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Time Line
2023年12月02日
2023年11月29日
2023年11月25日
2023年11月23日
2023年11月22日
2023年11月21日
2023年11月18日
2023年11月17日
2023年11月14日
2023年11月13日



Writer

記者

村上良太( MURAKAMI Ryota)


岡山県生まれ。著書に『立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記』(社会評論社)。フランスの評論誌Les Temps Modernes(現代)誌に寄稿。TVディレクター・監督として米、ロ、フランス、中国、台湾、トルコ、西サハラ、インドネシア、タイ、ヨルダン、ニュージーランド、ドイツ、キューバ、デンマーク、アルジェリア、ジンバブエ、フィリピン、ブラジルなど過去17ヵ国以上で取材。日本テレビでは報道部長賞2回。NHK、TBS、日本テレビ、読売テレビ、テレビ朝日、テレビ東京などで報道・ドキュメンタリー番組のディレクターをつとめてきた。近作にミンダナオ島で撮影したビデオ作品『甘いバナナの苦い現実』(監督:制作PARC)。2020年春、哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィルのエッセイ集『もう一度・・・やり直しのための思索』(社会評論社)を翻訳刊行。現在、大学院でフランス現代史を研究中。社会主義の理論を構想する月刊誌「科学的社会主義」にフランス現代政治について寄稿。




欧州
AFPSコミュニケ 「ガザの偉大な女性に対してフランスの内務大臣が出したひどい退去命令」
フランス・パレスチナ連帯協会(AFPS)は、フランスの内務大臣がマリアム・アブダカ氏に出した退去命令に対して、これ以上なく強い抗議をしています。マリアム・アブダカ氏は偉大なパレスチナ人の女性で、その取り組みは広く知られ、尊敬されています。 (2023/10/21)


みる・よむ・きく
ピエール・ロザンヴァロン著『良き統治 〜大統領制化する民主主義〜』 行政府の独走をいかに阻止するか?
フランスの歴史学者で政治学者でもあるピエール・ロザンヴァロンはコレージュ・ド・フランスで教鞭を執っているそうだが、彼が最近書き下ろしたのが浩瀚な『良き統治 〜大統領制化する民主主義〜』である。日本では2020年3月に翻訳が出て(6人で共訳している)、序文を宇野重規教授が記している。本書の骨子は、民主主義の危機についてであり、いかなる危機かと言えば、大統領の権力および行政府の権力が強くなり、独裁的になっている問題である。ロザンヴァロンは、このテーマを歴史を長期スパンで振り返り、フランス革命で当初は国会(立法)が最高の主権者の機関であり、政治の最高位に長らくあったはずなのに、今では行政府と位置が逆転しているのはなぜか?と追及している。そして、そこから、いかに打開できるかも提案しているのだ。(2023/10/20)


みる・よむ・きく
『民主主義の統治能力 日本・アメリカ・西欧〜その危機の検討〜』(サミュエル・P・ハンチントン&ミシェル・クロジエ&綿貫譲治、日米欧委員会編) 1975年に提言された新自由主義の起源
新自由主義の起源はいったい何だったのか?新自由主義の誕生を象徴するのが、1979年のサッチャー首相の登場や1981年のレーガン大統領の誕生である。一般には1980年代以後に先進諸国で政治体制に大きな変化が起きた。日本でも同様である。それは新自由主義と呼ばれ、規制緩和、小さな政府、グローバリゼーションなどの特徴がある。過去40年にわたって新自由主義の時代が日本ではほぼ一貫して続いた結果、貧富の格差が増大し、製造業の工場群の多くがアジアなどの海外に移転し、中流階級のボリュームが減少することになった。(2023/10/20)


みる・よむ・きく
武井彩佳著『歴史修正主義〜ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』
2年前に出版された武井彩佳著『歴史修正主義〜ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』は、歴史修正主義の歴史とその概念が丁寧に説明されている本で、極めて有益に思えました。私が今研究しているフランス現代史のテーマとも密につながっていまして、先日、ある歴史学会で私と同じ分野の研究をしている若い人もまた本書を参照していることを知りました。読まれているんだな、と感じた次第です。(2023/10/19)


コラム
右派保守政権による独裁制に向かうイスラエル この秋政府が提出する法案が分岐点
イスラエルは国連で定められたパレスチナの領土に不法に入植活動を続けてきたのですが、そんなイスラエルは民主国家であることを誇って来た国でもありました。とくに周囲の王室を持ち、君主制を維持するアラブ諸国との比較で、三権分立も残す国家という矜持があったはずです。ところが、そのイスラエルが建国75年目の今日、ついに三権分立が崩壊し、行政府の独裁制に向かいつつあります。その鍵はこの秋行われるとされる司法制度改革法案にあります。(2023/10/17)


コラム
今回の戦闘は、イスラエル政府・与党による司法制度骨抜きプロセスの最中の出来事だった
7月に法案が通ったイスラエル政府による司法制度改革は建国以来最大の民主主義の危機とされ、今年野党を中心に多くの市民が反対デモに繰り出したことは前回書きました。7月の段階では、あまりにも多くの市民の反対があったために、ネタニヤフ首相は野心の道半ばで妥協した法案にしてひとまずは国会を通したとされます。ニューヨークタイムズの9月13日の続報*によると、市民が最も危惧していた2つの部分、すなわち、1,最高裁の判断を国会の多数決でひっくり返せるという部分、および2,イスラエル政府が最高裁判事の任命に当たって大きな影響力を行使できるようにする、というこれらの部分は7月の段階では取り下げられていたとのこと。では、7月の段階で可決された司法改革案の問題点として何があったのか、と言えばニューヨークタイムズは次のように書いていました。(2023/10/17)


コラム
この夏のファッショ的司法改革への批判を忘却に追いやったイスラエルとハマスらとの戦闘
今回のハマスなどによるイスラエルへの攻撃と、イスラエルのガザに対する攻撃は夏の話題をすっかり忘れさせてしまったかに見える。それはイスラエル政府による司法改革で、多くの市民が抗議のデモを行った。その改革こそは司法の力を削ぎ、行政府の独裁を許してしまう憲法上の危機、民主主義の危機だったのである。日本で報じられたかどうかわからないが、世界的には大きく報道された*。イスラエルはただでさえ、一院制議会であるが、これはその建国から周辺諸国・諸勢力との戦闘を繰り返してきた歴史が語るように、慎重に国会の両院で議論を繰り返す時間を短縮する効力がある。(2023/10/17)


コラム
NHKは違憲ではないか 〜 NHKの料金徴収は認められるか?〜 参政権の保証のために情報へのアクセスは水や空気と同じ基本的権利
私は先日来、テレビのあり方について私なりの小論を続けて書いてきました。その骨子はテレビの報道が営利システムで行われることには問題があることと、本来非営利であるはずのNHKが視聴率を気にしたり政治権力を忖度したりして公平性と公共性を失っている現状です。そんな中で、私は提案を記しています。●提案・参政権を行使するためには国内と国外の情報が不可欠であり、その意味で国民は情報を得る権利がある。その情報は企業の営利で取捨選択されるべきものではなく、国民が政治について判断を下すうえで必要かどうかという選択の基準で行われるべきである。その意味で、情報へのアクセス権は水や空気へのアクセス権と同じである。(2023/10/16)


みる・よむ・きく
新自由主義の源流 『民主主義の統治能力』(サミュエル・P・ハンチントン&ミッシェル・クロジエ&綿貫譲治 =日米欧委員会編) 
まだ筆者が読んでいない段階で、紹介するのもなんですが、パリで私は知人の哲学者のパトリス・マニグリエ氏から新自由主義の源流になったレポートがあると2017年にインタビューの際に耳にしていました。それは日米欧委員会なる組織が新しい時代への提言としてまとめた『民主主義の統治能力』と題するもので、英語では『The Crisis of Democracy: Report on the Governability of Democracies to the Trilateral Commission』です。いつか必ず読もうと思っていたのですが、意外に身近なところにあったのです。翻訳までされていたんですね。私はどこかの資料館とかライブラリーで探さなくてはならないと思い込んでいました。(2023/10/15)


コラム
報道の冬の時代と、次のメディアの時代  〜「報道」限界集落化を克服する道〜
2012年末あるいは2013年初頭に始まった第二次安倍政権は、すでに1990年代のデフレスパイラルと2008年以後のリーマンショックのダブルパンチで追い詰められていたテレビの世界の調査報道番組あるいは報道番組の制作者・ディレクターたちにとどめの一撃となった。もちろん、今も活躍している人はいるとしても、10年前と比べると、あるいは20年前と比べると厚みがかなり減っていると思われる。私の身の回りだけでも、第二次安倍政権が始まる前からすでに、報道に半生を捧げてきたような先輩方たちが彼らの報道が金食い虫であることを理由に企業の窓際に追いやられたり、退職をしたりを余儀なくされていた。(2023/10/15)


コラム
テレビ報道と視聴率の問題  報道番組は営利とは切り離す必要がある
これは今さら言うまでもない問題と思いましたが、それでも書いておこうと思います。テレビの報道番組が、視聴率と深く関係していることであり、それが報道に悪しき影響を与えていることです。民放の報道枠で番組を作っていると、視聴率を取る番組を作ることにプライドを感じ、視聴率がむしろ良い番組を作る指標であると思うようになります。そして、視聴率至上主義はよくないと言えば、負け犬のように響いてしまうものです。しかし、実際のところ、視聴率が取れそうにないために、いくら重要なテーマであっても報道できないものがたくさんあります。さらに、報道できたとしても、それは問題が進展して多数の死者が出るまでに至ってようやく、ということが多いのです。多数の死者が出ると、話題になり視聴率につながるからです。(2023/10/14)


コラム
反共は「連合」組合員の総意なのだろうか?  〜ドイツ労働戦線(DAF)と産業報国会〜 
2021年に日刊ゲンダイは連合の芳野会長の野党共闘では共産党とは組めないという反共的言動について、このように書いていた。「立憲が共産党などと一緒に作り上げた『野党共闘』によって、自民党の現職幹事長らを小選挙区で落選に追い込んだのは紛れもない事実であり実績だ。芳野会長はそうした功績も否定しているわけで、『連合と共産党の考えが違う』のであれば、まずは連合組織内で共通認識を得る手続きを踏んだうえで、何がどう異なっているのかをきちんと説明し、違うのであれば両者ですり合わせる努力をするべき。それこそが熟成された民主主義というものだろう。」(2023/10/14)


国際
戦争に抗して考える  アリーヌ・パイエ(Aline Pailler ; ジャーナリスト)Penser contre la guerre
ハマスの攻撃による民間人の恐怖に直面して、私たちにできるのはイスラエル人とパレスチナ人の双方のために、民間人への攻撃を拒否すること。そして公正で尊厳ある平和を求める運動を、心に怒りを抱きつつ毅然と行うことのみだ。もちろん、民間人の殺害は文字通りどちらの側においても耐え難いものである!しかし、プロパガンダを良しと感じるような短絡は、私たちの思考を妨げ、当たり前に感じるような感情だけに私たちを縮減してしまう。フランソワ・オランド元大統領は10月9日、フランス・インテルで、反シオニズムを反ユダヤ主義と、さらにイスラエルの消滅を望む願望と同一視した。これは元大統領にふさわしくない発言だ。(2023/10/13)


検証・メディア
自民党連戦連勝の理由:テレビ局群による自民党護送船団方式
自民党が連戦連勝している理由には様々なものがありますが、前にも書きましたように政治に国民が関心を持たないようにするマスメディアの不作為があります。そして、さらに言えば、そこにはマスメディアが自民党を守る護送船団方式があると言っても過言ではありません。その象徴を最近の例で挙げると、2021年9月に行われた自民党総裁選です。この時はテレビでも演説会が中継され、河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子が候補者として登壇しました。この模様は、アメリカの大統領予備選とよく似た雰囲気で、当時は岸田氏への期待は自民党員だけでなく、安倍政権の強権的姿勢にうんざりしていた国民にとっても高まっていました。この選挙は、自民党員の選挙に過ぎず、国民の大半には投票権すらなかったにも関わらず、民主的選挙で首相が選ばれたかのような、一種の大統領選を感じさせるものでした。(2023/10/12)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜テレビ改造論その2〜 地上波に地方自治の枠を作る 
テレビ改造論1で、現行のチャンネルを抜本的に改め、多数の社会運動を行うグループやNPOなどに時間ごとに託すことを提案しました。その中に、どうしても必要なものが地方自治を専門に伝える番組でしょう。つまりは、自分の暮らす街の問題を伝えると同時に、その解説を考えるためのものです。地方自治は民主主義の基本だと習ったことがありますが、そのような実感を私自身は持ったことがなかったばかりか、地方議会すら足を運んだことがありませんでした。これは私の怠慢ゆえですが、しかし、同時に地方自治についてあまりにも知る機会がないことも原因をなしていると思います。と言っても、地方議会にカメラを据えるだけではなく、地域における問題や課題を常日頃から取材して放送しておくものです。老朽化するインフラとか、学校の問題(いじめや教師の日常など)、商店街の活性化や野生動物との関係などなど、課題は地域によってさまざまでしょう。(2023/10/12)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜テレビ改造論その1〜 チャンネルを分割して社会貢献している様々なグループに隔年入れ替えで託す 
私はテレビの問題点を書いてきましたが、TVシステムの根底にある問題が人間疎外を引き起こしていることにあると思っています。忖度とか、癒着といった各論的問題も重要ですが、構造的な問題に迫る必要があるのではないでしょうか。それはTVの放送局が1社で1日中、百貨店のように様々なジャンルの番組を作って放送するのはもう時代遅れではないか?という認識です。もう1つは、スポンサー企業が基本的に資金力のある大手企業(その多くが経団連)ばかりで、今日のように大企業と中小零細企業の間で不公平が広がっている上に中小零細企業で働く人の方が国民の圧倒的多数であるという不具合です。そして、さらにより本質的なことですが、テレビの視聴者は受け身であり、テレビの中の人々を仰ぎ見るような一方通行的な構造になっていることです。(2023/10/10)


みる・よむ・きく
『オットーという男』 トム・ハンクスが嫌な老人役を演じるがなぜか味わい深い映画
仕事を定年退職し、愛妻を半年前に失って、頑迷な性格の老人と思われ(実際にそうでもある)隣人たちからも嫌われ、すっかり生きる喜びがなくなってしまった男が命を断とうとする・・・そんな爺さんの役をトム・ハンクスが演じている。とても身につまされる映画の立ち上がりだ。ハンクスが学生役でデビューした80年代の頃、僕も学生だったので、時が経つのはあっと言う間だと思わされる。そこへ、この映画ではラテンアメリカ系の若い家族が近所に引っ越してきて、何かといろんなことで手助けを求められるうちに、自殺のタイミングを逸し・・・・この映画は彼の心の転機、再生を描いている。(2023/10/10)


みる・よむ・きく
カルロス・マルテン・ビリンゴ著『ノワール・フランセ』( Carlos Martens Bilingo , Noir Français)  かつて暴動が起きたフランス最貧地帯から選挙資金約100万円で国会議員に当選
フランスの最貧地帯に独自のネットワークを築いて、昨年、選挙資金100万円超で国会議員に初当選した黒人カルロス・マルタン・ビリンゴ(32)の奇抜な人生の書。そこから、未知なるフランスが見えてくる。本書は2022年の選挙で、野党連合NUPESから立候補して当選した現在、32歳の下院議員カルロス・マルタン・ビリンゴ(1990−)の自伝である。所属政党は「服従しないフランス」。『ノワール・フランセ』とは、文字通り、黒人のフランス人ということで、著者の誇りがそこに込められている。コンゴからフランスに移民した両親のもとにフランスで生まれた。(2023/10/09)


国際
AFPSコミュニケ カルフールがイスラエルによる不法な植民地化への関与を強める Carrefour intensifie ses liens avec la colonisation illégale de la Palestine
 複数のNGOや労働組合によると、フランスの流通大手(カルフール)はパレスチナの植民地化に関連する企業とのパートナーシップを強化しています。植民地化に関与したイスラエル企業2社と最初の協定を締結してから1年半が経過し、2022年11月に発表された報告書で詳述されたこれらのNGOや労働組合からの警告にもかかわらず、カルフール・グループは警告を無視し続け、植民地化への関与を強めています。(2023/10/09)


国際
AFPSのコミュニケ <ガザ:イスラエルによるパレスチナ人封じ込め政策の失敗>
今回のイスラエルとハマスの戦闘に関して、フランスにおけるパレスチナとの連帯組織 AFPS(ASSOCIATION FRANCE PALESTINE SOLIDARITÉ)の記者発表を翻訳しました。AFPS「パレスチナ武装勢力、特にハマスが行ったとするガザ地区からの攻撃は前例のない規模です。 イスラエルの軍事拠点、特にスデロットと、ガザ封鎖の再強化以降では物資の唯一の通過地点であるカレム・アブ・サレム基地が占領されました。と同時に、数千発のロケット弾が発射され、イスラエルの対ミサイル防衛を打ち破る大規模な攻撃が行われました。(2023/10/08)


検証・メディア
なぜれいわ新撰組はテレビ局から避けられるのか
昨日「テレビにおける啓蒙と野蛮 〜国会パブリックビューイングが照らし出したメディアの問題点」ということで、テレビが国民を政治から排除してきたことを書きました。特に過去10年くらいは高市総務大臣(当時)の恫喝も効いて、一層加速してきました。しかし、それだけではなく、そもそも新自由主義における自由貿易協定の時代には政治を国民から切り離す方向性が濃厚になってきたのです。ここから、想像できることは、れいわ新撰組をテレビ局としてはあまり報道したくないであろうことです。(2023/10/07)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜国会パブリックビューイングが照らし出したメディアの問題点
法政大学の上西充子教授らが立ち上げた国会パブリックビューイング(以下、国会PV)という運動は、コロナ禍に入る前は大きく盛り上がっていたのを覚えている方も多いでしょう。安倍政権時代に国会で野党が質問をしても、まともに答えようとしない極めて不誠実な首相や内閣の実像がそこに如実に映し出されていたのです。国会PVが行われていたのは新宿駅西口の地下が多かったのですが、大衆が通る道の脇の一角に白幕を張ってそこに国会の質疑応答を記録した動画を上映し、適宜解説を入れる、というものでした。その特徴の一つが、国会の質疑応答をなるだけノーカットでみんなに見てもらう、ということにありました。(2023/10/06)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜スポンサー企業の資金力と番組の公平さ〜 少額スポンサーでも番組の制作放映ができる時代へ
インターネットの番組がなかった時代には、あまりにも当たり前なので疑問に思うことは少なかった問題が、スポンサー企業の資金力と番組の公平さの問題だと思う。テレビ番組のスポンサーと言えば、基本的には日本を「代表する」ような世界的に知られた企業が多かった。そして、戦後の昭和時代は右肩上がりだったので、多くの国民が望む暮らしと政治の間に〜イデオロギーの違いはあったとしても〜生活の面では今日ほど大きな亀裂はなかった。しかし、冷戦終結とバブル経済の崩壊後、税制も変わり、庶民の暮らしが厳しくなる一方で富裕層は富を増して、今日の1%対99%みたいな格差を生む社会になった。(2023/10/05)


コラム
菜食だった時代もあるワニ
ワニと言えば、狂暴な肉食動物というイメージですが、最近、それとは違った記事や動画をいくつか見ることがありました。たとえばワニにはエンパシー(共感力、empathy)がある、というものや、かつては菜食だった、というものなどです。後者は2019年のニューヨークタイムズの記事*にも科学者の説として紹介されているんです。「Crocodiles Went Through a Vegetarian Phase, Too」(ワニもヴェジェタリアンだった時期があった」というタイトルで、少なくとも3回あったという説です。(2023/10/05)


欧州
パリのトコジラミとモスクワの『南京虫』(マヤコフスキー作)
トコジラミがフランスで大流行し、国会でその対処をめぐって議論が起きています。トコジラミは別名、南京虫。この名前は、私の世代には〜かつて文学青年だったような人々には〜たぶん、懐かしい響きがあるように思います。ロシアの詩人、マヤコフスキーが書いたSF喜劇『南京虫』は、1980年代までは大きな書店では書棚に置かれていた一冊だったと記憶しています。(2023/10/04)


欧州
トコジラミがフランスで問題に  来年のパリ五輪への試練1
トコジラミという成虫で5ミリから8ミリ程度の小型吸血昆虫がフランスで大きな問題になっています。家庭、病院、学校、老人施設、刑務所、映画館、電車などに増えていると言うのです。これがかゆみや不快感で睡眠障害などの健康障害を引き起こすと、野党「服従しないフランス」(LFI)の下院リーダーであるマチルド・パノ―議員が議会やラジオなどで訴えています。しかも、殺虫剤でも薬剤耐性を獲得するという悪循環があると言うから面倒です。(2023/10/03)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜テレビの問題点〜 疎外と産業ファシズムの主因に
前回、第二次安倍政権で加速した報道の問題以前に、そもそもテレビというメディアに内在された問題があったのではないか、と書いた。それは今さら新しい言説ではなく、昭和時代に評論家の大宅壮一がテレビによって一億が総白痴化すると指摘した言説に象徴されるように当初から存在したものでもあった。私が思うテレビのメディアとしての問題点も、おそらくはそれと通底すると思われる。ここで、私なりに今、思いつくまま、その問題点を書いてみたい。(2023/10/02)


政治
「緑の党」(今日では後継政党がEELV)とは何かについて改めて考えました
ニューヨークでの豪雨。フランスでの旱魃。日本ではますます強くなる台風。昨今、気候変動が猛威を振るっています。私個人も2018年の脅威的な台風で長年暮らした住宅で暮らせなくなり、転居を余儀なくされました。決して他人事ではありません。そしてこれは南の人々が被害を受けているだけでなく、北部の先進諸国にもすでにダメージを与えているんです。私は環境問題を特に専門にするわけではないのですが、欧州やフランスの現代政治を見る上で「緑の党」がどんな機能を果たしているのか?その謎を自分なりに考えたいと思い、社会主義協会発行の「科学的社会主義」10月号に「フランスの政治的エコロジー」を寄稿しています。(2023/10/01)


政治
作家アルンダティ・ロイがインドのファシズムにつき世界に警鐘を鳴らす 「欧米諸国は有色人種の独裁者については黙認する傾向がある。これはレイシズムと違うの?」
ルモンド紙のインタビューでインドの作家アルンダティ・ロイが、ナレンドラ・モディ首相とヒンドゥー至上主義団体RSSのファシズム的傾向に警鐘を鳴らした。そのファシズムとは、ヒンズー教至上主義であり、2億人にも上る国内のムスリムを収容所で殺しこそしなくても2級市民に格下げすることにあると言う。(2023/10/01)


政治
本日、東京・渋谷でれいわ新撰組の増税反対デモ
2019年に設立されて4年目になるれいわ新撰組はこれまで増税反対デモを全国的に展開してきましたが、本日午後は東京・渋谷で増税反対デモを行う予定とのこと。れいわ新撰組のフライヤーによると、集会は午後4時半、神宮通公園で。その後、デモの出発は午後5時。一時間程度で一連のコースを歩いて、再び神宮通公園に戻り、流れ解散とのこと。その後、午後7時からは、渋谷区文化総合センター大和田4階のさくらホールで、「山本太郎とのおしゃべり会」が開催されるそうです。この情報は、れいわ新撰組のSNSなどの情報ですが、様々な状況で変化する場合もあるかと思いますので、参加される場合は情報を確認してみてください。(2023/09/30)


検証・メディア
特定のテレビ局を越えて、今、テレビの意味が問われている〜 テレビにおける啓蒙と野蛮〜
私は日刊ベリタでこれまでも度々、NHKや民放などのテレビ局を批判してきましたが、同時に過去には個別の番組や制作者という形で称賛もしてきました。第二次安倍政権以後、テレビ局はNHKが象徴的ですが、政府が右と言うものを左と言えなくなりました。たとえ個別番組で批判できても全体的には政府寄りの報道が基軸になっています。これは与党にとっては広告料なしで、莫大な広告PRを毎日打っていることと同じ効力があります。卑俗な言い方で恐縮ですが、与党にとってはたまらんうまさです。要するに、それが批判的報道であるか、肯定的報道であるかは、広告効果が180度違いますから、その意味で第二次安倍政権以後は、テレビは総じて与党の宣伝媒体になったと言っても過言ではないでしょう。さらに、選挙報道では平等に扱わないと電波停止にする、と高市早苗総務大臣(当時)が圧力をかけました。(2023/09/29)


みる・よむ・きく
フォルカー・シュレンドルフ監督『シャトーブリアンからの手紙』(2011年)
フォルカー・シュレンドルフ監督と言えば、ギュンター・グラスの小説を映画化した『ブリキの太鼓』(1979)でパルム・ドールを受賞したことで知られていましたが、その後、私は寡聞にしてシュレンドルフ監督作に出会う機会がありませんでした。ところが、私が見逃していたのですが、2011年に『シャトーブリアンからの手紙』という佳作を監督していました。私の見るところ、シュレンドルフ監督はまだ生きていたのか・・・どころではなく、『ブリキの太鼓』よりも優れた構成と演出だと思わされてうなりました。(2023/09/28)


経済
Amazonが米・連邦取引委員会(FTC)と17州から訴えられる 
米・連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission )と17州がアマゾンを不公正な取引を強要し、公正な競争を阻んでいるとして訴えたことがニューヨークタイムズで報じられました。連邦取引委員会がというのはわかりますが、17州というのはかなりな数です。たとえば、具体的な中身としては、アマゾンがそのサイトに出品する業者たちに、価格を統制していたこと(アマゾン以外で売る時は、アマゾンでの価格以下に下げないように圧力を加えていたこと)などをあげています。これは競合相手の流通業者にダメージを与える手法だとされており、その他のケースも含め、訴えは172頁に及ぶと書かれています。(2023/09/27)


文化
インボイス制度導入への反対署名が50万筆を越える  10月から導入される制度で文化への危機
9月25日に首相官邸前でインボイス制度への反対集会が行われました。10月に導入されるこの制度はフリーランスなど小規模の事業者・クリエイター・俳優・声優・映画人など日本の文化に貢献している多くの人々の暮らしを直撃するものとして、危惧されています。50万人以上の反対署名も集まりました。アニメーションのプロデューサーの植田益朗氏によると、アニメ・漫画業界などのクリエイターの3割を超える人々が廃業の危機に面しているとされます。(2023/09/26)


国際
米国へのベネズエラからの不法移民のドキュメンタリーを作ったUSAトゥデイ 〜ネット時代の1つの理想〜
米国への不法移民の流入を報道したUSAトゥデイの動画は、新聞社による動画だが、これまでのTVの映像とは異なるインターネット時代の動画報道の1つの理想に私には思えた。米南部エルパソのシーダーファレスにある川を渡って米国入りするベネズエラ人たちの姿が描かれている。ベネズエラと言えば、チャベスとマドゥーロの時代に様々な軋轢が米国を中心とした資本主義グループと生じたことは多くの人の記憶にあるだろう。(2023/09/25)


国際
NYで移民たちがホームレスと化す 合計約10万室のホームレス用シェルターは満室
米国はインフレも鎮静化し、失業率もさして上がることなく好景気に入りつつあると報じられる一方、ニューヨーク市ではホームレスが町で増えているとの報道がある。そして、西海岸でも同様の事態が起きているらしい。いったい何が起きているのか?米メディアの報道を複数見る限り、まずは移民たちがそのコアな人々らしい。まだ手続き中なので仕事を得ることができないらしい。ニューヨーク市で難民申請者たちに情報提供を行っているマンハッタンのルーズベルトホテル前にはずらりと居室をもたないらしい人々の列が二重三重にできていた。(2023/09/25)


経済
1ユーロが158円をつけた  欧米と金利差が拡大
昨日、1ユーロが158円をつけた。これは欧州旅行をしようという人々や留学しようという人々にとっては経済的な試練だろう。もちろん、海外の本や物品、食品などを買う人々にとっても。その背景には欧州中央銀行(ECB)が金利を上げる決断をしたことがある。NRIのウェブサイトにある木村登英氏のコラム「10回連続で利上げを決めたECB:軸足は利上げから政策金利の高水準維持に」*では、10会合連続と指摘してある。(2023/09/24)


コラム
「上か下か」は政治言説としては曖昧である(と私は思う)
「右か左かではなくて、大切なのは上か下かです」こうした言説を耳にすると、これは政治家の言説であっても、ジャーナリズムがこれに追随することはできないだろうと私は思う。というのは、「上か下か」という言葉は、ニュアンスとしては伝わって来るし、気分としてもわかるけれど、明快さを欠く。何をもって「上」で、何をもって「下」か、ということだ。そこが曖昧で、受け取る人の主観次第であれば、このメッセージは結果的にいつかは曖昧さの結果責任を伴うことになるだろう。特に、もしその言説をアピールする野党が政権与党の座をつかんだ時、上と下はどうなるのか、ということでもあるし、最終的に政策を実行する時、具体的に何をやるか、というところで、歴史的な意味での右か左か、という解釈をされてしまうだろうからだ。この右か左か、という考え方は、基本的には世界のジャーナリズムで通用している考え方なのである。(2023/09/23)


みる・よむ・きく
細見和之著『フランクフルト学派〜ホルクハイマー、アドルノから21世紀の『批判理論』へ〜』
中公新書から出ている細見和之著『フランクフルト学派〜ホルクハイマー、アドルノから21世紀の『批判理論』へ〜』は、入手する前に期待していた以上に素晴らしい書だった。私は今年から大学院で現代フランスの歴史学を研究しているのだが、フランスの戦後の歴史学を考える上で、ドイツのフランクフルト学派を無視することはできないことがわかってきた。フランクフルト学派と言えば、アドルノやホルクハイマーといった大物社会学者で著名だが、彼らの多くが1930年代から40年代にかけてナチスを避けて米国に亡命した。つまり、欧州の知性がアメリカの学界を潤し、戦後、再び欧州にフランクフルト学派とその弟子たち=「米国発」の歴史学が影響を及ぼすことになる。それは隣国フランスの歴史学にも波及するのである。(2023/09/22)


検証・メディア
ジャニーズと安倍政権の関係に切り込んだSAMEJIMA TIMES 〜報道番組におけるタレントの起用について〜
 鮫島浩さんのYouTubeチャンネル、SAMEJIMA TIMESでジャニーズと安倍政権の関係に切り込んでいます。秀逸な着眼ですね。必見です。これは現代メディアの問題の核心にも触れるテーマをはらんでいます。つまり、なぜタレントが報道番組のキャスターをつとめているのだろうか、という問題です。そこには、報道→ショー化という情報の変質の契機が含まれています。(2023/09/20)


経済
ウラン価格が国際市場で高騰〜12年間で最高(FT報道)
 原発の原料であるウランが12年ぶりに高騰しているとされ、この12年ぶりというのは福島の原発事故のようです。ウランの高騰には複数の背景があるとフィナンシャル・タイムズには書かれていますが、今年ニジェールで起きた軍事クーデターも要因とのこと。ニジェールはアフリカの北西部の国で、フランスの影響力のあるところですが、そこにロシアの勢力が影響力を増してきたことが報道されています。とはいえ、ニジェールの生産量は全体の4%程度です。(2023/09/19)


みる・よむ・きく
久邇良子著『フランスの地方制度改革〜ミッテラン政権の試み〜』(早稲田大学出版)
フランスの現代政治をウォッチする時、最も困惑するものの1つにコミューンとか、地域圏といった自治体に関する概念が日本の市町村とや県とどう違っているのか、ということがあります。コミューンと言えば、なんだか革命っぽい響きがありますが、フランスの政治制度でコミューンは市町村を指します。日本ではサイズの異なる市町村が同じ単語で表されている点もなかなかわかりづらい点です。(2023/09/18)


国際
左翼とウクライナの戦争 〜フランス左翼はこの問題で真っ二つ〜
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記がモスクワのプーチン大統領と先日会談した件はBBCなどで、北朝鮮が兵器提供の見返りにミサイル技術をロシアから求めたらしいと記されていました。また、各紙でこのミサイル技術は北朝鮮のミサイルが米本土に届くために必要な技術であるらしいことも報道されています。このことがウクライナ戦争の長期化に結びつくという意味で、「なぜ左翼はこれを批判しないんだ」という論調をSNSで見ました。日本でウクライナ戦争を批判している人々はNATOの東方拡大という戦争の前段階を批判するとともに、NATOがウクライナに兵器支援をすることで戦争の長期化につながっていることを批判していますが、かといって恐らく誰もロシアを応援しているわけでもないと思います。人によって違いはあると思いますが、多くの人は戦争に踏み出したロシアを批判しているはずですし、1日でも早く撤退してほしいと思っているはずです。(2023/09/18)


検証・メディア
NHKと旧東独・東欧の放送局の比較史の研究のために  〜NHK瓦解のプロセスとその背後の要因を歴史的に解明する国際プロジェクトを始動〜
NHKの放送が政府の広報機関と化した今、未来人のためにその過程と力学の歴史研究を開始する時期になりつつあります。まず、その検証の参考にするために、旧東欧のTVについて研究した先行研究書がいくつも世界で出版されています。若い人たちや学生たちは、こうした研究をして、どこで間違ったのかを調査して、しっかりと理解していただきたく思っています。(2023/09/14)


コラム
投票率低下の背景にあるもの 〜政治や経済のメカニズムが全くわかっていない人が国民の半数以上を占めるのではないだろうか。
国政選挙があるたびに低投票率が戦後の記録を更新して下がっていきます。有権者はますます投票に行かなくなっています。その理由には様々な要因があるでしょうが、もっと注目されるべきなのは〜私の仮説ですが〜有権者=国民の知的空白が拡大してきた、ということではないかと思います。つまり、インフレとか、金利とか、限界消費性向とか、あるいは新自由主義とか、民主社会主義とか、ヘッジファンドやポツダム宣言、三権分立など基本的概念が理解できない人々が国民の過半数を超えてしまったのではないでしょうか。多少言葉は聞いたことがあっても、その理解が浅すぎて、世界で、日本で起きている現象と関連づけて考えることがまったくできない人々です。こんなことを書くと、お前はいったい何様なのか、と批判されるでしょうが、それでも現状を冷徹に見ることは重要だと思っています。(2023/09/14)


国際
モロッコの地震
 モロッコの地震を海外メディアはどう伝えているのでしょうか?CBS Morningは以下。(2023/09/14)


経済
米経済の<痛みなき>インフレ鎮静化  (日本は円安 1ドル=146円で物価高騰 経済政策は大丈夫?)
ニューヨークタイムズで経済学者のポール・クルーグマンが失業率の高騰なき、インフレ鎮静化に米経済が成功したことを示し、その原因が何であったかについて論じています。NYT <How Goldilocks Came to the U.S. Economy>記事のタイトルになっているGoldilocksというのは、イギリスの童話「ゴルディロックスと3匹のくま」の主人公だそうですが(筆者は知りませんでした)、米経済で使われる場合は「インフレなき成長を維持する絶好調な景気」(英辞郎)だそうです。(2023/09/12)


経済
NYT報道 カリフォルニア州のファストフードレストラン業界が最低賃金の時給20ドル(2920円)で労組と妥結
2030年代半ばには時給の最低賃金を1500円にあげるのを「目標」に掲げて国民に大見えを切ったつもりの岸田首相だが、そんな遠い先の1500円に国民は信頼していない。そんな中米国のカリフォルニア州ではレストラン業界で最低賃金の時給20ドル(2920円)で労組と経営者たちが妥結したとニューヨークタイムズ*が報道した。(2023/09/12)


コラム
これから10年間に新聞界は大きく変わる 〜抜本的な変革なしにこれ以上存続できないだろう〜
新聞の発行部数の統計データを見ていると、過去20年来、激しく減少し続け、その減り方も加速しつつあるようだ。そして単純にこのままいけば10数年後には新聞は消滅する、という勢いである。仮に政府の広告で生き延びたとしても、それはもはや自立した新聞ではない。まさに政府広報でしかない。それを考えれば、これから10年間に新聞界は大きな変化の波が押し寄せるのではないかと想像される。そうならないと新聞界は存続できないし、またそれは新聞業界の問題だけでなく、日本国の存亡にも直結することになる。(2023/09/07)


コラム
タイのゾウ達と日本の政治文化  権力への従順さは子供時代に鋳型で作られる
私は知人にタイの象使いをドキュメンタリー作品にしてきた人がいまして、伝統的なゾウの仕込み方について雑談で話を聞いたことがあります。まだ力の弱い小さなゾウの時代に、ゾウは人間に逆らわないように仕込まれます。逆らったら金属の刃のついた棒で引っかかれ、痛みを覚えさせられて、そうやって集中的にねちねちと学習させられるそうなのです。今では違った飼育方法もあるそうです。とはいえ、かつてはそうやってゾウを人間に服従させてきたのです。幼いうちから痛めつけて、徹底的に人間に服従することを学習させるのです。(2023/09/05)


欧州
旧ソ連=ウクライナの腐敗の深度 将来の欧州連合入りの障壁
ウクライナの国防大臣が国防省の汚職・腐敗の責任を取らされて更迭されたが、ウクライナ政府内の腐敗は深刻なレベルで、欧州連合入りするには大きな壁になっているらしい。アメリカの公共放送PBSではそのことが報道されている。(2023/09/05)


コラム
岸田首相はウクライナ国防省の腐敗に抗議したのか?日本人の税金への責任感はあるのか?
ウクライナの国防大臣が国防省の腐敗の責任を取らされて更迭された。もともとわいろが伴う腐敗した政治風土だったとされるが、ロシアとの戦争の1年目では支援国も目をつぶっていた。しかし、2年目に入り、ついに米議員たちが文句をつけ始め、ウクライナ国防省が腐敗しているならもう米国からの支援を減らせ、という議論を始めた。このことが即、ウクライナの国防大臣の更迭につながったらしい。これはニューヨークタイムズの報道である。(2023/09/05)


コラム
政治家の世襲制は日本の近代化をはばむカースト制度である
政治家の世襲制は、自民党の首相や閣僚クラスの政治家たち自身やその子弟の中に脈々と受けつがれており、それこそが戦後復興してきた日本が低迷し、没落していくきっかけになったものと言えるでしょう。それはインドの低迷の原因がカースト制度という前近代の束縛にあったのと似ています。インドが金融やITで世界的に浮上できたのは、新しい職種であるIT業界はカースト制度の縛りがなく、誰でも参入できた職だったからです。(2023/09/03)


コラム
最低賃金時給1500円「2030年代半ば」までの目標だが、それまで日本人が生存しているか未知数〜フランスでは今年最低賃金の時給は1777円
岸田首相は2030年代半ばまでに最低賃金1500円を「目標」にすると語ったとNHKが報道しています。はっきり言って、日本の多くの人びとは「ふざけるな」と思ったのではないでしょうか。即1500円にしなさい、と。(2023/08/31)


コラム
近代劇とネット時代 〜今こそ近代劇が復権する時〜 日本の近代の始まりは今
ネット社会は2020年に始まったコロナ時代に、新しい段階に突入したのではないでしょうか。つまり、それまで対面して行っていた会議も、講義も、インタビューも、商談も、そのかなりがインターネットを使って遠隔でできるようになったことです。これは良い点もたくさんあると思いますが、困った点もあると思っています。1つ、例を挙げると、人間が場をリアル空間で共有していることが前提だった劇的空間が成立しなくなってきたのではないか?ということです。かつてなら人間同士、喧嘩もしたけど、仲直りもしたし、喧嘩を通して互いの理解を深めたりしてきた、という人類の歴史が断絶したのではないか、ということなのです。(2023/08/30)


みる・よむ・きく
水俣病と向き合ったユージン・スミスの伝記映画『MINAMATA』
偶然と言えば偶然、必然と言えば必然だった気がする。写真家ユージン・スミスが水俣病の人びとの写真を撮影した伝記映画『MINAMATA』(2020)を見たのが、福島から核汚染水が太平洋に放出された日だったことだ。この映画を見るチャンスが訪れたのは偶然だったのだが、それを知った以上、見ずにはいられなかった。それが必然だった。(2023/08/26)


コラム
政治家の世襲制の悲劇  先祖が馬鹿なら馬鹿が濃縮されていく
核汚染水を放流したことで中国が日本産の水産物を輸入禁止にしたことに驚いている日本政府を見れば、与党の政治家が何も考えていない本質的な馬鹿であることがわかる。なぜ馬鹿が国政のトップにあるのか?これは極めて不思議な事態のはずだ。日本国内に存在する様々な試験や選挙などの選抜は意味があるのか?ということでもある。(2023/08/26)


みる・よむ・きく
ブリュノ・ラトゥール著『諸世界の戦争 〜平和はいかが?』(工藤晋訳)
昨年亡くなったフランスの哲学者ブリュノ・ラトゥールには人類学者としての顔もあり、そのことが彼に大きな視点をもたらした。『諸世界の戦争〜平和はいかが』は、ちょっと拍子抜けしたタイトルのようにも感じられるが、中身は非常に興味深い示唆に富んでいる。コロナウイルスの感染症に襲われたり、ウクライナで始まった戦争のことを案じたりしている私たちに、今、世界で何が進行しているかを考えさせてくれる。(2023/08/23)


環境
福島の核汚染水放出に関するNYTの報道 東京電力のウェブサイトによると「約47万3千トンのタンクの水のうち、完全に処理されたのは30%」
24日にも福島の核汚染水の放流が迫っているとされ、世界でも大きく報道されています。この汚染水は一応、放射能除去の処理を受けたとされ、残るのは微量のトリチウムだけ、と喧伝されていますが、ニューヨークタイムズは、そこまで処理されたのは30%だと報じました。この出典は東京電力のウェブサイトにそう書かれているとされます。(2023/08/22)


検証・メディア
韓国での福島の核汚染水放流への反対デモを報じたアルジャジーラ
日本政府が福島の核汚染水を太平洋に投棄しようとしている問題は世界的に注目を集め、様々な言語で報道されています。アルジャジーラでも、ソウルで反対デモが行われたことを取り上げていました。 (2023/08/22)


環境
フランスのMediapartの見出し「海はゴミ箱じゃない」核汚染水の海洋放出に危惧する住民の声を報道
フランスの調査報道で知られるネット新聞Mediapartが核汚染水の太平洋放出に不安を感じる福島第一原発に近い地元住民の声を報じた。記事では「汚染水を海に流すな」と横断幕を掲げた人々の写真がつけられていた。(2023/08/21)


コラム
「プラハの春」のドゥプチェク第一書記と2009年の鳩山首相 〜戦車なくして粉砕された「人間の顔をした資本主義」〜
今年亡くなった作家のミラン・クンデラは『存在の耐えられない軽さ』や『冗談』などの小説から創作論、文学論まで様々な本が邦訳されており、何よりも読んで面白い作家だった。たぶん、そのように感じている読者は多いだろうと思う。しかし、クンデラについて、もっと詳しく理解しようと思うと、きっともっと読んだり、研究する必要があるに違いない。クンデラはまず、チェコスロバキアで1968年に起きた、いわゆる「プラハの春」に作家としてコミットしたことで、のちにフランスに亡命することになった。書籍も祖国では発禁処分となっていた。プラハの春は、当時、ソ連の衛星国だったチェコスロバキアが「人間の顔をした社会主義」を求めたとして知られる。検閲の廃止や表現の自由といった改革を実行したのだった。(2023/08/20)


環境
フランスでアグリビジネス主導の巨大貯水池建設計画に抵抗する農民・環境保護活動家たちのパリまでのコンボイが始まる 
日刊ベリタで前にも紹介したことですが、フランスでは今、気候変動による農地の乾燥化が各地で進行しており、農民たちはその対策と生き残りに苦労しています。そして、今年話題になっているのが、アグリビジネスが主導している巨大貯水池建設計画です。メガバッシーヌと現地で呼ばれているものは、サッカー場くらいの人工の貯水池を各地に作り、雨の降る冬場に地下水から水をくみ上げて、夏場に貯水池から供給しようとする半官半民のプロジェクトです。ところが、このプロジェクトに農民たちや環境保護活動家たちが反対運動を続けているのです。(2023/08/19)


コラム
マスメディアは国民の思想管理のための機械である〜政治変革のためにメディア市民革命を始めたフランス人〜
 今、日本でマスメディアが多くの人に批判されているのは、そのコンテンツが年々劣化していることが誰の目にも明らかになりつつあるからでしょう。今日、日本のマスメディアの役割は、政治権力が国民の思想を管理するための監視装置(世論調査・世相の声)であると同時に、洗脳装置でも会えり、選挙の際に有権者を誘導する装置でもあります。こんなことを書くと、極論のように思われるでしょうが、すでにフランスでは20年も前からTVを見ない人が増えていました。私の知人の多くもTVを見ないだけでなく、受像機自体家に置いていない人が大半です。(2023/08/18)


コラム
二度あることは三度目もある 「借金返済期間8300年」 無責任国家と地獄
二度あることは三度目もあるだろう。一度目は日中戦争と第二次大戦を始めても東京裁判で裁かれた以外にはほとんど誰も責任を取らなかったことだ。二度目は1980年代のバブル経済を引き起こして日本経済をどん底に陥れ、失われた30年をもたらして誰も責任を取らなかったこと。そして、今、また戦争を煽る政治家たちがいる。私はこの中で、二度目のバブル経済とその崩壊を若い頃、目撃した。(2023/08/18)


コラム
危機に柔軟に対応できなければ滅びるしかない 〜偽りの危機を煽る与党と真の危機を報じないマスメディア〜
威勢のよいスローガンをぽんぽん放っていた安倍政権のアベノミクスの行きついた最果ての地が今の日本であると、ようやく多くの人々が感じつつあります。そうなることを理解していた人は2013年の夏には一定数存在したと私は見ています。つまり、それから10年にわたって、ほぼ一貫して、マスメディアは国民に真実を伝えてこなかった、あるいは、両論併記=どっちもどっちという論調で、真実が何か誰にもわからないような記事で、読者の思考を不可能にする記事を量産してきたと言えると思います。(みんなが気がつくまで、その間に儲けるだけ儲けたのです)(2023/08/17)


コラム
昨今のマスメディアの特徴は<報じない力>  報道しないことで存在感を見せる
極めて残念ながら、昨今のマスメディアは、報じないことに自らのパワーの源泉を見つけているのではないでしょうか。マスメディアは報じないことで、その事実が「公認」ではないことになり、したがって存在しない、という風に見られていくのです。伊藤詩織さんが被害を受けた事件や木原議員の関与したとされる殺人事件の謎、与党と異なる思想・行動を取る新党をなるだけ報じないこと。安倍首相狙撃の翌日も選挙を前にしているのに、統一教会のことは報じなかったのでした。(2023/08/15)


経済
中国のバブル崩壊の兆し 「150か国」に貸した総額1兆ドル融資はどうなる?
今、海外の新聞では中国のデフレとバブル崩壊の可能性が日々、大きく報じられています。ニューヨークタイムズの7月8日付の記事では、中国がこれまで150カ国以上に総額約1兆ドルほどを融資してきたが、中国バブルがはじける場合、それはどうなるのか?と言ったことを論じていました。(2023/08/14)


みる・よむ・きく
全労連のフランスの福祉事情についての記事 『社会連帯は安心な生活の保障から─フランスの取り組みより』フランス子ども家庭福祉研究者 ( 安發 明子)
全労連の1つの記事がじわじわ話題となっています。自民党の女性局の議員などの一行がフランスで行った「研修」がわずか6時間の観光旅行に近いものだったことなどが庶民の怒りを呼んでいます。一方で、この全労連の記事はフランスで本当に学ぶべき福祉のあり様があるとしてSNSで拡散されています。『社会連帯は安心な生活の保障から─フランスの取り組みより』 フランス子ども家庭福祉研究者 安發 明子(2023/08/13)


コラム
斎藤憐作『上海バンスキング』と日中戦争
時代が完全に右傾化したということは、右傾化をもはや誰も意識しなくなり、それが新しいスタンダードになったかのように感じられることだと思います。斎藤憐作の和製ミュージカル『上海バンスキング』が上演されたのは1979年で、六本木のオンシアター自由劇場であったとネットで知りました。このミュージカルは戦前、上海に渡ってジャズをやっていた日本の音楽家たちをモデルにしており、ジャズをベースにした音楽の魅力に加えて、吉田日出子その他、多彩な俳優たちの演技の力も加味して、ロングランとなりました。しかし、その内容は、長期化する日中戦争という波にもまれ、日本と中国の間で右往左往しながら、ジャズという自由の境地を求めた人々の人生が描かれるという意味で、重いものを含んでもいます。つまり、テーマの重厚さと俳優たちと音楽の軽やかさやユーモアが協奏曲のように響きあい、このミュージカルに独特の味わいを与えていたのを思い出します。(2023/08/12)


アジア
日中戦争を本気で誘引する日本の政治家たち 〜中国側にも戦争待望論が出る可能性〜
中国のデフレにどんな意味があるのか?ニューヨークタイムズのコラムニストや記事、またその他の経済学者のインタビューなどに触れてみると、中国のデフレは日本のデフレとよく似ている。そもそも中国の経済発展モデルは戦後、日本やブラジルがたどったのと同じタイプで、輸出が輸入より大きく、そこで得た外貨(収入)を庶民が消費よりもなるだけ銀行の貯金に回して、その金をインフラや工場建設などに再投資するモデルだった。しかし、中国はすでにインフラもビルも十分にできたために有効な投資先が少なくなってきた。そこで収入を消費に回さなくてはGDPは拡大しないが、これまで貯金型をずっとやってきたことがネックになっているようである。(2023/08/11)


みる・よむ・きく
ブルーノ・ラトゥール著『どこに着陸するか? 政治をどう舵取りするべきか』(2017 / Où atterrir ? Comment s’orienter en politique)
昨年亡くなったフランスの哲学者ブルーノ・ラトゥールは世界で最も言及される知識人の一人だと言われている。晩年の2017年に出版された『どこに着陸するか? 政治をどう舵取りするべきか』という比較的短い書は、日本では『地球に降り立つ――新気候体制を生き抜くための政治』(新評論 2019年:川村久美子訳)という邦題で刊行されている。この書がどのくらいの人に読まれたかわからないが、最初の1頁から圧倒的な力で引き込まれてしまうパワーを持っていて、彼がなぜ世界で注目されているか、それを自ら理解できた。(2023/08/10)


コラム
パトリス・マニグリエ (哲学者)落書き好きの僕の嫌いな落書き〜「君の平和主義は階級の特権だ」〜  Patrice Maniglier
これは僕がこれまで見た落書きの中でもっともよく知られたフレーズです。壁の落書きが好きな僕も、この言葉はとても嫌いです。もし「平和主義」の代わりに「非暴力」を、と書くのならわかります。でも、「平和主義」とは!・・・しかも、戦争が欧州を含め、世界各地でいささか新たな炎を上げようとしている時に、です!(2023/08/10)


アジア
中国でデフレが顕在化してきたとNYTが報じる 
本日のニューヨークタイムズで最も筆者の関心を掻き立てた記事はこれ。中国経済がデフレに転じた、というものです。これはいったい、何が起きているのでしょうか?気になります。(2023/08/09)


コラム
軍産複合体とマスメディア  戦争のスポンサーにもなるのだろうか。
『21世紀の資本』という映画の評を書いた時、日本のマスメディアが政治権力と癒着し、「マスメディア=政治権力」という結合の形で軍産複合体に組み込まれたという私なりの見立て(仮説)を書きました。格差が拡大しているのにほぼ一貫して自民党政権が交代なく続く根底にはマスメディアが応援団=広報機関になっているからだ、というものです。民衆はそれ以外に政治や経済がどうなっているのか、知る手がかりがこれまであまりなかったのでした。マスメディアは政府に反対する政党などの意見も紹介しますが、最終的には「どっちもどっち」みたいな締めにして、民衆を宙ぶらりんのままにして、むしろ民衆を投票から遠ざけているのではないかと思っています。(2023/08/06)


みる・よむ・きく
映画トマ・ピケティ原作『21世紀の資本』 その2 特権意識の起源を示すシーン
トマ・ピケティ原作の映画『21世紀の資本』が、元の本と異なるのはピケティ以外に様々な専門家たちのインタビューが挿入されていることで、資本のシステムを多角的に追っているのです。特に興味深いのは、心理学者が登場して、特権意識の何たるかを実験から検証しているくだりでしょう。カリフォルニア大学の心理学者ポール・ピフは人類はたとえ富裕層になってもその富を分かち合いたくない、ということを実験で確かめたと言います。(2023/08/05)


みる・よむ・きく
映画トマ・ピケティ原作『21世紀の資本』 資本主義の意味を4世紀にわたって100分で俯瞰する
世界的にヒットしたフランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』は2020年に映画版が作られた。ピケティ以外にも様々な経済学者や経済史家、歴史学者、心理学者、ジャーナリスト政治アナリスト、世界経済アナリストらが登場している。1970年代あたりから始まった新自由主義革命によって格差が広がり、ソ連崩壊とともに今は資本主義が野放しになり、第一次世界大戦前夜の状況に来ているという。実際に2年後にウクライナで戦争が起きたが、イデオロギーではなく、国粋主義・ナショナリズムを基盤に領土の獲得・確保を目指したある意味で第一次大戦に似た戦争だ。しかし、ピケティはこれはまだ序の口で、世界の格差は18世紀に向かって逆戻りしている恐れがあると言う。(2023/08/05)


コラム
自民党女性局に自民党をぶっ壊せるか? 自民党と男尊女卑思想
自民党女性局の松川るい議員がフランスの集団研修旅行に子供を連れていき、大使館員に世話をさせていたことが露見して、この話題に新たな火種を提供しています。日本はジェンダーギャップレポートで総合力で国際順位が底辺に近く、政権与党である自民党の女性局は、海のないチェコの海軍省みたいな存在にすら感じられます。もし、松川るい議員が「男社会の自民党をぶっこわす!」と、小泉純一郎みたいにタンカを切って、既存の自民党に宣戦布告しておれば、庶民はもっと共感してくれたのではないでしょうか?問題は、そうした意気込みが感じられないことです。(2023/08/03)


みる・よむ・きく
タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』は意外にまともな映画だった・・・
目には目を、と言わんばかりにナチの将校や兵士を捕まえてはバットで殴り殺したり、頭の皮をはいだり、額に鍵十字をナイフで刻んだり、とナチに恐怖を植えつけるべく編成されたユダヤ人8人の米軍特殊部隊の行動を描いた映画『イングロリアス・バスターズ』。私は日本での公開当時は、トンデモ映画の類かと思い、見そびれていた。実際に見てみると、当初思っていたような映画ではなかった。何よりも暴力シーンはそれほど多くなく、その間の駆け引きや準備などの心理描写が結構、正攻法で描かれているのである。(2023/08/03)


コラム
自民党女性局エッフェル塔前記念写真と日本経済
自民党女性局なる組織が国会の夏休みにパリに「研修」旅行に38人で繰り出した際に撮影したエッフェル塔前の記念写真が庶民の批判を呼んで、ニュースでも取り上げられる事態となりました。SNSで回って来る写真には筆者が見る限り3〜4枚あり、38人で横断幕を掲げた記念写真と、3人が頭の上で手を合わせてエッフェル塔のポーズをしている写真と、コースで出てきたらしいフランス料理の写真です。騒ぎが大きくなって議員たちは写真を削除したり、弁解したりしているようですが、確かに少子化問題の研修を受けている写真も見ました。(2023/08/02)


コラム
芸術か、粗大ゴミか?
大阪府所蔵の美術品105点が地下駐車場で青いビニールシートで覆われるなど、粗大ごみ同様に置かれてたことを毎日新聞がスクープした。ツイッターにはたくさんの怒りの声が寄せられていた。確かに美術品がそんな扱いを受けていたと知った時、ショックを受けても不思議ではない。しかし、不思議なことに、その記事を読む少し前に、僕はこんなジョークを友人たちに言ったことがあった。「美術の展示で、様々な美術作品の並びの間に5%くらい粗大ごみを混ぜてみたらどうだろう?」と。(2023/07/27)


国際
イスラエルで大規模デモ 最高裁の違憲判決を下す力を封じた法案に国民の怒り
イスラエルで大規模なデモが起きている。これは極右と右派のネタニヤフ首相率いる連立与党が最高裁が政府の決定に違憲判決を下す力を削ぐ法案を通したことにある。デモは各地で行われている模様。(2023/07/25)


国際
米戦時情報局による対日勝利後の政策策定とマンスフィールド研修
私は以前から、米官僚たちを日本の各省庁に派遣して「研修」させてきたマンスフィールド研修という制度は、日本を構造改革するための米国務省の情報収集プロジェクトだったと考えている。マンスフィールド研修は1994年に始まったのだが、アメリカが日本をアメリカ化するための「日米規制改革および競争政策イニシアティブ」(規制改革イニシアティブ)が設置されたのが2001年のことである。この規制改革イニシアティブから毎年日本政府につきつけられる要望書がいわゆる年次改革要望書である。これは多岐にわたって日本に規制緩和を迫るものだ。2001年と言えば小泉総理とブッシュ大統領の時代である。(2023/07/21)


コラム
新聞について 新聞に最低限必要なものは何なのか?
新聞にあって欲しい情報とは何だろうか?私は昔、ドラマの教育を受けた時、演劇にとって最低限必要なものは何か?という問いを講師からぶつけられたことがあった。台本は必要か?俳優は必要か?演出家は必要か?観客は必要か?劇場は必要か?最低限、絶対にそれなしでは演劇が成り立たない要素は何か?こういう問いは、その活動をラディカルに考え直すときに必要になる。(2023/07/21)


みる・よむ・きく
サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』 全編ワンカットに見える驚異の戦争映画
「全編(ほぼ)1カットの戦争映画」ということで近年、映画界で話題を呼んだサム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』を見た。製作は2019年だから、私の想像では、この企画は第一次大戦(1914−1918)から100年という節目ということで進行したと思われる。実際、2014年から2018年にかけて第一次大戦を振り返る記事も欧州でしばしば出ていたと記憶する。1カットという売りだったが、実際には地下壕で黒味になった瞬間とか、爆発の瞬間などで、おそらくカットをつないだのではないか、と私は推察した。(2023/07/17)


国際
アメリカの景気後退 過去10年間で最大の倒産ペース レイオフも進む
最近、グーグルが12000人を世界でレイオフ(一時解雇)する計画に対して、雇用された労働者が各地でストライキを起こしていることをニュースで知りました。グーグルと言えば、パソコンを使えば毎日接しているものですが、その足元で労働者たちが闘争をしています。以下は4月上旬のロイターの記事で、ロンドンでのストライキを紹介したものです。労働者が「being evil (不道徳であること)はストラテジーではない」というプラカードを手にしています。しかも、彼はフランスの「黄色いベスト」と同じジャケットを着ています。ロイターの記事によると、米国のレイオフの波を大きくかぶっているのがテクノロジー(IT)の分野で、今年に入って4月上旬現在で29万人にも及ぶというデータを紹介しています。(2023/07/15)


コラム
どうやって権力者を怖がらせるか? 〜暴君が生まれるのは人々が跪くから〜
2016年3月31日にNuit Debout(立ち上がる夜)というパリ市民による政府への抗議集会がパリ共和国広場で始まり、夏まで毎日、人々が数千人広場に集まっては様々なテーマで討論を始めました。その運動は「服従しないフランス(LFI)」という後に野党共闘の中心政党に結実しました。ところが、日本のマスメディアはこの市民運動をそろって無視していたのです。メディアのパリの支局の人びとは、お菓子やハンドバッグの情報については感度が良くても、政治や社会性のあるテーマには大変弱い。さらに、彼らは革命を怖れているので、恒例の華やかな革命記念日の式典の取材はできても真の革命的な運動は直視できないのです。(2023/07/14)


欧州
革命を怖れるマクロン大統領 革命記念日に警官13万人を動員して「国民を守る」
7月14日はフランスでは革命記念日ということで、毎年、与党がどこであれ盛大に祭りを繰り広げてきた。しかし、今年は例年になく、ものものしい事態になっているらしい。というのも、今年になってから年金制度改革への大規模ストライキがあり、さらに警察官が17歳の少年を射殺した事件への怒りの暴動もあったばかりだからだ。「服従しないフランス」(LFI)の国会議員グループのリーダーのマチルド・パノ下院議員はツイッターで、マクロン大統領とボルヌ首相が革命記念日の前夜と当日に最大13万人の警官と憲兵を動員して「フランス国民を守る」としていることに疑問を呈している。(2023/07/13)


政治
<プロ>の政治家たちは政治学の教養があるのか?  仏歴史家・哲学者ピエール・ロザンヴァロンの重すぎる問いかけ 
フランスの著名な歴史家・哲学者で、コレージュ・ド・フランスという権威のある教育機関で講義をしているピエール・ロザンヴァロンという人がいます。『福祉国家の危機』や『良き統治』『カウンター・デモクラシー』などの著書があります。この人はTVにもよく出演していますが、マクロン大統領の政治について、興味深い発言をしています。マクロン大統領の政治スタイルは、自分に反対する人々を徹底的に警察力で封じ込めることが特徴でした。警察の放ったLBDと呼ばれるゴム弾で多くのデモ参加者が片目を失明しています。(2023/07/12)


コラム
現在の国会は正当性があるか? 昨年の参院選で行われたNHKによる誘導(安倍元首相狙撃事件報道)
日本の国会は二院制ですが、昨年7月に行われた参院選は選挙無効ではないか、と私は思っています。というのは、直前に起きた安倍元首相狙撃事件に対して、マスメディアは旧統一教会の問題が事件の根底にあったことを隠蔽していました。それだけでなく、NHKは翌日、NHKスペシャルで、この事件を報じながらも銃社会のテロ問題に主なテーマを設定し、旧統一教会の問題には触れなかったのです。しかし、後日明らかな異なったように、原因は旧統一教会の問題にありました。私はNHKは国民の目を真実から反らしたのだと思います。(2023/07/10)


コラム
「アパルトヘイトは合法だった」 皆、歴史の審判を受ける その2 米国という宗教
前回、フランス語で書かれたあるメッセージがSNSで回っていたことを書きました。そのメッセージとは次のような文言です。「アパルトヘイトは合法だった。ホロコーストは合法だった。奴隷制は合法だった。植民地支配は合法だった。合法性というものは、権力者のものであり、正義とは異なる」これは様々な視点から読むことができると思います。(2023/07/09)


コラム
「アパルトヘイトは合法だった」 皆、歴史の審判を受ける
フランスでは移民の子弟である17歳のナヘルという名前の若者が交通違反をし、その取締りにあたった警察官に射殺されるという事件がありました。警察官がこの若者を撃ち殺す必然性がなかったことが映像で広まり、全国的に大きな怒りを巻き起こし、その暴動から逮捕者数千人という事態となりました。そして、そんな最中に私は1枚のメッセージをSNSで目にしました。(2023/07/07)


コラム
私たちはナンテールの蜂起である パトリス・マニグリエ(哲学者 Patrice Maniglier)
「黄色いベスト」が人々にとって真の出来事(革命的事件)と呼ぶに値するものであったかどうかを評価できるのは今である。仮にもしそうだったのであれば、現在起きている暴動は2005年の暴動よりも幅広い国民の理解を得ているはずだろう。たとえメディアや政治の世界のエリートたちの言説は相変わらず、常に社会史の大きな潮流とは無縁で、それらはゴミ箱に入れるべきだとしても。もしこのように人々の理解が拡がったのであれば、この一連の流れから何か新しいもの、新しい社会の協定、つまり真の政治的発明が生まれるだろう(それはフランスの政治家たちが長い間やってこなかったものである。彼らは単に民衆を操作することだけで満足しているのだ)。(2023/07/01)


国際
パリ郊外の都市ナンテールで警察が17歳の少年を射殺 現場動画が公開され各地で抗議
 新型コロナが流行し始めた2020年5月に米国のミネアポリスで、警察官が黒人を路上で窒息死させるシーンが動画で世界に流れ、人種差別として大きな抗議の波が起きた。そのフランス版とも見える事件が今週火曜日にパリ郊外のナンテールの路上で起きた。交通法規違反の17歳のドライバーを取り締まろうとしたバイク部隊の警官が、警察と赤信号を無視して車を発進して逃げようとした少年を射殺したのだった。(2023/06/30)


コラム
NHK組織を変えた安倍方式 トップダウン戦略の衝撃 〜NHKにチャーチルなし〜
インターネット上の議論を読んでいて、第二次安倍政権以後のNHKにおける報道の劣化を、放送局員の意識の劣化と簡単に結び付けている議論を何度か目にしました。誤りというわけではないとしても、単純化されすぎていると私には感じられます。そこで私の見立てを記したく思います。(2023/06/30)


国際
2米紙「ワグネル傭兵部隊創設者はショイグ国防大臣とゲラシモフ参謀総長を拘束する計画だった・・・2人は事前に察知して隠れた」クレムリンはこれを否定
ドイツのDWはウォールストリートジャーナルなど2米紙が、ワグネル傭兵部隊創設者はショイグ国防大臣とゲフ参謀総長を拘束する計画だった・・・2人は事前に察知して隠れたとする報道を行っており、クレムリンがこれを否定していると報じた。ニューヨークタイムズも事前にロシア国防省の将軍たちもプリゴジン氏の計画を事前に察知していたと報じたとされる。(2023/06/29)


国際
ワグネル傭兵部隊創設者の反乱に関し、国防軍のセルゲイ・スロヴィキン将軍が逮捕される
プリゴジン氏の背後にいると目された国防軍のセルゲイ・スロヴィキン(Sergei Surovikin)将軍*が逮捕された。前のウクライナ侵攻軍の最高司令官であり、プリゴジン氏が尊敬していた軍人であり、セルゲイ・ショイグ国防大臣とは異なる立場にあった。このスロヴィキン将軍については、米諜報部はプリゴジン氏が反乱を実行する前にその情報をつかんでいたと見ている。(2023/06/29)


国際
アフリカにおけるワグネル傭兵部隊の活動 〜水面下でのNATO勢力との死闘〜
ワグネル傭兵部隊の海外報道を見ていて、よく出てくるのがワグネルグループのアフリカにおける活動です。とはいえ、ロシアの傭兵部隊がアフリカでいったい何をしているのか、理解している人はほとんどいないでしょう。かつて、リビアにサルコジ大統領が軍を派遣して、カダフィ大佐を始末した時、カダフィの息子たちを含む一族を守ろうとしていた軍勢にロシア人部隊があったことをフランスのジャーナリストが『サルコジーカダフィ』という本に記していました。ロシアの軍勢は、冷戦終結後、フリーハンドで活動し始めた米国やNATOに対して、一定のカウンター活動を繰り広げていたことがうかがえます。(2023/06/29)


国際
プリゴジンの反乱を支援したロシア国防省の将軍たち
ロシア連邦国防省の将軍たちの中にプリゴジンの反乱を支援していた人物が存在するのではないかという見方をニューヨークタイムズは伝えた。プリゴジン氏が尊敬していた前のウクライナ戦争の総指揮官だったSergei Surovikinもその可能性が取りざたされており、しかも、彼だけではないようだ。現在の国防大臣の戦争方針に対する国防軍の内部での疑問が募っている可能性がある。こうしたことが米高官に伝えられた模様である。(2023/06/28)


国際
ロシアの次期大統領は誰に?  
ニューヨークタイムズでロシアのNovaya Gazetaというメディアの元幹部Andrei Kolesnikov氏が興味深いコラム「Yesterday’s Putin Is Gone」を書いていたので、その一部を紹介します。ドイツのDWや先のニューヨークタイムズなどの分析と同様に、今回の事件で、プーチンの権力の掌握力が綻びている、弱さが露呈したとしています。そのうえで、プーチン大統領がプリゴジン氏よりも怖れているであろう人物が、プーチン大統領やメドベージェフ元首相(元大統領)への批判を行ってきて現在、刑務所にいるアレクセイ・アナトーリエヴィチ・ナワリヌイ氏であることです。2014年に「進歩党」を創設して党首になっています。(2023/06/27)


文化
フランチェスコ・ロージ監督『遥かなる帰郷』(1997:原作はプリモ・レーヴィ作『休戦』)
20世紀の1つの象徴とも言えるアウシュビッツ強制収容所から、ソ連軍に解放されてイタリアまで帰還の旅をする化学者プリモ・レーヴィの記録文学『休戦』を原作にした映画『遥かなる帰郷』は、1997年にイタリアの名匠フランチェスコ・ロージ監督によって作られた。主演はジョン・タトゥーロで、この映画では化学者を演じる彼の眼差しが重要な役割を果たす。というのも、アウシュビッツからなぜ自分たちは生還できたのか?他の人びとは死んだのか?という問いは、少なからずの生存者たちの心に残る問いかけであり、レーヴィはアウシュビッツでの体験を書き記すことが自分の生きる理由であると考えたようだ。そのことはこの映画でも描かれている。(2023/06/27)


国際
NYT報道 来春の大統領選にプーチンに出馬しないよう側近が説得するかも…
ニューヨークタイムズは、プーチンの権力の掌握力が弱まったとみて、独裁的政権が終末を迎える可能性について触れた。側近が来年3月のロシアの大統領選にプーチンに出馬をしないように求める可能性である。以下の箇所は、モスクワの新聞編集者に話を聞いた時のメモだ。要は、プーチンはもはや、エリートたちの財産と安全を保障するパワーがないと見切りをつけられたのかもしれない、ということなのだ。(2023/06/26)


国際
ドイツのDW モスクワ支局長 「この件でプーチンの権力は弱まった」
 昨日来のワグネル傭兵軍団の反乱と手打ちの経緯を見たうえで、ドイツのテレビチャンネルDWのモスクワ支局長は「この件でプーチンの権力は弱まった」と言い、「プーチンの確固とした権力ピラミッドはもはや確固としたものには見えなくなった」と語った。(2023/06/25)


国際
NYT はワグネル傭兵軍の創設者プリゴジン氏が反乱を起こす準備をしていることを米当局がつかんでいたと報道
ニューヨークタイムスは、米諜報機関がワグネルのプリゴジン氏がロシア国防省に対する反乱を起こす準備をしていることを数日前につかんでいたと報じた。これはロシアが核大国であるが故のリスク情報として重視されていたという。(2023/06/25)


国際
ロシア政府がプリゴジン氏への嫌疑を取り下げ、プリゴジン氏はベラルーシへ  ブリゴジン氏がウクライナ戦争の大義へ疑問をつきつける
ロシア政府は反乱を起こしたプリゴジン氏への嫌疑や反乱罪の適用を避け、取引が成立し、プリゴジン氏はモスクワ攻略は放棄し、ベラルーシへ出国したと伝えられている。ニューヨークタイムズと同様に、ロイター通信はワグネル創設者のプリゴジン氏がロシア連邦国防省上層部とウクライナ戦争をめぐって確執があったことを伝えている。(2023/06/25)


国際
ワグネル傭兵軍がモスクワまであと100キロまで北上 政治家・大富豪らが私有ジェットで逃亡中
政治ストラテジストのジェイソン・ジェイ・スマート氏は、ワグネルの反乱軍が北上を続け、モスクワまで100キロ地点に迫っているとツイートした。モスクワの政治家や大富豪たちは私有のジェット機で逃げているとされる。(2023/06/25)


国際
ワグネル傭兵軍がモスクワまで450キロ地点を突破して北上中 ウクライナ政府顧問のツイッターから  エリートらが背後にいるクーデター説も
ロシア政府軍と民間軍事会社のワグネル傭兵軍との内戦で、ワグネル傭兵軍が北上してモスクワを目指している模様。この情報はウクライナ政府顧問アントン・ヘラシチェンコ氏(元国会議員)のツイッターから。反乱軍はモスクワから450キロのLipetsk を通過した模様。 (2023/06/25)


国際
wagner傭兵軍とロシア連邦国防大臣や将軍たちとの間に戦争指揮をめぐる確執
ニューヨークタイムズは、傭兵グループのワグネルの創設者プリゴジン氏と、ロシア連邦国防大臣や将軍たちとの間にウクライナでの戦争をめぐる考え方の対立が存在していたと報道。ウクライナで戦闘を続けていたワグネルのキャンプが爆撃されたとして、プリゴジン氏がロシア連邦国防軍に報復をすると言っていた理由が、これなのかもしれない。(2023/06/24)


国際
ロシアで傭兵軍と正規軍の内戦が始まる
ロシアの傭兵グループWagnerがロシア政府に反逆し、ウクライナ東部に近いロシア南部で内戦が始まった。(2023/06/24)


沖縄/日米安保
バイデン大統領は対日兵器営業部長 「社長」はオバマ
バイデン大統領が岸田首相に3回も防衛予算増大を勧めたとスピーチで公にしたことが日本で波紋を呼んでいます。もちろん、それは当然のことではあり、日本が外交においても、さらには財政においても主体性を持ち得ない国であることを暴露してしまいました。日本にとって大切なことは日本と米国は存在する地理的状況も歴史的状況もまったく異なっていると認識することで、そこに日米で同じ国益があるという風に考えたことに誤りがあります。前に日刊ベリタで何度か指摘しましたが、米国に誘われて中国と戦争を始めたとしても米国が途中で抜けてしまう可能性もあることです。そうなった場合に日本一国でも大義のために戦うのか、というところを考えないと戦争を遂行することは不可能です。(2023/06/23)


みる・よむ・きく
戦後憲法の生成を批判的に描いた『日本独立』(2020)
2020年暮れに公開された伊藤俊也監督の『日本独立』は、占領下における日本国憲法生成に関わった人々の思いと行動を群像的に描いた歴史映画です。といっても群像の中心はマッカーサー元帥を頂点とするGHQと日本政府の間でコミュニケーションを行う役割の英国帰りの白洲次郎と白洲と等しかった外相(当時)吉田茂の2つの視点に多くが割かれています。この映画では日本人の思いに反して、戦勝者であるGHQが日本人が主体的に作成したという名目で、実態としては統治のためにやってきた米官僚・軍人たちが基本を作り、押し付けたという過程が描かれています。GHQが押し付けた、というのは恐らく実態としてそうだったでしょうし、それを悔しさをにじませながら飲まざるを得なかった日本の政治家たちの思いもおそらくそんなものだったであろうと、思えます。(2023/06/22)


文化
ニューウェーブ歴史映画論  『朝鮮総督府』と『台湾総督府』
昨日、ニューウェーブの戦争映画あるいは歴史映画が今世紀になって欧米で生まれてきていることを書きました。それらの作品は、通常の一人の主人公の目線で葛藤を克服するドラマツルギーではなく、史実に基づくとともに複数の、あるいは多数の登場人物と視点を併存させつつ1つの出来事の全貌を描こうとするものだと書きました。ドイツ映画の『ヒトラー最期の12日』とか『ヴァンゼー会議』あるいは米映画の『硫黄島からの手紙』などです。実は、今日、歴史学会でも文学の世界でも歴史学が大きな変化を起こしており、歴史と文学、ジャーナリズムと文学の境界領域を進む斬新な小説や映画などの作品がフランスなどで続々と作られつつあります。(2023/06/21)


みる・よむ・きく
21世紀のニューウェーブの戦争映画試論  複数の視点と歴史への問い 
今世紀に入ってドイツの『ヴァンゼー会議』や『ヒトラー最期の12日間』あるいは米国の『硫黄島からの手紙』など、戦争・戦闘の全貌あるいはある出来事の全貌を多数の視点を絡ませてポリフォニックに描く戦争映画、もしくは歴史映画が複数制作されました。これらはハリウッド的な主人公がある課題を解決するまでの葛藤を描くタイプの1つの視点をたどる映画とは異なる思考で貫かれているように感じます。そして、そのことは歴史叙述のテーマと関係しているように思われます。(2023/06/20)


みる・よむ・きく
敗色濃い日本軍を描いた米映画『硫黄島からの手紙』(2006)
硫黄島と言えば太平洋戦争でも激戦地で知られた島であり、この島を占領されれば本土防衛が難しくなると言うことで決死の戦いを求められながらも海軍も陸軍も増援が来なかった。この玉砕覚悟で米軍を迎え撃つ日本軍の死闘を描いたのは米国人のクリント・イーストウッド監督でした。『硫黄島からの手紙』は『父親たちの星条旗』と同じ2006年に公開された硫黄島の戦いを日米それぞれの側から見つめた姉妹作品ですが、日本軍を見つめた『硫黄島からの手紙』の方がはるかに出来が良いと私は率直に感じました。(2023/06/19)


みる・よむ・きく
日本政治を描いた日本映画『はりぼて』(ドキュメンタリー)と『新聞記者』(ドラマ)〜 敵は何なのか?〜
日本政治を描いた日本映画『はりぼて』(ドキュメンタリー)と『新聞記者』(ドラマ)は、それぞれ勇気のある作品で、その意義を評価していますし、それらが成功したことも喜ばしいことと思っています。そのうえで、若干私が不満を感じたことを書きたく思います。私の指摘通りに修正しても映画の完成度とか、集客力が上がると思っているのではありません。ただ、観客として率直に感じた点が1つ2つあったのです。それは、説明をもう少し加えてほしいと思った点でした。(2023/06/17)


みる・よむ・きく
ナチ犯罪を振り返るドイツ映画『ヒトラー最期の12日間』(2004) 〜ブレヒトを越えた群像劇〜
 名優のブルーノ・ガンツが1945年4月から5月にかけてのヒトラーを演じたドイツ映画『ヒトラー最期の12日間』(2004)は、昨年公開の『ヴァンゼー会議』と並んで、ナチスの歴史を正面から問う映画でした。『ヒトラー最期の12日間』は、その一部が切り取られて、しばしばツイッターで暴君のパロディに日本語の偽吹き出しがつけられて、当時の安倍首相への風刺として使われていたことを覚えています。まさに東からソ連の赤軍に、西から英米を軸とした連合軍に包囲され、首都防衛が不可能となりつつある頃でした。(2023/06/13)


みる・よむ・きく
ナチ犯罪を振り返るドイツ映画『ヴァンゼー会議』(2022) 
昨年公開された『ヴァンゼー会議』(邦題は『ヒトラーのための虐殺会議』)もまたナチ時代の犯罪を見つめた1本です。バンゼー会議は1942年1月にドイツで開かれ、ユダヤ人問題の『最終解決』を決めたとされる極めて重要な会議です。この映画はほとんど丸ごと会議を再現したらしく(会議録を読んだことがないので、脚色がどの程度施されているか、私は知りえないのですが)、その意味でも映画として特殊です。通常の映画のドラマツルギーとは異なっていて、おそらく事実のままの再現ではなく(もちろんそんなことは不可能でしょうが)、親衛隊大将でナチNO3のハイドリヒや、この会議で書記を担当したアイヒマン、さらにその上官や、内務省高官、外務省高官、それぞれの占領地域を担当している高官たちなど、それぞれの考え方や立場を描き分けて、効果的にセリフに落とし込んでいるという印象を受けました。(2023/06/12)


みる・よむ・きく
ナチ犯罪を振り返るドイツ映画『アイヒマンを追え!』(2015),『顔のないヒトラーたち』(2014)
最近、私はamazonのprimeビデオで、ドイツ映画を何本か見ました。いずれもナチスに関連した映画でした。中でも強い印象を与えられたのは、『アイヒマンを追え!』(2015)と『顔のないヒトラーたち』(2014)でした。これらはドイツの敗戦直後に連合国によって行われたナチ戦犯を裁いたニュールンベルク裁判(1945−1946)とは異なり、ドイツ人が自国でナチ戦犯(アウシュビッツ強制収容所の看守など)を裁いた1963年から1965年にかけてのヘッセン州(フランクフルトがある)でにおける裁判を描いた現実に基づくドラマです。ドイツ人は自国で戦争犯罪を裁いたということで、そうした裁判を自主的に行い得なかった日本とは歴史に対する責任の取り方が決定的に異なり、歴史認識の差を象徴するものでもあります。(2023/06/11)


コラム
本の文明とデータの文明
20世紀の終わりから今世紀の最初のほぼ四半世紀に人類の文明はいろんな面で大きく変化を遂げました。本の文化もその1つでしょう。紙の本は次第にデジタル書籍へと変わりつつあります。また、町のリアルな書店がどんどん消滅しつつあります。これは、単に本の消費のされ方が紙の本からデジタルというデータの集積に移行した、というだけの変化なのでしょうか。(2023/05/06)


コラム
21世紀の植民地主義〜小泉首相と安倍首相によるナショナリズムの粉砕〜その10
安倍晋三総裁が2012年の選挙の時に「日本を、取り戻す」という標語を大々的に掲げて、ナショナリストの象徴と見せかけたことは多くの人の記憶にあることでしょう。しかし、安倍首相は韓国のカルト教団の盟友であり、それは祖父の時代からのものだった。安倍首相をバックアップしたネトウヨや在特会の運動が嫌韓運動を繰り広げていた最中に安倍首相がこれほどの密なつながりを韓国のカルト教団と持っていたことは本来的にはナショナリズムを標榜する人々には大きな衝撃だったはずだし、もしそうでなかったなら、彼らの思考は根無し草に過ぎなかったと言われても仕方がないだろう。(2023/05/03)


コラム
21世紀の植民地主義〜日本植民地主義の聖地「下関」、朝鮮と台湾、長州閥〜その9
安倍首相はかつて長州だった山口県の出身政治家であることを誇りにしていました。前回述べたように朝鮮植民地化のレールを敷いたのは長州藩出身者たちだったと言っても過言ではありません。そして、朝鮮半島植民地化と台湾の植民地化の始まりとなった日清戦争の講和条約が締結された場所が、最近は旧統一教会の「聖地」とも人口に膾炙した山口県の下関でした。下関市の料亭・春帆楼で日本側全権が伊藤博文・陸奥宗光、清国側全権が李鴻章・李経方で講和会議を行いました。長州藩出身の伊藤博文は最初の韓国統監で、朝鮮から内政も外交も独立国としての一切を奪い取った政治家です。(2023/04/30)


コラム
21世紀の植民地主義〜朝鮮半島植民地化と長州閥〜その8
朝鮮半島植民地化の歴史が、現在の「エリート」日本人による日本植民地化のヒントになると前に書きましたが、日本植民地化の先鞭をつけたのは私の仮説では小泉首相で、それを本格化したのが安倍首相でした。安倍首相の時代になって、国会できちんとした議論が行われなくなりました。憲法改正前から、実質的に憲法がなし崩しとなっていき、投票率が低下し、実質的に日本国民から参政権が失われていきました。安倍首相が誇りに思っていたのが祖父の岸信介で、満州国という植民地のトップレベルの行政官でした。(2023/04/28)


みる・よむ・きく
21世紀の植民地主義 〜「21世紀の初頭から世界的に退行」〜 その7
 昨年、河出書房新社から出版されたエドガール・モラン著『百歳の哲学者が語る人生のこと』(翻訳:澤田直)は、社会学者モランの遺言とも読める中身が詰まった一冊です。モランは世界の複雑さについて語り、なかなか簡単に未来予測はたてられないと率直につづっています。また、ナチズムやスターリニズムに対する無知や見通しの甘さから予測を誤った自己の経験についても語っています。しかし、そのうえで、モランは現代の危機について、こんな風につづっています。「最後に、欧州をはじめ世界中で、議会制を装う権威主義的政治制度が形成され、とりわけ中国の新全体主義が、電子監視体制によって打ち立てられたことは、二十一世紀の初頭から世界的に退行が起こっていることを証言しています。(2023/04/27)


コラム
21世紀の植民地主義 〜朝鮮植民地化と同じことを日本国民に〜 その6
今、歴史の中で大きな変動が起きつつあるのではないでしょうか。変化は極めてゆっくりしているように思えるでしょうが、ある瞬間に一気に断層が生まれ、昨日までとは完全に異なる国にいた、ということが起き得ます。特権を握った一部の人々のグループが全権を握り、残りの日本国民はすべて植民地の住民とされて、搾取される・・・このスキームは、今の時代に奇想天外に思えるかもしれませんが、自民党が準備している緊急事態条項や憲法改正はまさにそれである可能性が高いのです。(2023/04/25)


コラム
21世紀の植民地主義 〜日本国民の上に君臨する「高天原族」〜 その5
日本の内部に植民地を作る、というより日本を丸ごと植民地にして、日本人を支配する…その支配者が日本人だとしたら、どう考えたらよいのか。このような仮説を作る場合、日本人の上に立つ「高天原族」というものを仮に想定してみたいと思います。日本人を統治するために天から降臨したエリート集団というイメージです。私は今の自民党を中心とする政界や財界、マスメディアが形成している特権的集団というのは、この高天原族みたいなものではないかと思います。特定の民族的概念ではありませんが、同質の利益集団です。たとえば選挙に立候補する時に一族の家系図を披露するようなケースはその典型でしょう。とはいえ、一か所に集中しているのではなく、日本の各地にこのような人々は存在し、利益集団を形成しています。(2023/04/23)


みる・よむ・きく
NHK特集(1985)『日米開戦不可ナリ〜ストックホルム 小野寺大佐発至急電〜』
かつてNHKは優れたドキュメンタリー番組を作ることで知られた放送局でした。時代の真実に切り込んだ番組の1つが1985年に放送されたNHK特集『日米開戦不可ナリ〜ストックホルム 小野寺大佐発至急電〜』です。これは情報が国民の運命を決めるインテリジェンスの重要さを実証した傑作です。現在のNHKの報道とは決定的に異なるエートスがこの番組にはあるのです。もちろん、NHKの中には今日でも優れた番組を作る人はいるのでしょうが、全体としてみれば権力の言うがままにインテリジェンスとは無縁の報道を続けています。(2023/04/23)


みる・よむ・きく
鈴木江理子・児玉晃一編著『入管問題とは何か 終わらない<密室の人権侵害>』
明石書店から昨年出版された鈴木江理子・児玉晃一編著『入管問題とは何か 終わらない<密室の人権侵害>』は、今、国会で審議が進行している入管法改正(改悪)問題と深くつながるテーマで、11人の人々が様々な立場でこの問題を論じた画期的な書です。この問題に長年取り組んできた「移住者と連帯する全国ネットワーク」共同代表理事で大学教授の鈴木江理子氏と外国人の法律問題に長く取り組んできた児玉晃一弁護士が共同で編者となっています。執筆者には他に朴沙羅、挽地康彦、高橋徹、井上晴子、周香織、安藤真起子、木村友祐、アフシンがいます。(2023/04/22)


コラム
21世紀の植民地主義 〜自国植民地支配のために天皇制も危機にさらす〜 その4
すでに1回目から3回目まで、日本自体が自民党政権から植民地化されつつあるのではないか、という仮説を書いてきました。日本の国際的地位の低下、国民経済の衰退、一部富裕層と対称に庶民の暮らしの困窮化、教育費の高騰、自由貿易協定における国民の権利の削減、安保法制における国民の権利の削減条項など、この20年余りのトレンドを1つ1つ重ねていくと、日本人の大衆すなわち「負け組」を植民地住民化しようとしているように見えてきます。これは明治維新の時の帝国主義につながったナショナリズムとは一線を画しています。一見、安倍政権はナショナリスト政権のように見えましたが、先述のように北方領土はほぼ永久に取り戻せなくなりましたし、米国への追従は増しています。中東の2人の日本人の人質の命を救うことさえできませんでした。さらに、日本の国力が衰退しても、責任を取ろうという政治家が与党にいるようには見えません。(2023/04/20)


人権/反差別/司法
21世紀の植民地主義 〜外国人研修生の苦難は明日の日本人の運命〜 その3
21世紀の植民地主義は、自国を植民地とする新植民地主義ではないかという仮説の3回目です。自民党が憲法から、国民主権や基本的人権を削除したがる理由というのは、それが「植民地の人間(支配される日本人)に対して」だからというのが一番、わかりやすいと思います。基本的人権が憲法から奪われた場合、労働基準法もまた奪われるものです。まさに、自国を植民地にする理由がここにあるので、こう考えてみると、多くの事象に理解が及ぶのではないかと思います。支配者のグループと、被支配者のグループの間で、いずれは大きな壁ができるはずです。現在も着々と目に見えない「壁」は建設されています。(2023/04/19)


コラム
21世紀の植民地主義 〜自国を植民地にして今後はもっと苛酷に収奪する〜 その2
「日本の与党政治家が日本国を植民地にする?バカも休み休み言え」と保守の人から送られるかもしれません。しかし、過去20年の間にこの国で、さらに他の先進諸国で進行している現象を見ると、多くのことが私の仮説を裏付けているのです。「アメリカファースト」とか、「都民ファースト」とか、「国民ファースト」というスローガンを極右・ナショナリストの政治家は拡散しますが、これは前回のコラム1で私が書きましたように、まさに「自国植民地化」の兆候です。すなわち、植民地化を隠蔽するために、ナショナリストを偽装する必要があるのです。(2023/04/17)


コラム
21世紀の植民地主義 〜自国を植民地にして敗者から収奪する〜その1
 植民地と言えば、1960年代のアフリカ諸国の独立を機にほぼ地球からなくなった〜西サハラは別として〜と思われてきたが、実は21世紀の新植民地主義が新しい展開を見せている。すなわち、他国に攻め入るのは難しいので自国を植民地にして、自国民を一握りの勝者とおびただしい敗者に分け、敗者を奴隷にする、という画期的な政治システムだ。(2023/04/16)


みる・よむ・きく
真野倫平著『アルベール・ロンドル〜闘うリポーターの肖像〜』(水声社)
真野倫平著『アルベール・ロンドル〜闘うリポーターの肖像〜』(水声社)は今、メディアをめぐって議論が起きている日本で読まれてほしいタイムリーな企画だ。本書はフランスのジャーナリスト、アルベール・ロンドル(1884−1932)の伝記である。日本ではあまり知られていない名前だが、フランス語圏ではよく知られたジャーナリストで、「アルベール・ロンドル賞」と言えば、その年に最も優れたグラン・ルポルタージュを書いた記者に与えられる登竜門的な賞だという。ジャーナリズム版のゴンクール賞とか、フランス語圏版のピューリッツァ賞という評価まであるようだ。(2023/04/12)


みる・よむ・きく
タイムリーな企画 真野倫平著『アルベール・ロンドル〜闘うリポーターの肖像〜』を読みながら
現在進行形の読書中ですので、読後に改めて書評を書いてみたいと思っていますが、真野倫平著『アルベール・ロンドル〜闘うリポーターの肖像〜』(水声社)は今、メディアのあり方をめぐって議論が起きているこの国で読まれてほしいタイムリーな企画だと思いました。本書はアルベール・ロンドルの伝記ですが、日本ではほとんど知られていない名前かもしれません。しかし、フランス語圏ではよく知られたジャーナリストの名前です。とはいえ、恥ずかしながら、私自身が本書を手に取るまで無知でした。(2023/04/05)


国際
裁判のためにニューヨーク入りしたトランプ前大統領を映し出す望遠レンズ
トランプ前大統領はニューヨーク州の大陪審に起訴され、米日時で4日、ニューヨーク州の裁判所で罪状認否を行うために、米時間で4月3日ニューヨークのラガーディア空港に自分のジェット機で到着しました。罪状は明確にはわかりませんが、ポルノ女優との不倫関係で払った口止め料支払いをめぐる問題が絡んでいるなど、メディアでささやかれていますが、具体的なことは外部にはよくわかりません。起訴された罪状も複数にわたっている模様で、30に及ぶという報道もあります。ただ、今回の起訴は、大統領選の開票結果に絡んだ2021年1月6日の米議会襲撃事件とは関係がない模様です。(2023/04/04)


欧州
フランスの民衆の闘争がサント=ソリーヌの巨大貯水場計画への反対へ 〜背後には気象変動・夏の渇水による農民の危機と大手穀物企業〜
 年金制度改正問題で大揺れに揺れたフランスで、新たな民衆の闘争として注目されたのがフランス西部のサント=ソリーヌの巨大な貯水場建設計画の問題だった。実は、私はデモ隊と警察隊が緑のぬかるみ的な田園地帯で対峙し、ここでも再び乱戦模様になっている様子の動画や写真をSNSなどで見た。しかし、最初は何が起きているかわからないままだった。(2023/04/02)


コラム
早く訳されてほしいパトリック・ブシュロン編『Histoire Mondiale de la France ( 世界の中のフランス史)』
私が最近、早く訳されてほしいな、と思っている本がフランスの歴史学者パトリック・ブシュロンが編集した『Histoire Mondiale de la France ( 世界の中のフランス史)』です。これは原書で750頁を越える大著で、フランスの歴史学者ら129人による共著なので、訳すとなると大変な作業になることは確実でしょう。しかし、その価値のある本だと思います。何がよいのか、と言えば、本書のコンセプトが『国民の歴史』と反対になっていることです。(2023/04/02)


政治
維新・国民・「有志の会」(衆院会派)の改憲案〜戦時に議員任期を6か月ごとに無限に延長可能〜狙いは内閣が戦犯になるのを防ぐこと
維新・国民・「有志の会」(衆院会派)が提案している改憲案を国民民主党のウェブサイトで見ました。6か月が「上限」の議員任期の延長は上限とは名ばかりで、6か月ごとに再度、任期の延長をすることができるようになっています。任期延長は災害やテロ、感染症などの場合に内閣の発議を受けて、出席議員の3分の2以上で決定可能となります。したがって、半年ごとに同じことを繰り返すなら、選挙は永遠にない国になる可能性があり、議員が生涯議員になることも理論上は可能なのです。(2023/03/30)


検証・メディア
マクロン大統領の独占インタに「それは嘘」と大手労組事務局長が抗議
マクロン大統領の年金制度改正案ごり押しに国民が怒って通りに繰り出している状況を前に、マクロン大統領の言い訳独占インタビューを3月22日にフランスのテレビTF1が放送したことを書きました。その様子が安倍首相にペラペラ言いたい放題話させたNHKとそっくりだったことも指摘しました。これを見た大手労組CFDTの事務局長が「それは嘘」と抗議しています。以下が、それが報じられたラジオフランスの記事です。これを見ると、フランスのテレビが忖度報道となって安倍チャンネル化しているとしても、ラジオはまだ健全な印象です。(2023/03/25)


検証・メディア
安倍首相の話したい事だけを話させたNHKとそっくりのTF1(フランス) マクロン大統領が言いたいことだけ話す
フランス政府の安倍化が進んでいると以前書きましたが、問題となっている年金制度改革法のごり押し法制化の後、民衆の怒りがさらに高まっている中、マクロン大統領がテレビ(TF1)のインタビューで語る45分の番組がありました。(2023/03/23)


国際
パリの夜 49条3項という手段に対する怒りに揺れる町
年金制度改正案 第五幕と銘打ったパリの騒然とした夜の動画がYouTubeに上がっています。CLPRESS / Agence de presseの動画です。動員された警察によって催涙弾が用いられているようですが、失明者を続出させたゴム弾は、この動画を見る限りは使われていないようです。(2023/03/22)


国際
NYTでも報道されたパリのゴミの山 ゴミ回収労働者たちが年金制度改正案に反対してストライキ
先日、フランスで年金制度改革法案をボルヌ首相が憲法49条3項という下院での採決なしに法制化したことを書きましたが、その少し前にニューヨークタイムズはパリのゴミの山を取り上げていました。(Garbage Mounts in Odorous Last Stand Against France’s Pension Change) これはゴミ回収労働者たちが、年金受給年齢を2年引き上げて64歳まで労働させる改正案に対抗して行っていたストライキでした。パリだけじゃなく、他の都市でも一斉に行われていました。花の都パリもゴミの袋が通りに高く積み上がる有様。(2023/03/22)


コラム
58歳で大学院に進学 「いい年をして無理しないで」と言われつつ
私は58歳といういい年の初老の人間ですが、この春、大学院に進学する予定です。経済が右肩上がりの時代の昔だったら、退職後に悠々自適で教養を深めるゆとりたっぷりなイメージだったと思いますが、私の場合は未来の年金手取り額が月額4万円程度なので、とても普通の年よりの未来とはなり得ない気がします。ですから、教養を深める、ということも大切でしょうが、より切実なことは、学んだことを仕事に活かしていく、ということが期待されるのです。(2023/03/21)


国際
フランス内閣への不信任動議はわずか9票足りず否決される 圧倒的な大衆の反対の声を押し切り年金制度改正案を法制化
フランスの下院577人の議員の多数決で、過半数まで9票足りず、内閣への不信任動議が否決され、年金制度改革案が法制化されることになった。これは先日、ボルヌ首相が憲法49条3項を使い、下院での議論と採決を打ち切り取った反民主主義手段だった。この結果、多くの人々が怒りを表明している。(2023/03/21)


人権/反差別/司法
男女の平等を阻害する世襲政治 〜経済低迷の主犯が世襲政治にあり〜
世の人々の眼にも現在の日本の没落の元凶に凡庸で、政治家として立候補する真の動機に欠ける世襲制度の政治があることはくっきりと見えてきたと思われます。これは江戸時代さながら、岸田首相の秘書官から、政治家としてデビューするに際して家系図をネットで示した岸家の後継者まで、アンシャン・レジーム(旧体制)の存在を明確に見せています。フランス革命における旧体制とは、王侯貴族とカトリック教会の聖職者が特権階級として、その他の平民を統治する差別社会でした。日本は今も、実質的に日本の方針を決める政治家という重要な職業が世襲で決められる割合が他の先進国よりもずっと高いとされています。特に自民党では世襲政治家が3割以上に上るとされます。(2023/03/19)


欧州
フランスのボルヌ首相が年金制度改正案でも49条3項という非民主的手段を採択すると告知 〜安倍政権化するフランス政府〜
ついにボルヌ首相がこれまでも連続して続けてきた憲法49条3項を使い、下院の議決をすっ飛ばして年金制度改正法案をごり押しする手段に打って出た。年金受給年齢を2年引き上げると言うだけでなく、男女差別の問題など様々な問題があるため、1月以来、100万人規模の大規模反対デモやストライキが繰り返されてきた。これはボルヌ首相に49条3項を今度も使ったら、ただじゃ済まさない、という示威運動だったのだが、マクロン大統領とボルヌ首相は強気で来た。野党陣営は国会で、ラ・マルセイエーズを歌い、抗戦の意志を示しており、24時間以内に内閣に対する不信任動議が出されて、採決される。不信任案が勝てば内閣解散になり、法案も流れる。しかし、不信任案が否決されれば法案が通ってしまうのだ。(2023/03/17)


欧州
政権批判の替え歌グループもひっぱりだこ Les Goguettes
昨日、マクロン大統領たちによる年金制度改革に反対しているAttacのLes Rosiesたちによる替え歌闘争をご紹介しましたが、今日はプロフェッショナル的に今ひっぱりだこになっているフランスの政治的な替え歌のパフォーマンス集団をご紹介します。ゴゲットという4人組の男女です。以下は、「マクロンは何一つ手放さい!」という風刺ソングです。資本家とマクロン大統領や仲間たちの思いを歌っています。(2023/03/16)


欧州
フランスの年金制度改革反対の最前線にAttacの女性たち〜替え歌とダンスで盛り上げ市民100万人単位の動員の起爆剤となる
フランスでは年明け早々、エリザベット・ボルヌ首相が年金制度改革案を発表して以来、反対のデモやストライキが再び盛り上がりを見せました。1月には控えめな内務省発表の数字でも全仏で100万を超える動員を繰り返し見せました。そして、3月7日に至っては主催者発表で300万人超の動員を見せており、CGTやATTACなどの主催団体は廃案に追い込む本気度を見せてきました。(2023/03/15)


検証・メディア
実はフランスでも大統領と”飯友”のメディア幹部たちが大問題 〜オウム / 番犬と呼ばれる人々〜
最近、岸田首相がメディア幹部を日比谷公園のフランス料理店に集めて夕食会を行ったことが報じられています。特に、放送行政の問題が国会で話し合われているその真っただ中の出来事で、メディアの腐敗ぶりがありありと浮き彫りになりました。安倍時代の負のレガシーであるメディア幹部と首相との夕食会は日本でしかありえない、欧米ではこんな愚かなことはありえない、という論をよく見受けるのですが、実は同様の事態はフランスメディアでも進行しています。(2023/03/15)


コラム
ソ連時代の検察官に思考が似ている高市早苗さん
高市早苗元総務大臣に対する国会での質疑応答を聞いていて、思い出したのは1986年頃、大学の刑法ゼミで話を聞いたソ連の現職検察官のことだ。私のゼミの教授だった中山研一教授は、刑法が専門だったが、ソ連法とポーランド法の専門家でもあり、ロシア語も堪能だったので、ある時、ソ連の現職検察官がゼミにやってきて、話を聞いたことがあった。(2023/03/14)


検証・メディア
ポスト安倍時代の抗争〜総務省内部文書問題が照らし出していること〜
朝日新聞の記者だった鮫島浩さんがSamejima Timesで書いていたことですが、朝日新聞社を始め大手新聞社が政府批判的な内容につながる記事が書けなくなっていった背景には、紙媒体の売り上げ部数現象から来る構造的な危機がベースにあり、政府の広告費(一種の補助金)なくして社員を養えなくなってしまった、という現実があったらしいことです。私たちは外側から見ている限り、なぜ安倍政権下で、大手新聞社や放送局の幹部たちがことあるごとに官邸と夕食会などを行っているのか、理解不能でしたが、鮫島氏の情報から、なんとなくですが、背景事情が推察できることになりました。新聞社が事情を読者に説明できなかった理由も、その理由が知られたら、誰も買ってくれなくなると理解していたからだと私は解釈しました。安倍政権から10年近くもこうしたことが続いてきたことを考えると身の毛がよだちます。(2023/03/11)


検証・メディア
安倍時代の残照 真実追及への執念の激減 〜下山事件以来の解決なき迷宮入り事件群〜
これは自分への反省も含めて書いていますが、この10年間、大半は安倍政権のもとでテレビの後退や週刊誌・総合誌の減少などを背景に、真相を知りたいと思うことでもなかなか知ることができなくなってきました。最近、変わったのは安倍首相の暗殺後に旧統一教会に関する事実が次々とジャーナリストたちから報じられるようになったことです。しかし、まだまだ真実探求への情熱はかつてと比べると弱弱しいものです。(2023/03/10)


政治
2015年に礒崎氏について記者会見で質問を受けていた高市氏 〜安倍首相のレガシー「ご飯論法」の切れ味〜
 高市氏は礒崎氏について知ったのは今年の3月〜今月だったと国会で答弁した。ところが・・・2015年に高市総務大臣(当時)は、礒崎氏の発言について共同通信記者の質問を受けていた。これは平成27年7月28日の記録で、総務省のウェブサイトで公開されている。「高市総務大臣閣議後記者会見の概要」である。以下の答が、高市氏の発言である。高市氏は、これも改竄文書と言うのだろうか?(2023/03/09)


政治
取扱厳重注意・総務省内部文書 高市大臣が認めようとしない「高市大臣レク結果(政治的公平について) 日時 平成27年2月13日(金)15:45〜16:00」
 総務省が発表した政治的公平性をめぐる内部文書で、高市早苗総務大臣(当時)へのレクチャーのくだり。高市氏はこのようなレクチャーがあったこと自体を否定している。総務省はこの文書が捏造ではないことを保証している。高市氏によれば、この内部文書を総務省は空想ででっちあげた、ということになる。真実はどこにあるのか?(2023/03/09)


検証・メディア
内閣法違反容疑で「礒崎氏は予算委の証人喚問に応じるべきだ」と小西参議院議員
総務省の放送行政に介入した内部文書が公開されたばかりの自民党・礒崎陽輔氏が、国会で文書を開示した当の小西ひろゆき参院議員(立憲民主党)とツイッター上でぶつかりあっている。(2023/03/09)


政治
総務省内部文書 〜「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)〜厳重取扱注意
今、国会で注目されているのが、放送の公平性をめぐって圧力を自民党がかけた時の総務省内部文書。これを総務省が一般公開しました。(2023/03/09)


検証・メディア
BBCが日本メディアの間隙をついて日本の報道に乗り出す
 BBCがツイッターで、「故ジャニー喜多川氏の加害について取材 言葉を詰まらせる元ジュニア」という番組について告知していました。今、ネットでは大きな話題になっています。<今朝イギリスで放送されたBBCの番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop」は、BBCワールドニュースで3月下旬に放送を予定しています。日本からも視聴可能です。放送日時が決まり次第、お知らせします。・・・>(2023/03/08)


