へ  〜スティーブ・ハンケ教授の分析から〜
 日本で1991年にバブル経済が崩壊した後、銀行はバランスシートを健全化するために、融資を縮小し、自己資本比率を向上させることを求められた。そこで起きたのは貸し渋りや貸し剥がしだった。そのため、小さな企業が次々と倒産し、失業者が増え、賃金は下降し、自殺者が3万人を超え続けた。日本経済は10年を越える失われた時代を作ってしまった。米ジョンズ・ホプキンス大学のスティーブ・ハンケ(Steve Hanke)教授の分析を読むと、リーマンショック以後、欧州でも同様の事態が進行している可能性がある。(村上良太)(2013/11/09)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「天に栄える村」 上映情報  原村政樹 
  原発事故の後、福島で米作りに取り組む村を描いたドキュメンタリー映画「天に栄える村」が福島市でのロードショーに続き、11月16日から28日まで、東京・中野区のポレポレ東中野で上映(朝10時20分から)されることになりました。(ドキュメンタリー映画監督 原村政樹)(2013/11/09)


みる・よむ・きく
スリランカ映画『やさしい女』上映会&トークショー  12月16日
映画の上映と併せて活動報告を行うイベント『パルシック シネマカフェ』。開催. 第1回目となる今回は、スリランカ内戦に翻弄されたタミル人とシンハラ人の恋愛を描いた映画『やさしい女』を上映します。(2013/11/08)


アフリカ
フランス人ジャーナリスト2人がマリ北部で殺される〜仏政府はアルカイダ組織(AQMI)の仕業をほのめかす〜
  11月2日、アフリカのマリ北部でフランス人ジャーナリスト2人が射殺された。フランス政府は犯人を特定しなかったが、アルカイダ系グループAQMIの仕業というほのめかしをしたようだ。殺されたのはラジオフランスインターナショナル(RFI)のジャーナリスト、ギスレーヌ・デュポン(Ghislaine Dupont)氏と、放送技術者のクロード・ヴェロン(Claude Verlon)氏。(2013/11/05)


文化
パリの芸術家〜子供と親が遊べる文化の場を作る彫刻家ヴァンサン・ベルゴン〜
  パリで活躍している多彩な彫刻家、ヴァンサン・ベルゴン(Vincent Vergon)氏が今、取り組んでいるのは子供と親がともに遊べる場を作ること。それはアミューズメント産業が多額の投資をして建設するものとは性格を異にしていた。パリの北に位置する郊外のオーベルヴィリエ。アフリカなどから渡ってきた移民が多く暮らす地域だ。また同時に家賃が高くなったパリからやってきた芸術家たちの新たなアトリエの拠点にもなっている。(2013/11/04)


米国
アメリカ書店主協会(ABA)がアマゾンを批判
  今年7月30日、オバマ大統領はアメリカ、テネシー州チャタヌーガで<中流層を育てることが大切だ>という演説を行った。その時、オバマ大統領は<(ネット通販の)アマゾンが雇用を増やして米経済に貢献している>と賛美したらしく、またその演説会場もアマゾンの物流倉庫だった。そのことに対してアメリカで実際に書店を街で経営している書店主の協会、American Booksellers Associationがウェブサイトで批判記事をいくつかUPしている。またアメリカ各地の書店主たちがオバマ大統領に演説会場を考え直して欲しいと手紙を書いたりしたようだ。(2013/11/03)


みる・よむ・きく
レイモン・ドゥパルドン写真集 「PPP」〜世界の政治家42人の素顔を写す〜
  レイモン・ドゥパルドン(Raymond Depardon)。日本でその名前を知っている人はどれくらいいるだろうか。パリのクリシー広場に面した大きな書店の写真集のコーナーに足を運ぶと、文庫版になったレイモン・ドゥパルドンの写真集が10冊くらいずらっと並んでいて他を圧倒しているのだった。(2013/11/02)


反貧困
フェアトレードの最前線から 「Fashion Takes Action」
  以下はフェアトレード(公正な貿易・取引)に取り組んでいるファッションブランド「ピープル・ツリー」のニュースレターから。イギリス・ロンドンの「ピープル・ツリー」は、去る10月29日に、これからのファッション産業のあり方について考えるイベント「Fashion Takes Action」を開催しました。2013年4月にバングラデシュの首都ダッカで起こった「ラナ・プラザ」ビル倒壊事故の悲劇。縫製工場で働く1,133名が命を落とし、2,500名を超える負傷者を出したあの事故から半年がたった今、イギリスでは多くのメディアがファッションの今後に高い関心を示しています。(2013/11/01)


コラム
バンダ・アチェの津波博物館  村上良太
 バンダ・アチェには津波博物館が建てらている。津波博物館にはあの日を再現した模型がいくつか展示されていた。猛烈な高さの津波が海水浴客たちを飲み込もうとする瞬間が再現されている。また、船が陸に打ち上げられていく様子も再現されていた。あるいは地震から何分で津波が来るかをシミュレーションし、逃げている人々との関係を示したものもあった。しかし、そんないくつもの展示よりも、もっとも胸を打ち、忘れられないのは博物館の入口である。(2013/11/01)


コラム
秘密保護法案と日本の核武装
  アメリカにとって、安倍政権の秘密保護法案はどんな意味を持っているのだろうか。以下はまったくの個人的推測に過ぎない。アメリカは日本の核武装を恐れている。(2013/10/31)


憲法
ニューヨーク・タイムズが日本の特定秘密保護法案の危険性を社説で指摘
  ニューヨーク・タイムズ紙が安倍政権が国会で成立させようとしている特定秘密保護法案の危険性について社説で書いている。対象は防衛、外交、諜報、テロ対策分野とされるが、何を秘密にするかについてのガイドラインがないことがまず問題であり、「秘密にされるものが何か定義されていない」という曖昧性によって政府は都合の悪い情報は何でも隠蔽できる、と指摘している。NYTの社説で興味深いのは次の内容だ。(2013/10/30)


米国
<監視される米国民が負担するNSAの経費は高すぎる> スティーブ・ハンケ教授のコラムから
  米ジョンズ・ホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授(経済学)のニュースレターから。ワシントン・ポストの報道によると。目下、批判の嵐にさらされている米政府機関NSAなどの極秘活動予算は52.6ビリオンドル(526億ドル)に上っており、農業省の予算の2倍、NASAの3倍に登っているという。(2013/10/30)


TPP/脱グローバリゼーション
ジョゼ・ボベ欧州議会議員がカナダ産ホルモン肥育牛の欧州への輸入に警告
   フランスの農民運動家で欧州議会議員のジョゼ・ボベ氏がカナダ産のホルモン肥育牛が欧州に入ってくることに警告を発している。パリジャン紙によると、欧州連合とカナダが自由貿易協定を結んだ結果、カナダ産のホルモン肥育牛が大量に欧州に輸入される可能性が高い。(2013/10/30)


みる・よむ・きく
アラン・マバンクゥ著 「黒人のすすり泣き」('Le sanglot de l'homme noir' par Aain Mabanckou )
 フランスで「プレス」と書かれた看板のある店には新聞・雑誌が専門に置かれている。しかし、近くのプレスには小さな文庫本のコーナーがある。50冊もないだろう。その中にアラン・マバンクゥ(Aain Mabanckou)という名の著者の作品が3冊置かれていた。筆者はまったくもって知らない作家だ。しかし、プレスの女主人が「いい作家だ」というので読みやすそうなエッセイ集を試しに一冊買ってみた。(2013/10/29)


欧州
西ヨーロッパは冬時間に切り替え  10月の最終日曜日
 「待ち合わせ時間を15分過ぎたけど、おかしいな・・・・」昨日はフランスやイタリアなどの西ヨーロッパ諸国では夏時間から冬時間に切り替える日。1年に2度、この地域では時計の針を進めたり、送らせたりする。それが10月の最終日曜日と、3月の最終日曜日だ。(2013/10/28)


労働問題
パリでセックスワーカーがデモ行進  「セックスワークも労働だ!」〜客の処罰化に抗議〜
   26日土曜の午後、パリのピガール付近の道路でセックスワーカーたちのデモ行進が行われた。参加者たちは大きな声をあげ、<SEXWORK IS WORK!>(セックスワークは労働だ!)というプラカードを掲げていた。(2013/10/27)


文化
パリの文化の危機  家賃の高騰で書店が閉店  芸術家は郊外へ
   パリでまた一つ書店が閉店することになった。モンマルトルで25年営業してきたブッシュラ−デン(BUCHLADEN)書店だ。この書店はドイツの本を中心に日本文学の翻訳書も含め、外国書の専門店として知られてきた。1年以内に店を閉じることになるという。(2013/10/26)


アフリカ
<カダフィの息子を救ったのはロシアの秘密部隊だった>  新刊のノンフィクション「サルコジ・カダフィ」から
  新刊のノンフィクション「サルコジ・カダフィ」(カトリーヌ・グラシエ著)によると、カダフィの息子(次男)セイフイスラム氏を救ったのはロシアの秘密部隊だった。2011年11月、セイフイスラム氏は護衛とともにトリポリから約180キロ南東にあるBeni Walidという町に潜伏していた。そこはゼンタンから10キロほどの距離にあった。しかし、この潜伏先が爆撃されたため(しっかり標的になっていたようだ)、命からがら逃亡。その時、護衛の一人は片足を失う傷を受けている。11月19日、セイフイスラム氏はついに反政府軍に捕まってしまう。記述によればこの時、殺される寸前だった。その時、間一髪である部隊がセイフイスラム氏を保護したとされる。(2013/10/23)


アフリカ
サヘル地域の不安   イスラム聖戦主義者(ジハーディスト)のマリ反攻に備えるフランス
  サハラ砂漠周辺のサヘル地域のイスラム聖戦主義者(ジハーディスト)たちは沈黙を守りながら、反攻の機会をうかがっていると見られている。フランスの情報機関はオランド大統領に再び、戦闘指揮を取ることになる可能性があると警告したとされる。(2013/10/23)


アジア
中国による drone(無人攻撃機)の輸出計画
   無人攻撃機ドローンと言えばアメリカやイスラエルの独壇場の印象があるが、中国も生産を行っており、海外のクライアントの開拓に積極的であるという。(2013/10/22)


みる・よむ・きく
ルモンド紙が「ビッグブラザー」に宣戦布告 
  近年、フランスのルモンド紙は今ひとつ面白さを感じないフラットな新聞になっていた感があった。ここでは新聞の政治的な位置は度外視して、新聞記事が面白いかどうか、読みたいかどうか、読者としての感覚を書いている。ルモンド紙が成長志向にとりつかれ経営を誤ったとか、腕利きの記者・編集者が去っていったとか、様々な批判に触れることがあった。ルモンド紙ばかりでなく、フランスの新聞の多くが独立した新聞でなく、大企業グループの資本傘下にあって自由ではない、ということも指摘されていた。そのルモンド紙が最近、面白い。その理由かどうかは定かではないが、最近編集長が女性に変わったということが1つある。(2013/10/22)


欧州
ロマの女生徒の強制送還事件  オランド大統領がテレビに出演し、解決の必要性に言及
  19日土曜の昼、フランスのオランド大統領がテレビに出演し、目下、問題になっている15歳のロマ(ジプシー)の女生徒の強制送還事件について話した。(2013/10/21)


みる・よむ・きく
生誕300周年 今も絶大な人気があるドニ・ディドロ 〜啓蒙思想家にして、風刺漫談作家〜
  フランスの啓蒙思想家と言えばルソーやヴォルテールがすぐに浮かんでくる。しかしフランスに来ると、ルソーやヴォルテールと同等か、時にはそれ以上に町の書店で存在感があるのがディドロである。(2013/10/20)


欧州
ロマ(ジプシー)の女生徒の強制送還に仏高校生らが抗議   フランスを揺さぶる争点に
   フランスではサルコジ政権時代から、ロマのキャンプの解体と、出身国への強制送還を継続しており、フランソワ・オランド社会党政権に移行しても、その姿勢はほとんど変わっていない。そんな最中、15歳のロマの女子生徒Leonarda Dibraniさんがスクールバスから警察官によって連行され、家族と共に出身国であるコソボに送還された事件はフランスの若者にショックを与えたようだ。今週木曜日にはパリで学生による抗議デモが起き、新聞等でも大きく報じられている。(2013/10/20)


文化
パリの芸術家  〜ベンジャミン・ハドソン・ディーン〜
  僕がベンジャミン・ハドソン・ディーン(Benjamin Hudson Dean)というフランス人らしくない名前の画家に出会ったのは一枚の絵を前にしている時だった。それはオランウータンの肖像画だった。オランウータンを肖像画にする、という発想に驚いたのと、オランウータンの毛が油絵にしても妙にゴワゴワと厚くなっていて、カンバス自体が起伏に富んでいて不思議な絵だな、と感じたのだった。人を食った印象もある。実はこの毛の素材は実際の樹皮を使っているのだと教えてくれた。「生素材」というコンセプトで芸術活動に取り組んでいる人々がいる。これをTXBRUT(テクスチュア・ブリュット)と呼んでパリで絵の連作を行っているのがベンジャミン・ハドソン・ディーン氏だ。(2013/10/19)


市民活動
第7回「憲法を考える映画の会」  〜ナオミ・クラインのノンフィクションに基づいたドキュメンタリー映画「ショックドクトリン」〜
   権力をもって、国民の大切にしてきたものを奪い取ろうとする横暴な政治が襲いかかっています。「特定秘密保護法」「解釈改憲による集団的自衛権」「TPP」「憲法の改悪」が次々と日本国民に襲いかかっています。そこで「憲法を考える映画の会」の第7回。襲いかかってくるこれらの政治情勢に対して、自分たちは何をなすべきかを考えて、選んだのが今回の作品「ショックドクトリンです。(花崎哲)(2013/10/19)


コラム
「新聞・テレビをやめよう」というつぶやきについて
   ツイッターなどのインターネット空間で<新聞・テレビをやめよう>、という言葉をしばしば目にする。大新聞やテレビは嘘を撒き散らし、産業界よりで、情報統制して国民に嘘をばらまいている、というのがその理由である。確かに、新聞やテレビなどのマスメディアが誤解を招きかねない情報を流したり、真相を隠したりすることはあると思う。政治家におもねることもあるし、スポンサー企業の意向に傾くこともあるかもしれない。だから、<新聞やテレビをやめよう>という訴えは理解できないこともない。しかし、訴えている人々は世の中から実際に、新聞やテレビが消滅した社会の可能性を想像したことがあるのだろうか。(村上良太)(2013/10/18)


米国
オバマ大統領に軍配が上がる  ワシントンDCの政治闘争
   財政破綻に直面し、債務上限を引き上げるかどうかをめぐり、10月の頭からオバマ政権と、議会の多数派を占める共和党議員との間で政治の攻防が繰り広げられてきた。その間、行政府ワシントンDCでは一部の政府機関が閉鎖を余儀なくされ、公務員たちも休業を強いられていた。しかし、およそ2週間後の10月16日、両派が債務上限を上げることで合意に達し、公務員たちも職場に復帰することになった。ルモンド紙など欧州メディアでは今回、議会の共和党勢力に妥協しなかったオバマ大統領に軍配が上がったと評価している。(2013/10/18)


欧州
ロマ(ジプシー)は国に統合可能か?〜フランスで議論白熱〜
  かつてジプシーと呼ばれ、最近ではロマと呼ばれる流浪の民がフランスで議論を呼んでいる。ルモンド紙でも、2ページに渡る大きな特集が組まれた。そのタイトルは'La France face a l'integration des Roms'(ロマの統合に直面するフランス)。(2013/10/18)


文化
フランスの演出家パトリス・シェロー氏の死
  10月7日、フランスの演出家、パトリス・シェロー(Patrice Chereau)氏がガンで亡くなった。68歳だった。舞台の演出家だったほか、映画監督としても「王妃マルゴ」「傷ついた男」「愛する者よ列車に乗れ」などの力作を作っている。ルモンド紙では3ページにわたる大々的な追悼記事を組んでいた。家族はもともと絵を職業としており、母親は服飾のためのデッサンを、父親は画家だった。子供の頃から絵を両親から手ほどきされた経験が、「対象を見つめる」演出家への素養となったのだろうと書かれている。映画監督としても知られる人だが、フランスにおいては舞台演出家としての存在感の方が先行している。(2013/10/16)


アジア
『思い出の将軍』  石垣巳佐夫
   今月4日、ベトナムの将軍、ボ・グエン・ザップ(Vo Nguyen Giap)氏が亡くなった。102歳だった。第一次インドシナ戦争やベトナム戦争を指揮したベトナム人民軍総司令官だった人である。ベトナム戦争中にザップ将軍と会ったカメラマンの石垣巳佐夫氏(日本電波ニュース社 社長)に寄稿していただいた。「来賓席は各国の国家指導者たちにうめられている。カンボジアからシハヌーク国王夫妻、日本からは共産党の野坂参三議長。ソ連からコスイギン、中国から葉剣英、ラオス愛国戦線の解放区からスハヌボン殿下とカイソン書記長、その隣にあのザップ将軍が厳しい顔で立っていた。」(2013/10/15)


文化
パリの芸術家  カンバスは地下鉄の切符の裏
  パリには地下鉄が発達している。様々なラインが網の目のように走っているおかげで、交通に不便はない。地下鉄の乗車賃はどこまで乗っても距離に関せず同額だ。駅の入口で切符を機械に入れてチェックが入ると、あとはどういう経路でもかまわない。出口で切符を機械に入れて回収することはない。扉を押して出るだけだ。合理的といえば合理的だ。そんな地下鉄の切符に絵を描いている画家に出会った。(村上良太)(2013/10/15)


文化
パリの芸術家  写真家ベルナール・ルッソ
  40人が参加したパリの芸術青空市、'Place aux artistes!'。そこには写真家も4〜5人参加していた。その一人、ベルナール・ルッソ(Bernard Russo)氏はアジアや中東など世界各地を旅行して写真を撮影していた。彼のブースに行くと、10数枚の写真が壁に掲げられて販売中だった。中心にアジアの田園や寺院を歩く女性の写真があり、また側面にはイスラム社会の静謐な一コマをとらえた写真が掲げられていた。(村上良太)(2013/10/14)


コラム
安部公房と2チャンネル
  当ウェブサイト編集長のツイッターによると、大企業などが2チャンネルに匿名の書き込みをして若者を煽っていたのではないか、という情報がある。2チャンネルなどインターネット社会の匿名性については、当ウェブサイト「日刊ベリタ」でも<匿名性こそインターネットの新たな解放性である>というような評価をしている論者もいたように思う。こういう社会をいち早く想像していた作家の一人が安部公房だろう。(村上良太)(2013/10/12)


欧州
フランス農民の知られざる悲劇 2日に1人自殺 金融危機が牛の酪農家にしわ寄せ
  ルモンド経済欄によると、フランスの農民の自殺率が全職業の平均値より20%近く上回っているというデータが発表された。フランス国立研究機関InVSが農業組織、MSA(Mutualite social agricol)の協力によってまとめた調査によると、2007年から2009年の間に農業部門で485人が自殺していた。(2013/10/12)


文化
パリの芸術家〜政治と芸術について〜写真家ニコル・ペシュキン 2 〜
  40人の芸術家による青空市「Place aux artisites !」に参加し、「デモ行進する人々」(Gens en marche)というコラージュ作品を展示していたニコル・ペシュキンさんに政治と芸術についてお聞きした。(村上良太)(2013/10/10)


文化
パリの芸術家 〜ラルザックの夏の思い出〜
  パリ5区のモーベール広場で行われた芸術展、「Place aux artistes!」。40人の芸術家が参加したが、中には写真家もいた。僕の目を惹きつけたものに写真のコラージュがあった。それは人々がデモ行進をしている写真の切り張りだった。タイトルは「Gens en marche」(行進する人々)。ウーマンリブもあれば、移民の権利を擁護するデモのコラージュもあった。しかし、中でも目を引いた1枚の大行進には「ラルザック→パリ 710km」という幕が掲げられていた。ラルザックとは何だろう?多くの人々が野原を行進している。何かの抗議運動に違いない。(2013/10/10)


文化
パリの芸術家〜 'place aux artistes !'  パリの空の下で40人展 〜
   ギャラリーに入るのは敷居が高くないか?普通の生活者の目に留まる場所で展示をやろう・・・。そんな考えを抱いたパリのギャラリーが青空の下で展示会を始めた。’Place aux artisites!'( 芸術家に場所を!)という展示会、この秋は10月5日から3日間、パリ5区のモーベール広場で行われた。展示に出品したのは40人の芸術家たち。(村上良太)(2013/10/08)


文化
ベルギーの人形劇団 TOF 〜切れ味が鋭い大人の笑い〜
 前回、フランス東部、シャルルビル=メジエールの国際人形劇フェスティバルについて報告した。その時参加していた個性的な人形劇団の1つを紹介しよう。ベルギーの「TOF」だ。1987年から人形劇を上演している劇団で、海外公演を盛んに行っているが、本国ベルギーでは首都ブリュッセルの国立劇場などで公演している。TOFとはベルギーの言葉で「すごい」とか「偉大な」という意味だそうだ。シャルルビル=メジエールで今年上演して大好評だったのが次の出し物。(村上良太)(2013/10/05)


文化
パリの芸術家   トリスタン・バスティ
  パリ19区にアトリエを構える画家のトリスタン・バスティ(Tristan Bastit)氏を訪ねた。バスティ氏はフランスでは巨匠に入る人だが、若い頃から中央画壇やアカデミズムには背を向け、独自の歩みを続けてきたと聞く。ベルヴィルという地下鉄の駅を出ると、あたりはチャイニーズとベトナム人がたくさんいる街であることに気づく。アトリエは2階。初めて訪ねると、バスティ氏は一人昼食のパスタを食べていたところだった。(村上良太)(2013/10/04)


欧州
ギリシアの極右政党「黄金の夜明け」壊滅の危機 〜国会議員6人逮捕 〜反排外主義のラップミュージシャン暗殺そのほか、女性人身売買などの犯罪容疑
  9月18日未明、反・排外主義のラップミュージシャンが暗殺され、反排外主義のデモで各地が騒然としていたギリシア。その後、大きな政変が起きている。9月28日から29日にかけて、ラップミュージシャンが批判していた極右政党「黄金の夜明け」の党首を含め、国会議員6人と党員13人が逮捕されたのだ。さらに「黄金の夜明け」とつながりがあった警察官8人も同時に逮捕された。(2013/10/04)


文化
パリの芸術家 ジャンヌ・ブシャール   
  同時代を生きるパリの芸術家はどんな人たちなのか。どんな作品を作り、どんな生活をしているのか。それを見たいと思った。今回訪ねた芸術家はジャンヌ・ブシャール(Jeanne Bouchart)さん。彫刻家で、1967年生まれのベテランだ。彼女はスペインやベルギーなど海外でも個展を開き、日本でも何度か展示を行っている。(村上良太)(2013/10/03)


コラム
パリの即席麺       村上良太
  観光ならともかく、滞在するとなると毎日クレープとか、バゲットばかり食べているわけにはいきません。そこで近所のスーパーに行くと、即席麺が積んであるではありませんか。中国製か、台湾製のようです。味もカレー味、鴨肉味、牛肉味、マッシュルーム味など数種類バリエーションがあります。(2013/10/02)


コラム
パリの書店 逆風に立ち向かう「捕まえ手」       村上良太
   僕が滞在しているパリ18区、モンマルトル地区はすぐ裏手にピカソが若い頃暮らしたアトリエ「洗濯船」の跡地や、カフェ「ムーランルージュ」などの跡地が多数残されており、散歩をするとあちこちで各国からの団体旅行客と彼らに説明する案内人の姿を目にする。作家マルセル・エイメの「壁抜け男」にちなんだ半身の銅像が壁からにゅっと出ているのもこのあたり。そこから石段を下ってぶらぶら歩いていると、一件の書店に出会うことになる。L'Attrape-Coeursという名前の書店だ。(2013/09/29)


国際
オバマ大統領とロウハニ師
  ルモンド紙には'Coup de fil historique entre Obama et Rohani' (オバマ大統領とロウハニ師の歴史的電話)というタイトルのほぼ1ページにわたる記事が出た。これは国連総会に出席した後、帰国のため空港に向かうイランのロウハニ大統領とオバマ米大統領が金曜、電話で15分ばかり直接話をしたことを指している。(2013/09/29)


文化
パリの散歩道  シャルルビル=メジエール
  パリから東に240キロ離れた街、シャルルビル=メジエール。日本人にはあまりなじみのない名前かもしれないが、人形劇の国際フェスティバルが2年に一回開かれている。9月20日から29日の10日間の公演期間に世界中から人形劇団が集まってくる。実は世界的に有名な祭典で1961年に始まり、今年で17回目。かつては3年毎だったのが2009年から2年毎になり、フェスティバルの規模も年々発展しているようだ。今回、パリで取材中のアーチストがこのフェスティバルに参加することになり、取材でついていった。(村上良太)(2013/09/29)


コラム
パリの散歩道  満月夜の大宴会      村上良太
   当地では週末になると、あちこちで宴会が始まるようだ。先週も隣に何人か集まって宴会が始まり、歌を歌っていたが、それが終わって階下の部屋に引き上げたのだろう、ブザーを鳴らしまくり、扉をガンガン叩く。その叩き方はまさに暴力的だ。今夜は満月らしい。「らしい」というのは月を見ることが難しいからだ。(2013/09/21)


米国
オバマ外交のピークとなるか?〜国連総会でイラン大統領と会談の可能性〜実現すれば34年ぶりの転換に
  シリア空爆作戦をひとまず鞘に収めたオバマ大統領にイラン大統領のロウハニ師との会談が実現する可能性がささやかれている。実現すればホメイニ革命後に起きたアメリカ大使館員人質事件以来の国交回復のチャンスになる。(村上良太)(2013/09/21)


コラム
パリの散歩道  詩人の生活    村上良太
  パリではどんな詩が今日書かれているのだろう。フランス人の友人から一人の女性詩人を紹介してもらった。名前はカミーユ・ロイビエ(Camille Loivier)。パリ北部のモンマルトルで彼女は暮らしている。住まいはマンションの6階。エレベーターはない。訪ねると、丁度今、新たな詩集を作っているところだという。(2013/09/20)


みる・よむ・きく
カトリーヌ・グラシエ著「サルコジとカダフィ〜機密の裏切りの物語〜」
 今、パリで売り出し中の本が「サルコジとカダフィ」と題する本だ。筆者は未読だが、2007年のフランス大統領選と、2011年のカダフィ殺害が何か関係しているらしい。著者のカトリーヌ・グラシエ氏はジャーナリスト。「モロッコがイスラム原理主義になる日」「略奪者の王」などの著書がある。(2013/09/20)


コラム
化学兵器撤廃条約より、全兵器撤廃条約を
  シリアが化学兵器全廃に向けて動き出すことになった。化学兵器とか、核兵器とか、地雷とか、クラスター爆弾とか、ある種の兵器に限って撤廃したり、拡散を防止したりする条約が結ばれる。カラシニコフ銃などの通常兵器は公認され、こうした兵器は残虐だということで規制される傾向にある。(2013/09/17)


欧州
パリの芸術家   奇妙な装置を作る立体芸術家ゲノレ・アゼルチオップ
  パリのある芸術家のアトリエを訪ねた。パリ市の北東部に位置する10区。地下鉄を出て、サンマルタン運河の脇を通って地図を片手にラファイエット通りを歩いていくと彼のアトリエのある建物が見えてきた。建物の前から電話すると、出てきたのは白髪で、どこかアインシュタインに似た風貌の男だった。「すぐにわかったかね?」(村上良太)(2013/09/16)


みる・よむ・きく
新自由主義科学者の実態を描く、'Merchants of DOUBT'〜市場原理主義の米科学者がエコロジー研究を敵視〜
  筆者が未読の本だが、注目されている本と聞いたのでここで紹介。今日、企業が科学の研究データを金にものを言わせて改変していることがすでに世界で報告されており、科学の最大の問題となっている。「マーチャント・オブ・ダウト」(懐疑論の商人)はアメリカの科学史家、ナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)と、エリック・コンウェイ(Erik Conway)が共同で書き下ろしたもの。(2013/09/16)


中東
NYTより 〜シリアは2014年半ばまでに化学兵器完全廃棄〜ジュネーブで米露交渉妥結
   ジュネーブで行われたシリアに関する米露交渉で、米国のアサド政権懲罰攻撃は一旦回避され、シリアは来年半ばまでに保有する化学兵器を完全に廃棄することになった。ニューヨークタイムズによると、アサド政権は公式声明を出していないが、シリア国営放送が「スタート地点に立った」と肯定するコメントを出したとされる。(2013/09/15)


中東
ロシアの声より〜米露がシリアの化学兵器問題で合意〜空爆中止ただし1週間以内にシリアの化学兵器のデータ公開を〜
  「シリアは1週間以内に化学兵器のデータを公開すること」(’Syria must declare its chemical weapons in a week ’)でロシアと米国が合意した。これはアサド政権空爆に猶予を与えることを意味する。(2013/09/15)


欧州
ロシアの声から 〜極右政党仏FNのマリーヌ・ルペンがオランダの右翼政党に共闘を申し入れ〜 差別的な言動で起訴される可能性も
  欧州を観察している「ロシアの声」はフランスの極右政党FNがオランダの極右政党と来年5月の欧州議員選挙で共闘を申し入れていることを書いている。’Le Pen wants to campaign with Dutch far-right - report ’とする記事である。(2013/09/15)


欧州
2017年の大統領当選を狙う極右政党FN 〜第一歩は地方議会に足場を築く〜
  フランスのフロントナショナル(FN)と言えば移民排斥の極右政党として当地ではかなり警戒されてきた。その象徴は2002年5月の大統領選だった。この時、現職のシラク大統領とFNのジャン=マリー・ル・ペンが最終的に一騎打ちになった。その時、フランス人の大半が極右なんてとんでもない、とシラクに票を投じ、蓋を開けてみるとシラクの圧勝だった。あれから11年が立った。ルモンド紙に2017年の大統領選を狙うル・ペンの娘で現在FN党首、マリーヌ・ル・ペンの姿が大きく掲載されている。(村上良太)(2013/09/14)


核・原子力
汚染水ダダ漏れの福島 〜フランスの新聞から〜
  フランスで週刊新聞として読者数を増やしている稀有な媒体のカナールアンシェネ(Le Canard enchaine)。そこに福島第一原発3基の原子炉の冷却に投じた水が、ポンプで汲めども汲めども漏れていく様子が書かれていた。(2013/09/13)


中南米
9・11から40周年 〜1973年のチリのクーデター〜
  9月11日といえば2001年の同時多発テロの日として世界の人々の記憶に焼きついているだろうが、9・11とはもう一つの現代史の重要な日でもある。それは1973年9月11日、民主的な選挙で選ばれたチリのアジェンデ政権が軍部のクーデターで転覆させられた日だ。その裏には米国の関与があった。今年は丁度40周年にあたる。フランスのTVモンド5(サンク)でも、特集記事を出している。(2013/09/11)


コラム
パリの散歩道  〜モノと人と言葉〜
  パリに来ると、立体芸術に取り組んでいる人が多いのを感じる。鉄のパイプを溶接でつないだり、もっと小さなところでは針金で動物や乗り物などをかたどった土産物を作って売っていたり。平面と違った、こうしたモノとの戯れはときに「無駄な芸術」のように冷ややかに感じられることがあった。そもそも立体芸術は絵画に比べて、場所を取る。日本の家屋では収納スペースも限られているのだ。こうした芸術が毎年作られているとしたら、毎年ある程度は壊されているのだろうか。(村上良太)(2013/09/11)


欧州
ルモンド紙の風刺漫画   「福島を忘れるため」
  フランスの新聞ルモンドには週明け、漫画家プランチュ(PLANTU)のオリンピック開催地に対する風刺漫画が載った。メガネをかけた裸のアジア人が円盤投げのポーズで描かれている。しかし、円盤が原発のマークになっている。(村上良太)(2013/09/10)


みる・よむ・きく
ロジェ・グルニエ著「ユリシーズの涙」
  パリを歩いていると、犬を連れた人々が多いことを感じる。日本でも犬を連れて歩いている人が多いが、パリも多い。野良犬はいない。10年前に比べたら、歩道に落ちている犬の糞もまったく見かけなくなった。犬もさまざま。日本であまりみかけないタイプの色や形の犬も少なくない。(村上良太)(2013/09/10)


コラム
パリの散歩道  モンマルトルの部屋〜バレリーナの部屋だった・・・〜
  今回、僕が滞在しているのはパリ北部のモンマルトルという地域。行政区画としては18区になる。建物のすぐ裏手にピカソが若いころ暮らした「洗濯船」(vateau lavoir)というアトリエの跡がある。まだピカソが貧乏だった頃のいわゆる「青の時代」を生きたところだ。このあたりは坂道が多く、散歩をするには好ましい。住まいの建物は5階建てで、わが部屋は4階になる。(村上良太)(2013/09/09)


コラム
パリの散歩道  シリア騒動2  村上良太
  ルモンドを買って食後にベッドで読み始めたものの、秋の涼しさが疲れに心地よくて眠り込んでしまった。読みかけていたのはシリアへの軍事介入についてフランス人がどう考えているかという世論調査の記事だ。ルモンドが引用しているのはフランスの世論調査会社IFOP(民間のマーケティング会社)のデータ。それによると、目下フランス人の3分の2が介入に反対しており、その割合が8月末に行った調査時よりも上がっている。軍事介入反対の比率がもともと高かったドイツと足並みをそろえる結果となった。(2013/09/08)


コラム
パリの散歩道  〜シリア騒動〜  村上良太
  今、パリに来ています。こちらの新聞・雑誌ではシリア攻撃をめぐる賛否両論の記事がまさに集中豪雨的に出ている感じです。今回、フランスのオランド大統領がオバマ政権に賛同しているところが2003年のイラク戦争と根本的に違っています。「急げ、バラク。おいらは震えてるんだ」(2013/09/07)


文化
「カメラマンとは何か」   〜フィルムからビデオへ〜
カメラマンとは何なのか。愚問かもしれない。だが、テレビの映像はカメラで撮影される。だからカメラマンの技術や感性が問われる。しかし、近年、誰でも手軽に撮影できる民生用のビデオカメラが普及して、カメラマンとは何なのか、その存在が改めて問われているように思う。そのことを考えるために、テレビの始まった当初のフィルム時代の話を往年のカメラマンに聞きに行った。フィルム時代とビデオ時代でカメラマンの仕事も大きく変わったのではないか、と思われたからだ。(村上良太)(2013/09/02)


農と食
守田志郎著「小農はなぜ強いのか」   〜私の原点〜映画監督・原村政樹
故・守田志郎先生の「小農はなぜ強いのか」を30年ぶりに読み返す。改めて感動の渦と開眼。哲学とはこういうことなのだ。(2013/09/01)


アフリカ
モダンノマドの日記  アンドレイ・モロビッチ
  サハラ周辺をさすらうスロベニア人の作家、アンドレイ・モロヴィッチさんから久々にメールが届いた。「今、ブルキナファソにいる。僕らはしばらく、電子機器から遠く離れていた。」(2013/08/31)


米国
追い詰められたオバマ大統領〜NYTの漫画より〜風刺漫画家 Patrick Chappatte
  本紙・風刺漫画家、橋本勝氏によれば日本の新聞政治漫画は長期低落傾向にある。そうだとすれば、その理由は切れ味が弱いことだろう。ではその理由は新聞漫画家の衰退にあるのか、編集側の姿勢にあるのか。アメリカに目を移せば今日も新聞風刺漫画家たちは健筆をふるっている。(2013/08/31)


中東
シリア戦争 「欧米の真の標的はイラン」 英インディペンデント紙のロバート・フィスク記者
  シリアはイランと軍事条約を結んでおり、シリアが攻撃された場合、イランは反撃を行うとしている。英国のインディペンデント紙の中東専門記者、ロバート・フィスク(Robert Fisk)記者は欧米の真の標的はイランだとしている(2013/08/30)


反戦・平和
ロンドンでもシリア戦争への反戦デモ
  昨日、ロンドンでもシリア戦争の開戦に反対する人々がデモを行った。(2013/08/30)


米国
米国の反戦デモ イラク戦争の二の舞はごめんだ!    〜アメリカのウェブサイトから〜戦争の連鎖を止めよ
  ニューヨークのタイムズスクエアで8月29日、シリア戦争に反対する反戦デモが行われた。デモの参加者は化学兵器をシリア政府が使ったかどうか定かではないのはイラク戦争の時の大量破壊兵器のケースと同じだ、とオバマ政府の姿勢を批判しているという。(2013/08/30)


みる・よむ・きく
エラスムス著「平和の訴え」  〜人類は500年間進歩なし〜
   最近、本でこんな一節を読んだ。「遠い昔のことはほとんど思い浮かべられないとしても、なんでしたら、過去12年の間に交わされてきた戦争を、この辺で一度考え直してごらんになったらどうでしょうか。その原因を掘り下げて調べてごらんになったらいかがでしょう。そうすれば、ありとあらゆる戦争が産業界の利益のために企てられ、戦争とは全然何の関係もない民衆の被害の上に遂行されたことがお判りになるでしょう。」この言葉は2001年から次々と戦争に余念がない米国のオバマ大統領に寄せられたもののように思えるが、書かれたのは1517年。(2013/08/29)


中東
米軍艦がシリア沖に  〜ヴォイス・オブ・ロシアより〜シリア戦争は始まるのか?
  シリア戦争に備えるべく、米軍艦のUSS Mahanがシリア沖に接近していることをヴォイス・オブ・ロシアが伝えた。さらにGravely, Barry 、Ramageの3隻も近海でスタンバイしているという。これらはトマホークミサイルを搭載しており、オバマ大統領のゴーサインが出ればただちに発射する。(2013/08/28)


アジア
世界のベタ記事から  中国でも無差別殺人〜チャイニーズドリームの終焉なのか?〜
  昨日、中国の四川省・成都市で無差別殺人事件が起きた。殺人犯は41歳の男性で、日曜夜に乗っていたバスの乗客をナイフで刺し始め、その後バスを下車して今度は歩行者を刺し始めた。男性は駆け付けた警官によって撃たれ逮捕されたという。(2013/08/27)


みる・よむ・きく
モリエール作「守銭奴」  〜現代の英雄〜
  最近若い人がこんなことを話していた。「多国籍企業は税金が高くなるのなら外国に拠点を移すと言って政府を脅していますが、貧乏人ならともかく、巨額の利益を出している企業なのにやっていることが貧乏くさい。いったい、なんでそうなるんでしょうね?」それを聞いて僕はある舞台を思い出した。(2013/08/27)


みる・よむ・きく
ベルクソン著 「時間と自由」  〜人間は自由なのか、決定されているのか?〜ベルクソンの青春の試論
  この夏、フランスの哲学者、アンリ・ベルクソン(Henri Bergson, 1859-1941)の「時間と自由」にトライした。かれこれ20年来、興味を持ちながらもなかなか読めないでいた本だ。興味を持ったのは本書の中に、ミミズのようなうねった線分が挿絵で描かれていたことだ。そしてM,O,X,Yという4つのアルファベットが線の脇に書き込まれている。このミミズのような線とアルファベットの説明図に僕は惹きつけられたのだ。人間は自由なのか、自由でないのか、それを論じている箇所である。(村上良太)(2013/08/24)


アジア
世界のベタ記事から  尖閣諸島周辺
   8月18日日曜早朝、日本のナショナリストの活動家と漁業者合わせておよそ20人が5隻の小船に乗り込んで中国と領土問題になっている小さな島々(尖閣諸島)に向かった。彼らの行動は日本の海上保安庁によって厳しく監視された。この日、中国側のパトロールがなく、トラブルは起こらなかった。(2013/08/22)


アジア
世界のベタ記事から  〜韓米軍事演習始まる しかし北朝鮮のマイルドな報道姿勢〜
  今週月曜から韓国軍と米軍の共同軍事演習が始まった。演習には韓国軍5万人、米軍3万人が参加するとされ、12日間続けられる。通常、韓米軍事演習が始まると、北朝鮮メディアは北朝鮮への侵略準備の開始だとして強く非難している。ところが、今回は非難こそしていても口調が和らかだ、とニューヨークタイムズは見出しを含めて13行のベタ記事で報じた。(2013/08/21)


ITフロント
新手のフィッシング詐欺 2 〜三井住友、三菱東京UFJも警告〜
  8月16日、三井住友銀行もウェブサイト上でユーザーに警告を出した。インターネットバンキング(SMBCダイレクト)のユーザー向けだ。「SMBCダイレクトにログインした直後等に、当行の画面を模倣した不正な画面を表示し、暗証番号等お客さまの情報を入力させようとするコンピュータウィルスの発生が確認されました。」(2013/08/21)


欧州
スペインの漫画から  裸の天国
スペインのエル・パイス紙の常連漫画家、Erlichの新作。 天国の男女が二組、左右に並んでいる。(2013/08/21)


コラム
民主主義とテレビ         村上良太
   イスラム世界を揺さぶった「アラブの春」の仕掛けの1つにデジタルビデオカメラを使った映像がある。先日、朝日新聞でアルジャジーラテレビの元編集長ワダ・カンファル(Wadah Khanfar)氏が「アラブの春」の報道について語っていた。アルジャジーラはビデオカメラを市民に配布してトレーニングし、市民が撮影した映像をニュース番組に盛り込んでいたという。そのための準備は数年前から行われてきた。カタールの放送局、アルジャジーラテレビは最も初期から「アラブの春」を報じ、ある意味煽ってきたメディアでもある。同じことはミャンマーの場合にもあてはまる。(2013/08/20)


中東
シリアの化学兵器 〜政府・反政府双方が相手を非難〜国連チームがダマスカス入り 検証が始まる
 シリアでは反政府側、政府側(およびロシア)の双方が相手が化学兵器を使用したと提訴している。そんな中、国連のチームが日曜にダマスカス入りした。これから検証が始まる予定だ。(2013/08/20)


ITフロント
新手のフィッシング詐欺日本上陸 MITB(マン・イン・ザ・ブラウザ)型への対策 欧米では被害多発
   銀行と信じて暗証番号や口座番号を空欄に入力したら、犯罪者による偽画面だった!こんな手口でインターネットを使ってユーザーを騙す手口をフィッシングと呼ぶ。従来型の手口はユーザーのもとに企業を騙ったメールを送り、リンクにクリックさせて偽サイトに誘導するタイプが多かった。ところが近年欧米で流行しているのは最初は本物の銀行のウェブサイトにアクセスしながら、その時、偽画面が出てくる(ポップアップする)手口だ。この新手のフィッシングはMITB型と呼ばれている。そしてこのMITB型が昨年ついに日本に上陸、昨年暮れには金融機関8社の顧客らが狙われ、総額数百万円が奪われたという。(2013/08/20)


みる・よむ・きく
クロエ作 「ジャンヌの季節」〜現代フランス女性のトホホな独白録〜
   フランスの漫画屋で「ジャンヌの季節」(Les saisons de Jeanne)という風変わりな作品に出会った。漫画では鳥のような顔の若い娘、ジャンヌの見た世界、感じた世界が描かれていく。絵は極めてシンプルで学生時代にノートに描きつけたいたづら描きのようだ。登場人物はみな同じような鳥顔である。けれども、眼差しが微妙に変わるので、気持ちは細やかに表現されている。著者はクロエ(Chloe)という名前の女性である。(村上良太)(2013/08/18)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「天に栄える村」(1時間46分)の上映会
  福島県で原発事故に立ち向かう天栄村の農家の人達を原発事故の2年前から4年間撮影をして今年2月に完成したドキュメンタリー映画「天に栄える村」(1時間46分)の上映会のお知らせです。日時:8月24日(土)上映14時から(会場:13時半)場所:東京ウィメンズプラザホール  (原村政樹)(2013/08/17)


反戦・平和
8月15日の米紙のオピニオン頁
  昨日の8月15日は日本国民にとって8月6日および8月9日とともに重い一日である。米紙ニューヨークタイムズの論説オピニオンのページには米ロ関係の悪化(とうかロシアのプーチン政権に対する巻き返し策)とともに、'The trauma of colonialism'(植民地主義のトラウマ)と題された寄稿が掲載された。(2013/08/16)


米国
オバマ大統領の第二戦線 米国民の内なる敵“肥満” ベルトは締まったか 子供はどうだ?
  オバマ大統領にとって、アルカイダ掃討作戦もさることながら、肥満との戦いも冗談抜きで真剣な戦いである。というのは肥満が原因で起こる心臓病や成人病などにより、国民の医療費が底をつきかけないからだ。そんな中、8月8日付のニューヨークタイムズ国際版に「貧困家庭の子供の肥満率が減少」という朗報が踊った。(2013/08/13)


みる・よむ・きく
「赤ずきん」
 「赤ずきん」と言えばシャルル・ペローのコント集や、グリム童話でおなじみの童話の定番だ。狼が森で出会った赤い被り物をした少女に<食欲>を感じ、少女が訪ねる病気のおばぁさんの家を先回りする。まずベッドのおばぁさんを食べ、そのおばぁさんに化けて、赤ずきんを待ち伏せして、だまして食べてしまう。この話には別バージョンもある。(2013/08/11)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「呉さんの包丁〜戦場からの贈り物〜」(監督:林雅行)
  民間の空襲被災者の人生や、日本の植民地だった台湾の人々の人生を濃密に描いてきた林雅行監督の最新作「呉さんの包丁〜戦場からの贈り物〜」が今月から、渋谷のユーロスペースを始め全国各地で上映される予定だ。ドキュメンタリー映画「呉さんの包丁」の舞台は金門島。だが、そう言われて金門島がどこにあるか正確な位置を示せる人は果たして何%いるだろうか。(2013/08/10)


コラム
北欧の玩具 2  「自然の猿真似ではいけない」
  デンマークの首都コペンハーゲンから北に海岸沿いをドライブしていくと、美しい海岸線の先でモダンな集合住宅に出会うことになる。デンマークが誇る著名な建築家、アルネ・ヤコブセンが海岸のリゾート地に建てたベラヴィスタ集合住宅である。住宅は白く、建築から70年を経ても、遜色のない美しさだ。(村上良太)(2013/08/10)


コラム
北欧の玩具   村上良太
   北欧に行くとシンプルで素敵なデザインの家具に出会うことができる。しかし、家具は基本的に持ち帰りが難しい。だが、そんな大きなものでなくても、北欧のデザインを満喫できるものがある。木製の玩具だ。猿や河馬など様々な動物のデザインがある。筆者が土産に買ってきたのは8センチくらいの小さな鳥の玩具だ。(村上良太)(2013/08/09)


みる・よむ・きく
再放送「ETV特集 焼け跡から生まれた憲法草案」
 参議院議員選挙を終えて、なお熱い夏ですね。第4回「憲法を考える映画の会」で見た『日本国憲法誕生』を作られたプロデューサーの方から下記の様な案内をいただきました。NHK・ETVセレクション 8月11日(日)00時00分〜(10日土曜日の深夜)「ETV特集 焼け跡から生まれた憲法草案」(戦争を考える映画の会 花崎哲)(2013/08/09)


アフリカ
ジンバブエ ムガベ大統領圧勝の理由とは? オックスフォード大学のジンバブエ人政治学者の視点
 7月31日に行われたジンバブエの大統領選挙で現職のムガベ大統領(89)が対抗馬のモーガン・チャンギライ首相(61)を破り、再選を果たした。これでムガベ氏は1980年の英国からの独立以来、一貫してジンバブエの政治リーダーであり続けている。前回の2008年の大統領選ではムガベ大統領陣営の選挙の不正が訴えられた。また、旧宗主国の英国を始めとした西欧メディアから、ムガベ大統領の独裁者ぶりがことあるごとに書き立てられてきた。しかし、今回の選挙はチャンギライ陣営が訴えているような不正選挙の結果だったのか?そのことに関して、英国のガーディアン紙上にジンバブエ人の政治学者が興味深い分析を寄稿している。(2013/08/07)


コラム
コンテンツを「単発で見せてくれ」〜放送局・映画館以外の第三の道は可能か〜
   日刊ベリタはかつて月間1050円の講読料だったのを今年から月400円に大幅値下げした。従来から、もっと下げた方がいいという声を外部の人から聞いていた。中には年間3000円が限度かな、という声も複数耳にした。しかし、何事も試行錯誤のインターネット媒体にとって大きな賭けなので実現に時間がかかった。それでも私の知る放送業界人からはこんな声も聞いた。(村上良太)(2013/08/06)


コラム
管理が強まる大学 〜政治と学問〜
  京都大学名誉教授の中山研一氏(刑法学者)が亡くなる前に執筆して公開していた「中山研一の刑法学ブログ」の中に、山形大学学長選をめぐる話がある。中山教授は学長選で選ばれた人物が文部科学省の官僚であり、つまり天下りであったことに憂慮しているのだ。かつて学長は学内選挙で選ばれた人物に決まっていたのに対し、昨今は学外者が多数入った学長選考会議で決定されているとして中山教授は危機感を抱いていた。(村上良太)(2013/08/05)


米国
ウィキリークス漏洩事件の軍事裁判   
  米国の機密文書を内部告発サイト「ウィキリークス」に漏洩した罪で軍事法廷で裁判が行われているブラッドリー・マニング上等兵について、一番重い「利敵行為」という罪状では無罪が言い渡された。しかし、その他のおよそ20の罪状については有罪判決が下された。(2013/08/04)


アフリカ
ジンバブエのコカコーラ     
  「コカコーラはMDC(チャンギライ候補が属する政党)を支援したわけではない」(ニュー・ジンバブエ紙)今年の選挙キャンペーンの過程でジンバブエ政府の広報紙とも言われている国営ヘラルド紙が「コカコーラはMDCを支援している」と噛みついたようだ。(村上良太)(2013/08/03)


コラム
エイミー・ジョー・ジョンソンの映画作り    村上良太
   20年来の東京在住者でラジオの国際ニュースキャスターをしているフランス人の友人、フィリップ・ヴァルドア(Philippe Valdois)はデジタルメディアに詳しい。先日、「これを見てくれ」、とアイパッドを開いた。クリックするとそこに流れた映像は歌だった。(2013/08/01)


みる・よむ・きく
難民がやって来た。受け入れか、排除か?シリア難民でエーゲ海の島が揺れた!「難民に揺れる島 ギリシャ・レスボス」(NHK/BS1)
  オリーブ畑が広がるエーゲ海の風光明媚なレスボス島。この島に最近、異変が。浜辺に打ち上げられる何体もの遺体。巡回パトロールの警備隊が発見した密入国のボート。そこには見馴れない風貌の人々がいた。シリアの難民だ。彼らはトルコ沿岸から小さなゴムボートに乗ってギリシャ領になっているエーゲ海の島々を目指す。最短距離のところでおよそ10キロ。(村上良太)(2013/07/31)


政治
山口定著「ファシズム」(岩波書店)
  ファシズムとは何か?政治体制だが、ファシズムと一言で言っても、さまざまな体制がある。ヒトラーのナチス、戦前・戦時中の日本、ムッソリーニのイタリア、スターリンのソ連(この場合はむしろ全体主義と呼ばれている)など、左派政権もあれば右派政権もある。ナチスドイツは国家社会主義ドイツ労働者党と称していた。山口定著「ファシズム」はファシズム研究の第一人者がこの問題に取り込んだ意欲的な書である。(村上良太)(2013/07/30)


安倍政権を検証する
スノーデン氏の帰国をうながす米司法省 〜死刑にはならないだろう〜内部告発・情報漏洩と処罰そして「秘密保全法案」〜
   米国家機密の漏洩で米国からパスポートを無効にされたまま、モスクワ空港に足止めを受けている元NSA職員のスノーデン氏のその後の状況が報じられている。今もスノーデン氏はモスクワに留まり、亡命先を探しているようだ。この状況に対し、米司法省は死刑になることはないだろう、と帰国を促している。(2013/07/28)


安倍政権を検証する
安倍政権が提出する「秘密保全法案」(仮名) 〜処罰は公務員だけではない〜国民が知るべき情報は国が決める
  日本弁護士連合会が安倍政権が国会に提出して通そうとしている「秘密保全法案」への危惧を訴えている。日弁連のパンフレットによれば法案の内容として、「国の存立にとって重要な情報」を新たに「特別秘密」に指定し、秘密を扱う人の「適正評価制度」を導入し、「特別秘密」を洩らした人は厳しく処分することなどがあげられる。(2013/07/27)


みる・よむ・きく
「ザ・ノンフィクション」<おじいちゃんの遺言〜あんたとボクの人生最後の3ヶ月〜> 井上秀明(映像編集)
28日(日)午後2時00分よりフジテレビ「ザ・ノンフィクション」 (2013/07/27)


みる・よむ・きく
山田文比古著「フランスの外交力〜自主独立の伝統と戦略〜」(集英社新書)
  山田文比古著「フランスの外交力〜自主独立の伝統と戦略〜」は冒頭にずばんとテーマを1行で語っている。「なぜ、フランスは米国に「ノン」と言えるのか。これが本書のモチーフである」(2013/07/27)


みる・よむ・きく
横塚眞己人著「ゾウの森とポテトチップス」(そうえん社)
  子供たちの夏休みも本番を迎えている。そんな今、町の書店で面白い本に出会った。そうえん社の「ゾウの森とポテトチップス」という本だ。これは課題図書にも指定されており、夏の読書にお薦めということにもなっている。この本の特徴はいくつかある。まずボルネオ島に生息するゾウの生態がよくカメラで撮影されていることだ。(2013/07/26)


市民活動
第5回「憲法を考える映画の会」〜GHQ草案の手本を書いた学者を描く劇映画『日本の青空』〜
暑い夏、お元気でお過ごしでしょうか?私たちは「夏の参議院選挙までに少しでも多くの人が憲法について考える機会を」とめざしてきましたが、その結果は予想通り残念なものでした。でも負けてはいられません。これからが本番です。第5回「憲法を考える映画の会」は、GHQ草案のお手本となった憲法研究会の鈴木安蔵を中心に、その過程を描いた劇映画『日本の青空』を見て、日本国憲法の原点を考え今の問題を話します。(2013/07/25)


米国
デトロイト市破綻の記事に寄せて 2  村上良太
  前回、朝日新聞が書いたデトロイト市の財政破綻に関する記事を読んで自分が去年取材した印象と違っていることを述べた。その記事は多くの方に読んでいただいたようだが、1つだけ今更ながらだが補っておく情報があったのでここに記したい。(2013/07/24)


文化
フランスの俳優〜フランソワ・パティシエ 喜劇に魅かれて〜
  フランス人の中には日本文化に関心を持つ人が少なくない。俳優のフランソワ・パティシエ氏もその一人。日本を訪れたことがあり、東日本大震災の時には励ましの言葉を送ってくれた。彼は舞台に立つことが多いが、映画にも出演する。最近だと、フランスの名匠、アニエス・ジャウイ監督の最新作「Au bout du conte 」。ジャウイ監督はパートナーのジャン=ピエール・バクリ(俳優)と喜劇の脚本を多数共同執筆しており、社会性のあるコメディを作ってきた。この映画に出演しているパティシエ氏も3年前に「何か自分たちでも面白いことをやろう」と俳優仲間と脚本を書き、後に30分の短編映画「不測の事態」(Contretemps)を自主製作した。これはやることなすことすべて裏目に出てしまう不器用な男の喜劇で、自ら主演している。手に触れるものすべてが壊れたり、事故ったりする。そして出会った女も男の不幸に飲み込まれていく。この短編映画は今春、カンヌ映画祭にも出品されたばかりだ。(以下はインタビュー)(2013/07/23)


コラム
デトロイト市破産の新聞報道を見て   村上良太
  昨日7月20日(土)の新聞でアメリカ・ミシガン州デトロイト市の破産が報じられた。負債総額は180ドル(約1兆8千億ドル)を超えるとされ、アメリカの地方自治体の破産としては過去最大のケースだと朝日新聞で報じられた。朝日新聞の見出しを見ると「自動車の街 無一文」「みんな出て行った」「工場は移転」「殺人年400件」「荒廃」とこれでもか、と言わんばかりである。確かに、デトロイトの経済は苦しい。しかし、昨年デトロイトに2回取材に行って僕が現地で見て、感じたことと何かずれている。(2013/07/21)