政治
情報の価値を下落させ、市民を危機にさらした高市大臣はすぐに辞職を
高市早苗経済安保担当大臣が、総務大臣だった時代に放送局を恫喝していた問題で、最近、立憲民主党の小西参院議員が国会で見せた総務省の内部文書が、与党が総務省に放送法の解釈変更をめぐって圧力をかけた証拠として浮上しています。高市氏はこの文書を捏造だと語りましたが、ホンモノだったことが確定したことを受けて、辞職を求める声が高まっています。これは高市氏本人が、文書が捏造でなかったら辞職するとタンカを切ったことによるものですが、タンカを切ろうと切るまいと高市氏は即座に辞職するべきです。(2023/03/07)


検証・メディア
「第三の敗戦」 報道のグローバル化がNHKの怠惰を埋めるかもしれない 
 昨今、第二次安倍政権以後、NHKの報道が劣化しているとはもう腐るほど語られてきました。筆者は日刊ベリタで、2014年秋の解散総選挙をめぐり安倍首相の考えをひれ伏すように聞いて、一切鋭い質問をしなかったNHKの9時のニュースの報道姿勢に厳しい批評を加えたことを思い出します。以後、NHKは本来ならNHKスペシャルで追及すべきだった様々なテーマには触れないまま、NHKは政権与党は批判しない姿勢に転じて今に至っています。(2023/03/07)


欧州
3月7日のデモに備える女性たち  年金制度改革反対デモ
フランスでは政府の年金制度改革法案が発表された1月以来、100万人単位の大規模デモが何度か行われてきました。明日、3月7日にも予定されており、これで政府案を廃案に追い込むという勢いです。この政府の改革案で最も不利になるのが女性です。というのは、女性は非正規労働者の割合が圧倒的に高く、出産と子育てでも就労期間に穴があくことが多く、年金の掛け金を払える時期が男性より短いため、政府案で満期まで働こうとすると(この改革でフランス政府は満期を64歳に変更しようしていますが)、非正規ゆえに満期まで掛け金を払うには67歳、あるいはそれ以上まで働かなくてはならないとされます。(2023/03/06)


政治
この政治では戦争になると、中国と日本とどちらを選ぶか迷う日本人が増えそうだ
岸田内閣は米国の指示に従い、中国との戦争準備に余念がない。しかも、物価高に対する効果のある政策は何一つなく、労働者は非正規と正規に二分され、貧しい人々は1日の食事代や家賃を引くと、旅行にも行けず、病院にも満足に行けない、という人が増えているだろう。しかも、マスメディアへの強まる統制で、次第に中国の情報統制と大差がなくなりつつある。昨年の安倍首相暗殺の翌日に至っては主要紙はすべて同じ見出しをつけるに至った。戦時中を振り返れば、もっと状況は悪くなうだろう。(2023/03/03)


コラム
貴重な才能と労力が政治の変革とは無縁の場所に集中
昨今、書店に行って感じるのは、総体的にノンフィクションがぱっとしなくて、様々なタイプのフィクションや漫画が花盛りという印象です。ノンフィクション、すなわち現実における真実の探求に割かれているエネルギーは少ない、という印象を受けます。そのことが、政治における腐敗の是正や政治変革への可能性を乏しくしているのです。ファンタジーの中でどれほど様々な物語が構築され、人々の胸を打ったとしても、政治の場で変革を行わない限り、何一つ現実は動きません。(2023/03/01)


コラム
メディア統制の結果が情報不足による国力の低下へと今後ますますなっていくだろう
近年、TVメディアはかつて信じられていたような情報産業ではなく、ファッション産業に変異している。ファッション産業というのは多少単純化することになるが、一言で言えば、確たる知識・情報よりも、オシャレであるかどうかをモノサシとする変化である。では、かつて日本のTVはそんなに優れた情報にあふれていたのか?そこは検証の余地があるとしても、少なくとも優れた情報を得るために、製作者たちはしのぎを削っていた。しかし、今日、国や財界から統制されたり放送局が権力者を忖度したりするようになると、もはや情報産業であり続けることはできなくなったのだ。(2023/02/28)


コラム
仏教も西洋文明も、ナチズムも「吸収」した日本 〜高齢者の集団自決、集団切腹発言〜「生産性」信仰に基づく日本型ナチズムの誕生
2016年に神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人を刺殺した植松聖は「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」と語ったと報道された。そして、最近、イエール大学で教鞭をとる経済学者・成田悠輔が、少子高齢化の解決策として「高齢者の集団自決、集団切腹みたいなもの」を語ったことが報じられた。私はこれが国際的話題になったきっかけになったニューヨークタイムズの記事を読んだのだが、成田の弁明も紹介しており、決して一方的な記事ではなく、この件に関する事実を集めて、冷静に書かれていたと思う。(2023/02/18)


欧州
フランス人が大規模な年金改革法案反対デモに託した思い
フランスで昨日、歴史的な規模の市民のデモが行われました。パリ現地時間の31日の朝からツイッターでも続々と各地での参加者の模様と参加人数が報じられていきました。どこどこで3000人、どこどこで何万人という具合です。ともかく、昨日のデモは動員の数が大きな目標になっていたことは間違いありません。社会党第一書記のオリヴィエ・フォールは「これなら成功と言えるだろう」と日中、ツイートしました。実際、主催者の1つでもある労組CGTは全国で参加者は280万人と発表しました。フランス内務省は128万人と約半分の数字を掲げ、日本のメディアは主催者ではなく、取り締まる側の内務省の数字をそのまま記載していました。(2023/02/01)


欧州
パリだけで50万人が31日の年金改革法案抗議デモに参加 全土で280万人が参加
年金改革法案に反対する民衆の意志を示すために1月31日にフランス各地で反対集会やストライキが行われた。パリでも広場や通りを市民が埋め、野党発表の数字ではパリだけで50万人が参加した。(2023/02/01)


欧州
マクロン大統領が近い将来の下院解散を示唆 選挙での敗北で国会運営に支障 ボルヌ首相は49−3という非常手段の連続
 本日、年金改革案に反対する労働組合と市民による大規模デモが行われるフランス。2022年の下院議員選挙で議員数を減らして過半数を割ったマクロン大統領の「前進」は、ボルヌ首相によって49−3という下院での議論と評決をすっ飛ばして予算案や法案を作成する非常手段を続けてきた。この年金改革案でも野党の反対が強く、法案を通すなら、またまた49−3という下院での議決を飛ばすしかないだろう。しかし、これほどの重要法案を国民の代表である下院の議決をすっとばして通してしまえば、もはや政府は国民の信頼を永久に失ってしまうだろう。そもそも、世論調査でも圧倒的多数の国民が反対しているのだ。(2023/01/31)


政治
立憲民主党の思想的系譜〜野田政権発足時の民主党の「転換」を振り返る〜
立憲民主党が右傾化運動の柱になったことを先日記しました。立憲民主党に関しては、その立ち上げ時の期待を思い返すと、残念です。また、優れた議員も数多く存在しているだけに、現在の執行部の方針には疑問を感じます。とはいえ、旧民主党の思想的系譜においては右傾化は当初から組み込まれていて、いざとなれば必ず自民党に助け舟を出すという行動を繰り返してきたのも事実なのです。特に、民主党の没落の原因となった野田首相時代のことを振り返ってみます。当時、民主党議員だった長島昭久氏が著書で書いていることです。(2023/01/31)


欧州
1月31日にフランス政府の年金改革法案(年金受給年齢62歳→64歳)に各地で反対の大規模ストライキ
前回100万人超の参加者となったマクロン大統領のもとで進行中の年金改革案に反対の労働者・市民が、明日1月31日、再び大規模ストライキを計画中です。パリだけでなく、各地で行われて、民衆の力を見せる模様。(2023/01/30)


政治
間接金融時代と直接金融時代の日本の首相の違い(仮説)〜宏池会の激変とグローバル化〜
リベラル派とされた宏池会出身の岸田首相がなぜ期待外れだったのか?この理由をめぐっては、様々な見方が可能です。私は岸田首相が自分の思想を持たない権威主義的人間だったという見方を示したことがありました。しかし、一方で、客観的に振り返ってみると、昭和時代とれいわの時代で、宏池会といえども時代の波にさらされて変質したと言うこともできるのではないでしょうか。すなわち、昭和時代の宏池会の政治家たち〜池田勇人、大平正芳、宮澤喜一など〜の時代は経済の根幹をなす金の動きすなわち金融が直接金融システムでした。護送船団と呼ばれる大枠の中で、各銀行が借り手企業の体力や可能性を見ながら、成長するのを時間をかけて待つことができた時代です。政治の足元にある経済が待つことができる構造であれば、政治家も長期的な視野に立った政策を作りやすいのだろうと私は推測します。(2023/01/29)


コラム
戦後民主主義も憲法の素晴らしさも実感が持てない世代と圧倒的にリアリティを感じられた世代の間に体験の格差がある その2
  憲法改正をめぐる意識の格差の背景には、憲法のもとで過去に行われてきた理不尽な政策とそれによる社会の変容があるのではないか、と先ほど書いた。特に、平成時代の約30年間は、憲法の理念と政治・経済・社会の開きが大きくなっていた時代だった。すなわち、憲法を維持しながらも、実質改憲のような事態が社会に進行していたのだ。安保法制が制定された2015年は大きなデモが行われたが、憲法9条に限らず、様々な面で憲法の実質廃棄が平成時代に進行していたことをもっと重視すべきなのだ。身近な暮らしこそが憲法と関係しているのである。消費税導入の是非もそうだろう。多くの死票を生み出す小選挙区制もそうだ。日米構造協議以後、日本の憲法は死文化し、実質、廃棄されてきたと言って過言ではないのではなかろうか。その極みは10年近くにわたって、毎年10万人もの人々が自殺していたことである。(2023/01/27)


コラム
戦後民主主義も憲法の素晴らしさも実感が持てない世代と圧倒的にリアリティを感じられた世代の間に体験の格差がある
 「戦後民主主義も憲法の素晴らしさも実感が持てない世代と圧倒的にリアリティを感じられた世代の間に体験の格差がある」このようなべたなタイトルを掲げたのは、昭和と平成の間で社会・政治・経済・世相の革命的な変化が存在しており、それを体験した人としていない人の間で、同じ日本語を使っていても、意味概念あるいはそのイメージがまるで共有できていない、ということが存在しているように私には思えるし、そのことが今日の自民党政権の改憲運動や憲法違反の法令に対する反対の運動にも大きな障壁となっていると思えるのだ。(2023/01/27)


政治
野党第一党が与党補完政党となったので、何をやっても岸田内閣は安泰 〜90年代から続く右傾化運動の旗手となった立憲民主党〜
立憲民主党が日本維新の会と国会で共闘することになり、日本維新の会は自民党の補完勢力であるため、野党第一党を含めた大政翼賛会化が進んでいると言っても間違っていないだろう。岸田内閣が国民不在で次々と外交防衛から内政まで重要事項を決めていけるのも、野党第一党の立憲民主党の執行部が自民党政権と極めて親和性が高いからに他ならない。これは野田元首相がかつての安倍首相と親和性が高かったこととよく似ている。(2023/01/25)


政治
岸田首相の性格類型は権威主義的性格
ジャパンタイムズに掲載された岸田首相がバイデン大統領に肩に手を回され、何やら激励されており、岸田首相が大喜びしている写真に、多くの人がやるせない思いを抱いたらしく、「犬」という言葉がネット上に散乱した。「岸田ちゃん、ミサイルをあと1000発買ってくれたら、10%割引にするよ、こんなことができるのは君が日本の首相の中では抜群に優秀な人だからね」とでも言われたのだろうか。(2023/01/17)


アジア
バイデン大統領のアフガン撤退演説を今一度 アフガニスタンの「内戦」にこれ以上米国人を送り込むことはできない
2021年のバイデン大統領のアフガニスタンからの米軍撤退の声明を今いちど耳にすべきではないだろうか。私たちはどんなものでもアフガニスタンに与えてやった。にも拘わらず、アフガニスタンの大統領は国外に逃亡し、アフガニスタンの軍は崩壊した。アフガン軍が戦わないようなところに米軍がこれ以上いるわけにはいかない、とバイデン大統領は語った。しかし、忘れてはならないのは、アフガニスタンをぼろぼろに壊したのは米軍だということだ。この身勝手な演説は何だろうか。しかも、米軍のミッションは「驚くべき成功」だったとも語っているのである。(2023/01/10)


検証・メディア
新聞各社は大胆な経営革新を  
新聞社が政府とその関係組織から広告収入を得ることで経営を続けてきたことが、権力への追従というジャーナリズムとは言えない新聞へと堕落してしまった元凶だということが鮫島浩氏やその他のブログで浮き彫りにされています。ジャパンタイムズでも経営難からそういうことになった話をどこかで読んだことがありました。第二次大戦中は大本営発表の大戦果などの報道で、多少なりとも読者を増やして経営を維持していた歴史を振り返ると、こうした新聞社は、確実に同じ道を進んでいます。(2023/01/09)


国際
ついにアメリカの戦争に巻き込まれて  連戦連敗の米軍の実像直視を
今起きている台湾を核とした米中の戦雲に対して、安倍首相時代に制定した憲法違反の安保法制によって日本も参戦させられる可能性があります。しかし、この戦争の最大の特徴は米国がシナリオを書いた米国のための戦争に他ならないことです。にも、関わらず、日本は参戦させられる可能性があるばかりでなく、日本本土がアフガニスタンやイラクと同じ戦場になる可能性が高いものです。しかも、20年くらいまで長期化する可能性があります。(2023/01/09)


検証・メディア
Samejima Timesが大手新聞各社と政府との癒着を指摘 〜安倍官邸と大手紙幹部らの夕食会の謎に迫る〜
私は2019年3月に首相官邸前で行われた日本マスコミ文化情報労組会議主催の表現の自由を求める集会を聞きに行ったことがありました。そこではマスコミ各社のスター的な記者や労組の有力者たちが集まり、官邸が記者たちにかける圧力に抗議していました。(2023/01/07)


コラム
軍備増強でなく、東アジア軍縮会議の開催を
第二次安倍政権時代に憲法の精神を逸脱して制定された安保法制のために、本来日本の危機ではない事態に日本が巻き込まれて戦火に見舞われるリスクが高まっています。飛んで火に入る夏の虫が日本でしょう。しかも、ずるずるときちんとした国会での議論もなく、前の日中戦争や太平洋戦争と同様になし崩し的に事態が進み、マスメディアはそれを翼賛する記事を書いています。(2023/01/06)


政治
杉田水脈氏が政務官を辞職   議員は辞職せず
杉田水脈氏が差別発言が問題視されたことで政務官を辞職した。しかし、杉田氏は今も「差別発言」だったとは認めていない。<記者団に過去の発言に問題はなかったかを問われ、「差別とかもしておりませんし、ただ、その真意が伝わりづらいのであろう」と語った。今後の政治活動については「私を支援してくださっている方々がいっぱいおりますので、その方々の代弁者として、しっかり頑張ってまいりたい」と述べた>(朝日新聞)(2022/12/28)


コラム
軍事大国化した場合の軍事力が日本国民に向けられる可能性もある クーデターの可能性
昨年の自民党総裁選に臨んだ岸田首相は、自民党内のハト派でリベラル派だと一般には思われており、多くの人はこれで安倍首相時代の強権的な政治から解放されたと安堵したはずだった。ところが、岸田首相は安倍首相の魂が乗り移ったように、表層は穏やかだがやっていることは強硬かつタカ派で、防衛予算倍増やミサイルの大量購入など、戦後、最も戦争に近づいている首相となった。広島出身とうたっているものの、もはや「二度とヒロシマを起こさないために核武装を」といつ言い出してもおかしくないように私には感じられる。(2022/12/24)


国際
囚人を傭兵会社が兵士としてリクルート 権威主義国家から独裁国家に移行したロシア〜戦争目的で法律を恣意的に運用〜
BBCが9月に公開した動画では、ロシアの傭兵企業「ワグネル」が刑務所で刑期短縮と引き換えに兵士を募集しているものだった。BBCは記事で、ロシアの法律では軍務や傭兵企業での奉仕によって減刑するシステムはない、と書かれているが、動画では傭兵会社の男が囚人たちを前に半年兵士として戦場で働けば自由になると語っている。(2022/12/23)


コラム
フランス語学教材に画期的貢献をしている久松健一教授の動詞に注目した参考書群
英語の一人勝ちという状況が冷戦終結後、どんどん強まり、さらにまたアラビア語や中国語の学習者の増加などにも伴い、かつて英語に次ぐ学習者が多かったフランス語の語学学習はじり貧と言える状況です。そうした逆風の中にあって、毎年のように革命的なフランス語学の参考書を作ってきた天才的な教授が久松健一氏(明治大学商学部)でした。久松氏の参考書の最大の特色は、実践を最重用課題としていることで、その要はラテン語に源を発する言語に共通して言える動詞の活用の徹底的訓練にあります。(2022/12/23)


コラム
有料講読者1千万突破・ニューヨークタイムズの料理欄は「家庭欄」でなく、華のある取りのページになっていた
私は昨年、ニューヨークタイムズの電子版に切り替え、もはや紙版の配達を受けなくなりました。講読費が劇的に下がりましたし、過去の記事にもアクセスでき、さらには読み終えた新聞が堆積して場所をふさいだり、処分の手間がかかったり・・・ということもなくなりました。ただし、電子版の読者になると、新聞全体の構成、レイアウトというものが以前より見えにくくなった気がします。あまりにも一瞬に読みたい記事に飛べるので、新聞をめくっていくような作業がないのです。紙版で読んでいた時、最後のページには写真入りの世界の旅行記事やグルメ記事が並んでいて、ビジネスパーソンにとっては週末やバカンスの愉しみを喚起してくれるものだったのを記憶しています。(2022/12/22)


コラム
キッシンジャー著『外交』と翻訳者の岡崎久彦氏
私は学生時代から日本は米国の実質的な属国と思ってきたので、米国と日本の関係を、古代ローマとその周辺の属州との関係に置き換えてみていました。ですから、宗主国である米国のキッシンジャー元米国務長官が記した上下二巻組の『外交』という彼の自伝的エッセイーを今から20年以上前に堪能したのを覚えています。(2022/12/19)


文化
モスフィルムが英語字幕入りで過去の名作を放流
 ロシアの映画会社モスフィルムが、旧ソ連時代の名作映画に字幕をつけてたくさんユーチューブチャンネルで放流しています。『モスクワは涙を信じない』「惑星ソラリス』『ストーカー』『ワーニャおじさん』『戦艦ポチョムキン』『アレクサンドル・ネフスキー』『メキシコ万歳』などの名作です。(2022/12/18)


コラム
米軍が単独講和で戦線離脱した場合、日本人は一国で戦い抜く覚悟があるのだろうか  「旧敵国条項」・戦勝国による戦犯の裁判・天皇制の行方
対中戦争を想定したミサイル増設や防衛予算の倍増計画が閣議決定で勝手に進められていますが、岸田首相や与党閣僚たちを見ていれば、戦略は米軍頼みであることが見て取れます。しかし、前に書いたように、最初はコミットしていたとしても大統領選で米大統領が変わり、新しい執行権力がワシントンDCに生まれた時、戦争を継続するかどうかは未知数です。むしろ、戦争を終わらせると公約に掲げた野党候補が当選する場合もあり得ます。TPPの時を思い出せば米国が言い出しっぺだったとしても途中で抜ける可能性があります。第一次大戦後にウッドロウ・ウイルソン米大統領が世界を主導して作った国際連盟にすら米国自身は参加していません。米国が政権交代が起きる二大政党制の国であるだけでなく、三権分立の国であり、執行権力と議会と司法が対峙しあっている、ということも考えておく必要があります。(2022/12/18)


コラム
異論を厭う文化が両論併記を生む 〜異論はあって当たり前 大切なのは異論同士のつながり〜
異論を厭う文化が両論併記を生む、とは何が言いたいのか?変なタイトルになりましたが、要は両論併記は逃げに過ぎなくて、論を咬み合わせていなくてあくまで「併記」に過ぎない、ということだと思うのです。前に私は赤旗は野党連合が与党になった時こそが、赤旗にとっては試練の時になるだろう、と書きました。赤旗は桜を見る会などで画期的な取材を行い、スクープを取ってきましたが、権力を監視するという意味では共産党が政権に参画した場合に、対自民党で行ってきたような果敢なジャーナリズムができるのか?ということにあります。(2022/12/16)


コラム
商品の品質に厳しい日本人はなぜここまで政府の品質に緩いのか? その2
先ほど、「商品の品質に厳しい日本人はなぜここまで政府の品質に緩いのか?」という問いかけをして、自分なりの考えを書きましたが、ここでもう1つ、付け加えておきたい点があります。それは「商品の品質に厳しい日本人はなぜここまで政府の品質に緩いのか?」という問いかけそのものの中に、ヒントがあるのです。すなわち、商品の品質に厳しいがゆえに、政府の品質に緩いという仮説です。いったいどういう意味か、と言えば、今日、限られたリソースの中で商品・サービスの質に完璧を期すためには、労働者の長時間の拘束が求められています。そうなると、家に帰れば、もう頭を使う作業をするゆとりがほとんどなくなってしまうのです。政治や経済、社会について考えたり、対話したり、集会に参加したりという余裕もなくなってしまいます。(2022/12/13)


コラム
商品の品質に厳しい日本人はなぜここまで政府の品質に緩いのか?
これは答えがあって書いているのではありませんが、日本の政治が劣化している時、「商品の品質に厳しい日本人はなぜ政府の品質に緩いのか?」という問いかけが大切になってきます。商品の品質、パソコンでたとえれば、個々のスペックの容量、デザイン、強度、アフターサービス、使いやすさなどが問われます。それぞれ、基準があり、他社の製品とどのくらいコストパフォーマンスが良いかが冷徹に比較されます。(2022/12/13)


国際
社会党にかわって新たな野党連合の基軸になった「服従しないフランス」(LFI)の22歳の注目議員
フランスの今年の国会議員選挙で躍進した野党共闘NUPESの基軸になったのが、元社会党議員のジャン=リュク・メランションが様々な市民運動家たちと作った「服従しないフランス」(LFI)でした。この政党は若手が元気で、良きにつけ、悪しきにつけ話題を次々と提供しています。悪しきにつけ、というのは32歳のアドリアン・カンテネン議員が妻を平手打ちするなどの家庭内暴力を訴えられた件です。党の幹部たちは常習犯ではない、などと弁護しましたが、極めて歯切れが悪かったのでした。(2022/12/13)


米国
トランプが去っても、新トランプが来る J・カラベル教授「トランプ主義は生き残る」再読
共和党の上院リーダーであるミッチ・マコーネル議員と言えば、リベラル派から非情な共和党員と見られがちでしたが、そのマコーネル議員がトランプ元大統領は再選される可能性は極めて乏しい、という意味の発言を記者団に向けて行いました。これは先日、日刊ベリタでも書きましたレイシストで反ユダヤ主義の人物と会食したことが発覚したからです。その人物はホロコーストの存在自体を否定するネガショニストだったことから、トランプが2024年の大統領選の際に、一定の影響力があるユダヤ系の支持を得るのは難しくなったのです。トランプは即座にマコーネル議員に向けた切り返しの言葉を発したのですが、もはや勢いは失墜して、共和党系のメディアでも批判的論調が強まっています。(2022/12/02)


コラム
中国版ロスジェネ世代とコロナデモ  1989と2022の違い
この2〜3日は中国のデモの行方について興味がそそられ、天安門事件以来の激動の予感すら感じました。仮に現政権が民衆を抑え込んだとしても、こうした反政府的な意識がこれほど覚醒してしまうと、必ず数年後に激震が及ぶ可能性があります。天安門事件が起きたのは1989年で、日本では昭和から平成への転換点でした。中国にとっては経済がテイクオフした頃であり、民主化運動を抑え込んでも経済的に豊かになって夢が持てる時代だったのです。(2022/12/01)


国際
中国ではフォックスコンのi-phone工場でも抗議デモ ドイツの報道 その背景にある若者たちの閉塞
中国での抗議運動が連日世界で報じられていますが、今日は台湾のフォックスコンの中国工場(鄭州市)で労働者たちの抗議デモが報道されました。ドイツのDWの報道では労働者たちが雇用されたものの10日間の隔離をまず求められた上に、給与条件が一方的に変更され、下げられたことが不満にあったとされます。さらにDWは中国の若者たちが大学を卒業しても就職が困難になっており、ある統計ではなんと2020年に24%が大学院に進学していたのに比べ、2020年には58%が大学院での教育を受けざるを得ないとのこと。(2022/11/30)


国際
「習近平政権の10年で最大の挑戦」 デモクラシー・ナウ!
米報道の「デモクラシー・ナウ!」で中国で広がるデモを特集していました。国際労働に詳しいエリ・フリードマン氏が分析していますが、今回のデモは中国全体で起きており、習近平政権の過去10年で最大の規模に及ぶものになっているとのこと。(2022/11/30)


国際
中国のデモ  習近平への抗議
中国で起きている抗議デモについてMediapartがパリの大学の教授をしているLun Zhang氏に何が起きているのかインタビューしていて、わかりやすかった。このデモは起きて当たり前であり、新型コロナが発生して以来、3年間で最初のものとなるが、中国政府の政策に対する不満がついに爆発したものだという。それは「ゼロ・コロナ」で自宅に閉じ込められたまま、収入は滞り、生活がかなり悪化していることが背景にあるという。様々な政府の発表に対して、若者たちを中心に世界の実情を知っている人々は世界では「コロナとともに暮らす」というwith COVID時代に突入していることを知っており、政府に対する不信感を増幅させているようだ。(2022/11/29)


米国
商務長官ジーナ・ライモンドの講演 日本人には非常に近いテーマ〜製造業の再構築戦略〜米最初の女性大統領になる有望株
昨日、ニューヨークタイムズが2024年の大統領候補の有望株として示唆していたのが商務長官のジーナ・ライモンドだったことを書きました。どういう政治家なのかを少し知ろうと、彼女のブラウン大学での講演会を聞いてみました。日本語字幕で聞くことも可能です。(2022/11/29)


米国
2024年の米民主党大統領候補は商務長官ジーナ・ライモンドになるのか?
まだ、新しい情報をニューヨークタイムズで読んだばかりですので、詳しいことまでわかりませんが、2024年の米民主党大統領候補の有望株として、女性の商務長官であるジーナ・ライモンドが浮上している気配を感じました。記事によると、バイデン大統領のもとで、毅然とした対中経済政策を行い、共和党に対しても一定の支持を得られている政治家であるようです。(2022/11/28)


米国
落ち目に転じたトランプ元大統領にさらなる打撃 レイシスト・反ユダヤ主義者たちとの夕食会が露見
中間選挙の敗北を仲間の失態に責任転嫁していたトランプ元大統領は、逆に敗北の元凶とされるに至り、失墜しつつあります。それでも米メディアでは共和党員たちはトランプ頼みだと書いていたものでした。ところが、ここに来て、さらにきついオウンゴールとも言えるスキャンダルが露見しています。(2022/11/27)


国際
国際原油価格と米=ベネズエラ関係の小春日和
ニューヨークタイムズでは米政府が石油メジャーのシェブロンにベネズエラでの操業を許可したという記事を読みました。否、操業ではなく「expansion(操業拡大)」でした。記事では、この「limited 限定された」拡大によって、ベネズエラが国際市場で原油を販売することが再開できるかもしれない、としています。今はマドゥーロ政権は経済政策を受けていました。以下の時事の記事では、米政府がベネズエラの政治へ介入していることにしか触れていませんが、ニューヨークタイムズではロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁で、原油価格が高騰していることが背景にあるときちんと書いています。(2022/11/27)


人権/反差別/司法
左翼の「革命」アレルギー  日本の野党第一党が政権交代を目指さない元凶
先日、私は初めて米国歌の歌詞をYouTubeの翻訳字幕で知りました。それまでメロディは腐るほど聞いていながら、歌詞については無知だったのです。米国歌の題名は「The Star-Spangled Banner(星条旗)」であり、歌詞を読む限り、独立戦争時の1775年から1783年まで8年かけで大英帝国軍と戦った時の記憶に基づいているようです。(2022/11/26)


国際
NYTのコラム トランプは修正第14条3項で葬れ
中間選挙で共和党が当初の見込みほど風が吹かなかったばかりか、上院での民主党支配を許してしまったことで、トランプ元大統領への支持者が減りつつあると米国で報道されています。また、トランプ的でまだ40代のフロリダ州知事デサントスを2024年に共和党候補にしようというムードも高まってきました。そんな気配にトランプ元大統領はいち早く、予備選への立候補を表明したのですが、ニューヨークタイムズにはトランプを米憲法の修正第14条3項で法的に葬れ、というコラムは掲載されました。(2022/11/25)


検証・メディア
TVの討論番組に正統性はあるか? 財界が金を出す政治ショーではないか
先日の続編ですが、フランスの大企業グループのトップである大富豪のヴァンサン・ボロレが保有するTVチャンネルの討論番組で行われた司会者と左派議員の喧嘩が、フランスで大きな議論になっています。あまりにも露骨な富裕層への媚びが、TVの正統性すらも疑問符をつきつけ、当該議員が所属する政党が新法案を出すと言っています。(2022/11/20)


欧州
「服従しないフランス」(LFI)が大富豪のメディア支配を終焉させるための新法案を提出
先日、フランスのTVチャンネルC8(Canal+グループ)の番組「TPMP(僕のポストに手を付けるな)」の生放送中、左派政党LFI(服従しないフランス)の議員がチャンネルのオーナーである大富豪を批判したところ、司会者のシリル・アヌーナと大喧嘩になって大きなスキャンダルになったことを紹介しました。この大富豪はヴァンサン・ボロレという名の大企業グループのトップで、大富豪です。以下はLFIのウェブサイトニュース(L'insoumission=「不服従」)ですが、フランスのメディアは9人の大富豪に90%が支配されているとして、こうした状況を変えるための新法案を書いたことを伝えています。(2022/11/18)


検証・メディア
フランスのTV 左派議員と司会者が大富豪の番組提供者の行動に関して激突 名誉棄損の提訴と大富豪のメディア介入に対する国会調査委員会の設置を提案
 11月10日、フランスのTPMP(僕のポストに手を付けるな)という人気番組に登場した左派政党「服従しないフランス(LFI)」の議員、ルイ・ボヤールが番組司会者のシリル・アヌーナと突然、大口論を始めた。きっかけとなったのは、オーシャン・バイキング号という234人の難民を乗せた船が地中海を渡ってアフリカから欧州南部のフランス、イタリア、スペインなどに接岸を求めているが、受け入れられることなく海上を漂っていることが話題になったことだ。この時、ボヤール議員がアフリカで大儲けをしながらアフリカを貧しくしているとして、大富豪のヴァンサン・ボロレの名前を挙げた。(2022/11/16)


国際
ネバダ州の上院議員選挙で民主党候補に当確 米民主党が上院での優位を確実に
レッドウェイブ(共和党の波)が今年の中間選挙を襲う、という前振れの米選挙だったが、最終的に米民主党が上院で50人目の当確を出した。上院は100人の議員で構成され、民主党は50人を確保したことになる。議長はカマラ・ハリス(副大統領)であるため、その1票が加算されればすでに51票となり、優位を持つこととなる。(2022/11/13)


コラム
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その6 右か左か 上か下か
最近、政治論議で、右か左かが大切ではなく、上か下かが大切です、という語り方をよくSNSで目にします。右か左かには戦後の社会主義のイデオロギーが関係していて、それはもう古い、という思いが込められているのではないかと思います。ただし、上か下かという表現は、権力者(富裕層)と民衆(庶民)という二分法だと思いますが、この表現は「右か左か」に存在したものが抜き取られているように私には感じられます。それは歴史というものです。(2022/11/12)


経済
チャンネル「正論」で経済記者・田村秀男氏が財務省について語る
今、左派の政党の中で、大きく政策論が分かれているのが財政です。緊縮か、反緊縮か、という点ですが、元日経新聞記者で現在は産経新聞でコラムを書いている田村秀男氏が、財務省批判を繰り広げています。私たちが通常感じている日本経済を「家計」に例えて財務省が記者に説明し、記者がそれを自分で分析しないままに、それを新聞に展開していくことに問題があるとチャンネル「正論」で指摘しています。(2022/11/05)


国際
NYTが報じるツイッター買収後のイーロン・マスク氏による大規模なリストラが進行中
ツイッターを買収したイーロン・マスク氏が世界に7500人存在するツイッター社のスタッフを大幅にリストラしつつあるとニューヨークタイムズは報じています。(2022/11/05)


アジア
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その5   ネット言論のプチ絶対権力者たち
インターネットの時代は誰でも活字で公的な場に自分の言葉を投じることができるようになりました。かつてであれば、活字で言論活動ができるのは特権的な地位のエリートだけで、私的に言論活動をやろうと思ったら多くの場合はいわゆるガリ版という形で少数の同人の間で回覧されるだけでした。しかし、1990年代に状況は劇的に変わりました。(2022/11/05)


政治
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その4  自民党支持者たちの心性
第二次安倍政権以後の一強時代に、自民党は国会を軽視し、国会での質問にきちんと答えず、強行採決も辞さず、という風に次々と法制度を作り続けてきました。こうした政治によって日本は権威主義政権の国あるいはファシズムに近づいてきましたが、これを自民党支持者の人たちはよしとするのか、という謎があります。小泉首相時代から、党の総裁が選挙の際の公認候補を決める際の決定権が強まったと言われますが、党内の異論も許さない空気を自民党支持者は良しとするのだろうか、ということが謎であり、また、メディアでこれまであまり掘り起こされてこなかったのではないでしょうか。(2022/11/03)


政治
フランスのコアビタシオンと日本の4党合意の違い
 政治記者の鮫島浩氏のSamejima Timesでは、自公維に立憲民主党を加えた4党が歩み寄りつつある、という話でした。すなわち、野党第一党の立憲民主党が与党と共同で政策を作るように、政局が変わりつつあるのではないか、という指摘です。その理由としては、清和会の安倍首相が亡くなって、宏池会の岸田首相に移行してから、野党第一党としては組んでもいい相手という風に執行部の見方が転じて、その象徴が野田首相の安倍首相追悼演説だった、と見る見方でした。今は4党で旧統一教会被害者対策法案を作っているようです。(2022/10/31)


みる・よむ・きく
独仏TV局ARTEの習近平のドキュメンタリー「習近平の世界」  汚職摘発キャンペーンで政敵を一網打尽 絶対権力を確立
 習近平国家主席が率いる中国は、中国共産党が勝利した1949年から100年後の2049年に経済でも軍事でも世界一の大国を目指している、と独仏のTV局ARTEの習近平のドキュメンタリー「習近平の世界」で語られます。それは中国が欧米列強に屈辱をなめたアヘン戦争から約200年後になります。これは昨年放送され、現在はYouTubeで公開されています。フランス語ではありますが、隣国の指導者の情報満載です。(2022/10/31)


国際
少女殺人事件にフランス極右が追悼・反移民集会 その2 
昨日、ローラという12歳のフランス人少女がアルジェリア人で不法滞在中の24歳の女性にレイプされ、惨殺された事件の波紋を紹介しました。大統領選に出馬した極右論客のエリック・ゼムールらが追悼集会を呼びかけ、各地で集会が持たれました。中には日本の在特会的な言葉を発して、夜の通りを練り歩くシーンもSNSに上がっていました。以下の「ヴァレール・アクチュエル+」というYouTubeチャンネルは、極右・ナショナリストの雑誌ヴァレール・アクチュエルの動画配信サイトで、先日、パリのダンフェール・ロシェローというライオンの彫刻のある広場でのローラ追悼・反移民集会の模様をUPしていました。(2022/10/30)


欧州
少女殺人事件に、フランス極右が各地で追悼・反移民集会
フランスでローラという名の12歳の少女がレイプされ、10月15日に惨殺されて発見されました。容疑者がアルジェリア人であったことから、極右勢力が各地で反移民集会を行い、盛り上がりを見せています。以下の動画はパリのダンフェール・ロシェローという広場での極右論客のエリック・ゼムールのもとに集まった集会です。(2022/10/29)


中東
米PBS フロントライン が追ったサウジの皇太子MBS~The Crown Prince of Saudi Arabia (full documentary)
今年、ロシアへの経済制裁の関係でエネルギー価格が高騰したため、エネルギー価格を安定させるべく、今年7月にバイデン大統領がサウジアラビアを訪問しました。その際、皇太子のモハマド・ビン・サルマン(通称MBS)とグータッチをした瞬間がメディアで全世界に拡散されました。MBSは2018年にトルコのサウジアラビア総領事館内でジャーナリストのジャマル・カショーギ記者が殺された事件の黒幕と指弾されていた人物で、人権外交を旨とするはずのバイデン大統領自身も非難していました。バイデン大統領は現地で記者団から厳しい質問を浴びせられ、「MBSと対談するために来たのではない」と答えました。(2022/10/28)


政治
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その3 政敵を皆殺し(推定75万人超)にしたスターリン
ソ連のスターリンの日常を描いた英語のドキュメンタリー「独裁者の1日 ヨシフ・スターリン」スターリンの遺族などが登場して、独裁者の人間性を論じています。ナレーションは、政敵は全員抹殺したと語りますが、戦慄そのものです。しかも、自殺した妻や死んだ妻の家族までシベリアに送ったり、次々と抹殺しています。(2022/10/27)


検証・メディア
ビデオニュース・ドットコムが番組を拡大
神保哲生氏が立ち上げて続けてきたインターネット報道のビデオニュース・ドットコムが、これまでの番組に加えてこの10月から新企画・新番組を順次立ち上げていくと発表しました。神保氏はYouTubeで、その狙いや思いを率直に語っています。今の政治状況を見た時にこれまでの発信ペースでは、市民の要求に十分にこたえられないと考えていたことが動機だと言います。(2022/10/27)


政治
政治家・政党とジャーナリズム  絶対権力を作り出さないために その2 アベ政治を振り返る
安倍元首相の政治を振り返ると、絶対権力を求めた約8年間だったのではないでアベす。そして、内閣法制局に自分の意になる長官を据えて伝統的な憲法解釈を一瞬にして変更したかと思うと、判事にも与党に都合に良い判決を出しそうな人々を次々と任命していきました。また、官僚機構も内閣人事局を作って統制し、メディアも夕食会で掌握していました。(2022/10/27)


政治
政治家・政党とジャーナリズム  絶対権力を作り出さないために
安倍元首相のスキャンダルとなった「桜を見る会」に関するスクープは共産党の赤旗新聞で、赤旗は与党の腐敗を暴く優れた報道を行ってきました。また、政治記者・鮫島浩氏のSAMEJIMA TIMESもまた、与党に対する鋭い指摘をしながら、れいわ新選組を応援しています。鮫島氏がどこかで書いていたと記憶しますが、ジャーナリズムが特定の政党を応援することは欧米のジャーナリズムではあります。実際にニューヨークタイムズも民主党を応援するばかりでなく、2016年の米大統領予備選ではヒラリー・クリントンを応援していました。そのことはニューヨークタイムズが正々堂々と社説でも打ち出していたものです。そして、トランプ候補のちにはトランプ大統領に対しては、戦争とも言えるほどの厳しい批判的記事を浴びせてきました。(2022/10/26)


アジア
FT「米海軍トップ:中国の台湾侵攻は2024年の前に起きる可能性があるので米軍は備えよ」
フィナンシャルタイムズ(FT)と言えば西側の経済新聞であるので、どこまでが真実でどこまでがプロパガンダかわかりませんが、FTの記事には2024年までに中国軍が台湾に侵攻する可能性があると米海軍トップが警告を発したということです。(2022/10/24)


政治
歴史の終わりと日本の権威主義国家群入り 愚劣な政治でも政権交代が起きない国
昨日、あるテキストを読んでいて、日本は民主国家というよりはむしろ権威主義国家群に位置し、独裁制に近い中国やロシアと同じグループに入ったのではないか、と感じました。1992年に「歴史の終わり」というタイトルで、市場主義経済の民主国家群が鉄のカーテンの向こう側に勝利した段階をもって、歴史が終わったとする論考の本が出ました。昨日読んだものは米国の政治経済学者フランシス・フクヤマのもので、彼が30年後のこの秋、やっぱりあれは間違っていなかった、という論考を寄稿したものです。「歴史の終わり」は冷戦終結をもって、マルクス主義の勝利という思想を否定したものでした。今回の論考は「More Proof That This Really Is the End of History」(「歴史の終わりに、さらなる証拠が出た」)とThe Atlantic誌に書いたものです。(2022/10/23)


欧州
フランス市民の物価高、生活苦、気候変動への怒りのデモ 10月16日
フランスでも日本と同様に食材やエネルギー価格が上がって、庶民の生活を直撃しています。左派野党共闘NUPES(ニューぺス)の政治家たちから労組、知識人、労働者、市民まで、10月16日(日)にパリでデモを行いました。NUPESによると、14万人が参加したとされます。「高い生活費と気候変動に対する政府の無策への怒り」を表現したのです。今年の夏は非常に扱ったのですが、気候変動も生活に直結していますし、死者が例年よりも多かった(フランスでは11000人以上例年よりもこの夏の死者が多かった模様)とされるのです。(2022/10/21)


欧州
フランス議会:来年の予算案審議で首相が反民主的な49−3を適用
フランスのメディアが今華々しく報じているのは予算案をめぐる下院での議論で、エリザベット・ボルヌ首相が49−3(憲法49条3項)を適用して、議論と多数決という国家のプロセスを一方的に打ち切り、法案(今回は予算案)を力づくで通してしまったことである。これはフランス憲法に規定のある方法だが、極めて反民主的な方法であり、非常手段ということで野党からは非難が飛んでいる。(2022/10/20)


コラム
2015年の安保法制は民主主義に仕掛けられたダイナマイト 1日も早く廃棄に
法制度と民衆のパワーの力関係は時と場所で変化し得るものですが、今日の日本の特徴は民衆のパワーがなくなっていることに尽きます。そのため、ちょっとした法律の変更がテコの効果によって最大限のパワーを生むことにつながる時代です。安倍元首相が殺された翌日のメジャー新聞5紙の一致した見出しを見た時、2015年の安保法制は、1933年のナチスの全権委任法と同じ効力を持つことに気がつきました。(2022/10/19)


コラム
政治家の世襲禁止法の制定を 日本は未だ近代以前の身分制社会
日本の円がさらに対ドルレートを下げて147円になったと報じられました。経済だけでなく、いろんな面で日本の実力の下降が報じられています。こうした下降していく時代において、機会の均等は右肩上がりの時代よりもさらに保障されなければ、社会の不公平感はますます高まり、放置すると民衆の暴動も起こりかねません。(2022/10/16)


検証・メディア
マスコミ各社へのお願い3点  読者との信頼関係修復のために
何年も前から繰り返してきたことですが、新聞・TV報道各社に早急に明らかにしてほしい事柄は以下です。1)過去10年ほどの間に政府から広告費などの支援を受けたのかどうか。受けたとしたらその金額はいくらで、どのような形だったのか。(2022/10/16)


政治
国葬と連合の芳野会長   
安倍元首相の国葬について、歴史修正主義との関係を書きましたが、1つ書きそびれたことがありましたので、加筆します。私は前の稿で安倍元首相は目標の70%は達成したであろうと書きました。この達成というのは安倍首相の思想から見た時の達成度を意味しています。これは2015年の安保法制で、100%完全ではないけれども70%は日本国憲法を壊すことができたのです。では、残りの30%は何かと言えば、これも私の考察に過ぎませんが、日本国憲法から国民主権を削除することだったのではないかと推察します。(2022/09/29)


アジア
歴史修正主義者の政治家の国葬
安倍首相の国葬は何を意味するのか、反対する人々の声を報道やSNSで見ていると人によって様々な角度がありますが、私は安倍首相の根幹は歴史修正主義にあったと思います。ですので、戦争責任および植民地支配の過去を持つ日本国が歴史修正主義者を国葬にした、ということが最も大きな意味だと考えます。これは日本の未来に大きな意味を投げかけることになるでしょう。安倍首相がその意味で最初に大きな注目を集めたのは2001年1月に放送されたNHKのETVシリーズ2001「戦争をどう裁くか」第二夜「問われる戦時性暴力」について、自民党議員の安倍氏と中川昭一氏がNHKに政治介入した結果、番組が急遽大幅に改竄された事件でした。(2022/09/29)


政治
イタリアの極右女性首相ジョルジア・メローニは ムッソリーニを賛美
新しいイタリアの女性首相ジオルジア・メロー二(イタリアの同胞党)対する警戒感が欧州を大きく包んでいる。フランスのビデオテークINAでは1996年の特集番組が再生されている。まだ駆け出し時代のメローニ氏が、ムッソリーニを「素晴らしい政治家だった」と讃えている。(2022/09/28)


政治
12年前に「マンスフィールド研修と対日政策」という記事を書いて
このところ、12年前に書いた拙稿「マンスフィールド研修と対日政策」を毎日、少しずつながらでも読んでいただいているようです。ネット情報を切り張りして書いたように思われるかもしれませんが、発端は27年ほど前に私が外務省で実際にマンスフィールド研修のある記念式典を取材したことにあります。日本で最初に研修を受けた米官僚たちが研修を終えた時ではなかったかと思いますが、おそらく1995年か1996年だったと記憶します。(2022/09/25)


政治
ビデオニュース・ドットコム「結局国葬の何が問題なのか」 重要な論点を凝縮
安倍元首相の国葬に対してどう考えるか。ビデオニュース・ドットコムのニュースコメンタリーで「結局国葬の何が問題なのか」を憲法学者の木村草太氏をゲストに論じています。極めて重要な論点が話されています。(2022/09/24)


コラム
大新聞への政府広告・補助金と安倍首相(当時)との夕食会の関係性
鮫島浩氏がSamejima Timesで、朝日新聞の低迷の背後に、東京五輪のスポンサーに朝日新聞がなったことで政府の広告収入等がかなり入って来た可能性を指摘していました。これは朝日新聞に限らない現象でしょう。メジャー新聞各社と政府広告の関係はこれまでまったくもって「闇」でした。報道機関のど真ん中に読者の手の届かない闇があります。なぜ新聞社や放送局の幹部たちがかつて安倍首相の夕食会に誘われていたのか?そっちの「闇」と政府からの広告収入の関係がどうなっていたのか。今後は2つの報道メディアの「闇」の関係の解明が必要でしょう。(2022/09/23)


みる・よむ・きく
Samejima Times の「マスコミ裏話」のさもありなん
朝日新聞元政治部記者の鮫島浩氏が独自に立ち上げたSamejima Timesに朝日新聞と安倍元首相の国葬に関する「マスコミ裏話」のコーナーに、かなり生々しい元同僚による話が掲載されていました。マスメディアと政権との癒着ぶりです。(2022/09/22)


みる・よむ・きく
ナンテール大の哲学者パトリス・マニグリエ氏が構造主義哲学の国際ゼミを立ち上げ参加者を募る
新型コロナのおかげで、大学等で遠隔の講義や会議が普通に行われるようになりましたが、その流れで学びと研究活動もますます国境を越えた広がりを見せています。今回ご紹介するのは、パリ第10大学にあたるナンテール大学の哲学者、パトリス・マニグリエ(Patrice Maniglier)氏が主導する構造主義の国際ゼミです。今夜日本時間22時(フランス時間では17時)に第一回目が行われ、以後、月1回くらいのペースで発信していくとのこと。※一度、ZOOMの中継はないと書いてしまいましたが、先ほど筆者にZOOMのリンクが届きましたのでZOOMで視聴できそうです。初めてなもので、情報が混乱したことをお詫びします。(2022/09/20)


コラム
フランス語のすすめ
私がこのようなテーマで書くのはおこがましいのは知っていますが、あえてここでは「フランス語のすすめ」という短文を書いてみたいと思います。前にも書いたことですが、戦後の無頼派と呼ばれた作家の坂口安吾は外国語の勉強は精神の健康に良い、とエッセイで書いていました。頭を使わないからいいのだ、と。そう書くと語学の先生から怒られそうですが、安吾がそう書いた意味は「哲学のような頭の使い方をしない」という意味でした。哲学の場合はしばしば難解ですし、解答が必ずしも得られるとは限りません。そういうことに頭を長時間使っていると、疲労してしまうのでしょう。安吾はインド哲学を研究していたらしいです。一方、語学は基本的には学べば学んだだけできるようになりますし、誰でもできる学びであり、さらに場合によっては収入への道にもつながります。(2022/09/20)


政治
エッジの効いた政治チャンネル Samejima Times  安倍国葬について歴史からひも解く斬新な解説
安倍元首相の国葬が近づく中、政治記者で自分のYouTube動画チャンネルを立ち上げた鮫島浩氏が、今回の日本の国葬の危険性について「権威と権力」のすみわけをキーワードに解説しています。非常に面白い内容で、しかも歴史からひも解いている点で、多くの世代の人に見てほしい内容になっています。鮫島氏の解説の中でも1つの頂点でしょう。(2022/09/19)


検証・メディア
フランスの「メディアパルト」(Mediapart)の有料講読を始めました 共同創刊者・編集長のエドウィ・プレネル氏からの手紙
私は今年、フランスのメディアパルト(Mediapart)の有料講読を始めました。この媒体については日刊ベリタでも何度か言及したことがありますが、ルモンドの編集主幹をしていたジャーナリストのエドウィ・プレネルが独立して仲間と創刊したインターネット新聞です。プレネル氏は権力を監視するのが新聞の使命であることを理解し、ルモンド在籍中も国家秘密機関による犯罪の検証報道で名が知られた敏腕記者でした。私がその名を初めて知ったのは、飛幡祐規訳で「五百年後のコロンブス」というプレネル氏の著書を読んだ時でした。(2022/09/17)


コラム
本の値段と物価高と国葬と   来年は1ドル=180円台まで?
私は翻訳文学の読書を核にしたYouTubeチャンネルを作って昨年来運営していますが、昨今の円安とインフレは読書家にとっても馬鹿にできない一大事です。特に洋書関係はアベノミクスで円が外国通貨に対して減価しているために、ますます障壁になって、あたかも外国文化に対する予防壁のようです。外国旅行についても、コロナと同時に通貨の面でもWで難しくなりつつあります。(2022/09/11)


政治
鮫島浩氏の逆襲  元朝日記者がYouTubeでも政治解説<岸田の安倍化を防げ!支持率急落にほくそ笑む自民党の面々>
鮫島浩氏と言えば今、売り出し中の「朝日新聞政治部」の著者であり、優れた政治記者であったにも関わらず、「吉田調書」問題の報道がきっかけで担当部署を外され、最終的に朝日新聞を自ら辞める決断をしたことで知られます。朝日新聞について筆者は第二次安倍政権誕生以来、批判記事を何度か書きました。特にアベノミクスに便乗したかのような経済記事と朝日新聞幹部による安倍首相との会食についてでした。(2022/09/06)


政治
面白かったニュース・コメンタリー 『国葬と旧統一教会問題に揺れる永田町に今起きていること』(2022年9月3日)
ビデオジャーナリストの神保哲生氏が主宰してきたビデオニュースドットコムによるニュース・コメンタリー 『国葬と旧統一教会問題に揺れる永田町に今起きていること』(2022年9月3日)は、今話題になっている安倍元総理の国葬をめぐる興味深い番組になっていて、誰でも見れる形で今、公開されています。ゲストはジャーナリストの角谷 浩一氏。1時間半じっくり、いろんな角度から大人の政治記者の対談が満喫できるでしょう。しかも、ちょっとユーモアがあります。こんな時勢でも、心に余裕があることがとても魅力的です。(2022/09/04)


政治
中野晃一教授の英語でのメッセージ 「安倍さんの国葬に反対する5つの理由」
 市民連合のメンバーとして、野党共闘を支えてきた中野晃一教授がYouTubeのチャンネル(プログレッシブ!チャンネル)で、安倍元首相の国葬に反対する理由を英語で約10分間語っています。(2022/09/03)


政治
シビリアンコントロールの崩壊と自衛隊暴走の可能性 カルトの信者は隊にいないのだろうか?
岸田首相には3年間あるというような数年の「猶予」感覚を日本人全体がぼんやりと持っているのではあるまいか。そんな中、安倍元首相の弟である岸信夫元防衛大臣が家族葬に自衛隊の儀仗隊を私物化して使ったことが報じられた。これは緩みの象徴のように見える。防衛大臣が自衛隊を統括するのは、シビリアンコントロールという点で重要なことだが、今回、内閣のシビリアンが制服組の自衛隊に「借り」を作ってしまったことは、いろんな意味でリスクが大きい。借りは返さなくてはならなくなるだろうからだ。(2022/08/31)


検証・メディア
コンテンツとストラクチャーの違い  報道のストラクチャーの民主化こそが重要
 今、TVでは日本テレビやTBSが旧統一教会をめぐって優れた報道をしており、素晴らしいことだと思います。これを否定するつもりはないのです。ただ、ここで指摘したいのはメディアではコンテンツとストラクチャーの違いを無視することができません。すなわち、コンテンツとは具体的な取材メニュー、番組、テーマといった例えていえば皿に盛る具体的な中身、料理です。今、それらの放送局ではこれが充実してきたことを意味します。(2022/08/28)


アジア
左派の野党勢力の中心はれいわ新選組に向かう  与党との対抗軸を鮮明に築ける政党である
 まずは今年のフランスの大統領選と国民議会選挙について。フランスで今年生まれた野党共闘Nupes(ニューぺス)で左派11政党が結束した結果、131議席を獲得し、マクロンの与党が全577議席中の過半数を割ったことは記憶に新しいものです。その要となったのがジャン=リュク・メランション党首が率いる「服従しないフランス」(LFI)でした。メランションは2008年に右傾化した社会党を飛び出して、左翼党を結成し、その後、「Nuitdebout(立ち上がる夜)」という市民運動の人々の支持を得て、「服従しないフランス」を結成しました。大統領選挙でも2017年と2022年の第一回投票で、左派の他党を圧倒的大差で下していますが、その政策の核の1つが原発からの100%離脱です。(2022/08/27)


コラム
NHKスペシャルとred herring (燻製ニシン) 〜核心から人々の目をそらさせる修辞学〜
 NHKが7月9日、安倍首相暗殺の翌日に不思議な情熱をこめて突貫工事で放送したNHKスペシャルを見て、昔学習したある英語の表現を思い出した。red herringである。直訳すると、燻製のニシンだ。ウィキペディアには次の説明がある。「燻製ニシンの虚偽(くんせいニシンのきょぎ)、またはレッド・ヘリング(英語: red herring)は、重要な事柄から受け手(聴き手、読み手、観客)の注意を逸らそうとする修辞上、文学上の技法を指す慣用表現」(2022/08/25)


政治
米国を批判しても、すぐに反米を意味するわけではない 〜ホワイトハウスへの盲従を捨てることが日本再生の一歩〜
私は将来起こりうる対中戦争で米国が戦線離脱する可能性を示唆して日米同盟に水を浴びせるようなことを書いたりもしていますが、だからと言って米国が嫌いなわけではありません。むしろ米文化の愛好者です。ただ、日本が独立国であるならば、日本人の運命を盲目的にホワイトハウスの方針に追随して賭けることはできないと考えます。冷戦終結後の日本ではイエスかノーか、二者択一の発想が支配的になっていますが、もっと多重の思考をしないと多極化する時代を乗り切ることはできません。二者択一的思考とは、「この道しかない」というような発想で、そのように決めたら、柔軟さを失ってしまいます。(2022/08/23)


政治
野党共闘の柱に2015年の安保法制の撤廃を  集団的自衛権という集団的妄想
 私は故安倍首相が力づくで強行採決で通した2015年の安保法制(有事法制)は違憲だと考え、野党共闘はこれまで通り、これを撤廃することを今後も共通政策に盛り込むべきだと考えています。というのも、憲法改正をしないまま、憲法解釈だけを無理やり変更し、さらに法律の制定によって憲法を停止させることはそもそも民主主義へのクーデターだと考えているからです。安保法制をこのまま放置しておくことは憲法9条への違反にとどまらず、憲法の保障する表現の自由や知る自由を中止させられることに同意したことになりかねません。(2022/08/21)


反戦・平和
日本が核攻撃をされても米軍が核で報復する可能性は少ない
広島出身の岸田首相には日本国民が再び核兵器の被害にあうのを食い止める力量がないように見える。これは近い将来、中国と台湾あるいは中国と日本で戦争になった場合のことである。これは仮定すなわち想像に過ぎないが、もし中国軍が集団的自衛権で米国とともに戦っている日本を核攻撃した場合(沖縄、神奈川、山口、青森、東京など)、米軍が中国を報復で核攻撃するだろうか?(2022/08/20)


みる・よむ・きく
タル・ブリュットマン&クリストフ・タリコヌ著「ショアの100話」〜ショア研究の最前線〜
今年白水社から刊行された「ショアの100話」(タル・ブリュットマン&クリストフ・タリコヌ著)は、ショア=ナチスによるユダヤ人虐殺に関する事実と研究のキャッチアップができる本で、しかもテーマにあわせて簡潔に記されているので、どこから読んでもいい形になっています。これを読んで、まだまだ知らない事実がたくさんあるんだなあ、と感じました。(2022/08/20)


政治
2015年の有事法制は、1933年の全権委任法とほぼ同じだったのでは? 〜7月8日から10日までもしや憲法は<緊急停止>していたのでは?〜
私は安倍首相暗殺の翌朝7月9日の朝刊の見出しが主要紙すべて同じだったのを見た時、頭にあることが浮かびました。それは、安倍首相時代の2015年に制定された有事法制は、1933年にナチスが制定した全権委任法の簡易版だったのではないか、というものでした。つまり、ナチスは憲法より下位に位置するはずの法律の制定(しかも時限法)によって、当時もっとも民主的だったワイマール憲法を永久に葬り去った、というものです。いったい「有事」を誰が何をもって判定するのか。(2022/08/18)


アジア
安易に日中戦争を始めれば再び食糧危機が襲う 〜 第三次日中戦争前夜の予感〜
岸田首相を含め、最近の与党や準与党勢力は、中国との戦争に対する備えを強調しています。旧統一教会と懇意だった故・安倍首相が2015年に力づくで制定した有事法制は、麻生副首相の言葉を思い返せば、憲法を改正しないままに時限的な特別法を制定するだけでワイマール憲法を中止してしまったナチスのやり方から十分に学んだと思われます。安倍元首相が暗殺された翌朝の7月9日の主要新聞紙面の同一の見出しも、表現の自由という日本国憲法が保障した重要な価値が、かつての高市総務大臣による選挙中の「公平な報道」という恫喝よりも、むしろ有事法制によって骨抜きにされ、実質的に表現の自由が失われたのだ、ということの証左に私には思えてなりません。戦時中と同様に、ずるずると誰一人責任を取らないまま、同じ深みにはまろうとしているかのようです。(2022/08/16)


検証・メディア
7月9日の新聞朝刊の金太郎飴的見出しはなぜ?
安倍首相暗殺翌朝の複数のメジャー新聞の見出しがまったく同じだったことに衝撃を受けた人は多いはず。あれは政府が検閲をしたからではないか、命令しなかったとしても実質的な検閲を新聞各社が受け入れたからではなかったのだろうか。NHKのOBのフリージャーナリストの人は11日の統一教会の会見までは訴えられる可能性があったので、書けなかっただろうと推測で擁護論を書いていた。つまり、8日に安倍首相が狙撃され、犯人の取り調べを元に警察が「旧統一教会」の名前を記者たちに伝えていたとしても、裏を取っていなければ報道できない、というのだ。しかし、私はこの説に対して以下のいくつかの疑問を感じる。(2022/08/12)


反戦・平和
核抑止論が核兵器の限定使用に道を開く
ロシアのプーチン大統領がウクライナでの核兵器の使用も考慮に入れると今春、宣言したことを私は重く受け止めています。これをブラッフと考える人もいるかもしれませんが、私は可能性としてあり得ると考えています。ロシア文学を読めば、ロシア人は自己の実存をかけた賭けに出ることが少なくありません。帝国主義国家を覆した革命が起きたのがロシアだったこともその証左です。プーチン大統領の一度目の賭けはウクライナとの国境を越えたことでしたが、二度目の賭けは核兵器の使用です。もちろん、私はそれがブラッフに過ぎず、実現しないことを祈っています。(2022/08/06)


欧州
「パンデミックで悪化した階級間の壁 〜フランスにおける新型コロナ感染症対策の自宅閉じこもり違反者の報道から〜 その2」 ソフィー・ビュニク 
 その反動から、メディアや論説記者たちは急進左翼を活気づけ、またポピュリスト的政党をも持ち上げつつ、ブルジョア階級や経営者たちの利己主義を強く批判した。ブルジョア階級と経営者たちは、大衆が労働に拘束されている中、コロナ対策の自宅閉じこもりからも抜け出すことができた。たとえば、最初の自宅引きこもり命令が出される数日前のことだ。最も富裕な家族は〜たいていパリやリヨン、ボルドーなどで賃料が最も高い中心街区に居住しているのだが〜この時ばかりは田舎か、海浜にある別荘へと繰り出したのだった。また田園地域の別荘を借りうけた者すらいた。出発前に自家用車のトランクにインターネットで購入した生活必需品を詰め込んで。(2022/08/06)


欧州
「パンデミックで悪化した階級間の壁 〜フランスにおける新型コロナ感染症対策の自宅閉じこもり違反者の報道から〜 その1」 ソフィー・ビュニク
ソフィー・ビュニクさんはソルボンヌ大学で地理学や社会学を研究した女性の研究者です。その後、来日して立命館大学で研究を続け、東京の日仏会館(フランス国立日本研究所)でも研究員として過ごしました。専門は高齢化で都市機能が縮小していく縮退都市(shrinking city)の問題です。高齢化が世界一進む日本にとってはまさに今、注目の研究者です。今回のビュニクさんのご寄稿はフランスにおけるコロナ禍に関する内容になっています。昨年、いただいた原稿を村上個人のブログで紹介させていただきましたが、ビュニクさんの許可を得て日刊ベリタでも紹介させていただきます。(2022/08/06)


コラム
米劇作家エドワード・オールビーの”遺言”  Civics(市民論・市政学)の教育を取り戻す必要がある
エドワード・オールビーと言えば米劇作家で、「動物園物語」や「ヴァージニア・ウルフなんて怖くない」などの戯曲で多大な影響力を誇っていた作家でした。かつて日本で翻訳された外国人劇作家の戯曲集の巻末には著名な劇作家の翻訳集のリストが宣伝として掲載されていたものですが、そこにはオールビーの作品もしばしば掲載されていたものです。オールビーは2016年に亡くなっていますが、生前のインタビューでは興味深い発言をしています。(2022/08/05)


検証・メディア
「7月9日の朝刊」は戦争報道におけるメディアの翼賛体制が完成したことを示す
  安倍首相暗殺の翌朝の主要新聞の見出しが全部同じだったことは、有事の際の報道統制がすでに完成していたことを象徴的に見せたものだと私は解釈したと書きました。実際にそうだったかは各新聞が検証しないと事実はわかりませんが、読者として外から見る限りそう見ざるを得ません。ですので、各社の検証を待ちます。今、主要メディアがいくら良い報道を繰り広げていたとしても、肝心な時に黙ってしまう可能性があるますし、戦争となれば自衛隊も出動して、死者も出るでしょうから、もっと緊迫するわけですから、もっと統制されるでしょう。(2022/08/04)


アジア
ペロシ下院議長(民主党)の訪台は世界を危機にさらすと批判したNYTのトマス・フリードマン 〜有事への引き金〜
米下院議長のナンシー・ペロシ議員(民主党)が台湾を訪れたことについて、タイミングが最悪でいいことは何一つない、と手厳しく批判したのがニューヨークタイムズのコラムニストでジャーナリストのトマス・フリードマンです。ペロシ議員の訪台はまず同じ民主党のバイデン大統領とホワイトハウスの意思に反したものだったということがあります。(2022/08/04)


検証・メディア
7月9日の朝刊見出しの一致ぶりについての検証は終わっていない 〜有事・選挙とメディア〜
参院選挙投票日の2日前に起きた安倍首相の暗殺事件、その翌日、すなわち投票前日の朝刊の大新聞の紙面は横並びの見出しで、「旧統一教会」という名前はありませんでした。このことは、重要なことだと思いますので、これを忘却せず、必ず検証してほしいと思っています。このことが今後の「選挙運動期間中」の報道の基準を作ると考えるからです。もし、そこを不問にしてしまったなら、選挙運動期間中の報道は限りなく委縮し、民主主義にとって取り返しのつかない大きなダメージになる歴史的な契機だろうと思えるのです。(2022/08/03)


政治
多数の与党議員が韓国カルト教団に関連していたという報道を受けて、岸田首相はすみやかに衆院の解散と総選挙を
韓国発のカルト教団である旧・統一教会に何らかの形で関連していた国会議員が自民党を中心に100人ほどにも及ぶことが報道で暴露された以上、岸田首相は1日も早く衆院は解散し、総選挙を行った方が良いのではないでしょうか。第二次安倍政権では2014年4月に消費税を5%から8%に引き上げたのち、その秋には消費税増税(10%)を引き延ばす代わりに2017には必ず10%に引き上げる、ということでよいかを国民に問うとして2014年秋に解散総選挙を行ったことがありました。それに比べると、日本在住の市民の安全を保障するべき日本の国会および内閣に、韓国のカルト教団と親密で、さらには信者の秘書を身内に引き入れた議員がたくさん存在することは日本の独立と防衛への危機に他なりません。(2022/07/29)


政治
安倍元首相の”レガシー”が岸田首相を襲う
菅首相から岸田首相に替わったのは2021年9月。まだ1年も経過していない。菅首相は安倍首相の官房長官であり、いわば「顔」でもあった。だから「桜を見る会」のスキャンダルは菅首相にも影響を与えた。しかし、昨年9月の自民党総裁選は実に巧みだった。自民党はアメリカ大統領選の予備選挙に似た総裁選をTVで行い、あたかも、自民党という一党の総裁選〜国民の大半には投票権はない〜が日本の首相選のような印象を与えたのだった。といっても、それはまったく表層のイメージだけで、米大統領選のような長期間の選挙プロセスもなければ国民との対話もなかった。(2022/07/24)


政治
アベノミクスとジニ係数  〜所得再配分後の数値に定義変更したら、労働者の所得格差は隠ぺいされるのではないか〜
最近、TVで知名度が上がって来た社会学者がある記事を推奨していたので読んでみると、安倍政権下のアベノミクスで貧困の程度を示すジニ係数が減少していたというのである。それはビジネスジャーナルの「『アベノミクスで格差拡大』という誤った認識が流布した理由…ジニ係数の読み方」というものだった。読んでみると、ジニ係数は1990年代半ばから急激に右肩上がりで上昇し、第二次安倍政権の中盤で峠(0.57あたり)を越えたかのように減少傾向に転じている。とはいえ、20年近く右肩上がりで上がって来たものだから、減少傾向に転じたとはいっても、1996年あたりが0.44から、0.57とピークをつけて、2017年の0.56くらいなので、0.1減少したというだけなのだ。(2022/07/24)


検証・メディア
表現の自由とネットメディア 統一教会をめぐる投票日前の報道をきっかけに
安倍首相が暗殺された翌日の朝刊は各紙ともまったく同じ見出し「安倍元首相 撃たれ死亡」というもので、ネット世界では多くの人が大手5紙を並べて、その異様さを見える化していました。これを見たら、報道の自由はもはやこの国になくなったのだなと多くの人は思うに違いありません。しかも、宗教団体という言葉はあっても統一教会という具体名は伏せられていました。これもまた異常な事態でした。(2022/07/19)


国際
NATOの夏戦略 V.S. ロシアの冬戦略  トマス・フリードマンのNYTコラムから
ニューヨークタイムズの著名な国際ジャーナリストでコラムニストのトマス・フリードマンが先日、The Ukraine War Is About to Enter a Dangerous New Phase(ウクライナの戦争は新たな危険な局面に移行しつつある)というタイトルの文章を載せました(7月12日付)。(2022/07/16)


みる・よむ・きく
ウラ東アジア共同体と「女性たちのフランス革命」(クリスティーヌ・ル・ボゼック著) 
安倍首相暗殺事件と統一教会の関係のニュースを見ながら感じたのは国際ニュースの二分法(中国VS米国を中心とした資本主義陣営)とは違った視点から東アジアを見ることはできるんだな、ということでした。それは韓国の反共カルト宗教組織・統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)と自民党の支持母体の1つであり、安倍首相の背後にあった日本会議が、いずれも男尊女卑的な家父長制を保守することに思想的な核があったことでした。その原点は中国の儒教思想という案外、古い思想でしょう。そういう風に見ると、中国と韓国・北朝鮮と日本はウラ東アジア共同体とも言うべき、家父長制社会で固く結束した同盟国群といってよいと思います。(2022/07/16)


反戦・平和
ドイツ在住のグローガー理恵さんの情報 ミアシャイマー教授によるウクライナ戦争の構造
ちきゅう座のグローガー理恵さんは、ウクライナの戦争に関して、マスメディアが無視してきた非常に示唆に富んだ欧米の情報を発信していました。今回も、またそうした情報です。アメリカの国際政治学者ミアシャイマー教授によるウクライナ戦争の構造です。この教授は2014年の前回の紛争の頃もインターネットで見解を発信してきた米国のシカゴ大学の大物教授で、一流のメディアではしばしば引用される人物です。日本のメディアの特徴は、一見、年表は並べるものの、本質的な歴史性を軽視することにありますが、ミアシャイマー教授はまさに、そのアキレス腱の部分、ブラックボックスになっている個所について話しているのです。(2022/05/14)


欧州
「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティが左派の野党共闘を歓迎 ルモンドの報道
「21世紀の資本」でフランスの経済学者、トマ・ピケティは、今日、投資や不動産による収入を得ている人々は賃金労働者よりもはるかに富を増していく理由を明確に示した。2013年にフランスで刊行された「21世紀の資本」は世界的に大ヒットを記録し、折しも2011年から始まっていた「ウォール街を占拠せよ!」などの格差是正の運動にも大きな知的刺激を与えることになった。このピケティが、先日、フランスで成立した左派の野党共闘にエールを送っており、ルモンドでも紹介されている。(2022/05/08)


欧州
フランスでついに左派の歴史的共闘が実現 社会党が服従しないフランスと選挙協力へ
フランスでついに社会党(PS)がジャン=リュク・メランションが率いる服従しないフランス(LFI)と6月の国民議会選挙で野党共闘を行う決定をした。ルモンドによると、はオリビエ・フォール党首ら、社会党の執行部がLFIと妥協して作り上げた共闘方針に関して、社会党が党大会を開いて62%の賛成で批准したという。これにより、すでに共闘を決定しているフランス共産党(PC)や環境政党(EELV)なども加わり、左派が久々に大きな勢力としてまとまった。(2022/05/06)


みる・よむ・きく
ちきゅう座のグローガー理恵さんが興味深い動画を紹介しています ウクライナ戦争に関する動画です
ちきゅう座にドイツ在住のグローガー理恵さんという寄稿者がいて、よく興味深い寄稿をしてくださり、おかげで欧州の生きた情報に接することができます。今回、彼女はウクライナ戦争に関する2つの動画を紹介する記事を掲載しています。いずれも日本語訳がついています。(2022/05/05)


みる・よむ・きく
アラン・コルバン著「静寂と沈黙の歴史」  
今回、私が制作していますYouTubeチャンネルの「フランスを読む」では、アラン・コルバンについて慶應義塾大学教授(フランス文学・文化史)の小倉孝誠教授にお話しいただきました。小倉教授はコルバンの書籍を多数翻訳しており、今回はその中から「静寂と沈黙の歴史」についてお話しいただきました。「静寂や沈黙」にいったいどんな「歴史」があるのか、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、そういう方にはぜひお薦めです。(2022/05/04)


欧州
フランスの野党共闘 社会党(PS)と服従しないフランス(LFI)の交渉が続く LFIと環境政党(EELV)と共産党(PC)の合意は成立
フランスでは6月の国民議会選挙(フランスの国会下院に相当)に向けて、左派野党で共闘の話し合いが続いていた。大統領選では左派政党がバラバラに出馬したため、誰一人決戦にこぎつけることができなかったが、2位と僅差までこぎつけた服従しないフランス(LFI)のメランション党首が今回、盟主となって左派野党の集結を目指して交渉を加速させている。そして、ルモンドの最新記事によると、すでに共産党(PC)と環境政党(LLEV)は選挙協力で提携が成立した。残りは社会党である。(2022/05/04)


欧州
フランスの野党共闘 PS(社会党)とLFI(服従しないフランス) オランド元大統領ら社会党の重鎮らがメランションとは絶対組めないと現社会党党首に圧力
フランスのルモンドでは6月の大統領選に向けた記事が日々掲載されているが、1つの柱が左派で野党共闘が実現するかどうかだ。このテーマは20世紀においては社会党と共産党の路線の違い、という形でたびたび起き、さらにまた何度か左派政党が手を結んだ結果、勝利してもきた。ところが、今の左派の野党共闘の軸となるはずのPS(社会党)と服従しないフランス(LFI)とでなかなか、手が組めなくなっている。(2022/04/30)


欧州
フランスの左派野党共闘の足並みに乱れ 6月の国民議会選挙を前に社会党と服従しないフランスとの確執 
日本での野党共闘は、市民団体の幹部たちが手を合わせて作った組織「市民連合」が軸となって、左派・中道の各野党と相談しながら選挙協力のための統一政策を作り、市民団体がそのペーパーを携えて各野党を回って、党首たちによる調印という形を踏んでいました。これは選挙ごとに一定の効果を発揮し、結果的には大きな結果をもたらしたものでした。一方、大統領選挙を終えたフランスでは、6月の国民議会選挙(下院)に向けて左派政党間で選挙協力のための話し合いが進められています。(2022/04/29)


欧州
NATO諸国のウクライナへの兵器供給 防御兵器から転じて戦車や曲射砲などの攻撃用重兵器へ 
フランスのルモンドはNATO側の国々はこれまでロシアに対する交戦国(ウクライナと同盟した)と認定されるのを避けるため、ウクライナに供給したものは対空砲や対戦車砲などの防御用兵器が中心だったが、今、攻撃兵器へと軸が転じた、と報じている。たとえば供給が開始された戦車について言えば、チェコ、ポーランド、ドイツなどが供給を開始した。こうした兵器は軍需産業にとっては大きな収益源になり、国民経済的には一種の公共事業になる。(2022/04/29)


欧州
メルケル首相以後、増大してきたドイツの兵器輸出額 2012年のサウジアラビア向けの兵器輸出の突出は何に使われたのか?
ナチスドイツの歴史に対する反省から兵器輸出に慎重であったはずのドイツは、メルケル首相時代から積極的な武器商人への道を歩み出した。これはドイツ経済が軍産複合体と深くつながってしまったことを意味している。ドイツの公共放送DWが近年のドイツのサウジアラビアへの兵器輸出額をグラフに示している。(2022/04/28)


欧州
ドイツの公共放送DWが検証したナチズムの始まりの1ページ 「恥の子どもたち」第一次大戦後にラインラントに進駐させられたアジア・アフリカから動員された植民地兵士たちの子どもたちの末路
1年前にドイツで公開された公共放送DWによる優れた検証ドキュメンタリー番組を紹介します。番組は英語です。「恥の子どもたち」がテーマになっており、それはナチズムの始まりに強い関連を持っていた、という結論でした。「恥の子どもたち」とは、第一次大戦後に戦勝国のフランス国家から占領地となった独仏国境地域のラインラントに駐留させられた有色人種の兵士たちが現地のドイツ人女性との間に作った子どもたちを意味します。この有色人種とはフランスの植民地だった国々の兵士たちでアフリカやベトナムなどから動員された兵士たちです。動員はラインラントで戦後処理に対してドイツ人たちが反発した運動を起こした時に2020年に鎮圧のために駐留させられたのです。(2022/04/28)


コラム
マリーヌ・ルペン党首のファンを増やした猫写真
 今回の選挙(4月24日)でマクロン大統領が再選されました。世論調査でそういう予想が出ていたので驚きませんでしたが、今回はマリーヌルペン候補が前回よりも得票率を底上げして、41%まで善戦しました。前回の33%から大きな進展です。ましてや、2002年の父ルペンの18%と比べると、極右がついにここまで伸張したか、という思いがします。そのルペン氏の得票率に貢献した原因の1つが、彼女が猫を飼っていてソーシャルメディアで猫好きのおばさんであることをアピールしたことでした。(2022/04/26)


検証・メディア
2024年にトランプは復活するのか  オーストラリア版60ミニッツのTV報道
過去10年で報道メディアは大きく変貌した。インターネット環境の発達で映像のクオリティが20世紀と比較にならない程上がり、海外の報道番組が次々とYouTubeなどで公開されているのである。つまり、グローバル化の波がついに報道の世界を襲っているのである。未だ日本は言語の壁がある、と旧世代は安心しているかもしれないが、外国語で動画が視聴ができる人ははるかに広範な情報を得ることができる時代と言える。臭い前置きで恐縮である。しかし、そう書かざるを得なかったのは以下のオーストラリア版60ミニッツの報道をYouTubeで見たからである。これは海賊版でも何でもなく、公式チャンネルである。豪州の60ミニッツは先月、2024年のトランプ大統領復活はあり得るのか?という特集を組んだ。(2022/04/23)


欧州
主権国家を爆撃し、政権交代を力づくで起こした仏軍のリビア侵攻 マリーヌ・ルペンの2011年の反戦演説
今年、フランス大統領選で2度目の決戦に至った国民連合のマリーヌ・ルペン党首について、最初に党首として印象に残ったのは2011年のリビアに対するサルコジ大統領の軍事侵攻に反対の姿勢を示していたということである。2010年末にチュニジアで始まったアラブの春はリビアにも飛び火して、カダフィ政権に対する市民の抵抗運動が盛り上がりを見せていた。その時、国連安保理でこの問題を論じたのだが、フランスは国連で認められた一線を越えて、カダフィ大統領一族とその勢力だけを一方的に空爆する、という手段を取った。これに対して、当時の国民戦線のジャン=マリ・ルペンも娘で党首に1月になって早々のマリーヌ・ルペンもリビアへの軍事介入に反対の姿勢を示し、反戦ポスターすら作っていたことはインパクトがあった。(2022/04/22)


欧州
4月20日のTV討論で再び完勝したマクロン  
フランスの大統領選挙では第一回目の投票前に候補者の討論会が行われ、過半数の票を獲得できた候補者がいなかった場合、決選投票の前に討論会が再度、二人の候補者の間で行われる。4月20日はマクロン大統領(現職)とマリーヌ・ルペン候補の討論だった。フランスのルモンド紙はマクロン氏の完勝ぶりを伝え、今回も前回同様であったことをまず記して、1つ1つその象徴的なマクロン候補のルペン候補に対する攻撃ポイントを伝えていた。確かにルモンドが書く通り、マクロン候補の論戦はかなり手ごわいものだった。この討論は3時間弱の長さで、内政から外交まで多岐にわたる政策を論じる。(2022/04/22)


欧州
フランス大統領選 次の日曜日に決選投票 マクロンVSルペン 肉薄する極右勢力
ふたを開けてみると、今年のフランス大統領選もマクロン候補(現職)対マリーヌ・ルペン候補(国民連合)の決選投票となって、2017年の再来です。しかし、世論調査を見ると、2017年の大統領選決選投票で66%対33%のダブルスコアで勝利できたマクロン氏にルペン候補が差を縮めてきています。マクロン51%対ルペン49%と僅差になっていると報じた記事も見ました。私が初めてフランスを訪れた20年前のシラク対父ルペンの決戦でシラクが約82%取り、ルペン候補が約18%だったことを考えれば、極右勢力がいかにこの20年間、コツコツコツコツ勢力を増やしてきたかが如実にわかります。(2022/04/21)


コラム
フランス社会党のイダルゴ候補の得票率は1.75%
日曜日のフランスの大統領選挙、ふたを開けてみると、決選投票に勝ち残ったのは2017年と同じで、マクロン現職候補と、マリーヌ・ルペン国民連合党首だった。マクロン候補は27.85%、ルペン候補は23.15%、「服従しないフランス」のメランション候補は21.95%と肉薄した。社会党のイダルゴ候補はわずか1.75%、共和党のペクレッス候補も4.78%と5%割れを起こしてしまった。(2022/04/12)


文化
第一回目のゴンクール賞日本を取材して
3月29日に東京の駐日フランス大使公邸で、ゴンクール賞日本の受賞作が発表されました。ゴンクール賞と言えば、日本の芥川賞に相当する権威のある文学賞です。今回が日本では第一回目となります。そして、この海外版の特徴は学生が選考委員であるということです。フランスでは高校生が選ぶゴンクール賞というのがすでに長い実績を持ち、若者たちの視点が文学に注入されると同時に、若い活力を文学に呼び込む仕掛けになっているようですが、フランス以外でも26か国で学生選考委員によるゴンクール賞というのが存在しています。インドや中国でも行われているそうです。(2022/04/12)


コラム
フランスの大統領選挙を前に 2017年のマクロン「革命」の5年後は?
今月10日の日曜日にフランスでは大統領選挙の1回目の投票が予定されており、2週間後の24日に決選投票が行われる。今年の大統領選挙は現職のエマニュエル・マクロン大統領が再選されるか、どうかという選挙だが、まず思い出さなくてはならないのは2017年のフランス大統領選は昔ながらの共和党VS社会党の二大政党の支配が崩壊した年だった。マクロンは「革命」という本を出版して、「右でもなく左でもない」と訴えて39歳で大統領に選出されただけでなく、翌月の国会議員選挙でも新党「共和国前進!」を立ち上げて、過半数の議席を獲得した。それほどの激震だった。そういったことから、今回の選挙の私なりの見どころは共和党VS社会党の構図は復活しうるのか、永遠に不可逆の変化だったのか?ということ。もう1つは、左派政党が大きな共闘ブロックを結成して、決戦まで進めるか、ということだった。(村上)(2022/04/08)


コラム
中江兆民とウクライナの戦争  〜民主主義と時間〜
私は最近、「東洋のルソー」と呼ばれ、ルソーの社会契約論を日本に紹介した中江兆民の伝記や著書をいくつか読みました。YouTubeチャンネル「フランスを読む」で、フランスのボルドー・モンテーニュ大学で教鞭をとっているフランス人の中江兆民の研究者エディ・デュフルモン氏(ボルドー・モンテーニュ大学)にインタビューしたことがきっかけでした。いったい、なんでフランス人が中江兆民に関心を持つのだろう?というのが、私が抱いた謎でした。(2022/03/27)


国際
テレビ東京のインターネット配信ニュースで見るウクライナ情勢
テレビ東京がYouTubeにウクライナ情勢をまとめたドキュメントをUPしています。テレビ東京のこの報道の特色は、いったい何が起きているのか、ロシアとNATO、そして、ウクライナの住民、さらにウクライナにおける対立をできるだけ多角的に入手映像や撮影映像を豊富に盛り込んで描いていることです。(2022/01/10)


文化
マルク・アレグレ監督「Zouzou」(ズーズー) 昨年、パンテオン入りしたジョゼフィン・ベーカー主演の映画
昨年、近代思想家のジャン=ジャンク・ルソー、科学者のキュリー夫妻や哲学者のベルクソンらフランスの「偉人」が納められているパンテオンに、黒人ダンサーで女優のジョセフィン・ベーカーさんが納められたことが話題となりました。ベーカーさんと言えば腰蓑一つで、激しいリズムの熱狂的なダンスで知られていましたが、パンテオン入りした理由は対独レジスタンス活動やその他の人道的行動がフランス国家から評価されたのだと聞きます。(2022/01/09)


欧州
事実上の独裁政権に立ち向かうハンガリーの野党共闘 今春の総選挙はオルバン政権を打倒する最大のチャンス
ハンガリーのオルバン首相は与党連合のフィデス・キリスト教民主国民党(FIDESZ−KDNP)を率いて、欧州連合の民主的な枠組みを1つ、また1つと破壊し続けてきた挑発的な政治家である。ハンガリーの極右政権に習うかのようにチェコやポーランドでも右傾化が進んでいるとよく報道されている。しかし、それでも総選挙はあり(なければ欧州連合に留まることはできないだろう)、今春4月か、5月あたりとされている。(2022/01/09)


国際
昨年暮れに米失業率は3.9%まで減少したものの、12月に鈍化 オミクロン株の行方次第で数か月、回復にダメージの可能性も
コロナ禍で打撃を受けたアメリカの失業率は昨年末に3.9%と、ついに4%を切り、かなり低い数字になりました。これはバイデン政権の手柄であるはずですが、その一方で12月に増加した職(job)の数=すなわち新たに仕事についた人−(マイナス)仕事を離れた人の数の差が、19万9千人に留まったことが懸念を呼んでいます。11月の29万4千人より減少し、1年で最少となりました。これは米労働省の統計を使ったニューヨークタイムズの記事です。(2022/01/08)


政治
日本維新の会が憲法改正へ動く  自民党と日本維新の会の2大政党体制化で改憲実現の可能性も
昨年10月の総選挙で、自民党と維新の会の2大政党制時代の到来を予測する論者も出たように、立憲民主党が議員を減らした反面、日本維新の会は41人へと増え、第三位になっています。そして、日本維新の会は1月4日付の読売新聞によると、新たな憲法改正案を策定して、夏の参院選に臨む方向だとされます。(2022/01/08)


検証・メディア
大阪府と読売新聞が連携  権力と報道の密着に批判が上がる
 先日、インターネットで署名を求める内容の書面が出ていたので読んでみたところ、大阪府と読売新聞が「包括協定」なるものを締結することに対する危惧の表明でした。「包括協定」の具体的な中身は不明でしたが、自治体と報道機関がそのような協定を結んだら、客観的あるいは批判的記事が書けないか、書けたとしても牙のないものになりはしないだろうかという危惧を誰しも抱いて当然です。(村上良太)(2022/01/06)


国際
韓国の反フェミニズム運動  女性の指のしぐさに激怒する人々
韓国でフェミニズムに反対する反フェミニズム運動が起きており、その深刻さがニューヨークタイムズで報道されていました。記事によれば、運動をしている人々は、むしろ男性の方が社会において脅威を感じていると言っているそうです。そして、「男性嫌悪をやめろ」とも叫んでいると言います。筆者は男性嫌悪=misandryという言葉は記事を読んで今回、初めて知りましたが、フェミニズム運動の中には男性嫌悪に傾く人々もいたとされ、現在でもその傾向があると、この反フェミニズム運動をしている人は訴えています。(2022/01/02)


欧州
フランスで新型コロナの大波 24時間で新規感染者数が23万人を突破 主流はオミクロン
新型コロナウイルス感染で、欧州では知人の哲学者が3回目のワクチン接種をしたと先日言っていましたが、今、感染の新たな大波が押し寄せています。リベラシオン紙によると、この年末、12月23日から29日までで世界全体では毎日、新たな感染者数が平均104万人と大台を突破し、フランスでも24時間で23万人が感染したと言います。(2022/01/01)


欧州
写真家サビーヌ・ヴァイス(Sabine Weiss)氏、亡くなる(97)
ロベール・ドアノーやブラッサイなどと並んでユマニスト写真家と称されてきた写真家のサビーヌ・ヴァイスさんが亡くなった。享年97。活躍したのはフランスだが、生まれはスイスで後にフランスで帰化している。以下は、ワイスさんのホームページのリンクである。(2021/12/31)


国際
セレブの少女買春を手助けしていた女性が陪審で有罪判決に  Ghislaine Maxwell氏の有罪判決とその波紋
 日本から一見遠い印象のある報道と見えるかもしれませんが、アメリカの著名な投資家で、セレブだったジェフリー・エプスタイン氏は少女買春・人身売買事件で有罪判決を受け、2年前、ニューヨーク州の拘置所で自殺しました。年末の今、米国で報道されているのはエプスタイン氏の腹心の女友達であったジスレーヌ・マックスウェル氏にも司法の手が及んだ、ということにあります。彼女がエプスタイン氏の少女買春の手引きをしていたという疑いで、ニューヨークタイムズによると、今回、陪審裁判で起訴された6件のうち、5件で有罪判決が下されました。(2021/12/31)


検証・メディア
映画監督ロマン・ポランスキーにレイプされた少女の現在 〜30数年前に見たNHKのポランスキー監督の特集番組〜
映画監督のロマン・ポランスキーと言えば、私が学生時代にファンだった映画監督で、「テス」や「吸血鬼」、「ローズマリーの赤ちゃん」、「チャイナタウン」など数々の傑作を連打していました。さらに、ユダヤ系だったため両親がアウシュビッツで殺されたという彼の痛ましい少年時代や女優だった妻のシャロン・テートが子供を身ごもったまま、チャールズ・マンソンという男とその仲間たちに惨殺されたといった悲劇的なエピソードも聞いていました。彼の自伝も原書で読んだことがありました。(2021/12/30)


国際
労働のUber化(Ubérisation)と闘うレイラ・シャイビ(Leïla Chaibi)欧州議会議員
 今月9日、欧州委員会でIT企業のプラットフォームを介して単発で仕事を請け負う労働者たち=いわゆる「ギグワーカー」を一定の条件があれば雇用された労働者と見なす法案が作られました。施行までは欧州議会加盟諸国と欧州議会の議論をまだ経る必要があるとのことですが、労働者の生活条件の救済にはプラスに働く画期的な制度となりそうです。服装などを統制したり、労働時間を統制したり、報酬の水準をIT企業側が定めたりしているなど、5つの条件のうち2つの条件を同時に満たせば雇用関係があると見なされ、最低賃金や社会保障などの対象となります。欧州で400万人が雇用者と見なされるとの推定があります。(2021/12/26)


国際
1973年のチリのクーデターの背景 アジェンデ大統領就任後50周年で公開された米公文書からニクソンとキッシンジャーのチリ経済攪乱指令が明らかに
チリでガブリエル・ボリッチによる左派政権が誕生して間もないですが、この政権はピノチェット将軍によるクーデター以後に米国の肝いりで導入された新自由主義を打倒すると宣言したばかりです。こんな風に挑発的な発言をしたら、またCIAが謀略を企てるのではないかと危ぶむ人もいるのではないでしょうか。実は昨年がちょうど1973年のクーデターで自殺に追い詰められたアジェンデ大統領の1970年の就任から50周年にあたっており、ジョージワシントン大学が米公文書を公開しています。1970年の時点でキッシンジャー国務長官とニクソン大統領がチリ経済を攪乱して、ピノチェット将軍のクーデターにつながる作戦を指令していたことが文書で明らかになりました。(2021/12/26)


国際
チリで学費無料化闘争のリーダー(35歳)が大統領に選出される
 チリで大統領選挙があり、極右候補のホセ・アントニオ・カスト氏(55)を打ち破った左派の最年少、35歳のガブリエル・ボリッチ大統領が誕生しました。35歳というのは法律上立候補できる最年少の年齢です。CNNによるとボリッチ氏は10年前に学費無料化闘争でリーダーだった学生ですが、日刊ベリタではその当時、チリの学生運動を報じていました。以下は2010年の記事の抜粋です。「教育の機会均等を求める世界の学生たち・・・(村上良太)(2021/12/23)


文化
コロナ時代に再読したジャン=フィリップ・トゥーサン著「浴室」〜 YouTubeチャンネル「フランスを読む」から〜
ジャン=フィリップ・トゥーサン著「浴室」」(La salle de bain)が日本で翻訳出版されたのは1990年1月。バブル崩壊と同時に、冷戦終結、そして平成の始まりという節目の時期でした。「浴室」は野崎歓氏の最初の翻訳でしたが、「浴室」の大ヒットを受けて、野崎氏は「ムッシュー」や「カメラ」「ポートレイト」など、次々とトゥーサン作品を翻訳しました。しかし、21世紀に入ると、時代が変わり、トゥーサンを知らない世代が生まれ、残念なことにトゥーサンは日本の若者から遠い作家になってしまったのでした。もちろん、時代を越えられない作家ならば、一過性の作品として、その運命を甘受するしかありません。とはいえ、トゥーサンの「浴室」を最近、読み返してみて、全然古びていないことを確認した次第です。(2021/12/19)


コラム
野党共闘の伸び悩み 3  「反知性主義」批判と知の1%対99%格差
野党共闘が10月の総選挙で伸び悩んだ原因について、私は労働者の二極化、社会の二極化が憲法の価値をすでに劣化させ、憲法のありがたみを感じる人々と感じない人々にわかれてしまったのではないだろうか、ということを書きました。今回は2011年にアメリカで始まった「ウォール街を占拠せよ」で浮上した富の格差、1%対99%の対立が、富だけでなく、知識や教養の世界にも対立軸を創り出し、教養や知識を持っている人々に対する眼差しも、世界の1%の富裕層に対する眼差しに近いものになっているのではないか、という仮説について書いてみます。つまり、インテリたちに対する眼差しが、尊敬から一転して、怒りの対象に転じているのではないでしょうか。安倍政権の国会運営等に対する反対運動が吹き荒れていた時、大学の教授たちは安倍政権を「反知性主義」として批判したものでした。(村上良太)(2021/12/05)


政治
野党共闘の伸び悩み 2  改憲派を育てた平成時代
  前回、野党共闘が期待されたほど伸びなかったばかりか、票を減らす結果になった背景について書きました。左派陣営がエリートと非エリートに分断され、それまで左派政党に投票していた貧しい労働者が反発を感じ、極右政党にシフトする傾向がアメリカでもフランスでもあり、日本でも起きているであろうことです。1930年代のナチスの台頭を振り返ると、ナチスは国民「社会主義」を掲げていました。「1つのドイツ」というスローガンは生活が崩壊に瀕している人々にとっては胸に突き刺さったでしょう。労働者が二極化してしまった今、極右政党が「日本人は1つ」と語れば、下積みに敷かれた労働者にはアピールするのではないかと思います。(村上良太)(2021/11/30)


コラム
野党共闘の伸び悩み 左派陣営にある分断線 〜フランスとアメリカと日本で見る〜
安倍首相退陣後の重要な機会となった今年の衆院選は自民党の勝利で終わり、野党共闘は政権を取れなかったばかりか、第一党の立憲民主党は議員を減らす結果となった。最近のインターネット政治時評を見ると、連合が共産党との共闘を嫌がっていることが指摘されていた。しかし、もう1つ挙げると、立憲民主党とれいわ新選組の間に存在している分断線も関係しているのではなかろうか。これは左派陣営が中道と極左に分断されていることを意味する。今回の選挙では表向きは立憲民主党とれいわ新選組は共闘関係に入ったが、未だ本当の意味での共闘に入り切れていないのではないだろうか。(村上良太)(2021/11/12)


検証・メディア
ジャーナリスト高世仁さんのブログ<高世仁の「諸悪莫作」日記>の面白さ
高世仁さんはTV報道のジャーナリストとして著名な方で、最近は香港の民主化運動や中東などをテーマに活動していました。しかし、残念なことにリーマンショック以後の民放の予算削減や調査報道縮小の波の中で経営していたプロダクションを昨年春に締めざるを得なくなりました。残念なことです。それでも個人的にブログでメディアをウォッチしていて、長年の地道な調査活動で鍛えられた視点と直感が反映されてとても勉強になります。高世仁の「諸悪莫作」日記です。(2021/11/06)


コラム
交代すべきは「世代」なのか?
今回の衆院選挙で、見込み違いに議員を減らした立憲民主党の枝野代表が代表を退くという話が伝わってきました。それと軌を一にするかのように「世代交代」が必要という話をする人を他の分野でも見かけます。その「世代交代」の方向は若い人に受け継いでもらう、という方向性です。人類史を俯瞰すればどうということのない当たり前の言葉ではありますが、しかし、たとえばリベラル派の政治学者が語る場合は、少し慎重さが必要ではないでしょうか。(村上良太)(2021/11/04)


欧州
YouTubeチャンネル「フランスを読む」  #Me Too 以後に創刊された日仏のフェミニズム雑誌
今年の3月から始めましたYouTubeチャンネル「フランスを読む」の第十五回目は日仏で最近創刊されたフェミニズム雑誌について、翻訳家の相川千尋さんに話していただきました。「フランスを読む」は基本的には1回、10分ほどで1冊を紹介する本の紹介チャンネルですが、今回は特別編になります。相川さんは翻訳だけでなく、活字メディアの仕事もしていて、新しい動きに敏感でもあります。ぜひのぞいてみて頂けましたら幸いです。(2021/11/02)


政治
野党共闘は敗れたとの報道をどう見るか 日本共産党の植木俊雄広報部長に聞く
10月31日の総選挙で、自民党は大きく議員数を減らすのではないか、と見られていたが、ふたを開けてみると減少は15議席のみ。新聞などの予想より、かなり少なかった。一方、議員数を伸ばすと見られていた立憲民主党は逆に13議席減らす結果となった。さらに日本共産党も2議席減少したため、野党共闘は敗北した、との見方を伝えるメディアの総括も出ている。そこで以前、野党共闘について以前、インタビューさせて頂いた日本共産党広報部長の植木俊雄さんに、選挙結果をどう見ているのか、個人的な考えをお聞きしました。(村上良太)(2021/11/02)


コラム
コロナと選挙  前代未聞の総選挙となる
今日は総選挙の投票日だ。今回の選挙は今までと大きく違う。言うまでもなく、昨年来の新型コロナウイルスが選挙に影響を与えるだろうことは想像されるだろう。過去の、このような大きな出来事の後の選挙を顧みると、直近では2012年暮れの総選挙があった。この時は2011年の地震・津波・原発事故の翌年にあたり、与党・民主党が惨敗。「日本を取り戻す」をモットーに掲げた安倍総裁の自民党が政権に復帰することになった。(村上良太)(2021/10/31)


みる・よむ・きく
マチュー・ポット=ボンヌヴィル著「もう一度・・・やり直しのための思索」
昨年5月に出版した拙訳による「もう一度・・・やり直しのための思索」を1年以上の時を経て再読してみました。著者は哲学者のマチュー・ポット=ボンヌヴィル氏です。原書は「Recommencer」。全体は7つのエッセイから成り立っており、それぞれ欧州の哲学者や論理学者、政治哲学者、文人、政治運動家などのエピソードをひも解きながら、物事を再開したり、やり直したりすることにまつわる難しさや落とし穴、課題などを考察しています。(2021/08/09)


市民活動
明治大学大学院文学研究科仏文学専攻 特別講義 /オンライン講演会 人間の臨界へ Elisabeth de Fontenayを中心に
「Elisabeth de Fontenayは、知的障害によって沈黙しつづける弟という謎をめぐって、動物性を研究してき た哲学者である。著書『夜のガスパール』(2018年)では、人間と動物との境界を意識しながら、デカ ルトの動物機械論やシンガーの功利主義から、アウシュヴィッツの子供フルビネク、ドゴールの障害を 抱えた娘や映画『レインマン』までを検討する。同書は著者の家族史でもあるが、情緒に溺れることな く分析的な考察を繰り広げながらも、きわめて親密で温かい作品となっている。とりわけ、著者が対象 とのあいだで、いかにして──「注意・関心」と「配慮・思いやり」という二つの意味での──attentif な距離を保っているかを注視してみたい。」(2021/06/12)


国際
ジェローム・カラベル(米社会学者)「トランプ主義は生き残る」 〜アメリカの民主党と共和党の支持層の逆転現象〜
以前ご紹介しましたカリフォルニア大学バークレー校のジェローム・カラベル名誉教授(Jerome Karabel )がフランスのルモンド・ディプロマティーク誌に昨年12月、大統領選挙の後に寄稿したテキストを、カラベル教授の許可を得て、全文翻訳いたします。タイトル「Trumpism will outlive Trump」(直訳は、「トランプ主義はトランプより長く生きる」)からうかがえますように、トランプ大統領が選挙に敗れたとしても、その考え方や行動は「トランプ主義」という形で未だ根強い人気があり、今後も続くであろうことです。バイデン大統領が今まで通りの民主党穏健派の立ち位置から抜け出し、労働者や庶民の党としての方向性を取り戻さなくては、やがてトランプよりももっと切れ味のある極右政治家の台頭を許す可能性があるというものです。(2021/05/09)


検証・メディア
YouTubeチャンネルを立ち上げました 「フランスを読む」
新型コロナウイルスで講演会や討論会もリモートになり、かつてのように人が一堂に集まって熱い討論を交わす、という場が懐かしくなっていませんか。そんな中、フランスと日本の本を中心に、1冊の本の魅力を10分ほどで専門家が語るチャンネルを立ち上げました。「フランスを読む」です。もちろん、これとて所詮は「リモート」であることは変わりないのですが、できるだけ臨場感のあるものを目指しています。これまでの語り手はフランス文学の教授や日本とフランスの翻訳家たちで、紹介される本は一読の価値ありです。今後はさらに料理や映画、人文科学や哲学などの分野の語り手も登場するかと思います。(2021/04/19)


みる・よむ・きく
イヴァン・ジャブロンカ著「歴史家と少女殺人事件 〜レティシアの物語〜」
イヴァン・ジャブロンカ著「歴史家と少女殺人事件 〜レティシアの物語〜」(名古屋大学出版会)はフランスで大きな話題になった2011年1月に起きた18歳の少女が殺された事件を通して、現代フランスの影の部分に光を当てたノンフィクションの力作だ。昨年7月に真野倫平氏による翻訳が日本でも出版されたが、もっともっと読まれてよいと思う。筆者は本書を読みながら、久しぶりに本格的なノンフィクション作品を堪能したという満足感とともに、現代の闇の中で生きている数多くの若者たちのことを思うと苦い思いにとらわれた。特に貧困問題と家庭内のインセスト(近親相姦)の複合事例である。(2021/02/07)


みる・よむ・きく
芳沢光雄著「新体系 高校数学の教科書(上下)」
数学者の芳沢光雄氏が講談社のブルーバックスというシリーズから出している「新体系 高校数学の教科書(上下)」は文系に進んで、数学と縁遠くなった社会人がもう一度、高校の数学全体を復習するにはもってこいの2巻本です。本書が初めて出版されたのは2010年だから、およそ10年前にあたる。上下巻の構成は以下のようになっています。(2021/02/04)


みる・よむ・きく
岩波ジュニア新書「天文学入門 星・銀河とわたしたち」
今年の正月に何冊か、科学入門や高校の数学のやり直し用の本を読んだことを以前、書きましたが、岩波ジュニア新書「天文学入門 星・銀河とわたしたち」(嶺重慎・有本淳一編著)もその1冊です。この本もまた私に衝撃を与えたのでした。まずは、天文学がこんなにワクワクする面白いものだったことを痛感させられたことと、その理由として、2つ挙げられることです。まずは、生命の起源が天文学と結びつけられていることで、生命の起源だけでなく、霊長類の進化の歩み、大気組成の変化、元素の周期表とその起源についても触れられています。つまり、物理から化学、生物学などのサイエンスが総合される形になっています。そして、もう1つの面白さは、大量の天文写真がカラーで掲載されていたことです。読んでいると、天文観測台に行きたくなるはずです。(2021/02/04)


みる・よむ・きく
神崎洋治監修「プロが教えるデジタル一眼カメラのすべてがわかる本」(ナツメ社)
ナツメ社から出版された神崎洋治監修「プロが教えるデジタル一眼カメラのすべてがわかる本」には「史上最強カラー図解」と銘打ってあって、確かに史上最強と名乗っても誇大広告とは思えない。最近、僕は手持ちのビデオカメラを買い替える必要があって、カメラ店に入って、いろいろ見たり、店員に聞いてみたりした。しかし、最近のデジタル技術の進歩に伴い、技術についてわからないところが多々あることに気づいた。たとえば、店員にSONYのビデオカメラの説明を聞いていて、CMOSイメージセンサーというものが何か、筆者には知識がなかったし、さらにその発展型のExmorについてはさらにわからない。(2021/02/01)


コラム
俳優のジャン=ピエール・バクリさんが亡くなる
 ついこの間、フランスの俳優のクロード・ブラッスールさんが亡くなったことを書いたと思ったら、残念なことに1か月とたたないうちに、今度はジャン=ピエール・バクリさんが亡くなった。ガンによる死だという。享年69.フランス人の友人や知人たちの多くが悲しみをいろんな形で表している。バクリさんもブラッスールさんと似て、2枚目俳優ではなく、3枚目の俳優だった。バクリさんには脚本を一緒に書く奥さんで、女優で、監督でもあるアニエス・ジャウイさんだ。この二人がコンビで脚本を書いた「ムッシュ・カステラの恋」(‘Le gout des autres‘、2000年 )は本当に素晴らしかった。二人は共演し、監督はジャウイさんがつとめた。テーマの見つけ方、人間を描くときの深さなど、心に焼き付く作品で、私は10回以上見た。(2021/01/19)