文化
パリの散歩道  ショーウィンドウのビザールな置物
  パリのショーウィンドウの写真が送られて来た。台の上に置かれているのは動物の置物のようだ。しかし、どこか風変わりな風貌である。(村上良太)(2013/07/21)


文化
南青山の前衛美術の現場  VOID+  
 地下鉄「表参道」駅から徒歩3分の東京・南青山に美術の展示場VOID+(ヴォイドプラス)がある。建物は瀟洒な住宅のようだが、テナントのデザイン会社が建物内部のわずか7平米の茶室のような空間を使って前衛美術の展示を行っている。実際、訪ねてみると「うわぁー、なんて狭いんだ!」とまず思うだろう。しかし、その限られた空間ならではの面白味がある。展示は年間4〜5回ほど。次回の展示は10月から2か月間催される3人の女性アートストによる連続展だという。(村上良太)(2013/07/19)


文化
焚書の光景  
 「対談 知識人たちの阿片」や「回想録」などの著書のあるフランスの社会学者・哲学者のレイモン・アロンはその日〜1933年5月10日〜、ベルリンで焚書を間近に見ることになった。(村上良太)(2013/07/19)


文化
パリの散歩道   夏の飲み物
   パリにも夏がやってきた。ここはセーヌ河の右岸に位置する4区のリボリ通り。後にそびえるのは「サンジャックの塔」。この塔はスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅の起点となっている。(村上良太)(2013/07/18)


アジア
世界のベタ記事から <東南アジアで近年最大の森林火災による煙害>〜インドネシア司法当局がマレーシアのアブラヤシ植林会社を告訴する方針〜
 インドネシアの警察当局は過去16年間で最大の森林火災による公害(大気汚染)をひきおこしたとしてマレーシアのプランテーション会社クアラルンプール・ケポン(Kuala Lumpur Kepong)の現地法人を告訴する方針を決めたと新聞発表された。(2013/07/18)


欧州
14Juillet 〜パリ祭の日に大統領から悲しい知らせ〜  
  昨日7月14日は「カトルズ・ジュイエ」=フランス革命の記念日で、恒例のパリ祭だった。しかし、フランソワ・オランド大統領はアキム(アフリカ北部マグレブ地方のアルカイダ組織)に人質に取られていたフィリップ・ベルドン(Philippe Verdon)氏が死亡した可能性があることを告げた。(2013/07/15)


文化
パリの散歩道  アパートの取り壊し
  これはパリの古いアパートの取り壊し風景。場所はパリ市内北部の18区。モンマルトルの周辺にマルティール通りという名の通りがある。3世紀にローマ皇帝の異教迫害命令によって斬首されたキリスト教徒の坊さんが自分の首を持って布教しながらこの通りを歩いたという言い伝えがあり、マルティール(Martyrs=殉教者)の名前はそこから来ている。これはその通りで撮影されたもの。1つの建物が解体されると、隣に残る古い建物の煉瓦の断面が露わになる。いつごろ建てられたものだろう。後に見える新しいアパートと対照的だ。ミヒャエル・ハネケ監督の映画「アムール」(Amour)で痴呆症の進む老妻を看る老夫(ジャン=ルイ・トランティニャン)が暮らしていたのもこんな古いパリのアパートの上の階だった。(村上良太)(2013/07/13)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「天に栄える村」(監督:原村政樹)
  原村政樹氏によるドキュメンタリー映画「天に栄える村」が完成し、上映が始まった。映画の舞台は全国的に知られるうまい米の産地・福島県「天栄村」。映画は天栄村の水田が福島第一原発事故による放射性物資で汚染されてから、農民たちがどのような運命をたどったかを地に這うような地道な取材で活写している。放射能はどうすれば減らせるのか、どうすればゼロにできるのか。村をあげた全身全霊の戦いが始まる。この映画を見た福島県在住の作家・住職の玄侑宗久氏がこんな一文を寄せた。(2013/07/13)


みる・よむ・きく
柳澤恭雄著「戦後放送私見〜ポツダム宣言・放送スト・ベトナム戦争報道〜」   
  けやき出版から出ている柳澤恭雄著「戦後放送私見」は独自の道を歩んだテレビマンが書き下ろした個性的なテレビ史の証言記録である。柳澤氏は「日本のいちばん長い日」でもそのエピソードが描かれているのだが、天皇の玉音放送を守ったNHKの幹部だった。戦時中、NHKが戦争協力をしてきた歴史を反省し、戦後は左翼的立場からジャーナリズムを始めようとしたがレッドパージで追放されてしまう。そこで自ら起こしたニュース映像の配信会社が日本電波ニュース社である。それは安保闘争たけなわの1960年のことだった。(2013/07/12)


コラム
日本人のハートに火をつける安倍首相      村上良太
  安倍首相の人気は高い。参院選も自民党が圧勝する可能性が高いと新聞は報じている。安倍首相の願いは「戦後レジーム」からの脱却だとされる。それは論理的には戦前・戦中への回帰である。安倍首相は日本人の心に火をつけるかもしれない。それも今みたいなものではなくて、本当にハートに火をつけるかもしれない。(2013/07/12)


中東
ロシア外相「サリン兵器を使用したのは反政府勢力」
  ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はサリンを使った化学兵器を使用したのは反政府勢力だと声明を出した。3月19日にアレッポ付近で使用されたものだとして、調査結果を国連安保理に提出したとされる。この声明はロシアの国営放送局ヴォイス・オブ・ロシアのウェブサイトに掲載された。これはシリア政府が化学兵器を使用したとしてフランス外務省が声明を出した時の化学兵器とは違うケースである。(2013/07/11)


文化
パリの散歩道 〜詩の市場〜
  6月、パリのほぼ中心に位置する第六区のサン・シュルピス広場(Place Saint Sulpice )で「詩の市場」が開催された。会場には特設ブースが設置され、出版社・書店が集まってきて詩集を並べた。(村上良太)(2013/07/11)


中東
ハンケ教授「シリアはハイパーインフレに突入した可能性あり」
  シリアはハイパーインフレに突入した可能性がある・・・インフレを専門的に研究してきた米ジョンズホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授が発表した。(2013/07/11)


アフリカ
エジプトの政変をひきおこした経済事情〜米経済学者の分析では〜エジプト・ポンドの下落
 エジプトのムルシ大統領が軍から力づくで解任された件で現在もエジプトではムルシ派の市民がデモを行い軍と衝突、死傷者が続出する状況となっている。米ジョンズホプキンス大学の経済学者スティーブ・ハンケ教授はエジプト経済の近況をデータにして発表した。そのデータを見ればエジプトの政変の裏に、深刻な物価高が進行していたことが想像される。(2013/07/09)


みる・よむ・きく
門天ことばの交差点プロジェクト〜(第一回)講談の悟道軒圓玉師〜
皆様へ 新装開店《両国門天ホール》のシリーズ企画「ことばの交差点」のご案内です。このシリーズは芸のことば、音楽のことば、身体のことば・・・さまざまの分野で《いま光る言葉》を探って行こうというプロジェクトです。その第一回にご登場頂くのは講談の悟道軒圓玉(ごどうけん えんぎょく) 師。 昭和40年代、当時は火の消えたようと言われた講談界に彗星のように現れ二つ目時代に谷崎潤一郎の『刺青』などを講談化し、二度の芸術祭賞を得るなど注目されたが平成元年、脂の乗り切った47歳の時交通事故に遭遇。自転車ごと跳ね飛ばされ全ての記憶、言葉を失った。(伊東喜雄)(2013/07/08)


みる・よむ・きく
クロード・レヴィ=ストロース著  「野生の思考」
   経済的に豊かになること、効率化すること、進歩することに人類は弱い。それは経済成長の思想でもある。今、「民主化」と「市場主義」が手を携えて世界を席巻しつつある。これに対して人類は抵抗しがたい。これに抵抗しているか、あるいは条件をつけて全面受け入れを渋っているイスラム世界を西欧は遅れた社会と見なし、改革すべきだと考えている。デジタル機器が、そして銃が送り込まれている。我が国もそうした西欧の価値観に漬かっている。アフリカや中東の国々の人々を無条件に「遅れた人びと」と見る目線を持っているし、その自分の眼差しを当たり前のこととして疑うことがなくなってしまっている。そんな今、フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが書いた「野生の思考」を読んでみた。(村上良太)(2013/07/07)


みる・よむ・きく
「かえる物語〜帰村宣言騒動記〜」 井上秀明(映像編集)
7月7日 七夕の日曜日.午後2時00分より、フジテレビ「ザ・ノンフィクション」にて「かえる物語〜帰村宣言騒動記〜」を放送致します。(井上秀明)(2013/07/05)


米国
エジプトの政変〜オバマ大統領は「クーデター」と呼ばず〜アメリカ第二の軍事費支援国エジプト
  エジプトのムルシ大統領がエジプト軍によって解任された政変は、日本のメディアでは「クーデター」と表現されているが、アメリカのオバマ大統領は懸念を示しながらもクーデターという言葉を避けたと報じられている。(2013/07/05)


みる・よむ・きく
「日本国憲法誕生」(NHKスペシャルをDVD化)
  「夏の参議院選挙までに」を合い言葉にして来ましたが、その参議院選挙も目前に迫っています。第4回「憲法を考える映画の会」■7月6日(土)14時〜17時■婦選会館1階多目的ホール(渋谷区代々木2-21-11) TEL 03-3370-0239 プログラム 1、「日本国憲法誕生」(74分) 2、「STOP戦争への道」(30分)(2013/07/03)


検証・メディア
ジャーナリストか、活動家か。
  今回、スノーデン氏がNSA(米国家安全保障局)の極秘データを託したジャーナリストの1人がガーディアン紙の米担当記者、グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏だった。グリーンウォルド氏は弁護士でもあり、個人のプライバシーを護る<活動家>でもあった。だからこそ、スノーデン氏は彼に情報を託したのだった。米当局はエドワード・スノーデン氏に今後刑事訴追をかける可能性があるが、同様に<活動家>グリーンウォルド氏に対しても国の秘密を公開したことを手助けした罪が課せられる可能性もささやかれているようだ。果たして、彼はジャーナリストなのか、活動家なのか。(2013/07/03)


中東
シリアの通貨戦争 〜年間インフレ率200%に=1年で物価が3倍に〜シリア・ポンドを支えるイラン
  シリアの内戦の裏で、シリア通貨であるシリアポンド(リラ)の価値が下落し続けている。ついに年間インフレ率が200%になったと、インフレに詳しい米ジョンズホプキンス大のスティーブ・ハンケ(Steve H. Hanke)教授が発表した。これが本当であればシリアの物価は1年で3倍になることになる。(2013/07/03)


経済
スティグリッツ著「世界の99%を貧困にする経済」〜その2 インフレと失業率〜フィリップス曲線
  コロンビア大学の経済学者ジョセフ・E・スティグリッツ教授はアベノミクスを支持していることで最近、日本のメディアで取り上げられた。金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を評価しているのだ。(そして金融財政政策を評価しながらも成長戦略については注文をつけている。)なぜアベノミクス支持なのか。(2013/07/02)


中南米
エクアドル外相とジュリアン・アサンジ氏の通信がハッキングされる
 ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏と現在、彼が亡命中のエクアドルの外相リカルド・パチノ(Ricardo Patino)氏のインターネット通信が何者かにハッキングされていた。パチノ外相が現地時間で日曜、ツイッターで表明した。(2013/07/01)


国際
「NSA(米国家安全保障局)のPRISMは欧州連合を標的にしていた可能性あり」〜ドイツ誌が暴露〜
  あるフランスの週刊誌は「NSA(米国家安全保障局)による極秘プロジェクト’PRISM’は欧州連合を標的にしていた可能性あり」との見出しを掲げている。(2013/06/30)


中東
キッシンジャー元米国務長官「シリアは分割されるべきだ」〜ヴォイス・オブ・ロシアより〜
  ロシア国営放送から中東のシリアを見ると、こんな記事が紹介されていた。アメリカのキッシンジャー元国務長官が「シリアを分割せよ」と主張しているというのだ。(2013/06/29)


米国
NSAのPRISMの背景にある米国愛国者法・対外情報監視法とその乱用〜米市民団体が抗議〜
  アメリカのNSA(米国家安全保障局)とその関連機関が極秘に大量の市民のEメールや電話記録を収集していた件につき、米市民団体American Civil Liberties Union (ACLU)が抗議を行っている。ニューヨークタイムズ紙もその合法性に疑問を提出する寄稿を掲載した。(2013/06/28)


経済
スティグリッツ教授(経済学)とグローバリズム 
  アメリカの経済学者のジョセフ・E・スティグリッツ教授と言えば「情報の非対称性」理論でノーベル賞を受賞したブリリアントな学者というだけでなく、格差問題やグローバリズムの弊害に良心的に取り組んでいるというイメージが強い。実際、そのような本も多数書いている。ところが東洋経済新報社から翻訳で出ている、スティグリッツ著「ミクロ経済学(第4版)」である。(2013/06/27)


米国
スノーデン氏、モスクワ空港入り〜プーチン大統領が発表〜米パスポート失効か??
  プーチン大統領は米国家機密をリークしたスノーデン氏がモスクワ空港に到着したことを発表した。(2013/06/26)


人権/反差別/司法
アラブの春の出発点 チュニジアで注目のある裁判 〜警察を侮辱して禁固2年のラッパーWELD AL15の控訴審〜
 「アラブの春」の出発点はチュニジアだった。そのチュニジアで今、注目されているのが人気を博しているラッパーWELD AL15の裁判だ。彼が逮捕されたのは歌の中で「警察はうんざりだ」などと警察当局を侮辱したからとされる。第一審では禁固2年の判決だったが、今、その控訴審が行われている。(2013/06/26)


核・原子力
ニューヨークタイムズが報じた日本の原発政策
  安倍政権の原子力政策についてニューヨークタイムズは6月20日付けの新聞(国際版)で新たな原発の規制案が出来たこと、7つの電力会社が合計13の原子炉再稼働の申請をするつもりだということ、そして野田民主党政権時代に掲げられていた原発廃止の目標が取り外されたことを報じた。(2013/06/25)


米国
アラブの春の設計者たち〜NYT寄稿 'When Arabs Tweet'(アラブがツイッターを始めるとき)
  国際政治コラムニスト、ラミ・クーリ(Rami G.Khouri)氏による「アラブがツイッターを始めるとき」がニューヨークタイムズに寄稿されたのはアラブの春が始まる半年ほど前の2010年7月ことだ。この中でクーリ氏はヒラリー・クリントン率いる米国務省が中東・北アフリカの「民主化」を狙って、ツイッターやフェースブックなどのデジタル機器を使った変革を起こす計画を推進していたと書いている。(村上良太)(2013/06/25)


コラム
「北京の春」    村上良太
  最初にお断りしておくと、本稿は北京とも春とも関係がない。フランスの作家ボリス・ヴィアンが書いた「北京の秋」にあやかったタイトルだ。「北京の秋」は北京とも秋ともなんら無縁の小説に前衛作家ヴィアンがあえてそんなタイトルをつけたのである。2011年以来、「アラブの春」という言葉が世界的に大流行している。(2013/06/24)


みる・よむ・きく
長谷川まり子著「ゴビンダの「補償金と生活」」(新潮45)
  ノンフィクション作家の長谷川まり子氏が今月発売の「新潮45」に「ゴビンダの「補償金と生活」」というレポートを書いている。ゴビンダ氏と言えば東電OL殺人事件で冤罪で投獄されていたゴビンダ・プラサド・マイナリ氏。ネパール人である。昨年暮れ、無罪が確定し、獄中生活に対する補償額およそ6800万円が支払われることになったとされる。そんなゴビンダ氏の帰国後の日々を追っている。(村上良太)(2013/06/23)


アフリカ
アフリカの動乱 ・マリ暫定政府とトゥアレグ族の分離独立派が停戦合意〜来月には大統領選挙〜
  2012年春のクーデター以来、マリ北部はトゥアレグ族の分離独立派とイスラム原理主義勢力によって占拠されてきた。しかし、今年1月のフランス軍の介入とその後のイスラム原理主義勢力の撤退によって、状況に変化が生まれている。その結果として今月18日、マリ暫定政府軍がトゥアレグ族の分離独立派と停戦に合意したとフランスの週刊誌ヌーベルオプセルバトゥールが報じている。(2013/06/22)


人権/反差別/司法
世界のベタ記事から〜98歳の男性がナチ戦犯として訴追される〜「上官の命令に従っただけ」
  ハンガリーで今月、ナチ戦犯として98歳の男性が訴追された。この男性、Lazlo Csatary被告はアウシュビッツ強制収容所にユダヤ人が送られるのを手助けした罪などに問われている。被告は「上官の命令に従っただけ」と無罪を主張している。記事はニューヨークタイムズなどによる。(2013/06/20)


米国
アメリカの政治風刺漫画  
 アメリカのベテラン風刺漫画家、ウォルト・ハンデルスマンは今も旺盛に1コマ漫画を発表している。5月に発表された1枚はまさに絶大な米大統領の権力を描いている。(2013/06/18)


中東
ロシア外相「シリア政府軍が今化学兵器をなぜ使う必要があるのか?」
  アサド政権を支援しているロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は先週土曜、シリア政府側が今、自国民に化学兵器をしかも少量に限って使用する必要性が理解できない、と語ったとされる。一方、ニューヨークタイムズではRamzy Mardini氏(Iraq Institute for Strategic Studies) がオバマ政権が反政府側に武器を提供するのは誤りだという文章を寄稿している。その理由はいくつかある。(2013/06/17)


みる・よむ・きく
ジョン・スチュアート・ミル著「自由論」    
  英国の哲学者ジョン・スチュアート・ミル著「自由論」が光文社古典新訳文庫から翻訳されて出ている。近年、「自由」という言葉が最も頻度をもって使われるのは新自由主義という言葉だから、この本も何かそれに関係があるのか、と思う人もいるかもしれない。すでに「自由」という言葉が私たちの生活の中で、ほとんどその本来の力を失ってしまったからだ。(村上良太)(2013/06/17)


中東
シリアから化学兵器使用の証拠サンプルを持ち帰ったルモンド記者
  ルモンド紙の「チャット」欄に、ルモンド記者がシリアから政府軍が化学兵器を使用した証拠のサンプルを持ち帰った経緯について問答形式で発表されている。記者はジャン=フィリップ・レミ氏。(2013/06/16)


コラム
映画とテレビ
 昨日、映画「日本国憲法」の上映会場で監督のジャン・ユンカーマンさんにお会いすることができました。ユンカーマン監督と言えば僕の場合、与那国島の漁師を撮影した「老人と海」をまず連想しますが、この映画も見そびれており、昨日が初めてみるユンカーマン作品でした。(村上良太)(2013/06/16)


中東
イランの「本当の」インフレ率  米経済学者の試算では・・ 〜大統領選の裏舞台〜
  イランの年間インフレ率はイラン政府発表の数字では31%だった。これは100円の商品が物価上昇で1年後に131円になっていることを意味する。今、日本の安倍政権が導入しているインフレ目標の2%とは100円のものが1年後に102円になることである。このイランの年間インフレ率=31%という数字自体かなり高い数字だが、こんなものではないと言う経済学者がいる。(2013/06/16)


反戦・平和
映画「日本国憲法」(ジャン・ユンカーマン監督)
  6月15日、代々木の婦選会館で「憲法を考える映画の会」という集まりがあり、ジャン・ユンカーマン(John Junkerman)監督のドキュメンタリー映画「日本国憲法」が上映された。ユンカーマン監督は憲法第九条に焦点を当てながら、戦後にこの憲法を作った人々がいかなる考えで作ったのか、またこの憲法が後にアジアや世界の人々にどう受け止められたのかを丹念に各地を訪問して取材している。会場には監督のユンカーマン氏も訪れ、様々な観客の感想を聞いた後、自ら撮影にまつわるエピソードや思いを語った。(2013/06/15)


米国
ロシアの声「個人情報を提供した米IT企業はドイツ司法大臣に明確な回答をせず」
  ヴォイスオブロシアによると、米IT企業が米当局に提供した個人情報に関して、ドイツ司法大臣がマイクロソフトとグーグルの代表と話したものの、核心部分はぼかされたままに終わった。(2013/06/15)


国際
ロシア外務省「この証拠ではシリアが化学兵器を使ったとは立証できない」〜米英仏はロシア説得に失敗〜
  ヴォイス・オブ・ロシア(ロシアの声:露国営放送)はロシア外務省が出した声明を伝えた。米英仏が主張しているシリア政府軍による化学兵器使用は立証できていない、というのであある。(2013/06/14)


米国
PRISMで「自分が監視されていたかどうか確認する権利がある」
  オバマ政権の下、インターネット上の個人情報が極秘に米当局によって収集されていたことが内部告発で発覚した件で、欧州連合のビビアン・レディング氏(欧州連合の司法担当行政官)が米国のエリック・ホルダーJr.司法長官に手紙を送った。ニューヨークタイムズの報道によれば中でもインパクトのあるのが以下のくだりだ。(2013/06/14)


米国
内部告発者 ワシントンポストの追跡記事 
  米政府が極秘にIT企業9社の協力を得て個人情報を収集していたことがエドワード・スノーデン氏の内部告発で出て、その対象が外国人だったことから世界中をも震撼させている。最初の記事を書いたワシントンポスト紙の追跡記事によればスノーデン氏が所属していたBooz Allen Hamilton 社はスノーデン氏を解雇した。(2013/06/12)


米国
米国のインターネット個人情報収集計画の内部告発者「その是非について公衆の議論に期待」
  やはり真実だったのだ。米国の国家機関がテロ対策という理由で、インターネット企業9社の保有する個人情報にアクセスしていたことだ。英国のガーディアンと米国のワシントンポストが内部告発資料を添えて記事にし、米当局の逆鱗に触れていたが、インターネット企業の多くは関与を否定していた。しかし、内部告発をした人物が名乗りを上げたことでこのイシューは今後、米国民の議論の対象となる可能性がある。(2013/06/11)


核・原子力
フランス「緑の党」が核に関するオランド大統領の言動をチェック
  フランスの週刊誌レクスプレス(L'express)はこんな見出しの記事を出した。’Nucleaire: les Verts surveillent Francois Hollande’「原子力:緑の党がフランソワ・オランド大統領を監視」。福島第一原子力発電所事故から2年、緑の党は事故の教訓をもとに原子力大国であるフランスのリスク管理体制を改善するべきだという。(2013/06/10)


みる・よむ・きく
『映画 日本国憲法』(監督ジャン・ユンカーマン)〜憲法を考える映画の会の第3回目〜花崎哲
  アジアの国の人々は日本が「戦争をしない国」だということ、戦争を放棄した日本国憲法をもっている国だと言うことを知っているのでしょうか?憲法を考える映画の会の第3回目は海外からの視点で日本国憲法をとらえた映画『映画 日本国憲法』をいっしょに見て、話し合い、わからないことに知恵を出し合って憲法を自分たちのものにしていきたいと考えています。第3回はアメリカ人のジャン・ユンカーマン監督の『映画日本国憲法』です。(花崎哲)(2013/06/10)


核・原子力
日仏共同声明「原発は重要です」〜フランス大統領の核政策〜
  先週フランスのオランド大統領と安倍首相が日仏共同声明で「原発の重要性」を認め、原子力発電事業の協力をうたった。日本の多くの人は驚いただろう。福島第一原発事故の処理すら未だ終息していないからだ。2011年3月11日、東日本大震災によって福島第一原発事故が発生した。施設の建屋が爆発する映像は世界に衝撃を与え、ドイツでは原子力発電からの撤退を決めることになった。フランスでもアンケート調査では国民の過半数が原子力発電からの撤退を希望したとされる。ところが、2011年秋に行われたフランス社会党の翌年行われる大統領選に向けた候補者選びでは原子力発電からの完全撤退を政策にするオブリ候補が敗れ、財界の意をくんで縮小にとどめるオランド大統領が勝利した。(2013/06/09)


米国
ワシントンポストが報じた米国家機関によるネット個人情報の収集プログラム‘PRISM’〜ネット企業各社は弁明〜
  ワシントンポストと英紙ガーディアンが同時に、米国家機関がグーグル、マイクロソフト、アップル、ヤフー、スカイプなどの協力を得て、個人情報の収集を行っていることを報じた。その目的はテロ撲滅にあるとされるが、この報道によって米市民の怒りが巻き起こっているらしい。その一方でナショナルインテリジェンスディレクター(国家情報長官)のジェームズ・クラッパー氏はワシントンポストなどに対して激烈な非難を行った。(2013/06/08)


アフリカ
悪評高かったジンバブエの土地改革の真実〜英国農業学者の意外な調査結果〜 
  欧米の新聞でもっぱら独裁者として批判が絶えない政治家の一人がアフリカ、ジンバブエのムガベ大統領だ。彼が欧米メディアから非難を浴び始めたきっかけは2000年に彼が行った土地改革にある。この土地改革はかつて少数の白人が独占的に所有していた農地を多数の黒人使用人たちに分け与えるものだった。この時、白人地主たちから無償で土地を没収したことやその際、暴力事件も多数発生してしまったことから、ジンバブエは国際社会から孤立することになった。その後、ハイパーインフレーションと食糧危機が起こり、ムガベ大統領の手痛い失政と見なされた。しかし、彼の土地改革は本当に失敗だったのか?そう問いかける常識破りの記事が登場した。ジンバブエの旧宗主国で白人農家のルーツだった英国のBBCである。(村上良太)(2013/06/07)


経済
グローバル時代の「ルイスの転換点」 〜アベノミクスの弱点〜 村上良太     
  昨年、ニューヨークタイムズの寄稿欄で中国在住の女性記者が書いた一文に強い印象を受けた。記事のタイトルは「中国の労働力はもう安くない」(’Chinese Labor, Cheap No More’)というもので、2月17日付けである。記事の骨子は中国が「ルイスの転換点」を迎えてしまったということである。(村上良太)(2013/06/07)


コラム
やっと解放されました(\^o^/)  信友直子
  日曜日に「Mr.サンデー」の放送が終わってやっと解放されました(^^)。今回はホント辛かった(><)自分自身が今回のテーマの何がおもしろいのかまったくわからなかったからです。 (2013/06/05)


コラム
アベノミクスの論点    村上良太
  アベノミクスが始まったのが昨年12月だったから、約半年になる。この間、安倍政権は日銀の協力を得て為替を円安に誘導し、平均株価の上昇につなげた。庶民の多くは久々に景気のいい話だと喝采を送った。しかし、最近になって高騰していた株価が急激に下降する事態が何度か起き、アベノミクスは本当に大丈夫なのか、という不安も同時に広がっている。(2013/06/05)


みる・よむ・きく
報道カメラマン山城博明による「激動のOKINAWA42年」〜琉球新報創刊120年企画展〜
  琉球新報写真映像部に所属して活躍している報道カメラマン、山城博明氏の写真展「激動のOKINAWA42年」展が横浜の日本新聞博物館で開かれる。開催期間は6月22日(土)〜8月18日(日)。(2013/06/04)


みる・よむ・きく
「フレンチコネクション」「エクソシスト」の映画監督ウイリアム・フリードキンが薦める映画本
  映画監督のウイリアム・フリードキン(1935-)という名前を知っている人は多分40代以上かもしれない。1971年に型破りな刑事ドラマ「フレンチコネクション」を、1973年にはホラー映画ブームを作った「エクソシスト」を監督してその名を馳せた。そのフリードキン監督が最近どうしているかまったく知らなかったが、アメリカで買ったウォールストリートジャーナルに顔を出していた。それは読書欄だった。「ウイリアム・フリードキンお薦めの映画監督に関する本」というタイトルで、彼が5冊の本をチョイスしているのだった。(村上良太)(2013/06/03)


欧州
世界のベタ記事から〜ドイツ政府が高齢化したホロコースト生存者に支援金を拠出〜
  ドイツ政府はナチ時代に行われたユダヤ人絶滅政策「ホロコースト」の生存者たちに向けて来年から4年間、総額8億ユーロを拠出することに決めた。生存者たちが高齢化しているからだ。対象者は世界中に散らばっており、ケアを受ける人は56000人に及ぶ。さらに、9万人が食糧、薬、そのほかの支給を受けることになるという。(5月31日付、インターナショナルヘラルドトリビューンによる)(2013/06/02)


検証・メディア
紙媒体の危機 米トリビューン系列新聞(LAタイムズ、シカゴトリビューンなど8紙)が売りに出され・・・
  アメリカのトリビューン系列の8紙が売却されようとしている。8紙の中にはロサンゼルスタイムズやシカゴトリビューンなどの主要メディアが含まれている。そして、それを買おうとしている(らしい)人物が富豪で投資家のデビッド・コーク氏とチャールズ・コーク氏のコーク兄弟だ。コーク兄弟は共和党の中でも小さな政府を信奉するグループ「ティー・パーティ」の資金源になっている人物。そこでロサンゼルスでは「売却するな」と読者や市民らによるデモが行われている。新聞報道を綜合すると、。「新聞はパブリックトラストである。このような極端なイデオロギーを持つ人物の手に渡るのは問題だ」というのが反対する人々の共通の思いのようだ。(2013/06/01)


反貧困
持続可能な「これからのファッション」〜フェアトレード・ファッションショーに挑戦〜
フェアトレードの専門ブランド「ピープル・ツリー」は、5月27日からブラジル・リオデジャネイロで開催されている世界フェアトレード機関(WFTO)の年次総会「グローバル・フェアトレード・ウィーク」で、フェアトレード・ファッションショーをプロデュースし、持続可能な「これからのファッション」をアピールしました。(2013/05/31)


コラム
新聞のテレビ欄 〜なぜある番組だけ色をつけるのか?〜  村上良太
  新聞のテレビ欄(業界ではラテ欄と呼ばれている)にはそれぞれの放送局の番組担当プロデューサーたちが苦心して書いた番組の売りが印刷されている。1つの番組の持つスペースは放送時間の長さに比例するわけだが、その限られた枠の中で何とか読者(視聴者)の関心を引くために担当者たちはしのぎを削っているのである。欄が小さく、字数が少なければ少ないほど言葉の選択は難しい。だからラテ欄は戦場でもあるし、株式市場のようなフェアを要する場で本来はあるべきだと思っている。ところが最近、いくつかの番組だけが赤で色づけされていて、そこだけ放っておいても目に飛び込んでくる、という現象が起きている。本来フェアな戦いであるべき場と思ってきたテレビ欄に異変が起きているのだ。(2013/05/30)


コラム
転移じゃないみたいです(\^o^/)  信友直子
  虎の門病院乳腺外科の三浦先生のところに行ってきました。腹部エコー検査で肝臓に10ミリの黒い影(高エコー斑)が2つあることが分かったので相談に行ったのです。(TVディレクター信友直子の乳癌日記から)(2013/05/30)


核・原子力
ニジェールのウラン鉱山が襲われるのを警戒していたフランス 
  先週木曜、イスラム原理主義勢力によって襲われたアレバ社のウラン鉱山だが、フランスの週刊誌やニューヨークタイムズなどの報道によれば、最近、フランスは警戒を強め、警備体制を強化していたと伝えられている。フランスは電力の75%を原子力に依存しており、その原料となるウランの多くがニジェールのArlitやImourarenで採掘されている。ニューヨークタイムズによると、アレバ社の全ウラン採掘量の30〜35%がニジェール国内で採掘されている。(村上良太)(2013/05/28)


核・原子力
ニジェールでフランス原子力大手アレバ社のウラン鉱山を狙ったテロが起こる 原子力テロ時代の到来か
ニジェールで先週23日木曜、イスラム原理主義勢力Mujaoによる新たなテロが起こり、約20人が死亡したとされる。このテロについては複数のイスラム原理主義グループが声明を出していた。血盟団はニジェールに対する最初の報復攻撃に過ぎない、という内容の警告を伝えている。テロを起こしたとされるグループのMujaoはマリを占領していたイスラム原理主義勢力の1つで、今年1月、フランス軍によってマリから駆逐されていた。フランスの週刊誌ヌーベル・オプセルバトゥール誌などの報道によると、木曜にニジェールで起きたテロは2つのテロからなる。1つ目のテロは午前5時ころ、車に仕込んでいた爆弾が爆発したものだ。場所はウラン鉱山のあるアガデスのニジェール軍の軍事キャンプだった。死者の中には民間人もいる模様だ。それから30分後に2つ目のテロが行われた。場所は同じアガデス州だが今度は標的がニジェール軍ではなく、フランスの民間企業だった。 (2013/05/28)


みる・よむ・きく
ティナ・フェイ著 「Bossypants」
  最近、アメリカの空港で必ず目にする本がある。それが「ボッシーパンツ(Bossypants)」と題するペイパーバックだ。表紙はワイシャツにネクタイ姿の可憐な女性なのだが、腕だけが太くて毛むくじゃら。合成したものなのだが、一度見ると強烈で忘れがたい。この本、あちこちの書店で目にするもののそれがいったい何の本なのか、著者のティナ・フェイが何者かわからないままだった。(村上良太)(2013/05/24)


みる・よむ・きく
新日本風土記「川越」  原村政樹
私が暮らす町を紹介する番組、新日本風土記「川越」を作りました。埼玉県川越には東京では失われた江戸の文化が、街にも農村部にも残っています。その郷土の伝統文化を大切に守り続ける魅力的な市民をご紹介いたします。(ドキュメンタリー映画監督:原村政樹)(2013/05/19)


みる・よむ・きく
「ザ・ノンフィクション / オカン、ごめんな。〜京 涙の修業物語〜」 井上秀明(編集)
  5月19日(日)午後2時00分 フジテレビ「ザ・ノンフィクション / オカン、ごめんな。〜京 涙の修業物語〜」を放送します。努力しなければ、何とかしなけれれば、こんなはずではなかった、あ〜っ・・・。そう思いながらダメになって行く自分を感じるときってありますよね。(井上秀明:編集マン)(2013/05/17)


コラム
テキサスという土地    村上良太
  仕事でアメリカ南部のテキサス州を旅してきました。テキサスと言えばメキシコと国境で接しており、当然ながらメキシコ出身のヒスパニック系住民が多数暮らしています。この州で仕事で出会った人物はロドリゲスというヒスパニック系の苗字の持ち主でした。ですから、彼はヒスパニック系の移民なのかもしれないと僕は思いました。しかし、そうではなかったのです。ロドリゲス氏は旅をしながら、僕にこんなことを教えてくれました。(2013/05/16)


みる・よむ・きく
ミヒャエル・ハネケ監督「Amour(愛)」
  この春、オーストリアの映画監督ミヒャエル・ハネケによる映画「Amour (愛)」を見た。この映画はフランスの俳優を使ってフランスで撮影された(であろう)フランス語の映画ながら、やはりジャーマン的な、というかウィーン的なハネケ監督の感覚が強く感じられた。(村上良太)(2013/05/13)


市民活動
映画を見て憲法を考える会 〜『八十七歳の青春─市川房枝生涯を語る─』〜
   4月から映画を見て憲法を考える会を、月1回のペースで開いています。その第2回に市川房枝さんが婦人参政件運動について自ら語った『八十七歳の青春─市川房枝生涯を語る─』を上映して、その後参加者とともに話し合うことを予定しております。5月15日は市川房枝さんの120回目の誕生日です。市川房枝さんは男女同権(基本的人権)、反戦平和、国民主権の日本国憲法の実現のために戦後一貫して政治活動をしてきました。改憲が論議される中、市川房枝さんの活動から憲法について学び 考えようと、今回の「憲法を考える映画の会」を企画しました。(花崎哲)(2013/05/12)


欧州
パリジェンヌの日記〜映画監督ローラン・ノエル〜ヴィルジニー・ブリエン
Q「あなたが美術監督として参加した短編映画「不測の出来事」を作った監督のローラン・ノエルについて。いったいどんな作品をこれまで作ってきたんですか?俳優のフランソワ・パティシエの火事で焼けた家を使って撮影した短編とは?・・・」(編集部)ローラン・ノエルは最初は自主制作で映画を作っていた。テーマの多くは社会のあり方とか、人間関係だ。そこに一種のブラックユーモアを漂わせていた。2002年にノエルは長編を撮影した。「酔っぱらった4人の男」というタイトルだ。フランスの国家機関CNCの援助金も配給のための支援もなく、自前で作ったのだ。(2013/04/28)


コラム
ニュースの三角測量   村上良太
  最近僕は外国人の友人が多くなって、コミュニケーションも英語で結構やっています。上達した英語ではまったくありません。粗雑そのものです。それにしょっちゅう文法の誤りも犯しています。ですからもっと語数を豊かにして上達したいという思いは今も強くあります。そんな英語もままならない僕が同時にフランス語をやっているのは日本人はニュースソースを非英語圏からも1つ持っていた方がいいと考えているからです。(2013/04/28)


みる・よむ・きく
堀川惠子著「裁かれた命〜死刑囚から届いた手紙」 原村政樹(ドキュメンタリー映画監督)
 近年、これほど胸を打たれる感動を受けた本はない。中学時代、ドストエフスキーの「罪と罰」を正月休みに読みとおした時の感動以来であった。著者の堀川惠子さんは私と同業のドキュメンタリーディレクターで、かつ、活字メディアでも活躍している。彼女と初めて会ったのはある番組の懇親会、その時、一度きりだったが、これほどまでに凄い創り手だとは想像もつかなかった。死刑囚とそれに関わる検察官、裁判官、家族などとの手紙を通して、死刑という非常にシビアなテーマで、人間の深さを、事実を丹念に取材して...、私情を表に出すことなく、真実を伝えている。(2013/04/22)


コラム
新書が薄い    村上良太
  かつて新書と言えば岩波新書だった。岩波新書は中身が詰まっていた。誠実で個性的な研究者による何十年かの研究の成果がびっしり詰まっていたからだ。その新書市場に90年代以後、多数の出版社が参戦して、百花繚乱の時代となった。今や新書は電車で2時間で読める雑誌の特集だと誰かが書いていたが、なるほどと思った。新書は2時間で読み捨てる媒体になったのだ。以前は新書をよく読み、テレビ番組の企画づくりの参考にもしていた。しかし、最近では企画を作るから新書を読もう、という感じがまったくしなくなってしまった。新書を読みたいという気がなくなったし、新書コーナーに足をとめることも稀になった。(2013/04/21)


アフリカ
モダンノマドの日記  ボボ・ディウラッソの借家  アンドレイ・モロビッチ
  西アフリカのブルキナファソの都市、ボボ・ディウラッソでモロビッチさん夫妻は家を借りて滞在中だ。「ボボディウラッソの我が家の写真を何枚か送る。」(2013/04/20)


みる・よむ・きく
レーモン・クノー作「文体練習」 
  言語の実験に果敢に取り組んだフランスの作家レーモン・クノーの「Exercice de style」は日本で「文体練習」という題の邦訳で出版されている。これは短いひとつの話を99通りの表現で綴り集めたものである。その話とは次のようなものだ。(村上良太)(2013/04/14)


アフリカ
モダンノマドの日記  雨季を待ちながら  アンドレイ・モロビッチ
  サハラ周辺をさすらうスロベニア人の作家アンドレイ・モロビッチさんからメールが届いた。「eメールの書き手としては実に怠惰になってしまったことを本当にすまなく思っている。どういうわけか、僕はこのところパソコンを避けていたんだ」(2013/04/13)


文化
セルジュ・ラトゥーシュ氏が講演「消費社会からの脱出」 
 「経済成長なき社会発展は可能か?」を書いたセルジュ・ラトゥーシュ(Serge LATOUCHE)氏が来日し、講演を行う。タイトルは「消費社会からの脱出」。場所は東京・恵比寿駅に近い日仏会館にて。案内のちらしによれば5月24日(金)18:30〜20:30。要申込み。定員120名。参加費無料。(2013/04/12)


検証・メディア
サッチャー元英首相、逝去(87)
  英国のマーガレット・サッチャー元首相(1925−2013)が亡くなった。87歳だった。サッチャー氏は英国最初の女性の首相(1979−1990)として注目を集めた。80年代に規制緩和や国営企業の民営化を進め、米国のレーガン大統領とともに新自由主義の象徴的存在として知られる。産経新聞は「頼れる英国の母」と見出しに書き、サッチャー氏の政治家としての業績を大絶賛している。しかし、英国人にとってサッチャー氏が「母」なのかどうかは議論があるところではないか。(2013/04/09)


欧州
ドイツ傘下の欧州連合  ウルリッヒ・ベック教授の「リスク社会論」とドイツ
  ベック教授はドイツとユーロの状況自体がリスク社会のよい例だという。ドイツのメルケル首相はギリシアが欧州連合を揺さぶるとはまさか思っていなかったというのだ。(さらに福島の原発事故を見て原子力発電からも撤退を決めた。)先にどんなリスクが待ち受けているか見えなくなってきている。こうした状況にあっても、この先に待ち構えるリスクへの準備を行うことは可能だとベック教授は考えている。そのためには国境を越えた諸国の連携と、新自由主義にはできない未知のリスクに対する国家の政策と予算が必要だと説いている。(2013/04/07)


みる・よむ・きく
松本道弘著「giveとget〜発想から学ぶ英語〜」
  最近の書店で見かけなくなったいい本はたくさんある。松本道弘著「giveと get〜発想で学ぶ英語〜」もそんな一冊だ。英語をもう一度、やり直したい、という人が多いようだが、この本は刺激になるのではないか。というのも、松本氏はgiveと getの2つの動詞で相当多くのことが表現できるばかりでなく、この2語に英語の思考法が集約されていると説いているからだ。(村上良太)(2013/04/06)


米国
世界のベタ記事から 全米ライフル協会の提言
  アメリカの学校では無差別乱射事件が普通に起きている。そこで米上院で銃規制について議論されている今月、NRA(全米ライフル協会)が招集した政策チームが提言書を出した。ニューヨークタイムズによると政策チームを率いたのはアーカンサス州の元下院議員(共和党)、Asa Hutchinton氏。(2013/04/05)


経済
キプロスとロシア          
 国が金融破たんしたキプロスとその背後のロシアの関係について、インターナショナルヘラルドトリビューンで面白い寄稿を読んだ。欧州連合にあってキプロスは小さな国だが、そこに対するロシアの関係はなかなかに深い。その構図をわかりやすく説明したのが寄稿者のBen Judah氏である。(村上良太)(2013/04/04)


中東
エジプトの「アラブの春」の象徴、タハリール広場で女性への暴行・レイプが横行 女性の政治参加を牽制か
  エジプトのムバラク政権を倒した「アラブの春」の中心地、カイロのタハリール広場で複数の女性が暴行・レイプを受けていると報じられている。インターナショナルヘラルドトリビューンは今週末の社説を「タハリールのテロ」とタイトルを付し、ムスリム同胞団などイスラム主義勢力が政治から女性を外そうとしている動きだと批判した。(2013/03/30)


みる・よむ・きく
土井敏邦「異国に生きる〜日本の中のビルマ人」
  今日からポレポレ東中野で公開が始まったドキュメンタリー映画「異国に生きる」。監督の土井敏邦さんからメールが届きました。「「異国に生きる―日本の中のビルマ人」は「ビルマ問題」を論じ伝える映画ではありません。“祖国の民主化”の実現のために、家族と別れ、日本政府の難民政策の厚い壁に阻まれながらも、遠い異国・日本で懸命に生きるビルマ人青年の“生き方”を通して「人にとっていちばん大切なものは何か?」「個人は社会とどう関わるのか?」「真の“愛国心”とは何か?」を私たち日本人自身に問う映画です。(2013/03/30)


市民活動
憲法を考える映画の会   花崎哲
  2012年12月の総選挙の結果、安倍政権が誕生し、この夏の参議院議員選挙までは大人しくしているが、参院選で多数を取ることができれば一気に改憲に向かうと言う話がまことしやかに語られ、その動きも着々と進められています。国会議員の多くが何らかの形で憲法改正に賛成しています。そうした動きに対して大きな危機感を抱いている人もまた多いと思うのですが、その声や動きはまとまったものとしてなかなか伝わってきません。こうした中、自分たちに何かできることはないかと考え、それは自分たちの考えていることを話し、伝えていくことではないかと考えました。そこで表題のような「映画の上映と話し合いの会」を企画しました。(花崎哲)(2013/03/30)


中東
イラク戦争の死者数    
  今売出し中のフランスの雑誌、ルモンドディプロマティークは1面で「イラク戦争から10年 イラクはどうなった?」とする特集を組んでいる。一番気になるのはイラク人の死者数だ。同誌は'Comter les morts'(死者数を数える)と見出しをつけて推定の数字を複数紹介している。真実は数万〜100万までの間にあるとしている。(村上良太)(2013/03/29)


みる・よむ・きく
NHK・BS1「ドキュメンタリーWAVE〜シリア ある家族の戦争〜」
  ドキュメンタリー番組のプロデューサー、熊谷均さんから番組案内が届きました。NHK・BS1「ドキュメンタリーWAVE〜シリア ある家族の戦争〜」放送: 3月30日(土)22:00−22:49 再放送:3月31日(日)12:00−12:49(2013/03/29)


コラム
イラク戦争から10年 大新聞の記事を読んで 
  朝日新聞は3月20日付の朝刊でイラク戦争を取り上げ、「開戦から10年」という見出しの特集を大きく組んでいた。記事の目玉は当時、小泉政権の官房長官だった福田康夫氏へのインタビューである。この中で、福田氏は当時は大量破壊兵器がイラクにあるのかないのか、情報がなかったと語っている。(村上良太)(2013/03/27)


みる・よむ・きく
「タンタンの冒険」シリーズ.愁咼┘畔圈コンゴ編  村上良太
  ガルーダ航空の帰国便の出発まで7時間あまりあったので、何か気楽に読めるものを・・・と思っていたら、「タンタンの冒険」シリーズを発見した。コレクター向けの編集で、1冊に2つから4つの物語が収録されている。中でも、最も興味深かったのはタンタンシリーズの原点である「ソビエト編(In the land of the Soviets)」だった。これはタンタンがシリーズ化される前の、読み切りの1本でシリーズでは唯一の白黒である。(2013/03/27)


文化
ノーラのニューヨーク(写真)日記 2
  ニューヨークで雑誌や新聞にイラストを描いているイラストレーターのノーラ・クリューク(Nora Krug)さんから新たな写真が届きました。1枚の絵に見入っている女性。手は後ろ手に組んでいます。女性の服装には横にラインが入っており、絵画の線描とどこかシンクロしているという印象もあります。添えられた文章は短いものでした。 (2013/03/12)


コラム
あとがき不要論    村上良太
  本にはたいがいあとがきが添えてある。あとがきにはたとえば翻訳書の場合には翻訳者による解説が添えてある。また翻訳者以外にも、評論家などが解説を加えている。あとがき不要論などとタイトルを付したが、僕自身もあとがきをよく読むし、あとがきから読み始めることも少なくない。それでも、あとがきには必ず弊害がある。(2013/03/10)


欧州
パリジェンヌの日記 〜短編映画「不測の事態」のスタッフになる〜 ヴィルジニー・ブリエン
  撮影後少しの休みを経て、スタッフは再びエネルギーを取り戻し、さらに客観性をもって、仕上げ作業が始まった。(2013/03/10)


欧州
パリジェンヌの日記 〜短編映画「不測の事態」のスタッフになる◆繊.凜ルジニー・ブリエン
  撮影は3日間だ。2011年の5月11日、12日、13日に、パリ郊外及び、パリ5区とパリ12区で行われた。(2013/03/09)


欧州
パリジェンヌの日記 〜短編映画「不測の事態」のスタッフになる 繊.凜ルジニー・ブリエン
  今日は私が参加した短編映画について書くとしよう。映画のタイトルは「不測の事態(Contretemps)」。監督や俳優たちにインタビューをしたので舞台裏をしっかり書けるのだ。この映画は2012年にローラン・ノエルが監督したもの。私自身が参加したので私にとって特別な映画でもある。私は画家の傍ら、何年も映画美術を生業にしてきた。だからもしバジェットの少ない短編映画に参加するとしたら、その映画の企画が本当にやりたい場合に限る。「不測の事態」の場合もまさにその通り。参加したことを悔いていない。やりがいのある1つの冒険だった。この映画、とても希望と詩情にあふれているので、美術家として参加できたことは私の誇りよ。(2013/03/09)


中南米
女性のツイッター発信者’厳選’50人を紹介 チリのテルセラ紙
 チリのテルセラ紙はツイッターで発信している活動的な女性50人をセレクトして紹介している。女優、新聞記者、エコノミストと職業は様々だ。(2013/03/09)


中南米
チャベス大統領の葬儀  欧米はセカンドランクの使節を派遣 
  昨日、ベネズエラのカラカスでチャベス大統領の国葬が行われた。フランスのフィガロ紙が写真を掲載している。(2013/03/09)


アフリカ
ベルモフタル容疑者の死亡写真  本人かどうか議論を呼ぶ    
 1月にアルジェリアで起きた人質事件の首謀者とされるモフタル・ベルモフタル容疑者がマリ北部に展開するチャド軍によって殺されたというニュースが先週土曜に入った。フランスの雑誌ヌーベル・オプセルバテゥール誌(3月5日付)によると、チャド軍兵士の撮影したベルモフタル氏の死体とされる写真はさまざまなメディアに配布され、その1つRFI(フランスの国営国際ラジオ局)がウェブサイトで公開したという。(2013/03/07)


中南米
チャベス大統領の死 金曜に葬儀 
  ベネズエラのウゴ・チャベス大統領(Hugo Chavez,58)が亡くなった。キューバで癌の治療を終えて帰国して間もなくのことだった。南米のチリではピニエラ大統領が金曜の午前10時からベネズエラの首都カラカス行われる葬儀に参列する予定だ(テルセラ紙による)。同時に、チリ政府は3日間の喪の期間を設けることにした。一方、ベネズエラでは7日間の喪を設けている。(2013/03/07)


人権/反差別/司法
ベアテ・ゴードンさんと日本国憲法
  昨年暮れ、ベアテ・ゴードンさん(89)が亡くなった。ゴードンさんは日本国憲法を起草した米国チームの唯一の女性スタッフだった。そして、戦後憲法を起草した最後の現存するスタッフでもあった。それは戦後レジームからの脱却を唱え、憲法改正を訴える安倍内閣の登場と期を一にしていた。ベアテ・ゴードンさんが現存する最後の米国人スタッフだった理由は彼女が当時22歳という若さだったことにあった。ゴードンさんが起草したのは憲法14条と憲法24条である。(2013/03/05)


コラム
機内持ち込み品 2  村上良太
  何年か前にロシアの地方都市からサハリン(樺太)行きの飛行機に乗り込んだことがあった。飛行機は小型で、年季が入っているようだった。中央の通路をはさんで両側に2列ずつ座席があった。僕の隣の窓際の席には見知らぬロシア人の男が座っていたのだが、男は飛行機が離陸してしばらくすると、アタッシュケースを無造作に開いた。(2013/03/04)


アフリカ
「ベルモフタル司令官は生きている」 イスラム主義者が死亡を否定 フランス軍も死亡を未確認
  アルジェリアの天然ガスプラントで外国人を多数殺戮した首謀者のテロリスト、モフタル・ベルモフタル容疑者がチャド軍との交戦で死亡したという情報が流れている。しかし、フランスのヌーベルオプセルバトゥール誌は3月3日、慎重な報道を行った。(2013/03/04)


文化
ステファン・エセル氏、死去 (享年95) 世界の人権運動に貢献
  2月27日、パリの自宅でステファン・エセル(Stephane Hessel)氏が亡くなった。第二次大戦後、世界人権宣言の執筆に参加しただけでなく、近年は「ウォール街を占拠せよ!」という運動やアラブの春などの抗議運動にも大きな影響を与えた。その著書は、Stephane Hessel著「Indignez-vous!」(「怒りなさい!」。英訳のタイトルは「Time for Outrage(怒るとき)」)である。(2013/03/03)


米国
世界のベタ記事から 米軍が仏軍を支援 ニジェールに派兵
 オバマ大統領がマリの仏軍支援のため、米軍100人をニジェールに派遣することを告げたとされる。ニジェールに基地を設立し、そこから無人の監視・偵察用機を飛ばすという構想のようだ。(2013/03/01)


コラム
機内持ち込み品       村上良太
  先日、アフリカに行く用事があり、飛行機に乗った。航空会社はエミレイツ航空でドバイを経由する便だった。エミレイツ航空で機内食が出た時、ナイフやフォークが入っているカトラリーの容器が妙に重い。開けてみると、金属製のセットだったのでドキッとした。2001年の同時多発テロ事件以後、プラスティックの道具しか見たことがなかったからだ。とはいえ、ナイフと言っても鋭利なものではない。だから、大丈夫だと判断されたのだろう。そもそも金属だから危険で、プラスチックだから安全とは一概に言えないだろう。(2013/02/27)


欧州
マリ侵攻とフランス
 マリに軍事介入したフランス軍だが、フランス国内でアフリカ系フランス人に要注意だとフランスの判事(Marc Trevidic氏)がニューヨークタイムズで語っている。これまでフランス当局のテロ警戒の対象となってきたのはアフリカでも、アルジェリア、チュニジアといった北アフリカ出身の移民だった。ところが、マリ介入後の現在はマリ、セネガル、ナイジェリア、ニジェールといった国々出身の移民にまで広がっているという。(2013/02/25)


アフリカ
モダンノマドの日記  「生きている」  アンドレイ・モロビッチ
  マリでしばらく音信が途絶えていた作家のアンドレイ・モロビッチさんからメールが届いた。’hi man I'm still alive sure’「僕は生きている もちろんだ」(2013/02/10)


アフリカ
世界のベタ記事から フランスが国連平和維持軍のマリ派遣を求める
   Kidalを制圧したフランス軍はイスラム原理主義勢力が支配下に置いていたマリ北部のすべての都市を制圧した。そこでフランス国防大臣のジャン=イブ・ルドリアン氏は国連平和維持軍のマリ覇権を訴えている。実際に国連安保理でも、国連平和維持軍のマリ派遣を検討し始めたとされる。(2013/02/10)


文化
ノーラのニューヨーク(写真)日記
  ニューヨーク在住のドイツ人イラストレーター、ノーラ・クリューク( Nora Krug )さんから写真による便りが届きました。ノーラさんはニューヨークタイムズ、ガーディアン、ボストングローブ、ルモンドディプロマティーク、ヴァニティフェアなど、世界の新聞・雑誌にイラストを描いています。(2013/02/10)


文化
追悼 岩淵達治氏 (演出家・ドイツ文学者)     村上良太
   ドイツ文学の岩淵達治氏が亡くなられた。享年85。岩淵達治氏と言えば20世紀最大の劇作家、ブレヒトの研究では第一人者であり、個人訳で刊行したブレヒト戯曲全集訳はその最大の成果だろう。だが、それ以外に劇作家・演出家としての顔も持っておられた。戦後ドイツ演劇を肌で体験した貴重な演出家だった。こうして書いていると思い出されるのは岩淵さんが舞台上でアカペラで歌った「三文オペラ」の主題歌「マックザナイフ」だ。すっくと姿勢よくたち、朗々と歌われた。日生劇場でイタリアから歌手のミルバを招いてブレヒト作「七つの大罪」を演出した時の余興の一幕である。著名な知識人ながら、気取ったところはなかった。(2013/02/10)


コラム
不思議な世界   村上良太
   パリで彫刻家をしているフランス人の友人ヴァンサン・ベルゴン氏から聞いた話。彼の彫刻作品を扱っているギャラリーに、ロンドンからカタール首長の息子がやってきた。首長の息子の後ろには何人も護衛がついている。友人の彫像はブロンズの人間像だ。ジャコメッティを思わせる彫像は細くて、大胆なデフォルメが施されている。それでいて、ジャコメッティの猿真似ではない。仏像のように人間の魂が宿っている。そんなギャラリーに突然やって来たアラブの王族。なんと友人の彫像はただちに11体すべて売却済みになった。(2013/02/09)