みる・よむ・きく
長沼毅著 「生命とは何だろう?」  科学の本はこんなにも面白くなっていた!
この正月休み、私は理系の高校から大学一般教養レベルの入門書や参考書の類を集中的に何冊か読みました。最近、私の周辺では生涯学習ということで大学に再入学したりする人が増えています。そうい (2021/01/11)


みる・よむ・きく
ドロテ・デュシ著「支配のゆりかご〜インセスト(近親相姦)の人類学〜」<Le berceau des dominations. Anthropologie de l'inceste> de Dorothée Dussy
 昨年、インセスト(近親相姦)がフランスで大きな問題となっていることを知りましたが、それに火をつけたのが今月話題になっている政治学者の家庭内でのインセストでした。この場合、血のつながりだけでなく、義理の親が義理の子供と性的行為を行うケースも含まれています。30年後に義理の親たちの行状をつづった暴露本とされる「La familia grande」(大きな家族)は、単に暴露だけでなく、インセスト(近親相姦)がどのような構造になっているかを家庭内で見つめたとされますが、雑誌では人類学者がインセストについて研究した本も紹介されています。(2021/01/09)


みる・よむ・きく
特権左翼たちの実態を暴露した「La familia grande」(大きな家族)を読んで セルジュ・ルグール(Serge Regourd 法学者 )
先日、フランスの大物政治学者オリビエ・デュアメル氏がスキャンダルで辞職し、波紋を広げていることを書きました。10代半ばの義理の息子と性的関係を結んでいたとされる事件です。事実の出どころは家族(義理の娘)のカミーユ・クシュネルさんが書いた本「La familia grande」(大きな家族)で、今年1月にフランスで刊行されたばかりであるため、中身については未知数でした。そんな中、トゥールーズ1キャピトル大学で法学教授をつとめてきたセルジュ・ルグール(Serge Regourd 法学者・ 現在は名誉教授)氏が本書を読んだ感想を記していたのを読み、ルグール氏の承諾を得て、日刊ベリタに翻訳いたします。(2021/01/08)


欧州
Sciences Poを指導してきたフランスの大物政治学者が義理の子供への性的虐待で糾弾される 30年前の犯罪を子供が暴露した本「La familia grande」で刑事事件に
フランスのシアンスポ(Sciences Po ,政治学院)と言えば、エリートを輩出する名門校として世界的に知られていますが、その政治学院の運営母体である国立政治学財団(FNSP)の政治学者が義理の子供への性的虐待で告発されています。渦中にいるのはオリビエ・デュアメル氏で、義理の子供に本の中で糾弾され、政治学院の関連財団の職を辞したばかり。放送局Europe1のコメンテイターも辞職したとされます。(2021/01/06)


コラム
古いソ連のオートバイの修復動画に心動かされた
 年末、YouTubeで久々に心を動かされる動画に出会った。ぼろぼろになったソビエト時代のオートバイを工場で黙々と修復していく動画である。動画の主人公はほとんど手元しか露出せず、修復のプロセスが1つ1つ、美しいカットとよく採られた音声で見ることができる。印象深いのはバイクの鉄に付着した錆や汚れを1つ1つ様々な溶液につけて溶かし、その後、鑢をかけて綺麗にしていくのだが、もちろん、おそらく腐食が進みすぎて、全部取り変えたパーツも少なからずあったろう。(2021/01/04)


みる・よむ・きく
久松健一著「本気で鍛えるフランス語 広げる中級編」 音源はどこへ??
以前、久松健一氏による「動詞宝典」という動詞の活用をすべてのページにつけた動詞中心の参考書について絶賛する記事を書きました。フランス語を始めとして、イタリア語やスペイン語などの古代ローマ帝国から派生した言語は動詞の活用が言語習得に大きな重要性を持っています。しかしながら、第二外国語の一般教養の課程で学校教育で習得できる動詞が実際にはごく少数であるという理想と現実がありました。久松氏の参考書はその溝を埋めるものでした。「本気で鍛えるフランス語 広げる中級編」は昨年古書店で新品同然のものを購入して手に取って読んでいますが、ドリル式になっていますが、骨子はやはり動詞に焦点が当てられており、472の動詞が解説されています。(2021/01/02)


コラム
マリーヌ・ルペンの年末のメッセージ  2021年はフランスの政治に重要な1年になるだろう
かつて国民戦線(FN)だった極右政党は今、国民連合(RN)に名前を変えて、党首にマリーヌ・ルペンを頂き、政治勢力の躍進を続けている。2022年はフランスの大統領選の年であり、2017年にエマニュエル・マクロンに敗れた彼女は来年こそと勝負をかけてくるだろう。その気持ちは12月の暮れに彼女が発信したメッセージに込められていた。その言葉の中で、2020年は悲惨な年であったが、COVID−19以上に犯罪者のイスラミスト勢力が繰り返しフランスで仲間をテロで斃したと強調した。彼らにフランスを壊させてはならないと訴え、2021年には地方選挙があるので、皆さんの意志を見せてくださいと訴えた。(2021/01/01)


コラム
フランス語の辞書を読む
私は今年に入って翻訳書を出してから、泥縄式的に辞書を引く、というより日常的に毎日読むようになった。先日、その経緯については書いたのだが、今回は私が目下、愛読している辞書について。過去に使ってきた辞書は私の場合、白水社のものと旺文社のものが多かった。今回、私が愛読しているのは旺文社のNouveau Petit Royal(第三刷)という仏和辞典である。愛読している、というより実質的にノートにほとんど丸写ししているのだが、と言ってもアルファベットのAから順番にやるというようなことはできないし、飽きてしまうので、私の場合はサイコロ賭博のようにぱっと開いて気の向いた単語から書き写していき、筆写が終わったら蛍光ペンでしるしを付けて置く。(2020/12/31)


コラム
俳優クロード・ブラッスール氏の死去
私がフランス映画を見る時、よく思うことはアラン・ドロンやジャン=ユーグ・アングラードのような美形俳優とは別のところで、三枚目系の俳優たちが活躍しており、人気が高い人がたくさんいることだ。ゴダールの映画「軽蔑」で妻役のブリジッド・バルドーから見放される辛い役を演じたミシェル・ピッコリも私には長年、なぜ人気が高いのかよくわからなかったし、亡くなった今もわからない。しかし、確かに彼の登場する映画を見ると、独自の存在感を保っていて主役を張ってきた。先日、亡くなったクロード・ブラッスールという俳優もそうだ。(2020/12/27)


コラム
かつての安倍政権と2022年から訪れうるマリーヌ・ルペン大統領の時代
フランスにとって2021年は運命の年になるのではあるまいか。それはCOVID-19による危機、というよりも、むしろ2022年の大統領選の前哨戦という意味である。2017年に大統領選で決選で戦ったエマニュエル・マクロンとマリーヌ・ルペンが、もしもう一度決選投票になった時、マリーヌ・ルペンが大統領に選出される可能性は高まっていると聞く。もはや2002年のジャック・シラク対ジャン=マリ・ルペンの時のような、極右のルペン一族の政治に対する圧倒的な危機感はフランスにはない。では、もしマリーヌ・ルペンが2022年に大統領に選出され、さらに2027年に再選されて、10年間、ルペン時代が続いたら、フランスはどうなるだろうか。(2020/12/26)


コラム
語学の参考書と辞書の関係
今年私は生まれて初めて本の翻訳書を出版したのですが、やってみて初めてわかることがあるものです。まず体験して思ったのは、単語力があればあるほど翻訳は楽になる、ということです。泥棒を捕まえてから縄を綯うということわざがありますが、単語力が倍増すればテキストを初見で見た時の印象も変わるはずですし、辞書を引く手間も省けます。とはいえ、辞書を引く手間が省ける、ということは1つの単語が持っている様々な意味を全部理解していて初めてできることで、たとえば1つの単語に10個の日本語の意味があるとすると、10個知っておくことが大切です。(2020/12/24)


コラム
出版人・ジャーナリスト、大江正章さんの早すぎる死  
 NPOのアジア太平洋資料センター(PARC)の事務局の方から、共同代表をつとめていた大江正章さんが亡くなったとの知らせを昨日いただきました。アジア太平洋資料センター(PARC)とは、武藤一羊氏や「バナナと日本人」を書いた鶴見良行氏らが1970年代に市民が社会問題を調査研究する時代を拓こうとして設立したNGOであり、現在はNPO法人でもあります。ベトナム戦争への反対運動を原点に、南北問題や農薬などの問題を市民の自発的な調査を通して研究してきました。大江さんはその共同代表をつとめていたのですが、その傍らでコモンズという出版社の代表もつとめており、常に多忙な生活を送っていたようです。いずれもオルタナティブな世界を市民目線から探求するものであり、大江さんの場合は農業のあり方が核になっていたようです。(2020/12/18)


欧州
リベルテ、エガリテ、プレカリテ 最近のフランスの三色
リベルテ、エガリテ、フラテルニテ。日本語で自由、平等、友愛がモットーだった革命後のフランスだが、最近、フラテルニテ=友愛の替わりに、生活の不安定さを意味する「プレカリテ」が急浮上している。今年の2回の自宅ごもりを経て、フランスの庶民たちの暮らしはかなり追い詰められているのかもしれない。もちろん、それは日本とて同じなのだろう。けれども、なんか最近、私のフランスの知人たちが今までなかった類の悲鳴を上げているのだ。(2020/12/18)


欧州
パリの共和国広場で難民たちのキャンプが強制撤去される
先日来、自宅に巣ごもりを求められているフランスで、デモが起きています。先日お伝えしましたように、1つは機動隊や警察、憲兵隊がデモ隊などを鎮圧しているところを警察官の個人が識別できる形でSNSなどにあげてはいけない、という法案が国会で審議されてきたからです。もう1つ大きな話題になっているのがパリの共和国広場に集まっていた難民たちのキャンプが警察によって強制的に撤去されたことです。その映像も含め、難民に対する処置として人間的なのかが今、問われています。(2020/11/25)


欧州
Loi "sécurité globale" フランスで警察や機動隊を撮影して公開することを禁じる法案にデモが起きる
フランスでは12月まで新型コロナウイルス対策で、今年、2回目のconfinement(必要がない限り、自宅で過ごすこと)を求められています。しかし、そんな中、人々を町に駆り出している原因の1つが、与党が法制化しようとしている"securite globale"法案です。特にこの中の24条です。これは機動隊や警察官、憲兵隊が活動している姿を、個人が識別できる形で撮影して公開することを禁止する目的です。そのため、労働組合や野党、人権擁護の活動家、ジャーナリスト、その他の人々から強い反対の声が出ています。(2020/11/23)


国際
2021年のバイデン大統領と北朝鮮  米朝交渉  その2
バイデン大統領になった時、北朝鮮と米国がどのように関係するのか、そのことは日本と韓国の人々の明暗も関わってくる重要なイシューです。ワシントンポスト紙の記事「North Korea watches Biden victory with one finger on the missile test trigger」(北朝鮮はミサイル試射のボタンに指をかけてバイデンの勝利を見つめている)はバイデン氏がオバマ大統領の副大統領だった時の対北朝鮮政策は宥和政策であり、むしろイランやキューバとの国交回復への歩みの方が軸になっていたことを記していました。このことは1994年に一時、米朝戦争再開の危機があったものの、基本的にはそれ以後の米政権の方針を継続していたとも読めます。(2020/11/14)


国際
2021年のバイデン大統領と北朝鮮  米朝交渉・まだ何一つ解決されていない
ワシントンポスト紙は「North Korea watches Biden victory with one finger on the missile test trigger」(北朝鮮はミサイル試射のボタンに指をかけてバイデンの勝利を見つめている)というタイトルで、大統領に選ばれたバイデン氏が北朝鮮との関係をどう構築するのか、北朝鮮はどのようにバイデン氏のホワイトハウスと向き合うのか、その不安なムードを伝えています。というのはトランプ政権が北朝鮮の首脳と平和的交渉を4年の間は続けてきたからでした。トランプ氏が2016年11月に大統領に選出された時、米国の北朝鮮通の識者は就任最初の100日間が決定的だと述べていたのが記憶に残っています。実際、トランプ大統領はそのアドバイスに従うかのように100日以内に北朝鮮との交渉を決定したのでした。当時は北朝鮮の核ミサイル技術が進化すれば米本土に核ミサイルが届くことになると言われ、緊張感がありました。(2020/11/13)


米国
ジョー・バイデン候補(民主党)が第46代米大統領に選出される  〜 歴史に学んだことが勝因〜
大接戦だった米大統領選ですが、バイデン候補(民主党)がトランプ大統領を破って第46代米大統領に選出されました。トランプ陣営が選挙方法をめぐって法廷闘争をしていますが、NBCやCNN、CBSなど米主要メディアがすでにバイデン候補の勝利を報じています。今回の米大統領選はCOVID-19の最中の異例の選挙で、しかも、その影響下で警官に黒人が殺される事件を契機に、黒人の人権を尊重せよ、というBLM運動が広がりました。COVID-19のための経営危機でまっさきに解雇される黒人たちの不満が爆発しかけました。この経験は米国民にはデジャビュ的なものでした。(2020/11/08)


米国
波乱を呼んだ2000年の米大統領選で敗れたアル・ゴア氏が「法的に有効な投票はすべて数えよう。民衆の意志に従おう」
 2020年の米大統領選は非常な接戦で、しかも郵便投票の多くがバイデン候補への投票のため敗色濃くなってきたトランプ大統領が法廷闘争まで起こす結果となっている。このことは20年前の大統領選を思い出させる。NBCは当事者だった民主党元大統領候補アル・ゴアにインタビューした。ゴアは「今回は20年前と異なっている。バイデンは勝利を確実にする道を複数保持している」と語り、「だが一番大切な原則は法的に有効な投票はすべて数えること。そして民衆の意志に従うことだ」と語った。(2020/11/07)


欧州
フランスで始まった2回目の自宅閉じこもり令  書店は開けるべきだとパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏
欧州を新型コロナウイルスの第二派が襲い、マクロン大統領は集中治療室を確保するために3月に続いて、二回目の自宅閉じこもりの命令を出しました。期間は10月30日から12月1日までのほぼ1か月。小中学校などは通学が認められるなど、前回よりも多少、規制が緩くなってはいますが、しかし、閉鎖を求められた飲食店などは経営が苦しくなっています。観光産業もダメージです。フランスのニュースを見ていると、前回と今回の違いがいろいろ書かれていて興味深いものがあります。(2020/11/01)


米国
マイケル・ムーア監督曰く、バイデンのリードは半分に割り引いてみるのが正しい 「世論調査でトランプ支持の数字は常に低めに出てくる」
ミシガン州と言えば米大統領選の鍵を握る「中西部」の1つで、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアの郷里でもある。大統領選の運動の最終ラウンドで、トランプ大統領もバイデン候補も中西部を回っていると報じられている。(2020/10/31)


コラム
今年の米大統領選はアメリカ人の政治的復元力が見える選挙  〜鍵は最高裁判事のバランスに対する米国人の見方〜
今年の米大統領選は共和党のトランプ大統領が再選を決めるのか、民主党のバイデン候補が勝利するのか。トランプ氏が前回の2016年の大統領選で新聞各紙ではヒラリー・クリントン候補に敗れると書かれていた中、逆転勝利を飾ったことは記憶に新しいことです。今回も世論調査で10ポイント近くバイデン候補がリードしていますが、ふたを開けてみるまでわからない選挙です。私が今回の選挙で注目するのは、大統領選のまさに直前にトランプ大統領が最高裁判事に共和党寄りのエイミー・コーニー・バレット判事を据えることに成功し、最高裁判事の保守派(つまりは共和党派と考えられる)が6人、リベラル派が3人と大きく差がついてしまったことです。(2020/10/30)


米国
米国の連邦最低賃金は時給7・25ドル 2009年から11年間据え置き〜米民主党は15ドルまで上げる政策を提言
米大統領選まであと2週間。先ほど、民主党候補のバイデン氏の経済政策への期待が高まり、世論調査でトランプ大統領を抜いたという記事を先ほど読みました。COVID-19の中、大富豪はますます富を増やしている、という情報に何度か触れましたが、連邦の労働者の最低賃金はアメリカの連邦では2009年以来、時給7.25ドルに据え置かれています。以下はアメリカの労働統計局(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)のオフィシャルデータです。(2020/10/19)


米国
米国の失業率のグラフを見る  リーマンショックよりも激震度は高かった
米大統領選の鍵を握る失業率の変動。実際に、どう推移してきたのか、米政府の労働統計のオフィシャルデータ(※ U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)を見てみます。リーマンショックから翌年にかけて一度10%とピークになり、それがオバマ政権の誕生からずっと右肩下がりになっていました。トランプ政権もその傾向を踏襲して、今年1月に3.5%と記録的な低さを達成しました。しかし、その後、COVID-19の蔓延で、まるで垂直に駆け上るように失業率がうなぎ上りし、約15%まで近づきます。それがまたどっと下がっていますが、今はその中間地点の7・9%です。(2020/10/18)


米国
トランプ大統領の最大の「売り」の経済政策でバイデン候補が優位を奪う、とCNNビジネスは報道
米大統領選で新型コロナウイルスに自らも感染したトランプ大統領がこの1か月、どう挽回するのかが見どころになっています。しかし、CNNビジネスは10月6日付で、トランプ陣営の厳しい現実を描いています。つまり、トランプ大統領の売りだった経済政策で、バイデン候補がCNNの最新の世論調査で追いついて並んでしまったことです。5月の時点では12ポイントもの差でトランプ大統領の方が経済政策では評価されていましたが、今やほぼ並んでしまったということです。特に、現職は年初に歴史的にも低い失業率3.5%を誇っていましたが、現在は新型コロナウイルスの影響で7・9%と、大統領選直前の時期としてはこれまた歴史的な高い数値に跳ね上がっているということです。新型コロナウイルスの蔓延で大量に失業者が出た後、復興に向かっていましたが、その勢いが鈍化しているとCNNビジネスは伝えています。(2020/10/18)


みる・よむ・きく
フランク・キャプラ監督「ナチス 怒涛の侵略 (原題は「Divide and Conquer」) 米プロパガンダシリーズ「我々はなぜ闘うか」の3作目
書店などでワンコイン(500円)で売られていた第二次大戦中の戦史もののDVDの中に、「我々はなぜ戦うのか(Why we fight)」と題する米軍のプロパガンダ映画シリーズがあります。これは欧州の戦争に参戦するのを厭う米世論にナチスおよび枢軸国の危険性を呼びかけ、集団的防衛の重要性を語りかけ、究極的には参戦に好意的な世論を創り出すことにあったとされます。シリーズは全7作。監督は民主主義の価値を訴えてきた名匠フランク・キャプラとアナトール・リトヴァクです。このシリーズは戦後70年以上たってもなお外国で販売されているように、プロパガンダ映画としては出来がよいのです。7本の構成は以下。(2020/10/17)


コラム
帰ってきたトランプ  
9月に新型コロナウイルスに夫婦で感染し、軍の病院で治療を受けていたトランプ大統領がホワイトハウスに戻り、大統領選に復帰した。復帰後のトランプ大統領の選挙集会などの一連の映像を見ていると、トランプ大統領が支持を集めつつある印象を受ける。世論調査では夏以来、一定して民主党候補のバイデン元副大統領が10%近くリードしてきたが、2016年の選挙でも開票までヒラリー・クリントン候補の勝利を各紙は予想していたことを忘れてはなるまい。おそらくトランプ大統領の支持層は世論調査でつかみにくい層なのだ。(2020/10/17)


コラム
安倍首相と雄弁術
安倍首相が辞任した。7年にわたる長期政権が終わり、安倍首相の悲願だった改憲も頓挫した。安倍首相は安保法制などを強行採決で通したことで、名を捨てて実を取ったと留飲を下げているのかもしれない。いずれにしても、安倍首相は2016年あたりまでは躍進していたが、それ以後はスキャンダルや反対する人々の抵抗にあって、いつしか推進力を失ってしまった。この失墜の原因は何かと考えると、人によって答えが違うと思うが、私は安倍首相に雄弁術がなかったことが大きな原因ではなかったかと思うことがある。(2020/10/17)


政治
日本の農作物の輸出は伸びているのか? 輸入はどうか? 〜政府に騙されないためには輸出統計は必ず輸入統計とセットで全貌を見ることが大切
39%まで落ち込んだ日本の食料自給率を政府は近い将来、50%まで少なくとも改善する方針である、とメディアの記事で読んだことがありますが、その際、マジックの1つとして輸入大豆などで飼育されている家畜(肉牛や養豚)を「国産」にカウントすることがあるようです。菅首相は秋田の農家のせがれと語りつつ、農家を支援すると言って、農産物の輸出を掲げていますが、いったいどこまでの可能性があるのでしょうか?政府(農水省国際部国際経済課)のグラフを見ると、農産物の輸入量は1966年に1兆円強だったのが、ほぼ右肩上がりに年々増え、2018年には6兆6220億円に達しています。一方、農作物の輸出は安倍政権に入って確かに伸びてはいたものの、2018年でも総額は5661億円と輸入農作物の10分の1にも達していません。(2020/10/10)


米国
カマラ・ハリス副大統領候補が米大統領になる可能性は
カリフォルニア州選出の上院議員カマラ・ハリス氏については民主党予備選では筆者は注目していませんでしたが、ふたを開けてみると、副大統領候補に選出され、バイデン氏が大統領になった場合は副大統領、バイデン氏が病気か死で執務不能となると、大統領に昇格します。ハリス氏が、予備選でもっと上を走っていたエイミー・クロブシャー候補やエリザベス・ウォーレン候補ではなく、ハリス氏を選んだポイントはどこにあったのでしょうか。クロブシャーもウォーレンも白人女性のエスタブリッシュメントの候補者であるに対して、ハリス氏は有色人種であるとともに、ライバルのバイデン候補に対して歯に衣着せぬ言葉を投げかけていたことにもあったかもしれません。(2020/10/09)


政治
米副大統領候補の討論会 マイク・ペンスV.S.カマラ・ハリス  大統領候補の討論会より面白い
米大統領選の候補者によるTV討論は3回行われるが、副大統領同士のTV討論はその間、一度だけ行われる。今年は現職の副大統領マイク・ペンス対カマラ・ハリスのディベートである。行われたのはユタ州で、10月7日(水曜)の午後9時から。マイク・ペンスは共和党の保守派として知られ、派手好みで感情的に表現するトランプ大統領とは対照的に冷静な話し方をする。一方、カマラ・ハリスは母はインド系、父はジャマイカ系の有色人種であり、人種対立が先鋭化した米国において、融和の象徴としてバイデン候補に副大統領候補として抜擢された。今回のディベートでカマラ・ハリスの話し方を見ると、一種の余裕すら感じさせる逞しさがある。その余裕は恐らくカリフォルニア州で検察官をして、裁判所で今回のディベートにも通じるようなやり取りを職業的にしてきたのではないか、と感じさせる。(2020/10/09)


みる・よむ・きく
アンドレ・バザン著「映画とは何か」(岩波文庫 上下二巻)  今、ヌーヴェルヴァーグの原典に触れる
フランスのヌーヴェルヴァーグの映画監督たちの父とも言われる映画評論家がアンドレ・バザンで、その影響はフランスのみならず日本やアメリカなど世界に及んでいます。そのバザンの主著が「映画とは何か」で、5年前に野崎歓・大原宣久・谷本道昭の3氏による翻訳が出ました。過去にも別の翻訳者による翻訳があったそうですが、ともかく、この岩波から出た「映画とは何か」は読みやすくてありがたい本です。そして、映画の著作権の有効期間が公開から70年だとすると、バザンが本書で語っている映画の多くもすでにパブリックドメインになっていて、今日、かつてよりも本書を読むための環境が整いつつあるのではないでしょうか。(2020/10/08)


コラム
新聞記事における識者のコメントでなぜ特定の著名人ばかり登場するのか?
新聞記事で記者たちが識者にコメントを求める際、どう見ても、特定の著名人に集中する傾向があるように思われる。たとえば、フランス文学とかフランスの哲学や法哲学などの方面でも、常々登場するのはせいぜい10人程度ではなかろうか。大学でフランス語を通した研究や哲学に携わっている人々が日本にいったい何人存在するのだろう。准教授や様々な教員まで射程に入れると、数百人には上るのではなかろうか。それないも関わらず、特定の人々の意見ばかり新聞が取り上げるのは、それがプロセス上、楽であり、それらの識者が言いそうな内容が事前に想定できる予定調和性にある、と言えると思う。そうした新聞記者の都合は理解できる。(2020/10/05)


米国
PBSがボブ・ウッドワード記者にインタビュー  トランプ政権を描いた最新刊「Rage(憤り)」
米大統領選挙の投票まで1か月。佳境にさしかかり、現職大統領がCOVID-19に感染する、という波乱ぶくみの展開。9月にウォーターゲイト事件の報道で知られるワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者が新刊を出しました。タイトルは「Rage(憤り)」です。中身はトランプ政権です。COVID-19が流行する政権の後半に軸があります。この本につき、公共放送のPBSが著者へのインタビューを行っています。(2020/10/05)


米国
トランプ大統領は側近の女性(ホープ・ヒックス氏)が感染しているのを知りつつ、水曜日に大統領機で同乗させていた  Democracy Now!の報道
トランプ大統領の容態が目を離せなくなっているとの報道とともに、ホワイトハウスの感染症対策の不備が指摘されている。以下は「Democracy Now !」の報道。水曜日の段階で、大統領が疲労している状態の時、大統領機に側近のホープ・ヒックス氏がCOVID-19に感染していると知りつつ、同乗されていた事を報じた。(2020/10/04)


米国
第一回目のトランプVSバイデンのTV討論に対するバーニー・サンダースの感想
アメリカの「ジミー・キンメルLIVE」にバーニー・サンダース上院議員が登場し、第一回目のトランプVSバイデンのTV討論について29日の当日夜に述べています。(2020/10/03)


米国
米国:トランプ大統領(74)死亡の場合への備えの必要性  「65歳から74歳の感染者の8%は死亡、75歳から84歳まででは18%が死亡」(The Atlantic)
トランプ大統領は軽い風邪状態の新型コロナウイルス感染の症状が出ていると報じられています。死亡する確率は低いとはいえ、アトランティック誌は男性の場合、「65歳から74歳の感染者の8%は死亡、75歳から84歳まででは18%が死亡」(The Atlantic)と報じ、死亡する可能性がゼロとは言い切れないと伝えています。トランプ大統領の肥満もそのリスクを高めていると指摘しています。(2020/10/03)


みる・よむ・きく
ロラン・バルト著作集3「現代社会の神話」(下澤和義訳)  ロラン・バルトの最良の入門書
みすず書房から出ているロラン・バルト著作集3「現代社会の神話」(下澤和義訳)は、批評家だったロラン・バルトの仕事を理解する上で非常に良い入門書として読めると思いました。バルトは本書で社会の中に流通する様々な「神話」を集めて、その奥に潜むイデオロギーを抽出して見せる作業をしています。本書は文芸誌で毎月掲載していたエッセイ集とその理論から構成されています。対象もストリップやプロレス、休暇中の作家、映画の中のローマ人、ツール・ド・フランス、ステーキとフライドポテト、ワインとミルクなどなど、身近な事象です。たとえば、ストリップと言えば、ちょっと見には反道徳的な印象がありますが、バルトはストリップがいかに道徳的かについて記しています。(2020/10/03)


米国
米大統領選 1回目のトランプ V.S. バイデンのTV討論 
1回目の米大統領選のディベートがクリーブランドで9月29日に行われました。4年前とトランプ大統領の雰囲気はまったく異なります。最高裁判事の任命、COVID-19への対処、経済、人種差別問題などについて、最初に双方が2分ずつ自説を語ったあと、討論に入ります。司会はFOXニュースのクリス・ウォレス(Chris Wallace)氏。父親のマイク・ウォレスともどもTVの司会で活躍してきたジャーナリストです。(2020/10/02)


みる・よむ・きく
米ジャーナリスト、ボブ・ウッドワードが「Rage(怒り)」を刊行  トランプ政権の新型コロナウイルス対策などを検証
米大統領選を控える今、ジャーナリストのボブ・ウッドワードが任期の最後を迎えたトランプ政権がCOVID-19やその影響下で困窮する米経済、さらに黒人への差別事件と抗議デモなどに、どう対処してきたかが検証されているそうだ。サイモン&シュスター社から9月15日に出版。30ドル。(2020/10/02)


米国
トランプ大統領夫妻が新型コロナウイルスに感染  万一、死亡の場合は副大統領のペンスが大統領に
トランプ大統領が新型コロナウイルスに夫婦で感染したとツイートしたことで、米報道機関は一斉に報じている。以下はCNN.(2020/10/02)


みる・よむ・きく
ジャック・ベッケル監督「肉体の冠」(Casque d'or , 1952)
  ジャック・ベッケル監督(1906-1960)と言えば「現金に手を出すな」や「穴」など、ギャングや犯罪がらみの映画が得意な職人的監督として知られており、1952年に公開された「肉体の冠」もそうした系譜の映画です。主演は「嘆きのテレーズ」のテレーズ役など、恋人を地獄に突き落としてしまうファム・ファタール(運命の女)役で定評のあるシモーヌ・シニョレと、彼女に愛されたばかりにやっぱり悲痛な死を迎えるセルジュ・レジアニです。原題の「金のヘルメット」(Casque d'or)が邦題では「肉体の冠」と改変されていますが、「金のヘルメット」とはシニョレが金髪で、「金のヘルメット」というニックネームのついた娼婦を彼女は演じています。(2020/10/01)


みる・よむ・きく
大庭英子著「パンでごはん」  何気ないパンを自宅でご馳走にするノウハウ
西東社から刊行された「パンでごはん」(大庭英子著)は、今こそそのありがたみが今まで以上に実感できる本でしょう。トースト、サンドイッチ、ロールパンなど、スーパーで買える日常のパンに一工夫して、自家製の総菜パンを作るノウハウが詰まっています。たとえばトーストならバターを塗るだけでなく、1つ加えて、たとえばゆずこしょうバターやチーズ黒こしょうバター、バジルバターなど、トーストの世界が大きく広がります。あるいはツナマヨディップやアボカドディップのように、パンに載せて食べるディップの提案も出ています。トーストなど何十年と食べていながら、マーガリンかバター、あるいはジャムを塗るぐらいしか、やったことがありませんでした。(2020/09/28)


検証・メディア
NHK広島放送局の差別ツイートについて  思い出した2つの過去の事例
 NHK広島が1945年の状況を当時、ツイッターがあったら、という想定で、実在の人物の手記をもとに、一連のツイートをしたことが大きな批判を呼んでいます。朝鮮人への差別的なツイートが発信されていたことがその原因です。新聞記事や批判する人々の声を読んでいると、過去の事例が想起されてきました。(2020/09/27)


コラム
明治維新は革命だったのか?
明治維新を、あれは実質的に革命だった、と考える歴史家がわが国にいて、そのアピールが功を奏してフランスの革命史家にも認められたとの話を最近、耳にしました。明治維新が革命だった、というそれらの歴史家の理由は士族らによる上からの革命だったとしても、身分制社会や藩政が解体され、近代国家への移行が行われ、しかもフランス革命よりはるかに死者が少なく済んだ、ということでした。それを聞いた時は、そういう考え方もあるかな、と思いました。しかしながら、後で考えが変わりました。何と言っても明治憲法は人民主権が欠けています。どんなに社会構造が変わろうと、「人民主権」のない政体への移行は広義の革命だったとしても、「市民革命」とは呼べません。その意味で明治維新を革命だったとして評価を高める方向性は少し距離を置きたいと思うようになりました。(2020/09/27)


みる・よむ・きく
「ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち」 今後もこうした本を出し続けて欲しい。できれば米文学以外でも・・・
アルクから柴田元幸氏の編集・翻訳になる「ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち」が2枚のCDつきで刊行されたのは2004年でした。もともと2001年頃からEnglish Journalで掲載されたものを1冊にまとめたものです。2004年と言えば、16年も前のことで、当時は2003年に起きたイラク戦争が終結しないまま、米国が経済的に衰亡し、国家としても権威を失いつつある時代でした。米国はかつてのような世界が仰ぎ見る憧れの豊かな国あるいは文化的なリーダーの地位を失いつつありましたから、アメリカの文学に対する関心度も90年代までと今とを比べると、雲泥の差という気がします。もちろん、対アメリカだけでなく、日本人の多くが内向的になっていきました。(2020/09/26)


みる・よむ・きく
「無頼の画家 曾我蕭白」(狩野博幸 横尾忠則)
近年、独自の作風を持つ江戸時代の画家、伊藤若冲と曾我蕭白の人気が高まっているようです。辻惟雄著「奇想の系譜」で紹介されたことがそのきっかけとされますが、二人は独自の個性と言ってもどちらかと言えば対照的な作風であり、デザイン的に美しく優しい若冲の絵画に比べると、蕭白の絵は蝦蟇仙人や鬼女、龍や人間臭い賢人たちなど、毒々しく、人間の膿を掃き出し、笑い飛ばすような画風です。そして二人とも生き方自体も常識破りだったと言われています。新潮社刊「無頼の画家 曾我蕭白」(狩野博幸 横尾忠則)は蕭白の魅力を日本美術史の研究者・狩野博幸と画家の横尾忠則がたっぷりと語ってくれて、とても興味深い一冊です。(2020/09/25)


みる・よむ・きく
十時亨著「フランス料理の基本」  フランスの地方料理の豊かさ
フランス料理のシェフ、十時亨(ととき とおる)さんが書き下ろした「フランス料理の基本」の一番の特色はフランスの地方料理が紹介されていることです。フランス料理と言えば敷居が高く、一般の人には足を踏み入れにくい印象が未だにありますが、十時さんは「家庭でも簡単にでき、普段使いでも、恋人同士でも、友人を招待したときにも、簡単に作れて、皆様に大変喜ばれ得る料理ばかりです」と冒頭で方針を述べています。たとえばブルターニュ地方のガレットブルトン(そば粉のクレープ)、じゃがいものエシルエト風、かぼちゃのスープ、有機野菜のロースト、ベルギービールのスープ、牛肉の赤ワイン煮、野菜とベーコンのスープ、地鶏のロースト(ブルボン風)などなど、確かに郷土料理色の濃厚なラインナップになっています。またバスク地方の焼き菓子やルーアン風ミルリトンなど地方の菓子類も紹介されています。(2020/09/23)


みる・よむ・きく
ジャン・ヴィゴ監督「操行ゼロ」
29歳の若さで不幸にも亡くなったフランスの映画監督ジャン・ヴィゴが監督した「操行ゼロ」(1933)は翌年の「アタラント号」とともに世界の映画人や映画ファンに霊感を今も与え続けている。「操行ゼロ」では寄宿制の中学校で集団生活をする男子生徒たちが彼らを抑圧する教師や寄宿舎の監督官たち、校長らに反旗を翻す。約40分の短編だが、抑圧者への反抗を、大人と同じ真面目なモードでなく、遊び心たっぷりに描いた作品である。劇中に出てくる子供たちの遊びの描写がなんとも生き生きして面白い。また、この映画にはファンタジーも挿入されている。たとえばラストで出てくる県知事たちを迎えた記念式典の幕内の後方の席には人間ではなく、人形が並んでいる。この映画を見ると、自由奔放に映画を作ったイタリアのフェリーニ監督もかなり影響を受けたのではないかと思えてくる。(2020/09/23)


コラム
金とメディア
価値のあるメディアには金が必要だから募金を募る、というのはある意味でその通りなのですが、その言葉が増幅して、「金をかけないメディアは全部、価値がない」という風に受け取られると、金をかけない小さなメディアやサイトに関わっている人々を一括して「お前たちはゼロだ」と言っているように響いてきます。調査報道にはお金がかかるものです。それは確かですし、人に会って、話を直に聞こうとするとこれもお金がかかります。ですから、お金をかけないでやろうとすると、やれることが限られてきます。(2020/09/20)


みる・よむ・きく
エリック・ゼムール著「女になりたがる男たち」
エリック・ゼムールと言えばフランスメディアではムスリムに対して排外主義的な論客として知られていますが、この新潮新書の「女になりたがる男たち」では女性化するフランスの男性ひいては社会を批判的に語っています。フェミニストたちに男性が洗脳され、古き良き男たちの世界が没落しつつある、と注意を喚起しているのです。筆者はエリック・ゼムールは、本当に排外主義なのか、それともフランスのメディアで食っていくために排外主義的なポジションから面白おかしく風俗を語り、進歩派を皮肉る芸風なのか、判断しがたいところがあると思っています。実際、ゼムールには軽さがあって、殺意すら感じさせるような威圧感を持って話したことはありません。ですから、フランスのメディアも安心して、左翼あるいは進歩的な文化人や政治家をトークショーで特集する時はゼムールをかませて、話に陰影をつけることをしてきました。(2020/09/19)


みる・よむ・きく
ファラッド・コスロカヴァール著「世界はなぜ過激化するのか? 〜歴史・現在・未来〜」
フランスで活躍するイラン系の社会学者ファラッド・コスロカヴァール著「世界はなぜ過激化するのか? 〜歴史・現在・未来〜」は、欧州で先鋭化してきたジハーディストとフランス社会の背景について専門研究者の視点で分析された極めて興味深い本だ。コスロカヴァールが「過激化」(ラディカリザシオン)にテーマを絞った理由はそれが過去の欧州政治史の事象とは異なり、政党や国家的なイデオロギーよりも個々人の動機こそが重要だからだ。2001年9月のニューヨークにおける同時多発テロが「過激化」というキーワードが浮上するきっかけになったのだという。本来であればオルタナティブの役目を担ってくれたはずの政党や権威が失墜したことが、個人の過激化現象の背後にあるのだという。そしてジハーディストや極右テロリストは様々な時代や空間の出来事に自由に想像の中で感情移入しながら、メディアを介して自分も英雄になりたいと願う。(2020/09/14)


コラム
夏休みの果てのならず者たちの楽天主義
毎年、夏休みの終わる頃、あるいは二学期の始まる頃、子供の自殺が増えるという話を聞きます。実際の数値までは知らないのですが、自分の子供時代を考えると、確かに8月末は放置していた算数や国語、自由課題などの夏休みの宿題が山積みして、そのプレッシャーがあったことを思い出します。私が子供の頃は、今のようなインターネットのある情報化社会ではなかったので夏休みの日記などでは、毎日の天気の記録などで、家族で購読していた新聞をたどって再現しないといけませんでした。几帳面な子供は毎日コツコツできるのでしょうが、私のような子供はだんだん後にたまってきます。8月30日と31日あたりは泣きそうな気持ちで、課題をまとめてやっていたものです。(2020/09/13)


みる・よむ・きく
時代を画す傑作の参考書 「フランス語・動詞宝典」(初・中級編308と中上級編466」(久松健一著)
前にも一度書いたと思うのですが、駿河台出版社から出版された2冊の語学の参考書、「フランス語・動詞宝典」(初・中級編308と中・上級編466」(久松健一著)はフランス語を学ぶ人にとっては時代を画する参考書だと思います。久松健一氏はフランス語の参考書を多数書いていますが、本書が代表作と言っても良いのではないでしょうか。この2冊がどのようにすごいかと言えば、初・中級編では308の、中・上級編では466の動詞の活用が動詞1つに1ページか2ページの割合で付けられ、さらに重要例文が付してあるのです。(2020/09/12)


コラム
NHKはオンデマンドではなく、無料で過去の放送のYouTube公開を
百聞は一見に如かず。TVで放送された番組がYouTubeにUPされていても違法ではないのが、フランスの国立機関INAによる番組の公開制度です。公共放送の番組だけでなく、民間放送の番組も収集して公開しています。具体的な運営の仕組みまではわかりませんが、過去の思想家や作家などのインタビュー番組がかなり多数、YouTubeのINAのページでUPされています。(2020/09/10)


みる・よむ・きく
等身大の人間を描くタルディ(TARDI)の漫画 〜フランスの探偵漫画などで活躍〜
フランスは日本のアニメーションにほれ込んだオタクがたくさんいる国として知られていますが、フランスで独自に発展した漫画BD(バンドデシネ)には逆に日本に紹介したい作家にあふれています。作画を担当したタルディ(TARDI)は筆者が好きな漫画作家ですが、TARDIの代表作は「ネストール・ビュルマ」(Nestor Burma)という名前の探偵のシリーズでしょう。いわゆるハードボイルドタッチの作品で、レオ・マレという人が台本を担当し、Castermanというパリの出版社から刊行されています。この探偵は決して銃を撃たないことで知られています。タルディの漫画の最大の特徴は、登場人物の顔の描き方にあると思います。主人公も脇役も、みんなスーパーヒーローでも超悪人でもなく、等身大の人間として描かれています。特に目の描き方にそれが典型に現れています。これはタルディの人間主義というものでしょう。(2020/09/10)


みる・よむ・きく
これほどの黒人への差別反対運動の高まりは過去に経験したことがないと語るアンジェラ・デイビス教授 「デモクラシー・ナウ!」のインタビューから
ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイド氏が衆人環視の元、警官に殺されたことがきっかけとなって、全米で高まっている黒人差別反対の運動はレイシズム反対の運動を長年続けてきたアンジェラ・デイヴィス(Angela Davis)教授にとっても、過去にはない高まりに至っていると言います。アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」の6月のインタビューです。(2020/09/09)


みる・よむ・きく
「人新世とは何か <地球と人類の時代>の思想史」(クリストフ・ボヌイユ&ジャン=バティスト・フレソズ)
最近、すさまじい台風や異常な強風、竜巻など異常気象が毎日のように話題になっています。今回の台風10号も非常に強いと報道されています。私個人について言えば2018年秋の台風24号で老朽化した住まいの屋根が直撃され、近代的な住宅に引っ越しを余儀なくされました。身近に被害が起きている状況に生きていると、青土社の「人新世とは何か <地球と人類の時代>の思想史」(クリストフ・ボヌイユ&ジャン=バティスト・フレソズ)で提起された「人新世」という概念への関心度が異なってきます。それは人類の出現が地球の地質学的な時代区分を画するほどに、人類の生産活動が地球に莫大な影響を与えるに至ってしまったことを意味します。(2020/09/07)


文化
人類学者のデヴィッド・グレーバー氏が死去  「ウォール街を占拠せよ」のリーダーの一人
人類学者のデヴィッド・グレーバー(David Graeber)氏が亡くなったという記事が出回っています。「ウォール街を占拠せよ」のリーダーの一人として知られています。享年59.日刊ベリタに哲学者の森元斎氏がアナキズムの必読書を10冊挙げてくれましたが、その中にグレーバー氏の『アナーキスト人類学のための断章』もありました。(2020/09/04)


みる・よむ・きく
イヴァン・ジャブロンカ著 「公平な男性〜家父長制から新しい男性性へ〜」Ivan Jablonka 「Des hommes justes : du patriarcat aux nouvelles masculinités」
男女間の差を示すジェンダー・ギャップ指数で日本は昨年、153カ国中121位と底辺の一角を占めています。女性の衆議院議員はわずか10%、参議院議員も20%程度と公平(パリテ)には程遠い状況です。国民の政治意思を示す国会の場で男女間の議員の数に圧倒的な格差が生じていることが日本の停滞の原因になっているのではないでしょうか。つまり、男性の考える制度が反映される結果、家庭や社会に起きている現実の様々な不具合が全くと言ってよいほど調整できないのです。そんな日本の読者に、大きな刺激を与えるのがフランスで1年前に刊行されたイヴァン・ジャブロンカ著 「公平な男性〜家父長制から新しい男性性へ〜」です。(2020/09/04)


検証・メディア
フランスの政治番組の面白さ  野党党首の特集で2時間枠  〜野党党首に各分野の厳しい論客をかませて1対1で論戦させる〜
フランス人の私の友人たちの多くはTV番組を信頼せず、ほとんど見ていないばかりか、TV自体を持っていない人が少なくありません。それでも外国人の僕からみると面白い番組があるのです。たとえば政治番組で言えば、2017年の大統領選で健闘した左派政党「服従しないフランス」の党首であるジャン=リュク・メランションへの2時間にわたるスタジオ番組が放送されています。メランションはもともとは社会党議員で、その後、社会党の中道化、あるいは右傾化に反対して飛び出し、左翼党を立ち上げました。今は「服従しないフランス」の党首として、左派政党の一角を占めており、議員の人数以上に、メディアではしばしば発言が取り上げられています。以下のリンクは大統領選のあった2017年の11月にフランスで放送されたらしく、メランションが公共放送局France2の了解をもとにYouTubeにUPしているものです。(2020/09/02)


コラム
ドキュメンタリーとマイクロペニス 5
何度かこれまで、このシリーズでマイクロペニスであることがどういうことか自分なりに、書いてきました。自分の体、とくに生殖に関する部位に発育不全とか、異常などがあるとその人は男女を問わず、非常に孤独になりがちだろうと推測します。中には自殺を考える人もいるのではないかと思います。僕の場合も自殺を真剣に考えたことが人生に2度ありました、1度は20歳の時、2度目は40歳の時。20歳は人生の旅立ち、巣立ちの頃。40歳は働いて一通り仕事を経験して、これから後をどう発展させるか。いずれも自分とは何かというアイデンティティが大切な時期です。(2020/09/01)


コラム
権威主義政府とSNS  言論に関して外国人にも適用される刑法が・・・
 6月30日に可決され、すぐに施行された中国の国家安全法(香港国家安全維持法)には取り締まりの対象が香港の人だけでなく、国籍や地域を問わない条項(※)があるそうです。いかなる国の領土や外国人であってもこの法律を犯した人は中国政府から起訴される可能性があるということです。では、もし日本政府が中国政府の犯罪者引き渡しの要求に応じることがあれば、日本国内でいくら憲法で言論の自由が保障されていたとしても、中国でもしその日本人が起訴されていれば、中国に引き渡される可能性がある、ということでしょうか。 あるいは、日本政府は日本の憲法を尊重して、憲法の精神に則って「犯罪者」の引き渡しには応じない、ということになるのでしょうか?(2020/08/27)


コラム
ドキュメンタリーとマイクロペニス 4
今年になって、医学でマイクロペニスという極小であり(勃起時に7センチ未満がそう呼ばれています)僕もその範疇にあることを書きました。10代の思春期の頃から、ずっと誰にも言えず、隠し続けてきた一番恥ずかしいことです。僕はゲイではないのですが、恋愛してもその果てに肉体関係を結んだり、家族を持ったりということに対する不安があって、もうすでに50代半ばですが、今まで独身でした。一番苦しいことは、以前は僕のようなケースを呼ぶのに「短小」という曖昧な表現しか知らなくて、甚だしい肉体的ハンディだとは自分で思いながらも、それをどう認識したらよいのか、誰に聞くこともできず、悶々としていたわけでした。(2020/08/26)


みる・よむ・きく
手塚治虫著「ぼくのマンガ人生」(岩波新書)
岩波新書から出ている手塚治虫の「ぼくのマンガ人生」には意外な面白さがあった。手塚治虫のマンガと言えば反戦や生命の不思議さとその倫理、差別への反対など少年たちにとってはいずれも強いメッセージ性を伴うストーリーだった。そして、入門書である「マンガの描き方」などを含めて、様々な場で手塚氏はそうした思想を語ってきた。だから実を言えば岩波新書の「ぼくのマンガ人生」において手塚氏自身が語っている部分はさして新鮮味がなかった。価値がないというのとは違うけれど、すでに何度か聞いた話なのだった。(2020/08/22)


コラム
在日コリアンの映画人との交流が僕の国際交流の原点
1995年は戦後50周年という節目の年でしたが、当時、僕は映画の助監督の仕事を通して知り合った在日コリアンの映画人に招聘されて「解放50周年」記念式典の記録動画撮影のアルバイトで大阪に一時帰省しました。僕の助監督の初仕事は大阪在住の監督・金秀吉さんの「あーす」という映画だったのですが、映画のスタッフは日本人、在日韓国人、在日朝鮮人で、2か月の撮影期間は空いていた相撲部屋での合宿でした。ですから、在日の人々と寝食をともにして働き、食い、酒を飲む毎日でした。僕にとってはそれまで在日の人々と交流することは心理的に難しいところがありました。過去の植民地支配の歴史や日本における差別の歴史を意識すると、自由になれなくなってしまうところがあります。(2020/08/19)


みる・よむ・きく
ジャック・リヴェット監督「美しき諍い女」(La Belle Noiseuse) 女性を素っ裸にして「真実」を吐き出させようと挑む老画家
 ジャック・リヴェット監督の「美しき諍い女」(La Belle Noiseuse) という映画は1991年に作られたもので今から30年近く前になる。この映画はエマニュエル・べアールが素っ裸のモデルとして、ミシェル・ピッコリが演じる老画家の前に立つということで話題を呼んだ。老画家は彼女に肉体的に苦しい変なポーズばかり強いるのだ。だからと言って、若い裸の女を手籠めにするわけではない。老画家は筆一本で白い画布にそれを描くだけだ。とはいえ、若かった私にはこうした映画は理解不能と言ってよかった。というより、このような趣向に嫌悪感すら感じたのだった。30年近いときが流れると、今ではミシェル・ピッコリに年齢としては近づいた私にこの映画は当時とは違って見えた。(2020/08/15)


欧州
マクロン大統領の地中海バカンスのジェットスキーが批判を呼ぶ
地中海でバカンスとはなんとも楽しそうである。マクロン大統領と妻のブリジットさんだ。マクロン大統領が海上でジェットスキーをしている姿がグラビア誌の"Nouveau Voici"で紹介されたことで、野党やエコロジストたちの批判を浴びている。左派政党「服従しないフランス」の欧州議会議員のマノン・オブリ氏は「今、歴史的な猛暑の中にみんないる中、地中海の環境に最も悪いものの1つジェットスキーにいそしんでいる」との批判をツイートした。(2020/08/14)


みる・よむ・きく
毎日新聞記事 「コロナ禍に音楽の力」(村上春樹さん DJ体験語る) 音楽と物語の持つ力について
先日、たまった新聞を切り抜き・整理していて、毎日新聞7月12日付の「コロナ禍に音楽の力」(村上春樹さん DJ体験語る)に魅了された。作家の村上春樹氏がFMで時々、音楽番組のDJを担当していることは知っていたのだが、いつしか15回も重ねていたことに驚いた。これはもう副業(?)に立派に音楽番組のDJと書いてもよいレベルではないだろうか。そして、明日の8月15日にもTOKYO FMの「村上RADIO」で午後4時から16回目が放送されるそうである。ラジオの日時を控えて、その時間に視聴しようと思ったのは久しぶりだ。いつ以来だろう、多分、少年時代に関西で浜村淳が司会していた番組の「怖い話」を毎週、週末に聞いていた時以来だろう。(2020/08/14)


みる・よむ・きく
オリヴィエ・アサイヤス監督「夏時間の庭」(2008)
オリヴィエ・アサイヤス監督の映画「夏時間の庭」は老母が亡くなり、遺品である親族の巨匠画家の作品群や家に所蔵されていた世界的絵画や工芸品をどうするか、という男女3人の子供たちの物語である。オルセー美術館開館20周年記念に作られたというこの映画には本物の芸術作品が用いられていることで話題を読んだが、扱われている物語は芸術家ではない子孫たちがそれらの作品をどうするか、ということである。シャルル・ベルリングが演じる長男は家をそのまま残して一族で共有し、芸術作品もなるだけ置いておきたいという考えだった。しかし、外国で暮らしている長女や次男はそれぞれ遺産を金銭化して暮らしに活用したいと本音を語る。長男は悲しいが、二人の意見を聞き、家を売却し、さらに遺品の多くを相続税対策として国に寄贈することにする。(2020/08/12)


米国
米民主党大統領候補バイデン氏、副大統領候補にカマラ・ハリス氏を選ぶ 
米民主党の大統領候補に選ばれたジョー・バイデン氏が副大統領候補に誰を選ぶかで何人か噂が飛び交っていた。スーパーチューズデイ直前に大統領候補を降りたミネソタ州選出エイミー・クロブシャー上院議員や、カリフォルニア州選出の黒人の上院議員カマラ・ハリス氏など3〜4人が噂に上がっていた。今、ツイッターで続々と、バイデン氏やハリス氏らがカマラ・ハリス氏に決定した旨を発信している。オバマ大統領の祝福の言葉も出ている。(2020/08/12)


コラム
メディアのエコロジー  荒鷲からフンコロガシまで
筆者がこのインターネット媒体、日刊ベリタに初めて記事を書いたのは2009年8月のちょうど今自分で、かれこれ丸11年になります。その頃、取っていた新聞は朝日新聞だったのですが、そこにインターネット新聞が苦境にあることが書かれた記事が掲載されたことがありました。日刊ベリタの編集長になって間もない大野和興氏のコメントも添えられていました。その記事の核は日刊ベリタではなくて、たしか同様のインターネット新聞だったジャンジャンが廃刊になったことだったと記憶しています。ジャンジャンの編集長が市民記者を育てようとしたけど、ギャラの配分でお金が不足し、経営が維持できなくなった旨が書かれていました。日刊ベリタが存続できているのは書き手が無報酬でやっているからです。(2020/08/10)


欧州
チュニジア出身のフランスで活動した弁護士、ジゼル・アリミさんが亡くなる obituary: Gisèle Halimi 
先月、チュニジア出身でフランスで活動した女性弁護士のジゼル・アリミさんが亡くなった。93歳だった。アリミさんは様々な人権を守る活動に携わった著名人だが、中でも生まれた国であるチュニジアおよびアルジェリア独立のために闘っていた人々への支援活動(※)は特筆に値する。またベトナム戦争での戦争犯罪の追及や女性の人権向上などにも取りくんだ。今、ここですべてを記すことは不可能だが、彼女の素晴らしい活動は多くの人に光を与えた。冥福を祈ります。(2020/08/08)


コラム
大阪市立大学と府立大学の合併を前に  都市の大学とは何か、今一度考える
今、大阪は維新の会が府政も市政も与党となり、ネオリベラリズム的諸改革を行っています。大阪市立大学と大阪府立大学の合併もその1つです。両大学は公立大学ながら歴史も異なっていますが、何より両大学を合併することで「縮小」、「萎縮」あるいは「後退」につながらなければよいが、と思っています。私がこう思うのは東京都立大学が首都大学東京に再編される頃、取材したことがあり、人文学部とくに仏文科の教授たちが抵抗していたことが記憶にあるのです。戦後の民主主義の時代に開花した伝統ある人文学部が解体され、カルチャーセンター化してしまうことは文学や人文社会学への冒涜と言ってもよいものでしょう。当時、都知事だった石原慎太郎氏はフランス語は数も満足に勘定できない言語だという意味の中傷発言を行ったことも記憶にあります。(2020/08/07)


コラム
初めてハンバーグを作った日
自分がハンバーグを家で作る日が来るだろうということは想像したことがなかった。いつかはいいキッチンをもってその時は自分で調理をしようという風には30年間思っていたけれど、その時、僕の脳裏に浮かぶ「料理」は肉じゃがとか、魚の煮つけ、あるいはビーフシチューみたいなもので、その中にハンバーグは入っていなかった気がする。それはなぜだったのだろう。ハンバーグはこの間のポテトサラダと同じで、外側から中身がわかりにくい料理だからかもしれない。だから具体的なイメージが伴わなかった気がするのだ。肉じゃがだったら牛肉、糸こんにゃく、ジャガイモ、玉ねぎで何となく作っている映像が浮かぶのである。だが、ハンバーグは肉の塊と言っても中に何が混ぜ込んであるのかよくわからない。(2020/08/04)


みる・よむ・きく
小林かなえ著「京都の洋菓子教室『ラ・プティ・シェリー』のパリのケーキと人気の焼き菓子」
「三つ子の魂百まで」と言いますが、子供の頃、植えられた価値観とかものの見方はなかなか取れないものです。シェイクスピアと言えば、女子学生の花嫁修行・・・みたいに10代の頃、思っていて、英語の授業などは馬鹿にしていました。そうした見方が間違っていたことに気づき、軌道修正するまで何年もかかりました。他にもあります。ケーキとか、焼き菓子というと、やっぱり女子供、みたいな見方が自分の中にあって、心のどこかで馬鹿にしていたところがあったような気がします。これも間違っていました。(2020/08/01)


コラム
ペンネームを使って記事を書いていたレジスタンス紙「コンバ」のアルベール・カミュ
インターネット上のペンネームを特にハンドルネームと呼ぶそうですが、実名を避けて仮の名前を使って表現活動を行う意味ではペンネームと本質は同じでしょう。ハンドルネームの書き手の文章を大手新聞でそのハンドルネームのまま、掲載することの是非が議論されています。私が1つ思い出すのは第二次大戦中の抗独レジスタンス紙Combat(コンバ)にアルベール・カミュが記事を書いていた時の事です。1944年6月のD-dayのあと、8月にパリは連合軍によって解放されます。(2020/07/30)


アジア
ソウルのろうそくデモを支えたソウル市長、朴元淳さん さようなら
 ソウル市長の朴元淳さんが自殺をした事件は韓国のみならず、日本でも大きな悲しみを起こしています。日刊ベリタでは2016年11月にソウルのろうそくデモの記事を出しました。この記事はソウルを訪ねた在日韓国人の方の情報に基づいていました。大統領という最高の国家権力者と闘う市民の姿が描かれていていました。日本と比べると、市民の民主主義への願いの強さ、その思想および行動の力を見せつけられた気がしました。そのデモを支えていた人物がソウル市長だった朴元淳さんでした。2016年の記事をもう一度ここに掲載いたします。(2020/07/25)


みる・よむ・きく
手塚治虫著「マンガの描き方」   漫画は脳内のイメージで描く 
確か私が小学5〜6年生の頃だったと思うのです、手塚治虫の「マンガの描き方」という本が最初に出版されたのが。日本の漫画のパイオニアである手塚氏のこの本を最近、また再読する機会がありました。今、読んでみて、一番印象深かった言葉が、漫画は脳内のイメージで描く、というものでした。それはどういうことかというと、手塚氏は漫画を描くためには日ごろから、街を歩いた時にいろんなものを観察して、頭の中でデッサンすることを勧めているのです。そんなものは写真で撮影してあとでそれを見て描く方が正確に描けるんじゃないか、と思ってしまっても不思議ではありませんが、手塚氏はそれを勧めないのです。あくまでできる限り、裸眼で世界を観察して、頭の中で絵を描けと言うのです。(2020/07/24)


コラム
ポテトサラダに再度挑戦しました  今回はジャガイモだけで作ってみました
ポテトサラダは誰が作るべきなのかというポテサラ論争が発端となって、生まれて初めてポテトサラダを前回作ってみました。しかし、前に書きました通り、自己採点でも100点満点の50点という有様で、お世辞にもうまいとは言えないものになってしまいました。その反省点は調味料や食材のバランスがよくないことでした。ジャガイモやキュウリやニンジンや玉ねぎ、茹で卵の割合はどうすべきか。酢とマヨネーズの割合はどうなのか?そういったことに不慣れだったため、スーパーでポテトサラダを買って研究したりしました。今までなら、ただ単に食べるだけだったのですが、自分で作って失敗したりすると、なんということのない惣菜でも見方が全然違ってきますね。(2020/07/23)


みる・よむ・きく
最近翻訳出版された「思弁的実在論入門」の著者、哲学者グレアム・ハーマンの講演 
最近、「思弁的実在論」という言葉をよく耳にしますが、いったいどのような思想の哲学のグループなのでしょうか?最近、「思弁的実在論入門」という本が翻訳刊行されました。著者のグレアム・ハーマンは、この系統の中心的哲学者の一人、米国人の哲学者です。以下は2013年に行われたグレアム・ハーマンのEuropean Graduate School( EGS)での講演です。(2020/07/23)


コラム
翻訳書とスーパーリッチ
今の日本では出版不況と言われて久しいですが、特に外国の書籍の翻訳はもっと厳しいのではないでしょうか。出版社も経営を成り立たせないといけませんから、一定数の売り上げ(販売部数×定価)を見込めないとなかなか翻訳出版の企画を通すことが難しいことはよくわかります。こうした風潮はどこかで、マスメディアの「日本はすごい」キャンペーンと通底しているのではないでしょうか。もう外国から学ぶことはなくて、これからは日本が発信する時代・・・そういう言葉を若いエリートから耳にしたことがあります。外国なんか行ってもしょうがないですよ、という言葉も耳にしました。(2020/07/20)


コラム
映像メディアの構造変化 新聞のデジタル化がメディアを根底から変えつつある
 TVの世界はYouTuberによってその優位性を揺り動かされつつあるが、同時に新聞のデジタル化もさらに既存のTVに揺さぶりをかけている。今までの活字と映像という棲み分けは失われ、新聞がTVを侵食しているとも言える。その1つの例が、以下のリンクの映像だ。日本でも新聞社が記者会見やイベントなどを中継したり映像をYouTubeなどにUPしたりしていたが、この映像を見た時、明らかにデジタル新聞が新しい未来を展開したのだと感じた。(2020/07/18)


コラム
話題になっているポテトサラダを作ってみた
幼い子供を連れた若い母親がポテトサラダをスーパーで買おうとした際に、同行していた年輩の男が「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうか」と諭したとかいう話が話題になり、ポテトサラダは面倒くさい、とか、そういうお前が自分で作れ、というような声が女性たちから上がっていた。男性である自分から見ると、何よりポテトサラダをこれまでの人生で一度も調理したことがなかったことを痛感した。(2020/07/16)


欧州
フランスの革命記念日 マクロン大統領がインタビューを披露
7月14日と言えばフランスでは革命記念日ですが、マクロン大統領が1時間15分程度のインタビューをTV(TF1,France2およびYouTube)で行い、放送しています。就任3年を終えた今年7月、フィリップ首相その他の閣僚を入れ替えたばかりのマクロン大統領は、レア・サラメとジル・ブーローの2人のジャーナリストによるインタビューを披露しました。TV局だけでなく、YouTubeにも披露することはフランス一国だけでなく、世界に公開することです。筆者はマクロン大統領の政策には当初から疑問ではありますが、少なくとも逃げ回り、原稿をプロンプターに映してカンニングしかんできない日本の首相と比べると、はるかにマシであると思います。(2020/07/15)


みる・よむ・きく
ジャン=マルク・ロシェットさんの階級差別列車の冒険を描くBDの映像化 ジェニファー・コネリー主演『Snowpiercer Season2』
フランスの漫画家ジャン=マルク・ロシェットさんによるバンドデシネ(BD)「Le Transperceneige: 直訳=雪を貫くもの」の続編が作られました。これは近未来SFで、止まることができない1台の列車に様々な階層の人々が詰め込まれた寓話です。(2020/07/14)


みる・よむ・きく
ハンナ・アレント著 「政治の約束」(ジェローム・コーン編集版)
ハンナ・アレントと言えば「全体主義の起源」が主著として聳え立っていますが、ファシズムや全体主義批判の主著の流れと通底するテーマとして、政治学あるいは政治哲学のより広範かつ基礎的な研究内容の物も多数書いています。ちくま学芸文庫から出ている「政治の約束」はアレントのテキストをアレントの助手だったジェローム・コーンが編纂した政治論集です。今日の日本の政治を振り返ると、多くの有権者は投票するだけの存在になっています。しかも、投票率も半分程度でしかなく、投票にすら参加しない人が夥しい数に上っています。このことは単に与党や野党、あるいはメディアの問題というだけではなく、政治とは何か?という根源的な問いかけの必要性を投げかけてすらいるように思います。(2020/07/14)


政治
極右政治家が台頭する背景 2022年のマリーヌ・ルペン大統領、小池百合子首相の可能性 その2
アメリカの左翼媒体であるJacobinに、フランス戦後史における歴史認識の問題が改めて取り上げられていました。「How France’s Vichy Regime Became Hitler’s Willing Collaborators」(いかにフランスのヴィシー政権がヒトラーに対する自発的な協力者となったのか」というタイトルです。折しも1940年6月のナチスへの敗北と7月のナチスと手を結んだヴィシー政権の成立から80年目ということが契機となっています。執筆者のジム・ウォルフレイ(JIM WOLFREYS)によると、ナチスと休戦協定を結んだペタン将軍が率いるヴィシー政権には、もともとからフランスの極右思想あるいは右翼思想が根っこに存在しており、1789年のフランス革命や1930年代の左翼統一戦線の躍進を無きものにしたいという切望があったのだと言います。(2020/07/11)


農と食
コンビニ商品の曲がり角 
先日、ファミリーマートの沢田貴司社長が都心店舗の売り上げ減少が経営に響いていると朝日新聞のインタビューで語っていた。また商品についても、がっつり食べたい男性客向けのアイテムが多かったファミリーマートにとって、テレワークで自宅で食事をする人が増えてくると、むしろ自宅で調理して食べる食材へのシフトが求められているようである。ファミリーマートに限らず、コンビニ経営者にとって、この変化を新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下における1〜2年の非常事態ととらえるか、長期的な変化の兆しととらえるかで今後の態勢も異なってくるのだろう。新型コロナウイルスの流行が去った時、今行われているテレワークが完全になくなるとは思えない。テレワークによって首都圏のラッシュも多少なりとも緩和されるはずである。(2020/07/11)


農と食
ジャック・ぺピンのフランス料理  オムレツの米仏比較
アメリカの料理ジャーナリスト・シェフとして、ジャック・ぺピンというがいます。フランスのリヨンの近くで生まれたフランス人ですが、フランス軍の兵役時代に料理人としての才能を発揮した彼は、のちにアメリカに留学し、ニューヨークタイムどで料理の記事を書くようになったということです。この情報はウィキペディア英語版を参照しています。ジャック・ぺピン氏はTVでも出演するようになり、アメリカ人でフランス料理の解説者だったジュリア・チャイルドとも共演していたようです。ともかくこうしたフランス料理の紹介事業によってでしょうが、フランスの最高勲章であるレジオンドヌールで表彰されています。(2020/07/10)


政治
バイデン候補擁立に向けてサンダース氏とバイデン氏との共通の政策が発表される 野党を統一し票を積み上げるための努力
 アメリカの大統領選で、民主党はバイデン候補の擁立に向けて準備しているが、その重要な礎石が作られた。サンダース候補とバイデン候補が共通の政策を立てて発表したことだ。予備選で多少、溝のできた二人でもあるが、サンダース候補は一貫して、予備選で自分が負けてもバイデン氏を支援すると語ってきた。それがトランプ政権を打倒するために必要であるからに他ならない。運動のための選挙として割り切るのではなく、勝つための努力を最後の最後まで行っていることがわかる。(2020/07/09)


政治
極右政治家が台頭する背景 2022年のマリーヌ・ルペン大統領、小池百合子首相の可能性
昨日の都知事選で右翼政治家の小池百合子現職が大差で再選を果たしたことは何を意味しているのでしょうか。筆者には日本の格差拡大と貧困化がついに長期安定軌道に突入したであろうことです。格差の拡大と貧困層の増大が極右政治家を台頭させる傾向は世界共通です。フランスのマリアンヌ誌で、先日、2022年の大統領選挙でマリーヌ・ルペン大統領が誕生する可能性が高まっていることが伝えられました。マリーヌ・ルペン氏はかつての極右政党・国民戦線(旧FN、現在はRN)の女性党首です。2017年の大統領選で決選投票でマクロン候補にダブルスコアで敗れましたが、2002年の大統領選の決選に臨んだ父ジャン=マリ・ルペン氏に比べると、票を積み増しています。世論調査では今はまだ僅差でマクロン優位だそうですが、2022年に状況次第で逆転する可能性もあると言うのです。(2020/07/06)


みる・よむ・きく
再開のための哲学  マチュー・ポット=ボンヌヴィル著「もう一度・・・やり直しのための思索」(Recommencer)
フランスの現代哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル著「もう一度・・・やり直しのための思索」を4月末に翻訳出版した時、ちょうど新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の最中で、書店の多くが臨時休業、というような時期でした。売り上げ的に困ったナとその時、思いましたが、テーマとしては好機だったのではないかとも思いました。今まで少なくとも西欧の哲学史では「やり直し」とか「再開」あるいは二度目の試みの意味について考えたものは乏しいそうです。(2020/07/02)


中国
香港版「国家安全法」可決で、周庭さんが香港デモシストから脱退を表明
 香港版の国家安全法が成立したということで、一定の条件をクリアすれば一国二制度とはいえ、香港の住民が中国に送られて裁判にかけられる可能性もあると言います。このことから、香港で民主運動をしてきたアグネス・チョウ(周庭)さんが政治団体デモシストから脱退することをツイッターで本日表明しました。「生きてさえいれば、希望があります」と思いをつづっています。この言葉は個人ではもはや動かせない圧倒的な力の存在を感じさせます。(2020/06/30)


みる・よむ・きく
スワヴォーミル・ムロージェク作「象」  東欧化してきた日本
ヴァーツラフ・ハヴェルが2012年の暮れに亡くなった時、彼の戯曲について以前、このサイトで書きましたが、ハヴェルは東欧チェコの作家であり、冷戦終結後は大統領でもありました。ハヴェルの特徴は特異な言語遊戯を通して、当時、共産圏と言われたソ連・東欧圏の政治や社会をめぐる言説の空虚さを語ることでした。戯曲「ガーデン・パーティ」では、出世を目指す若者たちがその空しい言語感覚を懸命に身に着けていくさまが笑いとともに活写されていました。かつてなら他国の、あるいは鉄のカーテンの向こう側と突き放して笑えたかもしれない日本人でしたが、今日、事態が皮肉にも極めて似てきています。第二次安倍政権以来の国会における日本語の空洞化は「ガーデン・パーティ」といい勝負か、あるいはもはや独走している観もあります。(2020/06/30)


検証・メディア
毎日新聞が、NHK経営委員会の2018年のクロ現+への圧力の議事内容を公開  介入の中身が明らかに
毎日新聞が6月29日の朝刊で、NHK経営委員会が2018年にクローズアップ現代+の報道に圧力をかけた経緯を3ページにわたって、10月23日の議事内容をつきで報道した。これは瞠目する快挙と言えよう。NHK経営委員会が議事録を公開しないため、複数の関係者への取材で主要な発言を再構築したもののようだ。これまで漠然としたことしかわからなかった石原進前NHK経営委員長や森下俊三委員長代行(現在のNHK経営委員長)の具体的な発言と介入の内容がより明確となった。毎日新聞の記事によると、かんぽ生命の不正販売を報じた2018年4月のクロ現+について、NHKは続編制作のためのさらなる情報を募るネット動画を出した。(2020/06/29)


政治
Choose Life Project  27日の都知事選候補者討論会 司会の津田氏の質問が光る
 昨日、YouTubeで都知事選候補者討論会を見た。Choose Life Projectが企画しているもので、TVとインターネットの存在感が逆転していることがわかった。本来ならTVが主導してきた政治報道の分野でもYouTubeを使った候補者討論会が高い関心を集め一定数のアクセスを得る時代が到来したことを感じさせてくれた。昨日の番組の司会は津田大介氏で、以前別の司会で行われた都知事選の候補者討論会とは異なる工夫を行っていた。筆者は以前の討論会にも感謝する者だが、今回のChoose Life Projectは一歩、踏み込み、候補者の発言を曖昧な印象に終わらせない工夫を凝らしていた。(2020/06/28)


検証・メディア
NHKが映らないテレビは受信料契約の義務なしという判決のインパクト
6月26日、東京地裁で画期的な判決が出された。NHKが受信できないようにフィルターがつけられたテレビを購入した人はNHKの受信料を支払う義務がないという判決だ。そりゃ当たり前だろう、と思う人は多いと思う。しかし実はその当たり前のことが今まではむしろ非常識とされていたのだ。NHK受信料はほとんど税金化しており、NHKが視聴できるワンセグ携帯を買った人はNHKの受信料を払わされてきたし、裁判でも受信料を支払う義務があることが最高裁の判決(※)でくだされた。見ていないのに持っているだけで受信料を払わされるなんて、と不満に思ってもどうしようもない。NHKを視聴する人が受信料を支払うのは仕方がないが、見ていない人が払うのはどう考えても疑問だ。(2020/06/27)


みる・よむ・きく
ロラン・バルト著 「エッフェル塔」  〜「豊か」だった70年代や80年代よりむしろ、今日が読み頃では?〜
ちくま学芸文庫のロラン・バルト著「エッフェル塔」を読み返してみた。かれこれもう20年ぶりにはなるだろう。前回、読んだときは正直ポイントがわからず、読めども頭を直撃する何かを感じることがなかった。しかし、モーリス・ナド―とバルトの対談を読んだことで、バルトのねらいが鮮明になってくると(少なくともそう自分に思えると)、「エッフェル塔」も極めて明快な本であることがわかった。この本はパリのエッフェル塔が様々なシンボルになっているが〜つまり、様々な人々にとって様々なシンボルとして生きている〜それがどのような機能や理由でそうなっているのかを書いているのである。(2020/06/24)


コラム
6月18日はみんなドゴール将軍にあやかりたい・・・ 冴えるウイレムの風刺漫画
フランスのリベラシオン紙で健筆をふるう風刺漫画家ウイレムの最新作はちょっと得体のしれない光景の1コマ漫画でした。筆者は最初は落ちがわからなかったのです。ただ、不気味さは十分に漂っているのですが。この1コマ漫画で、気がつくのはみんなドゴール大統領の仮面をつけていることです。そして互いに相争っています。(2020/06/21)


みる・よむ・きく
石川美子著 「ロラン・バルト 〜言語を愛し恐れつづけた批評家〜」(中公新書)
フランスの批評家で、記号論でも知られたロラン・バルトについては最近はあまり書店でも関係する本を目にすることが少なくなった。けれども私個人では、先日も書いた通り、20年来、親しむことができず、10数冊棚に積んでおくだけだったロラン・バルトの世界にあるきっかけで突然、爆発的に親しみを感じるようになった。それはグルノーブル大学出版が出した「文学について」を読んだからで、これは批評家・ジャーナリストのモーリス・ナド―とロラン・バルトの対談の書き起こしである。「文学について」は薄っぺらい本で、パリの古書店の恐らく通りに面した安売りセールの棚で1ユーロくらいで買ったものだと思う。この本は引っ越しで処分してしまったバルトの本の中で、例外的に薄っぺらかったことが幸いして未読のまま新居に持ち越されていたのだった。(2020/06/20)


みる・よむ・きく
ジャック・ル・ゴフ著 「欧州は中世に生まれたのか?」 Jacques Le Goff 「L'Europe est-elle née au Moyen-Âge ?」
ジャック・ル・ゴフと言えばフランスの歴史学者で、欧州の中世を専門にしています。いわゆるアナール学派で、王の系譜を縦にたどる歴史ではなく、それぞれの時代の文化や社会を庶民の生活の観点から記述していく学派です。たとえばル・ゴフは「煉獄の誕生」という本で人は死後どういう経路をたどるのか、その死後に関する考え方をキリスト教の中で探っています。煉獄とは人間が死後、天国へ行くか、地獄へ行くかがまだ決められていない間に「個人の死と最後の審判の中間」に位置する空間と考えられていました。この煉獄と言う概念が欧州人に定着するのが12世紀から13世紀とされます。ル・ゴフは「煉獄」という本で、煉獄概念の形成を通して、中世欧州人の死生観や宗教観を思索し、ひいては中世人のこころを考えています。(2020/06/14)


文化
INA(Institut National de l'Audiovisuel, 国立視聴覚研究所)とは?  フランスのすべての番組を保管し、歴史的なインタビュー番組やニュースなどは一般にも公開
YouTubeの映像検索をしていると、よくina frというロゴの入った映像に出会います。これはフランスの放送番組の保管・公開を担当する公共機関INA(国立視聴覚研究所)がUPしているものです。経験的に非常に有益な映像資料が多いことを感じます。たとえばフランスの構造主義のパイオニアの文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースにジャーナリストのベルナール・ピヴォがインタビューした以下の映像もその1つです。(2020/06/13)


政治
街は中立というわけではない 政治学者フランソワーズ・ヴェルジェス <Les villes ne sont pas neutres>Françoise Vergès(politologue)
アメリカのミネアポリスの警官によって公衆の目前で黒人が殺された事件は瞬く間に世界を駆け巡り、各地で人種差別に対する抗議を起こしています。英国では人々が奴隷商人だったエドワード・コルストンの像を引き倒しました。米国では南部のバージニア州知事が南北戦争の際に奴隷制継続を望んだ南軍の総司令官リー将軍の像を撤去すると発表しました。バージニア州ではアメリカ大陸発見のコロンブスの像が先住民の大虐殺の責任があるとして、デモ隊に倒されたばかりです。こうした中、この話題に関して、パリ在住の政治学者、フランソワーズ・ベルジェスさんは次のように述べています。ちなみにヴェルジェスさんはマダガスカル島の脇にあるフランスの海外県、レユニオンで育っており、白人、黒人、アジア人の血が混じっています。(2020/06/10)


社会
パリ  フードデリバリーのプラットフォーマー会社前で抗議をする黒人たちと、新人のレイラ・シャイビ欧州議会議員 
  パリの街角、フードデリバリーのプラットフォーマー企業、Frichtiの前に先週金曜、黒人数十人と左派政党「服従しないフランス」のレイラ・シャイビ欧州議会議員らが集まり、抗議の活動を行っている様子がツイッターで発信されていました。シャイビさんは「立ち上がる夜」という2016年春の市民運動の参加者の一人。その際はホームレスの増加や不動産投機などについて、住宅問題の面から改善に取り組んでいました。その後、昨年、政党から立候補して議員となったばかりです。この日、シャイビさんらが駆けつけたのはFrichtiに労働者の待遇を改善し、正規雇用にせよ、と訴えるためです。(2020/06/10)


コラム
アベノマスクと日本の匠
新型コロナウイルスで様々な日本の政治と行政の実態が国民の目に露になってきましたが、中でも多くの人が「?」と思ったのは一世帯にマスク2枚の配布に実質2か月もかかったことでしょう。多くの人にとって、衝撃的な事件だったと思います。というのも、近代以後の日本の神話が剥がれ落ちてしまったからです。その神話と言うのは次のようなものになるでしょう。「日本は匠が支え、通産官僚が企画運営する技術立国である」(2020/06/09)


コラム
赤信号みんなで渡れば怖くない では、みんなで学歴詐称すれば・・・
学歴詐称がテーマになっているようです。私の場合も学歴詐称するほどの市場的な値打ちに乏しい大学卒業者なので、就職の履歴書に厚かましくも<ハーバード大学卒業>とか<モスクワ大学卒業>とか、書いてみたかった。もしそうなったら、どのように周囲の世界が変わりうるのか、実験してみたかった気がします。このことは、20世紀に作家の安部公房が生涯追いかけて描き続けたテーマと深く重なってきます。(2020/06/09)


コラム
リベラシオンにウイレムあり  トランプ大統領と聖書の巻
フランスで健筆をふるっている風刺漫画家のウイレムが、今回の白人警官による黒人殺害の後のトランプ大統領を風刺の対象にした。漫画は4つのコマになっていて、最初の1コマと4コマ目が大きく、2コマ目と3コマ目は小さい。1コマ目は聖書を高々と掲げるトランプ大統領。2コマ目と3コマ目は聖書で黒人をぶっ叩いている大統領。4コマ目はトイレで尻を聖書で吹いている大統領。(2020/06/06)


米国
FBIの元カウンターインテリジェンス幹部がトランプ大統領のデモ隊への反応を「カオス戦略」と発言 〜その本質は民衆の分断と征服〜
ミネアポリスでの白人警官による黒人殺害が怒りを呼び、ホワイトハウス周辺でもデモが起きるに及んで、トランプ大統領が軍隊の出動も示唆したというような報道が飛び込んできました。それに対して、マティス元国防長官が軍を出動させることは、国の分断を図るとして批判したことも報じられています。ロイターでは次のような記事が出ていました。(2020/06/06)


検証・メディア
白人ナショナリスト組織が反ファシスト団体を名乗るアカウントで偽ツイートし、暴動を呼びかけていたことが発覚
トランプ大統領がテロ組織に指定した反ファシズム団体、antifaの名前を語って、実は白人ナショナリスト組織Evropaが暴動をツイッターで呼びかけていたことが報じられた。「今夜は『町をファックする』と言う。そして白人の居住地へ行く・・・」みたいなメッセージだったようだ。(2020/06/02)


米国
黒人を殺したミネアポリスの白人警官の妻、離婚を求める 英紙などの報道では妻はラオスからの難民でミネソタ美人妻コンテスト優勝者
ミネソタ州ミネアポリスで起きた白人警官による黒人殺しはSNSでその現場のシーンが世界的に大量に拡散されるにつれ、全米で抗議の渦を巻き起こし、暴動にまで発展しています。一方で、白人警官の家庭に関する報道も地元でされており、この事件はアメリカの現代史を象徴する何かを感じさせます。前に書きましたが、白人警官の妻がすぐに離婚を申し出たという記事が複数出ていて、その妻と言うのはアジア系だそうです。(2020/06/02)


検証・メディア
The Japan Times を含めて、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は日本政府の広告費その他資金が毎年各社にいくら入っているか公開すべき
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)はこれまで官房長官の記者会見のあり方などを真摯に問うて報道の自由のために闘ってきましたが、今、求められるのは、The Japan Timesを含めて、新聞各社が日本政府から宣伝広告費などの補助金的な意味合いのマネーを年間いくら受け取っているかの情報公開でしょう。政府のキャンペーンなどを掲載した時に注がれる宣伝費です。もちろん、受け取っていないのであれば堂々と公開すべきですし、受け取っているなら、どんな内容で、いくら受け取っているのか、公表すべきでしょう。(2020/06/02)


検証・メディア
マスメディアは暴力シーンを好む 
アメリカの警官による黒人殺害に対する抗議運動にはダンスを使った平和なものとか、白人女性たちが警官の前に列を作って抗議者たちを守っているようなものがあり、ツイッターの声はこうした平和なシーンがなぜマスメディアでは出てこないのだろう、と言うものでした。暴力シーンばかりが繰り返し画面にさらされて戦争状態一色みたいに見えてしまっていると言うのです。確かに、指摘された意見はよくわかりますし、実際メディアは過激な対立をフレームにおさえようとするものです。今、これを聞いて、僕にはフランスでのある思い出がまさに思い返されています。(2020/06/01)


米国
ミネアポリスの白人警官による黒人殺人事件 現地報道では警官は長年、ナイトクラブの警備員を副業にしており、黒人も同じナイトクラブで警備員をしていた
ミネアポリスの白人警官による黒人の殺人がその現場映像の拡散とともに各地で大きな怒りを巻き起こしています。シカゴの女性市長はトランプ大統領がこの件で政治的利益を得ているとしてファックユーを意味するメッセージを送りました。さて地元のAPの報道ではこの4人の警官のうち、実際に黒人のフロイド氏を窒息死させた警官はデレク・ショーバン(Derek Chauvin)という名前で、警察官人生の大半、つまり17年ほど、休日にナイトクラブの警備担当のアルバイトをしていたとされます。(2020/05/31)


検証・メディア
19時〜【新聞記者】記者が語る!なぜ取材先と会食、麻雀をするのか?【LIVE配信】、毎日新聞・宮原健太氏がYouTubeにUPする予告
毎日新聞政治部の記者、ブンヤ健太(宮原健太氏)が、【新聞記者】記者が語る!なぜ取材先と会食、麻雀をするのか?【LIVE配信】という催しをYouTubeにUPするという予告を行っています。(2020/05/31)


米国
ミネアポリスの警官による黒人の殺害、暴動 そしてバイデン大統領候補の声明
今回のミネアポリスの警官による黒人容疑者の殺害とその後の暴動に関して、民主党の大統領候補者、ジョー・バイデン氏がどのような演説を行うか注目していました。というのも、このまま人種対立が激化していくと、トランプ大統領に投票する白人が増える可能性があるからでした。バイデン氏はこれについて次のように述べています。ツイッターでバイデン氏自らリンクを張り付けているので、以下のリンクを参照ください。(2020/05/31)


コラム
警官による在日クルド人の扱いと都知事選 そしてミネアポリス
前回、ミネソタ州ミネアポリスで黒人が白人警官に路上で制圧され、殺されるシーンの映像がソースシャルメディアで広がって抗議だけでなく、暴動に発展したことについて書きました。そして歴史的に白人と黒人の人種対立が先鋭化すると、アメリカの場合、民主党支持だった白人労働者層が共和党支持に乗り換える傾向があることを書きました。私の仮説ですが、この事件の背景には大統領選を共和党に有利に運びたい人々の意志が、明白な共謀がなくとも、未必の故意のような形で働いたのではなかろうか、ということです。もし興味のあるかたは以下のリンクに前の記事があります。(2020/05/30)


米国
白人警官による黒人の殺人、暴動と米大統領選 〜人種対立が深まると優位に立てる共和党〜 2012年夏の右翼の尖閣諸島上陸と自民党の復活を想起
ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人の容疑者を膝で首を地面に押し付けて窒息死させた件で、怒った人々による暴動に発展しただけでなく、各地で抗議運動を呼び起こしています。なぜ撮影されていることが薄々わかっていながら警官たちが殺人をやめなかったのか、その動機とか心境が理解を超えるものでした。もちろん、そうした事件は過去にも多数起きています。しかし、この殺人を見ると、容疑者が無抵抗になっているのは明白で、殺すほどの制圧の必要性は映像では見ることができません。実際、4人の警官は懲戒解雇処分を受けました。解雇されることが予想できなかったのでしょうか?それともそれを上回る何かのメリットがあったのでしょうか?(2020/05/29)


米国
ミネアポリスで黒人が警察官に衆人環視の中、殺される 
インターネットである衝撃的映像がアクセスを集め話題になっていた。アメリカのミネソタ州、ミネアポリスの路上で白昼、白人のイケ面の警察官によって黒人男性が地面に押さえつけられている。首に警察官の膝が押し当てられ「息ができない」と言っているのだ。しかし、警察官は一向、その声に耳を貸すことなく、さっきまで苦しみを訴えていた黒人が全然動かなくなってしまう。周囲の人々はこの様子に疑問の声が上がり、早く起こしてパトカーに乗せて連れていけと言っているようだ。これは警察車両の脇で起きた出来事で、現場にミネアポリスの警察官が4人いた。1人は黒人を地面に押さえつけて殺した実行犯である。一人は周囲の人垣の前に白人警官を隠すような形で立ちふさがるアジア系の警察官。残り二人は裏側にいた模様。(2020/05/29)


政治
東京都知事選は日本の未来を分ける選挙になるだろう〜問われる野党共闘の真価〜
2014年と言えば日本が戦後初めてファシズムに転換した年であると以前、書きました。この年に何が起きたかと言えば内閣人事局が設置され、内閣が人事を通して官僚を支配することが可能になったことと(これが検察トップの人事問題にもつながっている)、さらにNHKの安倍首相べったり報道の甲斐もあり、安倍政権が長期政権になる土台となった年でした。この節目となる2014年の幕開けを飾ったのが1月公示の東京都知事選です。この時、野党支持者や浮動票の票が細川護熙元総理と宇都宮健児に割れ、安倍首相が率いる与党の自公が推薦した舛添要一元厚労相が選出される結果となりました。(2020/05/28)


コラム
嘘をついていた安倍首相  賭けマージャンの黒川氏の処分をめぐり 近代国家ではなかった日本
共同の記事で、検事長だった黒川氏の処分をめぐり、安倍首相がまた嘘をついていたことがわかった。安倍首相は前回の記事では黒川氏の処分について森雅子法務大臣から処分の内容を聞いて、承認したかのようなベクトルになっていた。ところが、実際には違っていたことが新たに浮上している。それは法務省が検事長だった黒川氏のマージャン賭博を重く見て、懲戒にする決断をしていたところへ、首相官邸が介入して、大変軽い訓告に軽減させた、ということである。これが事実であれば重大な事件である。(2020/05/25)


みる・よむ・きく
講談社 「英語で読む日本国憲法」 ~ 保守という言葉の本質を考える〜
日本は1980年代の円高で外国旅行の機会が増え、企業の海外進出も増えたことなどを背景に、講談社から1990年代に一連の日本語と英語のバイリンガルの本が出版されました。日本の事象や社会・行政などを英語でどう表現すればよいのかが参照できる画期的な事件でした。このシリーズの1冊に「英語で読む日本国憲法」があり、日本国憲法が勉強できるだけでなく、英語でどう表現できるかも記されていて、一石二鳥の本です。しかも、「英語で読む日本国憲法」は単に憲法のテキストとその英訳だけでなく、ところどころに様々な写真や資料が挿入されていて、退屈せず、豊かにいろんなイメージを自分の中で持ちながら読んでいけるように編集者の工夫が垣間見えるのです。(2020/05/24)


教育
成績上位3割だけじゃなく、すべての留学生に手を差し伸べて 〜日本在住の欧米の知識人の意見〜
新型コロナウイルスで学業が続けられなくなり、退学を考えている大学生がかなりの数に上ると報じられました。日本政府は日本人の貧困学生に給付金を検討していますが、その一方で、外国人の留学生には成績が上位の3割だけに支援の手を差し伸べる、という報道がありました。このことに多くの反対の声が出ています。たとえばアルバイトに追われる貧しい留学生の場合、学業の時間が奪われ、上位3割に入ることは難しいかもしれません。この問題に、日本在住の欧米の知識人に意見を寄せていただき、それを翻訳いたしました。都合により、匿名にさせていただきます。■成績上位3割だけじゃなく、すべての留学生に手を差し伸べて(2020/05/23)


コラム
「ルイ16世は馬鹿だった」「いやルイ16世は馬鹿ではなかった」・・・
安倍首相がルイ16世と自分は違う、というような趣旨の発言を国会でしたということがインターネットで話題になっているようです。このことでしばらく前に、ロシア人の哲学者とルイ16世は馬鹿か、馬鹿でなかったかで議論したことを思い出しました。私が「ルイ16世は馬鹿だった」と表現したことに、ロシア人の哲学者は「いや、ルイ16世は馬鹿ではなかった」と言うのです。18世紀のフランスのブルボン朝の王だったルイ16世は馬鹿ではなかった、と言う人は意外と少なくありません。実際に、ルイ16世は庶民から慕われていた王だったようです。(2020/05/23)


コラム
書店は不要不急の場なのだろうか・・・
新型コロナウイルスによる外出自粛と営業の制限で近所の書店も公共図書館も閉鎖になってしまった。スーパーやコンビニには立ち寄れても書店にぶらっと入って本を手にすることができない。たまたま僕はこの時期に翻訳書を出版したのだけれど、本の売り上げ以上に、自分が日々本に出会う場がなくなってしまったことがとても寂しい。書店が閉鎖されてしまったことに気がついたのは18世紀イタリアの喜劇作家、カルロ・ゴルドーニ作「二人の主人を一度にもつと」が行きつけの書店のコーナーにあった気がして買いに出かけたことだった。いつものことだが、ある本が買いたいと思うと、いてもたってもたまらなくなる。(2020/05/21)


政治
英国の国会論戦 トニー・ブレア首相の2007年の与野党攻防 日本が小選挙区制導入のモデルに掲げた英国議会 
 1994年に政治改革として小選挙区制が導入された時、TVなどで政治学者や政治家、識者などから盛んに主張されたのが英国のような二大政党制にしたら健全な議論が促進され、民主主義が発展する、というものだった。お手本とされた英国の議会の国会論戦が英国議会によって公開されている。これは2007年の国会論戦で、首相は労働党のトニー・ブレアである。折しも英国はイラク戦争に参加したことが〜大量破壊兵器の不在で〜大問題になっていた。(2020/05/19)


政治
カナダの国会論戦  日本の国会の閣僚たちの答弁と比較すると・・・
国会論議の中継で知られるアメリカの政治専門のケーブルチャンネルC-SPANでは、今年3月20日のカナダの新型コロナウイルスに関する国会論戦の模様も動画で公開されています。カナダは現在、自由党が政権を持ち、首相がジャスティン・トルドーです。一方、野党は保守党やその他のブロック・ケベコワや新民主党、緑の党などの小政党です。映像を見れば、テンポ感がまったく日本と違っています。自民党閣僚たちのような、もたもた時間稼ぎしたり、テキストを棒読みしたりといったまったりした空気はカナダの閣僚たちには感じられません。(2020/05/18)


コラム
時代の曲がり角と言葉   村上良太
今、パリのポンピドーセンターで様々な文化的事業の仕掛け人として活躍しているのが哲学者、マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏。今、その個性的な哲学エッセイ集が日本で初出版となりました。彼は「言葉と物」や「監獄の誕生」などを執筆したミシェル・フーコーの研究者ですが、フーコーは自らを哲学者ではなく、認識についての歴史学者、という風に規定していました。フーコーは社会における人々の認識の仕方、認識の枠組みは歴史における時代時代によって移り変わっていくものであり、この認識の枠組みを「エピステーメー」と呼んでいました。エピステーメーが変わると新聞や書籍、演説、会話などのおける人々の言葉・言説もまた変わると考えていたようです。(2020/05/18)


文化
ミステリ作家フレッド・ヴァルガスさんが感染症の際にマスクが不足するであろうことを2006年の番組で警告していた
フランスの人気ミステリ作家にフレッド・ヴァルガスという女性がいまして、ミステリと言えばアメリカの作家がたくさん紹介されることが多いのですが、フレッド・ヴァルガスは日本でも紹介されています。「死者を起こせ」は3人の歴史学者が女性失踪事件を解明する話で邦訳も出ています。主人公が3人全員歴史学者ながら、それぞれ専門とする時代が古代、中世、現代と違っており、フレッド・バルガスさんがこういう設定でミステリを書いている背景には著者自身が中世を専門とする歴史学者で、フランスの国立研究機関CNRSで働いてきたことが関係しています。(2020/05/17)


政治
ミッテラン大統領 VS シラク首相 1988年のフランス大統領選の1対1の論戦
 1988年のフランス大統領選の決選で、社会党のミッテラン大統領(現職)と、保革のコアビタシオン(連立政権)で首相を務めていた保守政党のシラク首相との一騎打ちの2時間ほどの論戦。Inaが公開している。(2020/05/17)


政治
ミッテラン大統領の記者会見 1985年11月 外国人を含む400人のジャーナリストを前にしたフランス大統領の記者会見は
フランスのInaがミッテラン大統領の記者会見の映像を公開しています。ミッテラン大統領と言えば社会党の大統領で当時、任期が7年だったため、再選を含め1981年から合計14年間、行政府のリーダーシップを取りました。この映像は1985年に行われたもの。内政、経済、社会、外交について語ります。最初に10分ほどの簡単なスピーチを行った後、記者たちの質問も行われます。約400人の記者が詰めかけ、外国人の記者も参加しています。(2020/05/13)


政治
オバマ大統領の記者会見  米財政破綻の危機に臨んで(2013年10月)
世界の最前線の政治家たちはどのような記者会見を行っていたか。以下はかつて米国のオバマ大統領が米財政破綻の危機に臨んだときのホワイトハウスでの記者会見映像が公開されています。2013年10月。(2020/05/12)


医療/健康
フランスで外出禁止令が解除となる  病床空き率20%以下の地域が複数見られるフランスの北東部地域で注意が必要
フランスで外出禁止令(必要品の買い物やどうしても必要な活動は除く)が5月11日、予定通り解除となりました。当初は3月17日から15日間の限定でしたが、新型コロナウイルスの勢いが終息しないことを見て延長を続けていました。今日、ようやくマクロン大統領が解除を発表。ただし、マクロン大統領は慎重な行動を取るように呼びかけています。(2020/05/11)


みる・よむ・きく
「Recommencer」(もう一度・・・やり直しのための思索)のマチュー・ポット=ボンヌヴィルと国際哲学コレ―ジュ 
フランスの哲学者、マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏が書き下ろした「Recommencer」という本を翻訳刊行しました。邦題は「もう一度・・・やり直しのための思索」となっています。commencerが「始める」という動詞の単語ですから、その前にもう一度を示すreがついて、再開する、とか、やり直す、という意味を持ちます。著者のポット=ボンヌヴィル氏は哲学者はこれまでほとんど「やり直す」ことの意味については論じてこなかったと言います。ほとんど常に初めてやること=commencerに注力してきたのだと言います。Recommencerという問いの独創性というか、貴重さは、人間はしばしば何であれ一回目は失敗しがちなのであり、外国のことわざにも「初めて焼いたプリンは塊になる」というのがあります(2020/05/09)


みる・よむ・きく
批評家モーリス・ナドーがロラン・バルトに切り込んだ対談「文学について」( sur la littérature)
新型コロナウイルスで外出を控えている昨今、長い間、読めずに積んでおいた本を何冊か手に取りました。1冊は、正味40数ページの対談なのですが、第二次大戦後、フランスで活躍した批評家・編集者のモーリス・ナド―が構造主義の大物の一人、ロラン・バルトにインタビューを行った対談の文字起こしです。ロラン・バルトと言えば、最初に読んだのは「零度のエクリチュール」という本でしたが、わかったような、わからないような。当時は構造主義に疎かったこともあって、十分に理解しきれませんでした。その後も、「物語の構造分析」とか、「記号学の冒険」、「神話作用」、「新=批評的エッセー〜構造からテクストへ〜」、「エッセ・クリティック」などなど、いつか読もうと書棚に積んでいたものの、事情で転居する際に、ほとんど全部未消化のまま、処分してしまいました。(2020/05/07)


政治
ドゴール大統領の記者会見  
フランスのドゴール大統領と言えば、第二次大戦中はナチスのフランス侵攻に妥協せず、ロンドンに亡命政府を設立して最後まで戦い、勝利に導いた軍人であり、政治家である。1961年のドゴール大統領の記者会見がYouTubeで公開されている。記者団を前にして、台本なしでどのくらいオープンに接していたかがわかるInaの映像。(2020/05/04)


文化
ベルベル人の心を歌ったイディール(Idir)さん、パリで亡くなる  ”肺の病で” 
先日、パリのCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染率は推定10%弱という話を科学者のフランソワ・トロンシュさんから聞いたばかりですが、郊外も含めたパリの都市圏で100万人以上にはなる計算です。今日、飛び込んできたニュースはアルジェリアのベルベル人で、パリでも活躍してきた歌手のイディールさんが死亡した、という記事でした。フランスから悲しみのメッセージが届きます。イディールさんのデビュー曲は「アババ・イヌーバ」という歌で、アルジェリアの山の多いカビル地方に生きてきたベルベル人の心を歌ったものです。(2020/05/04)


農と食
イタリア料理シェフ、ジェンナロ・コンタルド氏の「ステイホーム・パスタ」 家にある食材を使って
イタリア生まれで、ロンドンで活躍してきたシェフのジェンナロ・コンタルド(Gennaro Contaldo)氏はBBCなどの番組でもイタリア料理の案内役を務め、イタリアの郷土料理の作り方の解説もたくさんしています。とにかく、分かりやすい英語で、説明もうまく、感情豊かで、料理がまた魅力的なので大変人気を持っていることがすぐに想像できます。このコンタルド氏が今、新型コロナウイルスで自宅にこもる生活を余儀なくされている人々に向けて、「ステイホーム・パスタ」の作り方を実演指南しています。外出を控える、という趣旨に自らも恐らくは自宅のキッチンを使って、娘が撮影している手作り感があふれる解説です。(2020/05/03)


コラム
パトリス・マニグリエ氏の論考と私たち  冷戦終結後の30年を振り返る
フランスの哲学者、パトリス・マニグリエ氏の新型コロナウイルスに対処する暮らしから私たちが発見した「公益」について、その試論「ケアの共産主義と、何もしないことによる貢献 :何かが起きている(起きる)のだろうか?」を翻訳したばかりです。フランス語のBien commune、英語のcommon goodは日本で公益と訳せるのではないか、と思います。これは英国のベンサムとか、ミルが使ったいわゆる功利主義哲学の用語の1つです。外出自粛はみんなの健康のために一人一人が行うのであり、大衆の「健康」という公益に貢献したら、たとえ、それが「外出しない」「仕事をしない」という普通ならネガティブな「行動」であったとしても、そのことでそこで形成された利益の再分配に与って当然である、という考えです。マニグリエ氏は「空気」はこの際、公益に含めず、あくまでみんなが努力して(行動しない努力も含めて)得られ、蓄積されたものに公益を限定しています。(2020/04/30)


コラム
「ケアの共産主義と、何もしないことによる貢献 :何かが起きている(起きる)のだろうか?」 パトリス・マニグリエ(哲学者)Communisme de soin et inactivité contributive : se passe(ra)-t-il quelque chose ? Patrice Maniglier (philosophe)
これは、マクロン大統領が語った言葉のタイトルに過ぎません。つまり、このウイルスの出現で私たちに不可能と思われていた事態が起こりつつあるのです。そして、逆にまた、昔は常識だったことが、今後は常軌を逸したことに思われるだろう、ということです。もちろん、これらの新しく生まれた数々の知覚を、再編成された古い思想(=再編された新自由主義)で、すべて塗りつぶすことが(フランス政府の)今後の最優先課題となるでしょう。私たちが経験したことを、違った生き方や考え方をする1つの機会だったという風にはさせず、むしろ、ただ単純に悪い思い出として葬り去り、私たちのものに再びなった(新型ウイルス登場以前の)生活様式を正当化するでしょう。(2020/04/30)


コラム
オンライン講義とYouTube公開講座
大学で感染症対策で導入されているオンライン講座で、いろいろなトラブルとか負荷が教員にかかったり、情報漏洩リスクが発生したりしていることが報告されています。現状のオンライン講座をこの新型コロナウイルス症対策に限定してみた場合、それは永久に続くわけではないことを前提に考えると、大学生が学費が払えなくなっていることへの支援策=国費導入による学費免除と引き換えに、オンライン講座を公開講座にしてYouTubeやVimeoなどにUPして、誰でもこの期間限定で講座を受けることができる(視聴できる)、という風にできないものでしょうか?(2020/04/29)


農と食
Omar Allibhoyシェフによる本場のパエリアの作り方 鶏を使った発祥の地バレンシアの場合 
新型コロナウイルスでネットによる講義が始まっているようですが、世界では様々な講義がインターネットで行われており、いずれはもっと広がって国境がなくなっていくでしょう。料理の作り方もたくさんネットに上がっています。下のリンクはスペイン料理のパエリアの作り方。パエリアと言うとムール貝とか、エビなどの魚介類を想像しがちですが、このYouTubeのレシピでは基本は鶏の肉です。バレンシアの作り方ということです。シェフはオマル・アリボイ(Omar Allibhoi)氏。風貌がチリ出身の革命家チェ・ゲバラに似ていることもあり、アリボイ氏もそれを意識しての事か、著書に「タパス革命」というタイトルのものがあります(2020/04/29)


みる・よむ・きく
マチュー・ポット=ボンヌヴィル著「もう一度・・・やり直しのための思索」(原題はRecommencer)と本に収録できなかった講演
 数日前に完成したばかりの翻訳書を受け取りました。マチュー・ポット=ボンヌヴィル著「もう一度・・・やり直しのための思索」(原題はRecommencer)です。筆者にとって55歳で出した人生初の翻訳書です。当初はアンスティテュ・フランセで哲学者のマチュー・ポット=ボンヌヴィル氏が2018年5月の来日時に講演したフランスの人文科学と社会学の研究と出版に関する報告も翻訳書に収録するはずでしたが、1年間の翻訳権の有効期間を考えると、本書「もう一度・・・やり直しのための思索」(原題はRecommencer)1本に絞ってギリギリまで、これに全力を集中させる方針を取らざるを得ませんでした。筆者が未熟だったために、訳せるほど内容をクリアに理解するのに予想以上に時間がかかったのです。(2020/04/26)


医療/健康
パリの新型コロナウイルス感染  自ら罹患したフランス人科学者François Tronche氏の証言  パリ首都圏で推定およそ100万人が感染
新型コロナウイルスの蔓延防止のため、フランスでは3月半ばと日本よりひと月近く早く外出制限命令が出されました。必需品の食品などの買い物やどうしても必要な用事以外は、市民は自宅で過ごす毎日を余儀なくされています。首都パリは市の人口は約200万人、郊外も入れるとおよそ1200万人が暮らしています。パリで暮らす脳科学者で、国立研究機関CNRSやパスツール研究所で研究チームを率いてきたフランソワ・トロンシュさんは先月(3月)、自ら、COVID−19(新型コロナウイルス)にかかってしまったそうです。(2020/04/25)