米国
無人攻撃機ドローンの是非 新CIA長官が上院の公聴会で問われる
  無人攻撃機ドローンを使用することの是非についてオバマ政権の新CIA長官に任命されたジョン・ブレナン氏が上院インテリジェンス委員会で問われたそうである。情報はインターナショナルヘラルドトリビューン社説による。ドローンは2001年9月11日の同時多発テロをきっかけに使用頻度が高まってきたハイテク兵器である。社説によればパキスタン、イエメン、ソマリア合わせて3000人以上がドローンによる攻撃で殺されている。(2013/02/09)


アフリカ
ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長、オランド仏大統領とトンブクトゥに入る
  フランスの侵攻でイスラム原理主義者が撤退したマリのトンブクトゥにユネスコのイリナ・ボコバ事務局長が入った。フランスのオランド大統領とともにである。(2013/02/06)


文化
パスカル・バレジカ著「パリの歴史的通り (Rue Historique de Paris)〜パリはシュールレアリストの町〜」
  パスカル・バレジカさんの新著が欧州で発売となった。タイトルは「パリの歴史的通り(Rue Historique de Paris)」。バレジカ氏はパリは超現実主義の町だという。その真意はパリは単に物質や歴史で構成されるだけでもなく、虚構が巧妙にまぜられた町だということだ。だからパリはシュールレアリストの町だという。それが何を意味しているかは、実際に本書をひもといていただくしかない。(2013/02/05)


みる・よむ・きく
ガーディアンの写真家 ショーン・スミス  
  英紙ガーディアンに戦慄を感じさせる写真を撮り続ける戦争写真家、ショーン・スミス(Sean Smith)氏がいる。シリアの内戦、リビアの内戦、そして今、焦点になってきたマリの内戦を撮っている。しかも、報道写真というにとどまらず、情感あふれる色彩感覚を持っている。(村上良太)(2013/02/03)


アジア
スタンリー・カーノウ氏死す〜ベトナムを見続けたジャーナリスト〜
  ベトナム戦争を見続けたジャーナリスト、スタンリー・カーノウ(Stanley Karnow)氏が亡くなった。87歳だった。カーノウ氏には「ベトナム〜1つの歴史〜」(1983年)という750ページの大著がある。また、テレビ報道でも知られ、13時間シリーズのPBSドキュメンタリー「ベトナム:1つのテレビ史〜」という大作がある。ニューヨークタイムズの追悼記事では、他の多くの報道がアメリカ人の見方を中心にベトナム戦争を切り取っていたのとは対照的に、カーノウ氏は複眼で様々な角度から現実を果敢に見つめたと讃えられている。(2013/01/30)


環境
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫6      ウェイディ・リー
 私は電気自動車に乗り始めて12年になりますが、そのことを誇りに思っています。私が最初に乗った電気自動車はSolectrica Force。 1999年に作られた電気自動車で、鉛蓄電池をエネルギー源にしたものです。それからの12年間で、電気自動車をどう使えばより効率的に走れるかを学んできたのです。ユーザーによって差はあるでしょうが、私の場合の使用電力(キロワット時)あたりの走行距離数(1マイル=約1.6km)は次の通り。(2013/01/27)


アフリカ
モロビッチ氏の伴侶
  本紙に旅先のアフリカから寄稿しているスロベニア人の作家、アンドレイ・モロビッチさんには伴侶がいる。妻のスペラ・カルチクさんだ。スペラさんがモーリタニアからマリに車で移動中に足を怪我した話は前回書かれていた。モロビッチさんとスペラさんの夫婦は中古の軍用トラックを所有して、砂漠を移動してきたのだ。先々でイスラム原理主義勢力からフランス人が誘拐されてきただけに、今思えば危険な旅でもある。そんなところを旅する感覚に驚かされる。スペラさんもスロベニアの首都リュブリャナで生まれている。(2013/01/26)


核・原子力
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫5   Waidy Lee
  福島で起きた原子力事故が警鐘となって、私たちはみんな原子炉の安全性を当然のことだと見なすことができなくなりました。アメリカにはNuclear Regulatory Commission(NRC)があり、全米104基の原子炉の安全性を改善する努力を行っています。原子炉は健康に対して有害ですし、水を汚染しています。しかも、原子炉ではおびただしい水を使用します。そんな中、トリウムエナジーアライアンスという組織は従来型とは違った原子炉の導入を提唱しています。(2013/01/23)


欧州
オランダの男たちが出産の痛みを体験  オランダの放送から
  ハフィントンポスト仏版がオランダで行われた実験を紹介している。二人の男が体に女性の出産時の筋収縮の痛みを追体験できる装置をつけるのだ。最初はくすくす笑っていた男たちだが・・・。(2013/01/20)


中東
カタールがマリ北部のイスラム原理主義勢力を支援?フランスメディアが疑惑を報じる マリーヌ・ルペンFN党首もカタールを非難
  サウジアラビアの隣にある小国、カタール(人口170万人)がフランスのメディアでイスラム原理主義勢力を支援しているのではないか、と報じられている。カタール経済は基本的に豊富な石油天然ガスの生産で成り立っている。日本も石油とLNGを輸入している。そのカタールについてフランスのインターネット新聞'Rue89'はいくつかの疑惑を報じている。さらに極右政党FNのマリーヌ・ルペン党首も記者会見でカタールがイスラム原理主義を支援していると非難した。(2013/01/20)


欧州
故カダフィ大佐からサルコジ元大統領への賄賂疑惑の捜査が始まる 関係者宅へ家宅捜査
 今問題になっているアルジェリアの人質問題、そのもとにはフランス軍のマリ侵攻がある。そして、その原因を作ったのがフランス軍のリビア攻撃にある。そしてそのもとにあるのは・・・今フランスではカダフィ政権打倒をバックアップしたサルコジ元大統領がカダフィ政権から巨額の賄賂(不正献金)を受けていたのではないか、という疑惑から捜査が始まっている。(2013/01/20)


中国
「中国経済は回復傾向に」 スティーブ・ハンケ教授
  ジョンズ・ホプキンズ大学のスティーブ・ハンケ教授(Stev (2013/01/19)


アフリカ
アルジェリアの天然ガス関連施設をイスラム武装勢力が襲う 日本人を含む約20人が人質に
 BBCによると、アルジェリア南部でイスラム武装勢力によって天然ガス関連施設が占領され、日本人を含む20人あまりがとらえられた。アメリカ人、ノルウェー人、フランス人、英国人も含まれる。アルジェリア人の多数の労働者は釈放されたという。ある労働者に証言によると、イスラム武装勢力はアルジェリアに拘束されている仲間100人の釈放を求めているとされる。別のレポートによると、フランス軍のマリからの撤退を要求しているとの情報もある。(2013/01/17)


アフリカ
仏軍マリ侵攻の背景にウラン鉱山か  
  先週末からフランス軍がマリ北部に侵攻し、同地を10か月間にわたって占拠しているイスラム原理主義勢力の一掃を目指している。しかし、「デモクラシー・ナウ!」によると、空爆によって市民11人が死亡、その中には子供3人が含まれているという。(2013/01/16)



視覚障害の男女が二人乗りタンデム自転車で米大陸縦断中2
 視覚障害の男女二人組が二人乗りのタンデム自転車で南米のアルゼンチン南端からアラスカを目指して北上中だ。二人の友人であるメキシコシティ在住のフランシスコ・平田さんから二人からのメールと写真を転送していただいた。(村上良太)(2013/01/15)


アフリカ
マリで戦争が始まる  イスラム原理主義勢力をフランス軍が空爆
  フランス誌「ヌーベル・オプセルバトゥール」によると、フランス軍は先週金曜、「テロとの戦い」を理由に、マリ北部を10か月にわたって支配しているイスラム原理主義勢力の南下を阻止すべく侵攻作戦を開始した。13日の日曜、フランス空軍が初めてGaoとKidalを空爆した。国連の安全保障理事会は週明けの14日月曜に会合を開く予定。フランスは先週金曜の夜、安全保障理事会に対してマリ政府の要請で侵攻作戦を行う旨を報告したとされる。(2013/01/14)


アジア
世界のベタ記事から  君が代で「日本を取り戻す」  
  8日付インターナショナルヘラルドトリビューンのベタ記事に<政権党が「日本を取り戻す」ためのステップとして国歌を歌う、(Leader's party sings anthem as step to 'take back Japan')>という見出しの記事が出た。(2013/01/14)


みる・よむ・きく
金原瑞人氏によるMy Favorites ’Franz Kafka ・The Metamorphosis(わが愛するカフカの「変身」) '
 青灯社から、ちょっと面白い試みの本が出ている。翻訳家・金原瑞人氏による、My Favorites ’Franz Kafka ・The Metamorphosis 'なる本だ。これは有名なカフカの「変身」を原文のドイツ語から英訳したものに、金原氏が注をつけた一冊だ。英訳自体はスタンリー・アップルボーム(Stanley Applbaum)氏による。(村上良太)(2013/01/13)


環境
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫 4  Waidy Lee
■Q) アメリカでは週一日、肉を食べない日「ミートレスデイ」を設ける町が増えているという話ですが、どうやって実行しているのですか? A)1980年代にさかのぼりますが当時「ドレスダウンの日」(注:正装しない日、あるいはカジュアル服の日)というのがありました。これには毎日正装している経営陣に対するアンチの意味が込められていました。ドレスダウンの日に多くの人々はTシャツにジーンズ、さらにフリップフロップ(サンダル履き)で仕事をしました。もちろん、これはすべて自発的な行動です。(2013/01/13)



視覚障害の男女が二人乗りタンデム自転車で米大陸縦断中 
  視覚障害の男女が二人乗りのタンデム自転車で米大陸を縦断している。走行距離は16000マイル(25600キロ)、15か国を走ることになる。去年の1月、南米・アルゼンチンの南端からスタートし、18か月かけてアラスカまでたどり着くプランだ。二人は先週末にメキシコを通り、現在さらに北上している。世界の視覚障害者に可能性を示したいという。(2013/01/12)


教育
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫 3
  昨年7月、日刊ベリタでアメリカの大学で導入が進んでいるオンライン教育について紹介した。たとえばシリコンバレー発のCourseraという教育ベンチャー企業が名門大学と提携して、無料の大学講座を今次々と立ち上げているという。今まで2万ドルから6万ドルまで高額の学費を払っていた学生や父兄は無料か、あるいは相当の低額で大学講座を受けられるようになるだろうし、その講座の受講を学位として認めることを検討する大学も出てきているようである。それらオンライン教育について、シリコンバレー在住のウェイディ・リーさんはどう見ているのか、メールで問い合わせてみた。(村上良太)(2013/01/11)


中東
新たな米国防長官とイラン
  アメリカの保守派のシンクタンク、CATO(ケイトーインスティテュート)に籍を置くスティーブ・ハンケ教授(経済学、ジョンズ・ホプキンス大)は「マネードクター(お金の博士)」のニックネームを持っている。そのハンケ教授は最新のニュースレターでこんなことを言っている。(村上良太)(2013/01/11)


みる・よむ・きく
私の乳がんドキュメンタリーの上映会&講演会 「乳がんが教えてくれたこと」   信友直子
 あけましておめでとうございます。今度私の乳がんドキュメンタリーの上映会&講演会をやります。今まで地方を回ってはいたのですが、東京でやるのは初めてなんです。★1月27日(日)14時〜16時★世田谷区玉川区民会館(東急大井町線「等々力」駅徒歩1分)にて。入場無料。(2013/01/06)


環境
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫 2
  前回紹介したシリコンバレーで自家発電の太陽光発電で充電して電気自動車に乗っているウェイディ・リーさんにはもう一つ珍しい生活スタイルがある。ウェイディさんが「ヴィーガン」であることだ。「ヴィーガン」とは菜食主義者(ベジェタリアン)をさらに一歩進めたもので、完全菜食主義者とも呼ばれている。(2012/12/30)


人権/反差別/司法
世界のベタ記事から  カダフィの息子  
  今年10月にいくつかの英字紙に出たベタ記事。昨年の政変で殺されたリビアのカダフィ大佐の次男セイフイスラム氏(現在、リビア南部の都市ゼンタンで収監中)は民主化運動弾圧の容疑(抗議運動者らの殺人と迫害)で昨年、オランダのハーグにあるICC(国際刑事裁判所)から刑事訴追された。一方、リビアは自国でセイフイスラム氏の裁判を行うとセイフイスラム氏のICCへの引き渡しを拒んでいる。ICCでセイフイスラム氏の弁護活動を担当する弁護士の一人、メリンダ・テイラー氏はリビアが裁判を行えば「正義ではなく、復讐が行われる」と反対している。(2012/12/30)


米国
全米自動車労組の草創期を描くドキュメンタリー映画「Brothers on the Line」
  全米自動車労組(UAW)の草創期を築いたReuther3兄弟の一人、Victer Reuther氏の孫がUAWの歴史をつづったドキュメンタリー映画を完成させた。監督はSasha Reuther氏。(2012/12/30)


みる・よむ・きく
木田元著 「わたしの哲学入門」
  哲学者・木田元氏が書いた「わたしの哲学入門」は学生時代にその手の勉強を素通りしてきた私のような輩にはうれしい一冊だ。カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガーの考えがわかりやすく説かれているからだ。木田氏はハイデガーの専門家として特に著名だが、「わたしの哲学入門」の中で、ハイデガーとの距離について語っている。そこがとても興味深いし、木田元という人間をよく物語っているように思われる。(村上良太)(2012/12/29)


環境
シリコンバレー発  地球環境を守る工夫
  シリコンバレー在住の中国系の女性、ウェイディ・リーさんは大学生の子供2人を抱えるシングルマザー。自宅のガレージに日産リーフ、トヨタのRAV4EV(新旧), そしてテスラのモデルSと、なんと合計4台の電気自動車がある。(村上良太)(2012/12/28)


コラム
台北・松山空港の書店で      村上良太
  旅行帰りに空港の書店に立ち寄るのが習慣になっている。今回、用事で台湾に出かけたのだったが、帰りに台北・松山空港で書店を探した。僕が探していたのはサン・テグジュペリ著「星の王子様」の中国語訳だ。(2012/12/23)


欧州
世界のベタ記事から  冬のエーゲ海の死体
  今月17日付アテネ発のベタ記事。エーゲ海でボートが転覆し、18人の死体が回収された。1名の男性が救出された。男性の証言によると、女性や子供らを含む28人がトルコからボートに乗り込み、ギリシアに入ろうと試みたがボートが波でひっくり返ったというのだ。(村上良太)(2012/12/23)


米国
世界のベタ記事から   
  新聞の欄外の小さな扱いの記事はベタ記事と呼ばれる。昨日のインターナショナルヘラルドトリビューンにはマイアミ発のベタ記事が掲載されていた。キューバのグアンタナモ基地に収監されていたイエメン人の遺体がイエメンに移送されたという記事である。亡くなったイエメン人の男性の名前はAdnan Latifであり、9月8日に自殺したとされる。記事によれば死因は薬を過剰に服用したことにある。(村上良太)(2012/12/18)



「モダンノマドの日記」モーリタニアからマリに入る  アンドレイ・モロビッチ
  モーリタニアを南に下ってマリに入った。マリには不穏な空気が流れている。昨日もクーデターめいた騒動があったばかりだ。しかし、素敵で広々とした家を見つけることができた。モーリタニアからマリに入るとき、モーリタニア当局から、この先で何が起きても自己責任であると書類にサインさせられた。実は前日、マリのDiemaでフランス人が誘拐されていたのだ。僕と妻は夜のサバンナを車で走った。視界は悪く、案の定事故を起こしてしまった。(2012/12/18)


人権/反差別/司法
ギリシア 警察と極右政党「黄金の夜明け」の関係とは?
  ユーロ危機の引き金となったギリシアでは移民排斥を唱える極右政党「黄金の夜明け」が今年6月の総選挙で躍進し、18人(ギリシア議会定数は300議席)の国会議員を誕生させた。この「黄金の夜明け」がアテネでは陰で「警察活動」まで担っていると英国紙ガーディアンで報じられている。(2012/12/09)


中東
イスラエルがE1地区にさらなる住宅建設へ  イスラエル紙が報じる
   イスラエルはヨルダン川西岸(ウエストバンク)と東エルサレムに3000戸の新たな住宅を建設する計画を承認したとされる。さらにハーレツ紙によるとE-1コリドールと呼ばれるMa'aleh Adumimから東エルサレムまでの区域にも3400戸の入植計画を検討している模様。この区域にイスラエルが家を建て増すと、ヨルダン川西岸地区が南北に分断されることになる。これはパレスチナ国家建設にとっては障壁となる。(2012/12/06)


欧州
スペインの漫画から 
  エル・パイスには何人かの常連漫画家がいて、基本的に1コマ漫画である。その一人、エル・ロトの漫画は独特のタッチを持っているのだが、前回はカタルーニャ州の独立問題を扱っていた。今日、再びエル・パイスのウェブサイトを覗いてみた。エル・ロトは再び不思議な漫画を描いている。キャプションはない。(2012/12/03)


コラム
パリジェンヌの日記(Le journal d'une Parisienne)2 「狂気のバーゲンセール」 ヴィルジニー・ブリエン
  あぁ、パリの11月ったら! 枯葉が地に落ちていく。それに住民税・・・・。でも、一段とすごいのは大安売りの月だということ。パリのファッション店では服の大安売りが始まるのだ。まさに狂気と言っていいバーゲンセール。(2012/12/02)


文化
世界が見た韓国版ラップ「ガンナムスタイル」 渦巻く賛否両論
  韓国人のラッパー、PSYによる「ガンナム(江南)スタイル」という映像がユーチューブにアップされ、10億アクセスに迫る勢いになっている。世界中でパロディ版が生まれているほか、PSY自身も歌手・女優のマドンナと共演したりしている。「ガンナムスタイル」に対する世界の反応は賛否両論だった。(2012/12/01)


コラム
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 番外編」 アンドレイ・モロビッチ
  北アフリカのサハラ周辺をさすらっていたスロベニアの作家アンドレイ・モロビッチさんから久しぶりの連絡が届いた。(2012/11/30)


みる・よむ・きく
「ザ・フェデラリスト」(ハミルトン、ジェイ、マディソン)  アメリカ政治思想上の第一の古典
  岩波文庫から出ている「ザ・フェデラリスト」はアメリカ政治思想上の第一の古典と銘打たれている。アメリカ政治のテキストとしてはアメリカ合衆国憲法なども同じ岩波書店から出ている。しかし、「ザ・フェデラリスト」の面白さは米国の政治がどのように形成されたか、その歴史が刻まれており、その考え方が形成過程の議論から読めるところにある。それもそのはず、「ザ・フェデラリスト」はもともと3人の政治家による85の短い論文集であり、これらが書かれたのはアメリカ連邦政府をどう形成するか、特に合衆国憲法をどのようなものにすべきかを13の国家で検討していた時期だからである。(2012/11/25)


アジア
韓国のラップ’ガンナムスタイル’がユーチューブで大ヒット 8億ヒットを超える
  韓国のPSY(サイ)と呼ばれるラッパーがユーチューブ上で人気沸騰している。風変わりな乗馬スタイルでコミカルなダンスを披露している。ユーチューブでは億単位のヒットを記録している。(2012/11/25)


欧州
スペインの漫画から〜スペイン経済危機・カタルーニャ州は独立するのか?〜
 スペイン紙「エル・パイス」では常連漫画家のエル・ロト(EL ROTO)が不思議な漫画を描いている。赤い帽子をかぶった男がタバコをふかしながら暗い窓の外をぼんやり眺めている。(2012/11/23)


中東
NYT社説から 「ハマスにも問題あり」
  ニューヨークタイムズでもガザのイスラエルによる攻撃を連日報じているが、「ハマスにも問題あり’Hamas's illegitimacy'」と題する社説を水曜に出している。ガザ攻撃の責任はイスラエルだけでなく、ハマス側にもあったのではないか、とする主旨である。(2012/11/23)


中東
ガザの砲撃現場 エル・パイスの映像から 死者の4割が女性と子供
  スペインの新聞、エル・パイスの国際面ではイスラエル軍による砲撃を受けたガザのビルが映し出されている。イスラエル軍はガザの地元テレビ局を2度にわたって砲撃したという。(2012/11/20)


中東
イスラエルの攻撃でガザで少なくとも95人が死亡 700人以上が負傷
 「デモクラシー・ナウ!」によると、ガザでこれまで95人が死亡、700人以上が負傷した。Palestinian Center for Human Rights in Gaza の弁護士であるRaji Sourani氏が現地から報告をしている。空爆後の現地状況の映像もある。(2012/11/20)


中東
「逃げる場所がないガザの住民」デモクラシー・ナウが報じるイスラエルの攻撃
  デモクラシー・ナウによると、イスラエルのガザ空襲で、21人が少なくとも死亡した模様(16日現在)。さらにイスラエルは3万人の予備役を招集し始め、パレスチナ側との戦闘に備えているとも言われる。イスラエルの戦車や装甲車はガザとの境に集結しつつあるという。(2012/11/18)


米国
パネッタ国防長官がカンボジア入り 中国封じ込めを狙って軍事提携を周辺地域で次々と進める
  第二期目に入ろうとするオバマ大統領は今、アジアツアーを企画しており、今週月曜と火曜はカンボジア入りする。それに先立って国防長官のレオン・E・パネッタ氏がカンボジア入りし、国防大臣のTea Banh氏と会談した。ニューヨークタイムズによる。カンボジアは元来、中国とつながりが深かったが、現在、カンボジア軍はテロとの戦いの名目で米軍による訓練を受けている。(2012/11/18)


科学
「渚に戻るべからず」  ハリケーンに襲われた渚は近い将来また襲われる
  ニューヨークタイムズの論説欄にハリケーン・サンディの惨状を巡って地球・海洋科学者オリン・H・ピルキイ、デューク大学名誉教授が寄稿した。ピルキイ教授はハリケーンに襲われたニューヨーク州およびニュージャージー州の渚の家々はもう再建せず、内陸に撤退した方がよいと説得している。(2012/11/17)


文化
日本に関心を持つ売れっ子イラストレーター、ノーラ・クリューク(Nora Krug)  村上良太 
  作家デイブ・エガーズが編集したアメリカの短編小説を集めたアンソロジー「The Best American Nonrequired Reading 2012」の中に2篇の味わい深い漫画が収められていたことについては先日書いたばかりだ。その1篇はノーラ・クリューク(Nora Krug)による「kamikaze」という作品だった。これは第二次大戦中の神風特攻隊の隊員を描いた作品である。独特のタッチであるだけでなく、デフォルメされているとはいえ、日本の日常がかなりリアルに描かれていた。こうした日本の歴史がアメリカのアンソロジーに登場していることに僕は驚いた。この本を買ったのはデトロイト空港内の書店で、成田空港に向かう飛行機の中で読んだ。(2012/11/13)


米国
米マサチューセッツ州 医師による尊厳死法案は否決される
  11月6日、大統領選挙の投票日に、マサチューセッツ州では医師による安楽死を合法化するかどうかの投票も行われた。これは病気が進行して、治療が望めないケースに限っている。法案名は’Death with Dignity initiative((尊厳死)'。(2012/11/12)


みる・よむ・きく
デイブ・エガーズ著「ザイトゥーン」   村上良太
  エガーズは編集者としても知られており、今売出し中の「Then Best American Nonrequired Reading 2012」も編集している。この本は短編の佳作を集めたものだが、漫画も二編掲載されている。その一つは「Kamikaze」と題されたNora Krugの漫画である。(2012/11/12)


検証・メディア
ル・モンド紙の横顔〜「ル・モンド」20年の変遷〜ル・モンド・ディプロマティークの掲載記事から
  かねてからフランスのメディアは面白くないと言われるのをしばしば耳にしてきた。サルコジ(元)大統領が金の力を駆使して、メディアをコントロールしているからだと言われていた。ル・モンド系の総合雑誌「ディプロマティーク」にセルジュ・アリミ総編集長が同紙の体質について書いている。これは日本語のウェブサイトで和訳を読むことができる。(村上良太)(2012/11/04)


検証・メディア
NYTがオバマ大統領再選を推す
  ニューヨークタイムズ紙が2012年の大統領選でオバマ大統領の支持を打ち出した。そのウェブサイトには代々、ニューヨークタイムズ紙が大統領選挙の年に推してきた候補者の肖像が並べられている。これを見れば近年、ニューヨークタイムズは基本的に民主党支持なのだということがわかる。だが、共和党候補者を推す年もあった。(2012/10/29)


コラム
チリのドキュメンタリー番組を見て   村上良太
  シカゴ近郊の町に泊まった時、アメリカの公共テレビ局PBSで風変わりなドキュメンタリー番組を見た。スイッチをつけた時は番組がすでに途中だったのだが、つい時間を忘れてみていた。60代くらいの女性が砂漠に立っている。彼女が語っているのは遺体の発掘について。亡くなったのは彼女の兄弟らしい。いや、亡くなったのではなく、殺されたのだ。しかも集団で殺され、この砂漠に埋められたらしい。(2012/10/27)


みる・よむ・きく
カダフィの死を描いた3枚の絵画     
  カダフィの死体を描いた3つの絵画がエル・パイスで紹介されている。いずれもいたいたしい最期である。1つは「ユビュ王〜カダフィの頭〜」と銘打たれている。ユビュ王とはフランス世紀末に活躍した前衛作家アルフレッド・ジャリの戯曲の主人公である。(2012/10/15)


人権/反差別/司法
東京パブリック法律事務所 三田に外国人専門支所を開設
  東京弁護士会による公設の法律事務所、東京パブリック法律事務所が東京・三田に外国人・国際部門の法律事務所(支所)を開設予定。10月15日(月)がその予定日だ。 (2012/10/14)


社会
医師が手助けする安楽死を認めるか 11月6日の投票〜米マサチューセッツ州〜
  米マサチューセッツ州で、終末期医療で医師が安楽死を手助けすることを合法化すべきかどうか投票が行われる。死が避けられない患者により早く、より苦しみが少なく死ねる薬品を与えるかどうか。もちろん、患者本人が希望する場合においてのみである。(2012/10/14)


みる・よむ・きく
山形県の農民詩人・木村迪夫さんの映画実現に向けて   原村政樹
3年前から映画化を構想して参りました、山形県の農民詩人・木村迪夫さんの映画実現に向けて、山形国際ドキュメンタリー映画祭の関係者の方々が支援会を立ち上げてくださり、明日、10月13日に山形市で総会を開いてくださることになりました。(2012/10/12)


みる・よむ・きく
ジェームズ・サーバーの復刻を望む   村上良太
  最近書店でジェームズ・サーバー(James Thurber,1894−1961)の短篇集「傍迷惑な人々」(光文社)を見かけた。サーバーは雑誌ニューヨーカーで活躍したユーモア作家であり、漫画家でもある。サーバーが光文社から改めて出版されたことは嬉しいニュースである。(2012/10/11)


米国
NYTより 9月の全米雇用統計を巡って議論が・・・
  ニューヨークタイムズ(10月8日版)に9月のアメリカの雇用統計に関する社説が掲載された。'Better News on Jobs'と題するものだ。社説によると、8月の統計で失業率8.1%だったのが9月の統計では7.8%に下がった。ちなみに昨年暮れは9%台だった。この減少を巡って現在、大統領選たけなわの中、共和党がデータの操作だと攻撃しているようである。(2012/10/08)


欧州
巨匠ダリとCM    
  シュールレアリスムの巨匠ダリ(Salvador Dali, 1904-1989)には様々な逸話がある。頭の上にフランスパンを載せるといった奇行は日常茶飯事だったようだ。ダリはCMでもダリにしかできない味を出している。それはダリでしか作れないCMなのだ。(2012/10/08)