医療/健康
マスクのない人に簡単な作り方を指南  アメリカ疾病予防管理センター(CDC)
アメリカのアメリカ疾病予防管理センター(CDC)がマスクの作り方をサイトで指南しています。コットン素材を使って縫う場合と、Tシャツを切って作るのといくつかパターン別になっています。非常にわかりやすいです。(2020/04/20)


みる・よむ・きく
浜内千波著 「朝に効くスープ 夜に効くスープ」
スープ、というと、近年、駅構内などでもスープの専門料理店も生まれ、美味しいけれども自分で作るにはちょっと敷居が高い、と感じる人もいるかもしれません。そもそも何をもって「スープ」というのでしたっけ、というところから、考えてみると、よくわかりませんでした。味噌汁は、英語ではスープ扱いですが、本当に「スープ」なんだろうか?と思う人も少なくないでしょう。そんなスープに関する様々な疑問に答えるかのような1冊が、浜内千波著「朝に効くスープ 夜に効くスープ」ではないか、と思います。(2020/04/19)


文化
料理人ジェンナロ・コンタルド(Gennaro Contaldo)氏のイタリア料理の映像サイト「チタリア」  パスタの本場での作り方
新型コロナウイルスの緊急事態宣言で、今まで外食中心だった人々が自宅で料理を試みるという話をよく聞きます。自宅で仕事をする場合は昼食でも自宅のキッチンが使えるのです。そんな中、ありがたいのは本場の料理の作り方を紹介する映像サイト。これはイタリア料理のYouTubeサイト「Citalia」(チタリア)でシェフのジェンナロ・コンタルロ氏が本場の作り方を英語で披露しています。英語と言ってもネイティブと違って、日本人にも非常に聞き取りやすい英語です。たとえばこのリンクはカルボナーラ・スパゲッティの作り方を指南しています。手軽に作れるパスタはまさにランチに最適です。コンタルロ氏の説明にはイタリア人らしい豊かな感情があふれていて、その人間性にも惹かれます。(2020/04/18)


経済
価格戦略の第一人者ハーマン・サイモン氏
価格戦略の第一人者と見られているのがドイツ人のエコノミストのハーマン・サイモン氏だ。日本でも「価格の掟」や「隠れたチャンピオン」(※)というタイトルで翻訳書が出ている。1990年代に入って、日本では激安商戦に突入し、安さが訴求力の時代が30年間続いてきた。そこで価格に関する消費者の側の認知の歪みも起きているが、企業の側にも同じことは言える。ハーマン・サイモン氏は価格戦略の必要性を説いている。(2020/04/17)


コラム
改憲案に緊急事態宣言を盛り込んで通したら確実に言えるのはまっさきに来るのが報道の死であること
今回の新型コロナウイルス対策で、政府はもっと早く緊急事態宣言を出すべきだった、という声を新聞などが報じていますが、それと同時に、安倍政権が緊急事態宣言を盛り込む改憲案を審議しようとしているそうです。今後、このテーマを新聞社やTV局がどう報じるかは、日本の報道の明日を考える上での最大の指標になると思います。(2020/04/16)


農と食
緊急:米の農業生産者、加工業者に新型ウイルスの危機が押し寄せる  日本が大量輸入するのは牛肉、オレンジ、トウモロコシ・・・
新型コロナウイルスの患者が世界で最も増えているのが米国だ。すでに2万人以上が感染で死亡した。米国は農業輸出国でもあるが、すでに米国最大の豚肉の加工工場が新型コロナウイルスの感染者を多数出し、操業が停止となっている。ハフィントンポストによれば、従業員の230人が感染し、未だ復旧の期日は見えないという。そんな中、アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」では全米250万人の農業従事者が満足な感染予防の装備もないまま、低賃金で労働を続けている現状をレポートしている。スカイプでのインタビューに答えているのはヒスパニック系の農業従事者たちだ。(2020/04/15)


政治
新型コロナウイルスでダメージを受ける中小企業支援策 国際比較サイト  ドイツでは5人以下の中小企業に一人当たり3か月で最大21万円の一時金
新型コロナウイルスでダメージを受ける中小企業支援策 国際比較サイト。米国のオンラインビジネスのウェブサイトです。4月5日現在です。(2020/04/14)


政治
英国政府 新型ウイルスの休業補償として給料の80%まで補償 上限は月額2500ポンド(=33万7千5百円 平均給与)
 NHKで世界には新型コロナウイルスに関して休業補償を行っている国はない、という安倍首相の言葉を報じて、修正しなかったというので、いったいどうなのか、英国のケースを探ってみました。英国の保守党のRishi Snuk大蔵大臣が会見して語ったのは次のようなことでした。”It will pay 80% of salary for staff who are kept on by their employer, covering wages of up to £2,500 a month.”(雇用された労働者には給料の80%を支払います。上限は1か月2500ポンドです)(2020/04/14)


文化
TED講演 アダム・グラント 「与える人と奪う人」ギバー(与える人)が最も成功できる・・・
28歳で最良のビジネススクールの1つ、ペンシルベニア大学ウォートン校で終身教授に就任した組織心理学者アダム・グラントによるTED講演(日本語字幕付き)。ビジネス界にはギバー(与える人)、テイカー(奪う人)、マッチャー(損得のバランスを取る人)という3種類のタイプが存在すると言う。単純化すればパイを二人で切り分ける時に、どういう配分法を取るかで3通りに分けられる。テイカーは自分が多め、マッチャ―は平等、ギバーは相手に少し多めに与える。以外にも、この中でギバーが最も成功できるのだと説く。(2020/04/14)


国際
顧客ロイヤリティをキーワードにしたエコノミスト、フレデリック・ライクヘルド
「顧客維持率」が企業の業績を真に左右するとして、新規開拓ばかりに目を向けがちな企業行動に反省を促し、顧客満足度をどう高めるか、顧客ロイヤリティをキーワードにしているエコノミストがフレデリック・ライクヘルド氏です。日本では「リピート率」と言われているものと本質は同じです。顧客を大切にすることが売り上げ増加につながる・・・一見単純で当たり前に見えることですが、実際には軽んじられてきたのだとライクヘルド氏は言います。では、そのためにどうすればよいのか。そこでライクヘルド氏は分析方法を紹介しています。まずは、顧客が何に、どの程度(商品やサービスに)満足しているかを客観的にリサーチしなくてはなりません。(2020/04/13)


政治
新型ウイルスで「世界で5億人が貧困に」「30年前に逆戻り」「貧困のツナミ」・・・安倍政権が「存立危機事態宣言」を打ち出す日
今日になってBBCなどを中心に、新型コロナウイルスによって世界経済がどの程度ダメージを受けるかについて報道が出てきています。英国の国際的な経済発展に詳しいアンディ・サムナー(Andy Sumner)という大学人による発言が引用されていて、「(地域によっては)30年前に逆戻り」「貧困のツナミ」などと言った言葉が並びます。(2020/04/10)


みる・よむ・きく
慎改康之著「フーコーの言説 <自分自身>であり続けないために」
朝日出版社から出ているミシェル・フーコー+渡辺守章著「哲学の舞台」をフーコー入門には良いと先日書いたところですが、筑摩書房が2019年1月に出版した慎改康之著「フーコーの言説 <自分自身>であり続けないために」は、入門編を一歩くぐって少しフーコーに親しんだ人にさらなる奥地へと案内してくれる最良の案内人となるでしょう。副題の「<自分自身>であり続けないために」を見ると、多くの人が「なんだそれ?」と思いそうですが、主体から解放されるための思索を必死で続けてきたフーコーの核心と言ってよい象徴的な言葉です。2年前に21世紀におけるフーコーの読み直しを狙ったシンポジウムが日仏会館で行われ、フランスから2人の哲学者が来日したことはすでに触れましたが、その時にも話題になったのはフーコーの「性の歴史」(第四巻「肉の告白」)がフランスで2018年初頭に出版されることになったことが、フーコーに関心のある人々の最大のニュースになっていたことです。(2020/04/09)


政治
バーニー・サンダース候補が撤退
米民主党予備選で最初はトップランナーだったバーニー・サンダース候補が選挙戦から撤退を表明した。潮目が変わったのはスーパーチューズデイと呼ばれる多数の州での民主党予備選の選挙だった。この日を境に元副大統領のバイデン候補がトップに立った。その陰には民主党幹部たちが民主党穏健派あるいは共和党に近い候補者たちに撤退を求め、バイデン候補に一本化したことがあった。一方、左派はエリザベス・ウォレン候補とサンダース候補で票が割れ、結果として、2016年のヒラリー・クリントン候補の勝利と同じ展開になった。撤退表明の中でサンダース氏は高等教育の機会均等などについて信念を語った。(2020/04/09)


みる・よむ・きく
フランスの哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏のエッセイ集「もう一度・・・やり直しのための思索」を刊行します
このたび、フランスの哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏のエッセイ集「もう一度・・・やり直しのための思索」を刊行いたします。筆者は翻訳を行った者です。マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏はフランスではミシェル・フーコーの研究者として著名です。現在、アマゾンで予約を受け付けています。新型コロナウイルスで世の中が混沌とした最中ですが、新しい時代の創造あるいは未来の再構築のための思索を本書は披露しています。絶望せず、粘り強くものごとを成し遂げるための方法序説です。大げさに思われるかもしれませんが1543年に種子島に鉄砲が入ってきた時のような西洋人の思索の力を感じました。(村上良太)(2020/04/07)


みる・よむ・きく
黒田恭一著「はじめてのクラシック」
 40年前、私が高校生だった頃はどの町のどの駅前にも1軒はレコード屋があったように思います。LPレコードだったり、SPレコードだったりと、CD化される前の時代に私はブラスバンド部で金管楽器を演奏していました。学校の授業が終わると、部活で楽器を演奏して、下校時間になると、駅前のレコード屋に必ず寄って、さまざまなクラシック音楽のLPレコードを手にするのが楽しみだったのです。お小遣いで買えるのはせいぜい月に1枚だったのですが、それを部活の友人の家に集まってレコードをみんなで持ち寄り、一緒に聞いて合評したり、同士で貸し借りして、テープに録音して聞いたこともありました。ある時はチャイコフスキーの交響曲4番だったり、ある時は、マーラーの交響曲9番だったり。しかし、今日、レコード屋はほとんど町から姿を消してしまいました。さらに何年か前、CDラジカセが壊れて以来、ぷっつり僕は音楽を聴くことがなくなっていました。(2020/04/07)


みる・よむ・きく
「フランス語 動詞宝典 308(初・中級編)」と「フランス語 動詞宝典 466(中・上級編)」
いま、1年がかりで取り組んだフランスの哲学関係の翻訳の仕事が終わったばかりです。それで最近、コツコツ読んでいるのが久松健一著「フランス語 動詞宝典 308(初・中級編)」と「フランス語 動詞宝典 466(中・上級編)」の2冊。普通なら、こうした本は学生時代に暗記して、満を持して翻訳に取り組む・・・という順序が筋かもしれませんが、筆者の場合は真逆で、翻訳に取り組んでみてから、動詞の単語力倍増が今後の課題だと思わされた次第なのです。というのも辞書で引いた動詞の多くがこれら2冊に例文と活用表つきで掲載されていたからです。最初からこれをやっていたなら、辞書を引く必要もなかったのです。(2020/04/06)


みる・よむ・きく
長期政権と遺書と道化と文化人類学  山口昌男著「道化の民俗学」を再読
 最近、高橋康也著「道化の文学」(中公新書)と、山口昌男著「道化の民俗学」の2冊の道化論を古書店で手に入れて読みました。いずれも20年以上前に読んだことのある研究でしたが、年号も変わった今日、再び読み返したくなりました。というのは、すなわち私たちの暮らしもまた、文化人類学の対象として興味深いものであろう気がするからです。二人の著者は、所属学会こそ異なれど、いずれも1970年代から90年代にかけて〜筆者が学生だった頃〜大きな支持を集めた研究者で、アプローチは違うもののいずれも道化に大きな関心を寄せていました。(2020/04/02)


みる・よむ・きく
ミシェル・フーコー+渡辺守章著「哲学の舞台」(朝日出版社)
ミシェル・フーコーの21世紀における読み直しがテーマになっています。なぜそうなのか、誰がそう言っているのか、となると、2年前にそのような題のシンポジウムに出かけたことがあったことが私にそう思わしめているだけなのですが。しかし、21世紀の始まりの1つがニューヨークの同時多発テロ事件であり、文明間の対立とか復讐の連鎖と言われるものであったり、あるいは資本主義社会の転換期ともなりえる格差社会だったりすることを考えると、今日、フランスの思想家ミシェル・フーコーの読み直しをすることはまさに重要ではないかと思います。とくに文明間の対立とも資本主義社会とも関りがあるのが性をめぐる言説であり、まさにフーコーが取り組んだテーマ群の中の1つの柱です。(2020/03/30)


コラム
基本食品と私 アリーヌ・パイエ  « Denrées essentielles » Aline Pailler 〜自宅引きこもり命令の中で〜
パリの放送局で司会やジャーナリストを長年してきたアリーヌ・パイエさんは退職して、現在は郷里に戻って年金生活を送っています。郷里はフランス南西部のアリエージュ県。スペインとの国境に近く、一帯はピレネー山脈が走っています。新型コロナウイルスの広がりを防ぐため、フランス政府は「基本食品」の購入その他の緊急の用事を除くと、自宅で過ごすように命令を下しています。以下は、そんな状況下でのアリエージュ県からの便りです。(2020/03/30)


みる・よむ・きく
辻静雄著「料理人の休日」(新潮文庫)
辻静雄氏と言えばフランス料理の日本における啓蒙活動をした人で、調理師学校の創設者としても著名ですが、もう亡くなって長い時間が経つため、最近の若い方々にはなじみがなくなっているように思われます。しかし、おそらくはフランス料理に関してもっともたくさんの文章を文庫版などを通して世に出してきた人物である辻氏の作品群は今日も捨てるのはあまりにももったいない貴重な宝に思えます。前に書きましたが、辻氏のアプローチはフランスにおける料理の古い価値のある文献をできるだけ集めて、料理の技法の成り立ちを理解することにありました。しかし、この「料理人の休日」は新潮文庫から出ているエッセイ集で、これ自体は古い文献のリストなどは出ていないのですが、逆に興味深いのは「私の勉強法」という一文で出てくる辻氏のそうしたアプローチの由来が、アメリカのフランス料理研究家の助言によるものだった、というエピソードです。(2020/03/29)


コラム
ドキュメンタリーとマイクロペニス 3  
 前回二度にわたり、筆者の2センチ余りのペニスの極小問題を書いたところ、望外に多くの方に読んでいただいているようです。筆者はTVの報道番組などを生業にしてきた人間で、情報を求めワシントンDCやらモスクワやらパリやらアフリカやら様々な国や地域を往来してきましたが、自分の人生に直結する問題に関して、情報を入手し、真剣に対処する、ということを怠けてしまい独身のまま、齢55歳になってしまいました。その意識が変わったきっかけは前にも書きましたが、偶然欧州で制作されたマイクロペニスを扱ったドキュメンタリーを見たことです。それは英国の製作だったと思うのですが、医師や当事者、その親や友人などが出てきて、ペニスのサイズの統計のばらつきのデータの分布なども含め科学的見地で描かれていました。「短小」という言葉を越えて、極小と言えるサイズの人々が一定割合で存在していて、マイクロペニスと呼ばれているのです。(ある情報源では1000人に6人の割合という記載もありました)日本でそうした情報に接したことがなかったものですから、非常に示唆に富む内容に感動しました。(2020/03/28)


コラム
20X0年の幸せ  情報統制で「幸せ」の条件を極限すればみんな幸せ・・・
今から何十年後か後の世界はどうなっているのだろう。世界の人口は増加しているだろうし、異常気象は改善されたかどうかは未知数だ。今、そうした様々なテーマが地上にあり、理性をもって改善していこうという方向性もあるが、片方で理性を排除した政治への志向性も強まっている。危機が強まれば人間の精神も正気ではいられなくなるかもしれない。たとえば次のような日本になっている可能性はないのだろうか。(2020/03/28)


アジア
NPO法人アジア太平洋資料センターの最新報告「バナナが降らせる『毒の雨』」
 NPO法人のアジア太平洋資料センター(PARC)がフィリピンのバナナの生産現場における農薬とその健康被害についての報告書を新たにまとめました。バナナのプランテーションにおける画一的な大量生産方式が必然的に大量の農薬を必要とする、という悪しき構造を持っています。では、現地住民や労働者の健康被害はどのような状況なのか。1970年代からPARCの設立者の一人、鶴見良行氏(「バナナと日本人〜フィリピン農園と食卓のあいだ〜」の著者)が先鞭をつけたフィリピンのバナナの生産現場の研究が今も続いています。以下はPARCのプレスリリースです。2020年3月19日・NGO、フィリピンにて「バナナへの農薬を原因として健康被害を受けた」とする証言を報告 ・環境配慮認証レインフォレストアライアンス取得バナナから使用禁止農薬も複数検出(2020/03/20)


文化
ルドミラ・パヴロヴァ―さんのバッハ作曲「シャコンヌ」 北部の村、スタラパカでの夏の音楽祭 Ludmila Pavlová(violinist)  
チェコと言えばスメタナやドヴォルザークなど偉大な音楽家を輩出した音楽の国として知られていますが、音楽が盛んなのは首都のプラハだけではありません。北部、ポーランドとの国境に近い山岳地域のスタラパカと呼ばれる村の教会では気鋭の若手演奏家を中心としたコンサートが毎年夏に行われています。チェコだけでなく海外からも演奏家を招聘し、クラシックだけでなくジャズなども演奏されます。日刊ベリタでも何度か取材させていただいたプラハ在住のバイオリニストのリュドミラ・パヴロヴァーさんも毎年のように、この夏の音楽祭で演奏しています。名前は「Podkrkonosske」のサマーコンサートです。(2020/03/20)


みる・よむ・きく
辻静雄著「フランス料理の学び方」(中公文庫)
本という商品は、今、駅前の書店などでは一種の生鮮食品と言えばオーバーかもしれませんが、かなり回転が速くなっている気がします。10年前に棚にあった本の何割が今もあるかというと、かなり率は低いのではないでしょうか。しかし、本の中には出版時点では早すぎて未だ人々にその真価が十分に理解されないまま書店から撤収されてしまう本もたくさんあります。辻静雄著「フランス料理の学び方」は出版された当時も、おそらくは一定の評価を受け、ある程度読まれた本ではないかと思いますが、今日、この本がどのくらい日本の新刊書店にあるでしょうか?しかしながら、辻静雄著「フランス料理の学び方」は、むしろ、今のインターネット時代の方がもっと本としての価値が高まっていると思います。(2020/03/19)


みる・よむ・きく
Hanako COOKING BOOK 「ちゃんと作れる和食 〜和食の本当の味、忘れていませんか。〜」
Hanako COOKING BOOK 「ちゃんと作れる和食」。これは本と雑誌の中間にあるような、版元のマガジンハウスは「ムック」としていますが、写真の多い上質の紙を使った和食の解説書です。味噌汁のだしの取り方や包丁の使い方もありますが、筑前煮、サバの味噌煮、めばるの姿煮、天ぷら、あじのひと塩干し、牛肉とごぼうの当座煮、おでん、鶏の竜田揚げ、鶏の照り焼き、ぬか漬け、真鯛の刺身、きんぴらごぼう、江戸厚焼き卵、親子丼、大根とぶりのあら煮、五目炊き込みごはん、鯖の棒ずしなど、一通り和食のメニューが取り上げられています。解説は金茶流の柳原一成氏です。(2020/03/16)


みる・よむ・きく
平野由希子著「『ル・クルーゼ』だから、おいしい料理」 
偶然、最近入手した平野由希子著「『ル・クルーゼ』だから、おいしい料理」は、今まで知らなかったことが惜しまれる優れた本です。初版は2003年に出版されているので、すでに17年も経っています。ル・クルーゼはすでにもう知名度も高いフランスの厚手の鍋のブランドですが、僕は未だ持っていません。いつか買いたいと本書を読んで思いました。とはいえ、本書で取り上げられている料理のレシピは、おそらくル・クルーゼでなくても〜味は少し落ちるかもしれませんが〜作れるレシピでもあると思います。ぶり大根とか、炊き込みご飯などの和食のレシピも多少はありますが、基本はフランスの家庭料理です。典型は「にんじんと牛肉の白ワイン煮」。(2020/03/14)


文化
ティボー・ソルシエの1コマ漫画と料理  パンデミックで男が家に閉じ込められた時
フランスで最近出回っている1コマ漫画が、37歳のティボー・ソルシエによるもの。新型コロナウイルスで仕事場に行けなくなったお父さんと娘が台所で一緒に料理を作っている。お父さんは今までの仕事がむなしく感じられるようになり、この世界が狂っていることに気がつき始めるのだ。この漫画のタイトルは「自宅監禁の真の危険」。これは面白い視点だし、実際に、そうした男性はいるのかもしれない。職場では忙しさに追われ、調理する場所もないから、外食したり、コンビニ食をしたり、という人が多いはず。(2020/03/14)


欧州
Willemの風刺画 コロナウイルス騒動を笑う
フランスのリベラシオン紙にウイレムあり、と言われる風刺漫画の天才、ウイレムの新作はイタリアだけじゃなく、フランスなど欧州にも飛び火したコロナウイルス騒動を描いていました。ここで絵を掲載することはできませんが、「ウイルス」と題された作品では妻と夫と幼い子供の3人家族が全裸で立っています。彼らの後ろにはひっくり返った車やTシャツや家具やぬいぐるみなどが廃棄されています。茫然として、家族の前に立っている着衣の男に、全裸一家の男がこう言っています。(2020/03/11)


コラム
トイレットペーパーがなくなったら・・・コロナウイルス騒動で
コロナウイルスの騒動でトイレットペーパーが買い占められている、という噂がツイッターで出回っていた時、まさかそんなことが起こるとは思えなかったので何日か無視していた。それでもそうした情報が続くので、ある日、店を一度のぞいてみようという気になって行ってみたら驚いたことに売り場からトイレットペーパーがきれいさっぱりなくなっていたのである。まさか自分の暮らす街のリアルな現実になっていたとは。売り場の人に聞いてみると、前日から買いに来る人が増えてなくなり、問屋にも買いが注文して混乱状態になっている。だから次にいつ入荷されるかわからない、というのだった。これは困ったことになったな、と思った。(2020/03/08)


みる・よむ・きく
上西充子著 「国会を見よう 国会パブリックビューイングの試み」
上西充子教授(法政大学)らが始めた「国会パブリックビューイング」は、今となっては新聞・TV・ラジオなどのマスメディアで取り上げられてすっかり定着した市民運動になりましたが、始まってまだ2年ほどに過ぎません。<国会の質疑応答の1コマをノーカットで公共の場で一緒に見る、そして見どころには解説を入れる>。回を重ねるごとに新宿駅前地下のスクリーンを囲む人垣は大きくなっていきました。この運動が大きく成功したのには、いくつかの要因があります。明確な動機、技能や知識を持つ何人かの個性的な仲間、プロのマスメディアではないことによる新鮮な視点など。上西充子著「国会を見よう 国会パブリックビューイングの試み」(集英社)にはそれらが見事に凝縮されて記されています。将来、同じような活動をしてみようという人にとって参考になるでしょうし、マスメディアで報道の仕事に携わっている人にとっても大きな刺激になるに違いありません。(2020/03/06)


国際
大口の代議員数415を持つカリフォルニア州ではサンダース候補が勝利の見込み バイデン候補がどこまで迫るか
The Hillによればスーパーチューズデイの投票が終わった段階でAPの調べではサンダース候補が勝利の模様。カリフォルニア州はスーパーチューズデイで最大の代議員数415を抱えており、その何割を獲得できるかがスーパーチューズデイの結果に影響する。(2020/03/04)


国際
開票 nprの速報によるとバイデン候補はオクラホマ州、ミネソタ州、アーカンサス州、テネシー州、アラスカ州、バージニア州、ノースカロライナ州など7州で勝利の模様 サンダース氏は3州
アメリカのスーパーチューズデイの民主党大統領候補予備選で、バイデン候補に予想以上に勢いが出ていることがわかってきた。nprの開票速報では14州と1地域のうち、すでにバイデン候補が7州で勝利をほぼ決めており、サンダース候補はコロラド州、ユタ州、バーモント州の3州にとどまっていて、テキサス州でも予想以上に接戦の模様。その他、メイン州とマサチューセッツ州でもバイデン候補に勢いがある。(2020/03/04)


政治
The Hill誌 世論調査ではスーパーチューズデイはサンダース候補勝利の勢い 
米国の政治誌The Hillは民主党の大統領候補予備選の重要な分岐点となるスーパーチューズデイ前の世論調査でバーニー・サンダース候補が勝利する可能性があることを示した。カリフォルニア州やテキサス州など多くの代議員が獲得できる州だけでなく、かなり広範な州でサンダース候補が勝つ見通しであると言う。(2020/03/04)


文化
パトウ犬「モウグリ」は山岳地帯エクランに戻った ジャン=マルク・ロシェット(漫画家)Jean-marc Rochette   
山岳をこよなく愛するフランスの漫画家、ジャン=マルク・ロシェットさんは晩秋から春にかけてはパリで仕事をして、夏場はフランス南東部のローヌ=アルプ地域圏のエタージュの別荘で仕事をしています。趣味は山登りですが、山登りや山の羊を襲う狼などを素材にした漫画を最近、連作しています。その別荘である日、出会った一頭の若い牧羊犬がモウグリでした。犬種はパトウです。本来は好戦的な性格なので牧羊犬になっているのですが、モウグリはあまり戦うのが好きではないらしく、やがてロシェットさんの別荘で飼われるようになりました。ところが、冬が訪れ、ロシェットさんがパリに帰る時がやってきました。放っておくと、働きの悪い牧羊犬は殺されてしまう可能性があるため、ロシェットさんはモウグリをパリに連れて帰ることにしました。しかし、もともと山岳を駆け回る大型犬ですから、パリでは環境が十分に適していなかったようです。(2020/03/04)


政治
米民主党予備選 ブタジェッジ、クロブシャーなどの候補がバイデン候補側に回って離脱 民主党幹部らがサンダースつぶしで結束を促しているとの報道
 米民主党予備選も佳境にさしかかり、初戦で苦戦していたジョー・バイデン前副大統領がサウスカロライナ州での勝利をきっかけにトップを走っているバーニー・サンダース候補に対して反転攻勢に出た。ポリティコ誌によると、これを転機にとバーニー・サンダース候補に敵意を抱いているとされる民主党幹部たちは中道派の候補たちに選挙戦からの離脱を迫り、バイデン候補への一本化を促そうと試みているという。すでにブタジェッジ候補、そしてクロブシャー候補らが選挙戦から離脱し、バイデン候補支持に加わるとされる。3月3日のスーパーチューズデイと呼ばれる、全米50州のうち14州と1地域での一斉投票を前に形成を逆転する動きだ。(2020/03/03)


政治
パリの議会ではエドワール・フィリップ首相が反民主的な憲法49条3項を使って議決なしに年金改革法案の通過を狙う
すでにここ数か月、「黄色いベスト」だけでなく、多くの反対運動を起こしてきたフランス政府の年金改革法案を内閣が可決させるために、議決なしで通す憲法49条3項の措置を使った。これは内閣がその信任をかけてある法案を議会の議決なしで通すものだ。しかし、もし反対議員から動議があれば24時間以内に内閣不信任案を提出し、下院で多数決を行い、否決されれば内閣は総辞職することにもなる。(2020/03/02)


コラム
「緊急事態宣言」 安倍首相の賭け どこまで民主主義を破壊できるか押せるところまで押していく決意
コロナウイルスの騒ぎで後手後手、と批判され、さらに一斉休校要請の決断を批判された安倍首相は国会で緊急事態宣言の立法化について話したと言う。これは、一斉休校の要請で日本国内を動かしたことで安倍首相の中で「ワクワク感」が増幅された結果だろう。安倍首相の「ワクワク感」は、日本国民はどれだけ批判しようとも自分に対して効果ある手を打つことはできないと学習した結果、さらにその限界まで行ってやろう、という賭けに出たのである。実を言えば、すでに今の日本国民はどこまで押されてもゼネラルストライキを行使した経験もなく、国民的な実力行使の仕方を誰も知らない状態にある。さらに革命と言う言葉一つとっても、無条件に恐怖を掻き立てられる心性にある。安倍首相の思いを文言にすれば「不満のある方々、やれるもんならやってみなさい」ということになろう。(2020/03/02)


国際
「Democratic Debacle 民主党の敗北」The defeat of Hillary Clinton was a consequence of a political crisis with roots extending back to 1964. ヒラリー・クリントンの敗北の根っこは1964年に遡る ジェローム・カラベル(社会学)
本論考はカリフォルニア大学バークレイ校の名誉教授、ジェローム・カラベル教授(社会学)が2016年11月の米大統領選の翌月に発表したものです。米民主党のヒラリー・クリントン候補はなぜトランプ候補に敗れたのか。その根源は1964年に遡る、というのがカラベル教授の見立てです。民主党の変遷を知ることで、それが理解できるのです。4年前の論考は、米大統領選を迎える今読んでも決して古びることのない洞察を与えるものです。それはまたサンダース候補と中道派の候補者の民主党予備選を見る時に遠近法を与えてくれるでしょう。カラベル教授の許可を得てその論考を訳しました(編集部 村上良太)(2020/02/29)


国際
サンダース候補を選ばせたくない民主党幹部勢力
米民主党の党幹部たちやスーパーデリゲートと呼ばれる民主党議員などの多くがバーニー・サンダース氏を民主党大統領候補にしたくないために7月にミルウォーキーで開催される民主党会議で、たとえサンダース候補が一番人気があり、代議員をもっとも獲得していたとしても、最終的にこの会議で代議員の取引を行い、別の候補者を選出することを考えている、と左派メディアのジャコバン誌は警告しています。記事を書いたジャコバン誌のサム・ルイス氏とべス・フアン氏によれば、全米50州の3979人の総代議員数と、771人のスーパーデリゲートの票で民主党の候補を最終的に選ぶことになりますが、そこでサンダース候補ではない人に他の候補の獲得代議員数をもらって上に積んで逆転させる可能性がある、と言っています。それを防ぐために、スーパーデリゲートの地元で会合を開いたり、デモを行ったりして行動に出る、と言っているのです。(2020/02/28)


国際
サンダース候補の「民主的社会主義」をどう見るか 「Democracy Now!」のポール・クルーグマンとリチャード・ウルフの討論
バーニー・サンダース候補が民主党の候補になる可能性が高まってきた。そんな中、民主党候補らの討論会でもサンダース候補の「社会主義」を警戒する声が飛ぶ。それに対して、サンダース候補は「民主的社会主義」はデンマークのような福祉国家だと反論し、<アメリカの今を見れば大富豪たちは政府の補助金を得て税金も免除されているのに、貧しい人たちはその恩恵を受けない。金持ちにとっては社会主義、貧乏人にとっては個人主義になっている>などと反撃した。(2020/02/27)


国際
バーニー・サンダース候補の外交政策  オフィシャル選挙サイトから
米民主党予備選で先頭を走っているバーニー・サンダース候補の外交政策とはどのようなものなのでしょうか。サンダース候補の選挙サイトを見ました。まず、大統領が議会を無視して行う軍事介入をできないように議会の権限をもう一度強めると言っています。一方、アフガニスタンやイラクなどに駐留している米軍はできるだけ早く帰国させるとも言っています。イエメンで戦争を行なっているサウジアラビアへの軍事支援はやめると言っています。イランを核合意に戻すとも言っています。その他、民主主義陣営を支援し、権威主義国家群とは闘うと言っています。このあたりが、どの程度整合性が取りうるのか、実現性があるのか、そのあたりが今後の予備選や本選で問われるでしょう。(2020/02/26)


国際
サンダース候補の外交政策を報じたワシントンポスト 共和党や民主党ライバルたちはサンダース像をゆがめている
米国の大手放送局、CBSが「60ミニッツ」でバーニー・サンダース候補にインタビューしていましたが、そこで台湾に中国が侵攻したら介入する、と米外交政策を論じていました。このことは香港の民主化運動を行っているデモシストがツイッターで興味深く、記していた事でもあります。外交政策が報道で取り上げられる、ということは米報道機関から民主党の大統領候補になる現実性を高く見られていると言うことでしょう。(2020/02/25)


国際
バーニー・サンダース氏にCBSの「60ミニッツ」でアンダーソン・クーパー氏がインタビュー
ネヴァダ州の民主党予備選で勝利を得たバーニー・サンダース氏にCBSの「60ミニッツ」でアンダーソン・クーパー氏がインタビューを行っています。約13分30秒。このインタビュー自体は特にすごい、というものでもないですが、同時に足りていないこともなく、アメリカの標準的なインタビューと言えるでしょう。(2020/02/24)


国際
MSNBCがエドワード・スノーデン氏に独占インタビュー:Full Interview: Edward Snowden On Trump, Privacy, And Threats To Democracy | The 11th Hour | MSNBC
アメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の元局員で、NSAによる国際的監視網(PRISM)の実在を告発したエドワード・スノーデン氏がMSNBCの単独インタビューで現在のロシアでの生活や仕事、カショーギ記者の暗殺の背景、その他、様々なことを答えている。(2020/02/23)


国際
ブルームバーグ候補、ネヴァダでのつまづき  ウォレン候補の一刺し
富豪のマイケル・ブルームバーグ候補(元NY市長)が予備選に参戦して、討論会に参加した時、最も激しく攻撃したのがエリザベス・ウォレン候補だった。ウォレン候補はブルームバーグ氏は女性へのハラスメントが行ったことがあるうえ、女性への差別意識を持っている候補だと批判した。さらに、ブルームバーグ氏の企業は契約条項で社内で起きたことを外部に語らせないようにしていると批判した。討論会の場でブルームバーグ候補はうまく切り返せなかった。(2020/02/23)


コラム
米民主党予備選の政策論争から見えてくるもの
一昨年にフランスの社会と政治に関するルポを出したのですが、その時、2017年に行われたフランスの大統領選の様々な候補者たちが出版した本を読み比べる機会がありました。大統領選のない日本と比べると、フランスでもアメリカでも候補者たちの政策が述べられていて、1つ1つ読んでいくと意外といろんなことがわかってくるものです。アメリカの場合はフランスよりも政党の数が集約されているので、候補者は絞られてきますが、予備選まで含めるとそれぞれの候補者のホームページに目をやるだけでも今のアメリカの課題が何かについて、いろいろと参考になるものです。今、民主党予備選でトップを走っておるバーニー・サンダース候補の政策項目をホームページに見ると、国民健康保険やグリーンニューディールなどと並んで、みんなのための大学、という項目があります。ここで次のように現在の問題点を述べています。(2020/02/23)


国際
複数の米世論調査ではサンダース候補だけがトランプ大統領(現職)に勝てる民主党候補 〜国民皆保険案が圧倒的に支持される〜
ネヴァダ州の民主党大統領予備選でも勝利し、次のテキサス州入りしてサン・アントニオの集会で勝利宣言を行ったバーニー・サンダース民主党候補。その勢いはますます上げ調子になっています。米ジャーナリストのデビッド・フリードランダーはこれまで「サンダースではトランプに勝てない」と囁かれてきたのは単なる神話に過ぎないことを示し、複数の世論調査結果を提示しています。それによると、サンダース候補がそれぞれ多少の違いがあっても2ポイントから8ポイントくらいの差でトランプ候補に勝っているのです。(2020/02/23)


国際
サンダース候補が勝利宣言 ネヴァダ州の民主党予備選 「政治革命」を語る支持者たち
サンダース候補、ネヴァダ州でも勝利。支持者たちがなぜサンダース候補を支持しているかを熱く語るテキサス州のライブ。「政治革命」とは私たち自身だ、私たちみんなだ、と語る人もいます。(2020/02/23)


国際
ネヴァダ州の米民主党予備選  ラティノ系票がサンダース大勝の勝因
 昨日、米ネバダ州で行われた民主党の大統領候補予備選、事前の予測の中にはバイデン候補やブティジェッジ候補らとサンダース候補が接戦という見通しもありましたが、ふたを開けてみるとサンダース候補が圧勝しそうな勢いです。Voxの報道では、サンダース候補が突出した要因として、ラティノ系(ヒスパニック系)有権者が20%近く存在し(ラティノ系住民自体はもっと多い)、彼らの票がサンダース候補に注ぎ込んだとしています。(2020/02/23)


コラム
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の議長・南彰氏の慧眼
2018年9月から新聞労連委員長になった南彰氏は、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の議長もつとめており、昨年は"FIGHT FOR TRUTH”と称して首相官邸前で行われた、官房長官らの記者に対する不当な質問妨害への抗議集会を開くなど、これまでにない行動力を伴う言論人であり、労組のリーダーです。その資質は今、行っているテレビ朝日の「報道ステーション」のスタッフの大量解雇に対する抗議集会で、一層明瞭になったと思います。(2020/02/22)


みる・よむ・きく
講談社のお料理BOOK 「わが家の自慢カレー〜人気料理研究家イチオシ!〜」
日本には写真をたくさん使った料理の指南書が多数出ていますが、その多くが極めて高度のテクニックがあり、美しく仕上がっていていつも感心します。こういう料理の本を作るのには手間をかけているだろうな、と想像されます。そして、そうした素晴らしい本にもかかわらず、何年かすると新しく出版された本におされて書店から姿を消してしまうのは悲しいことでもあります。料理の本を一堂に集めた書店とか、図書館とかがあってもよいですね。講談社のお料理BOOK 「わが家の自慢カレー〜人気料理研究家イチオシ!〜」もそのような日本の手間をかけた一冊です。(2020/02/22)


政治
米民主党 新鋭アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員(民主党・下院)の行動力
昨今、アメリカの民主党では「プログレッシブ」という言葉に勢いがあります。progressive 。これは進歩的、という意味です。動詞のprogressは前進する、進歩する、という意味。現在のアメリカの文脈で言えば、格差是正のため再分配を重視し、人種差別に反対、マイノリティや移民の人権重視、あるいは男女間の差別に反対、LGBTの権利の重視というような意味です。ニューヨークタイムズ電子版(2月20日)のカティ―・エドモンドソン記者による「オカシオ=コルテスが民主党進歩派の選挙陣営を構築中」と題する記事は、今の民主党の空気が伝わってくるかのようです。(2020/02/22)


国際
マイケル・ブルームバーグ元NY市長が起こす民主党大統領選挙・予備選での波紋
マイケル・ブルームバーグ氏はブルームバーグという金融情報端末の創業者で、その成功の結果、大金持ちとして知られており、ニューヨーク市長を過去に3期12年務めた大物。そのブルームバーグ氏が民主党大統領候補を選ぶ予備選挙に参戦し、サンダース陣営とは別の形で波紋を呼び起こしています。ブルームバーグ氏の参戦について、アメリカでは金に糸目をつけず、スタッフも大量動員し、選挙宣伝の動画PRもTV局でバンバン流す、とすら報じられています。CBSで先日、報じられていたのはブルームバーグ陣営の最初のTV広告がサンダース候補を始めとする他の民主党候補者たちを非難する内容のものだったことです。(2020/02/20)


国際
サンダース候補らの提案する「みんなのためのメディケア」(Medicare for all)  米報道番組はどう報じているか 〜がんと診断されて4割が2年以内に全財産を使い果たす〜
今、始まったばかりの米民主党・大統領予備選で重要なイシューの1つがバーニー・サンダース候補が掲げる”Medicare for all”(全員のためのメディケア)となっていて、これは現在、複数の制度を併用しているのをシングルペイヤーというシンプル化した支払制度に転換しようということのようです。そこでこの制度に改めるとどのくらい財源がいるのか、などをめぐって議論が起きています。すでに2018年暮れに米報道番組「デモクラシー・ナウ!」で、Medicare for allがいったい何か、そして、どのくらいその必要性があるのかをめぐって司会のエイミー・グッドマン氏が詳しい人々にインタビューを行っています。(2020/02/16)


コラム
安倍政権と旧ソ連とアメリカ  日本にソ連型を導入した異色の自民党政治家
 「なぜ財界人はこの期に及んでも安倍首相の辞職を求めないか」という文章を先日書いたばかりです。旧ソ連や東欧をリアルタイムで知っているのは1991年以前に生まれた世代であり、29歳以上です。物事の輪郭がおぼろげに分かってくるのが仮に10歳としても39歳以上でしょう。すると、それ以下の世代は旧ソ連というものを知りません。筆者は安倍政権になると旧ソ連に似てくると2013年の特定秘密保護法制定の頃に批判的に書きましたが、あれから安倍政権のもとで6年以上が過ぎ、統計の不正や、公文書の改竄・廃棄、政府要人の不起訴、権力者の取り巻きへのえこひいき、という典型的な旧ソ連の弊害が起きています。安倍政権と自民党が日本共産党を攻撃し、自分たちは資本主義の政党だと自己認識しているであろうだけに、事態は滑稽を通り越して悲痛ですらあります。なぜなら自己の失敗を認められないことがまさに旧ソ連の特質だったからです。(2020/02/16)


政治
貧困層が医療に十分アクセスができないことを示す米政府資料
米国のU.S. Department of Health & Human Servicesという省庁が公開している貧困層の医療アクセスを考えるための資料があります。2014年ころのデータを使っているものなので、数年の差はありますが、これらの数値からアメリカの貧困に関する概要が見えてくるはずです。(2020/02/15)


政治
マイケル・ムーア監督がバーニー・サンダース候補を応援する理由
マイケル・ムーア監督と言えば「ロジャー&ミー」でGM工場の海外移転と衰退する工場街を克明に描き、「ボウリング・フォー・コロンバイン」では銃保有の問題を描き、「華氏911」でジョージ・W・ブッシュ大統領時代の問題を描き、「シッコ」ではアメリカに国民医療保険制度がない問題を描き、とデビューから一貫してアメリカの病根を独自の語り口でユーモラスに描いてきたドキュメンタリー映画監督です。このムーア監督は民主党支持で、政治に関して遠慮せず語ってきたことでも知られていますが、今回の予備選ではバーニー・サンダース支持を昨年秋から打ち出しています。(2020/02/15)


コラム
映画「恋愛小説家」と米大統領選
ジャック・ニコルソンが主演した「恋愛小説家」は、恋愛に不器用な恋愛小説の名人が恋に目覚める、という風変わりな設定が功を奏して、ヒットを記録した。この映画でニコルソン扮する小説家が恋をする相手を演じたのはヘレン・ハントで、作家がいつも昼飯を食っている近所のレストランのウェイトレスという役だった。バツイチの彼女には一人息子がいて、少年はよく病気になる。だから、母親はいつもストレスがたまっているのだ。これまでにも再婚を考え、デートをしても子供の心配が途中で絡んでくるためにうまくいかない。(2020/02/13)


政治
ティム・ロビンス「ドナルド・トランプに勝つ最良の候補がバーニー・サンダースです」
バーニー・サンダースがニューハンプシャー州での民主党予備選でも得票首位に輝いた。米報道番組「デモクラシー・ナウ!」ではバーニー・サンダースはトランプ現職候補に勝てるか?という設問で番組を作っているが、映画俳優のティム・ロビンスは「トランプに勝つにはバーニーが最良の候補」と語った。バーニー・サンダース候補は社会主義者とも言われ、アメリカでは常識外れと思われがち。穏健派でないとトランプに勝てない、という説に対して、ロビンス氏は次のようなことを述べた。(2020/02/12)


文化
フランスの漫画家クレール・ブレテシェさん亡くなる Claire Bretécher est décédée
フランスの漫画家、クレール・ブレテシェさんが亡くなった。79歳だった。フランスでは女性を中心に多くの読者を擁していた国民的漫画家だった。代表作は「アグリッピーヌ」や「欲求不満の人」など。(2020/02/12)


国際
米民主党予備選 エイミー・クロブシャー候補が世論調査で3位に追い上げる
米民主党予備選では首位争いをしているサンダース候補とブティジェッジ候補の後ろに、女性候補であるエイミー・クロブシャー候補が世論調査で浮上してきた。バイデン候補とウォレン候補に勢いがない間隙をついての浮上で、クロブシャー候補は討論会でも目立っている模様。当選すれば最初の女性大統領となる。(2020/02/10)


文化
アンソニー・マカーテン講演「笑いについて」 ニュージーランド出身で英国で活動している映画作家・放送作家・ジャーナリストがユーモアを披露
「ボヘミアンラプソディー」や「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」などの映画を手がけてきた映画作家でジャーナリストのアンソニー・マカーテン氏がTEDトークで英語のジョークを披露しています。(2020/02/10)


検証・メディア
アメリカの新興ニュースメディア「 The Intercept 」   EBay創設者が出資 グレン・グリーンウォルドなど進歩派がペンを握る 
「The Intercept」という名前のアメリカの新興のオンラインニュースメディアがあり、誕生して6年ほど。プログレッシブな立場、つまり進歩的な立場を取っているようです。出資者はピエール・オミダイヤ(Pierre Omidyar)氏、EBayの創設者です。デジタルメディアの大富豪が新しいメディアを立ち上げる、というと、富裕層にフレンドリーな媒体かと思いがちですが、「The Intercept」はどうもそうではないらしいのです。先日「The Intercept」はアイオワ州における民主党の予備選挙をめぐる混乱の元凶となった事情についてレポートしていましたが、それは開票のためのアプリを作った企業の親会社に、民主党幹部やピート・ブティジェッジ候補に連なる人脈があったという指摘です。(2020/02/09)


政治
ニューハンプシャー州での候補者討論会でサンダース候補がブティジェッジ候補を億万長者からの寄付で闘っていると指摘
月11日に投開票を控えるニューハンプシャー州入りした米民主党大統領予備選候補者たちは討論会に参加したが、その中でサンダース候補がブティジェッジ候補が大富豪の献金で闘っていると指摘した。これが米国内で話題となっている。以下は、ブティジェッジ候補が40人の億万長者やその配偶者から選挙資金を得たなどとするビジネスインサイダーの関連記事。(2020/02/08)


国際
「デモクラシー・ナウ!」 アイオワ州民主党予備選の混乱の背景 
エイミー・グッドマン氏が司会をつとめる米報道番組「デモクラシー・ナウ!」ではアイオワ州の民主党予備選の混乱の元凶となったのが開票のためのアプリの欠陥であり、それを開発した企業は民主党幹部とともに、ピート・ブティジェッジ陣営にも関係があるのだと言う。(2020/02/08)


国際
2月11日のニューハンプシャーの民主党予備選  予測ではサンダース候補をブティジェッジ候補が追う
アイオワ州に続いて民主党予備選が行われるのはニューハンプシャー州で投票は2月11日火曜日。MSNBCの報道では、複数のメディアの予測でバーニー・サンダース候補が首位にたち、ピート・ブティジェッジ候補が追う形となっている。一方、副大統領だったバイデン候補とエリザベス・ウォレン候補は開きが生まれている。(2020/02/08)


国際
開票の混乱の中、サンダース候補が勝利宣言  アイオワ州の民主党予備選の得票総数で6000票差で二位をしのぐ
バーニー・サンダース議員がアイオワ州の予備選の開票の混乱のなか、勝利宣言を行った。開票率97%で得票数でブティジェッジ候補に6000票の差をつけてトップに立ったことをもって語った。獲得代議員数は不明だが、ポピュラ―ヴォ―トと呼ばれる得票数自体で宣言した形となる。(2020/02/07)


コラム
「大いなる幻影:流動性、不平等とアメリカンドリームについて」ジェローム・カラベル(カリフォルニア大学バークレイ校 名誉教授)”Grand Illusion: Mobility, Inequality, and the American Dream” By Jerome Karabel
カリフォルニア大学バークレイ校で社会学の教鞭をとってきたジェローム・カラべル名誉教授はハフィントンポストなど多くのメディアに論考を書いてきました。最近、とくに注目されるのがビル・クリントン大統領時代以後の民主党の変質です。民主党がかつての労働者の政党から富裕層にフレンドリーな政党に変質してしまったというのです。今回、ここにキャバレル教授の許可を得て訳出した一文はアメリカの二大政党に対する歯に衣着せぬ批判で2012年の大統領選の時に書かれたものです。しかし、今日もまったく内容は古びていないと思われます。(2020/02/07)


国際
2020年のバーニー・サンダースの公約
4年前の2016年の大統領予備選では予想外の注目を集めたバーニー・サンダース候補は後半、民主党幹部たちのヒラリー・クリントン候補への応援によって代表の座を失うことになった。今回、再び出馬してきたバーニー・サンダース候補のライバルはバイデン元副大統領であり、どちらも高齢でバイデン氏は選出されても1期限りで退くと言っているそうだ。(2020/02/06)


国際
アイオワ州民主党予備選 62%現在 サンダースが得票トップ  ブティジェッジが代議員数でリード
 開票62%現在でバーニー・サンダース議員が僅差で得票トップを走っている。ただし、民主党候補を決める代議員数ではブティジェッジが少し多い。(2020/02/05)


コラム
朝日新聞がなぜ危険な新聞か   村上良太
フランスでは右傾化は右翼政党のアクションよりも、社会党のような左派政党からいつも起きる、という言葉を何度か耳にしました。中野晃一教授(政治学:上智大学)の優れた著作「右傾化する日本政治」では自民党の右傾化が中心的に分析されていたと思います。これはこれで優れた分析だと思うのですが、右傾化の原因をなしているのは右翼政党やその支持者だけではありません。むしろ、かつての左派政党だった社会党の議員たちが自民党と連立政権を作ったり、その後に党を割って出て行ったりしたことが日本における左派政党の空洞化を招き、結果的に右傾化を許してきた、と言えると思います。この経過はフランスにおける2017年の選挙でも同じです。(2020/02/03)


政治
アイオワ州の民主党大統領候補予備選の投票  予測ではバーニー・サンダースがトップ
今日、アメリカの民主党の大統領予備選がアイオワ州で行われている。アイオワ州の結果は全米の予備選に影響を与える、ということで誰が勝つかが注目を集めている。メディアの調査ではバーニー・サンダースがトップを走っている。二位はジョー・バイデン元副大統領。(2020/02/03)


コラム
バーニー・サンダース応援映像「人民の香水 バーニー」〜ボランティアで制作〜
アメリカで大統領候補たちの予備選が始まり、応援映像もYouTubeで出てきた。この映像はバーニー・サンダース候補のための「人民の香水 バーニー」。バーニー・サンダース候補の香水、とはかなり斬新な発想。「みんなのためのメディケアを」と訴える声。映像では学費の借金などを燃やしているカットも出てくる。(2020/02/03)


コラム
なぜ財界人はこの期に及んでも安倍首相の辞職を求めないか
フランスに留学してのちフランスで暮らしてきた実業家の日本人から、貴重なご意見をいただいたのですが、それは国会で安倍首相らの見苦しい事態が続いてきたにも関わらず、日本の経営者、財界人たちが安倍首相に辞職を勧告しない、ということでした。海外から日本を見た時に異様な事態だと言います。(2020/02/02)


文化
フランスから来日、エディ・デュフルモン氏が中江兆民とフランス共和主義について熱弁
中江兆民と言えば「東洋のルソー」と呼ばれ、フランス革命の思想家であったルソーの「社会契約論」(民約論)を翻訳した人として知られています。とはいえ、私の中江兆民に関する知識はそこで止まっていました。ですから、フランスのボルドー大学から来日して、昨日、東京の日仏会館で中江兆民について熱く語ったエディ・デュフルモンさんのことを書きたいと思います。そもそもフランス人がなぜルソーを翻訳した中江兆民にそこまで情熱を注ぐことができるのか?ということが私にとって好奇心でもありました。デュフルモンさんの知的動機はどこにあったのだろうか、と。(2020/02/02)


みる・よむ・きく
岡谷公二著 「アンリ・ルソー 楽園の謎」 
最近、日本の風景や庭園を何日かに渡って撮影したのですが、丸一日、風景に浸る経験をこれまであまり意識的にしたことがなく、意外にも満ち足りた時間を満喫することができました。ただ風景と向き合うだけでこんなにも発見があり、感覚が刺激されるものだったとは。そんな中、風景を見る自分の見方の基盤に、ある画家の絵画世界が影響を与えていることに気がつきました。その画家とは素朴派と呼ばれるアンリ・ルソーです。アフリカの砂漠でジプシー女が月明かりの下で眠っているとライオンが静かに近寄っている、というような絵や、ジャングルの中で黒人がジャガーに食いつかれている絵など、その多くが異国的かつ幻想的なムードを漂わせています。(2020/02/01)


みる・よむ・きく
ロバート・O・パクストン著「ヴィシー時代のフランス 対独協力と国民革命 1940−1944」
ロバート・O・パクストンと言えば、フランスにおける対独協力の歴史に戦後いち早くメスを入れたアメリカ人の歴史学者です。その著「ヴィシー時代のフランス 対独協力と国民革命 1940−1944」はまさにその代表作の1つとも言っていいような研究書です。翻訳者の一人、渡辺和行氏によると、1972年に本書はアメリカで出版され、翌年フランス語に翻訳されて出版されたとされます。つまり、1945年の戦争終結から27年も経っていた事には事情がありました。その間、フランス人たちはナチ占領時代の記憶を、自分たちは対独レジスタンスの側に立っていたのだ、という風に思いたかったとされます。実際には、本書で指摘されているように、1940年の敗北後、ドイツと妥協したヴィシー政府は自ら進んでナチスと欧州新秩序を構想したり、自らユダヤ人の排斥を進んで引き受けたりという事実があり、フランス人の記憶に異議を唱えることになりました。(2020/01/29)


みる・よむ・きく
高橋康也著「道化の文学 〜ルネサンスの栄光〜」
本書は道化論ですが、著者の高橋氏が書いている通り、道化一般についての論ではなく、文学に現れる道化に限った文学論として書かれています。登場する道化はエラスムスの描いた「痴愚神」、ラブレーの「パンタグリュエル」、シェイクスピアの「フォールスタッフ」「フェステ」、セルバンテスの「ドン・キホーテとサンチョ・パンサ」など。タイトルにあるように、道化の文学が最も輝いた全盛期はルネサンスの時代であり、人文主義作家のエラスムスやラブレーらによって開拓された道化文学が、やがて劇作家のシェイクスピアや小説家のセルバンテスらによってその頂点が築かれたとされます。『道化の文学 〜ルネサンスの栄光〜』が興味深いのは、道化に関する考察だけでなく、道化の文学が成り立つ時代背景を描いていることです。(2020/01/28)


みる・よむ・きく
亡命した家族を描いた女優マリーナ・トメ(Marina Tomé )さんのオリジナル戯曲「白昼の月」(La lune en plein jour) パリのユシェット座で4月6日まで
 イヨネスコの舞台を長年やっているパリのユシェット座で今上演されているのが女優マリーナ・トメ(Marina Tome )さんのオリジナル戯曲「白昼の月」(La lune en plein jour) 。トメさんはパリ在住ですが、出身はアルゼンチンで母語はスペイン語。この舞台はそんな彼女の人生を描いたものです。アルゼンチンから軍事独裁政権を逃れて命からがらパリに渡ってきた彼女の家族、そしてパリでも監視下に生きてきた亡命者たち。しかも、彼女の場合はアルゼンチンにいた家族は、かつてポグロムというユダヤ人狩りが行われたポーランドを逃れてきたという苦難の歴史を持ちます。そんな中、彼女は二つの言語と二つの国のはざまに揺れながら、異郷パリの地でやがては舞台に、映画に、表現に生きる道をつかみ取ります。(2020/01/27)


コラム
ルーアンでの反年金改革デモの女性弁護士たちのダンス フランス各地で女性たちが年金改革への反対をダンスで表現
フランスでマクロン大統領の年金改革への反対運動が起きていますが、目を引くのは女性たちが各地でダンスで表現していることです。「マクロンのせいで・・・」という歌に合わせた踊りはすでに紹介しましたが、ニュージーランドのマオリ族の民族舞踊ハカで怒りを表現したりと地域ごと、職種ごと、グループごとに様々な自発性を伴うスタイルです。今回紹介しますルーアンの反対運動でもダンスが用いられていますが、パリでのスタイルとはまた異なっています。(2020/01/26)


コラム
「マクロンのせいで・・」 パリ東駅でアタック・フランスの女性メンバーが年金改革への抗議のダンスを披露
先日も記事にしたことですが、フランスでは今、マクロン大統領と政府に対する反対運動の焦点は年金改革への反対にあります。前回の記事でも女性の労働者が最もこの改革で被害を被るであろう旨をインタビューでお伝えしましたが、それゆえか、女性たちが抗議運動を盛り上げています。下のリンクは彼女たちはアタック・フランスのメンバーで、音楽に合わせてダンスをしながら、年金改革で誰が得をするかを告発しています。それは複数の大手の金融企業であり、それはダンスの小道具としても登場します。(2020/01/26)


国際
フランスで年金制度改悪への大規模反対デモ 
昨日、パリで多数の市民がマクロン大統領らの進める年金制度改悪に反対して大規模なデモ行進を行った。手には松明を掲げる人々も多数に上った。これはパリジャンの映像。ちなみに年金制度改革への反対のストライキはすでに40日以上になっている。松明を掲げる反対デモは北部のリールや中部のクレルモン=フェラン、東部のディジョンなどの地方都市でも行われている。フランス最大の労組C.G.TやF.O, さらに教職員が多数参加しているF.S.Uなどの労組が呼びかけている。(2020/01/24)


みる・よむ・きく
ラジ・リ監督の傑作映画「レ・ミゼラブル」 〜郊外をめぐる2つの結末〜
フランスの映画「レ・ミゼラブル」の試写会への誘いが来ました。「レ・ミゼラブル」というと、著名なヴィクトル・ユゴーの小説が想起されますが、この映画ではその小説の舞台となったパリの東17キロにある郊外の町、モンフェルメイユが舞台になっています。直接の共通点はそれだけ。とはいえ、確かにこの映画を見終えて、深い衝撃に満たされました。モンフェルメイユの現実、大人から子供まで、民族も思想も多様な人間たちそれぞれの「存在」。そして住民間の衝突。監督のラジ・リはこの町でずっと暮らしてきた黒人の監督で、2005年にこの界隈で起きた暴動も自分でビデオを回して撮影していたのだそうです。その時に大量に撮りためた映像を基にドキュメンタリーの監督としてキャリアを始めたと言います。こうした経緯が、これまでのフランス映画にはなかった何か、新しい味わいを生み出した秘密でしょう。(2020/01/21)


コラム
フランスの年金制度改革へ女性たちが反対を示す踊り 「マクロンのせいで〜」 踊る女性たちに聞く
マクロン大統領たちの年金改革に反対しているAttac(アタック)フランスの声を昨日伝えましたが、アタックはもともと金融の規制緩和が経済にダメージを与えている根源だと考えてきました。このアタック・フランスにとって、金融界の出身であるマクロン大統領はまさに、そうしたシンボリックな政治家です。昨日、アタックのロドリゲスさんが指摘したことはこの年金改革で最も生活がダメージを受けるのは女性の非正規労働者だという話でした。そのこともあって、アタックの女性たちは、マクロン大統領の年金改革を風刺するダンスを始めました。タイトルは「マクロンのせいで〜」。この運動のリーダーの一人、山本百合さんは日本人の父親を持つ日仏混血のフランス人です。ダンスの最前列で踊っています。(2020/01/21)


コラム
日本の大メディアによる、フランスの年金改悪反対デモの伝え方  朝日新聞もNHKもデモへの冷笑的視点で描いてきた
僕がフランスに足を運ぶようになって20年近くになりますが、そこで気がついたことは日本のメディアがいかにフランスの状況を伝えていないか、ということ。あるいは、こうも言えます。いかに大企業目線、富裕層目線でしか伝えてこなかったか。たとえば、以下のNHKの記事。見出しは、「仏 オペラ座 公演キャンセル相次ぐ 演奏家が年金改革反対訴え」読んだらお分かりいただけると思いますが、こうした記事にはパターンがあり、最後にデモとかストライキでいかに市民が「迷惑」しているか、ということが落ちになっています。朝日新聞の記事でもそうです。デモがなぜ行われているか、当事者の切実さを描く記事はとても少ないです。多くの場合、記者の視点が冷笑的なんです。(2020/01/20)


みる・よむ・きく
ミシェル・フーコー著「マネの絵画」(阿部崇訳)
昨年、来日したフランスの哲学者がミシェル・フーコーの専門家でもあり、その話から大いに刺激を受けたことから、齢50代半ばにして初めてフーコーを真剣に読み始めました。フーコーと言えば一般に権力批判とか、近代になって排除されるようになった異常性あるいは狂気という問題の本質は何かといった精神医学へのアプローチがまず想起されるのではないかと思いますが、その一方で本書「マネの絵画」に見られるように芸術への思索もあります。フーコーによる「マネの絵画」を読んでみると、画家としてのマネを知るに最適であるだけでなく、もしかしたらフーコー入門にも最適なのではないか、という印象を受けました。(2020/01/16)


コラム
カイロの猫たちの記録  ラムセス2世の死  Heather Hermit
ラムセス2世は孤立していた子猫で、2018年2月に大エジプト博物館の建設サイト近くで私が見つけました。そこには猫の家族が暮らしていたのですが、しかし、みんな次々といなくなってしまったのです。ラムセスはその猫家族の最後の生き残りでした。私が見つけた時はとても病んでいて、飢え、脱水症状を起こし、ほとんど死んでいたといってよいような状態でした。(2020/01/13)


コラム
台湾総統選と若者たち
 11日の台湾の総統選で独立への道を志向する民進党の蔡英文氏が再選を果たした。蔡氏が前回、総統に選出されたのは2016年1月で、大きなきっかけとなったのが2014年3月に起きた台湾の大学生たちによる議会(立法院)の占拠・立てこもりだった。この立てこもりをなぜ若者たちが起こしたかと言うと、当時与党だった国民党が秘密裏に中国政府との間でサービス分野も含む自由貿易協定を締結し、数に物を言わせて立法院での議論もほとんどないまま批准の強行採決を目指していたからだった。若者たちは強行採決阻止を狙って、数十人で立法院に突入した。(2020/01/12)


国際
フランスの風刺漫画家ウィレム(Willem) の1枚  マクロンの年金改革への風刺漫画があまりにも日本の某大臣を思い出させて
以前、フランスのリベラシオン紙に風刺漫画家ウィレム(Willem)あり、と書きましたが、今も健筆。最近の1枚はマクロン大統領とその仲間たちが進めている年金改革を風刺したもの。(2020/01/12)


国際
12月31日 トランプ大統領はイラクでの米大使館襲撃の原因はイランにあると断定 イラクで報復攻撃
トランプ大統領は12月31日(火曜)に、このところイラク国内で米大使館などが襲撃されているのはイラクでデモを行っている群衆の背後にイランが潜んでいると断定、報復の可能性を示していた。この火曜日の米大使館襲撃では米国人に死傷者は出なかった。(2020/01/03)


歴史を検証する
ナチ・ハンター セルジュ・クラルスフェルトとベアテ・クラルスフェルト夫妻の挑戦
ナチ・ハンターという言葉がありますが、これは史上最大のレイシズムを欧州で巻き起こし、欧州におけるユダヤ人の絶滅を試みたナチスの責任者を追及した人々を指します。著名な人にアメリカで活動したサイモン・ウィーゼンタール氏がいますが、フランスのセルジュ・クラルスフェルト氏も欧州では著名なナチ・ハンターとして知られています。ドイツ人のベアテさんを妻として二人で責任追及の道を歩んできました。クラルスフェルト夫妻の足取りは非常に興味深く、示唆に富んでいます。(2020/01/01)


コラム
30年間続けた英字新聞の定期購読をやめて
最近の企業経営者の中にはファンの心が読めなくなった人が多いように感じる。いまだに首相と会食を続ける日本の新聞社の幹部たちがそうだが、残念なことで言えば、編集スタンスの異なるジャパンタイムズとセットで購入させるニューヨークタイムズ国際版(紙版)もそうだ。新聞を手にして読む読者の心から遠く離れている。おかげで30年間、取り続けた英字新聞の購入をとうとうやめることになった。新聞と言えば紙、という思いがあったのに残念だ。(2019/12/31)


みる・よむ・きく
講談社「英語で読む高校世界史」 
最近、町の書店で高校の世界史の教科書を英語にした本が売られていたのを見ました。出版社は1つは山川出版社(英文 詳説世界史)で、もう1つが講談社(「英語で読む高校世界史」)でした。どちらもよく似たコンセプトです。筆者が購入したのは講談社によるものです。これは高校の「世界史B」(東京書籍)を全文英訳したもので、380ページ近くあります。世界史を英語で学ぶメリットは言うまでもなく、世界史を学びながら英語も学べると言う一石二鳥の効果です。もう1つは、英語で歴史を学べば、世界中の人と英語を通して情報交換ができ、交流する道が開けてくることにあります。(2019/12/31)


検証・メディア
放送局はこれからも必要なのか?   今、進行するパラダイムの転換
今年、国会パブリックビューイング(国会PV)に何度か出かけて記事も書きました。主催しているのは上西充子法政大学教授や全労連の伊藤圭一さんらのほか、映像的な技術やソフト作りの面で真壁隆さんや横川圭希さんなどの優れたスタッフもいます。最初に出かけたのは2月でしたが、70分くらいの持ち時間で1つのテーマで濃密に国会の質疑応答を見せていく手際は非常によく、既存のTV番組よりも面白くためになるコンテンツではないかと率直に感じました。国会PVをその場で見る人垣は60人から100人くらいですが、この国会PVをライブで撮影したものをYouTubeにUPすることで、不特定多数の人が津々浦々で国会を見て、その解説を家に居ながらにして聞くことができます。(2019/12/29)


歴史を検証する
日本の官僚の歴史的・社会的研究を  安倍政権時代の官僚たちの先駆を考察する
 公文書の改竄とか破棄とか、黒塗りとか、「決済はなかった」とか、今日の安倍政権の影響下にある官僚たちのやっていることの異様さを示す報道に事欠きませんが、なぜそうなったのか。これに関して言えば内閣人事局の設置が2014年に行われたことが直接の引き金になったと指摘されています。とはいえ、もう少し社会史的かつ歴史的に検証する必要があるのではないかとも思います。野党合同の官僚への質問の中継などを見ていると、普通の人々の目には官僚たちの答えがどうしても異様に見えるのです。日本の官僚の歴史について言えば、筆者は専門的研究をしたわけではないので、直感に過ぎませんが、いくつかの時代に分けて考察する必要があるのではないでしょうか。(2019/12/29)


コラム
現代日本の「凡庸な悪」  NHK独立検証委員会の設置を
2016年の夏、それまで筆者が世界の民主主義の運動を取材してきたNHKの番組が終了となり、その後に出会ったNHKのプロデューサーたちから「もう構造を描く番組はいりません」とか「知識人の言葉はもうドキュメンタリーには必要ありません」あるいは「面白いシーンだけあればOKです」などと立て続けに言われたので衝撃を受けた。当該テーマに関して個別・各論的に語られたのではなく、一般論的に言われたのである。2016年夏と言えば今年をもって退任する石原進氏が経営委員長に就任した時期だ。石原氏は経営委員長としてNHK会長を通してクローズアップ現代+の制作現場に大きな圧力をかけたことが最近、毎日新聞でスクープされた人物だ。かんぽ生命保険の不正販売を報じた「クロ現+」に日本郵政グループの抗議を受けたとしてNHK経営委員長らが圧力をかけた事件である。その石原氏が経営委員長に就任した頃に企画の募集要項とか選抜の方針が大きく変わったのである。そういったNHKのプロデューサーたちは自分の言葉を語っていたのではなく、上司から言われたことを私たちインデペンデントの製作者に語っていたのだと思う。(2019/12/27)


経済
ブルーオーシャン戦略 
新しい需要を自ら作り出してライバルのいない市場で稼ぐ「ブルーオーシャン戦略」がアメリカで提唱されて、発展しています。提唱者はW・チャン・キム氏と、レネ・モボルニュ氏。(2019/12/27)


コラム
新聞配達店の異変  
先日、朝日新聞から毎日新聞に30年ぶりに新聞の変更をしたことを書きました。首相の懇談会に参加せず、権力から独立した路線を取ろうとする毎日新聞を応援するためです。いつも新聞を届けてくださる朝日新聞の配達店の人に申しわけないな、と思って電話したら、「何か当方のことが原因ですか?」と聞かれるので、配達店の方には何の不満もありません、と答えました。「新聞を替えるものですから」と言って毎日新聞に替えることを告げると、「それならうちからお届けできますよ」と言う答えでした。(2019/12/26)


検証・メディア
国会パブリックビューイング 「桜を見る会」 田村智子議員が駆けつける 〜1時間でこの問題の概要がわかります〜
「桜を見る会」ビフォー・アフター 国会パブリックビューイング 2019年12月24日(街頭上映用映像)(2019/12/25)


検証・メディア
「桜を見る会」にスポットを当てて攻めている田村智子議員(日本共産党) 国会パブリックビューイング
困った時に本当の友達がわかるように、国が危難にある時、本当の議員がわかるというものです。今夜の国会パブリックビューイングは〜すでにもうそれが何かの説明も不要でしょう〜11月8日の国会・予算委員会での田村智子議員(日本共産党)の質問を取り上げました。テーマは安倍首相の新たな不正疑惑「桜を見る会」について。「桜を見る会」が話題になっているのは安倍首相ら自民党議員らの後援会を慰労することに税金が使われていたのではないか、という疑惑があるからです。国会PVで今回取り上げるように田村議員の11月8日の質問でこの問題に注目が集まることになりました。その田村議員が国会PVに駆けつけた時、100人以上いたであろう人々から大きな拍手が起きました。田村議員の奮闘に心を動かされた人々が自然に出た反応だったと感じます。(2019/12/24)


国際
ブランド戦略の大家 デービッド・A・アーカーの講演 Marketing Guru David Aaker, "Brand Relevance"
 UCバークレー大学のハース経営大学院名誉教授であるデービッド・A・アーカー氏よるブランド戦略のスピーチ。「ブランド優位の戦略」などの著書がある。(2019/12/23)


コラム
ファシズムと秘密警察と共謀罪
伊藤詩織さんのレイプ事件で、2015年に逮捕状が出されていながら執行直前で所轄警察署員に警視庁の上層部から逮捕取りやめの命令が入ったことが今回話題になっている民事訴訟が起こされるきっかけになりました。それだけでなく、安倍政権のもとで起きた様々なスキャンダルに対して、警察・検察がほとんど動かないことから政権に忖度して、あるいは政権の命令によって、その運用が差別的あるいは恣意的になっているのではないか、との疑惑が国民の間に膨らんでいます。このことは来年、国会の大きなテーマになるでしょう。(2019/12/23)


検証・メディア
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その11 東京新聞労組・宇佐美委員長の声明
今年3月、首相官邸前で東京新聞の望月記者の質問への官邸側の弾圧に抗議する集会が行われました。その時に新聞各社の労組の声明が伝えられましたが、望月記者が所属する東京新聞労組の委員長、宇佐美昭彦氏もマイクを握りました。以下がその声です。「東京新聞労働組合委員長の宇佐美です。望月さんは私たちが働いている東京新聞の同僚です。望月さんは記者会見で記者として聞くべき当たり前のことを行っているのだと思います。・・・」(2019/12/22)


検証・メディア
東京新聞労組が自社の新聞記事を批判 「こんな報道は本当にやめるべきだ」
東京新聞労組が自社の新聞記事を激しく批判している。偶然目にしたのだが、そういうのを見たのは初めてなので引用したい。批判の対象となった記事は<首相、報道写真展を観賞 「日本が世界で輝いた年」>という見出しで、共同が配信したもの。安倍首相の言葉も引用されていた。<「たくさんの人に日本を訪問していただいた。日本が世界の真ん中で輝いた年になった」と感想を述べた。>これについて東京新聞労組は次のようにツイッターで述べた。(2019/12/22)


コラム
冷戦終結後に準備された安倍政権誕生の空気 3つの局面で見る
今日の安倍政権を戦後初のファシズム政権と位置付けていますが、それは一夜にして突発的に生まれたものではありません。1989年の冷戦終結や1991年のソ連崩壊などに端を発する世界の構造の変化が底流にあります。この流れを理解しないと、今起きている安倍政権の腐敗をかつてのフィリピンのマルコス大統領の独裁政治などと同一視してしまいかねません。では冷戦終結後に何が起きたのか?折しも日本にとって冷戦終結期はバブル崩壊期と時を同じくしていました。1980年代に芽生えたアメリカを抜いたと思ったほどの経済大国の意識が一夜明けるとあっけなく崩壊して、昨日まで日本の優れた官僚制システムは、日本独自の閉鎖的なモデルとして徹底批判され、アメリカ式のグローバル化を強要される結果となります。(2019/12/21)


コラム
山口敬之氏の記者会見を見て 〜明らかにならなかった最大の謎〜
伊藤詩織さんがレイプされたとして損害賠償を訴えた民事訴訟で伊藤さんが勝訴し、それにあたって伊藤さんと訴えられた山口の山口敬之氏(元TBSのワシントン支局長)の記者会見がそれぞれ東京の外国人記者クラブで行われました。この記者会見でデイリービーストのアメリカ人記者が次のような質問をしました。「あなたへの警視庁の逮捕状は、菅官房長官の秘書だった人物によって取り消されました。あなた自身ジャーナリストで刑事事件も取材したことがありますが、逮捕状が取り消されたケースはありましたか?あなたはいわゆる上級国民扱いされたが、他のケースではJailに入っています」(2019/12/21)


みる・よむ・きく
フランソワ・ドゥノールとアントワーヌ・シュワルツ著「欧州統合と新自由主義 〜社会的ヨーロッパの行方〜」
英国の欧州連合からの離脱に関する記事を読むとき、日本ではほとんど報じられてこなかった視覚があることをいつも感じてきました。つまり、欧州連合の組織的・構造的欠陥です。欧州連合の統合のあり方が単なる「単一市場」であるなら、それは新自由主義を加速させる装置でしかない、という視覚です。本書でも引用されている「ヨーロッパは我々の構造調整プログラムだった」という言葉がすべてを表すかのようです。フランソワ・ドゥノールとアントワーヌ・シュワルツが書いた「欧州統合と新自由主義 〜社会的ヨーロッパの行方〜」はその歴史をひも解いた貴重な分析であり、フランスではピエール・ブルデューが設立した出版社であるレゾン・ダジール社から出版されたものです。(2019/12/21)


安倍政権を検証する
性暴力被害訴訟で勝訴 ジャーナリストの伊藤詩織氏が外国特派員協会で会見(2019年12月19日)
性暴力被害訴訟で勝訴 ジャーナリストの伊藤詩織氏が外国特派員協会で会見(2019年12月19日)(2019/12/20)


安倍政権を検証する
性暴力被害訴訟で賠償命令 元TBS記者の山口敬之氏が会見(2019年12月19日) THE PAGE
性暴力被害訴訟で賠償命令 元TBS記者の山口敬之氏が会見(2019年12月19日)(2019/12/20)


文化
俳優ケヴィン・ポラックのトークショー
スタンダップコメディアンで俳優のケヴィン・ポラックはトークショーをYouTubeで公開しています。たとえば、以下のリンクは映画監督のロブ・ライナーとの対談です。ロブ・ライナーと言えば大ヒットしたラブコメの映画「恋人たちの季節」「あなたにも書ける恋愛小説」などの監督です。(2019/12/20)


コラム
大企業の経営者目線の朝日新聞の経済記事 
最近、毎日新聞が安倍首相の懇談会を欠席して自由に記事を書く選択をしたことで朝日新聞から毎日新聞に替えた、というメッセ―ジを目にします。こう書く僕自身も元日から毎日新聞に替える手続きを下ばかりです。朝日新聞と言えば「左」という風に見られていますが、経済記事を見る限り、新自由主義を進める自民党の主張と大きく離れていない印象を受けます。雇用の不安定化などを招いている自由貿易協定もずっと推進の立場です。最近で言えば、フランス政府の年金改革への労働者たちの反対デモの報道でも、デモをしている労働組合の人たちは既得権を守るために反対している、という印象を与えています。(2019/12/19)


検証・メディア
毎日新聞が再び安倍首相の懇談会を欠席  買って応援
毎日新聞統合デジタル取材センター長の齊藤信宏氏がツイッターで再度、安倍首相の記者を対象とした会合に毎日新聞は欠席した、と伝えています。齊藤信宏氏「またしても #安倍晋三首相 が懇談実施。今度は若手の多い #総理番記者 が対象だったそうです。毎日新聞は欠席しました。」(2019/12/18)


コラム
最も効率の良い日本のファシズム  〜ファシズムも家電製品のように進化する〜
人間が創り出したファシズムも電話や家電製品と同様に進化すると思います。日本人ゼロからのは開発は苦手ですが、手を加えてより優れた品に磨き上げるのが得意な国民性を持ちます。ファシズムに関してもイタリアやドイツで生まれたファシズムを日本で磨き上げたのが今日の安倍政権のファシズムです。何が違うか、と言えば効率がよい、ということにつきます。(2019/12/18)


政治
途上国の独裁者か、ファシストか 
ネットでは異形の安倍政権が途上国の独裁者型という説と、ファシストであるという説が飛び交っています。筆者は途上国の独裁者型の要素はあるとしても、ファシズムの特徴を備えていることからファシストであると考えています。その理由を過去のファシズムの定説に沿ってあげたいと思います。(2019/12/17)


コラム
フランスの社会学者メラニー・ウルスさんの見つめる日本の「貧困」 
 厳寒の師走の夕べ、日本の貧困問題を研究する社会学者、メラニー・ウルスさんの話を聞く機会がありました。講演の中心的なテーマは高度経済成長を過ぎて、豊かになったはずの日本で「貧困」という言葉がいつ、どのように浮上してきたか、ということです。タイトルは「日本における貧困問題の認識とその変遷」。これはなかなか面白い視点。というのも、僕も記憶をたどれば日本は豊かな国だったはずだから。講演は貧困の実態の調査報告ではなく、「貧困」という語がどのように日本で認知されてきたか、ということにあります。(2019/12/17)


コラム
ファシズムの「兆候」ではない ファシズムの真っただ中
安倍政権をファシスト政権だと明快に書いたら、普段の倍以上の人に読まれています。ここで誤解のないように指摘したいのは、今の安倍政権が行っていることはファシズムの「兆候」なのではなく、今、すでにファシズムが「全開」しているということです。ファシズムなら、ジャーナリストを投獄したり、銃殺したり、黒シャツを着たり、少数民族を収容所に入れたり・・・といった20世紀のファシズムを思い浮かべがちですが、21世紀の今日、ファシズムも新しくなり、ネオ・ファシズムと言っていい形態になっています。(2019/12/16)


コラム
安倍政権のファシズムに終止符を打つ時  与野党を超えた国民的団結が必要
まず安倍政権になって何が起きたか。安倍首相の提灯報道こそあれ、逆に現実は北方領土が返還される見込みはなくなったばかりか、わが国固有の領土と呼ぶこともできなくなりました。これが「日本を取り戻す」とスローガンを掲げて政権を取った安倍政権の象徴的な現実です。子飼いのマスメディアを使って粉飾報道をさせるばかりで、政策の失敗に対する国民への真の謝罪はありません。2012年と比べて鳴り物入りのアベノミクスは失敗し、実質賃金は低迷し、消費不況が最悪なレベルまで深まっています。それ以上に恐ろしいことは安倍首相には軍事作戦を実行できる胆力も責任感も知性もなく、無能であるということです。安倍首相はかつて稲田朋美議員を防衛大臣に任命しましたが、戦争はロマンでは勝てません。このような首相のもとで集団的自衛権を行使して戦争に参加した場合、日本が独立を失い、長く続いた天皇制にも終止符を打たされる可能性があります。これは与野党を超えた日本の危機です。国会でも野党議員の質問に対して、ヘラヘラ笑ってまともな回答はしません。このような政治リーダーを見た日本の子供たちは日本に対する誇りなど持てないでしょう。(2019/12/16)


国際
チリの大衆デモ  ピ二ェラ政権への抗議
チリで大衆デモが激化している。以下はニュースの映像。(2019/12/16)


欧州
Election 2019: Story of the night - BBC News  英国の総選挙ニュース(BBC)
英国の総選挙ニュース(BBC)(2019/12/14)


みる・よむ・きく
ロバート・パクストン著 「ファシズムの解剖学」 〜平成ファシズムの歴史を総括する時〜
恥ずかしながら、長い間、歴史学者ロバート・パクストンが書いた"The Anatomy of facism "(ファシズムの解剖学)は邦訳されていないものと思い込んでいました。ところが、2009年に 瀬戸岡 紘氏が訳出して出版されていたのでした。ロバート・パクストンは世界的なファシズム研究の第一人者で、フランスの第二次世界大戦の時代の対独協力の影の歴史にもいち早く切り込み、フランスの歴史学者に多大な影響を与えた人物です。(2019/12/14)


コラム
安倍首相との会食を拒否した毎日新聞への熱い眼差し
先日、安倍首相との会食を拒否した毎日新聞を購読することにした、という小さな記事に対して、共感したというメッセージを読者の方からいただきましたので、一部紹介いたします。「私は地域柄中日新聞を購読していますが、「毎日新聞社安倍さんとの会食取りやめました」の記事を読んだ2,3日後に、毎日デジタルにスタンダード版ではありますが、応援の意を以って、初めてのネット有料購読を申し込みました。・・・」(2019/12/14)


検証・メディア
NHKは女性の活躍に反対なのだろうか? 〜なにゆえに経営委員に長谷川三千子氏が居座るのか?〜
NHK経営委員に再任された長谷川三千子氏は埼玉大学の名誉教授だが、1億人いる日本人の中で〜その半数が女性の中で〜NHK経営委員を再任するほどの資格や見識があるのだろうか?長谷川氏は過去に、男女間の職業差別を解消するための男女雇用均等法を批判し、女性はしかるべき年齢で子供をできれば2〜3人産むべきだと言った主張(「正論」)をしてきた女性である。彼女がNHK経営委員に再任される理由は女性の社会進出を食い止め、家庭にとどめておきたいと考える保守主義者の期待を担った存在だからはないか、筆者は推測する。このことは今日のNHKの本質を考える際に不可欠の情報を提供してくれると思う。(2019/12/14)


みる・よむ・きく
佐藤忠男著「ヌーベルバーグ以後 〜自由をめざす映画〜」
仕事で長い電車移動の前に古書店の店頭で一冊の本を手にした。それは映画評論家・佐藤忠男の「ヌーベルバーグ以後 〜自由をめざす映画〜」で、1971年に刊行された、つまり50年近く昔の新書だった。学生時代に手にして読んだはずで、電車で読み始めるとある程度は昔読んだな、という感慨を持ちながら懐かしくもあった。とはいえ、今読んでも遜色なく面白かった。戦後25年間くらいの映画の歴史をひも解いた本がなぜ、今読んでも面白かったか。その核心にあるものは、フランスのヌーベルバーグを育てた映画評論家・アンドレ・バザンに関する記述にある。アンドレ・バザン、伝説の人物だが、実際にはその著作をきちんと読んだことがなかったのだ。(2019/12/14)


文化
今日の英国をどう見るか?  英国で哲学を学んだ哲学者フィリップ・クラーク氏に聞いた interview: Philip Clark ( philosopher )
  英国のサセックス大学で哲学を学んだスイス人のフィリップ・クラークさん(Philip Clark) に、今日の英国についてどう見ているか、聞いてみました。専門は欧州の大陸系哲学にジェームズの功利主義やホワイトヘッドのプロセス思想など。Q 今日の英国についてどうご覧になっていますか?英国の状況は混乱しています。それは英国の議会制民主主義が、欧州のあらゆるところと同様に、直接民主主義に近い政治システムをとるすべをもたないことにあります。そのため、常にそれを粉砕するしか手がないのです。(2019/12/13)


政治
今回の英国総選挙への視点  データジャーナリストの分析
今回の英国の総選挙、直前にはSNSで労働党が拮抗という情報を目にしたこともありましたが、ふたを開けてみると保守党の圧勝。これをどう考えるか。1つの視点として、年齢別の投票傾向をデータジャーナリストが提供しています。企業向けの消費者動向調査などを行っているウェブサイトの中の記事ですが、今回の選挙前に投票傾向を年齢別に調べたところ、驚いたことに若者ほど労働党を支持しており、高齢になるほど保守党支持になっています。(2019/12/13)


コラム
映画「家族を想うとき」の合評会(「わたしの仕事8時間プロジェクト」)に参加して その2 〜背後に潜むもの〜
 ケン・ローチ監督の最新作、「家族を想うとき」について前回、書きそびれたことが1つ。映画を見た後の合評会でもたしか弁護士の方が指摘されていた気がしますが、映画の背景に住宅事情が関係している、というものです。転職してワゴン車を買って個人事業主となって稼ごうと考えた主人公の夢は、家を買うことにありました。つまり、この夢が家族の悲劇につながっていくのです。映画を見るとき、僕はいつも主人公を取り巻くミニマルな小状況と、その時代背景である大状況に分けてみています。過去に日刊ベリタで書いたものを引用します。(2019/12/13)


政治
英国総選挙で離脱を掲げる保守党が圧勝  労働党は後退・コービン党首は辞任へ
1年の仕事納めも間近になってきた師走の半ば、驚くニュースが届きました。英国の総選挙でボリス・ジョンソン率いる保守党が圧勝し、労働党のコービン党首が辞意を表明したと言うものです。選挙は昨日で、労働党は支援を訴える女優などの映像をソーシャルメディアで流しており、それを見た直後にこの結果を知り、驚いています。日経新聞がBBCの予測を紹介していました。英国の下院総選挙(定数650)で保守党が365と単独過半数に迫る勢い、一方、労働党は196で50議席近く議席を減らしそう、ということです。理由としては欧州連合からの離脱を国民が望んだ、ということがあるとされます。(2019/12/13)


政治
文春がスクープした首相補佐官とは? 〜2年半前の記事を振り返る〜
週刊文春が首相補佐官の「公費」不倫旅行というスクープ記事で世間をあっと言わせている。この首相補佐官、和泉洋人という人は以前、どこかで聞いたことのある名前だと思ったら、元・文科省事務次官の前川さんがらみで報じられたことのあるキーマンだと言うことがわかった。今から2年半前の2017年6月に日刊ベリタに書きました記事をここに採録し、記憶を蘇らせたい。(2019/12/12)


コラム
朝日新聞から毎日新聞へ 30年ぶりの転換
今月、ニューヨークタイムズの宅配をやめました。英字新聞の購読をやめたのはこの30年で初めてです。理由は前にも書きましたが、変節したジャパンタイムズを一緒に買わされることにうんざりしたことです。ですから、今後はデジタルでニューヨークタイムズだけ購読できればよいと思っています。同時に、朝日新聞の購読を今年いっぱいで中止する決意をしました。(2019/12/11)


コラム
映画「家族を想うとき」の合評会に参加して  " Sorry We Missed You "
 先日、ケン・ローチ監督の話題作「家族を想うとき」の上映会と合評会に参加したときのことを書きました。「わたしの仕事8時間プロジェクト」が主催した上映会です。映画も素晴らしかったのですが、そのあと、グループに分かれて見た人同士で映画についていくつかのポイントごとに論じたのです。学生時代はこういうことをしたことがよくありましたが、最近はほとんどなくなっていました。合評会は他人の視点を知る貴重な機会であると改めて認識しました。というのは参加者の中には様々な立場の人がいて、それぞれの経験が映画の評価とか、印象に残ったシーンの選択に影響を与えているであろうことです。ですから、10人いれば10通りの見方があると言っても過言ではありません。(2019/12/09)


コラム
映画「家族を想うとき」 問われる現代の労働のあり方   " Sorry We Missed You "
 9月からの3か月間、複数の仕事を掛け持ちでやってきたことも関係しているのだけれど完全に無休だった。本業の合間を縫って翻訳の仕事をしているという事情も関係している。フリーの立場の仕事の状況はますます厳しくなっていくのだろうか。そんな中、知人から「家族を想うとき」の上映会があるから参加しないかと言われて、寸暇を縫って会場に見に出かけたのだった。監督は労働者の生活と闘いをリアリズムで描いてきた英国の名匠、ケン・ローチ。(2019/12/08)


検証・メディア
毎日新聞が頭一つ抜ける  首相との会食を終焉か
毎日新聞統合デジタル取材センター長の齊藤信宏さんによれば、毎日新聞は11月、安倍首相との会食を拒否した。これは今の新聞業界の中で勇気ある、画期的な行動だ。もういじめには参加しないと決断した教室の生徒みたいなものだ。(2019/11/27)


みる・よむ・きく
森元斎(もり もとなお)著「アナキズム入門」(ちくま新書)
森元斎(もり もとなお)著「アナキズム入門」はこの秋、手に取って読んだのだが、もっと早く読むべきだった。「アナキズム」というと、日本では幸徳秋水や大杉栄などの名前が浮かぶけれど、これらの人たちは明治末期から大正末期にかけて、国家権力によって虐殺されてしまったために、近代思想の中でアナキズムは日本においては大きな空白を占めてきたように僕には思える。日本でアナキズムと言えば、近代途上で消えていった特殊で過激な1流派に過ぎないような印象を持つ人が多いのではないだろうか。確かに、国家権力を否定し、さらにはあらゆる権力にノーを突き付けるという思想は過激であろう。(2019/11/25)


文化
明治大学文学部主催「フランス革命とスペクタクル」 革命期の演劇を考える
17日、明治大学文学部主催で「フランス革命とスペクタクル」と題するシンポジウムが行われた。近年、日本でも劇場政治などと言って、TV報道により見世物化した政治と劇場の関連性を語る言説にあふれているのが、このシンポジウムでは実際に人が殺し、殺され、政治が大きく変わっていったフランス大革命の時代に「同時代」として演じられた演劇とはどのようなものであったか、ということがテーマとして掲げられている。フランス革命自体がスペクタクルですらあったが、刻々と進行する革命は社会を変えつつあり、それは当然、戯曲をも、劇場をも、そして観客自体をも変えていった。(2019/11/18)


政治
2012年ー2019年 安倍首相の無血クーデター時代  憲法空白の7年 基盤はメディア占領から
 未来の日本の政治史を想像すれば2012年暮れに始まる安倍晋三率いる自民党の独裁政治の7年間は、まさに安倍首相の「無血クーデター」の時代だったと記憶されるだろう。クーデターとあえて綴るのは、「日本を取り戻す」をモットーに憲法改正を目指した安倍首相はすでに憲法を軽視し、国会を侮辱してきたからだ。それが何を意味するかを的確に示したのが2018年に始まった上西充子教授らによる国会パブリックビューイングという市民運動だった。この稀有な運動は、それまでの政治運動と異なり、自ら演説するのではなく、人々に国会を見せることを中心にした運動だった。国会で野党議員の真摯な質問に与党がどういう態度を取っているか、それはまさにヒトラーのナチスさながらの傲慢さだった。(2019/11/16)


政治
安倍首相の選挙マシーンだったNHKの石原進経営委員長がついに交代  
第二次安倍政権誕生以来、NHKへの国民の信頼は大幅に下がり、企業体としてのNHKの名誉は戦後最大の危機にある。その危機を招いた核心は原発報道から、かんぽ生命の報道まで「経営」という立場から人事と予算を握ってきた石原進経営委員長だろう。この石原氏が12月10日をもって任期満了ということで交代することになる。これを朗報と呼ばずして何と呼べばよいのか。(2019/11/14)


文化
イタリアのThe Gypsy Queens が歌う名曲” L'Italiano ”のミュージックビデオ
イタリアというと今日、何を思い浮かべるのだろう。人それぞれ、正直なんだっていい。とはいえ、ジプシー・クイーンズが歌う「イタリア人」はとてもよいと思う。なぜ、キングスじゃなくて、クィーンズかはわからない。グループは男ばかりだ。しかし、ミュージックビデオを見ると、粋なグループであることはわかる。(2019/10/23)


欧州
カタロニア独立派を支持して黄色いベストが国境をブロック
反マクロン運動だった黄色いベスト運動は、今も続いているが、最近ではカタロニアの独立運動の闘士たちとも連携して互いにエールを送っているそうだ。(2019/10/20)


欧州
現代のカタロニア讃歌  カタロニアの独立国民投票を行い7年以上の禁固刑となった独立派へのエール
 以下の映像はバスク地方の人々がカタロニアの人々にエールを送っているものです。スペインのカタロニア選出議員らが、カタロニア独立のための国民投票を地域で行ったことで7年以上の刑を言い渡されたと言います。それに対して、バスク地方の人々が〜ここにも独立運動はありますが〜Estacaと題するレジスタンスの歌を歌っているところだそうです。(2019/10/20)


コラム
バルセロナ五輪の空気を感じられるロス・マノロスの”Amigos para Siempre”(永遠の友)
東京五輪で旭日旗を認めると担当大臣が言ったと報じられましたが、いつから五輪は偏狭な精神に乗っ取られたのでしょうか?もちろん、過去には政治が絡んで参加しない国があったこともありました。今、1992年のバルセロナ五輪のシンボリックな歌、”Amigos para Siempre”(永遠の友)を思い出します。以下のリンクで歌っているのはロス・マノロスという地元のバンドです。このグループは五輪でよく活躍したバンドです。このYou Tubeの映像では様々な信仰、人種、国籍の人々が互いに愛し合い、敬意を表しあい、楽しく歌い踊る姿が映し出されます。ここには本来の五輪の精神があると感じます。(2019/10/17)


コラム
路上生活者を避難所から排除した台東区の対応は恐ろしい
BUZZFEEDの記事によると、台東区で路上生活者たちが台風の避難所の使用を拒否された。驚いたことに、これは特定の職員の対応の問題と言うよりも、台東区災害対策本部の決定だという。その基準は台東区内に住所のある人だけを対象にした、ということだ。だから、台東区内に住所を持たない路上生活者は避難所に入れてもらえなかった。これは背筋が凍るような事件だと思った。多くの人は自分がホームレスになることはないから他人事と看過してしまいがちだろうが、この処置を容認したら、今後はますますひどい対応にエスカレートする可能性もある。(2019/10/14)


文化
フランスの風刺漫画家、ウィレム Willem 「リベラシオン紙にウィレムあり」
フランスのリベラシオン紙にはウィレム(Willem)という名前の風刺漫画家がいて、漫画家へのテロ事件にもめげず今も権力を風刺する健筆をふるっています。2015年のテロで殺された風刺漫画家たちは「ハラキリ」という風刺漫画媒体でかつて活躍していた漫画家たちですが、ウィレムもその一人でした。ウィレムが根城にしているのはリベラシオン紙だったため、シャルリの襲撃事件で殺されなかったのは不幸中の幸いでしょう。ウィレムは2013年のアングレーム国際漫画祭では漫画界への貢献を評価されてグランプリという栄誉を与えられました。(2019/10/14)


政治
放送業と新聞業の分離を 放送を捨てることで新聞の価値はむしろ高まる
 日本の情報は読売新聞→日本テレビ、朝日新聞→テレビ朝日、日経新聞→テレビ東京というように、経済的に株式関係があり、人材の交流があり、テレビのコンテンツが新聞社の情報および人材に大きな影響を受けています。そして、新聞社の幹部が官邸からの指令を受け入れたり忖度したりすれば、新聞だけでなく、テレビもまたその指令のもとに置かれます。このように日本の系列関係は権力による統制が極めて楽な構造になっています。そして、同時にそのことがテレビと新聞が互いに批判しあえない、利権を同じくする仲間同士になっています。しかも、新聞社や放送局の系列の違いを超えて、同じ大学の学友たちで横につながっていて、仲間同士守りあっています。(2019/10/13)


文化
PayPal創業者 ピーター・ティール(Peter Thiel)氏の講演  「競争するのは負け犬 〜いかに起業するか〜」
オンライン決済サービスのPayPal創業者、ピーター・ティール氏による講演。(2019/10/13)


文化
富田克也監督と空族の「ONE MEKONG」 破天荒なインドシナ半島の冒険行
「典座」「バンコクナイツ」「サウダーヂ」など、日本とアジアの関係を軸に斬新な映画を丹念に作ってきた映画制作グループの空族と富田克也監督たちが、YouTubeにUPした映像シリーズ作品があります。それが「ONE MEKONG」で、20分前後で1話になっていて、5回シリーズに分けられています。同じく空族で脚本家でもある相澤虎之助氏も参加しています。(2019/10/12)


文化
経営理論で「キャズム」(大きな谷)という概念を提唱した経営理論家ジェフリー・ムーア氏 ”Geoffrey Moore - The Chasm Has Evolved”
「キャズム」(Chasm)とは企業がある商品を市場に投入した時に、顧客層には初期からリスク覚悟で積極的に先駆けて買う顧客層から石橋を叩いても渡らないような慎重かつ保守的な顧客層までいくつかの層に分かれる。その初期に購入する顧客層と、なかなか購買に至らない顧客層との間に広がる「隙間」がキャズムだ。企業が成功するかどうかは、キャズムをどう超えるか次第だ。このことは自分にひきつけて考えても、理解できる。これは経営理論家のジェフリー・ムーア氏が提唱した概念だと言うことで、そのことは「キャズム Ver.2」に書かれている。キャズムを越えるための戦略も提案される。(2019/10/12)


国際
中華人民共和国誕生70周年と、その民族政策 かつて有していた寛容さを失ったと指摘するジェームズ・ミルワード教授(歴史学)
1949年に中華人民共和国が誕生して70年がたちました。中国の記念すべき時にジョージタウン大学で歴史学を教えているジェームズ・A.ミルワード教授は2012年の習近平政権以後、中国はかつての清朝だった頃の多民族への寛容な方針を捨て、漢民族への同化政策を強めており、このままではもっと葛藤が高まっていくであろうと予言しています。その表れの1つが香港ですが、新疆ウイグルやチベットなどもそうです。(2019/10/12)


コラム
NHK経営の失敗要因を考える  NHKは3つに分割して政府から独立した組織に監督させるべきだ
 NHKは経営に失敗していると筆者は思う。NHKの会計簿を見ながら言っているのではない。ではその根拠は何か、というとNHKという企業体にとって最大の売りであった情報の正しさや速さ、公平性という価値をこの6年間のうちに損なった、ということにある。Sonyという企業の最大の売りは何なのか?セブンイレブンというコンビニチェーンの最大の売りは何なのか?など、企業には核となる価値がある。顧客はその価値を信じてその商品やサービスを買う。ではNHKの価値は何か、というと人によってばらつきがあったとしても、情報の正確さとか、速さ、あるいは公平さと言ったことは基盤だ。ところが、NHKは政権や企業の圧力で放送コンテンツが影響されてきたと筆者は見ている。安倍政権べったりの政治部の記者・解説委員が、ジャーナリズムとは裏腹に、政権をべた褒めして恥じるところがないこともその根拠だ。そう、NHKはコアバリューを損なってしまったのだ。戦後70年近く信頼を集めてきたNHKだったが、その信頼が急速に失われていったのである。(2019/10/12)


コラム
台湾の独立運動家、史明さん死去  
先月、台湾の独立運動家として名高い、史明(Su Beng)さんが亡くなった。100歳だった。独立を目指す台湾の人々から本当に尊敬され、慕われていたようだ。もしベトナムの独立の指導者、ホーチミンが生きていたなら、少し似ているのではないか、という気がする。僕はこの人に台湾の2014年の政変の取材中に会ったことがあるのだが、すでに95歳近かっただろう、その時は車椅子だった。台湾の大学生たちが国民党政権が中国と秘密裏に結んだ自由貿易協定を数の力に任せて批准しようとしたことに反対して、議会を占拠したのだった。学生たちが立てこもって闘っているその時、史明さんは議会に若者たちの応援に駆け付けたのだった。僕はその時はオーラを放つこのお爺さんが独立運動家であることはなんとなしに知っていたが、その生涯については知らなかった。(2019/10/12)


検証・メディア
NHKは複数の放送局に解体してよりフラットな構造に変えるべきだ 村上良太
 明日からNHKの経営委員長らが国会に招致され、昨年起きた番組への圧力について野党の追及を受けます。これまで石原進経営委員長に関して様々な批判を日刊ベリタでは取り上げてきましたが、問題の核心には石原氏個人の思想的問題だけでなく、NHKという放送局が肥大化しすぎて風通しの悪い構造になっていることがあります。複数の関連組織を抱えて、さらにその「下」に多数のプロダクションを擁し、またNHKの内部に多数の派遣社員を抱えるNHKはピラミッド組織になっており、それだけにトップにとんでもない人物が据えられると、上から下まで権力に従属してしまう構造にあります。時に良い作品が作られることもありますが、そこにとらわれて全体を見損なってしまってはダメです。(2019/10/09)


みる・よむ・きく
アミン・マアルーフ著「アイデンティティが人を殺す」(小野正嗣訳) ”Les identités meurtrières”(Amin Maalouf) 
ちくま学芸文庫から出版された「アイデンティティが人を殺す」は来年の東京五輪に向かって動いている今、多くの人に読まれる価値のある本です。なぜなら、東京五輪では必ず日本人のナショナルアイデンティティのイメージがTVでも新聞でも書物でも氾濫するであろうからです。アミン・マアルーフ著「アイデンティティが人を殺す」は現代の人間にとってアイデンティティの実像がどうなっているか、通念に対して再考を促すものです。アイデンティティは「日本人」のような国家をシンボルにしたたった1つだけでなく、宗教・性・言語・文化・歴史・地域社会といった様々な要素もアイデンティティを形成しており、その組み合わせは千差万別で、同じアイデンティティの人間と言う考え方は妄想に過ぎない、と言うのです。(2019/10/09)


文化
ハンガリーの巨匠、Tarr Bélaによる "The Turin Horse " ( 邦題「ニーチェの馬」)
ハンガリーの巨匠、BELA TARR( タル・ベーラ 1955〜)の映画「The Turin Horse (邦題 ニーチェの馬)」を見ると、強風ですさんでいくかに見える世界が今の世界の闇を象徴しているのが感じられる。欧州を見舞う異常気象なのか、強い風がやむことなく地上を襲い、馬を使って行商的な仕事を営む家族は陸の孤島に閉じ込められてしまう。(2019/10/08)


文化
The European Graduate School / EGS が主催するビデオ講演  ジュディス・バトラー「翻訳の中のジェンダー 単一言語主義を越えて」
萩生田文部科学大臣になって、文化への支援に与党の意向が色濃く反映され始めています。いや、すでにそういう傾向は強まっていましたが、このままではますます強まるでしょう。さらに出版不況が強まり、翻訳が出版産業として成り立たなくなりつつあります。もう翻訳に頼っていたら先端の情報は入ってきません。そんな中、英語で世界の講演に耳を傾ける機会や能力の有無によって、持てる情報の質量が今後大きく変わっていくと思います。スイスにThe European Graduate School / EGS という学校がありますが、これは非営利法人が運営しています。(2019/10/06)


コラム
アルジェリアの言論の自由を求めるデモ
今、近くの香港で激しいデモが行われ、言論の自由を封じる中国の脅威について日本でも報道されています。しかし、日本国内でいかにメディアが自由に表現できなくなっているかはあまり報じられません。そんな中、僕に刺激になったのはアルジェリアの報道記者が、言論の自由を求めて首都アルジェでデモを行っている姿です。今年、病態のブーテフリカ大統領の再選への出馬に批判が高まり、ついには平和の革命となりましたが、放送の世界ではまだまだ報道が統制されているようです。(2019/10/06)


コラム
ドキュメンタリーとマイクロペニス その2
僕が発育不全による奇形の一種であるマイクロペニスの持ち主であることを書いた「ドキュメンタリーとマイクロペニス」をよんでくださった同業者の知人が「脱帽しました。なかなか書けないことです」と電話で言ってくださった。こういうことを書けるようになった理由は、前に書いたことだけれど、英国のドキュメンタリー作家がこのテーマを映像作品にしていた、ということである。ペニスのサイズで男性には悩んだ人が少なくないのではなかろうか。僕のような奇形の領域でなくとも、通常より1割、2割サイズが小型だったり、短かったり、というだけでくよくよしたことはないだろうか。あるいは、実際には標準のサイズだったとしても、上から自分のペニスを見下ろすと小さく見える、という心理的なことも関係しているかもしれない。(2019/10/05)