みる・よむ・きく
瀬川正仁著「教育の豊かさ 学校のチカラ」(岩波書店)
  ドキュメンタリー番組のディレクター、瀬川正仁さんが岩波書店の「世界」に1年間連載した「教育のチカラ」がこの夏、まとめられて一冊の本になった。書名は「教育の豊かさ 学校のチカラ〜分かち合いの教室へ〜」だ。瀬川さんは映像の専門学校で学生に教える傍ら、興味を持った各地の学校に出かけてこのルポを書き続けた。日刊ベリタにも、連載が始まる直前に寄稿していただいたことがあった。(2012/10/07)


欧州
スペインの漫画から 
  スペインの新聞、エル・パイスでは今日も不況を悲しむ漫画が描かれている。漫画家は常連のErlich。(2012/10/07)


コラム
ベシュレル〜フランスの動詞活用テキスト〜をもらって  村上良太
  最近ネットで、ベシュレル(Bescherelle)というフランス語の動詞活用テキストがいいという情報をいくつか見た。そこでNHKの国際放送を担当しているフランス人の友人に尋ねてみると「ベシュレルなら持っているから、差し上げますよ。少し古い版ですが」という答えが返ってきた。(2012/10/06)


みる・よむ・きく
マーティン・シャーマン作「ローズ」公演 
  米劇作家マーティン・シャーマンによる一人芝居「ローズ」が来月東京で上演される。女性ローズを演じるのは東京演劇アンサンブルの女優、志賀澤子氏。今回は同劇団ではなく、プライベートユニットを結成しての舞台となる。80歳の女性、ローズが木製のベンチに座って激動の人生を回顧する。(村上良太)(2012/10/06)


コラム
地下鉄と空き缶   村上良太
  都心の地下鉄構内の自販機で缶飲料を買ったものの、ごみ缶容器の口が段ボールの一片で閉ざされていた。段ボール紙の上にはIMF・世界銀行の年次総会が開かれるため特別警戒中だと説明が書かれていた。(2012/10/05)


中東
アラファトの検死 妻が依頼 毒殺の可能性も浮上
  8年前のアラファトの死に不審を抱いた妻のスーハさんが検死を希望していたが、現在、その作業が行われている。アルジャジーラがアラファトがポロニウムを使って毒殺された可能性があるとする記事を出したとニューヨークタイムズは伝えている。’Al Jazeera Says Arafat Might Have Been Poisoned’猛毒のポロニウムがアラファトの下着などに付着していたというものである。(2012/10/04)


みる・よむ・きく
NHKBSプレミアム「邦画を彩った女優たち〜闘う女優 寺島しのぶの告白〜」
  「日本の女優として35年ぶりにベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した寺島しのぶさんに、そこに至るまでの話を、プライベートも含めてうかがった。」(上田未生 プロデューサー)(2012/10/03)


みる・よむ・きく
郡史郎著「はじめてのイタリア語」(講談社現代新書)
  講談社現代新書の語学シリーズは電車の中で繰り返し読むのに最適だといつも感じさせられる。適度にくだけて読みやすくできているが、その傍ら文法の基本をしっかりおさえている。郡史郎著「はじめてのイタリア語」も肩の力を抜いて気楽にひもとくことができる。本書で特に面白かったのは終わりの方に、豆知識として「こんなことば、あんな由来」という章が設けているところだ。(村上良太)(2012/10/03)


コラム
パリジェンヌの日記(Le journal d'une Parisienne) ヴィルジニー・ブリエン
  8月のパリはとにかく閑散として、物静かだと言われている。住民がこぞってパリをあとにするからだと。でも、それは単なる伝説?それとも現実?確かに8月のパリは普段だったら人が歩いている歩道が空っぽ。交通量も少ない。地下鉄はラッシュが解消、人々のテンポもスローになる。商店も企業も閉まっているようだ・・・つまり、8月のパリが閑散としているというのは伝説ではない。だけど、たとえ現実であったとしてもだんだん真実ではなくなりつつある。(2012/10/02)


みる・よむ・きく
チェーホフ作「かもめ」(沼野充義訳)
  集英社文庫から沼野充義訳「かもめ」(アントン・チェーホフ作)が出た。長年、「かもめ」と言えば神西清(1903-1957) (2012/09/23)


人権/反差別/司法
モロッコによる西サハラ住民の弾圧 2010年11月
 2010年11月、モロッコの占領に抗議していた西サハラ住民およそ2万人に対して、モロッコ軍が急襲して弾圧した。モロッコは西サハラ住民の活動家100人以上を逮捕し、軍事法廷にかけるとした。(2012/09/15)


米国
駐リビア米大使殺戮事件に対する言説でロムニー米大統領候補への非難が高まる
 11日、米大使ら4人がリビアのベンガジにある領事館で殺された事件につき、ロムニー大統領候補(共和党)が語ったとされる言説について新聞などで批判が高まっている。(2012/09/15)


米国
米海軍特殊部隊 NAVY SEALs〜リビアの米領事館で2名殺害される〜
  イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜したために中東各国の米大使館前で抗議が起きている。リビアのベンガジの米領事館でアメリカ人4人が殺されているが、そのうち2人は海軍特殊部隊NAVY Sealsの兵士だったとされる。NAVY Sealsに関して、時事ドットコムが多数の写真入りでその活動について説明している。(2012/09/14)


みる・よむ・きく
『NAKED FASHION -ファッションで世界を変える- おしゃれなエコのハローワーク』
  ファッションを軸に世界の貧困問題を解決しようとフェアトレードを行っている ピープル・ツリー。その代表サフィア・ミニー氏が書き下ろした最新著書『NAKED FASHION -ファッションで世界を変える- おしゃれなエコのハローワーク』が10月1日(月)に発売となる。内容はこれまでのファッション界のビジネスモデルの検証と改革のようだ。(2012/09/10)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 12」 アンドレイ・モロビッチ
  イブラヒム・ディアロは使命感を持ち、先の見通せる男だ。彼の眼は、というか実際には体全体が、彼が話を始めると光を放ち始める。そしてまた沈黙した時もそうなのである。ずっと以前、イブラヒムは教師をしていた。多くのことを目撃し、さらに多くのことを耳にした。トゥアレグ族の反乱があり、IMFが訪れ、世界銀行が続き、ニジェールの経済活性化をめぐって様々な方策が行われた。(2012/09/09)


みる・よむ・きく
桜井啓子著「シーア派」(中公新書)  村上良太
  今、世界の新聞を読んでいるとシーア派という言葉が頻出している。シーア派はイスラム教の二大勢力の1つで、今シーア派が扱われるのは主流派を占めるスンニ派(スンナ派)との確執においてである。具体的にはシリア情勢を巡ってだ。シリアはアラウィ派が政権を握っている。アラウィ派はシーア派に近いとされる。中東でシーア派が多数派を占める国にはたとえばイランとイラクがある。著者の桜井啓子氏はイランの専門家である。(2012/09/08)


コラム
空港の書店で目にした一冊〜ノンフィクション’ZEITOUN’〜全米図書賞受賞作  村上良太
 アメリカのダラス国際空港の書店で目についたのが「ZEITOUN」というタイトルの本だった。表紙は洪水の町をカヌーを漕ぐ髭面の男のイラストである。このイラストのタッチが気に入った。(2012/09/07)


中東
外紙で読むシリア情報   村上良太
  9月5日付のIHT(インターナショナルヘラルドトリビューン)には「Yearning for home and sectarian revenge」と題する記事が掲載された。シリアからヨルダンに避難した子供たちがすでに宗教の違いによる憎しみを胸に刻み、いつか報復してやりたいと思う様が書かれていた。具体的にはスンニ派の子供がアラウィ派とシーア派に敵意をみなぎらせている姿だ。(2012/09/06)


農と食
ドキュメンタリー映画製作中〜福島県天栄村農民と東京で懇談する会〜
ドキュメンタリー映画監督の原村政樹さんから。「今私が制作中の放射能汚染ゼロに挑戦する福島県天栄村農家の映画の関係者と東京で懇談する会が8日にあります。お時間があればお越しください。 9月8日(土)17時〜19時 ●場所:アサンテサーナカフェ:目黒区三田2丁目7ー10 セントラル目黒1F 」(2012/09/06)


文化
テレビを見る   信友直子
  NHKのドキュメンタリーで久々に号泣しました!これを書いてる今もまだ胸がいっぱい。。。「我は勇みて行かん〜松本幸四郎“ラ・マンチャの男”に夢を追って〜」先日1200回公演を突破したミュージカル「ラ・マンチャの男」に挑み続ける松本幸四郎さんを追った作品です。(信友直子 TVドキュメンタリーディレクター)(2012/09/03)


中東
シリア情勢 「アルカイダがヒズボラと闘争」イスラエル紙が報じる
 シリア情勢がひどく複雑化しているらしいことはニューヨークタイムズの論説欄で指摘されており、日刊ベリタでもすでに紹介済みである。イスラエルの新聞ハーレッツ(Haaretz)はそれを裏付ける記事を掲載したばかりである。アルカイダグループがシリア政府を支援しているレバノンのシーア派武装組織ヒズボラに対して、シリアを舞台に武装闘争をしかけているらしいことだ。(村上良太)(2012/09/02)


みる・よむ・きく
映画「米の放射能汚染ゼロへの挑戦」〜明日須賀川で先行試写〜
  原発事故後、農業再生に全力をあげる福島の農民を取材中の原村政樹監督から。明日9月2日(日)16時20分より、福島県須賀川市の須賀川市文化センターで開催される「すかがわ国際短編映画祭」で「米の放射能汚染ゼロへの挑戦」が上映されます。(2012/09/01)


みる・よむ・きく
「90億人の食糧問題」(ジュリアン・クリブ著 シーエムシー出版)
   人口は70億人を突破した。10年強で10億人ずつ増えている。私が小学生の頃は約40億人だった。2050年には93億人になると国連人口基金は予測している。だがその一方で農地の拡大はすでに頭打ちになりつつある。だから今安価でいつでも入手できると思っている海外からの輸入食糧もいずれは入手が困難になるだろう。オーストラリアの科学ジャーナリスト、ジュリアン・クリブ著’The Coming Famine'(飢饉がやってくる)は邦題「90億人の食糧問題」として出版されている。副題は「世界的飢饉を回避するために」。本書の中でクリブ氏は90億人時代を賢く生きのびるための「食事」を提案している。(村上良太)(2012/09/01)


みる・よむ・きく
「アフガニスタン 干ばつの大地に用水路を拓く」
  アフガニスタンで取材活動を続ける谷津賢二さんから。ペシャワール会の中村哲医師らが取り組んできた用水路敷設事業を新たにDVDにまとめたという。タイトルは「アフガニスタン 干ばつの大地に用水路を拓く」。副題には「治水事業 7年の記録」とある。武力頼みの米国のオバマ政権とは違った日本人ならではの取り組みと言えよう。(村上良太)(2012/08/31)


みる・よむ・きく
伊藤太吾著「フランス語・イタリア語・スペイン語が同時に学べる単語集」
  伊藤太吾著「フランス語・イタリア語・スペイン語が<同時に>学べる単語集」(ナツメ社)を買った。これは「フランス語・イタリア語・スペイン語が<同時に>学べる本」の姉妹編に当たるものだ。「・・・<同時に>学べる本」が最初に出た時、帯に書かれた「一石三鳥は語学では可能です」というフレーズを見て、強いインパクトを感じないではいられなかった。その姉妹編が出版されたということは一定部数売れたからだろう。(村上良太)(2012/08/31)


欧州
フランスのロマ(ジプシー) 次々と追い立てられる
 ハフィントンポスト仏版は8月30日、さらにフランスでキャンプを撤去させられているロマ(ジプシー)の続報を出している。見出しは「Creteilの64人のロマのキャンプが撤去させられる」先日のEvryに続く行政措置である。マルセイユではおよそ100人のロマが追い立てを食ったとされる。記事によればCreteilのロマ達は12日間ホテルに滞在することができる。費用はサミュソシアル(SAMU Social)という慈善団体が支払うようだ。この団体は路上生活者を支援する慈善団体のようだ。(村上良太)(2012/08/30)


みる・よむ・きく
エマニュエル・トッド著「自由貿易は民主主義を滅ぼす」
  欧州はユーロ危機で新車の販売も落ち込み、世界の自動車メーカーの欧州事業は打撃を受けている。失業率も高まり、失業手当で食いつないでいる人たちには新車を買う余裕はなかろう。そして欧州需要の落ち込みが中国など途上国の製造業や日米など先進国の製造業にも暗雲を投げかけている。こうして先進国での需要の落ち込みがやがては途上国にとってもダメージとなっていく。(村上良太)(2012/08/28)


中東
自由シリア軍が地対空ミサイルを入手 政府軍ヘリを撃ち落とす
  読売新聞オンライン版によると、8月27日、シリアで政府軍と戦闘を続けている自由シリア軍は地対空ミサイルで政府軍のヘリを撃墜したという。場所は首都のダマスカスで、地対空ミサイルの入手経路は不明だ。(2012/08/28)


欧州
パリ近郊でロマ(ジプシー)がキャンプを撤収させられる
 27日付、ハフィントンポスト仏版記事によると、パリ近郊(南部)のEvryにキャンプを設営して生活していたロマ(ジプシー)72人がEvry市当局によって追い立てられた。彼らは公共鉄道RERの駅前にキャンプを設営していた。同記事の中で、前Evry市長で社会党の内務大臣マニュエル・バル氏がEurope1で同措置の正当性を語っている。子供や未成年が多く、そのままでは犯罪組織に取り込まれていく恐れもあり、どこかに住まいを見つけるとしても同じ場所は考えられないという。(村上良太)(2012/08/27)


福島から
福島のサイレントスプリング 
  フランスのルモンドに福島の蝶に奇形が一定以上生じているというレポートが写真入りで掲載されている。アンテナが折れ曲がっていたり、羽が余分についていたり、羽の模様が変わっていたり、目に異変が生じていたりといったケースがあるという。(2012/08/27)


みる・よむ・きく
エマニュエル・トッド著「アラブ革命はなぜ起きたか〜デモグラフィーとデモクラシー〜」
  フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)著「アラブ革命はなぜ起きたか」は「アラブの春」に対するクールな視点を提供している。トッド氏はジャーナリストや政治学者とは違った視点で事態を見ているが、それは人口動態から見ることである。どの社会も識字率が50%を超える頃、社会変動が起きる確率が高いという。(2012/08/26)


市民活動
重重 中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち 安世鴻写真展
  重重プロジェクト・安世鴻 日本軍「慰安婦」写真展実行委員会事務局の李史織です。6月26日に新宿ニコンサロンでは、皆さまの応援を受けながら、安世鴻は「仮」に写真展を開催することができました。しかし、ニコンによる様々な規制があり、ご来場者の方々の様々なご要望にほとんどお応えできませんでした。この度、練馬区を中心に東京都内に暮らす方たちが、この事態に深くこころを痛め、作品を落ち着いて観ながら、安世鴻と一緒に語り合う場をつくりたいと今回の『重重』市民でつくる写真展in練馬実行委員会を立ち上げてくださり、重重プロジェクトと共に写真展を企画することになりました。(2012/08/26)


みる・よむ・きく
「我は勇みて行かん」〜松本幸四郎「ラ・マンチャの男」に夢を追って〜 
テレビディレクターの李憲彦さんから。「ドキュメンタリー番組のお知らせです。歌舞伎とミュージカルの両方に取り組む松本幸四郎さんの人生をミュージカル「ラ・マンチャの男」の制作過程と共に描きました。ご高覧いただければ幸いです。」(2012/08/25)


中東
シリアの内戦がレバノンに拡大する恐れ
  シリアの政府軍と反政府勢力との闘争は隣国レバノンに転移し、誘拐事件を頻発させているようだ。ニューヨークタイムズの「Assad suspected of stoking fire in Lebanon(アサドがレバノンに戦火を拡大させようとしている可能性がある」)とする見出し記事では、シリア国内で政府軍に近いシーア派と、反政府軍に近いスンニ派が抗争をしていることが描かれている。(村上良太)(2012/08/24)


社会
「おみすてになるのですか」上映会〜空襲被災者の声〜
  8月30日、午後4時半から衆議院第一議員会館の多目的ホールで「おみすてになるのですか」を上映予定。名古屋から96歳の被災者・杉山千佐子さんも訪れます。(2012/08/16)


米国
「シリア政府・軍幹部らに寝返りを呼びかけ」
  ルモンド紙によると、米国はシリア政府・軍の幹部らに寝返りを呼びかけている。シリアの首相だったRyad Hijab氏がアサド政権に見切りをつけて亡命したケースに続けという趣旨のようだ。ルモンドによれば、その呼びかけを行ったのは米財務省のデビッド・コーエン氏である。元首相のRyad Hijab氏はシリア政府に離反するまで米政府のブラックリストに載っていたが、亡命したことで個人的な預金封鎖の懲罰も免除されるらしい。他の幹部たちにも今寝返れば懲罰を免除するとする内容のようだ。(2012/08/15)


欧州
スペインの漫画から
スペインの漫画から。エル・パイス紙の常連漫画家Elrichは天国にやってきた人間を描いている。黒メガネの人間が大きく手を広げて「ついに昇天したわ。テキーラはどこ?」と言っている。(2012/08/07)


コラム
アンドレイ・モロビッチさん    村上良太
  モロビッチさんと会ったのは後にも先にも、この時の10分ほどのことである。食事を済ませて先に席を立つ時、モロビッチさんのメールアドレスと名前を手帳に書き込んでいただいた。その時点で、モロビッチさんがどんな「記者」なのか皆目見当もつかなかった。そればかりか、スロベニアがどこに位置するかさえ知らなかったのだ。(2012/08/04)


文化
フランスからの手紙28 〜マリの悲劇  La tragédie du Nord Mali〜パスカル・バレジカ
6月の末、ニジェールのマハマドゥ・イスフ大統領はパリの「日曜新聞」に「マリはアフリカにおけるアフガニスタンになろうとしている。リビアが巨大な武器庫となっており、様々な武器の密売人がそこから武器を仕入れていくのだ。そしてリビア南部はマリのジハーディストたちの後方基地になっている」と語った。実際、NATOがリビアに軍事介入した後、大量の高性能かつ最新兵器が捨てられ、それらのかなりの量はイスラム原理主義グループのアキム(AQMI)によってサハラに持ち運ばれた。(2012/07/31)


検証・メディア
ジャーアリスト、アレクサンダー・コックバーン氏、死去
  ジャーナリストのアレクサンダー・コックバーン(Alexander Cockburn)氏が7月21日に癌で亡くなった。鋭いメディア批評でも知られたとされる。生まれはスコットランドで、オックスフォード大学を卒業。1973年からはアメリカに居を移し、ビレッジボイス、ハーパーズマガジン、アトランティック、ウォールストリートジャーナルなどに寄稿した。近年はカリフォルニア発の政治ニュースレター「カウンターパンチ」編集長として批判精神に富む草の根ジャーナリズムを実行していた。(村上良太)(2012/07/29)


医療/健康
エイズ完治者第一号か  ドイツの元患者が語る
 「デモクラシー・ナウ!」でエイズ完治第一号と思われる元患者が語っている。ティモシー・レイ・ブラウン氏は1995年にエイズ感染と診断された。その後、白血病にも襲われたが、ドイツでその両方の治療に成功した。30年前にエイズが登場してから世界で最初の完治者と考えられている。(2012/07/29)


アフリカ
現代の遊牧民「モダン・ノマドの日記11」  アンドレイ・モロビッチ
  マリアムの夫もまたニジェールのアルリット(Arlit)のウラン鉱山で働いていた。今は政治家である。暑さは政治にはよくないし、政治は人生にはよくない。政治は人生を破壊するからだ。マリアムもまた政界に立候補したことがある。彼女は選挙で選ばれたのだったが、クーデターによって自治は失われ、マリアムの政治家としての人生もまた終止符を打った。(2012/07/28)


アフリカ
断食の月〜ラマダン〜にある国から  村上良太
  イスラム教徒は1年のうち、1か月間、断食の月〜ラマダン〜を過ごす。断食と言っても飲食が禁じられているのは日の出から日没までの間で、日が暮れると飲食してもよいとされる。イスラム暦の関係でラマダンの月は西暦とずれが出るが、今年は7月20日から8月19日頃まで。アルジェリアの首都アルジェに住むイスラム教徒の女性から、今、過ごしているラマダンについてのレポートが届いた。(2012/07/28)


農と食
放射能汚染に苦しむ福島の農家を支援する長編記録映画〜現在、制作中〜  原村政樹
私たちは2009年から福島県天栄村の「天栄米栽培研究会」という農家グループの活動を撮影しています。2010年1月には、NHK・ETV特集「よみがえれ 里山の米作り」で一部が紹介されました。彼らは日本一の米の美味しさを競う「全国米・食味鑑定分析コンクール」で4年連続金賞を受賞、また、耕作放棄田を再生するなど、村の環境を守ってきました。原発事故で田畑は放射能汚染されましたが、国や県には頼らず自分たちの力で、「米への放射能汚染ゼロ」への挑戦を始めました。世界初の試みです。(ドキュメンタリー映画監督・ディレクター 原村政樹)(2012/07/22)


米国
米大学に導入され始めたオンライン教育〜アメリカの報道から〜  
  オンライン教育がついにアメリカの名門大学でも導入され始めた、ということでその是非をめぐる議論もまた活発になっているようだ。オンライン教育とはインターネットを活用して行う教育のことである。7月17日にニューヨークタイムズに掲載された ’Top Universities Test the Online Appeal of Free’と題する記事は今、米教育界で何が起きているかが書かれている。Courseraという教育ベンチャー企業が名門大学と提携して、無料の大学講座を立ち上げているというのだ。(2012/07/22)


米国
ローンが払えず家を失う米高齢者たち 150万人の行方
  ニューヨークタイムズ(7月19日)に、住宅ローンが払えなくなった中高年が増加しており、50歳以上で家を失った米国人は2007年から2011年までで150万人に上ると報じられた。中でも最もその率が高いのは75歳以上の年齢層だとされる。(2012/07/21)


米国
米ノースラスベガス市が財政危機に
  米西部のネバダ州にあるノースラスベガス市が財政危機に直面し、女性市長Shari Buck氏(共和党)は’Fiscal State of Emergency’を宣言した。警察官や消防署員など、公務員をこれ以上解雇しないためには、給与のベースアップの凍結や残業手当の凍結など一連の行動を取る必要があるという。(村上良太)(2012/07/21)


コラム
アンコールワットと密林の猿たち
  19世紀半ば、フランスのナチュラリストで探検家のアンリ・ムオ(Henri Mouhot)はインドシナを旅している途中、密林の中に東洋の秘境アンコール・ワットを発見した。ムオはその時の探検の記録を残している。ナチュラリストだったというだけあって、ムオの探検記には動物たちの興味深い姿も描かれている。中でも目を引くのは密林の猿たちである。(村上良太)(2012/07/10)


コラム
動いてみないとわからない   村上良太
  外国に取材に行けるようになったのは僕の場合はもっぱら9・11同時多発テロ事件以後だ。それまでの数年は外国取材が減少しており、外国取材をもっぱらとする番組枠のスタッフでなかったら難しかった。それがテロ事件をきっかけに海外の動向が戦争を含めて再びニュースに取り上げられるようになった。だが、外国取材の経験が不足していると、初めて行く土地土地で勘違いや誤解、自分の無知を思い知ることになる。(村上良太)(2012/07/08)


みる・よむ・きく
瀬川正仁著「アジアの辺境に学ぶ幸福の質」(亜紀書房)
  瀬川正仁著「アジアの辺境に学ぶ幸福の質」はテレビドキュメンタリーディレクターの瀬川氏がこれまでアジアの辺境を数多く旅して報じてきた経験から、日本人の幸福を考えた本である。瀬川氏がこれまで旅した地はタイ、インド、ミャンマー、パレスチナ、インドネシアなど。圧倒的に途上国が多い。本書ではそれらが地域別に記述されるのではなく、テーマ別に書かれている。〇間について△金について仕事についてゅについてヌ燭砲弔い董最後に「辺境の民とは私達のことだった」と気づくことになる。(2012/07/08)


文化
フランスからの手紙27 〜ポルトガル人がアンゴラに移民〜L’émigration portugaise en Angola  パスカル・バレジカ
これまで移民の流れはそれが合法であれ、非合法であれ、アフリカから欧州に向かうものだった。しかし、ポルトガル、スペイン、ギリシアのいわゆる「南欧」が直面している深刻な不況を前に、これまでと異なる事態が生じており、非合法に欧州からアフリカに向かう流れが生じている。(2012/07/08)


人権/反差別/司法
池袋の法律駆け込み寺から〜東京パブリック法律事務所・外国人部門ニュースレター〜
   外国人の司法アクセス障害を解消することを目標に取り組んできた当事務所外国人部門ですが、今秋、品川近辺に新たな外国人法的支援の拠点となるべく、当事務所の支所を開設する運びとなりました。(2012/07/05)


アフリカ
トゥンブクトゥの霊廟が破壊される  マリの紛争  
  ニューヨークタイムズによると、マリ北部を占拠している分離独立派のイスラム原理主義勢力が先週土曜からユネスコの世界遺産に指定されている霊廟を破壊し始めた。このグループはAnsar Dineと名乗る勢力である。(2012/07/03)


アフリカ
現代の遊牧民「モダン・ノマドの日記10」  アンドレイ・モロビッチ
  アバイエ・マハマドゥはニジェールのアガデス州の教育局で働いている。アバイエは洗練された紳士であり、古いタイプのインテリだ。つまり、ネグリチュード運動の集会からすぐにやってきたような人物なのである。アバイエが教育の仕事に携わるようになったのは活動家時代の活動を通じてであった。だが、彼の職務は不条理とも言えるほど膨大にあり、たとえ創造主であっても絶望するほどだ。ともかく、教育分野は底なしに遅れている。(2012/07/01)


文化
フランスからの手紙26  あのキプロスが欧州連合理事会の議長国となる・・・Chypre va présider l’Union Européenne… パスカル・バレジカ
  2012年7月1日からキプロスは欧州連合理事会の議長国をつとめることになる。これは欧州連合の機能の一つである。半年ごとに、加盟国の1つが欧州連合理事会の議長国となるのだ。キプロスも27加盟国の公式の1国である。しかし、キプロスは通常の国ではない。そしてキプロスが投げかけるのは政治問題だけではない。経済問題や地政学的な問題をも投げかけているのだ。(2012/06/30)


米国
オバマ大統領の医療保険改革法と最高裁 2 
  ところで今更ではあるが「オバマケア(Obama Care)」とはなんだったのか?アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」によると「オバマケア」(オバマ大統領の医療改革法」)は’Affordable Care Act’と呼ばれており、その骨子は次のようなものだ。(2012/06/30)


米国
オバマケアを米最高裁が合憲と判断   
 オバマ大統領が進めた医療保険改革法を最高裁が合憲と判断した。アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」が報じている。(2012/06/30)


コラム
村上龍とテオ・アンゲロプロスの対談番組
  1990年頃だったと思うが、作家の村上龍氏とギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロス(Theo Angelopoulos)氏が対談したNHKの番組があった。「旅芸人の記録」からその頃の最新作「霧の中の風景」まで、テオ・アンゲロプロス監督の映画を紹介しながら、ギリシアでの映画作りについて村上龍氏がインタビューしていた。(村上良太)(2012/06/24)


欧州
緊縮派の勝利は解決につながらない 〜ポール・クルーグマンのコラムから〜
  先日のギリシアの総選挙で、財政緊縮派が勝利を占め、かろうじてユーロ残留の道を残したとされる。多くの新聞が緊縮派の路線をよろこばしいこととして一定の評価をしている。そんな中、異論をはさんでいるのがニューヨーク・タイムズに寄稿している経済学者のポール・クルーグマン氏だ。クルーグマン氏は6月17日付のニューヨークタイムズに「犠牲者としてのギリシア(Greece as Victime)」と題するコラムを寄稿した。(村上良太)(2012/06/24)