みる・よむ・きく
話題の書「ポスト・キャピタリズム」を書いたポール・メイソンを援護する経済学者アン・ペティフォー
英国は日本からあまり見えない国だが、面白い議論を常にしているようだ。ポール・メイソンの「ポスト・キャピタリズム」の出版に際して、金融の研究をしてきたアン・ペティフォー(Ann Pettifor)が絶賛している。筆者には未知の経済学者だが、ネットでググってみるだけでもとんがった経済学者で、リーマンショックの前に金融が崩壊することを予言する本を書いたりしていたようだ。以下のリンクの討論会でも、なかなかの存在感を発揮している。(2019/10/03)


コラム
ドキュメンタリーとマイクロペニス  
長い間、人生における謎だったことが50代になって解明される、そんなことがあるものだ。僕の場合は、恥ずかしいが話だが、自身の肉体である。僕のペニスの長さは2センチ5ミリくらいしかない。勃起した時でもせいぜい5〜6センチなのだ。10代の学生時代から、このことが恥ずかしくて、人前で裸になりたくなかったから、修学旅行とか、合宿みたいな場が嫌でならなかった。せめて人並みの肉体だったら、どれだけよかっただろうか、そんな風に思ってきたし、いっそ死んでしまいたいと思ったことも一度や二度ではない。(2019/10/02)


国際
シラク大統領死去  風刺漫画家Cabuに先立たれ 
フランスのジャック・シラク大統領が亡くなった。86歳だった。政界を引退してすでに時間がたってしまったが、相撲好きで知られ、日本人の中には好感を抱く人も多かったのではないだろうか。ジャック・シラク大統領で思い出すのは風刺漫画家のカビュ(Cabu)による一連の政治風刺漫画シリーズであり、それをまとめた「サルコ・サーカス(Sarko Circus)」である。サルコはサルコジの略称であり、シラク大統領は夜ごとにサルコジに大統領の座を奪われる悪夢にうなされベッドで「うわ〜」と叫ぶのだが、隣でベルナデット夫人が哀れな目線で見ているのである。(2019/09/26)


国際
ポール・メイソンが説く資本主義以後の世界
「ポスト・キャピタリズム〜資本主義以後の世界〜」を書いて話題を呼んでいる英国のジャーナリスト、ポール・メイソンが、同名のタイトルで講演したものが以下の映像。(2019/09/26)


みる・よむ・きく
ジム・ロジャーズ著「お金の流れで読む 日本と世界の未来」
ジョージ・ソロスとクオンタム・ファンドを率いていた伝説の投資家、ジム・ロジャーズ氏が最近書いたのが「お金の流れで読む 日本と世界の未来」(PHP新書)だ。本書の中で、ロジャーズ氏は未来予測をしている。将来の有望な投資先は朝鮮半島だ、と。これは南北が統一されることを視野に入れたものだが、特に北朝鮮経済が解放された場合に投資の機会を狙っている人が世界にかなり存在する、ということだ。本書の最大の主張は韓国と北朝鮮の経済の持つ将来性とインパクトだろう。一方、日本はアベノミクスの失敗があり、未来は極めて暗い。自民党は短期的な外国人労働者を入れても、移民は排除している。このことをロジャーズ氏は日本に未来がない大きな理由に考えている。高齢化が進む一方で、新しい挑戦もないまま沈没する可能性があるが、韓国は挑戦する精神が日本よりあると指摘しているのだ。(2019/09/24)


文化
エストニアの民族楽器カンネルを現代に生かした女性演奏家Duo ”RUUT "来日公演 
 以前、ロシアのバンド、Otava Yo のミュージックビデオが秀逸だと日刊ベリタに紹介記事を書いたところ、それを読まれてなんとロシアからOtava Yo を招聘して本当に日本でコンサートを開いた音楽プロデューサーの方がいたのです。その方、小巖仰さんは兵庫県に拠点を置くハーモニーフィールズという企業で音楽家の招聘活動をされています。彼が招聘する外国の音楽家は一味ある演奏家ばかり。北欧とか、伝統音楽とか地域に根を張って、貴重な物語が見えるバンドが多いのです。前置きが長くなりましたが、今回、ハーモニーフィールズが招くのはエストニアの伝統楽器奏者のデュオ。(2019/09/22)


文化
日仏会館シンポジウム ダニー・ラフェリエール&リ―ビ英雄&立花英裕〜 和歌と俳句、そして今書くということ 〜[ 講演と対話 ]同時通訳付き
日仏会館で10月7日(月)興味深いシンポジウムが開催されます。フランス語圏の文学界の鬼才、ダニー・ラフェリエール氏が、アメリカ出身で日本語で小説を執筆する作家のリービ英雄氏と講演および対談を行います。司会はNHKのフランス語講座でもおなじみの立花英裕教授。時間は18:30- 20:30です。以下は、日仏会館のウェブサイトを転載いたします。ダニー・ラフェリエール (作家、アカデミー・フランセーズ会員)「世界の旅人、芭蕉への挨拶 &」リービ英雄 (作家、法政大学教授)「『万葉集』と現代 」(2019/09/18)


みる・よむ・きく
永井孝尚著「世界のエリートが学んでいるMBA必読書 50冊を1冊にまとめてみた」
KADOKAWAから出版されている永井孝尚著「世界のエリートが学んでいるMBA必読書 50冊を1冊にまとめてみた」は、10年前の自分なら、あるいは6年前と言ってもいいが、書店でみかけても積極的に手にすることはなかったタイプの本だ。しかし、今日、メディア産業の多くが経営の危機に陥っており、コンテンツも利益も低下している中で出口が見えない状況では、輝いて見えた。というのは、マクロ経済を扱う経済学はジャーナリズムのコンテンツ作りに役立ったとしても、自分がその業界で生きていくための組織づくり、資金作り、あるいはビジネスモデルの形成には役立たないからだ。今、政府によるジャーナリズムへの強いプレッシャーのもとで、メディア産業は持続することに苦労し、節を曲げたり、仲間を切り捨てたり、仕事の質を落としたりしている。(2019/09/18)


政治
米民主党に改革を迫る左派グループJustice Democrats 2020年の下院選挙に向け、保守派現職議員に対抗馬を擁立中  〜 21世紀の分水嶺となるか〜
2016年の米大統領選は米民主党にとって転機となった。大統領候補擁立でヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースが争ったが、それはまさに今の民主党内の水面下の確執を予言するものだった。ヒラリー・クリントンは夫のビル・クリントンとともに米民主党にあっては労働組合離れを促し、金融界を始め大企業から多額の献金を受けていた。バーニー・サンダースを応援した左派の民主党員にとって、クリントン夫妻は民主党の新自由化を象徴する存在だった。(2019/09/18)


コラム
ニューヨークタイムズのデジタル化戦略?
 もう今から何年か前になるけれど、外国の旅行から帰ってみると、ポストに定期購読のニューヨークタイムズと並んでジャパン・タイムズが入っていた。最初は配達の間違いだろう、と思った。ところが、そうではなかったのだ。数日後、新聞にニューヨークタイムズとジャパンタイムズが提携して、両紙が一緒に配達されることになったと折込のチラシに書かれていたのだ。僕はジャパンタイムズにかつては悪い印象は持っていなかった。伝統のある優れた英字新聞だ。しかし、英字新聞を2紙も読む必要はないのだ。僕が頼んだわけでもないのに、どうしてそんなことを勝手にできるわけ?と大いに疑問だった。(2019/09/17)


国際
トランプ大統領がロウハニ大統領と会談の模様 今月下旬か ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官が辞任
トランプ政権はなるだけ相手に手の内を見せないことを特徴としてきたが、今回のジョン・ボルトン国家安全保障補佐官の電撃辞任もその1つだ。アメリカのNBCの報道ではボルトンは「トランプからは辞任を求められたわけではない」と語っている。しかし、トランプ大統領に呼ばれ、大統領がイランへの経済制裁を一部解除する方針を伝えられた時、猛反対したとされる。ボルトンが辞任を申し出たのは翌朝だった。(2019/09/16)


コラム
大学の講義にもっと英語を   村上良太
大学の講義に英語の導入を、という論旨を僕が語るのは適任ではないかもしれないですが、思っていることを書きたいと思います。大学の講義に英語を導入したら、日本語で思考できなくなるために研究の水準が下がるとか、教育のクオリティが下がる、とか、あるいは植民地主義的だと言った批判があることは知っています。また、英語の講義を日本でやることは確かにある種の滑稽さを感じさせますし、教える側にも教わる側にもこれまで以上に負担を与えることになることも理解できます。そうではあるのですが、講義室で一度に数十人とか数百人向けに講義をする場合であれば英語で話す、ということは教授が普段研究している専門領域の一部を切り取ったPRみたいなものと考えることはできないのでしょうか。(2019/09/16)


文化
世界を飛び回る写真家、セシル・メラ氏に聞く Interview : Cecile Mella ( photographer )
私は最近、セシル・メラという名前のフランスの写真家と知り合いました。どのような写真を撮る人なのか、彼女のウェブサイトなどを探ってみると、活動はかなり多岐にわたっています。ベルリン国際映画祭のオフィシャルカメラマンでもあり、そうした華やかな場に出入りするカメラマンである一方で、アフリカの政情不安定に見える国に出かけたり、またある時は、スポーツのフィールドにいたり・・・。その合間にパリのカフェのテラスに座っていたり。セシル・メラさんを見ると、強い個性を放つ人だなとわかります。野生動物のようなたくましさと、詩人のような繊細さを兼ね備えている人かな、と思いました。今回、セシル・メラさんにインタビューに答えて頂きました。(2019/09/15)


文化
Interview: Clarinetist Franck Russo  J'ai toujours aimé les projets originaux et m'exprimer de toutes les manières possibles. (Franck Russo)
In 2105, I interviewed a young clarinetist ,Franck Russo who lives in Paris. I was collecting stories on young instrumentalists and conductors in the world. Those days, Franck won a prize at international music festival in Prague. Recently Franck produced a new record with pianist and a soprano singer. It features pieces by Robert Schumann and Franz Schubert. In my interview, Franck said he loved Shumann's music. Today I post the interview which I posted 4 years ago again here, translating it in English for the sake of Franck Russo (for his birthday) . And it is also my challenge ,too.(2019/09/12)


文化
ポール・ラルケンズのTED講演 「なぜ大多数は常に間違えるのか?」
オランダで脳力を最大限高めて創造性を発揮するすべを研究しているという人物、ポール・ラルケンズ(Paul Rulkens)氏によるTED講演の記録。論題は「なぜ大多数は常に間違えるのか?」。大多数、というのは英語で言えばマジョリティであり、マイノリティの逆ですね。さて、ラルケンズ氏のTED講演のつかみはアインシュタインのエピソードから。1942年にオックスフォードで教鞭を執っていたアインシュタインは物理の試験を行ったあと、キャンバスを歩いていた時に彼の助手から質問を受けた。助手「先生、これは去年の問題とまったく同じじゃないですか。どうして、そんなことができるんですか?」すると・・・(2019/09/08)


みる・よむ・きく
西川治・木村浩子著「イタリアを食べる本 パスタ」
郊外の近県に仕事で出かけてぶらりと入った古書店で見つけたのが西川治・木村浩子著「イタリアを食べる本 パスタ」である。本は縦長ではなく、むしろ正方形に近い。イタリア料理に関するレシピと写真付きのエッセイである。イタリアと言っても土地柄、土地土地で料理はかなり異なるのろうが、本書はミラノを舞台としている。西川氏は写真家で、木村氏は西川氏の伴侶であるとあり、家族で滞在した時に出会って体得した料理に、さらにイタリア縦断旅行で得た経験も盛り込んだルポルタージュになっている。つまり、レシピとエッセイが楽しめる贅沢な本であり、ルポルタージュとしても味わいがある本だ。(2019/09/06)


みる・よむ・きく
"the four GAFA"(GAFA 四騎士が創り変えた世界)の著者、スコット・ギャロウェイ教授の刺激的なビデオ講義
昨年、日本でも翻訳刊行された"the four GAFA"(GAFA 四騎士が創り変えた世界)はグーグル(G)、アップル(A)、フェイスブック(F)、アマゾン(A)を軸に、今後、デジタル経済がどのように進化するか、その際、現在の4騎士(GAFA)はどうなるか、さらに、新たに台頭して5番目の騎士になるのはどこかといったことを分析しています。本書が一般的な情報を連ねた解説本と違うのは、著者のスコット・ギャロウェイ教授自身が自身もデジタル業界で企業家として次々と会社を興し経営の厳しさの真っただ中にいたプレイヤーであり、その内側から見た分析や凄みがパンチのある文章でつづられていることにあります。(2019/09/05)


文化
音楽にかける青春 カロル・シマノフスキのヴァイオリン協奏曲2番に挑戦 ルドミラ・パヴロヴァー Ludmila Pavlová 
プラハのヴァイオリニスト、ルドミラ・パヴロヴァー(Ludmila Pavlova)さんがこの春、取り組んだのがカロル・シマノフスキ作曲「ヴァイオリン協奏曲2番」です。この曲を演奏していると、嗚咽が込み上げてきた、とパヴロヴァ―さんは語ります。以下が、この公演の録画です。パブロヴァーさんは前に立ってヴァイオリン・ソロを受け持っています。カロル・シマノウスキはポーランドの作曲家です。以前のインタビューで、毎回、演奏に際して、作曲家のことを研究すると言っていたパブロヴァーさんです。(2019/09/03)


文化
パトウ犬「モウグリ」とパリで始まる冬の5か月をいかに過ごすか ジャン=マルク・ロシェット(漫画家) ”Comment faire avec un Patou pendant mes cinq longs mois d'hiver à Paris?” Jean-marc Rochette 
登山をこよなく愛するフランスの漫画家、ジャン=マルク・ロシェットさん。ある日、ロシェットさんのもとに犬が訪れることになったのです。その犬は普通のペット犬とは違った過去を持っていました。ロシェットさんはこう書き記しました。ロシェット <「モウグリ」(こういう名前だと知った)は日ごとに私に対して、明快に私の家に留まるつもりがあることを示したのだった。モウグリ「(もしあなたが私の主であるなら、私にはそのことに反対はありませんね・・・)」(2019/08/31)


みる・よむ・きく
ミヒャエル・ハネケ監督「隠された記憶」 植民地主義の過去を直視した傑作映画
日本と韓国(北朝鮮)の間の植民地主義の過去の歴史の問題は、フランスではアルジェリアとの関係と言って過言ではない。今、日韓で激突しているが、過去に植民地支配を受けた国と、支配を行った国との間で感情のもつれが生じるのは当たり前のことである。フランスでもアルジェリアの独立を良しとしない人々は未だに存在する。このテーマを直視した映画で、日本でも公開されながら、たぶん、あまり知られていない傑作がミヒャエル・ハネケ監督の映画「隠された記憶」だろう。2005年に公開されており、フランスとアルジェリアの間に未だに横たわる亀裂を描いている。(2019/08/24)


政治
ブラジルのボルソナーロ大統領の土地「開発」政策 アマゾン一帯の放火 熱帯雨林を焼き、農業用地化へ
ブラジルのボルソナーロ大統領の政策で、アマゾン河流域の熱帯雨林地域に広大に火が放たれ、先住民たちを追い払い、生物多様性を破壊している。その大規模な炎でなんと2700キロも離れた沿海部の大都市サンパウロが今週月曜には1時間にわたり曇ってしまったという。以下はBBCの情報だが、それ以外にも夥しい情報がアマゾン周辺から届いている。(2019/08/23)


人権/反差別/司法
”I AM JULIAN ASSANGE” (私はジュリアン・アサンジだ) 報道の自由に対する支援の輪が広がる
今年4月、ロンドンのエクアドル大使館で逮捕されたウィキリークス創設者、ジュリアン・アサンジ氏への支援を呼びかけて「”I AM JULIAN ASSANGE” (私はジュリアン・アサンジだ)」というプラカードを掲げる人々が世界で増えている。これはそのウェブサイトだ。オリバー・ストーン監督や、哲学者のスラヴォイ・ジジェク、ケン・ローチ監督、経済学者のヤニス・バルファキスら錚々たる面々が参加している。もちろん、有名人だけではない。どんな人でも参加する価値があるのだ。(2019/08/23)


みる・よむ・きく
ロジェ=アンリ・ゲラン著「トイレの文化史」 東京湾の競泳予定地の大腸菌報道は多くの人に嘆かわしい思いを与えたが・・・
来年の東京五輪の水泳競技場を予定している東京湾の一角でトライアスロンの基準値の2倍の大腸菌が見つかった。すでにテスト遊泳の段階で「トイレ臭い」という評価が報じられていたが、菌も多かった。東京の周辺地域の下水にトイレの汚水が混じり、東京湾に放出されているため、臭いのは無理もないという。(2019/08/18)


コラム
イアン・ブルマ著” The Wages of Guilt " の邦訳タイトル「戦争の記憶」への疑問
冷戦終結から間もない頃、オランダ人の研究者イアン・ブルマ氏が書いた国際的なベストセラー”The Wages of Guilt "(1994)は日本では「戦争の記憶」というタイトルで翻訳出版されました。初版は英国で出版されています。日本とドイツの戦争責任をめぐる比較をしたルポです。しかし、この邦題、原題と比べると疑問を持つ人もいるのではないか、と思います。”The Wages of Guilt"は直訳すると、「罪の報い」(あるいは「罪の値段」)になります。Wagesは最近、厚労省の統計問題で浮上した「賃金」あるいは「労賃」と根は同じで、転じて罪の「報い」、という意味にもなります。Guiltは裁判で有罪の場合にギルティと言われるように、罪を指します。すると、本書の原題の意味は、多大な犠牲者を生んだ第二次大戦を引き起こした日本とドイツが、それぞれ、どのようにその「罪の報い」を受けたか、ということになると思います。「戦争の記憶」というのは、あまりにも漠然として、中立的なタイトルになっています。(2019/08/18)


文化
宮内好江著「15分でフランス料理」 ありふれた食材を美味しく食べるための1歩
 文化出版局から出ている宮内好江著「15分でフランス料理」は装丁が若干地味ながら、中身は詰まったフランス料理のレシピ集です。15分、という短時間で普通の人が台所で作れる品々が70品ばかり紹介されています。15分とありますが、5分もあれば7分もあり、12分もあります。「えびのカクテルソース、バジル風味」は、カクテルソースの作り方が味噌でしょう。使っている調味料も、マヨネーズとか、ケチャップとか、ブランデーやウイスキー、それにバジルとカイエンペッパー、タバスコ。これらの調味料はスーパーで簡単に手に入れることができます。えびを茹でて、カクテルソースにつけて食べる。これの料理の所要時間がわずか10分。スーパーに入ったら、加工食品ではない、えびのコーナーから目が離せなくなりそうです。(2019/08/17)


コラム
ニューヨークタイムズへのイアン・ブルマの寄稿文 明仁天皇(当時)の退位前の発言と東アジアの未来像
イアン・ブルマと言えば日本とドイツの戦争体験の記憶を書いた”The Wages of Guilt"(戦争の記憶〜日本人とドイツ人〜)で知られるオランダの研究者です。第二次大戦の歴史と記憶の問題を、ドイツと日本の双方を比較しながら語った、という点で画期的な本でした。そのブルマ氏が8月14日付のニューヨークタイムズに”Cold War in East Asia never ended "(東アジアの冷戦は決して終わらなかった)という一文を寄稿しています。これは現在、韓国と日本が対立を深めていることを題材にしています。(2019/08/17)


国際
「黄色いベスト」 39週目
昨年11月に始まったフランスの「黄色いベスト」の週末の抗議デモは先週も行われ、39週目となりました。フィガロがそれを報じています。(2019/08/16)


みる・よむ・きく
リュシアン・フェーブル著「歴史のための闘い」
フランスのアナール学派の歴史学者であるリュシアン・フェーブル(1878-1956)の「歴史のための闘い」(平凡社)は訳者の長谷川輝夫氏自身があとがきで述べているように「原著は極めて個性的な文章で書かれ、日本語化が実に困難であり、訳者の力量不足もあって、翻訳の出来栄えは完璧とはとうてい言い難い」。実際、筆者も本書を読んで、アナール学派の基本思考や歩みが述べられている貴重なテキスト群でありながら、読みづらさが残念でならない。解説の二宮宏之氏も書いていることだが、フェーブルはアナール学派の同僚のマルク・ブロックに比べると脱線しがちで、とりとめのない傾向が濃厚だったのかもしれない。(2019/08/12)


みる・よむ・きく
1週間読書の勧め  1週間で人生を変えるための集中読書
以前、日刊ベリタで1週間または10日間で読む集中読書ガイドを書きました。社会人になると、なかなか本を読む時間が取れないでしょう。ですが、夏休みとか、冬休みなどには1週間くらいのまとまった休暇が取れるはずです。そんな時、普段読めなかった本を集中的に読んでみることで、1週間後には予想できなかったような、それまでとは違った世界を得ることができるはずです。(2019/08/11)


社会
「表現の不自由展・その後」 脅迫FAXの犯人逮捕 警備強化のもと展示の再開を
 愛知で行われていたあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」にガソリン缶を持参するとの脅迫があり、その結果、主催者の説明によると、脅迫が展示を中止に至らせる原因となった。今日、犯人が愛知県警に逮捕されたと言う。50代の男性会社員と朝日新聞は報じた。主催者である愛知県知事と津田大介芸術監督は脅迫が唯一の中止の理由だったと語っていたことから、その脅迫男が逮捕されたことで、理由がなくなったことになる。(2019/08/07)


文化
フランクフルト学派の研究者、マーティン・ジェイ教授(歴史学) 科学や技術が進化しているのになぜ人は幸せになれないのか
ドイツのフランクフルト学派は、神話を否定し啓蒙の立場に立った近代人がなぜナチズムに吸収され、反ユダヤ主義やホロコーストという究極の排外主義や反人間的な思想に陥ってしまったかを研究した学派です。平たく言えば、人間は科学の進歩とともに古い迷信から抜け出し、生産性を上げ、医療も進歩でき、そのことによって究極の幸福にたどり着けるはずだった。それがなぜ、未だに貧困や憎悪、戦争にまみれ、さらには自然を破壊しているのか。いったい、どこに誤りがあったのか。近代を進めた啓蒙の中に何か間違っていたものがあったのか?こういう問いの立て方が根底にあります。アドルノとホルクハイマーによる「啓蒙の弁証法」はこの学派の1つの象徴的な刊行物です。(2019/08/05)


社会
京アニの35人の死者を自己の欲望のために利用した脅迫犯人の逮捕を あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」中止で
あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」で「平和の少女像」の展示に対して、脅迫のFAXを送った人物がいたことが展示中止の1つの要因として挙げられています。それが展示中止の本当の理由だったかどうかは議論の余地がありますが、それはともかく、この件が中止の主たる理由として主催者側から発表されていることは由々しき事態です。(2019/08/04)


文化
表現の自由から自主撤退したあいちトリエンナーレ2019  速攻で「平和の少女像」の展示中止を決定
8月1日に始まったあいちトリエンナーレ2019という国際芸術祭で日本軍による従軍慰安婦像をモチーフにした「平和の少女像」を展示していたが、名古屋市長の抗議や市民からかかってくる電話での抗議を受けて、早々と展示から外すことになったという。そもそもこの展示は「表現の不自由展・その後」展という最初から議論を招きそうな作品を対象に選んでいる展示であるということで、その上で今、日本でホットな議論を呼んでいる作品をあえて選んだのだ。だから、主催者側は最初からそれなりの覚悟を持って展示をおこなっていたのかと思ったが、わずか3日で展示をはずす決定になったことに驚く人も少なくないだろう。(2019/08/03)


コラム
野党が国民連合政府を目指すなら、文教予算の増大も
2015年9月に共産党の志位和夫委員長が野党共闘へと舵を切り、いずれ野党が集結して衆院選で勝ち、国民連合政府を作ると語りました。二度の参院選で一人区を中心に実際に実績を上げ、野党共闘は発展しつつあります。その野党共闘の1つ、国民民主党の玉木代表が今回の参院選の公示前に今後20年で文教予算300兆円を投入する、と語ったことは印象深く刻まれました。しかし、気になったのは「科学技術を中心とした」という文言です。(2019/08/03)


政治
日本に左派ポピュリズムはあるのだろうか
山本太郎氏のれいわ新選組の評価をめぐって、左派ポピュリズムかそうではないか、で議論が起きています。この言葉は欧州の政治学上の用語のようです。まず、この語の定義が日本人になじんでいない、ということが議論を不毛なものにしている印象があります。ポピュリズムという言葉について英国のガーディアン紙は以下のような文章を載せています。オランダ人の政治学者でポピュリズムの専門家Cas Mudde氏が寄稿した文章です。(2019/08/02)


みる・よむ・きく
イヴァン・ジャブロンカ著「私にはいなかった祖父母の歴史」  社会科学者が書く新しい文学
6月にフランスの歴史学者で作家でもあるイヴァン・ジャブロンカ(Ivan Jablonka)氏が来日し、東京の日仏会館で講演した時の衝撃は以前、報告しました。ジャブロンカ氏は社会科学者〜歴史学者、人類学者、社会学者、政治学者など〜が文学を創造することで、社会科学を刷新できると語り、大きな刺激を与えてくれたわけです。折しもフェイクニュースや忖度報道、記事に見せかけた宣伝が氾濫する現代、どうやって真実を取り戻していくのかは課題になっています。そこで社会科学者たちによる文学の創造が新しい活気を作りだすというのです。ジャブロンカ氏には自らそれを実践して、優れた文学を作り出し高い評価を得ています。彼の代表作とも言えるのが「私にはいなかった祖父母の歴史」(田所光男訳)です。(2019/08/02)


みる・よむ・きく
フランソワ・オゾン監督「彼は秘密の女ともだち (Une nouvelle amie)」 女装する男の探求 
今年の参院選で女装する大学教授が登場したことは話題を呼んだだけでなく、日本社会で女装が認知されるきっかけになったような気がします。20年くらい前に女装を扱ったTVドキュメンタリー番組などでは、かなり特異な人間という扱いだった気がします。今日でも珍しい存在ではありますが、それでもその大学教授が出馬したことで、何かが変わったような印象を持ちました。フランスで女装をテーマにした映画にフランソワ・オゾン監督による『彼は秘密の女ともだち』(2014年)があります。かつて怪盗ルパンを演じたフランスの人気男優、ロマン・デュリスが女装癖のある男性を演じています。この映画は筋書きが多少込み入っていますが、テーマは女性性を男性が憧れる、ということにあります。(2019/07/31)


みる・よむ・きく
空族の新作は禅の僧侶たちの葛藤を描いた「典座」(富田克也監督、相澤虎之助共同脚本)
空族(くぞく)とは変わった名前ですが、日本の気鋭の映画製作集団です。空族はこれまで疲弊する地方に生きる若者がブラジルからの移民労働者と抗争する物語を描いた「サウダーヂ」や、タイの売春婦に日本人客をあてがう日本人の風俗業者たちと売春婦たちの生を描いた「バンコクナイツ」など、いずれも3時間を超える長編力作を自前で作ってきたグループです。驚くのはたとえば「バンコクナイツ」で登場する売春婦たちが現実にその世界の女性たちであり、撮影の舞台も現実のその場所を借りて撮影した、ということです。これには本当に驚きました。現実の人がドラマを演じながら、俳優を凌ぐほどに見事に「自分」を演じ切っていたからです。空族は現実の人間に演じさせることで、プロの俳優にはできないホンモノの存在感や空気、リアリティを重視していると言えます。(2019/07/30)


みる・よむ・きく
ジョージ・オーウェル著「オーウェル評論集」(小野寺健訳 岩波文庫) オーウェルは冷戦的思考では読めない 
2013年秋の特定秘密保護法の国会審議と強行採決あたりから、日本ではインターネット世界で英国の作家、ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984年」への言及が多くなった。高橋和久氏による優れた新訳版が2009年にハヤカワepi文庫から出版されたこともその背景にあるだろう。Amazonのサイトの売れ筋ランキングを見ると、今でもハヤカワepi文庫の売り上げNo1は「1984年」だそうである。さらに、英米文学のカテゴリーでも6位に位置するのだ。オーウェルが全体主義社会の恐怖を描いた「1984年」がこれほど読まれているのは、わが国に同様の未来が待ち構えているのではないか、と不安を持つ人が多いからだろう。(2019/07/28)


文化
イスタンブールの「悪い娘たち」  トルコの漫画家、ラミズ・エレール(Ramize Erer) さんがイスタンブールへ里帰り
トルコの漫画家、ラミズ・エレール( Ramize Erer 1963- )さんは2007年にパリに移住した。 エレールさんの代表作は「悪い娘たち」で、快楽主義的にふるまう娘たちの行状を描いたシリーズだ。素っ裸の娘が描かれたものもあった。といってもエロというよりおおらかな笑いだった。だが、トルコが年々保守化したため、エレールさんは娘を連れてパリに移り住む決意をしたのだ。(2019/07/28)


政治
「政治家とは人々が政治を行うのを手助けする職業である」
今回の選挙で山本太郎氏を左派のポピュリストと言う人もいるようですが、筆者はそういう風に見ていません。欧州で筆者が最近、耳にした言葉を1つ挙げさせてください。それは哲学者が政治について語った言葉です。「政治家とは人々が政治を行うのを手助けする職業である」これがその言葉です。最初、本当に驚きました。というのはこんな発想を日本で持ったことがなかったからです。日本の政治に対する常識と180%異なる視点ではないでしょうか。というのは当地では政治家とは人々を導いていくカリスマ的リーダーが良き政治家と思われてきたフシがあります。「強いリーダーが欲しいですね」という言葉が象徴的です。(2019/07/23)


文化
ジャン=マルク・ロシェットさんのBDが再映画化 SF階級差別列車の冒険を描くジェニファー・コネリー主演『Snowpiercer』(スノーピアサー)   
以前、お伝えしましたフランスのBD作家、ジャン=マルク・ロシェットさんの作品「脱走者」(Le Transperceneige: 直訳=雪を貫くもの)がハリウッドで映画化され来年公開となるそうです。2013年には韓国の名匠、ポン・ジュノ監督によって映画化されていますが、今回はジェニファー・コネリー主演による娯楽大作です。タイトルは『Snowpiercer』(2019/07/23)


政治
「れいわ新選組」野原ヨシマサ候補の衝撃 2 右翼知事の都・東京に要求を突きつけたオキナワ
れいわ新選組から東京選挙区で立候補した野原ヨシマサ氏が沖縄で辺野古への米軍基地移設に反対してきた創価学会員であることはすでに知られたことだ。野原氏はこれまでの候補者と異なるムードを持っていた。写真では南国ムードを醸し出すアロハシャツを着て、両手で親指を立てて「いいね」マークを見せていた。その眼差しは何を考えているか見通せない不敵な印象を与える。つまり、いかにヒエラルキーで上の者が命令しても、それがおかしければ従わない、自信に満ちた不敵な面構えなのだ。(2019/07/22)


政治
創価学会と公明党  「れいわ新選組」野原ヨシマサ候補の衝撃
今回、TVの選挙戦の報道で「れいわ新選組」の活動が投票後までほとんど報じられなかった本当の理由の1つは、「れいわ新選組」から立候補した野原ヨシマサ氏の公明党への異議申し立て演説だっただろう。野原氏は公明党が平和と福祉の党と言いながら、この10年間、安倍政権と連立を組む中で戦争と勝ち組の党に変質したことを訴えた。その演説は各地で大きな拍手に包まれていた。公明党は自民党のブレーキの役割を果たすとこれまで語って自民党との連立を正当化してきた。これについて野原氏が中野駅前で公明党を高齢の運転者にたとえ、ブレーキとアクセルを踏み間違えると危ないから免許を取り上げろ、と語った時は大きな笑いが起こった。(2019/07/22)


政治
国民民主党も野党共闘に参加したなら政策協定を守るべきだ
今回の参院選で自民党は議席を減らし、改憲勢力の自民・公明・維新を足しても3分の2に及ばないだろうという見通しが出る中、TVの中継で安倍首相は国民民主党にも改憲論議を持ちかけていく、と語っていた。 (2019/07/22)


検証・メディア
今回の選挙戦、最大の敗者は民間放送局だったかもしれない
今回の参院選、新聞ではTVの選挙報道が民放では4割も減ったと報じられている。投票率は50%を切ったとされ、争点が見えなかったとか、低調だったという声があるが、その責任のかなりの部分はおそらくTV報道に起因するものだろう。その象徴がれいわ新選組と山本太郎代表の報道であり、政党要件を満たしていないと言って、投票が終わるまで無視し続けてきた。過去の民放なら面白ければ食いついていったのではなかろうか。面白いと言うことは視聴率もとれる、ということである。ところがそれをしなかったということは選挙報道の本質を見失っているし、資本主義の原理も機能していないことを意味する。(2019/07/22)


社会
京都アニメーションの炎上を悲しむ  オーストラリアの聾者の映画監督  ロバート・ホスキン(Robert Hoskin, Australian deaf director )
「京アニ」(京都アニメーション)が炎上し、スタジオにいた約70人の半数弱、34人が亡くなった。事件の前、京アニは聾者のアニメーションを作っていた。「A Silent Voice : The Movie」(映画 聲の形)というタイトルで、2016年の映画だ。去年、僕はブルーレイ盤でこの映画を買った。メルボルン郊外のフランクストンにある「JB Hi-Fi」 (小売店)で買ったんだ。(2019/07/21)


欧州
削除されたクロード・ランズマンの言葉   パトリス・マニグリエ Patrice Maniglier  
評論誌「現代」について僕ら編集委員が全員の署名入りで書いた文章が今日、ベラシオン紙に掲載された。編集長だったクロード・ランズマンが亡くなって1周忌なのだ。ところで、僕には理解できない理由で、仲間の編集委員たちが、僕とジュリエット・シモンが書いた第一稿の中に出てくるクロード(ランズマン)が語った言葉を削って欲しいと要求してきた。それでやむなく、僕らはその言葉を削ったんだ、というのも僕らは人がいいからだ。(2019/07/20)


政治
NHKは民放にする必要なし 〜 久米宏氏のNHK分割民営化発言に思う〜
「ニュースステーション」の初代キャスターだった久米宏氏が先日、NHKの分割民営化論をNHKの番組で話したと言います。7月19日に放送されたNHK「あさイチ」だそうですが、筆者はその放送を見ていませんでした。久米氏の発言を報じたハフィントンポストによると以下(抜粋)。久米氏「NHKはね、民間放送になるべきだと思います。もしNHKが民間放送になり、スポンサーを集めたら、他の民放は全滅ですよ。だから1社でNHKが民放になるのは無理です。(2019/07/20)


政治
野党共闘の支持者たちが呼びかける戦略的投票 〜実態に合わない小選挙区制で中小政党の声を反映するための戦略〜
いよいよ選挙戦、投票まであと1日となった今日、SNSでは「戦略的投票」という言葉が流通しています。政策協定を結んで野党共闘をしている政党の候補者の中で、当選が固くなってきた候補者や当選見込みのなくなった候補者ではなく、当落線上にいる候補者に、たとえその政党が支持政党でなくとも野党共闘の議員数を最大化するように戦略的に票を投じてください、というもの。(2019/07/20)


政治
面白かった国民民主党・玉木雄一郎氏の映像キャンペーン 
 国民民主党と言えば支持者が1%いるかいないか、という小政党。だが、意外と存在感がある。それを支えている要素は党首の玉木雄一郎氏だろう。今回の参院選の選挙戦で野党はそれぞれ地道な選挙戦をSNSを中心にアピールしてきたが、国民民主党・玉木氏の映像キャンペーンはユニークだった。(2019/07/20)


コラム
戦争を一度始めたら終わらせるのが難しい  〜改憲を訴える政権与党に思う〜 
自民党の安倍首相は憲法9条の改正を求めており、自民党は改憲を参院選の争点だとしています。ですから、もし自民党が勝利したら、「国民の支持を得た」とばかりに改憲論議を加速していくでしょう。このことを考えた時、今、一番思い出されるのがドキュメンタリー映画「日本国憲法」を監督したジャン・ユンカーマン氏の言葉です。それは戦争というものは始めるのは簡単でも、終わらせるのは非常に難しい、ということです。太平洋戦争でも日本軍は真珠湾に奇襲を行い、程よいところでアメリカと講和条約を結ぶことを考えていたと聞きますが、そんな都合よく外国が認めるはずがありません。4年後に原爆を2発落とされ、国土が焼け野原になっても無条件降伏を認めるまでは、終わらせてくれませんでした。(2019/07/19)


政治
れいわ新選組の演説を聞きに来た人に聞いた   
れいわ新選組についてTVがほとんど無視しているというので、日刊ベリタで少しでも知りえたことを書いています。昨日のJR中野駅前の演説会では公明党の山口那津男代表に挑戦している沖縄の創価学会員の野原ヨシマサ氏と代表の山本太郎氏が演説を行いました。駅前は聴衆でいっぱいになり、駅への階段も座り込む人たちが連なっていました。聞きに来たある男性に「なぜれいわ新選組の話を聞き来たのか?」と聞くと、こう答えました。(2019/07/16)


政治
れいわ新選組・山本太郎氏がなぜ創価学会員を候補者に選んだか
4月に新党「れいわ新選組」を立ち上げ、山本氏も含め異色の候補者10人を参院選に投入した山本太郎氏。中でも沖縄で基地反対運動に取り組んできた創価学会員の野原ヨシマサ氏を、東京選挙区から立候補させ、基地建設を進める自民党に追随してきた公明党の山口那津男代表と競わせたことで日本中をあっと言わせた。今まで恐らく誰も思いつかなかった妙手である。(2019/07/15)


みる・よむ・きく
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ著「自発的隷従論」〜生まれながら自由を知らない人々は自由を求めない〜
最近、フランスの新しい政治運動に参加した人々と話をしていると、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシが書いた「自発的隷従論」の話がしばしば出てくる。「自発的隷従論?いったいそりゃ何だ?」と思ってインターネットで検索してみると、驚いたことに邦訳も出ていた。しかも、なんと2013年の秋に初版が翻訳出版されていた。これはすごい!実際に中世フランス語から翻訳したのが山上浩嗣氏で、山上氏に出版しないかと持ちかけた東京外大の西谷修氏である。タイミングを振り返って思えば、両者の時代を察知するセンスに脱帽するのである。(2019/07/15)


文化
フランス革命記念日に向けてフランソワ・リュファン(映画監督・ジャーナリスト・国会議員)がパンク版を披露
 7月14日はフランスで1789年に起きた革命の記念日です。その象徴が革命の進軍の歌、「ラ・マルセイエーズ」。国歌になっていますが、これまで様々な歌手が権力批判のパロディ版を歌ってきました。今年話題になっているのが、ジャーナリスト・国会議員で映画監督でもあるフランソワ・リュファンとパンクバンド「La Horde」による「僕のマルセイエーズ」です。このパロディ版では市場経済至上主義が押し付けてくる様々な消費主義の「モラル」が徹底的に批判されています。(2019/07/14)


政治
参院選の野党共闘の合意13項目の第1項目 〜憲法第9条「改定」への反対〜 戦争リスクの排除が家計底上げ政策を保証
今回の参院選でも野党協力が行われていますが、その要として市民連合が間に入った形で13項目の政策協定が結ばれています。この中には最低賃金1500円を目指し、8時間働けば暮らせるルール作り、という今熱く語られている経済政策も入っています。しかし、1項目目には憲法9条の改定への反対が記載されています。さらに2項目には安保法制の廃止が盛り込まれています。これらは一見、最低賃金の引上げなどと比べると、多くの人には少し遠いテーマのように見えるかもしれません。(2019/07/13)


みる・よむ・きく
加藤晴久著「『ル・モンド』から世界を読む 2001ー2016」
藤原書店から出版された加藤晴久著「『ル・モンド』から世界を読む 2001ー2016」はいろんなことを筆者に思い出させてくれた興味深い一冊です。本書はフランスの夕刊紙ル・モンド(Le Monde)の記事の切り抜きをもとにフランス文学者の加藤晴久東大名誉教授が時々の思いをつづる、というスタイルになっています。まず興味深いのがここで取り上げられた時間が2001年というシンボリックな年号から始まっていることで、それはあの9・11同時多発テロが起きた年だということです。(2019/07/13)


政治
れいわ新選組 「れいわ祭」 政治の新しい風 〜日本社会を象徴する町の候補者たちが続々登壇〜
れいわ新選組の「れいわ祭」が品川駅前で12日の夕方行われています。冒頭、創設者の山本太郎議員が登壇し、消費税をゼロにして、その財源は富裕層や大企業などへの累進制度を当てればおつりが9兆円来ると語り、その9兆円を学生の借金をチャラにすることに使っていいですか、と問いかけました。大きな反響の中、今回の参院選の候補者が次々と登壇中です。(2019/07/12)


コラム
愛読する新聞を政府広報誌にしないためには買い支える必要がある
新聞が政府を忖度する記事を書くようになった背景には新聞の購読者が減少して経営が厳しくなっていることが想像されます。読者の購読料で経費が賄えなくなった新聞社は大企業などの広告費や政府の広報などに依存する割合が高まっていきます。現在の与党自民党は大企業を優遇する政策を取ってきましたから、両社は共通する力を目に見える形であれ目に見えない形であれ新聞社に加えていると想像されます。それは紙面に反映するはずです。(2019/07/12)


コラム
日本の資本主義の危機と冷笑主義の人々
資本主義陣営を支えるはずの経営者やエコノミストの多くが、政府の経済統計の誤りや公文書の隠蔽・改竄に対して行動を起こさないように見えるのはなぜだろう。ますますソビエト連邦に近い権威主義国家になっている日本政府を批判する人をなぜ「左翼反権力」などと言って冷笑する人間がいるのだろう。その人がもしかつてのソ連にいたなら、政府批判をしただろうか。いや、そのようには思えない。ソ連で政府批判をする人を「右翼反権力」と言って同じように冷笑していたのではなかろうか。(2019/07/10)


文化
教授と女学生のセクハラを巡る確執を描いた「オレアナ」の劇作家デビッド・マメットの新作"Bitter Wheat" ( 苦い麦) ジョン・マルコビッチ主演でハリウッドのセクハラ事件に着想を得た作品らしい
アメリカの劇作家デビッド・マメットと言えば「グレンギャリー・グレン・ロス」や「アメリカン・バッファロー」と言った作品で1970年代から90年代にかけてアメリカの劇作家の第一線で活躍していました。マメットは1992年にはセクハラを巡る大学教授と女子学生の葛藤を描いた戯曲「オレアナ」を発表し、その熾烈な葛藤で衝撃を与えました。「オレアナ」が衝撃を集めたのは、男の言い分では埋まらない男女間の深い溝、女性の怒りが男の想定を超えており、話そうとすればするほどむしろ溝が深まっていく難しさと怖さが描かれていました。(2019/07/08)


コラム
アルバイトと学生と読書のノルマ 〜いかに読んだ風を装うか〜
 最近、学生がアルバイトに追われて読書時間を作るのに苦労している、という報道によくお目にかかります。今の学生は学費が昔よりも高くなってしまったことでアルバイトに追われている人が多いようです。国立大学ですらそのうち年間の学費が60万円台になろうという庶民にとっては恐ろしい時代です。学校を終えて3〜4時間ほどバイトを入れると、家に帰ったら10時とか11時とかでしょうし、もっと長いと深夜に帰宅となるでしょう。こうなったら、それから勉強しようとしてもなかなか疲れて難しい本を読む気力もなくなってしまうのではないでしょうか。(2019/07/03)


国際
G20 米政治評論誌がサウジの皇太子の問題を指摘 記者会見でもカショーギ記者殺害の件が質問されていた
アメリカの政治評論誌POLITICOが今回、大阪で開催されたG20で多くの人が感じていた疑問について直截に指摘した。それはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が参加していたが、この人物は国際的なスキャンダルの渦中にいる人物であり、それはカショーギ記者の虐殺を指揮していたのではないかという疑問である。この件は米議会でも追及されている問題だ。ところが、そのムハンマド皇太子とトランプ大統領と安倍首相が隣り合って記念写真を写している。POLITICOは見出しをこうつけた。(2019/06/30)


検証・メディア
将来、自民党が下野した場合のNHKについて  もとの軌道に戻すための道を考える時期に来た 〜NHK「非安倍化」検証委員会の設置を〜
今回、安倍政権が衆院を解散せず、参院選だけなら、もう少し先になるだろうが、いずれ自民党が下野したとしたら、安倍首相の応援団になっているNHKをもとの軌道に戻すための手術が必要になるはずだ。今回の選挙に備えた野党共闘の合意文書(13項目)は画期的なものだが、中でも注目は今回、新しく放送事業者の監督権を総務省から切り離して、独立した組織を作ることが盛り込まれていることだ。「立憲野党4党1会派の政策に対する市民連合の要望書」の13項目目は「国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること」(2019/06/29)


コラム
山の頂上の家と都会の家   文字を扱う人々とそうでなかった人々
僕は近年、フランス語の勉強を続けてきましたが、疲れた時に祖母のことが思い出されることがあります。父方の祖母で、彼女は日本語の字が読めない、いわゆる文盲でした。祖母は岡山の山の頂上にあった家に暮らしていて、祖父とともに農業と炭焼きをしていたのです。山羊も飼っていましたから、牛乳配達がなくとも、ミルクを得ることができました。子供の頃、僕は夏休みになると、両親に連れられて、この山頂の祖父母の家を訪ねるのがとても楽しみでした。山の匂い、囲炉裏の炎、電燈に集まってくる蛾や昆虫、そしてタヌキやキツネ、カラスなどの様々な生き物。(2019/06/28)


コラム
かくもトランスなチェ・ゲバラ 宝塚歌劇団の公演ポスター
街を歩いていて、1枚のポスターが目に飛び込んできました。宝塚歌劇団のこの夏の公演のミュージカルのポスターです。目に飛び込んできたのはキューバ革命の英雄、チェ・ゲバラを演じる俳優の顔でした。宝塚歌劇団は女性が男も演じるのが伝統なわけですから、チェ・ゲバラが主人公なら、男役の女優が演じるのは不思議でも何でもないのです。しかし、ゲバラのようにTシャツにまでなって世界中であまりにも頻繁にその顔を見る革命のイコンが女性によって演じられポスターになっていることが、目を引くきっかけではありました。(2019/06/27)


文化
イヴァン・ジャブロンカ氏の日仏会館における講演「社会科学における創作」 
社会科学を文学に創造する・・・それはいったいどのようなことなのか?フランスから初来日した歴史学者で作家のイヴァン・ジャブロンカ氏(Ivan Jablonka, 1973〜 パリ第13大学)の講演のタイトルが「社会科学における創作」だったことは大いに目を引いた。いったい社会科学は文学になるのだろうか?社会科学者は文学の創造者たりえるのだろうか?ここで社会科学者と言っているのは、たとえば歴史学者、社会学者、人類学者、政治学者などである。6月24日、会場である日仏会館に足を運ぶと、ジャブロンカ氏の著作の販売ブースが作られていた。売られていたのは「私にはいなかった祖父母の歴史」と「歴史は現代文学である」の2冊。いずれも名古屋大学出版会によるもので、売っている男性は名古屋から本をもって上京してきたと言う。百聞は一見に如かず。(2019/06/25)


みる・よむ・きく
ジョルジュ・ルフェーブル著「革命的群衆」〜フランス革命で津々浦々の農民たちはどのように立ち上がったのか?〜
フランス革命の研究で知られるジョルジュ・ルフェーブル(Georges Lefebvre, 1874-1959)は農村における革命過程の研究から出発した歴史学者である。翻訳者である二宮宏之氏によると、ルフェーブルは学位論文で「フランス革命下のノール県の農民」を提出して学位を得た。この研究は革命の起きた1789年の7月から8月に、「アリストクラート(特権階級の1つで貴族)の陰謀」という噂が各地に広まり、農民たちが自衛のための武装を始め、やがては革命に参戦していくプロセスということである。この陰謀の噂というのは貴族が雇って組織した野盗らが隊列を組んで農民の収穫物を奪い取り、農民たちを殺戮しにやってくる、と言ったものだったようだ。そこで恐怖を抱いた各地の農民たちは武装して領主の城や修道院を襲い、焼いたり、占領したりしたのである。映画でいえば黒澤明監督の「七人の侍」で、野武士の襲撃を目の前にした農民たちの自衛の反撃と言ったところだろうか。ノール県はフランスの東北部で、ベルギーとの国境地域に位置し、ルフェーブルが生まれ、大学で学んだのもリールを中心都市とするノール県だったのだ。(2019/06/16)


検証・メディア
ニューヨークタイムズが国際版から政治風刺漫画を禁止という報道が  村上良太
ニューヨークタイムズが国際版から政治風刺漫画を禁止する措置を来月から取る、との報道。本当か?!と思い、ネットで探ってみると、ワシントンポストやフランスのメディアなどでも同じことが報じられていました。社説やコラムの掲載されているエディトリアルというページがありますが、そこに毎日掲載されている漫画の事のようです。直接の引き金となったのは、イスラエルのネタニヤフ首相を盲導犬に描いて、盲人をトランプ大統領に仕立てたニューヨークタイムズの風刺漫画にイスラエルが抗議をしたかららしい。この件については重大なので、より真相がわかれば追って書きたいと思います。(2019/06/15)


コラム
パリで恒例の「詩の市場」 Marché de la poésie  村上良太
パリでは毎年、「詩の市場」という恒例の催しが行われていて、小さな独立系の出版社が多数、ブースを出して詩集を中心に出店しています。それらの詩集は印刷部数も100から1000くらいのものが多いようです。ですから大量出版・大量消費型の出版文化ではなく、むしろ、版画を売っている、みたいな感覚と言った方がよいのです。買いに来る人たちも大量消費型のマス文化よりは、街の人々の日々の文学つきあい的な感覚があります。(2019/06/15)


文化
フランスの歴史学者、イヴァン・ジャブロンカ氏の講演「社会科学における創作」 歴史学や社会科学の研究は文学にもなりえるか?  
 6月24日(月)18時半から、東京の日仏会館でフランスの歴史学者、イヴァン・ジャブロンカ氏による講演「社会科学における創作」が行われる。ジャブロンカ氏には「歴史は現代文学である」とか、「私にはいなかった祖父母の歴史」といった著作があり、歴史学における研究成果の出口に文学をあげているようだ。いったい、それはどのような営みなのだろう。文学になることで歴史が歪曲されることはないのだろうか?事実と記憶と想像力はどのような関係にあるのか?などなど興味は尽きない。(2019/06/11)


みる・よむ・きく
70歳の年金生活者がインターンになる映画 デ・ニーロ主演の「インターン」
昨今何かと高齢化社会に関わる記事が多くなった。将来、年金が少なくなっていくから2000万円貯金しとけ、と言うような政治家の話とか、高齢のドライバーの交通事故とか、70歳まで働ける仕組みを作るとか、そんな話題だ。全般的に暗い未来像がそこにある。そんな昨今、70歳の年金暮らしの男が「シニアのインターン募集」というチラシを目にして、ネット販売の企業(e-commerceと呼ばれることが多い)にインターンとして就職する映画を見た。「インターン」というまさにベタなタイトルのこのハリウッド映画にはロバート・デ・ニーロが主演している。(2019/06/10)


政治
れいわ新選組の経済政策への疑問点  村上良太
山本太郎参院議員が立ち上げた新党「れいわ新選組」が静かなブームになっている。その演説は最低賃金の大幅増加や、消費税ゼロなど刺激に富んでいる。筆者も興味深くその演説をyoutubeで見てきたのだが、しかし、核になっている経済政策に今一つ不安を感じるのだ。反緊縮という考え方には共感できるものの、財政難から国家破綻したり、ハイパーインフレになったりすることはないと山本議員が考えているとしたら、甘いのではないかな、という不安なのである。(2019/06/09)


コラム
チェコのもぐらのクルテク   村上良太
空港のカウンターに向かって並んでいると、子供がじろじろ見ることが多い。僕のスーツケースだ。そこにはKrtek(クルテク)のシールが貼ってあるからだ。クルテクはチェコの漫画の人気キャラクターなのだ。それは黒いモグラである。だが、クルテクはミッキーマウスやドナルドダック、あるいは、スーパーマリオほどには面が割れていないのではなかろうか。それでも子供たちは人気度などよりも、クルテクの漫画自体に興味をひきつけられるのかもしれない。(2019/06/06)


コラム
メディアーキーとメディアナルキー  いかに世界同時多発性からリズムをずらすか
先月、フランス人の研究者の方々との映像に関するシンポジウムに参加しましたが、その時、「メディアーキー」という言葉をフランスの知識人が提唱しているということを知りました。メディアーキーという本が書かれており、作者はイブ・シットンという名前のパリ第8大学の研究者です。生まれはスイスのようですが。僕は未読なので、詳しい話はできませんが、多少なりともイブ・シットン氏のテキストを読んだ限りでは、国境を越えたインターンネットメディアの大企業の影響力が強まり、これがリスクを高めていく可能性があると言うことのようなのです。シットン氏は一例としてサッカーのワールドカップみたいに、1人の選手のゴールが決まった時に世界中で億単位くらいの人が同時多発的に同じ反応を取ることをあげていました(応援するチームが逆なら喜怒哀楽も逆でしょうが)。こんな風に、ますます緊密にメディアの映像を通して、私たちは結びつけられてきたということです。(2019/06/04)


政治
参院選に向けた市民連合と野党4党および1会派の政策合意内容は? 〜立憲主義に加え、最低賃金の目標「1500円」や報道の自由の徹底(放送の管轄を総務省から独立機関へ)税制の公平化など〜
参院選を前に「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が野党の選挙協力を進めるために要望書を作成し、5月29日に野党4党1会派と市民連合で調印を行いました。4党は立憲民主党、国民民主党、社民党、共産党、そして1会派は「社会保障を立て直す国民会議」。政策合意の中身は以下です。毎回基本は同じとも言えますが、細かく見ると、新しい中身が入っていることに気がつくでしょう。(2019/06/02)


検証・メディア
「国会は波静か」なのか? 国会PVの上西教授が記事に抱いた疑問
毎日新聞と言えば優れた報道が少ないくない。とはいえ、時に疑問を抱く記事もある。直近でいえば「国会は波静か 与党が応じず、衆院予算委は3カ月未開催」という5月30日の記事の見出しだ。この見出しに疑問を抱いて、SNSで発信したのが国会パブリックビューイングの代表、上西充子氏(法政大教授)だ。見出しは果たして「波静か」でよいのか、ということだ。ちょっとした言葉遣いに過ぎない、と見る人もいるかもしれないが、ちょっとした見出しにその記者、編集者の見方が集約されている。そして、それが積み重なって世論を形成していくのだ。(2019/06/02)


みる・よむ・きく
ハリウッドの才人、ジョン・ファブロー 映画「シェフ」で己の基本に立ち返る
最近のアメリカ映画の娯楽大作として「アベンジャーズ」や「アイアンマン」などスーパーヒーローが活躍する映画が大ヒットしているが、それらの作品群の多くに監督や俳優、製作などとして深く関わってきたのがジョン・ファブローだ。監督、俳優、脚本、製作と様々な仕事をこなしている映画人である。このファブローはSFXを多用するヒーロー映画以外に、ポスト・ウディ・アレンとでも言うような、温かい人間喜劇の作り手としての顔も持ち合わせている。(2019/06/02)


みる・よむ・きく
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)またはメキシコ人の力
アメリカのトランプ大統領は2016年の選挙選の時から、メキシコ人への侮蔑を繰り返してきた。国境を越えて侵入してくる犯罪者という見方を政治の場で堂々と語って恥じることがない。しかし、ハリウッド映画を担う一人のリーダーが、今やメキシコ人であることを世界に示したのが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が2014年に公開した映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」と言っていいだろう。イニャリトゥ監督は2016年にもハリウッド映画「レヴェナント: 蘇えりし者」で高い評価を得て、文字通り、現在、米国で最も質の高い映画を作れる監督と認知されるに至った。(2019/06/01)


みる・よむ・きく
スティーブ・マックィーン監督がセックス依存症を描く映画 ”Shame”(恥)  
スティーブ・マックイーンというと、以前はハリウッドの活劇男優が浮かんだものだが、最近、英国の黒人で同名の映画監督が活躍しているのだ。そのスティーブ・マックィーン監督が2011年に作った「恥」(Shame)という映画は、セックスの描写が多いことで過激だと言われるが、同時に、その内容が現代人の生活に過激に切り込んだ、という意味で過激でもある。恥ではエリートサラリーマンの30代の男が主人公だが、日夜、セックスのことで頭がいっぱいだ。電車の中に乗っていると、向かいに座っている女性客とやりたいと思い、家でも職場でもパソコンでポルノを見ており、マスターベーションをしている。(2019/05/31)


みる・よむ・きく
"How Democracies Die " ( Steven Levitsky and Daniel Ziblatt ) 「いかに民主主義は死ぬか」(スティーブン・レビツキー&ダニエル・ジブラット著) 中野晃一教授(政治学)がNYTで言及した話題の書
野党共闘を進めてきた市民連合のリーダーの一人、中野晃一教授(政治学、上智大学)は、今日付けのニューヨークタイムズに寄稿した文章”Why does Abe gush over Trump?" (なぜ安倍はトランプのことを話しまくるのか?)の中で、日本の政治が権威主義に向かっていることを指摘している。権威主義とは英語ではauthoritarianismであり、中国やロシアなど西側の民主主義国家群とは異なる政治体制を指す。安倍政権の下で日本も民主主義から権威主義体制に転換しつつあることが指摘されている。(2019/05/30)


欧州
初選出の29歳の欧州議会議員マノン・オブリ氏 ブリュッセルの欧州議会での会話を披露
欧州議会議員の選挙で今回、選出されたマノン・オブリ(Manon Aubry)氏は29歳。ジャン=リュク・メランション党首が率いるFrance Insoumise (服従しないフランス)の候補者リスト1位がこのうら若い女性マノン・オブリ氏だ。3位は前回書いたレイラ・シェイビ氏。レイラ・シェイビ氏は36歳と、いずれの女性も若く今年初めて議員に選出された。(2019/05/29)


コラム
おっぱいと戦争 マザコンと戦争の親和性を描くボリス・ヴィアンの戯曲があった 「将軍たちのおやつ」
 ロシアが実効支配している国後島を日本の国会議員が訪ねて、そこで<戦争しないと島は取り戻せない・・・>的な発言をしたかと思うと、今度は「おっぱい」と叫んでいたという報道がそのあとに続いた。戦争とおっぱいにあまりにも隔たりがあるために、こうした報道を消費している人々はどう受け止めたらいいのか、混乱したのではないか。その議員はマザコンなのだろうか。だとしたら、マザコンと戦争は親和性があるのだろうか。そんなことを思っていると、以前紹介した戯曲のことが思い出された。フランスの作家、ボリス・ヴィアンの「将軍たちのおやつ」である。この荒唐無稽の作品の中で、ヴィアンはマザコンの将軍たちがママの手製のお菓子をほおばりながら、リビングルームで戦争の相手国を探すくだりを書いている。(2019/05/28)


欧州
レイラの4度目の挑戦〜欧州議会議員に当選〜   村上良太
先週末に欧州では欧州議会議員の選挙が加盟国で行われました。フランスでも74議席の割り当てをめぐって行われました。マリーヌ・ルペン党首が率いる国民連合とマクロン大統領が率いる共和国前進のグループがほぼ同率で並び、そのうしろに緑の党などの環境政党グループ、右翼政党の共和党のグループ、左翼政党の服従しないフランス、社会党のグループという結果となりました。これを見ても2017年まで与党だった社会党の凋落ぶりは著しいです。マクロン新党に票を奪われていることが如実に見えます。一方、緑の党と環境政党のグループが3位に浮上しています。前回から議席を7つ増やしているのです。これは以下のウィキペディアの英語版(5月28日現在)を参照したもの。(2019/05/28)


みる・よむ・きく
今年、追悼上映されたクロード・ランズマン監督の「ショアー」
クロード・ランズマン監督の代表作というよりライフワークと言った方がよいホロコーストの生存者たちの証言を記録したドキュメンタリー映画「ショアー」が日本で初公開されたのは1995年だった。その「ショアー」が今年2月、アンスティテュフランセでランズマン監督の追悼上映の形で、「ソビブル、1943年10月14日午後4時」とともに上映されたことは関心の高い人々はきっと知っているに違いない。(2019/05/27)


みる・よむ・きく
鵜飼哲・高橋哲哉編 「『ショアー』の衝撃」
ナチスのユダヤ人絶滅政策の歴史を証言で記録した「ショアー」(SHOAH)というドキュメンタリー映画があり、これは映画館で9時間30分もの大作として知られています。この半端じゃない長さのことや、近所のレンタルビデオ店に置いていなかったこともあって、長い間見る機会を持ちえなかったのですが、「ショアー」の映画の証言を書き起こした本が出版され、日本でも翻訳されていたことを最近知りました。読んでみると、映画で見なかったとしても、相当にインパクトがあり、恐ろしい歴史が刻まれていました。いや、そうした言葉自体が映画の中で語られた言葉にまったくついていけないものです。(2019/05/27)


国際
トランプ政権の報道の自由への攻撃  ニューヨークタイムズが報じた米検察によるアサンジ氏の起訴のケース スパイ罪の適用
 ニューヨークタイムズは5月25日と26日の週末号の社説に"An assault on press freedom "(報道の自由への攻撃)と題する社説を掲げた。ここで語られている内容は、極めて重い意味を持つ。ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏がロンドンにあるエクアドル大使館から英国警察に引き渡されるシーンは映像で報じられたばかりだが、そのアサンジ氏に米検察が新たに先週、起訴を行った。そのとき検察は1917年のスパイ法なる法律を持ち出して、彼が国家秘密を違法に入手し、公開した件で起訴しているのである。(2019/05/27)


みる・よむ・きく
上西充子著 「呪いの言葉の解きかた」(晶文社)
上西充子氏と言えば、国会パブリックビューイング(国会PV)という、国会審議の録画を独自に編集して公衆の前で見せる運動を始めた法政大学の教授です。国会PVは、「国会を10倍面白く見る方法」と言い換えてもよく、現代の最も優れた市民運動の1つだと思っています。その理由は生まれてこの方、政治も国会もまったく面白くないと思い込まされてきた人々に、上西教授が国会の見方を提示したことにあります。野党議員による質問と首相をはじめとする閣僚たちや官僚たちの答弁を、細かく切り刻むような意図的な編集はせず(こうした手法は従来、プロパガンダと呼ばれる)、まるごと1ブロック数分間じっくり見せるのです。(2019/05/26)


コラム
国会議員の言論の自由
訪問中の国後島で戦争しないと島は取り返せない旨の発言をして問題視され、日本維新の会を除名された丸山穂高議員は「言論の自由」を守るために国会議員は辞職しないと言っているそうだ。言論の自由は大切だが、言論の自由の根拠は国会議員だからあるのではなく、日本国民が持つ根源的な自由に属する。国会議員に選ばれたから言論の自由が重んじられないといけない、ということでは全くない。だから、彼は国会議員を辞職しても言論の自由は奪われるわけではないから安心すべきだ。(2019/05/22)


みる・よむ・きく
英国のケン・ローチ監督の新作 "Sorry We Missed You" 労働者に労働者自身で搾取させるシステムを描く作品
英国のケン・ローチ監督と言えば社会派の映画を作ってきた人だが、カンヌ国際映画祭の最高賞も2回受賞している。そして、今、開催されているカンヌ国際映画祭で上映されている新作が"Sorry We Missed You"というタイトルで、これも話題を呼んでいるようだ。いったいどんな話題かと言えば、現代の新しい搾取のシステムをそれに追い込まれる労働者の一家に焦点を当てて描いたものらしい。(2019/05/22)


コラム
昭和の最後の日 
平成の時代が終わり令和の時代が始まろうとする頃、平成の歴史を振り返るテレビ番組がいくつも放送されていた。前の昭和の最後の日は1989年1月7日で、その日、天皇が亡くなった。僕はその日、ある事情で京都駅から新幹線で広島に向かおうとしていたのだが、新幹線に乗り込む直前に号外で知った。当時、毎日新聞大阪本社編集局で夜勤の学生アルバイトをしていた僕は1988年の秋ごろからXデーに備えた紙面づくりの準備をしていたのを覚えている。僕は整理部の号外担当者のために新聞社のライブラリーへ天皇の写真を何枚か取りに行ったのだ。(2019/05/20)


文化
日仏会館シンポジウム「イマージュと権力 〜あるいはメディアの織物〜」
 「イマージュ」という言葉、時々耳にするけれど、イマージュってなんだっけ? イメージとどこか違うの?・・・この言葉にはそんな戸惑いを感じてきた。それに対して初めて、「あ、違うんだ」と感じさせてくれたのは日仏会館で行われたシンポジウム「イマージュと権力 〜あるいはメディアの織物〜」における小林康夫氏(青山学院大学教授)の言葉だった。「イマージュと言う言葉が私の人生を変えた」と。小林康夫氏は美術評論家・宮川淳の著書「鏡・空間・イマージュ」に20歳の頃触れて大きな影響を受けたことを語った。(2019/05/19)


市民活動
国際シンポジウム 「イマージュと権力、あるいはメディアの織物 〜日仏の眼差し〜 」
今週17日の金曜日、午後5時半から8時半まで東京の日仏会館ホールで国際シンポジウムが開催されます。タイトルは「イマージュと権力、あるいはメディアの織物 〜日仏の眼差し〜」というもの。この日、筆者も討論に参加して、オルタナティブの映像メディアの可能性などについて話す予定です。ちなみにシンポジウムは金曜日と土曜日の2日間連続です。日仏の映像クリエイターや研究者、批評家などが登壇します。(2019/05/16)


みる・よむ・きく
是枝裕和監督「三度目の殺人」 平成の時代を象徴する1本
是枝裕和監督の「三度目の殺人」(2017)は平成の時代を象徴するシンボリックな作品に思える。真実とは何かを問いかけるこの映画は黒澤明監督の「羅生門」を想起させるが、違いは多様な人間のそれぞれの真実ということではなく、一人の被告が何度も犯罪事実の供述を変えることにある。脚本が工夫されているのは拘置所に出向いて被告と陪審員裁判のための打ち合わせをする「聞き手」である弁護士の設定である。福山雅治演じるこの弁護士はこれまで法廷戦術として、真実を多少改ざんしても被告の利益になる「物語」をこれまで重んじてきた男に設定されていることだ。(2019/05/11)


コラム
「オモイデはニッポンの人」
駅の構内でちょっと変わったポスターを目にしました。ニンテンドーのマリオに似た髭づらの外国人のおじさんが日本旅行中で、銭湯で裸のつきあいまでしています。ポスターのコピーには「オモイデはニッポンの人」とあるではありませんが。これは筆者が外国旅行するときに、肝に銘じていることと同じです。浮世絵とか、蕎麦とか、相撲といった旅行案内に記されたエキゾチックな日本だけに満足した時代は終わりで、これからは日本人自身が見られ、体験される時代なのだ、日本人自身が最大の旅の味わいなのだ、ということを示しています。(2019/05/07)


コラム
貧乏な時代にこそイタリア語を  村上良太
連休中に平成の歴史特集が各局で行われていたけれど、平成元年は未だバブル景気の真っただ中で、テレビ東京の特番では竹藪に巨額の金がバッグに詰められて捨てられていた事件を振り返っていた。バブル時代を象徴するものの1つがイタリアンではなかろうか。イタリアのオペラやイタリア料理(当時は「イタ飯」などと言っていた)が大流行していた。当時の空前のイタリアブームは日本の金余りと結びついた現象だったように思う。たとえば作家の村上龍はその頃、アルマーニを着こなして雑誌などに登場していた。(2019/05/06)


政治
国会パブリックビューイング (4月9日)で語られた「働き方改革」とフランスのマクロン改革
4月9日に新宿駅西口地下で行われた国会パブリックビューイングでは非常に重要な問題が語られています。この日のテーマは「働き方改革」は何を目指しているのか?「多様な働き方を選択できる社会」とは?というものです。これはこれまで行われた国会パブリックビューイングの中でもその原点と言ってもいいような必見の内容ですから、多くの方に見ていただきたいと思っています。というのも、この運動の代表をしている上西充子教授が労働の専門家であることにあります。(2019/05/05)


検証・メディア
ワセダクロニクルのシンポジウム「日本の『共犯者たち』は誰だ?  権力と『マスコミ』」〜ドキュメンタリー映画「共犯者たち」を見て〜
 5月3日、東京で調査報道に独自に取り組むNGOのワセダクロニクルが「世界プレスの自由デー」を記念してシンポジウムを開いた。前半は韓国の放送ジャーナリストたちが政権の圧力によっていかに職場を解体され、またいかに抵抗して闘ったかを描いたドキュメンタリー映画「共犯者たち」が上映された。この映画では保守政権の李明博政権時代にKBS(韓国放送公社)やMBC(文化放送)などの公共放送の調査報道番組班が次々と解体され、社長の首がすげ替えられる姿がリアルに記録されていて迫力に富む。(2019/05/03)


みる・よむ・きく
フィリップ・ポンス著 「裏社会の日本史」(ちくま学芸文庫)
フィリップ・ポンス著「裏社会の日本史」は長い間、読もうと思いながら、ようやく買って手にしたのは2〜3週間前のことだ。躊躇した理由はかなりなボリュームのある本であることと、日本社会の暗部を研究して描いた社会学的な本であることだ。そこには貧困者やホームレス、あるいはやくざやテキヤといった稼業の人々のことが描かれているらしいのである。「本書では『極道』と貧苦の領域に関する報告書を作成するにとどまらず、歴史学から現地探索に至るまで複数のアプローチを組み合わせ、固有の行動規範や道徳、歴史を有する陰の社会システム作成の過程を捉えること、要するに日本語の表現を借りれば『雑草の文化』とも呼びうるものの諸側面について検討することを試みた」と序章にある。(2019/04/30)


みる・よむ・きく
前川喜平著 「教育のなかのマイノリティを語る〜 高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育〜」
今月26日、東京・文京区で日刊ベリタ主催の前川喜平氏の講演会が開かれ、筆者も話を聞きに行った。演題は「21世紀の平和教育と日本国憲法」だ。前川氏は2年前の国会で加計学園の獣医学部設置認可に官邸の文科省への圧力があったのではないか、との疑惑が浮上していた時、前文科省事務次官として懸案の文書(「総理のご意向」などと記された文書と言われる)が存在したと発言して話題になった。文科省はその当時、文書の存在を認めていなかったのだ。(2019/04/30)


政治
「多様な働き方を選択できる社会」とは!?#国会パブリックビューイング 
4月9日に行われた国会パブリックビューイングの映像がyoutubeに上がっています。解説:上西充子(国会パブリックビューイング代表) (2019/04/26)


みる・よむ・きく
「バナナと日本人」と「エビと日本人」 市民と研究者が手を携えて生まれた名作
 テレビとか新聞は基本的に「現在」を扱ったメディアですから、10年前、20年前、30年前の日本人がどういう感覚で暮らしていたか、実際にどういう暮らしだったのか、そうしたデテールは忘却される傾向があります。テレビのドキュメンタリー番組でも時代時代でトレンドもナレーションも大きく変わっています。1980年代のバブル時代の表現と、今日の貧困化する日本における表現は大きく違っているはずですが、そうした対比を実感できる機会はほとんどなく、いつも「現在」しかないために「現在」がずっと昔からそうだったかのような錯覚を抱いてしまいがちです。鶴見良行著「バナナと日本人」が出版されたのは1982年、村井吉敬著「エビと日本人」が出版されたのは1988年です。いずれもロングセラーの名作です。(2019/04/22)


コラム
再びフランス革命を考える時    村上良太
昨年「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」という本を社会評論社から出版しました。これはフランスで2016年3月31日に始まった市民運動「立ち上がる夜」(Nuit Debout)の参加者たちをルポしたものです。彼らの運動はいったんは終息しましたが、やがて形を変えて「黄色いベスト」に受け継がれていきました。この運動をパリや地方都市で取材していた時、何度となく、フランス人たちから「フランス革命」に関する考えを聞かされることになりました。実は僕はこの本を書くための取材をするまで「フランス革命」についてはほとんど無知でした。(2019/04/12)


国際
ロンドンのエクアドル大使館からジュリアン・アサンジ氏が逮捕連行される光景 Ruptly TVの映像
ロンドンのエクアドル大使館からジュリアン・アサンジ氏が逮捕連行される光景 Ruptly TVの映像(2019/04/12)


コラム
黄色いベストの背中のメッセージ集が出版されました "Plein le dos "( いっぱいの背中)
最近、パリに住んでいるフランス人の知人から届いたのが"Plein le dos "( いっぱいの背中)というタイトルの黄色い冊子です。gilets jaunes(黄色いベスト)という話題の反マクロン政治運動の参加者たちがめいめい思いを記したベストの背中のメッセージを集めたものなのです。日刊ベリタでも背中のメッセージについては何度か紹介しました。パリのルイーズ・ムーランさんによる写真などででです。実はこの"Plein le dos "( いっぱいの背中)もムーランさんが発案者です。運動の記録となりますし、どんな思いの人が参加していたかを知る手掛かりになりえます。(2019/04/08)


政治
国会パブリックビューイング 4月9日(火)18時30分〜 JR新宿西口地下広場にて <『多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革』とは?>
【街頭上映案内】4月9日(火)18:30より、JR新宿西口地下広場にて、この4月より施行の働き方関連法を国会パブリックビューイングで取り上げます。昨年の国会審議を振り返りつつ、政府が「働き方改革」の名で進めようとしているものを改めて考えます。 解説:上西充子/ゲスト解説:全労連・伊藤圭一  解説を行う国会パブリックビューイング代表の上西充子教授は今回のテーマについて、こう述べています。上西代表「今回は、『第1話 働き方改革―高プロ危険編−』https://www.youtube.com/watch?v=LQ71hlwBEVo&t=521s (2019/04/08)


検証・メディア
アルジェリアの放送局を揺さぶる民衆の力革命 政府の検閲に対する記者たちの闘い
アルジェリアでは20年間政権の座にあったブーテフリカ大統領の五期目を民衆のデモが阻止することになった。民衆の要求を受け入れる形で4月2日、病で執務が十分にできないブーテフリカ大統領は辞職した。国民に対して許しを乞うた。これをフィリピンの例に倣って民衆の力革命と言ってもいいだろう。(2019/04/07)


国際
歴史が変わる日  アルジェリア 
4月2日、アルジェリアのブーテフリカ大統領が辞任した日、首都アルジェの通りに多くの人々が繰り出した。以下はその映像。(2019/04/05)


検証・メディア
アルジェリアの大衆デモと報道の自由を求める記者たちのデモ 
アルジェリアでなぜ新聞やラジオ、テレビなどの報道に携わっている記者たちがデモをしているのか。しかも、彼らのデモは、大衆デモの原因となっていた5選を目指していたブーテフリカ大統領が辞任しても続けられている模様です。そこには検閲の問題が関係していることは昨日書きましたが、さらにニューヨークにあるCPJ(Committee to Protect Journalists、ジャーナリストを守る委員会)という組織の人が、アルジェリアの報道関係者のデモについてブログを発表していました。タイトルは、”Barred from covering unrest, Algerian journalists hold own protests”(デモを報じるのを禁止されたため、ジャーナリストたちは自らデモを行う)というものです。(2019/04/05)


検証・メディア
アルジェリアで報道の自由を求めるデモ  検閲はもうたくさんだ! 記者ら約100人が集結
アルジェリアでは「第二の革命」が進行中だと先日書きましたが、ブーテフリカ大統領の五選の可能性が消えて大統領が辞任しただけではおさまらず、首都アルジェでは報道の自由を求めるデモが続いています。(2019/04/05)


コラム
輸入される思想と日本  暮らしと切り離されて箪笥の底に眠っていないか
日本に入ってくるフランスの思想や哲学というと、デリダとか、ドゥルーズとか、フーコーなどがすぐに挙げられると思います。しかし、こうした思想はどれだけ日本の大衆に影響を与えたか、というとほとんど知られていない気もします。こうした哲学は時々で流行りすたりのあるファッションに似て、その時の主流に多くの人がついていこうとするのも無理からぬような気もします。(2019/04/04)


文化
「黄色いベスト」を扱ったフランソワ・リュファン監督(共同)"J' veux du soleil! " (太陽が欲しい)の公開が始まる
昨年11月に始まり、今も毎週週末になると黄色いベストを着用してあちこちでマクロン大統領への反対運動を繰り広げる「黄色いベスト」を描いたフランソワ・リュファン監督(共同)のドキュメンタリー映画"J' veux du soleil! " (太陽が欲しい)の一般公開が4月3日に始まった。今回はジル・ペレ(Gilles Perret)との共同監督である。リュファン監督によると、過去1か月半の間に、先行的な上映会を各地ですでに80回行ってきており、およそ2万5千人が見たとのこと。そして今日始まる一般公開では140以上の映画館でかけられる。(2019/04/03)


文化
突出した伝統のあるリベラシオン紙の映画記事 映画批評家のジュリアン・ジェステル氏が来日 
 昨日、フランスの日刊紙、リベラシオンの映画記者、ジュリアン・ジェステル氏が日仏会館で同紙の映画批評の歴史を話してくれました。これは今、日仏会館が取り組んでいる企画の1つで、コーディネートしているのは日本映画研究家で、日仏会館の研究者であるマチュー・カペル氏です。僕はこれまで確たる認識がなかったのですが、リベラシオンはルモンドやフィガロといったフランスの大手日刊紙の中でも突出した映画記事の伝統を持っている、ということでした。何しろ、文化部から独立した「映画部」まで抱えていて、たとえば映画雑誌のカイエ・デュ・シネマと共同でカンヌ映画祭特集号を出すこともあるそうです。実際にカイエ・デュ・シネマの記者がリベラシオンに移籍したり、またその逆もあるようで、そうした人材交流の面を見ても、日本の新聞とは異なる伝統を持っています。(2019/04/02)


コラム
桜とチェーホフと高橋源一郎著「ぼくらの民主主義なんだぜ」  村上良太
毎年、満開になった桜を見ると、思春期の頃に清新な感動を覚えたチェーホフの戯曲「桜の園」などの一連の戯曲が思い出されます。ロシアに桜があるのですね。チェーホフの4大戯曲の1つ、「桜の園」では零落する貴族の持っていた桜の園が新興の資本家によって買い取られ、そこに別荘地が建設されることになり、桜を切り倒す音で幕を閉じます。チェーホフの戯曲には「かもめ」でもそうですが、未来を憂える登場人物が多く出てきます。とくに自然環境が、森が産業開発によって侵されていくことを憂える医師などのインテリが目立ちます。これはチェーホフ自身の心配でもあったに違いありません。そして、チェーホフは当時ロシアで起きている問題をその時点では解決できなくても、未来の人類が解決してくれるだろう、という希望も持ち、戯曲の中でもそうした言及があります。(2019/04/01)


人権/反差別/司法
パリ郊外の事実無根の噂「ロマが子供をトラックで誘拐している」でロマ(ジプシー)のキャンプが襲われる  ロマの住民たちを襲う不安
 事件は3月25日(月)、パリの北東、セーヌ=サン=ドニ県にあるにボビニーで起きた。ロマ(ジプシー)がトラックでフランス人の子供を誘拐しているという事実無根の噂がソーシャルメディアで広まったため、怒りに駆られ興奮した地元の人々がロマたちのキャンプを襲撃したというのだ。このキャンプにはロマがおよそ150人暮らしている。AFPの報道では50人余りのフランス人がナイフや棒を手に襲撃に集まった。キャンプに置かれていたロマの車は彼らが投げたレンガなどで壊され、ロマの人々に向けて投石が行われた模様だ。(2019/04/01)


国際
アルジェリアの第二革命  歴史は終わらない   村上良太
 この春、アルジェリアで起きたブーテフリカ大統領の5選を目指す出馬に反対する民衆のデモについてアルジェリアのジャーナリストに率直に「どう見ているか」、と聞いてみた。日刊ベリタにもたびたび寄稿いただいたTV局、Canal Algerieの記者、アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)氏である。(2019/03/29)


政治
菅官房長官記者会見における質問制限・質問妨害問題 #国会パブリックビューイング
3月14日、JR新宿駅西口地下広場で行われた「国会パブリックビューイング」の解説入り映像がYoutubeにUPされました。テーマは菅官房長官記者会見における質問制限・質問妨害問題 です。中心になっているのはマスメディアのジャーナリストらの抗議声明ですが、その背景となる首相官邸の記者会見における質問妨害事件と官邸からの圧力文書の経緯なども盛り込まれています。(2019/03/28)


文化
”ソ連のスーザン・ソンタグ”と言われた批評家、マリア・トゥロフスカヤさんが死亡(94) ミハイル・ロンム監督「ありふれたファシズム 野獣たちのバラード」の脚本も担当
「ソ連のスーザン・ソンタグ」と言われていた批評家のマヤ・トゥロフスカヤさんが亡くなった。94歳だった。ニューヨークタイムズが報じたのだが、3月4日でドイツのミュンヘンの自宅でだった。この十数年はドイツに移住していたのだと言う。(2019/03/28)


コラム
The Japan Times に竹中平蔵氏が日本の経済成長に高齢者の労働の拡大が欠かせないと寄稿
 The Japan Timesと言えば最近、社主が変わり、編集方針が大きく変わったと報じられたばかりだが、その後、どうなっているのだろうかと新聞を手にしたら、今日、竹中平蔵氏が高齢者の労働の拡大を推進することが大切だ、という論考を寄稿していた。そこでは72歳のcaregiverが東京の養護老人ホームで働いている写真が付されていた。”Elderly workers: Expectations and challenges"がタイトルである。筆者は新自由主義には反対だが、だからといって竹中氏の言論の自由を奪えばいいとは思わない。ただ、The Japan Timesに竹中氏が寄稿したのだとすれば、その論旨を知りたく思ったのだ。(2019/03/27)


政治
3・14首相官邸前抗議集会でのアピール: 「知る権利」を奪う首相官邸の記者弾圧に抗議する
3月14日に首相官邸前で行われた「知る権利」を守るためのジャーナリストらを中心とした抗議集会ではアピール文が最後に出版労連委員長の酒井かをり氏によって読み上げられた。それが以下である。集会で「国境なき記者団」の日本事務局の瀬川牧子氏が語ったように日本では記者の虐殺や投獄こそ未だ起きていないが、それ以前の段階で原稿が没にされたり、記者が干されたりしているのではないか、ということである。国民の「知る権利」という見地に立てばどちらも同じ、ということなのだ。 アピール「『知る権利』を奪う首相官邸の記者弾圧に抗議する 」(2019/03/27)


政治
国会パブリックビューイングを見に行く 4 菅官房長官記者会見における質問制限・質問妨害問題
国会パブリックビューイング(国会PV)をまた見に行った。国会PVとは国会審議を公共の場で人々とともに見る、という昨年6月に始まった市民運動である。代表の上西充子法政大学教授によると、今回はいつもと異なり、メインディッシュは3月14日に首相官邸前で行われた新聞記者らが呼びかけた国民の「知る権利」を守るための首相官邸に対する抗議集会の映像だった。この3月14日の首相官邸前の集会には筆者も取材に行ったので話の中身はすでに知っていた。しかし、それでも今日、国会PVに出かけたのは多数の新聞記者らが発言したこの集会をどのように上西氏らが約80分に構成し、どのような解説をしてくれるのだろうか、という興味からだった。(2019/03/26)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その10  望月記者の同僚・東京新聞社会部、柏崎智子記者が登壇
3月14日の首相官邸前の「知る権利」を守る集会には、官邸記者会見の場で質問を妨害されてきた東京新聞の望月記者の同僚、社会部の柏崎智子記者も訪れてスピーチを寄せた。この日、様々な新聞の記者が集まり、望月記者に連帯の言葉を寄せた。だが、中でもっともインパクトがあったのは同じ職場の記者である柏崎さんの言葉だった。というのは、今日、マスメディアであるなしを越えて、様々な職場で労働者が互いにライバルにさせられ、連帯どころか商売敵か監視しあう敵であるかのような空気が強まっているからだ。背景には権力の問題だけでなく、市場が縮小する時代ということがある。こんな今日だからこそ、同じ職場の同僚が仲間を応援する言葉は新鮮だった。(2019/03/25)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その9  自由党・森裕子氏 
3月14日の首相官邸前の「知る権利」を守るための抗議集会で、何人かの国会議員が応援に駆けつけてきた。自由党の参議院議員の森裕子氏もその一人である。自由党の幹事長だった玉城デニー議員が沖縄県知事になったために、現在、森氏が幹事長職を引き継いでいる。森氏のスピーチで興味深かったのは自らが権力の側にいたときのことを振り返って語ったことだ。「権力を持っている人は権力の行使、権力の作法というものを知らなければなりません。私も文部科学副大臣をしているときに毎週2回記者会見がありました。(2019/03/22)


国際
CNNの番組でもサウジの弾圧チームの存在を伝える NYT記者が語る  昨年のサウジの改革の報道は何だったのか?
イスタンブールのサウジ総領事館で起きたジャマル・カショーギ記者の惨殺の背景をめぐり米国で新たな話題が沸騰している。この殺害は1ダースにものぼる一連の弾圧を行ってきた秘密チームによるものだ、とニューヨークタイムズの2人の記者によって報じられたのだ。これをめぐり、CNNはNYT記者へのインタビューを行っている。(2019/03/22)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その8 社民党・福島瑞穂氏が登壇
3月14日の夜に行われた首相官邸前の「知る権利」を守るための抗議集会。これは記者会見の際の東京新聞社会部の望月記者の質問に対する首相官邸の執拗な妨害行為に対する抗議集会だった。この時、ジャーナリストばかりでなく、野党政治家も駆けつけてきた。社民党の参議院議員である福島瑞穂氏もその一人だ。福島氏は自己の体験を語ってくれた。国会で福島氏が質問の際に話した言葉が与党側から繰り返し、議事録から削除するようにとの要求を受けているというのだ。たとえば「戦争法」という言葉。あるいは「鉄面皮」と言う言葉。あるいは「技能実習生は現代の奴隷制ではないか」という問いの言葉。(2019/03/22)


文化
シャルリ襲撃で殺された漫画家、ジョルジュ・ヴォランスキの漫画1000点以上が閲覧できるサイトが登場。エロスを描いて一番のフランスが誇る漫画家
2015年1月にフランスの風刺漫画シャルリエブドの編集室が襲撃され、漫画家たちが殺されたのだが、その中の一人がジョルジュ・ヴォランスキ(Georges Wolinski)だ。かつては月刊シャルリの編集長でもあった。フランスで70年代から80年代にかけてデビューした当時の若手作家たちにとってヴォランスキは父的な存在だった。そのヴォランスキだが、日本でシャルリ事件というとイスラム教徒に対するヘイトの漫画家が殺されたのは仕方がない、みたいな反応もあった。しかし、ここに出てくるヴォランスキの漫画を見れば、そうではなかったことがわかるだろう。(2019/03/21)


国際
サウジ皇太子が秘密のチームを率いていた可能性を報じたニューヨークタイムズ カショーギ記者殺害は組織的弾圧の中の1コマか
ニューヨークタイムズは3月20日の国際版の社説”Shedding illusion about the Saudis " (サウジへの幻想がこぼれ落ちる)で、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・サルマンがサウジの国民を監視、誘拐、監禁、拷問などを秘密に行うチームを持っていたらしいことに触れている。カショーギ記者の殺害の1年以上前からだったとされる。皇太子は世界に向けては改革派のイメージを演出していたが、サウジの市民グループによると、サウジ国内では2600人以上の科学者、記者、弁護士、女性の人権活動家らが拘束されていたとされる。しかも、2015年1月の皇太子の父に当たるサルマン新国王の即位以後、弾圧は急激に増えた、という。カショーギ記者の殺害も単独の事件とみるよりも、一連の組織的な弾圧の一部だったのではないか、というのだ。(2019/03/20)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その7 東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登壇
国民の知る権利を守るための3月14日の首相官邸前集会、スピーチを行う記者らの最後に東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登壇した。望月記者はこの日、最初からずっと演壇のすぐ脇にいて、野党議員や弁護士、同業の記者らの話を聞いていた。今、問題になっているのが首相官邸が望月記者の質問を妨害していることである。権力側による恣意的な記者の排除をいったん認めればその先にジャーナリズム不在の恐ろしい時代が来ることは明らかだ。様々な記者が様々な立場から、この問題をどう見ているかを語り、記者の連帯を呼びかけた。では望月記者はこの日、いったい何を語るのか。一同、固唾をのんで登壇した彼女の話に耳を傾けた。(2019/03/18)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その6 「国境なき記者団」の瀬川牧子氏  
3月14日の「知る権利」を守るための官邸前集会では、東京新聞・望月記者への首相官邸側の質問妨害に関して抗議声明を出した「国境なき記者団」の瀬川牧子氏も登壇してスピーチを行った。瀬川氏「毎年各国のプレスランキングを発表させていただいておりますフランスのパリに本部を置く『国境なき記者団』の日本特派員の瀬川と申します。今回の望月さんへの質問妨害に関して『国境なき記者団』の方から声明文を出させていただきました。重要なところだけ読み上げさせてください・・・」(2019/03/17)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その5 広島から駆けつけた中国新聞の石川昌義氏
3月14日夜、首相官邸前に新聞・放送などのジャーナリストをはじめ多くの市民が、記者の取材に対する執拗な官邸側の妨害行為に対して抗議するために集まりました。広島から駆けつけたのが中国新聞の石川昌義氏です。中国新聞が加盟する新聞労連の中国地連もまた、独自に首相官邸に抗議声明を出したのだと言います。石川氏「私は記者の仕事をはじめて20年になるんですが霞が関、永田町などで仕事をしたことはありません。ほとんど人口数万人の小っちゃな町で仕事をしてきました。そんなかでもこういうマスコミに制限を加えたりという無作法なふるまいはすぐ広がっちゃうんです。」(2019/03/16)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その4 毎日新聞労組の吉永磨美氏。
3月14日の首相官邸前の「知る権利」を守る集会には多くのジャーナリストたちが馳せ参じた。主催したのは日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)。この中の「新聞労連」に属する毎日新聞労組の吉永磨美氏はジャーナリストの立場から、今問題になっている記者会見における東京新聞・望月記者に対する官房長官らの嫌がらせについて、こう語った。吉永氏「テレ朝の記者が勇気を出して財務次官を訴えたのが約1年前です。この官邸における記者排除の根底にはこのセクハラの問題とかなり共通性があると私は思っています。権力側である官公庁など取材先との関係性やネタ取りを重視するあまり長い間、女性記者はセクハラにあいながらも黙らされてきました。・・・」(2019/03/15)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その3 新崎盛吾氏(共同通信労組 元新聞労連委員長) 
3月14日、首相官邸前で行われた「私たちの知る権利を守る」集会には新聞労連の委員長を以前つとめた新崎盛吾氏も駆けつけてマイクを手にした。新崎氏は共同通信労組のジャーナリストで、新聞労連委員長に選出されたのは2014年7月25日の新聞労連第124回定期大会だ。この定期大会のメーンスローガンは「労働組合の原点に帰ろう」だったとされ、すでにその頃、表現の自由に冬が訪れているという認識が広がっていた。2013年の暮れに国会で可決された特定秘密保護法や2015年の安保法制などはそれらの象徴的なものだ。新崎氏が委員長をつとめたのは2016年までだから、まさにそうした緊迫した時代を新聞労連の委員長として過ごした人物である。(2019/03/15)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その2 バナーの2色
 昨夜首相官邸前で行われた「知る権利」を守る集会で主催者を代表して南彰氏(日本マスコミ文化情報労組会議議長)はチラシに2色を用意したと言っていた。現場でそれを聞いていた筆者は、そこに何の意味があるのか、にわかにはわからなかった。写真を撮って自宅で見ると、確かに横断幕にも2色でキーワードがつづられている。「表現の自由」「報道の自由」「民主主義」これらを守ろう、と書かれているのだが、それが赤色と青色でそれぞれデザインされている。(2019/03/15)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” 官房長官らの記者に対する不当な質問妨害に抗議 
3月14日夕方、首相官邸前で抗議集会が行われました。といっても今更抗議集会自体には誰も驚かないでしょうが、今回の主催者が新聞や放送、出版などのメディアが参加する日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)だと聞くと「へえ」と思う人もいるのではないでしょうか。「日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)」とは新聞労連・民放労連・出版労連・全印総連・映演労連・映演共闘・広告労協・音楽ユニオン・電算労で構成する組織です。MICが官邸前でこうした行動を起こしたのは初めてのことだと言います。筆者もこうしてメディア業界の人が官邸前に集結して抗議に立ち上がるのはこれまで一度も見たことがありません。今回の集会はMICの中でも新聞労連が中心となったということです。「知る権利」の擁護を掲げた集会ですが、焦点になっているのは菅官房長官に新聞記者が質問をしようとしても執拗に質問を妨害されている問題です。(2019/03/15)


コラム
フランスの口頭試問   村上良太
最近、フランスの口頭試問を描いたユニークな2分の短編映像を見た。口頭試問というのはあまり日本人にはなじみのない試験方式ではなかろうか。思い出す限りにおいて筆者が学生時代に受けた試験はすべて筆記試験なのだ。さて、その短編はエリートを輩出するパリ政治学院(Science Po )の入試という設定で、何やら古ぼけた屋敷で3人のいかめしい男女の試験官が一人の若者に口頭試問を行う。3人がそれぞれものものしい言葉で試験の意義を語ったあと、女性の試験官が「それでは恋愛について10分で語りなさい」と言って、砂時計をひっくり返す。若者は意外な課題に度肝を抜かれ、しばらく言葉も出ない。「この試験は地政学でしたよね・・・・」とひ弱に語るが、沈黙の中、刻々と時間が過ぎていく。(2019/03/14)


欧州
フランスの眼科医35人がマクロン大統領にフラッシュボールの使用一時停止を求める請願書を送る
france bleuの報道によると、フランスの眼科医35人がマクロン大統領に、「黄色いベスト」を鎮圧するためこれまで使用してきたゴム弾(「フラッシュボール」と呼ばれることが多い)の使用の一時停止を手紙で請願した。(2019/03/13)


欧州
市民権の制限に乗り出したマクロン大統領  先月可決したフランスの「反暴動法」  
マクロン大統領が率いる行政府と、国会で多数派を率いるこれまたマクロン大統領の率いる新党「共和国前進」の与党が、11月から続くマクロン政権に対する抗議運動「黄色いベスト」を封じるべく先月、「反暴動法」を制定した。法案の骨子は、現地の報道によると、自治体の首長か治安当局者が、ある運動参加者を公共の安全に対して危険な人物だと認めれば、その人物を強制的に運動から排除できるとする法律のようである。これに対してフランス国内からも外国メディアからも市民権の不当な制限ではないか、とする批判的な報道が出ている。(2019/03/11)


検証・メディア
国会パブリックビューイング運動の射程  村上良太
昨年始まった国会審議を公共の場で広くともに見る国会パブリックビューイング(国会PV)という運動についてその現場を訪れて、何回か記事を書きました。今後のことは未知数ですが、この運動が長く続いていくといいな、という思いを筆者は持ちました。国会審議はTVで中継されることもありますが、多くの国民や市民はそれを同時中継で見ることが実際にはできないですし、さらにTVや新聞でのちに報じられたものが、必ずしも実際の審議の場を的確に描写したり、編集したりしているかと言えばそうではないようです。そこには編集デスクやプロデューサーたちの主観も入りますし、政治的な忖度も混じることがあるでしょう。仮に政治的な忖度がなかったとしても、報じる人の主観的判断が作用しますから、様々な政治的見識や批判的精神を持つ人が社会に共存する以上、本質的にどんな報道であれ異論を持つ人が出てきてもおかしくないのです。(2019/03/09)


文化
日仏会館図書室図書室「日仏の翻訳者を囲んで」 第九回 コリーヌ・カンタン氏 ( 司会 丸山有美 )
さて、3月6日に行われた「日仏の翻訳者を囲んで」(通算で第九回)ではフランス著作権事務所のコリーヌ・カンタン代表取締役がトークを行いました。フランス著作権事務所はフランスの本の邦訳や、日本の本の仏訳など双方向で著作権交渉を行う企業です。なんと日本で翻訳されるフランス書籍の8割近くがこのフランス著作権事務所を介しているのだそうです。年間にすると150〜180冊に及ぶと言いますから、2日に1冊くらいのハイペースです。そういう意味ではフランス書籍の翻訳活動を考える人にとってコリーヌ・カンタン氏はいずれ必ずや出会うことになる人と言って過言ではありません。(2019/03/09)


欧州
「黄色いベスト」による革命の可能性 パトリス・マニグリエ(哲学者)  Le potentiel révolutionnaire des gilets jaunes Patrice Maniglier
●「黄色いベスト」による革命の可能性  以下に述べることはすでに十分に明らかだろう。「黄色いベスト」という運動はフランスにおいて〜1968年の五月革命以来、いやさらにアルジェリア独立戦争以来と言ってもいいのだが〜本物の革命の可能性を明確に示した、ということである。この革命という言葉については共通理解が必要である。革命とは権力に変化が起こることである(それが政治権力の中枢にいる人々が他の利益のために追い出される場合であれ、権力構造自体が変革される場合であれ)。そしてその権力の変化が統治される「マッス」(masse:大衆、塊、集団)による不服従によってもたらされる場合である。(2019/03/08)


検証・メディア
ハーバービジネスオンラインに寄稿した上西充子教授のテキスト「小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK」
ハーバービジネスオンラインに寄稿した上西充子教授のテキスト「小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK」が以下のリンクでインターネットで読むことができます。(2019/03/06)


政治
詳しくは明日のハーバービジネスオンラインで 国会を扱うニュースの印象操作について
国会審議を広く伝えて、同時に国会を監視する機能も果たしているのが昨年始まった「国会パブリックビューイング(国会PV)」という運動。公共の場で、識者の解説を交えつつ、ともに国会審議を見る運動だ。国会PVの代表をつとめる上西充子・法政大学教授は国会審議を扱うテレビのニュース番組も日々ウォッチしている。国会審議をマスメディアがゆがめて伝えたり、冷笑的に扱ったりしてはいないか。こうした観点から、上西教授は明日のハーバービジネスオンラインに寄稿して、この問題を指摘するのだと言う。以下はそのことに関する、本日の上西教授のツイッターから。衆院予算委での小川淳也議員の発言を切り取ったNHKのニュース番組への批判のようだ。(2019/03/05)


コラム
ハノイでの米朝会談に先立ち、NYTコラムニストの二コラ・クリストフが展望を開陳していた
ニューヨークタイムズの逸話にこんな話がある。米ソ間のキューバ危機の渦中、ケネディ政権はニューヨークタイムズのコラムニストを使って、観測気球を打ち上げ世論の反応を見た。トルコにある米軍のミサイル基地を撤去することでキューバからソ連の核ミサイルを撤去してもらうという交換条件の提案だった。実際、その提案は現実的になったがキューバ危機が終結してしばらく後のことだったと言う。ニューヨークタイムズのコラムニストの二コラ・クリストフがトランプ政権の意を汲んで書いたとは思わないものの、2月26日付のニューヨークタイムズに彼が書いた"The Kim and Trump Nobel Peace Prize"という一文は、今になって読むと、その直後に行われ、合意が見送りになった米朝交渉の先取りのような印象がある。(2019/03/04)


政治
「国会パブリックビューイング の機材まとめ」 国会PVの機材的側面は?
国会審議を公共の場所でともに見て、解説も合わせて聞く、という国会パブリックビューイング(国会PV)が次第に注目度を上げています。先日は国会PVの解説者が2人、上西充子・国会PV代表とゲスト解説者の明石順平弁護士が国会で公述人として話をしてきたばかりです。国会PVは国会の中と外を行ったり来たりする人々が、国会の中の実像を外の世界に知らせよう、という面を持っています。と同時に、国会の外の人々が中の人々の言動を監視できるという面も兼ね備えています。この国会PVの機材的側面をまとめたサイトも出ていました。以下のまとめです。(2019/03/01)


みる・よむ・きく
ユルゲン・ハーバーマス著 「人間の将来とバイオエシックス」 その3
ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスの著書「人間の将来とバイオエシックス」について書いているのだが、「その2」あたりから、筆者の妄想が先走ってしまっているように思う。ハーバーマスが抱いた悪い予感みたいなものが何だったか、それを筆者なりに想像してみたのである。理想的肉体や理想的頭脳を目的に遺伝子操作を受けて誕生した人間は、その事実を知った時、どのような心理的な影響があるかさだかにわからないが、その影響は大きいのではないか、確かそんなことをハーバーマスは書いていた。そして、この本で最もインパクトのある記載がそのことだった。ハーバーマスはドイツ人だから、当然、ナチスの優生思想や反ユダヤ主義が頭の中にあったのだと思う。つまり、新しい形のマスターレイス(優越人種)が遺伝子工学を契機に作り出される恐れはないか、ということだと思う。(2019/02/28)


みる・よむ・きく
ユルゲン・ハーバーマス著 「人間の将来とバイオエシックス」 その2
ドイツの哲学者ハーバーマスは「人間の将来とバイオエシックス」の中で21世紀に人類が2種に分裂する可能性を指摘していた。わかりやすくたとえれば、エリート種と在来種にである。もし1%の富裕で力を持った人間がその他の99%に対する優位を恒久化する方法は99%を「動物」に区分してしまうことだろう。そして、もし99%が動物に格下げされたなら、環境への負荷を減らすために地球上の人口を一気に減らすこともできるだろう。こうした道を開くのが遺伝子操作である。99%を遺伝子操作しなくても1%が遺伝子操作を子孫に施せば2種に分かれることは起きうる。新しい種とは過去の人類の欠陥を克服できるように、さらに未来に順応できるように遺伝子操作でデザインされた人類である。すでにデザインされた赤ちゃんは多数生み出されている。(2019/02/27)


社会
ネットを悪用した「ヘイト攻撃」を考える集会 【第3弾】〜SNSを使ってみよう〜
ネットを悪用した「ヘイト攻撃」を考える集会、という興味深い催しが行われています。 ヘイトスピーチや誹謗中傷にネットという新しいツールが使われていることから、これに対して有効な防衛策を具体的に講じる、ということが狙いの講習会です。昨日、東京の連合会館で行われたものは第三弾として、ヘイトスピーチをする人々がSNS(ソーシャルメディア)を活用するのなら、防衛する側もSNSを使ったらどうか、というもの。ところが、これまで労働組合のリーダーの人たちの中にはSNSをあまり活用できていなかった、という人がどうも少なくないようなのです。(2019/02/22)


政治
国会パブリックビューイングを見に行く 3  政府統計不正問題 緊急街頭上映(新宿駅西口地下) 2019年2月16日
2月16日土曜日、東京の新宿駅西口地下で国会パブリックビューイング(国会PV)の緊急街頭上映が行われた。国会PVとは国会審議を公共の場でともに見る、という昨年始まった市民運動である。この日のテーマも厚生労働省の毎月勤労統計のデータの不正問題だ。今回の国会審議は主に2月13日の衆院予算委員会での質疑である。いつもの上西充子法政大学教授(国会PV代表)とともに解説に加わったのは明石順平弁護士だ。明石弁護士は「アベノミクスによろしく」や「データが語る日本財政の未来」などの著作を通して現政権の経済政策の失敗を豊富なデータで検証してきた人である。明石氏は明快にアベノミクスと賃金の関係についてこう語った。(2019/02/19)


検証・メディア
【緊急街頭上映】政府統計不正問題 2019年2月16日(土)18:30〜新宿駅西口地下 解説:上西充子(#国会パブリックビューイング 代表) ゲスト解説:明石順平(弁護士)
 新しい試みとして話題になっている国会パブリックビューイング(国会PV)。国会審議を公共の場で一緒に見る、という運動。そしてVTRの間に詳しい人が適宜解説を挟みます。次回は今週の土曜日の夕方です。【緊急街頭上映】政府統計不正問題 2019年2月16日(土)18:30〜新宿駅西口地下 解説:上西充子(#国会パブリックビューイング 代表) ゲスト解説:明石順平(弁護士) 今週の予算委員会の質疑を取り上げます。(2019/02/14)


検証・メディア
ジェフ・キングストン氏が豹変したジャパンタイムズについて書いたコラム”Media ethics betrayed in Japan” ( Jeff Kingston ) 言論機関への政府介入事件の可能性も
最近、ロイターなどの記事で、日本の老舗の英字新聞、The Japan Timesが歴史修正主義にスタンスを変え、政府から広告をもらうようになったと知って唖然としたばかりだ。ニューヨークタイムズを新聞販売店で定期購読すると、The Japan Timesも一緒に否応なく購入されているため、なおさら、The Japan Timesのそのような変化は嘆かわしく思われていた。そんな中、The Japan Timesの元コラムニストのジェフ・キングストン氏が、この件について直接、コラムを別のメディアに書いていたのを読んだ。2月12日付のEast Asia Forumである。”Media ethics betrayed in Japan”(日本でメディアの倫理が裏切られた)という題である。(2019/02/12)


文化
オーストラリアのボサノバ歌手 アンナ・サーレイ(Anna Salleh )
オーストラリアのシドニー在住のボサノバ歌手、アンナ・サーレイ。子供のころ、父親からリオ・デ・ジャネイロを舞台にした「黒いオルフェ」(Orfeu Negro)を見せてもらったことがきっかけで、ブラジルの音楽に夢中になったと地元新聞で読んだ。だが、ボサノバやサンバも歌うが、ジャズ歌手という風に地元では知られているようだ。(2019/02/12)


政治
国会パブリックビューイングを見に行く  その2 〜国会を市民に『見せる』(可視化)から、市民が国会を『見る』(監視)に〜
前回、国会審議の記録映像を公衆の場で上映する「国会パブリックビューイング(国会PV)」についての記事を書いた。実際に国会PVが行われている現場を訪れて、国会審議の映像を見ながらその脇で解説してくださった法政大の上西充子教授や全労連の伊藤圭一氏の話を聞いて速攻で記事にまとめたところ、通常の4〜5倍のアクセスがあった。多くの人がこの運動に関心を寄せているのが感じられた。上西教授によると「国会PVは、国会を市民に『見せる』(可視化)から、市民が国会を『見る』(監視)に進化しつつあると思っています」ということだそうだ。(2019/02/11)


みる・よむ・きく
シモーヌ・ヴェイユ著「工場日記」(田辺保訳)
フランスの女性の哲学者、シモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)による「工場日記」はどのように受け止められ、読まれてきたのだろう。戦時中、34歳の若さでロンドンで亡くなったヴェイユの哲学にこれまで親しんだことはなかった。本書を手にしたきっかけはフランスの知識人が自ら工場に飛び込んで体験したことを記したノートである、ということである。これはかなり稀有なことなのではなかろうか。 動機はもう一つある。個人的なことだが、私が大学時代に翻訳者の田辺保教授のフランス文学史の講義を受けていたことである。田辺氏の講義は非常に優しく、権威をかさに着ず、威張らない先生だった。フランスの伝統である人文主義というものを教えてくださった。田辺氏の専門はブレーズ・パスカル(1623 - 1662)だった。私も将来、年老いて労働をやめる日が来たなら、パスカルを人生最期の座右の書にしよう、と20歳のころ思っていた。パスカルとシモーヌ・ヴェイユ、かなり距離があるような気もするが、田辺保氏のライフワークの中で恐らくは深く結びついたのではなかろうか、という気がする。だが、そうだとしたら、それは何なのだろう。(2019/02/11)


コラム
すっかり大人の味わいに メキシコ人の歌手、ナタリア・ラフォルカデさん
10年近く前になろうか、スペイン語を勉強していた時、NHKのスペイン語講座のテキストで抜群に個性的な一人の歌手が紹介されていた。ナタリア・ラフォルカデ (Natalia Lafourcade)という名前のまだ若い女性で、20代になるかならないかだった気がする。彼女のミュージックビデオは非常に才気走ってとがっていた。あひるのぬいぐるみにくるまって歌った「アヒル」(Un pato)や夜の都会を仲間と何かを求めて (2019/02/09)


政治
国会パブリックビューイングを見に行く   村上良太
2月6日、最近、話題になっている国会パブリックビューイングを見に行った。国会パブリックビューイングは国会での質疑応答のビデオを公衆の場で人々と一緒に大きなモニターで見ながら、ところどころにそのイシューに詳しい人が解説をはさむ、という形で行われている。最近始まったこの運動についてインターネットでは知ってはいたが、やはり一度現場で見ようと思ったのだ。新宿駅西口地下、午後6時20分。訪ねてみると小田急線と京王線につながる地下通路の合流する地点にはスクリーンが設置され、小型のカメラやスピーカーなど、セッティングはほぼ終わっていた。司会は法政大学の上西充子教授と全国労働組合総連合の伊藤圭一氏(雇用・労働法制局長)だ。(2019/02/06)


文化
独仏共同出資の放送局ARTEのドキュメンタリー”Le piège des Kim ”(キムの策略) 核兵器をめぐる北朝鮮とアメリカの交渉の歴史を見つめる
ARTE(アルテ)と言えばドイツとフランスの共同出資でできた放送局で、欧州では高い評価を得ているようです。ARTEはその作品の中からいくつかをYoutubeに設けたチャンネルに放流しているため、フランス語を学ぶ学生やテーマになっている歴史や文化に関心のある人は一見の価値のあるプログラムのように思われます。前回紹介したのはヒトラーとスターリンの独ソ不可侵条約がどのように結ばれたかを振り返るもので、豊富な映像資料を駆使して歴史を語っていました。国境を超えることで相互に持っている映像を足し算ではなく、掛け算にできるということが感じられ、それまで活字でしか触れることのできなかった欧州史を映像で見ることができた、という希少な経験となりました。(2019/02/06)


コラム
アベノミクス提灯報道に関わってきた報道デスクたちにとって今発覚している統計不正とは?
多かれ少なかれ、すべてとは言わないまでも第二次安倍政権発足来、多くの新聞やテレビがアベノミクスを称える報道をしてきた。今頃、「実質賃金の重要性が認知されてきた」、などという驚くべき話が飛び交っているのも、この6年間、努めて経済の実相を報道しないようにしてきたからだろう。たとえば2015年6月初旬に大手新聞が4月の実質賃金が上昇した、と大きく報道したことがあった。しかし、6月の末に厚労省は前年比でマイナスだったと修正した。とはいえ、6月初旬の大々的な報道に比べて修正の周知は小さくつましいものだったように記憶している。(2019/02/03)


市民活動
国会パブリックビューイング  
労働を研究している学者、上西充子教授と言えば裁量労働制に関するおかしな統計を追及したことで記憶に新しいですが、その上西教授が今、行っている興味深い活動が「国会パブリックビューイング」です。1月29日にJR有楽町ガード下で行われたのが、毎月勤労統計不正調査問題 緊急街頭上映というものです。(2019/01/30)


政治
アベノミクスの正体  厚労省統計のかさ上げが暴露される
立憲民主党の蓮舫参院議員が明石順平弁護士作成の検証統計データを紹介し、アベノミクスの成果発表のおかしさをツイッターで指摘した。蓮舫議員 「アベノミクスの成果の根拠として去年6月に前年比3.3%としていた賃金上昇率の伸び率が実は1.4%だった。実質賃金の伸び率で比較すると2%が実は0.6%と推計されました。昨年1月から11月の平均は-0.5ではないかと推計もされます。 (2019/01/30)


欧州
黄色いベストの背中にこめたメッセージ    その2   村上良太
フランスで昨年11月に始まったマクロン大統領とその政権に対する反対運動「黄色いベスト」(gilets jaunes) は今も週末ごとに続いています。これは韓国で朴槿恵大統領を糾弾した時と同じような長い運動になりつつあります。参加者たちが着用する黄色いベストには、その背に様々な思いが書き込まれています。それを集めたウェブサイトも生まれました。創設したのは参加者の一人、ルイーズ・ムーラン(Loise Moulin)さんです。(2019/01/28)


コラム
誰かフランスの社会学者、モニク・パンソン=シャルロ(Monique Pinçon-Charlot)の本を訳してくださらぬか 〜フランスの大富豪が動かす政治の研究で著名〜 
 外国書籍の翻訳がわが国で低迷していると言われてすでに長いですが、フランス語圏の書籍の翻訳においてもその傾向は続いているように思われます。フランスを訪れて感じるのは興味深い本を書店で見かけても日本にはあまり届いていない現実です。それがフランス一国にしか通じない特殊事情となると、それも仕方がないか、と思われますが、筆者が書いているのは日本においても興味深く思って読む人は一定数いるのではなかろうか、と思える書籍です。まず、第一に挙げておきたいのがモニク・パンソン=シャルロ(Monique Pincon-Charlot)という名前の女性の社会学者です。新興財閥や大富豪の研究で著名です。ネットで検索すると確かに「パリの万華鏡 多彩な街の履歴書」というタイトルで翻訳書は出ていますが、これはむしろ大富豪といよりもむしろ都市社会学的な研究書らしく、寡聞にしてその他は知りません。(2019/01/27)


コラム
右傾化したジャパンタイムズとセット販売の、ニューヨークタイムズ
今日、インターネットではロイターやThe Asia-Pacific Journalのある報道が話題を呼んでいました。それはおよそ120年の伝統を持つ日本の英字新聞の老舗The Japan Timesの編集方針が右傾化したというものです。ロイターの記事の日本語版が以下です。「焦点:『慰安婦』など表記変更 ジャパンタイムズで何が起きたか」という見出しです。(2019/01/25)


文化
小林正樹監督のドキュメンタリー映画「東京裁判」がデジタルリマスター版として公開 〜トラック54台分のフィルムを4時間半に〜
小林正樹監督のドキュメンタリー映画「東京裁判」がデジタルリマスター版として公開される予定です。全編で4時間半にも上りますが、日本が巻き起こした戦争責任を考えるうえで最高の資料であるだけでなく、小林正樹という切れ味の鋭い知的な監督による傑作でもあります。東京裁判の終了後、25年が経過して記録フィルムが公開されたことが映画化のきっかけだったと言われています。実際に編集が始まったのは1978年のころのようです。編集を担当したのは様々な名作を手掛け、映画の編集で名前が知られていた浦岡敬一氏(1930 - 2008)でした。ドキュメンタリーということもあり、フィルムを切り出していく具体的な作業は浦岡氏が担当していたことになります。(2019/01/24)


欧州
独ソ不可侵条約への経緯を描く独仏の放送局ARTEのドキュメンタリー「ヒトラーとスターリンの条約」(1月13日から3月8日まで無料視聴可能)
独仏共同出資の放送局ARTE(アルテ)が1939年8月23日に結ばれた独ソ不可侵条約の経緯を描いたドキュメンタリー「ヒトラーとスターリンの条約」をインターネットで無料公開中だ。1月13日から3月8日まで視聴可能である。ただし、この番組の制作はフランスのようである。独ソ不可侵条約こそ第二次大戦の引き金となったナチとソ連との軍事不可侵条約であり、その結果、両国が東欧諸国を分割する結果となった。ドイツは1週間後の9月1日にポーランドに侵攻している。その背景には欧州の2大国だった英仏両国がヒトラーのドイツのチェコのズデーデン地方割譲を認めた1938年9月のミュンヘン協定があった。このいわゆる宥和政策を見て英仏両国の姿勢に疑問を持ち、スターリンは英仏と同盟を結ぶ道を捨て、ドイツとの接近を図ることになった。その過程にはこの番組の中でも描かれているソ連の外交を率いていた外務大臣のマクシム・リトヴィノフが1939年5月に解任され、モロトフに交代したことが挙げられる。(2019/01/22)


欧州
黄色いベストの背中にこめたメッセージ  
フランスで昨年11月17日に始まり、今も週末ごとに続いているマクロン政権への抵抗運動、いわゆる「黄色いベスト」は単なる乱暴狼藉の無頼漢の集合体というわけではありません。彼らの黄色いベストの背中には様々な思いが書き記されているのです。そこから何が読み解けるのでしょうか。パリで2016年3月31日に始まった運動の「立ち上がる夜」に参加したのち、「黄色いベスト」にも参加しているデザイナーのルイーズ・ムーランさんによる写真です。(2019/01/21)


国際
今中東でここが知りたい  シリアとイラクにおける「イランの影響力」の実像
今後のトランプ政権の中東政策を見通すうえで要となるのがシリアとイランにおける米軍とイラン軍あるいはイランの影響力のあるシーア派民兵の力関係です。新聞を読んでもなかなか現状がつかみにくいのがこの点です。実はイラク戦争終結間もないころから、イランの影響力についてはいろいろ書かれてきました。日刊ベリタでも平田伊都子氏が初期から触れています。しかしながら、中東の現場でイランの影響力が具体的にどのようなものなのかはなかなか知る機会がありません。(2019/01/21)


コラム
安倍政権でやはり進んだ日本のソ連化    
安倍政権が発足して1年目の2013年11月に筆者は「日本がソビエト化する日」という文章を書いた。あれから5年と2か月、悲しいかな日本のソ連化は予想通り進んでいる。では日本のソ連化とは何か。当時の拙稿の一部を採録したい。 <安倍政権が成立させようとしている特定秘密保護法案も究極的にはソビエト型官僚主義時代の始まりと言えるのではないか。秘密が何かわからないことは国民の真実探求への道を封じるものである。それはまさにソビエト化への道であろう。あの時代のソ連の代表的新聞は「プラウダ」(真実)という名前だった。だが「プラウダ(真実)」は真実よりもソ連共産党の見解を伝えるメディアだった。・・・(2019/01/19)


文化
フランソワ・リュファンが「黄色いベスト」に捧げる新作ドキュメンタリー映画を製作中
フランスで2016年に始まり大きな動きとなった政治変革運動の「立ち上がる夜」(Nuit debout)。その起爆剤となったのがドキュメンタリー映画「メルシー・パトロン!」だった。これはフランス北部のテキスタイル工場が工場の東欧移転によって閉鎖となり、労働者が疲弊していく状況と、それに対する闘いを描いた映画である。この映画が2016年3月31日にパリの共和国広場で無料上映されたことで多くの人々の心に火をつけたのだった。監督のフランソワ・リュファンは当時、北の地方都市アミアンでFAKIRという隔月の新聞を創刊編集していたが、そのジャーナリズムと闘争の延長線上で初監督した映画が「メルシー・パトロン!」である。数か月で50万人の観客を集め、翌年のセザール賞最優秀作品賞を得ている。(2019/01/18)


みる・よむ・きく
三浦信孝・福井憲彦編著「フランス革命と明治維新」(白水社) 〜ついに明治維新が世界十大革命入り〜
昨年12月に出版された三浦信孝・福井憲彦編著「フランス革命と明治維新」(白水社)は非常にエキサイティングな内容になっている。というのは本書は昨年、日仏会館で日仏の気鋭の歴史学者らが顔を合わせてフランス革命と明治維新に関して討論を闘わし、その結果、フランスの革命研究の第一人者でフランス革命史研究所所長のピエール・セルナ氏がとうとう明治維新を世界の十大革命の中に入れることになったからだ。本書はその時の討論会で交わされた基調講演がもとになっている。講演者は4人でフランスから来日したのがピエール・セルナ氏と日本史の研究者ピエール=フランソワ・スイリ氏(フランス国立東洋言語文化研究所教授)、日本側は明治維新の研究者、三谷博氏(東大名誉教授)と日本政治思想史の研究者、渡辺浩氏(東大名誉教授)である。(2019/01/18)


コラム
トランプ政権の危険性  イランとの戦争前夜  そしてマティス国防長官の辞任
米国のトランプ政権と蜜月を演出してきた安倍首相である。トランプ政権が未だ発足する前の2016年の選挙直後から非公式に選挙に勝利したトランプ氏に一国の首相が会いに行ったことは多くの日本人のプライドを傷つけた。そのトランプ氏は選挙戦では外国に出兵するのはアメリカファーストの原則から無駄だとしばしば言っていたことから、米国の軍事介入や米国がしかける戦争が減るのではないか、と期待した人も少なくなかった。ところが、ニューヨークタイムズの1月16日の記事によると、米国はイランとの戦争前夜にある。(2019/01/16)


コラム
カイロの猫たちの記録   モスクワの雪  Heather Hermit
エジプトで衰弱していたのを保護された子猫のラムセスは(すっかり大きくなって)現在、モスクワで暮らしています。ちょうどこの季節、彼は初めての寒い冬と本物の雪を経験しているのです。まず秋にラムセスは寒さで病気になり、薬を飲まなくてはなりませんでした。しかし、今では次第にロシアの猫となりつつあり、毛の色と同じく白い雪を楽しみ始めているのです。(2019/01/16)


人権/反差別/司法
NBAニューヨークニックスのバスケットボール選手 エネス・カンターの恐怖 
1月14日付のニューヨークタイムズの記事でNBA(ニューヨークニックス)のバスケットボール選手、エネス・カンター氏がロンドンでの試合出場を欠場しようとしていることが報じられた。エネス・カンター氏がロンドン行きを拒んでいるのは彼の母国であるトルコ政府の殺し屋に暗殺されることを恐れているからのようだ。(2019/01/15)


コラム
「日本から遠い」?  放送局による新鎖国
今、NHKでは他国で起きている社会事象、とくに経済をめぐって起きる社会的確執をなるだけ日本に紹介させまいとしています。そのためにそのような企画を却下する姿勢があります。しばしば使われる表現が「日本から遠い話題だから」。今は欧州でも10時間ほどで訪れることができる距離感です。「ふらんすに行きたしと思へどもふらんすはあまりに遠し」 と嘆いた萩原朔太郎の時代とは異なるのです。「この話は日本の視聴者には遠い」、つまり、日本の視聴者が他国で起きていることには関心がない、と言うのです。あるいは、「日本で起きていることと同様のことが起きているのなら、日本で取材すればいい」とも言います。(2019/01/14)


コラム
根強い偏見を表す英語 bigotry   
最近、ニューヨークタイムズの社説や寄稿などを読んでいてbigotryという単語に何度もお目にかかりました。辞書を引いてみると、頑固な偏見とか、頑迷とか、偏屈などと書いてあります。偏見と言うとすぐに浮かんでくるのはprejudiceですが、これには先入観という訳もあります。bigotryはprejudiceよりももっと偏見の度合が根強いのかもしれません。どこで出てきたかと言えばトランプ大統領批判の社説です。(2019/01/14)


社会
アメリカのユダヤ人とイスラエルのユダヤ人に大きな亀裂が生じていると指摘 「トランプ時代にアメリカのユダヤ人であること」の著者、ジョナサン・ワイズマンの分析記事
トランプ大統領のイスラエル寄りの外交政策は昨年5月にイスラエルにおける米大使館をエルサレムに移転したことでも明らかだが、さらにイランに強い圧力をかけてオバマ時代に発展させた核合意の転覆をはかっているように見えることにもつながる。トランプ大統領がなぜそれほどイスラエル寄りなのかについては様々な説がある。娘婿がユダヤ系アメリカ人であることとか、選挙でユダヤ系の寄付が欲しいとか・・・。それについて、9日付のニューヨークタイムズにジョナサン・ワイズマン氏の分析記事 ”American Jews and Israeli Jews break up" が出ていたが、今のアメリカのユダヤ系とイスラエルのユダヤ人との軋轢が書かれていて興味深い。(2019/01/09)


社会
フランスの作家ヤン・ムアクス(Yann Moix)が「50代以上の女は年寄り過ぎて恋愛の対象にならない」と発言 憤激を買う
 フランスの作家でTVの討論番組でも常連のヤン・ムワクス氏が「50代以上の女は年寄り過ぎて恋愛の対象にならない」とマリークレール誌(フランス版)で語った、ということでフランスの女性たちの怒りを買っています。というより、外国紙でも報じられたことから外国の女性からも憤激を買っているのです。(2019/01/08)


社会
オバマケア、また危うし    
オバマ大統領が2010年に可決させたアメリカの医療保険制度改革であるいわゆる「オバマケア」、正式にはAffordable Care Actが危機にさらされている。細かく見ると複雑になるので、ごく大まかに書くとアメリカには日本のような国家が運営している国民皆保険と言う制度がない。民間医療保険に加入するしかないが、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代に数千万人もの人々が医療保険に加入していないために病院制度の枠外に置かれている、という事態にさらされていた。これを何とかしようということで、医療保険加入に際して障壁になっていた過去の病歴とか、年齢などの条件で加入が難しくなったり、保険料が高くなったりしないような法律を制定した。その一方で医療保険に加入しない人には税金でペナルティを課す、ということにした。(2019/01/08)


コラム
ニューヨークタイムズの年末の寄稿から 「ヴォルテールを見よ」と言ったロバート・ダーントン氏(ハーバード大学名誉教授 18世紀フランス史)
ニューヨークタイムズはトランプ政権の誕生前からトランプ候補に厳しい批判を浴びせ続けてきました。12月29日と30日の合併号では社説で「トランプが地球を危険にさらす」という見出しを掲げました。しかし、むしろ、その脇の小さな寄稿が僕の注意を引いたのでした。ハーバード大学名誉教授のロバート・ダーントン(Robert Darnton)氏が書いた”To deal with Trump, look to Voltaire"(トランプと取り組むには、ヴォルテールに目を向けよう)という一文です。トランプ大統領との言論戦に、やれやれ、ついに18世紀フランス啓蒙主義のリーダーの一人まで呼び起こしたのか、と思ったからです。(2019/01/04)


コラム
黄色いベスト、立ち上がる夜、そして日本
今、フランスで起きている「黄色いベスト」という反政府の抗議デモはその戦闘的なシーン、機動隊との衝突などのセンセーショナルな部分ばかりが中心に報道されている傾向はないだろうか。一方、本質的には共通する根を持つ反政府の抗議運動だった「立ち上がる夜」の場合は徹底的な非暴力運動だったが、これについては日本のほとんどのメディアが報道しなかった。このことは日本のメディアのあり方を改めて考えさせる機会となった。(2019/01/01)


コラム
言論の自由とレイシズム
 2015年1月10日と11日にフランスでは風刺新聞シャルリエブド襲撃に対して多くの人々が怒り、"Je suis Charlie " (私はシャルリだ)というプラカードを掲げて広場に集まった。その数は全土で400万人に上ったと報じられた。これは何よりも言論の自由を守る戦いであり、たとえその風刺が好きかどうかは別として、言論をテロ行為で制圧しようと言う試みにフランス人が怒ったのだった。言論の自由という見地から僕は「私はシャルリだ」という運動に賛成の立場だった。しかし、日本国内ではシャルリはイスラム教への侮辱を行っているレイシズムの媒体だから、攻撃されるのもやむを得ない・・・みたいな意見も多く目にした。(2018/12/21)


文化
地元のサッカー選手たちにシェイクスピア劇の台詞を語ってもらったイリーナ・ブルック氏(演出家 Irina Brook)
シェイクスピア劇に関する短いビデオ映像がフランスで話題を呼んでいる。南仏ニースのサッカーチーム(OGC Nice )の選手たちが一人ひとりシェイクスピアの一節を語っているものだ。映像は2分20秒。登場する選手たちの多くは黒人や移民の子弟と思われる。彼ら一人一人がシェイクスピアの言葉を見事に自分の言葉にしている。その力強さが胸を打つ。まさにシェイクスピアの魅力が凝集されていることを感じさせられる。演出したのはフランスのニースで劇場のディレクターとして活躍してきた舞台演出家のイリーナ・ブルック(Irina Brook)氏だ。(2018/12/21)


欧州
「黄色いベスト」が要求した国民投票  そしてその未来
フランスで起きている「黄色いベスト」による運動について、「立ち上がる夜」の参加者、ルイーズ・ムーラン氏は彼らが市民主導の国民投票を要求したと言っていました。この国民投票というのは”Le référendum d’initiative citoyenne ”と言われているものです。頭文字をとってRICと書かれていることもよくあります。(2018/12/19)


検証・メディア
NHKと外郭会社と制作会社とフリーランサーは定期的に一堂に会して話し合いの機会を
今、放送局は外部プロダクションやその派遣社員、あるいはフリーの制作者の力なくてはノルマを果たしえません。しかし、そこには大きなヒエラルキーの問題があり、またコミュニケーションの問題があるように思われます。様々な事柄の伝達の方向性が一方向になりがちです。今はインターネット放送も視野に入れ、双方向性を視野に入れていると言われながらも、制作現場での指示体系が一方向なのは時代に逆行しているのです。(2018/12/18)


みる・よむ・きく
信友直子監督「ぼけますから、よろしくお願いします。」 アルツハイマーになった80代半ばの母と介護する95歳の父、そして一人娘の物語
10月からすでに話題になっていたドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」を見てきました。とても素晴らしい映画です。監督は信友直子さん。以前、日刊ベリタでもTVドキュメンタリーのディレクターとして紹介記事をUPしたことがありましたが、今回は映画です。もともとはフジテレビのTVドキュメンタリーとして作られたものがベースにあると言うことですが、そこに映画として+アルファして、独自の作品としてブラッシュアップしたのでしょう。(2018/12/18)


みる・よむ・きく
N.バンセル、P.ブランシャール、F.ヴェルジェス著「植民地共和国フランス」(岩波書店)  明治元年から150年の今こそ読みたい一冊
今年は明治元年(1868年)から満150年の年に当たるとして、政府は「明治の歩みをつなぐ、つたえる」と宣伝している。幕末の日本を振り返ると、産業革命を経て資本主義が新しい段階に発展した西欧列強がアジアに来航しており、1つ間違えれば日本も植民地にされる危険があった。しかし、歴史の幸運に守られ、日本はその運命を免れた。けれども、日本は逆に朝鮮半島や台湾その他の地域や国々を植民地にしていく。その歴史を考えると、「つなぐ、つたえる」と手放しで称賛だけしてよいものではあるまい、いかに当時の国際状況によって日本の針路が限られていたとしても。N.バンセル、P.ブランシャール、F.ヴェルジェスによる共著、「植民地共和国フランス」(岩波書店)は明治150年という言葉を考えるための1つの手がかりを与えてくれる1冊だ。(2018/12/16)


みる・よむ・きく
久松健一著 「フランス語 動詞宝典 466」
久松健一氏といえばフランス語学の参考書を何冊も書いてきた大学の先生ですが、最近、駿河台出版社から「フランス語 動詞宝典 466」を刊行しています。これは動詞だけにスポットを当てたもので、その数も466の動詞ですから、かつてない本になっていると思います。英語と違ってフランス語はイタリア語やスペイン語などとも同様に、動詞の活用が語学の中核と言っても過言ではないのですが、しかし、これまで動詞の解説をした参考書で扱われる動詞は数十くらいで、あとは同型として自分で勝手にやって・・・みたいな突き放し型の参考書が多かったのでした。(2018/12/16)


反戦・平和
トランプ大統領への請願 辺野古の基地建設の一時差し止めの要請 住民投票まで
沖縄の辺野古の米軍基地の建設の準備作業が始まったことから、反対する人々は今、アメリカのトランプ大統領に請願を集めて送る運動をしています。1月7日までに10万のサインが集まればホワイトハウスに送って検討してもらえることになるそうです。請願内容は辺野古基地の建設について、その賛否の住民投票を行うまで一時凍結してほしい、ということです。年明けの1月7日までにあと57000の署名が必要です。(2018/12/15)


欧州
マクロン大統領と金融界   マクロン大統領の政権の本質を理解するには本山美彦著「金融権力」が不可欠
燃料税の値上げへの反対運動から始まり、さらにマクロン大統領の辞任を求めているフランスの「黄色いベスト」ですが、シャンゼリゼの騒乱などばかりが映像として取り上げられる一方で、何が起きているのかその本質はあまり触れられていないのではないでしょうか。つまり、マクロン大統領の政治の本質は何か、ということだと思うのです。拙著「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」(社会評論社)でも触れたのですが、マクロン大統領が生まれた背景はオランド大統領の社会党政権時代に遡ります。フランソワ・オランド大統領は2012年に左派の人々の熱狂的な支持を得て選出されました。前の大統領が新自由主義を進めたサルコジ大統領でしたから、オランド大統領は富裕層に優しく、貧困層に厳しい政治を改革してくれると庶民は思ったのです。しかし、その期待は裏切られました。その最大のカギとなったのは金融界への政策です。(2018/12/15)


欧州
「黄色いベスト」運動を私はこう見る ルイーズ・ムーラン氏 「立ち上がる夜」の参加者・デザイナー  Louise Moulin ,participant of "Nuit debout " (designer & activist )
フランスで今、黄色いベストを着用した人々の政府への反対運動「黄色いベスト」がメディアの注目を集めています。振り返ると2年前の2016年3月から8月ころまでフランスでは政府への異議申し立て運動が行われ、「立ち上がる夜」と呼ばれました。しかし、「立ち上がる夜」は日本ではほとんど報道されませんでした。一方、今回の「黄色いベスト」は日本でも報じられています。2016年の「立ち上がる夜」と今回の「黄色いベスト」はどういう違いがあるのか、どういう共通項があるのか。「立ち上がる夜」に参加したパリ在住のルイーズ・ムーランさん(デザイナー、活動家)に聞きました。 Q 「立ち上がる夜」と「黄色いベスト」の違いは何ですか?(2018/12/12)


欧州
「黄色いベスト」運動を私はこう見る  パリ在住の精神分析医・作家 サラ・シーシュ Interview : Sarah Chiche / Writer and psychoanalyst in Paris  
フランスで先月来、黄色いベストを羽織った人々が政府に対して反旗を翻しています。マクロン大統領とその政権が進めようとしていたディーゼル車の燃料への税金の値上げが引き金になったとされますが、パリだけにとどまらず各地に広がり、大きな広がりを見せています。これについて、パリ在住の精神分析医で作家のサラ・シーシュ(Sarah Chiche) さんに話を聞きました。 Q「黄色いベスト」の運動をどう見ますか?(2018/12/12)


コラム
吉田喜重監督のドキュメンタリー作品「夢のシネマ 東京の夢」 
映画監督の吉田喜重氏が1995年に東京MXテレビ向けに監督したドキュメンタリー作品「夢のシネマ 東京の夢」(52分)が東京の日仏会館で上映された。このドキュメンタリーは19世紀末、映画の草創期に来日して明治維新の日本をフィルムに動画として撮影したガブリエル・ベールという男にスポットを当てている。このガブリエル・ベールという男の人生がとても面白い。と同時に、とても悲しい。というのもベールはのちに映画を去っていくからだ。アルチュール・ランボーが詩を捨ててアフリカに渡ったように。そして吉田喜重氏自身も映画をある時期を境に撮るのをやめたという。つまり、このドキュメンタリーはガブリエル・ベールがなぜ映画を去ったのか、がテーマになっている。(2018/12/08)


文化
「今日文学になにができるのか?」 日仏会館のシンポジウム その3
10月16日に日仏会館で行われた「今日文学になにができるのか?」というシンポジウムでフランスからブランディーヌ・リンケル(Blandine RINKEL)という名前の若い作家が来日した。彼女は作家でもあるけれども カタストロフ(CATASTROPHE)という音楽グループに属して歌手としても活動中だという。以下がカタストロフの公演の映像の1つである。(2018/11/04)


文化
「今日文学になにができるのか?」 日仏会館のシンポジウム その2
10月26日に日仏会館で行われたシンポジウム「今日文学になにができるのか?」の時に聴衆として1つ思ったことがあった。それはここで問われている「文学」にフィクションとノンフィクション、さらに登壇者のマリエル・マセ氏が力を入れて研究し自らも実践しているらしいエッセイの3つのジャンルのことである。登壇者のうち、小野正嗣氏を含めて2人は小説家である。そしてマセ氏はエッセイストの顔を持っている。しかし、ノンフィクション作家はこの日は登壇しなかった。今年亡くなったアメリカの作家のトム・ウルフはニュージャーナリズムの旗手として一世を風靡したが、それはノンフィクションが今後は文学の中心となる、と宣言したことだった。(村上良太)(2018/11/02)


文化
「今日文学になにができるのか?」 日仏会館のシンポジウム 
10月26日に日仏会館で「今日文学になにができるのか?」と題するシンポジウムが行われた。いささか大上段のテーマに感じられないこともないが、逆に言えばそのくらい大きな意味を文学に持ってもらいたい。登壇者はフランスから来日したマリエル・マセ氏(フランス国立社会科学高等研究院)とブランディーヌ・リンケル氏(作家)、そして日本の側は小野正嗣(作家)氏と司会の根本美作子(明治大学)氏である。それぞれみな、興味深い活動をしている人々だが、今回のシンポジウムで中心的なテーマとして浮上したのが難民や移民の問題だった。作家の小野正嗣氏はパリに留学していた時代に難民の支援をしていたパリ大学の教授の家に出入りしていたそうで、小野氏にとっても難民問題はそういう形で身近に見聞した問題だということだが、特に僕が興味深く思ったのは国立社会科学高等研究院のマリエル・マセ氏の発言だった。(2018/11/01)


コラム
歴史家アンリ・ルッソ氏の来日講演 「過去との対峙」 〜歴史と記憶との違いを知る〜
パリから歴史家のアンリ・ルッソ(Henry Rousso)氏が来日して「過去との対峙」と題する講演を行った。今年10月23日、東京の日仏会館でのことだ。これは記念的な講演となったと言って間違いではないだろう。国家が歴史にどう向き合うか、ということへの大きなヒントを語ったからだ。英雄の伝説みたいなものではなく、集団が抱える「負の歴史」に関してである。アンリ・ルッソ氏が世に出るきっかけとなったのは「ヴィシー症候群」という言葉を用いて、フランス人の第二次大戦中の集団的記憶の問題を取り上げたことだった。(2018/10/24)


文化
日仏討論会「戦争の記憶を比較する:特攻隊神話とレジスタンス神話」 アンスティチュ・フランセ関西ー京都 稲畑ホール 10月25日(木)
今月25日にアンスティチュ・フランセ(関西ー京都)が日仏討論会「戦争の記憶を比較する:特攻隊神話とレジスタンス神話」(10月25日(木) 17:00 〜19:30)を企画しています。ウェブサイトには、次のように書かれていました。「第二次世界大戦期の記憶をめぐる国内の対立は、日仏いずれにおいても、神話をめぐって展開されている。英雄/犠牲者としての特攻隊神話、ヴィシー症候群を癒すためのレジスタンス神話。特攻の記憶を研究する福間良明氏とヴィシー症候群の名付け親であるアンリ・ルソー氏という日仏の二人の専門家をお迎えして、歴史認識問題にも連なる戦争の記憶の問題を考えてみたい。」(2018/10/22)


文化
プラハでミュシャ・トリオ(Mucha trio ) を立ち上げました!  ルドミラ・パヴロヴァー(Ludmila Pavlová バイオリニスト)   
東欧の音楽の盛んな街、プラハで活躍している若いバイオリニスト、ルドミラ・パヴロヴァー (Ludmila Pavlova)さんが新たな音楽トリオを結成したと連絡をくれました。メンバーには日刊ベリタでも以前紹介したクラリネット奏者のアンナ・パウロヴァ―さんが参加しています。パウロヴァ―さんはプラハの春国際コンクールで二位に輝いています。そして、もう一人、ピアニストにはヨハンナ・ハニコーヴァ(Johanna Hanikova)さんが参加しています。ハニコーヴァさんもまたスメタナ国際ピアノコンクールで入賞した経験がある人で、3人いずれも実力が認められた若い演奏家です。(2018/10/20)


みる・よむ・きく
重信メイ著 「『アラブの春』の正体 〜欧米とメディアに踊らされた民主化革命〜」 その3
 重信メイ氏による「『アラブの春』の正体 〜欧米とメディアに踊らされた民主化革命〜」の結末にはこう書かれている。「『アラブの春』の本質はメディア戦争だったと私は思います」 (2018/10/14)


労働問題
アベノミクスと外国人労働者  「ルイスの転換点」とグローバリズム  2019年夏にアベノミクスの総決算を
安倍政権がいわゆる単純労働分野での外国人の就労受け入れを目指して入管難民法を改正しようとしていると報じられている。「新制度では、一定の技能を持つ「特定技能1号」と熟練者対象の「特定技能2号」が創設される。2号では家族の帯同も認め、条件を満たせば日本で住み続けられるようになる」(東京新聞)。東京新聞によればサービス業や農業、建設業などがそうした外国人労働者を使いたがっているとされる。しかし、外国人の労働者が入国して働けるようになると、国内の労賃の引き上げが難しくなる可能性がある。アベノミクスが始まった翌年の2013年に日刊ベリタに書いたことだが、それは「ルイスの転換点」を覆すことにつながるからだ。(2018/10/14)


みる・よむ・きく
重信メイ著 「『アラブの春』の正体 〜欧米とメディアに踊らされた民主化革命〜」 その2
重信メイ著 「『アラブの春』の正体 〜欧米とメディアに踊らされた民主化革命〜」を読んでいると様々なことを考えさせられる。アラブに関する報道のあり方だけでなく、国際報道のあり方もだ。日刊ベリタの寄稿者、平田伊都子氏の著作にはカダフィやアラファトなどにインタビューした伝記が何点かあるが、平田氏は常々、日本の大手新聞の支局員がわずか数年で入れ替わるために現地に深く広く人脈を持つ記者が育たないことをしばしば嘆いていた。支局に数年いたあと、記者は別の支局に回されるか、日本に戻されるかとなる。だから、現地の事情に精通した人が比較的乏しい、というのだ。(2018/10/14)


みる・よむ・きく
重信メイ著 「『アラブの春』の正体 〜欧米とメディアに踊らされた民主化革命〜」 その1
重信メイ著「『アラブの春』の正体」(角川Oneテーマ21)は「アラブの春」が当初メディアで拡散されたようなものではなく、その背後には欧米やサウジアラビアやカタールなどが政治的に利用していたことが暴かれている。本書が世に出たのは2012年10月と巻末に記されている。「アラブの春」がチュニジアで始まったとされるが、それは2010年暮れのことであり、翌年はリビアにも飛び火し、夏場にかけて内戦が拡大し、最後はカダフィ大佐が殺される事態になった。(2018/10/14)


国際
中間選挙を控えたトランプ政権と軍需産業  アメリカのモノづくりと軍産複合体
11月6日投票のアメリカの中間選挙まであと1か月を切った。2016年にトランプ大統領が大統領候補者だった時、長年、米製造業の拠点だった北東部の「ラストベルト」地域が工場空洞化で今ではすっかり錆びつき、多くの白人がグローバル化によって生活が壊されたと主張していた。トランプ大統領は彼らに応えるべく自由貿易協定をやめると語り、アメリカファーストを語って多くの支持を得て当選した。今年に入って中国製品に関税をかけるプレッシャーを強めているトランプ大統領だが、さらに最近、興味深い記事を目にした。選挙戦からトランプ批判で歯に衣着せぬ報道を続けてきたニューヨークタイムズにトランプ大統領の側近が寄稿したのだ。寄稿文のタイトルは”America's military-industrial base is at risk " (アメリカの軍需産業の基盤が脅かされている)というもので、寄稿者はピーター・ナヴァロ(Peter Navarro)である。(2018/10/13)


文化
セシル・ヴァン・デ・ヴェルデ(カナダの社会学者)来日シンポジウム  現代の若者論は単なる若者論ではなく、未来社会がどうなっていくかを考えるものである 
日仏会館・フランス国立日本研究所がこの秋、企画している様々なシンポジウムに目が離せない。フランスの作家や研究者を招いて日本の作家・小野正嗣と語らせる「今日文学に何ができるか」(10月25日)もそうだし、歴史修正主義と闘ってきた歴史学者のアンリ・ルッソを招く「表現の自由はどこまで許されるのか?」(10月22日)やカナダの社会学者セシル・ヴァン・デ・ヴェルデを招く「グローバルな怒り?ネオリベラルの世界で大人になること」(10月12日)もそうだろう。これらのテーマが世界で共通する重要なテーマだからだ。(2018/10/11)


社会
10月12日(金)18:30〜 カナダの社会学者が来日講演 「グローバルな怒り?ネオリベラルの世界で大人になること」 ”怒れる”若者たちの深層を世界各地の現場で研究 そこからどんな未来が見えてくるのか
 15-M運動、ケベック学生運動、ウォール街占拠運動…これらの「怒り」は何を表しているのか。この10年間、とりわけ学生や高学歴者などの若い世代が先導した社会運動が多く目立った。本講演会では、近日出版される著書『 Coleres. Ce que la jeunesse nous dit de ce monde 』の中で扱われているモントリオールやサンティアゴ(チリ)、パリ、マドリッド、香港で行われた調査に注目する。この調査では、世界各地で若い世代の社会的・政治的感情が増大する怒りとして現れていることに着目した。この10年間の様々な社会的抗議運動に見られるような明白な怒りだけでなく、ライフコースにおいて現れる、より見えにくく、静かな怒りについても考察したい。【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所(2018/10/10)


社会
ニューヨークタイムズ東京支局長が書いた一文「大坂なおみ、新知事と私」
ニューヨークタイムズ東京支局長はリッチ素子という名前の女性記者だ。彼女が「大坂なおみ、(沖縄の)新知事と私〜日本は混血を受け入れる社会になりつつあるのか?〜」という一文を書いて、ツイッターにこう記している。”All my life, I've been the foreigner in Japan, and the Asian in the U.S. Covering Naomi Osaka and Denny Tamaki in Japan, I'm getting to know my own mixed-race identity in a new light ”(2018/10/08)


みる・よむ・きく
山口昌男著 「天皇制の文化人類学」(岩波現代文庫)
  21世紀に入ってめっきり存在感が小さくなった学問分野が文化人類学ではなかろうか。1970年代から80年代にかけての大流行とは真逆になり、90年代以降はグローバル時代とか、アメリカンスタンダードの時代などと言うように、市場民主主義を旗頭に、1つの価値観で人類「解放」が推し進められてきたと言って過言ではないように思う。そんな今日、 文化人類学者の山口昌男もかつての学会のスター的な存在感はなく、ほとんど忘れられているのではないか。(2018/10/06)


文化
バスター・キートンの「石器時代」  "The Stone Age " (1923) by Buster Keaton
サイレント映画時代の喜劇の王様と言えばチャップリン以外にもたくさんの才能が存在しましたが、その多くが今日、忘却されているのは大変残念なことです。バスター・キートンも抜群の喜劇俳優です。たくさんの喜劇を残していますが、いずれもサイレントです。たとえば「石器時代」という15分弱の映画は喜劇時代にいかに恋人をつかまえるか、という闘いを描いていますが、冒頭の登場シーンからばかばかしいナンセンスさにあふれていて、今見ても新鮮な魅力を保っています。1923年の映画です。(2018/10/06)


文化
ニューヨークタイムズで文芸評論を長年執筆したミチコ・カクタニ氏が自身の家族の物語を投稿 日系人の強制収容の記憶とトランプ時代
ミチコ・カクタニという名前はニューヨークタイムズの文芸評論を書く記者として長年、よく知られた存在でした。ピューリッツァ賞も受賞しています。日系人なのでミチコ・カクタニと書きましたが、日本の順序にすればカクタニ・ミチコです。ツイッターを見ると、彼女の最新刊に今年7月に出版された"The Death of Truth: Notes on Falsehood in the Age of Trump" (真実の死:トランプ時代の嘘に関するメモ)があります。(2018/10/03)


国際
フランス:買春客の処罰化 売春する人々が一層の暴力にさらされているという報道
今、パリではLGBTのTにあたるトランスジェンダーの人にまつわる事件が話題になっている。ペルーからパリに来て、売春をしていた36歳のヴァネッサさんが数人の盗賊グループに客とともに襲われ、射殺されたのだ。客の方は襲われたが命は無事だった。ヴァネッサさんの仕事場はパリの西部に広がるブーローニュの森だった。事件を伝えるニューヨークタイムズの記事によると、2016年に買春客を処罰する刑法改正が実効に移されて以来、売春する人々は警察に見つからないようにセックスの場所をより人目につかない場所に移すようになったのだと言う。この改正で客は警察に逮捕されると、罰金を最高で1500ユーロまで課される。すでに約2800人が罰金を支払うことになったとされる。(2018/10/03)


みる・よむ・きく
PARC新作DVD上映会&トーク 『甘いバナナの苦い現実』   鶴見良行氏の「バナナと日本人」から約40年、フィリピン・ミンダナオ島のバナナ農民たちは今? 
10月4日の夜、東京・神田駿河台の連合会館の会議室で、ビデオの上映会があります。「甘いバナナの苦い現実」(78分)というタイトルのドキュメンタリーです。日本で売られているバナナの圧倒的多数がフィリピンのミンダナオ島で作られています。そのミンダナオ島の農民たちを今から約40年前に鶴見良行という研究者がフィリピン人の研究者と共同で調査を行い、のちに一冊の本にまとめます。岩波新書から出ている「バナナと日本人」です。この本はロングセラーであるだけでなく、多くの若者の生き方を変えた名作です。(村上良太)(2018/10/01)


文化
「日仏の翻訳者を囲んで」第5回  ミリアン・ダルトア=赤穂さん(翻訳家) 聞き手:新行内美和(日仏会館図書室)
9月26日の夜、東京・恵比寿にある日仏会館図書室で日本語とフランス語の間で翻訳活動をしている第一線の人を招いて話を聞く「日仏の翻訳者を囲んで」の第5回目が行われた。この日のゲストはフランス人女性の翻訳家、ミリアン・ダルトア=赤穂さんで、彼女の日本での生活は23年に及ぶ。日仏会館図書室によると、ミリアン・ダルトア=赤穂さんがこれまでに翻訳したの作品群には小川糸著『食堂かたつむり』、『リボン』、『にじいろガーデン』、『ツバキ文具店』、中村文則著『銃』、『掏摸(スリ)』、『去年の冬、きみと別れ』、本谷有希子著『自分を好きになる方法』、『異類婚姻譚』、羽田圭介著『スクラップ・アンド・ビルド』、ドリアン助川著『あん』、『ピンザの島』などがある。(2018/09/27)


コラム
新潮45への抗議の波と休刊   書店はどうなっているのか?
この夏、新潮45に掲載された自民党議員の文章があまりにも人権を軽んじて酷いものだ、と大きな非難が飛んだ。ところが2か月後にそれらの批判を浴びたのに、なお開き直りで一層酷い文章を新潮45が掲載したということで、抗議の規模が大きくなり、とうとう新潮社は新潮45を休刊すると昨日、発表した。インターネットの世界でも様々な声が出ていた。新潮社の本を書店から全部撤去すると言う店も記事になり始めていた。筆者は新潮45は酷いとしても、新潮社の本を全部書店から撤去する、と決めた書店も出ていることが残念でもあった。世界の名作を多数擁する新潮文庫まで書店から消えてなくなるといよいよ廉価でいい本に人々が出会う機会がまた減ることになるからだ。(2018/09/26)


社会
シャルリ・エブドに風刺画を描かれて「メルシー!フェリックス、私たちを風刺してくれて・・・」 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメさんの第一声
フランスで立ちあがった「50歳の女優のトンネル」という運動は50歳から65歳までの女優が不自然に映画や舞台から干されている、ということを社会的に訴えるもの。この委員会のリーダーで女優のマリーナ・トメさんは、私たちには特殊な技能があり、それは「透明人間になることだ」というジョークを語ってきた。それを逆手に取ったのだろう、風刺画新聞のシャルリ・エブドが「50歳の女優のトンネル」のマリーナ・トメさんら3人の女優をひどく醜く描き、こういうセリフを吐かせている。(2018/09/22)


コラム
「新潮45」への批判と新潮社の本の撤去運動  
 自民党の杉田水脈衆院議員が「『LGBT』への支援の度が過ぎる」という文章を「新潮45」(8月号)に寄稿した結果、それが性的少数者であるLGBTの人々だけでなく、普通の市民にもあまりにもひどいと大きな批判を読んだ。実際の文章を筆者は読んでいない。その後、「新潮45」はそれらの批判を受けて改めるか、と言えば逆に「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」というくくりで、開き直りのような記事を掲載している。これらが炎上商法だという批判記事も出ている。その後、今日ツイッターでいくつか見たのは、もう新潮社の製品は一切書店に置かないという書店を紹介した記事である。(2018/09/21)


コラム
カイロの猫たちの記録  ぐっすり眠る猫  Heather Hermit
 エジプトのカイロ在住のロシア人デザイナー、ヘザー・ハーミット(Heather Hermit)さんは二匹の猫を飼育しています。先日、拾ってきて病院で治療し、面倒を見ていた子猫のラムセスはモスクワで無事引き取られ、一時は緊張した同居猫たちも今では落ち着いたようです。猫について書いてほしい、と依頼すると、こういう言葉が返ってきました。(2018/09/19)


国際
「デモクラシー・ナウ!」の戦時下のイエメンの衝撃的映像
米報道番組「デモクラシー・ナウ!」が今年7月に内戦下のイエメンのルポを報じた。衝撃的な映像であり、周辺国や米国などの代理戦争の形になっている。アメリカの公共放送PBSの映像を用いているようだ。(2018/09/18)


アジア
南シナ海の衝突で日本が戦時に入る可能性  出光・帝石とベトナム国営石油会社の石油・ガス掘削と北京
安保法制が想定する存立危機事態に入る危険が高い地域が南沙諸島沖である。ここはフィリピンやベトナムなどのアジア諸国と領海「九段線」を主張する中国との緊張にさらされている。そんな中、ベトナム国営石油会社ペトロベトナムが海底石油・ガス田の掘削事業に日本企業の出光興産および国際石油開発帝石と契約を結んだと8月に発表された。採掘現場が中国の主張する領海に近いことから、中国政府が介入してくる可能性もある、と見る人もいるようだ。(2018/09/17)


検証・メディア
安保法制と日本 「存立危機事態」の場合、新聞やTVなどのメディアは国家にどこまで協力を要請されるか
2015年に安倍政権が安保法制を強行採決で可決させた当時、学生をはじめ多くの市民が反対のデモに参加したり、憲法学者を始め多くの人が憲法違反だとして反対を繰り広げたことは記憶に新しいことです。今、自民党総裁選の話題の中で、憲法改正ということが大きなテーマになっていますが、すでに3年前の安保法制の可決によって、憲法の平和主義と同時に、表現や思想の自由が少なからず失われることになりました。もちろん国民の知る権利も同様です。その法律が以下です。ここで「存立危機事態」の場合は放送局も政府の統制下に入り、放送内容が検閲を受ける可能性が十分にあることが示されています。(村上良太)(2018/09/17)


文化
東京演劇アンサンブル公演 「トゥランドット姫 あるいは嘘のウワヌリ大会議」
ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトにこだわってきた東京演劇アンサンブルが今回、上演しているのはブレヒト晩年の未完の作品「トゥランドット姫 あるいは嘘のウワヌリ大会議」と題する風刺的作品である。劇団の案内によると、ブレヒトは政治権力に負けず真理を追究する知識人を主役に据えた戯曲「ガリレイ」を書いたのち、この作品では知識人の黄昏を描こうとしたのだという。この劇は架空の中国の物語が下書きになっているが、その国には皇帝がいて、木綿を専売しているが、その年は木綿が豊作になったために大量に倉庫に隠して品薄にして値段を高騰させた。それによって民衆は木綿価格の高騰により、暴動も起きかねない不穏な気配にすらなっている。(2018/09/16)


コラム
翻訳書のタイトルはこれでいいの? 
時に翻訳書を読んでいて本の邦題が原題とかなり異なることがある。それは日本で本を売る時に、読者=消費者により訴求するようにと翻訳者や編集者が考えて決めるのだろう。しかし、時にそのタイトルが中身とずれている気がする場合があるのだ。一例をあげると、中公文庫から出ているフェルナン・ブローデル著「歴史入門」である。(2018/09/15)


コラム
アメリカのジャーナリズムはニュージャーナリズムの旗手、トム・ウルフの死をどう報じたか  村上良太
今年5月に亡くなったアメリカの作家トム・ウルフはニュージャーナリズムの旗手として1970年代から80年代にかけて一世を風靡し、日本のノンフィクション界にも大きな影響を与えたと思われる。日本でもっとも知られたのは宇宙飛行士を扱った「ザ・ライト・スタッフ」だろうが、他にも「クール・クール LSD交感テスト」や「現代美術コテンパン」、「バウハウスからマイホームまで」など、たくさんのノンフィクションの話題作を書いており、さらに晩年は「虚栄のかがり火」などフィクションにも挑戦している。(2018/09/12)


文化
ニューヨークタイムズは大坂なおみ氏の勝利をこう伝えた " Pushing Japan to redefine Japanese " (彼女の優勝は日本に日本人の再定義を促す) 
 テニスの全米オープンの女子シングルスで優勝を飾った大坂なおみ選手について、ニューヨークタイムズは「日本に日本人の再定義を促す」ことになると伝えている。大坂なおみ選手の母親は日本人で、父親はハイチ系アメリカ人だからだ。 (2018/09/11)


検証・メディア
サルトルと新聞  創刊したリベラシオン紙の試行錯誤   村上良太
僕は高校生の時になかばドロップアウトしてしまった人間だから、まさかフランスの知識人について語る日が来るなどとは30年来思ったことがなかった。フランスの評論誌に日本の事情を寄稿してみたら、掲載が決まっただけでなく、非常に興味をもって読まれたと編集委員の一人から後で聞いた。その評論誌Les Temps Modernes誌は直訳すれば「現代」となるが、創刊したのはサルトルとボーヴォワールである。(2018/09/11)


みる・よむ・きく
国谷裕子著 「キャスターという仕事」  次はぜひ日刊ベリタでインタビューを
NHKの「クローズアップ現代」のキャスターをつとめて優れたインタビュアーとして知られた国谷裕子氏が書き下ろした「キャスターという仕事」(岩波新書)を読んだ。23年間の放送経験から様々なエピソードを抽出して語っているため簡単に要約できない本だが、そこが魅力でもある。しかし、いずれにしてもキャスターという職域にフォーカスしており、スタジオでインタビューするということはどのようなことか、どんな人を尊敬して、どんな時に汗を書き、どんな失敗をしたか、といったことが書き記されている。(2018/09/09)


国際
「アフリカ最後の植民地」西サハラの映像 デモクラシー・ナウ!が取材 
日刊ベリタでもジャーナリストの平田伊都子氏がたびたび報じてきた「アフリカの最後の植民地」西サハラをアメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」が映像取材を行った。(2018/09/05)


みる・よむ・きく
國分功一郎著「近代政治哲学 〜自然・主権・行政」  行政権力の独走をいかにチェックするか  
遅ればせながら國分功一郎著「近代政治哲学 〜自然・主権・行政」を読んだ。哲学者の國分氏がちくま新書から本書を世に問うたのは2015年4月のことで折しも自衛隊の海外での戦闘を可能にする安保法制が制定されようとした頃だった。本書が書かれたのは〜推測になるが〜この安倍政権によって多くの人が民主主義の危機を感じたことと切り離せないのではないか、と思われる。とくにその危機感は2013年秋に国会に提出された特定秘密保護法で先鋭なものになり、2015年の安保法制の強行採決までたくましいエンジンで丘の斜面を登っていくように次々と安倍首相のもとで戦後の政治を変える新たな政策が打ち出されていったのである。それら一連のプロセスを見れば国会での議論が不足している、という批判や、重要法案なのに強行採決が常態化していることがあり、そこから国会の軽視、ひいては行政権の肥大、ということがキーワードとして浮き上がってきた。(2018/09/05)


政治
川内博史衆院議員のつぶやき<不開示4連発。『それは、いくら何でも御容赦ください』は、こっちのセリフだ。> 森友学園問題の真相究明はいつ?
森友学園問題と言えば9億5600万円の土地評価額の国有地を1億3400万円に値下げして民間業者に売却した件である。国の土地がこんなにディスカウントされて民間に売却された例がほかにあるのだろうか。特に問題視されたのはこの異常な割引きの背景に安倍首相夫妻が関係しているのではないか、という疑惑からだった。その国有地にゴミが埋まっているとしてゴミ撤去費用8億2000万円が割り引かれたということだが、ほんとうにそんなにゴミが埋まっているかどうかもはっきりしない。国民の目線から見ると、疑問だらけの事案だ。(2018/09/04)


国際
トランプ大統領のイラン制裁の背景  イスラエルとイランの確執か  
トランプ政権のイランとの核合意からの一方的離脱と、さらに8月から発動されつつあるイランへの経済制裁の再開はアジアの私たちから見ると、よく理解できないところがある。オバマ政権が年にシリアのアサド政権軍やシリアと軍事同盟を結んでいるイランへの空爆も視野に入れた緊張高まるギリギリの交渉の瀬戸際で実現にこぎつけたのがイランとの国交正常化への道だったからだ。1979年のホメイニ革命以来初めて成し遂げた国交正常化への道をトランプ大統領は一気に反故にしようというのだから驚きだ。イランと米国の間に何が起きているのか?(2018/08/31)


コラム
二コラ・ユロ環境大臣辞職で描かれたリベラシオン紙のWillemによる1コマ漫画  背景に暗躍する産業ロビイストが・・・
  フランスの二コラ・ユロ環境大臣が辞職して波紋を呼んでいることはすでに書きました。なぜ今辞めるのかに関して、メディアでも様々な話が飛び交っていますし、ユロ氏自身のラジオインタビューも広まっています。そんな中、リベラシオン紙はベテランの転載風刺漫画家 Willem の 1 枚の風刺漫画を掲載しました。森の高台に立つ3人の猟師の男たちが猟銃を手に話をしています。足元には撃たれたウサギが横たわっています。(2018/08/31)


欧州
フランスの環境大臣の辞任が投げかけた波紋  新自由主義は環境保護と両立可能か 
 フランスの環境大臣だった二コラ・ユロ氏が突然辞任したことがフランスで波紋を呼んでいる。このことはプロ・ビジネス(ビジネス界寄り)のエマニュエル・マクロン大統領やエドゥワール・フィリップ首相と、抜本的な環境保護政策が両立するか、という原理的な問いかけを投げかけた、と受け取られているからだ。投機的な金融の規制など金融の規制強化を求めてきたAttacフランスは「ユロ氏の辞任は明快なメッセージを持つ。エコロジーはマクロニズム(マクロン主義)と両立しない、ということだ」と声明を出した。「エコロジーへの転換は小さな歩みに自足していては決して成し遂げられない」とも述べている。(2018/08/28)


欧州
フランスの環境大臣二コラ・ユロ氏がラジオインタビューで突然、辞任すると発言  
フランスの環境大臣の二コラ・ユロ氏がFrance Intelのラジオインタビューの中で辞任すると打ち明けた。ユロ氏はテレビ番組で環境問題を古くから扱ってきた製作者で、大衆に人気を持つ。それゆえ、エマニュエル・マクロン大統領とエドゥワール・フィリップ首相にとっても晴天の霹靂となった。というのも、ユロ氏はラジオ番組で話す前には大統領にも首相にも辞任の話はしておらず、自分自身で決めたと言っているからだ。「もう自分に嘘をつくことはできない。」環境保護活動家で知られる彼が大臣であることで環境問題に前向きであるというイメージを醸すのはやめたいとうことのようだ。(2018/08/28)


経済
トルコの経済危機の可能性を論じる米TV番組 もし起きたらギリシアよりはるかに大きい・・・・欧州経済への第二の打撃となるか?
トルコの経済が危険な水域に近づいているらしい。アメリカのCNBCではトルコの先行きや、それがどの程度欧州や米国に波及するかを論じている。(2018/08/28)


コラム
初心者がニューヨークタイムズで英語を学ぶ方法   村上良太
高校生や大学生、あるいは専門学校生や社会人になったものの余暇に英語をもう少し勉強したいと思っている人たちにお勧めがニューヨークタイムズ紙を使うことです。一生懸命やれば1年か2年もすれば辞書を片手に記事をある程度独力で読めるようになるでしょう。お金は新聞代だけです。時間も臨機応変に1日の中で空いている時間を30分とか1時間とか割くだけでできます。ただ、それにはコツがあるのです。(2018/08/27)


経済
米政策金利上昇の影響 トルコ、アルゼンチン、インド、ブラジルなど新興国の通貨が低下 
米国はリーマンショック後を自ら演出するかのように、恐慌後に取られた様々な措置を廃止したり、緩和したりしている。リーマンショックでバブル経済がはじけてしばらく続いた政策金利のゼロ金利政策も終止符を打ち、2016年から0.25%くらいの小幅の利上げを繰り返してきた。今年に入ってすでに2回政策金利の利上げを行い、現在は1.75%から2.00%の目標を取っている。以下のリンクはFRBのセントルイスが発信している情報。政策金利の変化を示す折れ線グラフが表示されている。(2018/08/27)


国際
米経済「リーマンショック後」は終わったのか? 米金融業界が規制緩和を通貨当局に要請  
この春の米新聞を読んでいると、トランプ大統領のもとで、金融業界が2008年のリーマンショック後に導入された金融規制を緩和するように要望していることがわかる。しかも、金融当局にも緩和に賛同する声すら出ているそうだ。当時の緊迫した日々を思い返せば嘘のようである。アメリカの前政権は民主党のオバマ大統領で、その出発点は2大恐慌以来最大の金融恐慌にあった。(2018/08/27)


国際
イラン制裁の裏にトランプ大統領の国家安全保障のアドバイザー、ジョン・ボルトン氏あり
今月、米国がイランとの核合意から一方的に撤退し、さらに今月から独自の経済制裁を発動しており、このことが北朝鮮との交渉の決裂の可能性を高めるという批判がニューヨークタイムズ社説で書かれた。イランに対する厳しい政策はトランプ大統領やその家族(娘婿のことだ)の傾向というだけでなく、国家安全保障のアドバイザーに新たに任命したタカ派のジョン・ボルトン氏の考え方にも沿ったものだ。(2018/08/27)


コラム
トム・ウルフの死 ニュージャーナリズムの終焉 その2  村上良太
アメリカのノンフィクション作家、トム・ウルフがこの春、88歳で亡くなった。トム・ウルフは日本でそれほど読まれたとは思えないが、それでもアメリカでは絶大な人気を誇り、日本のノンフィクション作家たちにも大きな影響を与えたであろうことは間違いない。というのも、ウルフこそは「ニュージャーナリズム」の旗手だったからだ。ニュージャーナリズムとは何か?それを詳しく語れるほど、ニュージャーナリズムに親しんだとは言えないかもしれない。だから、アメリカの追悼記事を参照したい。前に紹介したニューヨークタイムズよりも、CBCの追悼記事の方が短くても、的確な気がする。(2018/08/27)


国際
ニューヨークタイムズの社説(4月3日 国際版)は北朝鮮の核兵器保有数を20から60と記していた
今年の正月早々、ニューヨークタイムズが北朝鮮の核実験に関する報道を大々的に行い、米情報機関が近来最大の誤りをおかし、北朝鮮の核兵器開発のスピードを過小評価していた事が生々しく書かれていたのは記憶に新しい。その時の記事によると昨年秋の核実験で北朝鮮は水爆が完成したとされる。そして、米情報機関は北朝鮮がいったい何発の核兵器を保有しているかすらつかめていない、と報じていた。このことはトランプ政権が北朝鮮と交渉に入った最大の動機と推測される。(2018/08/27)


社会
アメリカでもっとも自殺率の高い職業が農民だという英紙の記事 自殺率が軍人OBの2倍に達する職業に
昨今、日本では日本式の経営や技術が世界で活躍しているという報道や番組をよく見かける。僕自身もそうした番組を作っていたものだ。だが、そういう番組を見る人はともすると、日本VS 外国という観点でものごとを見てしまう傾向はないだろうか。農業においても外国産の農産物の流入に対する危機感から、米農民が外敵とまでは言わなくても憎きライバルであるかのように見えてくることはないだろうか。広大な大地があり、近代的な装備で効率的に農業を行う米農民はメキシコなどの周辺国を脅かす脅威的存在であるかのようにも見える。しかし、英紙ガーディアンの報道によると米農民も幸福とは言えないようだ。というのは記事によると、農民の自殺率が高く、他の職業よりも自殺率の高い職業だという。(2018/08/26)


コラム
サルトルらが創刊したフランスの評論誌Les Temps Modernesに日本の政治について書きました その2 村上良太
 8月16日にフランスで発売となった評論誌"Les Temps Modernes" に日本政治について触れた拙稿が掲載されたことは前回少し書きました。こんなことを言えば、よく日本の人から言われるのが「フランス人は日本の政治に関心があるのですか?」という質問です。また、先月発売となった新刊本「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」についてもフランス人から逆に「日本の人がフランスの政治運動に関心があるのですか?」と聞かれます。(2018/08/22)


検証・メディア
米新聞の「報道の自由の擁護キャンペーン」 ニューヨークタイムズの社説から
8月17日付のニューヨークタイムズ国際版に”A FREE PRESS NEEDS YOU”( フリープレスはあなたを必要としています)と題する社説が掲載された。これはトランプ政権が新聞ジャーナリストに対して「フェイクニュース」(捏造された記事)と言って非難していることに新聞業界を挙げて対抗するため多くの新聞社が同時に社説で報道の自由を擁護する社説を掲げたのである。報道によれば参加した米新聞社はローカル紙を入れて350紙以上とされる。呼びかけたのはボストングローブ紙だったそうだ。ニューヨークタイムズのこの日の社説を読んだ印象は、実をいうとさして強烈でもなかった。というか、ニューヨークタイムズはしょっちゅうトランプ大統領批判を辛辣に展開しているために、むしろ普段の具体的なイシューをめぐる大統領批判の社説の方がもっと辛辣で手厳しい気がした。(2018/08/20)


みる・よむ・きく
リュシアン・フェーヴル著 「フランス・ルネサンスの文明」
20世紀に花開いたフランスの新しい歴史学の一派であるアナール派の創始者のひとり、リュシアン・フェーヴルによる「フランス・ルネサンスの文明」をこの夏、読んでみた。本書の冒頭にある「はしがき」でフェーヴルは文明と名付けられた概念の定義を説明している。19世紀に「フランス語辞典」を作ったエミール・リトレの定義をまず引用し、「開花したものの状態、すなわち、技術・宗教・美術・学問の相互作用から生ずるところの、考え方や習俗の総体」だというのである。文明とは一定の期間に、一定の国(地域)において、人間の意識に働きかける物質的、精神的、知的、宗教的なもろもろの力が集まって生じた、1つの結果なのである」と。リュシアン・フェーヴルはこの定義に沿って、16世紀にフランス・ルネサンスを生んだフランス社会の「文明」を語る、というのだ。そして、当時のフランス人の日常生活とさらに知・美・信仰の4つの観点から、これを綴っていく。(村上良太)(2018/08/20)


コラム
映像業界の労働環境も  村上良太
ある業種のプロフェッショナルには、これまでの労働法の残業代の規則や休日などの義務が適用されなくなるということですから、労働者や市民を中心に強い抵抗があったのもうなづけます。しかし、今、たとえば映像業界でフリーランサーがしばしば契約としている仕事の内実には、批判されている「高度プロフェッショナル」と本質的には同様の残業代ゼロの仕事が多々あるように思われます。いや残業代ゼロとうよりも、月収半減制度とでも言った方が的確かもしれません。今僕がこれを書いているのはそうした契約を強いている個々の製作組織や放送局への恨み、というようなことではなく、ただそういうことが日常ありふれた現実になっているのではないか、という危惧からなのです。(2018/08/14)


コラム
フランスとフィリピン  私たちは財の消費者でしかないのか  村上良太
この3年ほどの間に僕はフランスとフィリピンというある意味で遠く離れた世界の取材を並行して行うことになり、ようやく今それぞれ作品として世に送り出すことができることになった。フランスに関しては「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」というノンフィクション本として、フィリピンに関しては現在、最終仕上げ段階にあるのだけれど、ビデオ作品「甘いバナナの苦い現実」としてアジア太平洋資料センター(PARC)から売り出される予定だ(2018/08/13)


文化
サルトルらが創刊したフランスの評論誌Les Temps Modernesに日本の政治について書きました  村上良太
日刊ベリタに昨年、シリーズ企画として掲載した野党共闘などに関する政治についてのインタビューを含めた拙稿を再編集したものがフランスの評論誌Les Temps Modernes(レ・タン・モデルヌ)最新号(2018年7月〜9月号)に掲載されました。政治学者の中野晃一教授、国会議員の辻元清美氏、そして日本共産党広報部長の植木俊雄氏らへのインタビューが核になっています。冷戦終結以後、日本の政治システムがどう変化したか、そして小選挙区制にしながら、今日の自民の一強という状況がなぜ生まれたのか、そして野党と市民がどうこの状況を乗り越えようと試行錯誤をしてきたのか、ということを綴っています。(2018/08/11)


国際
フィリピンから二人の活動家が来日 ミンダナオ島のバナナ農民たちの置かれた状況を語る
鶴見良行が「バナナと日本人」(岩波新書)で、日本に届くバナナの大半を作っているフィリピンのミンダナオ島のバナナ農園労働者や契約栽培農家の窮乏と農薬汚染について書いたのは1982年のことだった。あれから40年近くの歳月が流れ、その間に民衆の力革命や農地改革が行われた。ところが、今も農民たちが置かれている状況は厳しいものだった。(2018/07/30)


みる・よむ・きく
フランスの現地ルポ 「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」(社会評論社)  村上良太  
日刊ベリタでも何度か報じてきましたフランスの政治変革運動である「立ち上がる夜」について、このたび僕が書き下ろしたルポが出版の運びとなりました。2016年、パリの共和国広場に毎晩集まり、政治・経済・社会について老若男女が真剣に話し合い、新しい制度や時代を語り合ってきました。その運動が翌年のW選挙にどう結びついていったのか。(2018/07/20)


検証・メディア
オウム真理教がブームになった時代
オウム真理教がブームになったのは1980年代半ばだと思い返すのだが、当時の日本は歴史的に見ても比較する時代のない大変な好景気の中にあった。「バブル時代」という言葉で表現されるようになるのは1991年に好景気がはじけて不況に突入してからだったと記憶する。1990年代後半から明確に日本はデフレ時代に突入し、ますます国民が貧乏になり、庶民の可処分所得が少なくなっていく時代だったが、1980年代半ばはすべてが逆だったと言って過言ではないだろう。今ではあの頃を思い出すこと自体が難しい。それくらい、当時の空気は今と違っていた。サラリーマンやOLがボーナスの札束を喫茶店のテーブルに立てることができたという話をよく聞いたものだ。高校時代の友人夫婦は金の延べ棒を買っていた。(2018/07/09)


政治
日本の反動政治  総裁選で三選間近の安倍晋三と皇帝になったルイ・ナポレオン
 戦後70年以上続いた日本国憲法といわゆる戦後民主主義が揺らいでいる。それが顕著になったのは第二次安倍政権が発足してからだが、政治学者の中野晃一氏によると1980年代の中曽根政権から脈々と続く右傾化である。こうした政治の変化は戦後民主主義を大切にしてきた人々や左翼の人々にとっては極めて深刻な時代と感じられている。世界の歴史を振り返れば日本とフランスとで政治風土も歴史も異なるとはいえ、19世紀にカール・マルクスが書いた「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」が示唆に富むのではなかろうか。(2018/07/08)


文化
ロシアの注目のバンド "Otava Yo " ( Отава Ё , オタヴァ・ヨ )が初めての来日コンサート   
 1年前に日刊ベリタにロシアのバンドに関する記事を記したことがありました。ロシアの伝統音楽を蘇生させ独特のビデオを作っている注目のバンド "Otava Yo " (オタヴァ・ヨ)です。ちょうど、ニューヨークのインディフィルムフェスティヴァル( NYC Indie Film Awards)で最高賞のダイアモンド賞を受賞しましたので記事を書いたのですが、ユーモアあり、ペーソスあり、切れのいい音楽あり、で見た人はきっと魅了されてしまうでしょう。下のリンクの4分40秒のビデオもシュールな物語。(2018/06/29)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  子猫ラムセスがモスクワへ行く  Heather Hermit 
カイロの猫について、アップデートしよう。私は4月以後、ラムセスには会っていなかった。ラムセスは今ではまったく健康そのものだ。見栄えもとてもよくなった。毛は白く、きれいだ。ラムセスは華麗な白猫になった。なんという変化か!すべての治療は終わり、ワクチンも打ってもらった。それで私は一晩、ラムセスを自宅に連れ帰った。だが、ラムセスは動物病院を出たくないように見えた。というのもそこにはたくさんの猫の仲間がいるからだ。ラムセスはとても恐れているように見えた。そのうえ、2匹の私の飼い猫(ビーストとセクメトである)もまたストレスを感じているようだった。見知らぬ猫がやってきたからだ。3匹の猫は互いに敵意を抱いているようだ。(2018/06/10)


国際
トランプ政権による米朝首脳会談中止をどう見るか
トランプ大統領が予定されていた米朝首脳会談を中止したと報じられた。東アジアの平和を期待した人々にとっては嬉しくないニュースとなった。トランプ大統領がなぜ今になって中止を決めたのか、真相はわからない。以下は単なる見聞した情報である。ニューヨークタイムズのコラムニスト、二コラ・クリストフが米朝首脳会談決定直後に冷めたコラムを書いたことがあったのを思い出すのである(2018/05/26)


文化
日仏会館のシンポジウム 「ミシェル・フーコー: 21世紀の受容」 フランスから2人の気鋭の哲学者が来日し、フーコーについて語った
 5月21日、東京の日仏会館で20世紀の哲学者ミシェル・フーコー(1926- 1984)に今日改めて光を当てるシンポジウムが行われた。タイトルは「ミシェル・フーコー: 21世紀の受容」。この催しのためにフランスから2人の気鋭の哲学者が来日して、フーコーについて最新の思索やフランスにおける議論などについて語り、また会場の聴衆との質疑応答も行った。私はミシェル・フーコーについてはほとんど著作に触れたことがなかったためにどこまで二人の哲学者の話についていけるのだろうか、と多少不安でもあった。(村上良太)(2018/05/22)


みる・よむ・きく
「タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜」
「1980年5月。韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件―あの日、真実を追い求めたひとりのドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手がいた。」(映画紹介サイトより)陸軍の保安司令官だった全斗煥が起こした1979年のクーデターと、それに続く金大中ら野党政治家らの逮捕に憤った学生や市民が1980年5月にソウルで抗議デモを行っていたが、デモは全国に拡大した。光州事件はこの時、全斗煥率いる軍部が戒厳令のもと光州市民を徹底弾圧した事件だ。学生たちは戒厳令を解除と民主化への改憲を求めていた。しかし、軍の部隊の投入で、数百人の死者・負傷者を出す惨劇となった。(2018/05/18)


人権/反差別/司法
「デモクラシー・ナウ!」 パレスチナ人がガザで殺される エルサレムの米大使館オープンに抗議 Palestinians Mark 70th Anniversary of Nakba After Israel Kills 61 & Wounds 2,700 Protesters in Gaza
アメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」でガザでパレスチナ人が多数殺されている事件を現場から報じている。米大使館が月曜、エルサレムにオープンしたことがパレスチナ人の抗議を呼んでいる。(2018/05/16)


みる・よむ・きく
「探偵はBARにいる 3」
すでにこの映画が封切られて半年くらいたつので見た人には今さらだと思うけれど、「探偵はBARにいる 3」は飽きさせない映画だ。冒頭、「海鳥の舞う厳冬の漁港」とシナリオにもあるように寒々しい北国の冬から始まり、それが北海道であろうことは市場の食堂で登場人物の若い女と中高年の男がうにいくら丼を食べているところでわかる。(2018/05/16)


社会
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」 ルモンド紙でも報じられる  署名活動中
昨年、何度か日刊ベリタでも紹介したフランスの女優たちによる<50歳以上の女優にもっと出演の機会を!>という運動がこのたび、ルモンド紙でも取り上げられました。この運動は「50歳の女優のトンネル」と名づけられていて、女優だけでなく男優の中にも協力して声を上げている人がいます。50歳以上65歳未満のフランスの女優たちが干されている現実を実際に女優たち自身が立ち上がって調査を行い、改善して欲しいと署名を集めています。この運動は単に女優の失業対策というだけではないようです。俳優が社会に対して負っている意味合いを考えれば50歳から65歳の実社会では家庭や地域で大切な役割を果たしていることが映画の世界で忘却されてしまうことを意味します。(2018/05/13)


みる・よむ・きく
日本に出稼ぎにきた男女の恋愛を描くフィリピン映画 "KITA KITA " ( = 私はあなたを見る,  2017) 
日本経済がバブルに向かっていた1980年代、フィリピン人が日本に出稼ぎに来るようになり、興行の世界やパブで働く女性が多かったためか、「じゃぱゆきさん」などとその当時は呼ばれていた。また日本人男性と結婚するフィリピン人女性を筆者も取材したことがあるが、国際結婚も1980年代から90年代にかけて増えた。あれから30年以上の歳月が流れた。昨年公開されたフィリピン映画”Kita Kita”(私はあなたを見る)は舞台が札幌で、日本に出稼ぎに来た現代のフィリピン人男女の恋愛を描いている。女性はパブで働いており、男性は工場で働いていたのである。(2018/05/08)


反戦・平和
安倍首相と河野外相がノーベル平和賞を受賞する可能性は? 
河野太郎外相によると、今回の南北会談の最大の立役者は安倍外交だったらしい。北朝鮮に対する強いプレッシャーが北朝鮮を対話に引っ張り出したのだと河野外相は胸を張る。だとすればもし米朝間で朝鮮戦争を終結させ、平和条約が結ばれた場合はその立役者は誰よりも安倍首相だったことになる。(2018/04/28)


みる・よむ・きく
畑尾一知著「新聞社崩壊」 
 今、街の書店の店頭に平積みにして売り出し中の本が畑尾一知著「新聞社崩壊」(新潮新書)である。このような趣旨の本は何年も前から何冊か見た記憶はあるが、畑尾氏が自ら書いているように朝日新聞社の販売局という裏方の視点で新聞ビジネスを見たところが新しいところだ。畑尾氏は今、どんどん新聞業界の縮小が進んでいるため、今のペースを考えれば2025年の新聞読者は人口の23%くらいまで落ちるんではないか、と推測している。なんと4人に1人も新聞購読者がいなくなるのだ。(2018/04/28)


コラム
安部公房の予感  儀式とファシズムとドストエフスキー
安部公房の小説家としてのデビュー作は「終わりし道の標に」というタイトルで、作家のすべては処女作に書かれているという言葉があるが、まさにその通りだと思わされる。この小説は安部公房が満洲で過ごした少年時代の記憶をもとに描かれた帝国が崩壊する瞬間の世界だ。であるが故にどこか「太陽の帝国」を書いたJGバラードの作品群とも通底するように思われる。つまり、それまでの帝国の秩序と価値観が崩れ、国境線が消失する瞬間なのである。その経験は恐怖でありながらも、安部少年にとっては解放の時でもあった。(2018/04/26)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  猫の頭の中にあるもの  Heather Hermit 
動物病院での2か月で、ラムセス2世は快方に向かっていた。毛も生えてきたし、獣医もかなり健康になったと言ってくれた。食欲もあり、もはや半死の猫ではなかった。少しずつラムセスは美しい猫になろうとしている。(2018/04/26)


コラム
非TVの映像メディアの重要性がTV映像に逆転  この5年で映像メディアには過去最大の変化が起きた
安倍政権の過去5年の間にTVの報道が全般的に衰退し、重要性が弱まった。その理由は官邸との夕食会をはじめ、政府の統制下で批判的報道があまりできなかったことにある。と言ってもTVの影響力は依然大きくある。とくに新聞や海外メディアへのアクセスのない人々はTVから情報を得ているのである。そうではあるが、情報に感度の高い人々の間でTVの重要性は確実に下がってきているのだ。(2018/04/24)


国際
マクロン大統領の警察動員力  大学入学システムの改正に反対して立てこもったパリ大学(Tolbiac) の学生たちを強制排除
パリ大学は複数に渡って分校が存在するが、Tolbiac(トルビアック)と呼ばれているのは第一分校のパンテオン・ソルボンヌ校で法律などが中心の大学だ。そのトルビアックで3月26日から大学生たちが入学システムの法改正に反対して校舎に立てこもっていた。学生たちはマクロン大統領が彼が抜擢したエドゥアール・フィリップ首相のもとで大学入試により選抜システムを強化して、みんなが入学できるシステムを変えようとしている、と訴えてきた。しかし、4月20日早朝、警察が大学に突入し、学生たちを力づくで排除した。(2018/04/23)


国際
空港建設計画を撤回した後、フランス政府は抵抗した人々のコミュニティの解体に乗り出した  フランス西部、ノートル=ダム=デ=ランドの闘争
フランスでは今、エマニュエル・マクロン大統領が率いる政府がある農民コミュニティを潰しにかかっている。その農民コミュニティはフランス西部に位置するNotre-Dame-des-Landes(ノートル=ダム=デ=ランド)にある。世界史を振り返ると、カトリックとプロテスタントの信者を和解させたアンリ4世の「ナントの勅令」が発令されたナントがこの近くにある。実はここ、ノートル=ダム=デ=ランドで人々が今、政府と闘争しているのはそこが1960年代から空港建設予定地だったからだ。インターネットやニュースで知る限り、かなり大がかりな警察力が行使されている。現地を2度訪れ、事情に詳しい女性、ルイーズ・ムーラン氏に話を聞いた。ムーラン氏は空港建設に反対する農民たちを支援する一人だ。(2018/04/21)


政治
ポスト安倍時代を考える  自民党内リベラル派に未来はあるのか 岸田文雄政調会長と宏池会について中野晃一教授(政治学)に聞く
昨年10月の総選挙の際、リベラル派の集結が政界再編の大きなテーマになった時、自民党内のリベラル派である宏池会がどう動くかが注目された。現在の宏池会の会長が岸田文雄政調会長である。岸田氏は残念ながら動きを見せず、安倍政権を追認するのみに見えた。自民党の次期政権、あるいは政界の次代を考えた時に自民党内の「リベラル勢力」をどう見るか、ということは野党第一党の立憲民主党の行方ともども興味深い点だ。政治学者の中野晃一教授(上智大学)はポスト安倍時代をどう見ているのだろうか。自民党の宏池会に焦点を当ててお聞きした。(2018/04/18)


コラム
安倍晋三記念博物館の建設を  政治家の嘘を永久保存して未来の世代に
昨日の国会前緊急集会などを経て安倍首相の支持率が20%台に落ち込んだと報じられており、自民党の中でも安倍降ろしの動きが起きているとの話も伝わって来る。そんな中、安倍首相を記念する博物館を国会周辺に建てたらどうか、と思えるのだ。安倍首相が国会その他でついた嘘をナンバリングして、どのような時にどのような嘘をついたかをパネルにして展示するのである。もちろん、国会などの映像も見れるようにして。(2018/04/15)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画『種子―みんなのもの?それとも企業の所有物?』 ラテンアメリカの農民・先住民族による種子を守り、次世代に受け継ぐための取り組みを描く
NPO法人 PARC(アジア太平洋資料センター)が中南米のドキュメンタリー映画「種子」を日本に紹介するためにクラウドファンディングで翻訳資金を集め、DVDなどで一般公開を始めました。以下はPARCの告知から。「食の源である種子。農業も豊かな食文化も、すべては1粒の種子から始まりました。しかし『緑の革命』以降、工業化された大規模農業が推進される中で、種子は知的所有権の対象となり、グローバル大企業による支配が進められてきました。2010年以降、ラテンアメリカでは農民による種子の保存を禁じ、毎回企業から種子を買わなければならなくする通称『モンサント法案』が多くの国をかけめぐります。農民を先頭に、先住民族、女性、市民、さまざまな人たちが声をあげ、大規模な反対運動が起こりました。本作品はこれら人びとの種子を守り、地域の経済や文化、食料主権を守る闘いを描いたドキュメンタリー作品です。・・・」(2018/04/15)


検証・メディア
アベノミクスと放送局  2013年、株価上昇に放送局員も沸いた 
安倍政権が発足したのが2012年の暮れで翌2013年からアベノミクスが始まった。アベノミクスとはデフレ脱却を目指し2%のインフレ目標を達成するために大胆な金融政策を行い、さらに景気の底上げのためと称して、機動的な財政政策や民間投資を喚起する成長戦略を行うことだった。これを三本の矢と称していたが、結局、一番肝心の3本目の矢が不発のまま、巨額のマネーを市場に注ぎ込んだため、株価だけは上昇した。この株価上昇で沸き立ったのは投資を行う富裕層や株式を上場している大企業だったが、もちろん、民間の放送局の株価も上昇した。以下は2013年暮れのハフィントンポストの報道である。そこに始まったアベノミクスでいかに株価が上昇したかが書かれている。(2018/04/15)


国際
米英仏がシリアを攻撃   記者会見では本当にシリア軍が化学兵器を使った証拠があるのか?というのが記者たちが最も関心を持っている質問だった
4月13日、米国を中心に英仏が参加したシリア攻撃が始まった。以下はCBSの現地報道。安倍首相はこれを起死回生のチャンスと思うかもしれない。(2018/04/14)


検証・メディア
TV番組制作プロダクション群の沈黙の5年
第二次安倍政権が2012年暮れに発足してから、5年が過ぎ、その間にTV報道の劣化が進んだ。実際に報道の自由度で日本は世界の72位になり、大きく後退したことが数値で示されている。これについて、NHKでも民放でもそれぞれ批判される対象となるのはいつも放送局だが、事はもう少し複雑だ。放送局は民放もNHKもともに番組のかなりの割合が外部の番組制作プロダクションや、それらからの派遣労働者によって制作されている。つまり、現実の労働のかなりの割合が放送局員ではない人々の手になる。こうした力学を考えれば当然ながら大きな疑問に突き当たる。放送局に政府・官邸から圧力がかけられ、政府・与党に与するように放送内容を制限されたり、表現で指示を受けたり、あるいはもっと単純に恫喝されたりした場合にこれらの番組制作会社群が結束して抗議を行ったことが一度でもあったのだろうか、ということである。(2018/04/13)


コラム
アメリカに見切りをつけられた政治家、安倍晋三
 森友問題での佐川前理財局長の証人喚問で寒々しく空しい国会の映像を見せつけられ、以後、元気になったかのような安倍首相を見て再び、いや三たび唖然とした市民は多かったに違いない。だが、ここに来て朝日新聞やNHKが七転び八起きのような非常な頑張りを見せ、野党議員が共同で戦い、再び安倍首相をリングのコーナーに追い詰めようとしている。これらの人々の仕事は素晴らしいが、実際のところ、安倍首相を裏で追い詰めたのは米政権ではなかっただろうか。(2018/04/11)


政治
『イエス、会いました』 森ゆうこ議員のツイッターから
自由党の参議院議員・森ゆうこ氏はツイッターで国会でよく使われる特殊な日本語の言い回しにつき、一般市民に向けてレクチャーを行った。森ゆうこ議員 「『記憶の限り会ったことはない』 (2018/04/10)


政治
加計学園「首相案件」問題  野党合同ヒアリング  2018年4月10日
2015年4月2日、愛媛県今治市の職員と愛媛県の職員および加計学園幹部が官邸に出向いて加計学園獣医学部新設に関する話をした後に愛媛県職員がまとめたメモにあった「首相案件」なる言葉について。この言葉は柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の言葉と記されていた。(2018/04/10)


みる・よむ・きく
東京演劇アンサンブル 3月公演「ビーダーマンと放火犯たち」(マックス・フリッシュ作)
 3月の東京演劇アンサンブルの公演はスイスの劇作家、マックス・フリッシュ作「ビーダーマンと放火犯たち」だった。マックス・フリッシュと言うと随分懐かしい響きがある。世界の現代演劇全集などにはブレヒトと並んで掲載されるような劇作家だったからだ。今回、小森明子演出で再登場させた理由はどこにあったのだろうか。そう思いながら劇場に足を運んだ。物語はこうだ。小金を持っている中小企業の会社社長の家へ、浮浪者がある晩現れる。一晩泊めて欲しい、と言って。その頃、その街の周辺では放火犯が同じように家の二階に泊めてもらって放火する連続事件が起きていたため、会社社長もなんとか断りたい。だが、レスラーだったと言う屈強の男は許可もなく、ずかずか上がり込んでしまい、肉体で威圧する半面、言葉では社長は人間性の高貴な人で浮浪者を追い出すような人ではない、などと語り、社長は次第に断れなくなっていよいよ1晩に限り、家に泊めてやることになる。(2018/04/02)


検証・メディア
スピルバーグ監督「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を見る
話題になっているスティーブン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を見た。知人から「這ってでも見た方がよい」と言われ、風邪で体調が悪かったが、それでも映画館に足を運んで見た。この映画はベトナム戦争が勝てない戦争であるにも関わらず、名誉ある撤退のために戦争をずずるずる引き延ばしていた実態を暴く最高機密書類「ペンタゴン・ペーパーズ」が新聞社に持ち込まれたことに端を発する。ニクソン政権が新聞社に圧力をかけ、記事を発表したら告発すると脅す。そんな中、ワシントンポストの社主キャサリン・グラハムとベン・ブラッドリー編集長が圧力を跳ね飛ばして印刷を決断するドラマである。(2018/04/02)


検証・メディア
安易なリツイートに注意
ツイッターの情報を見ていると、信憑性の問われる情報が拡散されていた。たとえばNHK会長が日本会議、という情報に根拠があるのか? NHK経営委員長の石原進氏がかつて日本会議福岡の名誉顧問だったということは報道でも広く知られている。だが、上田良一NHK会長が日本会議という情報は今まで聞いたことがない。ところが、そのような情報が日刊ゲンダイの昨日のNHK内部告発の記事とともに拡散されている。このようなケースはたとえリツイートだとしても気を付けた方がよい。(2018/04/01)


政治
無能な外務大臣の言い訳  「北朝鮮がいよいよ対話を求めてきました。国際社会全体による経済制裁に耐えられなくなってきたのでしょう。」
日本の外務大臣、河野太郎は世界に向けて北朝鮮との国交断絶を呼びかけてきた。この動きは世界の国々とはまったく異なるベクトルで、外務省が宗主国であるかのように畏まる米国ですら、米朝首脳会談を行うと発表した。河野太郎と日本の外務省は世界に恥をさらしたが、そもそも河野の呼びかけ自体が外国の要人にとってはニュースバリューのない、つまらないエピソードでしかなかった。落ち目の日本は世界のニュースのトップバリューになりえないのはもちろんのこと、「米国の51番目の州」に独自外交など存在しないことは周知だからだ。(2018/03/31)


検証・メディア
速報 国会でNHKの森友問題の報道の姿勢が追及される  参院総務委員会で山下芳生議員がNHK会長に質問 NHK局員の内部告発か「森友問題はトップニュースで伝えるな」「3分半以内で」「昭恵夫人の映像は使うな」 
3月29日(木)、午前11:30-11:55まで国会の参議院総務委員会で山下芳生議員(共産党)が公共放送のあり方とNHK過労死問題についてNHKに質問を行った。質問には森友問題をめぐるNHKニュースの編集方針のことが含まれていた。内部告発が共産党に寄せられた。そしてNHKの上田良一会長が答弁に立たされた。(2018/03/29)


政治
丸川珠代議員(自民党)は安倍首相の弁護士なのか? 国会議員の仕事は首相の弁護なのか?  三権分立はどこへ?
27日に国会で行われた佐川宣寿(さがわ のぶひさ)前財務省理財局長への証人喚問で、自民党から質問に立った丸川珠代議員は「安倍総理からの指示はありませんでしたね?」というような問いかけを連発して、佐川氏は「ございませんでした」などと否定を繰り返す、というシーンが繰り広げられた。視聴者はこれを見て感じたのは、アメリカの法廷ドラマだろう。(2018/03/29)


検証・メディア
2016年 腐敗した大統領・朴槿恵の退陣を求めたソウル市民の闘い  ドキュメンタリー写真家、ロ・ヨンヒョン(Roh Yong Heon)さんの記録  その2 ロウソク集会から年明けて2017年
2016年、隣国の韓国では国家を私物化した朴槿恵大統領の退陣を求めて人々がロウソク集会と呼ばれる政治集会を毎晩続け、ついに退陣を勝ち取った。彼らは実際に政治を変えたのである。その模様は世界に発信されたが、日本のメディアはあまり積極的に報道しなかった。そこで韓国のドキュメンタリー写真家であるロ・ヨンヒョン(Roh Yong Heon)さんによる記録を紹介する。ロさんの撮影した映像は2016年10月末に始まったロウソク集会が年を越え、2017年に突入したところから始まっている。韓国の市民が勝利した最大の要因は最後まで諦めなかったことにあった。(2018/03/29)


検証・メディア
2016年 腐敗した大統領・朴槿恵の退陣を求めたソウル市民の闘い  ドキュメンタリー写真家、ロ・ヨンヒョン(Roh Yong Heon)さんの記録 
2016年、隣国の韓国では国家を私物化した朴槿恵大統領の退陣を求めて人々がロウソクデモと呼ばれる政治集会を毎晩続け、ついに退陣を勝ち取った。彼らは実際に政治を変えたのである。その模様は世界に発信されたが、日本のメディアはあまり積極的に報道しなかった。そこで韓国のドキュメンタリー写真家であるロ・ヨンヒョン(Roh Yong Heon)さんによる記録を紹介する。ロさんは毎日、デモの現場に立ち会い、ビデオやカメラで記録を取り続けた。(2018/03/27)


文化
シンポジウム 「世界文学から見たフランス語圏カリブ海  〜 ネグリチュードから群島的思考へ 〜」  
 3月25日(日)と26日(月)の2日間に渡って東京の日仏会館で「世界文学から見たフランス語圏カリブ海 〜 ネグリチュードから群島的思考へ 〜」と題するシンポジウムが行われた。ネグリチュードとは厳密に説明しようとすると多分、難しいのだろうが、カリブ海のマルチニック島などに住む黒人の血を持った人々が、かつて宗主国であったフランスなどの西欧近代社会に対するコンプレックスを克服するべく、黒人であることにむしろ誇りと尊厳を見いだす考え方だった。今回のシンポジウムは副題に「ネグリチュードから群島的思考へ」とあるように、もしかしたらネグリチュードをさらに乗り越えて「群島的思考」なるものを目指したシンポジウムだったのかもしれない。(2018/03/27)


検証・メディア
NHKが再生できるかどうかは、安倍政権下の重要事件を一から独自検証できるかにかかっている  「川内原発はいかに再稼働されたのか」の検証番組を 
九州の川内原発は日本全国に51基ある原発の中で全国で最も早く再稼働を行った。川内原発は熊本地震の際に稼働中止の要請がなされたように、活断層が周囲にある可能性が地質学者から指摘されている。一つ間違えると再び福島第一原発事故のような事態を招く可能性もある。ではこのように原発再稼働に対する地域住民の根強い不安と疑問がある中、なぜ川内原発が最初に再稼働されたのだろうか。少し基本事項を振り返ってみたい。(2018/03/26)


検証・メディア
NHKが再生できるかどうかは、安倍政権下の重要事件を一から独自検証できるかにかかっている  「邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会の検証報告書」(2015年5月)の調査を 
安倍政権下では国会に提出される公文書の改ざんされ、法案のためのデータも組織的にねつ造されていた。これは氷山の一角かもしれない。安倍政権下での行政は安倍首相に喜んでもらえるように官僚や政治家たちが忖度して事実でも平気で捻じ曲げることに特徴がある。これは内閣人事局の存在によって官僚たちが内閣の意向を忖度するようになったからだ。したがって重要な事件については独立した検証をやり直す必要がある。たとえばシリアで湯川遥菜氏と後藤健二氏がイスラム国に人質に取られ斬首された事件で日本政府が的確な対処をしていたか、という問題である。(2018/03/23)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  子猫ラムセスの不安  Heather Hermit 
エジプトのカイロで暮らしているロシア人のデザイナー、ヘザー・ハーミット(Heather Hermit)さんは路上で死にかけた猫を見つけました。その子猫にしばらくエサと薬を与えた後、動物病院に連れて行きました。ラムセスという高貴な名前をもらった子猫の動物病院での治療が始まりました。以下は、彼女の記録です。(2018/03/18)


コラム
「日仏の翻訳者を囲んで」第二回 翻訳家・原正人氏 ( 司会 丸山有美 )
東京・恵比寿にある日仏会館図書館が日仏間の翻訳に携わっている気鋭の翻訳家を毎回招いて話を聞くという催しを行っていて、二回目が今月14日に行われた。一回目はフランスの小説の翻訳をしている笠間直穂子氏だったが、今回はBD(バンドデシネ)と呼ばれるフランス漫画の翻訳家である原正人氏だ。前回同様、雑誌「ふらんす」前編集長でフリーライターの丸山有美氏が司会を務めた。原正人氏の最近の翻訳作品には「金正日の誕生日」や、「ヴァレリアン」、「星々の城」、「僕のママはアメリカにいるんだ」などがある。また、漫画だけでなく、ゴダール映画の主演女優だったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説「彼女のひたむきな12カ月」などの翻訳なども行っている。(2018/03/17)


政治
総理官邸前で抗議の人垣  「民主主義を取りもどそう」
3月12日、「民主主義を取りもどそう」との呼びかけに総理官邸前に多くの人が集まり、財務省の決裁文書偽造を糾弾し、安倍内閣の総辞職を求めた。警察官が多数、動員され、人々が官邸前に向かわないように懸命に誘導を行っていた。(2018/03/13)


政治
昨年10月の総選挙のやり直しを   安倍首相が統括する行政府の組織的隠蔽によって国民は知るべき情報を得ることなく選挙で投票することになった
 安倍首相は常々「行政府のトップ」と自身を語ってきたが、その行政府が官僚を含め組織的に公文書を偽造して犯罪を隠蔽してきた。財務省の公文書偽造が行われたのは昨年の春である。安倍首相は野党4党が加計学園への獣医学部新設問題に関して臨時国会召集を求めても国会を3か月にわたって開かず、9月下旬にようやく開いたと思いきや、ただちに国会解散、総選挙を行った。(2018/03/12)


市民活動
3月11日 パリで原発を廃止しよう集会  菅直人元首相にも特別インタビュー
3月11日、福島原発事故でフランス市民は震撼した。その7周年目の今日、パリの共和国広場で今、市民が集まり、原発を永久に廃止しようと言う集会を開ている。左派政党の「服従しないフランス」は特別に菅直人元首相のインタビューをビデオで公開した。(2018/03/11)


政治
特定秘密保護法と米朝首脳会談
2013年の暮れに可決した特定秘密保護法は憲法で保障している思想や表現の自由を損なうものだとして第二次安倍政権が始まって最初の大がかりな抗議運動をもたらしたことで記憶に新しい。そのとき、日本政府が説明していたのはアメリカから安全保障に関する情報をもらうためには、日本国内で官僚が情報をリークしない法的仕組みが必要だということだった。この説明を見てもわかる通り、アメリカを向いて作られた法律であり、当時はオバマ政権だった。安倍首相はオバマ政権の下でいかに日本人がアメリカに尽くしたいかを米議会で切々と語ってきた。(2018/03/10)


コラム
安倍夫妻を見誤った古舘伊知郎氏 「安倍さん、首相になってくださいよ」
古館伊知郎氏と言えばテレビ朝日「報道ステーション」のアンカーだったが、2015年に安倍政権が安保法制の強行可決を行ったことなどに対して批判的な姿勢を強めていった。そして2016年3月に番組を降板している。しかし、その際、古館氏は政権の圧力ではないとも語ったという。とはいえ、視聴者には放送局に圧力がかかったか、あるいは放送局の幹部が安倍政権を忖度したのではないか、と思っている人が少なくない。テレビ朝日のトップは安倍首相と会食をするような人物だからだ。古館氏が「報道ステーション」に登板したのは2004年4月のことで、この年はイラク戦争終結間もない頃だった。(2018/03/10)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  動物病院  Heather Hermit 
エジプトのカイロで暮らしているロシア人のデザイナー、ヘザー・ハーミット(Heather Hermit)さんは路上で死にかけた猫を見つけました。その子猫にエサと薬を与えながら、その後、どうしたらよいのか、と彼女は考えていました。以下は、彼女の記録です。「私は傷ついた子猫に出会ってからおよそ1か月、毎日エサを与えた。子猫は前足をけがしており、皮膚病にもかかっていたので薬も与えていた。一か月がたち、子猫は多少元気になった。そこで私は子猫を通りから連れ去って、動物病院に連れていく決意をした。」(2018/03/04)


人権/反差別/司法
「人間を守ろう、 国境を守るのではなく」   ( Protégeons les humains pas les frontières / Let's protect people, not border )   厳寒のパリに生きる難民と支援する人々
エマニュエル・マクロンは昨年の大統領戦で、国民戦線のマリーヌ・ルペンに対抗してリベラル派のポーズを見せて大勝した。ところが今年に入ってマクロンは国境警備に携わる警備部隊を大いに讃え、難民のフランスへの迎え入れを大幅に制限する法案をぶち上げ、右翼ぶりを示し始めた。閣議で決定された新たな難民法案は難民認定の申請期間を半年に短縮し(今まで概ね1年以上あった)、難民と認められなかった場合に上訴して再審査ができる猶予期間をわずか15日間に縮めることになるらしい。この新たな難民法案は6月に国会で審議されることになるようだ。(2018/03/02)


コラム
「日仏の翻訳者を囲んで」 翻訳家・笠間直穂子氏 ( 司会 丸山有美)
以前、日本にはフランスの本の大半が入ってこなくなり、ほとんど鎖国状態だ、と嘆いたことがありましたが、その一方で、コツコツ優れた翻訳活動を地道に続けている人もいます。今回、日仏会館図書室が「日仏の翻訳者を囲んで」というシリーズ講演を始めると知り、第一回目の笠間直穂子氏のトークを聞きに出かけてみた。笠間直穂子氏の訳書の核の1つが、フランスの作家マリー・ンディアイ著「みんな友だち (Tous mes amis 2004)」や「心ふさがれて (Mon coeur a l'etroit 2007)」だと知った。(2018/03/01)


みる・よむ・きく
アンコール まいにちフランス語 (2013) NHKラジオテキスト  梅本洋一「映画の話をしよう!」(応用編)
今から5年前に買ったNHKラジオのフランス語講座のテキストが出てきた。書庫の整理をしていた時だ。「アンコール まいにちフランス語」と題するこの本は一度放送した中から、再編集して1冊にまとめたもので、この中に応用編として映画評論家である梅本洋一氏の「映画の話をしよう!」というパートがある。NHKラジオのフランス語講座には初級編と応用編があり、応用編は少し上達したリスナー向けの内容になっている。ここであえて梅本洋一氏の講座について触れたいと思ったのは、通常の「応用編」と比べて、シンプルに私たちが日常的に関心を持つフランス映画とリスナーを「フランス語」で結んでくれたということだった。(2018/02/28)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  死にかけていた子猫 Heather Hermit 
エジプトのカイロで暮らしているロシア人のデザイナー、ヘザー・ハーミット(Heather Hermit)さんは路上で死にかけた猫を見つけました。今回は家で飼っている二匹の猫の話ではありません。以下は、彼女が路上で観察した記録です。「子猫の手には傷があり、皮膚病にもかかっていました。子猫の家族はみな飢餓と厳しい生存環境のせいで滅びてしまったのです。・・・」(2018/02/26)


コラム
放送界の文化大革命  日本の紅衛兵たち
放送の世界も世代によって価値観が異なっている。バブル時代に青春期を送った世代が世界に飛び出して、世界の人々と交流しながら外国から学ぶことを大切にする傾向があったとしたら、その後の世代は真逆になっていくのである。思い出せば明らかだが、外国にさほど関心がない世代となるのだ。それからさらに世代を下れば、外国から学ぶのではなく外国に日本の素晴らしい技術や文化を教えることに中心を置く世代、となっていく。(2018/02/18)


コラム
外国の労働法の規制緩和と日本の労働法の規制緩和はつながっている  公共放送は国民の知る権利に応えるべきだ
今日、公共放送のテレビドキュメンタリーでは外国の労働問題を扱う番組企画案などはほとんど採用されなくなっています。海外を見て日本を振り返って考えてみる・・・・的な番組は採用されない時代が来てしまったのです。一昨年あたりから企画の採用基準が激変したのです。このことは何を意味しているか考えてみたいと思います。日本で今、安倍政権が導入しようとしている労働法の一段の規制緩和はさらなる超過労働を労働者に強いる可能性が強いのです。このことは日本一国だけで見ていては解決できないことなのです。(村上良太)(2018/02/15)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  美猫コンテスト Heather Hermit 
エジプトで猫を飼っているロシア人デザイナーのヘザー・ハーミットさんは自分が飼っている猫の写真記録をつけてきました。現在、2匹の雌猫と暮らしています。タイ産の猫、ビーストとカイロのシェルターでもらい受けた猫のセクメットです。セクメトは何を与えてもいつも満足することなくお腹を空かせています。ハーミットさんが二匹の個性的な猫と共同生活をしているうちに、頭に浮かんできた短編の童話が次の物語です。(2018/02/12)