コラム
テレビ業界人と食事  糖尿病とどうつきあうか 〜編集室の厨房で〜
  井上秀明さんはテレビ・ドキュメンタリーの編集者で、過去には賞を受けた番組を多数生み出してきた人です。以前、井上さんに編集の仕事についてインタビューにお伺いした時、井上さんの編集室のすぐ近くのファミリーレストランで夕食をともにさせていただきました。この時、井上さんは食事の写真をデジタルカメラで撮影されたのですが、その理由は糖尿病だからということでした。毎日、何を食べたかを写真に記録しているそうです。(村上良太)(2012/06/24)


中東
ステファン・エセル氏の声  中東の二国家による平和
  ステファン・エセル(Stephane Hessel )氏と言えば、アメリカを揺さぶった「オキュパイウォールストリート(ウォール街を占拠せよ)」運動のパンフレットとなった「怒りなさい」の著者として知られる。エセル氏はユダヤ人でホロコーストをかろうじて逃げ切り、フランスのドゴール将軍の元で抵抗運動に携わったのち、1948年には世界人権宣言の起草委員になっている。そのエセル氏がパリの自宅で、イスラエルの新聞ハーレッツ紙のインタビューを受けた記事が掲載されている。(2012/06/18)


中東
イランのアフマディネジャード大統領、3度目を求めず  
  イスラエルの新聞、ハーレッツ(Haaretz)によると、イランのアフマディネジャード大統領は2013年8月に大統領職の二期目の任期が満了する。ロシアのプーチン大統領のように政治家を続けず、大学に戻る意向だとドイツの新聞フランクフルターアルゲマイネ紙で述べたとされる。(2012/06/17)


中東
イスラエル人青年が軍刑務所でハンガーストライキ パレスチナの囚人に連帯を示す
  イスラエルの新聞ハーレッツ(Haaretz)によると、軍の刑務所に収監されているイスラエル人青年が獄中のパレスチナ人に連帯を示して、ハンガーストライキを続けているという。(2012/06/17)


文化
生涯現役・作家レイ・ブラッドベリ 91歳の死 〜成功の秘訣は図書館を卒業したこと〜
  今月、アメリカの作家レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)氏が亡くなった。91歳だった。ブラッドベリ氏はSF詩人というあだ名を持っていたように、’下級文学’と主流派文学サークルから相手にされなかったSFの中に、文学性を持ち込んだと評価されている。そうした評価の対象は特に短編小説に顕著だが、その一方で、「華氏451度」(1953)のように、全体主義の怖さを巧みに描いた小説でも優れていた。(2012/06/16)


欧州
就任1か月 フランス大統領への懸念    
  ルモンド紙(国際版、6月2日号)にはオランド氏のアフガニスタン訪問の模様が書かれている。5月25日、カブールを電撃訪問したのだ。随行したのは外務大臣のローラン・ファビウス氏と、国防大臣のジャン=イヴ・ル・ドリアン氏。ルモンド紙によると、フランス軍はNATOの枠組みでアフガニスタンに3600人の兵士を派遣しているが、カブール北部にはその3分の2が駐留している。オランド氏は今年末までに2000人以上を撤退させると語った。テロの脅威が完全になくなったわけではないが、一定の効果があったからだと説明している。(村上良太)(2012/06/12)


コラム
外国のテレビと滋養    村上良太
  外国のテレビについて考えようとすると、反射的に思い浮かぶのは昔お世話になった制作会社の社長の話だ。アメリカに旅行した時、ホテルから一歩も出ず、朝から晩までテレビ三昧だったという。誇張はあるだろうが、真実に近い気がする。他国の放送で面白いものがあればアイデアをいただこうという腹なのだ。そのため外国に旅行しながら、ホテルに籠るという・・・。(2012/06/12)


みる・よむ・きく
浜田正晴著「オリンパスの闇と闘い続けて」(光文社)
今回紹介する浜田正晴氏によるノンフィクション「オリンパスの闇と闘い続けて」は、オリンパスが舞台となっているものの、損失隠し事件とは直接関係がない。2007年にオリンパス社員の浜田正晴氏が上司の行動に疑問を持ち、社内のコンプライアンス(法令順守)部門に内部告発したところ、経験のない部署に3回も異動させられるなど組織ぐるみで報復を受け、2008年、浜田氏がついに裁判に訴えた事件である。(村上良太)(2012/06/10)


中東
イスラエルで要人によるイラン攻撃に対する批判が続出 
  イランが核兵器を開発しているとの疑いから、イスラエルでは<単独攻撃も辞さず>とのメッセージがここ数年来繰り返されており、攻撃は今秋にも・・・というような憶測すら出ている。しかし、その一方で、ニューヨークタイムズなどによると、イラン攻撃に対する疑問がイスラエル国内の情報機関や軍の要人から出てきている。その1つが、ニューヨークタイムズに掲載された以下のタイトルの記事だ。’Israeli Army Chief Says He Believes Iran Won’t Build Bomb’(イスラエル軍の要人が「イランは核爆弾を作っていない」と語った)というもの。(2012/06/10)


みる・よむ・きく
ニューヨーカーが激論「オンラインデーティングについて」  恋愛ドラマの流入で自殺が増える村も・・?
  雑誌ニューヨーカーのサイトで、インターネットによる男女のマッチングを巡って討論している。いまどき、男女はどこで知り合うのか、論客たちが話し合っている。かつてなら、町のバーで出会ったらしいのだが昨今は事情が変わりつつあるようだ。パネリストは「恋愛科学」の第一人者で人類学者のヘレン・フィッシャー博士などの顔ぶれ。(2012/06/10)


欧州
コペンハーゲンの自転車   村上良太
  コペンハーゲンを旅した人であれば、必ず印象深く思うのが自転車乗りだろう。町をぼんやり歩いていると、あわよくば自転車にはねられかねない。快速で自転車が二台、三台、いや数十台単位でビューンと脇を走り抜けていく。(2012/06/06)


社会
メキシコ通信   ストリートチルドレン  
  メキシコの写真家、フリオ・アダムス(Julio Adams)氏から、映像のリンクが送られてきた。「最近僕はビデオをアップロードしたんだ。メキシコの悲しい現実だけど、ぜひ見てほしい」と。(2012/06/06)


文化
パリからのメール 幻灯師ヴァンサン・ベルゴン氏の近況
  パリで独自の芸術を披露しているヴァンサン・ベルゴン(Vincent Vergone)氏から近況を伝えるメールが届きました。(2012/06/06)


欧州
イタリアの新聞漫画から  
  イタリアの新聞、イル・マニフェストの新聞漫画から。(2012/06/05)


検証・メディア
西サハラの衛星放送局RASD-TV 〜テレビの草創期がここにある〜  村上良太
  昨年暮れの12月、モロッコによる西サハラの占領問題を長年追及しているジャーナリスト、平田伊都子氏に同行して西サハラの難民キャンプに入った。僕の役割は4年に一度開催される大統領選挙・議員選挙のビデオ撮影である。平田氏によれば、この選挙はアルジェリア国内に置かれた西サハラの難民キャンプで行われるのが通常なのだが、昨年暮れの場合は違っていた。アルジェリアからサハラ砂漠をランドクルーザー百台以上を連ねたコンボイで縦断し、彼らのホームグラウンド、西サハラ(非占領地)で行ったのだった。この時、同業者とも言える西サハラの衛星放送局RASD-TVが特に興味深かった。(2012/06/03)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 9」 アンドレイ・モロビッチ
  「平和ホテル」はニジェール北部のサハラ砂漠にある州、アガデス(Agadez)で最大の建物ではないにしても、もっとも大きなものの1つに入る。このビルが建設されたのはそれほど昔の事ではない。近代技術を使って記録的な短期間で建てられた。基本的にはセメントのブロック使ったものだが、正面のファサードにはアフリカで伝統的な粘土と藁、牛馬糞が使用されている。アガデズで世界に出して恥ずかしくない施設は「平和ホテル」くらいしかない。部屋にはエアコンがついているし、プールもある。さらに様々な種類の酒が置かれたバーもある。この「平和ホテル」を作ったのはリビアのカダフィ大佐だ。(2012/06/03)


人権/反差別/司法
米大統領選・フロリダ州でヒスパニック系住民らを有権者リストから排除する動きに米司法省が警告
  米国内の報道によると、フロリダ州で共和党のリック・スコット州知事が約18万2000人の有権者が大統領選挙の投票資格を書いている可能性があるとして、リストに掲載された人々に米市民であることを立証させるなどを要求していた。報道によると、リストに掲載された人の大半は選挙資格があったとされる。その中には40年間選挙で投票してきたような人や第二次大戦に従軍した元兵士らが含まれている。(2012/06/02)


欧州
ノルウェイの連続テロ犯 デンマークの移民政策を賞賛
  昨年7月、ノルウェイの首都オスロで与党・労働党の集会などを狙った連続テロ事件が起きたのを覚えている人は多いだろう。死者は合計で77人に及んだ。その犯人、アンネシュ・ブレイビク被告(33)はイスラムとの対決を思想信条としており、犯行に及んだ動機が移民を受け入れるノルウェイ政府の移民政策にあったとされる。その公判がオスロで行われている。(2012/06/02)


人類の当面する基本問題
スイスで自殺ほう助が増加  
  APによると、スイスで自殺ほう助が増加している。現在、死者数の0.5%を占める。スイスの公式発表では1998年に3件だったが、2009年には300件に増加した。その90%以上は自殺者が55歳以上のケースで、女性の方が男性よりも希望者が多いとされる。(2012/06/02)


文化
モノの形と影   村上良太
    パリのアーチスト、ヴァンサン・ベルゴン(Vincent Vergone)氏の芸に光と影を使った見世物がある。プラキシノスコープと呼ばれる装置を使うものだが、日本では幻灯機と呼ばれてきた。暗闇の中でモノに光を投射し、その影で物語を作るのである。(2012/06/02)


世界経済
ガーディアン・サステナブル・ビジネス・リーダー・オブ・ザ・イヤー2012にサフィア・ミニー氏(ピープル・ツリー)がノミネート
  フェアトレードの「ピープル・ツリー」代表 サフィア・ミニー氏が英ガーディアン紙選出の「ガーディアン・サステナブル・ビジネス・リーダー・オブ・ザ・イヤー2012」のファイナリストに選出され、29日ロンドンで開催された授賞式へ出席した。(2012/06/01)


みる・よむ・きく
写真家フリオ・アダムス氏、骨を折る
 メキシコの写真家、フリオ・アダムス(Julio Adams)氏から「事故って手の骨を折ってしまったんだ」とのメールが届いた。(2012/06/01)


人権/反差別/司法
「レイプは刑罰の一部ではない」〜刑務所内レイプを減らせるか?米司法当局の新方針〜
  5月30日付のニューヨークタイムズに「刑務所の危険」と題する社説が掲載されていた。テーマはアメリカの刑務所内で常態化しているレイプをいかに減らせるか、ということだ。(村上良太)(2012/05/31)


米国
ユタ州に米国民監視センターが?   「デモクラシー・ナウ!」で紹介
  エイミー・グッドマン氏が司会しているアメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」で今、テーマにあがっているのが<国民に対する監視>だ。番組に登場するのが元NSA(National Security Agency)の職員、ウイリアム・ビニー(William Binney)氏。(2012/05/30)


みる・よむ・きく
信友直子ディレクターの新作 「アイドルの家〜涙の数だけ抱きしめて」
  ニューヨークフェスティバルで銀賞に輝いたドキュメント番組「おっぱいと東京タワー」の信友直子ディレクターの新作が放送される。5月20日(日)14時〜14時55分 フジテレビ <ザ・ノンフィクション>「アイドルの家〜涙の数だけ抱きしめて」(2012/05/14)


みる・よむ・きく
作家スヴェン・リンドクヴィストとは?
 「現代の遊牧民〜モダン・ノマドの日記〜」を寄稿していただいているスロベニア人の作家、アンドレイ・モロビッチ氏はサハラを放浪しながら文章を書き続けている。モロビッチ氏の「日記」が興味深いのは主人公がアフリカの名もない民、その一人一人であることだ。そこがこれまでしばしば描かれてきたアフリカ人の肖像と大きく違っているように思う。そんなモロビッチ氏の愛読書にアフリカにやってきた欧州人を描いたジョーゼフ・コンラッドの「闇の奥」がある。「もう一人、僕が強く薦める作家はスヴェン・リンドクヴィストです」(村上良太)(2012/05/12)


みる・よむ・きく
ジェリー・ロスウェル監督「名も知らぬ精子ドナー(Donor Unknown)」 〜生物学上の父を訪ねて〜
  数日間、コペンハーゲンで過ごした。コペンハーゲンはこの季節、夜の9時頃まで日が照っている。そこで、夕飯を食べた後、ホテルでビールを飲みながら遅い夕暮れを待つ。北欧は鳥の鳴き声も違っているが、鳥は明るさに惑わされないのだろう、午後6時ころには夕暮れの鳴き声がこだまする。それから日が落ちるまで、物憂い時間を持て余す。テレビをつけると、フランス映画にロシア語の字幕がついていたり、ビリヤードの実況中継がノーカットで放送されていたりと随分日本と雰囲気が違う。ビリヤードの王座決定戦らしい対決を見に、多くの観客がスタジアムにつめかけて見守っている。一番印象深かったのはDR(デンマーク放送協会)が放送していた親子の劇的再開を描くドキュメンタリー番組だ。(村上良太)(2012/05/10)


欧州
フランスの失業率10%’恋・失業そしてシャンペン’〜笑劇「Bienvenue chez popole (ポポルへようこそ)」〜フランス職業斡旋局職員が自らを笑う〜
  経済危機の欧州は依然失業率が高い。フランスではついに10%の大台に上った。そんな中、パリのメニルモンタン劇場でこれから、職業斡旋をつかさどるフランスの国家機関ポール・アンプロワ(Pole emploi)を舞台に、労働と失業を舞台に乗せた笑劇が始まるらしい。タイトルは「ポポルへようこそ」。舞台づくりの中心となったのは、ポール・アンプロワの職員たちだという。(村上良太)(2012/05/09)


みる・よむ・きく
エリック・カール作「小さな雲(Little cloud)」   村上良太
  絵本作家エリック・カールの代表作は「はらぺこあおむし」と言われている。青虫が毎日、葉っぱから、果実さらにはお菓子の類まで食べてお腹をこわしたりするが、たくさん食べることでさなぎになり、蝶になる。それだけのシンプルな話だが、エリック・カールの絵には独特のユーモアと技巧があり、読者を魅了せずにはいられない。だが、今、ここで書きたいのはもっと地味な作品である。題は「小さな雲(Little Cloud)」である。(2012/05/06)


欧州
フランス大統領選 サルコジ氏とカダフィ政権の癒着が暴露
  フランス大統領選ではフランソワ・オランド氏(社会党)と現職のサルコジ大統領(国民運動連合=UMP)の決選投票が6日に予定されている。リードするオランド氏をサルコジ氏が追い上げている。その最中、サルコジ大統領が2007年の大統領選でカダフィ政権から資金提供を受けたとする暴露記事が出ており、サルコジ大統領に打撃となっているとみられる。(2012/05/04)


みる・よむ・きく
ジョーゼフ・コンラッド作「闇の奥」(岩波文庫)
  ジョーゼフ・コンラッド作「闇の奥」は優れた小説であるという話こそ耳にしていたけれども、フランシス・コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」の原作であることの方が僕の中では意識されていた。1979年に公開された映画「地獄の黙示録」はベトナム戦争を舞台にしている。「地獄の黙示録」は徴兵された若い米兵たちがベトナムに戦いに行く話だが、話の焦点になっているのはクルツという士官が米軍から離れ、勝手に現地で独立国のようなものを築いているため、そのクルツを抹殺して来いと若者が指令を受ける話である。クルツを演じたのがマーロン・ブランドで、暗殺指令を米軍から受けた若者がマーティン・シーンだった。今回、初めて原作小説を読んでみると、映画「地獄の黙示録」が原作小説の話の流れをかなり生かしていると感じさせられた。(村上良太)(2012/05/04)


文化
5月4日は故キース・へリングの誕生日
  今日はキース・へリングの誕生日にあたるとグーグル検索のページに出ていた。キース・へリングと言えば、ニューヨークの地下鉄の壁などに、ポップな絵を落書きしていたアーチストだ。しかし、1990年にエイズで亡くなった。亡くなったのは31歳だから早すぎる死と言えよう。(2012/05/04)


農と食
家畜のための環境改善に取り組むGlobal Animal Partnership
  アメリカで未だ農作物市場全体に占める割合こそ数%に満たないものの、オーガニック作物は急速に伸びている。スーパーマーケットの中にもホールフーズマーケット(Whole Foods Market)やニューシーズンズ(New Seasons Market)のようにオーガニックを売りにしたチェーン店が急成長を遂げている。アメリカ人の中にも、安全で美味しい野菜を食べたいと考える消費者が増えているのである。そのホールフーズマーケットが新しい試みを始めた。家畜を自然環境に近い状態で飼育し、できるだけ苦痛を取り去ろうと取り組んでいるアメリカの団体、グローバルアニマルパートナーシップ(Global Animal Partnership)と2年間提携して、家畜の生活環境改善に取り組むことになったのだ。(2012/05/04)


コラム
ボック先生 〜日米のシナリオ教育の違い〜
  90年代の初頭、オーディ・ボックというアメリカ人の日本映画研究者が日本の学校で日本映画を講じていた。黒澤明の自伝「蝦蟇の油」の英訳者であり、成瀬巳喜男や黒澤明、市川昆など日本の映画監督を論じた「Japanese film directors」という著作もある。日本語も堪能で、若い頃はNHKの英語講座で講師をしていたこともあるようである。ボック先生は映画のシナリオを書くためのシナリオ講座に関して、日米で教え方に基本的な違いがあると言っていた。(村上良太)(2012/05/03)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 8」 アンドレイ・モロビッチ
  フジャはイフェルアン(Iferouane)という名の、牧歌的な小さな村で暮らしている。この村はサハラ砂漠の真ん中にあり、政治経済の中心地から遠く離れた北部に位置している。とはいえ、この地にも進歩の波は押し寄せていないわけではない。壮大な御影石の曲線からなるエール山脈に囲まれた小村はその高度から夏は猛烈な暑さから解放され、十分な水と肥沃な土地に恵まれている。さらに、略奪者の潜む危険なルートからも遠く離れているのだ。(2012/05/03)


欧州
スペインの漫画から FEITOとは?
  スペインの新聞エル・パイスにErlichの最新の漫画が載っている。例によって、スペイン情勢に疎いと(ただでさえ、スペイン語に詳しくないためもあって)意味が分かりにくい面がある。この漫画では男が新聞を読んでおり、画面奥にいると思しき妻に問いかけている。夫「このコーヒー変わった風味があるけど、何なんだい?」妻「アドレナリンよ」(2012/04/22)


中東
続く「アラブの春」〜バーレーンの民主化運動〜
  ペルシア湾上の島国バーレーンでは自動車レースのFIグランプリ開催(4月20日)に合わせて反政府運動が高まり、警官隊と抗議運動の市民との衝突が起きている。この衝突で、男性一人が死亡しているのが見つかった。(2012/04/22)


アフリカ
マリのトゥーレ大統領がセネガルに亡命
  フランスのヌーベル・オプセルバトゥール誌によると、クーデターで拘束された元マリ大統領のアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ大統領が4月19日、隣国のセネガルに亡命した。(2012/04/21)


アフリカ
アラブの春、トゥアレグ族、マリ政変
  アフリカ北西部のマリでは3月にクーデターが起き、不穏な状態が続いている。「3月21日(水曜日),一部の国軍兵士らが騒乱を起こし,国営TVラジオ局を占拠,大統領宮殿を襲撃した。翌22日(木曜日)朝,「民主主義再建・国家復興のための国会委員会(CNRDRE)」を名乗る国軍兵士は,国営テレビを通じ国家の指揮権の掌握と憲法停止を発表した。」(外務省)(2012/04/21)


みる・よむ・きく
NHKBS1「企業が国を訴える〜エルサルバドル 自由貿易協定を巡る攻防〜」 多国籍企業と国の紛争
  TPPに日本も参加するべきかどうかで昨年来揺れている。自由貿易協定が世界的な広がりをみせる中、急増しているのが多国籍企業と現地国の間の法律紛争だ。自由貿易協定には「ISD条項」が書き入れられることが多い。このISD条項はグローバル企業が現地国の恣意的な規制などで損害を被った場合に国際的な調停機関に損害賠償や救済措置を求めて訴えることができる条項である。4月21日にNHKBS1で放送する「企業が国を訴える〜エルサルバドル 自由貿易協定を巡る攻防〜」はまさに多国籍企業と国家とのぶつかりあいを描いている。放送: 4月21日(土)22:00〜22:49、再放送: 4月22日(日)20:00〜20:49(2012/04/15)


みる・よむ・きく
今夜放送「嘆きのギリシア〜700ユーロ世代の真実〜」NHKBS1
  11年前、EUの共通通貨ユーロ導入を機に、外国から大量の資金が流れこみバブル経済に突入していったギリシャに、多額の債務が発覚したのは3年前のことだ。その債務の多くは、使途不明金。「僕らが返済する借金は、いったい誰が何に使ったものなのか!」700ユーロ世代が、債務の開示を求めて、立ち上がった。 (2012/04/14)


文化
「砲火にさらされる文化」 イリナ・ボコバ氏(ユネスコ事務局長)のNYTへの寄稿
  週末のニューヨークタイムズにユネスコ事務局長のイリナ・ボコバ氏が寄稿していた。タイトルは’Culture under fire'(砲火にさらされる文化)である。その発端となったのはシリアとマリのそれぞれの内戦で、内戦によって文化遺産が砲火にさらされ危機に瀕しているというのだ。(2012/04/10)


検証・メディア
AOLへの売却から1年 ハフィントンポストの次のステージとは?
  ニューヨークタイムズはウェブ媒体のハフィントンポストについて報じた。AOLへの衝撃的な売却から1年後である。(2012/04/08)


文化
フランスからの手紙 25  Paris existe-t-il ? (パリは存在するのか?) パスカル・バレジカ
  今、パリに関する本を1冊書き終えたばかりである。毎回、執筆の度に自問するのだが、それは「パリは本当に存在しているのか?」という問いである。なるほど、私たちは疑問の余地がないほど確かな現実の町で暮らしている。私はこの町で生まれたのだし、何十年とこの町をあらゆる方向に歩き回ってきた。徒歩で何キロもだ。確かにパリはそこにある。それでも欧州全域や世界から見ればとても小さな都市に過ぎない。ロンドンに比べればとても小さいし、欧州の大きな都市に比べても小さい。(2012/04/08)


みる・よむ・きく
ザ・ノンフィクション「花嫁のれん物語3」 井上秀明(編集)
  お元気でしょうか?風が強く、空気が冷たい日々ですが、景色はすっかり春です。市ヶ谷の桜も今週が見頃と言ったところでしょうか。さて、明日ですが、私が編集を担当致しました番組が放送されます。フジテレビ、午後2時から。ザ・ノンフィクション「花嫁のれん物語3」です。(2012/04/07)


コラム
突風に吹かれて    村上良太
  3日午後、首都圏もまた激しい突風に襲われた。偶然、その時間に千葉にいた筆者は東京行きのJR電車が突風でストップしてしまいまったく車内で動きがとれなくなってしまった。アナウンスはこう告げた。「運行の見込みはまったくたっていません」(2012/04/04)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 7」 アンドレイ・モロビッチ
  鍛冶屋たちと女性の革職人たちは仲間意識と一致団結のよい例だ。どういうことかと思われる読者の方々の為に少し説明すると、鍛冶屋と女性の革職人たちは人種や出自にはこだわらず、皆ともに働いているということなのである。人種や出自で人を差別することをよしとできるのは特権を持つ人々だ。彼らは自己の存在がもろい1本の藁にかかったことなどないだろうから、そういう差別ができるのだ。(2012/04/01)


みる・よむ・きく
西サハラを撮影したメキシコの写真家、フリオ・アダムス
  昨年暮れ、平田伊都子氏ら日本の取材班が西サハラに入った。その模様は日刊ベリタの平田氏のレポートにくわしく記されているが、モロッコが占領したために国を追われた西サハラの難民やモロッコの占領下に生きる人々が4年に一度集まり、4年間の総括と新たな大統領などの選挙を行うのである。もともと西サハラの宗主国だったスペインはもちろんのこと、フランスやロシア、メキシコ、東欧など世界中から記者や写真家が集まってきた。メキシコの写真家、フリオ・アダムス(Julio Adams)氏もその一人である。(村上良太)(2012/03/29)


米国
「なぜゴールドマンサックスを辞めるか。」 話題のニューヨークタイムズへの寄稿
 「なぜ私はゴールドマンサックスを辞めるか」という寄稿が3月14日付のニューヨークタイムズに掲載された。話題になった寄稿文である。(2012/03/27)


みる・よむ・きく
「American Teacher( アメリカの教師)」  公教育をテーマにした米ドキュメンタリー
  日本で教師が心を病んだり、燃え尽きたりしているという話を聞くようになってかなりの時間が経った。それは日本特有の現象かと思っていたが、アメリカでも同様の事態があるようだ。2011年に完成されたドキュメンタリー映画「American Teacher(アメリカの教師)」は公教育の場で本来やる気もあり、優れた資質を持つ教師たちがいかに疲弊しているか、その実情を描いたものらしい。(2012/03/25)


検証・メディア
反ラッシュ・リンボーの広告  
  アメリカの右派でタカ派のラジオ・パーソナリティ、ラッシュ・リンボー氏の発言がまた波紋を呼んでいる。ハフィントン・ポストによると、リンボー氏のその問題発言とはジョージタウン大学法学部の女子学生が避妊に関する国会の公聴会に参加したことで、彼女を「slut(ふしだら)」などとラジオで語ったことのようだ。その発言が問題となり、全米の141社がスポンサーを降りたという。さらに、この発言を取り上げて、リンボー氏の番組を批判するラジオ広告が作られたという。(2012/03/24)


教育
アメリカの教師 〜低い所得で副業 辞めたい教師が3人に1人〜
  ニューヨークタイムズの3月12日付の教育に関する記事は衝撃的だ。アメリカのある調査で、米教師のおよそ3人に1人が5年以内に辞めるかもしれないと答えたという。3年前は4人に1人だった。背景には1クラスの人数が増加していることや教育予算が削減されている実情があると書かれている。(村上良太)(2012/03/24)


欧州
パリの花々
  パリの3月はまだ気候が多少不安定で、急に雨が降ってきたりする。しかし、春は訪れたようだ。(2012/03/22)


欧州
mardi 20 mars a Paris vers 14 heures (3月20日火曜午後2時頃のパリ)
 3月20日火曜午後2時頃のパリを写した1枚である。場所はバスチーユ地区。自転車が窓の外に置かれた建物の1階にはアトリエ・ヴェロルショネールと書かれている。(2012/03/22)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 6」 アンドレイ・モロビッチ
  タンバラは美容院を経営している。わずか21歳に過ぎないが、すでに自立しており、誰の指図も受けない。タンバラにはボーイフレンドがいて、間もなく結婚する予定だが、それは彼が過ちを犯さなかった場合に限る。タンバラは南部から移住してきた女性だが、あらゆる点で突出しており、輝いている。(2012/03/20)


アフリカ
現代の遊牧民〜「モダン・ノマドの日記 5」 アンドレイ・モロビッチ
ハムは愛想がよく、社交的で頭のよい男である。ウィットに富むと同時に幸運にも恵まれている。ハムはアルリットのウラン鉱山で25年も働いた。最初は下級労働者であり、その後、かなりの期間を巨大なウラン掘削機の操縦者として過ごした。最後にはその勤勉ぶりが評価された結果、職場の安全性を管理するポストに就くことができた。(2012/03/19)


みる・よむ・きく
「アメリカ・ジャーナリズム」(下山進著 丸善ライブラリー)
  文藝春秋社で雑誌の記者をしていた下山進氏は1992年、モービルフェローの奨学生となり、ニューヨークのコロンビア大学ジャーナリズム科に学んだ。現役ジャーナリストとしてある研究テーマを追いかけるための資金を得たのである。下山氏が選んだテーマは3つ。.▲瓮螢のメディアの経営的な基盤 ▲Εーターゲート報道以降のアメリカの調査報道 真実と人権のバランスをどうとっているか。アメリカの報道がどう変化していたか。米社会全体がどう変貌しつつあったかがこの本から見えてくる。(2012/03/18)