検証・メディア
東京新聞の塩野七生さんへのインタビュー記事に対する疑問 「ギリシア人の物語」完結にちなんで  〜安易で誤った歴史の適用・類推は国家を危うくする〜
東京新聞と言えばあの総理官邸の記者会見でしつこく食い下がる望月衣塑子記者で最近、話題になって政府に対して批判的な人々から絶賛されている新聞だ。筆者自身も今年から試しに東京新聞の購読を始めたのだが、全体に情報量が朝日新聞などより少ない気がすることはともかくとして、記事の中身自体のつっこみも紙面すべてが望月記者のような鋭く執拗な食いつきがあるとは言えないのかもしれない。その例として挙げるのが妥当なのかどうかわからないが、1月13日の文化欄の「最後の長編『ギリシア人の物語』完結 塩野七生さん(作家)〜 書ききった2500年の歴史〜」と見出しをつけたインタビュー記事である。(2018/02/04)


みる・よむ・きく
トランプ大統領の一般教書演説  「アメリカを再び偉大にする」
トランプ大統領が就任して2年目に入る。トランプ大統領が政策を語る一般教書演説が以下。(2018/02/04)


みる・よむ・きく
近日刊行 中野晃一著「私物化される国家 支配と服従の日本政治」 (角川新書)   〜アンチ・リベラルはなぜ膨張したのか〜
立憲主義の大切さを訴えてきた気鋭の政治学者・中野晃一氏が今月、新刊書を角川新書から出します。タイトルは「私物化される国家 支配と服従の日本政治」。中野氏は出版に当たって次のように語りました。(2018/02/01)


みる・よむ・きく
リーダーズ・ダイジェスト誌の100単語でつづるノンフィクション物語のコンテスト
アメリカのリーダーズ・ダイジェスト誌が英語100単語以内で実話を募集してコンテストを行ったという。応募作品は7000もに及んだ。その中から選ばれた文章をウェブサイトで公表している。1位に選ばれた話と言うのはサウスカロライナ州のミシェルさんの思い出。(2018/01/25)


みる・よむ・きく
後藤正治著 「探訪 名ノンフィクション」 その2
後藤正治氏の「探訪 名ノンフィクション」を読んで啓発されることが大きかった。何にか、ということは昨日記したのだが、要はノンフィクションの面白さを今一度、感じさせてくれる本だった、ということである。そして、そのことは書店の記憶を呼び起こした。禁煙歴10年の人がふとタバコを味わっていた頃のことを思い出すとしたらその時の銘柄やライターが具体的に思い出されるように、ノンフィクションを陳列した街の書店の総合雑誌の棚や書棚が思い出された。しかし、それらは数年前に書店が町から消えてなくなった時に過ぎ去ってしまった。書店に行く動機の中の比較的大きなウエイトはノンフィクションを立ち読みしたり、買ったりすることにあったように感じられた。それらの本は社会の面白さとか、人生の味わいを教えてくれる文学だった。(2018/01/24)


みる・よむ・きく
後藤正治著 「探訪 名ノンフィクション」
巻末に沢木耕太郎氏と後藤氏との対談が掲載されており、そこでこの作品選をどう見るか、ということや、ノンフィクションとは何か、と言ったことが話し合われている。結論から言えば評者が変われば人選や作品選も変わりうるし、ノンフィクションの定義も狭義か広義で変化しうる、と言ったことが書かれている。本書が出版されたのは2013年のことで、巻末の対談でも触れられているが、ノンフィクションの書き手にとっては厳しい時代にあり、特に長編のノンフィクションを発表できる雑誌媒体が中々なくなってしまった、ということがあるようだ。(2018/01/23)


文化
作家アラン・マバンクゥ氏がマクロンに宛てた「大統領への公開書簡」 フランコフォニーに対する考え方が違っているのではないか? lettre ouverte à Emmanuel Macron par Alain Mabanckou
  アフリカ中西部のコンゴ共和国出身でフランスで法律学を学び、現在はカリフォルニア大学で文学を教えている作家のアラン・マバンクゥ氏。2016年には権威あるコレージュ・ド・フランスで黒人文学を講義したことでも現在、フランス語圏の作家の中で最も注目されるひとりである。そのマバンクゥ氏は祖国コンゴ共和国の不正選挙を嘆いて、かつてオランド大統領への公開書簡を発表したことがあった。今回はマクロン大統領への公開書簡である。フランス語を話す人々による想像の共同体であるフランコフォニーを国家プロジェクトにしようというマクロン大統領のフランコフォニーに対する考え方に植民地主義が根底に潜んでいることを指摘している。(2018/01/21)


みる・よむ・きく
第二次大戦後のインドネシア独立の裏話 ヨ―リス・イヴェンス監督「インドネシアは呼んでいる」(1946)  ”Indonesia calling”  Joris Ivens, 1946
第二次大戦が1945年に終結した後、アジアでは植民地だった国々が次々と独立を成し遂げた。オランダ出身のドキュメンタリー映画監督ヨ―リス・イヴェンスは1946年にインドネシアの独立の裏話を撮影している。それはオーストラリアの港湾労働者の組合が製作した映画で、”Indonesia calling”(インドネシアは呼んでいる)と名づけられている22分の短編ドキュメンタリー映画である。映画の冒頭にも記されているが、この映画はインドネシアの独立を願って製作された。それがオーストラリア映画だというところが「なぜだろう?」と思わせる。(2018/01/20)


文化
マクロン大統領の表現「フランスとフランコフォニーの諸国」に疑義を呈した作家アラン・マバンクゥ氏
コンゴ共和国出身でフランス語圏で活躍する作家であるだけでなく、カリフォルニアの大学で文学の教鞭を取っているアラン・マバンクゥ(Alain MABANCKOU)氏がフランスのエマニュエル・マクロン大統領のフランコフォンに関する発言に異議を呈した。マクロン大統領がドイツで「ドイツはフランスとフランコフォニーの諸国を迎えてきました・・・」と発言したことが1つのきっかけだったようだ。(2018/01/20)


みる・よむ・きく
大不況の最中に撮影された炭鉱労働者 ヨ―リス・イヴェンス監督(共同)「ボリナージュの悲惨」”Misère au Borinage” (Joris Ivens- Henri Storck 1933) 
オランダ出身のドキュメンタリー映画監督のヨ―リス・イヴェンスには初期の詩的なともいえる「雨」といった短編映画もあるが、大不況の最中に撮影された「ボリナージュの悲惨」のような社会派の映画もある。むしろ、イヴェンスの本領がこの方面であることがわかってくる。30分ほどの短編映画「ボリナージュの悲惨」(Misere au Borinage) はベルギー南西部の炭鉱街の労働者たちが不況の中で厳しい生活を強いられている光景を比較的シンプルに映し出す。(2018/01/19)


人権/反差別/司法
H&Mの人種差別広告に怒る南アの人々 "coolest monkey in the jungle" 「ジャングルで一番クールな(格好いい)猿」 
スウェーデンのカジュアル衣料ブランドH&Mの宣伝で黒人少年が"coolest monkey in the jungle" 「ジャングルで一番クールな(格好いい)猿」というメッセージをあしらったパーカーを着ていたことで、レイシスト(人種差別)の広告だという怒りが起き、南アフリカのH&Mの店舗にも怒った黒人の人々が押しかけた。(2018/01/19)


みる・よむ・きく
韓国の宮廷料理の研究家・黄慧性(ファン・ヘソン)さんと石毛直道氏の対談 「韓国の食」 
日刊ベリタで韓国の料理を紹介いただいているな すんじゃさんがソウルに留学して宮廷料理を学んだ時の校長先生が黄慧性(ファン・ヘソン)さんです。黄慧性さんが食の分野で幅広く取り組んだ文化人類学者の石毛直道氏と韓国料理とは何なのかを対談したものが「韓国の食」です。なぜ韓国ではたくさんの小さな器が並べられるのか、など様々な文化の違いが縦横無尽に語られ、韓国文化に詳しくない読者にとっても楽しく読める本になっています。(2018/01/19)


みる・よむ・きく
1929年に作られたドキュメンタリー映画、ヨ―リス・イヴェンス監督 「雨」(14分)   ”Regen” by Joris Ivens
1920年代から英国のドキュメンタリー映画運動が始まるが、その頃、大陸側のオランダでは映画監督のヨ―リス・イヴェンス (Joris Ivens)が詩的なドキュメンタリーを作っていた。その1つが1929年に作られた「雨」という14分の短編映画で、文字通り都市に雨が降り始めて止むまでを様々な場所の情景を1カット1カット積み重ねている。なかなか大気中の雨自体を撮影するのが困難だったためか、水たまりや川で雨滴の作る模様や人々のさす傘などを使って表現している。(2018/01/18)


みる・よむ・きく
英国ドキュメンタリー初期の作品「住宅問題」 ロンドンのスラム街の再開発を描いた約15分の短編 社会派ドキュメンタリー番組の原型
ドキュメンタリーの元祖英国では1930年代に中央郵便局映画班(GPO)でジョン・グリアスンの指揮のもとに試行錯誤が続けられ、初期の代表作を作ってきた。その頃、GPO以外でもドキュメンタリー映画が作られるようになった。「住宅問題」(Housing regeneration ,1935)と題する15分足らずの短編はその当時の傑作の1つにされている。(2018/01/17)


みる・よむ・きく
「もしそれがあなただったら?」 厳冬のパリのホームレスへの想像力を喚起する写真家マルク・メルキの個展 "Et si c'était vous ?" par Marc Melki 
パリの写真家、マルク・メルキ(Marc Melki) 氏がパリの北の郊外にある街、オーベルヴィリエで今月12日から来月7日にかけて写真展を行っている。「もしそれがあなただったら?」と題するこのシリーズはホームレスをテーマにしている。と言っても、路上で寝ているのは本物のホームレスではなく、各界の様々な人たちだ。(2018/01/17)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画の草創期の傑作  アイルランド漁民の生きる闘いを描いたロバート・フラハーティ監督の「アラン」
ドキュメンタリー映画の父であるロバート・J・フラハーティのデビュー作がカナダエスキモーを描いた「ナヌーク」(1922)だった。名声を得たものの、その後、今一つ作品が不調だったアメリカ人のフラハーティは1930年代に入ると、英国から招聘されるようになる。声をかけたのは中央郵便局映画班(G・P・O)のプロデューサー、ジョン・グリアスンだった。グリアスンは社会派のドキュメンタリーの制作を指揮していたが、大自然の中に生きる人間の詩的な姿にこだわるフラハーティとは結果的にうまくいかなかったのかもしれない。しかし、英国に渡ったフラハーティは英国の映画会社からアイルランド西端のアラン諸島を舞台にした映画の制作資金を得ることとなった。こうして作られたのが「アラン (Man on Aran )」(1934)だ。(2018/01/15)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画の草創期の傑作  カナダエスキモーの生活を撮影したロバート・フラハーティ監督の「ナヌーク」
ドキュメンタリー映画の草創期の傑作の1つがロバート・J・フラハーティ監督の「ナヌーク」(1922)という作品です。「ナヌーク」はカナダのエスキモーの一家の氷上での生活を描いています。フラハーティはアメリカ人でもともとはミシガン鉱山学校を卒業した探検家でした。カナダのエスキモーたちの暮らす厳寒地域を踏破するようになったのも鉄鉱資源探索の探検家としてでした。そんな中、最初は映画カメラのベルハウエルを趣味的に回していたところ、次第に本格的にエスキモーの生活を映画にすることを考えるようになっていきました。最初に探検したのが1910年でしたから映画が上映されるまでに12年かかっています。(2018/01/14)


コラム
エイゼンシュタイン監督の「戦艦ポチョムキン」と英国ドキュメンタリー映画運動
映画の著作権が70年という事で1930年代とそれ以前に上映された映画は著作権が切れたことになる。ソビエト映画の「戦艦ポチョムキン」(1925)は第一次ロシア革命(1905)を歌ったプロパガンダ映画として知られるが、この映画も著作権が切れている。共産主義ソ連のプロパガンダ映画と烙印を押されると、見る人も尻込みする人が多いかもしれないが、この映画の表現力や演出力はサイレント映画時代の1つの頂点とも言え、イデオロギーを超えて世界の映画人に大きな影響を及ぼした。(2018/01/14)


欧州
フランスのセクハラ論争  ”importuner”する自由
アメリカの大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが自分の製作する映画に出演した多数のハリウッド女優らにセクハラを行っていたことが大々的に報じられて以来、セクハラの告発が欧州にも引火し、各地で過去の出来事が告発されている。そんな中、フランスの女優、カトリーヌ・ドヌーブが"la liberte d'importuner" (男にはimportuner”する自由がある )と発言したことが新たな話題を呼んでいる。importunerというフランス語の単語には「迷惑をかける、うるさがらせる」という意味があり、異性を相手にする場合は特にしつこく言い寄ってうっとおしくさせる、という意味合いが含まれている。(2018/01/12)


米国
トランプ大統領にノーベル平和賞の可能性も  米朝国交正常化で3首脳のトリオ受賞の可能性が膨らむ
北朝鮮への攻撃カードをちらつかせている米国のトランプ大統領だが、早まった攻撃を仕掛ければ同盟国の韓国や日本、さらには米軍基地の米兵たちの命にかかわるために簡単に攻撃の指示を出すことはできないだろう。その一方で、米国は前政権時代から北朝鮮とは非公式ルートで交渉をしてきた経緯もあり、ぎりぎりの瀬戸際で米朝間の平和条約調印の可能性もある。(2018/01/11)


米国
NYTが米諜報の失敗を指摘 「近来の最大級の誤り」 北朝鮮のミサイル開発の速度を軽視 水爆の完成で新たな練り直し 核保有数もわからず
 ニューヨークタイムズがトップページから複数ページに渡って特集を組んだのは北朝鮮のミサイル開発の速度を米情報部が甘く見ていた、というものだ。トランプ政権が1年前に始まった時に、北の核ミサイルが米国の都市を直撃できるまでに米情報部は4年の交渉年月がまだ残されていると言っていたが、北朝鮮の核開発が急速に進み、まったくの誤りだったことを示している。(2018/01/10)


欧州
哲学者、エチエンヌ・タッサン(Etienne Tassin)氏が亡くなる ハンナ・アレントの研究家、難民・移民の問題も考察
 日本で言及されることは少ないが、哲学者のエチエンヌ・タッサン(Etienne Tassin)氏が事故がもとで亡くなった。62歳だった。事故が何かは具体的に伝えられていない。以下は哲学雑誌に掲載された訃報。今月の6日のことだった。タッサン氏は政治哲学者のハンナ・アレントの研究で知られるフランスの哲学者だった。パリ第七大学に拠点を置いていた。以下はタッサン氏のインタビューの映像だ。(2018/01/10)


コラム
15年目の日刊ベリタ インターネット新聞の過去、現在、未来
僕が日刊ベリタに関わるようになったのは2009年の夏のことで、その秋、民主党政権が誕生した。今から見ると、不吉な未来の種子はこの時すでに撒かれていたことになるが、その当時に立ち返ってみると、新しいジャーナリズムの潮流が生まれつつある時でもあった。それは民主党政権が記者クラブを廃して、フリージャーナリストにも記者会見の門戸を開こうとしていたことや、TVに代わるインターネットの映像メディアが息吹を上げていたことなどである。では本紙、日刊ベリタはどうだったかと言えば、独立メディアでは最初のインターネット新聞として2003年に生まれているが、創業時の執筆者のほとんどは現在、執筆していない。(2018/01/09)


科学
アルゴリズムを疑え  数学者でデータサイエンティストCathy O'NeilのTED講演 「専制君主のようなアルゴリズムに対して説明を求める必要があります」
インターネット時代、多くのことがコンピューターの「アルゴリズム」によって決められている。しかし、アルゴリズムが何かを正確に説明できる人は多くはないだろう。情報処理の手順だが、それがどのようにプログラムされて、何を基準に演算処理がなされ、情報が配られてくるのか全くブラックボックスの中にある。数学者でデータ科学者のキャシー・オニールがアルゴリズムを盲信していたらとんでもないことになりかねない、とTED講演で警告を発している。(2018/01/08)


人権/反差別/司法
浜田雅功のブラックフェイスはなぜ問題か? 人種差別問題に詳しいフランスの政治学者Françoise Verges さんに聞く
お笑いタレント「ダウンタウン」の浜田雅功が大晦日のお笑い特番で顔を黒塗りしたいわゆる「ブラックフェイス」でアメリカの黒人俳優エディ・マーフィのギャグを披露したことが批判を呼んでおり、海外紙でも報じられている。これに対して日本でも批判する声が上がっているが、同時に、顔を黒塗りすることがなぜ問題なのか、という疑問の声も上がっている。.屮薀奪フェイスを番組に使った日本人の意図や動機の問題と、△修譴鮃人がどう感じるか、あるいは黒人にとってどのような影響があるのか、という問題とこれら2つの観点を同時に考える必要がある、ということがこのテーマを論じる海外の人たちの考えの基礎にあることだ。(2018/01/08)


みる・よむ・きく
George Mikes "How to be an Alien " ( ジョージ・ミケシュ著「いかにしてガイジンになるか 」) 
米ソ間の冷戦が終結したあと、地域間の紛争の時代になったとよく言われた。旧ユーゴスラビアの分裂と虐殺はその象徴的な出来事だった。東アジアでも日本と中国や韓国との関係が急速に悪化していった。ナショナリストたちは近隣同士で汚い侮辱の言葉を浴びせあって時には戦争も辞さない、と威嚇しあった。そうした風潮は冷戦終結後の技術革新と言ってよいインターネットによってさらに拡大し、加速していった。こうした時代に紹介したい1冊はジョージ・ミケシュ著「いかにしてガイジンになるか 」(George Mikes "How to be an Alien " )というちょっと風変わりなタイトルの薄い本である。(2018/01/07)


みる・よむ・きく
Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence (MIT Press) 「ロボット時代を生き抜くための高等教育」
未読だが、こんな本が話題になっているという意味で紹介したい。ビジネスインサイダーというITとビジネス関係の情報のウェブサイトが、ハーバード大学の教授たちに大学生が必読の本を紹介してもらう特集をしており、その何冊かの推薦書の1冊。”Robot-Proof”(ロボット・プルーフ)とは聞きなれない言葉だが、”Water-Proof”(ウォーター・プルーフ=防水)の時計という言葉が人口に膾炙しているように、直訳すればロボットを防ぐ、という意味合いになる。テクノロジーの飛躍的進歩を前にして高等教育は変わらなくてはならない、というのが中心的テーマだ。(2018/01/06)


みる・よむ・きく
トランプ大統領のロシアゲート事件とは何なのか? ”Collusion: How Russia Helped Trump Win the White House”(共謀 いかにロシアはトランプが大統領になるのを手助けしたか)
そもそも今、トランプ大統領の側近やら息子やらトランプ大統領自身やらが嫌疑をかけられているロシア絡みの不正とは何だったのだろうか。今さら聞けない・・・類のようでもあるが、記事を拾ってみると、英国のガーディアン紙にいろいろ記事が出ていた。中でもルーク・ハーディング(Luke Harding)が記した本”Collusion: How Russia Helped Trump Win the White House”(共謀 いかにロシアはトランプが大統領になるのを手助けしたか)はその手がかりになるかもしれない。(2018/01/05)


検証・メディア
日本テレビの年越し番組の暴力シーンに視聴者の批判の声が上がる  ベッキーが受けた「禊のタイキック」
日刊スポーツによると、日本テレビの年越し番組、「ガキの使い!大晦日年越しSP絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!第1部」が関東地区で17%以上の視聴率を上げ、NHKの紅白歌合戦を除くと10%台の視聴率で8年連続で民放トップとなった。しかし、ツイッターなどのソーシャルメディアの世界では同番組の中でタレントのベッキーが「禊のタイキック」を受けるシーンに対する強い批判が起きている。(2018/01/05)


みる・よむ・きく
トランプ政権の内幕本 ”Fire and Fury: Inside the Trump White House” ( 炎と憤激 )が出版される 出版社に抗議する政権 解任されたバノン前首席戦略官の発言を多用 
年明け早々の今週、アメリカのトランプ政権の内幕を描いた本 ”Fire and Fury: Inside the Trump White House” ( 炎と憤激)が出版された。すでにツイッターなどでも国境を越えて話題になっている。その核は一昨年の大統領選で参謀として脇にいたスティーブ・バノン前首席戦略官へのインタビューが多用されていることにあるようだ。著者のマイケル・ウルフはアメリカの雑誌などで多数の記事を書いてきたベテランの記者だという。雑誌ニューヨーカーの紹介記事によると、バノンのインタビューがかなりの割合を占めているらしく、その中には2016年の予備選の最中にトランプが息子、義理の息子などとともにロシアの要人とトランプタワーで会っていたことも触れられており、折しも進行している捜査とも重なって来るのかもしれない。(2018/01/05)


みる・よむ・きく
ミャンマーの風刺画
ニューヨークタイムズにミャンマーのスーチー女史を風刺する漫画が掲載された。この手のロヒンギャ族への迫害疑惑に関するものはすでに何度か出ているが、27日付国際版はこれまでよりも不気味さが際立つ。(2017/12/28)


みる・よむ・きく
アリアナ・ハフィントン著「誰が中流を殺すのか 〜アメリカが第三世界に墜ちる日 〜」
ハフィントンポストを創刊したアリアナ・ハフィントンが「誰が中流を殺すのか 〜アメリカが第三世界に墜ちる日 〜」を出版したのは2010年のことで、オバマ政権が誕生した翌年のことになる。この本はジョージ・W・ブッシュ政権の8年間におけるアメリカの衰退を中心に、アメリカの経済を診断した本である。「アメリカン・ドリームを守るために闘っている数百万数千万の中流層にささげる」と最初に記されているように、アメリカン・ドリームがほとんど失われてしまったのはなぜか、と分析し、その中心課題として中流層の減少がなぜ起きて、どこまでに至っているのかを考察しているのである。この種の本はアメリカンバブルの崩壊を機に多数書かれたけれども、ハフィントンの本書が価値を持つのはケンブリッジ大学の経営学修士号を持つ彼女がアメリカ社会を広範に分析していることにある。(2017/12/28)


みる・よむ・きく
中野晃一著 「右傾化する日本政治」  新右派転換とは何か。
一番注意すべき点は安倍政権がアメリカに従順であることから右左を問わず多くの人の怒りを呼んでいますが、新右派転換のモデルによれば安倍政権の次に微弱な左への揺り戻しがあったとしても、その次にさらなる本格的な右翼政権が登場する可能性があるということです。今のまま新右派転換を続けたなら、安倍政権が日本国憲法を廃棄させ、様々な民主的な制度を廃棄し終わった時点で、民族派の極右政権が生まれる可能性があるということです。そしてこの新右派転換を促進したのが小選挙区制度でした。(2017/11/26)


アフリカ
ジンバブエを振り返る  トニー・ブレアによるランカスターハウス協定の反故と白人からの農地接収  村上良太
 ジンバブエで1980年代から事実上の独裁者として君臨してきたロバート・ムガベ大統領が軍のクーデターで拘束され、今月辞任を強いられたと報じられました。これが日本でどう報道されているかと大手新聞を見てみると、アラブの春と同様、腐敗した独裁政権が打倒されたというのが基本的なストーリーになっています。そして、その核心に来るものがムガベ大統領が農業技術もない黒人に白人から強制接収した農地を分配したことにある、という風になっているのでした。この描き方はジンバブエの宗主国であった英国とその同盟国である米国における主要メディアと基本的に同じです。日本と言う西欧の外部における独自の視点はどこにもありません。(2017/11/25)


政治
野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その2
Q 野党共闘の合意ができて、一人区の候補者の選定は粛々とできたんですか? 植木俊雄・広報部長 「結構大変でしたよ。経過を言っておきますとね、まず私たち幹部会から9月19日に共産党・中央委員会で野党共闘の提案をして、それで決定したあと、ともに闘った市民団体の方々やともに闘った4党(民主、維新、自由、社民)の各党にその提案をお届けして検討をゆだねるという風にしたわけですね。で、市民から安保法反対で立ち上がってきた学者の会の方々、それから千人委員会の方々、ママの会、シールズをはじめとした人たち。・・・」(2017/11/18)


政治
野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その1
共産党に対する市民の眼差しがここ1〜2年で大きく変わってきたようだ。振り返ると、2014年2月の東京都知事選。安倍政権打倒を求める野党勢力は共産党が推した宇都宮健児候補と民主党が推した細川護熙候補に割れた。その結果、自民党が推薦した舛添要一候補の圧勝となった。舛添候補の得票率は宇都宮候補と細川候補の得票率をほぼ足し合わせた数だった。同じ野党支持者であっても宇都宮候補を推す人々と、細川候補を推す人々の間に大きな溝が生まれ、野党候補者一本化の難しさが浮き彫りとなった。あれから3年以上がたつ。共産党はそれまでの孤高のイメージを脱ぎ捨て、野党共闘に積極的に取り組む政党になっていた。共産党はいつ、どのように野党共闘の方針を決め、これまでどのように取り組んできたのだろうか。東京・代々木の日本共産党中央委員会を訪ね、共産党幹部の植木俊雄広報部長に話を聞いた。(2017/11/18)


政治
政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日  その2
Q 具体的に政治を動かしていくための仕切り直し、というような決意で民主党に移られたんですか? (辻元清美)民主党は小選挙区制度のもとで政権交代をして政権を担いました。私の場合、小選挙区で当選していますが、社民党を支持してくださる方たちだけでなく、民主党、国民新党を支持している方たちにも投票していただいたんですよ。それは、政権を担って新しい政治をつくれ、という声でした。政権を民主党、社民党、国民新党で担ったわけですけれども、8か月で社民党が政権離脱したんですよ。(2017/11/14)


政治
政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日   その1
9月下旬から10月下旬にかけて、日本の政界は大きく揺れ動いた。衆院解散、民進党の希望の党への合流、そして一部議員の「排除」をめぐる騒動と立憲民主党の結成。この激動の1か月間をまさにその渦中で生きることになった政治家の一人が辻元清美氏(衆議院議員)だ。現在、辻元氏は野党第一党になった立憲民主党の国対委員長として与党と激しい交渉を続けている。そんな辻元議員に激動の1か月の経験を話してもらった。(2017/11/14)


コラム
生活を保障する資金を全国民に一律に支給する「ベイシックインカム」の提唱者たち
生活を保障する資金を全国民に一律に支給する制度を「ベイシックインカム制度」と言う。フランスの社会党から選出されて今年、大統領選に立候補したブノワ・アモンが提案し、注目を集めた。あまりにも現実から遊離しているという批判もあった。ベイシックインカムの制度を導入したら、みんな怠け者になってしまうのではないか、と見る人も少なくない。まるで遅れてきた共産主義だ、と見る人もいる。だが、その一方で、生活に必要な資金(食費、住宅費、教育費)を全員に与えるベイシックインカム制度の必要性はこれにより、人間の能力を向上させることができるからだ、と説く人々がいる。(2017/11/12)


コラム
国際ニュースを見ていて、ハンプティ・ダンプティを思い出した
最近、国際ニュースを見ていて、ハンプティ・ダンプティを思い出した。ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に登場する巨大な玉子人間で、塀の上に座っている人物(というか玉子)である。「鏡の国のアリス」でハンプティ・ダンプティは塀から転がり落ちた。細かい筋書きは覚えていないのだが、塀の上で得意がっていた玉子が地面に落ちて尻もちをつく、というのが子供たちには楽しいのだ。だが、ハンプティ・ダンプティは「鏡の国のアリス」だけでなく、英国では「マザー・グース」などにも登場するらしい。(2017/11/11)


政治
野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その2  
Q 2016年の参議院選挙の際、市民がイニシアチブを取って野党を共闘させた、というのは画期的なことに思えました。これについて、世界の政治史から見た場合はどのように位置づけられるのでしょうか? 中野  「ある意味、興味深いところがあると思うんです。2015年9月19日の安保法制の可決までに5つの団体が中心となって〜他にもいろいろありますが〜 総がかり、シールズ、ママの会、立憲デモクラシーの会、学者の会という5団体が中心となって抗議をやってきた、と。その過程で野党共闘を、ということを言ってきたわけですよね。ただ新しい市民運動の抗議行動ということに関して言えば、恐らくルーツとしては少なくとも2011年以後の脱原発運動に遡るところがあると思うんです。・・・」(2017/11/08)


政治
野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その1 
最近、選挙のたびに野党共闘という言葉を耳にするようになった。自民党の安倍政権が「一強」と言われる中にあって野党がバラバラでは小選挙区制では勝てない、という危機感から生まれてきたものだ。野党共闘を進めたのが「市民連合」だが、いったいどのような団体で、これまでにどのような試行錯誤があったのだろうか。市民連合に参加した政治学者の中野晃一教授(上智大学国際教養学部)に話を聞いた。(2017/11/08)


コラム
リベラル保守とフランス革命
フランス革命というと平民が王や貴族の首を切り落とした革命、という印象ばかりが強い。だが、そもそも革命の始まりは国王、ルイ16世が始動したことはあまり語られていない。財政難になったルイ16世がそれまで免税されてきた貴族や僧侶の階級にも課税しようとしたことが始まりだった。この時、裁判所のアドバイスを受けて三部会を再開してそれぞれの階級の代表を集めて議論しよう、と提案をしたのはルイ16世だった。(2017/11/06)


コラム
リベラル保守とフランス革命と日本国憲法
人間の理性が万能であると考えるのは誤りで危ないから、保守主義で少しずつ改良していく考え方を取る・・・・一見、なるほどと思いそうな昨今の「リベラル保守」なる考え方だ。しかし、それなら1945年の敗戦と米軍による占領下で起草された日本国憲法は政治のシステムを一気に改めた、という意味で否定されるべきものとなるのではなかろうか。それとも例外はありなのか。例外があるのなら、すべての革命もまた例外という事もできる。フランス革命はダメだが、日本国憲法の採択と民主化はよいとする理由は何なのか。(2017/11/05)


検証・メディア
フランスのルモンド紙が詩織さんが襲われたと訴えてきた事件を報道  ”Le combat de Shiori Ito, agressée sexuellement dans un Japon indifférent” (伊藤詩織さんの闘い セクハラ被害者に冷淡な日本で)
フランスのルモンド紙が伊藤詩織さんが就職相談に行った時に酒をつき合わされてレイプされたと訴えてきた件を報道した。”Le combat de Shiori Ito, agressee sexuellement dans un Japon indifferent”(伊藤詩織さんの闘い セクハラ被害者に無関心な日本で)(2017/10/31)


文化
今度はマーラーをルンバ演奏  米ピアニスト、ヨアキム・ホースレイ氏  ピアノを打楽器として使う
ピアノを打楽器として使うという新しいコンセプトで独自にアレンジしたベートーヴェンの交響曲7番を披露して、世界に知られたアメリカのピアニスト、ヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)氏。アレンジはキューバのルンバのリズムやテクニックを使ったものだ。第二弾はマーラーの編曲で、今回もルンバ風に編曲されている。クラシックの交響曲とルンバのアウフヘーベンを聞くことができるだろう。(2017/10/29)


政治
保守主義のバイブル 「フランス革命の省察」 下僕と王と貴族と  Reflections on " Reflections on the Revolution in France"
 最近の保守主義を崇める論客たちが推奨するのがエドマンド・バーク著「フランス革命の省察」である。この本を書いたエドマンド・バークは英国人の貴族であり、言うまでもなく身分制社会を肯定する立場である。そこから、自由・平等・博愛の理念を掲げたフランス革命を徹底批判したのが「フランス革命の省察」である。「下僕たる身分の本質とは、誰か他者の命令に服従し、その意のままに追う払われるところにあります。しかしイギリス王は誰にも服従しません。彼以外のすべての人間は、個人としても団体としても彼の下にあり、彼に対して法的服従義務を負っています。・・・」(2017/10/27)


政治
特別国会と臨時国会  政治用語の違いは?
まず11月1日に開催されるのが「特別国会」だとされ、一方で「臨時国会」が開かれないのはけしからん、と言われています。臨時国会は6月に野党が開催を与党に要求しながら3か月も先延ばしされたまま、9月に一瞬開かれ一切の質疑応答がなされないまま、衆院が解散され総選挙が行われたのです。そして、今、開かれないと言われているのが臨時国会です。一方、開かれるのが特別国会です。では特別国会と臨時国会の違いは何なのでしょうか?(2017/10/27)


コラム
保守と革新  言葉の定義に混乱がある 欧州には「プログレッシブ」(進歩主義)という言葉がある。
今、保守と言う言葉がカッコいい傾向があるらしく、自民党支持者でも立憲民主党支持者でも保守をアピールしている人が少なくない。そして、むしろ、リベラル派が自らを保守と位置付けて、安倍政権を革新だと言っているようである。安倍政権が革新だという根拠は戦後70年以上続いてきた日本国憲法を一新して新しい国に作り替えようとしているからのようだ。これはこれで筋が通っているようにも感じられる。しかし、すんなりと納得ができない。(2017/10/26)


文化
犬と地中海  イタリア北西部の町、スポトルノから
エリ・マルチ二さんの飼い犬の名前はギルダと言うそうです。マルティ二さんの住まいは地中海のすぐ近くです。イタリア北西部でフランスとの国境に近いスポトルノです。マルチ二さんがギルダと家の周りを散歩したら、ギルダが海岸前の柵のところで立ち止まって海を見つめていました。Ely "Gilda pensava a come scendere in spiaggia" 「ギルダはどうやったら海岸に降りていけるか考えていたのでしょう」(2017/10/25)


政治
共産党は「保守」政党なのか? 
今回の選挙で野党共闘のために尽力した共産党は当選者数を減らしたものの、多くのリベラル派から賞賛を得ているのも事実だ。そんなリベラル派支持者の中には価値観として「保守」を掲げる人々も少なくない。何をもって保守、とするかは難しく議論の余地があるところだ。たとえば日本国憲法を軸とした戦後民主主義を守る立場をもって「保守」とする考え方が最近、強まっていて、自分を保守と語ることが一種のトレンドになっているようだ。しかし、それでは江戸時代までの身分制社会をよし、とする人々は「保守」にはならないのか、という疑問がつきまとう。(2017/10/24)


文化
インターネットが美術を変える  海を隔てたコラボレーションの試み 東京・代田橋の画廊で展示中  A new challenge of artists in the time of Facebook ~ from an exhibition at an art gallery in Daitabashi,Tokyo ~
先日、日刊ベリタで「画家、ジャック・フレッシュミュラー氏、東京に現る  代田橋の画廊で共同展」という記事を書いた。フレッシュミュラー氏の展示会が東京で開かれたことを紹介したものだったが、展示会場の代田橋の画廊で出会った企画者の夫婦から、今回の展示会が少し新しいことに挑戦しているのだ、という話をうかがった。それが何かと言えば3人の画家の共同展なのだが、彼らは初顔合わせであり、それだけでなく、企画者たちとも初めての顔合わせなのだ、という。その経緯について、主催者たちから説明を受けた。それが以下の英文で、その下に付したのは拙訳である。(2017/10/22)


コラム
安倍首相 ありがとう そしてグッドバイ  〜特定秘密保護法強行採決からの4年間を振り返る〜
 4年前の11月末、国会(衆院)で特定秘密保護法の強行採決が行われた時に国会前にやってきてから、安倍首相の政治を今までにない緊張感を持って見てきた。そのおかげで日刊ベリタで時々に書いてきたが、民主主義について、政治について4年前とは比較にならないほど学ぶことができた。その意味で、安倍首相に「ありがとう」と言いたい。安倍首相がいなかったら、政治についても、民主主義についても、ジャーナリズムについても真剣に考えることがないまま人生を終えることになったかもしれないからだ。きっと僕のような人は少なくないに違いない。(村上良太)(2017/10/21)


文化
画家、ジャック・フレッシュミュラー氏、東京に現る  代田橋の画廊で共同展 Artist ,Jacques Flèchemuller visits Tokyo to hold an exhibition with two others from France
ジャック・フレッシュミュラー (Jacques Flechemuller)氏について本サイトで記事を出したのは丁度1年前の秋だった。フレッシュミュラー氏がパリのコリーヌ・ボネ画廊で個展を開いた時のことだ。その時はボネさんにインタビューをさせていただき、その原稿を訳して載せたのだが、今回はフレッシュミュラー氏ご自身が東京にやって来る、ということがあって、さっそく展示会場を訪ねた。(2017/10/21)


政治
立憲民主党の政策を読む
立憲民主党・枝野幸男代表の演説が多くの人を惹きつけており、演説会は「・・・大作戦」と銘打たれてインターネットなどで拡散されている。選挙戦も終盤に入り、枝野陣営が投票前日の夕方(17時15分〜)「東京大作戦」と称して演説場所に選んだのは新宿駅南口バスタ前だった。立憲民主党によると、演説には1000人規模の聴衆が集まるために党の候補者のいる地域で、通行者が歩行もでき、安全も確保され、多くの人に耳を傾けてもらえる場所を選ぶのに苦労しているそうだ。21日のこの会場も最初は品川を想定していたそうだが、イベントがあることがわかり、急遽変更して新宿駅南口にしたのだという。(村上良太)(2017/10/20)


検証・メディア
政界再編に伴う新聞界の再編の必要性  欲しいのは数十万部規模の独立新聞
民進党が分裂して立憲民主党が飛び出し、破竹の勢いを生んでいる。その勢いの原動力は枝野党首が基盤とする「下からの政治」ということにある。官僚と財界と永田町の上からの論理から独立し、民衆の願いを実現する政党を目指す、と言っているのである。このことは昨今、複数の大手新聞社が安倍政権の夕食会に招かれて、政権の広報機関になってきたことと響き合うと言っていいだろう。また、これらの新聞社はグローバリズムに恩恵を受ける大企業群を広告主としている。こうした媒体の上から目線の新聞では描けない現実が広がっており、民衆は潜在的にこれではいけないと十分に感じている。(2017/10/20)


国際
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  Heather Hermit 
エジプトと言えば古代から猫を飼いならした土地で、そもそも猫を家畜化したのはエジプトと言われています。そんな猫の本場、エジプトで猫を飼っているロシア人デザイナーのヘザー・ハーミットさんは自分が飼っている猫の写真記録をつけてきました。現在、2匹の雌猫と暮らしています。(2017/10/17)


文化
車の代わりにラクダを一頭
21世紀の動力源としてラクダが浮上している。ラクダは車と比べると乗れる人数に限りがあるが、地球環境にやさしく、車にはない動物との生きた関係がある。戦争でもするのでなければ、時速80キロで急ぐ必要もない。(2017/10/16)


政治
戦後の北朝鮮にイスラム国が根付けば中国とロシアを液状化させることができる・・・米戦略に乗る前原党首と安倍総裁 副作用は日本も液状化
ソ連との冷戦を終えた米国務省が急ピッチで取り組んだのはイスラム原理主義運動の研究だった。ソ連が資本主義陣営に入っても軍産複合体がきちんと利益を出せる新しい敵が求められていたからだ。それがイスラム原理主義だった。だから、90年代に入るとアメリカの保守系シンクタンクでイスラム原理主義の研究が盛んにおこなわれた。その果実が9・11同時多発テロ以後の中東から北アフリカの液状化だった。イラク、アフガニスタン、シリア、リビア、エジプトなど世俗的な独裁者を頂いていたイスラム国家群が軒並み国家が溶融する中で、イスラム原理主義運動が定着し、今もシリアやリビア、イラク、アフガニスタンなどでは激しい内戦が続いている。その結果、米軍需産業は製造した高性能兵器を自国で使うだけでなく、湾岸諸国に輸出して潤っている。(2017/10/15)


国際
米国のユネスコ脱退宣言の裏にユネスコのパレスチナ国家承認があり 「ユネスコは反イスラエル」とイスラエルも批判 
米国がユネスコから脱退すると報道されているが、英国のガーディアンによると、正式な脱退は2018年の年末になるとされる。この報道によれば脱退の理由は米国のトランプ政権がユネスコをイスラエルに敵対していると見ているからとされ、イスラエルは米国の決断を歓迎しているそうだ。(2017/10/13)


政治
「未来のための公共」が立憲民主党に共産党との協力を促す それは立憲民主党候補にとってもプラスになる、と。
今年生まれたばかりの市民団体「未来のための公共」は10代から20代前半の若者や子育て世代の父母などが中心となっている。共謀罪や森友学園、残業時間などの具体的な問題を是正することを目指している。学生運動のシールズとは異なる民主主義を考え実現するための市民の集まりだ。この「未来のための公共」が今回の衆議院選挙をめぐり、ツイッターでメッセージを発信している。最近、出しているのが立憲民主党支持者にもっと共産党候補の支援に乗り出したらどうか、という呼びかけだ。(2017/10/13)


政治
民進党はどうなるのか? 民進党・参議院議員会長の小川敏夫氏に聞く
前原誠司・民進党代表の希望の党への合流をめぐる騒動で立憲民主党が生まれ、政界再編の動きも生まれてきた。それでは民進党は今後、消滅するのだろうか?それとも残存するのだろうか?様々な憶測が飛び交う中、民進党参議院議員会長の小川敏夫氏を訪ね、話を聞いた。 Q 単刀直入に、民進党はこれからどうなるのでしょうか?(2017/10/12)


コラム
レストランで注文と違った料理を出された時 
学生時代からとてもシャイだったために、人にあれをやって、これをやって、と頼むのが非常に苦手だった。それをするくらいなら、自分でやった方がよい、と思うことがしばしばだった。そんな僕が自分を変えるきっかけになった出来事があった。TVのドキュメンタリー番組の制作会社に入社し、助手として一人のディレクターについて毎日指導を受け、様々な用事をこなしていた頃のことだ。ある晩、地方ロケの撮影を終えて取材班でレストランに入ってそれぞれ料理を注文したら、一人だけ間違った料理が出てきた。(2017/10/11)


検証・メディア
ダヴの宣伝はその1つに過ぎない デジタルメディアのRankerがレイシズム広告の歴史を紹介
ボディウォッシュを製造販売する米ブランドのダヴ(Dove)が黒人を差別する広告をフェイスブックに投じて世界的な批判を浴びていることはすでに紹介した。アメリカのデジタルメディアのランカー(Ranker)はそうしたレイシズムの広告は今に始まったものではない、とレイシズム広告の歴史を披露している。(2017/10/10)


人権/反差別/司法
Dove (ダヴ)のレイシズム広告への抗議 黒人に汚れたイメージを与えた差別広告を回収せよ
ハトのマークで知られるボディウオッシュのメーカー、Dove(ダヴ)が黒人を著しく差別する広告を出したとして大きな抗議運動が起きている。その広告とは黒人の若い女性が着ている茶色のTシャツを脱ぐと真っ白のTシャツが現れ、彼女の顔も白人に変わっているというもの。これが黒人を汚れたものだと見ているとして批判にさらされており、ダヴも謝罪を出したそうだ。ダヴというブランドは米国発祥だが、今では世界各地で販売されており、英国発祥のユニリーバがそのブランドを保有しているとのこと。(2017/10/09)


政治
有田芳生氏(民進党参院議員)「(前原さんは)議員はもちろん党員、サポーター全員を『蚊帳の外』に置いて民進党解体を進めた」
民進党参院議員の有田芳生氏は前原党首の希望の党への合流の仕方が党員の合意を得ない一方的な方法によるものだったとツイッターで批判した。有田芳生 「前原さんは希望の党に合流して民進党の理念と政策を実現することを約束して『代表一任』をえました。しかし私たちにはこんな説明を一切していません。当時もいまも。『想定内』発言もメディアへの発信です。議員はもちろん党員、サポーター全員を『蚊帳の外』に置いて民進党解体を進めたのです」(2017/10/08)


欧州
「結婚しました」 イタリアからのメッセージ
イタリア北西部、ジェノバに近いスポトルノに住むカップルのエリ・マルチニ(Ely Martini)さんとアンドレア・ベルキアラ(Andrea Berchialla)さんはこれまで一緒に暮らしてきましたが、結婚はしていませんでした。シビルユニオンという結婚ではない形でのつながりに過ぎませんでした。ところが、先日、二人は結婚式を挙げたのです。(2017/10/06)


コラム
選挙とシナリオライター  野党にも練達のシナリオライターが必要な時代かもしれない
これはアメリカの政治コラムを読んで得た知識で、筆者が実際にこの目で確かめたわけではないのだが、アメリカではハリウッドのシナリオライターたちが政界のシナリオも書いている、というのである。政界のシナリオ、というのは選挙戦での逆転勝利とか、海外でのクーデターの脚本などだそうだ。僕が読んだコラムの場合は2009年のホンジュラスでのクーデターのケースだった。本当か嘘かわからないので、話半分で軽い気持ちで読んでいただけたら幸いである。(2017/09/30)


政治
小池百合子の踏み絵は人間を服従させるナチス的な儀式だ
「希望」から出馬するための儀式として改憲や安保法制に賛成であることを迫る小池百合子の踏み絵は人間の誇りをくじくファシズムの階段だ。こうして大衆の目の前で議員が信念を裏切り、膝をついて許しを請う姿を国民の前にさらすことが小池百合子の狙いである。それはナチスの行動原理とよく似ている。ナチスは1933年に権力を奪うや、数週間後のメーデーで行動した労働組合員たちを逮捕し、広場で絞首刑にして、見せしめにした。自分たちの価値観に盾つくものがどのような姿になるか、それを大衆に見せたのだ。小池の行動は政治的にはこれと同じ行為である。それを可能にしたのが民進党党首の前原である。(2017/09/29)


政治
マスコミの中には「自民VS希望」の構図を描く会社もあるが、今回の選挙はこのような対立軸ではない リベラル新党を作れば勝利できる
マスメディアの中には「自民VS希望」の対決を印象付けようとしている企業もあるが、どっちに転んでも改憲と戦争路線の極右VS極右の対決など、市民の多くは冷めた目で見ているだろう。リベラル新党が生まれ、民進党左派や山尾志桜里、山本太郎、鳩山由紀夫らを吸収すればリベラル志向の有権者は自民や希望には投票しなくなる。そしてこのリベラル新党に社民と共産が提携すれば、爆発的な票が集められるはずだ。(2017/09/29)


政治
宏池会と民進党左派でリベラル新党の結成を  政界再編への期待  勝ち目はある
政界が喜劇を上演している中で期待したいのは自民党内でリベラルな集団である宏池会が自民党を割って出て、希望の党との合流をよしとしない民進党左派と新党を結成することである。そこに山本太郎、共産党、社民党が提携して市民連合が後押しをすれば逆転勝利の可能性は開けるだろう。(2017/09/29)


政治
自民党と希望の二大政党時代で「日本会議の国」誕生へ 国難を理由とした与野党連立政権(安倍=小池=前原挙国一致内閣)もあり得、安倍首相夫妻もこれで安堵
民進党が日本会議のメンバーである小池百合子党首の「希望」と実質的に合流したことで、安倍首相の自民党とともに日本会議の要人がいずれも党首をつとめる二大政党時代の可能性が出てきた。日本会議から見れば安倍でも小池でも改憲によって、国民主権を返上し、天皇を中心とした君主制国家に移行することができる。安倍も小池もみな戦後民主主義を終わりにするための同志だ。これは長年、コツコツ右傾化に努力してきた日本会議の一人勝ちということになるだろう。(2017/09/28)


コラム
安倍首相に飽きた日本人 「安倍後」に沸くTV番組特需
日本人がなぜ安倍首相を5年も選挙で勝たせてきたかと言えば、野党がバラバラで小選挙区制を勝ち抜けなかったことも要因としてあるが、もう一つが安倍チームの奇抜な手口に翻弄されてきたことも大きい。2014年の突然の解散とその理由として挙げられた消費税引き上げをどうするか、などは野党も国民も意表を突かれ、安倍チームの思うとおりに進んだ。だが、今回の選挙でもそれが通用するか、と言えば、難しいのではないか。(2017/09/26)


文化
パリで演技と歌に打ち込むジージ・ルドロンさんに聞く Interview : Gigi Ledron ( actress )
今回、パリで映画や舞台で活躍中の女優、ジージ・ルドロン( Gigi Ledron )さんにインタビューさせていただきました。パリでは様々な人種が共生していて、芸術の分野でもそれぞれの特徴を生かしながら互いに火花を散らしながら、時には助け合いながら切磋琢磨しています。ルドロンさんは黒人の人生を表現してきました。それは都市に生きる人間の生と情熱でもあります。ルドロンさんが生まれたのはパリ郊外のサンドニという町です。ルドロンさんの女優としての半生や芝居にかける情熱についてお聞きしました。(2017/09/25)


国際
大統領選で国民戦線のマリーヌ・ルペンに投票したタイ出身のマダム    村上良太
フランスでは国民戦線のマリーヌ・ルペン党首と言えば反移民ということで知らない人はいません。ところが今年、僕がフランス大統領選挙に関してパリで聞き込みをする中で、マリーヌ・ルペンに大統領選で投票したと語ってくれた人はたった一人、意外にもそれはタイ出身のアジア料理店のマダムでした。パリと言えばフランスの中でもちょっと特殊で、国民戦線への支持率が圧倒的に低い場所です。その理由は教育水準の高さとか移民の割合が高い国際都市だから、とか様々な見方ができるでしょう。そんな中で自ら移民であるタイ出身のマダムが反移民の政党に投票したのだからちょっと驚いてしまったわけです。(2017/09/23)


コラム
国会解散を簡単に考える安倍首相  国会議員を選ぶのは国民であり、それを解散する理由は何なのか? 国会解散はガリガリ君を買うのとはわけが違う
安倍首相が臨時国会が始まって早々に衆院解散をする予定だと報じられ、その理由が税金とか教育とか、国民には今解散する必要があるかどうかまったく理解ができないものばかりである。そして、今回の解散は2014年の解散を思い出させる。あの時も解散の必要はまったくなかった。3年前に筆者が怒りを込めて書いた記事(2014年11月18日)を採録して、思い出してみたい。■安倍首相 「税は議会制民主主義の基礎である」 安倍首相は今夜のNHKの9時のニュース「ニュースウォッチ9」に生中継で出演し、衆院解散の理由について説明した。その中で最も耳についたのは「税は議会制民主主義の基礎である」という言葉だった。(2017/09/20)


コラム
「フランス大統領選挙 決戦投票」 マージョリー・マラマク  ”French presidential election " by Marjorie Marramaque
今年のフランスは大統領選挙に国会議員選挙と5年に1度の政治の変化の年です。新党「共和国前進」を立ち上げたエマニュエル・マクロン大統領が大統領の座も、国会議員の多数派もともに一気に奪い、過去の二大政党制を変えてしまいました。大統領選挙の決選投票があった5月7日にマージョリー・マラマクさんはこう記しました。(2017/09/20)


文化
アラブ文学の英訳者、デニス・ジョンソン・デイビーズが死去 Obituary of Denys Johnson-Davies
今頃になって知ったことだが、今年5月にアラブ文学の偉大な翻訳者だった英国人が亡くなっていた。享年94。名前はデニス・ジョンソン・デイビーズ(Denys Johnson-Davies )で、デイビーズ氏が翻訳活動を始めた頃はこんな風に言われていたと言う。「アラビアに文学などない。あるのは『コーラン』と『千夜一夜物語』だけさ」こうした中でデイビーズ氏が最初に「近代アラブ短編小説集」として翻訳紹介した作家にはYusuf Idris, Tayeb Salih, Zakaria Tamer, Naguib Mahfouzeら20人がいた。(2017/09/19)


みる・よむ・きく
作家ジャン=フィリップ・トゥーサンの最新作、「メード・イン・チャイナ」についてインタビューInterview : Jean -philippe Toussaint sur " Made in China "
今週、フランスで作家、ジャン=フィリップ・トゥーサン(Jean -philippe Toussaint) 氏の新刊が発売となりました。タイトルは「メード・イン・チャイナ」。それはいったい文学とどのような関係があるのだろうか、と思う人は多いのではないでしょうか。そこでトゥーサン氏にインタビューをしました。(2017/09/15)


コラム
ナチス礼賛発言と日本の政治家
麻生副首相がまたナチス賞賛発言をしたと報じられた。前回はナチスが改憲した方法をまねる必要があるという発言で、今回はヒトラーの動機は正しかった、という発言だと報じられた。ヒトラーの動機が何だったのかまでは詳しく報じられていないが、ヒトラーやナチスの政策の柱はユダヤ人排斥であり、人種差別主義だった。欧州に存在する悪をユダヤ人の責任に押し付けたのがナチスのイデオロギーの核心部分に他ならない。麻生氏の言うように、もしヒトラーの動機は正しかったが、結果が良くなかったのだとすれば、どうすれば結果的によかったと麻生副首相は考えたのだろうか。(2017/09/05)


みる・よむ・きく
公演『泥棒たち』(9月8日ー18日)   デーア・ローアー作 公家義徳演出  欧州で今、最も先鋭な劇作家が描くドイツの人間模様    
ドイツは「欧州で一人勝ちしている」とよく言われます。2003年に社会民主党のシュレーダー政権が始めた身を切る改革「アジェンダ2010」で生産性が高まり、失業率も半減したのです。そんな一見ハッピーなドイツですが、実態はどうなのか。数字ではなく、ドイツに生きる同時代人の姿をリアルに見つめようというのが今回、東京演劇アンサンブルが上演する「泥棒たち」という舞台です。戯曲を書いた デーア・ローアー(Dea Loher)はブレヒト賞も受賞し今、欧州で最も注目を集めている劇作家。1992年にデビューして以来、数々の話題作を放ってきたそうです。というわけで今回の「泥棒たち」もいったいどんな世界なのか、興味をそそられます。(2017/09/05)


欧州
イタリアのレストラン  ハッピーアワー
北イタリアのジェノバ近郊スポトルノに住むエリ・マルチニさんとアンドレア・ベルキアラさんのカップルです。ちなみに、エリさんは詩人、ベルキアラさんは病院勤務の看護師です。夕食前に簡単な食事時の1枚です。(2017/09/04)


みる・よむ・きく
山川出版社 「フランス史」(福井憲彦 編)  フランスの歴史に関心のある人には必読書
フランス史について一通り知りたければ山川出版社の「フランス史」(福井憲彦 編)を読むことは非常に役に立つに違いない。6人の研究者がそれぞれの時代を分担して、丁寧でわかりやすく綴っている。先史時代やローマに支配された時代から中世、そして革命に彩られた近代とミッテランが登場する現代までがつづられている。筆者が今、一番読みたかった部分は近代の革命史から19世紀なのだが、このあたりは編者のリーダーである福井憲彦氏と谷川稔氏が担当している。(2017/08/30)


コラム
安倍政権の知恵袋 田原総一朗氏  二つの顔を持つ新自由主義の導き手
 田原総一朗氏が支持率激減で悩む安倍首相になにやら提案をしたことが話題を呼んだ。中身が不明だったため、冒険的な内容らしいとか、北朝鮮への電撃訪問か、といった憶測が飛び交った。田原総一朗氏と言えば1987年に始まった「朝まで生テレビ!」の司会者としての顔が最も代表的と言ってよいだろう。この番組では左派から右派まで様々な論客を集め、1時間とか2時間と言った昼間の時間帯の番組編成の常識を破り、夜通し討論をする、というスタイルで人気を集めてきた。(2017/08/29)


人権/反差別/司法
日本の男女の賃金格差  平均で女性の賃金は男性より27%低い  イタリアは約5% 
日経新聞の今年の記事によると、フルタイムで働く日本の男女の賃金格差は27%、つまり仮に男性が30万円の収入だとすると女性は約22万円ということになる。この差は大きい。これは憲法に保障された男女の平等に反していないのだろうか。(2017/08/28)


コラム
自民党の政治家たちの危機感の”ずれ”
 今では東京新聞と並んで、この国で政府批判ができる数少ない新聞が日刊ゲンダイである。その日刊ゲンダイに自民党内で反安倍を標榜する議員が集結したという記事が出た。記事によると彼らは「日本の明日を創る会」という30人の勢力で、未だ大臣になれていない中堅議員たちだと言う。記事にはこう書かれていた。(2017/08/27)


コラム
ネットで議論することは必要か?  必要なし
インターネットではネトウヨとか(最近ではネトサヨとか?)、人を敵味方に区分して、敵と見れば徹底的にけなし、味方と見ればその意見を拡散する・・・言論活動という意味では後退的な現象が目につく、としばしば批判されています。異なる政治意識や思想を持った人間同士が平和にかつ冷静に有意義な議論を交わしてそこから、さらに考えを高め、より優れた解決策を導き出す言論活動はネットでできないのか、と。(2017/08/21)


コラム
極右か、新自由主義か
  今年のフランスの大統領選挙は決選投票がエマニュエル・マクロン候補VSマリーヌ・ルペン候補となり、フランス人にとっては新自由主義VS極右の二者択一になってしまった。この二つの政治に反対する左派の人々にとっては、一種の悪夢的な状況が出現したのだった。純粋に経済政策だけを見ればマリーヌ・ルペン候補の方が左派に近く、一方で反レイシズムという視点から見ればマクロン候補の方が左派に近かった。マリーヌ・ルペン氏がレイシストと言えるかどうかは議論の余地があるが、少なくともイスラム教徒への言動や政策を考慮するとウルトラナショナリストとは言えるだろう(2017/08/19)


コラム
フランス革命と鹿児島の高射砲部隊
この夏、必要があってフランス革命の歴史書を紐解いていた。そこにはジャコバン派のロべスピエールや、ダントン、マラーらの顔があった。そしてまた、ルイ16世やマリー・アントワネットらの顔があった。だが、フランス革命の歴史を読んでいると、ふと思い出されるのが、1945年の鹿児島県の高射砲部隊で米爆撃機を撃っている一人の青年なのである。フランス革命と鹿児島の高射砲部隊、多くの人には何の関係もないことだが、僕の中でそれらはつながっているのである。(2017/08/17)


コラム
議員の外国視察旅行について
各地の議員たちが議会のない期間に外国などに視察旅行を行うことがあり、以前からよく挙げられている批判は視察とは名ばかりの税金を使った単なる海外旅行ではないか、というものだ。最近、その実態を示す映像記録が民放で放送されて、強い批判を浴びた。そして、議員の外国視察旅行は廃止せよ、という視聴者の声が上がっている。(2017/08/16)


コラム
731部隊と帝銀事件 吉永春子氏の取材から
毎年、この季節になるとNHKは原爆や戦争を扱ったドキュメンタリー番組を放送するのだが、かつて満洲国で行われていた日本の731部隊による人体実験の記録と証言が改めて注目を集めたようだ。731部隊の存在を日本で最初にスクープしたのはTBSのディレクターだった吉永春子氏で、その番組「魔の731部隊」は1975年に放送され、大きな反響を呼ぶことになった。というのも、当時はまったくそのような行為がなされていたとは知られていなかったからに他ならない。吉永氏はいったい、どのようにしてその存在を知りえたのか。(2017/08/16)


農と食
今年も庭でトマトができた  地中海の町、スポトルノの人々
  地中海に臨むイタリア北西部リグーリア州の風光明媚な町、スポトルノに住むエリさんとアンドレアさんのカップル。エリさんは詩人、アンドレアさんは病院勤務の看護師です。イタリア料理と言えばトマトが欠かせません。スポトルノで太陽の光を一面に浴びるこのイタリア人のカップルの庭でも毎年、トマトが作られています。(2017/08/15)


国際
マクロン大統領 対 フランス労働組合  過去40年で最大の変化がフランス社会に迫る  村上良太
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が今、最大の課題として取り組んでいるのが労働法の解体だ。今までにも日刊べりタで折に触れ綴ってきたが、週35時間労働制や解雇に対する厳しい歯止めなどの労働規制がいよいよ本格的に削除されそうになっている。世界でも最も労働者の権利を手厚く守り、家族の暮らしを大切にしてきたと言われるフランスの労働法がついにほとんど消滅しかけているのだから、世界の労働者にとって注目されておかしくないだろう。変なたとえかもしれないが、フランスの労働法はもうユキヒョウとか、クロサイくらいの絶滅危惧種的な状態と言ってよい。(2017/08/08)


国際
マクロン大統領夫人、ブリジット・マクロンさんの「ファースト・レディ」職と巨額手当に対する波紋 ついにマダムも風刺漫画の対象 すでに支持率は36%に
  フランスでも日本やアメリカとよく似たことが話題になっている。それは首相や大統領が奥さんや娘など、選挙で選ばれたわけでもない家族に公務を割り振っていいのか、という議論である。フランスで今起きている騒ぎはマクロン大統領夫人のブリジットさんに「ファースト・レディ」職として特別にオフィスと手当てをつけるという動きにフランス市民が怒って反対の署名を行っていることである。(2017/08/08)


教育
人づくり革命で大学を民間企業の新人研修施設に「革命」か
安倍首相の「人づくり革命」とはなんぞや?とみんな不安に思う最中、その目標が大学の乗っ取りだったことがわかってきた。日経新聞によると、人づくり革命の基本方針とは「大学改革と幼児教育や大学にかかる教育費の「無償化」を両輪で進めるのが柱だ。大学経営陣に企業の社外取締役にあたる民間人の起用を義務付けるほか、大学卒業後の「出世払い」制度を検討する。」ということになる。大学の学費無料化という飴で何を狙っているかと言えば、大学を企業の研修施設や企業の研究室に活用することではないか。税金で民間企業の利益となる人材確保と研究を進めることができれば、企業にとってはなんとも素敵な大学となるだろう。だが、それはすでに大学ではない。(2017/08/07)


政治
都民ファーストの都議会議員  知事と対峙する気概無し 
今年、小池百合子都知事が率いて、都議会議員選挙で大勝した都民ファーストの議員たちは、メディアの取材を拒否してきたと報じられてきた。今回、改憲に関する都議会議員の考えを聞くアンケートでは大半の議員が党の方針で回答しなかったと言う。理由は都政に専念するから、と報じられているが、都民ファーストは国民ファースト的な国政政党に将来転じる可能性も匂わせられているだけに「都政に専念」という回答は逃げとしか映らない。さらに言えば、都政も憲法と結びついていることは言うまでもない。(2017/08/07)


国際
マクロン大統領が妻にオフィスを与えようとしたら市民が猛反対  支持率は低下中
ブリジット・マクロンと言えば今年、フランス大統領に選ばれたフランス大統領のマダムである。今、マクロン大統領が妻にファーストレディとしての「職務」を果たすためのオフィスを設けようとしたところ、フランス市民が大反対に出ていると言う。ガーディアン紙が報じている。(2017/08/07)


コラム
デモとナンパと民主主義   〜なぜ政治行動なのにデモは報道されないか〜  60〜70年代「デモで彼女と一発やれて最高だった」的な人々が
  私はデモに参加したことは今まで一度もありません。デモに対するアレルギーがあるのです。しかし、デモの現場を取材したことは日本でも海外でも何度かあります。中でも印象深かったのは、東京湾の有明・十六万坪が埋め立てられようとしたときのデモでした。貴重な生態系を守れ、と漁業従事者や屋形船の業者らが100隻近く船を連ねて水上デモを行ったのですが、驚いたことに翌朝、ある政府寄りの新聞がデモ隊が一人もいない、夕日が輝いている静謐な東京湾の写真を載せていたのです。つまり、何一つ、そこでは起きなかった、ということを写真と簡単なキャプションで語っていたのです。この写真は嘘か、と言えばそんなことはありません。(2017/08/06)


みる・よむ・きく
山口定著 「ヒトラーの抬頭 〜ワイマール・デモクラシーの悲劇〜」 出版は1991年だが今読む方が圧倒的に面白い
今春、安倍政権が憲法改正案を近日まとめる、という話を聞いてから山口定著「ヒトラーの抬頭 〜ワイマール・デモクラシーの悲劇〜」(朝日文庫)を読み直してみた。山口氏はドイツ・ファシズムや戦後のネオナチ、あるいは欧州の右翼運動を研究してきた政治学者でベルリン自由大学でも教鞭を執っていた。本書は1991年に出版されたもので、いわば山口教授のナチズム研究の総決算とも言うべき本となっている。(2017/08/05)


みる・よむ・きく
真性ファシズムまであっと言う間だった  ディディエ・デナンクス著「パパ、どうしてヒトラーに投票したの?」 緊急事態条項で民主国家は5週間で独裁国家に改造できた
80年代まで翻訳大国だった日本は、現在、鎖国に近いくらいに翻訳貧国に転落しています。フランスでどんどん出版されている本の大半が翻訳されないままになってもう何十年にもなります。翻訳書が全然売れないから出版社も翻訳を出すことを嫌っているからです。いい本ならくらでも翻訳されるのか、と思っていたら、むしろ出版を断るのにどんな理由でもあるくらい、翻訳書を出したくないようです。ですから、外国語ができなければ外国の情報は95%以上知ることができない時代に日本は突入しています。(2017/08/04)


政治
林芳正・新文科大臣とマンスフィールド研修  日本をアメリカ的に構造改革させた政治家と「美しい国」
自民党の林芳正氏が安倍改造内閣の文科大臣に就任することになった、と報じられている。安倍政権は日本会議の後押しを受け、アメリカが敷いた戦後レジームを終わらせることを目的にしてきた。安倍首相にとって教育は最も重要な政策であり、長年、安倍首相は日本の軍国主義を批判的に教えてきた日教組を嗤い、批判してきた。しかし、皮肉にも今回、新たに安倍首相が文科大臣に抜擢した林芳正氏は非常にアメリカンな政治家と言ってよい。(2017/08/02)


人権/反差別/司法
「個々の政治家以前に『構造的ラシスム(人種差別主義)』を解体しなくてはならないのです」 パリの討論会から
 5月7日、フランスの大統領選挙の決選投票の夜、パリ北駅に近いバー「植民地」で、ラシスム(人種差別主義)を語る討論会が行われた。この夜、極右「国民戦線」の大統領候補マリーヌ・ルペン候補が敗れ、新自由主義のマクロン大統領が誕生した。討論会に集まった人々はマグレブ地方出身者もいれば、コンゴの出身者もおり、マルチニックなどのカリブ海諸国からの移民の子孫もいた。こうした様々な人の中に、ミレイユ・ファノン氏がいた。(2017/07/29)


コラム
岡山県人と加計学園と教育 岡山県人は悲しんでいる
今、沸騰している岡山の加計学園と内閣との癒着疑惑は岡山県人にとっては残念な話題に他ならない。筆者も岡山出身である。今回の疑惑が教育をめぐる話題であることがより一層岡山県人にとっては残念である。というのは岡山県は昔から教育に熱心な県であり、それも無償の私塾という形態での教育が少なからず盛んだったと筆者は聞いているからだ。かくいう筆者の祖父も学校の教育者であったのだが、空いた時間に私塾を開いて無償で子供たちに教えてもいた。そのことはささやかな誇りだったのだ。(2017/07/25)


政治
閉会中審査 安倍首相・加計学園が特区で獣医学部の新設の申請をしていると初めて知ったのは今年の1月20日・・・・
国会閉会中の審査(衆院・予算委)で加計学園への便宜供与疑惑を追及する質疑が行われた。「加計学園の国家戦略特区への獣医学部新設の申請を首相が知ったのはいつだったのか」との民進党・大串博志議員の質問に対し、安倍首相は<初めて知ったのは今年の1月20日の特区諮問会議、すなわち加計学園に決定した後だった>という意味のことを語った。安倍首相は国家戦略特区を決める諮問会議の議長である。安倍首相のこの答弁に大きなどよめきが起きた。(2017/07/24)


みる・よむ・きく
ブレヒト作 「三文オペラ」 死刑を待つ盗賊が警視総監と友達だったため恩赦を受け年金まで
ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの代表作の一つ「三文オペラ」(1928)は今日でも十分にリアルで楽しめそうだ。それは日本と言う国の荒廃ぶりがドイツの第一次大戦後の様相に似てきた、ということかもしれない。というのも物語が破天荒だからだ。(2017/07/23)


政治
残業代ゼロ法案容認の「連合」本部前に抗議のデモ 「私の残業を勝手に売るな」
今日、夜7時から、東京都千代田区神田駿河台の労働組合の拠点である「連合会館」前に労働者が集まり、残業代ゼロ法案を容認した連合に対して「私の残業を勝手に売るな」「組合費を返せ」「連合は勝手に労働者を代表するな」などと抗議を行った。(2017/07/19)


コラム
グローバルロボット資本主義の黎明
60年代から70年代に繁栄した先進諸国が今、低成長の中で労働組合や労働規制を解体しようという動きを見せており、その最終段階が近づいているようです。労働基準法を緩和あるいは解体しようという動きです。その一方で、産業ロボットの研究開発が着実に進んでおり、工場のロボットだけでなく、ロボット兵士、セックス用ロボット、危険作業用ロボット、配達ロボット、介護ロボットなど多様化してきています。今、アメリカのトップの富裕層何人かが世界の下層の半分の富を独占するなどと言われていますが、この産業資本家たちが産業ロボットを大幅に導入して退職金も裁判費用も不要なロボット労働者を大量に「雇用」すれば一部の管理者を残して、労働者の多くは不要になっていくでしょう。(2017/07/19)


コラム
国際化の時代に「都民ファースト」
今年の都議会選挙を制覇した「都民ファーストの会」というネーミングはフランス語に訳せば確実に極右政党「国民戦線」の系譜に属することになるだろう。この言葉が東京都民にアピールしたのはなぜだろうか。都民ファーストは何に対して都民を優先するかと言えば日本では既得権を持つ支配層に対して有権者である都民の利益を優先する、という意味合いだと思う。しかし、一つ間違えると、都民=日本人ファーストという意味に受け取られる可能性もある。日本の国の首都だから都民ファーストで何が悪いのか、と思う人は少なくないだろう。(2017/07/17)


コラム
パリの観光スポット バルべスのドゥドゥ―ビル街(Rue Doudeuville) 移民文化の活力とエキスがある
パリの18区、バルべス(Barbes) という地域を少し歩くとドゥドゥ―ビル通り(Rue Doudeauville)があります。そこではサブサハラ出身の黒人の人たちがかなり高い密度で暮らしています。日本の観光客はたいてい中心部のセーヌ河の近くを観光するのだけれど、バルべス界隈も面白いんですよ。まずバルべスロシュショア(Barbes Rochechouart)というメトロ駅を降りて、地上に出るとその時点でパリの中心街とは異質の空間が現れます。アラブ系、アフリカ系の人々が多いエリアです。(2017/07/16)


みる・よむ・きく
ブノワ・アモン著 「来るべき世代のために」" Pour la génération qui vient " par Benoît Hamon
今年のフランス大統領選は本当に面白かった。従来にない闘いが展開され、思わぬ結末を迎えたからだ。この中で一番、貧乏くじを引いたのは社会党候補のブノワ・アモン氏だったのではないだろうか。フランソワ・オランド大統領が空前の不人気のため、再挑戦せず、社会党で新たな公認候補を擁立した。その時、ブノワ・アモン候補が選出されたのだが、彼は社会党の中ではフロンド派と言われるオランド大統領への批判勢力であり、社会党左派だった。そのアモン氏だが大統領選では社会党史上でも最低に近いわずか6.4%の得票率で一回目の投票で敗退してしまったのである。さらにアモン氏の受難は続き、翌月の国会議員選挙でも落選の憂き目となった。オランド政権では教育大臣まで担当した人物である。(2017/07/16)


国際
トルコ 緊急事態宣言から丸1年 共謀容疑で、さらに警察官・公務員ら 7563人が解雇される
1年前の今日、7月15日、トルコで軍のクーデター未遂があり、鎮圧後、緊急事態宣言のもとでおびただしい市民が共謀容疑で拘束された。そして、緊急事態宣言は今なお続き、新たに7000人以上の警察官や公務員を解雇して今後も厳しく反政府運動を取り締まる意思を示した。(2017/07/15)


みる・よむ・きく
エマニュエル・マクロン著 「革命:これは僕たちのフランスのための闘争だ」(Révolution)
フランスの新大統領になったエマニュエル・マクロン氏は選挙運動中に己の考えと政策をまとめた「革命:これは僕たちのフランスのための闘争だ」(Revolution : C'est notre combat pour la France )という本を出版した。この本は自分の思想がどのように生まれたのか、学生時代に読んだフランスの古典の類などの回想から始まり、やがて本丸へ。仕事は不安定で収入も少ない「プレカリテ」の象徴であるCDDと呼ばれる短期雇用(有期雇用)からCDIと呼ばれる無期雇用へと労働者をどう転換していけばよいのか。今、始めようとしている労働法改革の基本的思考や今後のフランスが取るべき環境政策や外交政策などを章ごとにまとめている。(2017/07/14)


検証・メディア
この期に及んでも首相と晩餐会  マスメディア各社解説委員・編集委員ら  今回は和食 田崎史郎氏も
朝日新聞の7月13日の首相動静によると、マスメディア各社はこの日、安倍首相と会食を行った。加計学園や森友学園など様々な疑惑の渦中にあり、国会での追及が行われようとしているまさに、そのような時にまた会食である。今回は何かと言えば和食だった。安倍首相の腹心の政治解説者・田崎史郎氏も参加した。「6時49分、東京・紀尾井町のホテル『ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町』。レストラン『WASHOKU 蒼天』で曽我豪・朝日新聞編集委員、山田孝男・毎日新聞特別編集委員、小田尚・読売新聞グループ本社論説主幹・・・(2017/07/14)


コラム
「アベ政治」の源流は小泉政治  2005年が自民党の曲がり角
今、安倍内閣の支持率が30%を切りそうな状態になり、与党自民党内でも安倍首相の政策に反対する声がぽつりぽつりと上がり始めた。これまで党内で異論がほとんど皆無だったから、国民から見れば本当に久々な感じを受ける。あったとしても声を出せなかった、ということだろう。安倍首相の政治、いわゆる「アベ政治」は野党や国民だけでなく、同じ党内においてもものが言いにくい空気を作り出してしまった。この「アベ政治」の弊害が波状的に国民に見え始めた今、安倍総理個人だけでなく、そのような異論なき政治を容認してきた自民党にも国民の疑問の目が移りだそうとしている。(2017/07/13)


コラム
蓮舫党首の戸籍騒動  〜再び「二重国籍騒動 と 米大統領選」から〜 問題は利益相反の場合
二重国籍で国会議員になったり、党の要職についたりりすることは外国ではしばしばあることです。これは事実としてそうなっていて、外国の中にはアメリカなどの先進諸国が含まれます。ですから、少なくとも世界を参照するなら二重国籍であること自体が政治家になるための疎外要件になるということではないようです。ただ、1つだけ問題視されていることは二重国籍であることが、あるテーマあるいはある分野の政策を作るにあたって「利益相反」の関係になる可能性がありえることです。利益相反というのは今の加計学園への便宜供与問題にも出てきますが、その政策を行う政治家自身が採択された政策で便宜を受ける組織、あるいは国家などとつながりを持っているようなケースを指します。(2017/07/12)


政治
フランス社会党 ブノワ・アモン前大統領候補者が脱党宣言 新左翼運動「7月1日」を語る
揺れるフランス政界で甚だしいのは社会党の後退だ。オランド大統領とバルス首相の不人気の影響で2017年の選挙は悲惨になるとあらかじめ織り込み済みだったが、想像以上に崩壊現象が進んでいる。(2017/07/11)


政治
安倍首相、国民と和解する絶好の機会を逃す  加計問題の閉会中審査に出席せず
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という失言のダメージ冷めやらぬ安倍首相だが、今日再び手痛い失点を重ねてしまった。加計学園への便宜供与疑惑問題の国会閉会中審査に、肝心の首相が出なかったことだ。この問題は加計学園理事長と安倍首相が腹心の友であったことがすべての発端となっている。安倍首相率いる内閣が国家戦略特区での加計学園への便宜供与をしたかどうか。この点につき、首相や大臣たちの国会答弁がいい加減極まりなかったことが支持率の激減の発端となっていて、加計学園問題が解決しない限り、この支持率減退を止めることはできないだろう。今後もさらに落ちていく可能性がある。(2017/07/10)


政治
都民ファースト と マスメディアの報道  改憲運動に協力してきたメディア
フジテレビの報道番組で小池知事に近い若狭勝衆院議員が地域政党として出発した「都民ファースト」が年内にも国政に進出する可能性が高いことを話し、さらに小池知事が安倍首相と憲法改正で同じ方向性を持っていることを述べたそうだ。政治に関心のある人々にとっては小池知事が自民党・安倍首相と同じ改憲運動の旗手になるであろうことは常識と言ってもいいことだ。というのも小池氏は戦後レジームからの脱却と日本国憲法の改正を悲願としてきた日本会議所属の国会議員だったからだ。(2017/07/09)


文化
ハン・ヨンスの写真3 Photographs of Han Youngsoo 3 〜 漢江の光景 scenery of Han river ~
韓国の写真家、ハン・ヨンス(Han Youngsoo 1933 - 1999 )の娘さんからヨンスの最新の写真集が送られてきた。タイトルは「時は河を流れゆく」 "Time Flows in River " 。収録されたハンガリーの写真研究家のKincses Karolyの解説によると、今回の写真集で3冊目になるそうだ。今回は漢江という河に焦点が当てられて編集されていて、河をめぐる庶民の生活風景や憩いが見えてくる。撮影されたのは1956年から1963年の間で夏もあれば冬もあり、春夏秋冬の味わいがある。(2017/07/07)


文化
ほのぼのとした味わいの漫画家、パスカル・ブロンド―さんにインタビュー Interview : Pascal Blondeaux ( illustrator , cartoonist )
漫画家のパスカル・ブロンド―(Pascal Blondeaux)さんにお会いしたのはパリのエコミュゼというギャラリーでの共同展示会の時でした。医療用麻薬の使用を政府は認めよ、というキャンペーンで、20人以上の漫画家、イラストレーター、画家、写真家らが作品を持ちよりました。その一人、パスカル・ブロンド―さんの作品はほのぼのとしたもので、北アフリカの上空をハシッシュの翼を持った鳥が飛んでいる、というものでした。そのタッチがあまりにもほのぼのとしていて、日本の漫画家の園山俊二を思い出してしまったのです。(2017/07/06)


コラム
集会もデモも公共の場所でできなくなる緊急事態条項が間近に 改憲の最大の狙いが緊急事態条項だ
先日、秋葉原の都議会議員選挙の演説で根強い反対の声に出会った安倍首相だが、目下最大の悲願は言うまでもなく、憲法改正で緊急事態条項を通すことに他ならない。憲法9条が目玉のように未だにマスメディアは報じているが、安倍政権や日本会議にとって最大の狙いが合法的に独裁化を確立できる緊急事態条項だろう。緊急事態条項があれば9条の改正などしなくても憲法が実質的に停止できるからだ。(2017/07/05)


政治
「都民ファースト」は情報公開の党か? 都議選・インターネット映像メディアIWJの取材申し込みに答えず 
7月2日投開票の都知事選。小池百合子東京都知事が率いる「都民ファーストの会」のモットーの1つが東京都政に関する情報公開の推進だったはずだ。ところが、選挙戦の報道に関して言えば、都民ファーストが情報を十分に公開していたとは言い難い。そのことを最も痛切に報道の立場から実感していた人こそ、独立インターネットメディアIWJの岩上安身氏に他ならない。なぜなら、IWJは様々な政党の取材をしてきたが、都民ファーストだけは投開票中の中継を申請してもIWJは一切受け付けてもらえなかったというからだ。(2017/07/05)


医療/健康
「日本の薬が必要です!」 チュニジア出身の医師ラディ・ベルカイア(Radhi BELKAHIA)氏の緊急寄稿 日本の武田薬品が開発した悪性リンパ腫への製剤ADCETRISを求めています 
日刊ベリタに以前、寄稿していただいたフランス在住のチュニジア出身の医師ラディ・ベルカイア(Radhi BELKAHIA)氏から、緊急の寄稿があります。これはベルカイア医師と同郷のビゼルト出身の若い音楽家が悪性リンパ腫に侵され、その治療薬が日本の製薬メーカーによるものだということです。(2017/07/04)


コラム
安倍総裁の歴史的失言 「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」
東京都議選最終日の7月1日の午後、東京・秋葉原の駅前に安倍首相が現れた時、異様な光景が出現していた。自民党候補者のために設けられた演説の場の近くに、安倍首相に批判的な人々も押し寄せ、「帰れ!帰れ!」あるいは「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」というシュプレヒコールがこだましていたからだ。安倍首相はこれに腹を立て、叫んでいる人たちを指さしながら、「こんな人たちに負けるわけにはいない!」と叫んだ。この言葉はこのシーンを現地であれ、ビデオ中継であれ、見た国民の心に衝撃をもって刻まれたに違いない。安倍首相は「憎悪からは何も生まれない」と非難していたのだが、当の安倍首相自身が敵意と憎しみを見せてしまったのだった。(2017/07/03)


コラム
空気を醸成するメディアの選挙報道  フランスと日本
今年、フランスの大統領選挙や国会議員(国民議会=下院)選挙を観戦して感じたのはフランスのマスメディアでも選挙運動期間におびただしい当落の予測が出され、選挙の結果が多少なりとも影響されているのではないか、という印象を受けたことだった。その象徴がエマニュエル・マクロン候補の大統領当選のケースだ。投票日の前から、万歳をしているマクロン氏の写真が掲載された雑誌のポスターが新聞スタンドの壁に貼られていた。さらに6月の国会議員選挙の時も、投票日の何週間も前から早々とマクロン新党のRepublique En Marche ( REM )の圧勝を予測する記事がたくさんメディアを飾り、今はこれがブームだというブーム感を醸成していたように思う。(2017/07/02)


コラム
シィエス著 「第三身分とは何か」  特権階級とその他の市民「第三身分」で国会の比率はどう配分されるべきかを論じた書
フランス革命の政治思想家の一人にエマニュエル=ジョゼフ・シィエスという人物がいる。シィエスは「第三身分とは何か」という著書で今日も知られている。第三身分とはフランス革命前夜において、カトリックの司祭や貴族に対抗する第三の政治勢力であり、言うまでもなく、新しく台頭してきた人々だった。この「第三身分とは何か」は1879年1月にパリで出版されたが、革命が起きたのはその半年後の7月14日である。7月14日にパリのバスティーユの監獄を市民の集団が攻撃したことで革命が始まったため、この日は今も「7月14日(キャトルズジュイエ)」として祝日になっている。(2017/07/01)


文化
家族の肖像 フランス その6 「私の仕事」(レジャーヌ・ボワイエ) Family portrait in France #6  Réjane Boyer ” My work "
フランスの古城のある小さな町、エクアンに住むレジャーヌ・ボワイエさんとその家族の歴史を何度かに分けて、取材してきました。レジャーヌさんの家族は祖父の代から政治に強い関心を持ってきたそうです。夫のマルセルさんは社会党の支持者でエクアンでは「コンセイエ」と呼ばれる、選挙で住民から選ばれる有識者委員の業務を行ってきました。仕事の合間を縫ってボランティアで自分の知識や経験を活用して行政支援を行う制度だそうです。(2017/07/01)


農と食
フランスの動物愛護団体L214が悪質な養豚業者をビデオで告発
フランスの動物愛護団体L214は食肉や鶏卵のために飼育されている動物の飼育管理状況をウォッチしている。最近では悪質な養鶏場ル・ガエク・デュ・ペラ(Le Geac du Perrat)の状況を数年に渡り監視し、農業大臣に告発ビデオを送り付け、操業停止に追い込んだという実績がある。そのL214が新たな告発映像を公開した。そのキャンペーンビデオの1つが下のリンクだ。(2017/06/29)


みる・よむ・きく
ロシアの伝統音楽を蘇生させ独特のビデオを作っている注目のバンド "Otava Yo " ( Отава Ё )  ニューヨークの映画祭で最高賞を受賞
ロシアの伝統音楽を活かした音楽づくりをしている"Otava Yo" という6人組のバンドがあります。このバンドは国際的にも注目され始めていますが、そのきっかけは独特の音楽ビデオにありました。"Otava Yo" のミュージックビデオはyoutubeにもたくさん公開されていて見ることができます。こうしたビデオの1つ”Oh, Dusya, my Marusya”という短編作品が今年、ニューヨークのインディフィルムフェスティヴァル( NYC Indie Film Awards)で最高賞のダイアモンド賞を受賞しました。ミュージックビデオ部門です。その作品が次の5分40秒の映像です。(2017/06/29)


みる・よむ・きく
内閣への権力の集中が日本の統治機構上の問題であると論じたビデオニュース・ドットコムの討論
 前川喜平前文科省事務次官の記者会見を受けて、ビデオニュース・ドットコムの神保 哲生氏が同番組の宮台真司氏との対談の中で一連の問題提起を行った。前川氏が日本の統治機構上、権力の分立が確立されていないことに問題があると発言したことを受けて、内閣人事局の問題を論じたところが最も興味深い。(2017/06/27)


政治
東京都議選 定数127人 6月23日告示 7月2日投票 マスメディアは改憲のため<自民党VS小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会>の枠組みに有権者の囲い込みを図っているのではないか
東京都議会議員選挙の情報は以下の東京都選挙管理委員会のウェブサイトで読めます。全体で259人が127議席をめぐる闘い。(2017/06/25)


政治
前川喜平・前文部科学省事務次官の記者会見のビデオをノーカットで毎日新聞が公開
前川喜平・前文部科学省事務次官の記者会見(毎日新聞提供)(2017/06/25)


検証・メディア
NHK、和泉洋人総理補佐官、読売新聞 そして前川喜平前文科省事務次官  日本報道史に残るであろう闇
昨日の前川喜平文科省事務次官による記者クラブでの記者会見を通してクローズアップされたのが、安倍内閣の和泉洋人(いずみ ひろと)総理補佐官の動きだった。そもそもこの問題は今年1月、天下り問題の責任を取る形で文科省を辞職することになった事務次官の前川氏が、加計学園をめぐる内閣の便宜供与疑惑問題でそれまで閉ざされていた口を開いたことがきっかけだ。(2017/06/24)


検証・メディア
独立インターネットメディアIWJ もし安倍昭恵夫人が真実を訴えたいと望むならノーカットでインタビューを配信する意向
朝日新聞の報道によると、森友学園の問題や加計学園の問題など、「口利き」疑惑報道に関して安倍昭恵氏が「批判はして頂いて結構だが、こちら側の思い、きちんと伝えてほしい」と講演で訴えていると言う。その意向に対して、独立インターネットメディアのIWJを率いる岩上安身氏が「ぜひお待ちしております。IWJへどうぞ」とインタビューの場をIWJが提供するとツイッターに記した。(2017/06/24)


政治
フランス国会議員選挙 極右政党FN(国民戦線)が国会議員を4倍に増やす  マリーヌ・ルペン党首自身も初の国会議員に
フランスの国会議員選挙で予想外にマクロン新党、REM(共和国前進)が350議席を獲得する事態となり、2〜3年前は風が吹くと見られていた極右政党の国民戦線(FN)が得たのは全577議席中の8議席だった。だから、これを失敗と見る人も少なくない。しかしながら、2012年の国会議員選挙で得た議席が2議席だったことを考えると、見方によって4倍に急増したとも言える。(2017/06/22)


みる・よむ・きく
ノルシュテイン&ヤールブソワ作 「きつねとうさぎ」(ロシア民話)  言葉を操る者が支配者になる寓話
ノルシュテインとヤールブソワのロシア人のカップルは「霧につつまれたはりねずみ」など世界的に名高いアニメーションを作ってきました。夫のノルシュテインが作品の構成を作り、奥さんのヤールブソワが絵を描く、という割り振りのようです。今回紹介する「きつねとうさぎ」もそうした作品の1つで、アニメーションになっていますが、日本では絵本としても福音館書店から翻訳出版されています。(2017/06/22)


政治
小池晃書記局長「日本国憲法53条に基づいて、臨時国会の開会を要求します。」 インチキ記者会見での幕引きは許されない
共産党書記局長の小池晃氏がツイッターで臨時国会の開会を求める意向を伝えている。安倍政権が加担した加計学園への便宜供与疑惑などの一層の真相解明を進める意向だ。自民党が国会閉会中の審査を拒否したことによる。「明日21日16時半から立憲野党4党(民進、共産、自由、社民)の書記局長・幹事長会談が行われます。加計、森友疑惑解明に背を向けて共謀罪を強行した自民・公明が、閉会中審査の開催も拒否したため、日本国憲法53条に基づいて、臨時国会の開会を要求します。」(2017/06/21)


政治
改憲報道  真に注視すべきは緊急事態条項
マスメディアの報道で安倍首相が改憲論議を加速しようとしていると報じられ、その議論がいかにも9条が最大の論点であるかのように書かれている。しかし、日本の民主主義や人権にとってもっと危険な条項になりかねない緊急事態条項がどうなっているのか、これに注目すべきであろう。(2017/06/21)


欧州
フランス国会議員選挙 「服従しないフランス」 レイラ・シャイビさんはマクロン新党の候補者に敗れる
社会党から離脱して左翼党を立ち上げ、左派の再編を目指すジャン=リュク・メランション議員のグループは「服従しないフランス」(France Insoumise)と呼ばれ、大統領選の1回目の投票では19%の支持を得た。今回の国会議員選挙ではグループから27議席を輩出したが、当初期待されたほどには伸びなかった。前回、日刊ベリタで報じたパリの第10選挙区で「服従しないフランス」から立候補したレイラ・シャイビ(Leila Chaibi)さんは第一回の投票では2位で、決戦投票に進んだが、惜しくも敗れた。(2017/06/20)


政治
首相記者会見  空疎な上っ面の言葉に終始  何一つ具体的な言葉が語られず  会見直後、岩田明子NHK政治部記者が「会見のポイント」を解説
現在、安倍首相の記者会見が行われているが、森友学園、加計学園や共謀罪など、肝心の問題に対して何一つ具体的な言葉がないまま、安倍首相が訴えたいことだけを語って終わるのではないか。(2017/06/19)


コラム
首相の午後6時からの記者会見  今度はどんな妄言で目くらましか?
安倍首相が今夕、18時(午後6時)から記者会見するという。「共謀罪」の強行採決や今後の見通しなどを説明するとみられるが、市民からはメディアの前で一方的に説明するのでなく、きちんと国会で野党の前に立って質問に答えるべきだったという声が出ている。今回の首相の説明は日本国民からすると、「デジャビュの感覚」(既視感)を伴う。なんでも3か月すると忘れてしまう忘れやすい人はすでに記憶にないかもしれないが、覚えている人は2014年11月のNHKでの記者会見を思い出せばよい。(2017/06/19)


欧州
フランス国会議員選挙  フランソワ・リュファン候補が当選  映画「メルシー・パトロン!」で市民運動に火をつけたジャーナリスト
今回のフランスの国会議員選挙で最も注目された選挙区がパリの北にあるアミアンだった。なぜなら、この選挙区はマクロン大統領の故郷であり、空洞化が進むフランス工業都市の象徴でもあったからだ。そして、この選挙区でマクロン大統領の新党グループや極右の国民戦線の候補者らの間で激しい選挙戦が繰り広げられたが、左派グループの「服従しないフランス」の支持を得たフランソワ・リュファン氏が決選投票で逆転勝利を飾り当選した。(2017/06/19)


欧州
フランス国会議員選挙 マクロン大統領の新党が過半数を握る しかし400議席には届かず 国民戦線・「服従しないフランス」が議席を伸ばす  
フランスの国会議員選挙の決選投票が18日に行われた。マクロン大統領の新党のグループが予想通り全577議席の過半数を占める見込みだが、当初予想された400〜450議席には届かなかった。(2017/06/19)


欧州
フランスでも政変に伴うキャスターの解任? 人気ベテランキャスターや辛辣コラムニストらが契約を打ち切られる
フランスでは今が放送局の契約更新の時期だ。今年はベテランのTVキャスター、ダビド・プジャーダス(DAVID PUJADAS)氏や権力に辛辣な言葉を浴びせることで著名なコメンテーターのナターシャ・ポロニー(Natacha Polony)さんらが続けて解雇されることになった。(2017/06/18)


アフリカ
カダフィ大佐の息子Saif al-Islam Gaddafi氏が約6年ぶりに釈放される
カダフィ大佐の息子Saif al-Islam Gaddafiが釈放された。(2017/06/17)


コラム
共謀罪とIT産業  IT産業はソーシャルメディアの自由な言論を支援する声明を出すべきではないか
ソーシャルメディアでの言論も対象になると国会で語られた共謀罪が可決し、来月から効力を得ることになりました。そのことで今後、ソーシャルメディアはどう変わるのでしょうか?もし、「危険な」人間関係から自分を切り離そうと思って、様々なグループから参加者が離脱したとすると、だんだんソーシャルメディア自体が中身の乏しい、刺激の乏しいツールになっていく恐れがあります。(2017/06/17)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画”HIZAM” (ベルト)を監督したアルジェリア人のハミド・べナムラ監督にインタビュー  Interview : HAMID BENAMRA ,director of documentary film “ HIZAM “
アルジェリアとフランスを往来しながらドキュメンタリー映画を撮影している監督のハミド・べナムラ(Hamid Benamra)氏。仕事場はパリにあります。昨年制作した新作映画"Hizam" の上映運動で欧州以外に北アフリカ各地を回っています。この新作映画はやはりアルジェリア出身の舞踊家グェムラ・アッシア(Guemra Assia)氏の活動を撮影したものです。アッシア氏はモダンダンスに加えてアラブのダンスも創作しており、パリの稽古場では習いにやって来る弟子たちに囲まれています。今回、べナムラ監督に新作映画などについてお聞きしました。(2017/06/15)


コラム
「共謀罪」で日本のソビエト化を加速する安倍首相  読売新聞は日本版「プラウダ」か 
インターネットの世界では今夜にも「共謀罪」が参院を通過しそうだ、という情報が流れている。実際にはテロの取締とはほとんど無縁の「共謀罪」は日本国内の政府に反対する市民の弾圧に使用するために制定されている。そして、これは特定秘密保護法が制定されようとしていた4年前の拙稿「ロシアから見る特定秘密保護法案  〜日本がソビエト化する日〜」で書いたことだが、安倍政権は日本をソ連に近い国に改造しつつあり、今回の共謀罪で一段と加速することになるだろう。(村上良太)(2017/06/14)


欧州
フランス国会議員選挙(第一回目投票)で高い棄権率 有権者の約50%が投票せず  第五共和制が始まって以来の低迷
今回のフランス国会議員選挙(第一回目投票)ではマクロン大統領の新しい政治組織 "Republiue En Marche "の躍進ぶりが大々的に語られがちだが、有権者の半数、約50%が棄権していたことが複数の世論調査会社の調べで浮き上がっている。この数字は2012年の国会議員選挙第一回目の投票のときの棄権率約42%に比べても一段と高まっている。前回も棄権する人の多さが報じられたが、今回はさらに棄権率が高い数字となっており政治不信の深まりが見て取れる。ラジオフランスアンテルナショナルによると、1958年の第五共和制発足以来の最低の投票率=最高の棄権率となったそうだ。マクロン氏のグループの大躍進は棄権率の高さと関係がある。(2017/06/14)


欧州
フランス国会議員選挙(第一回目の投票)  第一位は棄権  行政権力と立法権力の不分離が民主主義の危機を生む
フランスは議院内閣制の日本と異なり、大統領選挙と国家議員選挙(下院)が別々に行われる。期間は5年に一度だ。もともと大統領の任期は7年だったが、国会議員と同じ5年となり、今は同じ年に選挙が行われているため、大統領選で勢いのあった政党が国会議員選挙でも多数派を形成することが多い。これはフランス人がそういう風に大統領の権力を維持することをデザインした結果である。そして今、マクロン大統領は一気に577議席のうち400議席以上を得て行政府と立法府を自分の政治グループでがっちり占めようとしている。(2017/06/13)


欧州
フランス エドゥアール・フィリップ首相が「非常事態」を永続化するための法案を作成  「非常事態」解除後も令状なき家宅捜索・召喚・パソコンや携帯の押収などが可能に
マクロン新大統領が抜擢した元共和党のエドゥアール・フィリップ首相が「非常事態」を永続化できる法案を作成したことが市民の恐怖を呼んでいる。「非常事態」は先日の英国のテロ事件を受けて延長されたばかりだが、今、提出される法案は「非常事態」を解除した後も常時、テロとの戦いのために「非常事態」と同様のことを可能にするものだという。ルモンドが最初に報じ、それが様々なメディアに波及している。(2017/06/13)


欧州
「フランス大統領選挙 第一回目の投票  棄権か、メランションへの投票か?」 マージョリー・マラマク  "1er TOUR: ABSTENTION ou MELENCHON? " par Marjorie Marramaque
今年のフランスは大統領選挙に国会議員選挙と5年に1度の政治の変化の年です。報道でマクロン大統領の陣営の躍進ぶりが伝えられていますが、そういった報道とは違った角度から今回の選挙を見つめてみたいと思います。昨年、パリの共和国広場で「立ち上がる夜」(ニュイドゥブ)という市民が集まって討論する運動が起こりました。これは労働法の規制緩和に対する反対がきっかけでしたが、やがてそれにとどまらず社会党と共和党と言う左右の既存政党に対する批判につながっていきました。その時、広場に集まった人々はラディカルに新しい政治の在り方を論じ、模索していました。(2017/06/12)


政治
フランス国会議員選挙(下院) 第一回目投票 マクロン大統領のEn Marche! が首位  社会党は解党の危機か
フランスでは大統領選に続いて国会議員選挙の第一回目の投票が日曜日に行われた。テレビでも、開票速報が始まったが、TVチャンネル、BFMTVの出口調査から、マクロン大統領が率いる"En Marche! "の中道グループが 30%を超える得票率で首位に立っている。2位が共和党グループ、3位が国民戦線、4位が「服従しないフランス」、そして社会党グループは9%と5位になっている。社会党は解党の危機と見てもよいだろう。(2017/06/12)


コラム
「『政教分離』原則の憂鬱」の欺瞞 フランスの政教分離原則をムスリムいじめの文脈で常に描くことの愚  
朝日新聞6月4日付の「日曜に想う」というコラムに「『政教分離』原則の憂鬱」という一文が掲載された。編集委員の大野博人氏によるもので、主旨はパリの大モスクが「フランスにおけるイスラム宣言」を発表し、「すべてのイスラム教徒はフランス共和国の法と価値観を尊重しなければならない」などの宣言を行ったことである。イスラム系移民を問題視する右翼政党・国民戦線などの影響力を考え、やむを得ず発表したもので、そのため各地のイスラム教の信徒は憂鬱な日々を送っているという内容である。(2017/06/11)


コラム
分裂する日本 神のための政治と人間のための政治  〜宗教原理主義政権と世俗派デモクラシー勢力の政治闘争〜 
森友学園や加計学園の便宜供与疑惑やレイプのもみ消し疑惑など、安倍政権の言動がすでに限界を超えたと見る人が増えているようだ。何の限界かと言えば民主主義の限界であり、日本国憲法のもとの法秩序や倫理ということになるだろう。ところが、安倍首相も菅官房長官も萩生田内閣官房副長官も責任を取って辞職するような構えはない。だから、一層、安倍政権に反対する人々は不条理劇を見ているような感覚に襲われているのだと思う。この状況をどう見たらよいのだろうか。(2017/06/10)


みる・よむ・きく
フランソワ・デュルペール(台本)&ファリド・ブーデジェラル(作画)「マリーヌ・ルペン大統領」  " LA PRÉSIDENTE " ( François Durpaire & Farid Boudejellal )
フランスで話題になった漫画に「ラ・プレジダント」(マリーヌ・ルペン大統領)がある。今年の大統領選で国民戦線のマリーヌ・ルペン候補が勝った場合を想定した未来世界である。作者はフランソワ・デュルペール(台本)&ファリド・ブーデジェラル(作画)のコンビだ。そして、最近、続編も出た。国民戦線という極右政党がついにフランスの大統領を生んだら、どのような世界が出現するのか。それをシミュレーションしたのがこの物語であり、台本作家のフランソワ・デュルペールの意欲がこの作品を世に出したと言って過言ではない。(2017/06/10)


みる・よむ・きく
リヤド・サットゥーフ作 「アラブの未来」  ”L ' ARABE DU FUTUR " de Riad Sattouf
 フランス漫画の世界で最近、人気を呼んでいる漫画家の一人にリヤド・サットーフ(Riad Sattouf)という人がいる。名前から推察いただけるように、アラブ系の人である。と言っても母親はブルターニュ半島出身のフランス人で、父親がシリアからパリに留学に訪れた留学生だったのだ。リヤド・サットゥーフの代表作である「アラブの未来」(L ' ARABE DU FUTUR )は二人の出会いから話を起こしており、その後、教授になった父親の仕事の関係で、まずはリビアに家族で滞在し、その後、父の郷里であるシリアに滞在した頃の話である。父親は息子にアラブの未来を背負って欲しい、と思っていた。それが「アラブの未来」(未来のアラブ)といういささか大上段なタイトルになっているのである。(2017/06/09)


安倍政権を検証する
憲法改正議論 政府は「加憲」であると言っているが、検討4項目に緊急事態条項が含まれている  改憲の本丸は緊急事態条項 = 「壊憲」である
安倍首相が年内をめどに自民党の憲法改正案をまとめると報じられた件で、これまで報道では9条に自衛隊の地位を書き「加える」意味で、「加憲」であると伝えられている。しかし、自民党の方針では検討項目の4つの中に、緊急事態条項が含まれており、これは真正の独裁政治に道を開くものである。(2017/06/09)


安倍政権を検証する
国家戦略特区・養父市の問題を杉尾秀哉議員(民進党)が追及  「多額の使途不明金」と「社長兼副市長の辞職」
今、獣医学部を愛媛県の国家戦略特区で設立しようとしていた加計学園の件が国会で大問題に発展している。加計学園理事長の加計孝太郎氏が安倍首相の「腹心の友」であり、国家戦略特区諮問会議議長をつとめる安倍首相が友人に便宜を図ったのではないかという疑惑である。この第二次安倍政権が鳴り物入りで企画した国家戦略特区だが、現場で問題も出ているようだ。国会で民進党の杉尾秀哉議員が追及したのは兵庫県養父市のケースである。養父市のケースは「中山間の農業改革」がテーマである。(2017/06/08)


欧州
ロンドンでのテロを受け、テリーザ・メイ英首相がインターネット監視の国際協力を提唱 その驚くべき内容とは・・・・
オーウェルが「1984」で描いた恐るべき全体主義社会へとまた一歩近づいたと思われるのが、ロンドンでのテロ事件の後にテリーザ・メイ英首相が提唱したネット監視の国際協力である。メイ首相はその記者会見の場でインターネットの世界が過激思想の揺籃となっていることをあげ、監視を強化し国境を越えてテロ対策で協力することが大切だと述べた。こう言われると、一見もっともらしく、否定しがたい。しかし、英国の新聞インデペンデント紙が報じている内容によれば、英国では去年メイ首相が提唱した”the Investigatory Powers Act 2016 ”という法律があるそうだ。(2017/06/07)


コラム
パリのドゴール空港で遭遇した「テロとの闘い」の1コマ
6月1日の夕方5時過ぎ、飛行機に乗るためにパリ郊外のドゴール空港に列車で到着した。ところが、列車のターミナルから空港施設への改札口のドアが閉鎖されていたのだ。その向こうに空港職員5〜6人がこちらに背を向けて並んで立っている。私とともに到着した乗客たちは行き場を失い、その場に立ちどまって何が起きているかを知ることもできないまま、途方に暮れることになった。そして後から人がさらに列車で到着してとうとうすし詰めになってしまった。ところが、空港職員たちからの説明がないのだ。ドアのすぐ前にいる人が職員に質問していたが、後ろの人にはまったく聞き取ることもできない。(2017/06/06)


欧州
マクロン大統領の行政立法案  フランスの労働法の解体へさらなる弾みか  鍵は11日と18日の国会議員選挙
 フランスでマクロン大統領が就任していよいよその政策が始まろうとしている。まず、フランスの新聞で今、大々的に報じられているのが労働法改正案だ。労働法改正は昨年、国会で紛糾し、労働組合や多くの市民の抗議運動を巻き起こしながらバルス首相らが強硬手段で制定したのだったが、1年後の今、さらなる規制緩和が行われようとしている。(2017/06/06)


安倍政権を検証する
今も加計学園の(名誉)客員教授を続けていた萩生田光一内閣官房副長官  森ゆう子議員「バリバリの利害関係者じゃないですか」
森ゆう子議員(自由党)の参議院農林水産委員会での質問で、萩生田光一内閣官房副長官が過去に加計学園グループが営む千葉科学大学の客員教授だっただけでなく、現在も引き続き「名誉客員教授」という身分を継続していることがわかった。今、まさに大きな問題になっているのが加計学園が愛媛県今治市の国家戦略特区で獣医学部を52年ぶりに新設するために、「腹心の友」である安倍総理が文部科学省に圧力をかけたのではないか、という疑惑である。(2017/06/05)


国際
仏大統領選を振り返る  マクロン候補に2時間半質問を浴びせたメディアパール  
フランス大統領選は終わった。マクロン候補を筆者は支持していたわけではない。だが、日本の首相が国会や自分に批判的なメディアに対して予防線を張り、逃げ回り、質問に答えずはぐらかせるのが日常なことに対して、フランスではそうは問屋が卸さない。(2017/06/05)


国際
パリ  難民排斥的な記事を書いたパリジャン紙に対する抗議集会  ラシャぺル広場 
 パリ市の北東部に位置する19区、地下鉄のスターリングラード駅やジョレス駅周辺には昨年、難民キャンプが作られた地域だ。ソマリア、アフガニスタン、南スーダン、シリアなどからやってきた難民たちがここにテントを張って暮らしていた。昨年11月にパリ市当局から撤去を求められ、キャンプは解体された。しかし、今もこの周辺に難民が100人以上滞在しているようだ。行政当局は各地の難民収容施設に彼らを分散したのだったが、そうなってしまったら、なかなか難民認定の手続きにも苦労するし、フランス語のレッスンを受ける機会も得られないから、ということで再びこの地域に戻ってきた一部の人々がいるようである。(2017/06/05)


コラム
改憲項目「教育無償化」と安倍首相の地方大学改革論 〜税金を使って 学校を企業の研究・研修施設に改変か〜
安倍首相が憲法改正項目の1つに教育無償化を盛り込んだのは改憲のために国民にしゃぶらせる飴玉なのだろうが、その飴もどのような飴なのか、中身が気になる方も多いのではなかろうか。昨今報道された森友学園のような教育をされるのなら、むしろタダでも受けたくない人は少なくないだろう。(2017/06/04)


政治
フランス政治の新しい力  ” La France insoumise ” ( 服従しないフランス) その2
今月、投票が行われる国民議会の議員選挙にパリ市内(第10選挙区=パリ市南部の13区と14区にまたがる選挙区)から立候補しているレイラ・シャイビ(Leila Chaibi )さんのことを前回、簡単に書きました。シャイビさんが最も取り組むと言っている問題がパリや大都市部での住宅事情の悪化です。先日もパリ市内のマンション価格(中古住宅)が最高値を更新した記事が大々的に新聞をにぎわせたばかりです。不動産投機のため不動産価格が年々上昇している事態に歯止めをかけるということです。また、雇用の不安定化もシャイビさんが改善に取り組みたい大きなテーマです。雇用と家賃・住宅価格は人間が暮らす基盤で、大きなテーマです。これが脅かされているというのです。(2017/06/03)


政治
フランス政治の新しい力  ” La France insoumise ” ( 服従しないフランス) 
フランスではマクロン新大統領が誕生して、これまでの社会党と共和党の二大政党を中心にしたシステムが一夜にして崩壊してしまいました。マクロン大統領にとっては政策を実現する上で、6月に行われる国民議会(下院)選挙でも自ら立ち上げた政党" En Marche ! "からできるだけ多くの議員を出すことが重要になってきます。驚いたことに昨日のフィガロ紙では世論調査の結果、577人の全下院議員のうち、なんと320から350議席をマクロン氏のEn Marche ! が獲得して国会でも安定多数を占める、と書かれていました。とはいえ、これはマクロン氏を勝たせるための記事だ、という批判も何人かから聞きました。(2017/06/01)


国際
マクロン氏がLGBT情報誌の表紙に
今日、先進国ではLGBTと記されるゲイやトランスセクシュアルなどの性的なマイノリティの人々の政治力が増していて米大統領選でもゲイコミュニティのネットワークの力が無視できなくなっていると言われています。大統領選挙が行われたパリでも当選したマクロン氏はLGBT情報誌の表紙に取り上げられていました。(2017/05/24)


文化
プラシド展 〜 デフォルメの真実 〜コリーヌ・ボネ画廊 Exposition of Placid at Galerie Corinne Bonnet
イラストレーターや漫画家で同時に絵画も描く人がいるが、パリの14区にあるコリーヌ・ボネ画廊はそうした画家をよく扱っている。今、展示を行っている画家のプラシド(Placid) もそうした画家の1人で漫画集もたくさん出版してきた人である。プラシドの絵画を見ると、そこでは強烈なデフォルメが行われている反面、非常にリアルでもある。何がリアルなのか、と言えば表情である。(2017/05/21)


欧州
マニュエル・バルス前首相の造反  社会党からマクロン新大統領のEn Marche! へ     ところがマクロン新大統領が拒否
「左でもなく、右でもなく」をキャンペーンPRで打ち出して見事大統領の座を射止めた新党”En Marche!”(始動!)のエマニュエル・マクロン氏。フランス政界へのインパクトは大きい。筆者には日本の1990年代半ばにおける社会党から民主党への左派議員の移行を思い出させる。日本では中道政党・民主党が生まれ、旧・社会党議員が多数そこに移動した結果、かつて野党第一党だった社会党は今では非常に小さな政党になってしまった。その結果、日本の政界は大きく右に移行し、憲法改正を阻止してきた「3分の1以上を野党が占める」という体制がついに崩壊することになった。(2017/05/11)


欧州
フランスの政治を変えたい ジャーナリスト・映画監督のフランソワ・リュファン氏が国会議員選挙に初立候補  マクロン大統領の故郷アミアンで始まる熾烈な選挙戦  
新大統領も決まってほっと一息、と言う間もなく、フランスでは6月の国会議員選挙に向けた準備が始まっている。まずテレビのニュース番組ではマクロン氏が立ち上げた新しい政治グループ「En Marche !」(始動!)が国会議員候補をどう擁立するか、そしてまた大統領と同じ行政府の首相や閣僚には誰を選ぶか、こういった話題が報じられている。報道によると来月の国会議員選挙に「En Marche !」(始動!)から立候補するのは無名の新人が少なからずいるようだ。(2017/05/10)


欧州
マクロン勝利宣言の裏で 2  パリ市内4か所で13人に出口調査をしたら全員マクロン支持だった  村上良太
パリの大統領選挙決選投票。結果はマクロン候補が約66%、ルペン候補が約34%という結果でマクロン氏の圧勝となった。予測されていた通りの結果となった。フランスの大統領選挙の投票所は地域の小学校や市庁舎などが使われ、三々五々人々が投票にやって来る。市内4か所で筆者は今回の大統領選に対する投票者たちの考えを聞いてみた。驚いたことは13人、全員がマクロン候補に投票したと答えたことだ。(2017/05/08)


欧州
マクロン勝利宣言の裏で  反ラシスム(反人種差別主義)集会が開かれる  年々勢いを増す人種差別主義にどう立ち向かうか
パリ北駅から徒歩2分のラファイエット通りにあるバー「植民地」(la Colonie)。ここに5月7日、大統領選挙の夜、人だかりができていた。集まっていたのは北アフリカのマグレブ地方の移民やその二世、三世が多い印象だが、中東から来た人たちもいたかもしれない。集会は「反ラシスム(反人種主義)」の討論会だった。(2017/05/08)


欧州
大統領選挙前日に当選確実? エクスプレス誌の速さ
大統領選挙、決選投票を明日の日曜に控えるパリの街角、キオスクの壁には早くもマクロン勝利を思わせるポスターが。さすがはエクスプレス(急行列車)という名前だけのことはあります。とはいえ、選挙はまだまだ何があるかはわからない。(2017/05/07)


コラム
フランス大統領選  マクロン候補の故郷アミアンで「マクロン人形」を見た  
フランスでは大統領選の決選投票を日曜日に控えています。今日金曜のFigaro紙では5月3日のテレビ討論でマリーヌ・ルペン候補が決定的に劣勢になったと書かれていました。細かいことは不明ではありますが、Figaroの政治コラムニスト、ギョーム・タバール(Guillaum Tabard )氏によると、討論での敗因にはいくつか原因があります。1つは15000人規模の政治集会と1500万人の視聴者を前にした時(1500万人が視聴したようだ)の違いをマリーヌ・ルペン候補が理解していなかったこと、また第一回投票の前の討論会と第二回投票前の討論との性格の違いをマリーヌ・ルペン候補が理解していなかったこと。(2017/05/06)


文化
探偵ドラマから恋愛ドラマまで  インタビュー エリザベート・ブールジーヌ(女優)Interview : Elizabeth Bourgine ( actress )
 アメリカの文学界が生み出した代表的な私立探偵がフィリップ・マーロウだとしたら、フランスでは誰か。様々な意見があるでしょうが、候補の一人は作家のレオ・マレが生み出したネストール・ビュルマでしょう。ハードボイルドでありながら、ユーモアも込められており、フランスではファンが多く、映画化も繰り返し行われ、漫画にもなっています。俳優や漫画家を変えて代々受け継がれています。その1つ、映画「ネストール・ビュルマ ショックの探偵」に出演した女優のエリザベート・ブールジーヌさんです。(2017/05/03)


国際
トランプ大統領「適切な状況が整った場合に金正恩氏と会えれば私は光栄だ」
4月に空母カールビンソンが北上して一触即発か、という報道がなされ、東京では地下鉄が止まる騒ぎも起きた。とはいえ、トランプ大統領はTVインタビューで、適切な状況が整えば北朝鮮の金正恩氏と会見することは光栄である」と語った。これは突然の事態の急変だろうか。実際のところは前回日刊ベリタで報じたように、アメリカの朝鮮問題のエキスパートがすでにニューヨークタイムズで北朝鮮と交渉するならトランプ政権発足100日の期間が極めて大切で、それを逃すと格段に難しくなる、と予測していた。それを考えればカールビンソン北上情報(これはあとで嘘だったことが判明した)は交渉前のブラッフ(脅し)だったと言える。しかし、ブラッフが機能するためには万一の場合、発動する可能性を残しておくものだ。(2017/05/03)


政治
労働争議と共謀罪  フランス二月革命(1848年)以後の労働運動を振り返る  共謀罪は労働争議の防止が目的だった
今、政府が導入しようとしている「共謀罪」が本当に必要な法律なのか、多くの識者から疑問が投げかけられています。そもそも施行されればテロ対策とは無縁の相当たくさんの犯罪に共謀罪が適用されることになり、これまでの刑法を一夜にして変質させ、政府・警察の恣意的な運用を招く恐れが存在することにあります。共謀罪のような法律がなぜ今、制定されようとしているのか、時代的背景には外国人による「テロ」ではなく、むしろ国民の反政府運動の封じ込めにあるのではないか、と見ることもできると思います。(2017/04/30)


政治
社会党バルス前首相の「裏切り」 社会党のアモン候補に見切りをつけマクロン候補に投票 
フランスの大統領選は5月7日の決選投票に向けて動いている。とはいえ、報道はエマニュエル・マクロン大統領誕生の秒読みモードに入っていると言えよう。そして、話題はその先に向かっている。まずは第一回投票でブノワ・アモン候補の得票率が6%台と第五位に低迷した社会党である。ルモンドではアモン候補も、1月の予備選でアモン氏に敗れたマニュエル・バルス前首相(大統領選立候補控え、昨年12月にカズヌーブ氏に交代した)も、いずれにしても今後、社会党で生きていくにはなかなか厳しいものがあると報じた。(2017/04/30)


みる・よむ・きく
畑山敏夫著 「現代フランスの新しい右翼 ルペンの見果てぬ夢」(法律文化社)
フランスの大統領選で決選投票に進んだマリーヌ・ルペン国民戦線党首。2002年に父親のジャン=マリ・ルペン先代党首が決選投票に進んで以来の躍進となった。アンケート調査ではエマニュエル・マクロン候補が優勢と見られているが、それでもまだ最後までわからない。畑山敏夫著「現代フランスの新しい右翼 ルペンの見果てぬ夢」(法律文化社)はフランスの極右政党である国民戦線がいかに成長してきたか、その歴史をたどった貴重な一冊である。(2017/04/28)


コラム
今村復興大臣の失言の裏に潜むもの 〜福島、東北、沖縄 そして自民党改憲案〜
今村雅弘復興大臣がたび重なる失言で辞職することになった。その決め手となったのが東日本大震災を評した次のような言葉だったとされる。今村「これは、まだ東北で、あっちの方だったからよかった。もっと首都圏に近かったりすると、莫大な甚大な被害があったと思う。」この言葉は今村大臣の個人の思想を表している、というだけだろうか。(2017/04/28)


国際
トルコと共謀罪 国民投票で憲法改正が決定となったトルコ さらに約1000人が逮捕される 国民投票の不正疑惑封じ込めか
4月16日の国民投票で憲法改正派がきわどい勝利を得た。ところが、すぐに投票不正の疑惑が報じられた。それから10日とたなない昨日、1000人以上のトルコ人が逮捕されたと外国メディアで報じられている。容疑はアメリカに滞在しているギュレン師に連なっているからだとされる。ギュレン師は証拠も明示されないまま、昨年7月のクーデター未遂事件の首謀者と政府から指弾されている。また、ギュレン師に連なるという咎で9100人の警察職員が業務停止処分となった。ニューヨークタイムズによれば昨年夏のクーデター未遂以後、すでにおよそ45000人が拘束されている。(2017/04/27)


国際
フランス大統領選決戦へ 世論調査ではマクロン候補64% マリーヌ・ルペン候補36%
フランス大統領選は5月7日の2回目の決選投票に向かっている。フランスでの報道をウォッチしていると、世論調査が極めて正確に現実になっており、逆に言えばその見通しに対して波乱を起こすことができていないことでもある。左派にとっては社会党のブノワ・アモン候補が撤退せず、左翼党のメランション候補と票が割れて共倒れしてしまったことは、最初から予測できたこととはいえ、苦い思いを与える結果となった。19.5+6.3=25.8。これはネットで出回っているものだが、左派の2候補の得票率を合計した数字で、これだけあれば悠々トップで決戦に進めたのである。リベラシオン紙に公開書簡の形でアモン候補にメランション候補で1本化して欲しい、と訴えた哲学者のパトリス・マニグリエ氏の期待は実現されることがついになかった。(2017/04/27)


国際
サウジアラビアが国連の女性の権利向上委員会のメンバーに選ばれる  「ご冗談を」という声が世界で続く  実は日本も選ばれていた・・・
女性の権利を世界で最も抑圧している国の1つ、サウジアラビアがよりによって国連の女性の権利を向上させる委員会のメンバー国に選ばれたという。国連の監視グループが発したこのニュースがインターネットで流れると、あまりにも不可解かつ不条理だったため、「冗談か?」「本当のニュースなのか?」などと疑問視する声が相次いでいる。(2017/04/26)


コラム
貴族制社会への移行  身分の固定化と一定額以上の納税をした国民だけに選挙権が与えられる国に戻る可能性
国民には今後は選挙権はいらないでしょう、と若者が言ったのを聞いて衝撃を受けたことがありました。選挙権を持っていても政治家を選ぶ見識がない人々が圧倒的に増えてくると、衆愚政治の危機に陥るため、一定の見識を持つ人だけを選抜して、その人々による間接選挙にするべきだ、というのです。実際、今の日本では投票率も低く、また与党議員に見られるように憲法すら理解していないと思われる国会議員も少なくありません。このような国家になったのは国民が政治家を選ぶ力がないから、というのが彼の意見でした。そして、アメリカでもそのような考え方が少しずつ増えているのだそうです。去年の米大統領選を思い返せば、その発言にもリアリティがあります。(2017/04/25)


国際
フランス大統領選  投票傾向を「東西」で分けて考えるべきなのか  鍵はムスリム移民の経路
フランス大統領選の1回目投票で国民戦線のマリーヌ・ルペン候補を支持したのが大雑把に分ければフランスの東部、エマニュエル・マクロン候補を支持したのがフランスの西部という風に東西で分けて分析している人が何人もいるようだ。これはフランスメディアが配信する色分け地図をもとにしたものだが、東西で分けることに大きな意味があるのかどうか。中にはフランスの革命前後の革命勢力の地盤と保守勢力の地盤がこの東西に現れている、という学者の見立てもあった。ここで思い出されるのは2015年12月のフランス地方選挙である。地方選こそ如実に地域の支持基盤が見えるからだ。そして、「東部」と彼らが指摘している地域は正確に言えば地中海沿岸の地域圏、東部の国境に沿った地域圏なのである。つまり、ここは海から、そして鉄道で移民が大量に流入してくる窓口となっている地域なのだ。(2017/04/24)


コラム
フランス大統領選  ぶっ壊された社会党
昨日23日、フランスで大統領選挙の第一回投票が行われた。メディアですでに報じられている通り、今回の選挙では社会党と共和党という二大政党の候補が敗北を喫して撤退し、極右政党の国民戦線と選挙直前に生まれた新しい政治組織「始動!」の候補者による決選投票となった。マリーヌ・ルペン候補(国民戦線)とエマニュエル・マクロン候補(始動!)である。エマニュエル・マクロン候補はマニュエル・バルス首相が率いる社会党政権の経済大臣だった人物であり、一見左派に位置していたが、今回の成功のもとは社会党から出馬しなかったことだ。もう一つの意外なことは当初、社会党のトップ候補と目されていたバルス氏が社会党候補とならなかったことである。(2017/04/24)


国際
フランス大統領選 最新の出口調査ではエマニュエル・マクロン候補が首位、マリーヌ・ルペン候補が2位 
フランスの大統領選挙・第一回目の投票が行われた。フランスメディアRTBFの出口調査によると、首位はエマニュエル・マクロン候補で24%、2位がマリーヌ・ルペン候補で22%となっている。最新の出口調査の結果は以下の通り。(2017/04/24)


コラム
英紙ガーディアンは社説でエマニュエル・マクロン候補をフランス大統領に推した
欧米の新聞は日本の大新聞のような見せかけの中立主義に毒されていない。ニューヨークタイムズは昨年の大統領選で予備選の始まりの時点からすでに明白に民主党のヒラリー・クリントン候補を推薦すると社説で書き、繰り返し支持を表明してきた。一方、英国のジャーナリズムを代表するガーディアン紙は海峡を挟んだ向かいのフランス大統領選に関して、エマニュエル・マクロン候補を大統領に推す、と社説に記した。(2017/04/23)


国際
フランス大統領選  左派総崩れの可能性  社会党ブノワ・アモン候補に撤退してメランション候補(左翼党)で大同団結することを勧めた哲学者
フランス大統領選挙の第一回目の投票日は今度の日曜日、4月23日です。4月16日と17日に行われた最新のアンケート調査(11600人が対象)の結果ではエマニュエル・マクロン候補がトップを走っている。以下はトップ5候補の状況。マクロン 23% / マリーヌ・ルペン  22.5% / フィヨン 19.5% / メランション 19% / ブノワ・アモン   8%(2017/04/22)


コラム
新聞社の編集姿勢はまずは見出しに現れる  魂なき虚ろな見出しの群れ
朝日新聞のたしか「わたしの紙面批評」という欄だったように思うのだが、作家の中島京子氏が以前、こんなことを意見していた。新聞の見出しがとても大切だ、と。だから、人権が侵され得るような政治の問題は一面に大々的な見出しをドーンと掲げるべきじゃないのだろうか、と。そんな意味合いの言葉で、なるほど、その通りだと思った。(2017/04/21)


コラム
郵便局での会話
 先日、町の郵便局に用事があって、据え付けの机で住所などを書き込んでいると、後ろから会話が聞こえてきた。高齢の女性と受付窓口の女性の話で、別段他人の用事に関心を持つこともないのだが、そこで聞こえてきた話はどうしても耳についてきたのだった。窓口「今日、引き出されてお持ち帰りになる100万円のことで少しお聞きしたいんですよ。」(2017/04/20)


文化
ベルリンにたどりついた亡命俳優たちの劇団  "The Exil Ensemble ” ニューヨークタイムズ文化欄から 
ベルリンに中東からの難民によって構成された亡命劇団"The Exil Ensemble ”というのがあるそうだ。ニューヨークタイムズの文化欄の4月17日の記事”Refugees find home is a Berlin theater"(難民が見つけた住まいはベルリンの劇場だった)で読んだのだが、写真入りでかなり大きく取り上げられていた。ドイツ語だとどういう単語かわからないが、英語で言えば亡命劇団、とてもわかりやすい。俳優は男女7人で、出身はシリア、パレスチナ、アフガニスタンである。いずれも過酷に弾圧されたり、戦乱の最中だったりする地域だ。そして、今、上演しているのが「冬の旅」(Winterreise = Winter Journeyと題されたドキュメンタリー的なドラマだと言う。そこにはユーモアや笑いも盛り込んでいるようだ。(2017/04/19)


みる・よむ・きく
野村豊弘著「民事法入門」 (有斐閣アルマ)
有斐閣から出版された野村豊弘著「民事法入門」はちょっと感動ものだった。新書よりは少し幅が広いが全体に小ぶりな本の中に、民事法の基本が大変優しく解説されているからだ。民事法は民法や商法、そして民事訴訟法などのそれらの手続き法から構成されるのだが、筆者が法学部に在籍していた頃は民法も商法もそれぞれバラバラに学ぶだけで、全体を「民事法」という風に一望する勉強をしたことがなかった。卒業後に後悔しても仕方がないのだが、全貌をできるだけ初期につかむ、ということはその後の勉強にとってとても大切だ、と思う。(2017/04/17)


国際
トルコで憲法改正国民投票 エルドアン大統領の権力を絶大にする憲法改正派が優勢か "第一次大戦後レジーム”からの脱却を100年ぶりに狙う
4月16日、トルコでは憲法改正の国民投票が行われている。今回の改正はBBCなどの報道によればおよそ100年前のケマル・アタチュルクによる世俗主義と立憲主義への憲法改正を大きく変える国家大改造になる。そして一部の開票速報によると、改正派が54%と優勢になっている。(2017/04/17)


国際
ユナイテッド航空「引きずりおろし事件」に腕を競う世界の風刺作家たち
アメリカのユナイテッド航空でオーバーブッキングが発生してしまったために降りるのを拒否した乗客を無理やり引きずり出した事件は世界中に報じられた。とくに保安要員に無理強いされた男性が顔から幾筋も血を流していたことも衝撃を与えた。これに義憤を感じ、職業魂を刺激されたのが風刺漫画家や風刺ライターたちだ。さらにはプロだけでなく、様々な人々がこれを風刺しているのである。最初にこれに関して筆者が見たのは「ユナイテッド航空・訓練ビデオ」というテロップがつけられた映像だった。(2017/04/16)


みる・よむ・きく
安部直文著「全図解 日本のしくみ 政治・経済・司法編」(講談社インターナショナル)
講談社インターナショナルから出版された対訳形式のバイリンガルブックスシリーズは書店で目にされたことがある方も少なくないだろう。 「英語で読む日本国憲法」という対訳本もこのシリーズで出版されており、憲法と英語を同時に学べる貴重な本だった。だが、ウィキペディアによると、講談社のこの子会社は1963年に設立され、2011年4月末で解散となっている。残念だ。思えば筆者が対訳という出版形式に初めて触れたのは30年前の学生時代にカナダを旅してケベックの古書店でジャック・プレヴェールの詩集「パロール」を手にした時だった。(2017/04/16)


コラム
テロを表明する作家
排外主義で知られる作家の名前のアカウント名を持つ人物がツイッターで、もし北朝鮮のミサイルが日本に着弾して家族が殺されたら、テロ組織を作って日本国内の敵を潰していくといった内容を拡散している。この人には17万人のフォロワーがいるので、作家本人がそれを実行しようとしまいと、このメッセージに影響される人も出てくるかもしれない。(2017/04/15)


国際
第二次朝鮮戦争の可能性 平和条約交渉か、戦争か
 トランプ大統領が原子力空母カール・ビンソンを中心とする米海軍・第1空母打撃群をシンガポールから北朝鮮に向けて北上させていると報じられた。これを巡って、いよいよ金正恩氏が率いる北朝鮮政府を転覆させる作戦か、という見方も出ている。その場合、自衛隊が安保法制適用の最初の事例として米軍の後方支援を行う可能性も出てくるだろう。またその場合は日本の関連自治体も戦時体制に突入し、報道も統制されることになる。(2017/04/10)


政治
なぜ政府を監視するか  
日刊ベリタで筆者は政権批判をしていますが、特定の政党を筆者が支持しているわけではありません。まして特定の政党の党員でもありません。もし将来、民進党が政権を握ったら民進党をウォッチして問題があれば批判しますし、同じことが共産党でも社民党でも公明党でも維新でも言えます。それに批判している今の政権を別にすれば、自民党が特段、他の政党に増して嫌いと言うわけでもありません。(2017/04/10)


政治
イスラム原理主義と同根 自民党改憲案の政教分離原則の廃止(憲法20条改正案)
教会勢力が政治的権力を握って宗教迫害を行ったり、宗教戦争を行ったりしていたのは中世に留まらない。日本でも1945年まで国民は国家神道という宗教を強要され、神のために従軍させられ戦うことを強いられていた。中東のシリアやイラクで行われている戦争もイスラム教の宗派間の確執をもとにする宗教戦争である。このように政教分離原則を旨とする憲法のない国々では宗教戦争が起きうるし、宗教的迫害や宗教上の長老たちが政治を左右することがしばしば起きる。そして多くの場合、女性の地位は男性より圧倒的に低い。自民党の改憲案では近代を画したこの政教分離原則が取り払われることになる。日本が前近代社会に戻っていく、というのはそのことである。(2017/04/09)


国際
フランス大統領選 先頭に出た男エマニュエル・マクロン氏(元経済相・元金融マン) その経済政策は?
フランス大統領選で現在、BVAのアンケート調査でマリーヌ・ルペン候補と並び先頭に出ているのがエマニュエル・マクロン候補だ。オランド政権のマニュエル・バルス内閣で経済大臣を以前勤めていた人物で、もともとは金融界の出身である。社会党からの出馬を避け、自ら「En Marche! (始動!)」という政治グループを立ち上げた。ウェブサイトによれば支持者はすでに20万人に上るともいう。マクロン氏の経済政策はと言えば、もともと社会党ながら右派のバルス内閣が目指していたネオ・リベラル的な方向と基本的には同じのようだ。(2017/04/09)


国際
トランプ政権のシリアへのトマホーク攻撃  化学兵器は本当に空軍基地にあったのか? アサド政権の化学兵器使用は確かなのか? 
 新聞報道によると、シリアのアサド政権が今月4日、ホムス郊外のハーン・シェイフンで反政府派に化学兵器を使用したとして、地中海に停留する米艦がシュアイラ―ト空軍基地に向けてトマホークを59発打ち込んだ。米政府によると、この空軍基地に化学兵器が隠されている、ということである。だが、化学兵器を使用したのがアサド政権だったのか、またシュアイラート空軍基地に化学兵器が積まれていたのか、その証拠は示されていない。(2017/04/09)


国際
フランス大統領選 最新アンケート結果 マクロン元経済大臣と国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が23%で同率首位、その後ろに共和党のフィヨン候補と左翼党のメランション党首が19%と差を詰めて肉薄中 社会党のアモン候補は8%台に沈む
4月23日に行われる仏大統領選の一回目投票。フランス大統領選で誰に投票するかというBVAのアンケート調査の最新報告。あくまで抽出された少数によるアンケート調査結果に過ぎないが、1ポイント以下の端数を切り捨てれば、エマニュエル・マクロン候補とマリーヌ・ルペン候補が23%で同率首位。その後ろをフランソワ・フィヨン候補とジャン=リュク・メランション候補が19%につけて差を縮めていることに注目が集まっている。社会党のブノワ・アモン候補は8.5%と最下位に落ちその差も広がりつつあるようだ。(2017/04/09)


政治
義家弘介文部科学副大臣の教育勅語容認発言は森友学園に何らかの形で関係した総理と防衛大臣の責任問題への煙幕ではないか
  義家弘介文部科学副大臣が7日、衆院で幼稚園など教育現場で子どもたちが教育勅語を朗読することにつき「教育基本法に反しない限りは問題のない行為」と語った。これは今月冒頭に「憲法に反しない形でなら教材として使用してよい」とする答弁書を閣議決定したことと連動していると思われる。(2017/04/08)


文化
仏映画「河で眠る人」俳優パスカル・トゥルモさんにインタビュー  Interview : Pascal Turmo / acteur " Dormeuse Duval "
今、フランスで公開中のマニュエル・サンチェス監督の新作「河で眠る人」 " Dormeuse Duval "に出演した俳優のパスカル・トゥルモさんにインタビューしました。この映画はフランス東部国境地域アルデンヌ地方を舞台にしています。繰り広げられるのは初老にさしかかった夫婦のもとに若く美しい女性がパリから訪れ、波紋を投げかけます。一方、夫婦の妻を演じるマリーナ・トメ(Marina Tome)氏のロマンスの相手役を夫の友達でもあるパスカル・トゥルモ氏がつとめています。トゥルモ氏は映画よりも舞台を主に活動の場にしてきた俳優で、マリヴォー、シェイクスピア、モリエール、ホルヴァート、A・ミラーなどの芝居に出演しています。(2017/04/07)


コラム
「山田さんへの手紙」   劇作家ブレヒトはTVドキュメンタリーの先駆者だった 
山田さんはドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトの作品にどれくらい親しんだでしょうか。ブレヒトというと左翼演劇とか理屈っぽい、と思う人が少なくないと思います。そして今日は知っている人も少なくなっています。実はTVドキュメンタリーを先取りしていたのはブレヒトではないか、と思っています。ブレヒトは演劇の中に「報告」というスタイルを持ち込み、叙事的演劇という概念を確立したのです。叙事的演劇とは、こんな出来事があったよ、と報告者が観客に語りかけ、するとそれを再現的に演劇にしたドラマが始まって、次にまた、報告者がその後どうなったかを報告し、そしてまたドラマが続いて・・・・当時はまだTVがなかった時代で、演劇は今日のTVの役割を担っていたのです。(2017/04/06)


みる・よむ・きく
シェイクスピア作「ジュリアス・シーザー」 〜独裁政権の誕生前夜を描いた激動の傑作〜
今、世界では近代の市民社会が壊れかけ、各地で独裁者が再び生まれ始めています。こんな時、英国人は何百年もの間、ある芝居を見てどう自分が振る舞うべきか、考えてきました。それがこの劇、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」です。英国では政治家や外交官を目指す若者は学生時代にシェイクスピアを暗唱できるくらい読むのが伝統でした。わが国でも筆者が学生の頃は政治演説の見本として中学の国語の教科書に掲載されていたものです。「ジュリアス・シーザー」は古代ローマ史に材を取っています。(2017/04/03)


みる・よむ・きく
岡沢憲芙編「演習ノート 政治学」(法学書院)
法学書院が出版した岡沢憲芙編「演習ノート 政治学」は大学生向けのテキストのようだが、一般の人にとっても使いやすい政治学の一問一答形式の入門書である。政治と言えば曖昧模糊としてつかみどころがない印象を持つ人が多いだろうが、政治学という学問があるように科学の対象である。アメリカでは「ポリティカル・サイエンス」というようにサイエンスという言葉が科目についているのだ。初版は1982年である。(2017/04/02)


コラム
内閣答弁書<教材に教育勅語を否定せず>は森友学園に何らかの形で関係した総理と防衛大臣の責任問題への煙幕ではないか
昨日の朝刊で、安倍内閣が教育勅語でも憲法に反しない形でなら教材として使用してよい、という旨の答弁書を閣議決定したことが大々的に報じられました。多くのメディアでは戦前の憲法観に基づく道徳である教育勅語を教育に用いることの問題が論じられており、それはもっともなことだと思います。しかし、なぜ今、教材に教育勅語を否定しない閣議決定が出てきたのか。今この答弁書を安倍内閣が提出した動機こそ、大切ではないでしょうか。これは安倍総理や稲田防衛大臣らが昭恵夫人なども絡めて何らかの形で、教育勅語を児童に暗唱させていた塚本幼稚園を営む森友学園に関係していたことが背景にあると思われます。(2017/04/02)


政治
共謀罪(テロ等準備罪)を知りたければ昨年トルコで起きた”クーデター未遂”後の政府による野党、ジャーナリスト、教職員、裁判所判事らの一斉逮捕・粛清を参照しよう 
今、国会に内閣から提出され、いずれは強行採決の可能性もある共謀罪(テロ等準備罪)法案は戦前・戦中の軍国主義を後ろから支えた治安維持法と本質的には同じで、市民活動に対する危険性を帯びた法律案である。こうした事例を考える際に最も身近な事例の1つがトルコで昨年夏に起きたエルドアン政権に対するクーデター未遂事件の後に、事件を引き起こした軍人だけでなく、野党よりの新聞社・放送局、政治家、教職員、判事などが一網打尽に逮捕されたケースだと思う。(2017/04/01)


欧州
迫るフランス大統領選  国民戦線が初大統領を生むか、それとも?  テレビ討論会が始まる
 フランスの大統領選が1か月後に迫ってきた。フランス大使館によると4月23日に第一回投票。2週間後の5月7日に上位2名で決選投票が行われる。選挙運動期間はおよそ1か月間。これはアメリカの大統領選に比べると圧倒的に短い。しかし、任期は5年間とアメリカより1年長い。最終的に候補が確定するのは第1回投票に先立つ遅くとも3週間前の金曜日だという。「選挙運動は第1回投票に先立つ2週前の月曜日に開始し、投票日前日午前0時に終了します。」(フランス大使館のサイトより)現在の主な候補者。ブノワ・アモン (社会党連合)フランソワ・フィヨン(共和党連合)エマニュエル・マクロン(前進) マリーヌ・ルペン(国民戦線)ジャン=リュク・メランション(左翼戦線=左翼党・共産党)(2017/03/28)


みる・よむ・きく
大下英治著 「安倍官邸『権力』の正体」   安倍政権の4年間を振り返る
大下英治著「安倍官邸『権力』の正体」(角川新書)は安倍首相を含めて安倍政権をべた褒めした本である。しかし、同時にそこには第二次安倍政権を支えた人間が誰で、それぞれがどういう風にチームワークを築いていたかがよく書かれていて大変興味深い。特に第二次安倍政権の知られざる特徴である「内閣人事局」を作って高官をわしづかみにできた経緯を書いていることも本書の功績だろう。(2017/03/26)


政治
国会と内閣  与党議員に三権分立の意識はあるのだろうか?
日本は三権分立を基本原理としていると学生時代に習ったが、目を疑ったのが23日の森友学園・籠池理事長の証人喚問だった。この時、質問に立った自民党の西田昌司議員や葉梨康弘議員、公明党の竹谷とし子議員、日本維新の会の下地幹郎議員らは籠池氏の信憑性を問う質問に全力投球しているように国会中継で見えた。彼らが連立与党の議員であることや与党よりの政党の議員であることを考えれば安倍首相夫妻に弓を放つかのような籠池氏の言動を叩いて政府を守ろうとする動機があることは想像でできる。しかし、たとえ彼らがどの政党に所属していようと、彼らの身分は第一義的には立法府の国会議員であり、行政府に位置する内閣の一員ではないはずだ。(2017/03/26)


政治
辻元清美議員の視点  証人喚問から見えてきた「公務」 
安倍昭恵氏が森友学園の土地取得に関わっていたかについては、国会で議論を呼んでいる。23日に行われた森友学園の籠池理事長の証人喚問ののち、民進党の辻元清美議員は「改めて、昨日の証人喚問から引き出された問題点を整理する」と題して、ブログに書き記しているが、興味深い記載の1つが以下のくだりである。 辻元 「塚本幼稚園の講演やスキーに職員が同行したこと、これまで1名・非常駐だった『総理夫人付き』が、第二次安倍政権になって突然5人(うち2人は常駐)になったことについて私は追及してきました。私が出した質問主意書に対する答弁などで、政府は以下のように答えています。・・・(2017/03/25)


政治
内閣が提出の ”共謀罪” 法案  衆議院のページでは23日現在で未だ本文が未掲載  「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」
衆議院や参議院、そして内閣が提出して国会で審議される法案は国会のホームページで読むことが可能です。共謀罪は内閣が提出した法案。そこで内閣の欄を見ると、上の方から順番に提出法案が並んでいます。共謀罪は3月21日に受け付けられたようです。名称は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」のようです。(2017/03/23)


みる・よむ・きく
黒沢久子氏のシナリオ 「お父さんと伊藤さん」  現代の名作
月刊誌シナリオ(2016年11月号)に掲載された黒沢久子氏の脚本「お父さんと伊藤さん」は身近な話ながら、骨太の骨格を持つ傑作だ。シナリオ誌の表紙には年齢は少し異なるもののいずれも中高年の二人の男にはさまれた若い女性の写真が掲載されている。男はリリー・フランキーと藤竜也で、女は上野樹里である。(2017/03/22)


政治
共謀罪(テロ等準備罪)とスパイ奨励 &司法取引
  ネットで赤旗を読んで知ったのだが、今、準備されている共謀罪(テロ等準備罪)にスパイ奨励条文が盛り込まれたという。戦前の治安維持法で多用された思想弾圧の切り札だというのだ。これは看過できないと思えるので、以下に少し引用したい。「明らかになった共謀罪法案では「実行に着手する前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除する」という自首減免規定があります。戦前の弾圧法規である治安維持法も第6条に「罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除ス」としていました。この規定を利用して、多くのスパイが日本共産党に潜入し、スパイの密告と手引きで多くの活動家が逮捕されました。」(赤旗 3月19日)(2017/03/20)


政治
ヨーロッパ人と安倍首相  日欧に共通することは政治の私物化に対する市民の憤り
安倍首相が19日、ヨーロッパに向けて旅立った。訪問先はドイツ、フランス、ベルギー、イタリアの4か国。今、欧州連合は経済だけでなく、統治の面でも危機に直面している。この危機が顕在化したのは昨年、英国が欧州連合離脱を決めた時だった。この時、マスメディアの報道では概ねイスラム系移民の流入に対する危機感から、英国が欧州連合離脱を決めた、という論調が伝えられた。さらに、フランスなど大陸諸国でも反ムスリム移民という観点から極右政党の伸長が報じられてきた。欧州各地の極右政党はナショナリズムを掲げるという点で安倍首相に近い。だから一見、安倍首相は欧州の現在のトレンドと同調しているように見る人もいるかもしれない。しかし、それは一面の見方ではないか、と私は思う。(2017/03/20)


みる・よむ・きく
詩人ランボーに魅せられた個性派映画監督の新作 “La DorMeuse Duval” (河で眠る人) マニュエル・サンチェス監督にインタビュー Interview : Manuel Sanchez (réalisateur )
フランスというとパリやマルセイユ、リヨンあたりがすぐに頭に浮かぶと思いますが、ベルギーとの国境地域に広がるアルデンヌ地方も素晴らしいところです。自然が残り、白鳥や鴨が浮かぶ美しいムーズ河が流れています。詩人ランボーの故郷もこの地域です。アルデンヌ地方に長年住み着いて活動しているフランス人の映画監督の夫婦がいます。マニュエル・サンチェス(Manuel Sanchez)監督とシナリオライターのミュリエル・サンチェス(Muriel Sanchez)さんです。二人はランボーの詩に着想を得た新作映画“La DorMeuse Duval”(河で眠る人)を作ったばかりです。いったい、どんな映画なのでしょうか?(2017/03/19)


政治
国家戦略特区と安倍首相のブレーンたち 新浪剛史氏と竹中平蔵氏、そしてオリックス 
今治市が国家戦略特区に指定され、52年ぶりに獣医学部が新設されることになった。公募に応じたのが安倍首相の「腹心の友」加計孝太郎氏の営む加計学園だけだったことがわかった。国家戦略特区を決める「国家戦略特別区域諮問会議」の議長は安倍晋三首相その人である。「新潟市 革新的農業実践特区」には安倍首相の率いる「産業競争力会議」の民間委員だったローソンの新浪剛史 CEO(当時)に関わりのあるローソンが参入している。安倍首相に近い人が関係する企業が国家戦略特区に参入しているケースはさらにまだある。国家戦略特区に指定された兵庫県養父市である。(2017/03/18)


政治
今治市の獣医学部新設で話題になっている「国家戦略特区」とは?  中核は農業の規制撤廃か
話題になっている今治市での新たな獣医学部新設は「国家戦略特区」に指定されたことよって52年ぶりに実現した。では国家戦略特区とはいったい何だったのか。改めて振り返ってみると、その目的は官邸によれば「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、国家戦略特区を突破口に、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていきます」とされる。つまり、特定の地域を規制緩和、あるいは規制撤廃のモデルにする、ということである。(2017/03/17)


政治
萩生田光一内閣官房副長官と加計学園と安倍首相夫妻 そして二人の文科省官僚OB
萩生田光一衆議院議員(自民党)はホームページにも記載していることだが(3月17日現在)その経歴に「千葉科学大学客員教授」とある。千葉科学大学と言えば岡山県に本部を持つ加計学園グループが営む大学である。理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の親友である。安倍氏は「腹心の友」と加計氏との間を表現してきた。(2017/03/17)


政治
総理大臣には憲法尊重義務がある  国民は「臣民」ではない
 安倍首相は憲法改正運動の中心に位置する政治家の一人である。日本国憲法ではダメだ、というのが安倍首相の考え方であり、日本国憲法が基盤となった「戦後レジーム」からの脱却を政治の目標としてきた。しかし、いかに政治家としての信念があろうと、日本国憲法のもとで首相になっていることに変わりはない。日本国憲法は法律よりも上に位置する最高法規である。そして憲法99条はこう述べている。(2017/03/17)


米国
4月に米副大統領マイク・ペンス氏来日 オバマ後のアジア政策のゆくへ  U.S. Vice President Mike Pence will come to Japan next month
来月、米副大統領のマイク・ペンス氏が来日する予定だ。アジアへの旅の一環でインドネシアにも赴くという。米紙の報道では欧州からアジアに重心を移したオバマ大統領時代から、トランプ政権になってどう変わるのかがうかがえる機会になりそうだ、という。(2017/03/15)


コラム
ワイマール憲法とナチス党の憲法観を両論併記するか?
近年、新聞や放送局では両論併記というものが盛んになっています。これは「中立性」を意識したものではないか、と考えられます。しかし、中立性とはいったい何でしょうか。たとえてみたいと思います。唐突ながら1932年のドイツだったとここでは仮定します。(2017/03/15)


政治
文科省官僚が退官後、加計学園の理事になっていた。一人は第二次安倍内閣の内閣官房参与となる
3月8日の国会答弁。衆院・文部科学委員会 。民進党の福島伸享氏の質問で文科省の官僚2人が退官後、加計学園の理事になっていたことがわかった。(2017/03/15)


みる・よむ・きく
ギュンター・グラス作 「ブリキの太鼓」
大阪の塚本幼稚園の児童が軍艦マーチを奏でている映像を見た。若い女性の先生が溌剌と指揮していた。ドラムを叩いている子供が前の方に立っていた。それを見ていると「ブリキの太鼓」という小説が思い出された。作者はドイツ人のギュンター・グラスだ。第二次大戦前夜のポーランドの港町ダンツィヒがナチズムに染まっていく時代をブリキの太鼓を叩く超能力使いの少年を主人公に描いた物語である。「ブリキの太鼓」は1959年に世に出た。同年、日本人として最初にグラスと対談し、記事を日本の文芸誌に寄稿した岩淵達治氏によると、この小説はドイツで戦後「最初の」小説、という風に受け取られたと言う。(2017/03/14)


政治
連戦連勝を支えた首相のメディア対策チーム  この危機を乗り切ったら現代史に名を残すだろう 
安倍首相のメディア対策チームは世界的に見ても最も成功したエキスパート集団かもしれない。2012年12月に安倍政権が発足して以来、アベノミクスを大々的に打ち上げ、好景気を演出し、アメリカのノーベル賞経済学者らの支持も取り付けて大々的にメディアでアピールした。2011年の東日本大震災と福島原発事故の痛手でしゅんとしていた日本人にとっては久々に打ちあがった花火のように見えた。(2017/03/11)


社会
仏「50歳の女優のトンネル」(l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)が家族・児童・女性の権利担当大臣主催の男女平等推進コンテストに参加 インターネット投票部門で最高賞
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!とパリの俳優たちが自ら立ち上がった社会運動「50歳の女優のトンネル」(l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)について以前、リーダーである映画女優、マリーナ・トメ(Marina Tomé )さんのインタビューを掲載しました。50歳から65歳までの女優が仕事を干され、あるいは仕事にありついたとしても簡単な型にはまった仕事が中心、ということを是正するために女優たちが自ら立ち上がったのです。その時、トメさんは家族・児童・女性の権利担当大臣に活動を知ってもらうことで、この問題をより多くの人に知ってもらい、是正するための動きを加速したいと言っていました。(2017/03/10)


コラム
「生きる」と偽善 
 昨年11月にTBSのドキュメンタリー番組の草分けだった吉永春子氏が亡くなった。85歳だった。私は30代のほぼ10年間を吉永氏にテレビ番組のプロデュースをしていただいたので、葬式に出かけることになった。生前は厳しい人であったので、亡くなったと知っていてもお棺の中からむくっと起きだして何か怒り始められるのではないか・・・と電車で向かいながら少し怖かった。吉永さんは毎日、夕方5時頃になると会社で企画会議を始めるのだが、そのためには毎日何か新しい企画を提出するか、前に提案したものの進展状況を説明しなくてはならなかった。企画を通すのは難しかった。(2017/03/10)


みる・よむ・きく
河合弘之監督 「日本と再生 光と風のギガワット作戦」
原子力産業の構造的な問題をドキュメンタリー映画「日本と原発」で描いた弁護士の河合弘之氏が再びメガホンを取った。その新作が現在、上映中の「日本と再生 光と風のギガワット作戦」だ。今回は風力や太陽光、地熱など自然のエネルギーを活用した新しいエネルギーに切り替えている自治体をドイツ、デンマーク、米国、中国、中東、日本など様々な場所に河合氏自ら足を運んで見つめていく。そして、環境エネルギーに詳しい飯田哲也氏が河合氏に同行している。テンポは非常によい。(2017/03/08)


コラム
フランス文学界を風刺するミステリ「良い作家とは死んだ作家だ」(ギョーム・シェレル作) "UN BON ÉCRIVAIN EST UN ÉCRIVAIN MORT" Guillaume Chérel
「良い作家とは死んだ作家だ」これは今、フランス文学界でちょっとした話題になっている小説である。原題は”UN BON ECRIVAIN EST UN ECRIVAIN MORT”で作家はギョーム・シェレル(Guillaume Cherel )。昨年売り出して、すでに1万5千部を売ったというのだから、フランスではヒット作と言ってよいだろう。作品はジャンルとしてはミステリだけど、向こうでは”パスティーシュ”とも言っているようだ。この作品が話題になっているのはフランスの流行作家たち10人をモデルにしたパロディ作品になっていて、彼らがある僧院で行われる文学討論(「文学と近代性」とか・・・まぁ、立派なテーマである)のために召集をかけられて、殺されていく物語であるからのようだ。(2017/03/07)


コラム
新聞社は識者を集めた紙面審議会などより、自社の記者同志で首相との会食や記者クラブ報道の是非を論じるべきではないか
ニュースポストセブンの記事「安倍首相と記者クラブ 『赤坂飯店の夜』全真相」によると、やはりあの晩、安倍首相から森友学園の問題に関する話があった。2月27日の夜、安倍首相が赤坂飯店に内閣記者会に所属するマスメディアの記者たち(キャップら)を集めて、中華料理の懇親会を開いていた件である。記事によると、大手新聞政治部の記者はこう説明したそうだ。「キャップの話では、最初はもっぱら森友学園問題の釈明。総理は疲れた様子で『カネのやり取りとかやましいことは全くない』と内容は国会答弁の繰り返し。・・・」(2017/03/07)


政治
連戦連勝の自民党にとって難しい時期 安倍政権続投のリスク
連日、森友学園を巡る疑惑で国会での質問が首相に集中し、求心力が低下している安倍政権。安倍総裁を抱える自民党にとっても2012年以来の正念場だろう。疑惑が晴れ、次期選挙でも安倍総裁で連戦連勝を続けることに賭けるか、あるいは再悪の場合、2009年の再来が起き、野党に大敗して少数政党に再び甘んじるか。腰を据えて安倍首相と運命を共にするか、どうか。(2017/03/01)


文化
音楽にかける青春  富士山の麓でのコンサート   ルドミラ・パヴロヴァー(バイオリン奏者) Ludmila Pavlová ,violinist
2年前にインタビューしたチェコの若いバイオリニスト、ルドミラ・パヴロヴァーさんは来日公演を希望していましたが、このたび、願いがかなってとうとう実現しました。静岡県で10回のコンサートを行うためです。前回のインタビューでも少し触れましたが、コンビを組んでいるピアニストのスタニスラフ・ガーリン氏、そしてチェロ奏者のペトゥル・マリスク氏と3人でトリオを組んでの来日公演でした。オールビス三重奏団(Orbis Trio)という名前です。(2017/02/28)


コラム
マスメディアは自社の幹部が中華料理屋で首相と何をやっていたのか、まずそれを書くことから
昨日、IWJやその他多くの市井の人々の情報発信によって首相が赤坂にある中華レストランでマスメディアの幹部たちと夕食会を行ったことが分かっています。今、首相は国会でその疑惑が追及されている通り、大阪の森友学園が開校する予定の国粋主義思想を基礎に教える小学校に、安倍首相が何らかの関与をしたのではないか、と疑いがもたれています。その真実は国会の場での国会議員による追求だけでなく、ジャーナリズムによって明らかにされていくべき性質のものでもあります。ところが当該、「第四の権力」とも言われるジャーナリズム企業の幹部の人たちがこの時期、首相と夕食をともにする、というのはどのような理由なのでしょうか。(2017/02/28)


みる・よむ・きく
加藤周一著 「日本文学史序説」
加藤周一について筆者が初めて知ったのは高校時代に国語の教師から加藤の代表作の1つである評論「雑種文化」について聞いたことでした。「雑種文化」の骨子は〜高校時代に読んだ時の記憶によりますが〜日本文化にはその起源より様々な多様な要素が詰め込まれているということでした。もともと無文字社会だった日本人が中国の文字を導入して書くことを始めた、という歴史の中に日本文学が日本語と中国語との間で長い歴史の中でその関係の中で物語を紡いできたことに他なりません。このことは事実であり、現在の中国共産党政権の良しあしとは無縁のことです。現在、英語が学校により初期から組み込まれようとしていますが、これが何をもたらすのか、そのヒントも日本の歴史の中にあるのではないでしょうか。(2017/02/26)


文化
大富豪に対する失業家族の闘いを描いた「メルシー・パトロン!」がセザール賞(最優秀ドキュメンタリー映画賞)を受賞 フランソワ・リュファン監督
フランスでセザール賞の発表があり、最優秀ドキュメンタリー賞にフランソワ・リュファン監督の「メルシー・パトロン!」が選ばれた。この映画は報道によれば50万人の観客を動員した異例のヒット作となった。だが、それだけでなく、大富豪と闘う失業した労働者の家族のために監督自ら出演して知恵を貸し、ともに闘う映画として、フランス人に勇気を与えた。立ち上がれば政治は変えられる、という思いを抱かせ、2016年は1968年以来の政治の熱い季節となった。(2017/02/25)


文化
「闇の国々」はこうして生まれた ブノワ・ペータース(漫画脚本家) Sur « Les Cités obscures » et la bande dessinée franco-belge Benoît Peeters
谷口ジローと親交が厚かったフランスの漫画脚本家・作家のブノワ・ペータースさん。ペータースさんが作画家のフランソワ・スクイテンさんとのコラボレーションで生み出したバンドデシネ(BD、漫画)「闇の国々」は1982年以来、13冊が出版され、谷口ジローも一目置いていたという作品です。欧州のバンドデシネ(漫画)の歴史はこの作品なしにしては語れないほど大きな影響を与え、今日に至っても国境を越えて漫画家たちにインスピレーションを与え続けています。今回、ブノワ・ペータースさんに「闇の国々」が生まれた経緯や作品が生まれた背景にあるベルギーの漫画文化についてお聞きしました。(2017/02/25)


文化
「谷口ジローの思い出」ブノワ・ペータース  "Souvenir de Jirô Taniguchi " Benoît Peeters
先日亡くなった漫画家の谷口ジロー氏を悼む人は日本だけでなく世界にたくさんいます。日本でも翻訳出版されているフランス=ベルギー漫画の傑作「闇の国々」シリーズの脚本を書いているブノワ・ペータース(Benoit Peeters)さんもその一人です。フランスで出ている谷口ジローの追悼記事の多くにペータースさんの話が出ています。実はペータースさんは谷口ジローと、ともに漫画の世界の作家として、長年、非常に深い交友を重ねてきた人でした。そんなペータースさんに谷口さんとの思い出をおうかがいしました。(2017/02/24)


コラム
書店が町から消えて  
 私の住む町から書店が一軒もなくなって何年になるだろう。気がつくと隣の駅前からも書店が消え去った。新刊書店だけじゃなくて、古書店も、レコード店も、レンタルビデオ屋もなくなった。今あるのはチェーンの食べ物屋とスーパーマーケット、理髪店、酒屋、スポーツジム、歯科医などである。文化的なソフトを扱う店がなくなった、ということはそうしたものに庶民がお金をかけられなくなっていることを意味するのだろう。そのことと、インターネットの興隆やスマートフォンの普及は符合すると思う。一人一人が使う通信費代がもしなかったとしたら、本やレコードを買っていた金額にほぼなるのではなかろうか。その一方、書店や古書店やレンタルビデオ店などは急行が止まる鉄道の分岐点の駅に逆に集中している。(2017/02/24)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会  金融企業のロビイ活動に便宜を図っていた政治家  利益相反の問題へ  ソフィー・ティシエ 放送ジャーナリスト (Sophie Tissier , Journalist )
フランスで政治腐敗を追求する動きが急速に活発化しています。韓国と同じく、フランス各地でも政治に絶望していた市民が、政治家たちの腐敗を許すまじ、と集結して政治文化の刷新を求めています。その運動に参加している放送ジャーナリストのソフィー・ティシエさんにお聞きしました。「これは政治の腐敗に反対する市民の運動です。今、次の集会に向けて動いているんですよ。これは大きな1ページとなりました。というのもこの間の日曜日の反政治腐敗の集会はフランス全国40か所で行われたのです。パリでは3000人が共和国広場に集まりました。次の終末、日曜日も続ける予定です。」(2017/02/23)


政治
報道機関もテロ等準備罪(共謀罪)の対象となりえる 報道を萎縮させる拷問と自白のセット = 改憲案では「拷問の絶対禁止」が欠落
国会答弁で法務大臣がテロ等準備罪(共謀罪)に関して一般市民も対象となりうると説明したことは記憶に新しいところです。市民組織であってもいつでもテロを行いうるから、テロ組織になりえるから、という判断でした。ということは、つまりは労働組合や政治活動をしている市民組織だけでなく、報道機関も対象になりえます。戦前・戦時中に政府に抵抗する者を一網打尽にした治安維持法は今回のテロ等準備罪がモデルにしている法律と言えると思います。その実例は戦前の治安維持法の歴史の1つ、横浜事件のケースを見れば明らかです。(2017/02/23)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会 新しい政治文化への道  ”Rassemblement contre la corruption des élus” 
2月19日にパリの共和国広場で行われた政治腐敗に対する集会集会は多くの市民が集まり、立錐の余地もないほどだったようです。この共和国広場は四方に大きな道路が通っていて交通の要所です。そのため、市内のデモ行進のあとに、ここに集まって集会を開くことがあります。公共の広場は市民の言論の自由や集会の自由にとって大きな意味を持った場所です。この日、シンガーソングライターのオリビエ・エベール(Olivier Hebert )さんも参加しました。オリビエ・エベール「僕が思うに、この集会は始まりということだ。人々が政治を倫理的なものに改めるために、政治家の行動や規則を確立しようとしているんだ」(2017/02/22)


政治
森友学園・籠池泰典理事長の参考人招致を要求 共産・宮本岳志議員 
今、疑惑で話題になっている大阪市内の森友学園への国有地払い下げ問題で、共産党の宮本岳志議員が衆院財務金融委員会で財務省の理財局長に質問を行い、事の経緯をただしています。< 宮本氏は、「国民の財産である国有地を、ただただ値引きして売ってやったということだ」と批判し、事実の解明のため籠池理事長を参考人として招致することを要求。御法川信英委員長は「理事会で協議する」と答えました。>(赤旗)(2017/02/22)


文化
エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロと大阪、そして春 パトリス・マニグリエ(哲学者)”Eduardo Viveiros de Castro, Osaka and Sakura ”Patrice Maniglier
パリ大学ナンテール校で哲学の教鞭をとる哲学者、パトリス・マニグリエ准教授が来日します。大阪でエドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ(Eduardo Batalha Viveiros de Castro)の人類学に関するシンポジウムが行われるのです。「クロード・レヴィ=ストロースは『人類学は人類全体規模における人間主義である』と言った。あるいは、こうも言い替えられよう、『地球規模における』と。哲学も世界中に広がっている。そういうわけで、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロによって提唱された(新しい)人類学により、地球上の様々な場所で人類学の新しい方向づけが試されるのだ、と言っても決して言い過ぎではないであろう。」(2017/02/21)


欧州
政治家の腐敗に反対するパリの市民集会「腐敗政治家を黙認する有権者は共犯だ」”Rassemblement contre la corruption des élus”  
昨日19日、パリの共和国広場で政治家の腐敗に反対する市民集会が開かれました。参加したシンガーソングライターのオリビエ・エベールさんの写真です。政治家は市民が腐敗を黙認する限り、支持されていると勘違いするのではないでしょうか。エベールさんが広場で撮影した写真の中に、ファシズムを風刺した英国の作家ジョージ・オーウェルの言葉が書かれたものがありました。(2017/02/20)


コラム
画家とグローバリゼーション
グローバル資本主義のもと、先進工業国の様々なメーカーは工場を労賃の安い新興国や発展途上国に移してきた。日本でもフランスでもアメリカでも工場はメキシコや中国や東欧やアフリカ諸国に移転されていくという大きな流れが出来てきた。では、この流れは絵画という「商品」を描いている画家の世界ではどうなんだろうか。少なくとも自動車産業や家電産業や服飾産業などに比べると、そのような大きな流れはないように見える。(2017/02/20)


文化
ネット時代の現代に氾濫する不安と絵画 インタビュー: ブラン・ルノー(画家) Brann Renaud ( peintre)
パリで活躍している画家のブラン・ルノー氏は一見、何気ない肖像画や風景画に見えて、実はその中に彼の独特の想像を加えて、絵画的光景を再構築しています。その不可解な変化に見る人は注目することになりますが、簡単に答えは出てきません。むしろ、答えを拒み続けるようでもあります。インターネット時代には検索すれば簡単に答えの言葉が10も100も出てきますが、彼の絵画はそうした情報の回路とは異なる回路へ私たちを誘っているかのようです。そんな画家のルノーさんにインタビューしました。(2017/02/20)


社会
無料で日本の法律や憲法を検索する方法 「総務省法令データ提供システム」 様々な特別法もこれでOK
「六法全書」は民間でも出版されていますが、法学部の学生や専門家以外の人には価格的にハードルが高い値段です。紙の全書にはその値段に見合った値打ちがありますが、家庭に持っていない場合は総務省のデータベースが無料で利用できます。1ヶ月前までに施行された法律は法改正された条文の修正を加えた上で、アップデートされて入力されています。憲法も法律もその他の様々な法令もデータベースにあります。以下のリンクがそうです。(2017/02/20)


米国
アメリカの警察による殺人  ジェローム・カラベル(カリフォルニア大学バークレイ校 名誉教授) “Police Killings Surpass the Worst Years of Lynching, Capital Punishment, and a Movement Responds ” By Jerome Karabel  
 2008年の大統領選で黒人系のオバマ大統領の勝利が告げられた時、アメリカの黒人社会には感動と涙、そして一種の陶酔(ユーフォリア)が広がっていくのを見ました。しかし、それから7年後の2015年、アメリカでは黒人が警察に殺される事件が続き、怒った黒人たちと警察隊の激しい衝突が起きたのは記憶に新しいことです。以下の論考はカリフォルニア大学バークレイ校のジェローム・カラベル名誉教授(社会学)によるもので、2015年に発表されました。アメリカの警察によって殺された人々の分析です。(2017/02/19)


みる・よむ・きく
本山美彦著 「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」  
本山美彦著 「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」を初めて手にしたのは2007年の頃で、本書が出版されてまだ間がない頃だった。副題は「米国の対日改造プログラムと消える未来」。タイトルはセンセーショナルなものだ。岩波でも、成文堂でもなく、ビジネス社という出版社から出ている。バブル経済が崩壊した1990年代以後、長銀が消滅して外資に売却されたり、巨額の負債を負った日本企業がハゲタカファンドに買収されたり、規制緩和されたり、郵政が民営化されたりと様々な変化が起きた。その後、非正規雇用が当たり前になり、全労働者の40%にまで広がっている。(2017/02/19)


欧州
政治家の腐敗に反対する市民集会  法令順守を求めるパリ市民  ”Rassemblement contre la corruption des élus”
2月19日(日)、今日、パリの共和国広場では市民集会が開かれます。”Rassemblement contre la corruption des elus”(選挙で選ばれた人々の腐敗に反対する市民集会)です。午後3時から7時までの予定です。これについて教えてくださった歌手のオリビエ・エベールさんに尋ねました。(2017/02/19)


米国
「大いなる幻影:流動性、不平等とアメリカンドリームについて」ジェローム・カラベル(カリフォルニア大学バークレイ校 名誉教授)”Grand Illusion: Mobility, Inequality, and the American Dream” By Jerome Karabel
カリフォルニア大学バークレイ校で社会学の教鞭をとってきたジェローム・カラべル名誉教授はハフィントンポストなど多くのメディアに論考を書いてきました。最近、とくに注目されるのがビル・クリントン大統領時代以後の民主党の変質です。民主党がかつての労働者の政党から富裕層にフレンドリーな政党に変質してしまったというのです。今回、ここにカラべル教授の許可を得て訳出した一文はアメリカの二大政党に対する歯に衣着せぬ批判で2012年の大統領選の時に書かれたものです。しかし、今日もまったく内容は古びていないと思われます。(村上良太)(2017/02/18)


米国
フリン補佐官を辞職させたローガン法 昨年11月の安倍ートランプ会談の場合は? Logan Act and Abe -Trump meeting in Nov. 2016
トランプ政権の船出の最初の大きなつまづきとなったマイケル・フリン安全補保障補佐官の辞任問題。アメリカなどのメディアで問題となった理由はローガン法違反とみなされるからだと解説されています。このローガン法というのは条文を読むと、私人が政府の許可なく外国政府やその代理人などと外交交渉的なことをしてはいけないとする趣旨の法律です。(2017/02/17)


コラム
マスメディアは自社の幹部が寿司屋で首相と何をやっているのか、まずそれを書くことから
主要な大新聞には政治部や経済部以外に社会部があり、社会で起きている様々な事象を追いかけている。メディアの戦後史を取材しているチームもある。メディアの取材班に限らず、社会部と名の付くチームが仮にもあるならば、読者に伝えるべきは自社の幹部が寿司屋や高級レストランで首相と何を話し合ってきたのか、ということではなかろうか。それとも寿司屋の会食では極秘の外交情報や防衛機密が話し合われるから、特定秘密保護法に抵触するとでも言うのだろうか。(2017/02/17)


欧州
「欧州議会がカナダとの自由貿易協定 CETAを締結 〜問題の1つが内分泌攪乱化学物質の規制緩和〜」CETA will deregulate endocrine disrupting chemicals in EU ニーナ・ホラント  Nina Holland ( CEO)
欧州連合本部の政策決定機関にどのように産業界のロビイストが浸透して密かに大きな影響力を行使しているかをウォッチしているNGO「Corporate Europe Observatory」についてこれまで3回に渡って紹介してきました。今回は農業関連ビジネスと食品関連産業のロビイ活動をウォッチしているニーナ・ホラントさん(Nina Holland)さんにカナダとの自由貿易協定CETAが批准され発効した場合のリスクなどについてお聞きしました。(2017/02/17)


社会
Appleを騙るメールに注意 あなたの個人情報やクレジットカード情報を奪う「フィッシング」犯罪の可能性があります Alert ! Never fill out the form of Phishing site which pretends to be Apple
ますます生活がインターネットに依存する割合が多くなっている昨今、金銭や個人情報を騙して奪うインターネット犯罪も増えています。フィッシングと呼ばれる犯罪はその代表的な手口です。巧妙に個人や企業になりすまし、それらしいサイトを作って偽メールで人をそこに誘導し、個人情報やクレジットカード情報、様々な暗証番号を記入させる手口です。最近報告されているのがAppleを騙る偽メールです。以下はフィッシング対策協議会が最近、発信した警告です。(村上良太)(2017/02/16)


欧州
欧州議会がカナダとの自由貿易協定 CETAを承認 しかしこれから欧州連合加盟国・地域の承認が必要 CETA was approved in EU parliament
トランプ大統領が就任早々、離脱を表明したのが環太平洋12か国の自由貿易協定(TPP)だったが、一方、欧州議会は15日、カナダとの自由貿易協定CETAの採決を行い408−254で協定を承認することになった。しかし、この協定には国が企業に訴えられる可能性など、様々な難点が指摘されており、これらを加盟国が批准するにはまだ何年かかかるという。BBCなどを参照した。投票はフランスのストラスブールで行われたが、外には反対の市民が多数集まったようだ。(2017/02/15)


欧州
欧州連合でのモンサントのロビイ活動についてCEOのニーナ・ホラント氏にインタビュー interview : Nina Holland "Activities of lobbyists for Monsanto in EU"
すでに2回に渡ってCorporate Europe Observatory(CEO = EUの政策の民主化を求め、企業ロビーを監視するのブリュッセルの研究・キャンペーンNGO) の金融担当者に欧州連合本部での金融ロビイ活動の実態についてインタビューを行いました。CEOは金融産業に限らず、欧州連合の政策に多大な影響を与えている幅広い分野の産業ロビイ活動をウォッチしています。今回はアグリビジネスに関してウォッチをしているニーナ・ホラント(Nina Holland)さんにお聞きします。近年、欧州連合での遺伝子組み換え作物の承認・非承認を巡るニュースが頻繁に伝えられています。その背後にも産業界のロビイ活動があるのでしょうか、ホラントさんにお聞きしました。(2017/02/15)


コラム
ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法  その2 
ニューヨークタイムズを楽しむためにはそこで出てくる単語を理解しなくてはならないですが、そうした英単語の中には学生時代に出会うことがなかった単語もあると思います。そうした単語を毎回、辞書で引くのもよいのですが、学生のように時間のある人は一定の時間に集中的なトレーニングを積むこともできると思います。(村上良太)(2017/02/14)


文化
たくましく、笑える主人公ピュ―ティアの生みの親 エルサ・ブランツさん(漫画家) Interview : Elsa Brants (dessinatrice ”Save me Pythie” )     
日本とフランスをつなぐものに、かつては浮世絵がありました。印象画の画家たちに霊感を与えたのは北斎や写楽、広重などの浮世絵でした。そして今日、日本の漫画がフランスの漫画家に新たな霊感を与えています。またフランスの優れたBD(漫画)も日本に紹介されるようになりました。今日紹介するフランスの人気漫画家、エルサ・ブランツさんも日本のアニメ―ションを見て育ったそうです。「 セイブ・ミー・ピュ―ティア(Save me Pythie) 」という漫画シリーズがヒットしており、日本でも一部紹介されました。ブランツさんにフランスの漫画事情やデビューまでの経緯などをお聞きしました。(2017/02/14)


文化
漫画家、谷口ジローの死を惜しむフランス  フランスの漫画家・イラストレーターからのメッセージ Message from France showing gratitude to cartoonist, Jiro taniguchi who passed away last week
漫画家、谷口ジローの逝去は日本だけでなく、それ以上にフランスで大きな悲しみを呼んでいます。昨日、その一端を記事で紹介しました。今日はフランスの漫画家から追悼のメッセージが寄せられましたので紹介したいと思います。寄せてくださったのはイラストレーターのフランソワ・ラヴァール(Francois Ravard)さんです。(2017/02/13)


コラム
福嶌教隆著 「気持ちが伝わるスペイン語 リアルフレーズBOOK」  スペイン語ができればアメリカのニュースも読める
研究者から出ている福嶌教隆著 「気持ちが伝わるスペイン語 リアルフレーズBOOK」(研究社)はスペイン語文法の入門編を終えた人には手にしやすい一冊です。コミュニケーションで実際にそのまま使えるフレーズが420も詰め込まれています。たとえば次のようなフレーズです。" Es un secreto a voces " (公然の秘密だよ)(2017/02/12)


文化
漫画家、谷口ジローの死を惜しむフランス でもその代表作は「遥かな町へ」と認識されていた Le dessinateur ,Jiro Taniguchi est décédé à l'âge de 69 ans. 
フランスでも今、漫画家、谷口ジローの死を悼む報道が一斉にメディアに出回っている。しかし、日本で代表作として挙げられている「孤独のグルメ」や「『坊ちゃん』の時代」とは違って、代表的作品としては”Quartier Lointain"が一斉に報じられていた。これは「遥かな町へ」という作品になる。そして、谷口ジローは当地フランスほどには日本で偉大な作家の扱いを受けていない、と指摘している報道もある。(2017/02/12)


文化
家族の肖像 フランス その5 夫はこう考えた・・・  Family portrait in France #5  Marcel Boyer "I think the best is ecologic socialism"
パリ郊外、エクアン在住のレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer) さんの家族の話を4回に分けて聞いてきました。レジャーヌさんの祖父は社会主義、父は共産主義で、レジャーヌさん自身は共産主義から社会主義に移行して今日に至っています。では同じく社会党支持者だという夫のマルセル(Marcel)さんはどのような家族の出身なのでしょうか?そして、今日、フランス社会党の凋落をどう見ているのでしょうか?(2017/02/11)


コラム
テロ等準備罪(共謀罪)の可能性
いわゆる共謀罪の本質は何といっても組織を取り締まることが本質であることだ。組織で犯罪行為が話し合われた、というだけであとは何らかの予備行為があれば犯罪の構成要件を満たすものである。この予備行為がどこまで犯罪と密接した行為を要件とするのか未だ明確ではないらしい。しかし、考えられることは仮に100人の組織があったとして、そこで共謀があったとすれば、その中の1人が予備行為をしたら、100人全員が逮捕可能になるのではないか、ということである。そして、その予備行為なるものがコンビニのATMで預金を引き出しただけでも予備になるとすれば恐ろしいことである。(村上良太)(2017/02/11)


国際
日本再建イニシアティブの船橋洋一理事長が安倍・トランプ会談を前にNYTに寄稿  安倍政権の安定ぶりを印象付ける評論
 ニューヨークタイムズ国際版の2月9日版に船橋洋一氏の意見が掲載されていました。通常はオピニオンのページにある内容ですが、今回は異例の一面トップとオピニオンのページにまたがっています。見出しは" In Japan, no angry populism "(日本には怒りに満ちたポピュリズムはない)というものです。論旨は何か、というと、Brexitの英国やトランプ大統領を生んだアメリカのような怒れる日本人の大衆は不在だ、と言っているのです。その証拠に安倍政権は常に50%の支持率を続けており、安倍首相を脅かすライバル政治家も不在だ、と。(2017/02/11)


みる・よむ・きく
里中哲彦著 「英文法の魅力〜日本人の知っておきたい105のコツ」
里中哲彦著 「英文法の魅力〜日本人の知っておきたい105のコツ」は中公新書から出ている一冊です。里中氏は著者の紹介欄を読むと、河合塾の講師や翻訳の仕事などをしてきた人です。で、この105のコツを1つ1つ読んでいくと、とても面白い。どう考えてよいのか、もやもやする表現というのが常にあるものですが、それを文法的にどう考えればよいのかを1つ1つ説明しているのです。(2017/02/11)


みる・よむ・きく
ほとんど本邦初公開の現代戯曲7作に7人の演出家と俳優たちが挑む 「海外戯曲リーディング」(調布市せんがわ劇場) 
戯曲を舞台で上演する形式とは違って戯曲を俳優たちが観客を前にして読むのがドラマリーディングです。リーディングと言っても単なる朗読と違って第一線の演出家と俳優たちが舞台を作るだけに演劇の醍醐味はたっぷり味わえます。そしてこれは少ない予算で世界の優れた戯曲を紹介するには最も優れた方法でもあるのです。今回調布市せんがわ劇場で上演される今回の「海外戯曲リーディング」は世界7か国からほとんどが本邦未公開の作品7本をセレクトしたものです。それらに取り組む演出家と俳優たちも個性に富む実力派ぞろいです。上演は2月9日(木)から19日(日)まで。(2017/02/10)


欧州
英Brexit国民投票の裏に英政府=シティ金融勢力の欧州連合「改革」の野望があった  Corporate Europe Observatory  Kenneth Haar (ケネス・ハー) #2
将来、欧州連合は崩壊するのか。危機のはずみとなったのが昨年英国で行われたBrexit(英国の欧州連合離脱)国民投票でした。欧州連合本部に食い込む英国シティの金融ロビイストの活動を8年以上に渡ってウォッチしてきたCorporate Europe ObservatoryのKenneth Haar(ケネス・ハー)氏は驚くべき示唆を私たちに与えてくれました。キャメロン前首相が言い出した国民投票は欧州連合を改革するための交渉材料だったのではないか、という可能性です。キャメロン首相は英国の希望通りに欧州連合を改革しないと、英国は欧州連合から離脱する可能性があると言って、欧州連合から大きな政治的譲歩を引き出していたということなのです。(村上良太)(2017/02/09)


文化
パレスチナの占領下を生きるための演劇 俳優、ムハンマド・ティティ さんに聞く Mohammed Titi (actor , "Yes Theatre " in Hebron)  "Theater changed a lot of my personality, I became more optimistic." 
パレスチナのヨルダン川西岸地区の最大の都市、ヘブロン。人口21万人のこの町に2008年、1つの劇団が生まれました。名前は「Yes Theatre」(イエスシアター)。劇場は手作りで、住民の大半は演劇体験がなかったそうです。ヘブロンにはユダヤ教徒が今も入植しており、その警備のためイスラエル軍の兵士が銃を手に住民の監視と検問を行っています。こうした緊張とストレスにさらされた状況に生きる少年少女に自己表現の道を拓き、演劇を通して状況を客観的に見つめ、自己の生き方を深く考えさせる演劇活動を地道に行ってきたのがイエスシアターです。その舞台は海外の演劇祭で賞を受けるなど、クオリティの高さも評価されています。(村上良太)(2017/02/08)


教育
地域の子供に無料の作文教育を 子供の教育を変えたサンフランシスコの ”826 Valencia” , One-on-one tutoring can help students make great leaps in their writing skills and confidence.
アメリカのサンフランシスコに"826 Valencia"という名前の寺子屋があります。変わった名前と思われるかもしれませんが、これは住所を名前に採用したわけです。住所がわかりやすいですね。ここではボランティアの教え手が6歳から18歳までの子供たちに放課後、無料で教育をしています。教えているのは作文だけ。子供たちにモノを書くコツを教えて、書く喜びを知ってもらおうというのです。教え子たちが書いた本も販売されています。2002年にこの826 Valenciaが設立された当初はボランティアの方が子供より多かったそうです。しかし、その後どんどん子供が集まり、今ではなんと年間の生徒数が6000人を越え、ボランティアも1700人に上るそうです。(村上良太)(2017/02/08)


欧州
ナショナリズムの台頭の真の原因は欧州連合本部にある ロビイ活動を監視するCorporate Europe Observatoryの ケネス・ハー氏 Kenneth Haar
 欧州でナショナリストが勢力を伸ばし、難民排斥の声が叫ばれている昨今、欧州の真の問題はそこにはないと説く人がいます。Corporate Europe ObservatoryというNGOのKenneth Haar(ケネス・ハー)氏です。ハー氏が所属するこの組織の拠点はブリュッセルにあります。Corporate Europe Observatoryというのは聞きなれない名前ですが、市民の利益のために活動しているNGOです。欧州連合本部が企業のロビイ活動に侵食されて、市民の利益よりも大企業の利益のためにルール作りがなされている、というのです。(村上良太)(2017/02/07)


みる・よむ・きく
池上嘉彦著 「<英文法>を考える」 
最近、英文法づいています。夏に高校生向けの英文法の参考書を10冊ぐらい、ブックオフで買い込んでざっと読んでみまして、10冊も読んでいたら意外と項目は限られているな〜と思ったんです。だんだんまたか・・・という感じですね、ネタが尽きてくるんです。でも、最近偶然手にした池上嘉彦著「<英文法>を考える」は既存の英文法の型を疑っている本で、「そうだそうだ・・」と今まで五文型などでひっかかってきた疑問点を実に鋭く追及しているではありませんか。(2017/02/05)


文化
アルザス地方の歴史ロマンシリーズの漫画作家 アンヌ・トイフさんに聞く Interview : Anne Teuf (dessinatrice , auteur de " Finnele" )
欧州でもフランスやベルギーを中心にした漫画文化圏があります。そこでは日本の漫画も広く読まれています。と同時に欧州の歴史や文化、美術を反映した物語が実にたくさん作り出されていて、日本に紹介されているのはほんの大海の一滴に過ぎません。まだまだ日本では未知の優れた作品があり、未知の作家もたくさん存在します。それらの作品群の中には日本では未だあまり知られていない欧州各地の人々のリアルな歴史や意識が刻印されたものもあります。今回、インタビューしたアンヌ・トイフ氏は長年、イラストレーターとして生きてきた女性漫画家ですが、最近、アルザス地方を舞台にした歴史ロマン「Finnele」を連作しています。(2017/02/05)


国際
トランプ大統領の「入国禁止令」を米メディアはどう伝えたか  
トランプ大統領が1月27日に出したムスリムが大勢を占める7か国に対する入国を一時禁止する大統領令、これをアメリカメディアがどう報じたか。MSNBCのキャスター,レイチェル・マドー(Rachel Maddow)はまず指定された7か国が過去に米国に対してテロ活動をした国なのか?という基本的な認識から、検証を行った。マドウはあの9・11同時多発テロのテロリスト19人の出身国をフリップで示した。(2017/02/05)


国際
米国、ビザ保持者は入国可能に 西海岸、ワシントン州の連邦裁判所判事が大統領令を覆す 国務省がそれに続く
トランプ大統領のムスリムが多数を占める7か国の市民に対する一時入国禁止令に対して2月3日金曜、国務省は入国ビザを保有している人々は入国可能である、というメッセージを出した。最初の大統領令から1週間後に当たり、その間、対象となって足止めを食った人は推定で最大6万人に上ると国務省担当官は発表したという。(2017/02/05)


国際
トランプ政権とウォール街  大統領令でオバマ時代の金融規制法ドッド・フランク法(2010年)の見直しを指示  政権の経済アドバイザーはゴールドマンサックスの元重役
ドナルド・トランプ氏は去年の大統領選の候補者時代にヒラリー・クリントン候補を金融業界から多額の資金を提供されていると批判していた。そうした批判がエリートにうんざりしていた庶民の喝采を浴びた。トランプ候補は自分は自分の金で選挙戦を戦っているがゆえに、ヒラリー・クリントン候補のように既存の業界に縛られていないと言っていたものだった。しかし、大統領になってムスリム入国禁止令に続いて出された大統領令がドッド・フランク法の見直し命令だった。(2017/02/04)


コラム
ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法  毎日の小さな”投資” 村上良太
 「ニューヨークタイムズを10倍楽しく読む方法」。なんという大仰なタイトルだろう。それはともかく、ニューヨークタイムズは腐っても鯛、西側世界の新聞の中心的な位置を戦後一貫して担ってきた媒体であることは間違いない。しかし、その新聞を日本人が十分に活用できていないと思えるのが残念だ。ソーシャルメディアで時々、ニューヨークタイムズでこんな記事がある・・という情報がチラホラ出回っているけれど、僕の見るところ多くの人は直接英文の記事を読んでいない。誰かが要約したものを拡散しているだけだ。自分で記事をセレクトしたり、記事を自分で直に読んだ時のダイレクトなインパクトはそこにはないのだから(2017/02/04)


みる・よむ・きく
ラティノ 対 トランプ  ものものしい雰囲気だが軽くもある短編戦闘映画
メキシカンとトランプ大統領の「戦争」を風刺した短編映画。描かれるメキシカンたちの怒りはとてもビジュアルだ。(2017/02/03)


みる・よむ・きく
手塚治虫著 「マンガの描き方  〜似顔絵から長編まで〜 」
マンガの巨匠である手塚治虫が書き下ろした「マンガの描き方」という本を筆者が初めて手にしたのは小学校の5〜6年生の頃だった。この本には一冊の中に漫画を描く道具や起承転結を基本としたストーリーの作り方、絵を描くコツ、遠近法の基礎などの基本情報がつまっていた。そして、本書ならではの特徴は漫画家を目指す人だけでなく、親や教師などの生活者も漫画を描くことでコミュニケーションに役立てることができる、と訴えていたことだった。(2017/02/03)


国際
南シナ海での中米戦争は起こるか?
ニューヨークタイムズは通常の2倍の長さの社説「バノンが大統領か?」(President Bannon?) でトランプ政権のチーフストラテジスト(首席戦略官)のスティーブン・バノンが国家安全保障会議(NSC)の "principals' committee "(直訳すれば最も重要な委員会)のメンバーに抜擢されたことを批判した。その意味はホワイトハウスという大統領直属の人間、つまり政治の側の人間が、国家安全保障会議という政治から離れて中立の立場で安全保障を管轄するべき組織の中枢に据えられたことで、そこに否応なしに政治色が加わってしまうのではないか、という危惧である。(2017/02/03)


国際
トランプ大統領の大統領令とは?  アメリカでの報道から 「テロ対策」なら 指定国になぜ9・11の首謀者オサマ・ビン・ラディンを生んだサウジアラビアは含まれていないのか? 
 トランプ大統領令で入国を一時的に厳しく制限されている国は7か国で、イスラム教徒が多数を占める国であることから「ムスリム禁止令」とも揶揄されています。ただ、大統領令はイスラム教徒の入国禁止令ではなく、テロリストの入国を認めないための命令であり、軸は危険性であるとしています。入国を一時的に制限されている国はイラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンですが、この中になぜサウジアラビアがないのか、と思う人もいるのではないでしょうか。(2017/02/01)


国際
トランプ大統領のムスリム入国禁止令に市民団体ACLUらが訴訟  <大統領令は米憲法・修正第五条と移民法に抵触している>
 アメリカの市民権擁護団体ACLU(American Civil Liverties Union)はそのホームページで他の組織とともに、7か国を対象としたいわゆるムスリム入国禁止令を大統領令として出したトランプ大統領に大使て訴訟を行ったことを発表した。原告の一人がHameed Darweesh氏でイラク人。妻と3人の子供を持つ。イラクで米軍の仕事を行っていたことで命が危なくなっているため渡米しようとしていた。もう一人の原告も米国との関係によって地元で危険が生じているとされる。(2017/02/01)


国際
トランプ大統領令 ある留学生のNY空港での体験 「デモクラシー・ナウ!」が留学生にインタビュー   Donald Trump’s executive order
イスラム教徒が多数を占める7つの国からの入国を一時止めるトランプ大統領の大統領令。これでNYの空港で不快な体験をしたスーダンからの留学生が「デモクラシー・ナウ!」で語っている。番組によると、彼女はスタンフォード大学で人類学の博士課程に在籍。大統領令の発令前はスーダンにおり、大統領令について知って大統領令が実行される前に米国に入国しようとしたものの飛行機の接続がうまくいかず、入国した時はすでに発令後だった。(2017/02/01)


コラム
フランス人の辞書  日本人も使える、よい仏仏辞書についてフランス人に問う
文法書をのぞくと、語学の習得に一番欠かせないものは何語であれ、よい辞書に他なりません。そして、辞書はただ単に必要ができた時にひく、という使い方だけでなく、小説やエッセイを普段娯楽的に読むのと同様に、辞書も読んで未知の言葉を覚える、あるいは知っていた言葉について別の意外な意味を発見する、新しい使い方を覚える・・・というそれ自体が一種の娯楽にもなりうるものであると思います。言葉について学ぶ、ということ自体が娯楽になりうるからです。辞書にはその言葉を話す人々の歴史や文化、伝統、思想、エスプリが詰まっています。(村上良太)(2017/01/31)


みる・よむ・きく
リチャード・フロリダ著 「グレート・リセット」  アメリカの都市再生論 大不況の時代の中でこそ次代への飛躍が行われてきた・・・ ”The Great Reset " written by Richard Florida
アメリカの刺激的な都市再生論である。2008年のリーマンショックで大不況に陥ったアメリカだが、過去の1930年代の大不況の時代でも、1870年代の大不況の時代でも、実はこういう時にこそ、社会を変える大きな変革が行われ、次代を作ってきた、というのだ。つまり、大不況になると人々は何とかしようともがき、ある人たちは都市を移動することによって産業の重心も変わり、都市も変わっていく・・・今回のリセットは30年代の大恐慌の時よりはるかに大きな変化となる可能性があるという。本書は7年前の2010年に書かれたから、その後、本書で萌芽を描いていた社会現象はどうなったのだろうか。(村上良太)(2017/01/30)


コラム
情報の統制と価格の統制  社会主義経済と”戦時下”の経済  そして <資本主義の危機  国家を財布代わりに利用する企業>
  1991年にソ連が崩壊し、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群に比べて生産性の点で大きく劣っていることがそれ以後は常識となりました。しかし、いったいどこがまずかったのでしょうか?グローバル経済の推進者である経済学者の伊藤元重氏は「入門 経済学」の中で、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群の経済運営に劣っていた大きな理由として価格統制を指摘しています。 1、価格という情報 伊藤教授によると、市場経済においてはモノの価格は社会の実態を反映した「情報」です。そこには需要と供給が如実に反映されていて、その均衡する点で価格が決定されるからです。だから、津々浦々各地でどれだけのモノが必要とされているか、という実態がモノの価格に反映されます。イカが不足していればイカの価格が高騰します。(村上良太)(2017/01/29)


社会
昨年フランスを揺さぶった異議申し立て運動「立ち上がる夜」と難民支援運動についてアリーヌ・パイエさんに聞く Interview : Aline Pailler "sur Nuitdebout " 
今、厳寒のパリで難民支援活動「紅茶と珈琲を難民へ」を行っている放送ジャーナリストのアリーヌ・パイエさんは、昨年、共和国広場から始まり全国に広がった「立ち上がる夜」(Nuitdebout ニュイ・ドゥブ)という、広場で行われる市民討論に毎日足を運んでいました。「立ち上がる夜」は社会階層や学歴、職業などに関せず、参加者は自由かつ公平に自分の意見を述べることができる場でした。このような広場が生まれた背景にはテレビや新聞・雑誌などに自分の声が反映されていない、社会のリアルな姿や問題がきちんと伝えられていないといった思いを多くの市民が共有していたからでした。そしてまたインターネットでも単純に賛否両論で別れるだけで、討論の機会もない・・・そんな閉塞感があったと言われます。(2017/01/28)


経済
ジャネット・イエレンFRB議長の政策金利の見通し演説  1月18日 於サンフランシスコ Janet L. Yellen ”The Goals of Monetary Policy and How We Pursue Them”
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長が今後の政策金利の見通しについて1月18日にサンフランシスコで声明を出しました。いわゆるFF金利と呼ばれているものです。2008年のリーマンショックの前あたりは政策金利は5%前後でしたが、2008年の金融バブル崩壊以後は景気回復を目指して、0.25%という超低金利に据え置かれていました。しかし、いつまでも超低金利を続けていくこともできず、2015年12月に0.5%に上げ、以後はそのまま継続しています。昨年の秋ごろ、さらなる利上げの観測もありましたが、結果的にイエレン議長はまだ景気回復に多少の不安があるとみて、利上げを見送ったのが記憶に新しいと思います。(村上良太)(2017/01/27)


みる・よむ・きく
ノーラ・エフロン著 「首のたるみが気になるの」 (阿川佐和子訳) Nora Ephron's " I feel bad about my neck and other thoughts about being a woman " (2006)
アメリカの人気映画監督だったノーラ・エフロンが晩年に書いた「首のたるみが気になるの」が日本で翻訳されて世に出たのは2013年のことだった。エフロン氏は脚本家として「恋人たちの予感」、映画監督として「ユーガット・メール」などのラブコメと呼ばれる一連のヒット作を世に出し、アメリカの女性の映画監督の先駆けの一人となった。本書「首のたるみがきになるの」は老いについて、女性が自分の身辺のリアルな実情をため息まじりに書き綴ったもので、そこには彼女の回想も混じっている。基本姿勢としては諦観であり、老いに対して逆らうことができない、ということを認め、そうした自分をあえて隠さず書いている。(2017/01/26)


文化
家族の肖像 フランス その4  社会主義者の娘シャルロット Family portrait in France #4  Daughter of socialists, Charlotte
 パリ近郊の町に住むレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんの半生とその祖父と父の人生模様の一端をこれまで見てきました。ボワイエさんの祖父は社会主義者、父は共産主義者、そしてボワイエさんは最初は父の影響で共産主義者でしたが、のちに社会主義者に転じています。今回はボワイエさんの娘、シャルロットさんについてです。現在、30代半ばのシャルロットさんはやはり社会主義者なのでしょうか?また、どのような仕事について、どのように現代生活を送っているのでしょうか?(村上良太)(2017/01/25)


みる・よむ・きく
黒田龍之助著 「ロシア語の余白」(現代書館)
この30年ほどの間に日本におけるロシア語の学習者はかなり減ったのではないでしょうか。統計を調べたわけではありませんが、冷戦終結前はロシア(ソ連)はアメリカと世界を二分するくらいの影響力を持っており、その言語を学ぶことは鉄のカーテンの向こう側の人々にとっては出世のためでもあり、無視できない言語であっただけではなく、日本でも多くの人がロシア語を勉強していました。(2017/01/24)


文化
ホームレスの人々に焦点を合わせる写真家 マルク・メルキ氏に聞く Interview : Marc Melki ,who is focusing on "SDF "
パリにはホームレスが近年増えています。フランスではSDFと略称されていますが、これは”sans domicile fixe”=「定まった住居を持たない」という言葉から来ています。こうした困難な状況の人々に焦点を当てている写真家がマルク・メルキ氏です。メルキ氏は様々なトピックを扱う写真家で、フランスのマスメディアに作品を提供しているプロの写真家です・2012年にはフランソワ・オランド政権の誕生の瞬間を撮影した一連の写真もあります。メルキさんが今のフランス社会や政治をどのように見ているのか、インタビューしました。(村上良太)(2017/01/24)


みる・よむ・きく
イマニュエル・ウォーラーステイン著 「史的システムとしての資本主義」(川北稔訳)  〜半労働者と大富豪〜
世界システム論というのは学生だった80年代に講義を多少受けた記憶があり、テキストはカール・ポランニーの「大転換」という本でした。それはそれで面白かったのですが、不勉強もあって世界システム論の全貌はよくわからないまま卒業してしまって今日に至っています。偶然、最近用事が会って吉祥寺を訪ねた時に駅前の古書店の棚にこの本「史的システムとしての資本主義」がありました。手に取って見たら、どうしても読みたくなって買ってしまいました。世界システム論の大家がウォーラーステインです。なんとなく今までもやもやしていたものがはっきりするのでしょうか。(2017/01/22)


文化
ベートーヴェンの交響曲第七番をルンバで演奏したピアニスト、ヨアキム・ホースレイ氏にインタビュー 「ハバナのベートーヴェン」はどうやって生まれたのか? Interview : Joachim Horsley ,who plays "Beethoven in Havana "
ベートーヴェンの交響曲第七番をキューバのルンバ形式で演奏しているピアニストがいます。今、世界で注目され始めているヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)氏です。この演奏の驚異的なところはピアノの使い方が革命的であり、ピアノをピアノとしてだけでなく、打楽器としてピアノの鍵盤以外の胴体の部分を含めてフル活用していることにあります。いったいそのような演奏スタイルをどうやって作り出したのでしょうか?ヨアキム・ホースレイ氏の人となりは?そのあたりをお聞きしました。(2017/01/21)


文化
「イラストレーター、ルル・ピカソ (Loulou Picasso) との出会い」 日比野克彦 ( 現代美術家、東京芸術大学教授)氏に聞く Katsuhiko HIBINO " My memory of joint exhibition with Loulou Picasso in Tokyo and Paris "
 パリの鬼才として知られるイラストレーターのルル・ピカソ(Loulou Picasso) 氏に日刊ベリタで2か月前にインタビューを行いました。ルル・ピカソ氏は1970年代半ばにパリの芸術大学に入学後、すぐにイラストレーターとして世に出ることになります。それまでの画学生とは違って、画廊での発表ではなく、新聞や雑誌といったマスメディアを自らのカンバスとして確信犯的にメディアをハイジャックしたと言っています。ルル・ピカソ氏の特色はモノクロームの色彩を自在に使いこなすことにありました。この2か月前のインタビューでルル・ピカソ氏が東京で日本の個性的な芸術家である日比野克彦氏と共同で1991年に展覧会を開いたことがわかり、日比野克彦氏に個展の経緯などを今回独自にインタビューしました。(2017/01/20)


文化
批判精神に富むフランスのニューウェーブ歌手、オリビエ・エベール氏に聞く Interview : Olivier Hebert
フランスの歌手、オリビエ・エベール(Olivier Hebert)氏は前回、ベリタでも紹介しましたが、風刺漫画家のジャン=フィリップ・ミュゾー(Jean-philippe Muzo )とサルコジ大統領を風刺する歌のビデオクリップを作ったアーチストです。歌手のエベール氏は1970年代末の高校生の時にトゥールーズで「レ・フィスドジョワ」(Les Fils de Joie)というバンドを結成して見事、メジャーデビューを果たしています。フランスのニューウェーブとして注目されました。その後も音楽活動を続けていますが、風刺ソングにも象徴されるように強いメッセージを持ち、歌であると同時に小説のような反抗精神に富む物語性を持っています。こうしたエベールさんの音楽がどのように作られてきたのかお聞きしました。(村上良太)(2017/01/20)


コラム
映画における男女の非対称性  after 50
長年、フランスと言えば日本の少女礼賛趣味と異なり、成熟した大人の女性を尊重する文化だと思ってきました。僕が勝手にそう思い込んだわけではなくて、先人たちが雑誌や本などで時に応じてそのようなことを書いてきたのを読んでいたのです。たとえば、フランスではワインと同じように熟成した女性を好む、とか。実際に、映画の世界ではカトリーヌ・ドヌーブや、ナタリー・バイ、イザベル・ユペールと言った年配の女性たちが今日も主役をはり、恋や冒険の人生をスクリーンに披露しています。ところが、フランスでは50歳から65歳までの女優が映画でもテレビでも出演する機会が非常に少ない、と俳優の組合AAFAから抗議の声が上がっています。(村上良太)(2017/01/19)


人権/反差別/司法
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメ氏に聞く Intreview : Marina Tomé  (l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)
1月6日にパリで「50歳以上の女性たちの奇妙で不思議な運命」と題するシンポジウムが開かれました。フランスで50歳以上の女性が映画やTVなどに登場する機会が不自然に少ないことに抗議の声を上げるものでした。そして、その原因や対策を俳優だけでなく、社会学者など多彩な識者とともに議論したのです。シンポジウムを主催したのはAAFA(フランスの俳優組合)の「50歳の女優のトンネル」委員会です。グループのリーダーは女優のマリーナ・トメさん。セドリック・クラピッシュ監督の作品に多数出演しているほか、今年2月にフランスで封切られる予定のマニュエル・サンチェス監督の”La Dormeuse Duval”では俳優のドミニク・ピニョン氏と共演しています。(2017/01/19)


人権/反差別/司法
共謀罪法案の核心は逮捕の要件を危険性の有無(現実の危険性)から動機の有無(主観)の方に刑法の重心を移すことではなかろうか
 今年の通常国会に政府がまた共謀罪法案を提出する見込みだと報じられています。昨日の海渡雄一弁護士の寄稿にもありましたが、共謀罪法案の大きな問題点は逮捕の要件がこれまでよりも大幅に現実の危険性の有無から、犯罪を行おうとする主観の有無へと重心を移していくことだと私は考えます。これは刑法の大きな転換点になりえる危険性を孕んでいると思います。海渡弁護士「『新法案』では、冒頭で述べたように、準備行為を処罰条件とした。しかし、預金を下ろしたり、メールを送っても準備と言われかねない。十分に限定されたと見ることはできない。・・・」(村上良太)(2017/01/18)


文化
「僕はどうやってバカになったか」(2001) の著者、マルタン・パージュ氏に「その後」を聞く  Interview : Martin Page ( romancier "Comment je suis devenu stupide " )
大学で何にでも知的好奇心を寄せるがゆえに出世コースにも乗れず、非常勤講師をしながら孤独で不安定な生活をしていた25歳の若者が、ある日、こうした生活にけりをつけ、変身しようと決意する。そして飛び込んだのがヘッジファンドの世界だった・・・対照的な2つの世界を渡った若者の心情と冒険を描いた小説「僕はどうやってバカになったか」は2001年に出版されるや、フランスを始め、世界各地でヒットしました。(村上良太)(2017/01/17)


人権/反差別/司法
パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議会議員 〜私はなぜ今年は投票しないか〜 Interview : Aline Pailler #2  
 パリで今、難民支援運動を行っているアリーヌ・パイエ(Aline Pailler) さんに前回はその運動を始めた経緯や理由などをお聞きしました。その時のインタビューで1つだけ、ひっかかったことが私にはありました。それは今年の選挙(大統領選と下院議員選挙が予定されている)ではもう投票しない、とパイエさんが答えたことでした。難民に対する政策は政党や候補者によって違いがあると思いますが、なぜ投票するのをやめたと語ったのでしょうか?そうした場合に極右政党の国民戦線が勝つ可能性はないのでしょうか?そのあたり、元欧州議会議員でもある放送ジャーナリストのアリーヌ・パイエさんにさらにお聞きしました。(2017/01/16)


人権/反差別/司法
パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議会議員 Interview : Aline Pailler ( Journaliste , ex- députée européenne)
パリ市内北東部にあるスターリングラード駅前で毎週木曜日に難民たちに暖かい飲み物や食料、生活用品を支援している人々がいます。その難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げたアリーヌ・パイエ(Aline Pailler)さんにインタビューしました。パイエさんはフランスで著名な放送ジャーナリストで、欧州議会議員として活躍していた時期もあります。今、なぜこの運動を起こしたのかその理由や今のフランスの政治などについてお聞きしました。(2017/01/16)


みる・よむ・きく
マルタン・パージュ作 「僕はどうやってバカになったか」 Martin Page "Comment je suis devenu stupide " フランス版バブル時代の青春の書
フランスの作家、マルタン・パージュの出世作が「僕はどうやってバカになったか」という人を食ったタイトルの小説だ。これは大学で非常勤講師をしている知的好奇心に囚われた25歳の若者が生活を変えようとして試行錯誤を始める小説である。何ゆえに生活スタイルを変えようと決意したかと言えば、まずは生活が困窮している上に、通俗的な社会生活からはみ出してしまう、ということにあった。「アントワーヌには、あまり友達がいなかった。ひじょうに寛容で物わかりがよすぎたことから社会に適応できず、辛い思いをしていたのである。彼の趣味は何物も排除せず、雑多だったので、嫌いなものを共有するということで成り立つ派閥から締め出されていた。・・・」(2017/01/15)


米国
大学と読書  カリフォルニアの光
日本に比べると信じられないくらい広々としたキャンパスです。カリフォルニアの夏の日差しがまぶしいくらいに注いでいました。夏休みなのでキャンパスにあまり学生の姿は多くはありませんでした。土産にとキャンパスのショップでTシャツを買いました。そのTシャツは30年後の今でも着ることができるものですが、特色のある絵が描かれていまして、本が真ん中に描かれています。その下に”LET THERE BE LIGHT"という言葉が記されています。「レット・ゼア・ビー・ライト」=そこに光をあらしめよ。(村上良太)(2017/01/14)


人権/反差別/司法
パリの難民支援の輪  「紅茶と珈琲を難民に」(Thé et Café pour les réfugiés ) その2  衛生用品、パン、生きるための諸情報
パリのメトロ駅「スターリングラード」前で毎週木曜日の夕方に行われている難民支援活動「紅茶と珈琲を難民に」。パリからレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんによる二回目のレポートです。「・・ボランティアは自治体のシャワーの場所、法的支援が得られる組織、フランス語の勉強ができる講座、医療施設などが書き込まれた資料を難民に配っています。・・」(2017/01/13)


人権/反差別/司法
パリで難民に食料を支援する市民の運動 「紅茶と珈琲を難民に」 Thé et Café pour les réfugiés
今、ドイツを始め、欧州連合各地でムスリムの難民に対する警戒心が強まり、排外主義勢力も力を増しています。しかし、その一方で市民による難民支援運動も続けられています。ここで紹介するのはパリで今、行われている1つの支援運動です。以下のレポートはフランス人のレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんによるものです。レジャーヌさんによると、パリのメトロのジョレス駅近く(パリ市内北東部)で「紅茶と珈琲を難民に」(The et Cafe pour les refugies)と称する運動が起きているそうです。(村上良太 Rejane Boyer)(2017/01/13)


コラム
学歴社会の大切さ   村上良太
学歴社会がなぜ大切か、というと、学歴社会であればいわゆる一流企業とか一流大学などの組織は一流大学出の無傷な若者ばかりを採用します。それがなぜよいのか、というと中小零細企業の視点に立てば学歴はイマイチでも真に素質のある若者を獲得できるチャンスなのです。中小零細企業主たちにとって本当に怖いのは大企業が学歴などにこだわらず真に力のある若者を採用し始めることです。(2017/01/12)


文化
新作小説「私はダンスをしていた」(”Je dansais”) 〜女性を閉じ込める男性の眼差しについて〜 作家キャロル・ザルバーグ Carole Zalberg on her latest novel.
フランスで活躍中の作家キャロル・ザルバーグ(Carole Zalberg)氏の新作小説が発売されました。タイトルは「私はダンスをしていた」(Je dansais )で出版社はグラセット(grasset)です。今回の小説はザルバーグさんにとって1つのチャレンジだったようです。どういう小説なのか、またどういった点でこの小説がチャレンジだったのかザルバーグさんにお聞きしました。(村上良太)(2017/01/12)


米国
英語の料理教室 ニューオリンズのクレオール料理を得意とするシェフ、エメリル・ラガス(Emeril Lagasse)
どうせ外国料理の勉強をするなら、語学も合わせてできると理想的ですね。料理文化の数だけ料理番組のインターネット映像サイトも増えていて、もちろん英語のネット番組も百花繚乱です。ただ英語圏というと、一般に料理はまずい、という常識があります。しかし、今回ここで紹介するアメリカのシェフ、エメリル・ラガスが得意としている料理は南部の都市、ニューオリンズの伝統料理をベースにしたものです。(2017/01/09)


文化
シャルリエブド襲撃事件から2年 風刺画に詳しいイタリア人の映画監督が事務所を訪ねてインタビュー   フランチェスコ・マッツァ( Francesco Mazza , regista, Italian film director )
世界を震撼させたパリの風刺メディア、シャルリエブドがイスラム聖戦主義者の2人組に襲撃されてから今年の1月7日でまる2年になります。イタリア人の映画監督、フランチェスコ・マッツァ氏は風刺番組に長年携わった経験から、風刺文化を理解することの大切さを訴えてきました。風刺画はジャーナリズム