東日本大震災
人間らしい生き方とは? 「Japan, One Year After 3.11 」〜 ピープル・ツリーが製作〜
震災後の日本を伝える映像「Japan, One Year After 3.11」について、完成した動画をweb上にアップロードいたしましたので、ご連絡いたします。お時間がございましたら、以下のリンクよりご覧ください。(2012/03/18)


みる・よむ・きく
特集・小川伸介と小川プロダクション
今日、東京・御茶ノ水のアテネフランセ文化センターにて、小川プロの「三里塚・辺田部落」を観てきました。ずーっと観たいと想いつつ、今まで観られなかった作品です。今、同センターでは「特集・小川伸介と小川プロダクション」を3月31日まで上映しています。(原村政樹)(2012/03/17)


みる・よむ・きく
ハフィントンポストのフランス語版 ロシアの反体制アーチストを紹介
  最近、ルモンドと提携してフランス語版をウェブで立ち上げたばかりのハフィントンポストに反プーチンのストリートアーチストが取り上げられている。男の名前はP183だ。(2012/03/05)


国際
本日日曜、ロシア大統領選の投票
  4日日曜、ロシアで大統領選の投票が始まった。プーチン首相、共産党のジュガーノフ委員長、ジリノフスキー自由民主党党首、公正ロシアのミロノフ党首、富豪プロホロフ氏らが立候補している。(2012/03/04)


みる・よむ・きく
監督のマイケル・マンがドキュメンタリー番組シリーズ制作へ(ケーブルテレビのHBO) 〜テーマは若き戦場カメラマン〜
  「ヒート」や「インサイダー」などのハリウッド映画の名匠、マイケル・マン監督がケーブルテレビ局HBOで新しいドキュメンタリーシリーズ制作に乗り出す。テーマは戦場カメラマンだ。(2012/03/04)


米国
ジョージ・クルーニー ブラピとのゲイの噂に動ぜず
  ハフィントン・ポストは俳優のジョージ・クルーニーがブラッド・ピットとのゲイの噂に対して、雑誌Advocateのインタビューで答えた言葉を掲載している。(2012/03/02)


文化
「セールスマンの死」がブロードウェイで再演 主演はフィリップ・シーモア・ホフマン、演出はマイク・ニコルズ
  ニューヨークタイムズによると、アーサー・ミラーの傑作「セールスマンの死」がブロードウェイで再演される。劇場はバリモア劇場、3月15日からだ。主演はフィリップ・シーモア・ホフマン、個性的な性格俳優だ。演出は「卒業」などの映画監督でもあるマイク・ニコルズである。(2012/02/27)


アフリカ
現代の遊牧民〜モダン・ノマドの日記 4〜アンドレイ・モロビッチ
  デインジャー・オマルは独学の思想家であり、哲学者だ。緩やかな水もとがった岩を滑らかにする。デインジャーは大半の時間を都市で過ごしているが、心は常に生まれ故郷のアザワクにある。そこはほとんど気がつかないほどゆるやかな起伏のある大平原で、アガデズ西部からマリにかけて広がっている。(2012/02/26)


アフリカ
現代の遊牧民〜モダン・ノマドの日記 3〜アンドレイ・モロビッチ
  スキー用品店でデインジャーはいつでも新米の弟子たちを呼んで茶を入れさせたり、土製の壺から冷たい水を1杯くんで持ってこさせたり、疲れた客たちの為にサンドイッチを持ってこさせたりする。だが、観光シーズンは短い。3月にはシーズンもオフに向い、4月になるとうだるような暑さが襲う。5月ともなれば目を半開きにしたまま、最悪の暑さを避け、猛暑が引き起こす特殊なインフルエンザ=ezisにかかるのを避けようとする。そして次の季節の到来を待ちわびるのだ。(2012/02/26)


中東
パレスチナの非暴力不服従運動 ムスタファ・バルグーティ議員のニューヨークタイムズへの寄稿
 2月23日付のニューヨークタイムズの論説・コラム欄にパレスチナ議員のムスタファ・バルグーティ(Mustafa Barghouthi)氏の寄稿が掲載されている。現在収監されているが、ハンガーストライキによって4月17日に釈放を勝ち取ったカデール・アドナン(Khader Adnan)氏とその非暴力不服従運動を讃えるものである。(2012/02/23)


みる・よむ・きく
ニューヨークの娼婦たち ’Through a Lens, Views of Bronx Streets’〜ニューヨークタイムズが映像配信〜
  ニューヨークタイムズがウェブで映像をUPしている。ニューヨークのブロンクスの街娼を撮影したものがこの映像だ。(2012/02/23)


文化
「医す者として」〜若月俊一医師と佐久総合病院の60年〜ポレポレ東中野で上映中
  東京・東中野のポレポレ東中野で「医す者として」というドキュメンタリーが上映されている。監督は鈴木正義さん、グループ現代というTV番組の制作プロダクションのプロデューサーである。「医す者として」が描いているのは佐久総合病院の院長だった若月俊一医師の医療活動とその信念だ。(2012/02/22)


文化
中国の反体制芸術家アイ・ウェイウェイとパリ
 スペインの新聞、エル・パイスは中国の反体制芸術家、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei)氏がパリで回顧展を開いていることを報じている。(2012/02/21)


アフリカ
アルジェからの短信  
  アルジェに住むベルベル人の20代の女性ジャミーラさんから。(2012/02/21)


コラム
深夜タクシーの会話    村上良太
  仕事柄、深夜に帰宅することが少なくない。深夜タクシーに乗っていると、いろんな運転手に出会うが、夜のハイウェイで彼らの話を聞いていると飽きることがない。日刊ベリタに寄稿しているスロベニア人作家のアンドレイ・モロビッチさんがアフリカのモーリタニアをさすらっている話をすると、運転手はこう言った。「モーリタニアって、海岸線が短くて、内陸に入るとこんな形になって膨らんでいる形ですよね。」(2012/02/19)


文化
スペインの漫画から 「エセンシア」とは? 
 スペインのエル・パイスで健筆をふるう漫画家エル・ロト(El Roto) 。この日の1枚は逆行で顔が見えない男(高齢のようだ)が描かれている。頭にはベレー帽をかぶっている。キャプションには1行。「エセンシアを取り戻せ。ベレー帽を取り上げろ」(2012/02/18)


欧州
パリの散歩道 18  パスカル・バレジカ氏はパリの歴史本を執筆中  村上良太
  「フランスからの手紙」を寄稿していただいている著述家のパスカル・バレジカさんはパリで新しい本を書いているところだ。今書き下ろしている本はこれまでの本と趣向を異にする。「今度の本はフランス語と英語の両方で出版される予定だよ。だから特に英語圏の読者向けの情報が満載になるだろう。」(2012/02/18)


文化
現代の遊牧民〜「モダン・ノマドの日記 2」  アンドレイ・モロビッチ
   デインジャー(’危険’)は砂漠の真ん中にスキー用品店を開いている。シベリアの凍土地帯にではない。サハラ砂漠にだ。ここでデインジャーはスキー板やスキー靴を売っている。滑降、ターン、ジャンプすべての用途に答えるスキー用品がそろっている。(2012/02/16)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画「テレビに挑戦した男 牛山純一」 原村政樹
  桜映画社の原村です。ドキュメンタリー映画「テレビに挑戦した男 牛山純一」のご紹介です。(2012/02/15)


欧州
ランスの川辺
  フランスのパリの東にランス(Reims)という町がある。代々、フランス王の戴冠式が行われてきたノートルダム大聖堂で知られる歴史のある町である。この写真はランス周辺の川辺。(2012/02/15)


コラム
北米一周2ヵ月の旅 50万円でおつりあり  村上良太
  1985年のプラザ合意の後、円高が進んで1ドル145円になった1987年、大学時代の夏休みを使って北米大陸一周旅行をしました。海外旅行をするのは初めての体験でした。クラスメートが北米一周旅行をすると言うので、それに便乗させてもらったというのが真実です。(2012/02/14)


文化
米歌手ホイットニー・ヒューストンさん、48歳で亡くなる 死因は調査中
 アメリカの歌手、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さんが48歳で亡くなった。スペインの新聞エル・パイスは12日付のウェブ版で、ヒューストンさんが(11日)死体で見つかったことを伝えている。エル・パイスの情報源はヒューストンさんの広報担当であるクリステン・フォスターさんがAPに伝えた内容であり、そこでは死因や死亡場所などの情報は伏せられていた。(2012/02/12)


ITフロント
米国のオンライン著作権法 その後の行方
  米議会で昨年末から話題になっていたインターネット上の著作権侵害に対する報復措置法=SOPA(下院)とPIPA(上院)がともに議案をもう練り直して出直す形になったとワシントンポスト(1月20日付)は報じている。ウィキペディアのデモ(ブラックアウト)など、二法案に対する抗議活動が効果を見せたようだ。(2012/01/31)


みる・よむ・きく
NNNドキュメント’12 「放射線を浴びたX年後 ビキニ水爆実験、そして・・・」が放送されて
   1月29日(日)24:50〜日本テレビ系NNNドキュメント’12で、「放射線を浴びたX年後 ビキニ水爆実験、そして・・・」(制作:南海放送)が放送された。このドキュメンタリーは何十年もの歳月が積み重なって生まれた重みが感じられた。それは高知県で高校教師をつとめていた山下正寿さんが被曝の実態を突き止めようとする足取りからくるものだった。放送によれば1954年、米軍は南太平洋のマーシャル諸島で水爆実験を繰り返した。第五福竜丸が被曝したのは最初の「ブラボー」(3月1日)である。続いて「ロメオ」(3月27日)も爆発した。ところが、考えてみると当たり前のことだが、この頃、ほかにも南太平洋にマグロ漁に出かけていた日本の漁船は数多くあった。(2012/01/30)


欧州
スペインの漫画から  食べ物が・・・
 スペインの新聞エル・パイスの漫画から。ホームレスなのか、あるいはその支援者なのか。円筒状の食品か食器らしいものを片手にこう語る。(2012/01/29)


みる・よむ・きく
お茶の時間  
  旅人を迎える時、お茶をわかす。北アフリカのマグレブ地方でも同じである。違うのは大地に近いことだろう。お茶を入れてくれる手さばきは見事である。この歌はトゥアレグ族のバンド「ティナリウェン」(Tinariwen)による。(2012/01/28)


欧州
スペインの漫画から 金融か、財政か?
 スペインのエル・パイス紙では常連の漫画家El Rotoが労働者のつぶやきを描いている。二人の男がシャベルを持って土を掘り返している。(2012/01/28)


みる・よむ・きく
小谷賢著「インテリジェンス」(ちくま学芸文庫)
  小谷賢著「インテリジェンス〜国家・組織は情報をいかに扱うべきか〜」は現代のインテリジェンス組織について包括的にレポートした本です。’インテリジェンス’という言葉は最近、巷に出てくるようになりましたが、細かい断片的なエピソードが多く、その全体像について書かれた本はあまりなかったと思います。そういう意味で貴重な1冊です。構成は以下のようになっています。(2012/01/28)


欧州
2012仏大統領選はサルコジ勝利か?・・・ロジャー・コーエンのNYTコラム「サルコジ効果」
  ニューヨークタイムズのコラムニスト、ロジャー・コーエンが「サルコジ効果(The Sarkozy effect)」という一文を寄稿した(1月24日付)。この一文でコーエンはサルコジが大きくポイントを稼ぎ、再選に近づいていることを報じている。それはいったいなぜなのか。(2012/01/26)


農と食
山羊を飼おう 〜山羊放牧で雑草を処理〜
  新潟県三条市在住の今井明夫さんは「全国山羊ネットワーク」の代表をつとめる。今井さんは自宅で山羊15頭を飼育している。えさはトウモロコシの茎や葉をカッターで刻んで発酵させたものや、くず野菜、くず米などを使う。夏場は雑草を食べさせる。実質的に、飼料代はタダだ。今井さんは山羊の持つ価値をもっと知ってもらおうと、いくつかのプロジェクトを立ち上げた。その1つが河川敷の雑草を山羊に食べてもらって処理しよう、というもの。(2012/01/25)


コラム
養殖にされる人間    村上良太
   西部劇の時代にエイリアンが飛来する、という奇想天外なハリウッド映画「カウボーイ&エイリアン」を見た。奇想天外なのは宇宙人がはるばる銀河の彼方から金を採掘に来る、というその動機であり、さらに驚くのは人間を生け捕りにする彼らの動機が金鉱で強制労働させることにあるのではなくて人間を養殖にして彼らの食料源にするところだ。(2012/01/25)


アフリカ
25日(水)エジプトで戒厳令が解除か  抗議運動から1周年
 エジプトでは本日1月25日(水)を持って戒厳令が解除される見込みだ。ムバラク時代から新政権への移行を見守る軍事評議会最高指導者フセイン・タンタウィ(Hussein Tantawi)氏がそう述べた、とアルジャジーラは伝えている。1月25日はエジプトでムバラク政権への反乱が始まった日で、1周年を迎える。(2012/01/25)


社会
独裁者を支えたインターネット監視技術は米仏の企業が提供 
  今月発行のフランスの月刊評論誌「ルモンド・ディプロマティーク」にインターネット監視技術に関する記事が出ており、興味深い内容だ。記事はジャーナリストのアントワーヌ・シャンパーニュ(Antoine Champagne)氏による「Surveillance ’profonde’ sur Internet(インターネットの高度の監視術)」である。(2012/01/24)


市民活動
山羊を飼おう 山羊を連れて東北の被災者を慰問
  山羊は心を癒す伴侶動物でもある。前回紹介した全国山羊ネットワーク代表の今井明夫さん(新潟在住)から、宮城教育大学のチームが山羊を連れて東北の被災者を慰問しているレポートが寄せられた(2012/01/24)


コラム
西陣の手打ち蕎麦の店   村上良太
  2000年に入って間もなくだったと思うが、京都西陣の町家をいくつか訪ね歩いた。西陣の伝統建築を解体から守るために、入居を希望する若い人々と大家を結びつける、町家倶楽部という地元の団体があったのだ。町家にはうなぎの寝床のように入り口は狭いのだが奥行きがある家がたくさんある。(2012/01/22)


米国
SOPAの米下院決議が延期か 抗議運動が強まる
  ボイス・オブ・ロシアはウィキペディアなどが抗議運動を行っている法案SOPAについて、下院での決議日が延期になったと報じた。(2012/01/21)


市民活動
豊島区の挑戦  「としまビジネスサポートセンター」 地域金融マンと組む
  東京・豊島区は他の多くの都市とも同じだが、町の高齢化と不況に伴い、中小零細企業が年々減少傾向にある。そこで区は中小零細企業をバックアップするために、地域金融のプロを招いて「としまビジネスサポートセンター」を2年前立ち上げた。場所は豊島区役所の裏手にある生活産業プラザ5Fである。「としまビジサポ」(通称)の特徴は無料相談から始まり、資金サポートから起業・販路拡大・交流会など様々な悩み事を一か所ですべて受けることができる点にある。(2012/01/21)


社会
「ロンドン証券取引所を占拠せよ」
  ロンドン証券取引所を占拠する「occupy LSX」の映像レポートをフェアトレードのPeople Treeがユーチューブで行っている。代表のサフィア・ミニー氏のブログ「ロンドン、セントポール大聖堂の抗議活動は新年まで継続可能に!」(11月4日付)で紹介されている。(2012/01/21)


アフリカ
ベルベル人の心の音楽「シャービ」  
ベルベル人の心を歌うイディール(Idir,1949-)の音楽を前回紹介した。イディールはアルジェリアの歌手だが、フランスを始め世界で高い人気を誇っている。彼の代表作「アババ イヌーバ(A Vava inouva)」はベルベル人が外敵に襲われ、山に逃げ込んだ歴史をモチーフにしている。(村上良太)(2012/01/20)


コラム
古書評論の必要性   
  今、古書店が消えていきつつある。ブックオフのような大手のチェーン店は拡大しているのかもしれないが、個人でやっているような小さな古書店が町から1つ、また1つと姿を消しつつある。古書店がなくなっている、ということは古書が売れなくなっているということである。その理由の1つとして、新聞・雑誌の書評のほとんどが新刊の案内しかしていないことがあると思われる。(村上良太)(2012/01/19)


緊急連載
アメリカのサイバー新法  国際的なメディア法の論壇サイトは・・・
  インターネットでメディア法を国際的に議論しているサイト「メディア法」ではハンガリーで進められる新メディア法と並んで、今、米議会で導入が検討されているメディア法案について論じている。これは今年に入った1月17日付のレポートである。(2012/01/19)


緊急連載
ウィキペディア(英文)がブラックアウトに突入 米規制法案に抗議 <その中身とは?>
 ウィキペディア(英文)が予告通り、24時間ブラックアウトに突入した。(2012/01/18)


緊急連載
ウィキペディア(英文)が米法案に抗議のブラックアウト予告
  インターネット時代の大衆の百科事典となったウィキペディア(英文)が1月18日(水)に24時間ブラックアウト(シャットダウン)を行う。これはウィキペディアの予告である。ウィキペディアがこのようなデモを行うのはこれが初めてのことだという。この決定は1800人のウィキペディア関係者が3日間議論して決めたことだとされる(2012/01/18)


コラム
パリのマクドナルド 〜遊牧民とトイレ〜
  パリのマクドナルドとなると、有機農業やスローフードの支持者たちから目の敵にされているんじゃなかろうか。実際、パリでマクドナルドに入ってもあまりハッピーな気分にならない。マクドナルドなら日本にもたくさんある。何もパリでまで・・・。しかし、何週間も滞在しているとカフェだけでは時間が持たせられなくなる。(村上良太)(2012/01/16)


文化
現代の遊牧民〜「モダン・ノマドの日記」〜アンドレイ・モロビッチ 
  アフリカからEメールが届いた。「僕はここに最低でも月に一度は来ることだろう。よそに移動する前にだね。これから僕はもう一度北に向かって3週間移動する。そこでラクダやヤギを飼っている遊牧民の一家と暮らすんだ。彼らの生活のリズムやデテールをもっと知りたいと思っているのさ。」Eメールの送り主はスロベニア人の作家アンドレイ・モロビッチ氏。スロベニアでは13冊本を出しているそうだ。モロビッチ氏が「ここ」と書いているのはアフリカ北西の海岸にあるヌアクショット(Nouakchott)という町である。(2012/01/15)


環境
メキシコ湾の原油流出事故の顛末 〜魚の美味しさをPRするBP〜
  2年前の2010年4月20日にメキシコ湾で原油を採掘していたブリティッシュペトロレアム(BP)は海上の採掘施設が爆発炎上を起こし、海底油田から原油の大量流出を伴う大事故を起こしてしまった。事故で11人の労働者が亡くなくなっている。これはBBCのウェブサイト(2010年6月15日)の記事の紹介である。(2012/01/14)


みる・よむ・きく
対談「ひとり女子旅のススメ」 〜原点は旅にあり〜
   ノンフィクション作家の長谷川まり子氏はネパールからインドの売春宿に売り飛ばされた少女たちの人身売買被害と彼女たちが救出された後の人生を長期間にわたってルポしてきた。また、彼女たちを支援するNGO「ラリグラス・ジャパン」を日本で立ち上げ、その活動も活発に行っている。そんな長谷川さんは今月27日、女性の一人旅をテーマに対談を行う。長谷川さんの原点は旅にあるという。(2012/01/12)


人権/反差別/司法
刑務所内のレイプ  
  アメリカの刑務所でのレイプが深刻な問題になっていることをアリゾナ在住のマクレーン末子氏が寄稿したのは2005年8月である。司法省が出した統計によると、刑務所の受刑者数は約210万人で、そのうち、1年間に刑務所内で行われた性的暴行は8210件に達しているという。一方、アメリカの刑務所内のレイプ撲滅に取り組む団体JDIは米国の刑務所で1年間に起きるレイプ事件は成人・未成年を合わせて20万件以上と見積もっている。(2012/01/11)


欧州
言論統制を進めるハンガリーの新メディア法
    ニューヨークタイムズなどの欧米紙で最近クローズアップされているのがハンガリーの憲法改正とその関連としての新メディア法である。以下はハンガリーにある日本大使館がウェブで公開している新メディア法に関する記述である。(2012/01/11)


農と食
山羊を飼おう 「全国山羊ネットワーク」
  かつて日本の各地で見られた山羊をもう一度飼おう、と山羊の良さをアピールしている団体がある。「全国山羊ネットワーク」である。1998年に宮崎で全国山羊サミットが開かれたのをきっかけに山羊と人間の暮らしを見つめなおし、その多面的な価値を考えるようと大学人・企業人・農業団体・農家などの有志が集まり、組織が生まれた。(2012/01/10)


みる・よむ・きく
韓国現代戯曲「荷(チム)」(作:鄭福根)を上演 演出は坂手洋二氏 
  東京・練馬に拠点を持つ東京演劇アンサンブルでは今年2月24日から3月4日まで韓国の現代戯曲「荷」を上演する。演出は坂手洋二氏。以下は同劇団のニュースレターから。「東京演劇アンサンブル2012年のスタートは、韓国演劇界のベテラン女性作家・鄭福根さんが書いた『荷』を日本初上演します。彼女との出会いは、2009年3月。シアタートラムで行われた日韓演劇交流センターによる「韓国現代戯曲ドラマリーディング」でのことです。」(2012/01/10)


欧州
ブルデューの死から10年 〜欧州を改造した知的傭兵部隊〜
  フランスの社会学者・思想家のピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu ,1930-2002)は亡くなる少し前に来日講演を行っている。この時の講演録は「新しい社会運動〜ネオリベラリズムと新しい社会支配〜」というタイトルで藤原書店から加藤晴久訳で出た。この本が刊行されたのは2001年9月20日で、これは9・11同時多発テロのすぐ後である。そして、ブルデューは翌年、2002年1月に亡くなった。(2012/01/09)


科学
「ヒッグス粒子ちゃん・・・」 エル・パイスの漫画から
  スペインの新聞エル・パイスの漫画家フォルヘスの一枚「2012年の大挑戦」〜ヒッグス粒子を見つけろ〜(2012/01/07)


欧州
闘牛と戦う人々 動物と人間に対する虐待をやめよ
  フランスにCRACという闘牛に反対する組織がある。闘牛は牛を大衆の前で何度も刺し殺す残虐な行為である、ということで1991年にフランスで活動を始めた。そのウェブサイトによれば、設立の中心人物はジャック・ダリ氏と、エーメ・タルデュー氏とされる。思想家たちも加わり、実際に闘牛を廃止させるべく、活動を広げていった。2004年に亡くなった哲学者のジャック・デリダも名誉会長を引き受けていたとされる。(2012/01/05)


みる・よむ・きく
「コルタサル短篇集」 (木村榮一訳 岩波文庫) 
  アルゼンチン出身で長くパリで暮らした作家フリオ・コルタサル(Julio Cortazar,1914-1984)には「石蹴り遊び」という何通りもの読み方を選択できる独創的な長編小説があるが、短編小説の名手でもある。コルタサルは現実と幻想が交錯する話をいくつも書いている。遠く離れた時代が交錯したり、夢と現実が交錯したり、静止しているはずの写真が動き出したりする。こうした小説は映画と親和性が高い。その延長線上に短編「南部高速道路」がある。この話はまさに3・11以後の日本を描いた作品のように読める。(村上良太)(2012/01/05)


欧州
スペインの漫画から エル・ロトの世界
  昨年末から、スペインの破滅的な空気を伝えるのがエル・パイス(El Pais)紙の漫画家、エル・ロト(El Roto)である。エル・ロトには独自のタッチがある。それは黒インクの使い方だろう。ウィキペディアによれば、エル・ロトはペンネームで、本名はアンドレ・ラバゴ・ガルシア(Andres Rabago Garcia)のようである。(2012/01/05)


欧州
フランスからの手紙24   「現代の黙示録?」 Apocalypse now ?   パスカル・バレジカ
  2011年は地球全体が恐ろしい事態に見舞われた。まず経済危機が先進国とそれ以外の国々を席巻した。(ギリシアは決して先進国ではない)。そして福島の原発事故。また「アラブの春」はチュニジアでもリビアでもイスラム主義者の勝利で終わった。NATO軍がリビアに持ち込んだ大量の最新かつ強力な兵器はAQMI(北アフリカのアルカイダ系組織、アキムとも呼ばれる)が手に入れ、サハラに持ち込まれた。アフガニスタンとイラクの後、次の戦争がサハラで始まる危険がある・・・(2012/01/04)


中東
IAEAのある変化 イラン制裁の推進力
  雑誌ニューヨーカー(11月18日付)にセイモア・ハーシュ(Seymour M. Hersh)記者はイラン制裁に向かうアメリカ共和党大統領候補者らの言動を報じた後、こうしたイラン制裁論の根拠となったものとしてIAEA(国際原子力機関)が昨秋配布した「証拠」について語っている。昨年末、アメリカはこれに基づき、イランに対する制裁法案を可決し、関係各国にはイランから原油を買わせず、イラン中央銀行と取引する米国外の金融機関は米国の金融システムから締め出す措置を決めたとされる。これは経済封鎖であり、強硬な措置である。日本もイラン制裁に国として加担するのであれば、その前にイランを制裁する根拠は何か。国はそこを国民が納得できるように説明する必要があるのではないだろうか。(日刊ベリタ編集部)(2012/01/03)


みる・よむ・きく
スペインの漫画から 「去年4回笑ったのはなぜだ?」
  スペインの新聞エル・パイスにフォルヘス(Forges)がこんな一枚を描いている。(2012/01/03)


みる・よむ・きく
ベルベル人の心を歌うイディール(Idir) 〜昔話 A Vava Inouva〜
  ベルベル(Berber)人という名称は遠い昔、世界史の時間に一度か二度耳にしたくらいで、その実像はまったく未知の民族だった。ベルベル人は北アフリカに古来から住み、ベルベル語なる言語を話す。人種的にはコーカソイド、つまりは白人に属するようである。ベルベル人には何人もの優れた歌手が出ているが、その一人がイディール(Idir)である。僕が聞いたのはイディールがアコースティックギターを奏でながら弾き語る「アヴァヴァ・イヌーヴァ(A Vava Inouva)」というタイトルの歌だった。1976年に歌ったこの歌でイディールは一躍フランスをはじめ世界に名前が知られるようになったそうである。(2012/01/02)


欧州
劇作家バツラフ・ハベル(Vaclav Havel)の死    村上良太
  12月下旬、トランジットのパリから東京に向かう飛行機で手にした新聞には北朝鮮の金正日総書記とチェコの元大統領バツラフ・ハベルの二人の政治家の死が大々的に報じられていた。アクチュアルな意味では金正日総書記の方がインパクトは大きく、ルモンドの記事でも一面から写真入りで取り上げられていた。一方、ハベルについてはすでに政界を退いていたこともあって、その扱いはより文化的かつ懐古的だった。(2012/01/01)


欧州
スペインの危うい空気  漫画から
  スペインの新聞「エル・パイス」の漫画から。2012年のスペインはすでに末期症状である。(2012/01/01)


米国
エル・パイス紙がペンタゴンの兵器輸出を報じる
  スペインの新聞、エル・パイスは昨年9月閉めの2011年度、アメリカの兵器輸出先の上位10か国と輸出額を報じている。上位3位はアフガニスタン、台湾、インドと続く。記事によれば買う金のない国については支援ということでペンタゴンが安く兵器産業から買って送っているとか。(2012/01/01)


みる・よむ・きく
アジアの時代を予感させる米パロディ短編映画監督フレディー・ワン  
   ユーチューブに2つのチャンネルを持つ中国系アメリカ人の映画監督フレディー・ワン(Freddie Wong)。その映像はハリウッド製の戦争アクション映画やカンフー映画をパロディにしたもので、20代のワン監督自身がコミカルな演技を繰り広げている。どこにでもいそうな東アジア人の風貌で、特段ハンサムと言うわけでもないが、どこか憎めないキ